説明

ひずみ画像表示システム

画像化物体のひずみ画像データを表示する方法であって、前記物体の画像化領域における前記物体の変形を規定するひずみ画像データを取り込み、前記画像化領域において変化する前記ひずみ画像データの品質の尺度を具有する局所的画像品質データを定め、前記物体の前記画像化領域の前記ひずみ画像データの描画を表示し、前記局所的画像品質データを用いて、前記画像化領域において変化する前記表示された描画の品質の視覚表示を提供し、または、前記ひずみ画像データの前記表示された描画の品質を改善する、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ひずみ画像を表示するための、方法、装置、およびコンピュータプログラムコードに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波ひずみ画像化は、軟質組織の臨床検査に非常の多くの応用を有し得る、現在発展中の技術である。ここで、われわれは、第1に(しかしそれだけではないが)、しばしば統合的に「静的な」(あるいは「擬似静的な」)ひずみ画像化として分類されている弾性画像化技術の部門に関心がある。このパラダイムにおいては、小さな組織変形は、組織表面での超音波検針との接触によって引き起こされる。2つまたはそれ以上の超音波フレームがこの変形の間に記録される。そして、何らかの形の追跡が記録された超音波データに適用され、空間的に変化する変位場に帰して、組織変形を見積もる。このような変位場の空間的な派生は、剛性を表わす組織ひずみである。時々、弾性率のような量的な組織特性を直接的に見積もる解析の更なる段階がある。この種の技術は、最初は胸部スキャニングで臨床試験され、それ以来ずっと胸部スクリーニングは研究に対する中心的動機付けになっている。数多くの研究が前立腺スクリーニングによって動機付けられている。深部静脈血栓症の検出と病期づけもまた特に将来有望に見え、そして多くのほかの可能な応用が存在する。
【0003】
この点で、超音波画像化において一般的に用いられているいくつかの専門用語を導入することが有用である。超音波画像化システムは一般的に、1次元または2次元の超音波トランスデューサのアレーを用いる(時には単一のトランスデューサが使われることもある)。アレーは、それぞれの次元に、典型的に20ないし256のトランスデューサを有している。トランスデューサそれぞれは、送波器および受波器の両方として動作する。トランスデューサは一般的に、典型的に範囲1〜20MHzのRFエネルギのパルスによって駆動される。その信号は、パルスが十分に長くて、このように相対的に明確な周波数を有する多数のRF波長を含むという意味において狭帯域と考えられ得る。超音波トランスデューサアレーは、だいたいは、超音波ゲルまたは水を介して検査対象の組織に結合される。典型的に、超音波は、検査対象の組織内に数センチメートル、例えば25cmに至るまで入り込み、そしてトランスデューサアレーは横方向に数センチメートルの範囲を細かく調べる。軸方向の解像度は、一般的に、横方向の解像度より非常に大きく、例えば、横方向に100ラインのオーダーと比べ、一度に1000サンプルのオーダーである。いわゆるAラインは、トランスデューサそれぞれから検査対象の組織内に実際に走り、いわゆるBスキャンまたはBモードの画像は、多数のAラインを含む平面を包含し、これで組織を通る垂直断面を規定する。Bスキャンは典型的に、2次元の濃淡画像として表わされる。2次元のトランスデューサアレーは、例えば3次元体積に広がるデータを提供する、垂直のBスキャン画像を捕捉するため、使われ得る。
【0004】
捕捉画像は一般的に、Aラインのそれぞれに沿って順に連続してデータを捕捉することによって、すなわち順に、超音波送受波器それぞれを中心と考えたコラムデータを捕捉することによって構築される(ただしビームステアリングが使われることはある)。しかしながら、特定のラインからデータを捕捉するとき、検査対象のライン上の焦点に収束する、概略球面の超音波波面を作るように、そのトンラスデューサが中心となっているラインから離れるに従って徐々に位相を増して、トランスデューサの集合が好ましくは駆動される。トランスデューサの集合から受け取った信号は、適当な振幅と位相で加算されラインデータとして再構築される。これは、復調される前、場合によっては対数重みづけがされBスキャンとして表示される前に、時間利得間の補償が大抵はされた(なぜなら受け取った信号の振幅は、検査深さが増すごとに小さくなる)RF(放射周波数)出力を提供する。しばしばRFデータは、処理の過程のどこか例えば復調の前で、ディジタル化され、残りの処理は、ディジタル領域でなされる。1対のアナログディジタル変換器が典型的に用いられ、同相および直交相のディジタル化信号成分を提供する。その結果、位相データが利用できる。
【0005】
パルス−エコー技術、特に、超音波画像化システムで捕捉された、少なくとも1次元の画像データが処理され得、変形(変位)データが決定される。処理されるべき超音波画像データは、場合によってはアナログ領域で前処理がされた、ディジタル化されたRF信号データを有する。大雑把に、復調されたデータは、エンベロープ検出の処理がされ得、Bモード表示および/またはひずみ決定を提供する対数重みづけがひずみ表示のため使われ得る。復調は、RF信号の振幅(エンベロープ)および位相の情報を従来の方法で抽出する。そして、信号は復調のあとディジタル化され、その結果、処理されたRF信号は復調ベースバンド信号を含有する。他のシステムでは、RF信号は復調に先立ってディジタル化され得る。
【0006】
ディジタル化されたIおよびQ(同相および直交相)信号は、しばしば、従来の超音波画像化機器で利用でき、そして、後述の本発明実施例は、適切にプログラムされた汎用コンピュータまたはディジタル信号プロセッサ(DSP)を使いこの信号を処理することによって、および/または専用ハードウエアを使うことによって、都合よく実施され得る。
【0007】
変位が連続的に変化する、場所の関数で一般にあるとき、変形前および変形後に得られた1対のRF超音波フレームの間の変形を見積もるという仕事を考える。変位は、変形前のフレームにおいて小さな区切り内のデータにわたる窓をおき、変形後のフレームにおいて一番近い対応する窓の位置をつきとめることによって、見積もられ得る。この変位見積りは、変形前および変形後の窓位置の違いである。
【0008】
変形見積りを行うこの窓対応方法は、ときに問題がある。変形前および変形後の窓は、変形が個々の窓の尺度では無視できない可能性があり、しばしば対応が乏しい。したがって、変形後の信号は変換され得、それで変形前および変形後の窓間での相関を増加させ、「適応」ひずみ見積り器として実行を行う。適応を行う最も単純な方法は、変形後の信号に均一の引き伸ばしを適用することであり、これで実際に起こった信号変質の部分の転換を意図する。適応ひずみ見積り器からの変形データは、計ることができる程度に、通常の変位見積りより雑音が小さい。しかし、その改善は、計算コストのかなりの上昇を伴う。
【0009】
窓を対応させるという仕事は、信号類似性を計る尺度における最適条件を見出すために、変形後の窓位置を調整することを必要とする。ひとつの尺度は、相関係数である。もっとも、同様のはたらきは、差分の自乗の和(F.ビオラ、W.F.ウォーカー、「医用超音波における時間遅延見積り法のはたらき比較」、IEEE超音波・強誘電・周波数制御論文集、50(4):392−401、2003年4月)や、複合相互相関関数の位相(X.チェン、M.J.ゾディ、S.Y.エメリアノフ、M.オドネル、「統合された横方向位相を用いたラテラル・スペックル・トラッキング」、IEEE超音波・強誘電・周波数制御、51(5):540−550、2004年5月;M.オドネル、A.R.スコボローダ、B.M.シャーポ、S.Y.エメリアノフ、「超音波スペックル・トラッキングを用いた内部変位およびひずみの画像化」、IEEE超音波・強誘電・周波数制御論文集、41:314−325、1994年5月)のような、別の尺度を用いる技術から得ることができる。見積りの手順は、区画化された位置全部に対して、変形場が適切に標本化されるまで繰り返される。われわれは、しかしながら、窓を対応させる方法はさらに向上させ得ると最近気づいた。有限長さの窓は、変位見積もりを低雑音で生成するために用いられるから、データの正確性は、その変位見積りが有効である場所を見積もることによって改善され得る。暗黙にその場所が窓の中心であると仮定することは、ひずみ画像を振幅調整している、RF信号を伴う「振幅調整」品という結果になる。この理由から、われわれは、この場所見積り技術を振幅調整修正(AMC)と呼ぶ。われわれは、適応ひずみ見積りより、AMCがより低い計算コストで、よりよい結果を生むことを立証した(L.E.リンドプ、G.M.トリーセ、A.H.ギー、R.W.プラガー、「高度ひずみ画像化のための変位場所の見積り」、技術報告CUED/F−INFENG/TR 550、ケンブリッジ大学工学部、2006年3月)。AMCのさらなる詳細は、2006年3月28日に出願されたわれわれのUK特許出願、番号0606125.3、および2007年3月27日に出願されたPCT/GB2007/050158に見出すことができる。これらはここにそれらの全部として参照文献として組み込まれる。
【0010】
AMCは、位相に基づき変位を見積もる装置と結びついて特に容易に実施され得る。われわれは、われわれが重みづけ位相乖離(WPS)と呼ぶ、高度に融通性のある、ひとグループの新規のアルゴリズムを、2006年5月23日に出願されたGB0610172.9および2007年3月28日出願されたPCT/GB2007/050163において記載した。両者はここに参照文献としてその全体が組み込まれる。
【0011】
しかしながら、ひずみ画像化における工学的挑戦のひとつは、臨床上の適当なインターフェースの開発である。超音波の臨床者は、Bモード/グレースケール、カラードップラー、およびパワードップラーを含む現在のスキャニングモードに対して広範な経験を持っている。高度に相互作用性のある、超音波検査の性質を仮定すると、確立されている各モードは、必要とされるスキャニング技術において臨床者がすでに実務上よく慣れているという点、彼らが典型画像の意義を理解している点、そして彼らがその利用法、利点、不利な点を一般的によく知っている点で有利性を有している。臨床上の恩恵を得ている超音波機器に付け加えることの可能性は、それが、視覚か音声のフィードバックの提供により連続的にスキャニングする技術の発展を促進し、直感的に意味を持った形式でデータを表示し、そして誤解させるデータの提示を自動的に防止するインターフェースとともに提供され得るならば、膨らみ得る。
【0012】
背景となる従来技術は、超音波画像のダイナミックレンジおよび雑音低減水準を変えることを記載しているEP0 843 181A、およびBモード表示に沿って、色コードによる弾性プロファイルを単一のオーバーレイ表示装置に表示することを記載しているUS6,558,324に見出すことができる。
【0013】
上記した事項はわれわれがいかに情報を提供するかに関連する。われわれはどの情報を提供すべきかを考慮することもできる。このことは少なくともさらに2つの事項を提起する。質的に、どのタイプの情報が提供され得るか(剛性、ひずみ、あるいは別の折衷案)。量的に、表示画像それぞれの形成にどのぐらいの量のデータが融合されるべきか。後者は、多くのタイプの画像化システム、特に時系列データ(そこでは獲得中の実時間の表示においてもあるいは後処理に対しても持続法が有用たり得る)および3次元測定のデータ(そこでは雑音低減のため空間合成が適用され得る)に関係するそれらに当てはまる。
【0014】
情報のタイプに関連して、われわれは超音波ひずみ画像化が現在発展中の弾性画像化技術の広い範疇内に落ち込むことに注目する。これらは、すべて、本質的に組織剛性のような機械的特性に関連する。そのひずみは標識に過ぎない。ひずみ測定は、応力場が既知ならば剛性見積りに変換され得る。しかし、これが、解像度を下げることなしにかつ制限の仮定を課すことなしに静的な(あるいは擬似静的な)変形データから推断され得るということは非常に可能性がない。さらに、このような仮定は、特にフリーハンドのスキャニングを伴わない生体スキャニングを行う状態下で、概略でもありそうな状態を保つ可能性がない。一方、ひずみ画像は、それ自体で時折、人を惑わせ得る。なぜなら、低ひずみを相対的に高い剛性を示していると解釈することは、ひずみ場が実質的に組織において変化するなら、誤りである可能性があるからである。ひずみ場変動のいくつかのタイプは繰り返し生じ、これゆえ調整され得る。われわれは、ひずみのあいまいさを小さくするように、画像間でおよび個々の画像それぞれの中で変化するひずみ正規化を利用することを議論する。われわれは、不均一正規化のあとの修正データを“疑似ひずみ”と呼ぶ。
【0015】
実務的に、フリーハンドひずみ画像化における、しばしばより深刻な障害は、受け入れ可能なひずみ見積り信号雑音比を達成するという基本的難題である。多くのフレームは個々に良好な画像を生成するが、典型的に、フレームの実質的小部分(ときには大部分)は大きな見積り雑音のため解釈が難しい可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
超音波ひずみ画像化の広範囲にわたる臨床的試みを支援するためにわれわれが開発した新規なインターフェース概念の諸態様をわれわれは広く記載する。新たなインターフェースは、上記したものを含んで、多くの事項に取り組む。その結果、臨床者が得ることができるデータの質を改善し、表示の解釈を改善する。われわれは、生体外からおよび生体内からの両標的の実際のスキャニングデータへの適用において、これら態様すべての例証結果を示す。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に従い、画像化対象物体のひずみ画像データを表示する方法が提供される。その方法は、前記物体の画像化領域における前記物体の変形を規定する画像データを補足すること、局所的画像品質データを決定すること、局所的画像品質データは、前記画像化領域において変化する前記ひずみ画像データの品質を測る尺度を含有する、および前記局所的画像品質データを使い、前記物体の前記画像化領域における前記ひずみ画像データの描写を表示すること、その結果、前記画像化領域において変化する前記表示された描写の品質を視覚的に示すことを提供し、または前記ひずみ画像データの前記表示された描写の品質を改善する、を具備する。
【0018】
実施例において、局所的画像品質データを決定することは、ひずみ画像データを処理し局所的画像品質データを決定することを有する。実施例において、ひずみ(弾性)画像データの描写は、1次元、2次元、または3次元の、画像化物体の変位、またはひずみ、または剛性の描写を有し得る。実施例において、局所的画像品質データは、その変位またはひずみデータにおける局所的な精度(または誤り)を規定する、対応する、1次元、2次元、または3次元のデータを有する。そこで概略的に言うと、1次元、2次元、または3次元の変位またはひずみデータに伴って、対応する1次元、2次元、または3次元の精度あるいは誤りデータが存在する。
【0019】
いくつかの実施例において、局所的画像品質データは、最初の信号から直接的に導出され得る。しかしながら、好ましい実施例において、局所的画像品質データを決定する、ひずみ画像データの処理は、(画像化領域において)変位またはひずみのデータを正規化し、そして誤りデータを、変位またはひずみのデータを正規化する間に引き出された正規化値を使って正規化して、画像化領域における変位またはひずみのデータおよびこれに伴う誤りデータを決定することを有する。さらに詳しく、変位またはひずみのデータを正規化することは、変位またはひずみのデータに対する局所的(1次元、2次元、または3次元の)正規化係数を決定すること、およびこの局所的正規化係数の自乗を使って誤りデータをスケーリングすることを有してもよい。すなわち、誤りデータが精度を意味するなら、この精度は局所的正規化係数(または等価的に同じ係数で増加する誤り)で減じられまたは割られ得る。
【0020】
ある広がりをもつ技術が、局所的精度または誤りデータを決定するため使われ得る。例えば、これは、窓長さで区切られた変形前および変形後のデータ窓間の相関の関数を有してもよい。随意的に、発明者,J.E.リンドプ,G.M.トリース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー,超音波ひずみ画像化における動的解像度選択,技術報告CUED/FINFENG/TR566,ケンブリッジ大学工学部,2006年9月,に記載されたタイプの変換を使う付加的な非線形変換がこれに適用され得る。
【0021】
あるいは、誤りは、前に述べたような重みづけ位相乖離窓技術の中における異なる位相の分散から計算され得る。当業者は、しかしながら、局所的精度または誤りのデータを決定するために他の技術も使われ得ると理解するであろう。
【0022】
いくつかの好ましい実施例において、変位またはひずみのデータは、2(またはそれ以上の)次元のデータを有し、正規化は、傾けられたまたは曲げられた表面をこのデータに合わせ込むことを有する。例えば、応力が、物体または組織に向かって超音波検針をもつ利用者の手の動きによって、検査されているその物体または組織に加えられ得る(実施例において、利用者の手の非自発的振動または震えで十分である)。このようなやり方は、組織内の深部でよりも探針の近くで大きな圧力を発生させるであろう。そして/または、画像の一方の側または他方の側に向かってより大きな圧力を発生させる可能性もある。そこで、傾けられたまたは曲げられた表面の正規化を使うことによって、検査下にある物体または組織がそれ自体ではこのような振動を示さないと仮定して、これらの効果は少なくとも部分的には補償され得る。例えば、この取り組みなしでは、画像化の物体または組織は検針からの距離が増すことでより剛性を持つように見え得る。事実は処理の産物である可能性がある。
【0023】
いくつかの好ましい実施例において、複数の画像フレームから蓄積の変位またはひずみのデータは、局所的画像品質データによって重みづけられ結合される。画像フレームは、時間的なものでも、空間的なもの(例えば3次元画像の2次元の薄片)でも、あるいは両者でもよい。この方法でデータを結合することは、単一のどの画像フレームからの最良のデータよりその結合結果がよいという、蓄積の変位またはひずみのデータに帰着し得る。なぜならば、重みづけは、事実上、画像フレームの最良の領域を取り出すからである。
【0024】
好ましくは、局所的画像品質データは、表示された描画の品質の、改善された視覚指標を提供するために、同様の方法で蓄積されもする。さらに好ましくは、変位またはひずみのデータと局所的画像品質データとが両者とも、多数の画像フレームにわたって蓄積されまたは持続される。
【0025】
実施例において、表示は、画像化領域のひずみ画像データ描画と、同じまたは同様の解像度でひずみ画像データの表示された描画の品質の視覚指標とを表示することを含有する。例えば、画素で表示される表示装置において、好ましくは、局所的画像品質データは、画素ごとを基本に計算される。これは、そこで、ひずみ画像と局所的画像品質とを実質的に1対1対応で表示するために使われ得る。それは、例えば、その両者が画素ごとに単一の色空間、例えばRGBやYUVに写像されてである(当業者は、このような色空間が輝度をパラメータとして含んでもよいと理解するであろう)。したがって、実施例において、品質および弾性の値が両者とも色でコード化され、実施例において、(例えば画素の)品質の値は(例えば画素の)ひずみ画像の色を制する。
【0026】
したがって、実施例において、ひずみ画像データの描画と視覚品質指標とは両者とも、対応する、データの1、2または3次元のデータセンサアレーを有する。実効的に、表示された描画と品質指標とは両者とも、画像化物体の位置をそれぞれ1、2または3次元で規定する、1、2または3次元の軸の関数である。
【0027】
いくつかの実施例において、物体の画像化領域におけるひずみ画像データの描画は、モノクローム、例えば“黒と白”(すなわちグレースケール)の描画を含み、品質の視覚示度は1以上の色、例えば低品質なら赤および/または高品質なら緑を使う。しかしながら、潜在的にひとつの色(例えば緑)が品質を表わすために用いられ得、2つの他の色(例えば赤および青)がひずみ画像データを表わすために用いられ得ることは評価に値するであろう。
【0028】
実際的には、ひずみ画像データについてモノクロームの、より具体的にはグレースケールの描画が、画像から人の目が詳細を取り出すのを手助けするように見える、ということが見出されている。この場合、赤のような色は、信頼性のないデータを示すため用いられ得る。
【0029】
他の実施例において、画像品質に応じて、特に、表示された描画の品質が落ちたときに明度を落として、ひずみ画像データの、表示された描画の明度を調整することが有用であると見出された。この取り組みでは、信頼性のないデータは、それが実効的に表示から除かれるように、低いまたはゼロの明度が与えられ得る。このことは、実用上、再度有用であると見出された。
【0030】
関連する態様において、本発明は、画像化物体のひずみ画像データを表示する方法を提供する。その方法は、前記物体の画像化領域において前記物体の変形を規定するひずみ画像データを取り込むこと、局所的画像品質データを決定するために前記ひずみ画像データを処理すること、ここで前記局所的画像品質データは、前記画像化領域で変わる前記ひずみ画像データの品質の尺度を有する、および、前記物体の前記画像化領域の前記ひずみ画像データを描画し表示することを有する。ここで、前記取り込みは、複数の画像フレームのデータを取り込むことを有する。そして、前記表示は、前記局所的画像品質データで重みづけされた複数の前記画像フレームにおいて、前記物体の前記画像化領域の、蓄積した変位またはひずみのデータを決定することを有する。
【0031】
実施例において、画像領域における局所的画像品質の変化もまた、好ましくはひずみデータと結合されて、例えば、共通の色空間(例えばRGBやYUVなど)に写像され表示される。実施例において、表示された局所的画像品質データは、例えば蓄積された、平均化された、あるいは持続法が適用され続けた多数の画像フレームから導き出される。
【0032】
本発明は、上記した態様を実行するための装置、上記態様を実行するための発明実施例、および、特にプロセッサ、データメモリ、および上記の発明態様に従い方法を実行するようにプロセッサを制御する命令を格納したプログラムメモリを含む発明実施例をさらに提供する。
【0033】
このような装置は、例えば、超音波、MRI(磁気共鳴画像化)、CT(コンピュータ・トモグラフィ)、あるいは他の、特に医用画像化システムに組み込まれ、または伴われ得る。
【0034】
この技術のいくつかの好ましい実施例は超音波データ処理に関連して記載されるが、この技術は、潜在的に、磁気共鳴画像化およびコンピュータ・トログラフィのようなほかの技術を使って捉えられたひずみ画像データに使われ得ると、当業者は理解するであろう。
【0035】
この発明は、上記の方法を汎用の計算機システム上で、あるいはディジタル信号プロセッサ(DSP)上で実行するプロセッサ制御コードをさらに提供する。このコードは、ディスク、CDまたはDVDのROM、読み取り専用メモリ(ファームウエア)のようなプログラムされたメモリのような担持体上で、あるいは光学または電気の信号の担持体のようなデータ担持体上で提供され得る。本発明の実施例を実施するためのこのコード(および/またはデータ)は、例えばC、アセンブリコード、ASIC(特定用途集積回路)やFPGA(生産現場でプログラム可能なゲートアレー)を立ち上げ制御するコード、あるいは、Verilog(商標)やVHDL(超高速集積回路ハードウエア記述言語)のようなハードウエア記述言語のためのコードである、(インタープリットされたまたはコンパイルされた)通常のプログラム言語における、ソースの、オブジェクトの、または実行可能なコードを持ち得る。これらの一部については、本方法の実施例が専用ハードウエアでも実施され得るからである。当業者ならわかるように、このようなコードおよび/またはデータは、互いに通信で結合された複数の機器間で分配され得る。
【0036】
上記の態様の特徴と本発明の実施例とは結合され得る。
【図面の簡単な説明】
【0037】
これらのおよびほかの本発明の態様が、添付の以下の図面を参照し、例示だけの意図で今、さらに記載されるであろう。
【0038】
【図1】図1は、本発明の実施例を実行するように構成された超音波画像化システムのブロック図である。これは、ひずみ見積りおよびひずみ変化のデータをこのデータの描画表示に変換することを、画像化領域にわたり変化する描画表示における品質の視覚示度とともに例証するシステムによって実行するための流れ図を含む。
【図2】図2は、新規なインターフェースのないときの、フリーハンドによるスキャニング中の典型的な画像を示す。(a)ひずみ表示は、検針が組織に接触する前、雑音で満たされている。もっとも、(b)Bモード画像は見られるべきものが明らかに何もないことを示す。しかしながら、画像は実際、検針が組織に接触しているとき解釈がもっと難しい。例えば、甲状腺をスキャニングする間、(c)ひずみ表示は、明確な境界なしに、雑音領域のそばで良好な見積りの混合を含む。これは以下の仮定なら驚くべきでない。(d)Bスキャンが、単純に信号のない他の領域のそばで高い信号雑音比の領域をもち、血流および脈動で引き起こされた深刻な非相関の領域を動脈周りで持つ。
【図3】図3は、均一な擬似ひずみ場を発生し得るひずみ場の諸タイプの図解を示す。均質な剛性を示している。われわれの正規化オプションのそれぞれを伴う。第1のオプションは、画像全体の水準上の応力変化に対して調整されるだけである。第2のものは、検針表面から離れたより低い応力に対して調整される。そして第3のものは、一様でない検針圧力に対しても調整される。
【図4】図4は、2次元色マップの2つの例を示す。(a)緑からピンク/マゼンタまでは、ひずみスケールを提供する。ここで、画素の強度は、下側のしきい値−−その下ではすべてが黒で現れる−−から最大のしきい値−−その上では、色が最大の強さで表示される−−までの範囲の中でのデータ品質を示している。(b)ひずみスケールが、黒と白との間の強度変化に基づいている。これは、精度が低いとき、鈍い赤が混ざる。
【図5】図5は、全部のインターフェースを使う、甲状腺画像を示している。
【図6】図6は、ひずみ画像における、ほかの持続方法の例を示す。(a)持続法なしの最良の個々の画像:個々のフレームが、異なる水準の精度を示す、良好および不良な画像領域の混合を生成する。(b)重みづけしないフレーム平均化:一連画像の重みづけしない平均化は、個々のフレームの多くより雑音が多い。(c)精度重みづけフレーム平均化:それぞれのフレームの平均精度で重みづけられた一連の平均は、有意に雑音水準を下げる。(d)画素レベル精度重みづけ持続法:画素それぞれに対して異なる重みで平均化をすることはさらに雑音水準を下げる。しかしこの例ではわずかに過ぎない。この場合におけるその主要な利点は、画素レベルの持続法データの維持であり、したがって、残りの貧弱なデータは隠され得る。(e)より頑強でない変位追跡:この画像は同じ持続法を有するが、変位追跡は軟弱な方法によっている。持続法は、頑強な変位追跡アルゴリズムに関連してより効果的である。
【図7】図7は、単一の個々のフレームに適用された正規化の比較である。正規化の表面は、(a)式2、(b)式2、(c)式5に基づく。
【図8】図8は、主要な動きが回転であった場合のフレームを記録している。よって、一方が伸び、他方が縮む。ラベル0は、精度データのない黒白カラーマップの使用を示す。(a)均一の正規化が使われるならば、結果の擬似ひずみ画像は、要の点周りで1つ半の白と残りの黒とを有する。運よく精度データが正確に有用データの欠損を示す。よって、(a1)と(a2)は空欄である。しかしながら、適用の、もっと洗練された正規化は、明らかに視認可能な中心の要の点から離れた画像の端部において受け入れ可能な精度で、多くの有用な指標を示す。
【図9】図9は、胸部生検模型のスキャニングからの一連のひずみ画像に適用されたほかの持続法の例を示す。ここで、そのスキャニングは未熟に実行され、高さ方向の軸の周りで頻繁に回転している。(a)重みづけなしのフレーム平均化は依然貧弱な結果を生成する。(b)この例では、精度重みづけフレーム平均化は重みづけのない平均化よりよくない。なぜなら、個々それぞれの見積りの精度は、フレームそれぞれにおいて、貧弱にしか平均の精度に相関していないからである。(c)画素レベルでの精度重みづけ持続法ははるかによい画像を生成する。
【図10】図10は、フリーハンドのスキャニングの出発点での、一連の画像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
概略として、われわれは、フリーハンドのひずみ画像化用のインターフェースについて記載するであろう。それは、広範な標的病理における診断目的のため、超音波ひずみ画像化の能力を調べる臨床上の試験を手助けするために設計されている。このインターフェースによる目標は、スキャニングをより容易にすること、および臨床者のスキャニング技術のすばやい学習を、ひずみデータが生成されたときにその品質を示す実時間フィードバックの提供で、手助けすることである。画像もまた解釈が容易である。なぜなら、受け入れがたいぐらいに低い信号雑音比でのデータは表示には達しないからである。このインターフェースの主要な構成は、新規な、正規化、持続法、および表示の各方法である。これらは、より意味深い形式でデータを提示するだけでなく、表示画像における雑音水準は、同じ持続法の水準で同じひずみ見積りを使うほかの方法に比較して実際低減され得る。
【0040】
図1は、この発明の実施例を実行するように構成された超音波画像化システムの概略ブロック図である。これは、その文脈で実施例が動作する画像化システムの一例を、記載の実施例の理解に役立たせるため、単に図解するだけである。当業者は、この発明の実施例が用いられ得る、数多いほかのタイプの超音波(およびほかの)画像化システムが存在することを理解するであろう。
【0041】
われわれがここで概説するインターフェース概念は、いかなる静的なまたは擬似静的なひずみ画像化システムをも含んで、多くの画像化システムに適用可能である。もっとも、その実施の詳細は変わるかもしれない。われわれは、例示の実施例に基づく図解を提供する。そこでは、変位追跡は、振幅調整修正を伴う重みづけ位相乖離[J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー 位相に基づく超音波変形見積り 技術報告 CUED/F−INFENG/TR555,ケンブリッジ大学工学部,2006年5月]によっており、ひずみ見積りは、部分ごとの線形最小自乗回帰によっている。これは、他に負けないその見積り正確性のゆえを第一としてでなく、より重要には厳格にそれがすでに解析されかつ試験されてきたことから、良好な立証の提供で、ひずみ見積り変動を予見する有望な方法に帰結する[J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー,超音波ひずみ画像化における動的解像度選択 技術報告CUED/F−INFENG/TR566,ケンブリッジ大学工学部,2006年9月;J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー 超音波ひずみ画像化における動的解像度選択 音波画像化における様相,巻29,I.アキヤマ(編集者),2008年春もの]。それでもなお、焦点は、超音波ひずみ画像化の一般的なインターフェース概念である。それは、フリーハンドのスキャニングに関連して特に価値が高い可能性がある。そのインターフェース概念は、信号処理の前期段階でとられるやり方にほとんど関係なく、原理的に、どんなひずみ画像化システムにも適用できる。われわれは、インターフェースの全体像を概観、提供することから始め、続いて、見積り精度を予測することの簡単な議論をし、そしてインターフェースにおける3つの連続する進行段階−−正規化、持続法、表示(図1参照)のそれぞれについて記述する。
【0042】
インターフェース概念
ひずみ画像品質は、本質的に、音響記録者のスキャニング技術、組織における生理的な動き、およびRF超音波データをひずみデータに変換するための解析パラメータの変化に依存して変動する。意味のある画像を一貫して生成するために、これらのパラメータは、スキャン中の異なる条件に適合するように局所的に制御される必要がある。[J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー,超音波ひずみ画像化における動的解像度選択 技術報告CUED/F−INFENG/TR566,ケンブリッジ大学工学部,2006年9月;および、J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー 超音波ひずみ画像化における動的解像度選択 音波画像化における様相,巻29,I.アキヤマ(編集者),2008年春もの]はこのようなシステムを記載する。しかしながら、パラメータ調整だけでは、実用的なひずみ画像化におけるすべての困難さを克服できるわけではない。始めに、どこかの段階で、極めて弱い相関のフレームからは、意味のある変形データを生成することが不可能になる。スキャニングの技術に依存して、相関の適切な最小水準がいつも生じるとは限らず、そして、非常に貧弱な技術では、それはしばしば起こりさえもしないかもしれない。解像度設定を調整することで均一の見積り信号雑音比を得ることができる大多数のフレームにおいてすら、最上に可能な分解能を達成するように、記録の超音波データの品質を改善することが望ましい。最良のデータは、相対的にほとんど非相関性でないものに伴われて、相対的に実質の変形が生じるとき(すなわち、典型的に1%という大きな端数。それは標的に依存してときに小さいか大きいか)生起するかもしれない。良好なデータの獲得は、したがって、スキャニング技術と組織との結合された特性に依存する。
【0043】
典型的なインターフェースを有するひずみ画像化は、スキャニング技術でも画像解釈でも、高い水準の熟練を要する。図2における例は、いくつかの困難さを図解する。Bスキャンにひずみ画像を隣り合わせる並び表示の使用は、ひずみデータを、Bスキャンですでに同定されている注目の特徴にうまく調和させるのがより容易である。それは、例えば図2a−bにおけるように組織への結合がされていなために、ほとんどまたはまったくデータがない場合においては、音響記録者はひずみ表示を無視することを知る、ということも意味する。画像解釈は、それにかかわらず、例えば図2c−dにおけるように、結合が良好であるときむしろ難しい可能性がある。これは、多数のスキャニングの標的は、画像全体にわたってひずみ画像化に適合する信号を生起し得ないからである。
【0044】
ひずみ画像のそれぞれは、色がひずみを示し、明度が超音波信号振幅によって一部決定されている“色塗り”としてBスキャン上にかぶせられ得る。超音波信号振幅がひずみ見積りの正確性と相関を有する限りにおいては、このことはひずみデータの品質を示すなんらかの道に通じる。しかしながら、それはある程度役に立つだけである。信号振幅は全体を通しての非相関の非常に弱い指標だからである。信号の完全な欠損はひずみ見積りが雑音で支配されると確かに意味するところ、中程度の信号振幅を有する領域からのひずみ見積りが信号のより強いほかの見積りより低雑音であることは、しばしばである。さらに、Bモードデータをひずみに取り入れることは、ひずみデータを、現実には一般的に組織の剛性に関連しないスペックルパターンのようなBスキャンの細かな特徴と混ぜることで、実際に、洞察深い画像解釈をより難しくする。
【0045】
したがって、われわれは、ひずみ見積もりのそれぞれの精度について正確な示度を用いる。その精度は、これらの見積もりをわれわれが表示を含む下流で使用することに影響する。適切なひずみ正規化は、たぶん、精度重み付けの最小自乗法によって、適当に強制された表面を、フレームそれぞれでの変位の全集合に適合させることで、計算され得る。正規化は、ひずみデータ、その伴われた精度データの両者に適用され得、最新の精度値を伴った擬似ひずみデータの配列を生成する。擬似ひずみの単一フレームを生成したら、何らかの合成または持続の形式を適用することでその信号雑音比は高められ得、それは、再び精度に従い重みづけられてもよく、その出力は、持続された擬似ひずみ値と適切に最新化された精度との集合となるであろう。最後に、表示機構が仕立てられ得、ひずみと精度の両方のデータを、2次元カラー写像でよって表された2次元(2D)尺度で表示する。
【0046】
見積り精度予測
われわれのシステムは、ひずみ(および/または変位)見積り精度の有用な予測の入手性を開拓する。これらの予測を達することの手段は必要不可欠ではない。もっとも、われわれの概念の有利性は、その精度予測が非常に正確ならば、最大に大きい可能性がある。この報告における結果を生み出すために使われた予測方法は、J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー,超音波ひずみ画像化における動的解像度選択 技術報告CUED/F−INFENG/TR566,ケンブリッジ大学工学部,2006年9月、に報告された業績に基づいている。
【0047】
要約すれば、精度は、分散すなわち平均自乗誤差の逆数である。変形精度は、Tc/(1−c)の算出で予測され得る。ここで、cは、変形見積り窓における変形前および変形後のデータ間の相関係数であり、Tは、窓長さである。変位見積りそれぞれの精度は、その分散の逆数である。最小自乗の核それぞれにおいて、総合のひずみ見積り変動は、その核の中心からの距離の自乗で重みづけられた変位変動の平均を算出することにより、そして自乗距離の合計で終わりまで割り算をすることで、予測され得る。より正確な見積りは、近くの誤差間の相関を説明するより複雑な公式を適用することによって生成され得る[J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー,超音波ひずみ画像化における動的解像度選択 技術報告CUED/F−INFENG/TR566,ケンブリッジ大学工学部,2006年9月]。これは、われわれがここに示す結果においては適用されなかった。もっとも、いくつかの場合には少しは改善があったかもしれないが、われわれが固定の解析パラメータを考慮するだけで、そして(絶対的よりむしろ)相対的な精度の予測を要求するだけのとき、それは重要性が低いからである。われわれが示す結果は、したがって、ひずみ見積り精度について次の近似Wに基づいている。
【数1】

ここで、その合計は、画素(x、y)上を中心とする最小自乗回帰の核における変位データにわたっていて、yは、ひずみが見積もられている方向に沿う、その核の中心からの距離を示す。
【0048】
正規化
正規化戦略の注意深い設計は、特にスキャニング手順が実時間および/またはフリーハンドならば、ひずみ画像の品質において価値のある改善に貢献し得る。(例えば、J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー 改善されたフリーハンド3次元超音波エラストグラフィのためのフレームフィルタリング 組織弾性の超音波測定および画像化,74ページ テキサス オースティン,2005年10月;および、J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー フリーハンド超音波を使った3次元エラストグラフィ 医学および生物学における超音波,32(4):529−545,2006年4月、を参照。)それぞれの画像に対して適切なひずみ尺度を見出すという基本問題は、平面を変位見積り{d(x、y)}の全体集合に強固に合わせること、これは、精度重みづけ最小自乗法によるわれわれの例示によって達せられるが、これにより、そして“平均”ひずみを決定することにより、解決され得る。合わせられた平面の式は次のようになるであろう:
【数2】

【0049】
ひずみ見積りは、表示装置におけるダイナミックレンジがゼロから平均ひずみ:
【数3】

の固定倍数の範囲になるように、尺度が設けられる。
新規のインターフェースにおいて、われわれは、他のパラメトリック表面を変位見積り集合に合わせることによる、このやり方の拡張をも導入する。例えば、われわれは、応力が周りの組織の中に広がるとき、検針から離れたより深い場所での抑えられた応力に合わせることできる。
【数4】

【0050】
したがって、
【数5】

を、平均というより“正規化の”ひずみと呼ぶことはより適当である。それは画像位置の関数だからである。パラメータβおよびβを見出したら、われわれは、それぞれのひずみ見積りを正規化するために、
【数6】

の局所値によって終わりまで割り算することができる。β、β、それらをわれわれの事例では、重みづけ最小自乗回帰によって再び計算する。
さらなる拡張が、検針がスキャン中に回転する可能性への対応のためになされ得る。それは横方向へのひずみ変化という帰結になる。
【数7】

【0051】
再び、パラメータβ、β、およびβが、重みづけ最小自乗回帰または適当な代替によって見出され得、それによって画像全部のそれぞれの位置での正規化ひずみを定義する。
それは、われわれの正規化のすべてがひずみ見積りとそれに伴う精度値の両方に適用され得るという注目に値する。正規化は、
【数8】

のスケーリングを良好な測定にも誤りにも適用するので、精度(平均自乗誤差の逆数)をスケーリングすることが適切であるとも言える。われわれは、事例としての本実施例において、
【数9】

によって精度をスケーリングする。正規化前のひずみ見積りおよび正規化後の擬似ひずみをそれぞれ、s、sで表わし、W、Wをそれぞれ、正規化前、正規化後の精度とすると、
【数10】

【0052】
精度の適切な正規化は強く望ましい。というのは、その結合された正規化の実用的効果は、スキャンデータのフレーム全体に関連するその相対的特性に依存して、個々のひずみ見積りを、広範な規模の可能な解釈上に位置させるからである。
【数11】

の値に依存して、ひとつのひずみ見積りとその精度値とのどの単一データ対の正規化も、(1)相対的に高い精度での相対的に低い擬似ひずみから(2)相対的に低い精度での相対的に高い擬似ひずみにまたがる範囲の中で正規化される。正規化の形式は、したがって、潜在的に、画像のタイプのみならずその正確性にも影響を与える。
【0053】
それは、主要な計算コストが、パラメトリックな(あるいは制限されたノンパラメトリックな)変位表面の合わせ込みであるという注目に耐える。しかし、それ自体は、1000Hzより低いフレームレートという状況では、典型的に無視し得る、広く利用可能なGHzプロセッサ上のコストである。計算上の効率は、われわれが例として提供する特定パラメトリック形式を選択することに隠れた、主要な要素のひとつである。しかしながら、式2および式5は、正規化ひずみにおける、深さで変わる線形変動を意味する。これは、大概は良好な近似となり得るが、正規化ひずみの符号が画像中のどこかの深さで反転し得るという可能性を残したままである。もしもこれが正規化の合理的な形式ならば、それはどこかの深さで応力場の方向が反転すること、すなわち、表面での圧縮が組織内でのより際立った深さで伸張を引き起こすことを意味する。これは非現実的である。しかし、それは、例えば合わせ込まれた表面を制限して画像深さ内部でゼロを切るひずみを回避すること(この報告で提供される画像でのように)によって避けることができる。あるいは、精度をゼロに設定することで、正規化ひずみのゼロ交差より低いデータは情報価値がないとして取り扱うことができる。
【0054】
観念的に、正規化表面は、深さで指数的変化をもたらすであろう。しかし最小自乗の合わせ込みは、それで非常により大きな計算コストを負うであろう。われわれの論証では、効率化のため、上記概略説明の正規化表面を用いる。それは、ほかのパラメトリックなまたは制限されたノンパラメトリックな形式が将来見出されるかもしれないという可能性をあらかじめ除外することにはならず、合理的なコストでよりよい性能を提供する。
【0055】
図3は、正規化スキームの例のそれぞれに含まれるひずみ場、または等価的に、均質な材料においてこのような場を生成する応力場を図解する。正規化の鍵は、剛性の真の違いで生じた情報を取り除くことなしに、組織内の不均一分配のひずみを伴う加工品を高い確率で正す、適切に制限された表面に適合させることである。
【0056】
実際に深さの逆数で剛性が変化する組織が存在し得るとは言えるものの、ほぼない。そして、式2または式5を使う正規化で本当の剛性データが表示から一掃される場合において、均一なひずみ場の応用もまたあり得る。この種のあいまいさが生じる頻度は、スキャンする標的に依存する。したがって、異なる正規化表面が、異なる臨床応用に必要になるかもしれない。
【0057】
持続法または合成
持続法は、画像データの時間平均に関連するところ、合成は、もっと一般的に平均化することに関連する。全体として、好ましいわれわれのやり方は、画素ごとを基本とした精度重みづけがされた平均の形式で、正規化のあと平均化を行うことである。われわれは、またその精度値を合計する。というのは、非相関の誤差を伴ったデータの(正確に)精度重みづけがされた平均の全体精度は、精度の総計に等価と示され得るからである。
【0058】
空間の画像次元を2つもったフリーハンド画像化のための実時間インターフェースを生成するという文脈において、われわれはこの平均化を、それぞれの新しいフレームfの到着での持続法形式で行う。画素(x,y)で表示前のバッファに持続する値は、精度重みづけ和S(x,y,f)と、精度の和Ω(x,y,f)とである。これらのバッファは、新たなそれぞれのフレームの到着で更新されて、新たな擬似ひずみデータs(x,y,f)と新たな精度W(x,y,f)とを提供する。
【数12】

【0059】
ここで、γは、0と1との間の数であり、持続法の水準を定める。持続法適用の擬似ひずみのそれぞれは、表示のための精度(品質)値Ω(x,y,f)を伴って、S(x,t,f)/Ω(x,y,f)で与えられる。好ましい実施例において、われわれのインターフェースを用いる画像記録者には、データ品質とともにひずみを表わしている、意味をもった表示が提供されるべきである。そこでは画像の様相は、両方の量が合わさり決定されているであろう。
【0060】
この報告では、擬似ひずみが標準として適用されている持続法をわれわれは立証するものの、正規化された変位および変位精度データを(均一にまたは非均一に)持続することも可能である、ということに注目すべきである。変位正規化は、
【数13】

と、
【数14】

とを決定するため、前と同じ正規化表面に合わせることを要する。正規化の計算は、そこで、
【数15】

でスケーリングする前の変位から、
【数16】

を引くことを有する。一方、精度は、再び、
【数17】

でスケーリングされる。その持続法適用の正規化の変位およびその伴う精度の配列は、そこで、表示されるすぐ前の、擬似ひずみおよび擬似ひずみの精度の配列に変換される必要がある。いくつかのシステムでは、この変形は、より良好な結果を生む可能性がある。
【0061】
持続法または合成の代替の形式は、上記された特定の持続方法に単純な変化を加えることによって典型的に達成され得る点にも注目すべきである。例えば、体積ごとを基本に体積データが取得されるとき、持続法は、例えば式4を修正することによって、ボクセルの水準で擬似ひずみまたは正規化変位にたやすく適用され得る。その結果、どの量も4つの次元、すなわち(x,y,z,f)で指標づけられる。より一般的に、これら4つの次元のすべてにわたる合成を、雑音抑圧のため、持続法でないほかの形式で適用することも可能である。例えば、1、2、3、または4次元の円滑化の核を適用することによってである。その核は、好ましくは、精度に基づく、前と同様の重みづけを組み込むべきである。
【0062】
表示
図2に戻り、伝統的な超音波画像化の利点は、信号強度表示が自動的に、信号が強いところで大部分のデータを示す傾向が強く、信号が弱いところのデータをほとんど示さない(画像は黒になる)、ということである。同様に、擬似ひずみ画像化におけるわれわれの選択のひとつは、精度データに基づいて画像輝度あるいは強度を制御することであり、ひずみを表わすのに色変化(好ましくは、強度/輝度に独立)を使うことである。色スキームに関して、われわれの選択は、広範な飽和色の使用を含んで、軌跡表示の効果を生成する。しかし、この論証では、2色スケールに特に目をかける。それは、質的に伝統的な強度基準の表示に近く、画像それぞれに現れると知覚される特徴をゆがめることを避けるものとなり得る。最大の色変化尺度をねらって、この実施例事例では、強い緑(高ひずみ/軟性)から灰色(中間ひずみ/中間硬性)を経てマゼンタ(低ひずみ/硬性)まで変化する、緑およびマゼンタを両極端として用いる。われわれは異なる色を異なる感度で知覚するので、固定強度での色変動は、その値を一定に保つという約束をたどって達成される。一方、精度は、再び、
【数18】

でスケーリングされる。色マップの全体が、ひずみおよび精度を考慮して、図4に図解される。
【0063】
強度に代わり色でひずみを表わすことに伴って、利点と弱点の両方が並び得る。というのは、これらの2つの択一的方法でエンコードされた画像の特徴は、人の視覚システムでは、相異なる正確性および速度で処理されるからである。そこでわれわれは、ひずみが強度で表わされ、色(例として赤)が精度を示すため導入される2次元の色マップも試験する。われわれは図4にこれを含め、そして比較を提供するためわれわれの結果にこれを含める。どの事象においても、表示に関連するわれわれの狙いは、2次元の色マップがひずみと精度のデータを同時に描くため効果的に使われ得るということを簡潔に立証することにある。
【0064】
結果の欄において、画素あたり8ビットでエンコードされた2次元の色マップをわれわれが立証することに注目すべきである。これは、大概は良好な画像を生成するに十分である。これは、色マップの暗い赤の領域中の区別は、知覚されにくいからである。したがって、これらの領域は低精度でエンコードされ得る。しかしながら、もしこのタイプのインターフェースが広範な臨床利用に至ったならば16ビットが好ましいであろう。これは、それで、表示画像の現われ方が、ゆとりを持ってより円滑になるからである。
【0065】
結果
先に図2に示したスキャンにわれわれのインターフェース構成を全部適用することにより、知的な正規化、持続法、および表示を用いて、実質的に良好な画像をわれわれは図5に生成する。精度重みづけ持続法は、画像の大部分にわたり良好なひずみ見積りを生じさせ、陰影領域における見積りの貧弱な精度は、両者の2次元の色マップではっきりと示される。このスキャンは、テラソン(http://www.terason.com)のラップトップ型超音波機器の5−8MHz,7L3−V検針を用い、ストラドウィン(hppt://mi.eng.cam.ac.ju/~rwp/stradwin)の3次元超音波ソフトウエアを走らせ、フリーハンドでなされた。この項目での残りでは、われわれのインターフェースの構成部分それぞれの特性とそれらの相互作用とを強調して、人体模型のスキャンによるさらなる図解を提供する。
【0066】
図6は、凸状の2−5MHz,4C2−Aテラソン検針を使ってスキャンされた、7cmの深さに硬い内容物をもった不均質なゼラチン人体模型からの画像を用い、持続法の効果を図解する。これらの画像は、式5を使って正規化される。個々のひずみ画像は、たいてい、より低精度のほかの領域と並んで良好なひずみ見積りの領域をいくつか生成する。図6bに示されるような重みづけのないフレーム平均化は、結局のところ良好な画像に収束するかもしれないが、しかし統合時間を少し置けばそれはたいてい最良の個々の画像のいくつかより正確性が劣る。図6c−dに示されるような持続法の利点は、それがデータの効率的な利用を生むということであり、したがって、良好なデータのより大きな領域を伴いかつ全体としてより小さな雑音で、より良好なひずみ画像が容易に生成される。ここでのいつくかのスキャンにおいては、画像規模の重みづけを利用することで雑音の大部分を十分にそぐ。もっとも画素レベルの重みづけの方が一般的には結果がよりよい。画素レベルの重みづけのほかの利点は、持続法の画像において精度値が画素それぞれで保持されるということであり、したがって、2次元の色マップを使いデータの品質を示すことがなおも可能である。しかしながら、われわれは、最良の持続形式が使われている、より頑強性に劣る変位追跡方法を使って生成された図6eの画像を含める。おおまかなアウトライアー誤差の精度見積りは高くなり過ぎる傾向があるので、深刻なアウトライアーの割合が最小に保たれ得るならば、持続法がさらに一層効果的であると、このことは示している。持続法は、われわれの位相に基づくアルゴリズムに関連して一層効果的である。これは、陰的な連続性制約のためであり、それは、J.E.リンドプ,G.M.トレース,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー,位相に基づく超音波変形見積り,技術報告,CUED/F−INFENG/TR555,ケンブリッジ大学工学部,2006年5月、ならびに、G.トレース,J.E.リンドプ,A.H.ギー,およびR.W.プレイジャー,変位追跡におけるドロップアウトの効率的除去,組織弾性の超音波測定画像化,68ページ,スノーバード,ユタ,2006年10月、に記述された繰り返し種づけの高等戦略により導入された。この論点は、連続性制約を課すことが陽的でも陰的でも両者の場合において実質的にアウトライアー誤差の割合を減らすという、相関係数またはSADに基づく徹底した探索にも影響を与える。
【0067】
次の例は、直線状アレーの5−8MHzテラソン検針を使った、胸部生検人体模型(コンピュータライズド・イメージング・リファレンス・システムズ株式会社(http://www.cirsinc.com)、052型)のフリーハンドスキャンからである。この場合のデータの品質は、検針が実質的に回転するとしても表面近くに残るスペックルが動きの非相関性に対してより従属性がないため、均一な検針圧力を保つことからの依存性がより小さい。しかしながら、このことは、より広範な範疇の動きのタイプが高精度値を記録すること意味し、それは実際に、図6の例においてよりも、正確な正規化をより重要ならしめる。相対的に均一な圧縮ひずみデータによる単一フレームが図7に図解されて、2つの顕著な特徴を示している。図7aにおける一様な正規化は、応力が周りの材料に分散する画像底部に向かって硬い材料が存在する印象を与える。図7b−cにおける画像は、より小さな応力の領域が、低信号雑音比で同様の擬似ひずみをもつとして代わりに記録され、より大きな隠れた領域になるので、より良好である。検針がわずかに回転しその結果より大きな圧力が右手側にかかったことが画像から明確でもある。このことは、低い精度データの特にやわらかい領域を含んでいる、図7a−bの画像の右にある軟質な材料の存在を教えている。われわれがより洗練された正規化を図7cに適用するとき、背景材料はより一様に正確に現れ、その正規化が画像の右上により一様な様相を生成するのみならず、現データが受け入れ可能な水準の精度を記録する。
【0068】
検針の回転の動きは、しばしば、正規化の形式に依存したはっきりした違いになるという結果を招く。図8における画像は、相対的に極端な例である。これは、記録データの最良の利用を行うための、適切な正規化の重要性を立証する。
【0069】
これらの画像における擬似ひずみ精度の不均質性は、重みづけ持続法を画素レベルで正しく適用する価値をそれらはまた強調もしているということを意味する。図9は、この場合、精度重みづけフレーム平均化が重みづけのないフレーム平均化よりまったくよくないことを示す。もっとも、際立ってよい擬似ひずみ画像は、精度重みづけ持続法を個々の画素のレベルで適用することで生成される。横方向の応力補正を伴うわれわれの洗練された正規化は、それが雑音水準を下げかつ人体模型材料の剛性に一層より近く対応する擬似ひずみ画像を生成するという理由で、有利である。
【0070】
最後に、図10は、この新しいインターフェースを用いてフリーハンドスキャンを始めるときの画像記録者の経験を写す典型的な連続画像を示す。この例のスキャン標的は、半分のオリーブを含む不均質な寒天人体模型であり、オリーブは寒天よりわずかに硬い。スクリーンは、受け入れ得るデータが利用可能になる前は、最初は黒(または赤)である。スキャン標的に触れるとほとんどすぐに色づき始める。ただし、画像のいくつかの部分では他の部分より遅い色づきである。一方、右側の影のようにデータのない領域は、黒/赤のままになり得る。安定的な画像が容易に得られ、そして上手なスキャニング技術の養成が視覚フィードバックによって支えられる。良好な技術は表示を明るくし、一方貧弱な動きはそれを暗くする。
【0071】
摘要
われわれは、実時間のフリーハンドひずみ画像化を行うための新規なインターフェースについて、基礎となる理論的原理の説明とともに記載してきた。このインターフェースのための好ましい入力は、正確な精度見積りに加え、頑強なひずみ見積り器からのひずみ見積りである。このことは、このインターフェースが広範なひずみ画像システム上の前置部として組み込まれ得ることを意味する。もっとも、最良の結果は、徹底した探索にも過度の脆弱性をさらす追跡法にも頼らない頑強な変位見積りを含むシステムで生成される可能性が高い。
【0072】
われわれのインターフェースの注目すべき態様は、正規化段階、持続法または合成、および、2次元色マップを使う新規な表示を含む。正規化は、ひずみ画像のあいまいさを抑制し、実際に、持続法が適用の画像において雑音レベルを抑制する。そして、注意深くて均一な加圧にひどく頼ることよりむしろ広範な検針挙動により、良好で有益な擬似ひずみ画像が生成され得る、ということにつながる。これらの利点を十分に活用するため、持続法は、好ましくは、連続する画像のレベルよりむしろ個々の画素のレベルで重みづけられるべきである。
【0073】
このシステムは、特定のデータ集合の品質を改善するだけでなく、画像記録者の上手なスキャニング技術の養成を手助けすることで、適切なデータの取得を支える。広範な臨床上の試行が、このシステムの適切な応用を調査するため、アッデンブルーク病院(連合王国、ケンブリッジ)で2007年の年央に始まるであろう。このインターフェースは、すでにわれわれの臨床協力者によって熱心に受け入れられたというものの、最良の正規化および2次元色構成は、応用に依存するかもしれない。したがって、多くの特定用途用の設定が、現状のインターフェース構造の中に存在するかもしれない。
【0074】
多くのほかの効果的な選択肢が当業者に浮かぶであろうことに疑いはない。この発明は、記載された実施例に限定されず、付属するクレームの意図と範囲の中の、この技術における当業者に明らかな改良を含むと理解されるべきであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像化物体のひずみ画像データを表示する方法であって、
前記物体の画像化領域における前記物体の変形を規定するひずみ画像データを取り込み、
前記画像化領域において変化する前記ひずみ画像データの品質の尺度を具有する局所的画像品質データを定め、
前記物体の前記画像化領域の前記ひずみ画像データの描画を表示し、前記局所的画像品質データを用いて、前記画像化領域において変化する前記表示された描画の品質の視覚表示を提供し、または、前記ひずみ画像データの前記表示された描画の品質を改善する、
方法。
【請求項2】
前記局所的画像品質データを定めることが、前記ひずみ画像データを処理して前記局所的画像品質データを定める、クレーム1にクレームされた方法。
【請求項3】
前記処理することが、前記画像化領域における変位またはひずみのデータと、随伴の誤差データとを定め、前記画像化領域における前記変位またはひずみのデータを正規化し、正規化の前記変位またはひずみのデータからの正規化値を用いて前記誤差データを正規化し前記局所的画像品質データを提供する、クレーム2にクレームされた方法。
【請求項4】
前記画像化領域が、少なくとも1次元の領域を具備し、前記正規化が、前記少なくとも1次元において変化する正規化である、クレーム3にクレームされた方法。
【請求項5】
前記画像化領域が、少なくとも2次元の領域を具備し、前記正規化が、傾いたまたは曲がった表面を前記変位またはひずみのデータに合わせ込むことを具備する、クレーム4にクレームされた方法。
【請求項6】
前記変位またはひずみのデータを正規化することが、前記変位またはひずみのデータの局所的正規化係数を定めることを具備し、前記誤差データを正規化することが、前記局所的正規化係数の自乗によるスケーリングを具備する、クレーム3、4、または5にクレームされた方法。
【請求項7】
前記取り込むことが、複数の画像フレームのデータを取り込むことを具備し、前記物体の前記画像化領域の前記ひずみ画像データの前記描画を前記表示することが、前記局所的画像品質データにより重みづけられた複数の前記画像フレームにおける前記物体の前記画像化領域の、蓄積した変位またはひずみのデータを定めることを具備する、先行するいずれかのクレームにクレームされた方法。
【請求項8】
前記取り込むことが、複数の画像フレームのデータを取り込むことを具備し、前記画像品質データを使うことが、複数の前記画像フレームにおける前記局所的画像品質データを蓄積することを具備する、先行するいずれかのクレームにクレームされた方法。
【請求項9】
前記局所的画像品質データを使うことが、前記局所的画像品質データを使って、前記画像化領域において変化する前記表示された描画の品質の視覚的表示を提供することを具備する、先行するいずれかのクレームにクレームされた方法。
【請求項10】
前記ひずみ画像データの描画を表示することが、前記ひずみ画像データの画素化描画を表示することを具備し、前記局所的画像品質データを定めることおよび前記品質の前記視覚的個別性を表示することが、画素ごとになされる、クレーム9にクレームされた方法。
【請求項11】
前記物体の前記画像化領域の前記ひずみ画像データの前記描画が、モノクロの描画を具備し、前記表示された描画の品質の前記視覚的表示が、1つ以上の色を使う、クレーム9または10にクレームされた方法。
【請求項12】
前記表示された描画の品質を視覚的表示することが、前記表示された描画の前記品質が相対的に抑圧されている前記物体の前記画像化領域の前記ひずみ画像データの前記描画の明度を抑圧することを具備する、クレーム9または10にクレームされた方法。
【請求項13】
前記表示することが、前記ひずみ画像データおよび前記局所的画像品質データの両者を色空間にエンコードすることを具備する、クレーム9または10にクレームされた方法。
【請求項14】
画像化物体のひずみ画像データを表示する方法であって、
前記物体の画像化領域における前記物体の変形を規定するひずみ画像データを取り込み、
前記ひずみ画像データを処理して、前記画像化領域において変化する前記ひずみ画像データの品質の尺度を具備する局所的画像品質データを定め、
前記物体の前記画像化領域の前記ひずみ画像データの描画を表示し、
前記取り込むことが、複数の画像フレームのデータを取り込むことを具備し、
前記表示することが、前記局所的画像品質データで重みづけられた複数の前記画像フレームにおける前記物体の前記画像化領域の、蓄積した変位またはひずみのデータを定めることを具備する、
方法。
【請求項15】
前記表示することが、前記ひずみ画像データの前記描画と関連して、前記局所的画像品質データの前記画像化領域における変化の描画を表示することをさらに具備する、クレーム14にクレームされた方法。
【請求項16】
前記局所的画像品質データの前記画像化領域における前記変化の前記表示された描画が、多数の画像フレームの前記局所的画像品質データから導出される、クレーム15にクレームされた方法。
【請求項17】
前記局所的画像品質データおよび前記ひずみ画像データの前記組み合わせの前記表示が、前記組み合わせを色空間にエンコードすることを具備する、クレーム15または16にクレームされた方法。
【請求項18】
作動したとき、いずれかの先行するクレームの方法を実行するプロセッサ制御コードを担持している担持体。
【請求項19】
画像化物体のひずみ画像データを表示する装置であって、データメモリとプログラムメモリとに結合されたプロセッサを含み、前記プログラムメモリが、
前記物体の前記画像化領域における前記物体の変形を規定するひずみ画像データを取り込み、
前記画像化領域において変化する前記ひずみ画像データの品質の尺度を具備する局所的画像品質データを定め、
前記物体の前記画像化領域の前記ひずみ画像データの描画を表示し、前記局所的画像品質データを用いて、前記画像化領域において変化する前記表示された描画の品質の視覚表示を提供し、または、前記ひずみ画像データの前記表示された描画の品質を改善するように、
前記プロセッサを制御する命令を格納する、
装置。
【請求項20】
前記プログラムメモリが、前記ひずみ画像データを処理して、前記局所的画像品質データを定めるように前記プロセッサを制御する命令をさらに格納し、前記ひずみ画像データの描画を表示する前記命令が、前記局所的画像品質データを使って、前記画像化領域において変化する、前記表示された描画の品質の視覚的表示を提供する命令を具備する、クレーク19にクレームされた、ひずみ画像データを表示する装置。
【請求項21】
画像化物体のひずみ画像データを表示する装置であって、データメモリとプログラムメモリとに結合されたプロセッサを含み、前記プログラムメモリが、
前記物体の前記画像化領域における前記物体の変形を規定するひずみ画像データを取り込み、
前記ひずみ画像データを処理して、前記画像化領域において変化する前記ひずみ画像データの品質の尺度を具有する局所的画像品質データを定め、
前記物体の前記画像化領域の前記ひずみ画像データの描画を表示するように、
前記プロセッサを制御する命令を格納し、
前記取り込みが、複数の画像フレームのデータの取り込みを具備し、
前記表示が、前記局所的画像品質データで重みづけられた複数の前記画像フレームにおける前記画像化領域の、蓄積した変位またはひずみのデータを定めること具備する、
装置。
【請求項22】
前記ひずみ画像データが超音波画像化から得られる、いずれかの先行するクレームにクレームされた方法、担持体、または装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【公表番号】特表2010−525850(P2010−525850A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504862(P2010−504862)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050293
【国際公開番号】WO2008/132504
【国際公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【出願人】(501484851)ケンブリッジ・エンタープライズ・リミテッド (40)
【氏名又は名称原語表記】CAMBRIDGE ENTERPRISE LIMITED
【Fターム(参考)】