説明

SAW発振器

【課題】 シーム溶接前後の周波数偏差が小さく、生産性及び信頼性を向上させる。
【解決手段】 平板状の基板部11と、基板部11の一方の主面に設けられて凹部を形成する枠部12と、凹部内の基板部11上に設けられる搭載部13と、凹部内の基板部11上に設けられる緩衝部14aと、を備えて構成される素子搭載部材10と、搭載部13上に設けられる表面弾性波素子30と、素子搭載部材10に搭載される集積回路素子20と、凹部を塞ぐ蓋部材40と、を備え、表面弾性波素子30が片持ち支持され、凹部内の基板部11上に設けられる。緩衝部14aは、搭載部13の蓋部材側を向く主面の中心を通り凹部の基板部11の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線CL1と、凹部の基板部11の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線CL2と、が交差する位置に設けられることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に用いられるSAW発振器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子機器に組み込まれるタイミングデバイスとして、圧電発振器が幅広く用いられている。
ここでは電子デバイスの一つであるSAW発振器について説明する。
【0003】
例えばSAW発振器は、平板状の基板部と、前記基板部の一方の主面に設けられた凹部を形成し前記基板部側と相対する主面に接合用の金属層が形成される枠部と、凹部内側に露出する基板部上に設けられる搭載部と、凹部内側に露出する基板部上に設けられる緩衝部と、を備えて構成される素子搭載部材と、前記搭載部上に導電性接着剤等を介して設けられる四角形の表面弾性波素子と、前記素子搭載部材に搭載される集積回路素子と、前記凹部を塞ぐ蓋部材と、を備えて構成されている。また、前記表面弾性波素子は、前記搭載部に片持ち状態で搭載される。このとき表面弾性波素子は、一方の主面に櫛形状の電極パターン及び前記電極パターンを挟むように両側に格子状の反射電極パターンが設けられており、他方の主面の自由端側が緩衝部と接触している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−291593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のSAW発振器は、前記表面弾性波素子を搭載した素子搭載部材と、前記蓋部材とを前記素子搭載部材の枠部に設けられた接合用の金属層を介してシーム溶接にて封止することにより、素子搭載部材の長手方向に反りが発生する。この反りは、素子搭載部材に設けられた緩衝部を押し上げ、緩衝部に接触している表面弾性波素子に応力を与える。ここでこのようなSAW発振器におけるシーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差(以下、周波数偏差という)を、縦軸に周波数値、横軸に測定項目としたグラフを用いて説明する。(図5(b)を参照)また、例えばグラフ上の上限周波数変動値(以下、上限値という)は、シーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差がプラス方向に最大となった値である。また、グラフ上の下限周波数変動値(以下、下限値という)は、シーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差が上限値より最小となった値である。このとき従来の緩衝部位置での周波数偏差は、上限値+7.0E×−06から下限値−19.0E×−06と、上限値と下限値の幅が大きな値となり、SAW発振器の生産性及び信頼性を下げるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明では、前記した問題を解決し、周波数偏差が少なく、生産性及び信頼性を向上させたSAW発振器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、平板状の基板部と、前記基板部の一方の主面に設けられて凹部を形成し、前記基板部側と相対する主面に接合用の金属層が形成されている枠部と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部と、を備えて構成される素子搭載部材と、前記搭載部上に導電性接着剤を介して設けられる四角形の表面弾性波素子と、前記素子搭載部材に搭載される集積回路素子と、前記凹部を塞ぐ蓋部材と、を備え、前記表面弾性波素子が片持ち支持され、前記凹部内側の基板部上に設けられる。例えば前記緩衝部は、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置に設けられることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、平板状の基板部と、前記基板部の一方の主面に設けられて凹部を形成し、前記基板部側と相対する主面に接合用の金属層が形成されている枠部と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部と、を備えて構成される素子搭載部材と、前記搭載部上に導電性接着剤を介して設けられる四角形の表面弾性波素子と、前記素子搭載部材に搭載される集積回路素子と、前記凹部を塞ぐ蓋部材と、を備え、前記表面弾性波素子が片持ち支持され、前記凹部内側の基板部上に設けられる。前記緩衝部は、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置より前記表面弾性波素子の自由端側に向かい、前記凹部の基板部の長辺寸法の8%ずれた位置にあることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、平板状の基板部と、前記基板部の一方の主面に設けられて凹部を形成し、前記基板部側と相対する主面に接合用の金属層が形成されている枠部と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部と、を備えて構成される素子搭載部材と、前記搭載部上に導電性接着剤を介して設けられる四角形の表面弾性波素子と、前記素子搭載部材に搭載される集積回路素子と、前記凹部を塞ぐ蓋部材と、を備え、前記表面弾性波素子が片持ち支持され、前記凹部内側の基板部上に設けられる。前記緩衝部は、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置より前記表面弾性波素子の自由端側に向かい、前記凹部の基板部の長辺寸法の16%ずれた位置にあることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、平板状の基板部と、前記基板部の一方の主面に設けられて凹部を形成し、前記基板部側と相対する主面に接合用の金属層が形成されている枠部と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部と、を備えて構成される素子搭載部材と、前記搭載部上に導電性接着剤を介して設けられる四角形の表面弾性波素子と、前記素子搭載部材に搭載される集積回路素子と、前記凹部を塞ぐ蓋部材と、を備え、前記表面弾性波素子が片持ち支持され、前記凹部内側の基板部上に設けられる。前記緩衝部は、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置から前記表面弾性波素子の自由端側へ、前記凹部の基板部の長辺寸法の16%ずれた位置までにあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
このような本発明のSAW発振器によれば、表面弾性波素子は、素子搭載部材と、蓋部材と、を前記素子搭載部材の枠部に設けられた接合用の金属層を介してシーム溶接にて封止することにより、前記蓋部材が加熱され前記蓋部材と前記素子搭載部材の枠部に設けられた接合用の金属層が溶融し接合される。このとき加熱され溶融した金属部分の熱が冷める事により金属の収縮が起こり、素子搭載部材の長手方向に反りが発生する。この反りは、素子搭載部材に設けられた緩衝部を押し上げることとなるが、緩衝部の位置が、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置に設けられているため、前記緩衝部が前記表面弾性波素子を押し上げにくくすることができる。したがって、本発明のSAW発振器は、シーム溶接後の周波数偏差を小さくすることができ、生産性及び信頼性を向上させることが出来る。
【0012】
また、本発明のSAW発振器によれば、表面弾性波素子は、素子搭載部材と、蓋部材と、を前記素子搭載部材の枠部に設けられた接合用の金属層を介してシーム溶接にて封止することにより、前記蓋部材が加熱され前記蓋部材と前記素子搭載部材の枠部に設けられた接合用の金属層が溶融し接合される。このとき加熱され溶融した金属部分の熱が冷める事により金属の収縮が起こり、素子搭載部材の長手方向に反りが発生する。この反りは、素子搭載部材に設けられた緩衝部を押し上げることとなるが、緩衝部の位置が、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置より前記表面弾性波素子の自由端側に向かい、前記凹部の基板部の長辺寸法の8%ずれた位置に設けられているため、前記緩衝部が前記表面弾性波素子を押し上げにくくすることができる。したがって、本発明のSAW発振器は、シーム溶接後の周波数偏差を小さくすることができ、生産性及び信頼性を向上させることが出来る。
【0013】
また、本発明のSAW発振器によれば、表面弾性波素子は、素子搭載部材と、蓋部材と、を前記素子搭載部材の枠部に設けられた接合用の金属層を介してシーム溶接にて封止することにより、前記蓋部材が加熱され前記蓋部材と前記素子搭載部材の枠部に設けられた接合用の金属層が溶融し接合される。このとき加熱され溶融した金属部分の熱が冷める事により金属の収縮が起こり、素子搭載部材の長手方向に反りが発生する。この反りは、素子搭載部材に設けられた緩衝部を押し上げることとなるが、緩衝部の位置が、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置より前記表面弾性波素子の自由端側に向かい、前記凹部の基板部の長辺寸法の16%ずれた位置に設けられているため、前記緩衝部が前記表面弾性波素子を押し上げにくくすることができる。したがって、本発明のSAW発振器は、シーム溶接後の周波数偏差を小さくすることができ、生産性及び信頼性を向上させることが出来る。
【0014】
また、本発明のSAW発振器によれば、表面弾性波素子は、素子搭載部材と、蓋部材と、を前記素子搭載部材の枠部に設けられた接合用の金属層を介してシーム溶接にて封止することにより、前記蓋部材が加熱され前記蓋部材と前記素子搭載部材の枠部に設けられた接合用の金属層が溶融し接合される。このとき加熱され溶融した金属部分の熱が冷める事により金属の収縮が起こり、素子搭載部材の長手方向に反りが発生する。この反りは、素子搭載部材に設けられた緩衝部を押し上げることとなるが、緩衝部の位置が、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置から前記表面弾性波素子の自由端側へ、前記凹部の基板部の長辺寸法の16%ずれた位置までに設けられているため、前記緩衝部が前記表面弾性波素子を押し上げにくくすることができる。したがって、本発明のSAW発振器は、シーム溶接後の周波数偏差を小さくすることができ、生産性及び信頼性を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るSAW発振器の一例を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るSAW発振器に用いられる素子搭載部材の模式図である。
【図3】本発明の実施形態に係るSAW発振器の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係るSAW発振器に用いられる素子搭載部材の模式図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るSAW発振器に用いられる素子搭載部材の模式図である。
【図6】SAW発振器におけるシーム溶接前の周波数とシーム溶接後の周波数との差のグラフであり、(a)は第1実施形態における周波数偏差のグラフであり、(b)は第2実施形態における周波数偏差のグラフであり、(c)は第3実施形態における周波数偏差のグラフである。
【図7】従来の形態に係るSAW発振器の一例を示し、(a)はSAW発振器の断面図であり、(b)はSAW発振器における素子搭載部材の模式平面図であり、(c)は従来位置における周波数偏差のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各構成要素について、状態をわかりやすくするために、誇張して図示している。
【0017】
(第1の実施形態)
図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係るSAW発振器100は、凹部を有し凹部内側に形成される緩衝部14aを備える素子搭載部材10と、前記素子搭載部材10の凹部内側に搭載される表面弾性波素子30と、前記素子搭載部材10の凹部内側に搭載される集積回路素子20と、凹部を塞ぐ蓋部材40とから主に構成されている。
【0018】
素子搭載部材10は、平板状の基板部11と、前記基板部11の一方の主面に設けられて凹部を形成する枠部12と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部13と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部14aと、から形成されている。
【0019】
基板部11は、例えばアルミナセラミックス等のセラミックス材料よりなり、前記基板部11の一方の主面に形成された集積回路素子搭載パッド(図示せず)及び基板内部には所定の配線導体が形成され、他方の主面に外部端子(図示せず)が形成されている。
【0020】
枠部12は、前記基板部11と同様にアルミナセラミックス等のセラミックス材料よりなり、前記基板部11の一方の主面に設けられて凹部を形成している。また、枠部12は、前記基板部側と相対する主面に接合用の金属層16が形成されている。
【0021】
搭載部13は、例えばアルミナセラミックス等のセラミックス材料よりなり、凹部内側の基板部上において所定の隅部に位置している。また、搭載部13は、例えば平面視において四角形の形状で形成されており、所定の厚さを有している。この搭載部13は、表面弾性波素子30を搭載するために用いられる。
【0022】
緩衝部14aは、例えばシリコン系の材料よりなり、凹部内側の基板部11上に設けられる。例えば前記緩衝部14aは、前記搭載部13の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部11の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線CL1と、前記凹部の基板部11の主面上において2つの凹部内の長辺の中心を通る第2の中心線CL2と、が交差する位置に設けられている。
【0023】
表面弾性波素子30は、圧電素子と、前記圧電素子の一方の主面上に形成された電極パターンと、前記電極パターンと同一面上に形成された反射電極パターンとから構成されており、前記圧電素子の他方の主面上に前記電極パターン及び前記反射電極パターンが形成されていない。また、前記表面弾性波素子30は、前記搭載部13上に他方の主面を前記搭載部13側に向けて、導電性接着剤15を介して機械的に片持ち支持されている。また、前記電極パターンは、前記圧電素子の一方の主面上の中央部に櫛型状に形成されている。また、前記反射電極パターンは、前記電極パターンが形成されている同一面上に、前記電極パターンを挟むように両側に位置し格子状に形成されている。このとき、表面弾性波素子30は、前記搭載部13に搭載された場合、前記表面弾性波素子30の一方の主面が前記緩衝部14aと対向するようになっている。
【0024】
集積回路素子20は、凹部内側の基板部上に前記表面弾性波素子30と相対する位置に設けられている。また、集積回路素子20は、前記表面弾性波素子30とワイヤーボンディングにより電気的に接続され、(図示せず)前記基板部11の一方の主面に形成された集積回路素子搭載パッドと電気的に接続されている。(図示せず)また、集積回路素子20は、前記表面弾性波素子30の振動に基づいて発信出力を制御している。また、この集積回路素子20は、凹部内側の基板部11上であって、前記表面弾性波素子30と前記搭載部13と、ともに前記基板部11に設けられている。
【0025】
蓋部材40は、例えば金属材料よりなり、四角形の金属から形成されている。また、蓋部材40は、前記素子搭載部材10と前記素子搭載部材10の枠部12に設けられた接合用の金属層16を介してシーム溶接で接合される。
【0026】
シーム溶接は、溶接部に大電流を流し溶接部を加熱させ圧力を加えながら行う溶接方法である。
【0027】
図2及び図3に示すように、前記素子搭載部材10と前記蓋部材40とを前記素子搭載部材10の枠部12に設けられた接合用の金属層16を介してシーム溶接することにより、前記蓋部材40が加熱され前記蓋部材40と前記素子搭載部材10の枠部12に設けられた接合用の金属層16が溶融し接合される。このとき加熱され溶融した金属部分の熱が冷める事により金属の収縮が起こり、前記素子搭載部材10の長手方向に反りが発生する。この反りは、前記素子搭載部材10に設けられた前記緩衝部14aを押し上げるが、前記搭載部13の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部11の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線CL1と、前記凹部の基板部11の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線CL2と、が交差する位置に設けられているため、前記表面弾性波素子30は、前記緩衝部14aによる応力を受けにくくなる。
【0028】
また、図6(a)のグラフは、第1の実施形態でのSAW発振器のシーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差(以下、周波数偏差という)を、縦軸に周波数値、横軸に測定項目で表したグラフである。また、例えばグラフ上の上限周波数変動値(以下、上限値という)は、シーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差がプラス方向に最大となった値である。また、グラフ上の下限周波数変動値(以下、下限値という)は、シーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差が上限値より最小となった値である。このときこの図6(a)に示すように、周波数偏差は、上限値+7.0E×−06から下限値+0.5E×−06であり、図7(b)の従来の緩衝部位置214での周波数偏差である上限値+7.0E×−06から下限値−19.0E×−06と比べると、第1の実施形態位置での上限値と下限値の幅が従来の緩衝部位置での上限値と下限値の幅よりも第1の実施形態位置の方の幅が小さくなる。したがって第1の実施形態は、SAW発振器の生産性及び信頼性を向上させることが可能となる。
【0029】
(第2の実施形態)
図1及び図4に示すように、本発明の第2の実施形態に係るSAW発振器100は、凹部を有し凹部内側に形成される緩衝部14bを備える素子搭載部材10と、前記素子搭載部材10の凹部内側に搭載される表面弾性波素子30と、前記素子搭載部材10の凹部内側に搭載される集積回路素子20と、凹部を塞ぐ蓋部材40とから主に構成されている。
【0030】
素子搭載部材10は、平板状の基板部11と、前記基板部11の一方の主面に設けられて凹部を形成する枠部12と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部13と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部14bと、から形成されている。
【0031】
基板部11は、例えばアルミナセラミックス等のセラミックス材料よりなり、前記基板部11の一方の主面に形成された集積回路素子搭載パッド(図示せず)及び基板内部には所定の配線導体が形成され、他方の主面に外部端子(図示せず)が形成されている。
【0032】
枠部12は、前記基板部11と同様にアルミナセラミックス等のセラミックス材料よりなり、前記基板部11の一方の主面に設けられて凹部を形成している。また、枠部12は、前記基板部側と相対する主面に接合用の金属層16が形成されている。
【0033】
搭載部13は、例えばアルミナセラミックス等のセラミックス材料よりなり、凹部内側の基板部上において所定の隅部に位置している。また、搭載部13は、例えば平面視において四角形の形状で形成されており、所定の厚さを有している。この搭載部13は、表面弾性波素子30を搭載するために用いられる。
【0034】
緩衝部14bは、例えばシリコン系の材料よりなり、凹部内側の基板部11上に設けられる。例えば前記緩衝部14bは、前記搭載部13の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部11の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線CL1と、前記凹部の基板部11の主面上において2つの凹部内の長辺の中心を通る第2の中心線CL2と、が交差する位置より前記表面弾性波素子30の自由端側に向かい、前記凹部の基板部11において長辺寸法の8%ずれた位置になっている。
【0035】
表面弾性波素子30は、圧電素子と、前記圧電素子の一方の主面上に形成された電極パターンと、前記電極パターンと同一面上に形成された反射電極パターンとから構成されており、前記圧電素子の他方の主面上に前記電極パターン及び前記反射電極パターンが形成されていない。また、前記表面弾性波素子30は、前記搭載部13上に他方の主面を前記搭載部13側に向けて、導電性接着剤15を介して機械的に片持ち支持されている。また、前記電極パターンは、前記圧電素子の一方の主面上の中央部に櫛型状に形成されている。また、前記反射電極パターンは、前記電極パターンが形成されている同一面上に、前記電極パターンを挟むように両側に位置し格子状に形成されている。このとき、表面弾性波素子30は、前記搭載部13に搭載された場合、前記表面弾性波素子30の一方の主面が前記緩衝部14bと対向するようになっている。
【0036】
集積回路素子20は、凹部内側の基板部上に前記表面弾性波素子30と相対する位置に設けられている。また、集積回路素子20は、前記表面弾性波素子30とワイヤーボンディングにより電気的に接続され、(図示せず)前記基板部11の一方の主面に形成された集積回路素子搭載パッドと電気的に接続されている。(図示せず)また、集積回路素子20は、前記表面弾性波素子30の振動に基づいて発信出力を制御している。また、この集積回路素子20は、凹部内側の基板部11上であって、前記表面弾性波素子30と前記搭載部13と、ともに前記基板部11に設けられている。
【0037】
蓋部材40は、例えば金属材料よりなり、四角形の金属から形成されている。また、蓋部材40は、前記素子搭載部材10と前記素子搭載部材10の枠部12に設けられた接合用の金属層16を介してシーム溶接で接合される。
【0038】
シーム溶接は、溶接部に大電流を流し溶接部を加熱させ圧力を加えながら行う溶接方法である。
【0039】
図3及び図4に示すように、前記素子搭載部材10と前記蓋部材40とを前記素子搭載部材10の枠部12に設けられた接合用の金属層16を介してシーム溶接することにより、前記蓋部材40が加熱され前記蓋部材40と前記素子搭載部材10の枠部12に設けられた接合用の金属層16が溶融し接合される。このとき加熱され溶融した金属部分の熱が冷める事により金属の収縮が起こり、前記素子搭載部材10の長手方向に反りが発生する。この反りは、前記素子搭載部材10に設けられた前記緩衝部14bを押し上げるが、前記搭載部13の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部11の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線CL1と、前記凹部の基板部11の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線CL2と、が交差する位置より前記表面弾性波素子30の自由端側に向かい、前記凹部の基板部11の長辺寸法の8%ずれた位置になっているため、前記表面弾性波素子30は、前記緩衝部14bによる応力を受けにくくなる。
【0040】
また、図6(b)のグラフは、第2の実施形態でのSAW発振器のシーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差(以下、周波数偏差という)を、縦軸に周波数値、横軸に測定項目で表したグラフである。また、例えばグラフ上の上限周波数変動値(以下、上限値という)は、シーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差がプラス方向に最大となった値である。また、グラフ上の下限周波数変動値(以下、下限値という)は、シーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差が上限値より最小となった値である。このときこの図6(b)に示すように、周波数偏差は、上限値+5.0E×−06から下限値−1.5E×−06であり、図7(b)の従来の緩衝部位置214での周波数偏差である上限値+7.0E×−06から下限値−19.0E×−06と比べると、第2の実施形態位置での上限値と下限値の幅が従来の緩衝部位置での上限値と下限値の幅よりも第2の実施形態位置の方の幅が小さくなる。したがって第2の実施形態は、SAW発振器の生産性及び信頼性を向上させることが可能となる。
【0041】
このように本発明の第2の実施形態に係る緩衝部14bの位置においても、第1の実施形態と同等の効果を奏する。
【0042】
(第3の実施形態)
図1及び図5に示すように、本発明の第3の実施形態に係るSAW発振器100は、凹部を有し凹部内側に形成される緩衝部14cを備える素子搭載部材10と、前記素子搭載部材10の凹部内側に搭載される表面弾性波素子30と、前記素子搭載部材10の凹部内側に搭載される集積回路素子20と、凹部を塞ぐ蓋部材40とから主に構成されている。
【0043】
素子搭載部材10は、平板状の基板部11と、前記基板部11の一方の主面に設けられて凹部を形成する枠部12と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部13と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部14cと、から形成されている。
【0044】
基板部11は、例えばアルミナセラミックス等のセラミックス材料よりなり、前記基板部11の一方の主面に形成された集積回路素子搭載パッド(図示せず)及び基板内部には所定の配線導体が形成され、他方の主面に外部端子(図示せず)が形成されている。
【0045】
枠部12は、前記基板部11と同様にアルミナセラミックス等のセラミックス材料よりなり、前記基板部11の一方の主面に設けられて凹部を形成している。また、枠部12は、前記基板部側と相対する主面に接合用の金属層16が形成されている。
【0046】
搭載部13は、例えばアルミナセラミックス等のセラミックス材料よりなり、凹部内側の基板部上において所定の隅部に位置している。また、搭載部13は、例えば平面視において四角形の形状で形成されており、所定の厚さを有している。この搭載部13は、表面弾性波素子30を搭載するために用いられる。
【0047】
緩衝部14cは、例えばシリコン系の材料よりなり、凹部内側の基板部11上に設けられる。例えば前記緩衝部14cは、前記搭載部13の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部11の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線CL1と、前記凹部の基板部11の主面上において2つの凹部内の長辺の中心を通る第2の中心線CL2と、が交差する位置より前記表面弾性波素子30の自由端側に向かい、前記凹部の基板部11において長辺寸法の16%ずれた位置になっている。
【0048】
表面弾性波素子30は、圧電素子と、前記圧電素子の一方の主面上に形成された電極パターンと、前記電極パターンと同一面上に形成された反射電極パターンとから構成されており、前記圧電素子の他方の主面上に前記電極パターン及び前記反射電極パターンが形成されていない。また、前記表面弾性波素子30は、前記搭載部13上に他方の主面を前記搭載部13側に向けて、導電性接着剤15を介して機械的に片持ち支持されている。また、前記電極パターンは、前記圧電素子の一方の主面上の中央部に櫛型状に形成されている。
また、前記反射電極パターンは、前記電極パターンが形成されている同一面上に、前記電極パターンを挟むように両側に位置し格子状に形成されている。このとき、表面弾性波素子30は、前記搭載部13に搭載された場合、前記表面弾性波素子30の一方の主面が前記緩衝部14cと対向するようになっている。
【0049】
集積回路素子20は、凹部内側の基板部上に前記表面弾性波素子30と相対する位置に設けられている。また、集積回路素子20は、前記表面弾性波素子30とワイヤーボンディングにより電気的に接続され、(図示せず)前記基板部11の一方の主面に形成された集積回路素子搭載パッドと電気的に接続されている。(図示せず)また、集積回路素子20は、前記表面弾性波素子30の振動に基づいて発信出力を制御している。また、この集積回路素子20は、凹部内側の基板部11上であって、前記表面弾性波素子30と前記搭載部13と、ともに前記基板部11に設けられている。
【0050】
蓋部材40は、例えば金属材料よりなり、四角形の金属から形成されている。また、蓋部材40は、前記素子搭載部材10と前記素子搭載部材10の枠部12に設けられた接合用の金属層16を介してシーム溶接で接合される。
【0051】
シーム溶接は、溶接部に大電流を流し溶接部を加熱させ圧力を加えながら行う溶接方法である。
【0052】
図3及び図5に示すように、前記素子搭載部材10と前記蓋部材40とを前記素子搭載部材10の枠部12に設けられた接合用の金属層16を介してシーム溶接することにより、前記蓋部材40が加熱され前記蓋部材40と前記素子搭載部材10の枠部12に設けられた接合用の金属層16が溶融し接合される。このとき加熱され溶融した金属部分の熱が冷める事により金属の収縮が起こり、前記素子搭載部材10の長手方向に反りが発生する。この反りは、前記素子搭載部材10に設けられた前記緩衝部14cを押し上げるが、前記搭載部13の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部11の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線CL1と、前記凹部の基板部11の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線CL2と、が交差する位置より前記表面弾性波素子30の自由端側に向かい、前記凹部の基板部11の長辺寸法の16%ずれた位置になっているため、前記表面弾性波素子30は、前記緩衝部14cによる応力を受けにくくなる。なお、前記緩衝部14cが前記凹部の基板部11の長辺寸法の16%をこえて自由端側に位置すると、前記素子搭載部材10の長手方向の反りにより前記緩衝部14cを押し上げ、前記緩衝部14cに接触している前記表面弾性波素子30に応力をあたえる。
【0053】
また、図6(c)のグラフは、第3の実施形態でのSAW発振器のシーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差(以下、周波数偏差という)を、縦軸に周波数値、横軸に測定項目で表したグラフである。また、例えばグラフ上の上限周波数変動値(以下、上限値という)は、シーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差がプラス方向に最大となった値である。また、グラフ上の下限周波数変動値(以下、下限値という)は、シーム溶接前の周波数を基準としシーム溶接後の周波数との差が上限値より最小となった値である。このときこの図6(c)に示すように、周波数偏差は、上限値+6.0E×−06から下限値−2.5E×−06であり、図7(b)の従来の緩衝部位置214での周波数偏差である上限値+7.0E×−06から下限値−19.0E×−06と比べると、第3の実施形態位置での上限値と下限値の幅が従来の緩衝部位置での上限値と下限値の幅よりも第3の実施形態位置の方の幅が小さくなる。したがって第3の実施形態は、SAW発振器の生産性及び信頼性を向上させることが可能となる。
【0054】
このように本発明の第3の実施形態に係る緩衝部14cの位置においても、第1の実施形態と同等の効果を奏する。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態には限定されない。例えば本実施形態では、表面弾性波素子の振動に基づいて発信出力を制御する集積回路素子(IC)を搭載しているが、搭載させなくとも良い。また、本発明は、シーム溶接で説明をしたが、例えばガラス封止やレーザー封止などの接合部を加熱し接合させる封止方法でも同様の効果が得られる。
【0056】
(変形例)
本発明の第1の実施形態から第3の実施形態に係るSAW発振器100は、緩衝部14aが、前記搭載部13の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部11の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線CL1と、前記凹部の基板部11の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線CL2と、が交差する位置から前記表面弾性波素子30の自由端側へ、前記凹部の基板部11の長辺寸法の16%ずれた位置までにあっても、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態と同様の効果が得られる。
すなわち、本発明のSAW発振器100によれば、表面弾性波素子30は、素子搭載部材10と、蓋部材40と、を前記素子搭載部材10の枠部に設けられた接合用の金属層を介してシーム溶接にて封止することにより、前記蓋部材40が加熱され前記蓋部材40と前記素子搭載部材10の枠部に設けられた接合用の金属層が溶融し接合される。このとき加熱され溶融した金属部分の熱が冷める事により金属の収縮が起こり、素子搭載部材10の長手方向に反りが発生する。この反りは、素子搭載部材10に設けられた緩衝部14aを押し上げることとなるが、緩衝部の位置が、前記搭載部13の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線CL1と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線CL2と、が交差する位置から前記表面弾性波素子30の自由端側へ、前記凹部の基板部の長辺寸法の16%ずれた位置までに設けられているため、前記緩衝部14aが前記表面弾性波素子を押し上げにくくすることができる。したがって、本発明のSAW発振器は、シーム溶接後の周波数偏差を小さくすることができ、生産性及び信頼性を向上させることが出来る。
【符号の説明】
【0057】
100、200 SAW発振器
10、210 素子搭載部材
11、211 基板部
12、212 枠部
13、213 搭載部
15、215 導電性接着剤
16、216 接合用の金属層
20、220 集積回路素子
30、230 表面弾性波素子
40、240 蓋部材
14a 第1実施例
14b 第2実施例
14c 第3実施例
214 従来の位置
CL1、CL2 中心線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の基板部と、前記基板部の一方の主面に設けられて、凹部を形成する枠部と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部と、を備える素子搭載部材と、前記搭載部上に導電性接着剤を介して設けられる四角形の表面弾性波素子と、前記素子搭載部材に搭載される集積回路素子と、前記凹部を塞ぐ蓋部材と、を備え、前記表面弾性波素子が前記凹部内側の基板部上に片持ち支持され、前記緩衝部は、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置に設けられることを特徴とするSAW発振器。
【請求項2】
平板状の基板部と、前記基板部の一方の主面に設けられて、凹部を形成する枠部と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部と、を備える素子搭載部材と、前記搭載部上に導電性接着剤を介して設けられる四角形の表面弾性波素子と、前記素子搭載部材に搭載される集積回路素子と、前記凹部を塞ぐ蓋部材と、を備え、前記表面弾性波素子が前記凹部内側の基板部上に片持ち支持され、前記緩衝部は、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置より前記表面弾性波素子の自由端側に向かい、前記凹部の基板部の長辺寸法の8%ずれた位置にあることを特徴とする請求項1に記載のSAW発振器。
【請求項3】
平板状の基板部と、前記基板部の一方の主面に設けられて、凹部を形成する枠部と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部と、を備える素子搭載部材と、前記搭載部上に導電性接着剤を介して設けられる四角形の表面弾性波素子と、前記素子搭載部材に搭載される集積回路素子と、前記凹部を塞ぐ蓋部材と、を備え、前記表面弾性波素子が前記凹部内側の基板部上に片持ち支持され、前記緩衝部は、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置より前記表面弾性波素子の自由端側に向かい、前記凹部の基板部の長辺寸法の16%ずれた位置にあることを特徴とする請求項1に記載のSAW発振器。
【請求項4】
平板状の基板部と、前記基板部の一方の主面に設けられて、凹部を形成する枠部と、凹部内側の基板部上に設けられる搭載部と、凹部内側の基板部上に設けられる緩衝部と、を備える素子搭載部材と、前記搭載部上に導電性接着剤を介して設けられる四角形の表面弾性波素子と、前記素子搭載部材に搭載される集積回路素子と、前記凹部を塞ぐ蓋部材と、を備え、前記表面弾性波素子が前記凹部内側の基板部上に片持ち支持され、前記緩衝部は、前記搭載部の蓋部材側を向く主面の中心を通り前記凹部の基板部の主面上において1つの長辺と平行となる第1の中心線と、前記凹部の基板部の主面上において2つの長辺の中心を通る第2の中心線と、が交差する位置から前記表面弾性波素子の自由端側へ、前記凹部の基板部の長辺寸法の16%ずれた位置までにあることを特徴とする請求項1に記載のSAW発振器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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