RFIDタグおよびRFIDタグ実装構造ならびにRFIDタグ実装製品
【課題】製品に実装し易く、また確実に実装可能なRFIDタグおよびその実装構造ならびにRFIDタグ実装製品を提供すること、特に自動車用エアフィルタエレメントの発泡ウレタンのエンドプレート部分に設けた溝部に実装し易い、また、より確実に実装できるRFIDタグ技術を提供すること。
【解決手段】本発明のRFIDタグ0101は、中心部のRFIDインレット0102の上下を2枚の弾性体シート(0103(下側)および0104(上側))で挟んだ構成を有する。それらは柔軟性に優れたゴム系接着剤により貼り合わせてある。上側ゴムシート0104(下側ゴムシート0103でも可)はその側面を複数本(2本〜数本:図では5本)のスパイクピン0105が貫通しており、製品の溝(例えば、エアフィルタエレメントのシール部のリング状溝)に容易に確実に取り付けることができるようになっている。
【解決手段】本発明のRFIDタグ0101は、中心部のRFIDインレット0102の上下を2枚の弾性体シート(0103(下側)および0104(上側))で挟んだ構成を有する。それらは柔軟性に優れたゴム系接着剤により貼り合わせてある。上側ゴムシート0104(下側ゴムシート0103でも可)はその側面を複数本(2本〜数本:図では5本)のスパイクピン0105が貫通しており、製品の溝(例えば、エアフィルタエレメントのシール部のリング状溝)に容易に確実に取り付けることができるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification;無線周波数の電磁波を用いた非接触個別識別技術)タグおよび各種製品にRFIDタグを実装するためのRFIDタグ実装構造、ならびに該RFIDタグを実装したRFIDタグ実装製品に関するものである。
【0002】
本発明に係るRFIDタグは、例えばフィルタエレメント製品などに実装する場合に好適で、その場合、フィルタエレメントが完成した後に、RFIDタグを該フィルタエレメントの筐体部へ取り付け、該RFIDタグからの情報を高精度で読み取ることによって製品のトレース管理を行うことを可能としたものである。
【背景技術】
【0003】
一般にRFIDタグは、集積回路にIDコードもしくはそれと同等な識別情報(以下、単に識別情報という)およびその他の情報などを内蔵し、外部の通信装置に対して、送信、または送信と受信を行う(以下、送受信と呼ぶ)ことで、前記識別情報などを送出するものである。このRFIDタグの用途の一つとしては、製品のトレースシステムが知られており、このトレースシステムは、例えば製造工程または流通過程の必要時にRFIDタグと外部の通信装置が交信し、RFIDタグから得られたIDコード/日時データ/交信場所などの情報からRFIDタグが実装されている製品の製造履歴や流通履歴を追跡し、管理するものである。
【0004】
特に自動車部品の分野においては、製造工程での品質管理、流通過程での真贋判定、メンテナンス時の誤部品取り付け防止、市場での不良発生時のフィードバック、部品リサイクル履歴の管理など、前記トレースシステムを用いた製品の履歴を個別に管理することが望まれている。
【0005】
製品(部品を含む)の品質や流通を管理するためにRFIDタグを用いた発明としては、例えば、特開2005−242659号公報(特許文献1)、特開2001−132002号公報(特許文献2)、特開2006−3497号公報(特許文献3)、特開2005−172153号公報(特許文献4)などに開示されたものがある。以下、各公開公報に開示された発明の内容について記す。
【0006】
特開2005−242659号公報(特許文献1)には、自動車部品の一種であるタイヤホイールにRFIDタグを取り付ける場合の発明が開示されている。金属材料で構成されるタイヤホイールでは、金属部分の影響を避けてRFIDタグを取り付けることが重要であるが、ここに開示されている発明では、金属部分に凹部を設け、この凹部にRFIDタグを埋め込む構成を採用し、その下地に高透磁率磁性体を配置してRFIDタグを接着剤で固定することで、この問題に対処している。
【0007】
また、特開2001−132002号公報(特許文献2)には、金属材料で構成されるマンホールの蓋を対象として、工場でのマンホール蓋の製造後に後付でRFIDタグを取り付ける発明が開示されている。この発明では、十分な厚みを持つマンホールをドリルにより貫通穴を形成し、そこに接着剤や硬化材を十分な厚みをもって充填し、前記金属材料の影響を避けるようにしている。
【0008】
さらに、上記特開2006−3497号公報(特許文献3)には、金属部品に取り付けた状態でのRFIDタグの感度を低下させないための発明が開示されている。この発明では、製品からRFIDタグ部分を離間して(突出させて)取り付けるためのラベル技術が記載されている。
【0009】
さらに、上記特開2005−172153号公報(特許文献4)には、主として金属材料で構成されるベアリング製品にRFIDタグを取り付ける際、金属材料による交信性能への影響を避けるため、前記製品中の非金属材料部分へ取り付ける発明が開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2005−242659号公報
【特許文献2】特開2001−132002号公報
【特許文献3】特開2006−3497号公報
【特許文献4】特開2005−172153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
大型自動車用エアフィルタエレメント(以下、エアフィルタエレメントという)は、円筒形状の多数の通気口が開けられた筒状補強体の内部に、前記筒状補強体と同心の概略円筒形状の濾過体を収納し、筒状補強体の端部を発泡ウレタン樹脂にて閉塞したものである。筒状補強体の両端部の内、一方は完全に密閉し(密閉端)、もう一方は筒状補強体〜濾過体間を密閉、濾過体の内側は開放する(開放端)(後述する図3、図4参照)。
【0012】
これにより、筒状補強体の通気口から吸入された空気は、濾過体により濾過され、濾過体円筒の内側から排気される。さらに、エアフィルタエレメントは、エアフィルタのケーシングに収納され、前記吸気が車外から取り込まれてくる配管と、前記排気がエンジン部へ導かれる配管とが取り付けられる。
【0013】
RFIDタグの取り付けを前記紙フィルタの内部にすると、万が一、部品の脱落が発生した場合、その部品がエンジンに取り込まれて重大な損傷を与える危険性があるため、RFIDタグの取り付けは、濾過体の外部に限定される。さらに、濾過体はエンジン吸気で引き起こされる脈動により激しく振動しているため、RFIDタグの取り付けには適していない。
【0014】
前記筒状補強体へRFIDタグを取り付ける場合には、筒状補強体を構成する金属材料からの、無線交信に対する悪影響を避けるための工夫が必要となる。
【0015】
上述した特開2005−242659号公報(特許文献1)に記載の発明では、金属材料からの悪影響を避けるため、RFIDタグの下地に高透磁率磁性体を配置しているが、金属材料が薄板で構成されたエアフィルタエレメントでは、取り付け空間に余裕がなく、特殊な下地部品なしで金属部分の影響を避ける工夫が求められていた。また、エアフィルタエレメントの非金属部分には、成型の際に用いられた離型剤が付着しており、接着剤をRFIDタグの固定に用いることができないという問題点があった。
【0016】
また上記特開2001−132002号公報(特許文献2)には、金属材料で構成されるマンホールの蓋を対象として、該マンホール蓋の製造後に後付でRFIDタグを取り付ける発明が記載されているが、この発明では十分な金属材料の厚みが必要であり、金属材料が薄板で構成される本発明の如きエアフィルタエレメントへは適用できなかった。
【0017】
また上記特開2006−3497号公報(特許文献3)には、RFIDタグ部分を離間して(突出させて)取り付けるための発明が記載されているが、エアフィルタエレメント外部がケーシングで囲われるため、取り付けスペースに厳しい制約のあり、エアフィルタエレメント製品には適用できないという問題点があった。
【0018】
さらに上記特開2005−172153号公報(特許文献4)には、主として金属材料で構成される製品にRFIDタグを取り付ける際、金属材料による交信性能への影響を避けるため、前記製品中の非金属材料部分へ取り付ける発明が示されている。しかし、この発明では金属材料部分に対して前記非金属材料部分を嵌合させるための機構を加工する必要があり、金属材料が薄板で構成される金属円筒を持つエアフィルタエレメントへは適用できなかった。
【0019】
本発明は、製品に実装し易く、また確実に実装可能なRFIDタグおよびその実装構造ならびにRFIDタグ実装製品を提供することを目的としている。特に自動車用エアフィルタエレメントの発泡ウレタンのシール部分に設けた溝部に実装し易い、また、より確実に実装できるRFIDタグを提供すること、また、金属材料部分からの悪影響を避けて、特にエアフィルタエレメント〜ケーシング間の厳しい空間的制約を受けずに、シール部分に付着している剥離剤による取り付け不安定を招くことなく実装でき、外部の通信装置との間で安定的で高感度な交信を実現する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、上記目的を達成するために、次の如き構成を採用した。すなわち、
a)請求項1記載の発明は、RFIDインレットが該RFIDインレットの幅より大きな幅を有する2枚の弾性体シートで挟まれ、柔軟性を有する接着剤により貼り合わされた構造を有することを特徴としている。
b)請求項2記載の発明は、前記弾性体シートは発泡性ゴムシートあるいは非発泡性ゴムシートであることを特徴としている。
【0021】
c)請求項3記載の発明は、前記弾性体シートの厚さが1mm以上であることを特徴としている。
d)請求項4記載の発明は、前記2枚の弾性体シートに、前記RFIDインレットの幅方向に、且つRFIDインレットの面と平行に複数本のスパイクピンが貫通されていることを特徴としている。
【0022】
e)請求項5記載の発明は、前記スパイクピンの両端は、両端で垂直、あるいは、両端で逆方向に鋭角的に切断された形状を有することを特徴としている。
f)請求項6記載の発明は、前記RFIDタグが、製品の表面に設けられた溝に、該溝の側壁と前記2枚の弾性体シート間の摩擦力あるいは前記スパイクピンの食い込み力により取り付けられることを特徴としている。
【0023】
g)請求項7記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載のRFIDタグが請求項6記載のRFIDタグの実装構造によって実装されたことを特徴とするRFIDタグ実装製品である。
h)請求項8記載の発明は、前記製品が、円筒形の金属筒側面に多数の吸気孔を開けた筒状補強体と、該筒状補強体の両端で内部の濾過体を保持して空気の流路を形成するエンドプレート部からなるフィルタエレメントであり、前記溝が前記フィルタエレメントのエンドプレート部に設けられたリング状の溝であることを特徴としている。
【0024】
i)請求項9記載の発明は、RFIDタグ製造方法であって、RFIDインレットの洗浄・脱脂処理を行う工程と、下側弾性体シートへ接着剤を塗布する工程と、前記下側弾性体シートへ前記RFIDインレットを貼り付ける工程と、前記RFIDインレットへ接着剤を塗布する工程と、前記RFIDインレットへ上側弾性体シートを貼り付ける工程とを有することを特徴としている。
j)請求項10記載の発明は、請求項9記載のRFIDタグ製造方法において、さらに、前記上側弾性体シートまたは下側弾性体シートのいずれか一方に複数のスパイクピンを挿入する工程とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るRFIDタグは、RFIDインレットの上下を2枚の弾性体シートで挟んだ構成を有することにより、製品、例えば自動車用エアフィルタエレメントの発泡ウレタンのエンドプレート部分に設けた溝部に実装し易くなり、さらに、上下の弾性体シートのいずれか一方に複数本のスパイクピンを貫通させて設けておくことにより、より確実に実装できるようになった。これにより、金属材料部分からの悪影響を避けて、特にエアフィルタエレメント〜ケーシング間の厳しい空間的制約を受けずに、エンドプレート部分に付着している剥離剤による取り付け不安定を招くことなく実装でき、外部の通信装置との間で安定的で高感度な交信を実現することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
まず、図3および図4を用いて、本発明の対象製品(RFIDタグ実装製品)の一つである大型自動車用エアフィルタエレメント(以下、エアフィルタエレメント)について説明する。
【0027】
図3は、フィルタエレメント0301の概略構成を示す図である。
同図に示すように、本発明に係るエアフィルタエレメント0301は、円筒形の金属筒側面に多数の吸気孔を開けた筒状補強体0304と、該筒状補強体0304の両端(一端は図示せず)で、内部の濾過体を保持して空気の流路を形成するエンドプレート部0302からなる。
【0028】
エンドプレート部0302は、発泡性ウレタン樹脂などの、柔軟で軽量な樹脂が用いられる。エンドプレート部0302には、フィルタエレメント形状を保持するため、作業工程上必要な溝が設けられている。
【0029】
図4は、フィルタエレメント0301の断面を示す図である。
同図に示すように、フィルタエレメント0301の筒状補強体0304には、多数の吸気孔が開いており、そこから吸気0403が流入するようになっている。筒状補強体0304の内部には濾過体0402が配置されているが、その上端は(円盤状)のエンドプレート部0302で密封され、下端は円環状のエンドプレート部0401で密閉されており、吸気0403は濾過体0402で濾過されて濾過体0402の内部に吸い込まれ、該濾過体0402の内部から清浄な空気として排気0404される。
【0030】
次に、RFIDタグの定義について述べる。
図6は、RFIDタグの核となるRFIDインレット0601を示す図である。
同図に示すように、RFIDチップ0602と、該RFIDチップ0602と接続されるアンテナ0603と、該RFIDチップおよび該アンテナを一体的に搭載する基材0604とを組み合わせたものをRFIDインレット(または単にインレットという)0601と呼び、このRFIDインレット0601に保護透明フィルムや取り付け用の接着剤などのユーティリティを付したものをRFIDタグと呼び、このRFIDタグが取り付けられた製品をRFIDタグ実装製品と呼ぶ。
【0031】
図4中、濾過体0402の内部では、万が一、RFIDタグなどの部品の脱落が発生した場合、該部品がエンジンに取り込まれて重大な損傷を与える危険性があるため、RFIDタグの取り付けは、濾過体0402の外部に限定される。さらに、濾過体0402は、エンジン吸気で引き起こされる脈動により激しく振動しているため、RFIDタグの取り付けには好ましくない。
【0032】
前記筒状補強体部分へRFIDタグを取り付ける場合には、金属材料からの、無線交信に対する悪影響を避けるための工夫が必要となるが、フィルタエレメント0301はさらにケーシング(図示せず)に納められるため、筒状補強体部分の外部(筒状補強体部分とケーシングとの間)には寸法的な余裕がない。このため、RFIDタグの取り付け位置は、エンドプレート部0302あるいは0401に限定されることがわかる。
【0033】
上記事情に鑑み、本発明では、図3および図4のエンドプレート部0302に設けられたリング状溝0303にRFIDタグを取り付ける(実装する)ようにしたものである。
【0034】
次に、図5を用いて、RFIDタグを取り付けるリング状溝0303について説明する。
同図に示すように、リング状溝0303は、エンドプレート部0302の断面0201に対して矩形断面に形成されている。矩形断面は、溝の側壁0502と底面0501を有する。なお、リング状溝0303にも他のエンドプレート部と同様に離型剤が付着しているため、接着剤を用いてRFIDタグを固定することは困難であるという問題がある。
【0035】
図5中におけるリング状溝0303の曲面形状から考えて、側壁0502に沿わせて貼り付けるのが、機械的には容易である。しかし、RFIDインレットにおいては、図6中、紙面垂直方向に高い感度を有する。このため、図7に示す如く、側壁0502に沿わせて貼られたRFIDタグ0701では、エンドプレート部0302の端面方向0702には感度が低くなってしまうという問題がある。これは、RFIDタグからの情報の読み出しがむずかしくなることを意味する。
【0036】
一方、図8に示す如く、RFIDタグ0801をリング状溝0303の底面0501に沿わせて貼り付けた場合、リング状溝0303に沿って曲げられたRFIDタグの内側(リングの中心側)に波打ち0802が生じ、リング状溝0303への確実な固定を困難にしたり、外観を悪化させたりするという問題がある。
【0037】
本発明は、上記問題を解消することを目的としてなされた発明である。
図1は、本発明に係るRFIDタグ0101の好適な実施例を示す図である。
同図に示すように、本実施例に係るRFIDタグ0101は、中心部のRFIDインレット0102の上下を、発泡性ゴムまたはクロロプレンゴムなどの2枚の弾性体シート好ましくは非発泡性ゴムシート(0103(下側)および0104(上側))で挟んだ構成を有する。
【0038】
RFIDインレット0102と上下ゴムシート0103,0104は、硬化後も柔軟性に優れたゴム系接着剤により貼り合わせてある。RFIDインレット0102の厚みは0.5mm以下であり、上下ゴムシート0103,0104の厚さは、RFIDインレットの保護と後述するスパイクピンの取り付けの都合から、1mm以上、望ましくは2mm以上である。なお、上側ゴムシート0103と下側ゴムシート0104の厚さは必ずしも同じにする必要はなく、スパイクピンを貫通させる側のゴムシート(図1の場合は上側ゴムシート0103)の厚さをより厚くしてもよい。
【0039】
また、上側ゴムシート0103および下側ゴムシート0104の幅はリング状溝の幅とほぼ同程度であり、中心部のRFIDインレット0102の幅はそれ以下である。上側ゴムシート0104はその側面を複数本(2本〜数本:図1の例では5本)のスパイクピン0105が貫通している。
【0040】
スパイクピン0105の材質は、バネ性と耐腐食性があるSUS304相当のバネ性ステンレス鋼を用いるとよい。スパイクピン0105の直径は0.3〜0.8mm程度であり、スパイクピン0105の長さは上側ゴムシート0104の両側面から1〜2mm程度突出する程度である。
【0041】
次に、図2を用いてエンドプレート部0201上のリング状溝に対するRFIDタグの固定方法(取り付け方法あるいは実装方法)を説明する。
RFIDタグ0101は、リング状溝の断面形状0202とほぼ同じ断面形状を有し、リング状溝へ埋め込まれる。この時、スパイクピンがリング状溝の側壁へ食い込み、その食い込み力(引っ掛かり力)によりRFIDタグ0101がリング状溝に固定される。
【0042】
この時、図9に示す如く、RFIDタグは紙面奥行き方向に対してリング状溝に沿ってカーブしたRFIDタグ0901となるが、間に挟まれたRFIDインレット自体に生じる波打ちは、上下の弾性のあるゴムシートにより吸収されて表面には出てこないため、固定の障害となったり、外観を悪化させたりすることはない。
【0043】
以上に述べたことにより、接着剤を用いることなく、RFIDタグ0101をエンドプレート部0201に固定することができるが、リング状溝から剥離剤などの接着を阻害する物質を除去するか、または最初から剥離剤などの接着を阻害する物質が存在しない場合には、前記スパイクピンを使用せずに接着剤のみでRFIDタグを固定することができる。この場合、RFIDタグは図14に示したRFIDタグ1401の如くシンプルな構造となる。
【0044】
図14に示したRFIDタグ1401は、中心部のRFIDインレット0102の上下を、発泡性ゴムまたはクロロプレンゴムなどの非発泡性ゴムシート0103(下側)と0104(上側)で挟んだものである。インレット0102と発泡性ゴムまたはクロロプレンゴムなどの非発泡性ゴムシート0103,0104とは、硬化後も柔軟性に優れたゴム系接着剤により貼り合わせてある。
【0045】
RFIDインレット0102の厚みは0.5mm以下、上下のゴムシート0103,0104の厚さは、RFIDインレットの保護の都合から、1mm以上、望ましくは2mm以上である。また、上下のゴムシート0103,0104の幅はリング状溝の幅とほぼ同程度(リング状溝の側壁と上下のゴムシート0103,0104間の摩擦力で固定するために、上下のゴムシート0103,0104の幅をリング状溝の幅よりやや大きくしておくとよい)、RFIDインレット0102の幅はそれ以下である。
【0046】
なお、スパイクピンを用いる場合でも、補助的に接着剤を用いることを妨げるものではないが、接着剤を用いないで機械的なスパイクピンで固定した場合には、RFIDタグの取り外しが可能となり、例えば、エアフィルタエレメントを再生してリサイクルする場合には都合がよい。この場合、あるエアフィルタエレメントから取り外したRFIDタグを、再生後の同じエアフィルタエレメントに再び取り付ければ、同じIDを再生後のエアフィルタエレメントに対しても与えることができ、複数サイクルに渡る再生品のトレースを容易にするメリットが生まれる。
【0047】
再生前のIDと同じIDの再生品を作ることができるという考え方は、例えば、再生を委託したユーザが、自分の委託した使用済み品を使ってリサイクルされたものだという保証を受けることにもなり、リサイクル品の価値を向上させることができる。
【0048】
この考えは、エアフィルタエレメントに限るものではなく、例えば図15に示す如く、自動車用などのタイヤ1501を再生する場合に、タイヤ1501の一部に取り外し可能なRFIDタグ1502を取り付けておくことにより再生品のトレースを行うことができる。また、この考えは、その他再生して再利用を図る可能性のあるあらゆる製品に適用できる。
【0049】
図1では、スパイクピン0105が上側ゴムシート0104を貫通しているが、図10のように、下側ゴムシート0105を貫通するように構成してもよい。図10のRFIDタグ1001では、中心部のRFIDインレット0102の上下を、発泡性ゴムまたはクロロプレンゴムなどの非発泡性ゴムシート0103(下側)、0104(上側)で挟む構成は図1と同じであるが、下側ゴムシート0103の側面に複数本(2本〜数本:図10の例では5本)のスパイクピン0105が貫通している。
【0050】
RFIDインレット0102、上側ゴムシート0103、下側ゴムシート0104、スパイクピン0105の寸法は図1の場合と同様でよい。なお、上側ゴムシート0103と下側ゴムシート0104の厚さは必ずしも同じにする必要はなく、スパイクピンを貫通させる側のゴムシート(図10では下側ゴムシート0103)の厚さをより厚くしてもよい。
【0051】
下側ゴムシート0103にスパイクピン0105を貫通させた場合、リング状溝の底面に近いところで、固定が行われることとなり、より堅固なRFIDタグ1001の固定が可能となる。ただし、リング状溝への挿入はその分難しくなるので、固定の堅固さと挿入の行い易さを比較して検討し、適切に選択することが望ましい。
【0052】
図11は、スパイクピン0105の一本を取り出して図示したものである。図示されたように、スパイクピン0105は1本の素線から切断して作成されるが、切断の際に角度を付けて切り出すと、図12に示すような、スパイクピンの両端が鋭角に尖ったスパイクピン1201を得ることができる。この鋭角スパイクピン1201を用いれば、上側ゴムシート0104または下側ゴムシート0103を貫通させるのが容易になり、生産性が向上する。
【0053】
また、図12に示す方向に鋭角なエッジを揃えると、RFIDタグ0101をリング溝の断面に挿入する際に、挿入方向(進行方向)にだけ角度がついているため、挿入しやすく抜けにくくなる。
【0054】
図13は、本発明に係るRFIDタグの製造の手順の一例を示す図である。
本発明に係るRFIDタグは、同図に示すように、製造をスタートさせると(ステップST1301)、まず接着剤の着きをよくするための洗浄・脱脂処理(ステップST1302)を行い、次に下側ゴムシートへ接着剤を塗布(ステップST1303)を行い、次に下側ゴムシートへRFIDインレットを貼り付け(ステップST1304)、次にRFIDインレットへ接着剤を塗布(ステップST1305)し、次にRFIDインレットへ上側ゴムシートを貼り付け(ステップST1306)、その後、乾燥(ステップ1307)し、上側(または下側)ゴムシートへスパイクピン挿入(ステップST1308)する。以上の各工程を経てRFIDタグが完成する(ステップST1309)。
【産業上の利用可能性】
【0055】
前述の実施形態においては、自動車用、特に大型自動車用のエアフィルタエレメントを例にとって説明したが、本発明によるRFIDタグシステムは自動車部品用に限られるものではなく、発泡樹脂の成型時に剥離剤が用いられる製品、例えば、エアコンや掃除機などのあらゆる家電品の部品のトレースシステムへも適用することができる。RFIDタグの上側と下側のゴムシートの色を、該RFIDタグを取り付ける製品毎に変えておくことにより、RFIDタグの管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係るRFIDタグの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態によるRFIDタグを実装した製品の部分断面図である。
【図3】自動車用エアフィルタエレメントの外観を示す斜視図である。
【図4】自動車用エアフィルタエレメントの概略断面図である。
【図5】自動車用エアフィルタエレメントのリング状溝の概観を示す斜視断面図である。
【図6】RFIDインレットの概略構成を示す正面図である。
【図7】リング状溝の側壁に取り付けられたRFIDインレットの問題点を示す図である。
【図8】リング状溝の底面に取り付けられたRFIDインレットの問題点を示す図である。
【図9】本発明に係るRFIDタグの取り付け状況を示す斜視断面図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係るRFIDタグ実装製品の概略構成を示す図である。
【図11】本発明に係るスパイクピンの形状を示す図である。
【図12】本発明の別の実施例に係るスパイクピンの形状を示す図である。
【図13】本発明のRFIDタグを製造するプロセスを示すフロー図である。
【図14】本発明の別の実施例に係るRFIDタグを示す図である。
【図15】本発明のRFIDタグを再生タイヤに適用した状況を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
0101:RFIDタグ
0102:RFIDインレット
0103:下側ゴムシート
0104:上側ゴムシート
0105:スパイクピン
0201:エンドプレート部断面
0301:フィルタエレメント
0302:エンドプレート部
0303:リング状溝
0304:筒状補強体
0401:円環状エンドプレート部
0402:濾過体
0403:吸気
0404:排気
0501:底面
0502:側壁
0601:RFIDインレット
0602:RFIDチップ
0603:アンテナ
0604:基材
0701:側壁に沿わせて貼られたRFIDタグ
0702:エンドプレート部端面方向
0801:底面に沿わせて貼り付けたRFIDタグ
0802:RFIDタグの内側の波打ち
0901:リング状溝に沿ってカーブしたRFIDタグ
1001:RFIDタグ
1201:鋭角スパイクピン
1401:RFIDタグ
1501:再生タイヤ
1502:RFIDタグ
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFID(Radio Frequency IDentification;無線周波数の電磁波を用いた非接触個別識別技術)タグおよび各種製品にRFIDタグを実装するためのRFIDタグ実装構造、ならびに該RFIDタグを実装したRFIDタグ実装製品に関するものである。
【0002】
本発明に係るRFIDタグは、例えばフィルタエレメント製品などに実装する場合に好適で、その場合、フィルタエレメントが完成した後に、RFIDタグを該フィルタエレメントの筐体部へ取り付け、該RFIDタグからの情報を高精度で読み取ることによって製品のトレース管理を行うことを可能としたものである。
【背景技術】
【0003】
一般にRFIDタグは、集積回路にIDコードもしくはそれと同等な識別情報(以下、単に識別情報という)およびその他の情報などを内蔵し、外部の通信装置に対して、送信、または送信と受信を行う(以下、送受信と呼ぶ)ことで、前記識別情報などを送出するものである。このRFIDタグの用途の一つとしては、製品のトレースシステムが知られており、このトレースシステムは、例えば製造工程または流通過程の必要時にRFIDタグと外部の通信装置が交信し、RFIDタグから得られたIDコード/日時データ/交信場所などの情報からRFIDタグが実装されている製品の製造履歴や流通履歴を追跡し、管理するものである。
【0004】
特に自動車部品の分野においては、製造工程での品質管理、流通過程での真贋判定、メンテナンス時の誤部品取り付け防止、市場での不良発生時のフィードバック、部品リサイクル履歴の管理など、前記トレースシステムを用いた製品の履歴を個別に管理することが望まれている。
【0005】
製品(部品を含む)の品質や流通を管理するためにRFIDタグを用いた発明としては、例えば、特開2005−242659号公報(特許文献1)、特開2001−132002号公報(特許文献2)、特開2006−3497号公報(特許文献3)、特開2005−172153号公報(特許文献4)などに開示されたものがある。以下、各公開公報に開示された発明の内容について記す。
【0006】
特開2005−242659号公報(特許文献1)には、自動車部品の一種であるタイヤホイールにRFIDタグを取り付ける場合の発明が開示されている。金属材料で構成されるタイヤホイールでは、金属部分の影響を避けてRFIDタグを取り付けることが重要であるが、ここに開示されている発明では、金属部分に凹部を設け、この凹部にRFIDタグを埋め込む構成を採用し、その下地に高透磁率磁性体を配置してRFIDタグを接着剤で固定することで、この問題に対処している。
【0007】
また、特開2001−132002号公報(特許文献2)には、金属材料で構成されるマンホールの蓋を対象として、工場でのマンホール蓋の製造後に後付でRFIDタグを取り付ける発明が開示されている。この発明では、十分な厚みを持つマンホールをドリルにより貫通穴を形成し、そこに接着剤や硬化材を十分な厚みをもって充填し、前記金属材料の影響を避けるようにしている。
【0008】
さらに、上記特開2006−3497号公報(特許文献3)には、金属部品に取り付けた状態でのRFIDタグの感度を低下させないための発明が開示されている。この発明では、製品からRFIDタグ部分を離間して(突出させて)取り付けるためのラベル技術が記載されている。
【0009】
さらに、上記特開2005−172153号公報(特許文献4)には、主として金属材料で構成されるベアリング製品にRFIDタグを取り付ける際、金属材料による交信性能への影響を避けるため、前記製品中の非金属材料部分へ取り付ける発明が開示されている。
【0010】
【特許文献1】特開2005−242659号公報
【特許文献2】特開2001−132002号公報
【特許文献3】特開2006−3497号公報
【特許文献4】特開2005−172153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
大型自動車用エアフィルタエレメント(以下、エアフィルタエレメントという)は、円筒形状の多数の通気口が開けられた筒状補強体の内部に、前記筒状補強体と同心の概略円筒形状の濾過体を収納し、筒状補強体の端部を発泡ウレタン樹脂にて閉塞したものである。筒状補強体の両端部の内、一方は完全に密閉し(密閉端)、もう一方は筒状補強体〜濾過体間を密閉、濾過体の内側は開放する(開放端)(後述する図3、図4参照)。
【0012】
これにより、筒状補強体の通気口から吸入された空気は、濾過体により濾過され、濾過体円筒の内側から排気される。さらに、エアフィルタエレメントは、エアフィルタのケーシングに収納され、前記吸気が車外から取り込まれてくる配管と、前記排気がエンジン部へ導かれる配管とが取り付けられる。
【0013】
RFIDタグの取り付けを前記紙フィルタの内部にすると、万が一、部品の脱落が発生した場合、その部品がエンジンに取り込まれて重大な損傷を与える危険性があるため、RFIDタグの取り付けは、濾過体の外部に限定される。さらに、濾過体はエンジン吸気で引き起こされる脈動により激しく振動しているため、RFIDタグの取り付けには適していない。
【0014】
前記筒状補強体へRFIDタグを取り付ける場合には、筒状補強体を構成する金属材料からの、無線交信に対する悪影響を避けるための工夫が必要となる。
【0015】
上述した特開2005−242659号公報(特許文献1)に記載の発明では、金属材料からの悪影響を避けるため、RFIDタグの下地に高透磁率磁性体を配置しているが、金属材料が薄板で構成されたエアフィルタエレメントでは、取り付け空間に余裕がなく、特殊な下地部品なしで金属部分の影響を避ける工夫が求められていた。また、エアフィルタエレメントの非金属部分には、成型の際に用いられた離型剤が付着しており、接着剤をRFIDタグの固定に用いることができないという問題点があった。
【0016】
また上記特開2001−132002号公報(特許文献2)には、金属材料で構成されるマンホールの蓋を対象として、該マンホール蓋の製造後に後付でRFIDタグを取り付ける発明が記載されているが、この発明では十分な金属材料の厚みが必要であり、金属材料が薄板で構成される本発明の如きエアフィルタエレメントへは適用できなかった。
【0017】
また上記特開2006−3497号公報(特許文献3)には、RFIDタグ部分を離間して(突出させて)取り付けるための発明が記載されているが、エアフィルタエレメント外部がケーシングで囲われるため、取り付けスペースに厳しい制約のあり、エアフィルタエレメント製品には適用できないという問題点があった。
【0018】
さらに上記特開2005−172153号公報(特許文献4)には、主として金属材料で構成される製品にRFIDタグを取り付ける際、金属材料による交信性能への影響を避けるため、前記製品中の非金属材料部分へ取り付ける発明が示されている。しかし、この発明では金属材料部分に対して前記非金属材料部分を嵌合させるための機構を加工する必要があり、金属材料が薄板で構成される金属円筒を持つエアフィルタエレメントへは適用できなかった。
【0019】
本発明は、製品に実装し易く、また確実に実装可能なRFIDタグおよびその実装構造ならびにRFIDタグ実装製品を提供することを目的としている。特に自動車用エアフィルタエレメントの発泡ウレタンのシール部分に設けた溝部に実装し易い、また、より確実に実装できるRFIDタグを提供すること、また、金属材料部分からの悪影響を避けて、特にエアフィルタエレメント〜ケーシング間の厳しい空間的制約を受けずに、シール部分に付着している剥離剤による取り付け不安定を招くことなく実装でき、外部の通信装置との間で安定的で高感度な交信を実現する技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、上記目的を達成するために、次の如き構成を採用した。すなわち、
a)請求項1記載の発明は、RFIDインレットが該RFIDインレットの幅より大きな幅を有する2枚の弾性体シートで挟まれ、柔軟性を有する接着剤により貼り合わされた構造を有することを特徴としている。
b)請求項2記載の発明は、前記弾性体シートは発泡性ゴムシートあるいは非発泡性ゴムシートであることを特徴としている。
【0021】
c)請求項3記載の発明は、前記弾性体シートの厚さが1mm以上であることを特徴としている。
d)請求項4記載の発明は、前記2枚の弾性体シートに、前記RFIDインレットの幅方向に、且つRFIDインレットの面と平行に複数本のスパイクピンが貫通されていることを特徴としている。
【0022】
e)請求項5記載の発明は、前記スパイクピンの両端は、両端で垂直、あるいは、両端で逆方向に鋭角的に切断された形状を有することを特徴としている。
f)請求項6記載の発明は、前記RFIDタグが、製品の表面に設けられた溝に、該溝の側壁と前記2枚の弾性体シート間の摩擦力あるいは前記スパイクピンの食い込み力により取り付けられることを特徴としている。
【0023】
g)請求項7記載の発明は、請求項1から5のいずれかに記載のRFIDタグが請求項6記載のRFIDタグの実装構造によって実装されたことを特徴とするRFIDタグ実装製品である。
h)請求項8記載の発明は、前記製品が、円筒形の金属筒側面に多数の吸気孔を開けた筒状補強体と、該筒状補強体の両端で内部の濾過体を保持して空気の流路を形成するエンドプレート部からなるフィルタエレメントであり、前記溝が前記フィルタエレメントのエンドプレート部に設けられたリング状の溝であることを特徴としている。
【0024】
i)請求項9記載の発明は、RFIDタグ製造方法であって、RFIDインレットの洗浄・脱脂処理を行う工程と、下側弾性体シートへ接着剤を塗布する工程と、前記下側弾性体シートへ前記RFIDインレットを貼り付ける工程と、前記RFIDインレットへ接着剤を塗布する工程と、前記RFIDインレットへ上側弾性体シートを貼り付ける工程とを有することを特徴としている。
j)請求項10記載の発明は、請求項9記載のRFIDタグ製造方法において、さらに、前記上側弾性体シートまたは下側弾性体シートのいずれか一方に複数のスパイクピンを挿入する工程とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るRFIDタグは、RFIDインレットの上下を2枚の弾性体シートで挟んだ構成を有することにより、製品、例えば自動車用エアフィルタエレメントの発泡ウレタンのエンドプレート部分に設けた溝部に実装し易くなり、さらに、上下の弾性体シートのいずれか一方に複数本のスパイクピンを貫通させて設けておくことにより、より確実に実装できるようになった。これにより、金属材料部分からの悪影響を避けて、特にエアフィルタエレメント〜ケーシング間の厳しい空間的制約を受けずに、エンドプレート部分に付着している剥離剤による取り付け不安定を招くことなく実装でき、外部の通信装置との間で安定的で高感度な交信を実現することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
まず、図3および図4を用いて、本発明の対象製品(RFIDタグ実装製品)の一つである大型自動車用エアフィルタエレメント(以下、エアフィルタエレメント)について説明する。
【0027】
図3は、フィルタエレメント0301の概略構成を示す図である。
同図に示すように、本発明に係るエアフィルタエレメント0301は、円筒形の金属筒側面に多数の吸気孔を開けた筒状補強体0304と、該筒状補強体0304の両端(一端は図示せず)で、内部の濾過体を保持して空気の流路を形成するエンドプレート部0302からなる。
【0028】
エンドプレート部0302は、発泡性ウレタン樹脂などの、柔軟で軽量な樹脂が用いられる。エンドプレート部0302には、フィルタエレメント形状を保持するため、作業工程上必要な溝が設けられている。
【0029】
図4は、フィルタエレメント0301の断面を示す図である。
同図に示すように、フィルタエレメント0301の筒状補強体0304には、多数の吸気孔が開いており、そこから吸気0403が流入するようになっている。筒状補強体0304の内部には濾過体0402が配置されているが、その上端は(円盤状)のエンドプレート部0302で密封され、下端は円環状のエンドプレート部0401で密閉されており、吸気0403は濾過体0402で濾過されて濾過体0402の内部に吸い込まれ、該濾過体0402の内部から清浄な空気として排気0404される。
【0030】
次に、RFIDタグの定義について述べる。
図6は、RFIDタグの核となるRFIDインレット0601を示す図である。
同図に示すように、RFIDチップ0602と、該RFIDチップ0602と接続されるアンテナ0603と、該RFIDチップおよび該アンテナを一体的に搭載する基材0604とを組み合わせたものをRFIDインレット(または単にインレットという)0601と呼び、このRFIDインレット0601に保護透明フィルムや取り付け用の接着剤などのユーティリティを付したものをRFIDタグと呼び、このRFIDタグが取り付けられた製品をRFIDタグ実装製品と呼ぶ。
【0031】
図4中、濾過体0402の内部では、万が一、RFIDタグなどの部品の脱落が発生した場合、該部品がエンジンに取り込まれて重大な損傷を与える危険性があるため、RFIDタグの取り付けは、濾過体0402の外部に限定される。さらに、濾過体0402は、エンジン吸気で引き起こされる脈動により激しく振動しているため、RFIDタグの取り付けには好ましくない。
【0032】
前記筒状補強体部分へRFIDタグを取り付ける場合には、金属材料からの、無線交信に対する悪影響を避けるための工夫が必要となるが、フィルタエレメント0301はさらにケーシング(図示せず)に納められるため、筒状補強体部分の外部(筒状補強体部分とケーシングとの間)には寸法的な余裕がない。このため、RFIDタグの取り付け位置は、エンドプレート部0302あるいは0401に限定されることがわかる。
【0033】
上記事情に鑑み、本発明では、図3および図4のエンドプレート部0302に設けられたリング状溝0303にRFIDタグを取り付ける(実装する)ようにしたものである。
【0034】
次に、図5を用いて、RFIDタグを取り付けるリング状溝0303について説明する。
同図に示すように、リング状溝0303は、エンドプレート部0302の断面0201に対して矩形断面に形成されている。矩形断面は、溝の側壁0502と底面0501を有する。なお、リング状溝0303にも他のエンドプレート部と同様に離型剤が付着しているため、接着剤を用いてRFIDタグを固定することは困難であるという問題がある。
【0035】
図5中におけるリング状溝0303の曲面形状から考えて、側壁0502に沿わせて貼り付けるのが、機械的には容易である。しかし、RFIDインレットにおいては、図6中、紙面垂直方向に高い感度を有する。このため、図7に示す如く、側壁0502に沿わせて貼られたRFIDタグ0701では、エンドプレート部0302の端面方向0702には感度が低くなってしまうという問題がある。これは、RFIDタグからの情報の読み出しがむずかしくなることを意味する。
【0036】
一方、図8に示す如く、RFIDタグ0801をリング状溝0303の底面0501に沿わせて貼り付けた場合、リング状溝0303に沿って曲げられたRFIDタグの内側(リングの中心側)に波打ち0802が生じ、リング状溝0303への確実な固定を困難にしたり、外観を悪化させたりするという問題がある。
【0037】
本発明は、上記問題を解消することを目的としてなされた発明である。
図1は、本発明に係るRFIDタグ0101の好適な実施例を示す図である。
同図に示すように、本実施例に係るRFIDタグ0101は、中心部のRFIDインレット0102の上下を、発泡性ゴムまたはクロロプレンゴムなどの2枚の弾性体シート好ましくは非発泡性ゴムシート(0103(下側)および0104(上側))で挟んだ構成を有する。
【0038】
RFIDインレット0102と上下ゴムシート0103,0104は、硬化後も柔軟性に優れたゴム系接着剤により貼り合わせてある。RFIDインレット0102の厚みは0.5mm以下であり、上下ゴムシート0103,0104の厚さは、RFIDインレットの保護と後述するスパイクピンの取り付けの都合から、1mm以上、望ましくは2mm以上である。なお、上側ゴムシート0103と下側ゴムシート0104の厚さは必ずしも同じにする必要はなく、スパイクピンを貫通させる側のゴムシート(図1の場合は上側ゴムシート0103)の厚さをより厚くしてもよい。
【0039】
また、上側ゴムシート0103および下側ゴムシート0104の幅はリング状溝の幅とほぼ同程度であり、中心部のRFIDインレット0102の幅はそれ以下である。上側ゴムシート0104はその側面を複数本(2本〜数本:図1の例では5本)のスパイクピン0105が貫通している。
【0040】
スパイクピン0105の材質は、バネ性と耐腐食性があるSUS304相当のバネ性ステンレス鋼を用いるとよい。スパイクピン0105の直径は0.3〜0.8mm程度であり、スパイクピン0105の長さは上側ゴムシート0104の両側面から1〜2mm程度突出する程度である。
【0041】
次に、図2を用いてエンドプレート部0201上のリング状溝に対するRFIDタグの固定方法(取り付け方法あるいは実装方法)を説明する。
RFIDタグ0101は、リング状溝の断面形状0202とほぼ同じ断面形状を有し、リング状溝へ埋め込まれる。この時、スパイクピンがリング状溝の側壁へ食い込み、その食い込み力(引っ掛かり力)によりRFIDタグ0101がリング状溝に固定される。
【0042】
この時、図9に示す如く、RFIDタグは紙面奥行き方向に対してリング状溝に沿ってカーブしたRFIDタグ0901となるが、間に挟まれたRFIDインレット自体に生じる波打ちは、上下の弾性のあるゴムシートにより吸収されて表面には出てこないため、固定の障害となったり、外観を悪化させたりすることはない。
【0043】
以上に述べたことにより、接着剤を用いることなく、RFIDタグ0101をエンドプレート部0201に固定することができるが、リング状溝から剥離剤などの接着を阻害する物質を除去するか、または最初から剥離剤などの接着を阻害する物質が存在しない場合には、前記スパイクピンを使用せずに接着剤のみでRFIDタグを固定することができる。この場合、RFIDタグは図14に示したRFIDタグ1401の如くシンプルな構造となる。
【0044】
図14に示したRFIDタグ1401は、中心部のRFIDインレット0102の上下を、発泡性ゴムまたはクロロプレンゴムなどの非発泡性ゴムシート0103(下側)と0104(上側)で挟んだものである。インレット0102と発泡性ゴムまたはクロロプレンゴムなどの非発泡性ゴムシート0103,0104とは、硬化後も柔軟性に優れたゴム系接着剤により貼り合わせてある。
【0045】
RFIDインレット0102の厚みは0.5mm以下、上下のゴムシート0103,0104の厚さは、RFIDインレットの保護の都合から、1mm以上、望ましくは2mm以上である。また、上下のゴムシート0103,0104の幅はリング状溝の幅とほぼ同程度(リング状溝の側壁と上下のゴムシート0103,0104間の摩擦力で固定するために、上下のゴムシート0103,0104の幅をリング状溝の幅よりやや大きくしておくとよい)、RFIDインレット0102の幅はそれ以下である。
【0046】
なお、スパイクピンを用いる場合でも、補助的に接着剤を用いることを妨げるものではないが、接着剤を用いないで機械的なスパイクピンで固定した場合には、RFIDタグの取り外しが可能となり、例えば、エアフィルタエレメントを再生してリサイクルする場合には都合がよい。この場合、あるエアフィルタエレメントから取り外したRFIDタグを、再生後の同じエアフィルタエレメントに再び取り付ければ、同じIDを再生後のエアフィルタエレメントに対しても与えることができ、複数サイクルに渡る再生品のトレースを容易にするメリットが生まれる。
【0047】
再生前のIDと同じIDの再生品を作ることができるという考え方は、例えば、再生を委託したユーザが、自分の委託した使用済み品を使ってリサイクルされたものだという保証を受けることにもなり、リサイクル品の価値を向上させることができる。
【0048】
この考えは、エアフィルタエレメントに限るものではなく、例えば図15に示す如く、自動車用などのタイヤ1501を再生する場合に、タイヤ1501の一部に取り外し可能なRFIDタグ1502を取り付けておくことにより再生品のトレースを行うことができる。また、この考えは、その他再生して再利用を図る可能性のあるあらゆる製品に適用できる。
【0049】
図1では、スパイクピン0105が上側ゴムシート0104を貫通しているが、図10のように、下側ゴムシート0105を貫通するように構成してもよい。図10のRFIDタグ1001では、中心部のRFIDインレット0102の上下を、発泡性ゴムまたはクロロプレンゴムなどの非発泡性ゴムシート0103(下側)、0104(上側)で挟む構成は図1と同じであるが、下側ゴムシート0103の側面に複数本(2本〜数本:図10の例では5本)のスパイクピン0105が貫通している。
【0050】
RFIDインレット0102、上側ゴムシート0103、下側ゴムシート0104、スパイクピン0105の寸法は図1の場合と同様でよい。なお、上側ゴムシート0103と下側ゴムシート0104の厚さは必ずしも同じにする必要はなく、スパイクピンを貫通させる側のゴムシート(図10では下側ゴムシート0103)の厚さをより厚くしてもよい。
【0051】
下側ゴムシート0103にスパイクピン0105を貫通させた場合、リング状溝の底面に近いところで、固定が行われることとなり、より堅固なRFIDタグ1001の固定が可能となる。ただし、リング状溝への挿入はその分難しくなるので、固定の堅固さと挿入の行い易さを比較して検討し、適切に選択することが望ましい。
【0052】
図11は、スパイクピン0105の一本を取り出して図示したものである。図示されたように、スパイクピン0105は1本の素線から切断して作成されるが、切断の際に角度を付けて切り出すと、図12に示すような、スパイクピンの両端が鋭角に尖ったスパイクピン1201を得ることができる。この鋭角スパイクピン1201を用いれば、上側ゴムシート0104または下側ゴムシート0103を貫通させるのが容易になり、生産性が向上する。
【0053】
また、図12に示す方向に鋭角なエッジを揃えると、RFIDタグ0101をリング溝の断面に挿入する際に、挿入方向(進行方向)にだけ角度がついているため、挿入しやすく抜けにくくなる。
【0054】
図13は、本発明に係るRFIDタグの製造の手順の一例を示す図である。
本発明に係るRFIDタグは、同図に示すように、製造をスタートさせると(ステップST1301)、まず接着剤の着きをよくするための洗浄・脱脂処理(ステップST1302)を行い、次に下側ゴムシートへ接着剤を塗布(ステップST1303)を行い、次に下側ゴムシートへRFIDインレットを貼り付け(ステップST1304)、次にRFIDインレットへ接着剤を塗布(ステップST1305)し、次にRFIDインレットへ上側ゴムシートを貼り付け(ステップST1306)、その後、乾燥(ステップ1307)し、上側(または下側)ゴムシートへスパイクピン挿入(ステップST1308)する。以上の各工程を経てRFIDタグが完成する(ステップST1309)。
【産業上の利用可能性】
【0055】
前述の実施形態においては、自動車用、特に大型自動車用のエアフィルタエレメントを例にとって説明したが、本発明によるRFIDタグシステムは自動車部品用に限られるものではなく、発泡樹脂の成型時に剥離剤が用いられる製品、例えば、エアコンや掃除機などのあらゆる家電品の部品のトレースシステムへも適用することができる。RFIDタグの上側と下側のゴムシートの色を、該RFIDタグを取り付ける製品毎に変えておくことにより、RFIDタグの管理が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係るRFIDタグの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施形態によるRFIDタグを実装した製品の部分断面図である。
【図3】自動車用エアフィルタエレメントの外観を示す斜視図である。
【図4】自動車用エアフィルタエレメントの概略断面図である。
【図5】自動車用エアフィルタエレメントのリング状溝の概観を示す斜視断面図である。
【図6】RFIDインレットの概略構成を示す正面図である。
【図7】リング状溝の側壁に取り付けられたRFIDインレットの問題点を示す図である。
【図8】リング状溝の底面に取り付けられたRFIDインレットの問題点を示す図である。
【図9】本発明に係るRFIDタグの取り付け状況を示す斜視断面図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係るRFIDタグ実装製品の概略構成を示す図である。
【図11】本発明に係るスパイクピンの形状を示す図である。
【図12】本発明の別の実施例に係るスパイクピンの形状を示す図である。
【図13】本発明のRFIDタグを製造するプロセスを示すフロー図である。
【図14】本発明の別の実施例に係るRFIDタグを示す図である。
【図15】本発明のRFIDタグを再生タイヤに適用した状況を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
0101:RFIDタグ
0102:RFIDインレット
0103:下側ゴムシート
0104:上側ゴムシート
0105:スパイクピン
0201:エンドプレート部断面
0301:フィルタエレメント
0302:エンドプレート部
0303:リング状溝
0304:筒状補強体
0401:円環状エンドプレート部
0402:濾過体
0403:吸気
0404:排気
0501:底面
0502:側壁
0601:RFIDインレット
0602:RFIDチップ
0603:アンテナ
0604:基材
0701:側壁に沿わせて貼られたRFIDタグ
0702:エンドプレート部端面方向
0801:底面に沿わせて貼り付けたRFIDタグ
0802:RFIDタグの内側の波打ち
0901:リング状溝に沿ってカーブしたRFIDタグ
1001:RFIDタグ
1201:鋭角スパイクピン
1401:RFIDタグ
1501:再生タイヤ
1502:RFIDタグ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
RFIDインレットが該RFIDインレットの幅より大きな幅を有する2枚の弾性体シートで挟まれ、それらが柔軟性を有する接着剤により貼り合わされた構造を有することを特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
前記弾性体シートは発泡性ゴムシートあるいは非発泡性ゴムシートであることを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記弾性体シートの厚さが1mm以上であることを特徴とする請求項1または2記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記2枚の弾性体シートに、前記RFIDインレットの幅方向に、且つRFIDインレットの面と平行に複数本のスパイクピンが貫通されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記スパイクピンは、両端で垂直、あるいは、両端で逆方向に鋭角的に切断された形状を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のRFIDタグ。
【請求項6】
前記RFIDタグが、製品の表面に設けられた溝に、該溝の側壁と前記2枚の弾性体シート間の摩擦力あるいは前記スパイクピンの食い込み力により取り付けられることを特徴とするRFIDタグ実装構造。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載のRFIDタグが請求項6記載のRFIDタグの実装構造によって実装されたことを特徴とするRFIDタグ実装製品。
【請求項8】
前記製品が、筒状の濾過部および前記濾過部の両端面を閉塞するエンドプレート部からなるフィルタエレメントであり、前記溝が前記フィルタエレメントのエンドプレート部に設けられたリング状の溝であることを特徴とする請求項7記載のRFIDタグ実装製品。
【請求項9】
RFIDタグの製造方法であって、RFIDインレットの洗浄・脱脂処理を行う工程と、下側弾性体シートへ接着剤を塗布する工程と、前記下側弾性体シートへ前記RFIDインレットを貼り付ける工程と、前記RFIDインレットへ接着剤を塗布する工程と、前記RFIDインレットへ上側弾性体シートを貼り付ける工程とを有することを特徴とするRFIDタグ製造方法。
【請求項10】
請求項9記載のRFIDタグ製造方法において、
さらに、前記上側弾性体シートまたは下側弾性体シートのいずれか一方に複数のスパイクピンを挿入する工程とを有することを特徴とするRFIDタグ製造方法。
【請求項1】
RFIDインレットが該RFIDインレットの幅より大きな幅を有する2枚の弾性体シートで挟まれ、それらが柔軟性を有する接着剤により貼り合わされた構造を有することを特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
前記弾性体シートは発泡性ゴムシートあるいは非発泡性ゴムシートであることを特徴とする請求項1記載のRFIDタグ。
【請求項3】
前記弾性体シートの厚さが1mm以上であることを特徴とする請求項1または2記載のRFIDタグ。
【請求項4】
前記2枚の弾性体シートに、前記RFIDインレットの幅方向に、且つRFIDインレットの面と平行に複数本のスパイクピンが貫通されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のRFIDタグ。
【請求項5】
前記スパイクピンは、両端で垂直、あるいは、両端で逆方向に鋭角的に切断された形状を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のRFIDタグ。
【請求項6】
前記RFIDタグが、製品の表面に設けられた溝に、該溝の側壁と前記2枚の弾性体シート間の摩擦力あるいは前記スパイクピンの食い込み力により取り付けられることを特徴とするRFIDタグ実装構造。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載のRFIDタグが請求項6記載のRFIDタグの実装構造によって実装されたことを特徴とするRFIDタグ実装製品。
【請求項8】
前記製品が、筒状の濾過部および前記濾過部の両端面を閉塞するエンドプレート部からなるフィルタエレメントであり、前記溝が前記フィルタエレメントのエンドプレート部に設けられたリング状の溝であることを特徴とする請求項7記載のRFIDタグ実装製品。
【請求項9】
RFIDタグの製造方法であって、RFIDインレットの洗浄・脱脂処理を行う工程と、下側弾性体シートへ接着剤を塗布する工程と、前記下側弾性体シートへ前記RFIDインレットを貼り付ける工程と、前記RFIDインレットへ接着剤を塗布する工程と、前記RFIDインレットへ上側弾性体シートを貼り付ける工程とを有することを特徴とするRFIDタグ製造方法。
【請求項10】
請求項9記載のRFIDタグ製造方法において、
さらに、前記上側弾性体シートまたは下側弾性体シートのいずれか一方に複数のスパイクピンを挿入する工程とを有することを特徴とするRFIDタグ製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−83792(P2008−83792A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−260596(P2006−260596)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【出願人】(000222163)東洋エレメント工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【出願人】(000222163)東洋エレメント工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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