説明

X線レンズアセンブリおよび該アセンブリを有するX線装置

X線レンズアセンブリを含む装置であるX線レンズアセンブリとX線レンズアセンブリの製造方法とが記載される。X線アセンブリは、X線の導入開口部(90)とX線の導出開口部(94)とを含む管部材(50)を有する。加えてアセンブリは、管部材(50)の内部に取り付けられるキャピラリX線レンズ(28)を有する。安定化材により、および/または一つ以上の分離した取り付け構造(96A,96B)により、X線レンズ(28)が管部材(50)の内部に取り付けられる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線レンズアセンブリとかかるアセンブリを製造する方法とに関連する。本発明はさらに、X線レンズアセンブリを有するX線分光計またはX線回折計などのX線装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
20年以上前のいわゆるX線レンズ(「クマコフレンズ」とも呼ばれる)の登場は、冶金学、地質学、化学、法医学の研究所および税関検査など様々な分野に広範囲の用途を持つ軽量の携帯用X線装置の基礎を形作った。従来の光学レンズが可視または近可視光子を方向修正するのと同じように、X線レンズはX線放射帯域の電磁放射を方向修正してX線ビームを平行にするか集束させる。
【0003】
X線レンズは従来、複数のキャピラリ(毛細管)から形成される。各キャピラリはその前端部で捕捉されたX線を全外反射により他端部へ案内する。この法則は、前端部での入射角が臨界角を越えない限り、この原則が当てはまる。臨界角を超えると、X線はもはやキャピラリ内では捕捉されない。このような場合、キャピラリはX線に対して透過性となる。
【0004】
X線レンズは当初、数メートルの範囲の寸法を持つかさばる装置であった。このように大きな寸法は、主として個々のキャピラリを所定箇所に保持するのに必要とされる独立した支持構造の結果であった。ガラスドロー技術を用いて一つ以上のガラスキャピラリ束からX線レンズが生産される場合には支持構造が省略されることが認められると、X線レンズの工業的使用は容易になった。キャピラリ外被部を一緒に溶融することにより、独立した支持構造が不要となった。
【0005】
今日、X線レンズは、携帯用X線分光計、軽量X線回折計、および他の多くの小型装置に商業的に用いられている。このような装置は一般的に、X線源(X線管など)、X線レンズ、および検出器を有する。X線源から発せられたX線は、X線レンズによりサンプル上の小さな点に集束する。検出器は、サンプルから戻るX線を検出し、例えばサンプルに含有される化学元素を判断するためスペクトル分析される出力信号を発生させる。
【0006】
X線装置では、X線装置の正しい動作を保証するようにX線レンズが確実に取り付けられなければならない。X線レンズはたいてい、レンズからX線源とサンプルの一方または両方のいずれかまでの距離が調節自在であるように取り付けられなければならない。キャピラリX線レンズの破損しやすさのため、X線レンズの運搬、取り付け、調節はたいてい難題である。X線レンズが様々な個々の寸法を持っているという事実のため、X線レンズの取り付けはさらに複雑である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、キャピラリX線レンズの運搬と取り付けと調節のうち少なくとも一つを容易にするX線レンズアセンブリが求められている。また、このようなX線レンズアセンブリを有するX線装置ならびにX線レンズアセンブリの製造方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、X線の導入開口部およびX線の導出開口部を有する管部材と、該管部材の内部に取り付けられるキャピラリX線レンズとを有するX線レンズアセンブリが提供される。
【0009】
管部材は、任意の形状の内側および外側断面を持つ。断面は例えば円形、楕円形、多角形である。X線レンズは一つ以上のキャピラリを有する。キャピラリは一つまたはいくつかのキャピラリ束に分けられる。
【0010】
一変形例では、X線レンズは安定化材(stabilizing agent)により管部材の内部に取り付けられる。安定化材(例えば接着剤)は、硬化性と相互結合性のうち少なくとも一方を備えていることが好ましい。
【0011】
管部材の導入開口部と導出開口部との間の範囲では、X線レンズと管部材との間に少なくとも一つの室が画定される。少なくとも一つの室は、様々な目的を果たす。一実施形態では、少なくとも一つの室に安定化材が充填される。
【0012】
管部材の導入開口部と導出開口部との間には、一つ以上の別の開口部が設けられている。一つ以上の別の開口部は、少なくとも一つの室と連通していることが好ましい。別の開口部は、室に安定化材を充填するのに用いられる。これに加えて、あるいはこれに代えて、一つ以上の開口部が(例えば管部材へのX線レンズの挿入時および/または室への安定化材の充填時に)空気導出として機能してもよい。
【0013】
安定化材に加えて、または安定化材に代えて、管部材の内部にX線レンズを取り付けるために一つ以上の取り付け構造が設けられてもよい。管部材の軸方向に少なくとも一つの室を規定するため、軸方向に離間した二つの取り付け構造が設けられてもよい。
【0014】
一つ以上の取り付け構造は、X線レンズが収容される略円形の開口部を有する。一つ以上の取り付け構造は、弾性リング(例えばOリング)などの少なくとも一つの弾性部材を有する。
【0015】
少なくとも一つの取り付け構造は、管部材の内部におけるX線レンズの軸方向変位を可能にする。管部材に対するX線レンズの位置を調節する時に軸方向変位が必要になる。さらに、X線源とX線で照射されるサンプルのうち少なくとも一方に対するX線レンズの位置決めに関連して軸方向調節が必要である。
【0016】
管部材は、鋼などX線に対してほぼ透過性の材料から製作されることが好ましい。一実施形態では、管部材の軸方向長さはX線レンズの軸方向長さと等しいかこれより長い。
【0017】
本発明の別の態様によれば、X線装置が提供される。X線装置は、X線源と、X線の導入開口部およびX線の導出開口部を有する管部材ならびに該管部材の内部に取り付けられるキャピラリX線レンズを有するX線レンズアセンブリとを有する。
【0018】
本発明のまた別の態様によれば、X線レンズアセンブリを製造する方法が提供される。かかる方法は、X線の導入開口部およびX線の導出開口部を有する管部材を用意するステップと、キャピラリX線レンズを用意するステップと、管部材の内部にX線レンズを取り付けるステップとを有する。
【0019】
X線レンズを管部材の内部に取り付けるステップは、管部材とX線レンズとの間の軸方向距離に少なくとも二つのレンズ取り付け構造を配置するサブステップを有していてもよい。これに加えて、またはこれに代えて、前記取り付けるステップは、管部材とX線レンズとの間に少なくとも一つの室を画定するサブステップと、少なくとも一つの室に安定化材を充填するサブステップとを有していてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の別の態様、効果、変形例を、好適な実施形態についての以下の説明および図面によって明らかにする。
【0021】
以下では、安定化材が充填される室を画定する軸方向に離間した二つの取り付け構造を有するX線レンズアセンブリを有するX線分光計の形の好適な実施形態を参照して、発明を例示的に説明する。なお、本発明は、回折計など他のX線装置において、X線レンズを管部材の内部に取り付けるための異なる機構を用いて実行されてもよい。例えば、X線レンズと管部材との間における充分に信頼できる接続を取り付け構造が可能にする場合には、安定化材が省略されてもよい。代替例として、安定化材が管部材におけるX線レンズの確実かつ耐久性のある取り付けを可能にする場合には、取り付け構造が完全に省略(または後で除去)されてもよい。また、取り付け構造の数およびタイプは変化してもよい。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるX線分光計10の断面図を示す。分光計10は、X線管で構成されるX線源12を有する。分光計10はさらに、シャッタ14と、位置決め・遮蔽モジュール16と、サンプル位置決めプラットフォーム22にサンプル20が配置されるサンプルハウジング18と、検出器24とを有する。
【0023】
X線源12の内部で発生され参照番号26で示されるX線ビームは、光軸30に沿ってシャッタ14を通過する。管部材50の内部に取り付けられたキャピラリX線(クマコフ)レンズ28は、サンプル20上の小さな点にX線ビームを集束させる(なお、図1の概略図では、サンプル20のサイズは誇張されている)。検出器24は、サンプル20から反射したX線を収集して、サンプル20に含有される化学元素を示すスペクトル信号を出力する。図1の図では、X線源12とシャッタ14とは、その構造をより良く図示するため、分光器10の光軸30を中心として90°回転されている。
【0024】
図1に見られる分光計10は、小型の卓上型であり、現場での分析のため持ち運び可能である。サンプルは、固体、粉末、プレスペレット、液体、顆粒、フィルム、コーティングを含む広範囲の物理的形状で用意される。大気条件における分光計10の一般的な元素検出の可能性は、アルミニウム(A)からウラン(U)までである。分光計10は、非常に低い元素濃度および20μmのサンプルサイズまでの質的および量的な元素分析を可能にする。
【0025】
従来のX線管と同様に、X線源12は、電子を放出する陰極32と、陰極32により放出された電子を収集する陽極34とを含む。こうして、陰極32と陽極32にわたって接続された高電圧の結果、電流の流れが確立される。X線源12の内部での電子の流れは、陽極34上の非常に小さな点(「ホットスポット」)に集束する。陽極34と衝突する電子の運動エネルギーの消滅時に「ホットスポット」36で発生するX線の一部の漏出を可能にするように、陽極34は、電子流に対する垂線から一般的に5乃至15度離れた正確な角度を持つ。こうして発生されたX線ビーム26は、基本的に電子流の方向に対して垂直に、基本的に光軸30に沿って、「ホットスポット」36から発散角度で放出される。
【0026】
X線源12から放出されたX線は、最初に、X線源12のハウジング38に装着されたシャッタ14を通過する。シャッタ14は、X線源12の内部で発生されたX線ビーム26を選択的に遮断し、こうしてサンプル20の照射を「オン」または「オフ」に選択的に切り換えるための制御機構となる。
【0027】
位置決め・遮蔽モジュール16は(X線源12について)シャッタ14の下流に配置され、中間部材(図1には不図示)によりシャッタ14に固定装着されている。位置決め・遮蔽モジュール16は、X線遮蔽部品40と、X線レンズ28のための位置決め部品42と、X線レンズ28を備える管部材50を位置決め部品42に固定連結するためのレンズアセンブリ取り付け部品44とを含む。図1に概略的にのみ示された個々の部品40,42,44は、図2乃至図4の様々な図では一層詳細に図示されている。
【0028】
図3および図4から明らかとなるように、X線遮蔽部品40は、位置決め装置16全体をシャッタ14(そしてX線源12)に固定装着するための二つのねじ孔48を備える外側フランジ46を有する。そのため外側フランジ46は、シャッタ14・X線源12に対する位置決め・遮蔽モジュール16の中間部材として機能する。X線遮蔽部品40はさらに、X線ビームを基本的に管部材50の導入開口部90に制限するための構造要素を有する。
【0029】
以下でさらに詳しく説明するように、X線レンズ28は管部材50の内部に固定取り付けされている。また管部材50は取り付け部品44に固定連結されている。取り付け部品44は、位置決め部品42に装着されるベース部材52を有する。ベース部材52は、管部材50を収容するための中央開口部を有する。外側ねじ部分56を備える複数の凸部54が、ベース部材52の開口部から管部材50の軸方向に延出する。
【0030】
レンズ取り付け部品44はさらに、管部材50が延在する中央開口部を備えるカラー部材58を有する。カラー部材58は、凸部54にねじ止めされ、外側ねじ部分56と協働する。管部材50に対して垂直にカラー部材58に延在する追加のねじ(不図示)により、ねじがカラー部材58へねじ止めされると、凸部54の少なくとも一つの自由端部は管形部材50の方へ移動する。したがって、一方の管形部材50と他方のレンズ取り付け部品44との間のクランプ接続が確立される。
【0031】
位置決め部品42は、レンズ取り付け部品44の上流に配置され、二つの平行移動ステージ60,62に加えて二つの角度計(角移動)ステージ64,66を含む。図2から分かるように、レンズ取り付け手段44のベース部材52は、第1平行移動ステージ60の底部に装着されている。
【0032】
個々の位置決めステージ60,62,64,66は前後に配置されている。最も下流の位置決めステージとしての第1平行移動ステージ60から始まり、第2平行移動ステージ62と、第1角度計ステージ64と、最も上流の位置決めステージとしての第2角度計ステージ66が続く。位置決めステージ60,62,64,68の各々は、管形部材50が延在する中央X線通路68,70,72,74をそれぞれ有する。
【0033】
組合せでは、第1平行移動ステージ60と第2平行移動ステージ62とはxy平行移動ステージを形成する。したがって、第1平行移動ステージ60は、図2では管形部材50の軸に対して垂直かつ描画面に対して平行に延在する第1平行移動軸すなわちx軸を有する。第2平行移動ステージ62は、x軸に対して垂直かつ管形部材50の軸に対して垂直に延在する第2平行移動軸すなわちy軸を有する。それぞれのノブにより、第1および第2平行移動ステージ60,62は相互に独立して作動する。図面に示されていない代替例では、第1および第2平行移動軸の両方に対して垂直に延在する第3平行移動軸(z軸)を有する第3平行移動ステージが設けられてもよい。
【0034】
二つの角度計ステージ64,66は、二つの平行移動ステージ60,62の上流に配置されている。組合せでは、第1角度計ステージ64と第2角度計ステージ66とは、共通回転中心の周りの二つの独立した回転を行うシータ・フィー角度計を形成する。この共通回転中心は、図1に示された「ホットスポット」36、つまりX線源12のX線放射部分により概ね構成される。
【0035】
第1角度計ステージ64の作動は、図1に示された「ホットスポット」36を通り、光軸30に対して垂直な図1の描画面に延在する第1傾斜軸を中心として、(X線レンズを備える)管部材50を傾斜させる。第2角度計ステージ66の作動は、やはり「ホットスポット」36を通り、第1傾斜軸と図1の描画面の両方に対して垂直である第2傾斜軸を中心として管部材50を傾斜させる。
【0036】
X線遮蔽部品40(図1には概略的にのみ示されているが図4には完全な形で示されている)は、フランジ部分46(図4)の開口部92に延在するねじを介して第2平行移動ステージ66の上流端部に装着されている。遮蔽部品40は、管形部材50の上流(導入)開口部90により画定される円形X線通路の外側のX線をすべて遮断する構造を持ち、こうして位置決め部品42をX線から効果的に遮蔽する。したがって、位置決め部品42(平行移動ステージ60,62および角度計ステージ64,66など)の個々の部品は、X線の安全問題なしで、概してX線に対して透過性であるかほぼ透過性である従来の材料(アルミニウムなど)から製造される。
【0037】
図5は、管部材50と、管部材50の内部に取り付けられたキャピラリX線レンズ28とを含むX線レンズアセンブリの断面図を示す。図2と4を参照してすでに説明したX線の導入開口部90に追加して、管部材50はさらにX線の導出開口部94を含む。図5に示された実施形態では、管部材50は、X線レンズ28の長さよりも長い長さを有する。代替実施形態では、管部材50の長さは、X線レンズ28の長さと等しいかこれより短くなるように選択される。
【0038】
図5に示されたX線レンズアセンブリは、弾性Oリングの形の二つの取り付け構造96A,96Bを有する。第1取り付け構造26Aは管部材50の導出開口部94に近接して配置され、第2取り付け構造96は導入開口部90に近接して配置されている。二つの取り付け構造96A,96Bは、管部材50の内面とX線レンズ28の外面との間に設けられる室98を規定する。管部材50におけるX線レンズ28の位置を確実に安定化する硬化接着剤が室98に充填される。接着剤は、二つの取り付け構造96A,96Bの間の範囲の管部材50の壁に設けられた開口部100から室98に充填されている。
【0039】
図5に示されたX線レンズアセンブリは、以下のように製造することができる。最初に、二つの取り付け構造(つまりOリング)96A,96BがX線レンズ28の本体に置かれ、前もって位置決めされる。その後、X線レンズ28が取り付け構造96A,96Bとともに管部材50に導入される。次のステップでは、X線レンズ28が管部材50に対して正しい軸方向位置に置かれる。図5に示された実施形態では、管部材50の導入開口部90と同じ平面にX線レンズ28の導入開口部102を配置することにより、正しい軸方向位置が得られる。この平面は、管部材50およびX線レンズ28の軸と直角に交差する。
【0040】
X線レンズが管部材50内の正しい軸方向位置に置かれてしまうと、取り付け構造96A,96Bが管部材50へ均一に押圧される。X線レンズ28の樽形状(中央が両端部よりも厚い)のため、管部材50へ(両側から)押入されると、弾性取り付け構造96A,96Bは拡張する。この拡張により、X線レンズ28は管部材50にクランプされる。さらに、取り付け構造96A,96Bは、室98の横方向端部の流体密封終端部となる。取り付け構造96A,96Bを管部材50へ押入すると、X線レンズ28は自動的にセンタリングされる。より詳しく述べると、X線レンズ28の長手軸は管部材50の長手軸に対して整合される。
【0041】
次のステップでは、管部材50に対するX線レンズ28の軸方向位置が再度チェックされ、必要であれば補正される。最後のステップでは、管部材50の壁の一つ以上の開口部100から、粘性を持つ接着剤が室98へ導入される。比較的高い粘性を持つ接着剤(シリコン接着剤など)を選択することにより、開口部100の数および寸法を抑えることができる。開口部100の数は4個以下まで抑えられることが好ましく、多くの場合には2個の開口部100で充分である。
【0042】
組立状態では、管部材50は、運搬および/または取り付け部品44への取り付けおよび/または位置決め部品42による調節の間、キャピラリX線レンズ28の機械的保護として機能する。管部材50は異なる寸法のX線レンズ28を収容できるため、取り付け部品44を管部材50の外径に予め適合させることができる。追加で、X線レンズ28の調節の基準は、管部材50の導入開口部90または導出開口部94により画定される平面となるように選択することができる。したがって、(たとえばX線レンズ28の異なる導入焦点距離により)必要となるX線レンズ28の軸方向位置の変動は、管部材50内におけるX線レンズ28の適切な軸方向位置を選択することにより対処される。したがって、異なるタイプのX線レンズ28を調節するための付加的な特製フランジまたはアダプタの必要はない。管部材50内におけるX線28の軸方向位置について残る公差(一般的には±2.5mm以下)は、図1乃至4に示された位置決めユニット42により補正される。
【0043】
特定の実施形態に関して本発明を説明したが、本発明がここに説明および図示された具体的な実施形態に限定されないことは当業者に明らかである。そのため、本開示が単に例示的であることは言うまでもない。本発明は、添付の特許請求の範囲に記載された範囲のみにより限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明のX線分光計の一実施形態の断面図を示す。
【図2】図1のX線分光計に含まれるレンズアセンブリの取り付け・位置決め装置の断面図を示す。
【図3】図2の装置の下流端部の斜視図を示す。
【図4】図2の装置の上流端部の斜視図を示す。
【図5】レンズ取り付けアセンブリの一実施形態の断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線の導入開口部(90)およびX線の導出開口部(94)を含む管部材(50)と、
前記管部材(50)の内部に取り付けられたキャピラリX線レンズ(28)と、
を有するX線レンズアセンブリ。
【請求項2】
前記X線レンズ(28)が安定化材により前記管部材(50)の内部に取り付けられる、請求項1に記載のX線レンズアセンブリ。
【請求項3】
前記安定化材が接着剤を含む、請求項2に記載のX線レンズアセンブリ。
【請求項4】
さらに、前記導入開口部(90)と前記導出開口部(94)との間の範囲において前記X線レンズ(28)と前記管部材(50)との間に画定される少なくとも一つの室(98)を有する、請求項1乃至3のいずれかに記載のX線レンズアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも一つの室(98)に前記安定化材が充填される、請求項4に記載のX線レンズアセンブリ。
【請求項6】
さらに、前記導入開口部(90)と前記導出開口部(94)との間に配置された少なくとも一つの別の開口部(100)を有し、該少なくとも一つの別の開口部(100)が前記室(98)と連通状態にある、請求項4または5に記載のX線レンズアセンブリ。
【請求項7】
前記安定化材が前記少なくとも一つの別の開口部(100)から前記室(98)へ充填されている、請求項5または6に記載のX線レンズアセンブリ。
【請求項8】
前記X線レンズ(28)が一つ以上の取り付け構造(96A,96B)により前記管部材(50)の内部に取り付けられる、請求項1乃至7のいずれかに記載のX線レンズアセンブリ。
【請求項9】
前記少なくとも一つの室(98)が、軸方向に離間した二つの取り付け構造(96A,96B)により前記管部材(50)の軸方向に規定される、請求項8に記載のX線レンズアセンブリ。
【請求項10】
前記一つ以上の取り付け構造が少なくとも一つの弾性部材(96A,96B)を有する、請求項8または9に記載のX線レンズ。
【請求項11】
前記少なくとも一つの弾性部材が弾性リング(96A,96B)を有する、請求項10に記載のX線レンズアセンブリ。
【請求項12】
前記少なくとも一つの取り付け構造(96A,96B)が、前記管部材(50)の内部における前記X線レンズ(28)の軸方向変位を可能にする、請求項8乃至11のいずれかに記載のX線レンズ。
【請求項13】
X線源(12)と、
X線の導入開口部(90)およびX線の導出開口部(94)を有する管部材(50)ならびに前記管部材(50)の内部に取り付けられたキャピラリX線レンズ(28)を有するX線レンズアセンブリと、
を有するX線装置。
【請求項14】
X線の導入開口部(90)およびX線の導出開口部(94)を有する管部材(50)を用意し、
キャピラリX線レンズ(28)を用意し、
前記管部材(50)の内部に前記X線レンズ(28)を取り付ける、
X線レンズアセンブリの製造方法。
【請求項15】
前記X線レンズ(28)の取り付けが、
軸方向に離間した少なくとも二つのレンズ取り付け構造(96A,96B)を前記管部材(50)と前記X線レンズ(28)との間に配置するステップ、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項16】
前記X線レンズ(28)の取り付けが、
前記管部材(50)と前記X線レンズ(28)との間に少なくとも一つの室(98)を画定するステップと、
前記少なくとも一つの室(98)に安定化材を充填するステップと、
を含む、請求項16または17に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−505110(P2009−505110A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−527358(P2008−527358)
【出願日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008141
【国際公開番号】WO2007/022916
【国際公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(508055951)ユニサンティス ヨーロッパ ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】