説明

USBデバイス装置

【課題】接続スピードを確保すると共に省電力化を図る。
【解決手段】High−Speedに対応したマルチファンクションプリンターにおいて、スリープ条件が成立したときには、ユーザーPCにプリンターステータスを通知することにより(S260)、ユーザーPCからUSBバスに”SetPortFeature(PORT_SUSPEND)”を発行させてSuspend状態とすることにより、USBバスをFull−SpeedでIdle状態とする。また、ユーザーPCとFull−Speedで通信している最中にユーザーPCから高速でのデータのやり取りが必要な印刷ジョブやスキャンジョブを受け付けたときには、Full−Speedでの接続を遮断し、High−Speedで再接続する(S200〜S240)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、USBホスト装置と通信可能でHigh−Speedに対応したUSBデバイス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のUSBデバイス装置としては、USB規格のHigh−Speedに対応したものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、電池を電源として動作するよう構成されており、High−Speedの通信速度で通信している最中に電池の残容量が少なくなったときには、リセット信号を発行し、High−SpeedからFull−Speedに変更することにより、機器の動作時間をできる限り長くしようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−310174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、High−Speedモードでは接続スピードはFull−Speedよりも高いものの、約18mAの電流を常時流し続けているため、省電力化には不向きである。近年、機器の高性能化と共に省電力化の要請も次第に高まってきており、接続スピードと省電力化の両立が求められている。
【0005】
本発明のUSBデバイス装置は、省電力化を図ることを主目的とする。
【0006】
本発明のUSBデバイス装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1のUSBデバイス装置は、
USBホスト装置と通信可能でHigh−Speedに対応したUSBデバイス装置であって、
前記USBホスト装置と通信が可能な通信手段と、
前記通信手段により前記High−Speedで前記USBホスト装置とUSB接続されている最中にスリープ状態に移行するための所定の条件が成立した場合には、前記USBホスト装置と接続をFull−Speedに切り替える接続手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本発明の第1のUSBデバイス装置では、High−SpeedでUSBホスト装置とUSB接続されている最中にスリープ状態に移行するための所定の条件が成立した場合には、USBホスト装置とのUSB接続をFull−Speedに切り替えるから、Full−Speedでスリープ状態に移行することができ、省電力化を図ることができる。ここで、「所定の条件」には、所定時間に亘って無操作状態が続いたときに成立する条件やUSBホスト装置から所定時間に亘って指令が受け付けられなかったときに成立する条件などが含まれる。
【0009】
また、本発明の第1のUSBデバイス装置において、前記接続手段は、前記Full−Speedで前記USBホスト装置と接続している最中に通信データ量が所定量を超える場合には、前記Full−SpeedのUSB接続を切断すると共に前記High−Speedで再接続する手段であるものとすることもできる。こうすれば、通信スピードと省電力化とを両立させることができる。この態様の本発明の第1のUSBデバイス装置において、前記接続手段は、前記Full−Speedで前記USBホスト装置と接続している最中に該USBホスト装置からステータスの取得が要求された場合には前記Full−Speedを維持し、前記USBホスト装置からジョブを受け付けた場合に前記USB接続を切断すると共に前記High−Speedで前記USBホスト装置と再接続する手段であるものとすることもできる。さらにこの態様の本発明の第1のUSBデバイス装置において、前記USBホスト装置からのジョブとして印刷ジョブを受け付けて印刷を実行する印刷装置として機能するものとすることもできるし、前記USBホスト装置からのジョブとしてスキャンジョブを受け付けてスキャンを行なうスキャナー装置として機能するものとすることもできる。
【0010】
本発明の第2のUSBデバイス装置は、
USBホスト装置と通信可能でHigh−Speedに対応したUSBデバイス装置であって、
前記USBホスト装置と通信が可能な通信手段と、
前記通信手段により前記High−SpeedまたはFull−Speedで前記USBホスト装置とUSB接続されている最中にスリープ状態に移行するための所定の条件が成立した場合には、前記USBホスト装置との接続をSuspendに切り替える接続手段と
を備えることを要旨とする。
【0011】
この本発明の第2のUSBデバイス装置では、High−SpeedまたはFull−SpeedでUSBホスト装置とUSB接続されている最中にスリープ状態に移行するための所定の条件が成立した場合には、USBホスト装置との接続をSuspendに切り替える。これにより、USB接続はFull−SpeedのIdle状態となるため、省電力化を図ることができる。ここで、「所定の条件」には、所定時間に亘って無操作状態が続いたときに成立する条件やUSBホスト装置から所定時間に亘って指令が受け付けられなかったときに成立する条件などが含まれる。
【0012】
こうした本発明の第2のUSBデバイス装置において、前記接続手段は、前記Suspendで前記USBホスト装置と接続している最中に通信データがある場合に前記Suspendから復帰し、通信データ量が所定量を超える場合には前記High−Speedで再接続し、通信データ量が前記所定量を超えない場合には前記Full−Speedで再接続する手段であるものとすることもできるし、前記接続手段は、前記Suspendで前記USBホスト装置と接続している最中に前記USBホスト装置から通信コマンドがある場合に前記Suspendから復帰し、通信コマンドの内容に従い前記High−Speedで再接続か、前記Full−Speedで再接続かを判断して再接続を行なう手段であるものとすることもできる。こうすれば、通信スピードと省電力化とを両立させることができる。後者の場合、前記通信コマンドは、前記接続手段が前記High−Speedであるか前記Full−Speedであるかを指定する通信コマンドであるものとすることもできるし、前記通信コマンドは、前記通信コマンドの後に続いて行なわれる前記USBホスト装置との通信データ量を指定する通信コマンドであるものとすることもできるし、前記通信コマンドは、前記通信コマンドの後に続いて行なわれる前記USBホスト装置との通信データ種類を指定する通信コマンドであるものとすることもできる。また、本発明の第2のUSBデバイス装置において、前記接続手段は、前記Suspendで前記USBホスト装置と接続されている最中に通信データがある場合に前記Suspendから復帰し、通信データの種類に応じて前記High−Speedで再接続または前記Full−Speedで再接続する手段であるものとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態のプリントシステム10の概略構成図。
【図2】ユーザーPC側処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】プリンター側処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態であるプリントシステム10の構成の概略を示す構成図である。本実施形態のプリントシステム10は、図示するように、USBホストとしてのユーザーコンピューター(以下、ユーザーPCという)20とUSBデバイスとしてのマルチファンクションプリンター30とがUSBケーブル50により接続されたものとして構成されている。
【0015】
マルチファンクションプリンター30は、装置全体の制御を司るメインコントローラー31と、着色剤としてインクを記録紙Sに吐出することにより印刷を行なうプリンターユニット40と、原稿台に載置された原稿を光学的に読み取って画像データを生成するスキャナーユニット45と、USB2.0の仕様に準拠しUSBケーブル50を介してユーザーPC20との間でデータのやり取りを制御するUSBコントローラー36と、メモリーカードスロット37aに挿入されたメモリーカードMCとの間でデータの入出力を司るメモリーカードコントローラー37と、電源ボタンや動作モードを選択するためのモード選択ボタン,スタートボタンなどからなる操作部38と、商用電源からの電力を装置の各部へ供給する電源ユニット49とを備え、これらはバス39を介して電気的に接続されている。なお、モード選択ボタンにより選択できる動作モードとしては、原稿台の原稿を読み取るスキャンモードや原稿台の原稿を読み取って印刷を行なうコピーモード,メモリーカードMCに保存されている画像データを読み取って印刷を行なうメモリーカードモードなどがある。
【0016】
プリンターユニット40は、プリンターASIC42とプリンターエンジン44とを備える。プリンターASIC42は、プリンターエンジン44を制御する集積回路であり、メインコントローラー31から印刷指令を受けると、印刷指令の対象となる画像ファイルに基づいて用紙に印刷するようプリンターエンジン44を制御する。プリンターエンジン44は、印刷ヘッドから用紙へインクを吐出することにより印刷を行なう周知のインクジェット方式のカラープリンター機構として構成されている。なお、ASICは、Application Specific Integrated Circuitの略である。
【0017】
スキャナーユニット45は、スキャナーASIC46とスキャナーエンジン48とを備える。スキャナーASIC46は、スキャナーエンジン48を制御する集積回路であり、メインコントローラー31からのスキャン指令を受けると、原稿台に載置された原稿を画像データとして読み取るようスキャナーエンジン48を制御する。また、スキャナーエンジン48は、周知のイメージスキャナーとして構成され、原稿に向かって発光したあとの反射光をレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の各色に分解してスキャンデータとする周知のカラーイメージセンサーを備える。
【0018】
メモリーカードコントローラー37は、メモリーカードスロット37aに挿入されたメモリーカードMCとの間でデータのやり取りを行なうことにより、メモリーカードMCに保存されているファイルを読み出してメインコントローラー31に送信したりメインコントローラー31からの指令に応じてメモリーカードMCにデータを書き込んだりする。
【0019】
USBコントローラー36は、USB2.0に準拠し、High−Speed転送とFull−Speed転送とに対応したコントローラーである。USBは、VBUSラインとGNDラインの2本の電源系ラインと、D+ラインとD−ラインの2本の信号系ラインと、を有しており、電源系ラインを介して+5Vの電力を供給し、信号系ラインを介してデータのやり取りが行なわれる。
【0020】
メインコントローラー31は、CPU32を中心とするマイクロプロセッサーとして構成されており、各種処理プログラムを記憶したROM33と、一時的にデータを記憶するRAM34と、タイマー35とを備える。RAM34には、ユーザーPC20から受信した指令やリクエスト(例えば、印刷指令やスキャン指令などのジョブ実行指令や、操作部38(スタートボタンなど)の操作情報やインクカートリッジ内のインク残量,エラー情報などのステータスリクエストなど)を格納するための受信バッファーが設けられている。
【0021】
本実施形態のマルチファンクションプリンター30では、プリンターユニット40やスキャナーユニット45が備えるセンサーやモーターなどの各部への給電を停止して省電力化を図るスリープモードを有している。本実施形態では、マルチファンクションプリンター30(操作部38)の無操作状態が所定時間以上に亘って継続したりユーザーPC20からの指令がない状態が所定時間以上に亘って継続したりするなどのスリープ条件が成立した場合にスリープモードに移行し、操作部38に対して何らかの操作が行われたりユーザーPC20からの指令を受信したときなどのスリープ解除条件が成立した場合にスリープモードから復帰する。
【0022】
ユーザーPC20は、コントローラー21と、液晶ディスプレーとしての表示部25と、USBコントローラー26と、USBコントローラー26に接続されたUSBハブ27と、インターフェース(I/F)28とを備える汎用のパーソナルコンピューターであり、図示しないHDDにインストールされたプログラム(プリンタードライバー)により各種指令をマルチファンクションプリンター30に送信したりマルチファンクションプリンター30からの応答を受信したりする。USBコントローラー26は、USB2.0に準拠し、High−Speed転送とFull−Speed転送に対応したコントローラーである。USBハブ27は、複数のポート27a,27bを有しており、その一つにUSBケーブル50を介してマルチファンクションプリンター30に接続されている。
【0023】
次に、こうして構成された本実施形態のプリントシステム10の動作、特に、マルチファンクションプリンター30がスリーブモードに移行する際の動作について説明する。まず、ユーザーPC20側の動作を説明し、その後に、マルチファンクションプリンター30側の動作について説明する。図2は、ユーザーPC側処理の一例を示すフローチャートであり、図3は、プリンター側処理の一例を示すフローチャートである。
【0024】
ユーザーPC側処理では、コントローラー21のCPU22は、必要に応じてマルチファンクションプリンター30に対して指令やリクエストを行なう場合などに通信し、マルチファンクションプリンター30との通信が不要となると(ステップS100)、マルチファンクションプリンター30に対してプリンター状態を取得する(ステップS110)。取得したプリンター状態がスリープモードへ移行する状態のときには(ステップS120)、USBハブ27にUSBデバイスであるマルチファンクションプリンター30をSuspend状態にするためのリクエストである”SetPortFeature(PORT_SUSPEND)”を発行する(ステップS130)。”SetPortFeature(PORT_SUSPEND)”の発行は、USBハブ27の複数のポート27a,27bのうちマルチファンクションプリンター30が接続された対象ポート27bだけが選択的にSuspendされるよう、Indexフィールドにポート番号を、ValueフィールドにPORT_SUSPENDをそれぞれセットすることにより行なわれる。これにより、USBハブ27は対象ポートに対して如何なるトラフィックも送らないため、Suspend状態となる。このとき、接続モードはHigh−Speedで接続されていてもFull−Speedに切り替えられるから、Suspend状態にあるときの消費電力は比較的小さなものとなる。そして、マルチファンクションプリンター30との通信が不要であるか否かを判定し(ステップS140)、通信が必要となったときには、Resume信号を発行してホストであるユーザーPC20がUSBバスをIdle状態から変化させることにより、Resume状態として(ステップS150)、ステップS100に戻る。一方、通信が不要なときには、マルチファンクションプリンター30からResume信号を受信するのを待ち(ステップS160)、Resume信号を受信したときには、Suspend状態から復帰(Resume状態)して(ステップS170)、ステップS100に戻る。
【0025】
プリンター側処理では、メインコントローラ31のCPU32は、ユーザーPC20からの指令が受け付けられるまで待ち(ステップS200)、指令が受け付けられると、その指令が高速でのデータのやり取りが必要となる印刷ジョブやスキャンジョブであるか否か(ステップS210)、現在の接続モードがFull−Speedであるか否か(ステップS220)、それぞれを判定する。現在の接続モードがFull−SpeedであるがユーザーPC20からの指令がインク残量やエラー情報などのリクエストなど高速でのデータのやり取りが必要でない指令のときや、現在の接続モードがHigh−Speedであるときにはその接続モードを維持してステップS200に戻る。現在の接続モードがFull−Speedであり且つユーザーPC20からの指令が印刷ジョブやスキャンジョブのときには、ユーザーPC20とのUSB接続を遮断することによりポートをリセットし(ステップS230)、High−Speedで再接続する(ステップS240)。ここで、High−Speedでの再接続は、D+をプルアップしてFull−Speed機器であることをユーザーPC20に通知することにより、この通知を受けたユーザーPC20がUSBバスリセットを発行し、マルチファンクションプリンター30がバスリセット期間中にChirp−K信号を発行し、このChirp−K信号を受けたユーザーPC20がChirp−K信号とChirp−J信号とを交互に発行する(交互シーケンス)ことにより、互いにHigh−Speed対応であることが認識されることにより行なわれる。なお、バスリセット期間中にマルチファンクションプリンター30がChirp−K信号を発行しないときには接続はFull−Speedで行なわれる。そして、前述したスリープ条件が成立しているか否かを判定し(ステップS250)、スリープ条件が成立していないときにはステップS200に戻り、スリープ条件が成立したときにはユーザーPC20からのステータス情報のリクエストを待って(ステップS255)、スリープ状態の移行をユーザーPC20に通知する(ステップS260)。マルチファンクションプリンター30は、スリープ条件が成立したときにはスリープモードに移行し、省電力状態となる。このとき、ユーザーPC20は、スリープ状態の移行の通知を受けたときに、USBをSuspend状態とするから、USBバスはFull−SpeedでIdle状態に入り、消費電力は最小限に抑えられる。その後、スリープ解除条件が成立すると(ステップS270)、Resume信号の発行によりUSBバスをIdle状態から変化させてホスト(ユーザーPC20)を起こす(リモートウェイクアップ)ことによりUSBをSuspend状態からResume状態に切り替えて(ステップS280)、ステップS200に戻る。なお、本実施形態では、Resume状態への復帰は、Full−Speedで行なわれ、前述したように、現在の接続モードがFull−Speedであり且つユーザーPC20からの指令が印刷ジョブやスキャンジョブのときに、High−Speedに切り替えられる。
【0026】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態のUSBコントローラー36が本発明の通信手段に相当し、図3のプリンター側処理を実行するメインコントローラー31が接続手段に相当する。
【0027】
以上説明した本実施形態のマルチファンクションプリンター30によれば、High−Speedに対応したマルチファンクションプリンター30において、スリープ条件が成立したときには、ユーザーPC20にリクエストすることにより、ユーザーPC20からUSBバス27に”SetPortFeature(PORT_SUSPEND)”を発行してUSBをSuspend状態にすることにより、USBバスをFull−SpeedでIdle状態とするから、消費電力を抑えることができる。しかも、ユーザーPC20とFull−Speedで通信している最中にユーザーPC20から高速でのデータのやり取りが必要な印刷ジョブやスキャンジョブを受け付けたときには、Full−Speedでの接続を遮断し、High−Speedで再接続するから、省電力化を図りつつ、迅速なデータのやり取りを行なうことができる。
【0028】
本実施形態のマルチファンクションプリンター30では、スリープ条件が成立したときにはマルチファンクションプリンター30のステータスをユーザーPC20に通知することにより、ユーザーPC20に”SetPortFeature(PORT_SUSPEND)”を発行させてSuspend状態(Full−SpeedでIdle状態)にするものとしたが、Suspend状態にすることなく、単にHigh−SpeedからFull−Speedの状態に切り替えるものとしてもよい。
【0029】
本実施形態のマルチファンクションプリンター30では、Full−Speedで通信している最中にユーザーPC20からステータス情報の取得が要求された場合にはFull−Speedを維持し印刷ジョブやスキャンジョブを受け付けた場合にはFull−SpeedからHigh−Speedに切り替えるものとしたが、こうした通信データの種類によりFull−SpeedとHigh−Speedとを切り替えるものに限られず、通信でやり取りするデータ量を直接モニターするものとし、通信データ量が閾値を超えない場合にはFull−Speedを維持し通信データ量が閾値を超えた場合にはFull−SpeedからHigh−Speedに切り替えるものとしてもよい。
【0030】
本実施形態では、本発明をプリンターユニット40とスキャナーユニット45とを備えるマルチファンクションプリンター30に適用して説明したが、プリンターユニットのみを備えるプリンターに適用するものとしてもよいし、スキャナーユニットのみを備えるスキャナーに適用するものとしてもよい。また、USBホスト装置と通信可能でHigh−Speedに対応したUSBデバイス装置であれば、他の如何なる機器に適用するものとしてもよい。
【0031】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0032】
10 プリントシステム、20 ユーザーPC、21 コントローラー、22 CPU、23 ROM、24 RAM、25 表示部、26 USBコントローラー、27 USBハブ、27a,27b ポート、28 インターフェース(I/F)、30 マルチファンクションプリンター、31 メインコントローラー、32 CPU、33 ROM、34 RAM、35 タイマー、36 USBコントローラー、37 メモリーカードコントローラー、37a メモリーカードスロット、38 操作部、39 バス、40 プリンターユニット、42 プリンターASIC、44 プリンターエンジン、45 スキャナーユニット、46 スキャナーASIC、48 スキャナーエンジン、49 電源ユニット、50 USBケーブル、MC メモリーカード。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USBホスト装置と通信可能でHigh−Speedに対応したUSBデバイス装置であって、
前記USBホスト装置と通信が可能な通信手段と、
前記通信手段により前記High−Speedで前記USBホスト装置とUSB接続されている最中にスリープ状態に移行するための所定の条件が成立した場合には、前記USBホスト装置との接続をFull−Speedに切り替える接続手段と
を備えるUSBデバイス装置。
【請求項2】
前記接続手段は、前記Full−Speedで前記USBホスト装置と接続している最中に通信データ量が所定量を超える場合には、前記Full−SpeedのUSB接続を切断すると共に前記High−Speedで再接続する手段である請求項1記載のUSBデバイス装置。
【請求項3】
前記接続手段は、前記Full−Speedで前記USBホスト装置と接続している最中に該USBホスト装置からステータス情報をやり取りする場合には前記Full−Speedを維持し、前記USBホスト装置からジョブを受け付けた場合には前記USB接続を切断すると共に前記High−Speedで前記USBホスト装置と再接続する手段である請求項2記載のUSBデバイス装置。
【請求項4】
前記USBホスト装置からのジョブとして印刷ジョブを受け付けて印刷を実行する印刷装置として機能する請求項3記載のUSBデバイス装置。
【請求項5】
前記USBホスト装置からのジョブとしてスキャンジョブを受け付けてスキャンを行なうスキャナー装置として機能する請求項3記載のUSBデバイス装置。
【請求項6】
USBホスト装置と通信可能でHigh−Speedに対応したUSBデバイス装置であって、
前記USBホスト装置と通信が可能な通信手段と、
前記通信手段により前記High−SpeedまたはFull−Speedで前記USBホスト装置とUSB接続されている最中にスリープ状態に移行するための所定の条件が成立した場合には、前記USBホスト装置との接続をSuspendに切り替える接続手段と
を備えるUSBデバイス装置。
【請求項7】
前記接続手段は、前記Suspendで前記USBホスト装置と接続している最中に通信データがある場合に前記Suspendから復帰し、通信データ量が所定量を超える場合には前記High−Speedで再接続し、通信データ量が前記所定量を超えない場合には前記Full−Speedで再接続する手段である請求項6記載のUSBデバイス装置。
【請求項8】
前記接続手段は、前記Suspendで前記USBホスト装置と接続している最中に前記USBホスト装置から通信コマンドがある場合に前記Suspendから復帰し、通信コマンドの内容に従い前記High−Speedで再接続か、前記Full−Speedで再接続かを判断して再接続を行なう手段である請求項6記載のUSBデバイス装置。
【請求項9】
前記通信コマンドは、前記接続手段が前記High−Speedであるか前記Full−Speedであるかを指定する通信コマンドである請求項8記載のUSBデバイス装置。
【請求項10】
前記通信コマンドは、前記通信コマンドの後に続いて行なわれる前記USBホスト装置との通信データ量を指定する通信コマンドである請求項8記載のUSBデバイス装置。
【請求項11】
前記通信コマンドは、前記通信コマンドの後に続いて行なわれる前記USBホスト装置との通信データ種類を指定する通信コマンドである請求項8記載のUSBデバイス装置。
【請求項12】
前記接続手段は、前記Suspendで前記USBホスト装置と接続されている最中に通信データがある場合に前記Suspendから復帰し、通信データの種類に応じて前記High−Speedで再接続または前記Full−Speedで再接続する手段である請求項6記載のUSBデバイス装置。
【請求項13】
前記所定の条件は、所定時間に亘って無操作状態が続いたときに成立する条件である請求項1ないし12いずれか1項に記載のUSBデバイス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−134186(P2011−134186A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294242(P2009−294242)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】