説明

Raf阻害化合物およびその使用方法

式(I)の化合物は、Rafキナーゼの阻害に有用である。哺乳動物細胞中のかかる疾患、または関連する病態の、インビトロ、原位置、およびインビボ診断、予防、または治療のための、式(I)の化合物、ならびにその立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩の使用方法を開示する。別の態様は、過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の優先権
本出願は、2009年8月28日に出願された米国特許仮出願第61/238,103号の、米国特許法119(e)の下の優先権を主張し、当該出願の内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
発明の背景
化合物、本化合物を含む薬学的組成物、本化合物を作製するためのプロセス、および療法における本化合物の使用が、本明細書に提供される。より具体的には、Rafキナーゼを阻害し、それによって媒介される疾患を治療するために有用な、ある特定の置換ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン化合物が、本明細書に開示される。
【背景技術】
【0002】
Raf/MEK/ERK経路は、細胞の生存、成長、増殖、および腫瘍形成に重要である。非特許文献1。Rafキナーゼは、A−Raf、B−Raf、およびC−Rafの、3つのアイソフォームとして存在する。複数の研究が、3つのアイソフォームの中で、B−Rafが、主たるMEK活性剤として機能することを示している。B−Rafは、ヒト癌の中で最も頻繁に変異する遺伝子のうちの1つである。B−Rafキナーゼは、前臨床の標的検証、疫学、および創薬可能性に基づく抗癌療法のための優れた標的を表す。
【0003】
抗癌療法のために、B−Rafの小分子阻害剤が開発されている。Nexavar(登録商標)(ソラフェニブトシラート)は、B−Rafの阻害を含むマルチキナーゼ阻害剤であり、進行性腎細胞癌および切除不能な肝細胞癌を有する患者の治療に対して承認されている。例えば、RAF−265、GSK−2118436、PLX−3603、PLX−4032、およびXL−281等の、他のRaf阻害剤も開示または臨床試験が行われている。他のB−Raf阻害剤も公知であり、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、および特許文献10を参照されたい。
【0004】
キナーゼ阻害剤は公知であり、例えば、特許文献11、特許文献12、および特許文献13を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0189627号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0281751号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0049603号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0176809号明細書
【特許文献5】国際公開第2007/002325号
【特許文献6】国際公開第2007/002433号
【特許文献7】国際公開第2008/028141号
【特許文献8】国際公開第2008/079903号
【特許文献9】国際公開第2008/079906号
【特許文献10】国際公開第2009/012283号
【特許文献11】国際公開第2006/066913号
【特許文献12】国際公開第2008/028617号
【特許文献13】国際公開第2008/079909号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Li,Nanxin,et al.“B−Raf kinase inhibitors for cancer treatment.” Current Opinion in Investigational Drugs. Vol. 8, No. 6(2007):452−456
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
Rafキナーゼの阻害剤、特にB−Raf阻害剤である化合物が、本明細書で説明される。ある特定の過増殖性疾患は、例えば、このタンパク質の突然変異または過剰発現等の、Rafキナーゼ機能の過度の活性化を特徴とする。したがって、本化合物は、癌等の過増殖性疾患の治療に有用である。
【0008】
より具体的には、一態様は、式Iの化合物、
【0009】
【化1】

【0010】
ならびにその立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩を提供し、式中、R、R、R、R、およびRは、本明細書で定義されるとおりである。
【0011】
別の態様は、B−Rafによって調節される疾病または疾患を予防または治療する方法を提供し、本方法は、有効量の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。かかる疾病および疾患の例には、過増殖性疾患(黒色腫および他の皮膚癌を含む、癌等)、神経変性、心肥大、疼痛、片頭痛、ならびに神経外傷性疾病が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
別の態様は、癌を予防または治療する方法を提供し、本方法は、有効量の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を、単独で、または抗癌特性を有する1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。
【0013】
別の態様は、哺乳動物の過剰増殖性疾患を治療する方法を提供し、本方法は、治療上有効量の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を、哺乳動物に投与することを含む。
【0014】
別の態様は、腎臓病を予防または治療する方法を提供し、本方法は、有効量の式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を、単独で、または1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。別の態様は、多発性嚢胞腎を予防または治療する方法を提供し、本方法は、有効量の式Iの化合物、その立体異性体、または薬学的に許容される塩を、単独で、または1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。
【0015】
別の態様は、過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0016】
別の態様は、療法に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を提供する。
【0017】
別の態様は、過剰増殖性疾患の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を提供する。さらなる一実施形態では、過剰増殖性疾患は、癌(またはさらに、本明細書に定義される特定の癌)であり得る。
【0018】
別の態様は、腎臓病の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を提供する。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎であり得る。
【0019】
別の態様は、過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。さらなる一実施形態では、過剰増殖性疾患は、癌(またはさらに、本明細書に定義される特定の癌)であり得る。
【0020】
別の態様は、腎臓病の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎であり得る。
【0021】
別の態様は、癌療法を受けている患者の治療でB−Raf阻害剤として使用するための、薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0022】
別の態様は、多発性嚢胞腎療法を受けている患者の治療でB−Raf阻害剤として使用するための、薬剤の製造における、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0023】
別の態様は、過剰増殖性疾患の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。
【0024】
別の態様は、癌の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。
【0025】
別の態様は、多発性嚢胞腎の治療に使用するための、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を提供する。
【0026】
別の態様は、式Iの化合物、その立体異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体もしくは賦形剤を含む、薬学的組成物を提供する。
【0027】
別の態様は、式Iの化合物を調製するための中間体を提供する。式Iのある特定の化合物は、他の式Iの化合物のための中間体として使用され得る。
【0028】
別の態様は、本明細書に記載の化合物の調製のためのプロセス、分離方法、および精製方法を含む。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、ある特定の実施形態について詳細に述べ、その例を添付の構造および式で示す。列挙された実施形態が説明されるが、それらは本発明をこれらの実施形態に限定することを意図したものではないことが理解されるであろう。逆に、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る、全ての代替例、変形例、および同等物を対象とすることを意図している。当業者は、本発明の実施に使用され得る、本明細書で説明されている方法および材料に類似または相当する、多数の方法および材料を認識するであろう。本発明は、説明されている方法および材料に一切限定されない。定義された用語、用語の用法、説明される技術等が含まれるが、これらに限定されない、組み込まれる文献および類似する資料のうちの1つもしくは複数が、本出願と異なる、または矛盾する場合は、本出願が優先される。
【0030】
定義
「アルキル」という用語は、炭素原子の直鎖または分岐鎖ラジカルを含む。一例では、アルキルラジカルは、1個〜6個の炭素原子(C−C)であり得る。一例では、アルキルラジカルは、C−C、C−C、またはC−Cであり得る。いくつかのアルキル部分は、例えば、メチル(「Me」)、エチル(「Et」)、プロピル(「Pr」)、およびブチル(「Bu」)のように略記されており、また、化合物の特有の異性体を表すために、例えば、1−プロピルまたはn−プロピル(「n−Pr」)、2−プロピルまたはイソプロピル(「i−Pr」)、1−ブチルまたはn−ブチル(「n−Bu」)、2−メチル−1−プロピルまたはイソブチル(「i−Bu」)、1−メチルプロピルまたはs−ブチル(「s−Bu」)、1,1−ジメチルエチルまたはt−ブチル(「t−Bu」)等の、さらなる略語が使用される。これらの略語は、時折、例えばメタノール(「MeOH」)またはエタノール(「EtOH」)等の、元素の略語および化学構造とともに使用される。
【0031】
本出願の全体を通して使用されるさらなる略語には、例えば、ベンジル(「Bn」)、フェニル(「Ph」)、および酢酸塩(「Ac」)が含まれ得る。
【0032】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素二重結合)を伴う、直鎖または分岐鎖の一価の炭化水素ラジカルを含み、アルケニルラジカルは、本明細書に記載の1個もしくは複数個の置換基によって、独立して、随意に置換され得、「シス」および「トランス」配向、または代替として「E」および「Z」配向を有するラジカルを含む。一例では、アルケニルラジカルは、2個〜6個の炭素原子(C−C)であり得る。他の例では、アルケニルラジカルは、C−C、C−C、またはC−Cであり得る。
【0033】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの不飽和部位(すなわち、炭素−炭素三重結合)を伴う、直鎖の、または分岐した一価の炭化水素ラジカルを含み、アルキニルラジカルは、本明細書に記載の1個もしくは複数個の置換基によって、独立して、随意に置換され得る。一例では、アルキニルラジカルは、2個〜6個の炭素原子(C−C)であり得る。他の例では、アルキニルラジカルは、C−C、C−C、またはC−Cであり得る。
【0034】
「アルコキシ」という用語は、式−O−(アルキル)のラジカルを指し、このアルキルは、置換されてもよい。
【0035】
「シクロアルキル」という用語は、非芳香族の、飽和または部分的に不飽和の炭化水素環基を指し、シクロアルキル基は、本明細書に記載の1個もしくは複数個の置換基によって、独立して、随意に置換され得る。一例では、シクロアルキル基は、3個〜6個の炭素原子(C−C)であり得る。他の例では、シクロアルキル基は、C−C、C−C、またはC−Cであり得る。
【0036】
「ヘテロ環」および「複素環」という用語は、酸素、窒素、および硫黄から成る群から選択され、その残りの原子が炭素である、1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する、飽和または部分的に不飽和の4〜7員環を含む。一例では、複素環は、3〜6員環であり得る。他の例では、複素環は、4〜6員環または5〜6員環であり得る。
【0037】
「ヘテロアリール」という用語は、酸素、窒素、および硫黄から成る群から選択され、その残りの原子が炭素である、1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する、5〜6員芳香環を含む。一例では、ヘテロアリールは、5〜6員環であり得る。
【0038】
「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br、またはIを指す。
【0039】
「治療する」または「治療」という用語は、療法的、予防的、緩和的、または防止的な処置を指す。有益な、または所望の臨床的結果としては、症状の緩和、疾病の程度の減少、疾病の安定した(すなわち、悪化しない)状態、疾病進行の遅延または鈍化、疾病状態の改善または緩和、および検出可能または検出不可能に関わらない緩解(部分的または全体的を問わない)が挙げられるが、これらに限定されない。「治療」はまた、治療を受けなかった場合に予想される生存と比較して、生存を延長することを意味し得る。治療を必要とする者には、既にその状態もしくは疾患を有している者、ならびにその状態もしくは疾患を有し易い者、またはその状態もしくは疾患を予防すべき者が含まれる。
【0040】
「治療上有効量」または「有効量」という句は、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与した時に、(i)特定の疾病、状態、もしくは疾患を、治療または予防するのに十分であるか、(ii)特定の疾病、状態、もしくは疾患の1つもしくは複数の症状を減衰、改善、または排除するのに十分であるか、または(iii)本明細書に記載の特定の疾病、状態、もしくは疾患の1つもしくは複数の症状の発生を予防または遅延させるのに十分である、式Iの化合物の量を意味する。かかる量に対応する化合物の量は、特定の化合物、疾病、状態、およびその重篤性、治療を必要とする哺乳動物の同一性(例えば、体重)に応じて変化するが、それでもなお、当業者によってごく普通に判断することができる。
【0041】
「癌」および「癌性」という用語は、一般的に、異常または無秩序な細胞成長を特徴とする、哺乳動物における生物学的状態を指すか、または説明する。「腫瘍」は、1つもしくは複数の癌性細胞を含む。癌の例としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病もしくはリンパ性悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。かかる癌のより特定の例には、扁平上皮細胞癌(例えば、上皮性扁平上皮細胞癌)、小細胞肺癌を含む肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺の腺癌および肺の扁平上皮癌、腹膜の癌、肝細胞癌、消化管癌を含む胃癌、膵癌、神経膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝癌、膀胱癌、肝癌、乳癌、大腸癌、直腸癌、結腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌腫、唾液腺癌腫、腎臓癌、前立腺癌、外陰部癌、甲状腺癌、肝癌、肛門癌腫、陰茎癌腫、黒色腫を含む皮膚癌、ならびに頭頸部癌が挙げられる。
【0042】
「薬学的に許容される」という句は、物質または組成物が、ある製剤を含む他の成分および/またはそれによって治療されている哺乳動物と、化学的および/または毒物学的に適合することを示す。
【0043】
「薬学的に許容される塩」という句は、本明細書で使用する場合、本明細書に記載の化合物の薬学的に許容される有機塩または無機塩を指す。
【0044】
本明細書に記載の化合物はまた、必ずしも薬学的に許容される塩であるとは限らず、かつ本明細書に記載の化合物を調製および/もしくは精製するための、ならびに/または本明細書に記載の化合物のエナンチオマーを分離するための中間体として有用であり得る、かかる化合物の他の塩も含む。
【0045】
「哺乳動物」という用語は、本明細書に記載の疾病を有する、または疾病を発症する危険性がある、温血動物を意味し、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスター、およびヒトを含む霊長類が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
B−RAF阻害化合物
B−Rafによって調節される疾病、状態、および/または疾患の治療に潜在的に有用である、化合物およびその薬学的製剤が、本明細書に提供される。
【0047】
一実施形態は、式Iの化合物、
【0048】
【化2】

【0049】
ならびにその立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩であって、式中、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択され、
は、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルから選択され、
は、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、フェニル、5〜6員ヘテロアリール、またはNRであり、該シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、およびヘテロアリールは、OR、ハロゲン、フェニル、C−Cシクロアルキル、またはハロゲンで随意に置換されたC−Cアルキルで随意に置換され、
は、水素、C−Cアルキル、OR、NR、SR、C−Cシクロアルキル、フェニル、4〜6員複素環、および5〜6員ヘテロアリールから選択され、該アルキル、シクロアルキル、および複素環は、1個〜3個のR基で随意に置換され、該フェニルおよびヘテロアリールは、1個〜3個のR基で随意に置換され、
およびRは、独立して、水素、およびハロゲンで随意に置換されたC−Cアルキルから選択されるか、あるいは
およびRは、それらが結合する窒素とともに4〜6員複素環式環を形成し、
は、水素、フェニル、およびオキソで随意に置換されたC−Cアルキルであり、
は、OHもしくはOCHで随意に置換されたC−Cアルキルであり、
およびRは、独立して、水素およびC−Cアルキルから選択され、
は、C−Cアルキルであり、
各Rは、独立して、ハロゲン、オキソ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、および4〜6員複素環から選択され、該アルキル、アルコキシ、および複素環は、Rで随意に置換され、
各Rは、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、および4〜6員複素環から選択され、該アルキル、アルコキシ、および複素環は、Rで随意に置換され、
は、ハロゲン、OH、オキソ、およびC−Cアルキルから選択され、
は、ハロゲン、OH、およびC−Cアルキルから選択される、化合物を提供する。
【0050】
ある実施形態では、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、およびC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、R、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、およびメチルから選択される。ある実施形態では、R、R、およびRは、独立して、水素、F、Cl、およびメチルから選択される。
【0051】
ある実施形態では、RおよびRは、独立して、ハロゲンから選択され、Rは、水素である。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、FおよびClから選択され、Rは、水素である。
【0052】
ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択される。
【0053】
ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルから選択され、Rは、Clである。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素、F、Cl、およびメチルから選択され、Rは、Clである。
【0054】
ある実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシである。
【0055】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0056】
ある実施形態では、Rは、ハロゲンである。ある実施形態では、Rは、FまたはClである。
【0057】
ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、メチルである。
【0058】
ある実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、またはC−Cアルコキシである。
【0059】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0060】
ある実施形態では、Rは、ハロゲンである。ある実施形態では、Rは、FまたはClである。
【0061】
ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、メチルである。
【0062】
ある実施形態では、Rは、Clである。
【0063】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0064】
ある実施形態では、Rは、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルである。
【0065】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0066】
ある実施形態では、Rは、ハロゲンである。ある実施形態では、Rは、FまたはClである。
【0067】
ある実施形態では、RおよびRは、Fであり、Rは、水素である。
【0068】
ある実施形態では、Rは、Fであり、Rは、Clであり、Rは、水素である。
【0069】
ある実施形態では、Rは、Clであり、Rは、Fであり、Rは、水素である。
【0070】
ある実施形態では、Rは、Fであり、RおよびRは、水素である。
【0071】
ある実施形態では、RおよびRは、水素であり、Rは、Fである。
【0072】
ある実施形態では、RおよびRは、Fであり、Rは、水素である。
【0073】
ある実施形態では、Rは、Clであり、RおよびRは、水素である。
【0074】
ある実施形態では、R、R、およびRは、Fである。
【0075】
ある実施形態では、Rは、Fであり、Rは、メチルであり、Rは、水素である。
【0076】
ある実施形態では、Rは、メチルであり、Rは、Fであり、Rは、水素である。
【0077】
ある実施形態では、Rは、Fであり、RおよびRは、水素である。
【0078】
ある実施形態では、Rは、Clであり、RおよびRは、水素である。
【0079】
ある実施形態では、Rは、Fであり、RおよびRは、水素である。
【0080】
ある実施形態では、式Iの残基
【0081】
【化3】

【0082】
(式中、波線は、式I内の前記残基の結合点を表す)は、以下より選択される
【0083】
【化4−1】

【0084】
【化4−2】

【0085】
ある実施形態では、Rは、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、フェニル、5〜6員ヘテロアリール、またはNRであり、該シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、およびヘテロアリールは、OR、ハロゲン、フェニル、C−Cシクロアルキル、またはハロゲンで随意に置換されるC−Cアルキルで随意に置換される。
【0086】
ある実施形態では、Rは、ハロゲンで随意に置換されたC−Cアルキル、およびNRから選択される。ある実施形態では、Rは、プロピル、イソブチル、−CHCHCHF、−N(CH)CHCH、およびピロリジン−1−イルから選択される。
【0087】
ある実施形態では、Rは、シクロプロピル、エチル、プロピル、ブチル、イソブチル、−CHCHCHOH、−CHCl、−CHCF、−CHCHCHF、−CHCHCF、フェニルメチル、シクロプロピルメチル、フェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル、1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル、フラン−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、チオフェン−2−イル、−NHCHCH、−NHCHCHCH、−N(CH)CHCH、−NHCH(CH、−NHCHCHF、−N(CH、またはピロリジン−1−イルである。
【0088】
ある実施形態では、Rは、水素、C−Cアルキル、OR、NR、SR、C−Cシクロアルキル、フェニル、4〜6員複素環、および5〜6員ヘテロアリールから選択され、該アルキル、シクロアルキル、および複素環は、1個〜3個のR基で随意に置換され、該フェニルおよびヘテロアリールは、1個〜3個のR基で随意に置換され、
ある実施形態では、Rは、OHまたはOCHで随意に置換されたC−Cアルキルである。
【0089】
ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素およびC−Cアルキルから選択される。
【0090】
ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルである。
【0091】
ある実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、オキソ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、および4〜6員複素環から選択され、該アルキル、アルコキシ、および複素環は、Rで随意に置換される。ある実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、および4〜6員複素環から選択され、該アルキルおよび複素環は、Rで随意に置換される。
【0092】
ある実施形態では、Rは、ハロゲン、OH、オキソ、およびC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、Rは、OHおよびC−Cアルキルから選択される。
【0093】
ある実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、および4〜6員複素環から選択され、該アルキル、アルコキシ、および複素環は、Rで随意に置換される。ある実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、および4〜6員複素環から選択され、該アルキルおよび複素環は、Rで随意に置換される。
【0094】
ある実施形態では、Rは、ハロゲン、OH、およびC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、Rは、OHおよびC−Cアルキルから選択される。
【0095】
ある実施形態では、Rは、水素、メチル、エチル、CF、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH、−OCHCHOH、−OCHCHOCH、−NHCH、−NHCH(CH、−SCH、シクロプロピル、シクロペンチル、フェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル、テトラヒドロフラン−3−イル、ピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピペリジン−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル、およびピリジン−3−イルから選択される。
【0096】
ある実施形態では、Rは、水素である。
【0097】
ある実施形態では、Rは、1個〜3個のR基で随意に置換されたC−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、メチル、エチル、およびCFから選択される。
【0098】
ある実施形態では、Rは、ORである。ある実施形態では、Rは、OHまたはOCHで随意に置換されたC−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH、−OCHCHOH、および−OCHCHOCHから選択される。
【0099】
ある実施形態では、Rは、NRである。ある実施形態では、RおよびRは、独立して、水素およびC−Cアルキルから選択される。ある実施形態では、Rは、−NHCHおよび−NHCH(CHから選択される。
【0100】
ある実施形態では、Rは、SRである。ある実施形態では、Rは、C−Cアルキルである。ある実施形態では、Rは、−SCHである。
【0101】
ある実施形態では、Rは、1個〜3個のR基で随意に置換されたC−Cシクロアルキルである。ある実施形態では、Rは、C−Cシクロアルキルである。ある実施形態では、Rは、シクロプロピルまたはシクロペンチルである。
【0102】
ある実施形態では、Rは、1個〜3個のR基で随意に置換されたフェニルである。ある実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、および4〜6員複素環から選択され、該アルキルおよび複素環は、Rで随意に置換され、該複素環は、酸素、窒素、および硫黄から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する。ある実施形態では、各Rは、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、および4〜6員複素環から選択され、該アルキルおよび複素環は、Rで随意に置換され、該複素環は、ピペラジニルである。ある実施形態では、Rは、フェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、および3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニルから選択される。
【0103】
ある実施形態では、Rは、1個〜3個のR基で随意に置換された4〜6員複素環である。ある実施形態では、Rは、4〜6員複素環であり、該複素環は、酸素、窒素、および硫黄から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する。ある実施形態では、Rは、4〜6員複素環であり、該複素環は、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、モルホリニル、およびピペリジニルから選択される。ある実施形態では、Rは、テトラヒドロフラン−3−イル、ピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、およびピペリジン−4−イルである。
【0104】
ある実施形態では、Rは、1個〜3個のR基で随意に置換された5〜6員ヘテロアリールである。ある実施形態では、Rは、1個〜3個のR基で随意に置換された5〜6員ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、酸素、窒素、および硫黄から成る群から選択される1個、2個、または3個のヘテロ原子を含有する。ある実施形態では、Rは、1個〜3個のR基で随意に置換された5〜6員ヘテロアリールであり、該ヘテロアリールは、ピラゾリルおよびピリジニルから選択される。ある実施形態では、Rは、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル、およびピリジン−3−イルから選択される。
【0105】
本明細書に記載のある特定の化合物は、不斉またはキラル中心を含み、したがって、異なる立体異性体で存在し得ることが理解されるであろう。ジアステレオマー、エナンチオマー、およびアトロプ異性体、ならびにラセミ混合物等のそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない、本明細書に記載の全ての立体異性体は、本化合物の一部を形成することを意図している。
【0106】
本明細書で示される構造では、任意の特定のキラル原子の立体化学が特定されていない場合、全ての立体異性体が、本明細書に記載の化合物として企図され、かつ含まれる。立体化学が、特定の構成を表す実線の楔または破線によって特定されている場合、その立体異性体は、そのように特定されて、定義される。
【0107】
また、式Iの化合物が互変異性体を含むことも理解されるであろう。互変異性体は、互変異性化によって相互交換可能である、化合物である。これは、通常、単結合および隣接する二重結合の切り替えを伴う、水素原子またはプロトンの移動により生じる。式Iの互変異性体の形成としては、スルホンアミドの位置が挙げられるが、これに限定されない。式Iの化合物は、全ての互変異性体を含むことを意図する。
【0108】
また、ある特定の式Iの化合物は、さらなる式Iの化合物のための中間体として使用され得ることも理解されるであろう。
【0109】
さらに、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和の形態で、ならびに水、エタノール等の薬学的に許容される溶媒を伴う溶媒和の形態で存在し得、本化合物が、溶媒和および非溶媒和の両形態を包含することを意図していることが理解されるであろう。
【0110】
また、式Iの化合物には、1つもしくは複数の同位体が濃縮された原子の存在下でのみ異なる化合物が含まれることもさらに理解されるであろう。例えば、式Iの化合物(ここで、1個または複数個の水素原子は、重水素もしくは三重水素で置き換えられるか、あるいは、1個または複数個の炭素原子は、13Cもしくは14Cで富化された炭素で置き換えられる)は、本発明の範囲内である。
【0111】
化合物の合成
本明細書に記載の化合物は、特に本明細書に含まれる説明を踏まえて、化学的な技術分野において公知であるものに類似するプロセスを含む、合成経路によって合成され得る。出発材料は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)、Alfa Aesar(Ward Hill,MA)、またはTCI(Portland,OR)等の商業的供給源から入手可能であり、または当業者に公知の方法を使用して容易に調製される(例えば、概して、Louis F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis.v.1−23、New York:Wiley 1967−2006 Ed.(Wiley InterScience(登録商標)のウェブサイトを介して入手可能)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.,Ed.、Springer−Verlag,Berlin、補足資料を含む(Beilsteinのオンラインデータベースを介しても入手可能)、で説明されている方法によって調製される)。
【0112】
説明のために、スキーム1〜6は、本明細書に記載の化合物、ならびに主要な中間体を調製するための一般的な方法を示す。個々の反応ステップのより詳細な説明については、下記の実施例の項を参照のこと。当業者は、他の合成経路が、本化合物を合成するために使用され得ることを理解するであろう。特定の出発材料および試薬は、以下、スキームの項に示され、論じられるが、他の出発材料および試薬を、様々な誘導体および/または反応条件を提供するように容易に代用することができる。加えて、以下に説明する方法によって調製される化合物の多くは、当業者に公知の従来の化学的性質を使用して、本開示を踏まえてさらに修正することができる。
【0113】
【化5】

【0114】
スキーム1は、化合物5を調製するための一般的な方法を示し、式中、R、R、R、およびRは、本明細書で定義されるとおりである。安息香酸1は、MeOH中のトリメチルシリルジアゾメタンにより、またはフィッシャーエステル化条件による処理、例えばMeOH中の塩化トリメチルシリル(「TMSCl」)による処理によって、安息香酸メチル2にエステル化される。2の還元は、Pd/CおよびHによる処理等の標準的な条件を用いて、行われる。ビス−スルホンアミド4は、NEt等の塩基の存在下で、ジクロロメタン(「DCM」)等の有機溶媒中で、スルホニルクロリドによるアニリン3の処理によって得られる。4の加水分解は、NaOH水溶液等の塩基条件下で、テトラヒドロフラン(「THF」)および/またはMeOH等の適切な溶媒系中で達成されて、化合物5を得る。
【0115】
【化6】

【0116】
スキーム2は、化合物8を調製するための一般的な方法を示し、式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである。AcOH等の適切な溶媒中で、25℃でのナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物7による3−置換−1H−ピラゾール−5−アミン6の処理により、2−置換−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン8を得る。Pd/CおよびHによる処理等による化合物8のニトロ官能性の標準還元により、2−置換−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン9を得る。
【0117】
【化7】

【0118】
スキーム3は、化合物10を調製するための一般的な方法を示し、式中、R、R、R、R、およびRは、本明細書に定義されるとおりである。酸5との2−置換−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン9のカップリングは、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(「EDCl」)等の活性化試薬を用いて、ヒドロキシベンズトリアゾール(「HOBt」)等の添加剤の存在下で、ジメチルホルムアミド(「DMF」)等の好適な溶媒中で行われる。
【0119】
【化8】

【0120】
スキーム4は、化合物13を調製するための一般的な方法を示し、式中、Rは、メチルまたはエチルである。マロノニトリル11を、HClの存在下で、ジエチルエーテル等の有機溶媒中で、アルコールROHによる処理によって、イミノエステルHCl塩12に変換する。次いで、化合物12を、MeOH等の好適な溶媒中で、ヒドラジン一塩酸塩で凝縮して、3−アルコキシル−1H−ピラゾール−5−アミン13を得る。
【0121】
【化9】

【0122】
スキーム5は、化合物6を調製するための一般的な方法を示し、式中、Rは、本明細書に定義されるとおりである。α−シアノケトン16は、α−置換ケトン14をNaCNまたはKCNで反応させることによって調製し、式中、Xは、DMF等の好適な有機溶媒中で、ハロゲン、またはメシラートもしくはトシラート等の好適な離脱基である。代替として、α−シアノケトン16は、CHCN、およびNaHもしくはNaOt−Bu等の好適な塩基によりエステル15を処理することによって調製する。EtOH等の溶媒中で、80℃で、α−シアノケトン16をヒドラジンに供することにより、3−置換−1H−ピラゾール−5−アミン6を得る。
【0123】
【化10】

【0124】
スキーム6は、化合物19を調製するための一般的な方法を示し、式中、Rは、Rであり、Rは、Rであるか、あるいは、RおよびRは、複素環が、窒素原子によって結合するように、それらが結合する窒素とともに、1個〜3個のR基で随意に置換された4〜6員複素環を形成する。モロノニトリル17は、トリエチルアミン等の塩基の存在下で、MeOH等の有機溶媒中で、アミンHNRによる処理によって、3−アミノ−3−メチルチオ−アクリロニトリル18に変換される。次いで、化合物18を、EtOH等の好適な溶媒中で、ヒドラジンで凝縮して、3−アミノ−1H−ピラゾール−5−アミン19を得る。
【0125】
式Iの化合物の調製時には、中間体の遠隔官能性(例えば、第1級または第2級アミン等)の保護が必要になり得る。このような保護の必要性は、遠隔官能性の性質および調製方法の条件に応じて変化する。好適なアミノ保護基(NH−Pg)には、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブチロキシカルボニル(「Boc」)、ベンジルオキシカルボニル(「CBz」)、および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(「Fmoc」)が含まれる。このような保護の必要性は、当業者によって容易に判断される。保護基およびそれらの使用の一般的な説明については、T.W.Greene、et al. Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis. New York:Wiley Interscience,2006を参照されたい。
【0126】
したがって、別の実施形態は、式Iの化合物を調製するためのプロセスを提供し、
(a) 式9の化合物
【0127】
【化11】

【0128】
(式中、Rは、本明細書で定義されるとおりである)を、
式5の化合物
【0129】
【化12】

【0130】
(式中、R、R、R、およびRは、本明細書で定義されるとおりである)とカップリングさせて、
式Iの化合物を得ることを含む。
【0131】
さらなる一実施形態では、カップリングは、活性化試薬を用いて行われる。さらなる一実施形態では、活性化試薬は、EDClである。
【0132】
さらなる一実施形態では、カップリングは、添加剤の存在下で、活性化試薬を用いて行われる。さらなる一実施形態では、活性化試薬は、EDClである。さらなる一実施形態では、添加剤は、HOBtである。
【0133】
さらなる一実施形態では、カップリングは、溶媒中の添加剤の存在下で、活性化試薬を用いて行われる。さらなる一実施形態では、活性化試薬は、EDClである。さらなる一実施形態では、添加剤は、HOBtである。さらなる一実施形態では、溶媒は、DMFである。
【0134】
分離方法
相互から、および/または出発材料から反応生成物を分離することが有利であり得る。各ステップまたは一連のステップの所望の生成物は、当該技術分野で一般的な技術によって、所望の均質度まで分離および/または精製(以下、分離)される。一般的に、このような分離は、多相抽出、溶媒または溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィーを伴う。クロマトグラフィーは、例えば、逆相および順相、サイズ排除、イオン交換、高、中、および低圧力液体クロマトグラフィー法ならびに装置、小規模分析、疑似移動床(SMB)、および分取薄層もしくは厚層クロマトグラフィー、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術を含む、任意の数の方法を伴うことができる。当業者は、所望の分離を達成する可能性が最も高い技術を適用するであろう。
【0135】
ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶等の当業者に公知の方法によって、物理化学的な差異に基づいて、それらの個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、適切な光学活性化合物(例えば、キラルアルコールまたはMosherの酸塩化物等の、キラル補助基)と反応させ、それらのジアステレオマーを分離して、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換(例えば、加水分解)することにより、エナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換することによって分離することができる。エナンチオマーは、キラルHPLCカラムを用いて分離することもできる。
【0136】
実質的にその立体異性体を含まない、例えばエナンチオマー等の単一の立体異性体は、光学活性分解剤を用いる、ジアステレオマーの形成等の方法を用いた、ラセミ混合物の分解によって得られ得る(Eliel, E. and Wilen, S. Stereochemistry of Organic Compounds. New York:John Wiley&Sons,Inc.,1994、Lochmuller,C.H.、et al.“Chromatographic resolution of enantiomers:Selective review.” J. Chromatogr., 113(3)(1975):pp. 283−302)。本明細書に記載のキラル化合物のラセミ混合物は、(1)キラル化合物によるイオン性ジアステレオマー塩の形成、および分別結晶もしくは他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬によるジアステレオマー化合物の形成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)キラル条件下での実質的に純粋な、または富化された立体異性体の直接的な分離、を含む、あらゆる好適な方法によって分離および単離することができる。 Wainer,Irving W.,Ed.Drug Stereochemistry:Analytical Methods and Pharmacology.、 New York:Marchel Dekker,Inc.,1993を参照されたい。
【0137】
方法(1)の下では、ジアステレオマー塩は、ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネ、α−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)等の、エナンチオマー的に純粋なキラル塩基と、カルボン酸およびスルホン酸等の、酸性官能性を担持する不斉化合物との反応によって形成することができる。これらのジアステレオマー塩は、分別結晶またはイオンクロマトグラフィーによって分離を誘導され得る。アミノ化合物の光学異性体の分離については、カンフルスルホン酸、酒石酸、マンデル酸、もしくは乳酸等の、キラルカルボン酸またはスルホン酸の添加によって、ジアステレオマー塩の形成をもたらすことができる。
【0138】
代替として、方法(2)によって、分解される基質は、キラル化合物の1つのエナンチオマーと反応して、ジアステレオマー対を形成する(Eliel,E. and Wilen,S. Stereochemistry of Organic Compounds. New York:John Wiley&Sons,Inc.,1994、p.322)。ジアステレオマー化合物は、不斉化合物を、メンチル誘導体等のエナンチオマー的に純粋なキラル誘導体化試薬と反応させて形成し、その後のジアステレオマーの分離および加水分解によって、純粋な、または富化されたエナンチオマーを産生することができる。光学純度を判定する方法は、ラセミ混合物の、例えば塩基の存在下での(−)メンチルクロロホルメート、またはMosherエステル、α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)酢酸フェニル(Jacob III, Peyton.“Resolution of(±)−5−Bromonornicotine.Synthesis of(R)− and(S)−Nornicotine of High Enantiomeric Purity.”J. Org. Chem. Vol. 47, No. 21(1982):pp.4165−4167)といった、メンチルエステル等のキラルエステルの作製、および2つのアトロプ異性エナンチオマーまたはジアステレオマーの存在に対するH NMRスペクトルの解析を伴う。アトロプ異性化合物の安定したジアステレオマーは、アトロプ異性ナフチルイソキノリンの分離のための方法に従って、順相および逆相クロマトグラフィーによって分離および単離することができる(国際公開WO第96/15111号)。
【0139】
方法(3)によって、2つのエナンチオマーのラセミ混合物は、キラル固定相を用いたクロマトグラフィーによって分離することができる(Lough, W.J., Ed. Chiral Liquid Chromatography. New York:Chapman and Hall,1989、Okamoto,Yoshio、et al.“Optical resolution of dihydropyridine enantiomers by high−performance liquid chromatography using phenylcarbamates of polysaccharides as a chiral stationary phase.”J.of Chromatogr.Vol.513(1990):pp.375−378)。富化または精製されたエナンチオマーは、他のキラル分子を不斉炭素原子と区別するために使用される、光学回転および円偏光2色性等の方法によって区別することができる。
【0140】
生物学的評価
B−Raf変異体タンパク質447−717(V600E)を、シャペロンタンパク質Cdc37と共発現させ、Hsp90と複合体を形成した(Roe, S. Mark, et al. “The Mechanism of Hsp90 Regulation by the Protein Kinase−Specific Cochaperone p50cdc37.”Cell.Vol.116(2004):pp.87−98、Stancato,LF、et al.“Raf exists in a native heterocomplex with Hsp90 and p50 that can be reconstituted in a cell free system.”J.Biol.Chem.268(29)(1993):pp. 21711−21716)。
【0141】
試料中のRafの活性の判定は、複数の直接的および間接的な検出方法によって可能である(米国特許第2004/0082014号)。ヒト組み換えB−Rafタンパク質の活性は、米国特許第2004/0127496号および国際公開WO第03/022840号による、B−Rafの公知の生理的基質である、組み換えMAPキナーゼ(MEK)に対する放射性標識化リン酸の取り込みのアッセイによって、インビトロで評価され得る。V600E完全長B−Rafの活性/阻害は、[γ−33P]ATPから、FSBA修飾された野生型MEK内への取り込みを測定することによって推定した(生物学的実施例1を参照のこと)。
【0142】
投与および薬学的製剤
本明細書に記載の化合物は、治療される状態に適切な、あらゆる好都合な経路によって投与され得る。好適な経路には、経口、非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、皮内、髄腔内、および硬膜外を含む)、経皮、直腸、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、膣内、腹膜内、肺内、および鼻腔内が含まれる。
【0143】
これらの化合物は、例えば、錠剤、粉末、カプセル、溶液、分散剤、懸濁液、シロップ、スプレー、坐薬、ゲル、エマルジョン、パッチ等の、あらゆる好都合な投与形態で投与され得る。かかる組成物は、例えば、希釈剤、担体、pH修飾因子、甘味料、増量剤、およびさらなる活性剤等の、薬学的製剤で常用される成分を含有し得る。非経口投与が所望される場合、これらの組成物は、無菌で、注射または点滴に好適な、溶液または懸濁液の形態となる。
【0144】
典型的な製剤は、本明細書に記載の化合物、および担体もしくは賦形剤を混合することによって調製される。好適な担体および賦形剤は、当業者に公知であり、例えば、Ansel,Howard C.、et al.Ansel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems. Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2004、Gennaro,Alfonso.,R、et al.Remington:The Science and Practice of Pharmacy.、 Philadelphia:Lippincott,Williams&Wilkins,2000、およびRowe,Raymond C.Handbook of Pharmaceutical Excipients. Chicago,Pharmaceutical Press,2005に詳細に説明されている。また、これらの製剤には、1つもしくは複数の緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、平滑剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤、滑走剤、加工助剤、着色剤、甘味剤、芳香剤、着香剤、希釈剤、および薬剤(すなわち、本明細書に記載の化合物またはその薬学的組成物)の上品な体裁を提供する、または薬学的製品(すなわち、薬剤)の製造に役立つ、他の公知の添加剤も含まれ得る。
【0145】
一実施形態は、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を含む、薬学的組成物を含む。さらなる実施形態は、薬学的に許容される担体もしくは賦形剤とともに、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0146】
本発明の化合物による治療方法
本明細書に記載の1つもしくは複数の化合物、またはその立体異性体、もしくは薬学的に許容される塩を投与することによって、疾病または状態を治療または予防する方法も提供される。一実施形態では、ヒト患者は、B−Raf活性を検出可能に阻害する量で、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体、アジュバント、もしくは賦形剤によって治療される。
【0147】
別の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の過剰増殖性疾患を治療する方法が提供される。
【0148】
別の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の癌を治療する方法が提供される。
【0149】
別の実施形態では、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物の腎臓病を治療する方法が提供される。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎である。
【0150】
別の実施形態では、かかる治療を必要とする哺乳動物の癌を治療または予防する方法であって、本方法は、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、その哺乳動物に投与することを含む。癌は、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、前立腺癌、精巣癌、尿生殖路癌、食道癌、喉頭癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌腫、大細胞癌腫、NSCLC、小細胞癌腫、肺腺癌腫、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌腫、甲状腺癌、濾胞癌腫、未分化癌腫、乳頭状癌腫、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌腫、肝臓癌腫および胆汁道癌、腎臓癌腫、脊髄性障害、リンパ球様障害、毛様細胞、頬面窩洞および咽頭(口腔)癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、小腸癌、結腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳癌および中枢神経系癌、ホジキン病、ならびに白血病から選択される。別の実施形態は、癌の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0151】
別の実施形態では、かかる治療を必要とする哺乳動物の腎臓病を治療または予防する方法であって、本方法は、治療上有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、その哺乳動物に投与することを含む。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎である。
【0152】
別の実施形態では、B−Rafによって調節される疾病または疾患を治療または予防する方法であって、本方法は、有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。このような疾病および疾患の例としては、過剰増殖性疾患(癌を含む)および腎臓病(多発性嚢胞腎を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0153】
別の実施形態は、過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0154】
別の実施形態は、癌の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。
【0155】
別の実施形態は、腎臓病の治療のための薬剤の製造における、式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩の使用を提供する。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎である。
【0156】
別の実施形態では、癌を予防または治療する方法であって、本方法は、有効量の式Iの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、単独で、または抗癌特性を有する1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む。
【0157】
本発明の別の実施形態は、療法に使用するための、式Iの化合物を提供する。
【0158】
本発明の別の実施形態は、過剰増殖性疾患の治療に使用するための、式Iの化合物を提供する。さらなる一実施形態では、過剰増殖性疾患は、癌である。
【0159】
本発明の別の実施形態は、腎臓病の治療に使用するための、式Iの化合物を提供する。さらなる一実施形態では、腎臓病は、多発性嚢胞腎である。
【0160】
さらなる一実施形態では、癌は、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、前立腺癌、精巣癌、尿生殖路癌、食道癌、喉頭癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌腫、大細胞癌腫、NSCLC、小細胞癌腫、肺腺癌腫、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌腫、甲状腺癌、濾胞癌腫、未分化癌腫、乳頭状癌腫、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌腫、肝臓癌腫および胆汁道癌、腎臓癌腫、脊髄性障害、リンパ球様障害、毛様細胞、頬面窩洞および咽頭(口腔)癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、小腸癌、結腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳癌および中枢神経系癌、ホジキン病、ならびに白血病から選択される。
【0161】
さらなる一実施形態では、癌は、肉腫である。
【0162】
別のさらなる実施形態では、癌は、癌腫である。さらなる一実施形態では、癌腫は、扁平上皮癌腫である。別のさらなる実施形態では、癌腫は、腺腫または腺癌である。
【0163】
併用療法
本明細書に記載の化合物、ならびにその立体異性体および薬学的に許容される塩は、治療のために、単独で、または他の治療剤と併用して採用され得る。本明細書に記載の化合物は、例えば、異なる標的タンパク質における作用によって効き目がある抗過剰増殖(もしくは抗癌)剤等の、1つもしくは複数の付加的な薬物と併用して使用され得る。薬学的併用製剤の第2の化合物、または投与計画は、好ましくは、それらが互いに悪影響を及ぼさないように、本明細書に記載の化合物に対して相補的活性を有する。かかる分子は、意図する目的に対して有効である量で、組み合わせて好適に存在する。これらの化合物は、一緒に単一の薬学的組成物で、または別々に投与されてもよく、別々に投与される時には、同時に、または任意の順序で逐次的に行われ得る。かかる逐次的な投与は、時間的に接近していても、時間的に離れていてもよい。
【0164】
「化学療法剤」は、作用機構に関わらず、癌の治療に有用な化学化合物である。化学療法剤は、「標的療法」および従来の化学療法で使用される化合物を含む。併用療法剤として使用される複数の好適な化学療法剤は、本発明の方法における使用を意図している。本発明は、アポトーシスを誘導する薬剤、ポリヌクレオチド(例えば、リボザイム)、ポリペプチド(例えば、酵素)、薬物、生物学的模倣剤、アルカロイド、アルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗剤、ホルモン、白金化合物、抗癌薬物、トキシン、および/または放射性核種と共役するモノクローナル抗体、生物学的反応修飾因子(例えば、インターフェロン[例えば、IFN−a等]およびインターロイキン[例えばIL−2等]等)、養子免疫療法剤、造血成長因子、腫瘍細胞の分化を誘発する薬剤(例えば、オールトランスレチノイン酸等)、遺伝子療法試薬、アンチセンス療法試薬およびヌクレオチド、腫瘍ワクチン、脈管形成の阻害剤等が挙げられるが、これらに限定されない、数多くの抗癌薬剤の投与を意図している。
【0165】
化学療法剤の例には、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genetech/OSI Pham.)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pham.)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、スニチニブ(SUTENT(登録商標)、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、イマチニブメシラート(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、PTK787/ZK 222584(Novartis)、オキサリプラチン(Eloxatin(登録商標)、Sanofi)、5−FU(5−フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファルニブ(SCH 66336)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、Bayer)、イリノテカン(CAMPTOSAR(登録商標)、Pfizer)およびゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、AG1478、AG1571(SU 5271;Sugen)、チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロスホスファミド等のアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン、およびピポスルファン等のアルキルスルホネート;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパ等のアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミド、およびトリメチロメラミンを含む、エチレンイミンおよびメチルアメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトセシン(合成類似体トポテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン、およびビセレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似体、KW−2189、およびCB1−TM1を含む);エリュテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;ナイトロジェンマスタード(例えばクロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシドヒドロクロリド、メルファラン、ノベンビチン、フェノールエステルイン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタード);カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムスチン等のニトロスレアス;エンジイン抗生物質類(例えば、カリケアミシン、特に、カリケアミシンガンマ1IおよびカリケアミシンオメガI1(Agnew Chem.Intl.Ed.Engl.(1994)33:183−186);ダイネミシンAを含むダイネミシン;クロドロナート等のビスホスホネート;エスペラミシン;ならびに、ネオカルチノスタチン発色団および関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシニス、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシン、およびデオキシドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン(例えばマイトマイシンC)、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、キラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシン等の抗生物質;メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)等の代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセート等の葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン等のプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロキシウリジン等のピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトン等のアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタン等の抗副腎剤;フロリン酸等の葉酸補液;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルフォルニチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダミン;マイタンシンおよびアンサミトシン等のマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products,Eugene,OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT−2トキシン、ベラクリンA、ロリジンA、およびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイドであって、例えばTAXOL(登録商標)(パクリタキセル;Bristol−Mayers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(商標)(クレモホルを含まない)、パクリタキセルのアルブミン操作されたナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners,Schaumberg,Illinois)、およびTAXOTERE(登録商標)(ドキセタキセル;Rhone−Poulenc Rorer,Antony,France);クロラムブシル;GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチン等の白金類似体;ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン);ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標));イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤 RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸等のレチノイド;および上述のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、ならびに誘導体が挙げられる。
【0166】
また、「化学療法剤」の定義には、 (i)例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);クエン酸タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびFARESTON(登録商標)(クエン酸トレミフェン)を含む、抗卵胞ホルモンおよび選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)等の、腫瘍に対するホルモンの作用を制御または阻害する、抗ホルモン剤;(ii)例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(メゲストロールアセテート)、AROMASIN(登録商標)(エクセメスタン;Pfizer)、フォルメスタニー、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca)等の、副腎のエストロゲン産生を制御する、酵素アロマターゼを阻害する、アロマターゼ阻害剤;(iii)フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリン、ならびにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体)等の、抗アンドロゲン剤;(iv)タンパク質キナーゼ阻害剤;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、PKC−アルファ、Raf、およびH−Ras等の、異常な細胞増殖に関係する、信号伝達経路の中の遺伝子の発現を阻害するもの;(vii)VEGF発現阻害剤等のリボザイム(例えば、ANGIOZYME(登録商標))およびHER2発現阻害剤;(viii)ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、およびVAXID(登録商標)といった、遺伝子療法ワクチン等のワクチン;PROLEUKIN(登録商標)rIL−2;LURTOTECAN(登録商標)等のトポイソメラーゼ1阻害剤;ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech)等の抗血管新生剤;(x)GDC−0941(2−(1H−インダゾール−4−イル)−6−(4−メタンスルホニル−ピペラジンン−1−イルメチル)−4−モルホリン−4−イル−チエノ[3,2−d]ピリミジン)、XL−147、GSK690693、およびテムシロリムスを含む、PI3k/AKT/mTOR経路阻害剤;(xi)Ras/Raf/MEK/ERK経路阻害剤;ならびに(xii)上述のいずれかの薬学的に許容される塩、酸、および誘導体も含まれる。
【0167】
また、「化学療法剤」の定義には、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、Genentech/Biogen Idec)、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標)、2C4、Genentech)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、トシツモマブ(Bexxar、Corixia)、および抗体薬物複合体、ゲムツズマブオゾガミシン(MYLOTARG(登録商標)、Wyeth)等の治療抗体も含まれる。
【0168】
本発明のRaf阻害剤と併用して、化学療法剤としての治療可能性を伴うヒト化モノクローナル抗体には、アレムツズマブ、アポリズマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、バピネオズマブ、ベバシズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セルトリズマブペゴル、シドフシツズマブ、シドツズマブ、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガミシン、イノツズマブオゾガミシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ、ヌマビズマブ、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ、ペクツズマブ、ペルツズマブ、ペキセリズマブ、ラリビズマブ、ラニビズマブ、レスリビズマブ、レスリズマブ、レシビズマブ、ロベリズマブ、ルプリズマブ、シブロツズマブ、シプリズマブ、ソンツズマブ、タカツズマブテトラキセタン、タドシズマブ、タリズマブ、テフィバズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、トラスツズマブ、ツコツズマブセルモロイキン、ツカシツズマブ、ウマビズマブ、ウルトキサズマブ、およびビジリズマブが含まれる。
【実施例】
【0169】
説明のために、以下の実施例が含まれる。しかしながら、これらの実施例は、本発明を限定するものではなく、本発明を実施する方法を提案することのみを意味することを理解されよう。当業者は、記載される化学反応が、他の複数の本明細書に記載の化合物を調製するように容易に適合され得、本化合物を調製するための代替の方法も、本発明の範囲内にあるとみなされることを認識するであろう。例えば、本発明によって例証されない化合物の合成は、例えば、妨害基を適切に保護することによって、記載されるもの以外の、当技術分野において公知の他の好適な試薬を利用することによって、および/または反応条件の日常的な修正を行うことによって、成功裏に行われ得る。代替として、本明細書で開示される、または当該技術分野において公知の他の反応は、本明細書に記載の他の化合物を調製するための適用性を有するものと認識される。
【0170】
以下に説明する実施例では、別途明記されない限り、全ての温度は、摂氏温度で記載される。試薬は、Sigma−Aldrich、Alfa Aesar、またはTCI等の商業的供給業者から購入し、別途明記されない限り、さらなる精製を行わずに使用した。
【0171】
以下に記載される反応は、概して、無水溶媒中で、窒素またはアルゴンの正圧下で、または乾燥管(別途明記されない限り)によって行い、一般的に、反応フラスコには、注射器を介した基質および試薬の導入のために、ゴム隔膜を装着した。ガラス器具は、オーブンで乾燥および/または加熱して乾燥させた。
【0172】
カラムクロマトグラフィー精製は、シリカゲルカラムを有するBiotageシステム(製造業者:Dyax Corporation)上で、またはシリカSepPakカートリッジ(Waters)(別途明記されない限り)上で行った。H NMRスペクトルは、400MHzで作動するVarian社製の機器に記録した。H−NMRスペクトルは、CDCl、CDOD、DO、(CDSO、(CDCO、C、CDCN溶液(ppmで報告される)として得られ、参照標準として、テトラメチルシラン(0.00ppm)、または残留溶媒(CDCl:7.26ppm、CDOD:3.31ppm、DO:4.79ppm、(CDSO:2.50ppm、(CDCO:2.05ppm、C:7.16ppm、CDCN:1.94ppm)を使用した。ピークの多重性が報告される時には、以下の略語を使用する。s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、br(拡大線)、dd(二重の二重線)、dt(三重の二重線)。与えられる場合は、カップリング定数は、ヘルツ(Hz)で報告される。
生物学的実施例1
B−Raf IC50アッセイプロトコル
ヒト組み換えB−Rafタンパク質の活性は、米国特許第2004/0127496号および国際公開WO第03/022840号による、B−Rafの公知の生理的基質である、組み換えMAPキナーゼ(MEK)に対する放射性標識化リン酸の取り込みのアッセイによって、インビトロで評価され得る。触媒活性ヒト組み換えB−Rafタンパク質は、ヒトB−Raf組み換えバキュロウイルス発現ベクターに感染したsf9昆虫細胞からの精製によって得られる。
【0173】
V600E完全長B−Rafの活性/阻害は、[γ−33P]ATPから、FSBA修飾された野生型MEK内への放射線標識リン酸の取り込みを測定することによって推定した。30μLのアッセイ混合物は、25mMのNa Pipes、pH7.2、100mMのKCl、10mMのMgCl、5mMのβ−グリセロリン酸、100μMのバナジン酸ナトリウム、4μMのATP、500nCiの[γ−33P]ATP、1μMのFSBA−MEK、および20nMのV600E完全長B−Rafを含有した。インキュベーションは、Costar 3365プレート(Corning)の中で、22℃で実施した。アッセイの前に、B−RafおよびFSBA−MEKを、1.5倍のアッセイ緩衝液(それぞれ、30nMおよび1.5μMを20μL)中で、15分間、ともに前インキュベートし、アッセイは、10μLの10μMのATPの添加によって開始した。60分間のインキュベーション後、アッセイ混合物を、100μLの25%TCAの添加によって反応停止させ、そのプレートを、回転振盪機上で1分間混合し、生成物を、Tomtec Mach III Harvesterを用いて、Perkin−Elmer GF/B濾板上に捕捉した。プレートの底部を封止した後に、35μLのBio−SafeII(Research Products International)シンチレーションカクテルを、各ウェルに添加し、プレートを頂部封止して、Topcount NXT(Packard)で計数した。
【0174】
実施例1〜36の化合物は、上記のアッセイで試験を行い、1μM未満のIC50を有することが分かった。
【0175】
実施例1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、18、19、20、21、22、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、および36の化合物は、上記のアッセイで試験を行い、300nM未満のIC50を有することが分かった。
【0176】
実施例1、2、3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、19、20、21、22、25、26、28、29、30、32、33、34、および35の化合物は、上記のアッセイで試験を行い、150nM未満のIC50を有することが分かった。
【0177】
以下の化合物は、上記のアッセイで試験を行った。いくつかの化合物は、複数回調製され、複数回上記のアッセイで試験を行った。以下のデータは、これらの試験を代表する。
【0178】
【表1−1】

【0179】
【表1−2】

【0180】
生物学的実施例2
細胞ERK1/2リン酸化反応アッセイ
塩基性ERK1/2リン酸化反応の阻害を、細胞を式Iの化合物で1時間インキュベートすることと、固定細胞上の蛍光pERKシグナルを定量化することと、総ERKシグナルに正規化することと、を含む、インビトロ細胞増殖アッセイにおいて決定した。
【0181】
材料および方法:Malme−3M細胞を、ATCCから入手し、10%ウシ胎児血清を捕捉したRPMI−1640中で成長させた。細胞を、96ウェルプレートに24,000細胞/ウェルで播種し、37℃で、5%COで、16〜20時間付着させた。培地を除去し、DMSOで希釈した化合物を、1%DMSOの最終濃度でRPMI−1640中に添加した。これらの細胞を、37℃で、5%COで、この化合物と1時間インキュベートした。これらの細胞を、PBSで洗浄し、PBS中の3.7%ホルムアルデヒドで15分間固定した。この後、PBS/0.05% Tween20で洗浄し、−20℃の100% MeOHで15分間浸透させた。細胞をPBS/0.05% Tween20で洗浄し、次いで、Odysseyブロッキング緩衝液(LI−COR Biosciences)で1時間ブロッキングした。リン酸化ERK(1:400、Cell Signaling #9106、モノクローナル)および総ERK(1:400、Santa Cruz Biotechnology #sc−94、ポリクローナル)に対する抗体を、細胞に添加し、4℃で16〜20時間インキュベートした。PBS/0.05% Tween20で洗浄した後、細胞を蛍光標識二次抗体(1:1000のヤギ抗ウサギIgG−IRDye800,Rocklandおよび1:500のヤギ抗マウスIgG−Alexa Fluor 680,Molecular Probes)とさらに1時間インキュベートした。次いで、細胞を洗浄し、Odyssey Infrared Imaging System(LI−COR Biosciences)を用いて、両波長での蛍光について分析した。リン酸化ERKシグナルを、総ERKシグナルに正規化した。
【0182】
以下の化合物は、上記のアッセイで試験を行った。いくつかの化合物は、複数回調製され、複数回上記のアッセイで試験を行った。以下のデータは、これらの試験を代表する。
【0183】
【表2】

【0184】
中間体実施例A
【0185】
【化13】

【0186】
メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート
ステップA:1Lのフラスコに、2,6−ジフルオロ−3−ニトロ安息香酸(17.0g、83.7mmol)およびMeOH(170mL、0.5M)を充填した。フラスコを冷水浴に置き、ヘキサン中のトリメチルシリル(「TMS」)ジアゾメタンの2Mの溶液(209mL、419mmol)を充填した添加漏斗を、フラスコに装着した。TMSジアゾメタン溶液を、2時間にわたって、反応フラスコに徐々に添加した。試薬のさらなる添加と同時に、Nの発生の停止によって判定される完了に反応を到達させるために、大過剰の試薬が必要であった。揮発物を真空中で除去して、固体として、メチル2,6−ジフルオロ−3−ニトロベンゾアート(18.2g、99%)を得た。この物質を、直接、ステップBに取り入れた。
【0187】
ステップB:窒素雰囲気下で、活性炭素(4.46g、4.19mmol)上の10重量%のPdを、メチル2,6−ジフルオロ−3−ニトロベンゾアート(18.2g、83.8mmol)を充填した1Lのフラスコに添加した。EtOH(350mL、0.25M)を添加し、次いで、Hを、15分間、反応混合物に通過させた。反応混合物を、2つのHバルーンの下で一晩撹拌した。翌日、反応混合物を、新鮮なHバルーンで再フラッシュし、さらに4時間撹拌した。TLCによって判定される、出発材料および中間ヒドロキシルアミンの消費と同時に、反応混合物をNガスでフラッシュした。次いで、この混合物を、ガラス超極細繊維フィルター(「GF/F」)紙を通して、2回濾過した。揮発物を除去して、油として、メチル3−アミノ−2,6−ジフルオロベンゾアート(15.66g、99%)を得た。この物質を、直接、次のステップに取り入れた。
【0188】
ステップC:プロパン−1−塩化スルホニル(23.46mL、209.3mmol)を、冷水浴に保持したCH2Cl(175mL、0.5M)中の、メチル3−アミノ−2,6−ジフルオロベンゾアート(15.66g、83.7mmol)およびトリエチルアミン(35.00mL、251.1mmol)の溶液に、徐々に添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌した。水(300mL)を添加し、有機層を分離して、水(2×300mL)およびブライン(200mL)で洗浄し、次いで、乾燥させ(NaSO)、濾過し、油に濃縮した。粗製生成物を、15%の酢酸エチル(「EtOAc」)/ヘキサンで溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製した。単離した画分を、ヘキサンで粉砕して、固体として、メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(24.4g、3ステップで収率73%)を得た。H NMR(400 MHz, CDCl) δ 7.52−7.45(m, 1H), 7.08−7.02(m, 1H), 3.97(s, 3H), 3.68−3.59(m, 2H), 3.53−3.45(m, 2H), 2.02−1.89(m, 4H), 1.10(t, J=7.4 Hz, 6H).m/z(APCI−neg) M−(SOPr)=292.2。
中間体実施例B
【0189】
【化14】

【0190】
2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
1NのNaOH水溶液(150mL、150mmol)を、4:1のTHF/MeOH(250mL、0.2M)中の、メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(20.0g、50.1mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、室温で一晩撹拌した。次いで、大部分の有機溶媒を真空中で除去した(水浴温度35℃)。1NのHCl(150mL)を、混合物に徐々に添加し、得られた固体を、濾過して、水(4×50mL)ですすいだ。次いで、この物質を、EtO(4×15mL)で洗浄して、固体として、2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(10.7g、収率77%)を得た。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 9.74(s, 1H), 7.57−7.50(m, 1H), 7.23−7.17(m, 1H), 3.11−3.06(m, 2H), 1.79−1.69(m, 2H), 0.98(t, J=7.4 Hz, 3H).m/z(APCI−neg) M−1=278.0。
中間体実施例C
【0191】
【化15】

【0192】
2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)安息香酸
プロパン−1−塩化スルホニル(1.225mL、10.92mmol)を、0℃まで冷却した、3−アミノ−2,6−ジフルオロ安息香酸(0.573g、3.310mmol)、トリエチルアミン(2.030mL、14.56mmol)、およびCHCl(17mL、0.2M)の混合物に添加した。反応混合物を、室温まで加温し、1時間撹拌した。次いで、この混合物を、飽和NaHCO(100mL)と酢酸エチル(75mL)に分配した。水層を、酢酸エチル(50mL)で洗浄し、次いで、濃縮HClでpH約1に酸性化させた。酸性化した水層を、酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、合わせた酢酸エチル抽出物を、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。得られた残渣を、ヘキサンで粉末にして、固体として、2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)安息香酸(0.948g、収率74%)を得た。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 7.90−7.84(m, 1H), 7.39−7.34(m, 1H), 3.73−3.58(m, 4H), 1.88−1.74(m, 4H), 1.01(t, J=7.5 Hz, 6H).m/z(APCI−neg) M−(SOPr)=278.1。
中間体実施例D
【0193】
【化16】

【0194】
2,3,6−トリフルオロ−5−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
2,3,6−トリフルオロ−5−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(8.5%)は、3−アミノ−2,6−ジフルオロ安息香酸を3−アミノ−2,5,6−トリフルオロ安息香酸で置き換えて、中間体実施例Cの一般手順に従って調製した。
中間体実施例E
【0195】
【化17】

【0196】
6−フルオロ−2−メチル−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)安息香酸
6−フルオロ−2−メチル−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)安息香酸(11%)は、3−アミノ−2,6−ジフルオロ安息香酸を3−アミノ−6−フルオロ−2−メチル安息香酸で置き換えて、中間体実施例Cの一般手順に従って調製した。
中間体実施例F
【0197】
【化18】

【0198】
2−フルオロ−6−メチル−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)安息香酸
2−フルオロ−6−メチル−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)安息香酸(3%)は、3−アミノ−2,6−ジフルオロ安息香酸を3−アミノ−2−フルオロ−6−メチル安息香酸で置き換えて、中間体実施例Cの一般手順に従って調製した。
中間体実施例G
【0199】
【化19】

【0200】
2−フルオロ−5−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
プロパン−1−塩化スルホニル(0.0871mL、0.774mmol)を、室温で、10%のNaCO(1.65mL、1.55mmol)中に溶解した。5−アミノ−2−フルオロ安息香酸(0.100g、0.645mmol)を添加し、60℃まで一晩加熱した。プロパン−1−塩化スルホニル(0.0871mL、0.774mmol)を再び添加し、反応混合物を、60℃でさらに1時間加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、水で希釈し、10%のNaCOでpHを10にして、DCMで抽出(2回)した。次いで、反応混合物を、1NのHClでpHを2にし、DCMで抽出(3回)して、2−フルオロ−5−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(29%)の固体に濃縮した。
中間体実施例H
【0201】
【化20】

【0202】
2−クロロ−5−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
2−クロロ−5−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(14%)は、5−アミノ−2−フルオロ安息香酸を5−アミノ−2−クロロ安息香酸で置き換えて、中間体実施例Gの一般手順に従って調製した。
中間体実施例I
【0203】
【化21】

【0204】
2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:2−クロロ−6−フルオロ安息香酸(2.00g、11.5mmol)を、硫酸(20mL)中に溶解して、0℃まで冷却した。硝酸(0.529mL、12.6mmol)を添加し、反応混合物を、室温で1時間加温した。反応混合物を、水で希釈し、水部分を、DCMで抽出(3回)し、NaSO上で乾燥させ、2−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロ安息香酸(97%)の固体に濃縮し、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップで直接使用した。
【0205】
ステップB:2−クロロ−6−フルオロ−3−ニトロ安息香酸(0.100g、0.455mmol)およびZn粉剤(0.298g、4.55mmol)を、THF(4mL)およびNHCl飽和水溶液(2mL)中に取り入れ、室温で一晩撹拌した。反応混合物を、セライトを通して濾過し、固体に濃縮して、水中に溶解した。1NのHCl用いて、pHを2に調整し、水部分を、DCMで抽出(3回)した。有機部分を、NaSO上で乾燥させ、3−アミノ−2−クロロ−6−フルオロ安息香酸(49%)の固体に濃縮し、これを、さらなる精製を行わずに、次のステップで直接使用した。
【0206】
ステップC:2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(13%)は、5−アミノ−2−フルオロ安息香酸を3−アミノ−2−クロロ−6−フルオロ安息香酸で置き換えて、中間体実施例Gの一般手順に従って調製した。
中間体実施例J
【0207】
【化22】

【0208】
ベンジル6−クロロ−2−フルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート
ステップA:撹拌棒およびゴム角膜を備える、火炎乾燥したフラスコに、4−クロロ−2−フルオロアニリン(5.00g、34.35mmol)および乾燥THF(170mL)を充填した。この溶液を、−78℃に冷却し、次いで、n−BuLi(14.7mL、ヘキサン中2.5Mの溶液の1.07当量)を15分間にわたって添加した。この混合物を、−78℃で20分間撹拌し、次いで、1,2−ビス(クロロジメチルシリル)エタン(7.76g、1.05当量)のTHF溶液(25mL)を、(10分間にわたって)反応混合物に徐々に添加した。これを、1時間撹拌し、次いで、ヘキサン中2.5Mのn−BuLi(15.11mL、1.1当量)を徐々に添加した。混合物を、室温まで1時間加温した後に、混合物を再度−78℃に冷却した。n−BuLiの第3の配分(15.66mL、1.14当量)を徐々に添加し、混合物を、−78℃で75分間撹拌した。次いで、ベンジルクロロホルメート(7.40g、1.2当量)を徐々に添加し、この混合物を、−78℃で1時間撹拌した。次いで、冷却浴を除去した。混合物を、30分間加温し、次いで、水(70mL)および濃縮HCl(25mL)で反応停止させた。この混合物を、室温まで継続的に加温した。次いで、その混合物をEtOAcで抽出した。抽出物を、NaHCO飽和溶液で2回、水で1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。得られた残渣を、65 Biotage(30%の酢酸エチル/ヘキサン)でフラッシュし、油として、ベンジル3−アミノ−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸(4.3g、45%)を得た。H NMR((CDSO, 400 MHz) δ 7.37−7.48(m, 5H), 7.07(dd, 1H, J=8, 2), 6.87(t, 1H, J=8), 5.61(br s, 2H), 5.40(s, 2H)。
【0209】
ステップB:ベンジル3−アミノ−6−クロロ−2−フルオロ安息香酸(4.3g、15.37mmol)を、乾燥ジクロロメタン(270mL)中に溶解した。トリエチルアミン(5.36mL、2.5当量)を添加し、混合物を0℃に冷却した。次いで、プロパン−1−塩化スルホニル(3.63mL、32.3mmol、2.1当量)を、注射器を介して添加し、沈殿物を得た。添加が完了したら、混合物を室温まで加温し、出発材料を、TLC(3:1のヘキサン:酢酸エチル)によって判定されるように消費した。次いで、混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、2MのHCl水溶液(2×100mL)、NaHCO飽和溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。得られた残渣を、65 Biotageクロマトグラフィーシステム(40%の酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、静置して、徐々に固体化した油として、ベンジル6−クロロ−2−フルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(5.5g、72%)を得た。H NMR(CDCl, 400 MHz) δ 7.28−7.45(m, 7H), 5.42(s, 2H), 3.58−3.66(m, 2H), 3.43−3.52(m, 2H), 1.08(t, 6H, J=8)。
中間体実施例K
【0210】
【化23】

【0211】
6−クロロ−2−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ベンジル6−クロロ−2−フルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(5.4g、10.98mmol)を、THF(100mL)および1MのKOH水溶液(100mL)中に溶解した。この混合物を、16時間還流し、次いで、室温まで冷却した。次いで、混合物を、2MのHCL水溶液でpH2に酸性化して、EtOAcで抽出(2回)した。抽出物を、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ヘキサン/エーテルで粉砕した固体に濃縮して、固体として、6−クロロ−2−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(2.2g、68%)を得た。H NMR((CDSO, 400 MHz) δ 9.93(s, 1H), 7.49(t, 1H, J=8), 7.38(dd, 1H, J=8, 2), 3.11−3.16(m, 2H), 1.68−1.78(m, 2H), 0.97(t, 3H, J=8)。
中間体実施例L
【0212】
【化24】

【0213】
2−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
6−クロロ−2−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(0.5g、1.69mmol)を、メタノール(15mL)中に溶解し、パールマンの触媒(1当量重量、0.5g、炭素担持20%Pd(OH)、50重量%の水)を添加した。この混合物を、3時間、水素バルーンにさらし、次いで、GF/F濾紙を通して濾過した。濾液を、固体として、2−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(396mg、90%)に濃縮した。MS(M−H+) 262.H NMR((CDSO, 400 MHz) δ 13.36(s, 1H), 9.76(s, 1H), 7.58−7.70(m, 2H), 7.26(t, 1H, J=8), 3.10(t, 2H, J=8), 1.69−1.80(m, 2H), 0.98(t, 3H, J=8)。
中間体実施例M
【0214】
【化25】

【0215】
3−(シクロプロピルメチルスルホンアミド)−2,6−ジフルオロ安息香酸
ステップA:塩化シクロプロピルメタンスルホニル(1.27g、8.20mmol)を、0℃に冷却した、3−アミノ−2,6−ジフルオロ安息香酸(0.430g、2.48mmol)、トリエチルアミン(1.52mL、10.9mmol)、およびCHCl(12mL、0.2M)の混合物に添加した。反応混合物を、室温まで加温し、1時間撹拌した。次いで、この混合物を、飽和NaHCO(75mL)と酢酸エチル(50mL)に分配した。水層を、酢酸エチル(50mL)で洗浄し、次いで、濃縮HClでpH1に酸性化した。酸性化した水層を、酢酸エチル(2×50mL)で2回抽出し、合わせた酢酸エチル抽出物を、乾燥させ(Na2SO)、濾過し、濃縮して、粗製物3−(1−シクロプロピル−N−(シクロプロピルメチルスルホニル)メチルスルホンアミド)−2,6−ジフルオロ安息香酸(380mg、37%)を得た。
【0216】
ステップB:1NのNaOH(2.78mL、2.78mmol)の溶液を、4:1のTHF/MeOH(5mL、0.2M)中の、粗製物3−(1−シクロプロピル−N−(シクロプロピルメチルスルホニル)メチルスルホンアミド)−2,6−ジフルオロ安息香酸(380mg、0.928mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌し、その後、大部分の有機溶媒を除去した。1NのHCl(3mL)を混合物に徐々に添加して、pH1に酸性化した。酸性化した水層を、酢酸エチル(75mL)で抽出した。酢酸エチル抽出物を、水(2×20mL)、ブライン(20mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。EtOによる残渣の粉砕により、固体として、3−(シクロプロピルメチルスルホンアミド)−2,6−ジフルオロ安息香酸(139mg、51%)を得た。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 9.76(s, 1H), 7.60−7.54(m, 1H), 7.22−7.16(m, 1H), 3.10(d, J=7.0 Hz, 2H), 1.10−0.99(m, 1H), 0.58−0.53(m, 2H), 0.36−0.31(m, 2H); m/z(APCI−neg) M−1=289.9。
中間体実施例N
【0217】
【化26】

【0218】
2,6−ジフルオロ−3−(3−フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸
メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フルオロプロピルスルホニル)−3−フルオロプロピルスルホンアミド)ベンゾアートは、プロパン−1−塩化スルホニルを3−フルオロプロピル塩化スルホニルで置き換えて、中間体実施例Aの一般手順に従って作製した。H NMR(400 MHz, DMSO−d) δ 8.05−7.99(m, 1H), 7.44(t, 1H), 4.62(t, 2H), 4.50(t, 2H), 3.93(s, 3H), 3.89−3.74(m, 4H), 2.26−2.11(m, 4H)。
【0219】
2,6−ジフルオロ−3−(3−フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸は、メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)−プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをメチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フルオロプロピルスルホニル)−3−フルオロプロピルスルホンアミド)ベンゾアートで置き換えて、中間体実施例Bの一般手順に従って調製した。H NMR(500 MHz,(CDSO) δ 14.05(br s, 1H), 9.71(s, 1H), 7.56−7.50(m, 1H), 7.20(t, 1H), 3.12−3.08(m, 2H), 1.73−1.66(m, 2H), 1.39(sx, 2H), 0.87(t, 3H)。
中間体実施例O
【0220】
【化27】

【0221】
3−(ブチルスルホンアミド)−2,6−ジフルオロ安息香酸
メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(ブチルスルホニル)−ブチルスルホンアミド)ベンゾアートは、プロパン−1−塩化スルホニルをブタン−1−塩化スルホニルで置き換えて、中間体実施例Aの一般手順に従って作製した。H NMR(500 MHz, DMSO−d) δ 7.99−7.94(m, 1H), 7.42(t, 1H), 3.92(s, 3H), 3.74−3.62(m, 4H), 1.81−1.68(m, 4H), 1.42(sx, 4H), 0.89(t, 6H)。
【0222】
3−(ブチルスルホンアミド)−2,6−ジフルオロ安息香酸は、メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)−プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをメチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(ブチルスルホニル)−ブチルスルホンアミド)ベンゾアートで置き換えて、中間体実施例Bの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 14.05(br s, 1H), 9.71(s, 1H), 7.56−7.50(m, 1H), 7.20(t, 1H), 3.12−3.08(m, 2H), 1.73−1.66(m, 2H), 1.39(sx, 2H), 0.87(t, 3H)。
中間体実施例P
【0223】
【化28】

【0224】
2,6−ジフルオロ−3−(2−メチルプロピルスルホンアミド)安息香酸
メチル−2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−メチルプロピルスルホニル)−2−メチルプロピル−スルホンアミド)ベンゾアートは、プロパン−1−塩化スルホニルを2−メチルプロピル塩化スルホニルで置き換えて、中間体実施例Aの一般手順に従って作製した。m/z(LC−MS) M+1=428.4。
【0225】
2,6−ジフルオロ−3−(2−メチルプロピルスルホンアミド)安息香酸は、メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)−プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをメチル−2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−メチルプロピルスルホニル)−2−メチルプロピルスルホンアミド)ベンゾアートで置き換えて、中間体実施例Bの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 14.01(s, 1H), 9.71(s, 1H), 7.56(dd, 1H), 7.22(dd , 1H), 3.02(d, 2H), 2.18−2.15(m, 1H), 1.03(d, 6H); m/z(LC−MS) M+1=294.3。
中間体実施例Q
【0226】
【化29】

【0227】
ベンジル6−クロロ−2−フルオロ−3−(3−フルオロ−N−(3−フルオロプロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート
ベンジル6−クロロ−2−フルオロ−3−(3−フルオロ−N−(3−フルオロプロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(92%)は、プロパン−1−塩化スルホニルを3−フルオロプロパン−1−塩化スルホニルで置き換えて、中間体実施例JのステップBの一般手順に従って調製した。
中間体実施例R
【0228】
【化30】

【0229】
6−クロロ−2−フルオロ−3−(3−フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸
6−クロロ−2−フルオロ−3−(3−フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸(71%)は、ベンジル6−クロロ−2−フルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをベンジル6−クロロ−2−フルオロ−3−(3−フルオロ−N−(3−フルオロプロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアートで置き換えて、中間体実施例Kの一般手順に従って調製した。
中間体実施例S
【0230】
【化31】

【0231】
2−フルオロ−3−(3−フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸
2−フルオロ−3−(3−フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸(81%)は、6−クロロ−2−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸を6−クロロ−2−フルオロ−3−(3−フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸で置き換えて、中間体実施例Lの一般手順に従って調製した。
中間体実施例T
【0232】
【化32】

【0233】
メチル2,6−ジフルオロ−3−(3−フルオロ−N−(3−フルオロプロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート
3−フルオロプロパン−1−塩化スルホニル(14.3mL、129mmol)を、CHCl(360mL)中の、メチル3−アミノ−2,6−ジフルオロベンゾアート(24.1g、129mmol)およびピリジン(31.2mL、386mmol)の溶液に、徐々に添加した。反応混合物を、室温で2日間にわたって撹拌した。反応混合物を、塩化メチレンで希釈した。次いで、反応混合物を、飽和重炭酸ナトリウム水溶液、1NのHCl、およびブラインで洗浄し、次いで、乾燥させ(NaSO)、濾過し、油に濃縮して、メチル2,6−ジフルオロ−3−(3−フルオロ−N−(3−フルオロプロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(38.1g)を得た。H NMR(400 MHz, CDCl, ppm) 7.69(dt, 1H), 7.00(dt, 1H), 6.55(s, 1H), 4.56(dd, 2H), 3.28−3.17(m, 2H), 2.32−2.15(m, 2H)。
中間体実施例U
【0234】
【化33】

【0235】
2,6−ジフルオロ−3−(3−フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸
2,6−ジフルオロ−3−(N−(3−フルオロプロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(38g、120mmol)を、5:2のTHF/MeOH(250mL)中に溶解し、水(50mL)中の水酸化リチウム(8.77g、366mmol)の溶液を添加した。反応混合物を、室温で4時間撹拌した。次いで、有機溶媒の大部分を真空中で除去した。2.5NのHCl(500mL)を、その混合物に徐々に添加し、得られた固体を、濾過し、冷エーテルですすいで、固体として、2,6−ジフルオロ−3−(3−フルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸(29.3g、収率81%)を得た。H NMR(400 MHz, CDCl ppm) 9.85(s, 1H), 7.54(dt, 1H), 7.21(dt, 1H), 4.54(td, 2H), 2.20−2.00(m, 2H), 3.24−3.18(m, 2H)。
中間体実施例V
【0236】
【化34】

【0237】
2,5−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:2,5−ジフルオロ安息香酸(2.01g、9.90mmol、収率31.3%)を、濃硫酸(25mL)中に溶解して、0℃まで冷却した。硝酸(1.46mL、34.8mmol)を添加し、反応混合物を、室温で1時間撹拌した。この溶液を、DCMで抽出(3回)し、合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィー(1:1のヘキサン:1%HCOOH/EtOAc)によって精製し、固体として、2,5−ジフルオロ−3−ニトロ安息香酸(2.01g、31.3%)を得た。
【0238】
ステップB:2,5−ジフルオロ−3−ニトロ安息香酸(2.00g、9.847mmol)を、MeOH(60mL)中に溶解した。TMSCl(6.220mL、49.24mmol)を添加し、反応混合物を、還流で4時間撹拌した。反応混合物を、約20mLに濃縮し、生成した結晶を、濾過して、高真空下で乾燥させ、結晶状固体として、メチル2,5−ジフルオロ−3−ニトロベンゾアート(1.55g、72.4%)を得た。
【0239】
ステップC:メチル−3−アミノ−2,5−ジフルオロベンゾアート(96.5%)は、メチル2,6−ジフルオロ−3−ニトロベンゾアートをメチル2,5−ジフルオロ−3−ニトロベンゾアートで置き換えて、中間体実施例AのステップBの一般手順に従って調製した。
【0240】
ステップD:メチル2,5−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアートは、メチル3−アミノ−2,6−ジフルオロベンゾアートをメチル3−アミノ−2,5−ジフルオロベンゾアートで置き換えて、中間体実施例AのステップCの一般手順に従って調製した。
【0241】
ステップE:2,5−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(83.8%、2ステップ)は、メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをメチル2,5−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアートで置き換えて、中間体実施例Bの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 13.67(br s, 1H), 10.07(s, 1H), 7.46−7.50(m, 1H), 7.38−7.42(m, 1H), 3.17−3.21(m, 2H), 1.70−1.76(m, 2H), 0.95−0.99(m, 3H); m/z(APCI−neg) M−1=278.1。
中間体実施例W
【0242】
【化35】

【0243】
2,6−ジフルオロ−3−(2,2,2−トリフルオロエチルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:2,2,2−トリフルオロエチル−塩化スルホニル(459mL、4.15mmol)を、アセトンドライアイス浴を使用した外部冷却を適用しながら、ジクロロメタン(8.92mL、139mmol)中の、メチル3−アミノ−2,6−ジフルオロベンゾアート(311g、1.66mmol)およびピリジン(0.806mL、9.97mmol)の溶液に、徐々に添加した。反応混合物を45分間撹拌し、ドライアイス浴を除去した。反応混合物を、さらに1時間撹拌し続けた。この混合物を、EtOAc(100mL)で希釈し、水(2×25mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO)、濾過し、次いで、油に濃縮した。粗製生成物を、15%のEtOAc/ヘキサンによって溶出するカラムクロマトグラフィーによって精製して、固体として、メチル2,6−ジフルオロ−3−(2−トリフルオロエチルスルホンアミド)ベンゾアート(513mg、収率92.6%)を得た。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 8.10−8.01(m, 1H), 7.48(t, 1H), 4.68(s, 2H), 4.58(s, 2H), 3.98(s, 3H)。
【0244】
ステップB:2,6−ジフルオロ−3−(2−トリフルオロエチルスルホンアミド)安息香酸は、メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)−プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをメチル2,6−ジフルオロ−3−(2−トリフルオロエチルスルホンアミド)ベンゾアートで置き換えて、中間体実施例Bの一般手順に従って調製した。H NMR(500 MHz,(CDSO) δ 14.08(br s, 1H), 9.75(s, 1H), 7.58−7.52(m, 1H), 7.25(t, 1H), 3.15−3.11(s, 2H)。
中間体実施例X
【0245】
【化36】

【0246】
2,6−ジフルオロ−3−(3,3,3−triフルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)−3,3,3−トリフルオロプロピル−スルホンアミド)ベンゾアートは、プロパン−1−塩化スルホニルを3,3,3−トリフルオロプロピル塩化スルホニルで置き換えて、中間体実施例Aの一般手順に従って作製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 8.05−7.99(m, 1H), 7.44(t, 1H), 4.62(t, 2H), 4.50(t, 2H), 3.93(s, 3H), 3.89−3.74(m, 4H), 2.26−2.11(m, 4H)。
【0247】
ステップB:2,6−ジフルオロ−3−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホンアミド)安息香酸は、メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)−プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをメチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(3,3,3−トリフルオロプロピルスルホニル)−3,3,3−トリフルオロプロピルスルホンアミド)ベンゾアートで置き換えて、中間体実施例Bの一般手順に従って調製した。H NMR(500 MHz,(CDSO) δ 14.05(br s, 1H), 9.71(s, 1H), 7.56−7.50(m, 1H), 7.20(t, 1H), 3.12−3.08(m, 2H), 1.73−1.66(m, 2H)。
中間体実施例Y
【0248】
【化37】

【0249】
2,6−ジフルオロ−3−(2−クロロメチルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−クロロメチルスルホニル)−2−クロロメチル−スルホンアミド)ベンゾアートは、プロパン−1−塩化スルホニルを2−クロロメチル塩化スルホニルで置き換えて、中間体実施例Aの一般手順に従って作製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 8.08−7.97(m, 1H), 7.45(t, 1H), 4.65(s, 2H), 4.55(s, 2H), 4.02(s, 3H)。
【0250】
ステップB:2,6−ジフルオロ−3−(2−クロロメチルスルホンアミド)安息香酸は、メチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)−プロピルスルホンアミド)ベンゾアートをメチル2,6−ジフルオロ−3−(N−(2−クロロメチルスルホニル)−2−クロロメチルスルホンアミド)ベンゾアートで置き換えて、中間体実施例Bの一般手順に従って調製した。H NMR(500 MHz,(CDSO) δ 14.10(br s, 1H), 9.78(s, 1H), 7.62−7.56(m, 1H), 7.28(t, 1H), 3.19−3.15(s, 2H)。
中間体実施例Z
【0251】
【化38】

【0252】
ベンジル2−クロロ−6−フルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート
ステップA:ベンジル3−アミノ−2−クロロ−6−フルオロベンゾアート(56%)は、4−クロロ−2−フルオロアニリンを2−クロロ−4−フルオロアニリンで置き換えて、中間体実施例Jの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, d−DMSO) δ 7.48−7.32(m, 5H), 7.11−7.05(t, 1H), 6.94〜6.89(q, 1H), 5.53−5.49(s, 2H), 5.41−5.39(s, 2H)。
【0253】
ステップB:ベンジル3−アミノ−2−クロロ−6−フルオロ安息香酸(330mg、1.2mmol)を、乾燥ジクロロメタン(11.8mL)中に溶解した。トリエチルアミン(0.494mL、3.54mmol)を添加し、この混合物を0℃まで冷却した。次いで、プロパン−1−塩化スルホニル(0.332mL、2.95mmol)を、注射器を介して添加した。添加が完了したら、混合物を周囲温度まで加温し、16時間撹拌した。この混合物を、ジクロロメタン(11mL)で希釈し、水(2×50mL)およびブライン(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。得られた残渣を、シリカゲルカラムに直接加え、酢酸エチル−ヘキサンの勾配(5%〜40%)で溶出して、ベンジル2−クロロ−6−フルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(413mg、0.840mmol、収率71.1%)を得た。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 8.00−7.94(q, 1H), 7.59−7.52(t, 1H), 7.50−7.35(m, 5H), 5.48−5.44(s, 2H), 3.80−3.60(m, 4H), 1.89−1.75(m, 4H), 1.05−0.98(t, 6H)。
中間体実施例AB
【0254】
【化39】

【0255】
2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:ベンジル2−クロロ−6−フルオロ−3−(N−(プロピルスルホニル)プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(413.2mg、0.840mmol)を、THF(8.4mL)および2.0MのLiOH水溶液(1.26mL)中に溶解した。この混合物を、16時間還流し、次いで、周囲温度まで冷却した。この混合物を、1.0MのHCl(5.0mL)でpH0に酸性化し、次いで、飽和重炭酸ナトリウムを用いてpHを4に調整した。この混合物を、EtOAcによって抽出(2回)した。抽出物を、水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、ベンジル2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(174.5mg、0.452mmol、収率53.9%)を得た。MS(APCI−neg) m/z=384.1(M−H)。
【0256】
ステップB:ベンジル2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンゾアート(174.5mg、0.4523mmol)を、3:1のジオキサン:水(7.5mL)中に溶解し、水酸化バリウム(100.7mg、0.5879mmol)で処理した。反応混合物を、80℃に16時間加熱し、次いで、周囲温度まで冷却した。この混合物を、濃縮HClでpH0に酸性化した。反応混合物を、10分間撹拌し、その後に、飽和重炭酸ナトリウムを用いて、pHを、pH4に調整した。この混合物を、EtOAcによって抽出(2回)した。抽出物を、水(2回)およびブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、2−クロロ−6−フルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(75.7mg、0.256mmol、収率56.6%)を得た。MS(APCI−neg) m/z=293.9(M−H)。
中間体実施例AC
【0257】
【化40】

【0258】
2,6−ジクロロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸
ステップA:2,6−ジクロロ−3−ニトロ安息香酸(2.13g、9.03mmol)を、2:1のTHF:NHCl飽和水溶液中に溶解し、0℃まで冷却した。この混合物を、亜鉛(11.8g、181mmol)で処理した。反応混合物を、周囲温度まで加温し、24時間撹拌した。反応混合物を、THFですすぎながら、GF/F紙で濾過した。この混合物を、1.0MのHClを用いてpH1に酸性化して、15%の2−プロパノール:DCMで抽出(3回)した。抽出物を、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、3−アミノ−2,6−ジクロロ安息香酸(1.40g、6.82mmol、収率75.5%)を得た。MS(APCI−neg) m/z=203.6(M−H)。
【0259】
ステップB:3−アミノ−2,6−ジクロロ安息香酸(1.40g、6.82mmol)を、乾燥ジクロロメタン(66.7mL)中に溶解した。トリエチルアミン(4.09mL、29.4mmol)を添加し、この混合物を0℃まで冷却した。次いで、プロパン−1−塩化スルホニル(2.48mL、22mmol)を、注射器を介して添加した。添加が完了したら、この混合物を周囲温度まで加温し、1時間撹拌した。この混合物を、真空中で濃縮し、ジエチルエーテルで希釈した。混合物を、0.25MのNaOH(80mL)で洗浄し、水層を、1.0MのHClを用いて、pH1に酸性化した。水層を、15%の2−プロパノール:DCMで抽出した(2×300mL)。有機層を回収し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮して、2,6−ジクロロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(1.55g、4.96mmol、収率74.4%)を得た。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 9.77−9.75(s, 1H), 7.84−7.80(d, 1H), 7.71−7.68(d, 1H), 3.82−3.72(m, 2H), 1.89−1.70(m, 2H), 1.05−1.03(m, 3H)。
中間体実施例AD
【0260】
【化41】

【0261】
3−(N−エチル−N−メチルスルファモイルアミノ)−2,6−ジフルオロ安息香酸
ステップA:トリエチルアミン(0.260mL、1.85mmol)およびメチル3−アミノ−2,6−ジフルオロベンゾアート(0.257mL、1.85mmol)の溶液を、−78℃で、DCM(3mL)中の二塩化スルフリル(0.156mL、1.85mmol)に滴加した。2時間後、N−メチルエタンアミン(0.304mL、3.70mmol)を添加し、反応混合物を室温まで一晩加温した。溶媒を減圧下で濃縮し、残渣を、NaOH(2mL、1M)中に取り入れ、EtOAcで洗浄した。水性pHを3より下まで低下させ、混合物をEtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、デカントし、減圧下で濃縮した。残渣を、7:3のヘキサン:EtOAcで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、メチル3−(N−エチル−N−メチルスルファモイルアミノ)−2,6−ジフルオロベンゾアート(0.280g、収率49.0%)を得た。
【0262】
ステップB:NaOH(0.908mL、1.82mmol)を、THF:MeOH(3:2、5mL)中のメチル3−(N−エチル−N−メチルスルファモイルアミノ)−2,6−ジフルオロベンゾアート(0.280g、0.908mmol)に添加した。この混合物を60℃まで16時間加温した。冷却した混合物を減圧下で濃縮し、残渣を1MのNaOH(4mL)中に取り入れ、EtOAcで洗浄した。水性pHを3より下まで低下させ、混合物をEtOAc(3×6mL)で抽出して、3−(N−エチル−N−メチルスルファモイルアミノ)−2,6−ジフルオロ安息香酸(222mg、収率83%)を得た。
実施例1
【0263】
【化42】

【0264】
2,6−ジフルオロ−N−(2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:酢酸(6mL)中の3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミン(0.21g、1.89mmol、日本特許第01013072号に記載されるように調製)およびナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物(0.31g、1.98mmol)の懸濁液を、室温で1時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、得られた固体(0.198g、0.102mmol、収率54%)を、濾過によって回収し、真空下で乾燥させて、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを得た。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 10.06(d, J=2.4 Hz, 1H), 9.13(d, J=2.4 Hz, 1H), 6.54(s, 1H), 4.04(s, 3H); m/z(APCI−負) M−1=193.8.
ステップB:10重量% Pd/C(0.109g、0.102mmol)を、酢酸エチル/MeOH(1:1、20mL)の混合物中の2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.198g、1.02mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、Nで10分間パージし、次いで、Hのバルーン下で2時間置いた。Pd/Cを濾過によって除去し、濾液を濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(1:4)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製し、固体として、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.037g、0.022mmol、収率22%)を得た。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 8.17(s, 1H), 8.08(s, 1H), 5.87(s, 1H), 3.93(s, 3H); m/z(APCI−pos) M+1=165.1。
【0265】
ステップC:2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(37mg、0.225mmol)を、DMF(5mL)中に溶解し、周囲温度で、2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)安息香酸(66mg、0.237mmol)、無水1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(67mg、0.24mmol)、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(9mg、0.068mmol)で順次処理した。16時間後、この反応混合物をEtOAcで希釈し、水(4回)、重炭酸ナトリウム(2回)、ブライン(1回)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。ヘキサン/酢酸エチル(2:1)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより、固体として、2,6−ジフルオロ−N−(2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(50mg、0.118mmol、収率52%)を得た。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.43(s, 1H), 8.44(s, 1H), 7.66(m, 1H), 7.15(m, 1H), 6.07(s, 1H), 4.01(s, 3H), 3.12(m, 2H), 1.87(m, 2H), 1.06(t, J=8.0 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=424.0。
実施例2
【0266】
【化43】

【0267】
2,6−ジフルオロ−N−(2−イソプロポキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:2−シアノアセトヒドラジド(1.00g、10.09mmol)、i−PrOH(10mL)、およびメタンスルホン酸(1.37mL、21.2mmol)の混合物を、82℃まで40時間加熱した。次いで、この混合物を、2NのNaOH(50mL)とDCM(200mL)に分配した。有機層を、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、固体として、3−イソプロポキシ−1H−ピラゾール−5−アミン(80mg、収率6%)を得た。
【0268】
ステップB:2−イソプロポキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.170g、収率93%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−イソプロポキシ−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0269】
ステップC:2−イソプロポキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(46mg、収率31%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−イソプロポキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0270】
ステップD:2,6−ジフルオロ−N−(2−イソプロポキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(68mg、収率68%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−イソプロポキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.58(s, 1H), 8.48(s, 1H), 7.69(m, 1H), 7.15(m, 1H), 6.54(s, 1H), 3.14(m, 3H), 1.86(m, 2H), 1.37(d, J=7.2 Hz, 6H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=452.2。
実施例3
【0271】
【化44】

【0272】
N−(2−エトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:マロノニトリル(10.0g、151mmol)、エタノール(6.97g、151mmol)、およびエーテル(120mL)の溶液を、0℃まで冷却し、エーテル中の2.0MのHCl(98.4mL、197mmol)を、添加漏斗によって急速に添加した。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。この固体を濾過によって回収し、エーテル(100mL)で洗浄して、エチル2−シアノアセトイミダート塩酸塩(12.6g、56%)を得た。
【0273】
ステップB:EtOH(50mL)中のエチル2−シアノアセトイミダート塩酸塩(12.6g、84.8mmol)およびヒドラジン(3.67g、114mmol)の溶液を、16時間還流した。反応混合物を濃縮し、残渣を、水(100mL)および酢酸エチル(500mL)中に取り入れ、氷浴中に置いた。2NのNaOH(約6mL)の溶液を、pHを約7に調整するまで添加した。この固体を濾過によって除去(廃棄)し、濾液を分離漏斗に移した。この層を分離し、水層を酢酸エチル(200mL)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)、ヘキサン/酢酸エチル(1:2)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、固体として、3−エトキシ−1H−ピラゾール−5−アミン(1.15g、9.04mmol、収率11%)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=128.1。
【0274】
ステップC:2−エトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(1.48g、収率86%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−エトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=207.0。
【0275】
ステップD:2−エトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.58g、収率45%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−エトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。
【0276】
ステップE:N−(2−エトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.155g、収率22%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−エトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.41(s, 1H), 8.42(s, 1H), 7.66(m, 1H), 7.13(m, 1H), 6.04(s, 1H), 4.32(m, 2H), 3.10(m, 2H), 1.86(m, 2H), 1.42(m, 3H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−nega) M−1=438.1。
実施例4
【0277】
【化45】

【0278】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(ピペリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:tert−ブチル4−(6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.35g、収率99%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンをtert−ブチル4−(5−アミノ−1H−ピラゾール−3−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=347.0。
【0279】
ステップB:tert−ブチル4−(6−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.093g、収率97%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンをtert−ブチル4−(6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=317.8。
【0280】
ステップC:tert−ブチル4−(6−(2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.091g、収率54%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンをtert−ブチル4−(6−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=579.8。
【0281】
ステップD:TFA(2mL)を、DCM(2.0mL)中のtert−ブチル4−(6−(2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート(0.091g、0.16mmol)の溶液に徐々に添加した。室温で1時間撹拌した後、反応混合物を濃縮し、残渣を、酢酸エチル(100mL)および水(20mL)中に取り入れた。pHを、飽和NaHCOを用いて、約7まで調整し、水層を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮して、固体として、2,6−ジフルオロ−N−(2−(ピペリジン−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.068g、0.145mmol、収率90%)を得た。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.64(s, 1H), 8.50(s, 1H), 7.68(m, 1H), 7.16(m, 1H), 6.62(s, 1H), 3.51(m, 2H), 3.22(m, 3H), 3.12(m, 2H), 2.35(m, 2H), 2.09(m, 2H), 1.87(m, 2H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−pos) M+1=479.2。
実施例5
【0282】
【化46】

【0283】
2,6−ジフルオロ−N−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:酢酸(25mL)中の3−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミン(3.08g、19.3mmol)およびナトリウムニトロマロンアルデヒド一水和物(3.19g、20.3mmol)の懸濁液を、50℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(200mL)で希釈し、得られた固体(4.5g、18.7mmol、収率97%)を濾過によって回収し、真空下で乾燥させて、6−ニトロ−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを得た。m/z(APCI−負) M−1=239.9。
【0284】
ステップB:2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(4.0g、収率98%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを6−ニトロ−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=211.2。
【0285】
ステップC:2,6−ジフルオロ−N−(2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.300g、収率45%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 11.39(br s, 1H), 9.84(br s, 1H), 9.59(s, 1H), 8.59(s, 1H), 8.05(m, 2H), 7.63−7.28(m, 6H), 3.12(m, 2H), 1.78(m, 2H), 1.00(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−nega) M−1=470.0。
実施例6
【0286】
【化47】

【0287】
N−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:2−(4−クロロフェニル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.174g、収率84%)は、3−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例5のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=273.9, 275.9。
【0288】
ステップB:10重量% Pt/C(0.094g、0.048mmol)を、酢酸エチル/MeOHの混合物(1:1、20mL)中の2−(4−クロロフェニル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.132g、0.48mmol)の溶液に添加した。反応混合物を、Nで10分間パージし、次いで、Hバルーン下で1時間置いた。Pt/Cを濾過によって除去し、濾液を濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製し、固体として、2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.084g、0.34mmol、収率71%)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=245.1, 247.1。
【0289】
ステップC:N−(2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.095g、収率56%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(4−クロロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 11.39(br s, 1H), 9.84(br s, 1H), 9.59(s, 1H), 8.59(s, 1H), 8.07(d, J=7.6 Hz, 2H), 7.62−7.55(m, 3H), 7.33−7.29(m, 2H), 3.12(m, 2H), 1.78(m, 2H), 1.00(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=504.0, 506.1。
実施例7
【0290】
【化48】

【0291】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:2−(4−フルオロフェニル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.215g、収率93%)は、3−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例5のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=258.0。
【0292】
ステップB:2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.160g、収率84%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−(4−フルオロフェニル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=229.2。
【0293】
ステップC:2,6−ジフルオロ−N−(2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.110g、収率43%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(4−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 11.37(br s, 1H), 9.81(br s, 1H), 9.57(s, 1H), 8.56(s, 1H), 8.07(m, 2H), 7.57(m, 1H), 7.33−7.26(m, 4H), 3.12(m, 2H), 1.78(m, 2H), 1.00(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=488.1。
実施例8
【0294】
【化49】

【0295】
2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)−N−(2−p−トリルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)ベンズアミド
ステップA:6−ニトロ−2−p−トリルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.215g、収率93%)は、3−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミンを3−p−トリル−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例5のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=254.0。
【0296】
ステップB:2−p−トリルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.185g、収率98%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを6−ニトロ−2−p−トリルピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=225.1。
【0297】
ステップC:2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)−N−(2−p−トリルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)ベンズアミド(0.095g、収率39%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−p−トリルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 11.34(br s, 1H), 9.81(br s, 1H), 9.54(s, 1H), 8.54(s, 1H), 7.90(d, J=7.6 Hz, 2H),7.85(m, 1H), 7.28(m, 3H), 7.21(s, 1H), 3.12(m, 2H), 2.34(s, 3H), 1.78(m, 2H), 1.00(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=484.1。
実施例9
【0298】
【化50】

【0299】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(3−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:2−(3−フルオロフェニル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.214g、収率93%)は、3−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(3−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例5のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=257.9。
【0300】
ステップB:2−(3−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.160g、収率84%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−(3−フルオロフェニル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=229.1。
【0301】
ステップC:2,6−ジフルオロ−N−(2−(3−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.080g、収率44%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(3−フルオロフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 11.39(br s, 1H), 9.81(br s, 1H), 9.58(s, 1H), 8.58(s, 1H), 7.85(m, 2H),7.61−7.49(m, 2H), 7.35(s, 1H), 7.31−7.21(m, 2H), 3.12(m, 2H), 1.78(m, 2H), 1.00(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=488.0。
実施例10
【0302】
【化51】

【0303】
2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)−N−(2−(ピリジン−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)ベンズアミド
ステップA:6−ニトロ−2−(ピリジン−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.220g、収率70%)は、3−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(ピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン二塩酸塩で置き換えて、実施例5のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=241.0。
【0304】
ステップB:2−(ピリジン−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.023g、収率12%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを6−ニトロ−2−(ピリジン−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=212.3。
【0305】
ステップC:2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)−N−(2−(ピリジン−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)ベンズアミド(0.030g、収率58%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(ピリジン−3−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz,(CDSO) δ 11.39(br s, 1H), 9.81(br s, 1H), 9.60(s, 1H), 9.23(s, 1H), 8.59(m, 2H), 8.37(d, J=8.8 Hz, 1H), 7.61−7.45(m, 2H), 7.40(s, 1H), 7.28(m, 1H), 3.12(m, 2H), 1.78(m, 2H), 1.00(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−pos) M+1=473.1。
実施例11
【0306】
【化52】

【0307】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:カリウム2−メチルブタン−2−オレート(1.23g、2.44mmol、トルエン中25重量%)を、無水THF(5.0mL)中のアセトニトリル(0.100g、2.44mmol)の溶液に滴加し、続いて、メチル3−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾアート(0.856g、3.65mmol)に滴加した。反応混合物を、室温で1時間撹拌してから、水(10.0mL)で反応停止させた。pHを、CHCOOHを用いて、約7まで調整し、水層を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、MeOH/DCM(40:1)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、3−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−3−オキソプロパンニトリル(0.141g、0.58mmol、収率24%)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=244.2。
【0308】
ステップB:EtOH(10mL)中の、3−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−3−オキソプロパンニトリル(0.141g、0.58mmol)およびヒドラジン(0.056g、1.74mmol)の溶液を、16時間還流した。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。粗製生成物を、DCM/MeOH(20:1)、DCM/MeOH(10:1)で溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、3−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−5−アミン(0.085g、0.33mmol、収率57%)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=258.1。
【0309】
ステップC:2−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.110g、収率99%)は、3−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例5のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=339.2。
【0310】
ステップD:2−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.100g、収率98%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=309.3。
【0311】
ステップE:2,6−ジフルオロ−N−(2−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.053g、収率28%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, CDCl) δ 9.58(s, 1H), 8.36(s, 1H), 8.23(s, 1H), 7.68(m, 1H), 7.57(s, 1H), 7.43−7.32(m, 2H), 7.06−6.94(m, 3H), 3.31(m, 4H), 3.10(m, 2H), 2.62(m, 4H), 2.38(s, 3H), 1.88(m, 2H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−pos) M+1=570.3。
実施例12
【0312】
【化53】

【0313】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:(トリメチルシリル)ジアゾメタン(12.0mL、24mmol、ヘキサン中2.0Mの溶液)を、MeOH(20mL)中の1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.59g、4.7mmol)の冷却(0℃)溶液に、添加漏斗によって滴加した。反応混合物を20分間撹拌し、次いで、濃縮した。粗製生成物を、酢酸エチル(100mL)と水(50mL)に分配した。有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、固体として、メチル1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(0.50g、3.6mmol、収率76%)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=141.1。
【0314】
ステップB:3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソプロパンニトリル(0.075g、収率17%)は、メチル3−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾアートをメチル1−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートで置き換えて、実施例11のステップAの一般手順に従って調製した。
【0315】
ステップC:1’−メチル−1H,1’H−3,4’−ビピラゾール−5−アミン(0.031g、収率38%)は、3−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−3−オキソプロパンニトリルを3−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソプロパンニトリルで置き換えて、実施例11のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=164.2。
【0316】
ステップD:2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.045g、収率98%)は、3−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミンを1’−メチル−1H,1’H−3,4’−ビピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例5のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=245.1。
【0317】
ステップE:2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.018g、収率42%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=215.1。
【0318】
ステップF:2,6−ジフルオロ−N−(2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.053g、収率28%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.63(s, 1H), 8.49(s, 1H), 8.12(s, 1H), 7.96(s, 1H), 7.67(m, 1H), 7.16(m, 1H), 6.84(s, 1H), 3.96(s, 3H), 3.12(m, 2H), 1.88(m, 2H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−pos) M+1=476.2。
実施例13
【0319】
【化54】

【0320】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:EtOH(10mL)中の2−ヒドラジニルエタノール(2.76g、32.7mmol)の溶液を、EtOH(20mL)中のエチル2−ホルミル−3−オキソプロパン酸(4.71g、32.7mmol、Bertz,Steven H.,et al.の“New preparations of ethyl 3,3−diethoxypropionate and ethoxycarbonylmalondialdehyde.Copper(I)catalyzed acetal formation from a conjugated triple bond.”J.Org.Chem.Vol.47(1982):pp.2216−2217に記載されるように調製)の溶液に、0℃で滴加した。反応混合物を室温で48時間撹拌し、次いで、濃縮して、油として、エチル1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(5.8g、31.5mmol、収率96%)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=185.1。
【0321】
ステップB:3−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソプロパンニトリル(0.120g、収率28%)は、メチル3−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゾアートをエチル1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレートで置き換えて、実施例11のステップAの一般手順に従って調製した。
【0322】
ステップC:2−(5−アミノ−1H,1’H−3,4’−ビピラゾール−1’−イル)エタノール(0.119g、収率92%)は、3−(3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル)−3−オキソプロパンニトリルを3−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)−3−オキソプロパンニトリルで置き換えて、実施例11のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=194.1。
【0323】
ステップD:2−(4−(6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール(0.137g、収率81%)は、3−フェニル−1H−ピラゾール−5−アミンを2−(5−アミノ−1H,1’H−3,4’−ビピラゾール−1’−イル)エタノールで置き換えて、実施例5のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=275.1。
【0324】
ステップE:2−(4−(6−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノール(0.090g、収率75%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−(4−(6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノールで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=245.1。
【0325】
ステップF:2,6−ジフルオロ−N−(2−(1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.102g、収率55%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(4−(6−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イル)−1H−ピラゾール−1−イル)エタノールで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.63(s, 1H), 8.49(s, 1H), 8.19(s, 1H), 8.01(s, 1H), 7.67(m, 1H), 7.16(m, 1H), 6.86(s, 1H), 4.30(m, 2H), 3.94(m, 2H), 3.12(m, 2H), 1.88(m, 2H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−pos) M+1=506.2。
実施例14
【0326】
【化55】

【0327】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(メチルチオ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:エチル2−シアノアセテート(2.00mL、18.7mmol)を、ベンゼン(20mL)中のNaH(1.50g、37.5mmol、鉱油中60%)の冷却懸濁液(0℃)に滴加し、続いて、CS(1.7mL、28.1mmol)に滴加した。DMF(4mL)を徐々に添加し、混合物を30分間撹拌してから、MeI(3.52mL、56.2mmol)を添加した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。ベンゼン(50mL)を添加し、黄色スラリーを氷水で反応停止させた。有機層を分離し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(4:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、2−シアノ−3,3−ビス(メチルチオ)アクリレート(2.2g、54%)を得た。
【0328】
ステップB:2−プロパノール(20mL)中の、エチル2−シアノ−3,3−ビス(メチルチオ)アクリレート(2.2g、10.1mmol)およびヒドラジン(0.325mL、10.1mmol)の溶液を、一晩還流加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、濃縮した。粗製生成物を、ヘキサン/酢酸エチル(1:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、固体として、エチル5−アミノ−3−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.2g、59%)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=202.0。
【0329】
ステップC:エチル5−アミノ−3−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(1.2g、5.96mmol)を、MeOH/HO(9:1、40mL)中LiOH(1.14g、47.7mmol)の溶液中に溶解した。得られた溶液を、72時間還流加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、濃縮した。残渣を水で希釈し、不溶性物質を濾過によって除去した。濾液を酢酸エチル(100mL×4)で抽出し、合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮して、固体として、3−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−5−アミン(0.61g、79%)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=130.0。
【0330】
ステップD:2−(メチルチオ)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.189g、収率89%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(メチルチオ)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=209.8。
【0331】
ステップE:2−(メチルチオ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.150g、収率94%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−(メチルチオ)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=181.0。
【0332】
ステップF:2,6−ジフルオロ−N−(2−(メチルチオ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.010g、収率3%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(メチルチオ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.56(s, 1H), 8.49(s, 1H), 7.67(m, 1H), 7.16(m, 1H), 6.58(s, 1H), 3.12(m, 2H), 2.62(s, 3H), 1.88(m, 2H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=440.0。
実施例15
【0333】
【化56】

【0334】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:M NaOH(46.5mL、46.5mmol)を、エタノール(30mL)中のエチル5−アミノ−3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(2.00g、9.29mmol、Neidlein,Richard,et al.“Heterocyclic Compounds from 2−(Alkoxycarbonylcyanomethylene)−1,3−dioxolanes.”J.Het.Chem.Vol.26(1989):pp.1335−1340に記載されるように調製)の溶液に添加し、混合物を一晩還流した。溶液を、25%のイソプロピルアルコール(「IPA」)入りのDCMで洗浄し、次いで、濃縮HClを用いて、pH3に酸性化した。ガス発生を観察した。この溶液を25% IPA入りのDCMで洗浄し、水層を蒸発させた。残渣を、メタノールで処理し、濾過し、濾液を蒸発させて、無機塩とともに、粗製物2−(5−アミノ−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エタノール(3.28g)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=144.0。
【0335】
ステップB:2−(6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イルオキシ)エタノール(0.41g、収率52%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを2−(5−アミノ−1H−ピラゾール−3−イルオキシ)エタノールで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0336】
ステップC:2−(6−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イルオキシ)エタノール(0.27g、収率76%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−(6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イルオキシ)エタノールで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=195.1。
【0337】
ステップD:2,6−ジフルオロ−N−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.183g、収率62%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(6−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−イルオキシ)エタノールで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.44(s, 1H), 8.45(s, 1H), 7.67(m, 1H), 7.16(m, 1H), 6.09(s, 1H), 4.37(m, 2H), 3.91(m, 2H), 3.12(m, 2H), 1.88(m, 2H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=454.1。
実施例16
【0338】
【化57】

【0339】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(2−メトキシエトキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(5.05g、23.7mmol)を、15分間(内部温度15℃未満)にわたって、DCM(30mL)中の5−アミノ−1H−ピラゾール−3−オール(2.0g、19.8mmol)およびPPh(6.23g、23.7mmol)の冷却(0℃)溶液に滴加した。0℃で1時間撹拌した後、2−メトキシエタノール(1.81g、23.7mmol)を、10分間にわたって滴加した。反応混合物を、1時間にわたって室温まで加温し、N下で3日間撹拌した。固体を濾過によって除去し、濾過ケーキをDCMで洗浄した。後で、DCMを1NのHCl(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を、DCM(100mL)で洗浄し、DCM層を廃棄した。水層を、2NのNaOHを用いて、約pH8に塩基性化し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗製生成物を、酢酸エチル/MeOH(50:1)で溶出するフラッシュクロマトグラフィーで精製して、油として、3−(2−メトキシエトキシ)−1H−ピラゾール−5−アミン(0.40g、2.55mmol、収率13%)を得た。m/z(APCI−pos) M+1=158.2。
【0340】
ステップB:2−(2−メトキシエトキシ)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.38g、収率63%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(2−メトキシエトキシ)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=237.0。
【0341】
ステップC:2−(2−メトキシエトキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.16g、収率48%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを2−(2−メトキシエトキシ)−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=209.0。
【0342】
ステップD:2,6−ジフルオロ−N−(2−(2−メトキシエトキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.117g、収率61%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(2−メトキシエトキシ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.44(s, 1H), 8.45(s, 1H), 7.67(m, 1H), 7.16(m, 1H), 6.09(s, 1H), 4.43(m, 2H), 3.79(m, 2H), 3.43(s, 3H), 3.12(m, 2H), 1.88(m, 2H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=468.1。
実施例17
【0343】
【化58】

【0344】
2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)ベンズアミド
ステップA:HO(40mL)中のNaOH(40g、999mmol)の溶液を、無水EtOH(600mL)中の、エチル2−シアノアセテート(53.3mL、499.5mmol)および二硫化炭素(30.2mL、499.5mmol)の冷却(0℃)溶液に、添加漏斗によって徐々に添加した(内部温度が10℃を超えないように)。添加が完了したら、反応物を室温で10分間撹拌し、次いで、再び5℃まで冷却した。得られた固体を濾過によって単離し、EtOH(100mL)、エーテル(500mL)で洗浄し、真空中で乾燥させて、固体として、ナトリウム2−シアノ−3−エトキシ−3−オキソプロプ−1−エン−1,1−ビス(チオレート)(110.0g、97%)を得た。
【0345】
ステップB:2−シアノ−3−エトキシ−3−オキソプロプ−1−エン−1,1−ビス(チオレート)(110.0g、490mmol)を、水(230mL)中に溶解したNaOH(32.8g、819.4mmol)の溶液に導入した。混合物を、40℃まで5時間加熱し、次いで、室温まで冷却した。溶液をEtOH(410mL)で希釈し、この層を分離した。低層を、770mLの総量になるまで水で希釈した。溶液を5℃まで冷却し、硫酸ジメチル(77.5mL、819.4mmol)を、内部温度が15℃未満に保持される速度で添加した。添加が完了したら、この温度を15℃で20分間、次いで、28℃〜30℃で20分間維持した。溶液を、15℃まで冷却し、濾過した。濾液を、4NのHClを用いて、約pH2に酸性化した。得られた固体を濾過によって回収し、真空下で乾燥させて、固体として、2−シアノ−3,3−ビス(メチルチオ)アクリル酸(35.1g、34%)を得た。
【0346】
ステップC:ピロリジン(0.387g、5.44mmol)およびトリエチルアミン(0.275g、2.72mmol)を、MeOH(6mL)中の2−シアノ−3,3−ビス(メチルチオ)アクリル酸(0.515g、2.72mmol)の冷却(0℃)溶液に滴加し、混合物を室温で一晩撹拌した。次に、反応混合物を、水浴(浴温約20℃)を加熱しないように注意しながら、回転蒸発器(rotovap)で濃縮した。粗製物(Z)−3−(メチルチオ)−3−(ピロリジン−1−イル)アクリロニトリルを、ステップDで直接使用した。
【0347】
ステップD:EtOH(6mL)中の、(Z)−3−(メチルチオ)−3−(ピロリジン−1−イル)アクリロニトリル(0.458g、2.72mmol)およびヒドラジン一水和物(0.267g、8.17mmol)の混合物を、16時間還流加熱した。室温まで冷却した後、反応混合物を濃縮した。残渣を、酢酸エチル、DCM/MeOH(9:1)で溶出するカラムクロマトグラフィーで精製して、油として、3−(ピロリジン−1−イル)−1H−ピラゾール−5−アミン(0.240g、2ステップで58%)を得た。
【0348】
ステップE:6−ニトロ−2−(ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン(0.318g、収率87%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンを3−(ピロリジン−1−イル)−1H−ピラゾール−5−アミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。
【0349】
ステップF:2−(ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミン(0.260g、収率94%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンを6−ニトロ−2−(ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=204.2。
【0350】
ステップG:2,6−ジフルオロ−3−(プロピルスルホンアミド)−N−(2−(ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)ベンズアミド(0.260g、収率86%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンを2−(ピロリジン−1−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。H NMR(400 MHz, CDOD) δ 9.33(s, 1H), 8.31(s, 1H), 7.66(m, 1H), 7.14(m, 1H), 5.81(s, 1H), 3.41(m, 4H), 3.12(m, 2H), 2.04(m, 4H), 1.88(m, 2H), 1.06(t, J=7.4 Hz, 3H); m/z(APCI−負) M−1=463.1。
実施例18
【0351】
【化59】

【0352】
2,6−ジフルオロ−N−(2−(イソプロピルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド
ステップA:(Z)−3−(イソプロピルアミノ)−3−(メチルチオ)アクリロニトリルは、ピロリジンをイソプロピルアミンで置き換えて、実施例17のステップCの一般手順に従って調製した。
【0353】
ステップB:N3−イソプロピル−1H−ピラゾール−3,5−ジアミン(0.231g、ステップAおよびBで62%)は、(Z)−3−(メチルチオ)−3−(ピロリジン−1−イル)アクリロニトリルを(Z)−3−(イソプロピルアミノ)−3−(メチルチオ)アクリロニトリルで置き換えて、実施例17のステップDの一般手順に従って、油として調製した。
【0354】
ステップC:N−イソプロピル−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミン(0.060g、収率36%)は、3−メトキシ−1H−ピラゾール−5−アミンをN3−イソプロピル−1H−ピラゾール−3,5−ジアミンで置き換えて、実施例1のステップAの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=220.1。
【0355】
ステップD:N2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2,6−ジアミン(0.050g、収率96%)は、2−メトキシ−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジンをN−イソプロピル−6−ニトロピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−アミンで置き換えて、実施例1のステップBの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−pos) M+1=192.1。
【0356】
ステップE:2,6−ジフルオロ−N−(2−(イソプロピルアミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−3−(プロピルスルホンアミド)ベンズアミド(0.117g、収率61%)は、2−メトキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−アミンをN2−イソプロピルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2,6−ジアミンで置き換えて、実施例1のステップCの一般手順に従って調製した。m/z(APCI−負) M−1=451.1。
【0357】
表1中の以下の化合物は、適切な中間体を用いて、方法の欄に与えられた実施例番号の一般手順に従って調製した。
【0358】
【表3−1】

【0359】
【表3−2】

【0360】
【表3−3】

【0361】
【表3−4】

【0362】
列挙した実施形態が、本発明をこれらの実施形態に限定することを意図したものではないことが理解されるであろう。逆に、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得る、全ての代替例、変形例、および同等物を対象とすることを意図している。したがって、上述の説明は、本発明の原理を例示したものに過ぎない。
【0363】
「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」、「含む(including)」、および「含む(includes)」という用語は、本明細書および以下の特許請求の範囲で使用される場合、明示された特徴、整数、構成要素、またはステップの存在を特定することを意図しているが、1つもしくは複数の他の特徴、整数、構成要素、ステップ、またはそれらの群の存在または追加を排除するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iから選択される化合物、
【化60】

ならびにその立体異性体、互変異性体、および薬学的に許容される塩であって、式中、
およびRは、独立して、水素、ハロゲン、C−Cアルキル、およびC−Cアルコキシから選択され、
は、水素、ハロゲン、またはC−Cアルキルであり、
は、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、フェニル、5〜6員ヘテロアリール、またはNRであり、前記シクロアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、フェニル、およびヘテロアリールは、OR、ハロゲン、フェニル、C−Cシクロアルキル、またはハロゲンで随意に置換されたC−Cアルキルで随意に置換され、
は、水素、C−Cアルキル、OR、NR、SR、C−Cシクロアルキル、フェニル、4〜6員複素環、および5〜6員ヘテロアリールから選択され、前記アルキル、シクロアルキル、および複素環は、1個〜3個のR基で随意に置換され、前記フェニルおよびヘテロアリールは、1個〜3個のR基で随意に置換され、
およびRは、独立して、水素、およびハロゲンで随意に置換されたC−Cアルキルから選択されるか、あるいは
およびRは、それらが結合する窒素とともに4〜6員複素環式環を形成し、
は、水素、フェニル、およびオキソで随意に置換されたC−Cアルキルであり、
は、OHもしくはOCHで随意に置換されたC−Cアルキルであり、
およびRは、独立して、水素およびC−Cアルキルから選択され、
は、C−Cアルキルであり、
各Rは、独立して、ハロゲン、オキソ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、および4〜6員複素環から選択され、前記アルキル、アルコキシ、および複素環は、Rで随意に置換され、
各Rは、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、および4〜6員複素環から選択され、前記アルキル、アルコキシ、および複素環は、Rで随意に置換され、
は、ハロゲン、OH、オキソ、およびC−Cアルキルから選択され、
は、ハロゲン、OH、およびC−Cアルキルから選択される、化合物。
【請求項2】
は、水素、メチル、エチル、CF、−OCH、−OCHCH、−OCH(CH、−OCHCHOH、−OCHCHOCH、−NHCH、−NHCH(CH、−SCH、シクロプロピル、シクロペンチル、フェニル、4−クロロフェニル、3−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−メチルフェニル、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)フェニル、テトラヒドロフラン−3−イル、ピロリジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピペリジン−4−イル、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル、1−(2−ヒドロキシエチル)−1H−ピラゾール−4−イル、およびピリジン−3−イルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
、R、およびRは、独立して、水素、ハロゲン、およびC−Cアルキルから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
式Iの残基
【化61】

(式中、波線は、式I内の前記残基の結合点を表す)は、以下より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物
【化62−1】

【化62−2】

【請求項5】
は、水素、ハロゲン、またはメチルから選択され、Rは、Clであり、Rは、水素である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
およびRは、独立して、ハロゲンから選択され、Rは、水素である、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項7】
は、ハロゲンで随意に置換されたC−Cアルキル、およびNRから選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
は、プロピル、イソブチル、−CHCHCHF、−N(CH)CHCH、およびピロリジン−1−イルから選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1で定義され、本明細書の実施例1〜37のいずれか1つに挙げられる、式Iの化合物。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、および薬学的に許容される担体もしく賦形剤を含む、薬学的組成物。
【請求項11】
b−Rafによって調節される疾病もしくは疾患を予防または治療する方法であって、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項12】
癌を予防または治療する方法であって、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を、単独で、または抗癌特性を有する1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項13】
前記癌は、肉腫である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記癌は、癌腫である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記癌腫は、扁平上皮癌である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記癌腫は、腺腫または腺癌である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記癌は、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、前立腺癌、精巣癌、尿生殖路癌、食道癌、喉頭癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌腫、大細胞癌腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞癌腫、肺腺癌腫、骨癌、結腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌腫、甲状腺癌、濾胞癌腫、未分化癌腫、乳頭状癌腫、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌腫、肝臓癌腫および胆汁道癌、腎臓癌腫、骨髄性疾患、リンパ性疾患、毛様細胞、頬面窩洞および咽頭(口腔)癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、小腸癌、結腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳癌および中枢神経系癌、ホジキン病、ならびに白血病である、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
哺乳動物の過剰増殖性疾患を治療する方法であって、治療上有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を、前記哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項19】
療法に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項20】
過剰増殖性疾患の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項21】
過剰増殖性疾患の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
癌療法を受けている患者の治療でb−Raf阻害剤として使用するための、薬剤の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項23】
腎臓病を予防または治療する方法であって、有効量の請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容される塩を、単独で、または1つもしくは複数の付加的な化合物と併用して、かかる治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、方法。
【請求項24】
前記腎臓病は、多発性嚢胞腎疾患である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
腎臓病の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項26】
前記腎臓病は、多発性嚢胞腎疾患である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
腎臓病の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項28】
前記腎臓病は、多発性嚢胞腎疾患である、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
過剰増殖性疾患の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項30】
癌の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項31】
腎臓病の治療に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物を含む、薬学的組成物。
【請求項32】
前記腎臓病は、多発性嚢胞腎疾患である、請求項31に記載の組成物。

【公表番号】特表2013−503190(P2013−503190A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−527027(P2012−527027)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【国際出願番号】PCT/US2010/046975
【国際公開番号】WO2011/025951
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(504344509)アレイ バイオファーマ、インコーポレイテッド (87)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】