ばねおよびその製造方法
シールは、シール表面を画定するポリマーカバーおよびポリマーカバーの長さに沿ってポリマーカバー内に延在する内側キャビティを含む。シールは、内側キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含むばねをさらに含む。シールは、静止構成要素と回転可能な構成要素との間に配置することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ばね、かかるばねを用いるシールおよびかかるばねおよびシールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ばねは、特定の方向に力を加えるのに様々な業種で用いられている。特に、ばねは、表面と接触するシーリング材料を付勢し、互いに対して動く部品間でのシールの形成を促進するシール用途に用いられている。かかるシールに有用なばねは、らせん状に丸めたリボン、または折った渦巻き板ばねを含むことができる。
【0003】
折った渦巻き板ばねは、スタンピングプロセスにより従来から形成されている。渦巻き板は、従来、スタンピング機に供給されて、渦巻き板にパターンをスタンプし、その後、パターンの形成された渦巻き板を折って、渦巻き板ばねが形成される。かかるばねは、環状シールや端面シールのようなシールへ組み込むことができる。
【0004】
しかしながら、従来のスタンピングプロセスでは、スタンプされた型、特に、エッジ周囲に応力がかかる。さらに、スタンピングの結果、かなりの量の廃棄材料が生じ、ばねのエッジにバリや望ましくない鋭突部が形成される可能性がある。また、かかる従来のスタンピングプロセスは、金属成分の連続処理には役に立たず、そのため、バッチプロセスで実施される傾向があるため、製造の効率が減じる。
【0005】
このように、改善されたばね、およびかかるばねを製造する方法が必要とされているであろう。
【0006】
本開示は、添付の図面を参照することにより、より良く理解され、その数多くの特徴および利点が当業者に明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例示のシールの透視図を含む。
【図2】図1に示した例示のシールのような例示のシールの断面図を含む。
【図3】例示のシールの透視図を含む。
【図4】図3に示した例示のシールのような例示のシールの断面図を含む。
【図5】例示のばねパターンの図を含む。
【図6】例示のばねパターンの図を含む。
【図7】例示のばねパターンの図を含む。
【図8】例示のばねパターンの図を含む。
【図9】例示のレーザーカット装置の図を含む。
【図10】ばねを製造する例示のシステムの図を含む。
【図11】渦巻き板材料のカットエッジの図を含む。
【図12】渦巻き板材料のカットエッジの図を含む。
【図13】渦巻き板材料のカットエッジの図を含む。
【0008】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、同様または同一の品目を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態において、ばねの製造方法は、渦巻き板またはシート金属のリボンを分配することと、渦巻き板またはシート金属をレーザーカット装置によりカットしてリボンに沿って縦に分布する複数のばね要素を形成することと、レーザーカットリボンを折ってばねを形成することとを含む。一例において、折ることには、縦の折り目を形成するために折ることが含まれる。特に、このように折ることにより、リボンまたは渦巻き板を、V形またはU形断面を有するばねへと形成することができる。さらに、ばね要素は、適所に配置すると、シールカバー等の他の物体に対して押圧する歯、ループまたはその他の構造を含むことができる。特定の例において、ばねは、環状カバー等のシールカバーのキャビティへ挿入して、シールを形成することができる。
【0010】
他の実施形態において、ばねを製造する方法は、管を分配することと、レーザーにより管をカットして、ばねを形成することとを含む。一例において、レーザーカットの結果、管の周囲にスパイラルのカットが得られる。管は、カット中、回転させることができる。レーザーカット管は、シールカバーのキャビティへ挿入することができる。
【0011】
図1に示す実施形態において、シール100は、カバー102およびカバー102のキャビティ106内に配置されたばね104を含む。図示するとおり、シール100は、例えば、軸周囲の環状空間に配置することのできる環状シールである。図2に示すとおり、シール100は、構成要素208の環状領域214内に配置することができる。ばね104は、カバー102を付勢し、軸212周囲で回転する回転構成要素210と接触させる。ばね104の側壁110は、カバー102の側壁112を付勢して、可動および静止構成要素(210および208)との接触を維持させる。
【0012】
カバー102は、ポリマー材料またはポリマー材料を含む複合材料で形成することができる。ポリマー材料は、エンジニアリングまたは高性能熱可塑性ポリマー等の熱可塑性材料を含むことができる。例えば、熱可塑性材料は、ポリマー、例えば、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。一例において、熱可塑性材料は、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、フルオロポリマー、ポリベンズイミダゾール、その誘導体またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。特定の例において、熱可塑性材料は、ポリマー、例えば、ポリケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、これらの誘導体またはこれらの任意の組み合わせを含む。さらなる例において、熱可塑性材料は、ポリケトン、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、その誘導体またはこれらの任意の組み合わせを含む。一例の熱可塑性フルオロポリマーは、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのターポリマー(THV)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレンおよびフッ素化エチレンプロピレンのコポリマー(EFEP)、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびエチレンのターポリマー(HTE)あるいはこれらの任意の組み合わせを含む。例示の液晶ポリマーは、芳香族ポリエステルポリマー、例えば、XYDAR(登録商標)(Amoco)、VECTRA(登録商標)(Hoechst Celanese)、SUMIKOSUPER(商標)またはEKONOL(商標)(Sumitomo Chemical)、DuPont HX(商標)またはDuPont ZENITE(商標)(E.I.DuPont de Nemours)、RODRUN(商標)(Unitika)、GRANLAR(商標)(Grandmont)という商品名で入手可能なものあるいはこれらの任意の組み合わせを含む。さらなる例において、熱可塑性ポリマーは、超高分子量ポリエチレンとすることができる。
【0013】
複合材料はまた、フィラー、例えば、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩あるいはこれらの任意の組み合わせを含む。例示の固体潤滑剤は、ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、グラフェン、膨張グラファイト、窒化ホウ素、タルク、フッ化カルシウム、フッ化セリウムまたはこれらの任意の組み合わせを含む。例示のセラミックまたはミネラルは、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、マイカ、珪灰石、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、カーボンブラック、顔料またはこれらの任意の組み合わせを含む。例示のポリマーフィラーは、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリテトラフルオロエチレン、上に挙げた熱可塑性ポリマーのいずれか、またはこれらの任意の組み合わせを含む。例示のファイバーは、ナイロンファイバー、ガラスファイバー、カーボンファイバー、ポリアクリロニトリルファイバー、ポリアラミドファイバー、ポリテトラフルオロエチレンファイバー、玄武岩ファイバー、グラファイトファイバー、セラミックファイバーまたはこれらの任意の組み合わせを含む。例示の金属は、青銅、銅、ステンレス鋼またはこれらの任意の組み合わせを含む。例示の塩は、硫酸塩、硫化物、リン酸塩またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0014】
一実施形態において、複合材料は、弾性材料とすることができる。ヤング率は、複合材料の剛性の尺度となり得、材料の試料についての引張試験中、応力−歪み曲線の傾斜から求めることができる。複合材料は、少なくとも約0.5GPa、例えば、少なくとも約1.0GPa、少なくとも約3.0GPa、さらに少なくとも約5.0GPaのヤング率を有することができる。
【0015】
一実施形態において、複合材料は、比較的低い摩擦係数を有することができる。例えば、例えば、複合材料の摩擦係数は、約0.4以下、例えば、約0.2以下、さらに約0.15以下とすることができる。
【0016】
他の実施形態において、複合材料は、比較的高い伸びを有することができる。例えば、複合材料は、少なくとも約20%、例えば、少なくとも約40%、さらに少なくとも約50%の伸びを有することができる。
【0017】
図1に戻ると、ばね104は、折った、または曲げたレーザーカット渦巻き板材料で形成され、ばねを形成している。例示の渦巻き板材料は、金属または金属合金で形成されている。金属合金は、ステンレス鋼、銅合金、例えば、ベリリウム銅および銅−クロム−亜鉛合金、ニッケル合金、例えば、ハステロイ、Ni220、フィノックスまたはエルジロイ等またはこれらの組み合わせとすることができる。さらに、ばねは、めっき金属、例えば、金、錫、ニッケル、銀またはこれらの任意の組み合わせでめっきすることができる。
【0018】
渦巻き板は、10ミル以下、例えば、5ミル以下、さらに3ミル以下の厚さを有することができる。特に、渦巻き板の厚さは、1ミル〜5ミルの範囲、例えば、1ミル〜3ミル、さらに、1.5ミル〜2.5ミルの範囲とすることができる。他の例において、厚さは、2ミル〜10ミルの範囲、例えば、3ミルから10ミルまたは5ミル〜10ミルとすることができる。一例において、渦巻き板は、10インチ以下、例えば、5インチ以下の幅を有するリボンの形態で提供される。例えば、リボンは、0.5インチ〜10インチの範囲、例えば、0.5インチ〜5インチの範囲、さらに、0.5インチ〜3インチの範囲の幅を有することができる。さらに、リボンから形成されたばねワークピースの幅対リボンの幅の比は、少なくとも0.9、例えば、少なくとも0.95とすることができる。特定の例において、カットばねワークピースの幅対リボンの幅の比は、約1.0である。
【0019】
カバー102は、ばね104が配置される環状キャビティ106を画定する。図1に示すとおり、カバー102内に延在するキャビティ106には、開口部108を介して到達可能である。図示するとおり、開口部108は、シール100の軸側に位置する。軸側は、シール100の軸に平行な線が延在する側である。あるいは、開口部108は、シール100の半径側に形成することができる。半径側は、シール100の軸から延在する半径線が延在する側である。一例において、開口部108は、軸に対向するシール100の半径方向内向き表面に配置されている。あるいは、開口部108は、半径方向内向き表面よりも軸から離れたシール100の半径方向外向き表面に配置される。
【0020】
例えば、図3は、カバー302およびカバー302のキャビティ306に配置されたばね304を含む例示のシール300の図を含む。図示するとおり、開口部308は、キャビティ306に対して、シール300の半径方向内向き表面に配置されている。かかるシール構成は、図4に示す端面シールとして特に有用である。例えば、シール300は、ブロック408の環状空間に、軸412を囲んで配置することができる。軸412の周囲を回転する回転構成要素410は、シール300と接触配置することができる。ばね302は、回転構成要素410の面に対して、カバー302の側壁を付勢する。
【0021】
ばねを形成するには、渦巻き板リボンにばねパターンをレーザーカットする。ばねパターンは、リボンに沿って縦に分布する複数のばね要素を含む。縦とは、リボンまたは管の最長寸法に平行な方向を指し、横とは、縦寸法および厚さに対して垂直に延在する、リボンまたは管を横断する寸法を指す。概して、横寸法は、リボンまたは管の第2の最長直交寸法である。一例において、ばね要素は、横に延在することができ、ばね本体に接続することのできる歯、ループまたはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0022】
図5に示す例において、ばね500は、渦巻き板リボンの幅を横断するように延在するループ504を形成するレーザーカットパターンを有する。パターン形成後、ばね500を、縦の折り目502に沿って曲げるとU形ばねを形成することができる。あるいは、ばね500を、縦に延在する1つ以上の折り目に沿って曲げることができる。例えば、ばね500は、単一の縦の折り目に沿って曲げるとV形を形成することができる。あるいは、ばね500は、3つ以上の縦の折り目に沿って曲げると、断面で見たとき、より複雑な構造を形成することができる。
【0023】
図6に示す他の例において、ばね600は、図5に示すパターンよりも薄い断面を有するループ604を有することができる。形成されると、パターン600はループ604を形成する。パターンに沿って縦に延在する折り目の線602に沿って折るとばねを形成することができる。
【0024】
図7に示す変形例において、パターン700は、横方向に本体706から延在する歯704を含むことができる。パターン700を縦の折り目の線702に沿って折るとばねを形成することができる。
【0025】
図8に示す追加の例において、パターン800は、クロスピース806により接続された連続ストリップ804により実施することができる。かかるパターン800を縦の折り目の線802に沿って折ると、U形またはV形ばね等のばねを形成することができる。
【0026】
あるいは、ばねは、レーザーカット管で形成することができる。管は、渦巻き板に関して上述した金属または金属合金で形成することができる。一例において、得られるばねは、スパイラル構造を有することができる。他の例において、ばねの縦の長さに沿って分布する複数のばね要素は、管からカットすることができる。例えば、図5、図6、図7および図8に関して上述した要素と同様の要素を管からカットすると、ばねを形成することができる。管は、10ミル以下、例えば、5ミル以下、さらに3ミル以下の厚さを有することができる。特に、渦巻き板の厚さは、1ミル〜5ミルの範囲、例えば、1ミル〜3ミル、さらに1.5ミル〜2.5ミルの範囲とすることができる。他の例において、厚さは、2ミル〜10ミルの範囲、例えば、3ミル〜10ミル、または5ミル〜10ミルとすることができる。管の外径(OD)は、50ミル〜10インチの範囲、例えば、50ミル〜5インチ、50ミル〜2インチの範囲、50ミル〜1000ミルの範囲、または50ミル〜500ミルの範囲とすることができる。
【0027】
例示の方法において、リボンまたは管は、レーザーカット装置に分配または供給される。レーザーカット装置は、パターン、例えば、図5、図6、図7または図8に示したパターンを、リボンまたは管に、あるいは、らせんまたはスパイラルパターンを管に形成することができる。得られるばねワークピースはダイへ連続的に供給される。ダイは、折り目の線に沿って、ばねワークピースを折る。その後、ワークピースを、カバーのキャビティに挿入すると、シールを形成することができる。特に、シールは、環状シールとすることができ、キャビティは、カバー内で環状に延在し得る。
【0028】
図9は、リボン902をフィードブロック910へ供給する例示のカットデバイス900の図を含む。レーザーヘッド906が、ポジショニングシステム904に取り付けられている。リボン902を、フィードブロック910へ供給するにつれて、ポジショニングシステム904は、910でレーザーの位置を操作して、リボン902をカットし、ばねワークピースのパターンを形成する。特に、パターンは、リボン902を横断するように延在し、リボン902の長さに縦に沿って分布する歯、ループ、クロスピースまたはこれらの任意の組み合わせのような複数のばね要素を含む。
【0029】
特定の例において、カットデバイスは、レーザーヘッド906およびレーザーコア(図示せず)を含む。レーザーコアはファイバーレーザーとすることができる。ファイバーレーザーは、活性利得媒体がエルビウム、イッテルビウム、ネオジミウム、ジスプロシウム、プラセオジムおよびツリウム等の希土類元素でドープされた光ファイバーであるレーザーである。レーザー放射線がファイバー活性利得媒体に生成されると、放射線を、追加の光ファイバー、ガイド、リフレクタまたはレンズを用いてターゲットのリボンに導くことができる。
【0030】
かかるカットデバイス900は、ばねワークピースを連続的に形成するシステムにおいて特に有用である。図10に示すとおり、システム1000は、リボン1008をレーザーカットデバイス1002に供給し、ばねワークピース1010が生成される。あるいは、管を、レーザーカットデバイス1002に供給することができる。レーザーカットデバイス1002が、リボン1008または管にパターンをカットすると、ばねワークピース1010が形成される。パターンは、リボン1008を横断するように延在し、ばねワークピース1010に縦に沿って分布する、複数のばね要素を含むことができる。特に、ばね要素は接続されて、隣接ばねワークピースを形成する。例えば、ばね要素は、蛇行パターンとして形成されたループとすることができる。他の例において、ばね要素は、ばね本体から延在する歯として形成することができる。さらなる例において、ばね要素は、リボンのエッジに接続することができる。
【0031】
一例において、ばねワークピースは、単一連続ストリップとしてレーザーカットデバイス1002から分配することができる。他の例において、レーザーカットデバイスは、リボンを横断するようにばねワークピースをさらにカットして、隣接パターンから別々のばねワークピースを形成することができる。
【0032】
フィーダー1014は、ばねワークピースをダイ1004へ導く。一例において、廃棄材料は、ダイ1004へ導かれる前に、ばねワークピース1010から除去される。ダイ1004は、縦の折り目に沿ってばねワークピースを折って、折ったばねワークピース1012を形成する。ばねワークピース1010が、連続ストリップの形態にあるときは、ストリップがダイ1004に供給されるにつれて、折り目を連続的に形成するようにダイ1004を構成することができる。ダイ1004は、折る前か、折った後のいずれかに、ストリップをカットして、個々の折ったばねワークピース1012を形成するためのカッターを含むことができる。
【0033】
あるいは、ばねワークピース1010が、別々のばねワークピースの形態にあるときは、フィーダー1014は、各別個のばねワークピースをダイ1004へ供給するように構成することができる。ダイ1004は、ばねワークピース1010を配置し、ばねワークピース1010が適所にあるとき、ばねワークピース1010を、例えば、単一工程で折るために、センサ、および機構を含むことができる。
【0034】
折ったばねワークピース1012は、折ったばねワークピースをシールカバーのキャビティに挿入するために、連続的またはバッチプロセスで、デバイス1006に供給することができる。特定の例において、折ったばねワークピース1012は、デバイス1006に連続的に供給され、ばねワークピースはさらに曲げて、環状シールのキャビティに挿入される円形形態が形成される。
【0035】
特定の例において、レーザーカット装置1002は、光ファイバー活性利得媒体を有するファイバーレーザーである。かかるファイバーレーザーは、気体または固体コアの形態の活性利得媒体を含むレーザーと対照をなす。ファイバーレーザーおよび他のレーザーはそれぞれ、追加の光ファイバーにより放出されたパルスを伝達することができる。しかしながら、光ファイバーの存在は、レーザーがファイバーレーザーであることを必ずしも意味するものではない。
【0036】
本出願人らは、ファイバーレーザーは、他のレーザーデバイスにより示される薄い渦巻きばね板材料におけるばねパターンのレーザーカットに関連する問題を克服することを見出した。特に、本出願人らは、かかるファイバーレーザーによって、10ミル以下の厚さ、例えば、1ミル〜8ミルの範囲、または1ミル〜3ミルの範囲の厚さを有する渦巻き板にばねパターンを形成できることを見出した。代替のレーザー技術は、不正確なカットを生成し、ばね要素の歪みにつながる過熱の傾向があった。不正確なカットまたは過熱は、ばね内の不一致につながる恐れがあり、これは、可変の摩耗または粗悪なシーリングにつながる。さらに、ファイバーレーザーにより、薄い渦巻き板の正確なカットが可能となり、リボンの大きな部分を横断するように延在するばね要素を形成することができる。例えば、ばね要素は、リボンの横幅を横断するように少なくとも90%、例えば、リボンの横幅を横断するように少なくとも95%、さらに約100%延在し得る。このように、かかる正確なカットにより、廃棄材料の減少が達成できる。
【0037】
さらに、かかるファイバーレーザーは、パターンの形成されたワークピースのエッジに導入される歪みおよび応力を減じる。図11に示すとおり、エルジロイ材料のレーザーカットエッジは、10マイクロメートルより大きい間隔のあいた、浅いうねりのみを有する比較的平滑なカットを与える。対照的に、図12は、例示のスタンプ形成されたエッジの図を含み、異なるパターンを有する表面1204と1206との間の分離部1202を示す。表面1204は、圧縮力により形成された塑性変形を示し、その後、表面1206に破断が生じた。中間分離部1202が、2つの表面1204と1206の間に形成される。
【0038】
図13に示すエッジングは、2つの異なる表面1302および1304が変形の後、破断を示す同様の結果を与える。2つの表面1302と1304間の横溝1306により示される応力は、図12に示すものよりはあまり目立たないが、エッジングおよびスタンピングは、レーザーカット試料にはない対象物のエッジでの応力が明らかに引き起こされている。スタンピングおよびエッジングされた表面とは対照的に、レーザーカット表面には、破断面がなく、カットされたリボンの表面に平行に延在するうねりも分離もない。
【0039】
スタンピングは、特に、3ミル〜8ミルの範囲の金属厚さについては、レーザーカットの際にはない、ばね材料の硬化を生じると考えられる。かかる硬化は、ばね構造の早期の疲労を生じ得る。
【実施例】
【0040】
疲労試験は、U形ばねの試料について行う。U形ばねは、渦巻き板材料で形成され、ファイバーレーザーデバイスによるカットまたはスタンピングのいずれかによりパターン形成される。パターンの形成された渦巻き板材料は、U形ばねへと折られる。得られるU形スプリングは、Saint−Gobainより入手可能なOmniseal400Aのばねと同様のカンチレバーフィンガーばね設計である。試料ばねは、厚さ2ミルの304ステンレス鋼および厚さ5ミルの301ステンレス鋼から作製する。
【0041】
試験は、屈曲位と弛緩位間で、ばねのフィンガーをサイクルさせることにより行う。フィンガーのエッジで、屈曲位は、弛緩位に対して、ばねの中心に向かって約20ミル〜30ミル内側に向く。試料は、疲労による不具合となるまで、または100万サイクルまでサイクルさせる。
【0042】
表1に示すとおり、レーザーカットまたはスタンピングのいずれかによりパターンの形成された2ミルのステンレス鋼試料は、100万サイクルの屈曲に耐えた。5ミルの試料については、レーザーカット試料は200,000サイクル、サイクルされ、スタンプサイクルの2倍長かった。
【0043】
【表1】
【0044】
第1の態様において、シールは、シール表面を画定するポリマーカバーおよびポリマーカバーの長さに沿ってポリマーカバー内に延在する内側キャビティと、内側キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含むばねとを含む。
【0045】
第1の態様の例において、ばねのエッジには破断面がない。他の例においては、ばねのエッジに分離がない。
【0046】
さらなる例において、ポリマーカバーは、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるポリマー材料を含む。他の例において、ポリマーカバーは、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるフィラーをさらに含む。
【0047】
さらなる例において、ポリマーカバーは、約0.4以下、例えば、約0.2以下の摩擦係数を有する。
【0048】
他の例において、ポリマーカバーは、少なくとも約0.5GPa、例えば、少なくとも約1.0GPaのヤング率を有する。ポリマーカバーは、少なくとも約20%、例えば、少なくとも約40%の伸びを有する。
【0049】
一例において、ばねは、ステンレス鋼、銅合金、ニッケル合金またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属合金で形成されている。他の例において、ばねは、10ミル以下、例えば、5ミル以下、または3ミル以下の厚さを有するシート材料で形成されている。
【0050】
特定の例において、シールは、環状シールまたは端面シールである。
【0051】
第2の態様において、シールは、環状カバーであって、ポリマー材料を含み、環状カバー内に延在する環状キャビティを画定する環状カバーと、環状キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含む折ったシート金属を含むばねとを含む。
【0052】
第2の態様の例において、ばねのエッジには破断面がない。他の例において、ばねのエッジには分離がない。
【0053】
さらなる例において、ポリマー材料は、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。さらなる例において、環状カバーは、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるフィラーをさらに含む。
【0054】
他の例において、環状カバーは、約0.4以下の摩擦係数を有する。さらなる例において、環状カバーは、少なくとも約0.5GPaのヤング率を有する。さらなる例において、環状カバーは、少なくとも約20%の伸びを有する。
【0055】
さらなる例において、ばねは、ステンレス鋼、銅合金、ニッケル合金またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属合金で形成されている。さらなる例において、ばねは、10ミル以下の厚さを有するシート材料で形成されている。
【0056】
第3の態様において、シールの製造方法は、シート金属のリボンを分配することと、リボンに沿って縦に分布する複数のばね要素をレーザーカットして、ばねワークピースを形成することと、ばねワークピースを折って、ばねを形成することとを含む。
【0057】
第3の態様の例において、レーザーカットすることは、ファイバーレーザーによってレーザーカットすることを含む。他の例において、レーザーカットすることは、複数のばね要素をレーザーカットして、リボンを横断するように延在させることを含む。
【0058】
追加の例において、複数のばね要素は、リボンから形成されたばねワークピースの幅対リボンの幅の比が少なくとも0.9、例えば、少なくとも0.95である。特定の例において、比は約1.0である。
【0059】
さらなる例において、ばねワークピースは、連続ピースであり、ばねワークピースを折ることには、ばねワークピースを連続的に折ることが含まれる。他の例において、リボンをレーザーカットして、別個のばねワークピースを形成することをさらに含む。
【0060】
追加の例において、ばねワークピースを折ることには、ばねワークピースを配置することと、配置したばねワークピースを折ることとが含まれる。一例において、方法は、ばねを、シールカバーへ挿入することをさらに含む。
【0061】
第4の態様において、シールを製造する方法は、5ミル以下の厚さを有するシート金属のリボンを分配することと、ファイバーレーザーデバイスにより、リボンの長さに沿って分布し、リボンを横断するように延在する複数のばね要素を形成することと、レーザーカットリボンを、レーザーデバイスによりカットして、ばねワークピースを形成することと、ばねワークピースを、リボンの縦長さに沿って折ることとを含む。
【0062】
第4の態様の一例において、複数のばね要素は、リボンから形成されたばねワークピースの幅対リボンの幅の比が少なくとも0.9のであるように延在する。
【0063】
追加の例において、ばねワークピースを折ることには、ばねワークピースを配置することと、配置されたばねワークピースを折ることとが含まれる。さらなる例において、方法は、ばねを、シールカバーへ挿入することを含む。
【0064】
第5の態様において、機械は、静止構成要素と、回転可能な構成要素と、シールであって、静止構成要素と回転可能な構成要素との間に配置されたシールとを含む。シールは、シール表面を画定するポリマーカバーおよびポリマーカバーの長さに沿ってポリマーカバー内に延在する内側キャビティと、内側キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含むばねとを含む。
【0065】
第6の態様において、シールの製造方法は、管を分配することと、管をレーザーカットして、ばねワークピースを形成することと、ばねワークピースをカバーへ挿入して、シールを形成することとを含む。
【0066】
第6の態様の例において、管をレーザーカットすることは、スパイラルをカットすることを含む。他の例において、管をレーザーカットすることは、管の長さに沿って縦に分布するばね要素のパターンをカットすることを含む。
【0067】
追加の例において、方法は、レーザーカットしながら、管を回転することをさらに含む。さらなる例において、管は、金属または金属合金を含む。
【0068】
概要または実施例に上述した動作の全てが必要ではなく、特定の動作の一部は必要でない場合があり、1つ以上のさらなる動作を、記載したものに加えて行ってよいことに留意する。さらに、動作を挙げた順番は、必ずしも、それらを実施する順番ではない。
【0069】
上述の本明細書において、概念を特定の実施形態を参照して記載してきた。しかし、当業者であれば、以下の請求項に規定した発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が行えることは理解される。従って、本明細書および図面は、限定する意味よりも例示と見なすべきであり、かかる全ての修正は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0070】
本明細書で用いる「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「持つ」、「持っている」またはその他変形の用語は、非排他的な包括をカバーすることとする。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの特徴に必ずしも限定されず、明示的にリストされていない、またはかかるプロセス、方法、物品または装置に固有の他の特徴も含んでよい。さらに、明示的にそれには反するとした場合を除き、「または」は、包括的なまたはであり、排他的なまたはでない。例えば、条件AまたはBを満足するのは次のうちのいずれかである。Aが真(または存在する)でBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)でBが真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)。
【0071】
また、単数形(「a」または「an」)の使用は、本明細書に記載した要素および成分を記載するために使用される。これは、単に便宜上のために、かつ本発明の一般的な意味を与えるために使用される。この記載は、1つまたは少なくとも1つを含めるように読まれるべきであり、他の意味であることが明白でない限り、単数形には複数形も含まれる。
【0072】
恩恵、その他利点および問題解決策について、特定の実施形態に関して上述してきた。しかし、恩恵、利点、問題解決策および何らかの恩恵、利点または解決がなされる、またはより顕著となるであろう何らかの特徴は、いずれか、または全ての請求項の重要、必要または必須の特徴とは解釈されないものとする。
【0073】
本明細書を読めば、当業者であれば、特定の特徴は、明瞭にするために、別個の実施形態に関連して本明細書に記載され、単一の実施形態において組み合わせで提供されてもよいことが理解されるであろう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態に関連して記載された様々な特徴はまた、別個に、または任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲で示された値の参照には、その範囲内の全ての値が含まれる。
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ばね、かかるばねを用いるシールおよびかかるばねおよびシールを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ばねは、特定の方向に力を加えるのに様々な業種で用いられている。特に、ばねは、表面と接触するシーリング材料を付勢し、互いに対して動く部品間でのシールの形成を促進するシール用途に用いられている。かかるシールに有用なばねは、らせん状に丸めたリボン、または折った渦巻き板ばねを含むことができる。
【0003】
折った渦巻き板ばねは、スタンピングプロセスにより従来から形成されている。渦巻き板は、従来、スタンピング機に供給されて、渦巻き板にパターンをスタンプし、その後、パターンの形成された渦巻き板を折って、渦巻き板ばねが形成される。かかるばねは、環状シールや端面シールのようなシールへ組み込むことができる。
【0004】
しかしながら、従来のスタンピングプロセスでは、スタンプされた型、特に、エッジ周囲に応力がかかる。さらに、スタンピングの結果、かなりの量の廃棄材料が生じ、ばねのエッジにバリや望ましくない鋭突部が形成される可能性がある。また、かかる従来のスタンピングプロセスは、金属成分の連続処理には役に立たず、そのため、バッチプロセスで実施される傾向があるため、製造の効率が減じる。
【0005】
このように、改善されたばね、およびかかるばねを製造する方法が必要とされているであろう。
【0006】
本開示は、添付の図面を参照することにより、より良く理解され、その数多くの特徴および利点が当業者に明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】例示のシールの透視図を含む。
【図2】図1に示した例示のシールのような例示のシールの断面図を含む。
【図3】例示のシールの透視図を含む。
【図4】図3に示した例示のシールのような例示のシールの断面図を含む。
【図5】例示のばねパターンの図を含む。
【図6】例示のばねパターンの図を含む。
【図7】例示のばねパターンの図を含む。
【図8】例示のばねパターンの図を含む。
【図9】例示のレーザーカット装置の図を含む。
【図10】ばねを製造する例示のシステムの図を含む。
【図11】渦巻き板材料のカットエッジの図を含む。
【図12】渦巻き板材料のカットエッジの図を含む。
【図13】渦巻き板材料のカットエッジの図を含む。
【0008】
異なる図面における同じ参照符号の使用は、同様または同一の品目を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態において、ばねの製造方法は、渦巻き板またはシート金属のリボンを分配することと、渦巻き板またはシート金属をレーザーカット装置によりカットしてリボンに沿って縦に分布する複数のばね要素を形成することと、レーザーカットリボンを折ってばねを形成することとを含む。一例において、折ることには、縦の折り目を形成するために折ることが含まれる。特に、このように折ることにより、リボンまたは渦巻き板を、V形またはU形断面を有するばねへと形成することができる。さらに、ばね要素は、適所に配置すると、シールカバー等の他の物体に対して押圧する歯、ループまたはその他の構造を含むことができる。特定の例において、ばねは、環状カバー等のシールカバーのキャビティへ挿入して、シールを形成することができる。
【0010】
他の実施形態において、ばねを製造する方法は、管を分配することと、レーザーにより管をカットして、ばねを形成することとを含む。一例において、レーザーカットの結果、管の周囲にスパイラルのカットが得られる。管は、カット中、回転させることができる。レーザーカット管は、シールカバーのキャビティへ挿入することができる。
【0011】
図1に示す実施形態において、シール100は、カバー102およびカバー102のキャビティ106内に配置されたばね104を含む。図示するとおり、シール100は、例えば、軸周囲の環状空間に配置することのできる環状シールである。図2に示すとおり、シール100は、構成要素208の環状領域214内に配置することができる。ばね104は、カバー102を付勢し、軸212周囲で回転する回転構成要素210と接触させる。ばね104の側壁110は、カバー102の側壁112を付勢して、可動および静止構成要素(210および208)との接触を維持させる。
【0012】
カバー102は、ポリマー材料またはポリマー材料を含む複合材料で形成することができる。ポリマー材料は、エンジニアリングまたは高性能熱可塑性ポリマー等の熱可塑性材料を含むことができる。例えば、熱可塑性材料は、ポリマー、例えば、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。一例において、熱可塑性材料は、ポリケトン、ポリアラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、フルオロポリマー、ポリベンズイミダゾール、その誘導体またはこれらの任意の組み合わせが含まれる。特定の例において、熱可塑性材料は、ポリマー、例えば、ポリケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアミドイミド、これらの誘導体またはこれらの任意の組み合わせを含む。さらなる例において、熱可塑性材料は、ポリケトン、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、その誘導体またはこれらの任意の組み合わせを含む。一例の熱可塑性フルオロポリマーは、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびフッ化ビニリデンのターポリマー(THV)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、エチレンクロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)、エチレンおよびフッ素化エチレンプロピレンのコポリマー(EFEP)、ポリフッ化ビニル(PVF)、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびエチレンのターポリマー(HTE)あるいはこれらの任意の組み合わせを含む。例示の液晶ポリマーは、芳香族ポリエステルポリマー、例えば、XYDAR(登録商標)(Amoco)、VECTRA(登録商標)(Hoechst Celanese)、SUMIKOSUPER(商標)またはEKONOL(商標)(Sumitomo Chemical)、DuPont HX(商標)またはDuPont ZENITE(商標)(E.I.DuPont de Nemours)、RODRUN(商標)(Unitika)、GRANLAR(商標)(Grandmont)という商品名で入手可能なものあるいはこれらの任意の組み合わせを含む。さらなる例において、熱可塑性ポリマーは、超高分子量ポリエチレンとすることができる。
【0013】
複合材料はまた、フィラー、例えば、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩あるいはこれらの任意の組み合わせを含む。例示の固体潤滑剤は、ポリテトラフルオロエチレン、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、グラフェン、膨張グラファイト、窒化ホウ素、タルク、フッ化カルシウム、フッ化セリウムまたはこれらの任意の組み合わせを含む。例示のセラミックまたはミネラルは、アルミナ、シリカ、二酸化チタン、フッ化カルシウム、窒化ホウ素、マイカ、珪灰石、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、カーボンブラック、顔料またはこれらの任意の組み合わせを含む。例示のポリマーフィラーは、ポリイミド、液晶ポリマー、ポリベンズイミダゾール、ポリテトラフルオロエチレン、上に挙げた熱可塑性ポリマーのいずれか、またはこれらの任意の組み合わせを含む。例示のファイバーは、ナイロンファイバー、ガラスファイバー、カーボンファイバー、ポリアクリロニトリルファイバー、ポリアラミドファイバー、ポリテトラフルオロエチレンファイバー、玄武岩ファイバー、グラファイトファイバー、セラミックファイバーまたはこれらの任意の組み合わせを含む。例示の金属は、青銅、銅、ステンレス鋼またはこれらの任意の組み合わせを含む。例示の塩は、硫酸塩、硫化物、リン酸塩またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0014】
一実施形態において、複合材料は、弾性材料とすることができる。ヤング率は、複合材料の剛性の尺度となり得、材料の試料についての引張試験中、応力−歪み曲線の傾斜から求めることができる。複合材料は、少なくとも約0.5GPa、例えば、少なくとも約1.0GPa、少なくとも約3.0GPa、さらに少なくとも約5.0GPaのヤング率を有することができる。
【0015】
一実施形態において、複合材料は、比較的低い摩擦係数を有することができる。例えば、例えば、複合材料の摩擦係数は、約0.4以下、例えば、約0.2以下、さらに約0.15以下とすることができる。
【0016】
他の実施形態において、複合材料は、比較的高い伸びを有することができる。例えば、複合材料は、少なくとも約20%、例えば、少なくとも約40%、さらに少なくとも約50%の伸びを有することができる。
【0017】
図1に戻ると、ばね104は、折った、または曲げたレーザーカット渦巻き板材料で形成され、ばねを形成している。例示の渦巻き板材料は、金属または金属合金で形成されている。金属合金は、ステンレス鋼、銅合金、例えば、ベリリウム銅および銅−クロム−亜鉛合金、ニッケル合金、例えば、ハステロイ、Ni220、フィノックスまたはエルジロイ等またはこれらの組み合わせとすることができる。さらに、ばねは、めっき金属、例えば、金、錫、ニッケル、銀またはこれらの任意の組み合わせでめっきすることができる。
【0018】
渦巻き板は、10ミル以下、例えば、5ミル以下、さらに3ミル以下の厚さを有することができる。特に、渦巻き板の厚さは、1ミル〜5ミルの範囲、例えば、1ミル〜3ミル、さらに、1.5ミル〜2.5ミルの範囲とすることができる。他の例において、厚さは、2ミル〜10ミルの範囲、例えば、3ミルから10ミルまたは5ミル〜10ミルとすることができる。一例において、渦巻き板は、10インチ以下、例えば、5インチ以下の幅を有するリボンの形態で提供される。例えば、リボンは、0.5インチ〜10インチの範囲、例えば、0.5インチ〜5インチの範囲、さらに、0.5インチ〜3インチの範囲の幅を有することができる。さらに、リボンから形成されたばねワークピースの幅対リボンの幅の比は、少なくとも0.9、例えば、少なくとも0.95とすることができる。特定の例において、カットばねワークピースの幅対リボンの幅の比は、約1.0である。
【0019】
カバー102は、ばね104が配置される環状キャビティ106を画定する。図1に示すとおり、カバー102内に延在するキャビティ106には、開口部108を介して到達可能である。図示するとおり、開口部108は、シール100の軸側に位置する。軸側は、シール100の軸に平行な線が延在する側である。あるいは、開口部108は、シール100の半径側に形成することができる。半径側は、シール100の軸から延在する半径線が延在する側である。一例において、開口部108は、軸に対向するシール100の半径方向内向き表面に配置されている。あるいは、開口部108は、半径方向内向き表面よりも軸から離れたシール100の半径方向外向き表面に配置される。
【0020】
例えば、図3は、カバー302およびカバー302のキャビティ306に配置されたばね304を含む例示のシール300の図を含む。図示するとおり、開口部308は、キャビティ306に対して、シール300の半径方向内向き表面に配置されている。かかるシール構成は、図4に示す端面シールとして特に有用である。例えば、シール300は、ブロック408の環状空間に、軸412を囲んで配置することができる。軸412の周囲を回転する回転構成要素410は、シール300と接触配置することができる。ばね302は、回転構成要素410の面に対して、カバー302の側壁を付勢する。
【0021】
ばねを形成するには、渦巻き板リボンにばねパターンをレーザーカットする。ばねパターンは、リボンに沿って縦に分布する複数のばね要素を含む。縦とは、リボンまたは管の最長寸法に平行な方向を指し、横とは、縦寸法および厚さに対して垂直に延在する、リボンまたは管を横断する寸法を指す。概して、横寸法は、リボンまたは管の第2の最長直交寸法である。一例において、ばね要素は、横に延在することができ、ばね本体に接続することのできる歯、ループまたはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0022】
図5に示す例において、ばね500は、渦巻き板リボンの幅を横断するように延在するループ504を形成するレーザーカットパターンを有する。パターン形成後、ばね500を、縦の折り目502に沿って曲げるとU形ばねを形成することができる。あるいは、ばね500を、縦に延在する1つ以上の折り目に沿って曲げることができる。例えば、ばね500は、単一の縦の折り目に沿って曲げるとV形を形成することができる。あるいは、ばね500は、3つ以上の縦の折り目に沿って曲げると、断面で見たとき、より複雑な構造を形成することができる。
【0023】
図6に示す他の例において、ばね600は、図5に示すパターンよりも薄い断面を有するループ604を有することができる。形成されると、パターン600はループ604を形成する。パターンに沿って縦に延在する折り目の線602に沿って折るとばねを形成することができる。
【0024】
図7に示す変形例において、パターン700は、横方向に本体706から延在する歯704を含むことができる。パターン700を縦の折り目の線702に沿って折るとばねを形成することができる。
【0025】
図8に示す追加の例において、パターン800は、クロスピース806により接続された連続ストリップ804により実施することができる。かかるパターン800を縦の折り目の線802に沿って折ると、U形またはV形ばね等のばねを形成することができる。
【0026】
あるいは、ばねは、レーザーカット管で形成することができる。管は、渦巻き板に関して上述した金属または金属合金で形成することができる。一例において、得られるばねは、スパイラル構造を有することができる。他の例において、ばねの縦の長さに沿って分布する複数のばね要素は、管からカットすることができる。例えば、図5、図6、図7および図8に関して上述した要素と同様の要素を管からカットすると、ばねを形成することができる。管は、10ミル以下、例えば、5ミル以下、さらに3ミル以下の厚さを有することができる。特に、渦巻き板の厚さは、1ミル〜5ミルの範囲、例えば、1ミル〜3ミル、さらに1.5ミル〜2.5ミルの範囲とすることができる。他の例において、厚さは、2ミル〜10ミルの範囲、例えば、3ミル〜10ミル、または5ミル〜10ミルとすることができる。管の外径(OD)は、50ミル〜10インチの範囲、例えば、50ミル〜5インチ、50ミル〜2インチの範囲、50ミル〜1000ミルの範囲、または50ミル〜500ミルの範囲とすることができる。
【0027】
例示の方法において、リボンまたは管は、レーザーカット装置に分配または供給される。レーザーカット装置は、パターン、例えば、図5、図6、図7または図8に示したパターンを、リボンまたは管に、あるいは、らせんまたはスパイラルパターンを管に形成することができる。得られるばねワークピースはダイへ連続的に供給される。ダイは、折り目の線に沿って、ばねワークピースを折る。その後、ワークピースを、カバーのキャビティに挿入すると、シールを形成することができる。特に、シールは、環状シールとすることができ、キャビティは、カバー内で環状に延在し得る。
【0028】
図9は、リボン902をフィードブロック910へ供給する例示のカットデバイス900の図を含む。レーザーヘッド906が、ポジショニングシステム904に取り付けられている。リボン902を、フィードブロック910へ供給するにつれて、ポジショニングシステム904は、910でレーザーの位置を操作して、リボン902をカットし、ばねワークピースのパターンを形成する。特に、パターンは、リボン902を横断するように延在し、リボン902の長さに縦に沿って分布する歯、ループ、クロスピースまたはこれらの任意の組み合わせのような複数のばね要素を含む。
【0029】
特定の例において、カットデバイスは、レーザーヘッド906およびレーザーコア(図示せず)を含む。レーザーコアはファイバーレーザーとすることができる。ファイバーレーザーは、活性利得媒体がエルビウム、イッテルビウム、ネオジミウム、ジスプロシウム、プラセオジムおよびツリウム等の希土類元素でドープされた光ファイバーであるレーザーである。レーザー放射線がファイバー活性利得媒体に生成されると、放射線を、追加の光ファイバー、ガイド、リフレクタまたはレンズを用いてターゲットのリボンに導くことができる。
【0030】
かかるカットデバイス900は、ばねワークピースを連続的に形成するシステムにおいて特に有用である。図10に示すとおり、システム1000は、リボン1008をレーザーカットデバイス1002に供給し、ばねワークピース1010が生成される。あるいは、管を、レーザーカットデバイス1002に供給することができる。レーザーカットデバイス1002が、リボン1008または管にパターンをカットすると、ばねワークピース1010が形成される。パターンは、リボン1008を横断するように延在し、ばねワークピース1010に縦に沿って分布する、複数のばね要素を含むことができる。特に、ばね要素は接続されて、隣接ばねワークピースを形成する。例えば、ばね要素は、蛇行パターンとして形成されたループとすることができる。他の例において、ばね要素は、ばね本体から延在する歯として形成することができる。さらなる例において、ばね要素は、リボンのエッジに接続することができる。
【0031】
一例において、ばねワークピースは、単一連続ストリップとしてレーザーカットデバイス1002から分配することができる。他の例において、レーザーカットデバイスは、リボンを横断するようにばねワークピースをさらにカットして、隣接パターンから別々のばねワークピースを形成することができる。
【0032】
フィーダー1014は、ばねワークピースをダイ1004へ導く。一例において、廃棄材料は、ダイ1004へ導かれる前に、ばねワークピース1010から除去される。ダイ1004は、縦の折り目に沿ってばねワークピースを折って、折ったばねワークピース1012を形成する。ばねワークピース1010が、連続ストリップの形態にあるときは、ストリップがダイ1004に供給されるにつれて、折り目を連続的に形成するようにダイ1004を構成することができる。ダイ1004は、折る前か、折った後のいずれかに、ストリップをカットして、個々の折ったばねワークピース1012を形成するためのカッターを含むことができる。
【0033】
あるいは、ばねワークピース1010が、別々のばねワークピースの形態にあるときは、フィーダー1014は、各別個のばねワークピースをダイ1004へ供給するように構成することができる。ダイ1004は、ばねワークピース1010を配置し、ばねワークピース1010が適所にあるとき、ばねワークピース1010を、例えば、単一工程で折るために、センサ、および機構を含むことができる。
【0034】
折ったばねワークピース1012は、折ったばねワークピースをシールカバーのキャビティに挿入するために、連続的またはバッチプロセスで、デバイス1006に供給することができる。特定の例において、折ったばねワークピース1012は、デバイス1006に連続的に供給され、ばねワークピースはさらに曲げて、環状シールのキャビティに挿入される円形形態が形成される。
【0035】
特定の例において、レーザーカット装置1002は、光ファイバー活性利得媒体を有するファイバーレーザーである。かかるファイバーレーザーは、気体または固体コアの形態の活性利得媒体を含むレーザーと対照をなす。ファイバーレーザーおよび他のレーザーはそれぞれ、追加の光ファイバーにより放出されたパルスを伝達することができる。しかしながら、光ファイバーの存在は、レーザーがファイバーレーザーであることを必ずしも意味するものではない。
【0036】
本出願人らは、ファイバーレーザーは、他のレーザーデバイスにより示される薄い渦巻きばね板材料におけるばねパターンのレーザーカットに関連する問題を克服することを見出した。特に、本出願人らは、かかるファイバーレーザーによって、10ミル以下の厚さ、例えば、1ミル〜8ミルの範囲、または1ミル〜3ミルの範囲の厚さを有する渦巻き板にばねパターンを形成できることを見出した。代替のレーザー技術は、不正確なカットを生成し、ばね要素の歪みにつながる過熱の傾向があった。不正確なカットまたは過熱は、ばね内の不一致につながる恐れがあり、これは、可変の摩耗または粗悪なシーリングにつながる。さらに、ファイバーレーザーにより、薄い渦巻き板の正確なカットが可能となり、リボンの大きな部分を横断するように延在するばね要素を形成することができる。例えば、ばね要素は、リボンの横幅を横断するように少なくとも90%、例えば、リボンの横幅を横断するように少なくとも95%、さらに約100%延在し得る。このように、かかる正確なカットにより、廃棄材料の減少が達成できる。
【0037】
さらに、かかるファイバーレーザーは、パターンの形成されたワークピースのエッジに導入される歪みおよび応力を減じる。図11に示すとおり、エルジロイ材料のレーザーカットエッジは、10マイクロメートルより大きい間隔のあいた、浅いうねりのみを有する比較的平滑なカットを与える。対照的に、図12は、例示のスタンプ形成されたエッジの図を含み、異なるパターンを有する表面1204と1206との間の分離部1202を示す。表面1204は、圧縮力により形成された塑性変形を示し、その後、表面1206に破断が生じた。中間分離部1202が、2つの表面1204と1206の間に形成される。
【0038】
図13に示すエッジングは、2つの異なる表面1302および1304が変形の後、破断を示す同様の結果を与える。2つの表面1302と1304間の横溝1306により示される応力は、図12に示すものよりはあまり目立たないが、エッジングおよびスタンピングは、レーザーカット試料にはない対象物のエッジでの応力が明らかに引き起こされている。スタンピングおよびエッジングされた表面とは対照的に、レーザーカット表面には、破断面がなく、カットされたリボンの表面に平行に延在するうねりも分離もない。
【0039】
スタンピングは、特に、3ミル〜8ミルの範囲の金属厚さについては、レーザーカットの際にはない、ばね材料の硬化を生じると考えられる。かかる硬化は、ばね構造の早期の疲労を生じ得る。
【実施例】
【0040】
疲労試験は、U形ばねの試料について行う。U形ばねは、渦巻き板材料で形成され、ファイバーレーザーデバイスによるカットまたはスタンピングのいずれかによりパターン形成される。パターンの形成された渦巻き板材料は、U形ばねへと折られる。得られるU形スプリングは、Saint−Gobainより入手可能なOmniseal400Aのばねと同様のカンチレバーフィンガーばね設計である。試料ばねは、厚さ2ミルの304ステンレス鋼および厚さ5ミルの301ステンレス鋼から作製する。
【0041】
試験は、屈曲位と弛緩位間で、ばねのフィンガーをサイクルさせることにより行う。フィンガーのエッジで、屈曲位は、弛緩位に対して、ばねの中心に向かって約20ミル〜30ミル内側に向く。試料は、疲労による不具合となるまで、または100万サイクルまでサイクルさせる。
【0042】
表1に示すとおり、レーザーカットまたはスタンピングのいずれかによりパターンの形成された2ミルのステンレス鋼試料は、100万サイクルの屈曲に耐えた。5ミルの試料については、レーザーカット試料は200,000サイクル、サイクルされ、スタンプサイクルの2倍長かった。
【0043】
【表1】
【0044】
第1の態様において、シールは、シール表面を画定するポリマーカバーおよびポリマーカバーの長さに沿ってポリマーカバー内に延在する内側キャビティと、内側キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含むばねとを含む。
【0045】
第1の態様の例において、ばねのエッジには破断面がない。他の例においては、ばねのエッジに分離がない。
【0046】
さらなる例において、ポリマーカバーは、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるポリマー材料を含む。他の例において、ポリマーカバーは、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるフィラーをさらに含む。
【0047】
さらなる例において、ポリマーカバーは、約0.4以下、例えば、約0.2以下の摩擦係数を有する。
【0048】
他の例において、ポリマーカバーは、少なくとも約0.5GPa、例えば、少なくとも約1.0GPaのヤング率を有する。ポリマーカバーは、少なくとも約20%、例えば、少なくとも約40%の伸びを有する。
【0049】
一例において、ばねは、ステンレス鋼、銅合金、ニッケル合金またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属合金で形成されている。他の例において、ばねは、10ミル以下、例えば、5ミル以下、または3ミル以下の厚さを有するシート材料で形成されている。
【0050】
特定の例において、シールは、環状シールまたは端面シールである。
【0051】
第2の態様において、シールは、環状カバーであって、ポリマー材料を含み、環状カバー内に延在する環状キャビティを画定する環状カバーと、環状キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含む折ったシート金属を含むばねとを含む。
【0052】
第2の態様の例において、ばねのエッジには破断面がない。他の例において、ばねのエッジには分離がない。
【0053】
さらなる例において、ポリマー材料は、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。さらなる例において、環状カバーは、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるフィラーをさらに含む。
【0054】
他の例において、環状カバーは、約0.4以下の摩擦係数を有する。さらなる例において、環状カバーは、少なくとも約0.5GPaのヤング率を有する。さらなる例において、環状カバーは、少なくとも約20%の伸びを有する。
【0055】
さらなる例において、ばねは、ステンレス鋼、銅合金、ニッケル合金またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属合金で形成されている。さらなる例において、ばねは、10ミル以下の厚さを有するシート材料で形成されている。
【0056】
第3の態様において、シールの製造方法は、シート金属のリボンを分配することと、リボンに沿って縦に分布する複数のばね要素をレーザーカットして、ばねワークピースを形成することと、ばねワークピースを折って、ばねを形成することとを含む。
【0057】
第3の態様の例において、レーザーカットすることは、ファイバーレーザーによってレーザーカットすることを含む。他の例において、レーザーカットすることは、複数のばね要素をレーザーカットして、リボンを横断するように延在させることを含む。
【0058】
追加の例において、複数のばね要素は、リボンから形成されたばねワークピースの幅対リボンの幅の比が少なくとも0.9、例えば、少なくとも0.95である。特定の例において、比は約1.0である。
【0059】
さらなる例において、ばねワークピースは、連続ピースであり、ばねワークピースを折ることには、ばねワークピースを連続的に折ることが含まれる。他の例において、リボンをレーザーカットして、別個のばねワークピースを形成することをさらに含む。
【0060】
追加の例において、ばねワークピースを折ることには、ばねワークピースを配置することと、配置したばねワークピースを折ることとが含まれる。一例において、方法は、ばねを、シールカバーへ挿入することをさらに含む。
【0061】
第4の態様において、シールを製造する方法は、5ミル以下の厚さを有するシート金属のリボンを分配することと、ファイバーレーザーデバイスにより、リボンの長さに沿って分布し、リボンを横断するように延在する複数のばね要素を形成することと、レーザーカットリボンを、レーザーデバイスによりカットして、ばねワークピースを形成することと、ばねワークピースを、リボンの縦長さに沿って折ることとを含む。
【0062】
第4の態様の一例において、複数のばね要素は、リボンから形成されたばねワークピースの幅対リボンの幅の比が少なくとも0.9のであるように延在する。
【0063】
追加の例において、ばねワークピースを折ることには、ばねワークピースを配置することと、配置されたばねワークピースを折ることとが含まれる。さらなる例において、方法は、ばねを、シールカバーへ挿入することを含む。
【0064】
第5の態様において、機械は、静止構成要素と、回転可能な構成要素と、シールであって、静止構成要素と回転可能な構成要素との間に配置されたシールとを含む。シールは、シール表面を画定するポリマーカバーおよびポリマーカバーの長さに沿ってポリマーカバー内に延在する内側キャビティと、内側キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含むばねとを含む。
【0065】
第6の態様において、シールの製造方法は、管を分配することと、管をレーザーカットして、ばねワークピースを形成することと、ばねワークピースをカバーへ挿入して、シールを形成することとを含む。
【0066】
第6の態様の例において、管をレーザーカットすることは、スパイラルをカットすることを含む。他の例において、管をレーザーカットすることは、管の長さに沿って縦に分布するばね要素のパターンをカットすることを含む。
【0067】
追加の例において、方法は、レーザーカットしながら、管を回転することをさらに含む。さらなる例において、管は、金属または金属合金を含む。
【0068】
概要または実施例に上述した動作の全てが必要ではなく、特定の動作の一部は必要でない場合があり、1つ以上のさらなる動作を、記載したものに加えて行ってよいことに留意する。さらに、動作を挙げた順番は、必ずしも、それらを実施する順番ではない。
【0069】
上述の本明細書において、概念を特定の実施形態を参照して記載してきた。しかし、当業者であれば、以下の請求項に規定した発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更が行えることは理解される。従って、本明細書および図面は、限定する意味よりも例示と見なすべきであり、かかる全ての修正は、本発明の範囲内に含まれるものとする。
【0070】
本明細書で用いる「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「持つ」、「持っている」またはその他変形の用語は、非排他的な包括をカバーすることとする。例えば、特徴のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの特徴に必ずしも限定されず、明示的にリストされていない、またはかかるプロセス、方法、物品または装置に固有の他の特徴も含んでよい。さらに、明示的にそれには反するとした場合を除き、「または」は、包括的なまたはであり、排他的なまたはでない。例えば、条件AまたはBを満足するのは次のうちのいずれかである。Aが真(または存在する)でBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)でBが真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)。
【0071】
また、単数形(「a」または「an」)の使用は、本明細書に記載した要素および成分を記載するために使用される。これは、単に便宜上のために、かつ本発明の一般的な意味を与えるために使用される。この記載は、1つまたは少なくとも1つを含めるように読まれるべきであり、他の意味であることが明白でない限り、単数形には複数形も含まれる。
【0072】
恩恵、その他利点および問題解決策について、特定の実施形態に関して上述してきた。しかし、恩恵、利点、問題解決策および何らかの恩恵、利点または解決がなされる、またはより顕著となるであろう何らかの特徴は、いずれか、または全ての請求項の重要、必要または必須の特徴とは解釈されないものとする。
【0073】
本明細書を読めば、当業者であれば、特定の特徴は、明瞭にするために、別個の実施形態に関連して本明細書に記載され、単一の実施形態において組み合わせで提供されてもよいことが理解されるであろう。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態に関連して記載された様々な特徴はまた、別個に、または任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲で示された値の参照には、その範囲内の全ての値が含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シール表面を画定するポリマーカバーおよび前記ポリマーカバーの長さに沿って前記ポリマーカバー内に延在する内側キャビティと、前記内側キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含むばねを含むシール。
【請求項2】
前記ばねのエッジに破断面がない、請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記ばねのエッジに分離がない、請求項1に記載のシール。
【請求項4】
前記ポリマーカバーが、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるポリマー材料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項5】
前記ポリマーカバーが、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるフィラーをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項6】
前記ポリマーカバーが、約0.4以下の摩擦係数を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項7】
前記摩擦係数が、約0.2以下である、請求項6に記載のシール。
【請求項8】
前記ポリマーカバーが、少なくとも約0.5GPaのヤング率を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項9】
前記ヤング率が、少なくとも約1.0GPaである、請求項8に記載のシール。
【請求項10】
前記ポリマーカバーが、少なくとも約20%の伸びを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項11】
前記伸びが、少なくとも約40%である、請求項10に記載のシール。
【請求項12】
前記ばねが、ステンレス鋼、銅合金、ニッケル合金またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属合金で形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項13】
前記ばねが、10ミル以下の厚さを有するシート材料で形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項14】
前記厚さが、5ミル以下である、請求項13に記載のシール。
【請求項15】
前記厚さが、3ミル以下である、請求項14に記載のシール。
【請求項16】
前記シールが、環状シールである、請求項1に記載のシール。
【請求項17】
前記シールが、端面シールである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項18】
環状カバーであって、ポリマー材料を含み、前記環状カバー内に延在する環状キャビティを画定する環状カバーと、前記環状キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含む折ったシート金属を含むばねを含む、シール。
【請求項19】
前記ばねのエッジに破断面がない、請求項18に記載のシール。
【請求項20】
前記ばねのエッジに分離がない、請求項18に記載のシール。
【請求項21】
前記ポリマー材料が、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるポリマー材料を含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項22】
前記環状カバーが、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるフィラーをさらに含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項23】
前記環状カバーが、約0.4以下の摩擦係数を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項24】
前記環状カバーが、少なくとも約0.5GPaのヤング率を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項25】
前記環状カバーが、少なくとも約20%の伸びを有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項26】
前記ばねが、ステンレス鋼、銅合金、ニッケル合金またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属合金で形成されている、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項27】
前記ばねが、10ミル以下の厚さを有するシート材料で形成されている、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項28】
シート金属のリボンを分配することと、
前記リボンに沿って縦に分布する複数のばね要素をレーザーカットして、ばねワークピースを形成することと、
前記ばねワークピースを折って、ばねを形成することを含む、シールの製造方法。
【請求項29】
前記レーザーカットすることが、ファイバーレーザーによってレーザーカットすることを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記レーザーカットすることが、前記複数のばね要素をレーザーカットして、前記リボンを横断するように延在させることを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のばね要素が、前記リボンから形成されたばねワークピースの幅対前記リボンの幅の比が少なくとも0.9であるように延在する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記比が、少なくとも0.95である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記比が、約1.0である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ばねワークピースが、連続ピースであり、前記ばねワークピースを折ることが、前記ばねワークピースを連続的に折ることを含む、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記リボンをレーザーカットして、別個のばねワークピースを形成することをさらに含む、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ばねワークピースを折ることが、前記ばねワークピースを配置することと、前記配置したばねワークピースを折ることとを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ばねを、シールカバーへ挿入することをさらに含む、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
5ミル以下の厚さを有するシート金属のリボンを分配することと、ファイバーレーザーデバイスにより、前記リボンの長さに沿って分布し、前記リボンを横断するように延在する複数のばね要素を形成することと、前記レーザーカットリボンを、前記レーザーデバイスによりカットして、ばねワークピースを形成することと、前記ばねワークピースを、前記リボンの縦長さに沿って折ることを含む、シールを製造する方法。
【請求項39】
前記複数のばね要素が、前記リボンから形成されたばねワークピースの幅対前記リボンの幅の比が少なくとも0.9であるように延在する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ばねワークピースを折ることが、前記ばねワークピースを配置することと、前記配置されたばねワークピースを折ることとを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記ばねを、シールカバーへ挿入することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
静止構成要素と、回転可能な構成要素と、シールであって、前記静止構成要素と前記回転可能な構成要素との間に配置され、前記シールが、シール表面を画定するポリマーカバーおよび前記ポリマーカバーの長さに沿って前記ポリマーカバー内に延在する内側キャビティと、前記内側キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含むばねとを含むシールを含む、機械。
【請求項43】
管を分配することと、前記管をレーザーカットして、ばねワークピースを形成することと、前記ばねワークピースをカバーへ挿入して、シールを形成することを含む、シールの製造方法。
【請求項44】
前記管をレーザーカットすることが、スパイラルをカットすることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記管をレーザーカットすることが、前記管の長さに沿って縦に分布するばね要素のパターンをカットすることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
レーザーカットしながら、前記管を回転することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記管が、金属または金属合金を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項1】
シール表面を画定するポリマーカバーおよび前記ポリマーカバーの長さに沿って前記ポリマーカバー内に延在する内側キャビティと、前記内側キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含むばねを含むシール。
【請求項2】
前記ばねのエッジに破断面がない、請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記ばねのエッジに分離がない、請求項1に記載のシール。
【請求項4】
前記ポリマーカバーが、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるポリマー材料を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項5】
前記ポリマーカバーが、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるフィラーをさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項6】
前記ポリマーカバーが、約0.4以下の摩擦係数を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項7】
前記摩擦係数が、約0.2以下である、請求項6に記載のシール。
【請求項8】
前記ポリマーカバーが、少なくとも約0.5GPaのヤング率を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項9】
前記ヤング率が、少なくとも約1.0GPaである、請求項8に記載のシール。
【請求項10】
前記ポリマーカバーが、少なくとも約20%の伸びを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項11】
前記伸びが、少なくとも約40%である、請求項10に記載のシール。
【請求項12】
前記ばねが、ステンレス鋼、銅合金、ニッケル合金またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属合金で形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項13】
前記ばねが、10ミル以下の厚さを有するシート材料で形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項14】
前記厚さが、5ミル以下である、請求項13に記載のシール。
【請求項15】
前記厚さが、3ミル以下である、請求項14に記載のシール。
【請求項16】
前記シールが、環状シールである、請求項1に記載のシール。
【請求項17】
前記シールが、端面シールである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシール。
【請求項18】
環状カバーであって、ポリマー材料を含み、前記環状カバー内に延在する環状キャビティを画定する環状カバーと、前記環状キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含む折ったシート金属を含むばねを含む、シール。
【請求項19】
前記ばねのエッジに破断面がない、請求項18に記載のシール。
【請求項20】
前記ばねのエッジに分離がない、請求項18に記載のシール。
【請求項21】
前記ポリマー材料が、ポリケトン、ポリアラミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリアミドイミド、超高分子量ポリエチレン、熱可塑性フルオロポリマー、ポリアミド、ポリベンズイミダゾール、液晶ポリマーまたはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるポリマー材料を含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項22】
前記環状カバーが、固体潤滑剤、セラミックまたはミネラルフィラー、ポリマーフィラー、ファイバーフィラー、金属微粒子フィラー、塩またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されるフィラーをさらに含む、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項23】
前記環状カバーが、約0.4以下の摩擦係数を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項24】
前記環状カバーが、少なくとも約0.5GPaのヤング率を有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項25】
前記環状カバーが、少なくとも約20%の伸びを有する、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項26】
前記ばねが、ステンレス鋼、銅合金、ニッケル合金またはこれらの任意の組み合わせからなる群から選択される金属合金で形成されている、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項27】
前記ばねが、10ミル以下の厚さを有するシート材料で形成されている、請求項18〜20のいずれか一項に記載のシール。
【請求項28】
シート金属のリボンを分配することと、
前記リボンに沿って縦に分布する複数のばね要素をレーザーカットして、ばねワークピースを形成することと、
前記ばねワークピースを折って、ばねを形成することを含む、シールの製造方法。
【請求項29】
前記レーザーカットすることが、ファイバーレーザーによってレーザーカットすることを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記レーザーカットすることが、前記複数のばね要素をレーザーカットして、前記リボンを横断するように延在させることを含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記複数のばね要素が、前記リボンから形成されたばねワークピースの幅対前記リボンの幅の比が少なくとも0.9であるように延在する、請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記比が、少なくとも0.95である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記比が、約1.0である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ばねワークピースが、連続ピースであり、前記ばねワークピースを折ることが、前記ばねワークピースを連続的に折ることを含む、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記リボンをレーザーカットして、別個のばねワークピースを形成することをさらに含む、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ばねワークピースを折ることが、前記ばねワークピースを配置することと、前記配置したばねワークピースを折ることとを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ばねを、シールカバーへ挿入することをさらに含む、請求項28〜33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
5ミル以下の厚さを有するシート金属のリボンを分配することと、ファイバーレーザーデバイスにより、前記リボンの長さに沿って分布し、前記リボンを横断するように延在する複数のばね要素を形成することと、前記レーザーカットリボンを、前記レーザーデバイスによりカットして、ばねワークピースを形成することと、前記ばねワークピースを、前記リボンの縦長さに沿って折ることを含む、シールを製造する方法。
【請求項39】
前記複数のばね要素が、前記リボンから形成されたばねワークピースの幅対前記リボンの幅の比が少なくとも0.9であるように延在する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ばねワークピースを折ることが、前記ばねワークピースを配置することと、前記配置されたばねワークピースを折ることとを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記ばねを、シールカバーへ挿入することをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
静止構成要素と、回転可能な構成要素と、シールであって、前記静止構成要素と前記回転可能な構成要素との間に配置され、前記シールが、シール表面を画定するポリマーカバーおよび前記ポリマーカバーの長さに沿って前記ポリマーカバー内に延在する内側キャビティと、前記内側キャビティ内に延在し、複数のレーザーカットばね要素を含むばねとを含むシールを含む、機械。
【請求項43】
管を分配することと、前記管をレーザーカットして、ばねワークピースを形成することと、前記ばねワークピースをカバーへ挿入して、シールを形成することを含む、シールの製造方法。
【請求項44】
前記管をレーザーカットすることが、スパイラルをカットすることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記管をレーザーカットすることが、前記管の長さに沿って縦に分布するばね要素のパターンをカットすることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
レーザーカットしながら、前記管を回転することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記管が、金属または金属合金を含む、請求項43に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2013−515224(P2013−515224A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−546260(P2012−546260)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/062415
【国際公開番号】WO2011/090756
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(500149223)サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション (64)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/062415
【国際公開番号】WO2011/090756
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(500149223)サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション (64)
【Fターム(参考)】
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