説明

X線検出装置及びX線分析装置

【課題】 X線直接検出型の半導体センサを用いる場合に、X線検出面である半導体受光素子の表面に異物が付着することを長期間にわたって確実に防止できるようにする。
【解決手段】 CCDセンサ42をパッケージ40でパッケージングして成るCCDモジュール32を有するX線検出装置である。CCDセンサ42は、複数のCCD素子を並べることによって形成されていて、それらのCCD素子によってX線を直接に受光する。パッケージ40におけるCCDセンサ42のX線受光面に対向する領域は保護膜43となっている。この保護膜43は、X線を通すことができる材料によって形成されている。保護膜43は、CCDセンサ42のX線受光面に異物が付着すること防止する。保護膜43の周囲は膜支持部材44によって囲まれている。膜支持部材44はX線を減衰する材料、例えばガラスによって形成されているので、配線47にX線が直接に当たることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線を検出するX線検出装置に関する。また、本発明は、そのX線検出装置を用いたX線分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線分析装置は、一般に、試料に照射するX線を発生するX線発生装置と、試料から出たX線を検出するX線検出装置とを有する。このX線分析装置では、試料にX線を照射した場合、試料に入射するX線の入射角度がその試料に対して特定の角度になったとき、その入射X線が試料で回折する。換言すれば、試料から回折X線が出る。この回折X線は、X線検出装置によって検出される。
【0003】
X線検出装置としては、従来から、0(ゼロ)次元X線検出装置、1次元X線検出装置、そして2次元X線検出装置が知られている。0次元X線検出装置とは、X線を点状に受光する構造のX線検出装置である。この0次元X線検出装置としては、例えば、PC(Proportional Counter/比例計数管)や、SC(Scintillation Counter/シンチレーションカウンタ)が知られている。
【0004】
また、1次元X線検出装置とは、X線を線状に受光する構造のX線検出装置である。この1次元X線検出装置としては、例えば、X線を受け取った所に電気信号を発生する直線状の信号線を備えたPSPC(Position Sensitive Proportional Counter:位置感応型比例計数管)や、複数のCCD(Charge Coupled Device)素子を線状に配列させることによって形成された1次元CCDセンサが知られている。
【0005】
また、2次元X線検出装置とは、X線を面状に受光する構造のX線検出装置である。この2次元X線検出装置としては、例えばイメージングプレートの名称で知られるX線検出器、すなわちX線受光面に蓄積性蛍光体を設けた検出器プレートや、複数のCCD素子を面状に配列させることによって形成された2次元CCDセンサが知られている。
【0006】
上記1次元CCDセンサや上記2次元CCDセンサとして用いられるCCDセンサは、半導体位置検出センサの1種類である。近年、CCDセンサ等といった半導体位置検出センサをX線検出装置として用いる構造のX線分析装置が種々、提案されている。この構造のX線分析装置によれば、0次元X線検出装置や1次元X線検出装置等を用いた場合に比べて高速の測定ができることが期待されている。
【0007】
また、従来、2次元CCDセンサ及び光ファイバを用いて、その2次元CCDセンサよりも広い面積の2次元回折像を取得するようにしたX線分析装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。なお、2次元回折像とは、2次元的すなわち平面的な回折像のことである。上記公報に示された従来の装置では、図11に示すように、X線源101から見て試料Sの後方に蛍光体102を設け、その蛍光体102の光出射側の面(図11の右側の面)に複数のテーパ状の光ファイバ103の束を設け、それらの光ファイバ103の光出射端(図11の右端)に2次元CCDセンサ104が設けられる。
【0008】
この従来のX線分析装置では、試料Sから放射される回折X線によって蛍光体102を露光してその回折X線に対応した光像を蛍光体102の中に形成し、その光像を光ファイバ103によって2次元CCDセンサ104まで導いて、そのCCDセンサ104内の複数の受光素子内に電荷として蓄積する。この構造のX線分析装置によれば、0次元カウンタや1次元カウンタを用いた場合に比べて高速の測定ができることが期待されている。
【0009】
この従来のX線分析装置で用いられる複数の光ファイバ103の1本1本には、蛍光体102側の径が大きくCCDセンサ104側の径が小さくなるようにテーパが付けられている。このようにテーパが付けられた形状の光ファイバ103を用いる方式のCCDセンサは、テーパードCCDセンサと呼ばれることがある。この方式のCCDセンサ104は、通常、冷却されながら使用される。
【0010】
上記のCCDセンサ104は、X線を直接に検出するのではなく、可視光を検出するものである。このCCDセンサ104の受光面の前には、その受光面を形成している複数のCCD素子を埃や金属片等から保護するためにガラス製の保護板が設けられることが多い。一般にガラスは、X線を減衰させずに通すことは難しいが、可視光は減衰させることなく通すことができる。従って、図11に示すX線分析装置においてはガラス製の保護板を備えたCCDセンサ104を支障なく使用できる。
【0011】
【特許文献1】特開2002−116158号公報(第3〜6頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、蛍光板を用いてX線を可視光に変換して受光する方式の上記のようなCCDセンサに代えて、X線を直接に受光してそのX線の強度に対応した信号を出力する方式のCCDセンサをX線検出装置として用いることが考えられる。このようなX線直接検出型のCCDセンサは、基本的には、従来のCCDセンサにおいて受光面の前に設けていたガラス製の保護板を取り外して、受光面を形成する複数のCCD素子を外部に露出させることによって形成できる。
【0013】
しかしながら、そのようにCCD素子を露出させた場合には、CCD素子の表面に埃や金属片が付着して、受光面の一部分のX線検出精度が低下し、信頼性の高いX線検出ができなくなるおそれがある。一般に、CCDセンサを用いてX線検出装置を作製する場合には、CCDセンサを筐体に収容したり、付属品をCCDセンサに装着したりする作業をクリーンルーム内で行うようにしているので、当初は複数のCCD素子の表面に埃等が付着することはほとんど無いかもしれないが、X線検出装置を実際に稼動させた後、その稼動現場の状況に応じてCCD素子の表面に埃等が付着するおそれがある。
【0014】
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、CCDセンサ等といった半導体センサであってX線直接検出型の半導体センサを用いる場合に、CCD素子等といった半導体受光素子の表面に埃や金属片が付着することを長期間にわたって確実に防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係るX線検出装置は、複数の半導体受光素子を並べることによって形成されていてそれらの半導体受光素子によってX線を直接に受光する半導体センサと、該半導体センサを収容すると共に該半導体センサの端子に接続された配線を備えたパッケージとを有し、該パッケージにおける前記半導体センサのX線受光面にX線の透過性のよい保護膜を有することを特徴とする。
【0016】
上記構成において、「半導体受光素子」は半導体を用いてX線を直接に検出できる素子のことであり、例えば1つのCCD素子のことである。また、「半導体センサ」は複数の半導体受光素子を直線的又は平面的に並べることによってX線受光面が形成されているセンサのことであり、例えばCCDセンサのことである。「保護膜」はX線の透過性が良いと共にゴミ、埃、金属片等といった異物の進入を阻止できる機械的な強度を有する材料によって形成できる。このような材料としては、例えば、ポリイミド樹脂であるカプトン(デュポン社製の商品名)や、ポリエステル樹脂であるマイラー(デュポン社製の商品名)を使用できる。
【0017】
上記の本発明に係るX線検出装置によれば、半導体受光素子への異物の進入が保護膜によって阻止されるので、半導体受光素子の表面に異物が付着することを長期間にわたって確実に防止でき、それ故、X線直接検出型のX線検出装置の信頼性を長期間にわたって良好に維持できる。
【0018】
次に、本発明に係るX線検出装置において、前記パッケージのうち前記保護膜の外周縁を囲む周囲領域の一部又は全部はX線を減衰させる材料によって形成されることが望ましい。一般に半導体センサの周囲には配線その他の付属要素が設けられることが多い。このような付属要素の中にはX線が直接に当たることが望ましくないものがある。半導体センサのX線受光面に対向する領域に上記のX線を透過可能な保護膜を設けると共にその保護膜の周囲領域に、上記の通りに、X線を減衰させる材料を設ければ、半導体センサに付属する要素であってX線を好まない要素に対向させて上記のX線減衰可能材料を配置させることができ、それ故、半導体センサに付属する種々の要素を長期間にわたって正常に保持できる。なお、上記の「X線を減衰させる材料」は、例えばガラスとすることができる。ガラスは、可視光を通すことができ、そしてX線を減衰させる材料である。
【0019】
次に、本発明に係るX線検出装置において、前記X線を減衰させる材料によって形成された前記周囲領域の一部又は全部は、前記配線を覆う領域であることが望ましい。この配線は、前記パッケージを構成する複数の要素の1つであり、その一端がパッケージ内において半導体センサの入出力用端子に接続され、その他端がパッケージの外側にある外部端子に接続されるものである。一般に、配線は導電性の金属、例えば銅によって形成される。この配線にX線が直接に当たると光電効果の影響でノイズが発生するおそれがある。上記のようにX線を減衰させる材料を配線に対向して配設すれば、強度の強いX線が配線に直接に当たることが防止できるので、ノイズの発生を未然に防止できる。
【0020】
次に、本発明に係るX線検出装置において、前記パッケージは前記半導体センサを収容する深い凹部と、該深い凹部の周囲に設けられると共に前記配線が形成される浅い凹部とを有し、前記X線を減衰させる材料によって形成された領域は前記浅い凹部に対向することが望ましい。こうすれば、配線にX線が当って該配線が劣化することを確実に防止できる。
【0021】
次に、本発明に係るX線検出装置は、前記パッケージを収容する凹部を備えた筐体と、前記凹部の開口を覆う筐体膜とを有することができる。そしてその場合、前記筐体膜はX線を通すことができる材料によって形成し、前記凹部は真空状態又は真空に近い減圧状態とすることが望ましい。
【0022】
この構造は、X線検出装置の外観形状として望ましい形状である。CCDセンサ等といった半導体センサは、まず、パッケージの凹部の中に収容され、次にそのパッケージがX線検出装置の筐体の中に収容され、こうして半導体センサがX線検出装置の中の所定位置に設置される。X線検出装置の筐体に設けた凹部の壁面には埃、金属片等といった異物が付着するおそれがある。そしてその異物は、X線検出装置が稼動状態に入った後に、壁面から離れて半導体センサの内部へ進入するおそれがある。しかしながら、本発明のように半導体センサのX線受光面を保護膜で覆っておけば、そのような異物の進入を確実に防止できる。
【0023】
なお、保護膜に異物が付着することがあるかもしれないが、保護膜に異物が付着したとしても、その保護膜は容易に交換できる。CCD素子の表面に異物が付着することを考えると、その場合には、例えば顕微鏡で表面を観察しながらエアピンセット等を使ってその異物取り除くという、非常に面倒な作業が必要となる。また、その際、CCD素子の表面を傷付けてしまうおそれもある。CCD素子は高価であるので、そのようにCCD素子を傷付けることはできるだけ避けなければならない。これに対し、交換するものが保護膜だけで済むのであれば、保護膜は安価であるので、非常に有利である。しかも、保護膜の交換作業はCCDセンサの清掃作業に比べて非常に簡単である。
【0024】
次に、本発明に係るX線検出装置において、前記パッケージにおける前記半導体センサのX線受光面に設けた前記保護膜は、高分子膜であって繊維性でない膜であることが望ましい。このような特性の保護膜を用いれば、半導体センサへ向かうX線の減衰をできる限り抑えることができる。
【0025】
次に、本発明に係るX線分析装置は、X線を発生するX線源と、試料を支持する試料支持手段と、試料で回折したX線を検出するX線検出装置とを有し、前記X線検出装置は以上に記載した構成のX線検出装置であることを特徴とする。本発明に係るX線検出装置を用いれば、半導体受光素子への異物の進入が保護膜によって阻止されるので、半導体受光素子の表面に異物が付着することを長期間にわたって確実に防止でき、それ故、X線直接検出型のX線検出装置の信頼性を長期間にわたって良好に維持できる。従って、このX線検出装置を用いたX線分析装置は、長期間にわたって信頼性の高いX線分析を行うことができる。
【0026】
さて、本発明で用いる半導体センサは特別の種類の半導体センサに限定されるものではないが、CCDセンサによって構成されることが望ましい。特に、蛍光体を介在させてX線を可視光に変換して検出する方式のものでなく、X線を直接に受光して電気信号に変換する構造のCCDセンサ、いわゆるX線直接検出型CCDセンサであることが望ましい。
【0027】
一般に、CCDセンサとは、複数のポテンシャルウエル(Potential well/電位の井戸)に集められた信号電荷を半導体中で転送するデバイスであるCCD(Charge Coupled Device)を用いたセンサである。1つのポテンシャルウエルに対応する領域が1つの画素、すなわち1つの受光素子を構成する。複数のポテンシャルウエルはX線の受光面に1次元的(すなわち直線的)又は2次元的(すなわち、平面的)に配置される。高速及び高感度を実現するためには、複数の画素を2次元的に配列することが望ましい。各ポテンシャルウエルはX線を受光して電子を生成する。このときに生成される電子の個数は入射するフォトンエネルギに比例する。
【0028】
上記のポテンシャルウエルは、例えば図8に示すように、金属電極1−酸化絶縁層2−半導体層3から成る複数のMOS(Metal Oxide Semiconductor)構造における電極1の1つに、他とは異なる電圧を印加することにより、その電極下を部分的に異なるポテンシャルにすることによって実現される。このポテンシャルウエルに閉じ込められた信号電荷は半導体層3中を順次に転送されて出力部へ送られる。このように信号電荷を半導体層3中で転送させる際にCCDセンサに加えられる信号が電荷転送信号である。
【0029】
本発明において半導体センサとして用いるCCDセンサとしては、1次元CCDセンサ又は2次元CCDセンサが考えられる。しかしながら、望ましくは、2次元CCDセンサを用いる。この2次元CCDセンサには種々の種類のものがある。例えば、FT(Frame Transfer/フレームトランスファ)型、FFT(Full Frame Transfer/フルフレームトランスファ)型、IT(Interline Transfer/インターライントランスファ)型等といった2次元CCDセンサがある。
【0030】
以下、これらの2次元CCDセンサについて説明するが、その説明の中で使用する「水平帰線期間」及び「垂直帰線期間」の語は、読取り点を走査させることによって1フレーム分の画像データを読み取り又は書き出しする際に一般的に用いられている用語である。具体的には、図10において、1つの水平走査Sから次の水平走査Sへ移るまでの時間が水平帰線期間である。また、1回の垂直走査から次の垂直走査へ移るまでの時間、すなわち、1フレームの終点Pから始点Pへ戻るまでの時間が垂直帰線期間である。
【0031】
FT型の2次元CCDセンサは、例えば図5に示すように、垂直シフトレジスタによって構成された受光部6と、他の垂直シフトレジスタによって構成された蓄積部7と、1つの水平シフトレジスタ8と、そして出力部9とを有する。なお、垂直シフトレジスタはパラレルレジスタと呼ばれることがある。また、水平シフトレジスタは、シリアルレジスタ、読出しレジスタ等と呼ばれることがある。受光部6における金属電極1(図8参照)は、ポリシリコン等といった透明導電材料によって形成される。
【0032】
金属電極1を通って半導体層3に光が入射すると、光電変換が行われて信号電荷が発生する。この信号電荷は一定時間中に電極1の下のポテンシャルウエルに集められる。この信号電荷は、その後、垂直帰線期間中に、すなわち1回の垂直走査から次の垂直走査へ移るまでの時間中に、フレームごと蓄積部7に高速で転送される。このようにFT型CCDセンサでは、受光部6の垂直シフトレジスタは信号蓄積期間において光電変換デバイスとして機能する。受光部6で光電変換と信号の蓄積が行われる間、蓄積部7に蓄積された信号電荷は、水平帰線期間中に、すなわち1つの水平走査から次の水平走査へ移るまでの時間中に、1ラインごと水平シフトレジスタ8へ転送され、さらにその水平シフトレジスタ8によって出力部9へ転送される。
【0033】
次に、FFT型の2次元CCDセンサは、例えば図6に示すように、基本的には図5のFT型CCDセンサにおいて蓄積部7を取り除いた構成になっている。蓄積部7がないため、通常は、受光部6にシャッタ機構が付設される。このFFT型CCDセンサでは、信号蓄積期間に受光部6のポテンシャルウエル、すなわち画素、すなわち受光素子に電荷を集め、シャッタ機構の閉期間に水平シフトレジスタ8を通して信号電荷が出力部9に転送される。FFT型CCDセンサは、蓄積部を持たないので、FT型と同一サイズで多画素にすることができ、あるいは受光部6を大面積にできる。
【0034】
次に、IT型CCDセンサは、例えば図7に示すように、フォトダイオード6aによって構成された受光部6と、フォトダイオード6aを挟むように配置された垂直シフトレジスタ7と、フォトダイオード6aと垂直シフトレジスタ7との間にスイッチとして設けられた転送ゲート11と、水平シフトレジスタ8と、そして出力部9とを有する。
【0035】
フォトダイオード6aで光電変換により発生した信号電荷はフォトダイオード6a自身の接合容量等に集められる。集められた信号電荷は、垂直帰線期間中に転送ゲート11を通して垂直シフトレジスタ7へ転送される。この転送動作はFT型CCDセンサ(図5参照)と異なり、フォトダイオード6aから垂直シフトレジスタ7へ全画素について同時に行われる。その後、信号電荷は、水平帰線期間中に1ラインごと水平シフトレジスタ8へ転送され、さらに、その水平シフトレジスタ8によって出力部9へ出力される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、X線分析装置の一例であって粉末試料の分析に好適に用いられるX線回折装置に本発明を適用した場合の実施形態を例に挙げて本発明を説明する。なお、本発明がこの実施形態に限定されるものでないことは、もちろんである。
【0037】
図1は、本発明に係るX線分析装置の一実施形態であるX線回折装置を示している。ここに示すX線回折装置16は、X線源であるX線焦点18を内蔵したX線発生装置19と、このX線発生装置19から出たX線の発散を規制して試料Sへ導く発散規制スリット21と、測角装置であるゴニオメータ17とを有する。ゴニオメータ17はθ回転系24と2θ回転系26とを有し、θ回転系24に試料Sが支持され、2θ回転系26にX線検出装置27が支持される。
【0038】
θ回転系24はθ回転駆動装置22によって駆動されて試料Sをω軸線を中心として回転させる。以下、この回転をθ回転という。ここで、ω軸線は、試料SのX線入射面上を通り図1の紙面垂直方向に延びる軸線である。また、2θ回転系26は2θ回転駆動装置23によって駆動されてX線検出装置27をω軸線を中心として回転させる。以下、この回転を2θ回転という。2θ回転はθ回転と同じ回転方向で、2倍の角速度の回転である。
【0039】
なお、θ回転と2θ回転とを角速度が互いに同じで回転方向が互いに反対であるような回転として設定することもできる。この場合でも、2θ回転をθ回転の2倍の角速度で互いに同じ回転方向とした上記の場合と同じ測角動作を実現できる。
【0040】
X線検出装置27は、図2に示すように、筐体31と、CCDモジュール32と、冷却用要素としてのペルチェ素子33と、膜34とを有する。筐体31は図1の試料Sに向かう側に凹部36を有し、その凹部36の中にCCDモジュール32及びペルチェ素子33が収容されている。ペルチェ素子33はCCDモジュール32の裏面に接触している。膜34はX線を通すことができる材料、例えばベリリウム(Be)によって形成されている。この膜34は、凹部36の開口の所で筐体31の壁面に接着剤その他の固定手段によって固定されている。ペルチェ素子33は、周知の通り、通電によってその1面が冷却され他の面が昇温する素子であり、本実施形態では冷却される面がCCDモジュール32に接触している。
【0041】
図3はCCDモジュール32の平面構造を示している。また、図4は図3のA−A線に従ってCCDモジュール32の断面構造を示している。これらの図において、CCDモジュール32は、半導体センサとしてのCCDセンサ42と、そのCCDセンサ42をパッケージングするパッケージ40とを有する。ここで、パッケージングとは、CCDセンサ42を保護すると共に、外部の電気回路との導電接続を達成できるようにCCDセンサ42を容器によって取り囲むことである。
【0042】
上記のパッケージングを達成するため、パッケージ40は、CCDセンサ42を搭載する基板として機能するハウジング41と、方形のリング状の膜支持部材44と、その膜支持部材44によって支持されている保護膜43と、複数の配線47と、複数の外部端子49とを有する。ハウジング41は、例えばセラミック、合成樹脂等によって形成され、その内部に深い凹部46a及び浅い凹部46bから成る凹部46を有する。凹部46は図1の試料Sへ向かう開口を有している。CCDセンサ42は深い凹部46a内に収容され、配線47は浅い凹部46bを通って外部端子49に接続している。配線47の一端は所定の接合技術によってCCDセンサ42の入出力端子に接続され、配線47の他端は所定の接合技術によって外部端子49に接続されている。
【0043】
膜支持部材44は凹部46の開口の所でハウジング41に接着剤その他の固定手段によって固定されている。膜支持部材44はその中央部分が正方形又は長方形の開口48となっていて、その開口48を覆うように保護膜43の周縁が膜支持部材44の周縁に接着剤その他の固定手段によって固定されている。開口48は、CCDセンサ42のX線受光領域に相当する大きさを有し、少なくともそのX線受光領域よりも広い大きさとなっている。
【0044】
保護膜43は、例えばカプトン、マイラー(いずれもデュポン社製の商品の商標名)等によって形成されている。これらの材料を用いることにより、保護膜43は、X線の透過線の良い膜となっており、しかもゴミ、埃、金属片等といった異物の進入を阻止できる機械的強度を持っている。保護膜43は、異物の進入を阻止することにより、CCDセンサ42を保護している。また、保護膜43は、CCDセンサ42のX線受光面に近接して設けられている。膜支持部材44は、例えばガラスによって形成されている。このため、膜支持部材44は可視光を通すことができ、しかもX線を減衰させる特性を有する。つまり、本実施形態では、X線を減衰させる材料であるガラスによって保護膜43の外周縁を囲む周囲領域を形成している。なお、図3では保護膜43の外周縁を囲む周囲領域の全域をガラスによって形成しているが、必要に応じて、その周囲領域の一部分をガラスで形成するようにしても良い。
【0045】
CCDセンサ42は、本実施形態の場合、図6に示すFFT型のCCDセンサを用いるものとする。このCCDセンサ42は、図1に示すようにCCD駆動回路28によってX線の読み取りのために駆動される。CCD駆動回路28はCCDセンサ42を、いわゆるTDI(Time Delay Integration)動作するように駆動する。このTDI動作については後述する。
【0046】
図1において、X線回折装置16は制御装置51を有する。この制御装置51は、CPU(Central Processing Unit)52と、記憶媒体すなわちメモリ53と、各種信号を伝送するバス54とを有する。メモリ53は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等といった半導体メモリや、ハードディスク、CD(Compact Disc)、MO(Magnet Optical)ディスク等といった機械式メモリや、その他任意の構造のメモリによって構成される。また、X線回折装置16は表示装置56を有する。この表示装置56は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Device) 等といった映像表示手段や、プリンタ等といった印字手段等によって構成される。
【0047】
メモリ53の中には、X線検出装置27内のCCDセンサ42から出力された画素データを記憶するためのファイル57、及びX線回折測定を実行するためのプログラムが格納されたファイル58が含まれる。
【0048】
ファイル58内に格納されたX線回折測定プログラムは、θ回転駆動装置22及び2θ回転駆動装置23の動作を制御する。具体的には、X線回折測定プログラム58は、試料Sを支持したθ回転系24をω軸線を中心として回転させて、試料Sを所定の角速度で回転、いわゆるθ回転させる。このθ回転により、X線源18から放射されて試料Sへ入射するX線の入射角度を変化させる。また、X線回折測定プログラム58は、X線検出装置27を支持した2θ回転系26をω軸線を中心として回転させてX線検出装置27をθ回転と同じ方向へ2倍の角速度で回転、いわゆる2θ回転させる。この2θ回転により、試料Sで回折したX線をX線検出装置27によって検出することができる。
【0049】
なお、試料Sをθ回転させることに代えてX線発生装置19及び発散規制スリット21をω軸線を中心としてθ回転させ、同時に、X線検出装置27をそのθ回転と反対方向に同じ角速度で2θ回転させることでも、同様の結果を得られる。
【0050】
本実施形態で、X線回折測定プログラム58は、CCD駆動回路28に指示を与えてX線検出装置27にTDI(Time Delay Integration)動作を行わせる。しかも、X線回折測定プログラム58はそのTDI動作を実行するに際して、X線検出装置27における電荷転送の処理を、2θ回転駆動装置23によって行われるX線検出装置27の2θ回転の角速度と同期させるようにしている。
【0051】
以下、TDI動作について説明する。図6に示すFFT型CCDセンサを用いることを前提として、CCDセンサ42は一定の移動速度「v」で、図6の矢印Aの方向に移動するとする。また、電荷転送のパルス信号は周波数「f」であり、転送電荷は、矢印Bで示すように、X線検出装置とは逆方向に移動するものとする。また、CCDセンサ42の1つの画素幅、すなわち1つの受光素子幅を「d」とする。以上の条件の下、
v=f×d
の関係を満足するように、CCDセンサ42の移動速度と電荷転送処理とを同期させる。
【0052】
図6において、CCDセンサ42が矢印A方向に速度vで移動すると、M列(列は上下方向)の1列目(すなわち、右端列)の入力は、1/f時間後には2列目の位置に移動する。これに合わせて1列目の電荷を2列目に転送すれば、2列目において被写体の同じ部分のデータが再び光電変換により電荷として蓄積される。このような動作を連続してM列の最後まで行えば、信号電荷としてはTDI動作を行わない通常の場合のM倍の電荷が個々の画素内に蓄積される。これらの蓄積された信号電荷はCCDセンサ42の水平シフトレジスタ8から各列ごとに連続して切れ目無く出力され、これにより、2次元画像のためのデータを求めることができる。こうしてTDI動作により、微弱な回折X線を検出することができる。
【0053】
本実施形態のX線分析装置は以上のように構成されているので、図1において、X線回折測定が開始されると、試料Sがθ回転し、同時にX線検出装置27が2θ回転し、さらに、X線源18から放射されたX線が試料Sへ入射する。試料Sに入射するX線の入射角度がθ回転に応じて変化する間にブラッグの回折条件が満足される状態が発生すると、試料Sに回折X線が発生し、この回折X線は特定の回折角度(2θ)の方向に進行する。そして、この回折X線は、図6のCCDセンサ42の受光部6内の対応する画素によって受光され、この画素内に電荷が発生し、さらに蓄積される。
【0054】
上記のようにX線検出装置27はTDI動作によって駆動され、このTDI動作においては電荷転送処理がX線検出装置27の2θ移動速度に同期するように制御されているので、個々の画素には同一の回折角度(2θ)に関する信号電荷が蓄積されて行く。このため、X線検出装置27の移動速度を高速に設定しても常に正確な回折X線データを個々の画素内に蓄積できる。こうして各画素内に蓄積された信号電荷は受光部6から水平シフトレジスタ8へ列ごとに転送され、さらに出力部9を介して図1の画素データファイル57内へ記憶される。このようなデータ収集動作は、図1においてX線検出装置27が希望の回折角度範囲、例えば20°〜100°の角度範囲を走査した後に終了し、このとき、画素データファイル57内には回折角度20°〜100°の範囲内の各回折角度位置における回折X線強度のデータが記憶される。
【0055】
その後、CPU52は、図1のX線回折測定プログラム58に従い、測定された画素データ57に基づいて図9の回折図形Zを演算によって求める。演算された回折図形Zは、必要に応じて、図1の表示装置56の表示面に画像や印字として表示される。
【0056】
本実施形態のX線分析装置では、図4に示すように、CCDセンサ42を格納するパッケージ40のうちのCCDセンサ42のX線受光面に対応する領域に保護膜43を設け、その保護膜43によってCCDセンサ42のX線受光面を覆うようにしたので、半導体受光素子であるCCD素子へ異物、例えばゴミ,埃、金属片が進入することがその保護膜43によって防止される。このため、CCD素子の表面に異物が付着することを長期間にわたって確実に防止でき、それ故、CCDセンサ42の信頼性を長期間にわたって良好に維持できる。
【0057】
また、図3及び図4において、パッケージ40内のCCDセンサ42の周囲には複数の配線47が設けられる。これらの配線47は、例えば銅によって形成される。これらの配線47に異物が付着すると、ショートや断線が発生するおそれがある。また、これらの配線47がX線を直接に受けるとノイズが発生して正確なデータの転送ができなくなるおそれがある。このことに関し本実施形態では、配線47の前面に膜支持部材44及びそれに支持された保護膜43を設けたので、配線47に異物が付着することを防止できる。また、X線を減衰させる特性を持つ膜支持部材44を配線47に対向する領域に配設したので、配線47にX線が当たることを未然に防止できる。
【0058】
また、本実施形態では、図4に示すように、CCDセンサ42及び配線47がハウジング41に形成した凹部46の中に収容される。そして、膜支持部材44はその凹部46の開口に取り付けられる。この構成により、CCDセンサ42に付属する配線47又はその他の要素をきれいにまとめて配置できる。また、保護膜43をCCDセンサ42の受光面に正確に合わせて位置させることができる。
【0059】
また、本実施形態では、凹部46が深い凹部46aと、浅い凹部46bとによって形成されている。そして、浅い凹部46bは深い凹部46aの周囲に設けられている。そして、CCDセンサ42は深い凹部46a内に収容され、配線47は浅い凹部46bに形成されている。そして、X線を減衰させる材料から成る膜支持部材44は浅い凹部46bに対向して配置されている。この構成により、配線47はそれ自身に近い位置で膜支持部材44によってX線に当たることから保護されるので、配線47にX線が当たることを確実に防止できる。
【0060】
また、図1及び図2において、X線検出装置27は筐体31を有し、その筐体31には凹部36が形成されている。そして、CCDセンサ42を備えたCCDモジュール32は、ペルチェ素子33と共に、凹部36の中に収容されている。そして、凹部36の開口はX線を通すことのできる膜34によって覆われている。通常、凹部36の中は真空状態又は真空に近い減圧状態に設定される。
【0061】
この構造において、筐体31に設けた凹部36の壁面には埃、金属片等といった異物が付着するおそれがある。そしてその異物は、CCDセンサ42が稼動状態に入った後に、壁面から離れてCCDセンサ42の内部へ進入するおそれがある。しかしながら、本実施形態では図4に示したように、CCDセンサ42のX線受光面をパッケージ40の構成要素である保護膜43で覆ってあるので、そのような異物の進入を確実に防止できる。
【0062】
次に、本実施形態では図4の保護膜43を、ポリイミド樹脂であるカプトン(デュポン社製の商品名)又はポリエステル樹脂であるマイラー(デュポン社製の商品名)によって形成した。これらの樹脂は、高分子膜であって繊維性でない膜である。このような特性の膜を用いることにより、CCDセンサ42へ向かうX線の減衰をできる限り抑えることができる。
【0063】
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、図4の実施形態では保護膜43を膜支持部材44を介してハウジング41に取り付けたが、膜支持部材44を用いることなく保護膜43をハウジング41へ直接に取り付けるようにしても良い。この場合にはX線透過可能部材である保護膜43の周囲領域にガラス等といったX線減衰可能部材が設けられないことになるが、この場合でも、CCDセンサ42への異物の付着を保護膜43によって防止するという主たる効果は達成できる。
【0064】
また、図1の実施形態では、CDDセンサ42として図6に示すFFT型のCCDセンサを用いたが、必要に応じて、その他の構造のCCDセンサを用いても良い。また、図1の実施形態では、θ−2θ型のX線回折装置に本発明を適用したが、本発明はそれ以外の構造のX線回折装置に対しても適用でき、さらには、必要に応じてX線回折装置以外のX線分析装置に対しても本発明を適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明に係るX線検出装置は、X線回折装置、蛍光X線装置、X線小角散乱装置、微小部X線測定装置、その他各種のX線分析装置に適用できる。また、本発明に係るX線分析装置は、X線回折測定、蛍光X線測定等といったX線分析を高速且つ正確に行いたい場合に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係るX線検出装置及びX線分析装置の一実施形態を示す図である。
【図2】図1のX線検出装置を拡大して示す平面断面図である。
【図3】図2のX線検出装置で用いるCCDモジュールを示す平面図である。
【図4】図3のA−A線に従った断面図である。
【図5】CCDセンサの一例を示す図である。
【図6】CCDセンサの他の一例を示す図である。
【図7】CCDセンサのさらに他の一例を示図である。
【図8】半導体受光素子であるCCD素子の断面構造を示す断面図である。
【図9】図1のX線分析装置を用いた測定の結果として得られた回折線図形を示す図である。
【図10】CCDセンサの機能を説明するための図である。
【図11】従来のX線分析装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0067】
1.金属電極、 2.酸化絶縁層、 3.半導体層、 6.受光部、
6a.フォトダイオード、 7.蓄積部、 8.水平シフトレジスタ、
9.出力部、 11.転送ゲート、 16.X線回折装置(X線分析装置)、
17.ゴニオメータ、 18.X線焦点(X線源)、 19.X線発生装置、
21.発散規制スリット、 24.θ回転系、 26.2θ回転系、
27.X線検出装置、 31.筐体、 32.CCDモジュール、
33.ペルチェ素子(冷却用要素)、 34.膜、 36.凹部、 40.パッケージ、41.ハウジング、 42.CCDセンサ(半導体センサ)、 43.保護膜、
44.膜支持部材、 46.凹部、 46a.第1凹部、 46b.第2凹部、
47.配線、 48.開口、 49.端子、 S.試料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体受光素子を並べることによって形成されていてそれらの半導体受光素子によってX線を直接に受光する半導体センサと、
該半導体センサを収容すると共に該半導体センサの端子に接続された配線を備えたパッケージとを有し、
該パッケージにおける前記半導体センサのX線受光面にX線の透過性のよい保護膜を有する
ことを特徴とするX線検出装置。
【請求項2】
請求項1記載のX線検出装置において、前記パッケージのうち前記保護膜の外周縁を囲む周囲領域の一部又は全部はX線を減衰させる材料によって形成されることを特徴とするX線検出装置。
【請求項3】
請求項2記載のX線検出装置において、前記X線を減衰させる材料によって形成された前記周囲領域の一部又は全部は、前記配線を覆う領域であることを特徴とするX線検出装置。
【請求項4】
請求項3記載のX線検出装置において、前記パッケージは前記半導体センサを収容する深い凹部と、該深い凹部の周囲に設けられると共に前記配線が形成される浅い凹部とを有し、前記X線を減衰させる材料によって形成された領域は前記浅い凹部に対向する
ことを特徴とするX線検出装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の記載のX線検出装置において、
前記パッケージを収容する凹部を備えた筐体と、
前記凹部の開口を覆う筐体膜とを有し、
該筐体膜はX線を通すことができ、
前記凹部は真空状態又は真空に近い減圧状態である
ことを特徴とするX線検出装置。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか1つに記載のX線検出装置において、前記パッケージにおける前記保護膜の外周縁を囲む周囲領域の一部又は全部を形成するX線を減衰させる材料はガラスであることを特徴とするX線検出装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のX線検出装置において、
前記パッケージに設けた前記保護膜は、高分子膜であって繊維性でない膜であることを特徴とするX線検出装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1つに記載のX線検出装置において、前記半導体受光素子はCCD素子であることを特徴とするX線検出装置。
【請求項9】
X線を発生するX線源と、試料を支持する試料支持手段と、試料で回折したX線を検出するX線検出装置とを有し、前記X線検出装置は請求項1から請求項8のいずれか1つに記載のX線検出装置であることを特徴とするX線分析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−71321(P2006−71321A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252036(P2004−252036)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000250339)株式会社リガク (206)
【Fターム(参考)】