説明

じゃこう特性を有する香料としての脂肪族化合物

本発明は、式I
【化1】


式中、R〜R、XおよびYは、明細書中に記載した意味を有する、
で表される脂肪族カルボニル化合物、これらの製造および香料組成物におけるこれらの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、じゃこう特性を有する新規な化合物、これらの製造および香料組成物におけるこれらの使用に関する。
【0002】
じゃこう特性を有する慣用の化合物は、ニトロアレーン、多環式芳香族化合物および大環状化合物から選択された。しかし、近年、使用が、例えば環境的懸念のために一層限定されたものとなっているこれらの慣用のじゃこうを置換するために、じゃこう特性を有する新規な化合物を見出すための大きな取り組みがなされている。
【0003】
すでに10年以上前、じゃこう特性を有する最初の脂環式化合物が記載され、これは、製品ヘルベトリド(Helvetolide)(登録商標)(プロピオン酸4−(3,3−ジメチル−1−シクロヘキシル)−2,2−ジメチル−3−オキサペンチル、Firmenich SA, Switzerlandの登録商標)により例示される。
【0004】
驚異的なことに、本発明者らは、ここで、じゃこう特性および香料製剤における高度な影響を有するある脂肪族カルボニル化合物を見出した。この新規な群の化合物は、以前文献には記載されていない。
【0005】
従って、本発明は、第1の観点において、式I
【化1】

式中、
およびRは、独立して、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、メチル、エチル、メチレンまたはエチリデンであり;
は、C〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、シクロプロピル、sec−ブチル、n−ブチル、tert−ブチルまたはシクロブチルであるか;あるいは
【0006】
は、ビニルまたは直鎖状、分枝状もしくは環状C〜Cアルケニル、例えばプロペン−1−イル、プロペン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル、シクロブト−1−エン−1−イル、ブテニル、例えばブト−1−エン−1−イルまたはブタジエンであり;
Xは、カルボニルまたは2価の基−(CMe)−であり;
Yは、酸素または2価の基−(CH)−であり;
C−2とRとの間の結合は、単結合であり、C−2とC−3との間の結合は、点線と一緒に二重結合を表し;あるいは
C−2とC−3との間の結合は、単結合であり、C−2とRとの間の結合は、点線と一緒に二重結合を表し;あるいは
C−2とRとの間の結合は、単結合であり、C−2とC−3との間の結合は、単結合である、
で表される化合物に言及する。
【0007】
本発明の化合物は、1または2以上のキラル中心を含み、従って立体異性体の混合物として存在し得るか、またはこれらは、異性体的に純粋な形態として分割することができる。立体異性体の分割により、これらの化合物の製造および精製に複雑さが追加され、従って、化合物を、単に経済的な理由により、これらの立体異性体の混合物として用いるのが好ましい。しかし、個別の立体異性体を調製するのが望ましい場合には、これを、業界において知られている方法、例えば分取HPLCおよびGCにより、または立体選択的合成により達成することができる。
【0008】
好ましい化合物は、式Iで表される不飽和脂肪族カルボニル化合物、即ちC−2とRとの間の結合が単結合であり、C−2とC−3との間の結合が点線と一緒に二重結合を表すか;またはC−2とC−3との間の結合が単結合であり、C−2とRとの間の結合が点線と一緒に二重結合を表す、式Iで表される化合物、例えば酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、プロピオン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)−プロピルエステル、シクロプロパンカルボン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、イソ酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、2−メチルアクリル酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、ブト−2−エン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、ブト−3−エン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、プロピオン酸(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)カルボニルメチルエステル、6−メチル−6−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)ヘプタン−3−オン、プロピオン酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、シクロプロパンカルボン酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、酪酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、4−オキソペンタン酸1’,4’,4’−トリメチルペント−2’−エニルエステル、プロピオン酸2’−(1”,4”−ジメチルペント−2”−エニルオキシ)−2’−メチルプロピルエステルおよびシクロプロパンカルボン酸2’−(1”,4”−ジメチルペント−2”−エニルオキシ)−2’−メチルプロピルエステルである。
【0009】
式Iで表される特に好ましい化合物は、一般式
【化2】

式中、
およびRは、独立して、水素またはメチルであり;
は、C〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、シクロプロピル、sec−ブチル、n−ブチル、tert−ブチルまたはシクロブチルであるか;あるいは
は、ビニルまたは直鎖状、分枝状もしくは環状C〜Cアルケニル、例えばプロペン−1−イル、プロペン−2−イル、プロプ−2−エン−1−イル、シクロプロプ−1−エン−1−イル、シクロプロプ−2−エン−1−イル、シクロブト−2−エン−1−イル、ブテニル、例えばブト−1−エン−1−イルまたはブタジエンである、
により表される。
【0010】
C−2とRとの間の結合が単結合であり、C−2とC−3との間の結合が点線と一緒に二重結合を表す、式Iで表される化合物は、これらの(2”E)立体配置において好ましい。例に示すように、これらの(2”E)立体配置における化合物は、対応する(2”Z)立体配置における化合物よりも、強い臭気を有する。
従って、本発明は、他の観点において、C−2とRとの間の結合が単結合であり、C−2とC−3との間の結合が点線と一緒に二重結合を表し、二重結合異性体の1つ、即ち(E)または(Z)立体配置二重結合で富化された、式Iで表される化合物に言及する。
【0011】
用語「富化された」は、本明細書中では、選択された二重結合異性体に関して1:1を超える異性体純度を有する化合物について用いる。約55:45またはこれより大きい、例えば約70:30の純度を有する化合物が好ましい。
本発明の化合物は、単独で、または現在入手できる広範囲の天然および合成分子、例えばエッセンシャルオイル、アルコール、アルデヒドおよびケトン、エーテルおよびアセタール、エステルおよびラクトン、大環状および複素環式化合物などから選択された、既知の着臭剤分子と組み合わせて、および/または香料組成物において着臭剤と併用して慣用的に用いられている、1種もしくは2種以上の成分もしくは添加剤、例えば担体物質並びに、業界において一般的に用いられている他の補助剤との混合物において、用いることができる。
【0012】
以下のリストは、本発明の化合物と混ぜ合わせることができる、既知の着臭剤分子の例を含む:
−エーテル油および抽出物、例えば海狸香、コスタス根油、オークモス絶対花精油(absolute)、ゼラニウム油、ジャスミン絶対花精油、パチョリ油、バラ油、ビャクダン油またはイランイランノキ油;
−アルコール、例えばシトロネロール、エバノール(Ebanol)(登録商標)、オイゲノール、ゲラニオール、スーパーミューゲ(Super Muguet)(登録商標)、リナロール、フェニルエチルアルコール、サンダロア(Sandalore)(登録商標)、テルピネオールまたはチンベロール(Timberol)(登録商標)。
【0013】
−アルデヒドおよびケトン、例えばα−アミルシンナムアルデヒド、ゲオルギーウッド(Georgywood)(登録商標)、ヒドロキシシトロネラール、イソEスーパー(Iso E Super)(登録商標)、イソラルデイン(Isoraldeine)(登録商標)、ヘジオン(Hedione)(登録商標)、マルトール、メチルセドリルケトン、メチルイオノンまたはバニリン;
−エーテルおよびアセタール、例えばアンブロックス(Ambrox)(登録商標)、ゲラニルメチルエーテル、ローズオキシドまたはスピランブレン(Spirambrene)(登録商標)。
−エステルおよびラクトン、例えば酢酸ベンジル、酢酸セドリル、γ−デカラクトン、ヘルベトリド(登録商標)、γ−ウンデカラクトンまたは酢酸ベチベニル。
−大環状化合物、例えばアンブレットリド、エチレンブラシレートまたはエクサルトリド(Exaltolide)(登録商標)。
−複素環式化合物、例えばイソブチルキノリン。
【0014】
しかし、これらの独特の特性のために、式Iで表される化合物は、例中に一層特定的に例証するように、新鮮なじゃこう調和物(accord)、ウッド様−香辛料様または花様−ヘスペリジン組成物において用いるのに、特に良好に適する。
【0015】
本発明の化合物は、広範囲の香料製品(fragrance applications)において、例えばすべての分野の高純度の、および機能的な香水類、例えば香水、家庭製品、洗濯製品、ボディーケア製品または化粧品において、用いることができる。化合物を、特定の用途並びに他の着臭剤成分の性質および量に依存して、広範囲の量で用いることができ、これは、例えば、約0.001〜約20重量%であってもよい。1つの態様において、本発明の化合物を、織物柔軟剤において、約0.001〜0.05重量%の量で用いることができる。他の態様において、本発明の化合物を、約0.1〜20重量%、一層好ましくは約0.1〜5重量%の量で、アルコール性溶液において用いることができる。しかし、これらの値は、本発明において限定的であるべきではない。その理由は、経験のある香料業者はまた、一層低い、もしくは一層高い濃度で、効果を達成することができるか、または、新規な調和物を作製することができるからである。
【0016】
本発明の化合物は、香料製品中に、単に香料組成物を香料製品と直接混合することにより用いることができるか、あるいは、これらを、一層早い段階において、包括材料、例えばポリマー、カプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、リポソーム、前駆体、フィルム形成剤、吸着剤で、例えば炭素もしくはゼオライト、環状オリゴ糖およびこれらの混合物を用いることにより包括するか、または、これらを、外因性刺激、例えば光、酵素などの適用により香料分子を放出させるように適合された基質(substrate)に化学的に結合させ、次に製品と混合することができる。
【0017】
従って、本発明は、さらに、香料製品の製造方法であって、式Iで表される化合物を香料成分として、式Iで表される化合物を製品に直接混合することにより、または式Iで表される化合物を含む香料組成物を混合し、これを次に香料製品に、慣用の手法および方法を用いて混合することにより、導入することを含む、前記方法を提供する。
【0018】
本明細書中で用いる「香料製品」は、着臭剤を含むすべての製品、例えば高純度香水類、例えば香水およびオードトワレ;家庭製品、例えば食器洗い機用の洗浄剤、表面洗浄剤;洗濯製品、例えば柔軟剤、漂白剤、洗浄剤;ボディーケア製品、例えばシャンプー、シャワージェル;並びに化粧品、例えば脱臭剤、バニシングクリームを意味する。この製品のリストは、例示により示したものであり、いかなる方法によっても限定的であると考慮するべきではない。
【0019】
Xが2価の基−(CMe)−であり、Yが酸素である、式Iで表される化合物、即ちオキサエステルは、適切に置換されたアリル系アルコールをイソブチレンオキシドでエーテル化し、その後適切に置換されたカルボン酸でエステル化することにより、合成することができる。得られた化合物を、既知の方法で水素添加して、式Iで表される他の化合物を得ることができる。
【0020】
Xがカルボニルであり、Yが酸素である、式Iで表される化合物、即ちジエステルは、適切に置換されたアリル系アルコールをクロロ酢酸でエステル化し、続いて適切に置換されたカルボン酸でさらにエステル化することにより、合成することができる。得られた化合物を、既知の方法で水素添加して、式Iで表される他の化合物を得ることができる。
【0021】
Xがカルボニルであり、Yが2価の基−(CH)−である、式Iで表される化合物、即ちオキソエステルは、適切に置換されたアリル系アルコールを適切に置換されたオキソカルボン酸、例えばレブリン酸でエステル化することにより、調製することができる。
【0022】
Xが2価の基−(CMe)−であり、Yが2価の基−(CH)−である、式Iで表される化合物、即ちオキサケトンは、適切に置換されたアリル系アルコールをイソブチレンオキシドでエーテル化し、その後アルデヒドに酸化し、続いて当業者に知られている条件下でのウィティッヒ−ホーナー−エモンズ(Wittig-Horner-Emmons)反応および形成された二重結合の選択的水素添加により、調製することができる。得られた化合物を、既知の方法でさらに水素添加して、式Iで表される他の化合物を得ることができる。
【0023】
前述の置換されたアリル系アルコール出発物質は、当該技術分野で知られているアルドール縮合生成物を還元することにより得られる。
反応条件に関するさらなる詳細を、例において提供する。
ここで、本発明を例証する一連の例を続ける。
【0024】
例1:(2”E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
90分の時間内に、2−ホスホノプロピオン酸トリエチル(238g、1.00mol)をジメトキシエタン(DME、150ml)に溶解した溶液を、撹拌しながらNの雰囲気下で、NaH(43.6g、1.00mol)をDME(600ml)に溶解した溶液に滴加した。次に、混合物を、加熱して還流させ、15分後、還流温度において、イソブチルアルデヒド(72.1g、1.00mol)を滴加した。さらに30分間還流において撹拌した後、混合物を、氷/水(1:1、1l)中に注入した。AcOH(60ml)を加え、生成物を、EtO(2×200ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(400ml)およびブライン(100ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、回転蒸発器中で濃縮した。得られた残留物を蒸留して、86〜75℃/27mbarにおいて、117g(75%)の2,4−ジメチルペント−2−エン酸エチルエステルが得られた。
【0025】
2,4−ジメチルペント−2−エン酸エチルエステル(116g、742mmol)と水/EtOH(1:1、2.0l)中の85%KOH(147g、2.23mol)との混合物を、1日間還流させた。EtOHを、回転蒸発器上で除去し、残留した混合物を、EtOで洗浄した。合わせたエーテル洗液を、2Nの水性NaOH(100ml)で抽出し、すべての水性溶液を合わせた。氷/水浴で冷却しながら、濃縮水性HPO(200ml)を加えて、合わせた水性溶液をpH3に調整し、生成物を、EtO(200ml)で抽出した。エーテル溶液を、水(200ml)およびブライン(25ml)で洗浄した。乾燥(NaSO)後、溶媒を、回転蒸発器中で蒸発させて、94.2g(99%)の2,4−ジメチル−ペント−2−エン酸が得られた。
【0026】
の雰囲気下で、MeLiをEtO(500ml、800mmol)に溶解した1.6Mの溶液を、105分の間に、0〜10℃の間で撹拌しながら、2,4−ジメチルペント−2−エン酸(41.0g、320mmol)をEtO(1.6l)に溶解した溶液に滴加した。反応混合物を、1時間加熱して還流させ、次に5〜15℃の間で、5NのHCl(200ml)を滴加した。有機層を分離し、水性層を、EtO(200ml)で抽出した。合わせた有機溶液を、水(200ml)およびブライン(100ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、回転蒸発器中で濃縮して、粗製の3,5−ジメチルヘクス−3−エン−2−オンが得られ、これを、EtO(160ml)中に溶かした。室温でNの下で、この溶液を、撹拌しながら、LAH(3.34g、880mmol)をEtO(320ml)に懸濁させた懸濁液に、1時間の間に滴加した。反応混合物を、2時間還流させ、次に、水(10ml)およびブライン(20ml)を加えることにより、0〜5℃の間に急冷した。有機層を分離し、水性層を、EtO(100ml)で抽出した。合わせたエーテル抽出物を、水(100ml)およびブライン(50ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮した。得られた残留物のシリカゲルFC(ペンタン/EtO、4:1、R=0.40)により、34.7g(85%、2段階にわたる)の3,5−ジメチルヘクス−3−エン−2−オールが得られた。
【0027】
0℃においてNの下で、MeAlCl(50ml、50mmol)をヘキサンに溶解した1M溶液を、撹拌しながら1時間の間に、3,5−ジメチルヘクス−3−エン−2−オール(12.8g、100mmol)およびイソブチレンオキシド(8.65g、120mmol)をシクロヘキサン(100ml)に溶解した溶液に滴加した。冷却浴を除去し、撹拌を16時間継続し、その後混合物を、氷/水(1:1、100ml)中に注入した。得られたスラリーを、濃縮水性HPOを加えることにより溶解し、生成物を、EtO(2×100ml)で抽出した。合わせた有機抽出物を、水(100ml)およびブライン(25ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、回転蒸発器中で濃縮した。得られた残留物を、シリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.12)により精製して、3.10g(15%)の2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オールが得られた。
【0028】
0℃においてNの下で、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、1.03g、5.00mmol)を、2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(830mg、4.14mmol)、酢酸(250mg、4.14mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP、50mg、410mmol)をCHCl(10ml)に溶解した、撹拌した溶液に加えた。室温で1時間撹拌した後、沈殿物を、真空濾過し、CHClで洗浄した。合わせた濾液を、減圧下で濃縮し、得られた残留物を、シリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.36)により精製して、710mg(71%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0029】
【表1】

臭気の記載:花様、じゃこう、フルーツ様−グリーン。
GC臭度測定:(E/Z)=45:55、両方の異性体は、じゃこうの臭気を有し、E異性体が、一層強い。
【0030】
例2:(2”E/Z)プロピオン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
(2”E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例1を参照)の合成についての手順に従って、2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(830mg、4.14mmol)のプロパン酸(310mg、4.14mmol)でのステグリッヒ(Steglich)エステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.50)による精製により、690mg(65%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0031】
【表2】

臭気の記載:強力、じゃこう、フルーツ様、わずかにグリーン。
GC臭度測定:(E/Z)=45:55、両方の異性体は、じゃこうの臭気を有し、E異性体が、一層強い。
【0032】
例3:(2”E/Z)シクロプロパンカルボン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチル−ペント−2”−エニル−オキシ)プロピルエステル
(2”E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例1を参照)の合成についての手順に従って、2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(830mg、4.14mmol)のシクロプロパンカルボン酸(360mg、4.14mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、99:1、R=0.07)による精製により、680mg(61%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0033】
【表3】

臭気の記載:強力、じゃこう、スイート、わずかにフルーツ様。
GC臭度測定:(E/Z)=45:55、両方の異性体は、じゃこうの臭気を有し、E異性体が、一層強い。
【0034】
例4:
a:(2”E/Z)酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
(2”−E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例1を参照)の合成についての手順に従って、2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.72g、8.59mmol)の酪酸(2.43ml、26.4mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.42)による精製により、2.30g(99%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0035】
【表4】

臭気の記載:じゃこう、フルーツ様、動物様。
【0036】
b:酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペンチルオキシ)プロピルエステル
酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(1.00g、3.70mmol)および10%Pd/C(100mg、0.09mmol)をEtOAc(12ml)に懸濁させた懸濁液を、瞬間排気し(trice evacuated)、Nでフラッシュした(flushed)。2サイクルのフラッシュおよびHでの排気に続いて、反応混合物を、室温で3時間、Hの正の圧力の下で撹拌した。触媒を、セライトのパッド上での真空濾過により除去し、濾液を、減圧下で濃縮した。得られた残留物のシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.40)により、980mg(98%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0037】
【表5】

臭気の記載:じゃこう、スイート、フルーツ様、花様。
【0038】
例5:(2”E/Z)イソ酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
(2”E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例1を参照)の合成についての手順に従って、2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.72g、8.59mmol)のイソ酪酸(2.45ml、26.4mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.50)による精製により、1.94g(84%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0039】
【表6】

臭気の記載:じゃこう、フルーツ様、バラ様。
【0040】
例6:(2”E/Z)2−メチルアクリル酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
(2”E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例1を参照)の合成についての手順に従って、2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.72g、8.59mmol)の2−メチルアクリル酸(2.45ml、26.4mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.37)による精製により、1.93g(84%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0041】
【表7】

臭気の記載:強いじゃこう、わずかな花様、フルーツ様、バラ様。
【0042】
例7:(2E,2”E/Z)ブト−2−エン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
(2”E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例1を参照)の合成についての手順に従って、2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.72g、8.59mmol)のトランス−クロトン酸(2.27g、26.4mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.38)による精製により、2.05g(89%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0043】
【表8】

臭気の記載:強いじゃこう、フルーツ様−花様の芳香、スイート。
【0044】
例8:(2”E/Z)ブト−3−エン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
(2”E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例1を参照)の合成についての手順に従って、2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.72g、8.59mmol)のブト−3−エン酸(2.27g、26.4mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.33)による精製により、2.21g(96%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0045】
【表9】

臭気の記載:フルーツ−グリーンのニュアンスを有する強いじゃこう、花様。
【0046】
例9:(2”E/Z)プロピオン酸(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)カルボニルメチルエステル
N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、5.99g、29.0mmol)をCHCl(13ml)に溶解した溶液を、3,5−ジメチルヘクス−3−エン−2−オール(4.00g、9.36mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP、320mg、2.64mmol)をCHCl(26ml)に溶解した撹拌した溶液に滴加した。反応混合物を、5分間室温で撹拌し、その後黄色沈殿物を真空濾過した。沈殿物を、CHCl(2×)で洗浄し、合わせた濾液を、減圧下で濃縮した。粗製の物質(7.70g)を、シリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.54)により精製して、1.15g(60%)のクロロ酢酸1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルエステルが得られた。
【0047】
クロロ酢酸1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルエステル(1.09g、5.33mmol)、プロピオン酸(0.39g、5.33mmol)およびKCO(1.47g、10.6mmol)の、EtCO/ジオキサン(4:1、12.5ml)中の混合物を、2日間還流させ、他の部のKCO(1.47g、10.6mmol)を、1日後に加えた。次に、反応混合物を、氷/水(1:1、50ml)中に注入し、生成物を、EtO(2×50ml)で抽出した。合わせたエーテル抽出物を、水(50ml)およびブライン(25ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮した。得られた残留物のシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.23)により、0.71g(55%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0048】
【表10】

臭気の記載:じゃこう、スイート、グリーン、フルーツ様。
【0049】
例10:(2’E/Z)−6−メチル−6−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)ヘプタン−3−オン
クロロクロム酸ピリジニウム(PCC、43.3g、201mmol)をCHCl(350ml)に溶解した溶液を、1度で、CHCl(900ml)中のセライト(登録商標)(50g)の撹拌したスラリーに加えた。撹拌を15分間継続し、その後CHCl(350ml)中の2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(例1を参照、11.8g、58.9mmol)を、20分にわたり滴加した。反応混合物を、室温で1日間撹拌し、他の部のPCC(4.30g、20.0mmol)を、最初の5時間の後に加え、次にセライト(登録商標)のパッド上で吸引により濾過した。濾液を、回転蒸発器中で濃縮し、得られた残留物を、シリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.57)により精製して、9.97g(85%)の2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロピオンアルデヒドが得られた。
【0050】
(2−オキソブチル)ホスホン酸ジエチル(5.25g、25.2mmol)をDME(5ml)に溶解した溶液を、95%NaH(640mg、25.2mmol)をDME(15ml)に懸濁させた、撹拌した懸濁液に滴加した。反応混合物を、15分間還流させ、その後2−メチル−2−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロピオンアルデヒド(5.00g、25.2mmol)を滴加した。さらに2時間の還流後、反応混合物を、氷/水(1:1、100ml)中に注入し、AcOHで酸性化し、EtO(2×50ml)で抽出した。合わせたエーテル抽出物を、水(50ml)およびブライン(25ml)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮した。得られた残留物のシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.22)により、2.11g(33%)の6−メチル−6−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)ヘプト−4−エン−3−オンが得られ、これは、比較的弱いグリーン、花様および桂皮様臭気を有し、顕著なじゃこう特性は有していなかった。
【0051】
の雰囲気下で、[(PPh)CuH](5.83g、2.97mmol)を、脱酸素ベンゼン(deoxygenated benzene)に溶解した。5分間撹拌した後に、6−メチル−6−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)ヘプト−4−エン−3−オン(2.05g、8.12mmol)を、5分間滴加し、反応混合物を、5時間室温で、Nの雰囲気下で撹拌した。次に、不活性ガス供給を除去し、暗い赤色の懸濁液を、湿り空気(humid air)下で30分間撹拌し、この間、反応混合物の色は、暗い茶色に変化した。不溶性の物質を、セライト(登録商標)のパッド上での真空濾過により除去し、トルエンで洗浄し、合わせた有機溶液を、回転蒸発器中で蒸発させた。得られた残留物を、シリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.14)により精製して、1.68g(81%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0052】
【表11】

臭気の記載:強力、快適なじゃこうノート(note)、スイート、フルーツ様。
【0053】
例11:6−メチル−6−(1’,2’,4’−トリメチルペンチルオキシ)ヘプタン−3−オン
酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペンチルオキシ)プロピルエステル(例4を参照)の調製のための手順に従って、(2’E/Z)−6−メチル−6−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)ヘプタン−3−オン(1.07g、4.21mmol)を、10%Pd/C(100mg、0.09mmol)の存在下で水素添加して、クーゲルロール(bulb-to-bulb)蒸留(125℃、0.9mbar)による精製の後に、750mg(70%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0054】
【表12】

臭気の記載:じゃこう、スイート、わずかなフルーツ様−花様。
【0055】
例12:(2”E)−プロピオン酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
C. Boerner, M. R. Dennis, E. Sinn, S. Woodward, Eur. J. Org. Chem. 2001, 2435-2446の手順に従って、(3E)−5,5−ジメチルヘクス−3−エン−2−オンを調製した。標準的なLAH還元(上記を参照)により、(3E)−5,5−ジメチルヘクス−3−エン−2−オールが、シリカゲルFC(ペンタン/EtO、4:1、R=0.31)による精製の後に得られた。例1の一般的な手順に従って、(3E)−5,5−ジメチルヘクス−3−エン−2−オール(29.4g、229mmol)を、イソブチレンオキシド(19.8g、275mmol)でエーテル化して、シリカゲルFC(ペンタン/EtO、9:1、R=0.27)の後に、4.21g(8%)の2−メチル−2−(1’,4’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オールが得られた。(2”E/Z)−酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステルの合成に従って(上記を参照)、2−メチル−2−(1’,4’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.30g、6.49mmol)のプロピオン酸(480mg、6.49mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.14)により、1.37g(82%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0056】
【表13】

臭気の記載:じゃこう、スイート、グリーン、グレープフルーツ様。
【0057】
例13:(2”E)−シクロプロパンカルボン酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
(2”E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例1を参照)の合成に従って、2−メチル−2−(1’,4’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.30g、6.49mmol)のシクロプロパンカルボン酸(590mg、6.49mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.29)により、1.46g(84%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0058】
【表14】

臭気の記載:じゃこう、スイート、フルーツ様、粉末状、アニス。
【0059】
例14:(2”E)−酪酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル
(2”E/Z)酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例1を参照)の合成に従って、2−メチル−2−(1’,4’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.30g、6.49mmol)の酪酸(570mg、6.49mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.26)により、1.45g(83%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0060】
【表15】

臭気の記載:フルーツ様、じゃこう。
【0061】
例15:(2’E)−4−オキソペンタン酸1’,4’,4’−トリメチルペント−2’−エニルエステル
上記の一般的な合成プロトコルに従っての、(3E)−5,5−ジメチルヘクス−3−エン−2−オール(760mg、5.93mmol)の4−オキソペンタン酸(690mg、5.93mmol)でのステグリッヒエステル化により、通常の精製操作(work-up)およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、9:1、R=0.14)による精製の後に、1.21g(90%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0062】
【表16】

臭気の記載:フレッシュ、じゃこう、わずかに金属様、西洋なし様、アンブレト種油。
【0063】
例16:(2”E)−プロピオン酸2’−(1”,4”−ジメチルペント−2”−エニルオキシ)−2’−メチルプロピルエステル
(2”E)−プロピオン酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル(例12を参照)の調製に従って、商業的に入手できる(3E)−5−メチルヘクス−3−エン−2−オン(150g、1.34mol)の標準的なLAH還元により、74〜80℃/160mbarにおいて、109g(88%)の(3E)−5−メチルヘクス−3−エン−2−オールが得られ、この108g(946mmol)を、イソブチレンオキシド(81.8g、1.14mmol)でエーテル化して、シリカゲルFC(ペンタン/EtO、9:1、R=0.17)の後に、24.8g(14%)の2−メチル−2−(1’,4’−ジメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オールが得られた。2−メチル−2−(1’,4’−ジメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.80g、9.66mmol)のプロピオン酸(1.19g、16.1mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.31)での通常の精製操作により、1.00g(43%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0064】
【表17】

臭気の記載:じゃこう、フルーツ様、土様、グリーン。
【0065】
例17:(2”E)−シクロプロパンカルボン酸2’−(1”,4”−ジメチルペント−2”−エニルオキシ)−2’−メチルプロピルエステル
2−メチル−2−(1’,4’−ジメチルペント−2’−エニルオキシ)プロパン−1−オール(1.80g、9.66mmol)のシクロプロパンカルボン酸(1.40g、16.1mmol)でのステグリッヒエステル化およびシリカゲルFC(ペンタン/EtO、19:1、R=0.28)での通常の精製操作により、900mg(37%)の臭気を有する表題化合物が得られた。
【0066】
【表18】

臭気の記載:じゃこう、フルーツ様、花様。
【0067】
例18:男性用高純度香料
【表19】

【0068】
(2”E/Z)−シクロプロパンカルボン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステルは、この香料に、極めて快適な感覚的なじゃこう調性(tonality)を付与する。これは、ボリューム、甘みおよび温覚を、組成物に付加する。さらに、これは、固定的特性を香料に提供する;しかし、じゃこう特性は、トップノートの印象からこの香水の乾燥まで存在する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、
およびRは、独立して、水素、メチルまたはエチルであり;
は、水素、メチル、エチル、メチレンまたはエチリデンであり;
は、C〜Cアルキルであるか;あるいは
は、ビニルまたは直鎖状、分枝状もしくは環状C〜Cアルケニルであり;
Xは、カルボニルまたは2価の基−(CMe)−であり;
Yは、酸素または2価の基−(CH)−であり;
C−2とRとの間の結合は、単結合であり、C−2とC−3との間の結合は、点線と一緒に二重結合を表し;あるいは
C−2とC−3との間の結合は、単結合であり、C−2とRとの間の結合は、点線と一緒に二重結合を表し;あるいは
C−2とRとの間の結合は、単結合であり、C−2とC−3との間の結合は、単結合である、
で表される化合物。
【請求項2】
C−2とRとの間の結合が単結合であり、C−2とC−3との間の結合が点線と一緒に二重結合を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
酢酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、プロピオン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、シクロプロパンカルボン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、イソ酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、2−メチルアクリル酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、ブト−2−エン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、ブト−3−エン酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、プロピオン酸(1”,2”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)カルボニルメチルエステル、6−メチル−6−(1’,2’,4’−トリメチルペント−2’−エニルオキシ)ヘプタン−3−オン、プロピオン酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、シクロプロパンカルボン酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、酪酸2’−メチル−2’−(1”,4”,4”−トリメチルペント−2”−エニルオキシ)プロピルエステル、4−オキソペンタン酸1’,4’,4’−トリメチルペント−2’−エニルエステル、プロピオン酸2’−(1”,4”−ジメチルペント−2”−エニルオキシ)−2’−メチルプロピルエステル、シクロプロパンカルボン酸2’−(1”,4”−ジメチルペント−2”−エニルオキシ)−2’−メチルプロピルエステル、酪酸2’−メチル−2’−(1”,2”,4”−トリメチルペンチルオキシ)プロピルエステルおよび6−メチル−6−(1’,2’,4’−トリメチルペンチルオキシ)ヘプタン−3−オンからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
(2”E)−異性体で富化されていることを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
【請求項5】
(2”Z)−異性体で富化されていることを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
【請求項6】
香料としての、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項7】
香料組成物における、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれかに記載の化合物またはこの混合物を含む、香料製品。
【請求項9】
香料製品が、香水、家庭製品、洗濯製品、ボディーケア製品または化粧品製品である、請求項8に記載の香料製品。
【請求項10】
香料製品の製造方法であって、請求項1に記載の式Iで表される化合物を、香水、家庭製品、洗濯製品、ボディーケア製品または化粧品製品に導入する工程を含む、前記方法。

【公表番号】特表2006−508175(P2006−508175A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570666(P2004−570666)
【出願日】平成15年11月24日(2003.11.24)
【国際出願番号】PCT/CH2003/000773
【国際公開番号】WO2004/050595
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】