説明

SOFCバッテリパック高温漏れ検出装置

【課題】SOFCバッテリパック高温漏れ検出装置を提供する。
【解決手段】有効に、固体酸化物燃料電池に利用される高温封止材の高温封止能力を測定でき、また、ダイナミックに変化する温度やダイナミックに負荷印加等の条件で測定でき、該封止材の封止効果をチェックでき、また、更に、高温下で長期に漏れ速度を測定する場合、漏れが発生する時、該封止材の故障を補修するメカニズムがあり、そして、SOFC工程や操作手順の重要パラメーターを提供できる。また、本発明によればテストユニットのサイズを調整でき、異なる雰囲気を導入してバッテリパックの漏れ検出等の能力を拡張できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SOFCバッテリパック高温漏れ検出装置に関し、特に、高温下で長期に漏れ速度を測定でき、封止材の封止効果をチェックでき、また、漏れが発生する時、該封止材の故障を補修するメカニズムを有するSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell、SOFC)工程に適用される封止材は、例えば、ガラスセラミックスや雲母ガラス等であり、その高温気密性が尤も基本の要求で、そのため、高温下で、また、異なる雰囲気下での漏れ速度を測定して評価することにより、該封止材が良いかを判断する。
【0003】
現在、該ガラスセラミックスをSOFC封止材として、開発していて、既に初期の研発能力を構築し、そして、開発した処方やその熱的性質が、実験工程に適用されるが、実際の封止効果の測定や実際の操作環境と温度を、長期に検知できる適当な器具設備や標準測定手順がない。その故、実用的とは言えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、有効にSOFCの高温封止材の高温封止能力を測定でき、ダイナミックに変化する温度やダイナミックに負荷される等の条件下で、該封止材の封止効果を測定でき、また、高温下で長期に漏れ速度を測定する時、漏れが発生する場合、更に、該封止材の故障を補修するメカニズムが備えられ、また、SOFC工程や操作手順の重要パラメーターを提供できるSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置を提供する。
【0005】
本発明の他の目的は、テストユニットのサイズを調整でき、また、異なる雰囲気を導入でき、バッテリパックの漏れ検出等の能力を拡張できるSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するため、少なくとも、高温炉本体と炉体棒、加圧テストチャンバー、高温加圧クラウンバー及びクラウンバー作動電機ユニットから構成され、該加圧テストチャンバーは、該高温炉本体の上底座上に設けられ、下から上へ第1のチャンバー体と第2のチャンバー体があり、該第1のチャンバー体と該第2のチャンバー体の内部に、それぞれに下搭載板と上搭載板が設けられ、また、該第1、2のチャンバー体に、それぞれに第1、2の給気管線があり、該第1、2の給気管線が第1、2の圧力計に接続される。これにより、封止材に対して、気密性を測定できるSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置である。まず、該封止材を該下搭載板上に塗布して、異なる高温条件下で該上搭載板と気密に接着し、また、それぞれ該第1、2の給気管線から気体が導入され、該第1のチャンバー体と該第2のチャンバー体の内部に、それぞれ第1のチャンバー圧と第2のチャンバー圧が生成され、該第1のチャンバー圧と該第2のチャンバー圧により圧差が得られ、該高温環境下、圧差の時効変化を監視できる。圧差が小さくなると、該封止材に漏れが発生し、この時、該クラウンバー作動電機ユニットで該高温加圧クラウンバーを下へ作動するように制御し、負荷を印加して該封止材に漏れがないまで該上搭載板に抵当させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の断面概念図である。図のように、本発明はSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置であり、本発明に係わるSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置1は、少なくとも、高温炉本体11と炉体棒12、加圧テストチャンバー13、高温加圧クラウンバー14及びクラウンバー作動電機ユニット15から構成され、高温下で長期に漏れ速度を測定でき、封止材の封止効果をチェックでき、また、該封止材の故障を補修するメカニズムを有し、固体酸化物燃料電池(Solid Oxide Fuel Cell、SOFC)工程や操作手順の重要パラメーターを提供できる。
【0008】
該高温炉本体11は、円柱状であり、それぞれ下底座111と上底座112及び機座113が設けられる。
【0009】
該炉体棒12は、該高温炉本体11の側辺に設置され、該高温炉本体11の上昇や降下を実行する。
【0010】
該加圧テストチャンバー13は、該上底座112上に設置され、下から上へ第1のチャンバー体131と第2のチャンバー体132があり、また、該第1のチャンバー体131と該第2のチャンバー体132の内部に、それぞれに下搭載板21と上搭載板22が設けられ、該下搭載板21は、リング212を介して、ネジ211を螺着することにより該加圧テストチャンバー13内に固定され、また、該第1のチャンバー体131は第1の給気管線3aがあり、該第1の給気管線3aが第1の圧力計4aに接続され、該第2のチャンバー体132は第2の給気管線3bがあり、該第1の給気管線3bが第2の圧力計4bに接続される。
【0011】
該高温加圧クラウンバー14は、該加圧テストチャンバー13に合わせて定位され、また、該機座113の上方にロックされ、該上搭載板22上に負荷を印加して、該下搭載板21の中央穴の周りに塗布された封止材2と該上搭載板22とが封止される時、該高温加圧クラウンバー14により漏れ速度が低減され、その気密性を測定できる。
【0012】
該クラウンバー作動電機ユニット15は、該機座113上に設置され、該機座113の上方にある高温加圧クラウンバー14が下へ作動することを制御する。以上のように、新規のSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置1が構成される。
【0013】
本発明によれば、該SOFCバッテリパック高温漏れ検出装置1で、該封止材2に対して、漏れ速度を測定し、パッケージに利用されるガラスセラミックスを例とする。まず、該パッケージに利用されるガラスセラミックスを、該下搭載板21上に塗布し、異なる高温条件下で該上搭載板22と封止接着して、それぞれ該第1、2の給気管線3a、3bから気体が導入され、該気体により、該第2のチャンバー体132内に第2のチャンバー圧Pが生成され、また、該第1のチャンバー体131内に導入される気体が該下搭載板21の中央に設置された穴を介して、該パッケージに利用されるガラスセラミックスが塗布された箇所の周りに分布し、これにより、該第1のチャンバー体131内に第1のチャンバー圧Pが生成される。該第1のチャンバー圧と該第2のチャンバー圧により、圧差△P(△P=P−P)が得られ、また、異なる高温環境下、圧差△Pの時効変化を検知できる。圧差△Pが小さくなる時、該パッケージに利用されるガラスセラミックスに、漏れが発生することを示し、この時、該クラウンバー作動電機ユニット15で、該高温加圧クラウンバー14が下へ作動するように制御し、負荷印加して、該上搭載板22に抵当させ、これにより、該パッケージに利用されるガラスセラミックスに、漏れがなくなる。
【0014】
これにより、有効にSOFCの高温封止材の高温封止能力を測定でき、また、ダイナミックに変化する温度やダイナミックに負荷印加の条件で測定でき、該封止材の封止効果をチェックでき、例えば、機械性能や耐久性能等である。また、更に、高温下で長期に漏れ速度を測定する場合、漏れが発生する時、該封止材の故障を補修するメカニズムがあり、そして、SOFC工程や操作手順の重要パラメーターを提供でき、また、本発明によれば、テストユニットのサイズを調整でき、異なる雰囲気を導入して、バッテリパックの漏れ検出等の能力を拡張できる。
【0015】
以上のように、本発明はSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置であり、有効に従来の諸欠点を改善でき、有効にSOFCの高温封止材の高温封止能力を測定でき、また、ダイナミックに変化する温度やダイナミックに負荷印加等の条件下で測定でき、該封止材の封止効果をチェックでき、また、更に高温下で長期に漏れ速度を測定する場合、漏れが発生する時、該封止材の故障を補修できるメカニズムを有し、また、SOFC工程や操作手順の重要パラメーターを提供でき、そしてテストユニットのサイズを調整でき、異なる雰囲気を導入でき、バッテリパックの漏れ検出等の能力が拡張され、そのため、本発明はより進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0016】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明はそれによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の断面概念図
【符号の説明】
【0018】
1 SOFCバッテリパック高温漏れ検出装置
11 高温炉本体
111 下底座
112 上底座
113 機座
12 炉体棒
13 加圧テストチャンバー
131 第1のチャンバー体
132 第2のチャンバー体
14 高温加圧クラウンバー
15 クラウンバー作動電機ユニット
2 封止材
21 下搭載板
211 ネジ
212 リング
22 上搭載板
3a 第1の給気管線
3b 第2の給気管線
4a 第1の圧力計
4b 第2の圧力計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下底座と上底座及び機座がある高温炉本体と、
該高温炉本体の側辺に設けられ、該高温炉本体の上昇と降下を実行する炉体棒と、
該上底座上に設けられ、下から上へ、第1のチャンバー体と第2のチャンバー体があり、また、それぞれに下搭載板と上搭載板が設けられる加圧テストチャンバーと、
該加圧テストチャンバーに合わせて定位され、また、該機座の上方にロックされ、該上搭載板上に負荷を印加する高温加圧クラウンバーと、
該機座上に設置され、該機座の上方にある高温加圧クラウンバーが下へ作動することを制御するクラウンバー作動電機ユニットが含有されることを特徴とする、SOFCバッテリパック高温漏れ検出装置。
【請求項2】
該下搭載板の中央に、穴が形成されることを特徴とする、請求項1に記載のSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置。
【請求項3】
該第1のチャンバー体は、第1の給気管線があり、該第1の給気管線が第1の圧力計に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置。
【請求項4】
該第1のチャンバー体は、該第1の給気管線から気体が導入され、該気体が該第1のチャンバー体内の下搭載板の穴の周りに分布し、該第1のチャンバー体内に、第1のチャンバー圧が生成されることを特徴とする、請求項3に記載のSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置。
【請求項5】
該第2のチャンバー体は、第2の給気管線があり、第2の給気管線が第2の圧力計に接続されることを特徴とする、請求項1に記載のSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置。
【請求項6】
該第2のチャンバー体は、該第2の給気管線から気体が導入され、該第2のチャンバー体内に第2のチャンバー圧が生成されることを特徴とする、請求項5に記載のSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置。
【請求項7】
該下搭載板は、リングを介して、ネジで該加圧テストチャンバー内に螺着されることを特徴とする、請求項1に記載のSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置。
【請求項8】
該高温炉本体は、円柱状であることを特徴とする、請求項1に記載のSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置。
【請求項9】
該SOFCバッテリパック高温漏れ検出装置は、該第1のチャンバー体内の第1のチャンバー圧と該第2のチャンバー体内の第2のチャンバー圧により、圧差を生成することを特徴とする、請求項1に記載のSOFCバッテリパック高温漏れ検出装置。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2009−180582(P2009−180582A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18850(P2008−18850)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(595165656)行政院原子能委員会核能研究所 (51)
【Fターム(参考)】