ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システム
【課題】ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムにおいて、ＣＡＴＶ等の屋内でのケーブル線配線工事を不要にし、さらには、ブレーカの内側だけで電力線通信を可能にする。
【解決手段】 ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４が、ＣＡＴＶのケーブル線７に接続可能で該ケーブル線７を介してＴＶ信号を受信するＴＶ通信部８と、受信したＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部９と、変換された電力線通信信号を電力線Ｌ２を介して送信する電力線通信部１０と、電力線通信部１０に接続され電力線Ｌ２のコンセント部３に接続可能なプラグ部１１と、を備えている。
【解決手段】 ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４が、ＣＡＴＶのケーブル線７に接続可能で該ケーブル線７を介してＴＶ信号を受信するＴＶ通信部８と、受信したＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部９と、変換された電力線通信信号を電力線Ｌ２を介して送信する電力線通信部１０と、電力線通信部１０に接続され電力線Ｌ２のコンセント部３に接続可能なプラグ部１１と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＣＡＴＶ（ケーブルテレビジョン）やＢＳ／ＣＳ（ＢＳ：「Broadcasting Satellite（放送衛星）」、ＣＳ：「Communication Satellite（通信衛星）」）放送を屋内で容易に視聴可能にするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、ＣＡＴＶのケーブル線は、ＣＡＴＶ局から視聴者の家屋まで光ファイバケーブルや同軸ケーブルで配設されている。また、ＢＳ／ＣＳ放送においても、家屋外に設置された受信用アンテナにケーブル線が接続され、このケーブル線が家屋内に引き込まれている。これらのケーブル線は、屋内のテレビ装置に接続するために家屋の壁にケーブル線用の挿通孔を開け、ケーブル線を屋内に引き込む工事が通常行われている。また、複数の部屋にテレビ装置が設置されている場合には、部屋間の壁にもケーブル線用の挿通孔を形成してケーブル線を配設するか、壁内にケーブル線を配設する工事が行われる。
【０００３】
また、ＣＡＴＶを介してＴＶ信号だけでなくブロードバンド信号を送受信可能にしてブロードバンド通信を行うサービスも行われており、従来、例えば特許文献１には、ＣＡＴＶの光ファイバケーブルからの信号を電力線を介して各ユーザ宅内に敷設したＬＡＮケーブルに送信し、屋内のＴＶ装置やパーソナルコンピュータに伝送するブロードバンド通信及びＴＶ放送の融合伝送システムが提案されている。また、特許文献２には、外部の電話線やＣＡＴＶと屋外の給電網を介して接続された屋内の給電回路網で、外界との通信も可能な屋内用の通信システムが提案されている。
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−２１７９３７号公報
【特許文献２】特表２００４−５１６６８９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、従来は、ＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳ用のケーブル線を屋内に引き込むためや複数の部屋に配設するために挿通孔を開けたり壁内に配設する等の配線工事が必要であり、手間であると共に工事の経費がかかってしまう不都合があった。また、ＴＶ装置を別の部屋等に移動した場合、ケーブル線もＴＶ装置を移設した部屋に新たに配設する必要があり、ＴＶ装置を容易に移動することができなかった。
また、特許文献１では、屋外の柱上に設置されたＯＮＵ(Optical Network Unit)と屋外の電力線とを中継し、屋外のＣＡＴＶを屋内のＬＡＮケーブルと接続する技術を提案しているが、各家屋のブレーカの外側に接続される電力線に高周波を重畳して通信を行うことは規制により認められおらず、現実には実施することができない。さらに、この技術でも、ＬＡＮケーブルを屋内に配設する工事が必要になり、工事経費が必要になる不都合があった。
また、特許文献２では、屋外のＣＡＴＶ等と屋内の給電回路網とを屋外の外部給電網を介して接続しているが、この場合もブレーカの外側である外部給電網において高周波を重畳した通信が必要になり、上述した規制のために実際に実施することができない。
【０００６】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳの屋内でのケーブル線配線工事が不要になり、さらにブレーカの内側だけで電力線通信を行うＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、家屋外に配されＴＶ信号を伝送するケーブル線に接続可能で該ケーブル線を介して前記ＴＶ信号を受信するＴＶ通信部と、受信した前記ＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部と、変換された前記電力線通信信号を電力線を介して送信する電力線通信部と、前記電力線通信部に接続され電力線のコンセント部に接続可能なプラグ部と、を備えていることを特徴とする。
【０００８】
このＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置では、家屋外のＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳ用のケーブル線にＴＶ通信部を接続すると共に、家屋のブレーカの内側に配線された電力線のコンセント部、特に屋外に外灯用等のために設けたコンセント部にプラグ部を接続するので、既に家屋に配設されている電力線に容易に接続可能であり、ＴＶ信号を電力線通信信号に変換して電力線を介してＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳ等のＴＶ信号を受信することができる。したがって、ケーブル線を屋内に引き込む工事や部屋間に配設する工事等が不要になると共に、ブレーカの内側の電力線に直接、信号を送信することができる。
【０００９】
また、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、前記ケーブル線が、ＣＡＴＶのケーブル線であり、前記ＴＶ信号が、ＣＡＴＶ信号であることを特徴とする。
また、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、前記ケーブル線が、衛星放送受信用アンテナに接続された衛星放送用のケーブル線であり、前記ＴＶ信号が、衛星放送のＴＶ信号であることを特徴とする。
【００１０】
また、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、前記ＴＶ通信部と前記信号変換部と前記電力線通信部とが、防塵性及び防水性を有する筐体内に内蔵されていることを特徴とする。すなわち、このＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置では、防塵・防水性筐体内にＴＶ通信部と信号変換部と電力線通信部とが内蔵されているので、屋外に配されたコンセント部にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置を接続して屋外設置の状態においても、埃や雨水から内部の回路等を保護することができる。
【００１１】
また、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、前記ＴＶ信号及び前記電力線通信信号が、ブロードバンド通信のブロードバンド信号を含み、前記電力線通信部が、前記電力線通信信号の前記ブロードバンド信号を電力線を介して受信する機能を有し、前記信号変換部が、受信した前記電力線通信信号の前記ブロードバンド信号をＴＶ信号に変換する機能を有し、前記ＴＶ通信部が、変換された前記ＴＶ信号の前記ブロードバンド信号を前記ケーブル線を介して送信する機能を有していることを特徴とする。すなわち、このＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置では、電力線通信部がブロードバンド信号の受信機能を有し、信号変換部が、ＴＶ信号への変換機能を有し、さらにＴＶ通信部がブロードバンド信号の送信機能を有しているので、ＴＶ信号及びブロードバンド信号の受信だけでなく、電力線を介したブロードバンド信号の送信も可能になり、インターネット網を利用した双方向通信が可能になる。
【００１２】
本発明のＴＶ信号電力線通信システムは、家屋外の外部電力線に接続されたブレーカと、前記ブレーカに接続された家屋の電力線と、前記家屋の電力線に接続されたコンセント部と、前記コンセント部に接続された上記本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置と、前記ブレーカと前記家屋の電力線との間に前記ブレーカ側への前記電力線通信信号の漏洩を遮断するブロッキングフィルタと、を備えていることを特徴とする。
【００１３】
このＴＶ信号電力線通信システムでは、家屋の電力線にコンセント部を介して上記本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置を接続すると共に、ブレーカと家屋の電力線との間にブロッキングフィルタを設けているので、既に家屋に配設された電力線を介してＴＶ信号を受信可能であると共に、ブロッキングフィルタにより電力線に重畳される高周波の信号がブレーカの外側に接続された外部電力線に漏洩することを防ぐことができる。
【００１４】
また、本発明のＴＶ信号電力線通信システムは、前記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置が屋外に配された前記コンセント部に接続されていることを特徴とする。すなわち、このＴＶ信号電力線通信システムでは、例えば外灯用等のために屋外に設置したコンセント部にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置が接続されているので、ケーブル線を屋内に引き込む工事が不要である。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムによれば、ＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳ用のケーブル線にＴＶ通信部を接続すると共に、家屋のブレーカの内側に配線された電力線のコンセント部、特に屋外に外灯用等のために設けたコンセント部にプラグ部を接続することで、ケーブル線を屋内に引き込む工事又は部屋間に配設する工事等が不要になると共に、ブレーカの内側の電力線に直接、信号を送信することができる。したがって、ケーブル線の配線工事の経費がかからず、低コストでＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳの視聴やデータ通信が可能になると共に、ＴＶ装置等の部屋間移動や追加設置も容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明に係るＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムの第１実施形態を、図１を参照しながら説明する。
【００１７】
本実施形態のＴＶ信号電力線通信システムは、図１に示すように、家屋１外の電力線である外部電力線Ｌ１に接続されたブレーカ２と、ブレーカ２に接続された家屋１の電力線Ｌ２と、家屋１の電力線Ｌ２に接続されたコンセント部３と、コンセント部３に接続されたＣＡＴＶのＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４と、ブレーカ２と家屋１の電力線Ｌ２との間にブレーカ２側への電力線通信信号の漏洩を遮断するブロッキングフィルタ５と、を備えている。
【００１８】
上記家屋１は、一軒家の家屋だけでなくアパート、マンション及びビル等の建物を含むものとする。
上記ＴＶ信号は、ＣＡＴＶ信号だけでなくブロードバンド通信のブロードバンド信号も含むものとする。また、ＴＶ信号としては、デジタル放送の信号も含むものとする。
上記家屋１内には、複数の部屋６が設けられており、各部屋６内にコンセント部３がそれぞれ設けられている。また、コンセント部３は、家屋１の屋内に設置されたものだけでなく、外灯用等のために屋外、例えば家屋１の外壁面等にも設置されている。上記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４は、屋外に配されたコンセント部３に接続されている。
【００１９】
上記ブレーカ２は、外部電力線Ｌ１と家屋１の電力線Ｌ２とを接続しており、電力計も併せて設置されている。
上記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４は、ＣＡＴＶのケーブル線７に接続可能で該ケーブル線７を介してＣＡＴＶ信号を受信するＴＶ通信部８と、受信したＣＡＴＶのＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部９と、変換された電力線通信信号を電力線Ｌ２を介して送信する電力線通信部１０と、電力線通信部１０に接続され電力線Ｌ２のコンセント部３に接続可能なプラグ部１１と、ＴＶ通信部８と信号変換部９と電力線通信部１０とを内蔵する防塵性及び防水性を有する筐体１２と、を備えている。
【００２０】
上記信号変換部９は、ＴＶ信号のうちＣＡＴＶ信号を圧縮処理（エンコード）するエンコーダ１３と、ＴＶ信号のうちブロードバンド信号を復調及び変調するＤＡＴＡモデム１４と、を備えている。
また、上記電力線通信部１０は、電力線通信信号のブロードバンド信号を電力線Ｌ２を介して受信する機能も有し、信号変換部９は、受信した電力線通信信号のブロードバンド信号をＴＶ信号のブロードバンド信号に変換する機能も有している。さらに、ＴＶ通信部８は、変換されたＴＶ信号のブロードバンド信号をケーブル線７を介して送信する機能も有している。
【００２１】
上記家屋１の部屋６には、ＴＶ装置１５が設置され、電力線Ｌ２を介して電力線通信信号（主にＣＡＴＶ信号）を受信可能な電力線通信機能を有するＳＴＢ(Set Top Box)１６に接続されている。
また、ＴＶ装置１５が設置された部屋６とは異なる部屋６には、電力線Ｌ２を介して電力線通信信号（ＣＡＴＶ信号及びブロードバンド信号）を送受信可能な電力線通信機能を有するパーソナルコンピュータ１７が設置されている。これらのＳＴＢ１６及びパーソナルコンピュータ１７は、いずれも部屋６内のコンセント部３に接続されて電力供給を受けている。
【００２２】
上記筐体１２は、パッキンやシール材等を用いた密閉構造を有し、防塵性と少なくとも生活防水レベルの防水性とを兼ね備え、耐腐食性や耐紫外線劣化等の屋外耐久性に優れた樹脂又は金属の材料で構成されている。
【００２３】
次に、上記ＴＶ信号電力線通信システムにおけるＣＡＴＶ信号を含むＴＶ信号の送受信方法について、説明する。
【００２４】
まず、屋外に設置されたＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４のＴＶ通信部８において、ＣＡＴＶのケーブル線７を介して送信されるＣＡＴＶ信号を含むＴＶ信号を受信する。ＴＶ通信部８は、ＴＶ信号のうちＣＡＴＶ信号をエンコーダ１３に送ると共に、ブロードバンド信号をＤＡＴＡモデム１４に送る。エンコーダ１３は、ＣＡＴＶ信号を圧縮処理すると共に、このＣＡＴＶ信号を電力線通信部１０に送る。また、ＤＡＴＡモデム１４は、ブロードバンド信号をイーサネット（登録商標）変換により復調すると共にこのブロードバンド信号を電力線通信部１０に送る。
【００２５】
次に、電力線通信部１０は、ＣＡＴＶ信号及びブロードバンド信号を電力線通信信号としてプラグ部１１及びコンセント部３を介して電力線Ｌ２に高周波重畳させて伝送する。この際、家屋１の電力線Ｌ２に伝送される高周波のＣＡＴＶ信号及びブロードバンド信号は、ブロッキングフィルタ５によってこれより外側への伝送が遮断されるため、ブレーカ２より外側の外部電力線Ｌ１に漏洩しない。
【００２６】
次に、部屋６内のＴＶ装置１５に接続されたＳＴＢ１６は、電力線Ｌ２を介して送信されたＣＡＴＶ信号を受信すると共にチャンネル選択して再生可能なＴＶ信号に変換してＴＶ装置１５に送る。これにより、ＴＶ装置１５では、ＣＡＴＶによるＴＶ放送を再生することができる。
【００２７】
一方、別の部屋６内に設置されたパーソナルコンピュータ１７は、電力線Ｌ２を介して送信されたブロードバンド信号を受信する。逆に、パーソナルコンピュータ１７は、ブロードバンド通信によりデータを送信する場合、電力線Ｌ２を介してブロードバンド信号を送信する。ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４の電力線通信部１０は、屋外のコンセント部３及びプラグ部１１を介して電力線Ｌ２に高周波重畳された電力線通信信号のブロードバンド信号を受信すると共に、ＤＡＴＡモデム１４に送る。ＤＡＴＡモデム１４は、ブロードバンド信号を変調し、ＴＶ通信部８に送る。
【００２８】
そして、ＴＶ通信部８は、このブロードバンド信号をＴＶ信号としてＣＡＴＶのケーブル線７を介して送信する。このように、パーソナルコンピュータ１７では、ブロードバンド信号の双方向通信により、インターネット等のブロードバンド通信が可能である。なお、パーソナルコンピュータ１７にＳＴＢ１６と同様のＣＡＴＶ信号の受信機能が備えられていれば、上記ブロードバンド通信だけでなく、ＣＡＴＶのＴＶ放送の視聴も可能になる。
【００２９】
このように本実施形態では、家屋１の電力線Ｌ２にコンセント部３、特に屋外に外灯用等のために設けたコンセント部３を介してＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４を接続するので、既に家屋１に配設されている電力線Ｌ２に容易に接続可能であり、ＣＡＴＶ信号を電力線通信信号に変換して電力線Ｌ２を介してＣＡＴＶを受信することができる。したがって、ケーブル線７を屋内に引き込む工事や部屋６間に配設する工事等が不要になると共に、ブレーカ２の内側の電力線Ｌ２に直接、信号を送信することができる。
【００３０】
また、防塵・防水性の筐体１２内にＴＶ通信部８と信号変換部９と電力線通信部１０とが内蔵されているので、屋外に配されたコンセント部３にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４を接続して屋外設置の状態においても、埃や雨水から内部の回路等を保護することができる。
さらに、ブレーカ２と家屋１の電力線Ｌ２との間にブロッキングフィルタ５を設けているので、ブロッキングフィルタ５により電力線Ｌ２に重畳される高周波の信号がブレーカ２の外側に接続された外部電力線Ｌ１に漏洩することを防ぐことができる。
また、電力線通信部１０がブロードバンド信号の受信機能を有し、信号変換部９が、ＴＶ信号への変換機能を有し、さらにＴＶ通信部８がブロードバンド信号の送信機能を有しているので、ＣＡＴＶ信号及びブロードバンド信号の受信だけでなく、電力線Ｌ２を介したブロードバンド信号の送信も可能になり、インターネット網を利用した双方向通信が可能になる。
【００３１】
次に、本発明に係る第２実施形態について、以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【００３２】
第２実施形態と第１実施形態との異なる点は、第１実施形態では、ＣＡＴＶのケーブル線７にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４を接続して屋内でＣＡＴＶの視聴を可能にしているのに対し、第２実施形態では、図２に示すように、ＢＳ／ＣＳ受信用アンテナ（衛星放送受信用アンテナ）ＡＮＴが家屋外に設置され、該ＢＳ／ＣＳ受信用アンテナＡＮＴに接続されたＢＳ／ＣＳ用のケーブル線（衛星放送用のケーブル線）２７にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４を接続して屋内でＢＳ／ＣＳ放送の視聴を可能にしている点である。
【００３３】
この第２実施形態のＴＶ信号電力線通信システムは、家屋１外の電力線である外部電力線Ｌ１に接続されたブレーカ２と、ブレーカ２に接続された家屋１の電力線Ｌ２と、家屋１の電力線Ｌ２に接続されたコンセント部３と、コンセント部３に接続されたＢＳ／ＣＳのＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４と、ブレーカ２と家屋１の電力線Ｌ２との間にブレーカ２側への電力線通信信号の漏洩を遮断するブロッキングフィルタ５と、を備えている。
【００３４】
上記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４は、ＢＳ／ＣＳ用のケーブル線２７に接続可能でケーブル線２７を介してＢＳ／ＣＳ信号を受信するＢＳ／ＣＳチューナであるＴＶ通信部２８と、受信したＢＳ／ＣＳのＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部２９と、変換された電力線通信信号を電力線Ｌ２を介して送信する電力線通信部１０と、電力線通信部１０に接続され電力線Ｌ２のコンセント部３に接続可能なプラグ部１１と、ＴＶ通信部２８と信号変換部２９と電力線通信部１０とを内蔵する防塵性及び防水性を有する筐体１２と、を備えている。上記信号変換部２９は、ＴＶ信号のうちＢＳ／ＣＳ信号を圧縮処理（エンコード）するエンコーダ２３と、ＴＶ信号のうちブロードバンド信号を復調及び変調するＤＡＴＡモデム３４と、を備えている。
【００３５】
この第２実施形態では、まず、屋外に設置されたＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４のＴＶ通信部２８において、ＢＳ／ＣＳ用のケーブル線２７を介してＢＳ／ＣＳ受信用アンテナＡＮＴで受けたＢＳ／ＣＳ信号を含むＴＶ信号を受信する。ＴＶ通信部２８は、ＴＶ信号のうちＢＳ／ＣＳ信号をエンコーダ２３に送ると共に、ブロードバンド信号をＤＡＴＡモデム３４に送る。エンコーダ２３は、ＢＳ／ＣＳ信号を圧縮処理すると共に、このＢＳ／ＣＳ信号を電力線通信部１０に送る。また、ＤＡＴＡモデム３４は、ブロードバンド信号をイーサネット（登録商標）変換により復調すると共にこのブロードバンド信号を電力線通信部１０に送る。
【００３６】
次に、電力線通信部１０は、ＢＳ／ＣＳ信号及びブロードバンド信号を電力線通信信号としてプラグ部１１及びコンセント部３を介して電力線Ｌ２に高周波重畳させて伝送する。
次に、部屋６内のＴＶ装置１５に接続されたＳＴＢ１６は、電力線Ｌ２を介して送信されたＢＳ／ＣＳ信号を受信すると共にチャンネル選択して再生可能なＴＶ信号に変換してＴＶ装置１５に送る。これにより、ＴＶ装置１５では、ＢＳ／ＣＳ放送によるＴＶ放送を再生することができる。
【００３７】
一方、別の部屋６内に設置されたパーソナルコンピュータ１７は、電力線Ｌ２を介して送信されたブロードバンド信号を受信する。逆に、パーソナルコンピュータ１７は、ブロードバンド通信によりデータを送信する場合、電力線Ｌ２を介してブロードバンド信号を送信する。ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４の電力線通信部１０は、屋外のコンセント部３及びプラグ部１１を介して電力線Ｌ２に高周波重畳された電力線通信信号のブロードバンド信号を受信すると共に、ＤＡＴＡモデム３４に送る。ＤＡＴＡモデム３４は、ブロードバンド信号を変調し、ＴＶ通信部２８に送る。
【００３８】
そして、ＴＶ通信部２８は、このブロードバンド信号をＴＶ信号としてＢＳ／ＣＳ用のケーブル線２７を介して送信する。このように、パーソナルコンピュータ１７では、ブロードバンド信号の双方向通信により、インターネット等のブロードバンド通信が可能である。なお、パーソナルコンピュータ１７にＳＴＢ１６と同様のＢＳ／ＣＳ信号の受信機能が備えられていれば、上記ブロードバンド通信だけでなく、ＢＳ／ＣＳ放送の視聴も可能になる。
【００３９】
このように第２実施形態では、第１実施形態と同様に、家屋１の電力線Ｌ２にコンセント部３を介してＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４を接続するので、既に家屋１に配設されている電力線Ｌ２に容易に接続可能であり、ＢＳ／ＣＳ信号を電力線通信信号に変換して電力線Ｌ２を介してＢＳ／ＣＳ放送を受信することができる。したがって、ケーブル線２７を屋内に引き込む工事や部屋６間に配設する工事等が不要になると共に、ブレーカ２の内側の電力線Ｌ２に直接、信号を送信することができる。
【００４０】
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【００４１】
上記各実施形態では、屋外に設置されたコンセント部３にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４、２４を接続しているが、既に屋内にケーブル線７、２７が引き込まれている場合、屋内のケーブル線７、２７と屋内のコンセント部３とにＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４、２４を接続しても構わない。この場合も、ＴＶ装置１５を別の部屋６に移設する際も、別の部屋６へのケーブル線７、２７の配線工事を行う必要がなく、別の部屋６のコンセント部３にＳＴＢ１６を介してＴＶ装置１５を接続するだけでよい。
【図面の簡単な説明】
【００４２】
【図１】本発明の第１実施形態によるＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムを示すシステム全体の構成図である。
【図２】本発明の第２実施形態によるＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムを示すシステム全体の構成図である。
【符号の説明】
【００４３】
１…家屋、２…ブレーカ、３…コンセント部、４、２４…ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置、５…ブロッキングフィルタ、７、２７…ケーブル線、８、２８…ＴＶ通信部、９、２９…信号変換部、１０…電力線通信部、１１…プラグ部、１２…筐体、１５…ＴＶ装置、１６…ＳＴＢ、１７…パーソナルコンピュータ、ＡＮＴ…ＢＳ／ＣＳ受信用アンテナ（衛星放送受信用アンテナ）、Ｌ１…外部電力線、Ｌ２…電力線
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ＣＡＴＶ（ケーブルテレビジョン）やＢＳ／ＣＳ（ＢＳ：「Broadcasting Satellite（放送衛星）」、ＣＳ：「Communication Satellite（通信衛星）」）放送を屋内で容易に視聴可能にするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
一般に、ＣＡＴＶのケーブル線は、ＣＡＴＶ局から視聴者の家屋まで光ファイバケーブルや同軸ケーブルで配設されている。また、ＢＳ／ＣＳ放送においても、家屋外に設置された受信用アンテナにケーブル線が接続され、このケーブル線が家屋内に引き込まれている。これらのケーブル線は、屋内のテレビ装置に接続するために家屋の壁にケーブル線用の挿通孔を開け、ケーブル線を屋内に引き込む工事が通常行われている。また、複数の部屋にテレビ装置が設置されている場合には、部屋間の壁にもケーブル線用の挿通孔を形成してケーブル線を配設するか、壁内にケーブル線を配設する工事が行われる。
【０００３】
また、ＣＡＴＶを介してＴＶ信号だけでなくブロードバンド信号を送受信可能にしてブロードバンド通信を行うサービスも行われており、従来、例えば特許文献１には、ＣＡＴＶの光ファイバケーブルからの信号を電力線を介して各ユーザ宅内に敷設したＬＡＮケーブルに送信し、屋内のＴＶ装置やパーソナルコンピュータに伝送するブロードバンド通信及びＴＶ放送の融合伝送システムが提案されている。また、特許文献２には、外部の電話線やＣＡＴＶと屋外の給電網を介して接続された屋内の給電回路網で、外界との通信も可能な屋内用の通信システムが提案されている。
【０００４】
【特許文献１】特開２００２−２１７９３７号公報
【特許文献２】特表２００４−５１６６８９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、従来は、ＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳ用のケーブル線を屋内に引き込むためや複数の部屋に配設するために挿通孔を開けたり壁内に配設する等の配線工事が必要であり、手間であると共に工事の経費がかかってしまう不都合があった。また、ＴＶ装置を別の部屋等に移動した場合、ケーブル線もＴＶ装置を移設した部屋に新たに配設する必要があり、ＴＶ装置を容易に移動することができなかった。
また、特許文献１では、屋外の柱上に設置されたＯＮＵ(Optical Network Unit)と屋外の電力線とを中継し、屋外のＣＡＴＶを屋内のＬＡＮケーブルと接続する技術を提案しているが、各家屋のブレーカの外側に接続される電力線に高周波を重畳して通信を行うことは規制により認められおらず、現実には実施することができない。さらに、この技術でも、ＬＡＮケーブルを屋内に配設する工事が必要になり、工事経費が必要になる不都合があった。
また、特許文献２では、屋外のＣＡＴＶ等と屋内の給電回路網とを屋外の外部給電網を介して接続しているが、この場合もブレーカの外側である外部給電網において高周波を重畳した通信が必要になり、上述した規制のために実際に実施することができない。
【０００６】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳの屋内でのケーブル線配線工事が不要になり、さらにブレーカの内側だけで電力線通信を行うＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、家屋外に配されＴＶ信号を伝送するケーブル線に接続可能で該ケーブル線を介して前記ＴＶ信号を受信するＴＶ通信部と、受信した前記ＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部と、変換された前記電力線通信信号を電力線を介して送信する電力線通信部と、前記電力線通信部に接続され電力線のコンセント部に接続可能なプラグ部と、を備えていることを特徴とする。
【０００８】
このＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置では、家屋外のＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳ用のケーブル線にＴＶ通信部を接続すると共に、家屋のブレーカの内側に配線された電力線のコンセント部、特に屋外に外灯用等のために設けたコンセント部にプラグ部を接続するので、既に家屋に配設されている電力線に容易に接続可能であり、ＴＶ信号を電力線通信信号に変換して電力線を介してＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳ等のＴＶ信号を受信することができる。したがって、ケーブル線を屋内に引き込む工事や部屋間に配設する工事等が不要になると共に、ブレーカの内側の電力線に直接、信号を送信することができる。
【０００９】
また、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、前記ケーブル線が、ＣＡＴＶのケーブル線であり、前記ＴＶ信号が、ＣＡＴＶ信号であることを特徴とする。
また、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、前記ケーブル線が、衛星放送受信用アンテナに接続された衛星放送用のケーブル線であり、前記ＴＶ信号が、衛星放送のＴＶ信号であることを特徴とする。
【００１０】
また、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、前記ＴＶ通信部と前記信号変換部と前記電力線通信部とが、防塵性及び防水性を有する筐体内に内蔵されていることを特徴とする。すなわち、このＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置では、防塵・防水性筐体内にＴＶ通信部と信号変換部と電力線通信部とが内蔵されているので、屋外に配されたコンセント部にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置を接続して屋外設置の状態においても、埃や雨水から内部の回路等を保護することができる。
【００１１】
また、本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置は、前記ＴＶ信号及び前記電力線通信信号が、ブロードバンド通信のブロードバンド信号を含み、前記電力線通信部が、前記電力線通信信号の前記ブロードバンド信号を電力線を介して受信する機能を有し、前記信号変換部が、受信した前記電力線通信信号の前記ブロードバンド信号をＴＶ信号に変換する機能を有し、前記ＴＶ通信部が、変換された前記ＴＶ信号の前記ブロードバンド信号を前記ケーブル線を介して送信する機能を有していることを特徴とする。すなわち、このＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置では、電力線通信部がブロードバンド信号の受信機能を有し、信号変換部が、ＴＶ信号への変換機能を有し、さらにＴＶ通信部がブロードバンド信号の送信機能を有しているので、ＴＶ信号及びブロードバンド信号の受信だけでなく、電力線を介したブロードバンド信号の送信も可能になり、インターネット網を利用した双方向通信が可能になる。
【００１２】
本発明のＴＶ信号電力線通信システムは、家屋外の外部電力線に接続されたブレーカと、前記ブレーカに接続された家屋の電力線と、前記家屋の電力線に接続されたコンセント部と、前記コンセント部に接続された上記本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置と、前記ブレーカと前記家屋の電力線との間に前記ブレーカ側への前記電力線通信信号の漏洩を遮断するブロッキングフィルタと、を備えていることを特徴とする。
【００１３】
このＴＶ信号電力線通信システムでは、家屋の電力線にコンセント部を介して上記本発明のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置を接続すると共に、ブレーカと家屋の電力線との間にブロッキングフィルタを設けているので、既に家屋に配設された電力線を介してＴＶ信号を受信可能であると共に、ブロッキングフィルタにより電力線に重畳される高周波の信号がブレーカの外側に接続された外部電力線に漏洩することを防ぐことができる。
【００１４】
また、本発明のＴＶ信号電力線通信システムは、前記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置が屋外に配された前記コンセント部に接続されていることを特徴とする。すなわち、このＴＶ信号電力線通信システムでは、例えば外灯用等のために屋外に設置したコンセント部にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置が接続されているので、ケーブル線を屋内に引き込む工事が不要である。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムによれば、ＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳ用のケーブル線にＴＶ通信部を接続すると共に、家屋のブレーカの内側に配線された電力線のコンセント部、特に屋外に外灯用等のために設けたコンセント部にプラグ部を接続することで、ケーブル線を屋内に引き込む工事又は部屋間に配設する工事等が不要になると共に、ブレーカの内側の電力線に直接、信号を送信することができる。したがって、ケーブル線の配線工事の経費がかからず、低コストでＣＡＴＶやＢＳ／ＣＳの視聴やデータ通信が可能になると共に、ＴＶ装置等の部屋間移動や追加設置も容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明に係るＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムの第１実施形態を、図１を参照しながら説明する。
【００１７】
本実施形態のＴＶ信号電力線通信システムは、図１に示すように、家屋１外の電力線である外部電力線Ｌ１に接続されたブレーカ２と、ブレーカ２に接続された家屋１の電力線Ｌ２と、家屋１の電力線Ｌ２に接続されたコンセント部３と、コンセント部３に接続されたＣＡＴＶのＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４と、ブレーカ２と家屋１の電力線Ｌ２との間にブレーカ２側への電力線通信信号の漏洩を遮断するブロッキングフィルタ５と、を備えている。
【００１８】
上記家屋１は、一軒家の家屋だけでなくアパート、マンション及びビル等の建物を含むものとする。
上記ＴＶ信号は、ＣＡＴＶ信号だけでなくブロードバンド通信のブロードバンド信号も含むものとする。また、ＴＶ信号としては、デジタル放送の信号も含むものとする。
上記家屋１内には、複数の部屋６が設けられており、各部屋６内にコンセント部３がそれぞれ設けられている。また、コンセント部３は、家屋１の屋内に設置されたものだけでなく、外灯用等のために屋外、例えば家屋１の外壁面等にも設置されている。上記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４は、屋外に配されたコンセント部３に接続されている。
【００１９】
上記ブレーカ２は、外部電力線Ｌ１と家屋１の電力線Ｌ２とを接続しており、電力計も併せて設置されている。
上記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４は、ＣＡＴＶのケーブル線７に接続可能で該ケーブル線７を介してＣＡＴＶ信号を受信するＴＶ通信部８と、受信したＣＡＴＶのＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部９と、変換された電力線通信信号を電力線Ｌ２を介して送信する電力線通信部１０と、電力線通信部１０に接続され電力線Ｌ２のコンセント部３に接続可能なプラグ部１１と、ＴＶ通信部８と信号変換部９と電力線通信部１０とを内蔵する防塵性及び防水性を有する筐体１２と、を備えている。
【００２０】
上記信号変換部９は、ＴＶ信号のうちＣＡＴＶ信号を圧縮処理（エンコード）するエンコーダ１３と、ＴＶ信号のうちブロードバンド信号を復調及び変調するＤＡＴＡモデム１４と、を備えている。
また、上記電力線通信部１０は、電力線通信信号のブロードバンド信号を電力線Ｌ２を介して受信する機能も有し、信号変換部９は、受信した電力線通信信号のブロードバンド信号をＴＶ信号のブロードバンド信号に変換する機能も有している。さらに、ＴＶ通信部８は、変換されたＴＶ信号のブロードバンド信号をケーブル線７を介して送信する機能も有している。
【００２１】
上記家屋１の部屋６には、ＴＶ装置１５が設置され、電力線Ｌ２を介して電力線通信信号（主にＣＡＴＶ信号）を受信可能な電力線通信機能を有するＳＴＢ(Set Top Box)１６に接続されている。
また、ＴＶ装置１５が設置された部屋６とは異なる部屋６には、電力線Ｌ２を介して電力線通信信号（ＣＡＴＶ信号及びブロードバンド信号）を送受信可能な電力線通信機能を有するパーソナルコンピュータ１７が設置されている。これらのＳＴＢ１６及びパーソナルコンピュータ１７は、いずれも部屋６内のコンセント部３に接続されて電力供給を受けている。
【００２２】
上記筐体１２は、パッキンやシール材等を用いた密閉構造を有し、防塵性と少なくとも生活防水レベルの防水性とを兼ね備え、耐腐食性や耐紫外線劣化等の屋外耐久性に優れた樹脂又は金属の材料で構成されている。
【００２３】
次に、上記ＴＶ信号電力線通信システムにおけるＣＡＴＶ信号を含むＴＶ信号の送受信方法について、説明する。
【００２４】
まず、屋外に設置されたＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４のＴＶ通信部８において、ＣＡＴＶのケーブル線７を介して送信されるＣＡＴＶ信号を含むＴＶ信号を受信する。ＴＶ通信部８は、ＴＶ信号のうちＣＡＴＶ信号をエンコーダ１３に送ると共に、ブロードバンド信号をＤＡＴＡモデム１４に送る。エンコーダ１３は、ＣＡＴＶ信号を圧縮処理すると共に、このＣＡＴＶ信号を電力線通信部１０に送る。また、ＤＡＴＡモデム１４は、ブロードバンド信号をイーサネット（登録商標）変換により復調すると共にこのブロードバンド信号を電力線通信部１０に送る。
【００２５】
次に、電力線通信部１０は、ＣＡＴＶ信号及びブロードバンド信号を電力線通信信号としてプラグ部１１及びコンセント部３を介して電力線Ｌ２に高周波重畳させて伝送する。この際、家屋１の電力線Ｌ２に伝送される高周波のＣＡＴＶ信号及びブロードバンド信号は、ブロッキングフィルタ５によってこれより外側への伝送が遮断されるため、ブレーカ２より外側の外部電力線Ｌ１に漏洩しない。
【００２６】
次に、部屋６内のＴＶ装置１５に接続されたＳＴＢ１６は、電力線Ｌ２を介して送信されたＣＡＴＶ信号を受信すると共にチャンネル選択して再生可能なＴＶ信号に変換してＴＶ装置１５に送る。これにより、ＴＶ装置１５では、ＣＡＴＶによるＴＶ放送を再生することができる。
【００２７】
一方、別の部屋６内に設置されたパーソナルコンピュータ１７は、電力線Ｌ２を介して送信されたブロードバンド信号を受信する。逆に、パーソナルコンピュータ１７は、ブロードバンド通信によりデータを送信する場合、電力線Ｌ２を介してブロードバンド信号を送信する。ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４の電力線通信部１０は、屋外のコンセント部３及びプラグ部１１を介して電力線Ｌ２に高周波重畳された電力線通信信号のブロードバンド信号を受信すると共に、ＤＡＴＡモデム１４に送る。ＤＡＴＡモデム１４は、ブロードバンド信号を変調し、ＴＶ通信部８に送る。
【００２８】
そして、ＴＶ通信部８は、このブロードバンド信号をＴＶ信号としてＣＡＴＶのケーブル線７を介して送信する。このように、パーソナルコンピュータ１７では、ブロードバンド信号の双方向通信により、インターネット等のブロードバンド通信が可能である。なお、パーソナルコンピュータ１７にＳＴＢ１６と同様のＣＡＴＶ信号の受信機能が備えられていれば、上記ブロードバンド通信だけでなく、ＣＡＴＶのＴＶ放送の視聴も可能になる。
【００２９】
このように本実施形態では、家屋１の電力線Ｌ２にコンセント部３、特に屋外に外灯用等のために設けたコンセント部３を介してＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４を接続するので、既に家屋１に配設されている電力線Ｌ２に容易に接続可能であり、ＣＡＴＶ信号を電力線通信信号に変換して電力線Ｌ２を介してＣＡＴＶを受信することができる。したがって、ケーブル線７を屋内に引き込む工事や部屋６間に配設する工事等が不要になると共に、ブレーカ２の内側の電力線Ｌ２に直接、信号を送信することができる。
【００３０】
また、防塵・防水性の筐体１２内にＴＶ通信部８と信号変換部９と電力線通信部１０とが内蔵されているので、屋外に配されたコンセント部３にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４を接続して屋外設置の状態においても、埃や雨水から内部の回路等を保護することができる。
さらに、ブレーカ２と家屋１の電力線Ｌ２との間にブロッキングフィルタ５を設けているので、ブロッキングフィルタ５により電力線Ｌ２に重畳される高周波の信号がブレーカ２の外側に接続された外部電力線Ｌ１に漏洩することを防ぐことができる。
また、電力線通信部１０がブロードバンド信号の受信機能を有し、信号変換部９が、ＴＶ信号への変換機能を有し、さらにＴＶ通信部８がブロードバンド信号の送信機能を有しているので、ＣＡＴＶ信号及びブロードバンド信号の受信だけでなく、電力線Ｌ２を介したブロードバンド信号の送信も可能になり、インターネット網を利用した双方向通信が可能になる。
【００３１】
次に、本発明に係る第２実施形態について、以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【００３２】
第２実施形態と第１実施形態との異なる点は、第１実施形態では、ＣＡＴＶのケーブル線７にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４を接続して屋内でＣＡＴＶの視聴を可能にしているのに対し、第２実施形態では、図２に示すように、ＢＳ／ＣＳ受信用アンテナ（衛星放送受信用アンテナ）ＡＮＴが家屋外に設置され、該ＢＳ／ＣＳ受信用アンテナＡＮＴに接続されたＢＳ／ＣＳ用のケーブル線（衛星放送用のケーブル線）２７にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４を接続して屋内でＢＳ／ＣＳ放送の視聴を可能にしている点である。
【００３３】
この第２実施形態のＴＶ信号電力線通信システムは、家屋１外の電力線である外部電力線Ｌ１に接続されたブレーカ２と、ブレーカ２に接続された家屋１の電力線Ｌ２と、家屋１の電力線Ｌ２に接続されたコンセント部３と、コンセント部３に接続されたＢＳ／ＣＳのＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４と、ブレーカ２と家屋１の電力線Ｌ２との間にブレーカ２側への電力線通信信号の漏洩を遮断するブロッキングフィルタ５と、を備えている。
【００３４】
上記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４は、ＢＳ／ＣＳ用のケーブル線２７に接続可能でケーブル線２７を介してＢＳ／ＣＳ信号を受信するＢＳ／ＣＳチューナであるＴＶ通信部２８と、受信したＢＳ／ＣＳのＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部２９と、変換された電力線通信信号を電力線Ｌ２を介して送信する電力線通信部１０と、電力線通信部１０に接続され電力線Ｌ２のコンセント部３に接続可能なプラグ部１１と、ＴＶ通信部２８と信号変換部２９と電力線通信部１０とを内蔵する防塵性及び防水性を有する筐体１２と、を備えている。上記信号変換部２９は、ＴＶ信号のうちＢＳ／ＣＳ信号を圧縮処理（エンコード）するエンコーダ２３と、ＴＶ信号のうちブロードバンド信号を復調及び変調するＤＡＴＡモデム３４と、を備えている。
【００３５】
この第２実施形態では、まず、屋外に設置されたＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４のＴＶ通信部２８において、ＢＳ／ＣＳ用のケーブル線２７を介してＢＳ／ＣＳ受信用アンテナＡＮＴで受けたＢＳ／ＣＳ信号を含むＴＶ信号を受信する。ＴＶ通信部２８は、ＴＶ信号のうちＢＳ／ＣＳ信号をエンコーダ２３に送ると共に、ブロードバンド信号をＤＡＴＡモデム３４に送る。エンコーダ２３は、ＢＳ／ＣＳ信号を圧縮処理すると共に、このＢＳ／ＣＳ信号を電力線通信部１０に送る。また、ＤＡＴＡモデム３４は、ブロードバンド信号をイーサネット（登録商標）変換により復調すると共にこのブロードバンド信号を電力線通信部１０に送る。
【００３６】
次に、電力線通信部１０は、ＢＳ／ＣＳ信号及びブロードバンド信号を電力線通信信号としてプラグ部１１及びコンセント部３を介して電力線Ｌ２に高周波重畳させて伝送する。
次に、部屋６内のＴＶ装置１５に接続されたＳＴＢ１６は、電力線Ｌ２を介して送信されたＢＳ／ＣＳ信号を受信すると共にチャンネル選択して再生可能なＴＶ信号に変換してＴＶ装置１５に送る。これにより、ＴＶ装置１５では、ＢＳ／ＣＳ放送によるＴＶ放送を再生することができる。
【００３７】
一方、別の部屋６内に設置されたパーソナルコンピュータ１７は、電力線Ｌ２を介して送信されたブロードバンド信号を受信する。逆に、パーソナルコンピュータ１７は、ブロードバンド通信によりデータを送信する場合、電力線Ｌ２を介してブロードバンド信号を送信する。ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４の電力線通信部１０は、屋外のコンセント部３及びプラグ部１１を介して電力線Ｌ２に高周波重畳された電力線通信信号のブロードバンド信号を受信すると共に、ＤＡＴＡモデム３４に送る。ＤＡＴＡモデム３４は、ブロードバンド信号を変調し、ＴＶ通信部２８に送る。
【００３８】
そして、ＴＶ通信部２８は、このブロードバンド信号をＴＶ信号としてＢＳ／ＣＳ用のケーブル線２７を介して送信する。このように、パーソナルコンピュータ１７では、ブロードバンド信号の双方向通信により、インターネット等のブロードバンド通信が可能である。なお、パーソナルコンピュータ１７にＳＴＢ１６と同様のＢＳ／ＣＳ信号の受信機能が備えられていれば、上記ブロードバンド通信だけでなく、ＢＳ／ＣＳ放送の視聴も可能になる。
【００３９】
このように第２実施形態では、第１実施形態と同様に、家屋１の電力線Ｌ２にコンセント部３を介してＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置２４を接続するので、既に家屋１に配設されている電力線Ｌ２に容易に接続可能であり、ＢＳ／ＣＳ信号を電力線通信信号に変換して電力線Ｌ２を介してＢＳ／ＣＳ放送を受信することができる。したがって、ケーブル線２７を屋内に引き込む工事や部屋６間に配設する工事等が不要になると共に、ブレーカ２の内側の電力線Ｌ２に直接、信号を送信することができる。
【００４０】
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【００４１】
上記各実施形態では、屋外に設置されたコンセント部３にＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４、２４を接続しているが、既に屋内にケーブル線７、２７が引き込まれている場合、屋内のケーブル線７、２７と屋内のコンセント部３とにＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置４、２４を接続しても構わない。この場合も、ＴＶ装置１５を別の部屋６に移設する際も、別の部屋６へのケーブル線７、２７の配線工事を行う必要がなく、別の部屋６のコンセント部３にＳＴＢ１６を介してＴＶ装置１５を接続するだけでよい。
【図面の簡単な説明】
【００４２】
【図１】本発明の第１実施形態によるＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムを示すシステム全体の構成図である。
【図２】本発明の第２実施形態によるＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置及びＴＶ信号電力線通信システムを示すシステム全体の構成図である。
【符号の説明】
【００４３】
１…家屋、２…ブレーカ、３…コンセント部、４、２４…ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置、５…ブロッキングフィルタ、７、２７…ケーブル線、８、２８…ＴＶ通信部、９、２９…信号変換部、１０…電力線通信部、１１…プラグ部、１２…筐体、１５…ＴＶ装置、１６…ＳＴＢ、１７…パーソナルコンピュータ、ＡＮＴ…ＢＳ／ＣＳ受信用アンテナ（衛星放送受信用アンテナ）、Ｌ１…外部電力線、Ｌ２…電力線
【特許請求の範囲】
【請求項１】
家屋外に配されＴＶ信号を伝送するケーブル線に接続可能で該ケーブル線を介して前記ＴＶ信号を受信するＴＶ通信部と、
受信した前記ＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部と、
変換された前記電力線通信信号を電力線を介して送信する電力線通信部と、
前記電力線通信部に接続され電力線のコンセント部に接続可能なプラグ部と、
を備えていることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項２】
請求項１に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置において、
前記ケーブル線が、ＣＡＴＶのケーブル線であり、
前記ＴＶ信号が、ＣＡＴＶ信号であることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項３】
請求項１に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置において、
前記ケーブル線が、衛星放送受信用アンテナに接続された衛星放送用のケーブル線であり、
前記ＴＶ信号が、衛星放送のＴＶ信号であることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項４】
請求項１から３のいずれか一項に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置において、
前記ＴＶ通信部と前記信号変換部と前記電力線通信部とが、防塵性及び防水性を有する筐体内に内蔵されていることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項５】
請求項１から４のいずれか一項に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置において、
前記ＴＶ信号及び前記電力線通信信号が、ブロードバンド通信のブロードバンド信号を含み、
前記電力線通信部が、前記電力線通信信号の前記ブロードバンド信号を電力線を介して受信する機能を有し、
前記信号変換部が、受信した前記電力線通信信号の前記ブロードバンド信号をＴＶ信号に変換する機能を有し、
前記ＴＶ通信部が、変換された前記ＴＶ信号の前記ブロードバンド信号を前記ケーブル線を介して送信する機能を有していることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項６】
家屋外の外部電力線に接続されたブレーカと、
前記ブレーカに接続された家屋の電力線と、
前記家屋の電力線に接続されたコンセント部と、
前記コンセント部に接続された請求項１から５のいずれか一項に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置と、
前記ブレーカと前記家屋の電力線との間に前記ブレーカ側への前記電力線通信信号の漏洩を遮断するブロッキングフィルタと、を備えていることを特徴とするＴＶ信号電力線通信システム。
【請求項７】
請求項６に記載のＴＶ信号電力線通信システムにおいて、
前記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置が屋外に配された前記コンセント部に接続されていることを特徴とするＴＶ信号電力線通信システム。
【請求項１】
家屋外に配されＴＶ信号を伝送するケーブル線に接続可能で該ケーブル線を介して前記ＴＶ信号を受信するＴＶ通信部と、
受信した前記ＴＶ信号を電力線通信信号に変換する信号変換部と、
変換された前記電力線通信信号を電力線を介して送信する電力線通信部と、
前記電力線通信部に接続され電力線のコンセント部に接続可能なプラグ部と、
を備えていることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項２】
請求項１に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置において、
前記ケーブル線が、ＣＡＴＶのケーブル線であり、
前記ＴＶ信号が、ＣＡＴＶ信号であることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項３】
請求項１に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置において、
前記ケーブル線が、衛星放送受信用アンテナに接続された衛星放送用のケーブル線であり、
前記ＴＶ信号が、衛星放送のＴＶ信号であることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項４】
請求項１から３のいずれか一項に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置において、
前記ＴＶ通信部と前記信号変換部と前記電力線通信部とが、防塵性及び防水性を有する筐体内に内蔵されていることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項５】
請求項１から４のいずれか一項に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置において、
前記ＴＶ信号及び前記電力線通信信号が、ブロードバンド通信のブロードバンド信号を含み、
前記電力線通信部が、前記電力線通信信号の前記ブロードバンド信号を電力線を介して受信する機能を有し、
前記信号変換部が、受信した前記電力線通信信号の前記ブロードバンド信号をＴＶ信号に変換する機能を有し、
前記ＴＶ通信部が、変換された前記ＴＶ信号の前記ブロードバンド信号を前記ケーブル線を介して送信する機能を有していることを特徴とするＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置。
【請求項６】
家屋外の外部電力線に接続されたブレーカと、
前記ブレーカに接続された家屋の電力線と、
前記家屋の電力線に接続されたコンセント部と、
前記コンセント部に接続された請求項１から５のいずれか一項に記載のＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置と、
前記ブレーカと前記家屋の電力線との間に前記ブレーカ側への前記電力線通信信号の漏洩を遮断するブロッキングフィルタと、を備えていることを特徴とするＴＶ信号電力線通信システム。
【請求項７】
請求項６に記載のＴＶ信号電力線通信システムにおいて、
前記ＴＶ信号ケーブル−電力線接続装置が屋外に配された前記コンセント部に接続されていることを特徴とするＴＶ信号電力線通信システム。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２００７−２２８５７５（Ｐ２００７−２２８５７５Ａ）
【公開日】平成１９年９月６日（２００７．９．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１９７３０（Ｐ２００７−１９７３０）
【出願日】平成１９年１月３０日（２００７．１．３０）
【出願人】（０００００６２６４）三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年９月６日（２００７．９．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年１月３０日（２００７．１．３０）
【出願人】（０００００６２６４）三菱マテリアル株式会社 (4,417)
【Ｆターム（参考）】
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