説明

ΔΣADC回路

【課題】消費電力を低減することが可能なΔΣADC回路を提供する。
【解決手段】ΔΣADC回路100に、所定の周期でサンプリングされる入力信号の積分値を出力する積分器103と、前記積分値が基準値を上回った場合にパルス信号を出力するとともに、前記積分値と前記基準値との差分値を積分器103に入力する差分器と、前記差分器からのパルス信号が入力され、当該パルス信号の入力回数をカウントしてカウンタ値として出力するカウンタ回路105と、積分器103への電力供給を停止したときにおける積分器103の積分値およびカウンタ回路105のカウンタ値を保持する積分値・カウンタ値保持部と、を具備し、前記積分値・カウンタ値保持部により保持された前記積分値および前記カウンタ値を、それぞれ積分器103への電力供給を再開したときにおける積分器103の積分値の初期値およびカウンタ回路105のカウンタ値の初期値とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力信号の振幅に比例する密度のパルス信号を出力することにより、アナログ信号をデジタル信号に変換するΔΣADC回路の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、入力信号の振幅に比例する密度のパルス信号を出力することにより、アナログ信号をデジタル信号に変換するΔΣADC回路の技術は公知となっている。例えば、特許文献1乃至特許文献3に記載の如くである。
ΔΣADC回路は音響・映像機器等に広く用いられている他、近年は自動車のセキュリティシステムとして、車体の傾きや振動を検出する加速度センサ(Gセンサ)からのアナログ信号をデジタル信号に変換する用途にも用いられる。
【0003】
自動車のセキュリティシステムを作動させるための電力を自動車に設けられたバッテリーから供給する場合、自動車の駐車時等セキュリティシステムが作動しているときには常時バッテリーの電力を消費するという問題がある。
【0004】
このような自動車のセキュリティシステムの消費電力を低減する技術としては、当該セキュリティシステムにおけるGセンサからのアナログ信号をデジタル信号に変換する回路にΔΣADC回路を用いずにパイプライン型またはフラッシュ型等のA/D変換回路を用いるものが挙げられる。
Gセンサの検出動作は通常は数msecから数百msec間隔の間欠動作であり、かつ実際の動作時間は十数msecと短時間であることから、高速動作が可能なパイプライン型またはフラッシュ型等のA/D変換回路を用いることによりセキュリティシステムの動作時間を短縮し、消費電力を低減することが可能である。
【0005】
しかし、パイプライン型またはフラッシュ型等のA/D変換回路は一般にΔΣADC回路に比べて分解能が低いという問題がある。
特に、自動車のセキュリティシステムとして用いる場合には高い分解能が要求される場合があることから、パイプライン型またはフラッシュ型等のA/D変換回路を用いることが困難な場合がある。
【0006】
一方、ΔΣADC回路は自動車のセキュリティシステムとして用いるのに十分な分解能を有するが、パイプライン型またはフラッシュ型等のA/D変換回路に比べて変換速度(動作速度)が遅く、その分消費電力が大きくなるという問題がある。これは、ΔΣADC回路はA/D変換値の取得のために一定のサンプリング回数およびデジタルフィルタ処理を要することによる。
【特許文献1】特開平4−363917号公報
【特許文献2】特開2004−165905号公報
【特許文献3】特開平11−7771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑み、消費電力を低減することが可能なΔΣADC回路を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、
所定の周期でサンプリングされる入力信号の積分値を出力する積分器と、
前記積分値が基準値を上回った場合にパルス信号を出力するとともに、前記積分値と前記基準値との差分値を前記積分器に入力する差分器と、
前記差分器からのパルス信号が入力され、当該パルス信号の入力回数をカウントしてカウンタ値として出力するカウンタ回路と、
前記積分器への電力供給を停止したときにおける前記積分器の積分値および前記カウンタ回路のカウンタ値を保持する積分値・カウンタ値保持部と、
を具備し、
前記積分値・カウンタ値保持部により保持された前記積分値および前記カウンタ値を、それぞれ前記積分器への電力供給を再開したときにおける前記積分器の積分値の初期値および前記カウンタ回路のカウンタ値の初期値とするものである。
【0010】
請求項2においては、
前記積分値・カウンタ値保持部は、
前記積分器の接続配線の中途部に設けられ、前記積分器への電力供給を停止したときに前記接続配線を遮断するスイッチ群を具備するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、消費電力を低減することが可能であるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下では、図1を用いて本発明に係るΔΣADC回路の第一実施例であるΔΣADC回路(ΔΣアナログ−デジタルコンバータ)100が適用される自動車セキュリティシステム1について説明する。
自動車セキュリティシステム1は自動車に設けられ、自動車の車体の傾斜や振動を検出することにより盗難等を防止するものである。
自動車セキュリティシステム1は主としてGセンサ11、ΔΣADC回路100、ECU21等を具備する。
【0013】
Gセンサ11は設けられた自動車の車体の傾斜や振動を検出するセンサである。本実施例のGセンサ11は加速度センサであり、設けられた自動車の車体が傾いたり車体に振動が付与されたりすることにより作用する加速度に略比例する強度(振幅)のアナログ信号を出力し、ΔΣADC回路100に入力する。
【0014】
ΔΣADC回路100はGセンサ11から入力されるアナログ信号(入力信号)の振幅に比例する密度のパルス信号を出力することにより、アナログ信号をデジタル信号に変換するものである。ΔΣADC回路100の詳細は後述する。
【0015】
ECU(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)21は自動車に設けられる種々の電子機器の制御を行うものである。
自動車セキュリティシステム1はECU21の制御対象の一つであり、自動車セキュリティシステム1を制御するためのプログラムはECU21に格納される種々の制御プログラムに含まれる。
なお、本発明に係るΔΣADC回路は本実施例の如き自動車のセキュリティシステムに限定されず、ΔΣADC回路を用い得る種々の用途に適用可能である。
【0016】
以下では、図1を用いてΔΣADC回路100の構成について説明する。
ΔΣADC回路100は主として信号増幅回路101、減算器102、積分器103、比較器104、カウンタ回路105、1BitD/A変換器106、入力側スイッチ107、出力側スイッチ108、スイッチ制御回路109、電位検出回路110、主電源回路111、副電源回路112等を具備する。
【0017】
信号増幅回路101はGセンサ11から入力されるアナログ信号(入力信号)の振幅を増幅するものである。信号増幅回路101の入力端子はGセンサ11の出力端子に接続される。信号増幅回路101は、例えばオペアンプ等で構成することができる。
【0018】
減算器102は信号増幅回路101からの入力信号(ひいてはGセンサ11からの入力信号)を所定の周期(サンプリング周期)でサンプリングし、これに1BitD/A変換器106からの入力信号を減算したものを出力するものである。
減算器102の加算側の入力端子は信号増幅回路101の出力端子に接続され、減算器102の減算側の入力端子は1BitD/A変換器106の出力端子に接続され、減算器102の出力端子は入力側スイッチ107を介して積分器103の入力端子に接続される。
【0019】
積分器103は本発明に係る積分器の実施の一形態であり、所定の周期でサンプリングされる入力信号(本実施例の場合、減算器102からの入力信号)の積分値を出力するものである。
積分器103は、例えばオペアンプおよびキャパシタを組み合わせたもので構成され、減算器102からの入力信号に対応する電荷がキャパシタに蓄えられることにより上昇するオペアンプの出力電圧を積分値として出力する。
【0020】
比較器104は積分器103の出力電圧すなわち積分値と、基準電圧すなわち基準値と、を比較し、積分値が基準値を上回った場合にパルス信号を出力するものである。
比較器104の入力端子は出力側出力側スイッチ108を介して積分器103の出力端子に接続される。
【0021】
カウンタ回路105は本発明に係るカウンタ回路の実施の一形態であり、比較器104からのパルス信号が入力され、当該パルス信号の入力回数をカウントしてデジタル信号(コード)の形で表されたカウンタ値として出力するものである。
カウンタ回路105の入力端子は比較器104の出力端子に接続され、カウンタ回路105の出力端子はECU21の入力端子に接続される。従って、ECU21はカウンタ値を取得することが可能である。
カウンタ回路105は、例えばRSフリップフロップ回路等を組み合わせたものを用いて実現することが可能である。
【0022】
1BitD/A変換器106は、積分器103に蓄えられる電荷において比較器104が出力するパルス信号の一回分に相当する量の電荷を出力するものである。
1BitD/A変換器106の入力端子は比較器104の出力端子に接続され、1BitD/A変換器106の出力端子は減算器102の減算側の入力端子に接続される。
【0023】
比較器104からパルス信号が出力されると、1BitD/A変換器106は積分器103に蓄えられる電荷において比較器104が出力するパルス信号の一回分に相当する量の電荷を出力する。
当該電荷は1BitD/A変換器106からの入力信号として減算器102に入力され、1サンプリング周期後の信号増幅回路101からの入力信号(ひいてはGセンサ11からの入力信号)から1BitD/A変換器106からの入力信号を減算したものが積分器103の入力端子に入力される。
従って、比較器104からパルス信号が出力されると、積分器103に蓄えられている電荷が、比較器104が出力するパルス信号の一回分に相当する量だけ減少し、その分積分器103の入力端子電圧(入力電位)が低下する。
このように、本実施例における減算器102、比較器104および1BitD/A変換器106を合わせたものは本発明に係る差分器の実施の一形態に相当し、積分値が基準値を上回った場合にパルス信号を出力するとともに、積分値と基準値との差分値を積分器に入力する(積分器103に蓄えられている電荷のうち、比較器104が出力するパルス信号一回分に相当する電荷をキャンセルする)ものである。
【0024】
入力側スイッチ107は減算器102と積分器103との間の導通(オン)および遮断(オフ)を行うスイッチである。入力側スイッチ107は減算器102の出力端子と積分器103の入力端子とを接続する配線の中途部に設けられる。
入力側スイッチ107は、例えばMOSFETからなるスイッチング素子等で構成される。
【0025】
出力側スイッチ108は積分器103と比較器104との間の導通(オン)および遮断(オフ)を行うスイッチである。出力側スイッチ108は積分器103の出力端子と比較器104の入力端子とを接続する配線の中途部に設けられる。
出力側スイッチ108は、例えばMOSFETからなるスイッチング素子等で構成される。
【0026】
スイッチ制御回路109はECU21からの入力信号に基づいて入力側スイッチ107および出力側スイッチ108のオン・オフの切り替えを行うものである。
スイッチ制御回路109の入力端子はECU21に接続され、スイッチ制御回路109の出力端子は入力側スイッチ107および出力側スイッチ108に接続される。
【0027】
電位検出回路110は積分器103の入力側(入力端子)の電位、ひいては積分器103およびその周囲の電荷の状態を検出するものである。
電位検出回路110の入力端子は減算器102と入力側スイッチ107とを接続する配線の中途部に接続され、電位検出回路110の出力端子はECU21に接続される。
ECU21は電位検出回路110により検出された積分器103の入力側(入力端子)の電位に係る情報を取得することが可能である。
【0028】
主電源回路111はΔΣADC回路100を構成する部材のうち、入力側スイッチ107、出力側スイッチ108、スイッチ制御回路109およびカウンタ回路105を除くものであって動作のために電力の供給を要するものに電力の供給(主電源ON)およびその停止(主電源OFF)を行うものである。
主電源回路111はECU21に接続され、ECU21からの入力信号(電源ON信号および電源OFF信号)に基づいて電力の供給およびその停止を行う。
【0029】
副電源回路112は入力側スイッチ107、出力側スイッチ108、スイッチ制御回路109およびカウンタ回路105に電力の供給を行うものである。
副電源回路112は主電源回路111の電力の供給およびその停止に関わらず、入力側スイッチ107、出力側スイッチ108、スイッチ制御回路109およびカウンタ回路105に電力の供給を行う。
【0030】
以下では、図1および図2を用いてΔΣADC回路100の電力消費低減動作について説明する。
【0031】
ECU21は、自動車セキュリティシステム1の作動時に、主電源回路111に所定の周期で電源ON信号および電源OFF信号を入力する。ここで、ECU21が主電源回路111に電源ON信号および電源OFF信号を入力する「所定の周期」は数msecから数百msec程度の範囲に設定される。
Gセンサ11が加速度を検出するための動作を行う時間は全てECU21が主電源回路111に電源ON信号を入力してから電源OFF信号を入力するまでの時間に含まれ、ECU21が主電源回路111に電源OFF信号を入力してから電源ON信号を入力するまでの時間にはGセンサ11が加速度を検出するための動作を行わない。
このように、Gセンサ11が動作しないときに主電源回路111が電力の供給を停止することにより、Gセンサ11による加速度の検出を可能としつつ、ΔΣADC回路100ひいては自動車セキュリティシステム1の電力消費を低減することが可能である。
【0032】
また、ECU21は、自動車セキュリティシステム1の作動時に、主電源回路111と同じタイミングでスイッチ制御回路109に電源ON信号および電源OFF信号を入力する。
スイッチ制御回路109は、ECU21から電源ON信号が入力されると入力側スイッチ107および出力側スイッチ108をオン(導通した状態)にし、ECU21から電源OFF信号が入力されると入力側スイッチ107および出力側スイッチ108をオフ(遮断した状態)にする。入力側スイッチ107、出力側スイッチ108およびスイッチ制御回路109には主電源回路111が電力の供給を停止している間にも副電源回路112により電力が供給されるため、これらは動作可能である。
従って、主電源回路111が電力の供給を停止している間において、積分器103(具体的には、積分器103を構成するオペアンプおよびその周囲のキャパシタ等)は自動車セキュリティシステム1を構成する他の部材から電気的に絶縁された状態となり、積分器103の電荷の状態、すなわち主電源回路111が電力の供給を停止したときにおける積分器103の積分値が保持される。そして、主電源回路111が電力の供給を再開したときには、当該保持された積分値が初期値として比較器104に入力されることとなる。
【0033】
なお、ECU21は、電位検出回路110により検出される「主電源回路111が電力の供給を再開したときにおける積分器103の入力端子の電位(すなわち積分器103の電荷の状態)」に係る情報を取得することが可能であり、電位検出回路110により取得された積分器103の入力端子の電位が異常である場合には主電源回路111が電力の供給を停止していた間に積分器103の積分値が保持されていなかったものと判断し、主電源回路111が電力の供給を再開したときにおける積分器103の積分値の初期値をキャンセルする。
ここで、「電位検出回路110により取得された積分器103の入力端子の電位が異常である場合」とは、例えば、積分器103を構成するオペアンプ等の素子から電荷がリークすることにより、主電源回路111が電力の供給を再開したときにおける積分器103の入力端子の電位と、主電源回路111が電力の供給を停止したときにおける積分器103の入力端子の電位とが大きく異なる場合等を指す。
また、「積分器103の積分値の初期値をキャンセルする」とは、例えば、ECU21が当該積分値に基づくカウンタ値を自動車が盗難に遭っているか否か等のセキュリティシステムの判断材料として用いないこと等を指す。
【0034】
このように、保持された積分器103の積分値が異常である場合にキャンセルすることにより、A/D変換値(本実施例の場合、ECU21が取得するカウンタ値)の信頼性を向上することが可能である。
【0035】
カウンタ回路105には主電源回路111が電力の供給を停止している間にも副電源回路112により電力が供給される。
従って、主電源回路111が電力の供給を停止している間、主電源回路111が電力の供給を停止したときにおけるカウンタ値がカウンタ回路105に保持される。そして、主電源回路111が電力の供給を再開したときには、当該保持されたカウンタ値が初期値としてECU21に入力されることとなる。
【0036】
このように、本実施例における入力側スイッチ107、出力側スイッチ108、スイッチ制御回路109および副電源回路109を合わせたものは、本発明に係る積分値・カウンタ値保持部の実施の一形態に相当し、積分器103への電力供給を停止したときにおける積分器103の積分値およびカウンタ回路105のカウンタ値を保持するものである。
また、本実施例における入力側スイッチ107および出力側スイッチ108は、本発明に係るスイッチ群に相当し、積分器103の接続配線(積分器103と他の部材とを接続する配線)の中途部に設けられ、積分器103への電力供給を停止したときに前記接続配線を遮断するものである。
【0037】
主電源回路111が電力の供給を停止したときにおける積分値およびカウンタ値を保持し、主電源回路111が電力の供給を再開したときにおける積分値の初期値およびカウンタ値の初期値とすることは、以下の利点を有する。
仮にGセンサ11の動作およびその停止に合わせて単純にΔΣADC回路100への電力の供給およびその停止を行った場合、ΔΣADC回路100への電力の供給の停止により積分器103を構成するオペアンプやキャパシタ等に蓄えられていた電荷が失われ、積分器103の入力端子の電位が低下するために、ΔΣADC回路100への電力の供給を再開したときには積分器103の入力端子の電位はほとんどゼロになってしまう。
そして、適正な積分値を出力するためには再度積分器103を構成するオペアンプやキャパシタ等に所定の電荷を蓄える必要があり、図2の太い点線で示す如くΔΣADC回路100への電力の供給を再開した時点からある程度の時間を要するとともに、当該電荷を蓄えるための電力を要する。
本実施例は主電源回路111が電力の供給を停止している間も主電源回路111が電力の供給を停止したときにおける積分値を保持することから、図2の太い実線で示す如くΔΣADC回路100への電力の供給を再開したときから早期に適正な積分値を出力することが可能である。従って、従来の自動車のセキュリティシステムに適用されたΔΣADC回路に比べて高速動作が可能であるとともに、ΔΣADC回路の電力供給の再開時における電力消費(図2中の斜線で示す部分)を削減することが可能である。
特に、本実施例のΔΣADC回路100の如く、自動車のセキュリティシステムに適用する場合は、平時はGセンサからの入力信号の振幅、ひいてはGセンサの動作停止時における積分値と動作再開時における積分値がほとんど変化せず、自動車の車体に何らかの異常(傾斜や振動)があった場合に積分値が変化する構成であるため、積分値の保持による動作の高速化および電力削減の効果が大きい。
【0038】
さらに、図3中の太い点線で示す如く、ΔΣADC回路100に入力される入力信号(アナログ信号)が変動する場合でも、ΔΣADC回路100が間欠動作を行う(主電源回路111が電力の供給およびその停止を交互に行う)ことにより、ΔΣADC回路100自身がローパスフィルタとしての機能を果たし、後段の制御回路(本実施例の場合、ECU21)におけるデジタルフィルタ処理を軽減することができる。
特に、ΔΣADC回路のA/D変換値(図3中の太い実線参照)はパイプライン型のA/D変換器やフラッシュ型のA/D変換器等のA/D変換値(図3中の太い二点鎖線参照)に比べて一般にA/D変換値が平均化される(A/D変換値の変動が少ない)こと、および、自動車のセキュリティシステム等の用途ではセンサ信号(入力信号)の処理を非常に低周波で行う必要があることから、後段の制御回路におけるデジタルフィルタ処理の低減効果が大きい。
【0039】
以上の如く、ΔΣADC回路100は、
所定の周期でサンプリングされる入力信号の積分値を出力する積分器103と、
前記積分値が基準値を上回った場合にパルス信号を出力するとともに、前記積分値と前記基準値との差分値を積分器103に入力する差分器(減算器102、比較器104および1BitD/A変換器106を合わせたものに相当)と、
前記差分器からのパルス信号が入力され、当該パルス信号の入力回数をカウントしてカウンタ値として出力するカウンタ回路105と、
積分器103への電力供給を停止したときにおける積分器103の積分値およびカウンタ回路105のカウンタ値を保持する積分値・カウンタ値保持部(入力側スイッチ107、出力側スイッチ108、スイッチ制御回路109および副電源回路112を合わせたものに相当)と、
を具備し、
前記積分値・カウンタ値保持部により保持された前記積分値および前記カウンタ値を、それぞれ積分器103への電力供給を再開したときにおける積分器103の積分値の初期値およびカウンタ回路105のカウンタ値の初期値とするものである。
このように構成することにより、消費電力を低減することが可能である。
【0040】
また、ΔΣADC回路100の積分値・カウンタ値保持部は、
積分器103の接続配線の中途部に設けられ、積分器103への電力供給を停止したときに前記接続配線を遮断するスイッチ群(スイッチ107およびスイッチ108に相当)を具備するものである。
このように構成することにより、簡便な回路構成で積分器103の積分値を保持することが可能である。
【0041】
なお、本実施例のΔΣADC回路100は一次のΔΣADC回路であるが、本発明はこれに限定されず、二次以上の高次のΔΣADC回路にも適用可能である。
【0042】
以下では、図4を用いて本発明に係るΔΣADC回路の第二実施例であるΔΣADC回路200が適用される自動車セキュリティシステム2について説明する。
自動車セキュリティシステム2は自動車に設けられ、自動車の車体の傾斜や振動を検出することにより盗難等を防止するものである。
自動車セキュリティシステム2は主としてGセンサ12、ΔΣADC回路200、ECU22等を具備する。
【0043】
Gセンサ12は設けられた自動車の車体の傾斜や振動を検出するセンサである。本実施例のGセンサ12は加速度センサであり、二つの出力端子12a・12bを有する。
Gセンサ12は設けられた自動車の車体が傾いたり車体に振動が付与されたりすることにより作用する加速度に略比例する電位差のアナログ信号を二つの出力端子12a・12bから出力し、ΔΣADC回路200に入力する。
【0044】
ΔΣADC回路200はGセンサ12から入力されるアナログ信号(入力信号)の振幅に比例する密度のパルス信号を出力することにより、アナログ信号をデジタル信号に変換するものである。ΔΣADC回路200の詳細は後述する。
【0045】
ECU22は自動車に設けられる種々の電子機器の制御を行うものである。
自動車セキュリティシステム2はECU22の制御対象の一つであり、自動車セキュリティシステム2を制御するためのプログラムはECU22に格納される種々の制御プログラムに含まれる。
【0046】
以下では、図4を用いてΔΣADC回路200の構成について説明する。
ΔΣADC回路200は主としてキャパシタ215・216、スイッチ221・222、参照スイッチ233・234、積分器203、スイッチ223・224、比較器204、スイッチ225・226、カウンタ回路205、D/Aコンバータスイッチ231・232、電位検出回路210、スイッチ227・228、スイッチ制御回路209、主電源回路211、副電源回路212等を具備する。
【0047】
キャパシタ215は、Gセンサ12の出力端子12aと積分器203の一方の入力端子(厳密には、後述する全差動アンプ203aの非反転入力端子)とを接続する配線の中途部に設けられる。
キャパシタ216は、Gセンサ12の出力端子12bと積分器203の他方の入力端子(厳密には、後述する全差動アンプ203aの反転入力端子)とを接続する配線の中途部に設けられる。
【0048】
スイッチ221は、Gセンサ12の出力端子12aと積分器203の一方の入力端子とを接続する配線のうち、キャパシタ215と積分器203とで挟まれる部分に設けられる。
スイッチ222は、Gセンサ12の出力端子12bと積分器203の他方の入力端子とを接続する配線のうち、キャパシタ216と積分器203とで挟まれる部分に設けられる。
【0049】
参照スイッチ233は、キャパシタ215とスイッチ221とを接続する配線の中途部と参照電圧源(Vref)とを接続する配線の中途部に設けられる。
参照スイッチ234は、キャパシタ216とスイッチ222とを接続する配線の中途部と参照電圧源(Vref)とを接続する配線の中途部に設けられる。
【0050】
積分器203は本発明に係る積分器の実施の一形態であり、所定の周期でサンプリングされる入力信号(出力端子12a・12bからのアナログ信号)の積分値を出力するものである。
積分器203は全差動アンプ203a、キャパシタ203b、キャパシタ203c等を具備する。
全差動アンプ203aは非反転入力端子および反転入力端子からなる二つの入力端子および非反転出力端子および反転出力端子からなる二つの出力端子を有する。
全差動アンプ203aの非反転入力端子と反転出力端子とを接続する配線の中途部にはキャパシタ203bが設けられる。
全差動アンプ203aの反転入力端子と非反転出力端子とを接続する配線の中途部にはキャパシタ203cが設けられる。
【0051】
スイッチ223は全差動アンプ203aの非反転入力端子と反転出力端子とを接続する配線の中途部においてキャパシタ203bよりも非反転入力端子に近い位置に設けられる。
スイッチ224は全差動アンプ203aの反転入力端子と非反転出力端子とを接続する配線の中途部においてキャパシタ203cよりも反転入力端子に近い位置に設けられる。
【0052】
ΔΣADC回路200は、スイッチ221・222がオフになるとともに参照スイッチ233・234がオンになる第一フェーズ(φ1)と、スイッチ221・222がオンになるとともに参照スイッチ233・234がオフになる第二フェーズ(φ2)と、を交互に繰り返す。なお、スイッチ223・224は第一フェーズ(φ1)、第二フェーズ(φ2)ともオンになっている。
第一フェーズ(φ1)では、Gセンサ12の出力端子12a・12bと参照電圧源との電位差に対応する電荷がキャパシタ215・216にそれぞれサンプリングされ、第二フェーズ(φ2)では、キャパシタ215・216にサンプリングされた電荷がそれぞれキャパシタ203b・203cに転送され、蓄えられる。
全差動アンプ203aはキャパシタ203b・203cに蓄えられた電荷に略比例する電位差を有する一対の出力信号を非反転出力端子および反転出力端子からそれぞれ出力する。
【0053】
比較器204は非反転入力端子および反転入力端子の二つの入力端子および出力端子を有する。比較器204の非反転入力端子は全差動アンプ203aの反転出力端子に接続される。比較器204の反転入力端子は全差動アンプ203aの非反転出力端子に接続される。
比較器204は全差動アンプ203aが出力する一対の出力信号の電位差すなわち積分値と、基準電圧すなわち基準値と、を比較し、積分値が基準値を上回った場合に出力端子からパルス信号を出力する。
【0054】
スイッチ225は比較器204の非反転入力端子と全差動アンプ203aの反転出力端子とを接続する配線の中途部に設けられる。
スイッチ226は比較器204の反転入力端子と全差動アンプ203aの非反転出力端子とを接続する配線の中途部に設けられる。
スイッチ225・226は、後述する主電源回路211が電力を供給しているときはオンになっている。
【0055】
カウンタ回路205は本発明に係るカウンタ回路の実施の一形態であり、比較器204からのパルス信号が入力され、当該パルス信号の入力回数をカウントしてデジタル信号(コード)の形で表されたカウンタ値として出力するものである。
カウンタ回路205の入力端子は比較器204の出力端子に接続され、カウンタ回路205の出力端子はECU22の入力端子に接続される。従って、ECU22はカウンタ値を取得することが可能である。
【0056】
D/Aコンバータスイッチ231・232はそれぞれキャパシタ203bおよびキャパシタ203cに蓄えられている電荷のうち、比較器204が出力するパルス信号の一回分に相当する電荷をキャンセルするものである。
D/Aコンバータスイッチ231は三つの端子を有する。D/Aコンバータスイッチ231の第一の端子はGセンサ12の出力端子12aとキャパシタ215とを接続する配線の中途部に接続される。D/Aコンバータスイッチ231の第二の端子は所定電圧の電源(VCC)に接続される。D/Aコンバータスイッチ231の第三の端子はグラウンドに接続される。
D/Aコンバータスイッチ232は三つの端子を有する。D/Aコンバータスイッチ232の第一の端子はGセンサ12の出力端子12bとキャパシタ216とを接続する配線の中途部に接続される。D/Aコンバータスイッチ232の第二の端子は所定電圧の電源(VCC)に接続される。D/Aコンバータスイッチ232の第三の端子はグラウンドに接続される。
【0057】
D/Aコンバータスイッチ231・232は、それぞれ(1)第一の端子、第二の端子および第三の端子がいずれも相互に導通していない状態、(2)第一の端子と第二の端子とが導通している状態、(3)第一の端子と第三の端子とが導通している状態、のいずれかに切り替えることが可能である。
D/Aコンバータスイッチ231・232は、平時は(1)第一の端子、第二の端子および第三の端子がいずれも相互に導通していない状態を保持している。
D/Aコンバータスイッチ231・232は、比較器204の出力信号(パルス信号)が入力されると、それぞれ(2)第一の端子と第二の端子とが導通している状態、(3)第一の端子と第三の端子とが導通している状態になる。その結果、キャパシタ203bおよびキャパシタ203cに蓄えられている電荷のうち、比較器204が出力するパルス信号の一回分に相当する電荷がキャンセルされる。
【0058】
このように、本実施例におけるキャパシタ215・216、比較器204およびD/Aコンバータスイッチ231・232を合わせたものは本発明に係る差分器の実施の一形態に相当し、積分値が基準値を上回った場合にパルス信号を出力するとともに、積分値と基準値との差分値を積分器に入力する(積分器203に蓄えられている電荷のうち、比較器204が出力するパルス信号一回分に相当する電荷をキャンセルする)ものである。
【0059】
電位検出回路210は積分器203の入力側(入力端子)の電位、ひいては積分器203およびその周囲の電荷の状態を検出するものである。
電位検出回路210の二つの入力端子はそれぞれ全差動アンプ203aの非反転入力端子および反転入力端子に接続され、電位検出回路210の出力端子はECU22に接続される。
ECU22は電位検出回路210により検出された積分器203の入力側(入力端子)の電位に係る情報を取得することが可能である。
【0060】
スイッチ227は電位検出回路210の一方の入力端子と全差動アンプ203aの非反転入力端子とを接続する配線の中途部に設けられる。
スイッチ228は電位検出回路210の他方の入力端子と全差動アンプ203aの反転入力端子とを接続する配線の中途部に設けられる。
【0061】
スイッチ制御回路209はECU22からの入力信号に基づいてスイッチ221・222、スイッチ223・224、スイッチ225・226およびスイッチ227・228のオン・オフの切り替えを行うものである。
スイッチ制御回路209の入力端子はECU22に接続され、スイッチ制御回路209の出力端子はスイッチ221・222、スイッチ223・224、スイッチ225・226およびスイッチ227・228に接続される(図4では、便宜上、スイッチ制御回路209の出力端子とスイッチ221・222、スイッチ223・224、スイッチ225・226およびスイッチ227・228とを接続する配線を省略している)。
【0062】
主電源回路211はΔΣADC回路200を構成する部材のうち、スイッチ221・222、スイッチ223・224、スイッチ225・226、スイッチ227・228、スイッチ制御回路209およびカウンタ回路205を除くものであって動作のために電力の供給を要するものに電力の供給(主電源ON)およびその停止(主電源OFF)を行うものである。
主電源回路211はECU22に接続され、ECU22からの入力信号(電源ON信号および電源OFF信号)に基づいて電力の供給およびその停止を行う。
【0063】
副電源回路212はスイッチ221・222、スイッチ223・224、スイッチ225・226、スイッチ227・228、スイッチ制御回路209およびカウンタ回路205に電力の供給を行うものである。
副電源回路212は主電源回路211の電力の供給およびその停止に関わらず、スイッチ221・222、スイッチ223・224、スイッチ225・226、スイッチ227・228、スイッチ制御回路209およびカウンタ回路205に電力の供給を行う。
【0064】
以下では、ΔΣADC回路200の電力消費低減動作について説明する。
【0065】
ECU22は、自動車セキュリティシステム2の作動時に、主電源回路211に所定の周期で電源ON信号および電源OFF信号を入力する。ここで、ECU21が主電源回路111に電源ON信号および電源OFF信号を入力する「所定の周期」は数msecから数百msec程度の範囲に設定される。
Gセンサ12が加速度を検出するための動作を行う時間は全てECU22が主電源回路211に電源ON信号を入力してから電源OFF信号を入力するまでの時間に含まれ、ECU22が主電源回路211に電源OFF信号を入力してから電源ON信号を入力するまでの時間にはGセンサ12が加速度を検出するための動作を行わない。
【0066】
また、ECU22は、自動車セキュリティシステム2の作動時に、主電源回路211と同じタイミングでスイッチ制御回路209に電源ON信号および電源OFF信号を入力する。
スイッチ制御回路209は、ECU22から電源ON信号が入力されるとスイッチ225・226、スイッチ227・228をオン(導通した状態)にし、ECU22から電源OFF信号が入力されるまでの間、スイッチ221・222を所定の周期(サンプリング周期)で第一フェーズ(φ1)と第二フェーズ(φ2)に交互に切り替える。
スイッチ制御回路209は、ECU22から電源OFF信号が入力されるとスイッチ221・222、スイッチ225・226およびスイッチ227・228をオフ(遮断した状態)にするとともに、スイッチ223・224をオン(導通した状態)にする。スイッチ221・222、スイッチ223・224、スイッチ225・226、スイッチ227・228およびスイッチ制御回路209には主電源回路211が電力の供給を停止している間にも副電源回路212により電力が供給されるため、これらは動作可能である。
従って、主電源回路211が電力の供給を停止している間において、積分器203は自動車セキュリティシステム2を構成する他の部材から電気的に絶縁された状態となり、積分器203の電荷の状態(キャパシタ203b・203cに蓄えられた電荷の状態)、すなわち主電源回路211が電力の供給を停止したときにおける積分器203の積分値が保持される。そして、主電源回路211が電力の供給を再開したときには、当該保持された積分値が初期値として比較器204に入力されることとなる。
【0067】
なお、ECU22は、電位検出回路210により検出される「主電源回路211が電力の供給を再開したときにおける積分器203の入力端子の電位(すなわち積分器203の電荷の状態)」に係る情報を取得することが可能であり、電位検出回路210により取得された積分器203の入力端子の電位が異常である場合(例えば、キャパシタ203b・203cに蓄えられた電荷が異なる場合等)には主電源回路211が電力の供給を停止していた間に積分器203の積分値が保持されていなかったものと判断し、主電源回路211が電力の供給を再開したときにおける積分器203の積分値の初期値をキャンセルする。
【0068】
このように、保持された積分器203の積分値が異常である場合にキャンセルすることにより、A/D変換値(本実施例の場合、ECU22が取得するカウンタ値)の信頼性を向上することが可能である。
【0069】
カウンタ回路205には主電源回路211が電力の供給を停止している間にも副電源回路212により電力が供給される。
従って、主電源回路211が電力の供給を停止している間、主電源回路211が電力の供給を停止したときにおけるカウンタ値がカウンタ回路205に保持される。そして、主電源回路211が電力の供給を再開したときには、当該保持されたカウンタ値が初期値としてECU22に入力されることとなる。
【0070】
このように、本実施例におけるスイッチ221・222、スイッチ223・224、スイッチ225・226、スイッチ227・228、スイッチ制御回路209および副電源回路212を合わせたものは、本発明に係る積分値・カウンタ値保持部の実施の一形態に相当し、積分器203への電力供給を停止したときにおける積分器203の積分値およびカウンタ回路205のカウンタ値を保持するものである。
また、本実施例におけるスイッチ221・222、スイッチ223・224、スイッチ225・226およびスイッチ227・228は、本発明に係るスイッチ群に相当し、積分器203の接続配線(積分器203と他の部材とを接続する配線)の中途部に設けられ、積分器203への電力供給を停止したときに前記接続配線を遮断するものである。
【0071】
主電源回路111が電力の供給を停止したときにおける積分値およびカウンタ値を保持し、主電源回路111が電力の供給を再開したときにおける積分値の初期値およびカウンタ値の初期値とすることにより、ΔΣADC回路200は図1に示すΔΣADC回路100と略同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明に係るΔΣADC回路の第一実施例を示す図。
【図2】積分器の積分値の保持の有無とA/D変換値の時間変化との関係を示す図。
【図3】Gセンサの出力とA/D変換値との関係を示す図。
【図4】本発明に係るΔΣADC回路の第二実施例を示す図。
【符号の説明】
【0073】
100 ΔΣADC回路
102 減算器(差分器の一部)
103 積分器
104 比較器(差分器の一部)
105 カウンタ回路
106 1BitD/A変換器(差分器の一部)
107 入力側スイッチ(積分値・カウンタ値保持部の一部)
108 出力側スイッチ(積分値・カウンタ値保持部の一部)
109 スイッチ制御回路(積分値・カウンタ値保持部の一部)
112 副電源回路(積分値・カウンタ値保持部の一部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周期でサンプリングされる入力信号の積分値を出力する積分器と、
前記積分値が基準値を上回った場合にパルス信号を出力するとともに、前記積分値と前記基準値との差分値を前記積分器に入力する差分器と、
前記差分器からのパルス信号が入力され、当該パルス信号の入力回数をカウントしてカウンタ値として出力するカウンタ回路と、
前記積分器への電力供給を停止したときにおける前記積分器の積分値および前記カウンタ回路のカウンタ値を保持する積分値・カウンタ値保持部と、
を具備し、
前記積分値・カウンタ値保持部により保持された前記積分値および前記カウンタ値を、それぞれ前記積分器への電力供給を再開したときにおける前記積分器の積分値の初期値および前記カウンタ回路のカウンタ値の初期値とするΔΣADC回路。
【請求項2】
前記積分値・カウンタ値保持部は、
前記積分器の接続配線の中途部に設けられ、前記積分器への電力供給を停止したときに前記接続配線を遮断するスイッチ群を具備する請求項1に記載のΔΣADC回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−187299(P2008−187299A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17130(P2007−17130)
【出願日】平成19年1月26日(2007.1.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】