説明

RFIDタグ及びRFIDタグシステム

【課題】 多数の管理対象物を例え種類やサイズのバリエーションがあっても実時間でその存在位置と姿勢を検出し、管理することができるRFIDタグシステム及び無効としたRFID機能を正当な権限者のみにより復活することができるRFIDタグの提供。
【解決手段】 所定範囲の信号送受信距離との交信が可能なRFIDタグ19を搭載して該RFIDタグ19との交信を行うRFIDタグシステムであって、前記信号送受信距離が部分的に重複する間隔で複数のアンテナエレメント12をマトリクス状に配置したマトリクスアンテナ11と、前記RFIDタグ19と交信中のアンテナエレメント12のマトリクスアンテナ内座標位置をRFIDタグの位置と判定する位置判定ユニット15とを備える。またRFIDタグは、該タグの識別ID及び暗証コードを用いて復活することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品等に貼り付けられるRFIDタグ及び該RFIDタグを用いて商品の位置を検出することができるRFIDタグシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にRFID(Radio Frequency Identification System)タグとは、電磁波により非接触で物体を識別するために用いられるものであって、自身の識別コードなどの情報が記録されており、電波を使って管理システムと情報を送受信する能力をもつ。このRFIDタグは、従来のバーコードに代わる商品識別・管理技術として研究が進められてきており、例えば商品に微小なRFIDタグを貼り付け又は内蔵させることにより、商品の流通経路をトレースするトレース機能が構想されている。
【0003】
このRFIDタグの用途のひとつとして、店舗等におけるリアルタイムの在庫監視がある。従来技術による在庫監視は、一般には送受信距離の長い(数百ミリメートル以上)タイプのタグを用い、保管棚または保管スペース全体を対象に交信を行い、該当エリアに存在するRFIDタグが貼り付けられた管理対象商品の存在を一括して確認する方式が提案されている。
【0004】
また他の従来技術による在庫監視としては、例えば下記特許文献1に記載された如く、冷蔵庫の内部を複数の区画に区切り、区画毎に複数の送受信アンテナを空間的に設け、そのアンテナ群と区画内部に配置されたRFIDタグとの交信による受信強度比または受信タイミング差からRFIDタグが配置された任意の概略の位置を求める方式や、特許文献2に記載された如く、陳列棚上の商品ケースが置かれる位置に対し、その位置に合わせて送受信アンテナを設け、周波数領域で送信電波を走査し、送受信アンテナ位置に商品ケースが置かれていた場合には、商品ケースに貼付された共振回路(共振タグ)との間で生じる共振現象から商品ケースの有無を検知し、陳列棚上の商品ケースの配置を知る方式が開示されている。
【0005】
他方、RFIDタグは、消費者向けの商品に添付された場合、トレース機能はプライバシー侵害の可能性が有るという問題があり、このために個人情報を守る観点から、エンドユーザに商品が渡った時点でRFIDの動作を停止させる機能が実用化されている。
【特許文献1】特開2002−81848号公報
【特許文献2】実開平7−24166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の特許文献1記載の技術は、価格が著しく高い長距離タイプのRFIDタグを用いる必要があり、多数の保管物に添付するのはコスト的に難しいと共に、電波が空間を伝搬するため、保管区画内に他の保管物が存在した場合、それらの保管物が誘電体や電磁遮蔽物として作用し、RFIDタグの存在位置の検出に影響を及ぼすことが避けられず、保管スペースのどの位置に管理対象物が存在するかのロケーション管理が難しいと言う不具合があった。
【0007】
また前記特許文献2記載の技術は、共振タグが同一種類の商品が納められた商品ケースに貼付されているため、陳列棚上での商品ケースの配置を検知することはできるものの、共振タグ自体に共振周波数の分解能に限界があるとともに、物理的に必要な共振回路の寸法の制約から、識別を行いたい個別の商品(商品ケースではなく)に貼付することができず、個別の商品の有無を検知することはできないと言う課題があった。更に当該技術は、商品ケースが置かれる位置にアンテナを配置しなければならないため、商品ケースの配置レイアウトが制限されると言う課題もあった。
【0008】
他方、プライバシーの保護を目的として前記RFIDタグの動作を停止させるために二度と機能しなくなる無効化スイッチを組み込んだ場合、無効化後のトレースが不可能となり、RFIDタグのライフサイクルに渡るトレースが可能という長所を生かせず、例えば、無効化後に生じた商品の不具合を製造元が解析しようとしても、RFID機能が無効化されているために、ID情報すら得ることができなくなると言う不具合があった。
【0009】
本発明の目的は、前述の従来技術による不具合を除去することであり、安価なRFIDタグを用い、多数の管理対象物を例え種類やサイズのバリエーションがあっても実時間でその存在位置と姿勢を検出し、管理することができるRFIDタグシステム及び一旦無効としたRFID機能を正当な権限者のみにより復活することができる前記RFIDタグシステムに有効なRFIDタグを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために本発明は、所定の信号送受信範囲との交信が可能なRFIDタグを搭載して該RFIDタグとの交信を行うRFIDタグシステムであって、前記信号送受信範囲が部分的に重複する間隔で複数のアンテナエレメントをマトリクス状に配置したマトリクスアンテナと、前記RFIDタグと交信中のアンテナエレメントのマトリクスアンテナ内座標位置を用いてRFIDタグの位置と判定する位置判定ユニットとを備えることを第1の特徴とする
【0011】
また本発明は、前記第1の特徴によるRFIDタグシステムの位置判定ユニットが、マトリクス状に配置されたアンテナエレメントの内、所定領域内においてRFIDタグと交信中のアンテナエレメントの位置を検出することを第2の特徴とし、前記いずれかのRFIDタグシステムにおいて、位置判定ユニットにより検出した複数のアンテナエレメントのマトリクスアンテナ内の座標位置を記憶する記憶手段を設けたことを第3の特徴とし、前記いずれかのRFIDタグシステムにおいて、マトリクス状に配置されたアンテナエレメント群を複数の領域(群)に物理的又は論理的に区分したことを第4の特徴とする。
【0012】
更に本発明は、前記第1の特徴によるRFIDタグシステムにおいて、前記アンテナエレメントは順次走査され、設定された被検出領域の矩形領域情報を展開し、該走査領域を決定することを第5の特徴とする。
【0013】
また本発明は、前記特徴1乃至5何れかのRFIDタグシステムにおいて、位置判定ユニットは、複数のアンテナエレメントがRFIDタグと交信中であることを検出したとき、前記複数のアンテナエレメントのマトリクスアンテナ内座標位置の重心位置をRFIDタグ位置と判定することを第6の特徴とし、前記何れかのRFIDタグシステムにおいて、RFIDタグが添付された管理対象物の幾何学的な寸法を格納するデータベースを設け、前記位置判定ユニットが、複数のアンテナエレメントがRFIDタグと交信中であることを検出したとき、前記データベースから管理対象物の幾何学的な寸法を読みだして引き当て、認識マップ上で管理対象物の大きさが存在するものとして認識することを第7の特徴とし、前記第1乃至4の特徴の何れかのRFIDタグシステムにおいて、RFIDタグが添付された管理対象物の幾何学的な寸法を格納するデータベースを設け、前記位置判定ユニットが、同一の管理対象物に貼付された複数のRFIDタグの位置を検出し、該検出座標から該管理対象物の姿勢を認識することを第8の特徴とする。
【0014】
また、本発明は、所定範囲の信号送受信範囲との交信が可能なRFIDタグであって、不揮発性の、またはバッテリーバックアップにより実質的に不揮発化された書き換え不能な暗証コードと、書き換え可能か、または複数の1回だけ書き込み可能な動作のオン又はオフを設定する動作制御フラグとを記憶する記憶手段と、該記憶手段を参照してアンテナとの交信を制御するタグコントローラとを備え、該タグコントローラが、外部から動作オン又は動作オフコマンドと暗証コードとを受信したとき、前記記憶手段を参照して受信した暗証コードと記憶手段に記憶した暗証コードとが一致したとき、前記記憶手段に記憶した動作制御フラグのオン又はオフを書き換えることを第9の特徴とする。
【0015】
更に本発明は、前記第9の特徴によるRFIDタグにおいて、前記記憶手段に記憶した暗証コードが複数であり、更に該複数の暗証コードが、それぞれ桁数が異なることを第10の特徴とし、前記第8乃至第10の特徴によるRFIDタグにおいて、前記タグコントローラは、動作の状態確認を行うコマンドを受信したとき、前記記憶手段の動作制御フラグを参照し、動作オン又はオフの状態であることを外部に送信することを第11の特徴とする。
【0016】
また本発明は、所定範囲の信号送受信範囲との交信が可能且つ不揮発性の書き換え不能な暗証コードと、書き換え可能か、または複数の1回だけ書き込み可能な動作のオン又はオフを設定する動作制御フラグとを記憶する記憶手段を含むRFIDタグと、該RFIDタグを制御する制御システムとを備えるRFIDタグシステムであって、複数のRFIDタグの識別コードに対応した暗証コードを格納するデータベースを備え、前記制御システムが、前記RFIDタグの識別コードをキーとしてデータベースを参照し、前記識別コードに対応した暗証コードを引き当て、前記識別コードと暗証コードを用いてRFIDタグの動作制御フラグを書き換えるコマンドを送信することを第12の特徴とし、このRFIDタグシステムにおいて、過去に動作をオフに設定したRFIDタグの識別IDと暗証コードと、前記記憶手段に格納した識別IDと暗証コードとが一致したとき、前記動作制御フラグをオン状態に書き換えることを第13の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるRFIDタグシステムは、RFIDタグ及び該RFIDタグと交信する複数のアンテナエレメントが配置されたマトリクスアンテナとを用い、多数の管理対象物を例え種類やサイズのバリエーションがあっても実時間でその存在位置と姿勢を検出し、管理することができる。
【0018】
更に本発明によるRFIDタグ及びRFIDタグシステムは、該RFIDタグのID及び暗証コードを用い、既に無効としたRFID機能を正当な権限者のみにより復活することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明によるRFIDタグ及びRFIDタグシステムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態によるRFIDタグシステムの構成を示す図、図2は図1に示した各ユニットのシーケンスを示すフローチャート、図3はアンテナマトリクス上の検出対象エリアを定義する様子を示す平面図、図4は各アンテナエレメントに対応した位置のRFIDタグの存在を検出するシーケンス図、図5は位置判定ユニットがRFIDタグの存在位置を認識したマップを表す平面図、図6は管理対象物に関するデータベースの情報項目の例を示す図、図7は上位コンピュータがデータベースから保管対象物の情報を引き当てる構成を示す図である。
<第1実施形態の説明>
【0020】
本実施形態によるRFIDタグシステム1は、マトリクスアンテナ11上のRFIDタグ19等が貼り付けられた商品(図示せず)の位置を検出するものであって、RFIDタグと交信するための複数のアンテナエレメント12(送受信アンテナ)をXY方向にマトリックス状に形成したマトリクスアンテナ11と、該マトリクスアンテナ11上のアンテナエレメント12をスイッチングして個別に信号送受信機能のオン・オフを行うマルチプレクサユニット13と、このマルチプレクサユニット13に対して選択(信号送受信機能のオン=アンテナを活性化するまたは励起する)するアンテナを指定するアンテナコントローラユニット14と、該アンテナコントローラユニット14が指定したアンテナエレメント12の物理的な座標を含むアドレスとRFIDタグとの交信によって得られた情報から交信中のRFIDタグの位置を判定する位置判定ユニット15と、RFIDタグとの交信プロトコルを司り、得られた情報を上位コンピュータ(図示せず)に転送すると共に上位コンピュータからのコマンドや情報を受けるリーダ/ライタユニット16と、前記各ユニットを制御するシステムコントローラ10とから構成される。
【0021】
アンテナエレメントの指向性は、空間の開けた側(マトリクスアンテナ11の平面と直行する方向)に向かって、ほぼアンテナエレメントの物理的寸法で広がる。ただし、指向性パターンはアンテナマトリクス11から離れるに従い若干広がっていく。このため、アンテナマトリクスに近接させて配置されたRFIDタグは、正対する1個のアンテナエレメントだけと交信が成立する。
本実施形態に使用されるRFIDタグ17〜19は、交信可能距離が例えば1mm〜50mm程度の近接型のRFIDタグであって、アンテナエレメント12の上に接触もしくは数十ミリ以下に近接したアンテナエレメントだけにより識別コードが読み取られるものである。
【0022】
前記マトリクスアンテナ11は、ポリイミドやエポキシ等のプリント基板材料を用い、基板上の導体箔をエッチングプロセスでアンテナやアンテナへの給電線を形成したシート状のアンテナであって、プリント基板製造プロセスと同じプロセスにより製作されるものであるが、これに限られるものではない。このマトリクスアンテナ11は、商品等の管理対象物を保管する棚や床に敷き、その上にRFIDタグを底面に貼付した商品を置いて使用するが、壁紙の如く壁面に貼り付け、側面にRFIDタグを貼付した管理対象物を壁に沿って積み上げて使用しても良い。
【0023】
本実施形態によるシステムコントローラ10は、図1に示した各ユニットを制御するものであって、図2に示す如く、RFIDタグとの交信に際し、マルチプレクサユニット13がアンテナコントローラユニット14からRFIDとの交信を行うべき座標(=RFIDの存在の有無を検出する座標である被検出座標)に存在するアンテナエレメントの位置情報(位置情報とリンクしたアンテナエレメントの識別IDであってもよい)を受け取り(ステップST21)、この位置情報に従ってマルチプレクサユニット13が該当するアンテナエレメントをオン(活性化状態)することにより選択し(ステップST22)、このアンテナエレメントの選択状態においてリーダ/ライタユニット16が活性化されたアンテナエレメントを通じて、そのアンテナがカバーするエリア上のRFIDタグと交信を行う。この図2においては、交信の中でもっとも基本的なRFIDタグのID識別コードを得るためのコマンド、以下、誰何(すいか)コマンドを送信する(ステップST23)。
【0024】
次いでシステムコントローラ10は、前記誰何コマンドに対応したRFIDタグが存在し、その応答であるID識別コード等のID情報受信の有無を判定(ステップST24)し、受信した場合には、同情報をリーダ/ライタユニット16へ転送し(ステップST25)、アンテナエレメント受信処理を終了する(ステップST26)。前記ステップST24において、受信されない場合には、不検出情報をリーダ/ライタユニット16へ返信し(ステップST26)、当該選択したアンテナエレメントによるのRFIDタグ交信処理を終了する(ステップST27)。
【0025】
この図2に示したシーケンスによれば、ステップST22で指定された位置のアンテナエレメント12近傍にRFIDタグが交信可能な範囲に置かれているか否かを判定することができ、このシーケンスをマトリクスアンテナ11全体で繰り返すことによって、RFIDタグの位置を検出することができ、この際のシーケンスを図3及び図4を用いて説明する。
【0026】
図3は、マトリクスアンテナ11上で、RFIDタグを検出しようとする対象エリアを定義する様子を示すものであり、この定義は、システムコントローラ10上のデフォルトデータ又は上位コンピュータからの指示によってなされる。
【0027】
本実施形態においては、図3に示す如く、走査領域31の開始点を(Start−X, Start−Y)、終了点を(End−X, End−Y)とした対象エリアを定義した後、図4に示す如く、システムコントローラ10が、最初に選択するアンテナエレメントの座標に(Start−X, Start−Y)を設定し(ステップST41,42)、次に図2で示したRFIDタグ交信処理(ステップST43)を行った後、選択するアンテナエレメントのX座標を一つ進め(ステップST44)、それがEnd−Xを超えていなければ(ステップST45)、ステップ43へ戻り、前記ステップST45においてEnd−Xを超えていれば、Y座標を一つ進めると共にX座標をStart−Xに戻し(ステップST46)、次のY座標のアンテナエレメントのRFIDタグ交信処理(ステップST43〜45)をステップST47によりY座標がEnd−Yを超えているまで繰り返し、Y座標がEnd−Yを超えたときに処理を終了する(ステップST48)。
【0028】
この様に本実施形態によるシステムコントローラは10は、予め走査領域31を指定し、この指定領域の各座標のアンテナエレメント12に対する図2に説明したRFIDタグ交信処理を順次繰り返すことによって、走査領域31内のRFIDタグの位置を検出することができる。
【0029】
尚、本実施形態においてシステムコントローラ10が、検出を行う(走査を行う)エリアを限定する理由は、走査のパフォーマンスを向上させるためである。従って、本実施形態によれば、走査領域31とマトリクスアンテナ11が物理的に一致する必要はなく、これは定義外の領域のアンテナエレメントについては、現実の保管領域に合わせて切断可能であることを意味する。従って、マトリクスアンテナ11を保管場所に合わせて個別に製造しなくとも、標準的な形状(配置)のアンテナマトリクスを製造し、切断することによって任意の形状の保管場所に対応することができる。このためマトリクスアンテナ11は、大量生産に向いたプリント基板プロセスを用いて製造することができ、より広い保管領域に対しては複数のアンテナマトリクスを配置すればいいことは言うまでもない。
【0030】
この図4に示したシーケンスにより、保管場所全体の走査を行い、各アンテナエレメントに対応した位置にRFIDタグ17,18,19が存在するという情報が得られ、その様子を図5に示す。同図は、位置判定ユニット16上の記憶領域に展開されたマップを示しており、保管領域全体を示すマップ51内に、アンテナエレメントの位置に対応したセル52、そして検出位置で検出されたID情報57,58,59がマッピングされている状況を示している。このマッピングは、位置判定ユニット16上にあっても良く、又は個別のアンテナでの検出情報に基づいて上位コンピュータ上にあっても良い。
【0031】
この図5に示に示したRFIDタグの位置を含むマップ情報は、図7に示す上位コンピュータ71がRFIDタグの位置特定システム1から入力した後、同コンピュータまたは同コンピュータが接続されるネットワーク上に記憶されたデータベース72から管理対象物(商品)の情報73を引き当て、ディスプレイ74等の出力装置に出力される。前記管理対象物の情報73を格納するデータベースのデータは、図6に示すように、ID識別情報をキーとして、商品名、パッケージサイズ、登録された保管位置等の保管対象物の情報が含まれる。
【0032】
従って前述の実施形態によれば、商品棚等に敷かれたマトリクスアンテナ11上のRFIDタグに対応した商品の有無、商品名、位置をディスプレイ74上に表示することによって、管理者は実際の商品棚の目視による確認を行うことなく、販売により置かれていない商品名や数を知ることができると共に、例えば同一の商品名の商品の配列が乱れている等の情報を容易に知ることができ、これによって在庫管理や商品棚の整頓等を行うことができる。
<他の実施形態の説明>
【0033】
次に本発明の他の実施形態を説明する。図8はマップに対応させて現実の保管領域を柵等で区切りる構成を示す平面図、図9は保管領域全体を複数の異なる区画に区切りる構成を示す平面図、図10はマップで有限の大きさのある管理対象物が認識されている様子を示す図、図11はアンテナエレメントに対して位置ずれを起こした状態のRFIDタグの情報が検出された状況を示す平面図、図12はアンテナエレメントに対して位置ずれを起こした状態のRFIDタグの情報が検出された状況を示す平面拡大図、図13はマップ上で同一のIDが複数個検出された結果を示すマップ図、図14はアンテナエレメントに対して位置ずれを起こした状態のRFIDタグの情報が正しくセルの中間位置にアライメントされた状況で認識された結果を示すマップ図、図15は回転ずれを起こした管理対象物に対して貼付された2個のRFIDタグが検出されている様子を示した平面図、図16は回転ずれ量を求める方式を説明した平面図、図17は回転ずれの管理対象物に対して貼付された2個のRFIDタグが検出されている様子を示した平面図、図18は回転ずれを起こした管理対象物に対して貼付された3個のRFIDタグが検出されている様子を示した平面図、図19は、本発明に係る回転ずれ量を求める方式を説明した平面図、図20は、本発明に係る、回転ずれを起こした管理対象物が正しく回転された状態でマップ上に認識された状況を示す図である。
<保管領域の説明>
【0034】
前述の第1実施形態においては、保管領域全体を平坦シートとしたマトリクスアンテナ11を説明したが、本発明による保管領域は、図8に示す如く、前記図5に示したマップに対応させてマトリクスアンテナ11上を格子状の柵81等で物理的に区切り、一個のアンテナエレメント12に対してそれぞれRFIDタグが貼付された商品が置かれる複数の区画を構成しても良い。この実施形態によれば、アンテナの位置と保管場所の区画が1対1で対応し、RFIDタグ(商品)の位置を容易に特定することができる。
【0035】
また本発明による保管領域は、アンテナと保管区画とを必ずしも1対1で対応する必要がないため、その区画サイズも組み合わせも自由自在である。従って本発明による保管領域は、例えば図9に示す如く、保管領域全体を広さが異なる複数の区画91,92〜96の如く区切っても良い。これらの区画は、図8の如く物理的に実際の柵で区切っても良いし、または位置判定ユニット16もしくは上位コンピュータ71内部に仮想的且つ論理的にデータによって区切られた区画であっても良い。尚、図の例ではアンテナエレメント単位で区画を区切る例を示したが、これに限られるものではなく、アンテナエレメントをまたいで区切っても良く、更に矩形の区切りである必要もなく、任意の形状に区画を作成することができる。
<商品位置判定の説明>
<正規位置配置の場合>
【0036】
前述の実施形態においては、アンテナエレメント12とRFIDタグとのサイズが略同一の場合を説明したが、実際の商品展示においては、商品(梱包箱含む)のサイズに比べてRFIDタグのサイズが小さい場合が多い。例えば、図10に示す如く、保管領域(またはアンテナマトリクス)11上にRFIDタグ102が中央に貼付された実際の商品(管理対象物:太線で示す)が置かれることが多い。従って、RFIDタグの検出位置だけをマッピングしたのでは、現実に管理対象物が占有する保管スペースとの間に乖離が生ずる。そこで、本発明では、図7に示したデータベース72に複数の管理対象物の情報73を格納しておき、該データベース72の管理対象物の情報73を基に管理対象物の現実の寸法を引き当て、図11に示すように、マップ51上で有限の大きさのある管理対象物111がRFIDタグ112をつけている状態として認識することが望ましい。
【0037】
<XY方向ズレの場合>
【0038】
このRFIDタグのサイズが商品サイズより大きい場合、区画の切り方と商品サイズ並びに商品に対するRFIDタグの貼り付け位置によっては、図12に示すように位置ずれを起こした状態のRFIDタグ121の情報が検出される場合がある。
【0039】
この図12における位置ズレを起こした際のRFIDタグとアンテナエレメントを拡大したのが図13であり、図示の如く、RFIDタグは、アンテナエレメント132とアンテナエレメント131との間に位置ずれを起こして配置されている。この図13には、それぞれのアンテナエレメント131及び132がカバーしている検出(交信)可能領域135,136を斜線で示している。
【0040】
この図13を参照すれば明らかな如く、アンテナエレメントの検出(交信)可能領域はそれぞれオーバーラップしている。このため、位置ずれを起こしているRFIDタグ121の検出は、アンテナエレメント131,132の両方で行われる。尚、図13では位置ずれがX方向に発生した場合を示しているが、Y方向、またはX,Y両方向に発生している場合であっても、複数のアンテナエレメントで検出される状況に差はない。
【0041】
この場合、システムがアンテナエレメントにより認識するマップは、図14に示すように、同一のID102が符号141,142の如く複数個検出されている状況になる。IDは各RFID毎に異なるのため、本実施形態による位置判定ユニット16は、同じIDが複数アンテナで検出された場合に1個のRFIDタグが位置ずれを起こしていると判断し、それぞれのアンテナエレメントの131,132の中間に位置していると判定し、図15に示すように、現実の管理対象物(商品)151はセルの中間位置にRFIDタグ152がアライメントされた状況で検出されていると認識する。
【0042】
尚、本実施形態による位置判定ユニット16は、前述の様にXY方向に位置ズレが生じて2個以上の複数のアンテナエレメントで同時に同一RFIDタグが検出された場合、該当するアンテナエレメントの位置の重心位置を求めることによって、管理対象物(商品)の位置を判断することができる。
<回転ズレの場合>
【0043】
また、実際の商品の展示においては、管理対象物の位置ずれはX、Y方向の平行なずれだけでなく、回転を伴う場合もある。このため本実施形態による位置判定ユニット16は、一個の管理対象物に対して複数のRFIDタグを貼付することによって、回転ズレを検出しても良い。例えば図16に示した如く、矩形の管理対象物161の一辺の両端に貼り付け、図16に示す如く、回転ずれを起こした管理対象物161の2個のRFIDタグ163,164を異なるアンテナエレメントが検出し、データベース72上の管理対象物の情報73からそのパッケージの現実の寸法及び貼り付け位置を基に、管理対象物161がどの様に回転されて置かれているかを検出することができる。
【0044】
この場合、本実施形態による位置判定ユニット16は、2個のRFIDタグが同一の管理対象物に貼付されたものであるというデータベース72の情報から、図17に示される状況を仮定し、2つのRFIDタグの検出座標からINVTAN(△Y/△X)を算出し、回転ずれ量θを求める。尚、INVTANは正接の逆関数である。また、同様にデータベース72から管理対象物の寸法Lx,Lyを引き当て、幾何的に管理対象物の中心位置171を求める。
【0045】
前記管理対象物に貼り付けるRFIDタグの数は3ケ以上でも良く、例えば図18の如く、管理対象物181の3隅に貼付された3個のRFIDタグ163,164、182が検出されることにより、回転ずれ量θを求める。この場合、本実施形態では3個のRFIDタグが同一の管理対象物に貼付されたものであるというデータベース72の情報から、図19に示される如く、矩形の管理対象物181の3隅に貼り付けられたRFIDタグ163,164、182の検出座標を基にINVTAN(△Y/△X)を算出し、回転ずれ量θを求める。本実施形態の場合、管理対象物の寸法は、各RFIDタグの検出位置間距離によって求めることもでき、これらの検出位置からTx、Tyを求め、幾何的に管理対象物の中心位置171を求めることができる。
【0046】
こうして求められた回転位置ずれ量と合わせて、本発明では図20に示すように、管理対象物201が回転した状態で保管されていると認識することができる。このときの管理対象物の中心位置は、前記図17または図19で求めた中心位置171である。
<RFIDタグの説明>
【0047】
前記実施形態によるRFIDタグは、一般の外部のアンテナエレメントからの電波等に応じて自己の識別IDを発信するものであるが、本発明においては、前記機能をオン・オフする機能を付加しても良く、この実施形態を図21以降を参照して説明する。図21は本実施形態に係わるRFIDタグの内部構成図、図22は前記RFIDタグの制御システムを説明する構成図、図23は本システムで使用するデータ群の構成を示す図、図24は本実施形態に係わる制御システムが、RFIDタグの動作をオフにするシーケンスを示す図、図25は本RFIDタグがリーダ/ライタ経由の交信要求に対して応答するシーケンス図、図26は本RFIDタグが状態を質問するコマンドに対して回答するシーケンス図、図27は本発明に係わるRFIDタグがリーダ/ライタ経由の交信要求に対して応答するシーケンス図、図28は本RFIDタグがその動作をオンにするシーケンス図、図29は本RFIDタグがその動作をオンにするシーケンス図、図30は個別IDコード、個別暗証コード、カテゴリIDコード、カテゴリ暗証コードの関係を示す概念図、図31は個別IDコードの内部をメーカカテゴリ識別IDコード、製品識別IDコードとした例を説明した図、図32はメーカカテゴリ暗証コードの内部を製品暗証コード、個別暗証コードとした例を説明した図、図33は、上位の暗証コードを用いたオンコマンド処理のシーケンスを説明する図、図34はRFIDタグの動作状況を確認する簡易手段が動作するシーケンスを説明する図、図35はRFIDタグの動作状況を確認する簡易手段の実現例を説明する図である。
<RFIDタグ構成の説明>
【0048】
本実施形態に係わるRFIDタグの制御方式およびそのシステムの実施例を図21から図35を用いて説明する。図21に示すRFIDタグ211は、タグ識別コード212と動作制御フラグ213と暗証コード214とタグコントローラ215とを内蔵し、タグコントローラ215の制御下で動作する様に構成され、図22に示す如く、リーダ/ライタ222を介して上位コンピュータ223と接続して各種データ交信を行うものである。尚、前記上位コンピュータ223は、RFIDタグの利用形態によってはPOS等の店舗端末であっても良い。
【0049】
この上位コンピュータ223は、図23に示す如く、個々のRFIDタグに付与されている複数の識別コード群231と、その個別の識別コードとリンクしたRFIDタグを添付された管理対象物の個別情報群232と、前記個別の識別コードとリンクした個別の暗証コード群333とにアクセスすることができる。これら情報は、上位コンピュータ223内に保管されていてもいいし、またはネットワークを経由してアクセスできるのであってもいい。
<RFIDタグのオフ動作の説明>
【0050】
この様に構成された本システムは、上位コンピュータ223からの指示によってRFIDタグの動作をオン・オフするものであり、まず制御システムが、RFIDタグの動作をオフ(OFF)にするシーケンスを図24に示す。本シーケンスは、図に示す如く、RFIDタグ211がリーダ/ライタ222を経由し、オフ設定の対象とするRFIDタグを特定するための識別コード(またはIDコード)とオフ機能をRFIDタグが受け入れるための暗証コードが付与されたオフコマンドを受信(ステップST241)すると、タグコントローラ215が前記オフコマンドにより指示されたIDが自己のIDか否かの判定を行う(ステップST242)。
【0051】
このステップST242において受信したIDコードが自己宛のオフコマンドであった場合、タグコントローラ215は、暗証コードを比較して暗証コードが一致するか否かの判定(ステップST243)を行い、一致した場合、前記動作制御フラグ213をオフにセットする(ステップST244)。
【0052】
前記動作フラグ213は、単一の、書き換え可能なメモリであっても、または複数の一回だけ書き込み可能なメモリであってもよい。複数の一回だけ書き込み可能なメモリの場合の動作は以下のように行う。RFIDタグに第1から第4までのメモリがある場合に、一つも書き込まれていない場合は状態オン、第1のメモリに書き込まれていた場合は状態オフ、第2のメモリに書き込まれていた場合は状態オン……と定義する。これにより、書き換え可能なメモリではなくても、状態オンと状態オフを作り出せる。
【0053】
このように本実施形態におけるオフコマンドの実行のためには、IDコードと暗証コードの両方が一致する必要があり、無数に存在するIDコード毎に異なる暗証コードが設定され、データとしてIDコードとリンクされた暗証コードが図示しないデータベース等に保管される。これらの暗証コード及びIDコードは、管理対象物の納品と共に物流の上流である問屋やメーカーから送られることや、RFIDタグの製造元のRFIDタグメーカが管理する情報センタに保管されることが考えられる。後者の場合には、オフ機能の実行ごとにネットワーク経由で暗証コードを取り寄せる。
【0054】
本実施形態におけるRFIDタグのオフ動作は、例えば製品である管理対象物が正規に購入されたことを、レジに配されたPOSシステムが検知したときが好適である。
<RFIDタグ確認の説明>
【0055】
次いで本実施形態によるRFIDタグのリーダ/ライタ経由の交信要求に対して応答するシーケンスを図25を参照して説明する。本実施形態によるRFIDタグ211は、まず、リーダ/ライタ222からのIDコードを問いかけるコマンドである誰何(すいか)コマンドを受信(ステップST251)したとき、タグコントローラ215が動作制御フラグ213を参照し、該動作制御フラグ213がオンであるか否かの判定(ステップST252)を行い、オンのとき、自分のIDコードを送出(ステップST253)し、処理を終了する(ステップST254)。
【0056】
次いでリーダ/ライタ222は、図25に示したシーケンスにおいて返信が無い場合に、RFIDタグ(またはシステム)が故障しているのか、RFIDタグがそもそも貼付されていないのか、それとも動作制御フラグがオフになっているのかを区別できないため、図26に示すように、状態を質問する状態コマンドを用意し、リーダ/ライタ222から前記状態コマンドを受信(ステップST261)したとき、タグコントローラ215が動作制御フラグ213を参照して該フラグがオンであるか否かを判定(ステップST262)し、動作制御フラグがオンのときに“ON”状態である旨を返信し(ステップST263)、動作制御フラグがオフの場合“OFF”状態である旨を返信(ステップST264)し、処理を終了する(ステップST265)。
【0057】
即ちシステムは、図25で示したIDコードを問いかけるコマンドである誰何(すいか)コマンドによってシステムに応答し、この応答がないとき、状態コマンドによってRFIDタグ(またはシステム)が故障/RFIDタグがそもそも貼付されていない/動作制御フラグがオフになっているのかを区別するため、状態コマンドに応じて動作制御フラグ213がオンかオフかの問い合わせを行う様に動作する。
【0058】
尚、前記実施形態においては、図25に示した誰何コマンドと状態コマンドの両者を用いる例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、図7に示す如く、誰何コマンドを受信(ステップST271)したときに動作制御フラグ213がオンか否かを判定(ステップST272)し、オンのときに自己IDを送信(ステップST273)し、オフのときに“OFF”状態の返信(ステップST274)を行う様に構成しても良い。このシーケンスによれば、応答がないときはRFIDタグ等が故障又は貼付されていないと判定することができる。
【0059】
また本実施形態による誰何コマンドを用いた場合の動作制御フラグのオフ動作は、IDコードと暗証コードの両方の送出が必要なことから、オフコマンドと誰何コマンドがペアで実行され、図28にその上位コンピュータ23側のシーケンスで示す。
【0060】
このシーケンスは、上位が誰何コマンドを送出(ステップST282)し、対象とするRFIDタグのIDコードを受信(ステップST283)すると、次にそのIDコードに該当する暗証コードを検索(ステップST284)して暗証コードを入手し、その暗証コードとIDコードを送信(ステップST285)することにより、実行される。
<オン動作の説明>
【0061】
さて、例えば一旦販売された商品が返品され、その返品商品の履歴を記録する必要が生じた場合/不具合が出た商品の履歴を調査する場合/盗難物の履歴を調査する等のやむ得ない事情で動作制御フラグ213を再びオン状態に戻す必要があり、この動作制御フラグをオンにする動作を次に説明する。
【0062】
この動作は、まず図29に示す如く、RFIDタグ211のタグコントローラ215がリーダ/ライタ222を介してオンNコマンドを受信(ステップST291)したとき、該オンコマンドに含まれるIDコードが自己のIDか否かを判定(ステップST292)し、自己のIDと一致したとき暗証コードが自己と一致するか否かの判定(ステップST293)を行い、一致したときに動作制御フラグ213をオンに設定(ステップST294)し、前記ステップST293又は294においてIDや暗証コードと一致しないときには処理を終了する様に動作する。
<IDコード認識動作>
【0063】
前記動作制御フラグをオンとする場合には、オフ状態の対象RFIDタグが誰何コマンドを実行しないために、IDコードを知る方法が無いという問題が発生する。本発明では、この問題に対して、階層構造のIDコードと暗証コードを設けることにより対処する。
【0064】
これを順を追って説明すると、まず、小売店の店頭等で、取り扱っている物流量が限られている状況を想定した場合、オフコマンドを設定したRFIDタグの個数も限られているので、小売店では、過去にオフコマンドを発行したIDコードとその暗証コードをしらみつぶしに送出する。または、対象の商品をキーに、過去にオフコマンドを発行したIDコードとその暗証コードから範囲を絞って送出する。これにより、時間はかかるものの、実用的な時間の範囲で動作制御フラグをオンにすることが出来る。
【0065】
また、オフコマンドを実行した店舗が不明等の状況で、前記過去にオフコマンドを発行したIDコードとその暗証コードが入手できないような状況を想定した場合、全くの手がかりなしにデータをしらみつぶしに送っても、現実的な時間の範囲で動作制御フラグをオンにすることが出来ない。
【0066】
このため本実施形態においては、管理対象のあるカテゴリ(例えば製品の種別またはメーカ自体)に対して一括に作用させるように構成した上位の暗証コード及びIDコードの組を用意し、この上位の暗証コード及びIDコードの組を使用することによって、個別の識別IDが不明であっても、目的の管理対象物の動作制御フラグをオンにすることが出来る。
【0067】
前記上位の暗証コード及びIDコードは、管理対象物の製造元またはRFIDタグの製造元だけが知る情報として厳重に保管され、セキュリティを向上させるために、暗所番号コードの桁数を、個別IDコード用に比べて多くしておくことが望ましい。
【0068】
例えば、図30に示すごとく、個別IDコード315に比べて桁数が短くなるカテゴリIDコード(例えば製品識別IDコード313やメーカカテゴリ識別IDコード311)に合わせて、カテゴリ暗証コード(例えば製品暗証コード314やメーカカテゴリ暗証コード312)の桁数を多くすることが望ましい。
【0069】
更に本実施形態においては、RFIDタグ上での識別コードや暗証コードが占めるメモリ領域を節約するため、一部を共用し、例えば図31に示すごとく、個別IDコード全体101の内の上位部分をメーカカテゴリ識別ID、さらに下位まで延長した部分を製品識別ID、その間の部分を製品識別IDとすることが望ましい。同様に暗証コードについても、図32に示すごとく、メーカカテゴリ暗証コード全体431の内の上位部分を製品暗証コードとし、さらにその上位を個別暗証コードとし、この間の部分を製品暗証コードとしても良い。
<第三者の不正防止>
【0070】
また前記実施形態によれば不正な第三者が、しらみつぶしでの暗証コード解読を行うことが考えられる。このため本実施形態においては、図33に示す如く、RFIDタグ211のタグコントローラ215が、前記上位の暗証コードを用いたオンコマンド処理については、オンコマンドの処理時間を意図的に長くすることにより、しらみつぶしのコード解読が現実的な時間では不可能にしておくことが望ましい。このシーケンスは、図33に示す如く、RFIDタグのタグコントローラ215が、上位暗証コードを用いたオンコマンドを受信する(ステップST421)と、上位暗証コードに対応した経過時間のループを回り(ステップST422)、その後にオンコマンド処理(ステップST423)を行うことにより達成される。
<動作制御フラグの設定の確認>
【0071】
また、実際のシステムおいては、動作制御フラグがオフであることを確認する簡便な手段を用意することが、本システムの信頼性を向上させるために有効である。このような確認手段は、図34に示すシーケンスで動作し、起動するとまず、誰何コマンド等のRFIDが動作開始するコマンドを送信(ステップST441)し、次に該ステップST441のコマンドに対応して受信があるかを判定(ステップST442)し、この判定において、動作中を示す受信があれば、チェックすべきRFIDタグは動作中であるとして「動作中」を示す表示(ステップ143)い、前記ステップST441で正常に受信することができず、且つ動作中をあらわす受信が一定時間待っても受信できない場合(ステップST444)、RFIDタグは非動作中として「タグ動作がオフ」であることを表す表示を行う。
【0072】
この確認装置451は、例えば図35に示す如く、携帯性を良くするためにカード状に構成し、電源となる太陽電池セル452と、RFIDタグと交信するためのアンテナ453と、RFIDタグが動作中であるか否かの確認を開始するための確認開始スイッチ454と、確認結果を表示する表示器155及び156と、図示しない制御回路とを備え、該制御回路が前記図43に示したシーレンスに従って動作し、その結果に応じて表示器455又は456を点灯させる様に構成されている。
【0073】
これら表示器455及び456は、RFIDタグの動作確認を行うものであった場合、動作がOK、すなわち動作オン状態ならば「OK」または正常を表す表示が点灯し、動作がNG、すなわち動作オフ状態ならば「NG」または異常を表す表示が点灯する。一方、確認装置451が、RFIDタグの停止によるプライバシー確保の確認を行うものであった場合、動作オン状態ならばプライバシー確保がなされていないことを示す「NG」または異常を表す表示が点灯し、動作オフ状態ならばプライバシー確保がなされていることを示す「OK」または正常を表す表示が点灯する。尚、図35に示した確認装置451の形状は、他の形状でもあっても良い。
【0074】
この様に本実施形態によるRFIDタグは、上位装置からの指令によって、動作制御フラグのオン・オフを行うことができ、これによって例えばタグを添付した商品が一般顧客に販売された際には機能をオフとし、その返品商品の履歴を記録する必要が生じた場合/不具合が出た商品の履歴を調査する場合/盗難物の履歴を調査する等のやむ得ない事情で動作制御フラグ213を再びオン状態に戻す必要が生じた場合に対応することができる。
【0075】
尚、本発明によるRFIDタグタグシステム及びタグは次に述べる実施形態としても表すことができる。
<実施形態1>
【0076】
RFIDタグとの交信を行うRFIDタグシステムにおいて、シート状の基材に多数のアンテナエレメントをマトリクス状に形成したマトリクスアンテナと、該マトリクスアンテナ中の個別のアンテナエレメントを順次にまたは任意に切り替えるマルチプレクサユニットと、該マルチプレクサユニットに対して選択するアンテナエレメントを指定するアンテナコントローラユニットと、該アンテナコントローラユニットが指定したアンテナエレメントの物理的な座標情報から交信中のRFIDタグの位置を判定する位置判定ユニットと、該RFIDタグとの交信プロトコルを制御し、得られた情報を上位コンピュータに転送するとともに、上位コンピュータからのコマンドや情報を受けるリーダ/ライタユニットと、各ユニットを制御するシステムコントローラから構成されることを特徴とするRFIDタグシステム。
<実施形態2>
【0077】
前記システムコントローラは、上位コンピュータからの被検出領域の矩形領域情報を展開し、前記アンテナコントローラが走査する領域を決定する特徴がある実施形態1記載のRFIDタグシステム。
<実施形態3>
前記位置判定ユニット内部に、検出されたRFIDタグの位置情報を記憶する認識マップ領域を備えたことを特徴とする実施形態1または2に記載のRFIDタグシステム。
<実施形態4>
前記マトリクスアンテナ上に柵を設け、該マトリクスアンテナ上の領域を複数の区画に分割したことを特徴とする実施形態1から3に記載のRFIDタグシステム。
<実施形態5>
前記マトリクスアンテナ上の柵は、仮想的なものであり、前記認識マップ領域上をデータで区分したものであることを特徴とする実施形態1から4に記載のRFIDタグシステム。
<実施形態6>
【0078】
前記区分された領域は、異なる大きさで、複数であることを特徴とする実施形態4または5に記載のRFIDタグシステム。
<実施形態7>
前記位置判定ユニットは、同一のRFIDタグが検出された複数のアンテナエレメントの座標の重心位置をRFIDタグの検出位置と認識することを特徴とする実施形態1から6に記載のRFIDタグシステム。
<実施形態8>
前記位置判定ユニットは、検出されたRFIDタグが添付された管理対象物の幾何学的な寸法をデータベースから検索して引き当て、認識マップ上で管理対象物の大きさが存在するものとして認識することを特徴とする実施形態1から7に記載のRFIDタグシステム。
<実施形態9>
前記位置判定ユニットは、同一の管理対象物に貼付された複数のRFIDタグの位置を検出し、該検出座標から該管理対象物の姿勢を認識することを特徴とする前記実施形態1から8に記載のRFIDタグシステム。
<実施形態10>
【0079】
個別の識別IDコードを交信可能なRFIDタグにおいて、実質的に不揮発性の書き換え可能なフラグと、該フラグの状態を参照し、動作オン状態の場合に交信を行うことを決定するタグコントローラと、動作ONまたは動作OFFコマンドを受信した場合に、RFIDタグ内部に書き込まれた暗証コードを参照し、認証がとれた場合には、前記書き換え可能なフラグを動作オンまたは動作オフ状態に該フラグを書き換えるタグコントローラとを持つことを特徴とするRFIDタグ。
<実施形態11>
前記暗証コードは、複数個備えたことを特徴とする前記実施形態10に記載のRFIDタグ。
<実施形態12>
前記複数の暗証コードは、それぞれ桁数が異なることを特徴とする前記実施形態11記載のRFIDタグ。
<実施形態13>
前記識別IDコードは、複数個備えたことを特徴とする前記実施形態10又は11又は12に記載のRFIDタグ。
<実施形態14>
前記複数のIDコードは、それぞれ桁数が異なることを特徴とする前記実施形態13記載のRFIDタグ。
<実施形態15>
【0080】
動作の状態確認を行うコマンドを受信した場合には、前記書き換え可能なフラグの状態を参照し、動作オン状態の場合にはオンの状態である旨を送信し、動作オフ状態の場合にはオフの状態である旨を送信するタグコントローラを備えたことを特徴とする前記実施形態10から14記載のRFIDタグ。
<実施形態16>
個別の識別IDコードを交信可能なRFIDタグにおいて、不揮発性の書き換え可能なフラグと、該フラグの状態を参照し、動作オン状態の場合に交信を行うことを決定するタグコントローラと、動作オンまたは動作オフコマンドを受信した場合に、RFIDタグ内部に書き込まれた暗証コードを参照し、認証がとれた場合には、前記書き換え可能なフラグを動作オンまたは動作オフ状態に該フラグを書き換えるタグコントローラとを持つことを特徴とするRFIDタグを用いるRFIDシステムにおいて、該個別のRFIDタグの識別コードをキーとしてデータベースを参照し、該個別の識別コードに関連づけられた個別の暗証コードを引き当て、該個別の識別コードと該個別の暗証コードをペアにして、該RFIDタグの前記書き換え可能なフラグを書き換えるコマンドを送信する制御システムを備えたことを特徴とするRFIDタグシステム。
<実施形態17>
【0081】
前記コマンドは動作をオフ状態に設定するコマンドであり、動作をオン状態に設定するコマンドは、過去に該システムによって動作をオフに設定したRFIDタグの個別の識別IDと個別の暗証コードのペアにして該RFIDタグの前記書き換え可能なフラグを書き換えるコマンドを構成する制御システムを備えたことを特徴とする、前記実施形態16記載のRFIDタグシステム。
<実施形態18>
前記過去に該システムによって動作をオフに設定したRFIDタグの個別の識別IDと個別の暗証コードのペアは、過去のログまたはペアを作成した記録から引き出されたもので、該引き出された複数のデータを、該RFIDタグの前記書き換え可能なフラグが書き換えられるまで順次送信する制御システムを備えたことを特徴とする、前記実施形態17に記載のRFIDタグシステム。
<実施形態19>
前記データベースは、管理対象物の移動に同期して、物流の上流からネットワークまたは媒体により配布されたものであることを特徴とする前記実施形態16から18記載のRFIDタグシステム。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によるRFIDタグシステムは、実時間で動作可能な商品の棚卸や保管場所の特定を含む在庫管理へ適用することができる。例えば、販売店倉庫の商品保管棚へ本発明を適用すれば、必要な商品の保管場所がリアルタイムで監視でき、出庫の際に探し回らなくても済む、また、予定外の場所の移動を検出するアルゴリズムと組み合わせれば、盗難防止システムとしても利用できる。
【0083】
更に本発明によるRFIDタグシステムは、管理対象物のサイズまたは管理対象区画の大きさが変化しても、それに追従できる特徴があり、スペース効率を重視する保管エリアでは大きな威力を発揮する。例えば、図書館の書庫に本発明を適用し、本棚にアンテナマトリクスを敷き詰めれば、本の厚み(もしくはサイズのバリエーション)に関わらず、本に添付されたRFIDタグの情報を検出できるので、目的の本の存在箇所が検索可能なシステムをスペース効率よく実現することが出来る。そのリアルタイム性を生かし、図書の貸し出しシステムと連動することにより、閲覧中(貸し出されてはいないが、本棚からは取り出されている状態)かどうかを判定することも出来るシステムとなる。
【0084】
他方本発明によるRFIDタグは、個人消費者向けの製品の、プライバシー保護に配慮した流通管理に用いる。個人消費者向けの製品が、小売店から個人消費者に渡る時点で、小売店の店頭に置いてRFIDタグの動作を停止させ、個人のプライバシー保護を確実に行うと同時に、RFIDタグの再動作を可能とすることによって、製品事故や盗難時の調査に有効なデータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態によるRFIDタグシステムの構成を示す図。
【図2】図1に示した各ユニットのシーケンスを示すフローチャート。
【図3】アンテナマトリクス上の検出対象エリアを定義する様子を示す平面図。
【図4】各アンテナエレメントに対応した位置のRFIDタグの存在を検出するシーケンス図。
【図5】RFIDタグの存在位置を認識したマップを表す平面図。
【図6】管理対象物に関するデータベースの情報項目の例を示す図。
【図7】データベースから保管対象物の情報を引き当てる構成を示す図。
【図8】マップに対応させて現実の保管領域を柵等で区切りる構成を示す平面図。
【図9】保管領域全体を複数の異なる区画に区切りる構成を示す平面図。
【図10】マップ上で管理対象物が認識されている様子を示す図。
【図11】位置ずれを起こしたRFIDタグの検出状況を示す平面図。
【図12】図11の拡大図。
【図13】マップ上で同一のIDが複数個検出された結果を示すマップ図。
【図14】位置ずれを起こしたRFIDタグがセルの中間位置にアライメントされた状況を示すマップ図。
【図15】回転ずれを起こした管理対象物に対して貼付された2個のRFIDタグが検出されている様子を示した平面図。
【図16】回転ずれ量を求める方式を説明した平面図。
【図17】回転ずれの管理対象物に対して貼付された2個のRFIDタグが検出されている様子を示した平面図。
【図18】回転ずれの管理対象物に対して貼付された3個のRFIDタグが検出されている様子を示した平面図。
【図19】本発明に係る回転ずれ量を求める方式を説明した平面図。
【図20】回転ずれを起こした管理対象物が正しく回転された状態でマップ上に認識された状況を示す図。
【図21】本実施形態に係わるRFIDタグの内部構成図。
【図22】前記RFIDタグの制御システムを説明する構成図。
【図23】本システムで使用するデータ群の構成を示す図。
【図24】制御システムがRFIDタグの動作をオフにするシーケンスを示す図。
【図25】リーダ/ライタ経由の交信要求に対して応答するシーケンス図。
【図26】本RFIDタグが状態コマンドに対して回答するシーケンス図。
【図27】RFIDタグがリーダ/ライタ経由の交信要求に対して応答するシーケンス図。
【図28】本RFIDタグがその動作をオンにするシーケンス図。
【図29】本RFIDタグがその動作をオンにするシーケンス図。
【図30】個別ID/個別暗証/カテゴリID/カテゴリ暗証コードの関係を示す概念図。
【図31】個別IDコードの内部の例を説明する図。
【図32】メーカカテゴリ暗証コードの内部の例を説明する図。
【図33】上位の暗証コードを用いたオンコマンド処理のシーケンス図。
【図34】RFIDタグの動作状況を確認する動作シーケンスを説明する図。
【図35】RFIDタグの動作状況を確認する簡易手段の実現例を説明する図。
【符号の説明】
【0086】
10:システムコントローラ、11:マトリクスアンテナ、12:アンテナエレメント、13:マルチプレクサユニット、14:アンテナコントローラユニット、15:位置判定ユニット、16:リーダ/ライタユニット、RFID17〜19:タグ、23:上位コンピュータ、31:走査領域、32:個別情報群、33:暗証コード群、71:上位コンピュータ、72:データベース、74;ディスプレイ、81:柵、101;コード全体、111:管理対象物(商品)、112〜121:タグ、131〜132:アンテナエレメント、135〜136:可能領域、155:表示器、161:管理対象物、163〜164:タグ、171:中心位置、181:管理対象物、201:管理対象物、212:タグ識別コード、213:動作制御フラグ、214:暗証コード、215:タグコントローラ、222:リーダ/ライタユニット、312:メーカカテゴリ暗証コード、314:製品暗証コード、431:メーカカテゴリ暗証コード全体、451:確認装置、452:太陽電池セル、453:アンテナ、454:確認開始スイッチ、455:表示器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定範囲の信号送受信距離との交信が可能なRFIDタグを搭載して該RFIDタグとの交信を行うRFIDタグシステムであって、複数のアンテナエレメントをマトリクス状に配置したマトリクスアンテナと、前記RFIDタグと交信中のアンテナエレメントのマトリクスアンテナ内座標位置をRFIDタグの位置と判定する位置判定ユニットとを備えることを特徴とするRFIDタグシステム。
【請求項2】
前記位置判定ユニットが、マトリクス状に配置されたアンテナエレメントの内、所定領域内においてRFIDタグと交信中のアンテナエレメントの位置を検出することを特徴とする請求項1記載のRFIDタグシステム。
【請求項3】
前記位置判定ユニットにより検出した複数のアンテナエレメントのマトリクスアンテナ内の座標位置を記憶する記憶手段を設けたことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグシステム。
【請求項4】
前記マトリクス状に配置されたアンテナエレメントを複数の領域に物理的又は論理的に区分したことを特徴とする請求項1記載のRFIDタグシステム。
【請求項5】
前記アンテナエレメントは順次走査され、設定された被検出領域の矩形領域情報を展開し、該走査領域を決定することを特徴とする請求項1記載のRFIDタグシステム。
【請求項6】
前記位置判定ユニットは、複数のアンテナエレメントがRFIDタグと交信中であることを検出したとき、前記複数のアンテナエレメントのマトリクスアンテナ内座標位置の重心位置をRFIDタグ位置と判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項7】
RFIDタグが添付された管理対象物の幾何学的な寸法を格納するデータベースを設け、前記位置判定ユニットが、複数のアンテナエレメントがRFIDタグと交信中であることを検出したとき、前記データベースから管理対象物の幾何学的な寸法を読みだして引き当て、認識マップ上で管理対象物の大きさが存在するものとして認識することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項8】
RFIDタグが添付された管理対象物の幾何学的な寸法を格納するデータベースを設け、前記位置判定ユニットが、同一の管理対象物に貼付された複数のRFIDタグの位置を検出し、該検出座標から該管理対象物の姿勢を認識することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のRFIDタグシステム。
【請求項9】
所定範囲の信号送受信距離との交信が可能なRFIDタグであって、実質的に不揮発性の書き換え不能な暗証コードと書き換え可能か、または複数の1回だけ書き込み可能な動作のオン又はオフを設定する動作制御フラグとを記憶する記憶手段と、該記憶手段を参照してアンテナとの交信を制御するタグコントローラとを備え、該タグコントローラが、外部から動作オン又は動作オフコマンドと暗証コードとを受信し、前記記憶手段を参照して受信した暗証コードと記憶手段に記憶した暗証コードとが一致したとき、前記記憶手段に記憶した動作制御フラグのオン又はオフを書き換えることを特徴とするRFIDタグ。
【請求項10】
前記記憶手段に記憶した暗証コードが複数であり、該複数の暗証コードが、それぞれ桁数が異なることを特徴とする請求項9記載のRFIDタグ。
【請求項11】
前記タグコントローラは、動作の状態確認を行うコマンドを受信したとき、前記記憶手段の動作制御フラグを参照し、動作オン又はオフの状態であることを外部に送信することを特徴とする請求項9乃至10何れかに記載のRFIDタグ。
【請求項12】
所定範囲の信号送受信距離との交信が可能且つ不揮発性の書き換え不能な暗証コードと書き換え可能な動作のオン又はオフを設定する動作制御フラグとを記憶する記憶手段を含むRFIDタグと、該RFIDタグを制御する制御システムとを備えるRFIDタグシステムであって、複数のRFIDタグの識別コードに対応した暗証コードを格納するデータベースを備え、前記制御システムが、前記RFIDタグの識別コードをキーとしてデータベースを参照し、前記識別コードに対応した暗証コードを引き当て、前記識別コードと暗証コードを用いてRFIDタグの動作制御フラグを書き換えるコマンドを送信することを特徴とするRFIDタグシステム。
【請求項13】
過去に動作をオフに設定したRFIDタグの識別IDと暗証コードと、前記記憶手段に格納した識別IDと暗証コードとが一致したとき、前記動作制御フラグをオン状態に書き換えることを特徴とする前記請求項12記載のRFIDタグシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−14110(P2006−14110A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−190667(P2004−190667)
【出願日】平成16年6月29日(2004.6.29)
【出願人】(000152985)株式会社日立情報システムズ (409)
【Fターム(参考)】