説明

X線検査装置

【課題】対象物から過去に撮影された画像を検索することができる、または過去に撮影された画像から対象物あるいは対象物中のどの部分かがわかることができるX線検査装置を提供する。
【解決手段】テーブルに過去に記憶された複数の外観像からなる外観像群Iの中から対象となる外観像Iを選択する。選択された外観像Iに関連付けられ、かつテーブルに過去に記憶されたX線透視像F100を読み出してモニタ10Mに表示すると、選択された外観像Iの対象物(サンプル)から、それに関連付けられたX線透視像F100を表示することができ、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、対象物に対するX線検査を行うX線検査装置に係り、特に、対象物に対してX線透視撮影あるいはCT撮影を行うことでX線検査を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のX線検査装置は、X線検査の前に観察ポイント(すなわち検査位置)を予め設定して登録する「ティーチング」と呼ばれる機能を搭載している。このティーチングを予め行うことで、ティーチングで登録された観察ポイントにしたがってX線検査を行うことが可能となる。
【0003】
なお、X線検査の対象物としては、実装基板、多層基板のスルーホール/パターン/はんだ接合部、パレット上に配置された集積回路(IC: Integrated Circuit)のような実装前の電子部品、金属などの鋳物、ビデオデッキのような成型品などがある。
【0004】
X線検査装置では、現在、X線検査を行っている部分がサンプル(対象物)全体のどの部分になるのかを示すために、光学カメラによる外観像を用いる装置がある(例えば、特許文献1参照)。X線検査装置では、通常、サンプルを拡大撮影して細部の観察を行うが、光学カメラによる外観像を用いる装置では、予め光学カメラによりサンプルの全景を光学撮影し、その光学撮影によって得られた外観像上に現在観察している部分を示すことで、サンプルの中のどの部分を観察しているのかをユーザがわかるようにしている。
【0005】
また、X線検査装置には、過去に撮影されたX線像(透視撮影の場合にはX線透視像)を一覧表示する機能を有するものがある。一覧表示された画像の中からユーザは目的の画像を選択し、その画像に対してコントラストの調整や印刷や寸法計測などの様々な機能を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−343193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、過去に撮影された一連のX線透視像から目的のサンプルの画像を検索しようとした場合、X線透視像はサンプルの一部分を拡大して撮影されていることもあり、X線透視像だけからは、どのサンプルを撮影したものかがわかり難い場合がある。また、どのサンプルを撮影したものかがわかっている場合でも、X線透視像だけではサンプルの中のどの部分を撮影しているのかがわかり難いという問題もある。
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる、または過去に撮影された画像から対象物あるいは対象物中のどの部分かがわかることができるX線検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、この発明に係るX線検査装置(前者の発明)は、対象物に対してX線検査を行うX線検査装置であって、X線を対象物に対して照射するX線照射手段と、照射された前記X線を検出して前記X線検査を行うことで当該対象物のX線像を取得するX線検出手段と、対象物に対して光学撮影を行うことで当該対象物の外観像を取得する光学カメラとを備えるとともに、前記X線検出手段により取得されたX線像と前記光学カメラにより取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けてそれぞれ記憶する記憶手段と、その記憶手段に過去に記憶された複数の前記X線像からなるX線像群または複数の前記外観像からなる外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像を選択する画像選択手段と、その画像選択手段で選択された前記一方の画像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示する表示手段とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
[作用・効果]この発明に係るX線検査装置(前者の発明)によれば、X線検出手段により取得されたX線像と光学カメラにより取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けて、記憶手段にそれぞれ記憶する。そして、その記憶手段に過去に記憶された複数のX線像からなるX線像群または複数の外観像からなる外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像を画像選択手段が選択する。その画像選択手段で選択された一方の画像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示手段に表示する。もし、選択の対象となる一方の画像が外観像の場合には、選択された外観像の対象物(サンプル)から、それに関連付けられた他方の画像であるX線像を表示することができ、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる。もし、選択の対象となる一方の画像がX線像の場合には、選択されたX線像から、それに関連付けられた他方の画像である外観像を表示することができ、過去に撮影された画像から対象物がわかることができる。
【0011】
上述した前者の発明の一例は、画像選択手段は、記憶手段に過去に記憶された外観像群の中から対象となる外観像を選択し、表示手段は、画像選択手段で選択された外観像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して表示することである。この一例の場合には、選択された外観像の対象物から、それに関連付けられた他方の画像であるX線像を表示することができ、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる。
【0012】
この一例の場合には、記憶手段に過去に記憶された外観像群の中から対象となる外観像を選択するのに、以下のように一覧表示するのが好ましい。すなわち、表示手段は、記憶手段に過去に記憶された外観像を読み出して複数に一覧表示し、画像選択手段は、表示手段に一覧表示された複数の外観像からなる外観像群の中から対象となる外観像を選択することで、記憶手段に過去に記憶された外観像群の中から対象となる外観像を選択する。一覧表示にすることで、外観像の選択を視覚で容易に行うことができる。
【0013】
この一例において、表示手段は、画像選択手段で選択された外観像を表示するとともに、当該外観像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して表示するのが好ましい。選択された外観像を併せて表示することで、X線像との対応関係が容易にわかる。
【0014】
また、上述した発明の他の一例は、画像選択手段は、記憶手段に過去に記憶されたX線像群の中から対象となるX線像を選択し、表示手段は、画像選択手段で選択されたX線像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶された外観像を読み出して表示することである。この一例の場合には、選択されたX線像から、それに関連付けられた他方の画像である外観像を表示することができ、過去に撮影された画像から対象物がわかることができる。
【0015】
この一例の場合には、記憶手段に過去に記憶されたX線像群の中から対象となるX線像を選択するのに、以下のように一覧表示するのが好ましい。すなわち、表示手段は、記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して複数に一覧表示し、画像選択手段は、表示手段に一覧表示された複数のX線像からなるX線像群の中から対象となるX線像を選択することで、記憶手段に過去に記憶されたX線像群の中から対象となるX線像を選択する。一覧表示にすることで、X線像の選択を視覚で容易に行うことができる。
【0016】
この一例において、表示手段は、画像選択手段で選択されたX線像を表示するとともに、当該X線像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶された外観像を読み出して表示するのが好ましい。選択されたX線像を併せて表示することで、外観像との対応関係が容易にわかる。
【0017】
上述したこれらの発明に係るX線検査装置(前者の発明)とは別のX線検査装置(後者の発明)は、対象物に対してX線検査を行うX線検査装置であって、X線を対象物に対して照射するX線照射手段と、照射された前記X線を検出して前記X線検査を行うことで当該対象物のX線像を取得するX線検出手段と、対象物に対して光学撮影を行うことで当該対象物の外観像を取得する光学カメラとを備えるとともに、前記X線検出手段により取得された複数のX線像と前記光学カメラにより取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けるとともに、X線像をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付けてそれぞれ記憶する記憶手段と、その記憶手段に過去に記憶された複数のX線像または前記外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像を選択する画像選択手段と、その画像選択手段で選択された前記一方の画像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示するとともに、選択された外観像の区分箇所あるいは選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を、当該外観像の他の箇所と識別して表示する表示手段とを備えることを特徴とするものである。
【0018】
[作用・効果]この発明に係るX線検査装置(後者の発明)によれば、X線検出手段により取得された複数のX線像と光学カメラにより取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けるとともに、X線像をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付けて、記憶手段にそれぞれ記憶する。そして、その記憶手段に過去に記憶された複数のX線像または外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像を画像選択手段が選択する。その画像選択手段で選択された一方の画像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示手段に表示するとともに、選択された外観像の区分箇所あるいは選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を、当該外観像の他の箇所と識別して表示手段に表示する。もし、選択の対象となる一方の画像が外観像の区分箇所の場合には、選択された外観像の対象物(サンプル)から、それに関連付けられた他方の画像であるX線像を表示することができ、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる。もし、選択の対象となる一方の画像がX線像の場合には、選択されたX線像から、それに関連付けられた他方の画像である外観像の区分箇所を、当該外観像の他の箇所と識別して表示することができ、過去に撮影された画像から対象物中のどの部分かがわかることができる。
【0019】
また、前者の発明と後者の発明とを組み合わせてもよい。すなわち、前者の発明において、後者の発明のように、記憶手段は、X線像をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付けてそれぞれ記憶し、画像選択手段は、記憶手段に過去に記憶された複数のX線像または外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像を選択し、表示手段は、画像選択手段で選択された一方の画像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示するとともに、選択された外観像の区分箇所あるいは選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を、当該外観像の他の箇所と識別して表示する。
【0020】
(前者の発明と後者の発明とを組み合わせた発明も含めて)上述した後者の発明の一例は、画像選択手段は、記憶手段に過去に記憶された外観像の中から対象となる外観像の区分箇所を選択し、表示手段は、画像選択手段で選択された外観像の区分箇所に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して表示するとともに、選択された外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示することである。この一例の場合には、選択された外観像の対象物から、それに関連付けられた他方の画像であるX線像を表示することができ、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる。
【0021】
この一例の場合には、記憶手段に過去に記憶された外観像の中から対象となる外観像の区分箇所を選択するのに、以下のように一覧表示するのが好ましい。すなわち、表示手段は、記憶手段に過去に記憶された外観像の区分箇所を読み出して複数に一覧表示し、画像選択手段は、表示手段に一覧表示された複数の区分箇所の中から対象となる区分箇所を選択することで、記憶手段に過去に記憶された外観像の中から対象となる外観像の区分箇所を選択する。一覧表示にすることで、外観像の区分箇所の選択を視覚で容易に行うことができる。
【0022】
この一例において、表示手段は、画像選択手段で選択された外観像の区分箇所を表示し、選択された外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示するとともに、当該外観像の区分箇所に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して表示するのが好ましい。選択された外観像の区分箇所を併せて表示することで、X線像との対応関係が容易にわかる。
【0023】
また、(前者の発明と後者の発明とを組み合わせた発明も含めて)上述した発明の他の一例は、画像選択手段は、記憶手段に過去に記憶された複数のX線像の中から対象となるX線像を選択し、表示手段は、画像選択手段で選択されたX線像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶された外観像の区分箇所を読み出して表示するとともに、選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示することである。この一例の場合には、選択されたX線像から、それに関連付けられた他方の画像である外観像の区分箇所を、当該外観像の他の箇所と識別して表示することができ、過去に撮影された画像から対象物中のどの部分かがわかることができる。
【0024】
この一例の場合には、記憶手段に過去に記憶された複数のX線像の中から対象となるX線像を選択するのに、以下のように一覧表示するのが好ましい。すなわち、表示手段は、記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して複数に一覧表示し、画像選択手段は、表示手段に一覧表示された複数のX線像の中から対象となるX線像を選択することで、記憶手段に過去に記憶された複数のX線像の中から対象となるX線像を選択する。一覧表示にすることで、X線像の選択を視覚で容易に行うことができる。
【0025】
この一例において、表示手段は、画像選択手段で選択されたX線像を表示し、当該X線像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶された外観像の区分箇所を読み出して表示するとともに、選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示するのが好ましい。選択されたX線像を併せて表示することで、外観像との対応関係が容易にわかる。
【発明の効果】
【0026】
この発明に係るX線検査装置(前者の発明)によれば、X線検出手段により取得されたX線像と光学カメラにより取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けて、記憶手段にそれぞれ記憶する。そして、その記憶手段に過去に記憶された複数のX線像からなるX線像群または複数の外観像からなる外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像を画像選択手段が選択する。その画像選択手段で選択された一方の画像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示手段に表示する。その結果、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる、または過去に撮影された画像から対象物がわかることができる。
また、前者の発明とは別のX線検査装置(後者の発明)によれば、X線検出手段により取得された複数のX線像と光学カメラにより取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けるとともに、X線像をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付けて、記憶手段にそれぞれ記憶する。そして、その記憶手段に過去に記憶された複数のX線像または外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像を画像選択手段が選択する。その画像選択手段で選択された一方の画像に関連付けられ、かつ記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示手段に表示するとともに、選択された外観像の区分箇所あるいは選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を、当該外観像の他の箇所と識別して表示手段に表示する。その結果、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる、または過去に撮影された画像から対象物中のどの部分かがわかることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】各実施例に係るX線検査装置の概略構成図およびブロック図である。
【図2】(a)〜(d)は、X線透視像と外観像とを互いに関連付けて登録する一実施態様である。
【図3】(a)、(b)は、関連付け後の各ファイル名の一実施態様である。
【図4】(a)〜(d)は、実施例1に係る画像選択および表示の一実施態様である。
【図5】(a)〜(d)は、実施例1に係る画像選択および表示の一実施態様である。
【図6】(a)〜(c)は、実施例2に係る画像選択および表示の一実施態様である。
【図7】(a)、(b)は、実施例2に係る画像選択および表示の一実施態様である。
【図8】(a)、(b)は、実施例3に係る画像選択および表示の一実施態様、(c)、(d)は、実施例4に係る画像選択および表示の一実施態様である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0028】
以下、図面を参照してこの発明の実施例1を説明する。
図1は、各実施例に係るX線検査装置の概略構成図およびブロック図である。後述する実施例2〜4も含めて、本実施例1では、対象物(サンプル)として集積回路(IC)を例に採って説明するとともに、X線像としてX線透視像を例に採って説明する。
【0029】
図1に示すように、本実施例1〜4に係るX線検査装置1は、対象物Oを撮像する撮像部2と、対象物Oを載置するステージ3と、そのステージ3を駆動するステージ駆動部4と、撮像部2を駆動する撮像駆動部5と、撮像部2のX線管21に管電流や管電圧を与えるために高電圧を発生する高電圧発生部6と、撮像部2のX線検出器22によって得られたX線検出信号に対して各種の画像処理を行ってX線透視像を出力する画像処理部7とを備えている。
【0030】
撮像部2は、対象物OにX線を照射するX線管21と、X線管21から照射され対象物Oを透過したX線を検出するX線検出器22とを備えている。X線検出器22については、イメージインテンシファイア(I.I)やフラットパネル型X線検出器(FPD: Flat Panel Detector)などに例示されるように、特に限定されない。後述する実施例2〜4も含めて、本実施例1では、X線検出器22としてフラットパネル型X線検出器(FPD)を例に採って説明する。X線管21は、この発明におけるX線照射手段に相当し、X線検出器22は、この発明におけるX線検出手段に相当する。
【0031】
FPDは、画素に対応して縦横に並べられた複数の検出素子からなり、X線を検出素子が検出して、検出されたX線のデータ(電荷信号)をX線検出信号として出力する。このようにして、X線管21からX線を対象物Oに向けて照射し、FPDからなるX線検出器22がX線を検出してX線検出信号を出力することで、X線管21およびX線検出器22からなる撮像部2は対象物Oを撮像する。
【0032】
ステージ駆動部4は、図示を省略するモータや駆動軸などから構成され、ステージ3を図中のX,Y方向に水平移動、Z方向に昇降移動、あるいはZ軸心周りに水平面内で回転させる。ステージ3の移動によって対象物Oも移動して、対象物Oを撮像位置にまで移動させて撮像部2により撮像を行ってX線検査を行う。
【0033】
撮像駆動部5は、ステージ駆動部4と同様に、図示を省略するモータや駆動軸などから構成され、撮像部2を図中のX,Y方向に水平移動、Z方向に昇降移動、あるいはZ軸心周りに水平面内で回転させる。X線検出器22にX線管21が対向するようにそれぞれを移動させてからX線検査を行う。また、X線管21またはX線検出器22を鉛直方向(Z方向)に昇降移動させて、X線検査における拡大率・縮小率を変更することも可能である。また、X線管21またはX線検出器22を傾斜させて、斜め方向から撮像することも可能である(図中の二点鎖線を参照)。
【0034】
高電圧発生部6は、高電圧を発生して管電流や管電圧をX線管21に与えることで、X線管21からX線が発生して、X線を照射する。画像処理部7は、ゲイン補正やラグ補正や階調補正等の画像処理をX線検出信号に施すことで、対象物Oに関するX線透視像を出力する。このようにして、撮像部2で撮像されたX線検出信号(すなわちX線検出器22から出力されたX線検出信号)に対して画像処理部7が画像処理を行ってX線透視像を出力することで、対象物Oに対してX線透視撮影を行う。そして、対象物Oに対するX線検査を行う。なお、画像処理部7は、後述する光学カメラ12により光電変換された信号に対して画像処理を施すことで、対象物Oに関する外観像も出力する。図1では、画像処理部7は、X線透視像の出力および外観像の出力を兼用しているが、もちろん、X線透視像用と外観像用とにそれぞれ分けてもよい。
【0035】
その他に、X線検査装置1は、メモリ部8と入力部9と出力部10とコントローラ11とを備えている。メモリ部8は、この発明における記憶手段に相当し、入力部9は、この発明における画像選択手段に相当し、出力部10は、この発明における表示手段に相当する。
【0036】
メモリ部8は、コントローラ11を介して、画像処理部7で得られたX線透視像などのデータを書き込んで記憶し、適宜必要に応じて読み出して、コントローラ11を介して、X線透視像を出力部10に送り込んで出力する。メモリ部8は、ROM(Read-only Memory)やRAM(Random-Access Memory)やハードディスクなどに代表される記憶媒体で構成されている。後述する実施例2〜4も含めて、本実施例1では、メモリ部8は、X線検出器22により取得されたX線像(各実施例ではX線透視像)と後述する光学カメラ12により取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けてそれぞれ記憶するテーブル8aを有しており、本実施例1では、テーブル8aは、X線像(各実施例ではX線透視像)をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付けてそれぞれ記憶している。テーブル8aの具体的な機能については後述する。
【0037】
入力部9は、オペレータが入力したデータや命令をコントローラ11に送り込む。入力部9は、マウスやキーボードやジョイスティックやトラックボールやタッチパネルなどに代表されるポインティングデバイスで構成されている。後述する実施例2〜4も含めて、本実施例1では、テーブル8aに過去に記憶された複数のX線像(各実施例ではX線透視像)からなるX線像群または複数の外観像からなる外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像を選択する機能、テーブル8aに過去に記憶された複数のX線像(各実施例ではX線透視像)または外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像を選択する機能などを入力部9が有している。これらの機能については後述する。
【0038】
出力部10は、モニタなどに代表される表示部やプリンタなどで構成されている。後述する実施例2〜4も含めて、本実施例1では、撮像部2での撮像結果や後述する光学カメラ12での撮像結果を出力部10のモニタに表示するとともに、テーブル8aに過去に記憶された撮像結果を読み出して出力部10のモニタに表示する。モニタの具体的な構成についても後述する。
【0039】
コントローラ11は、X線検査装置1を構成する各部分を統括制御する。上述の画像処理部7やコントローラ11は、中央演算処理装置(CPU)などで構成されている。画像処理部7で得られたX線透視像などのデータを、コントローラ11を介して、メモリ部8に書き込んで記憶、あるいは出力部10に送り込んで出力する。出力部10が表示部の場合には出力表示し、出力部10がプリンタの場合には出力印刷する。
【0040】
さらに、X線検査装置1は、対象物Oに対して光学撮影を行う光学カメラ12を備えている。光学カメラ12は、固体撮像素子(CCD: Charge Coupled Device)などで構成され、対象物Oに対して光を照射して、対象物Oの光学像を光学カメラ12のレンズ(図示省略)で取り込んでCCDにより光電変換を行うことにより光学撮影を行う。そして、光学撮影により外観像を取得する。X線透視像とほぼ同じ領域の外観像が取得できるように、光学カメラ12の位置並びに撮影倍率(拡大率・縮小率)が設定されている。また、光学カメラ12は、X線管21やX線検出器22の傾斜に連動して、あるいは独立して斜め方向から光学撮影することも可能である(図中の二点鎖線を参照)。光学カメラ12は、この発明における光学カメラに相当する。
【0041】
次に、本実施例1に係るメモリ部8(テーブル8a)や入力部9や出力部10の具体的な構成について、図2〜図5を参照して説明する。図2は、X線透視像と外観像とを互いに関連付けて登録する一実施態様であり、図3は、関連付け後の各ファイル名の一実施態様であり、図4、図5は、実施例1に係る画像選択および表示の一実施態様である。
【0042】
ユーザは、対象物O(図1を参照)をステージ3(図1を参照)上に載置してセットした後に、光学カメラ12(図1を参照)により光学撮影を行って、図2(a)に示すように外観像Iを取得して出力部10(図1を参照)のモニタ10Mに表示する。ユーザは外観像Iを参考にしながら、観察(X線検査)を行いたい箇所がX線透視像上に表示されるようにステージ3を移動させ、モニタ10Mに所望の箇所のX線透視像が表示されたら撮像部2(図1を参照)による撮像を行う。
【0043】
なお、撮像部2による撮像を行うまでは、撮像部2のX線管21(図1を参照)から撮像時よりも弱い線量のX線を照射して、撮像部2のX線検出器22(図1を参照)により当該X線を検出して得られたX線透視像をモニタ10Mに表示するモニタリングを行う。そして、所望の箇所のX線透視像がモニタ10Mに表示されるまでステージ3の移動等による微調整を行いつつモニタリングを続行する。モニタ10Mに所望の箇所のX線透視像が表示されたら、X線管21からモニタリング時よりも強い線量のX線を照射して、X線検出器22により当該X線を検出して撮像時のX線透視像を取得する。
【0044】
図2(b)に示すように、撮影時のX線透視像Fをモニタ10Mに表示して、モニタ10M上のX線透視像Fと外観像Iとを互いに関連付けて入力部9(図1を参照)により登録する。入力部9による登録については特に限定されず、例えば、登録用のボタンを押下することにより行ってもよいし、マウスによってポインタを登録用のボタンに合わせてクリックすることにより行ってもよいし、モニタ10Mに搭載された登録用のタッチパネルに触れることにより行ってもよい。
【0045】
また、X線透視像Fが対象物(サンプル)の全景でなく、対象物Oの一部分の箇所に関する像の場合には、図2(c)に示すように、X線透視像Fを外観像Iの当該一部分の箇所(以下、「区分箇所」と呼ぶ)Pに関連付けて入力部9により登録する。この入力部9による登録についても特に限定されず、例えば、マウスによってポインタを区分箇所Pに合わせてクリックすることにより行ってもよいし、モニタ10Mに搭載されたタッチパネル上の区分箇所Pに触れることにより行ってもよいし、キーボードから区分箇所Pの座標位置を直接に入力することにより行ってもよい。図2(d)に示すように、同じ対象物Oにおいて、別の区分箇所P´に新たなるX線透視像F´を関連付ける場合には、図2(c)と同様の手順で、当該X線透視像F´を外観像Iの当該区分箇所P´に関連付けて入力部9により登録する。
【0046】
同一対象物OについてX線透視像Fと外観像Iとを互いに関連付けて登録し終わったら、別の対象物Oについて登録の対象となるサンプルがあるか否かをユーザが判断して、登録の対象となるサンプルがある場合には、図2(a)〜図2(d)と同様の手順で登録を行う。なお、対象物O毎の登録については必ずしも連続的に行う必要はなく、X線検査毎に登録を行えばよい。
【0047】
このような登録を行うことにより、X線透視像Fと外観像Iとを同一対象物O毎に互いに関連付けて、メモリ部8(図1を参照)のテーブル8a(図1を参照)にそれぞれ記憶する。さらに、X線透視像Fを外観像Iの区分箇所Pに関連付けて登録することにより、X線透視像Fをそれに該当する外観像Iの区分箇所に関連付けて、テーブル8aにそれぞれ記憶する。
【0048】
関連付け後の実施態様については、例えば、図3(a)に示すように、同一対象物毎にフォルダが作成されて、互いに関連付けられたX線像のファイルと外観像のファイルとが同一のフォルダに保存される。図3(a)に示すように、対象物が「Sample#A」の場合には、例えば「Sample#A」というフォルダが作成されて、「Sample#A」に関するX線透視像のファイルと「Sample#A」に関する外観像のファイル「image_A」とが同一のフォルダ「Sample#A」に保存される。もし、X線透視像をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付ける場合には、図3(a)に示すように、例えば区分箇所の座標「#01」のX線透視像のファイル「address01_A」が同一のフォルダ「Sample#A」に保存され、区分箇所の座標「#02」のX線透視像のファイル「address02_A」が同一のフォルダ「Sample#A」に保存される。対象物が「Sample#B」の場合も同様である。
【0049】
なお、図2(a)〜図2(d)に示す手順で、図3(a)に示すようなフォルダが自動的に作成されて、各ファイルがそれぞれ自動的に保存されたが、ユーザが入力部9によりフォルダを手動で作成して、各ファイルを手動で保存することにより、X線透視像と外観像とを互いに関連付けてテーブル8aにそれぞれ記憶、あるいはX線透視像をそれに該当する外観像に関連付けてテーブル8aにそれぞれ記憶してもよい。また、図3(b)に示すように、インデックスファイルなどを作成して、インデックスファイルから各ファイルを参照することにより、互いに関連付けてもよい。この場合には必ずしも各ファイルを同じフォルダに保存する必要はない。
【0050】
続いて、テーブル8aに過去に記憶された画像に基づく画像選択および表示の各々の態様について、図4、図5を参照して説明する。先ず、図4(a)に示すように、モニタ10Mは、テーブル8a(図1を参照)に過去に記憶された外観像群I(ここでは4つの外観像I,I,I,I)を読み出して複数(ここでは4つ)に一覧表示する。そして、入力部9(図1を参照)により、モニタ10Mに一覧表示された外観像群Iの中から対象となる外観像(図4(a)では太枠で示された外観像I)を選択する。このように選択することで、テーブル8aに過去に記憶された外観像群の中から対象となる外観像を入力部9により選択する。入力部9による画像選択については特に限定されず、例えば、マウスによってポインタを対象となる外観像に合わせてクリックすることにより行ってもよいし、モニタ10Mに搭載されたタッチパネル上の対象となる外観像に触れることにより行ってもよいし、キーボードから対象となる外観像に対応したキーを直接に入力することにより行ってもよい。
【0051】
次に、図4(b)に示すように、モニタ10Mは、選択された外観像Iを表示するとともに、当該外観像Iに関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶されたX線透視像(ここでは16個のX線透視像からなるX線透視像群F100)を読み出して表示する。このX線透視像群F100は、図4(c)に示すように、16個のX線透視像F101〜F116からなり、各々のX線透視像F101〜F116は、外観像の各々の区分箇所にそれぞれ関連付けられて、テーブル8aに記憶されている。
【0052】
テーブル8aに記憶された16個のX線透視像F101〜F116を一覧表示した状態で、入力部9により、モニタ10Mに一覧表示された16個のX線透視像F101〜F116の中から対象となる対象となるX線透視像(図4(d)ではX線透視像F104)を選択する。このように選択することで、テーブル8aに過去に記憶された複数のX線透視像の中から対象となるX線透視像を入力部9により選択する。区分箇所に関連付けられたX線透視像を選択する場合においても、入力部9による画像選択については特に限定されず、例えば、マウスによってポインタを対象となるX線透視像に合わせてクリックすることにより行ってもよいし、モニタ10Mに搭載されたタッチパネル上の対象となるX線透視像に触れることにより行ってもよいし、キーボードから対象となるX線透視像に対応したキーを直接に入力することにより行ってもよい。
【0053】
さらに、図4(d)に示すように、モニタ10Mは、選択されたX線透視像F104を表示し、当該X線透視像F104に関連付けられた外観像Iの区分箇所Pを読み出して表示するとともに、選択されたX線透視像F104に関連付けられた外観像Iの区分箇所Pを当該外観像Iの他の箇所と識別して表示する。図4(d)では区分箇所Pを他の箇所と識別して表示するために枠で識別したが、どの部分を撮影したのかを識別するのであれば、枠に限定されず、例えば色付きのマーカなどで識別してもよい。また、一覧表示されたX線透視像F101〜F116の中から選択されたX線透視像F104を強調するために、X線透視像F104以外のX線透視像F101〜F116を表示せずにX線透視像F104を原寸サイズで表示あるいは拡大表示してもよい。また、関連付けを明確に表示するために、図4(d)に示すように、両画像(X線透視像F104・外観像Iの区分箇所P)を結ぶ矢印付きの線を表示してもよい。
【0054】
図4(c)および図4(d)では、入力部9により、テーブル8aに過去に記憶された複数のX線透視像(ここでは16個のX線透視像F101〜F116)の中から対象となるX線透視像104を選択し、モニタ10Mは、選択されたX線透視像F104に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶された外観像Iの区分箇所Pを読み出して表示するとともに、選択されたX線透視像F104に関連付けられた外観像Iの区分箇所Pを当該外観像Iの他の箇所と識別して表示した。逆に、図5(a)および図5(b)に示すように、入力部9により、テーブル8aに過去に記憶された外観像(図5(a)では外観像I)の中から対象となる外観像Iの区分箇所Pを選択し、モニタ10Mは、選択された外観像Iの区分箇所Pに関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶されたX線透視像(ここでは16個のX線透視像F101〜F116)を読み出して表示するとともに、選択された外観像Iの区分箇所Pを当該外観像Iの他の箇所と識別して表示することもできる。
【0055】
具体的に説明すると、図5(a)に示すように、テーブル8aに記憶された外観像Iの中から対象となる外観像Iの区分箇所Pを入力部9により任意に選択する。区分箇所を選択する場合においても、入力部9による画像選択については特に限定されず、例えば、マウスによってポインタを対象となる区分箇所に合わせてクリックすることにより行ってもよいし、モニタ10Mに搭載されたタッチパネル上の対象となる区分箇所に触れることにより行ってもよいし、キーボードから対象となる区分箇所に対応したキーを直接に入力あるいは対象となる区分箇所の座標位置を直接に入力することにより行ってもよい。
【0056】
さらに、図5(b)に示すように、モニタ10Mは、選択された外観像Iの区分箇所Pを表示し、選択された外観像Iの区分箇所Pを当該外観像Iの他の箇所と識別(ここでは枠で識別)して表示するとともに、当該外観像Iの区分箇所Pに関連付けられたX線透視像(ここではX線透視像F101)を表示する。同様に、枠以外に色付きのマーカなどで識別してもよい。また、一覧表示されたX線透視像F101〜F116の中から区分箇所Pに関連付けられたX線透視像F101を強調するために、X線透視像F101以外のX線透視像F101〜F116を表示せずにX線透視像F101を原寸サイズで表示あるいは拡大表示してもよい。また、関連付けを明確に表示するために、図5(b)に示すように、両画像(X線透視像F101・外観像Iの区分箇所P)を結ぶ矢印付きの線を表示してもよい。
【0057】
また、図5(c)および図5(d)のように、モニタ10Mは、テーブル8aに過去に記憶された外観像Iの区分箇所Pを読み出して複数(ここでは16個)に一覧表示し、入力部9により、モニタ10Mに一覧表示された複数の区分箇所Pの中から対象となる区分箇所を選択することで、テーブル8aに過去に記憶された外観像Iの中から対象となる外観像Iの区分箇所を選択することもできる。
【0058】
具体的に説明すると、図5(c)に示すように、モニタ10Mは、テーブル8aに過去に記憶された外観像Iの区分箇所Pを読み出して複数(ここでは16個)に一覧表示する。そして、入力部9により、モニタ10Mに一覧表示された複数の区分箇所Pの中から対象となる区分箇所を選択する。このように選択することで、テーブル8aに過去に記憶された外観像Iの中から対象となる外観像Iの区分箇所を入力部9により選択する。
【0059】
さらに、図5(d)に示すように、モニタ10Mは、選択された外観像Iの区分箇所を表示し、選択された外観像Iの区分箇所の他の箇所と識別(例えば色付きのマーカなどで識別)して表示するとともに、当該外観像Iの区分箇所に関連付けられたX線透視像を表示する。同様に、関連付けを明確に表示するために、図5(d)に示すように、両画像(X線透視像・外観像Iの区分箇所)を結ぶ矢印付きの線を表示してもよい。
【0060】
上述の構成を備えた本実施例1に係るX線検査装置によれば、X線検出器22により取得されたX線像(各実施例ではX線透視像)と光学カメラ12により取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けて、テーブル8aにそれぞれ記憶している。そして、そのテーブル8aに過去に記憶された複数のX線像からなるX線像群または複数の外観像からなる外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像(本実施例1では外観像)を入力部9により選択する。その入力部9で選択された一方の画像(外観像)に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶された他方の画像(本実施例1ではX線透視像)を読み出してモニタ10Mに表示する。図4(a)に示すように選択の対象となる一方の画像が外観像の場合には、選択された外観像の対象物(サンプル)から、それに関連付けられた他方の画像であるX線像(X線透視像)を表示することができ、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる。
【0061】
本実施例1では、図4(a)に示すように、入力部9により、テーブル8aに過去に記憶された外観像群の中から対象となる外観像を選択し、モニタ10Mは、入力部9で選択された外観像に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶されたX線像(X線透視像)を読み出して表示している。この場合には、選択された外観像の対象物から、それに関連付けられた他方の画像であるX線像(X線透視像)を表示することができ、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる。
【0062】
本実施例1の場合には、テーブル8aに過去に記憶された外観像群の中から対象となる外観像を選択するのに、好ましくは図4(a)のように一覧表示している。すなわち、モニタ10Mは、テーブル8aに過去に記憶された外観像を読み出して複数に一覧表示し、入力部9により、モニタ10Mに一覧表示された複数の外観像からなる外観像群の中から対象となる外観像を選択することで、テーブル8aに過去に記憶された外観像群の中から対象となる外観像を選択している。一覧表示にすることで、外観像の選択を視覚で容易に行うことができる。
【0063】
本実施例1では、好ましくは、図4(b)に示すように、モニタ10Mは、入力部9で選択された外観像を表示するとともに、当該外観像に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶されたX線像(X線透視像)を読み出して表示している。選択された外観像を併せて表示することで、X線像(X線透視像)との対応関係が容易にわかる。
【0064】
また、本実施例1に係るX線検査装置によれば、X線検出器22により取得された複数のX線像(X線透視像)と光学カメラ12により取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けるとともに、X線像(X線透視像)をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付けて、テーブル8aにそれぞれ記憶している。そして、そのテーブル8aに過去に記憶された複数のX線像または外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像(図4(c)、図4(d)ではX線透視像)を入力部9により選択する。その入力部9で選択された一方の画像(X線透視像)に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶された他方の画像(図4(c)、図4(d)では外観像)を読み出してモニタ10Mに表示するとともに、選択された外観像の区分箇所あるいは選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所(図4(c)、図4(d)では選択されたX線透視像に関連付けられた外観像の区分箇所)を、当該外観像の他の箇所と識別してモニタ10Mに表示する。図4(c)に示すように選択の対象となる一方の画像がX線像(X線透視像)の場合には、選択されたX線像(X線透視像)から、それに関連付けられた他方の画像である外観像の区分箇所を、当該外観像の他の箇所と識別して表示することができ、過去に撮影された画像から対象物中のどの部分かがわかることができる。
【0065】
本実施例1では、図4(a)および図4(b)の表示態様と図4(c)および図4(d)の表示態様とを組み合わせて、図4(a)〜図4(d)を一連の画像選択および表示として順に行っている。すなわち、図4(a)および図4(b)の表示態様の後において、図4(c)および図4(d)の表示態様のように、テーブル8aは、X線像(X線透視像)をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付けてそれぞれ記憶し、入力部9により、テーブル8aに過去に記憶された複数のX線像または外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像(図4(c)、図4(d)ではX線透視像)を選択し、モニタ10Mは、入力部9で選択された一方の画像(X線透視像)に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶された他方の画像(外観像)を読み出して表示するとともに、選択された外観像の区分箇所あるいは選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所(図4(c)、図4(d)では選択されたX線透視像に関連付けられた外観像の区分箇所)を、当該外観像の他の箇所と識別して表示する。
【0066】
本実施例1では、図5(a)に示すように、入力部9により、テーブル8aに過去に記憶された外観像の中から対象となる外観像の区分箇所を選択し、モニタ10Mは、入力部9で選択された外観像の区分箇所に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶されたX線像(X線透視像)を読み出して表示するとともに、選択された外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示している。この場合には、選択された外観像の対象物から、それに関連付けられた他方の画像であるX線像(X線透視像)を表示することができ、対象物から過去に撮影された画像を検索することができる。
【0067】
本実施例1では、好ましくは、図5(b)に示すように、モニタ10Mは、入力部9で選択された外観像の区分箇所を表示し、選択された外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示するとともに、当該外観像の区分箇所に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶されたX線像(X線透視像)を読み出して表示している。選択された外観像の区分箇所を併せて表示することで、X線像(X線透視像)との対応関係が容易にわかる。
【0068】
本実施例1では、図5(c)に示すように、図5(a)と同様に、入力部9により対象となる外観像の区分箇所を選択し、モニタ10Mは、当該区分箇所に関連付けられたX線像(X線透視像)を表示し、選択された外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示している。
【0069】
本実施例1の場合には、テーブル8aに過去に記憶された外観像の中から対象となる外観像の区分箇所を選択するのに、好ましくは図5(c)のように一覧表示している。すなわち、モニタ10Mは、テーブル8aに過去に記憶された外観像の区分箇所を読み出して複数に一覧表示し、入力部9により、モニタ10Mに一覧表示された複数の区分箇所の中から対象となる区分箇所を選択することで、テーブル8aに過去に記憶された外観像の中から対象となる外観像の区分箇所を選択している。一覧表示にすることで、外観像の区分箇所の選択を視覚で容易に行うことができる。
【実施例2】
【0070】
次に、図面を参照してこの発明の実施例2を説明する。
図6、図7は、実施例2に係る画像選択および表示の一実施態様である。上述した実施例1と共通する箇所については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、図1に示すように、本実施例2に係るX線検査装置1は、実施例1に係るX線検査装置1と同じ構成である。
【0071】
上述した実施例1では、図4(a)および図4(b)の表示態様の後に、図4(c)および図4(d)の表示態様、図5(a)および図5(b)の表示態様あるいは図5(c)および図5(d)の表示態様を行ったが、本実施例2では、図4(a)および図4(b)の表示態様を行わずに、図6(a)〜図6(c)の表示態様あるいは図7(a)および図7(b)の表示態様から始める。すなわち、上述した実施例1のようにX線像群または外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像(実施例1では外観像)を選択した後に当該一方の画像(外観像)に関連付けられた他方の画像(実施例1ではX線透視像)を表示せずに、本実施例2では、複数のX線像または外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像(本実施例2では外観像の区分箇所)を選択した後に当該一方の画像(外観像の区分箇所)に関連付けられた他方の画像(本実施例2ではX線透視像)を、図6(a)〜図6(c)あるいは図7(a)および図7(b)に示すように表示する。
【0072】
具体的に説明すると、図6(a)に示すように、テーブル8a(図1を参照)に記憶された外観像Iを読み出してモニタ10Mに表示する。そして、図6(b)に示すように、外観像Iの中から対象となる外観像Iの区分箇所Pを入力部9(図1を参照)により任意に選択する。区分箇所を選択する場合においても、入力部9による画像選択については特に限定されず、例えば、マウスによってポインタを対象となる区分箇所に合わせてクリックすることにより行ってもよいし、モニタ10Mに搭載されたタッチパネル上の対象となる区分箇所に触れることにより行ってもよいし、キーボードから対象となる区分箇所に対応したキーを直接に入力あるいは対象となる区分箇所の座標位置を直接に入力することにより行ってもよい。
【0073】
さらに、図6(c)に示すように、モニタ10Mは、選択された外観像Iの区分箇所Pを表示し、選択された外観像Iの区分箇所Pを当該外観像Iの他の箇所と識別(ここでは枠で識別)して表示するとともに、当該外観像Iの区分箇所Pに関連付けられたX線透視像Fを表示する。同様に、枠以外に色付きのマーカなどで識別してもよい。また、関連付けを明確に表示するために、図6(c)に示すように、両画像(X線透視像F・外観像Iの区分箇所P)を結ぶ矢印付きの線を表示してもよい。
【0074】
また、図7(a)に示すように、モニタ10Mは、テーブル8aに過去に記憶された外観像Iの区分箇所Pを読み出して複数(ここでは16個)に一覧表示する。そして、入力部9により、モニタ10Mに一覧表示された複数の区分箇所Pの中から対象となる区分箇所を選択する。このように選択することで、テーブル8aに過去に記憶された外観像Iの中から対象となる外観像Iの区分箇所を入力部9により選択する。
【0075】
さらに、図7(b)に示すように、モニタ10Mは、選択された外観像Iの区分箇所を表示し、選択された外観像Iの区分箇所の他の箇所と識別(例えば色付きのマーカなどで識別)して表示するとともに、当該外観像Iの区分箇所に関連付けられたX線透視像Fを表示する。同様に、関連付けを明確に表示するために、図7(b)に示すように、両画像(X線透視像F・外観像Iの区分箇所)を結ぶ矢印付きの線を表示してもよい。
【0076】
本実施例2の作用・効果については、図6(a)〜図6(c)の表示態様は、図5(a)および図5(b)の表示態様と同様であるので、その説明を省略する。また、図7(a)および図7(b)の表示態様も、図5(c)および図5(d)の表示態様と同様であるので、その説明を省略する。
【実施例3】
【0077】
次に、図面を参照してこの発明の実施例3を説明する。
図8(a)、図8(b)は、実施例3に係る画像選択および表示の一実施態様である。上述した実施例1、2と共通する箇所については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、図1に示すように、本実施例3に係るX線検査装置1は、実施例1、2に係るX線検査装置1と同じ構成である。
【0078】
上述した実施例1では、複数のX線像からなるX線像群または複数の外観像からなる外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像は外観像であって、一方の画像である外観像を選択した後に他方の画像であるX線透視像を表示したが、本実施例3では、一方の画像はX線透視像であって、一方の画像であるX線透視像を選択した後に他方の画像である外観像を表示する。
【0079】
先ず、図8(a)に示すように、モニタ10Mは、テーブル8a(図1を参照)に過去に記憶されたX線透視像群F(ここでは4つのX線透視像F,F,F,F)を読み出して複数(ここでは4つ)に一覧表示する。そして、入力部9(図1を参照)により、モニタ10Mに一覧表示されたX線透視像群Fの中から対象となるX線透視像(図8(a)では太枠で示されたX線透視像F)を選択する。このように選択することで、テーブル8aに過去に記憶されたX線透視像群の中から対象となるX線透視像を入力部9により選択する。入力部9による画像選択については特に限定されず、例えば、マウスによってポインタを対象となるX線透視像に合わせてクリックすることにより行ってもよいし、モニタ10Mに搭載されたタッチパネル上の対象となるX線透視像に触れることにより行ってもよいし、キーボードから対象となるX線透視像に対応したキーを直接に入力することにより行ってもよい。
【0080】
次に、図8(b)に示すように、モニタ10Mは、選択されたX線透視像Fを表示するとともに、当該X線透視像Fに関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶された外観像Iを読み出して表示する。
【0081】
上述の構成を備えた本実施例2に係るX線検査装置によれば、そのテーブル8aに過去に記憶された複数のX線像からなるX線像群または複数の外観像からなる外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像(本実施例3ではX線透視像)を入力部9により選択する。その入力部9で選択された一方の画像(X線透視像)に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶された他方の画像(本実施例3では外観像)を読み出してモニタ10Mに表示する。図8(a)に示すように選択の対象となる一方の画像がX線像(X線透視像)の場合には、選択されたX線像(X線透視像)から、それに関連付けられた他方の画像である外観像を表示することができ、過去に撮影された画像から対象物がわかることができる。
【0082】
本実施例3では、図8(a)に示すように、入力部9により、テーブル8aに過去に記憶されたX線像群の中から対象となるX線像(X線透視像)を選択し、モニタ10Mは、入力部9で選択されたX線像(X線透視像)に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶された外観像を読み出して表示している。この場合には、選択されたX線像(X線透視像)から、それに関連付けられた他方の画像である外観像を表示することができ、過去に撮影された画像から対象物がわかることができる。
【0083】
本実施例3の場合には、テーブル8aに過去に記憶されたX線像群の中から対象となるX線像(X線透視像)を選択するのに、好ましくは図8(a)のように一覧表示している。すなわち、モニタ10Mは、テーブル8aに過去に記憶されたX線像(X線透視像)を読み出して複数に一覧表示し、入力部9により、モニタ10Mに一覧表示された複数のX線像(X線透視像)からなるX線像群の中から対象となるX線像(X線透視像)を選択することで、テーブル8aに過去に記憶されたX線像群の中から対象となるX線像(X線透視像)を選択する。一覧表示にすることで、X線像(X線透視像)の選択を視覚で容易に行うことができる。
【0084】
本実施例3では、好ましくは、図8(b)に示すように、モニタ10Mは、入力部9で選択されたX線像(X線透視像)を表示するとともに、当該X線像(当該X線透視像)に関連付けられ、かつテーブル8aに過去に記憶された外観像を読み出して表示している。選択されたX線像(X線透視像)を併せて表示することで、外観像との対応関係が容易にわかる。
【実施例4】
【0085】
次に、図面を参照してこの発明の実施例4を説明する。
図8(c)、図8(d)は、実施例4に係る画像選択および表示の一実施態様である。上述した実施例1〜3と共通する箇所については、同じ符号を付してその説明を省略する。また、図1に示すように、本実施例4に係るX線検査装置1は、実施例1〜3に係るX線検査装置1と同じ構成である。
【0086】
上述した実施例1では、図4(a)および図4(b)の表示態様の後に、図4(c)および図4(d)の表示態様、図5(a)および図5(b)の表示態様あるいは図5(c)および図5(d)の表示態様を行ったが、本実施例4では、図4(a)および図4(b)の表示態様を行わずに、図8(c)および図8(d)の表示態様から始める。すなわち、上述した実施例1のようにX線像群または外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像(実施例1では外観像)を選択した後に当該一方の画像(外観像)に関連付けられた他方の画像(実施例1ではX線透視像)を表示せずに、本実施例4では、複数のX線像または外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像(本実施例4ではX線透視像)を選択した後に当該一方の画像(X線透視像)に関連付けられた他方の画像(本実施例4では外観像)を、図8(c)および図8(d)に示すように表示する。
【0087】
具体的に説明すると、図8(c)に示すように、モニタ10Mは、テーブル8aに過去に記憶されたX線透視像(ここでは16個のX線透視像からなるX線透視像群F100)を読み出して複数(ここでは16個)に一覧表示する。実施例1の図4(c)と同じく、このX線透視像群F100は、図8(c)に示すように、16個のX線透視像F101〜F116からなり、各々のX線透視像F101〜F116は、外観像の各々の区分箇所にそれぞれ関連付けられて、テーブル8aに記憶されている。
【0088】
テーブル8aに記憶された16個のX線透視像F101〜F116を一覧表示した状態で、入力部9により、モニタ10Mに一覧表示された16個のX線透視像F101〜F116の中から対象となる対象となるX線透視像(図8(d)ではX線透視像F104)を選択する。このように選択することで、テーブル8aに過去に記憶された複数のX線透視像の中から対象となるX線透視像を入力部9により選択する。区分箇所に関連付けられたX線透視像を選択する場合においても、入力部9による画像選択については特に限定されず、例えば、マウスによってポインタを対象となるX線透視像に合わせてクリックすることにより行ってもよいし、モニタ10Mに搭載されたタッチパネル上の対象となるX線透視像に触れることにより行ってもよいし、キーボードから対象となるX線透視像に対応したキーを直接に入力することにより行ってもよい。
【0089】
さらに、図8(d)に示すように、モニタ10Mは、選択されたX線透視像F104を表示し、当該X線透視像F104に関連付けられた外観像Iの区分箇所Pを読み出して表示するとともに、選択されたX線透視像F104に関連付けられた外観像Iの区分箇所Pを当該外観像Iの他の箇所と識別(例えば色付きのマーカなどで識別)して表示する。実施例1の図4(d)と同じく、一覧表示されたX線透視像F101〜F116の中から選択されたX線透視像F104を強調するために、X線透視像F104以外のX線透視像F101〜F116を表示せずにX線透視像F104を原寸サイズで表示あるいは拡大表示してもよい。また、関連付けを明確に表示するために、図8(d)に示すように、両画像(X線透視像F104・外観像Iの区分箇所P)を結ぶ矢印付きの線を表示してもよい。
【0090】
本実施例4の作用・効果については、図8(c)および図8(d)の表示態様は、図4(c)および図4(d)の表示態様と同様であるので、その説明を省略する。
【0091】
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0092】
(1)上述した各実施例では、対象物(サンプル)として集積回路(IC)を例に採って説明したが、これらに限定されない。多層基板のスルーホール/パターン/はんだ接合部、金属などの鋳物、ビデオデッキのような成型品などに例示されるように、対象物に対してX線透視撮影を行うことで対象物に対するX線検査を行うのであればよい。
【0093】
(2)上述した各実施例では、対象物に対してX線透視撮影を行うことで対象物に対するX線検査を行ったが、対象物に対してCT撮影を行うことで対象物に対するX線検査を行う場合に適用してもよい。また、X線透視撮影およびCT撮影を組み合わせてX線検査を行う場合に適用してもよい。
【0094】
(3)上述した各実施例では、外観像の区分箇所を任意に選択するとき(図5(a)や図6(b)を参照)、あるいは画像(外観像やX線像)を複数に一覧表示にしてから画像を選択するときに、画像を表示した後に選択したが、テーブルに画像に対応したキーあるいは座標を対応付けて予め記憶して、画像を表示しない状態でキーあるいは座標を直接に入力することで画像をそれぞれ選択してもよい。
【0095】
(4)上述した各実施例では、区分箇所を他の箇所と識別するのに枠や色付きのマーカなどを例示したが、通常に識別する手法であれば特に限定されない。例えば、区分箇所を白色画像(画素値が高い画像)あるいは黒色画像(画素値が低い画像)にして識別してもよいし、周囲の箇所に対してコントラストがつくように画素値を変更することで識別してもよい、あるいはモザイクをかけて識別してもよい。
【0096】
(5)上述した実施例1では、図4(a)および図4(b)の表示態様の後に、図4(c)および図4(d)の表示態様、図5(a)および図5(b)の表示態様あるいは図5(c)および図5(d)の表示態様を行ったが、図4(a)および図4(b)の表示態様のみを行ってもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 … X線検査装置
8 … メモリ部
8a … テーブル
9 … 入力部
10 … 出力部
10M … モニタ
12 … 光学カメラ
21 … X線管
22 … X線検出器
F … X線透視像
I … 外観像
O … 対象物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に対してX線検査を行うX線検査装置であって、
X線を対象物に対して照射するX線照射手段と、
照射された前記X線を検出して前記X線検査を行うことで当該対象物のX線像を取得するX線検出手段と、
対象物に対して光学撮影を行うことで当該対象物の外観像を取得する光学カメラと
を備えるとともに、
前記X線検出手段により取得されたX線像と前記光学カメラにより取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けてそれぞれ記憶する記憶手段と、
その記憶手段に過去に記憶された複数の前記X線像からなるX線像群または複数の前記外観像からなる外観像群のいずれか一方の画像群の中から対象となる一方の画像を選択する画像選択手段と、
その画像選択手段で選択された前記一方の画像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示する表示手段と
を備えることを特徴とするX線検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線検査装置において、
前記画像選択手段は、前記記憶手段に過去に記憶された前記外観像群の中から対象となる外観像を選択し、
前記表示手段は、前記画像選択手段で選択された前記外観像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して表示する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項3】
請求項2に記載のX線検査装置において、
前記表示手段は、前記記憶手段に過去に記憶された前記外観像を読み出して複数に一覧表示し、
前記画像選択手段は、前記表示手段に一覧表示された複数の前記外観像からなる外観像群の中から対象となる外観像を選択することで、前記記憶手段に過去に記憶された前記外観像群の中から対象となる外観像を選択する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載のX線検査装置において、
前記表示手段は、前記画像選択手段で選択された前記外観像を表示するとともに、当該外観像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して表示する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項5】
請求項1に記載のX線検査装置において、
前記画像選択手段は、前記記憶手段に過去に記憶された前記X線像群の中から対象となるX線像を選択し、
前記表示手段は、前記画像選択手段で選択された前記X線像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶された外観像を読み出して表示する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載のX線検査装置において、
前記表示手段は、前記記憶手段に過去に記憶された前記X線像を読み出して複数に一覧表示し、
前記画像選択手段は、前記表示手段に一覧表示された複数の前記X線像からなるX線像群の中から対象となるX線像を選択することで、前記記憶手段に過去に記憶された前記X線像群の中から対象となるX線像を選択する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載のX線検査装置において、
前記表示手段は、前記画像選択手段で選択された前記X線像を表示するとともに、当該X線像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶された外観像を読み出して表示する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のX線検査装置において、
前記記憶手段は、前記X線像をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付けてそれぞれ記憶し、
前記画像選択手段は、前記記憶手段に過去に記憶された複数のX線像または前記外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像を選択し、
前記表示手段は、前記画像選択手段で選択された前記一方の画像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示するとともに、選択された外観像の区分箇所あるいは選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を、当該外観像の他の箇所と識別して表示する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項9】
対象物に対してX線検査を行うX線検査装置であって、
X線を対象物に対して照射するX線照射手段と、
照射された前記X線を検出して前記X線検査を行うことで当該対象物のX線像を取得するX線検出手段と、
対象物に対して光学撮影を行うことで当該対象物の外観像を取得する光学カメラと
を備えるとともに、
前記X線検出手段により取得された複数のX線像と前記光学カメラにより取得された外観像とを同一対象物毎に互いに関連付けるとともに、X線像をそれに該当する外観像の区分箇所に関連付けてそれぞれ記憶する記憶手段と、
その記憶手段に過去に記憶された複数のX線像または前記外観像の中から対象となるX線像または外観像の区分箇所のいずれか一方の画像を選択する画像選択手段と、
その画像選択手段で選択された前記一方の画像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶された他方の画像を読み出して表示するとともに、選択された外観像の区分箇所あるいは選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を、当該外観像の他の箇所と識別して表示する表示手段と
を備えることを特徴とするX線検査装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載のX線検査装置において、
前記画像選択手段は、前記記憶手段に過去に記憶された前記外観像の中から対象となる外観像の区分箇所を選択し、
前記表示手段は、前記画像選択手段で選択された前記外観像の区分箇所に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して表示するとともに、選択された外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項11】
請求項10に記載のX線検査装置において、
前記表示手段は、前記記憶手段に過去に記憶された前記外観像の区分箇所を読み出して複数に一覧表示し、
前記画像選択手段は、前記表示手段に一覧表示された複数の前記区分箇所の中から対象となる区分箇所を選択することで、前記記憶手段に過去に記憶された前記外観像の中から対象となる外観像の区分箇所を選択する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載のX線検査装置において、
前記表示手段は、前記画像選択手段で選択された前記外観像の区分箇所を表示し、選択された外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示するとともに、当該外観像の区分箇所に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶されたX線像を読み出して表示する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項13】
請求項8または請求項9に記載のX線検査装置において、
前記画像選択手段は、前記記憶手段に過去に記憶された複数の前記X線像の中から対象となるX線像を選択し、
前記表示手段は、前記画像選択手段で選択された前記X線像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶された外観像の区分箇所を読み出して表示するとともに、選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項14】
請求項13に記載のX線検査装置において、
前記表示手段は、前記記憶手段に過去に記憶された前記X線像を読み出して複数に一覧表示し、
前記画像選択手段は、前記表示手段に一覧表示された複数の前記X線像の中から対象となるX線像を選択することで、前記記憶手段に過去に記憶された複数の前記X線像の中から対象となるX線像を選択する
ことを特徴とするX線検査装置。
【請求項15】
請求項13または請求項14に記載のX線検査装置において、
前記表示手段は、前記画像選択手段で選択された前記X線像を表示し、当該X線像に関連付けられ、かつ前記記憶手段に過去に記憶された外観像の区分箇所を読み出して表示するとともに、選択されたX線像に関連付けられた外観像の区分箇所を当該外観像の他の箇所と識別して表示する
ことを特徴とするX線検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−237577(P2012−237577A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105110(P2011−105110)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】