説明

X線異物検出装置

【課題】 X線検出器の交換回数を減らして長寿命化を図る。
【解決手段】 X線検出センサ5bは、検出面5baがX線の照射領域平面上で被検査体の搬送方向と直交する方向に検出用パイプ3bの外径よりも2倍以上長くライン状に形成される。現在運用しているX線検出センサ5bの検出面5baのX線検出感度が低下して寿命がきた場合に、検出用パイプ3bと異物検出部5を含む筐体2とを予め設定により分割された検出面5baの幅a分だけY方向に相対移動させ、X線検出センサ5bの検出位置を変更する。X線検出センサ5bの検出位置変更前後では、X線検出センサ5bの検出面5baの未使用領域が遮蔽部材6によって遮蔽される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種食品からなる被検査体をパイプライン内に搬送させ、被検査体が搬送されるパイプラインにX線を照射し、このX線の照射に伴ってパイプラインを通過してくるX線の透過量に基づいて被検査体への異物混入の有無を検出するX線異物検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、製造ラインの検査工程において、被検査体として各種食品等への異物(例えば金属、ガラス、殻、骨など)混入の有無を検出するためにX線異物検出装置が用いられている。この種のX線異物検出装置では、順次搬送される被検査体にX線を照射し、このX線の照射に伴うX線の透過量に基づいて異物混入の有無を検出している。
【0003】
ところで、この種のX線異物検出装置において、例えばアサリやシジミ等の貝類の剥き身、魚のすり身、レトルト食品の具材、具材入スープ等を被検査体とする場合には、搬送コンベアに代えてパイプラインが搬送手段として一般的に用いられる。そして、パイプライン内に被検査体を搬送する際には、被検査体の種類に応じて搬送形態が異なる。例えば貝類の剥き身等のように被検査体自身が流動性を有さない場合には、搬送用流体として例えば水や空気等を利用し、この搬送用流体と共に被検査体がパイプライン内に流動搬送される。これに対し、例えば具材入スープ等のように被検査体自身が流動性を有する場合には、搬送用流体を用いずに被検査体のみがパイプライン内に流動搬送される。
【0004】
ここで、上述したパイプラインを搬送手段とするX線異物検出装置の一例として、下記特許文献1に開示されるX線異物検出装置が知られている。このX線異物検出装置は、図12に示すように、X線検査部116を有し、このX線検査部116に被検査体(貝剥身110と貝殻片及び金属片などの異物と搬送用流体112)が、図示しない供給タンクからパイプライン114を通過して供給される。X線検査部116では、X線発生管118から照射されたX線が、前記パイプライン114の下流側に連通されたパイプライン120を通して前記被検査体に所定のタイミングで照射される。そして、被検査体を透過したX線が一定の間隔でパイプライン120を横断する方向にそれぞれ複数配列されているX線センサ122,124で計測される。ここで、X線センサ122,124の計測結果に基づいて、図示しない信号処理部から異物検出信号が出力されると、排出弁128を作動させて異物を含む被検査体がパイプライン130に案内されて排出される。
【特許文献1】特許第2591171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図12のX線異物検出装置を含め、この種の従来のパイプラインを用いたX線異物検出装置では、パイプライン120の外径幅に合わせてパイプライン120を横断する方向に配列されたX線センサによりパイプライン120を透過してくるX線を検出している。そして、異物検出時には、パイプライン120を透過してくるX線がX線センサの各素子に常時照射されることになるが、パイプライン120内を搬送される被検査体に応じてX線照射量もX線センサの各素子毎に異なる。このため、長時間に渡って異物検出を行うと、使用環境や経年変化に伴う素子劣化だけでなく、X線センサの各素子のX線検出感度が鈍くなったり、素子の一部が劣化して寿命がくる。そして、X線センサに寿命がきた場合には、検出値に誤差を招いて正確な異物検出が行えないため、X線センサを新しいものと交換する必要がある。ところが、従来よりこの種のX線センサの着脱交換には手間を要し、交換作業が非常に面倒であった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、X線検出器の交換作業の回数を減らして寿命を延ばすことができるX線異物検出装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたX線異物検出装置は、被検査体が搬送される検出用パイプ3bにX線を照射するX線発生器5aと、
該X線発生器に対し前記検出用パイプを挟むように対向配置され、該X線発生器からのX線の照射に伴って前記検出用パイプを透過してくるX線を検出するX線検出センサ5bとから構成される異物検出手段5を備え、前記X線検出センサからのX線透過量に基づいて異物混入の有無を検出するX線異物検査装置において、
前記X線検出センサの検出面5baを前記X線の照射領域平面上で前記被検査体の搬送方向と直交する方向に前記検出用パイプの外径よりも2倍以上長くライン状に形成し、
該X線検出センサの検出面を複数のブロックに分割し、該ブロックのうち少なくとも1つ以上のブロックを異物混入の有無の検出を行わない未使用領域として設定する未使用領域設定手段と、
前記検出用パイプと前記異物検出手段とを、前記X線検出センサの検出感度に応じて前記X線の照射領域平面上で前記被検査体の搬送方向と直交する方向に相対移動させる移動機構7と、
前記X線検出センサの検出面の未使用領域を遮蔽する遮蔽手段6とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載されたX線異物検出装置は、請求項1記載のX線異物検出装置において、
前記遮蔽手段6は、前記X線発生器5aから照射されたX線が前記検出用パイプ3bを通過して前記X線検出センサ5bに検出されるまでの間のX線照射経路上に設けられることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載されたX線異物検出装置は、請求項1又は2記載のX線異物検出装置において、
前記移動機構7は、前記異物検出手段5側を固定した状態で前記検出用パイプ3b側を前記未使用領域設定手段で分割された検出面の幅単位で移動させることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載されたX線異物検出装置は、請求項1又は2記載のX線異物検出装置において、
前記移動機構7は、前記検出用パイプ3b側を固定した状態で前記異物検出手段5側を前記未使用領域設定手段で分割された検出面の幅単位で移動させることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載されたX線異物検出装置は、請求項1〜4の何れかに記載のX線異物検出装置において、
前記被検査体の検出位置を変更する旨の入力情報に基づいて前記移動機構7の移動を制御する制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のX線異物検出装置では、X線検出手段の検出面をX線の照射領域平面上で被検査体の搬送方向と直交する方向に検出用パイプの外径よりも長くライン状に形成し、検出用パイプとX線検出手段とを相対移動させる。これにより、X線検出器を複数領域に分けて使用でき、交換作業の回数を低減して寿命を延ばすことができる。また、X線検出手段の検出位置の変更を自動化することにより、作業の効率化を図ることができる。X線検出手段の検出位置変更前後において、X線検出手段の検出面の未使用領域を遮蔽手段によって遮蔽しているので、X線照射による未使用領域の検出面の劣化を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら具体的に説明する。図1は本発明に係るX線異物検出装置の正面図、図2は図1のX線異物検出装置の平面図、図3(a),(b),(c)は本発明に係るX線異物検出装置の検出位置変更前の状態例を示す平面、正面、側面の部分拡大図、図4(a),(b),(c)は本発明に係るX線異物検出装置の検出位置変更後の状態例を示す平面、正面、側面の部分拡大図、図5(a),(b),(c)はX線検出器が複数ブロックで構成される場合の検出位置変更前の状態例を示す平面、正面、側面の部分拡大図、図6は本発明に係るX線異物検出装置の第1形態の移動機構を採用した概略斜視図であり、検出位置変更前の状態図、図7は本発明に係るX線異物検出装置の第1形態の移動機構を採用した概略斜視図であり、検出位置変更後の状態図、図8は本発明に係るX線異物検出装置の第2形態の移動機構を採用した概略斜視図であり、検出位置変更前の状態図、図9は本発明に係るX線異物検出装置の第2形態の移動機構を採用した概略斜視図であり、検出位置変更後の状態図、図10は本発明に係るX線異物検出装置の第1形態の移動機構を自動化したときの一例を示す機能ブロック図、図11は本発明に係るX線異物検出装置の機能ブロック図である。なお、図1及び図2では後述する移動機構を簡略化している。
【0014】
本例のX線異物検出装置は、製造ラインの一部に設けられ、例えばアサリやシジミ等の貝類の剥き身、海産物、魚のすり身、具材入スープ、レトルト食品の具材などの各種食品を被検査体としてパイプライン内に連続的に流動搬送させ、被検査体への異物混入の有無を検出するものである。
【0015】
なお、例えば具材入スープ等のように、被搬送体自身が流動性を有している場合には、被搬送体がそのままパイプライン内に搬送される。これに対し、例えばアサリやシジミ等の貝類の剥き身、レトルト食品の具材等のように、被搬送体自身が流動性を有していない場合には、例えば水や空気等の搬送用流体によりパイプライン内に搬送される。
【0016】
まず、被検査体への異物混入の有無を検出するためのX線異物検出装置1の概略構成について説明する。図1及び図2に示すように、X線異物検出装置1は、装置本体をなす筐体2と、被検査体を連続的に流動搬送するパイプライン3と、被検査体の搬送方向を切り替える切替弁部4とを備えている。
【0017】
図1及び図2に示すように、パイプライン3は、予め複数のパイプが配管接続されたもので、被検査体供給用パイプ3a、検出用パイプ3b、NG品吐出用パイプ3c、未検出品吐出用パイプ3d、良品吐出用パイプ3eから構成される。また、切替弁部4は、検出用パイプ3bと良品吐出用パイプ3eとの間に設けられ、三方バルブ4aと切替バルブ4bから構成される。
【0018】
被検査体供給用パイプ3aは、筐体2の上流側に配管され、不図示の搬送ポンプにより被検査体が流動搬送される。検出用パイプ3bは、一端が被検査体供給用パイプ3aに接続され、他端が三方バルブ4aの流入側に接続されている。検出用パイプ3bの略中央部分には、被検査体供給用パイプ3aから流動搬送される被検査体への異物混入の有無を検出するための異物検出部(異物検出手段)5が設けられている。この検出用パイプ3bでは、異物検出部(異物検出手段)5によって異物有無の検出がなされた被検査体を三方バルブ4aに流入搬送している。NG品吐出用パイプ3cは、筐体2の下流側で三方バルブ4aの側方に分岐した一方の出口に接続され、NG品と判別された被検査体を吐出する。切替バルブ4bは、三方バルブ4aの他方の出口に接続され、未検出品吐出用パイプ3dと良品吐出用パイプ3eの切り替えを行っている。未検出品吐出用パイプ3dは、切替バルブ4bの側方の出口に分岐して接続され、例えば選別確認用にテスト搬送される被検査体や感度補正時の未検出品の被検査体等を吐出する。良品吐出用パイプ3eは、切替バルブ4bの他方の出口に接続され、良品と判別された被検査体を不図示の製品受け箱や充填装置等に吐出する。
【0019】
なお、三方バルブ4aは、検出結果に応じて所定のタイミングで流路を切り替えることができ、検出した異物を含む被検査体(流体)をNG品吐出用パイプ3cから排出することができる。また、切替バルブ4bは、被検査体のテスト搬送時や感度補正時等に手動で切り替えることができ、選別確認用にテスト搬送される被検査体や感度補正時の未検出品の被検査体等を未検出品吐出用パイプ3dから再度被検査体供給用パイプ3aの供給元側に送り戻すことができる。
【0020】
図3(b)に示すように、異物検出部(異物検出手段)5は、検出用パイプ3b内を搬送される被検査体を搬送路途中において異物混入の有無を検出するためのもので、検出用パイプ3bの上方に所定高さ離れて設けられるX線発生器(X線照射手段)5aと、検出用パイプ3bの下方にX線発生器5aと対向して設けられるX線検出センサ5bとを備えて構成される。
【0021】
X線発生器5aは、金属製の箱体内部に設けられる円筒状のX線管を不図示の絶縁油により浸漬した構成であり、X線管の陰極からの電子ビームを陽極ターゲットに照射させてX線を生成している。X線管は、その長手方向が被検査体の搬送方向X(検出用パイプ3bの軸方向)と直交するY方向に設けられている。X線管により生成されたX線は、下方のX線検出センサ5bの検出面5ba全領域に向けて、長手方向に沿った不図示のスリットにより略三角形状のスクリーン状にして照射するようになっている。
【0022】
X線検出センサ5bは、被検査体へのX線の照射領域平面上で被検査体の搬送方向Xと直交するY方向に複数の素子が一直線上に配置されて検出面5baを形成している。検出面5baを形成する複数の素子は、ライン状に整列して配設された複数のフォトダイオードと、ライン状のフォトダイオード上に設けられたシンチレータとから構成される。このX線検出センサ5bでは、Y方向に直線状に配置された複数の素子によって被検査体を透過するX線を検出し、その検出した濃度データを素子毎に複数の素子数を1ラインとして順次出力し、被検査体の搬送に伴って1ラインからの順次出力を繰り返している。
【0023】
このような構成によるX線異物検出装置1では、被検査体供給用パイプ3aから検出用パイプ3b内を順次連続的に流動搬送される被検査体に対してX線発生器5aからX線が照射される。そして、この被検査体へのX線の照射に伴って被検査体を透過してくるX線をX線検出センサ5bのシンチレータで受けて光に変換する。このシンチレータで変換された光は、その下部に配置されるX線検出センサ5bのフォトダイオードによって受光され、受光した光を電気信号に変換して出力する。このX線検出センサ5bは、受けたX線の強さに対応したレベルを有した電気信号を出力する。そして、このX線検出センサ5bからの出力と、予め異物の種類に応じて設定された異物判別用のしきい値とを比較し、この比較結果に基づいて被検査体への異物混入の有無が判別される。これにより、良品と判別された被検査体が良品吐出用パイプ3eに吐出され、不良品と判別された異物を含む被検査体がNG吐出用パイプ3cに吐出される。
【0024】
上述した構成を基本とする本例のX線異物検出装置1は、X線検出センサ5bの交換作業を低減して長寿命化を図るため、図3乃至図5に示すように、X線検出センサ5bの検出面5baが、X線の照射領域平面(X線が検出用パイプ3bに照射される図3(a)の紙面と平行な平面)上で被検査体の搬送方向Xと直交するY方向に検出用パイプ3bの外径よりも長くライン状に形成されている。
【0025】
X線検出センサ5bは、一辺が所定寸法(例えば0.4mm、0.8mm)を有する正方形状の素子がライン状に設けられたもので、所定数(例えば128個)の素子を1ブロックとして、複数ブロックで構成される。図3及び図4の例におけるX線検出センサ5bは、X線の照射領域平面上で被検査体の搬送方向Xと直交するY方向の素子1ブロックの長さ(図3(a)のa)が検出用パイプ3bの外径(Y方向の直径幅)より若干長く形成されており、検出面5baが2ブロック(Y方向の幅2a)の素子からなる。また、図5の例におけるX線検出センサ5bは、検出面5baが複数ブロック(Y方向の幅na)の素子からなる。そして、本例の説明では、X線検出センサ5bの素子1ブロック(Y方向の幅a)を、検出用パイプ3b内の被検査体の異物混入の有無を検出するための異物検出面としている。
【0026】
複数ブロックの素子がユニット化されたX線検出センサ5bの検出面5ba上には、遮蔽部材6が設けられている。この遮蔽部材6は、例えば鉛・バリウム等のX線の遮蔽効果を有する放射線遮蔽重元素からなり、X線検出センサ5bの検出位置変更前後における検出面5baの未使用領域(異物検出面以外の領域)を遮蔽している。図3乃至図5に示すように、遮蔽部材6は、矩形状の板材からなり、検出用パイプ3bを挟んでX線検出センサ5bの検出面5baと対面する位置に開口6aを有している。図3乃至図5に示すように、遮蔽部材6の開口6aは、X線検出センサ5bの1ブロック(Y方向の幅a)の検出面5baの領域(異物検出面)と略同等の大きさの矩形状に形成される。この遮蔽部材6では、開口6aが検出用パイプ3bの直下かつX線検出センサ5bの直上に位置し、検出用パイプ3bを透過してくるX線を開口6aから通過させ、開口6a以外の部分(マスク部)でX線検出センサ5bの検出面5baの未使用領域を覆ってX線を遮蔽している。
【0027】
なお、図3乃至図5の例では、検出用パイプ3bの直下かつX線検出センサ5bの検出面5baの直上に近接して遮蔽部材6が設けられた構成であるが、この遮蔽部材6は、X線発生器5aから照射されたX線が検出用パイプ3bを通過してX線検出センサ5bに検出されるまでの間のX線照射経路上の任意の位置に設けることができる。また、例えばX線発生器5aから略三角形状のスクリーン状にX線を照射させるための開口幅が可変可能な放射線遮蔽重元素からなるスリットを遮蔽部材6として利用することもできる。
【0028】
図6乃至図9に示すように、本例のX線異物検出装置1は、異物検出部(異物検出手段)5が設けられた装置本体(筐体2)と、検出用パイプ3bとを、X線検出センサ5bのX線検出感度に応じてX線の照射領域平面上で被検査体の搬送方向Xと直交するY方向に相対移動させる移動機構7を備えている。
【0029】
図6乃至図9は移動機構7を含む筐体2の各形態の概略斜視図である。以下、各形態の移動機構7の構成について説明する。
【0030】
まず、X線異物検出装置1が具備する移動機構7の第1形態について図6及び図7を用いて説明する。この移動機構7Aは、異物検出部(異物検出手段)5を含む筐体2(装置本体)を固定し、検出用パイプ3bを被検査体の搬送方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に移動させることにより、X線が照射される検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置を変える構成である。
【0031】
第1形態の移動機構7Aは、検出用パイプ3bを保持する保持部材7Aaと、保持部材7AaをY方向にスライド自在に移動させる可動部材7Abと、可動部材7AbのY方向への移動をガイドするガイド部材7Acとを備えて概略構成される。この移動機構7Aでは、検出用パイプ3bをY方向に移動するため、検出用パイプ3bの両端に接続されるパイプライン3に例えば柔軟性を有する素材からなるフレキシブルパイプが使用される。なお、検出用パイプ3bの両端に接続されるパイプライン3は、移動機構7Aを用いて検出用パイプ3bが移動可能な構成であれば材質や形状に限定されることなく、どのような種類のパイプを使用してもよい。また、検出用パイプ3bとの接続部分(ジョイント)に柔軟性を持たせても良い。
【0032】
図6及び図7に示すように、保持部材7Aaは、例えば角柱ブロック形状をなし、上部に検出用パイプ3bの端部を保持するコ字状の保持部21が形成されている。
【0033】
図6及び図7に示すように、可動部材7Abには、検出用パイプ3bを保持した保持部材7Aaが固設される。可動部材7Abは、ガイド部材7Acに係合する例えば断面コ字状の係合部22を有している。可動部材7Abは、係合部22がガイド部材7Acに係合した状態で、ガイド部材7AcによってガイドされながらY方向にスライド自在に移動する。
【0034】
図6及び図7に示すように、ガイド部材7Acは、例えば断面コ字状のガイドレールからなり、筐体2を支持する基台の脚部23の両側面に設けられる。ガイド部材7Acは、可動部材7Abの係合部22が係合しており、可動部材7AbのY方向への移動をガイドしている。なお、図示はしないが、ガイド部材7Acには、可動部材7Abの移動量を規制するためのストッパーが設けられている。
【0035】
この第1形態の移動機構7Aは、異物検出部(異物検出手段)5を含む筐体2を固定した状態で、検出用パイプ3bの両端を保持する保持部材7Aaが固設された可動部材7Abを、ガイド部材7Acに沿って手動でY方向へにスライドさせる。この可動部材7AbをY方向へ移動する際、検出面5baの1ブロックのY方向の幅毎にクリック感が得られるように図示しない周知のクリック機構を設ければ、可動部材7Abを検出面5baの1ブロック幅単位でY方向に確実に移動でき、検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置を変えることができる。
【0036】
次に、移動機構7の第2形態について図8及び図9を用いて説明する。この第2形態の移動機構7Bは、検出用パイプ3bを固定し、異物検出部(異物検出手段)5を含む筐体2を搬送方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に移動させることにより、X線が照射される検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置を変える構成である。
【0037】
第2形態の移動機構7Bは、異物検出部(異物検出手段)5を含む筐体2を固定支持して筐体2をY方向へ移動するための可動支持部材7Baと、可動支持部材7BaのY方向への移動をガイドするガイド部材7Bbと、可動支持部材7Baをガイド支持するガイド部材7Bbが固設された固定支持部材7Bcと、固定支持部材7Bcに固設されて検出用パイプ3bの両端を保持する保持部材7Bdと、筐体2の上部に設けられて筐体2を移動させる際に用いる把持部材7Beとを備えて概略構成される。
【0038】
図8及び図9に示すように、可動支持部材7Baは、異物検出部(異物検出手段)5を含む筐体2を固定支持する基台に4本の脚部24を有している。この可動支持部材7Baの各脚部24の下端部には、ガイド部材7Baにガイド保持される例えば車輪等の可動部材25が設けられている。
【0039】
ガイド部材7Bbは、可動支持部材7BaのY方向への移動をガイドしている。図8及び図9では、可動支持部材7Baの脚部24に設けられる車輪が係合する逆V字状の凸条部材でガイド部材7Bbが構成される。
【0040】
図8及び図9に示すように、固定支持部材7Bcは、下面に4本の脚部26を有する枠状のフレーム27で構成される。この固定支持部材7Bcのフレーム27には、可動支持部材7Baをガイド保持するガイド部材7Bbが固設されている。また、固定支持部材7Bcのフレーム26のY方向の前後位置には、可動支持部材7Baがガイド部材7Bbによってガイドされながら移動する際に所定位置で停止させるための板状のストッパー28が設けられている。
【0041】
図8及び図9に示すように、保持部材7Bdは、例えば角柱ブロック形状をなし、上部に検出用パイプ3bの端部を保持するコ字状の保持部29が形成され、下部が固定支持部材7Bcのフレーム27に固定されている。
【0042】
この第2形態の移動機構7Bは、固定支持部材7Bcに固設された保持部材7Bdで検出用パイプ3bを固定した状態で、筐体2を固定支持する可動支持部材7Baを、把持部材7Beを把持してガイド部材7Bbに沿って手動でY方向にスライドさせる。この可動支持部材7BaをY方向へ移動する際、検出面5baの1ブロックのY方向の幅毎にクリック感が得られるように図示しない周知のクリック機構を設ければ、可動支持部材7Baを検出面5baの1ブロック幅単位でY方向に確実に移動でき、検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置を変えることができる。
【0043】
次に、上述した各形態の移動機構7(7A,7B)を備えたX線異物検出装置1により検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置を変更する場合の動作について説明する。なお、ここでは、X線検出センサ5bの検出位置の変更前において、検出用パイプ3bとX線検出センサ5bとが図3に示す位置関係にあり、X線検出センサ5bの上半部の検出面5baによって検出用パイプ3bを透過してくるX線を検出している。
【0044】
まず、第1形態の移動機構7Aを備えたX線異物検出装置1について説明する。この形態において検出位置を変更する場合には、異物検出部(異物検出手段)5を含む筐体2が固定された状態で、検出用パイプ3bの両端を保持する保持部材7Aaをガイド部材7Acに沿って手動でY方向に移動させる。これにより、保持部材7Aaが固設された可動部材7Abがガイド部材7Acによってガイド支持されながらY方向に移動する。そして、保持部材7Aaが後述する未使用領域設定手段12aの設定により分割されたX線検出センサ5bの検出面5baの1ブロックの幅aだけY方向に移動したときに、可動部材7Abの移動を停止する。その後、図3(a)の状態から図4(a)の状態となるように、X線検出センサ5bの検出面5baの下半部と対向した位置に開口6aを位置させて遮蔽部材6を上下反転して配置する。これにより、それまで未使用領域であった下半部の検出面5baが被検査体の異物混入の有無を検出する異物検出面となり、検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置が変更される。なお、図3(a)において、遮蔽部材6は、移動前の上半部の検出面5baからX線検出センサ5bの1ブロック分だけ下方(可動部材7Abと同一方向)に移動させ、使用済の上半部の検出面5baを露出させても良い。
【0045】
次に、第2形態の移動機構7Bを備えたX線異物検出装置1について説明する。この形態において検出位置を変更する場合には、検出用パイプ3bの両端が固定支持部材7Bcの保持部材7Bdに保持固定された状態で、把持部材7Beを把持し、可動支持部材7Baをガイド部材7Bbに沿って手動でY方向に移動させる。これにより、異物検出部(異物検出手段)5を含む筐体2を固定支持する可動支持部材7Baがガイド部材7Bbによってガイド支持されながらY方向に移動する。そして、筐体2が後述する未使用領域設定手段12aの設定により分割されたX線検出センサ5bの検出面5baの1ブロックの幅aだけY方向に移動したときに、可動支持部材7Baの移動を停止する。その後、第1形態と同様、図3(a)の状態から図4(a)の状態となるように、X線検出センサ5bの検出面5baの下半部と対向した位置に開口6aを位置させて遮蔽部材6を上下反転して配置する。これにより、それまで未使用領域であった下半部の検出面5baが被検査体の異物混入の有無を検出する検出面となり、検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置が変更される。なお、第1形態と同様に、図3(a)において、遮蔽部材6は、移動前の上半部の検出面5baからX線検出センサ5bの1ブロック分だけ下方(可動支持部材7Baと同一方向)に移動させ、使用済の上半部の検出面5baを露出させても良い。
【0046】
ところで、上述した各形態の移動機構7A,7Bを備えたX線異物検出装置1では、X線検出センサ5bの検出面5baが2ブロックで構成される場合を例にとって説明したが、図5に示すような複数ブロックで検出面5baが構成されるX線検出センサ5bを採用することもできる。この場合、遮蔽部材6は、X線検出センサ5bの検出面5baのブロック単位で構成され、後述する未使用領域設定手段12aの設定により分割されたX線検出センサ5bの1ブロックの検出面5baと対向した位置のみに開口6aを有する。そして、X線検出センサ5bの検出位置を変更する場合には、可動部材7Ab又は可動支持部材7BaをX線検出センサ5bの1ブロックの幅aだけY方向に移動させて停止する。その後、移動前に運用していたX線検出センサ5bの検出面5baの直上に配置される開口6a付の遮蔽部材を取り外し、移動後に検出用パイプ3bの直下に位置するX線検出センサ5bの検出面5baと対向する位置に開口6aを位置させて遮蔽部材6を配置する。これにより、図5(a)の破線で示すように、検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置をX線検出センサ5bの1ブロックの幅a毎に変えることができる。
【0047】
なお、遮蔽部材6は、後述する未使用領域設定手段12aの設定により分割されたX線検出センサ5bの1ブロックの検出面5baと対向した位置のみに開口6aを有し、他の未使用領域を覆うように長板状に構成しておき、可動部材7Ab又は可動支持部材7BaをX線検出センサ5bの1ブロックの幅aだけY方向に移動させた際、可動部材7Ab又は可動支持部材7Baと同一方向に同一移動量だけ移動させる構成とすることもできる。
【0048】
また、上述した各形態の移動機構7A,7Bを備えたX線異物検出装置1では、X線の被曝を避けるため、X線発生器5aからのX線の発生を停止するのが好ましいが、X線の発生を停止しなくてもX線検出センサ5bの検出位置を変更することもできる。その際、X線検出センサ5bの検出面5baの未使用領域が遮蔽部材6で遮蔽されるので、X線発生器5aからのX線によって劣化することもない。さらに、上述した各形態の移動機構7A,7Bは、手動で動作させるものとして説明したが、各形態の移動機構7A,7Bに駆動手段を具備させ、自動的に検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置を変更させることもできる。
【0049】
ここで、上記移動機構7を自動的に駆動制御する構成の一例について説明する。図10は第1形態の移動機構7Aを自動化したときの概略構成図である。図10の例では、検出用パイプ3bを保持した保持部材7Aaを自動的に検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置を変更させるための構成として、入力手段11、制御手段12、駆動手段13を備えている。
【0050】
入力手段11は、例えば複数の操作ボタンや操作キー、表示器などを備えた操作パネルからなる。この入力手段11からは、X線検出センサ5bの検出位置変更に関する入力として、必要に応じてX線検出センサ5bの検出位置が変更されるように、検出位置変更モードの入力がなされる。この検出位置変更モードの入力は、例えば予め操作パネル上に設けられる操作キーの押下によって行うことができる。また、入力手段11からは、検出用パイプ3b内を搬送される被検査体の種類、異物判別用の異物毎のしきい値、搬送速度など異物検出に必要な各種条件の設定がユーザーの入力操作により行われる。
【0051】
制御手段12は、例えばCPUで構成され、入力手段11からの入力情報に応じて異物検出及び検出位置変更に関する制御を行っている。特に、検出位置変更に関する制御として、制御手段12は、入力手段11から検出位置変更モードを示す入力情報を受けると、移動機構7により検出用パイプ3b又は異物検出部(異物検出手段)5を含む筐体2を予め設定された制御量、すなわち後述する未使用領域設定手段12aの設定により分割されたX線検出センサ5bの検出面5baの幅単位で移動させて検出用パイプ3bの検出位置を変更するべく駆動手段13に制御指令(移動制御指令、停止制御指令)を出力する。なお、制御手段12は、検出用パイプ3bが異物検出位置にある状態で、X線検出センサ5bが検出したX線透過量と予め設定された異物判別用しきい値とを比較し、この比較結果に基づいて異物混入の有無を判別している。
【0052】
駆動手段13は、例えば各種モータやアクチュエータ等で構成され、制御手段12からの制御指令によって検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置を変更するべく遮蔽部材6及び移動機構7を駆動する。
【0053】
上記検出位置変更の自動化による構成では、ユーザーが入力手段11から検出位置変更モードが入力されると、制御手段12が駆動手段13に移動制御指令を出力する。駆動手段13は、制御手段12から移動制御指令が入力されると、検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置を変更するべく遮蔽部材6及び移動機構7を駆動する。
【0054】
駆動手段13の駆動により遮蔽部材6及び移動機構7が動作すると、検出用パイプ3bが予め制御手段12に設定された制御量(Y方向に対する移動量)、すなわち後述する未使用領域設定手段12aの設定により分割されたX線検出センサ5bの検出面5baの幅単位で移動する。その際、遮蔽部材6も検出用パイプ3bと同一方向に同じ制御量だけ移動し、遮蔽部材6がX線検出センサ5bの検出面5baの未使用領域を覆って遮蔽する。その後、制御手段12が駆動手段13に停止制御指令を出力すると、移動機構7の駆動が停止する。これにより、それまで未使用領域であった検出面5baが被検査体の異物混入の有無を検出する異物検出面となり、検出用パイプ3bに対するX線検出センサ5bの検出位置が自動的に変更される。
【0055】
なお、上記検出位置変更の自動化による構成では、移動機構7として第1形態を採用した例について説明したが、これに限定されるものではなく、第2形態の移動機構7Bや他の移動機構に採用した場合であっても同様にX線検出センサ5bの検出位置を自動的に変更することができる。また、移動機構7の移動軌跡上に例えば機械的スイッチや光スイッチなどの位置検出手段を配置し、移動機構7の移動によりX線検出センサ5bの検出面5baがブロックの幅単位でY方向に移動したことを位置検出手段で検出する構成とすれば、位置検出手段からの検出信号の有無に応じて制御手段12が駆動手段13を介して移動機構7の移動を制御することができる。
【0056】
次に、図11は上述した移動機構7を備えた本発明によるX線異物検出装置の機能ブロック図を示している。なお、図10で説明した構成と同一構成要素には同一番号を付し、その説明を省略する。また、検出用パイプ3bと異物検出部(異物検出手段)5(異物検出部5を含む筐体2)とを相対移動させるための移動機構7を手動で操作する場合には駆動手段13が不要となる。
【0057】
図11に示すように、本例のX線異物検出装置では、制御手段12の中に未使用領域設定手段12aを設けている。この未使用領域設定手段12aでは、X線検出センサ5bの検出面5baを複数のブロックに分割し、このブロックのうち少なくとも1つ以上のブロックを異物混入の有無の検出を行わない未使用領域として設定している。そして、X線検出センサ5bからのX線透過量データの内、未使用領域に対応するデータを除いたデータを判定部12bに出力し、判定部12bで異物混入の有無の検出(判定)を行っている。表示部14は、判定部12bの判定結果に基づいて検出用パイプ3b内に搬送される被検査体を平面視したX線透過画像、「OK」や「NG」の良否判定結果、総検査数、良品数、NG総数などの検査結果を入力手段11からの所定のキー操作に基づいて表示する。
【0058】
ところで、本発明では、未使用領域設定手段12aをX線検出センサ5bの中に設け、X線検出センサ5b自身で未使用領域に対応するデータを除いてX線透過量データを出力する形態であったり、X線検出センサ5b自身が設定された未使用領域についてはX線の検出も行わない(データも出力されない)ような形態であっても良い。
【0059】
このように、本例のX線異物検出装置1では、X線検出センサ5bの検出面5baをX線の照射領域平面上で被検査体の搬送方向と直交する方向に検出用パイプ3bの外径よりも長くライン状に形成している。そして、検出用パイプ3bと異物検出部(異物検出手段)5(異物検出部5を含む筐体2)とが、X線の照射領域平面上で被検査体の搬送方向Xと直交するY方向に相対移動可能な構成となっている。これにより、未使用領域設定手段12aの設定により分割された現在運用中のX線検出センサ5bの検出面5baのX線検出感度が低下して寿命がきた場合、検出用パイプ3bと異物検出部(異物検出手段)5(筐体2)とを相対的に移動し、異物有無の検出に用いるX線検出センサ5bの検出面5baを容易に切り替えて検出位置を変更することができる。その結果、ライン状に形成されたX線検出センサ5bの検出面5baを複数領域に分けて効率的に使用でき、従来に比べてX線検出センサの交換作業の回数が低減し、X線検出センサの寿命を延ばすことができる。
【0060】
例えば図5に示すように、Y方向の検出面5baの1ブロックの幅aで自然数nのブロックを有するX線検出センサ5bを採用し、X線検出センサ5bの検出運用位置を1ブロックの幅aでY方向に順次移動して検出位置を変更していく構成とすれば、X線検出器の寿命をn倍に延ばすことができる。なお、図3及び図4のX線検出センサ5bを採用した構成では、従来の2倍に寿命を延ばすことができる。
【0061】
また、図10の自動化の構成を採用し、現在の検出運用位置のX線検出センサ5bの素子に寿命がきたときに、入力手段11から検出位置変更の旨の入力情報(検出位置変更モード)を入力すれば、検出用パイプ3bと異物検出部(異物検出手段)5(筐体2)とが相対的に所定量(例えば検出面5baの1ブロック分)だけ自動的に移動し、X線検出センサ5bの現在の検出運用位置が次の検出運用位置である未使用領域まで自動的に移動して設定される。これにより、検出運用位置に対するX線検出器の素子の位置を自動的に変更することができる。
【0062】
さらに、X線検出センサ5bの検出位置変更前後において、X線検出センサ5bの検出面5baの未使用領域を遮蔽部材6によって遮蔽しているので、X線発生器5aからX線が照射されている状態でも、X線照射による未使用領域の検出面の劣化を防ぐことができる。
【0063】
また、複数ブロックからなるX線検出センサ5bの1ブロックのY方向の幅を検出用パイプ3bの外形(異物検出領域)の幅に合わせた構成とすれば、X線検出器をブロック単位で交換することが可能となる。これにより、交換できるX線検出器のブロックが手元に無い場合でも、業者から新品のブロックを取り寄せるまでの間、既存の別のブロックで異物検出が行え、保守交換の向上を図ることができる。
【0064】
以上、本発明を用いて最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係るX線異物検出装置の正面図である。
【図2】図1のX線異物検出装置の平面図である。
【図3】(a),(b),(c) 本発明に係るX線異物検出装置の検出位置変更前の状態例を示す平面、正面、側面の部分拡大図である。
【図4】(a),(b),(c) 本発明に係るX線異物検出装置の検出位置変更後の状態例を示す平面、正面、側面の部分拡大図である。
【図5】(a),(b),(c) X線検出器が複数ブロックで構成される場合の検出位置変更前の状態例を示す平面、正面、側面の部分拡大図である。
【図6】本発明に係るX線異物検出装置の第1形態の移動機構を採用した概略斜視図であり、検出位置変更前の状態図である。
【図7】本発明に係るX線異物検出装置の第1形態の移動機構を採用した概略斜視図であり、検出位置変更後の状態図である。
【図8】本発明に係るX線異物検出装置の第2形態の移動機構を採用した概略斜視図であり、検出位置変更前の状態図である。
【図9】本発明に係るX線異物検出装置の第2形態の移動機構を採用した概略斜視図であり、検出位置変更後の状態図である。
【図10】本発明に係るX線異物検出装置の第1形態の移動機構を自動化したときの一例を示す機能ブロック図である。
【図11】本発明に係るX線異物検出装置の機能ブロック図である。
【図12】特許文献1に開示されるX線異物検出装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0066】
1 X線異物検出装置
2 筐体
2a 開口部
3 パイプライン
3a 被検査体供給用パイプ
3b 検出用パイプ
3c NG品吐出用パイプ
3d 未検出品吐出用パイプ
3e 良品吐出用パイプ
4 切替弁部
4a 三方バルブ
4b 切替バルブ
5 異物検出部(異物検出手段)
5a X線発生器
5b X線検出センサ
6 遮蔽部材
6a 開口
7(7A,7B) 移動機構
7Aa 保持部材
7Ab 可動部材
7Ac ガイド部材
7Ba 可動支持部材
7Bb ガイド部材
7Bc 固定支持部材
7Bd 保持部材
7Be 把持部材
11 入力手段
12 制御手段
12a 未使用領域設定手段
12b 判定部
13 駆動手段
14 表示部
21,29 保持部
22 係合部
23,24,26 脚部
25 可動部材
27 フレーム
28 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体が搬送される検出用パイプ(3b)にX線を照射するX線発生器(5a)と、
該X線発生器に対し前記検出用パイプを挟むように対向配置され、該X線発生器からのX線の照射に伴って前記検出用パイプを透過してくるX線を検出するX線検出センサ(5b)とから構成される異物検出手段(5)を備え、前記X線検出センサからのX線透過量に基づいて異物混入の有無を検出するX線異物検査装置において、
前記X線検出センサの検出面(5ba)を前記X線の照射領域平面上で前記被検査体の搬送方向と直交する方向に前記検出用パイプの外径よりも2倍以上長くライン状に形成し、
該X線検出センサの検出面を複数のブロックに分割し、該ブロックのうち少なくとも1つ以上のブロックを異物混入の有無の検出を行わない未使用領域として設定する未使用領域設定手段と、
前記検出用パイプと前記異物検出手段とを、前記X線検出センサの検出感度に応じて前記X線の照射領域平面上で前記被検査体の搬送方向と直交する方向に相対移動させる移動機構(7)と、
前記X線検出センサの検出面の未使用領域を遮蔽する遮蔽手段(6)とを備えたことを特徴とするX線異物検出装置。
【請求項2】
前記遮蔽手段(6)は、前記X線発生器(5a)から照射されたX線が前記検出用パイプ(3b)を通過して前記X線検出センサ(5b)に検出されるまでの間のX線照射経路上に設けられることを特徴とする請求項1記載のX線異物検出装置。
【請求項3】
前記移動機構(7)は、前記異物検出手段(5)側を固定した状態で前記検出用パイプ(3b)側を前記未使用領域設定手段で分割された検出面の幅単位で移動させることを特徴とする請求項1又は2記載のX線異物検出装置。
【請求項4】
前記移動機構(7)は、前記検出用パイプ(3b)側を固定した状態で前記異物検出手段(5)側を前記未使用領域設定手段で分割された検出面の幅単位で移動させることを特徴とする請求項1又は2記載のX線異物検出装置。
【請求項5】
前記被検査体の検出位置を変更する旨の入力情報に基づいて前記移動機構(7)の移動を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のX線異物検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−10513(P2006−10513A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188319(P2004−188319)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(302046001)アンリツ産機システム株式会社 (238)
【Fターム(参考)】