RFIDタグ
【課題】ストラップ取付部を備えた部材を交換する場合に、ケースを交換せずに済むと共にRFID部品の取り外し・再取り付けもせずに済むRFIDタグを提供する。
【解決手段】ケース12の第2ケース本体14の角部に凹部14dが形成されており、この凹部14dにストラップホルダ19のストラップ取付部20を配置している。さらにこのストラップホルダ19の被取付板部21はねじ27により第1ケース本体13に第1ケース本体13と共に固定されている。このストラップホルダ19の凹部側外面部20bにおいて横孔部22aに対応する部位には第1補強板部25が形成されている。
【解決手段】ケース12の第2ケース本体14の角部に凹部14dが形成されており、この凹部14dにストラップホルダ19のストラップ取付部20を配置している。さらにこのストラップホルダ19の被取付板部21はねじ27により第1ケース本体13に第1ケース本体13と共に固定されている。このストラップホルダ19の凹部側外面部20bにおいて横孔部22aに対応する部位には第1補強板部25が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯ストラップ保持用のストラップホルダを備えたRFIDタグに関する。
【背景技術】
【0002】
人が携帯するRFIDタグとしては、例えば建物への入退室を管理する鍵システムに使用されるRFIDタグが知られており、このRFIDタグは、図21に示すように、薄型でしかも小形である。この図21の場合、例えば一辺が3cm程度の矩形状をなしている。このRFIDタグ1では、ケース2の内部に電子部品を実装したRFID回路基板(図示せず)が配設されている。
ところで、このRFIDタグにおいては、携帯性を良くするために、RFIDタグのケースにストラップを付ける構成とすることが要望されている。ここで、本発明者において、ストラップを機器に取り付ける構造を調査したところ、特許文献1、2を知り得た。
【0003】
特許文献1には、携帯電話の背面ケースに、当該背面ケースの上面から一旦内部に入って略U状に曲がり再び上面に戻るストラップ貫通孔を形成し、そして、このU状の貫通孔の内側部分にストラップ係止リブを形成している。
又、特許文献2には、携帯電話のリア筐体の端部にストラップを嵌め込むことが可能な略U形の溝を形成し、このU形の溝で囲まれた島状の部分でストラップを係止し、この溝の部分をバッテリーカバーで覆い、もってストラップが溝から外れることを防止する構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−54927号公報
【特許文献2】特開2008−28913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1、2では、ストラップを取り付けるためのストラップ取付部(特許文献1にあってはストラップ貫通孔及びストラップ係止リブ、特許文献2にあっては溝及び島状の部分)をケースに一体に形成する構成としている。
ところが、このような構成では、ケースにおける前記ストラップ取付部が壊れるようなことがあった場合、このストラップ取付部付きケースを、同様にストラップ取付部付きの別のケースと交換しなければならず、そして、このケース交換に際しては、内部部品(回路基板や各種部品)もケースから取り外し、その内部部品を新たなケースに再度取付けなければならず、ケース交換作業が面倒であるといった問題がある。
【0006】
上述した特許文献1、2に記載された技術をそのままRFIDタグに採用すれば、ストラップ取付部をRFIDタグのケースに一体に形成することになるから、このストラップ取付部が壊れた場合、RFIDタグのケースをまるごと交換しなければならず、さらに、このRFIDタグでも、ケース内にRFID回路基板等を内蔵しているから、前述同様に、面倒なケース交換作業のみならず、RFID回路基板の取り外し・再取り付けといった面倒な作業を要するといった問題が予測される。
【0007】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ストラップ取付部を備えた部材を交換する場合に、ケースを交換せずに済むと共にケース内のRFID部品の取り外し・再取り付けもせずに済むRFIDタグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は次の経緯を経てなされている。すなわち、本発明者は、ストラップ取付部を、RFIDタグのケースに一体成形するのではなく、ストラップ取付部を備えた部材として、ケースとは別部品であるストラップホルダを用意し、このストラップホルダをRFIDタグのケースに取り付ける構成を考えた。この構成を図22〜図27に示す。この図22〜図27は本発明の第1の特徴構成を示す参考図である。
【0009】
まず図22において、RFIDタグ(11)は、いずれも平面形状が略矩形状をなして互いに平面的に重ねられて結合される第1ケース本体(13)及び第2ケース本体(14)を有し、内部にRFID回路基板などのRFID部品を備えたケース(12)に対してストラップホルダ(19)を取り付けた構成としている。
【0010】
そして、図23に示すように、前記第1ケース本体(13)は、略矩形状をなす第1主板部(13a)と、この第1主板部(13a)の周縁部から略直角方向に突出形成された第1枠状壁部(13b)とを有して構成され、前記第2ケース本体(14)は、略矩形状をなす第2主板部(14a)と、この第2主板部(14a)の周縁部から略直角方向に突出形成され前記第1ケース本体(13)及び第2ケース本体(14)の結合状態で前記第1枠状壁部(13b)と突き合わせ状態とされる第2枠状壁部(14b)とを有して構成されている。
【0011】
さらに前記第2ケース本体(14)における一つの角部(14k1)には、前記第2枠状壁部(14b)及び前記第2主板部(14a)の角部対応部分を切除した形態の凹部(14d)が形成され、前記第2ケース本体(14)の第2主板部(14a)にあって前記凹部(14d)を挟んで隣り合う第2枠状壁部(14b)の二つの辺部(14b1、14b2)のうちの一辺部(14b1)の近傍部位には、前記第2枠状壁部(14b)と同じ方向に突出し且つねじ挿通孔部(14e´)を有するねじ挿通ボス部(14e)が形成されている。
【0012】
又、前記第1ケース本体(13)の第1主板部(13a)における前記凹部(14d)対応部分には、係合孔部(13c´)を有する係合ボス部(13c)が第1枠状壁部(13b)と同じ方向に突出して形成され、さらにこの第1主板部(13a)には、前記ねじ挿通ボス部(14e)のねじ挿通孔部(14e´)と対応するねじ螺合孔部(13d´)を有するねじ螺合ボス部(13d)が第1枠状壁部(13b)と同じ方向に突出して形成されている。
【0013】
図23〜図27に示すように、前記ストラップホルダ(19)は、前記第2ケース本体(14)の前記凹部(14d)に配置されるストラップ取付部(20)と、このストラップ取付部(20)から前記ねじ挿通ボス部(14e)と前記ねじ螺合ボス部(13d)との間まで延びるように形成された被取付板部(21)とを有し、前記ストラップ取付部(20)は、前記第2ケース本体(14)の厚みと同等又は同等以上の厚みを有し、その外面部が、当該ストラップ取付部(20)が前記凹部(14d)に配置された状態で前記第1ケース本体(13)のねじ螺合ボス部(13d)上に配置されて前記第1主板部(13a)と平行となる配置外面部(20a)と、前記第2ケース本体(14)の前記凹部(14d)の端縁(e1、e2、e3)の略全域と接触する凹部側外面部(20b)と、前記第1ケース本体(13)における前記角部(13k1)外縁の形状とほぼ同じ外面形状の角部外縁側外面部(20c)と、前記配置外面部(20a)と反対側の面である反対側外面部(20d)とから構成されている。
【0014】
又、前記被取付板部(21)は、前記凹部側外面部(20b)から延出され、この被取付板部(21)には、前記ねじ螺合ボス部(13d)のねじ螺合孔部(13d´)に対応してねじ挿通孔部(21a)が形成されている。
前記ストラップ取付部(20)には、ストラップ挿通孔部(22)が形成されている。このストラップ挿通孔部(22)は、一端が前記角部外縁側外面部(20c)で開口すると共に他端が前記反対側外面部(20d)で開口し、前記一端の開口から前記ストラップ取付部(20)内部を前記凹部側外面部(20b)方向へ向かう横孔部(22a)と、この横孔部(22a)の他端から前記反対側外面部(20d)方向へ延びて前記他端の開口へ通じる縦孔部(22b)とからなる。
【0015】
前記ストラップ取付部(20)において、前記ストラップ挿通孔部(22)内面と前記角部外縁側外面部(20c)及び前記反対側外面部(20d)との間の部分でストラップ係止部(23)が形成されている。
又、前記配置外面部(20a)には前記係合ボス部(13c)側へ突出して前記係合孔部(13c´)に挿入係合される突起部(24)が形成されている。
【0016】
前記ストラップホルダ(19)を、ケース(12)に取り付けるについては、図26及び図27に示すように、前記ストラップ取付部(20)の前記突起部(24)を前記第1ケース本体(13)の前記係合孔部(13c´)に挿入係合させると共に、前記被取付板部(21)の前記ねじ挿通孔部(21a)部分を前記第1ケース本体(13)のねじ螺合ボス部(13d)に配置し、前記第2ケース本体(14)をその凹部(14d)の端縁(e1、e2、e3)が前記ストラップ取付部(20)の前記凹部側外面部(20b)に合致する形態で前記第1ケース本体(13)に重ね、前記ねじ挿通ボス部(14e)のねじ挿通孔部(14e´)及び前記被取付板部(21)の前記ねじ挿通孔部(21a)を通したねじ(27)を前記ねじ螺合ボス部(13d)のねじ螺合孔部(13d´)に螺合することにより前記被取付板部(21)を前記第1ケース本体(13)と第2ケース本体(14)との間に固定する。
【0017】
この構成によれば、ストラップ取付部(20)を備えた部材としてケース2とは別部品であるストラップホルダ(19)をケース(12)に取り付ける構成としたから、ストラップ取付部(20)が壊れた場合には、ストラップホルダ(19)のみを交換すれば良く、よって、ケース(12)を交換せずに済む。そして、このストラップホルダ(19)の交換に際しては、第2ケース本体(14)を取り外して、壊れたストラップホルダ(19)を外し、新たなストラップホルダ(19)を第1ケース本体(13)に配置して第2ケース本体(14)を再度取り付ければ良い。つまり、内部のRFID部品はそのままで良く、RFID部品の取り外し・再取り付けもせずに済む。
【0018】
又、ケース(12)の角部にストラップホルダ(19)を設けたことで、ストラップホルダ(19)をケース(12)から突出することなく且つRFIDタグ(11)全体の大きさを大きくすることなく、ストラップホルダ(19)をケース(12)に取り付けることができる。
【0019】
すなわち、ストラップホルダは引っ掛かり防止などの観点から、ケースから非突出形態で設けることが望ましい。これを考慮して、ストラップホルダ(19)をケース(12)の一つの辺部に突出しないように取り付けた場合、ストラップホルダ(19)の全体がケース(12)内に大きく入り込むから、ストラップホルダ(19)のほぼ全体がケース(12)内部のRFID回路基板と大きく当たってしまう。これを回避するには、ケース(12)の大きさを大きくしなければならず、RFIDタグ(11)全体が大型化してしまう。
【0020】
この点、ケース(12)の角部にストラップホルダ(19)を設ける構成とした本願発明によれば、ストラップホルダ(19)がケース(12)のもともとの角部を構成することになるから、ケース(12)の外部に突出することがない。しかも角部を利用しているので、ケース(12)内部への突出量も少なく、RFID回路基板の全体的な大きさも変更せずに済み、もって、ケース(12)の大きさを大きくすることなくストラップホルダ(19)をケース(12)に突出することなく取り付けることが可能である。
【0021】
さらに本発明者は、次の点にも、工夫を加えている。
上述した構成、つまり、ケース(12)に別部品であるストラップホルダ(19)を取り付ける構成は、もともと、ストラップ取付部(20)が壊れた場合における交換作業性を考慮したものであるが、本発明者では、このストラップホルダ(19)自体の強度をさらに強化できれば、ストラップホルダ(19)が壊れること自体を少なくできて交換作業自体を少なくできると考えた。
【0022】
そこで、本発明者においては、さらに、ストラップホルダ(19)自体の強度や、ケース(12)に対する取付強度を考察してみた。
すなわち、ユーザーがストラップを持ってRFIDタグ(11)を振り回したり、RFIDタグ(11)を引っ張ったりすると、ストラップホルダ(19)に、図26及び図27に示すように、大きな外力Fが作用する。この場合、被取付板部(21)のねじ固定部分や、ストラップ係止部(23)、前記ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)の背壁部(20e)などの各部にこの外力Fが作用する。ここで、上述の構成の場合、前記ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)の背壁部(20e)は、横孔部(22a)といった空隙部が存在する構造上、強度が低くなってしまうことが判った。なお、単純に前記背壁部(20e)の厚みを厚くすると、ストラップ挿通孔部(22)が狭くなってストラップを挿通し難くなってしまう。
【0023】
本発明は、このような新たな課題も本願第2の特徴構成により解消している。すなわち、本願第2の特徴構成の理解を容易にするために図6〜図9を参照すると、前記凹部側外面部(20b)において前記ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)に対応する部分のうち、ストラップホルダ(19)の前記凹部(14d)への配置状態で前記第2枠状壁部(14b)の一辺部(14b1)の内面の近傍となる部位に、当該一辺部(14b1)に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)の高さ寸法(Ta)より大きな高さ寸法(Tb)の第1補強板部(25)を形成している。
【0024】
又、同じく前記凹部側外面部(20b)において前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)に対応する部分のうち、前記ストラップホルダ(19)の前記凹部(14d)への配置状態で前記第2枠状壁部(14b)の前記一辺部(14b1)と略直角をなす他辺部(14b2)の内面の近傍となる部位に、当該他辺部(14b2)に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)の高さ寸法(Ta)より大きな高さ寸法(Tb)の第2補強板部(26)を形成している。
【0025】
この構成によれば、ストラップ取付部(20)の凹部側外面部(20b)に、ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)の高さ寸法Taより大きな高さ寸法Tbの第1補強板部(25)及び第2補強板部(26)を形成したから、ストラップ取付部(20)の背壁部(20e)の厚みを厚くすることなく、当該背壁部(20e)をストラップの引っ張り方向への外力に対して十分に補強できる。これによって、ストラップホルダ(19)の強度自体も高め得て、ストラップホルダ(19)が壊れること自体を少なくできて交換作業自体を少なくできる。
【0026】
さらに上記構成によれば、前記第1補強板部(25)が、ストラップホルダ(19)の配置状態で第2枠状壁部(14b)の両辺部(14b1、14b2)うちの一辺部(14b1)の内面に当接もしくは近接し、又、第2補強板部(26)が前記一辺部(14b1)と略直角をなす他辺部(14b2)の内面に当接もしくは近接するから、前記外力Fがストラップホルダ(19)に作用した場合、この外力Fを、第1補強板部(25)及び第2補強板部(26)を介して第2枠状壁部14bの一辺部(14b1)及び他辺部(14b2)内面で受けることが可能となり、結果的に前記外力Fをケース(12)に分散することができ、ストラップホルダ(19)の取付強度を高めることができて、ストラップホルダ(19)の損壊強度を高めることができ、設計時に想定しないような極めて過度な外力が作用しない限り当該ストラップホルダ(19)の損壊を防止でき、交換頻度の極少化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態によるRFIDタグの斜視図
【図2】図1の切断線Q2−Q2による断面図
【図3】ケース及びストラップホルダの分解斜視図
【図4】第1ケース本体の平面図
【図5】第2ケース本体の平面図
【図6】図1の切断線Q6−Q6による断面図
【図7】図6の切断線Q7−Q7による断面図
【図8】ストラップホルダの斜視図
【図9】図8とは異なる方向から見たストラップホルダの斜視図
【図10】係合ボス部部分の横断面図
【図11】突起部の横断面図
【図12】第1ケース本体にストラップホルダを配置した状態の平面図
【図13】図7の切断線Q13−Q13による断面図
【図14】図1の矢視Q14方向から見た部分的側面図
【図15】作用説明のための図6相当図
【図16】作用説明のための図7相当図
【図17】参考例を示す図10相当図
【図18】異なる参考例を示す図10相当図
【図19】第2実施形態を示す図6相当図
【図20】第3実施形態を示す図6相当図
【図21】従来のRFIDタグの外観図
【図22】図17及び図18とは異なる参考例を示す図1相当図
【図23】図3相当図
【図24】図8相当図
【図25】図9相当図
【図26】図6相当図
【図27】図7相当図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図16を参照して説明する。図1にはこの実施形態によるRFIDタグ11の外観を示している。このRFIDタグ11は、ケース12の内部に、後述するアンテナ18やRFID回路基板17などのRFID部品を備えると共に、ケース12にストラップホルダ19を設けている。
【0029】
前記ケース12は、図2及び図3に示すように、第1ケース本体13、第2ケース本体14、蓋15を有して構成されている。前記第1ケース本体13は、平面形状が略矩形状をなす第1主板部13aと、この第1主板部13aの周縁部から略直角方向に突出形成された第1枠状壁部13bとを有して構成されている。
【0030】
この第1ケース本体13の一つの角部13k1には、係合ボス部13cが形成されており、この係合ボス部13cには係合孔部13c´が形成されている。図4に示すように、この係合孔部13c´は、前記第1ケース本体13において前記凹部14dに対応する角部と、これと対をなす角部とを通る仮想対角線K上にあって、円形状をなす。
【0031】
さらにこの第1主板部13aには、前記係合孔部13c´の近くで且つ第1枠状壁部13bの一辺部13b1の近くの部位に、この第1枠状壁部13bと同じ突出方向へ突出する前記ねじ螺合ボス部13dが形成されており、このねじ螺合ボス部13dにはねじ螺合孔部13d´が形成されている。なお、このねじ螺合ボス部13dと、前記第1枠状壁部13bの一辺部13b1と、これと略直角をなして連続する他辺部13b2とは、補助リブ13rによって連結されている。
【0032】
さらにこの第1ケース本体13の角部13k1における第1枠状壁部13b上端部には、若干低くなる段差部13s(図3及び図4参照)が形成されており、前記ねじ螺合ボス部13d及び補助リブ13rもこの段差部13sと同じ高さとされている。
又、この第1ケース本体13における他の角部13k2〜13k4には、ねじ螺合ボス部13e〜13gが前記第1枠状壁部13bと同じ突出方向に突出するように形成されている。この各ねじ螺合ボス部13e〜13gには、夫々ねじ螺合孔部13e´〜13g´が形成されている。
【0033】
又、前記第2ケース本体14は、平面形状が略矩形状をなす第2主板部14aと、この第2主板部14aの周縁部から略直角方向に突出形成された第2枠状壁部14bとを有して構成されている。この第2枠状壁部14bは、後述より明らかとなるが、前記第1ケース本体13及び第2ケース本体14の結合状態で前記第1枠状壁部13bと突き合わせ状態とされる。
【0034】
この第2ケース本体14の一つの角部14k1には、前記第2枠状壁部14b及び前記第2主板部14aの角部対応部分を切除した形態の略円弧状の凹部14dが形成されている。この凹部14dは後述のストラップホルダ19のストラップ取付部20の凹部側外面部20bの外面形状(平面形状)に合致する。
【0035】
さらに、前記第2枠状壁部14bにおいてこの凹部14dを挟んで隣り合う両辺部14b1、14b2のうちの一辺部14b1に接近する位置に、前記第2枠状壁部14bと同じ突出方向に突出するねじ挿通ボス部14eが形成されており、このねじ挿通ボス部14eにはねじ挿通孔14e´が形成されている。
又、この第2ケース本体14の他の角部14k2〜14k4には、前記第2枠状壁部14bの突出方向と同じ方向に突出するねじ挿通ボス部14f〜14hが形成されている。各ねじ挿通ボス部14f〜14hには、夫々ねじ挿通孔部14f´〜14h´が形成されている。
【0036】
なお、上述のねじ挿通ボス部14e〜14hのねじ挿通孔部14e´〜14h´は図6に示すように、ねじ座付き孔部からなる。
さらに、図3及び図5において、この第2ケース本体14には、前記第2枠状壁部14b及び各ねじ挿通ボス部14e〜14hの内側において第2主板部14aと直角方向に突出する嵌合壁部14cが形成されており、この嵌合壁部14cは、後述より明らかとなるが、前記第1ケース本体13及び第2ケース本体14の結合状態で前記第1ケース本体13の内側(前記第1枠状壁部13b、補助リブ13r、ねじ螺合ボス部13e〜13gの内側)と嵌合する。又、前記第2主板部14aには電池交換用孔部14iが形成されている。
【0037】
前記第1ケース本体13の内部には、図2に示すように、RFID回路基板16が収納配置されており、このRFID回路基板16には、図示しないが回路が形成されていると共に、制御部などを構成する電子部品が実装され、さらに、制御部の電源である電池17が電池ホルダ17aにより着脱可能に装着されている。
【0038】
図3において、前記蓋15は第2ケース本体14の第2主板部14a上面(外面)に図示しない係合手段により着脱可能に装着されるものであり、この蓋15の裏面にはコイル状のアンテナ18が装着されている。さらにこの蓋15の一つの角部には、ストラップホルダ19のストラップ取付部20の凹部側外面部20bと合致する略円弧状の切欠部15aが形成されている。この蓋15はその切欠部15aが第2ケース本体14の前記凹部14dに合致するように装着される。そして、図2の状態から、蓋15を取り外すと、前記第2ケース本体14の電池交換用孔部14iを通して前記電池17を交換可能である。
【0039】
前記ストラップホルダ19は、合成樹脂の一体成形品から構成されており、図6〜図9に示すように、前記第2ケース本体14の前記凹部14dに配置されるストラップ取付部20と、このストラップ取付部20から前記ねじ挿通ボス部14eと前記ねじ螺合ボス部13eとの間まで延びるように形成された舌片状の被取付板部21とを有する。
【0040】
前記ストラップ取付部20は、前記第2ケース本体14とこれに取付けられる蓋15とを合わせた厚みと略同等の厚み(上下方向幅)を有する。
そして、このストラップ取付部20の外面部は、当該ストラップ取付部20が前記凹部14dに配置された状態で前記第1ケース本体13のねじ螺合ボス部13d上に配置されて前記第1主板部13aと平行となる配置外面部20aと、前記第2ケース本体14の前記凹部14dの端縁(第2枠状壁部14bの一辺部14b1の端縁e1及び他辺部14b2の端縁e2、並びに第2主板部14aの凹状の端縁e3)の略全域と接触可能で、平面的に見て略円弧凸状をなす凹部側外面部20bと、平面的に見て前記第1ケース本体13における前記角部外縁の形状とほぼ同じ外面形状をなす角部外縁側外面部20cと、前記配置外面部20aと反対側の面部である反対側外面部20dとから構成されている。
【0041】
さらに、前記被取付板部21は、前記凹部側外面部20bにおける前記配置外面部20a側の部分からほぼ直角方向へ延出され、この被取付板部21には、前記ねじ螺合ボス部13dのねじ螺合孔部13d´に対応してねじ挿通孔部21aが形成されている。
【0042】
前記ストラップ取付部20には、一端が前記角部外縁側外面部20cで開口すると共に他端が前記反対側外面部20dで開口するストラップ挿通孔部22が形成されている。
このストラップ挿通孔部22は、横孔部22aと縦孔部22bとを有し、前記横孔部22aは、前記一端の開口から前記ストラップ取付部20内部を前記凹部側外面部20b方向へ向かう形態をなし、又、前記縦孔部22bは、この横孔部22aの他端から前記反対側外面部20d方向へ延びてこの反対側外面部20dで開口している。
前記ストラップ取付部20において、このストラップ挿通孔部22内面と前記角部外縁側外面部20c及び前記反対側外面部20dとの間の部分でストラップ係止部23が形成されている。
【0043】
さらに、図8、図10及び図11に示すように、前記配置外面部20aには前記係合ボス部13c側へ突出して前記係合孔部13c´に挿入係合される突起部24が形成されている。この突起部24は、図10及び図11に示すように、挿入方向に直行する方向の断面が四角形状をなし、且つこの四角形のうちの一組の平行な2辺部24a、24bが前記仮想対角線Kと直交し且つ他の組の平行な2辺部24c、24dがこの仮想対角線Kと平行となる向きに形成されている。そして、突起部24の対角方向の幅寸法Hkは、前記係合孔部13c´の径寸法より僅かに大きい寸法(係合孔部13c´への突起部24の圧入が可能な寸法)に設定している。
【0044】
さらに又、図6〜図9に示すように、前記凹部側外面部20bにおいて前記ストラップ挿通孔部22の横孔部22aに対応する部分のうち、ストラップホルダ19の前記凹部14dへの配置状態で前記第2枠状壁部14bの一辺部14b1の内面の近傍となる部位に、当該一辺部14b1に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部22の前記横孔部22aの高さ寸法Taより大きな高さ寸法Tbの第1補強板部25が形成されている。
【0045】
この場合、この第1補強板部25は前記被取付板部21にも連続していて、ストラップ取付部20と被取付板部21との間の補強継ぎ板(いわゆるステー)も兼用している。
さらに、同じく前記凹部側外面部20bにおいて前記ストラップ挿通孔部22の前記横孔部22aに対応する部分のうち、前記ストラップホルダ19の前記凹部14dへの配置状態で前記第2枠状壁部14bの前記一辺部14b1と略直角をなす他辺部14b2の内面の近傍となる部位に、当該他辺部14b2に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部22の前記横孔部22aの高さ寸法Taより大きな高さ寸法Tbの第2補強板部26が形成されている。
【0046】
さて、前述した構成部品の組み立て手順の一例を説明する。図3に示す状態において、まず第1ケース本体13内にRFID回路基板16を配置した上で、図12に示すように、ストラップホルダ19の被取付板部21のねじ挿通孔部21a部分を前記第1ケース本体13のねじ螺合ボス部13dに配置しつつ、このストラップホルダ19のストラップ取付部20の突起部24を、前記第1ケース本体13の前記係合孔部13c´圧入(挿入)係合させる。このとき、ストラップホルダ19は、前記突起部24が係合孔部13c´に圧入されたことにより、その配置姿勢が不動状態に固定(仮固定)される。
【0047】
そして、第2ケース本体14をその凹部14dが前記ストラップ取付部20の前記凹部側外面部20bに当接する形態で前記第1ケース本体13に上方から重ねる。このとき、図7に示すように、第2ケース本体14の前記一辺部14b1の内面がストラップホルダ19の第1補強板部25外面に当接もしくは近接すると共に、他辺部14b2の内面がストラップホルダ19の第2補強板部26外面に当接もしくは近接する。
【0048】
この後、前記第2ケース本体14のねじ挿通ボス部14eのねじ挿通孔部14e´及び前記被取付板部21の前記ねじ挿通孔部21aを通したねじ27(図6及び図13参照)を前記ねじ螺合ボス部13dのねじ螺合孔部13d´に螺合し、さらに他のねじ挿通ボス部14f〜14hのねじ挿通孔部14f´〜14h´を通したねじ(図示せず)を前記ねじ螺合ボス部13e〜13gのねじ螺合孔部13e´〜13g´に螺合する。これにより、図6及び図13に示すように、第1ケース本体13に第2ケース本体14を連結すると共に、前記被取付板部21を前記第1ケース本体13と第2ケース本体14との間に固定する。この後、蓋15を第2ケース本体14の第2主板部14a上面(外面)に図示しない係合手段により取り付ける(図1参照)。この場合、切欠部15aがストラップ取付部20の凹部側外面部20b上部に合致する。このようにしてRFIDタグ11が組み立てられる。
【0049】
この組立状態において、図2に示すように、第2枠状壁部14bは、前記第1ケース本体13及び第2ケース本体14の結合状態で前記第1枠状壁部13bと突き合わせ状態とされる。又、前記嵌合壁部14cは、図4に二点鎖線で示すように、前記第1ケース本体13及び第2ケース本体14の結合状態で前記第1ケース本体13の内側(前記第1枠状壁部13b、補助リブ13r、ねじ螺合ボス部13e〜13gの内側)と嵌合する。そして、前記被取付板部21は、第2枠状壁部14bの一辺部14b1と嵌合壁部14cとの間に位置する。
【0050】
さらに、図14に示すように、ストラップ挿通孔部22にストラップ28を挿通して、ストラップ係止部23に係留する。
上述した実施形態の構成によれば、ケース12の角部にストラップホルダ19を設けたことで、ストラップホルダ19をケース12から突出することなく、しかも、ストラップホルダ19をケース12の一つの辺部に取り付ける場合とは違って、RFIDタグ11全体の大きさを大きくすることなく、ストラップホルダ19をケース12に取り付けることができる。
【0051】
ここで、ユーザーが、ストラップ28を持ってRFIDタグ11を振り回したり、RFIDタグ11を引っ張ったりすると、ストラップホルダ19に、図6及び図7に示すように、大きな引っ張り方向の外力Fが作用する。この場合、被取付板部21のねじ固定部分や、ストラップ係止部23、前記ストラップ挿通孔部22の横孔部22aの背壁部20eなどの各部にこの外力Fが作用する。
【0052】
これに対し、前記被取付板部8におけるねじ27固定部分は、ねじ螺合ボス部13d及びねじ挿通ボス部14eにより挟持された形態となっているから、強度的には問題がなく、又、ストラップ係止部23は厚肉に形成されているから、この部分も強度的には問題がない。
【0053】
一方、背壁部20eについては、空隙部である横孔部22aが存在するため、構造的に強度的に弱いことが懸念されるが、上述した本実施形態においては、ストラップホルダ19の凹部側外面部20bにおける横孔部22aと対応する部分に、前記横孔部22aの高さ寸法Taより高い寸法Tbの第1補強板部25及び第2補強板部26を形成したから、ストラップ取付部20の背壁部20e(横孔部22aと凹部側外面部20bとの間の部分)の厚みを厚くすることなく、当該背壁部20eをストラップの引っ張り方向への外力に対して十分に補強できる。これによって、ストラップホルダ19の強度自体も高め得て、ストラップホルダ19が壊れること自体を少なくできて交換作業自体を少なくできる。このように本実施形態のストラップホルダ19は、従来(特許文献1、2)のストラップ取付部程度又はそれ以上の強度を確保できる。
【0054】
さらに、本実施形態においては、図7に示したように、第1補強板部25を、ストラップホルダ19の配置状態で凹部14dにおける第2枠状壁部14bの両辺部14b1、14b2うちの一辺部14b1の内面に当接もしくは近接する構成とし、且つ、第2補強板部26を、ストラップホルダ19の配置状態で凹部14dにおける第2枠状壁部14bの両辺部14b1、14b2うちの他辺部14b2の内面に当接もしくは近接する構成としたから、ストラップホルダ19に前述の外力Fが作用した場合に、この外力Fを、第1補強板部25及び第2補強板部26を介して第2枠状壁部14bの一辺部14b1及び他辺部14b2内面で受けることが可能となり、結果的に前記外力Fを実線の矢印で示すようにケース12の第2ケース本体14に分散することができ、ストラップホルダ19の取付強度を高めることができて、ストラップホルダ19の損壊強度を高めることができ、設計時に想定しないような極めて過度な外力が作用しない限り当該ストラップホルダ19の損壊を防止でき、交換頻度の極少化に寄与できる。
【0055】
ところで、ストラップホルダ19が、設計時に想定しないような極めて過度な外力で損壊するなどして交換の必要が生じた場合には、このストラップホルダ19をケース12と別部品としてこのケース12に取り付ける構成としたから、ストラップホルダ19のみを交換すれば良く、よって、ケース12を交換せずに済む。
【0056】
さらに、このストラップホルダ19の交換に際しては、第2ケース本体14を取り外して、壊れたストラップホルダ19を外し、新たなストラップホルダ19を第1ケース本体13に配置して第2ケース本体14を再度取り付ければ良い。つまり、内部のRFID部品はそのままで良く、RFID部品の取り外し・再取り付けもせずに済む。
【0057】
さらに本実施形態においては、第1ケース本体13の係合孔部13c´にストラップホルダ19の突起部24を圧入する構成としたから、組立工程において、第1ケース本体13に対してストラップホルダ19を配置するときに、上述の圧入によりストラップホルダ19をがたつきなく、仮固定状態に配置することができる。
【0058】
そして、このようにストラップホルダ19を第1ケース本体13にがたつきなくしっかりと仮固定状態に配置できるから、この後、第2ケース本体14を第1ケース本体13にねじ止めするために当該第2ケース本体14を第1ケース本体13に配置する(重ねる)ときに、ストラップホルダ19が第1ケース本体13から脱落するおそれがなく、作業性が良い。
【0059】
ここで、突起部を、仮に参考図として示す図17の突起部24Aのように、円柱状(横断面形状が丸形)としても、係合孔部13c´の内径寸法に対して突起部24Aの外径寸法を僅かに大きくすることで、この突起部24Aの係合孔部13c´への圧入は可能であるが、突起部24Aの全外周が係合孔部13c´の全内周に摺接するため、ユーザーが圧入する際の突起部24Aの圧入抵抗が大きく、この結果、圧入時に大きな力を要して圧入し難く、もって組立性が悪いといった不具合が発生する。
【0060】
この点、本実施形態によれば、図10〜図12に示したように、突起部24を横断面四角形状とし、且つ突起部24の対角方向の幅寸法Hkを、前記係合孔部13c´の径寸法より僅かに大きい寸法(係合孔部13c´への突起部24の圧入が可能な寸法)に設定しているから、突起部24を係合孔部13c´に圧入する場合には、突起部24の4つの角部のみが係合孔部13c´に摺接するようになり、圧入抵抗が小さく、圧入し易くなり、もって組立性が良くなる。
【0061】
さらに又、本実施形態においては、図10に示すように、前記係合孔部13c´を、前記第1ケース本体13において前記凹部14dに対応する角部13k1と、これと対をなす角部13k2とを通る仮想対角線K上に設け、前記突起部24を、一組の平行な2辺部24a、24bが前記仮想対角線Kと直交し且つ他の組の平行な2辺部24c、24dがこの仮想対角線Kと平行となる向きとなるように形成したから、前述の外力Fが作用したときに、係合ボス部13cに対して作用する突起部24の前記仮想対角線方向の力が、辺部24aと辺部24cとで構成される角部24acと、辺部24aと辺部24dとで構成される角部24adとで分散され、係合ボス部13cの応力を分散でき、係合ボス部13c及び突起部24に係るストレスを軽減できる。
【0062】
ちなみに、図18のように、仮想対角線K上に突起部24の対角が位置する向きに、突起部24を形成すると、係合ボス部13cに対して仮想対角線K上の角部24acからの力が集中して、係合ボス部13c及び突起部24に係るストレスが大きくなる。これに対して上述したように本実施形態では、係合ボス部13c及び突起部24に係るストレスを軽減できる。
【0063】
又、RFIDタグ11を、衣服のポケットやカバン等に入れた場合に、ストラップホルダ19をケース12方向へ逆に押し込んでしまうことも考えられる。この時の押し込み方向の外力を図15及び図16に符号Rで示している。この場合、これらの図から判るように、この外力Rは、ストラップ取付部20の凹部側外面部20bが第2ケース本体14の凹部側外面部20bの端縁e1、e2、e3(図3にも図示)に当接もしくは近接しているから、この凹部14dの端縁e1、e2、e3で受けられて、実線による矢印で示すように、広範囲で分散される。なお、この外力Rは、この他、被取付板部21におけるねじ止め部分や、前記突起部24等でも受けられて、分散される。この結果、この押し込み方向の外力Rに対してもストラップホルダ19の損壊強度を高めることができる。
【0064】
この場合、背壁部20eに上記外力Rによるストレスがかかってもこの背壁部20eは前述した第1補強板部25及び第2補強板部26により補強されているから、強度的に十分に強い。
このように本実施形態によれば、ストラップホルダ19及びストラップホルダ取付構造を、引っ張り方向及び押し込み方向の外力に対しても十分に強い構造とすることができる。
なお、上記実施形態では、前記ストラップホルダ19の厚み寸法を、第2ケース本体14及び蓋15の合計厚み寸法と略同等としたが、本発明の第2実施形態を示す図19のように第2ケース本体14の厚みと略同等としても良い。
【0065】
又、前記被取付板部21は、凹部側外面部20bにおける配置外面部20a寄りの部分(図6では凹部側外面部20bの下部)から延出する構成としたが、本発明の第3実施形態を示す図20の被取付板部21Aのように、凹部側外面部20bにおける上下方向の中間部から延出する構成としても良い。この場合も、第1補強板部25及び第2補強板部26は凹部側外面部20bにおいて横孔部22aに対応する部分に形成している。ねじ挿通ボス部14e、ねじ螺合ボス部13dの高さもこの被取付板部21Aに合わせて形成する。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0066】
又、第2ケース本体14は蓋15を一体に備えていても良く、この場合蓋15が第2主板部を構成する。
上述した実施形態のRFIDタグ11によれば、ストラップ取付部20を備えた部材としてのストラップホルダ19を交換する場合に、ケース12を交換せずに済むと共にRFID部品の取り外し・再取り付けもせずに済み、さらに、ストラップホルダ19自体の損壊強度を大幅に強化できて、当該ストラップホルダ19自体の交換頻度も極少化できる。
なお、本発明のRFIDタグは上述した実施形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲内で変更、変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
図面中、11はRFIDタグ、12はケース、13は第1ケース本体、13aは第1主板部13a、13bは第1枠状壁部、13cは係合ボス部、13c´は係合孔部、13dはねじ螺合ボス部、13d´はねじ螺合孔部、14は第2ケース本体、14aは第2主板部、14bは第2枠状壁部、14dは凹部、14eはねじ挿通ボス部、14e´はねじ挿通孔部、15は蓋15、16はRFID回路基板、19はストラップホルダ、20はストラップ取付部、20aは配置外面部、20bは凹部側外面部、20cは角部外縁側外面部、20dは反対側外面部、20eは背壁部、21は被取付板部、21aはねじ挿通孔部、22はストラップ挿通孔部、22aは横孔部、22bは縦孔部、23はストラップ係止部、24は突起部、25は第1補強板部、26は第2補強板部を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯ストラップ保持用のストラップホルダを備えたRFIDタグに関する。
【背景技術】
【0002】
人が携帯するRFIDタグとしては、例えば建物への入退室を管理する鍵システムに使用されるRFIDタグが知られており、このRFIDタグは、図21に示すように、薄型でしかも小形である。この図21の場合、例えば一辺が3cm程度の矩形状をなしている。このRFIDタグ1では、ケース2の内部に電子部品を実装したRFID回路基板(図示せず)が配設されている。
ところで、このRFIDタグにおいては、携帯性を良くするために、RFIDタグのケースにストラップを付ける構成とすることが要望されている。ここで、本発明者において、ストラップを機器に取り付ける構造を調査したところ、特許文献1、2を知り得た。
【0003】
特許文献1には、携帯電話の背面ケースに、当該背面ケースの上面から一旦内部に入って略U状に曲がり再び上面に戻るストラップ貫通孔を形成し、そして、このU状の貫通孔の内側部分にストラップ係止リブを形成している。
又、特許文献2には、携帯電話のリア筐体の端部にストラップを嵌め込むことが可能な略U形の溝を形成し、このU形の溝で囲まれた島状の部分でストラップを係止し、この溝の部分をバッテリーカバーで覆い、もってストラップが溝から外れることを防止する構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−54927号公報
【特許文献2】特開2008−28913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1、2では、ストラップを取り付けるためのストラップ取付部(特許文献1にあってはストラップ貫通孔及びストラップ係止リブ、特許文献2にあっては溝及び島状の部分)をケースに一体に形成する構成としている。
ところが、このような構成では、ケースにおける前記ストラップ取付部が壊れるようなことがあった場合、このストラップ取付部付きケースを、同様にストラップ取付部付きの別のケースと交換しなければならず、そして、このケース交換に際しては、内部部品(回路基板や各種部品)もケースから取り外し、その内部部品を新たなケースに再度取付けなければならず、ケース交換作業が面倒であるといった問題がある。
【0006】
上述した特許文献1、2に記載された技術をそのままRFIDタグに採用すれば、ストラップ取付部をRFIDタグのケースに一体に形成することになるから、このストラップ取付部が壊れた場合、RFIDタグのケースをまるごと交換しなければならず、さらに、このRFIDタグでも、ケース内にRFID回路基板等を内蔵しているから、前述同様に、面倒なケース交換作業のみならず、RFID回路基板の取り外し・再取り付けといった面倒な作業を要するといった問題が予測される。
【0007】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ストラップ取付部を備えた部材を交換する場合に、ケースを交換せずに済むと共にケース内のRFID部品の取り外し・再取り付けもせずに済むRFIDタグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は次の経緯を経てなされている。すなわち、本発明者は、ストラップ取付部を、RFIDタグのケースに一体成形するのではなく、ストラップ取付部を備えた部材として、ケースとは別部品であるストラップホルダを用意し、このストラップホルダをRFIDタグのケースに取り付ける構成を考えた。この構成を図22〜図27に示す。この図22〜図27は本発明の第1の特徴構成を示す参考図である。
【0009】
まず図22において、RFIDタグ(11)は、いずれも平面形状が略矩形状をなして互いに平面的に重ねられて結合される第1ケース本体(13)及び第2ケース本体(14)を有し、内部にRFID回路基板などのRFID部品を備えたケース(12)に対してストラップホルダ(19)を取り付けた構成としている。
【0010】
そして、図23に示すように、前記第1ケース本体(13)は、略矩形状をなす第1主板部(13a)と、この第1主板部(13a)の周縁部から略直角方向に突出形成された第1枠状壁部(13b)とを有して構成され、前記第2ケース本体(14)は、略矩形状をなす第2主板部(14a)と、この第2主板部(14a)の周縁部から略直角方向に突出形成され前記第1ケース本体(13)及び第2ケース本体(14)の結合状態で前記第1枠状壁部(13b)と突き合わせ状態とされる第2枠状壁部(14b)とを有して構成されている。
【0011】
さらに前記第2ケース本体(14)における一つの角部(14k1)には、前記第2枠状壁部(14b)及び前記第2主板部(14a)の角部対応部分を切除した形態の凹部(14d)が形成され、前記第2ケース本体(14)の第2主板部(14a)にあって前記凹部(14d)を挟んで隣り合う第2枠状壁部(14b)の二つの辺部(14b1、14b2)のうちの一辺部(14b1)の近傍部位には、前記第2枠状壁部(14b)と同じ方向に突出し且つねじ挿通孔部(14e´)を有するねじ挿通ボス部(14e)が形成されている。
【0012】
又、前記第1ケース本体(13)の第1主板部(13a)における前記凹部(14d)対応部分には、係合孔部(13c´)を有する係合ボス部(13c)が第1枠状壁部(13b)と同じ方向に突出して形成され、さらにこの第1主板部(13a)には、前記ねじ挿通ボス部(14e)のねじ挿通孔部(14e´)と対応するねじ螺合孔部(13d´)を有するねじ螺合ボス部(13d)が第1枠状壁部(13b)と同じ方向に突出して形成されている。
【0013】
図23〜図27に示すように、前記ストラップホルダ(19)は、前記第2ケース本体(14)の前記凹部(14d)に配置されるストラップ取付部(20)と、このストラップ取付部(20)から前記ねじ挿通ボス部(14e)と前記ねじ螺合ボス部(13d)との間まで延びるように形成された被取付板部(21)とを有し、前記ストラップ取付部(20)は、前記第2ケース本体(14)の厚みと同等又は同等以上の厚みを有し、その外面部が、当該ストラップ取付部(20)が前記凹部(14d)に配置された状態で前記第1ケース本体(13)のねじ螺合ボス部(13d)上に配置されて前記第1主板部(13a)と平行となる配置外面部(20a)と、前記第2ケース本体(14)の前記凹部(14d)の端縁(e1、e2、e3)の略全域と接触する凹部側外面部(20b)と、前記第1ケース本体(13)における前記角部(13k1)外縁の形状とほぼ同じ外面形状の角部外縁側外面部(20c)と、前記配置外面部(20a)と反対側の面である反対側外面部(20d)とから構成されている。
【0014】
又、前記被取付板部(21)は、前記凹部側外面部(20b)から延出され、この被取付板部(21)には、前記ねじ螺合ボス部(13d)のねじ螺合孔部(13d´)に対応してねじ挿通孔部(21a)が形成されている。
前記ストラップ取付部(20)には、ストラップ挿通孔部(22)が形成されている。このストラップ挿通孔部(22)は、一端が前記角部外縁側外面部(20c)で開口すると共に他端が前記反対側外面部(20d)で開口し、前記一端の開口から前記ストラップ取付部(20)内部を前記凹部側外面部(20b)方向へ向かう横孔部(22a)と、この横孔部(22a)の他端から前記反対側外面部(20d)方向へ延びて前記他端の開口へ通じる縦孔部(22b)とからなる。
【0015】
前記ストラップ取付部(20)において、前記ストラップ挿通孔部(22)内面と前記角部外縁側外面部(20c)及び前記反対側外面部(20d)との間の部分でストラップ係止部(23)が形成されている。
又、前記配置外面部(20a)には前記係合ボス部(13c)側へ突出して前記係合孔部(13c´)に挿入係合される突起部(24)が形成されている。
【0016】
前記ストラップホルダ(19)を、ケース(12)に取り付けるについては、図26及び図27に示すように、前記ストラップ取付部(20)の前記突起部(24)を前記第1ケース本体(13)の前記係合孔部(13c´)に挿入係合させると共に、前記被取付板部(21)の前記ねじ挿通孔部(21a)部分を前記第1ケース本体(13)のねじ螺合ボス部(13d)に配置し、前記第2ケース本体(14)をその凹部(14d)の端縁(e1、e2、e3)が前記ストラップ取付部(20)の前記凹部側外面部(20b)に合致する形態で前記第1ケース本体(13)に重ね、前記ねじ挿通ボス部(14e)のねじ挿通孔部(14e´)及び前記被取付板部(21)の前記ねじ挿通孔部(21a)を通したねじ(27)を前記ねじ螺合ボス部(13d)のねじ螺合孔部(13d´)に螺合することにより前記被取付板部(21)を前記第1ケース本体(13)と第2ケース本体(14)との間に固定する。
【0017】
この構成によれば、ストラップ取付部(20)を備えた部材としてケース2とは別部品であるストラップホルダ(19)をケース(12)に取り付ける構成としたから、ストラップ取付部(20)が壊れた場合には、ストラップホルダ(19)のみを交換すれば良く、よって、ケース(12)を交換せずに済む。そして、このストラップホルダ(19)の交換に際しては、第2ケース本体(14)を取り外して、壊れたストラップホルダ(19)を外し、新たなストラップホルダ(19)を第1ケース本体(13)に配置して第2ケース本体(14)を再度取り付ければ良い。つまり、内部のRFID部品はそのままで良く、RFID部品の取り外し・再取り付けもせずに済む。
【0018】
又、ケース(12)の角部にストラップホルダ(19)を設けたことで、ストラップホルダ(19)をケース(12)から突出することなく且つRFIDタグ(11)全体の大きさを大きくすることなく、ストラップホルダ(19)をケース(12)に取り付けることができる。
【0019】
すなわち、ストラップホルダは引っ掛かり防止などの観点から、ケースから非突出形態で設けることが望ましい。これを考慮して、ストラップホルダ(19)をケース(12)の一つの辺部に突出しないように取り付けた場合、ストラップホルダ(19)の全体がケース(12)内に大きく入り込むから、ストラップホルダ(19)のほぼ全体がケース(12)内部のRFID回路基板と大きく当たってしまう。これを回避するには、ケース(12)の大きさを大きくしなければならず、RFIDタグ(11)全体が大型化してしまう。
【0020】
この点、ケース(12)の角部にストラップホルダ(19)を設ける構成とした本願発明によれば、ストラップホルダ(19)がケース(12)のもともとの角部を構成することになるから、ケース(12)の外部に突出することがない。しかも角部を利用しているので、ケース(12)内部への突出量も少なく、RFID回路基板の全体的な大きさも変更せずに済み、もって、ケース(12)の大きさを大きくすることなくストラップホルダ(19)をケース(12)に突出することなく取り付けることが可能である。
【0021】
さらに本発明者は、次の点にも、工夫を加えている。
上述した構成、つまり、ケース(12)に別部品であるストラップホルダ(19)を取り付ける構成は、もともと、ストラップ取付部(20)が壊れた場合における交換作業性を考慮したものであるが、本発明者では、このストラップホルダ(19)自体の強度をさらに強化できれば、ストラップホルダ(19)が壊れること自体を少なくできて交換作業自体を少なくできると考えた。
【0022】
そこで、本発明者においては、さらに、ストラップホルダ(19)自体の強度や、ケース(12)に対する取付強度を考察してみた。
すなわち、ユーザーがストラップを持ってRFIDタグ(11)を振り回したり、RFIDタグ(11)を引っ張ったりすると、ストラップホルダ(19)に、図26及び図27に示すように、大きな外力Fが作用する。この場合、被取付板部(21)のねじ固定部分や、ストラップ係止部(23)、前記ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)の背壁部(20e)などの各部にこの外力Fが作用する。ここで、上述の構成の場合、前記ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)の背壁部(20e)は、横孔部(22a)といった空隙部が存在する構造上、強度が低くなってしまうことが判った。なお、単純に前記背壁部(20e)の厚みを厚くすると、ストラップ挿通孔部(22)が狭くなってストラップを挿通し難くなってしまう。
【0023】
本発明は、このような新たな課題も本願第2の特徴構成により解消している。すなわち、本願第2の特徴構成の理解を容易にするために図6〜図9を参照すると、前記凹部側外面部(20b)において前記ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)に対応する部分のうち、ストラップホルダ(19)の前記凹部(14d)への配置状態で前記第2枠状壁部(14b)の一辺部(14b1)の内面の近傍となる部位に、当該一辺部(14b1)に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)の高さ寸法(Ta)より大きな高さ寸法(Tb)の第1補強板部(25)を形成している。
【0024】
又、同じく前記凹部側外面部(20b)において前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)に対応する部分のうち、前記ストラップホルダ(19)の前記凹部(14d)への配置状態で前記第2枠状壁部(14b)の前記一辺部(14b1)と略直角をなす他辺部(14b2)の内面の近傍となる部位に、当該他辺部(14b2)に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)の高さ寸法(Ta)より大きな高さ寸法(Tb)の第2補強板部(26)を形成している。
【0025】
この構成によれば、ストラップ取付部(20)の凹部側外面部(20b)に、ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)の高さ寸法Taより大きな高さ寸法Tbの第1補強板部(25)及び第2補強板部(26)を形成したから、ストラップ取付部(20)の背壁部(20e)の厚みを厚くすることなく、当該背壁部(20e)をストラップの引っ張り方向への外力に対して十分に補強できる。これによって、ストラップホルダ(19)の強度自体も高め得て、ストラップホルダ(19)が壊れること自体を少なくできて交換作業自体を少なくできる。
【0026】
さらに上記構成によれば、前記第1補強板部(25)が、ストラップホルダ(19)の配置状態で第2枠状壁部(14b)の両辺部(14b1、14b2)うちの一辺部(14b1)の内面に当接もしくは近接し、又、第2補強板部(26)が前記一辺部(14b1)と略直角をなす他辺部(14b2)の内面に当接もしくは近接するから、前記外力Fがストラップホルダ(19)に作用した場合、この外力Fを、第1補強板部(25)及び第2補強板部(26)を介して第2枠状壁部14bの一辺部(14b1)及び他辺部(14b2)内面で受けることが可能となり、結果的に前記外力Fをケース(12)に分散することができ、ストラップホルダ(19)の取付強度を高めることができて、ストラップホルダ(19)の損壊強度を高めることができ、設計時に想定しないような極めて過度な外力が作用しない限り当該ストラップホルダ(19)の損壊を防止でき、交換頻度の極少化に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態によるRFIDタグの斜視図
【図2】図1の切断線Q2−Q2による断面図
【図3】ケース及びストラップホルダの分解斜視図
【図4】第1ケース本体の平面図
【図5】第2ケース本体の平面図
【図6】図1の切断線Q6−Q6による断面図
【図7】図6の切断線Q7−Q7による断面図
【図8】ストラップホルダの斜視図
【図9】図8とは異なる方向から見たストラップホルダの斜視図
【図10】係合ボス部部分の横断面図
【図11】突起部の横断面図
【図12】第1ケース本体にストラップホルダを配置した状態の平面図
【図13】図7の切断線Q13−Q13による断面図
【図14】図1の矢視Q14方向から見た部分的側面図
【図15】作用説明のための図6相当図
【図16】作用説明のための図7相当図
【図17】参考例を示す図10相当図
【図18】異なる参考例を示す図10相当図
【図19】第2実施形態を示す図6相当図
【図20】第3実施形態を示す図6相当図
【図21】従来のRFIDタグの外観図
【図22】図17及び図18とは異なる参考例を示す図1相当図
【図23】図3相当図
【図24】図8相当図
【図25】図9相当図
【図26】図6相当図
【図27】図7相当図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図16を参照して説明する。図1にはこの実施形態によるRFIDタグ11の外観を示している。このRFIDタグ11は、ケース12の内部に、後述するアンテナ18やRFID回路基板17などのRFID部品を備えると共に、ケース12にストラップホルダ19を設けている。
【0029】
前記ケース12は、図2及び図3に示すように、第1ケース本体13、第2ケース本体14、蓋15を有して構成されている。前記第1ケース本体13は、平面形状が略矩形状をなす第1主板部13aと、この第1主板部13aの周縁部から略直角方向に突出形成された第1枠状壁部13bとを有して構成されている。
【0030】
この第1ケース本体13の一つの角部13k1には、係合ボス部13cが形成されており、この係合ボス部13cには係合孔部13c´が形成されている。図4に示すように、この係合孔部13c´は、前記第1ケース本体13において前記凹部14dに対応する角部と、これと対をなす角部とを通る仮想対角線K上にあって、円形状をなす。
【0031】
さらにこの第1主板部13aには、前記係合孔部13c´の近くで且つ第1枠状壁部13bの一辺部13b1の近くの部位に、この第1枠状壁部13bと同じ突出方向へ突出する前記ねじ螺合ボス部13dが形成されており、このねじ螺合ボス部13dにはねじ螺合孔部13d´が形成されている。なお、このねじ螺合ボス部13dと、前記第1枠状壁部13bの一辺部13b1と、これと略直角をなして連続する他辺部13b2とは、補助リブ13rによって連結されている。
【0032】
さらにこの第1ケース本体13の角部13k1における第1枠状壁部13b上端部には、若干低くなる段差部13s(図3及び図4参照)が形成されており、前記ねじ螺合ボス部13d及び補助リブ13rもこの段差部13sと同じ高さとされている。
又、この第1ケース本体13における他の角部13k2〜13k4には、ねじ螺合ボス部13e〜13gが前記第1枠状壁部13bと同じ突出方向に突出するように形成されている。この各ねじ螺合ボス部13e〜13gには、夫々ねじ螺合孔部13e´〜13g´が形成されている。
【0033】
又、前記第2ケース本体14は、平面形状が略矩形状をなす第2主板部14aと、この第2主板部14aの周縁部から略直角方向に突出形成された第2枠状壁部14bとを有して構成されている。この第2枠状壁部14bは、後述より明らかとなるが、前記第1ケース本体13及び第2ケース本体14の結合状態で前記第1枠状壁部13bと突き合わせ状態とされる。
【0034】
この第2ケース本体14の一つの角部14k1には、前記第2枠状壁部14b及び前記第2主板部14aの角部対応部分を切除した形態の略円弧状の凹部14dが形成されている。この凹部14dは後述のストラップホルダ19のストラップ取付部20の凹部側外面部20bの外面形状(平面形状)に合致する。
【0035】
さらに、前記第2枠状壁部14bにおいてこの凹部14dを挟んで隣り合う両辺部14b1、14b2のうちの一辺部14b1に接近する位置に、前記第2枠状壁部14bと同じ突出方向に突出するねじ挿通ボス部14eが形成されており、このねじ挿通ボス部14eにはねじ挿通孔14e´が形成されている。
又、この第2ケース本体14の他の角部14k2〜14k4には、前記第2枠状壁部14bの突出方向と同じ方向に突出するねじ挿通ボス部14f〜14hが形成されている。各ねじ挿通ボス部14f〜14hには、夫々ねじ挿通孔部14f´〜14h´が形成されている。
【0036】
なお、上述のねじ挿通ボス部14e〜14hのねじ挿通孔部14e´〜14h´は図6に示すように、ねじ座付き孔部からなる。
さらに、図3及び図5において、この第2ケース本体14には、前記第2枠状壁部14b及び各ねじ挿通ボス部14e〜14hの内側において第2主板部14aと直角方向に突出する嵌合壁部14cが形成されており、この嵌合壁部14cは、後述より明らかとなるが、前記第1ケース本体13及び第2ケース本体14の結合状態で前記第1ケース本体13の内側(前記第1枠状壁部13b、補助リブ13r、ねじ螺合ボス部13e〜13gの内側)と嵌合する。又、前記第2主板部14aには電池交換用孔部14iが形成されている。
【0037】
前記第1ケース本体13の内部には、図2に示すように、RFID回路基板16が収納配置されており、このRFID回路基板16には、図示しないが回路が形成されていると共に、制御部などを構成する電子部品が実装され、さらに、制御部の電源である電池17が電池ホルダ17aにより着脱可能に装着されている。
【0038】
図3において、前記蓋15は第2ケース本体14の第2主板部14a上面(外面)に図示しない係合手段により着脱可能に装着されるものであり、この蓋15の裏面にはコイル状のアンテナ18が装着されている。さらにこの蓋15の一つの角部には、ストラップホルダ19のストラップ取付部20の凹部側外面部20bと合致する略円弧状の切欠部15aが形成されている。この蓋15はその切欠部15aが第2ケース本体14の前記凹部14dに合致するように装着される。そして、図2の状態から、蓋15を取り外すと、前記第2ケース本体14の電池交換用孔部14iを通して前記電池17を交換可能である。
【0039】
前記ストラップホルダ19は、合成樹脂の一体成形品から構成されており、図6〜図9に示すように、前記第2ケース本体14の前記凹部14dに配置されるストラップ取付部20と、このストラップ取付部20から前記ねじ挿通ボス部14eと前記ねじ螺合ボス部13eとの間まで延びるように形成された舌片状の被取付板部21とを有する。
【0040】
前記ストラップ取付部20は、前記第2ケース本体14とこれに取付けられる蓋15とを合わせた厚みと略同等の厚み(上下方向幅)を有する。
そして、このストラップ取付部20の外面部は、当該ストラップ取付部20が前記凹部14dに配置された状態で前記第1ケース本体13のねじ螺合ボス部13d上に配置されて前記第1主板部13aと平行となる配置外面部20aと、前記第2ケース本体14の前記凹部14dの端縁(第2枠状壁部14bの一辺部14b1の端縁e1及び他辺部14b2の端縁e2、並びに第2主板部14aの凹状の端縁e3)の略全域と接触可能で、平面的に見て略円弧凸状をなす凹部側外面部20bと、平面的に見て前記第1ケース本体13における前記角部外縁の形状とほぼ同じ外面形状をなす角部外縁側外面部20cと、前記配置外面部20aと反対側の面部である反対側外面部20dとから構成されている。
【0041】
さらに、前記被取付板部21は、前記凹部側外面部20bにおける前記配置外面部20a側の部分からほぼ直角方向へ延出され、この被取付板部21には、前記ねじ螺合ボス部13dのねじ螺合孔部13d´に対応してねじ挿通孔部21aが形成されている。
【0042】
前記ストラップ取付部20には、一端が前記角部外縁側外面部20cで開口すると共に他端が前記反対側外面部20dで開口するストラップ挿通孔部22が形成されている。
このストラップ挿通孔部22は、横孔部22aと縦孔部22bとを有し、前記横孔部22aは、前記一端の開口から前記ストラップ取付部20内部を前記凹部側外面部20b方向へ向かう形態をなし、又、前記縦孔部22bは、この横孔部22aの他端から前記反対側外面部20d方向へ延びてこの反対側外面部20dで開口している。
前記ストラップ取付部20において、このストラップ挿通孔部22内面と前記角部外縁側外面部20c及び前記反対側外面部20dとの間の部分でストラップ係止部23が形成されている。
【0043】
さらに、図8、図10及び図11に示すように、前記配置外面部20aには前記係合ボス部13c側へ突出して前記係合孔部13c´に挿入係合される突起部24が形成されている。この突起部24は、図10及び図11に示すように、挿入方向に直行する方向の断面が四角形状をなし、且つこの四角形のうちの一組の平行な2辺部24a、24bが前記仮想対角線Kと直交し且つ他の組の平行な2辺部24c、24dがこの仮想対角線Kと平行となる向きに形成されている。そして、突起部24の対角方向の幅寸法Hkは、前記係合孔部13c´の径寸法より僅かに大きい寸法(係合孔部13c´への突起部24の圧入が可能な寸法)に設定している。
【0044】
さらに又、図6〜図9に示すように、前記凹部側外面部20bにおいて前記ストラップ挿通孔部22の横孔部22aに対応する部分のうち、ストラップホルダ19の前記凹部14dへの配置状態で前記第2枠状壁部14bの一辺部14b1の内面の近傍となる部位に、当該一辺部14b1に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部22の前記横孔部22aの高さ寸法Taより大きな高さ寸法Tbの第1補強板部25が形成されている。
【0045】
この場合、この第1補強板部25は前記被取付板部21にも連続していて、ストラップ取付部20と被取付板部21との間の補強継ぎ板(いわゆるステー)も兼用している。
さらに、同じく前記凹部側外面部20bにおいて前記ストラップ挿通孔部22の前記横孔部22aに対応する部分のうち、前記ストラップホルダ19の前記凹部14dへの配置状態で前記第2枠状壁部14bの前記一辺部14b1と略直角をなす他辺部14b2の内面の近傍となる部位に、当該他辺部14b2に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部22の前記横孔部22aの高さ寸法Taより大きな高さ寸法Tbの第2補強板部26が形成されている。
【0046】
さて、前述した構成部品の組み立て手順の一例を説明する。図3に示す状態において、まず第1ケース本体13内にRFID回路基板16を配置した上で、図12に示すように、ストラップホルダ19の被取付板部21のねじ挿通孔部21a部分を前記第1ケース本体13のねじ螺合ボス部13dに配置しつつ、このストラップホルダ19のストラップ取付部20の突起部24を、前記第1ケース本体13の前記係合孔部13c´圧入(挿入)係合させる。このとき、ストラップホルダ19は、前記突起部24が係合孔部13c´に圧入されたことにより、その配置姿勢が不動状態に固定(仮固定)される。
【0047】
そして、第2ケース本体14をその凹部14dが前記ストラップ取付部20の前記凹部側外面部20bに当接する形態で前記第1ケース本体13に上方から重ねる。このとき、図7に示すように、第2ケース本体14の前記一辺部14b1の内面がストラップホルダ19の第1補強板部25外面に当接もしくは近接すると共に、他辺部14b2の内面がストラップホルダ19の第2補強板部26外面に当接もしくは近接する。
【0048】
この後、前記第2ケース本体14のねじ挿通ボス部14eのねじ挿通孔部14e´及び前記被取付板部21の前記ねじ挿通孔部21aを通したねじ27(図6及び図13参照)を前記ねじ螺合ボス部13dのねじ螺合孔部13d´に螺合し、さらに他のねじ挿通ボス部14f〜14hのねじ挿通孔部14f´〜14h´を通したねじ(図示せず)を前記ねじ螺合ボス部13e〜13gのねじ螺合孔部13e´〜13g´に螺合する。これにより、図6及び図13に示すように、第1ケース本体13に第2ケース本体14を連結すると共に、前記被取付板部21を前記第1ケース本体13と第2ケース本体14との間に固定する。この後、蓋15を第2ケース本体14の第2主板部14a上面(外面)に図示しない係合手段により取り付ける(図1参照)。この場合、切欠部15aがストラップ取付部20の凹部側外面部20b上部に合致する。このようにしてRFIDタグ11が組み立てられる。
【0049】
この組立状態において、図2に示すように、第2枠状壁部14bは、前記第1ケース本体13及び第2ケース本体14の結合状態で前記第1枠状壁部13bと突き合わせ状態とされる。又、前記嵌合壁部14cは、図4に二点鎖線で示すように、前記第1ケース本体13及び第2ケース本体14の結合状態で前記第1ケース本体13の内側(前記第1枠状壁部13b、補助リブ13r、ねじ螺合ボス部13e〜13gの内側)と嵌合する。そして、前記被取付板部21は、第2枠状壁部14bの一辺部14b1と嵌合壁部14cとの間に位置する。
【0050】
さらに、図14に示すように、ストラップ挿通孔部22にストラップ28を挿通して、ストラップ係止部23に係留する。
上述した実施形態の構成によれば、ケース12の角部にストラップホルダ19を設けたことで、ストラップホルダ19をケース12から突出することなく、しかも、ストラップホルダ19をケース12の一つの辺部に取り付ける場合とは違って、RFIDタグ11全体の大きさを大きくすることなく、ストラップホルダ19をケース12に取り付けることができる。
【0051】
ここで、ユーザーが、ストラップ28を持ってRFIDタグ11を振り回したり、RFIDタグ11を引っ張ったりすると、ストラップホルダ19に、図6及び図7に示すように、大きな引っ張り方向の外力Fが作用する。この場合、被取付板部21のねじ固定部分や、ストラップ係止部23、前記ストラップ挿通孔部22の横孔部22aの背壁部20eなどの各部にこの外力Fが作用する。
【0052】
これに対し、前記被取付板部8におけるねじ27固定部分は、ねじ螺合ボス部13d及びねじ挿通ボス部14eにより挟持された形態となっているから、強度的には問題がなく、又、ストラップ係止部23は厚肉に形成されているから、この部分も強度的には問題がない。
【0053】
一方、背壁部20eについては、空隙部である横孔部22aが存在するため、構造的に強度的に弱いことが懸念されるが、上述した本実施形態においては、ストラップホルダ19の凹部側外面部20bにおける横孔部22aと対応する部分に、前記横孔部22aの高さ寸法Taより高い寸法Tbの第1補強板部25及び第2補強板部26を形成したから、ストラップ取付部20の背壁部20e(横孔部22aと凹部側外面部20bとの間の部分)の厚みを厚くすることなく、当該背壁部20eをストラップの引っ張り方向への外力に対して十分に補強できる。これによって、ストラップホルダ19の強度自体も高め得て、ストラップホルダ19が壊れること自体を少なくできて交換作業自体を少なくできる。このように本実施形態のストラップホルダ19は、従来(特許文献1、2)のストラップ取付部程度又はそれ以上の強度を確保できる。
【0054】
さらに、本実施形態においては、図7に示したように、第1補強板部25を、ストラップホルダ19の配置状態で凹部14dにおける第2枠状壁部14bの両辺部14b1、14b2うちの一辺部14b1の内面に当接もしくは近接する構成とし、且つ、第2補強板部26を、ストラップホルダ19の配置状態で凹部14dにおける第2枠状壁部14bの両辺部14b1、14b2うちの他辺部14b2の内面に当接もしくは近接する構成としたから、ストラップホルダ19に前述の外力Fが作用した場合に、この外力Fを、第1補強板部25及び第2補強板部26を介して第2枠状壁部14bの一辺部14b1及び他辺部14b2内面で受けることが可能となり、結果的に前記外力Fを実線の矢印で示すようにケース12の第2ケース本体14に分散することができ、ストラップホルダ19の取付強度を高めることができて、ストラップホルダ19の損壊強度を高めることができ、設計時に想定しないような極めて過度な外力が作用しない限り当該ストラップホルダ19の損壊を防止でき、交換頻度の極少化に寄与できる。
【0055】
ところで、ストラップホルダ19が、設計時に想定しないような極めて過度な外力で損壊するなどして交換の必要が生じた場合には、このストラップホルダ19をケース12と別部品としてこのケース12に取り付ける構成としたから、ストラップホルダ19のみを交換すれば良く、よって、ケース12を交換せずに済む。
【0056】
さらに、このストラップホルダ19の交換に際しては、第2ケース本体14を取り外して、壊れたストラップホルダ19を外し、新たなストラップホルダ19を第1ケース本体13に配置して第2ケース本体14を再度取り付ければ良い。つまり、内部のRFID部品はそのままで良く、RFID部品の取り外し・再取り付けもせずに済む。
【0057】
さらに本実施形態においては、第1ケース本体13の係合孔部13c´にストラップホルダ19の突起部24を圧入する構成としたから、組立工程において、第1ケース本体13に対してストラップホルダ19を配置するときに、上述の圧入によりストラップホルダ19をがたつきなく、仮固定状態に配置することができる。
【0058】
そして、このようにストラップホルダ19を第1ケース本体13にがたつきなくしっかりと仮固定状態に配置できるから、この後、第2ケース本体14を第1ケース本体13にねじ止めするために当該第2ケース本体14を第1ケース本体13に配置する(重ねる)ときに、ストラップホルダ19が第1ケース本体13から脱落するおそれがなく、作業性が良い。
【0059】
ここで、突起部を、仮に参考図として示す図17の突起部24Aのように、円柱状(横断面形状が丸形)としても、係合孔部13c´の内径寸法に対して突起部24Aの外径寸法を僅かに大きくすることで、この突起部24Aの係合孔部13c´への圧入は可能であるが、突起部24Aの全外周が係合孔部13c´の全内周に摺接するため、ユーザーが圧入する際の突起部24Aの圧入抵抗が大きく、この結果、圧入時に大きな力を要して圧入し難く、もって組立性が悪いといった不具合が発生する。
【0060】
この点、本実施形態によれば、図10〜図12に示したように、突起部24を横断面四角形状とし、且つ突起部24の対角方向の幅寸法Hkを、前記係合孔部13c´の径寸法より僅かに大きい寸法(係合孔部13c´への突起部24の圧入が可能な寸法)に設定しているから、突起部24を係合孔部13c´に圧入する場合には、突起部24の4つの角部のみが係合孔部13c´に摺接するようになり、圧入抵抗が小さく、圧入し易くなり、もって組立性が良くなる。
【0061】
さらに又、本実施形態においては、図10に示すように、前記係合孔部13c´を、前記第1ケース本体13において前記凹部14dに対応する角部13k1と、これと対をなす角部13k2とを通る仮想対角線K上に設け、前記突起部24を、一組の平行な2辺部24a、24bが前記仮想対角線Kと直交し且つ他の組の平行な2辺部24c、24dがこの仮想対角線Kと平行となる向きとなるように形成したから、前述の外力Fが作用したときに、係合ボス部13cに対して作用する突起部24の前記仮想対角線方向の力が、辺部24aと辺部24cとで構成される角部24acと、辺部24aと辺部24dとで構成される角部24adとで分散され、係合ボス部13cの応力を分散でき、係合ボス部13c及び突起部24に係るストレスを軽減できる。
【0062】
ちなみに、図18のように、仮想対角線K上に突起部24の対角が位置する向きに、突起部24を形成すると、係合ボス部13cに対して仮想対角線K上の角部24acからの力が集中して、係合ボス部13c及び突起部24に係るストレスが大きくなる。これに対して上述したように本実施形態では、係合ボス部13c及び突起部24に係るストレスを軽減できる。
【0063】
又、RFIDタグ11を、衣服のポケットやカバン等に入れた場合に、ストラップホルダ19をケース12方向へ逆に押し込んでしまうことも考えられる。この時の押し込み方向の外力を図15及び図16に符号Rで示している。この場合、これらの図から判るように、この外力Rは、ストラップ取付部20の凹部側外面部20bが第2ケース本体14の凹部側外面部20bの端縁e1、e2、e3(図3にも図示)に当接もしくは近接しているから、この凹部14dの端縁e1、e2、e3で受けられて、実線による矢印で示すように、広範囲で分散される。なお、この外力Rは、この他、被取付板部21におけるねじ止め部分や、前記突起部24等でも受けられて、分散される。この結果、この押し込み方向の外力Rに対してもストラップホルダ19の損壊強度を高めることができる。
【0064】
この場合、背壁部20eに上記外力Rによるストレスがかかってもこの背壁部20eは前述した第1補強板部25及び第2補強板部26により補強されているから、強度的に十分に強い。
このように本実施形態によれば、ストラップホルダ19及びストラップホルダ取付構造を、引っ張り方向及び押し込み方向の外力に対しても十分に強い構造とすることができる。
なお、上記実施形態では、前記ストラップホルダ19の厚み寸法を、第2ケース本体14及び蓋15の合計厚み寸法と略同等としたが、本発明の第2実施形態を示す図19のように第2ケース本体14の厚みと略同等としても良い。
【0065】
又、前記被取付板部21は、凹部側外面部20bにおける配置外面部20a寄りの部分(図6では凹部側外面部20bの下部)から延出する構成としたが、本発明の第3実施形態を示す図20の被取付板部21Aのように、凹部側外面部20bにおける上下方向の中間部から延出する構成としても良い。この場合も、第1補強板部25及び第2補強板部26は凹部側外面部20bにおいて横孔部22aに対応する部分に形成している。ねじ挿通ボス部14e、ねじ螺合ボス部13dの高さもこの被取付板部21Aに合わせて形成する。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を奏する。
【0066】
又、第2ケース本体14は蓋15を一体に備えていても良く、この場合蓋15が第2主板部を構成する。
上述した実施形態のRFIDタグ11によれば、ストラップ取付部20を備えた部材としてのストラップホルダ19を交換する場合に、ケース12を交換せずに済むと共にRFID部品の取り外し・再取り付けもせずに済み、さらに、ストラップホルダ19自体の損壊強度を大幅に強化できて、当該ストラップホルダ19自体の交換頻度も極少化できる。
なお、本発明のRFIDタグは上述した実施形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲内で変更、変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0067】
図面中、11はRFIDタグ、12はケース、13は第1ケース本体、13aは第1主板部13a、13bは第1枠状壁部、13cは係合ボス部、13c´は係合孔部、13dはねじ螺合ボス部、13d´はねじ螺合孔部、14は第2ケース本体、14aは第2主板部、14bは第2枠状壁部、14dは凹部、14eはねじ挿通ボス部、14e´はねじ挿通孔部、15は蓋15、16はRFID回路基板、19はストラップホルダ、20はストラップ取付部、20aは配置外面部、20bは凹部側外面部、20cは角部外縁側外面部、20dは反対側外面部、20eは背壁部、21は被取付板部、21aはねじ挿通孔部、22はストラップ挿通孔部、22aは横孔部、22bは縦孔部、23はストラップ係止部、24は突起部、25は第1補強板部、26は第2補強板部を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
いずれも平面形状が略矩形状をなして互いに平面的に重ねられて結合される第1ケース本体(13)及び第2ケース本体(14)を有し、内部にRFID回路基板などのRFID部品を備えたケース(12)と、
このケース(12)に取付けられるストラップホルダ(19)とを備えたRFIDタグであって、
前記第1ケース本体(13)は、略矩形状をなす第1主板部(13a)と、この第1主板部(13a)の周縁部から略直角方向に突出形成された第1枠状壁部(13b)とを有して構成され、
前記第2ケース本体(14)は、略矩形状をなす第2主板部(14a)と、この第2主板部(14a)の周縁部から略直角方向に突出形成され前記第1ケース本体(13)及び第2ケース本体(14)の結合状態で前記第1枠状壁部(13b)と突き合わせ状態とされる第2枠状壁部(14b)とを有して構成され、
さらに前記第2ケース本体(14)における一つの角部(14k1)には、前記第2枠状壁部(14b)及び前記第2主板部(14a)の角部対応部分を切除した形態の凹部(14d)が形成され、前記第2ケース本体(14)の第2主板部(14a)にあって前記凹部(14d)を挟んで隣り合う第2枠状壁部(14b)の二つの辺部(14b1、14b2)のうちの一辺部(14b1)の近傍部位には、前記第2枠状壁部(14b)と同じ方向に突出し且つねじ挿通孔部(14e´)を有するねじ挿通ボス部(14e)が形成され、
前記第1ケース本体(13)の第1主板部(13a)における前記凹部(14d)対応部分には、係合孔部(13c´)を有する係合ボス部(13c)が第1枠状壁部(13b)と同じ方向に突出して形成され、さらにこの第1主板部(13a)には、前記ねじ挿通ボス部(14e)のねじ挿通孔部(14e´)と対応するねじ螺合孔部(13d´)を有するねじ螺合ボス部(13d)が第1枠状壁部(13b)と同じ方向に突出して形成され、
前記ストラップホルダ(19)は、前記第2ケース本体(14)の前記凹部(14d)に配置されるストラップ取付部(20)と、このストラップ取付部(20)から前記ねじ挿通ボス部(14e)と前記ねじ螺合ボス部(13d)との間まで延びるように形成された被取付板部(21)とを有し、
前記ストラップ取付部(20)は、前記第2ケース本体(14)の厚みと同等又は同等以上の厚みを有し、その外面部が、当該ストラップ取付部(20)が前記凹部(14d)に配置された状態で前記第1ケース本体(13)のねじ螺合ボス部(13d)上に配置されて前記第1主板部(13a)と平行となる配置外面部(20a)と、前記第2ケース本体(14)の前記凹部(14d)の端縁(e1、e2、e3)の略全域と接触する凹部側外面部(20b)と、前記第1ケース本体(13)における前記角部(13k1)外縁の形状とほぼ同じ外面形状の角部外縁側外面部(20c)と、前記配置外面部(20a)と反対側の面である反対側外面部(20d)とから構成され、
前記被取付板部(21)は、前記凹部側外面部(20b)から延出され、この被取付板部(21)には、前記ねじ螺合ボス部(13d)のねじ螺合孔部(13d´)に対応してねじ挿通孔部(21a)が形成され、
前記ストラップ取付部(20)には、一端が前記角部外縁側外面部(20c)で開口すると共に他端が前記反対側外面部(20d)で開口し、前記一端の開口から前記ストラップ取付部(20)内部を前記凹部側外面部(20b)方向へ向かう横孔部(22a)と、この横孔部(22a)の他端から前記反対側外面部(20d)方向へ延びて前記他端の開口へ通じる縦孔部(22b)とを有するストラップ挿通孔部(22)が形成され、
前記ストラップ取付部(20)において、前記ストラップ挿通孔部(22)内面と前記角部外縁側外面部(20c)及び前記反対側外面部(20d)との間の部分でストラップ係止部(23)が形成され、
前記配置外面部(20a)には前記係合ボス部(13c)側へ突出して前記係合孔部(13c´)に挿入係合される突起部(24)が形成され、
前記凹部側外面部(20b)において前記ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)に対応する部分のうち、前記ストラップホルダ(19)の前記凹部(14d)への配置状態で前記第2枠状壁部(14b)の一辺部(14b1)の内面の近傍となる部位に、当該一辺部(14b1)に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)の高さ寸法(Ta)より大きな高さ寸法(Tb)の第1補強板部(25)が形成され、
又、同じく前記凹部側外面部(20b)において前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)に対応する部分のうち、前記ストラップホルダ(19)の前記凹部(14d)への配置状態で前記第2枠状壁部(14b)の前記一辺部(14b1)と略直角をなす他辺部(14b2)の内面の近傍となる部位に、当該他辺部(14b2)に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)の高さ寸法(Ta)より大きな高さ寸法(Tb)の第2補強板部(26)が形成され、
前記ストラップ取付部(20)の前記突起部(24)を前記第1ケース本体(13)の前記係合孔部(13c´)に挿入係合させると共に、前記被取付板部(21)の前記ねじ挿通孔部(21a)部分を前記第1ケース本体(13)のねじ螺合ボス部(13d)に配置し、前記第2ケース本体(14)をその凹部(14d)の端縁(e1、e2、e3)が前記ストラップ取付部(20)の前記凹部側外面部(20b)に合致する形態で前記第1ケース本体(13)に重ね、前記ねじ挿通ボス部(14e)のねじ挿通孔部(14e´)及び前記被取付板部(21)の前記ねじ挿通孔部(21a)を通したねじ(27)を前記ねじ螺合ボス部(13d)のねじ螺合孔部(13d´)に螺合することにより前記被取付板部(21)を前記第1ケース本体(13)と第2ケース本体(14)との間に固定したことを特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
前記係合ボス部(13c)の前記係合孔部(13c´)は、前記第1ケース本体(13)において前記凹部(14d)に対応する角部(13k1)と、これと対をなす角部(13k3)とを通る仮想対角線(K)上にあって、円形状をなし、
前記突起部(24)は、挿入方向に直行する方向の断面が四角形状をなし、且つこの四角形のうちの一組の平行な2辺部(24a、24b)が前記仮想対角線(K)と直交し且つ他の組の平行な2辺部(24c、24d)がこの仮想対角線(K)と平行となる向きに形成され、この突起部(24)は、前記円形状の係合孔部(13c´)に対して圧入されることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ。
【請求項1】
いずれも平面形状が略矩形状をなして互いに平面的に重ねられて結合される第1ケース本体(13)及び第2ケース本体(14)を有し、内部にRFID回路基板などのRFID部品を備えたケース(12)と、
このケース(12)に取付けられるストラップホルダ(19)とを備えたRFIDタグであって、
前記第1ケース本体(13)は、略矩形状をなす第1主板部(13a)と、この第1主板部(13a)の周縁部から略直角方向に突出形成された第1枠状壁部(13b)とを有して構成され、
前記第2ケース本体(14)は、略矩形状をなす第2主板部(14a)と、この第2主板部(14a)の周縁部から略直角方向に突出形成され前記第1ケース本体(13)及び第2ケース本体(14)の結合状態で前記第1枠状壁部(13b)と突き合わせ状態とされる第2枠状壁部(14b)とを有して構成され、
さらに前記第2ケース本体(14)における一つの角部(14k1)には、前記第2枠状壁部(14b)及び前記第2主板部(14a)の角部対応部分を切除した形態の凹部(14d)が形成され、前記第2ケース本体(14)の第2主板部(14a)にあって前記凹部(14d)を挟んで隣り合う第2枠状壁部(14b)の二つの辺部(14b1、14b2)のうちの一辺部(14b1)の近傍部位には、前記第2枠状壁部(14b)と同じ方向に突出し且つねじ挿通孔部(14e´)を有するねじ挿通ボス部(14e)が形成され、
前記第1ケース本体(13)の第1主板部(13a)における前記凹部(14d)対応部分には、係合孔部(13c´)を有する係合ボス部(13c)が第1枠状壁部(13b)と同じ方向に突出して形成され、さらにこの第1主板部(13a)には、前記ねじ挿通ボス部(14e)のねじ挿通孔部(14e´)と対応するねじ螺合孔部(13d´)を有するねじ螺合ボス部(13d)が第1枠状壁部(13b)と同じ方向に突出して形成され、
前記ストラップホルダ(19)は、前記第2ケース本体(14)の前記凹部(14d)に配置されるストラップ取付部(20)と、このストラップ取付部(20)から前記ねじ挿通ボス部(14e)と前記ねじ螺合ボス部(13d)との間まで延びるように形成された被取付板部(21)とを有し、
前記ストラップ取付部(20)は、前記第2ケース本体(14)の厚みと同等又は同等以上の厚みを有し、その外面部が、当該ストラップ取付部(20)が前記凹部(14d)に配置された状態で前記第1ケース本体(13)のねじ螺合ボス部(13d)上に配置されて前記第1主板部(13a)と平行となる配置外面部(20a)と、前記第2ケース本体(14)の前記凹部(14d)の端縁(e1、e2、e3)の略全域と接触する凹部側外面部(20b)と、前記第1ケース本体(13)における前記角部(13k1)外縁の形状とほぼ同じ外面形状の角部外縁側外面部(20c)と、前記配置外面部(20a)と反対側の面である反対側外面部(20d)とから構成され、
前記被取付板部(21)は、前記凹部側外面部(20b)から延出され、この被取付板部(21)には、前記ねじ螺合ボス部(13d)のねじ螺合孔部(13d´)に対応してねじ挿通孔部(21a)が形成され、
前記ストラップ取付部(20)には、一端が前記角部外縁側外面部(20c)で開口すると共に他端が前記反対側外面部(20d)で開口し、前記一端の開口から前記ストラップ取付部(20)内部を前記凹部側外面部(20b)方向へ向かう横孔部(22a)と、この横孔部(22a)の他端から前記反対側外面部(20d)方向へ延びて前記他端の開口へ通じる縦孔部(22b)とを有するストラップ挿通孔部(22)が形成され、
前記ストラップ取付部(20)において、前記ストラップ挿通孔部(22)内面と前記角部外縁側外面部(20c)及び前記反対側外面部(20d)との間の部分でストラップ係止部(23)が形成され、
前記配置外面部(20a)には前記係合ボス部(13c)側へ突出して前記係合孔部(13c´)に挿入係合される突起部(24)が形成され、
前記凹部側外面部(20b)において前記ストラップ挿通孔部(22)の横孔部(22a)に対応する部分のうち、前記ストラップホルダ(19)の前記凹部(14d)への配置状態で前記第2枠状壁部(14b)の一辺部(14b1)の内面の近傍となる部位に、当該一辺部(14b1)に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)の高さ寸法(Ta)より大きな高さ寸法(Tb)の第1補強板部(25)が形成され、
又、同じく前記凹部側外面部(20b)において前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)に対応する部分のうち、前記ストラップホルダ(19)の前記凹部(14d)への配置状態で前記第2枠状壁部(14b)の前記一辺部(14b1)と略直角をなす他辺部(14b2)の内面の近傍となる部位に、当該他辺部(14b2)に当接もしくは近接し、前記ストラップ挿通孔部(22)の前記横孔部(22a)の高さ寸法(Ta)より大きな高さ寸法(Tb)の第2補強板部(26)が形成され、
前記ストラップ取付部(20)の前記突起部(24)を前記第1ケース本体(13)の前記係合孔部(13c´)に挿入係合させると共に、前記被取付板部(21)の前記ねじ挿通孔部(21a)部分を前記第1ケース本体(13)のねじ螺合ボス部(13d)に配置し、前記第2ケース本体(14)をその凹部(14d)の端縁(e1、e2、e3)が前記ストラップ取付部(20)の前記凹部側外面部(20b)に合致する形態で前記第1ケース本体(13)に重ね、前記ねじ挿通ボス部(14e)のねじ挿通孔部(14e´)及び前記被取付板部(21)の前記ねじ挿通孔部(21a)を通したねじ(27)を前記ねじ螺合ボス部(13d)のねじ螺合孔部(13d´)に螺合することにより前記被取付板部(21)を前記第1ケース本体(13)と第2ケース本体(14)との間に固定したことを特徴とするRFIDタグ。
【請求項2】
前記係合ボス部(13c)の前記係合孔部(13c´)は、前記第1ケース本体(13)において前記凹部(14d)に対応する角部(13k1)と、これと対をなす角部(13k3)とを通る仮想対角線(K)上にあって、円形状をなし、
前記突起部(24)は、挿入方向に直行する方向の断面が四角形状をなし、且つこの四角形のうちの一組の平行な2辺部(24a、24b)が前記仮想対角線(K)と直交し且つ他の組の平行な2辺部(24c、24d)がこの仮想対角線(K)と平行となる向きに形成され、この突起部(24)は、前記円形状の係合孔部(13c´)に対して圧入されることを特徴とする請求項1に記載のRFIDタグ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2013−65679(P2013−65679A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203132(P2011−203132)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】
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