アイドリング停止通知装置
【課題】アイドリング停止通知装置において、路側機が設置されていない区域であっても、有効判定を実行可能とすること。
【解決手段】停止通知装置では、車車間通信により取得した他車両情報、及び自車両にて検出した自車状態情報のみを用いて、停止予測時間Tを導出する。具体的には、該当他車両と自車両との位置関係に従って移動開始所要時間Tmwを導出し(S4520)、他車エンジン停止時刻,他車停止有効時間,及び現時刻に従って、発信待機時間Tawを導出する(S4540)。さらに、他車両と自車両との間に存在する未搭載車両の台数(n−m)を推定して(S4580)、開始遅延時間を導出し(S4590)、それらの時間の和を停止予測時間Tとして導出する(S4600)。その導出した停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きければ、報知装置50に停止信号を出力する(S4620)。
【解決手段】停止通知装置では、車車間通信により取得した他車両情報、及び自車両にて検出した自車状態情報のみを用いて、停止予測時間Tを導出する。具体的には、該当他車両と自車両との位置関係に従って移動開始所要時間Tmwを導出し(S4520)、他車エンジン停止時刻,他車停止有効時間,及び現時刻に従って、発信待機時間Tawを導出する(S4540)。さらに、他車両と自車両との間に存在する未搭載車両の台数(n−m)を推定して(S4580)、開始遅延時間を導出し(S4590)、それらの時間の和を停止予測時間Tとして導出する(S4600)。その導出した停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きければ、報知装置50に停止信号を出力する(S4620)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関を有した車両に搭載されるアイドリング停止通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、路上に設置された路側機との間で通信を実行する通信機器を備え、自動車に搭載されたアイドリング停止通知装置(以下、単に、停止通知装置と称す)が知られている。
【0003】
この種の停止通知装置では、通信機器により(即ち、路車間通信を用いて)交差点や信号機に関する情報(以下、交差点関連情報とする)を取得する。これと共に、この種の停止通知装置では、その取得した交差点関連情報に基づいて、自車両が停止した時に、アイドリング停止が有効であるか否かを判定(以下、有効判定と称す)し、判定の結果、有効であれば、アイドリング停止を実行している。
【0004】
具体的には、この種の停止通知装置において、交差点に設置された信号機が青信号へと変わるまでの時間(以下、信号待時間とする)を交差点関連情報として取得し、その取得した信号待時間が予め規定された規定時間以上であれば、アイドリング停止が有効であると判定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、この種の停止通知装置において、信号待時間に加えて、交差点における停止線の位置を交差点関連情報として取得し、自車両から停止線までの距離を発進波速度で除した値(時間)に信号待時間を加えた時間(以下、待機時間とする)が規定時間以上であれば、アイドリング停止が有効であると判定することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。なお、ここで言う発進波速度とは、停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置として、その停止車列にて先頭車両から順次発進する時に停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値である。
【特許文献1】特開2002−245587号公報
【特許文献2】特開2007−56734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2に記載された停止通知装置では、路車間通信を用いて交差点関連情報を取得しているため、路側機が設置されていない交差点周辺以外の場所(以下、未設置区域とする)では、有効判定を実行することができないという問題があった。
【0007】
つまり、特許文献1,2に記載された停止通知装置では、例えば、道路工事が実施されることで交互通行となっていることや、踏切にて遮断機が降りている(即ち、踏切待ちである)ことなどにより、自車両が停止した時に、有効判定を実行することができないという問題があった。
【0008】
特に、近年は、地球温暖化を抑制するために、自動車から排出される二酸化炭素を削減することが求められており、未設置区域に自車両が停止した場合にも有効判定を実施してアイドリング停止を実行可能な停止通知装置の提供が望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、アイドリング停止通知装置において、路側機が設置されていない区域であっても、有効判定を実行可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明は、内燃機関を有した車両に搭載されるアイドリング停止通知装置(以下、単に、停止通知装置と称す)である。
【0011】
この本発明の停止通知装置では、自車位置取得手段が、自車両についての位置情報を自車位置として取得し、他車両情報取得手段が、他車両が自車両の進行路上にて移動を停止しているか否か、及び他車両から自車両までの距離を推定するための距離推定情報が少なくとも含まれる他車両情報を、他車両に備えられた通信装置から車車間通信を利用して取得する。なお、ここで言う、位置情報とは、車両の現在位置及び進行方向を表す情報であり、他車両とは、通信装置を備えた車両のことを表す。
【0012】
さらに、本発明の停止通知装置では、停止時間導出手段が、自車位置取得手段で取得した自車位置、及び他車両情報取得手段で取得された他車両情報に基づいて、停止予測時間を導出する。そして、停止通知手段が、停止時間導出手段で導出された停止予測時間が自車停止有効時間よりも長い場合、自車両に搭載されている車載機器に対して、アイドリング停止を実行させるための停止通知を出力する。
【0013】
なお、ここで言う停止予測時間は、自車両の内燃機関についてアイドリング停止を実施可能であると予測される期間の長さを表し、ここで言う自車停止有効時間は、自車両について、内燃機関のアイドリングを停止することでアイドリングを継続するよりも燃料の消費量が少なくなる最低限の停止継続時間を表す。ただし、ここで言う停止継続時間とは、アイドリング停止を継続する期間の長さである。
【0014】
つまり、本発明の停止通知装置においては、停止予測時間を導出するために用いる情報のうち、自車両にて検知不可能な情報(距離推定情報を含む他車両情報)を、車車間通信を利用して他車両に搭載された通信装置から取得している。言い換えれば、他車両情報を生成すると共に、その生成した他車両情報を車車間通信を利用して送信する通信装置が自車両以外の車両(即ち、他の車両)に搭載されていれば、本発明の停止通知装置にて、停止予測時間を導出可能となる。
【0015】
したがって、本発明の停止通知装置によれば、停止予測時間を導出するために、路車間通信を利用して路側機から情報を取得する必要が無く、この結果、有効判定(即ち、その時点でアイドリング停止を実行すべきか否かの判定)を実行可能なエリアを、路側機が設置されていない未設置区域にまで拡大することができる。
【0016】
そして、本発明の停止通知装置からの停止通知に従って、アイドリング停止を実行させることで、自車両の燃費を向上させることができ、さらには、自車両から排出される二酸化炭素の量を低減することができる。
【0017】
ところで、例えば、自車両が停止した直後に、他車両情報を発信した他車両(以下、該当他車両とする)が発進したとしても、該当他車両が発進してから自車両が先頭となる(即ち、移動を再開する)までに要する時間が長ければ、アイドリング停止を実行することが有効となる。
【0018】
このため、距離推定情報が、他車両についての位置情報である他車位置、及び移動を停止した移動停止状態であるか否かを表す移動停止情報を含むものである場合、本発明の停止通知装置における停止時間導出手段は、請求項2に記載のように、対象車両特定手段が、自車位置、及び距離推定情報に基づき、自車両の進行路上に存在し、かつ移動を停止している他車両を対象車両として特定し、距離導出手段が、自車両が停止したことが検知されると、対象車両と自車両との間の車両間距離を導出するように構成されていても良い。
【0019】
ただし、このように構成された停止時間導出手段は、さらに、距離導出手段で導出された車両間距離を発進波速度で除した値を、停止予測時間とするように構成されている必要がある。なお、ここで言う発進波速度とは、停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置とし、先頭車両から順次発進する時に停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値である。
【0020】
つまり、本発明の停止通知装置において、停止予測時間は、停止車両の列にて、対象車両が発進してから自車両が停止先頭位置となるまでに要する期間の長さ、即ち、自車両が停止しているものとして想定される最も短い期間であっても良い。
【0021】
このような本発明の停止通知装置によれば、自車両にてアイドリング停止を実行することが無効であるにもかかわらず、アイドリング停止を実行することが有効であると判断されることを低減できる。したがって、本発明の停止通知装置からの通知に従って、不必要なアイドリング停止が実行されることを抑制できる。
【0022】
なお、請求項2に記載のような本発明の停止通知装置において、他車両情報に他車両が移動停止状態となった停止開始時刻が含まれている場合、その停止開始時刻から現時刻を引いた差を、他車両が移動停止状態となってからの停止経過時間として導出し、その停止経過時間を自車停止有効時間としても良い。
【0023】
さらに、他車両情報に、他車両が移動停止状態となった停止開始時刻、及び他車両についての停止有効時間である他車停止有効時間が含まれている場合、本発明の停止通知装置における停止時間導出手段は、請求項3に記載のように、現時刻取得手段が、現時刻を取得し、その取得した現時刻、及び停止開始時刻に基づいて、経過時間導出手段が、他車両が移動停止状態となってからの停止経過時間を導出すると共に、待機時間導出手段が、停止経過時間と他車停止有効時間との差分を他車待機時間として導出するように構成されていても良い。
【0024】
ただし、このように構成された停止時間導出手段は、車両間距離を発進波速度で除した値を移動開始所要時間とし、さらに、その移動開始所要時間と他車待機時間との和を、停止予測時間とするように構成されている必要がある。
【0025】
つまり、請求項3に記載のように構成された停止通知装置において、停止予測時間は、他車両が現時刻から移動を再開するまでに要するものと想定される最低限の期間(他車待機時間)の長さを、自車移動開始所要時間に加えたものであっても良い。
【0026】
このような本発明の停止通知装置によれば、他車両が移動を再開するまでに要する時間を考慮して停止予測時間を導出しているため、アイドリング停止の有効性についてより正確に判断することができる。
【0027】
なお、自車両と対象車両とが有する内燃機関の排気量などが同じであれば、それぞれの車両における停止有効時間は、ほぼ同じになる。すなわち、両停止有効時間の差分が設定値以下(例えば、差分が0)である場合に、停止予測時間が自車停止有効時間よりも長いか否かを判定すると、他車待機時間に含まれる他車停止有効時間と、自車停止有効時間とが打ち消されることになる。
【0028】
このような場合、請求項3に記載にされた本発明の停止通知装置においては、停止経過時間に発進波速度を乗じた値が車両間距離よりも小さければ、自車両が有する内燃機関のアイドリング停止を実行することが有効であると判定しても良い。
【0029】
ところで、自動車産業において、新しい技術が適用された装置を車両に搭載する場合、その装置は、高級車から搭載を開始し、徐々に、大衆車へと普及させていくことが一般的である。
【0030】
このため、アイドリング停止を解除すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置(例えば、請求項10から請求項19のいずれかに記載された本発明のアイドリング停止通知装置、以下、始動通知装置と称す)が普及していく過程では、路上を走行する車両の中に、始動通知装置が搭載されている車両(以下、搭載車とする)と、非搭載である車両(以下、非搭載車とする)とが混在する。この時、非搭載車では、アイドリング停止を解除すべき最適なタイミングで内燃機関が始動されず、当該非搭載車が発進するタイミングは搭載車に比べて遅れる。つまり、新しい技術が普及していく過程では、装置の普及率により、搭載車と非搭載車との間に発進タイミングのバラつきが生じるという問題が生じる(以下、第二の課題とする)。
【0031】
そこで、他車両情報に、内燃機関をアイドリング停止から再始動すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置が搭載されているか否かを示す搭載情報が含まれている場合、本発明のアイドリング停止通知装置における停止時間導出手段は、請求項4に記載のように、通知装置が未搭載である車両を未搭載車として、未搭載数推定手段が、距離導出手段にて導出された車両間距離、及び他車両情報に基づいて、対象車両と自車両との間に存在する未搭載車の台数を推定し、遅延時間導出手段が、未搭載数推定手段で推定された台数に発進遅れ時間を乗じた時間を自車移動開始遅延時間として導出するように構成されていることが望ましい。なお、ここで言う発進遅れ時間とは、内燃機関をアイドリング停止から再始動し、車両が自走可能となるまでに要する予め規定された期間の長さである。
【0032】
ただし、このように構成された停止時間導出手段は、さらに、遅延時間導出手段で導出された自車移動開始遅延時間と、移動開始所要時間と、他車待機時間との和を、停止予測時間とするように構成されている必要がある。
【0033】
このような本発明の停止通知装置によれば、搭載車と非搭載車との発進タイミングのバラつきを考慮した停止予測時間を導出するため、新しい技術が普及していく過程であっても、アイドリング停止を実行することが有効であるか否かをより正確に判定することができる。
【0034】
次に、本発明の停止通知装置における対象車両特定手段は、請求項5に記載のように、他車両情報を取得する毎に、該他車両情報を発信した他車両が対象車両に該当するか否かを判定するように構成されていても良い。また、対象車両特定手段は、他車両情報取得手段にて取得した他車両情報に対応する他車両の中から、対象車両に該当するものを全て検出し、その検出した全てのものの中で、予め規定された規定条件を満たす一つを対象車両として特定するようにしても良い。
【0035】
ただし、これらのように構成された対象車両特定手段において、前者の場合、判定結果にて、該当する他車両を対象車両として特定するように構成されている必要がある。また、後者の場合、例えば、自車両から最も遠い位置に存在していることを規定条件としても良い。
【0036】
なお、本発明の停止通知装置における移動停止状態とは、請求項6に記載のように、内燃機関の動作が停止した状態、即ち、アイドリング停止した状態であることが望ましいが、請求項7に記載のように、走行が停止した状態(例えば、車速が0である状態や、ブレーキが作動している状態)であっても良い。
【0037】
前者であれば、他車両は、確実に停車中(アイドリング停止中)であるため、自車両が停止車列中に位置しているものとみなすことができる。
【0038】
さらに、本発明の停止通知装置の停止通知手段が停止通知を出力する車載機器とは、請求項8に記載のように、内燃機関の動作状態を制御する内燃機関制御装置であっても良いし、請求項9に記載のように、報知装置であっても良い。
【0039】
これらの停止通知装置においては、前者であれば、アイドリング停止を確実に実行することができ、後者であれば、自車両が停車した時の状況に応じて、乗員にアイドリング停止を実行させることができる。
【0040】
ところで、本発明の停止通知装置には、請求項10に記載のように、再始動判定手段と、再始動通知手段とが備えられていても良い。
【0041】
このような本発明(請求項10に記載)の停止通知装置では、再始動判定手段にて、自車両に搭載され、かつアイドリング停止された内燃機関を再始動させるべき再始動タイミングとなったものと判定されると、再始動通知手段が、自車両に搭載されている車載機器に対して、内燃機関を再始動するための始動通知を出力する。
【0042】
このため、本発明の停止通知装置によれば、始動通知に従って再始動タイミングにて内燃機関を再始動させることができる。したがって、本発明の停止通知装置によれば、停止車列の進行状況に沿ってスムーズに自車両を発進させることができ、自車両が渋滞の要因となることを低減できる。
【0043】
そして、本発明の停止通知装置における再始動判定手段は、請求項11に記載のように、アイドリング停止を開始した時から停止予測時間が経過したタイミングを再始動タイミングとするように構成されていても良い。
【0044】
また、再始動判定手段は、請求項12に記載のように、出発待時間導出手段が、移動停止情報が移動停止状態ではないことを表す他車両情報を取得する毎に、出発待時間を導出し、その導出した出発待時間が、発進遅れ時間よりも小さい場合に、再始動タイミングとするように構成されていても良い。なお、ここで言う出発待時間とは、当該他車両情報及び自車位置に従って、自車両と他車両との間の車両間距離を発進波速度で除した値である。
【0045】
さらには、本発明の停止通知装置における再始動判定手段は、請求項13に記載のように、自車位置、または他車両情報のうち、少なくとも一方に基づいて、自車両に対する危険度合いを危険性判定値として導出すると共に、その危険性判定値が規定閾値よりも大きい場合に、再始動タイミングとなったものと判定する危険度判定手段から構成されていても良い。
【0046】
ところで、通常、アイドリング停止を実行している車両(以下、特定停止車両とする)は、内燃機関のアイドリング停止中に自走することができない。このため、例えば、特定停止車両に対して他車両が追突しそうになったとしても、特定停止車両自体は、前もって回避行動を取ることが困難であるという問題があった。
【0047】
そこで、本発明の停止通知装置における危険度判定手段は、請求項14に記載のように、危険性判定手段と、判定値導出手段とから構成されていることが望ましい。
【0048】
このような本発明の停止通知装置では、危険性判定手段にて、他車両情報を取得する毎に、当該他車両情報を発信した他車両の進行路上に自車両が存在するか否かを判定し、その判定にて、他車両の進行路上に自車両が存在するものと判定された場合、判定値導出手段が、当該他車両が自車両に与える危険度を危険性判定値として導出する。
【0049】
このように構成された本発明の停止通知装置によれば、危険性判定車両の進行路上に自車両が存在し、しかも、その危険性判定車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも高い時を再始動タイミングとしているため、危険性判定車両が自車両に危険を与える前に、内燃機関を前もって始動させることができる。この結果、他車両が追突する前に、自車両の回避行動を取らせることができる。
【0050】
なお、他車両情報に、車速が含まれている場合、本発明の停止通知装置における判定値導出手段は、請求項15に記載のように、危険性判定車両と自車両との間の車両間距離を、危険性判定車両の車速で除した値を危険性判定値として導出するように構成されていても良い。このように判定値導出手段が構成されている場合、危険度判定手段は、発進遅れ時間を規定閾値とすることが望ましい。
【0051】
このように構成された本発明の停止通知装置では、危険性判定車両が自車両の後方から高速で接近してくるような場合に、危険性判定値が規定閾値よりも高くなる。つまり、本発明の停止通知装置によれば、危険性判定車両が自車両に接近している時点で内燃機関を再始動させることができ、回避行動をより確実に実行させることができる。
【0052】
ところで、例えば、大型車両が停止車両列に追突すると、乗用車(小型車両)が停止車両列に追突した場合に比べて、被害が拡大する可能性が高い。このため、大型車が接近していることが判明した時点で、内燃機関を再始動させることが望ましい。
【0053】
そこで、他車両情報に、車種を表す車種情報が含まれている場合、危険度判定手段が導出する危険性判定値は、請求項16に記載のように、危険性判定車両が大型車両であれば、規定閾値よりも大きな値であることが望ましい。
【0054】
また、通常、停止車両列の最前部、または最後方は、他車両に追突される可能性が高い。
【0055】
このため、危険度判定手段が導出する危険性判定値は、請求項17に記載のように、自車両が停止車両列の最前部または最後方である場合、規定閾値よりも大きな値であっても良い。
【0056】
なお、本発明の停止通知装置における再始動通知手段が始動通知を出力する車載機器は、請求項18に記載のように、内燃機関制御装置であっても良いし、請求項19に記載のように、報知装置であっても良い。
【0057】
これらの停止通知装置においては、前者であれば、内燃機関をアイドリング停止から確実に再始動させることができ、後者であれば、その時点での状況に応じて、内燃機関を乗員にアイドリング停止から再始動させることができる。
【0058】
なお、第二の課題を解決するためになされた本発明は、請求項20に記載のように、自車位置取得手段が、自車位置を取得し、他車両情報取得手段が、他車位置、移動停止情報、及び搭載情報が少なくとも含まれる他車両情報を取得すると共に、自車両の進行路上にて自車両から最短位置に存在する交差点を最近交差点とし、その最近交差点における停止線の位置を停止線位置とし、最近交差点における信号機が次に青信号へと変化するまでの時間を信号待時間とし、交差点情報取得手段が、停止線位置及び信号待時間を含む交差点情報を取得するように構成された停止通知装置であっても良い。
【0059】
ただし、請求項20に記載された停止通知装置では、自車両が停止したことが検知されると、停止時間導出手段が、交差点情報,自車位置,及び他車両情報に基づいて、停止予測時間を導出すると共に、停止予測時間が自車停止有効時間よりも長い場合、停止通知手段が、自車両に搭載されている車載機器に対して、アイドリング停止を実行させるための停止通知を出力するように構成されている必要がある。
【0060】
さらに、請求項20に記載の停止通知装置における停止時間導出手段は、開始時間導出手段が、自車両と停止線位置との間の特定距離を発進波速度で除した値を自車移動開始所要時間として導出し、未搭載数推定手段が、特定距離,及び他車両情報に基づいて、停止位置と自車両との間に存在する未搭載車の台数を推定して、遅延時間導出手段が、未搭載数推定手段にて推定された台数に発進遅れ時間を乗じた時間を自車移動開始遅延時間として導出すると共に、交差点情報に含まれている信号待時間と、自車移動開始所要時間と、自車移動開始遅延時間との和を、停止予測時間とするように構成されている必要がある。
【0061】
このような本発明の停止通知装置によれば、搭載車と非搭載車との発進タイミングのバラつきを考慮した停止予測時間を導出するため、アイドリング停止を実行することが有効であるか否かを適切に判定することができる。
【0062】
そして、本発明の停止通知装置からの停止通知に従って、アイドリング停止を実行することで、自車両の燃費を向上させることができ、さらには、自車両から排出される二酸化炭素の量を低減することができる。
【0063】
例えば、交差点にて信号機が赤信号で自車両が停止し、停止車列中に大型車両が存在する場合、その大型車両と自車両との間に停車中の未搭載車を運転する運転者は、信号機の状態などの進行路上の様子をうかがうことができない。この場合、アイドリング停止を実行している未搭載車が再発進するためには、大型車両が出発し、信号が変わったことを運転者が確認した後、内燃機関をアイドリング停止状態から再始動させることになる。この時、大型車両と自車両との間に停車中の未搭載車が再発進するために要する時間は、大型車両と停止線との間に停車中である未搭載車よりも長くなる。
【0064】
そこで、他車両情報に、他車両の車高に関連する車高情報が含まれている場合、本発明の停止通知装置における遅延時間導出手段は、請求項21に記載のように、車高情報、及び自車位置に基づき、基準値よりも車高が大きい大型車両が停止車列の中に含まれているか否か判定し、判定の結果、大型車両が含まれている場合、自車移動開始遅延時間が大きな値となるように補正するように構成されていることが望ましい。
【0065】
このように構成された本発明の停止通知装置によれば、運転者の行動に即した自車移動開始遅延時間を導出することができる。
【0066】
ところで、信号機が赤で停車した場合、大型車両と停止線との間に位置する車両の運転者(以下、特定運転者とする)は、搭載車、非搭載車に拘わらず、信号機を目視できる可能性が高い。このため、特定運転者は、信号が変わると同時に内燃機関を再始動することができ、先行車両から遅れが生じること無く、その該当車両をスムーズに発進させることができる。
【0067】
したがって、請求項21に記載された停止通知装置において、信号機が赤であることにより自車両が停車したことを検知し、しかも大型車両と停止線との間に未搭載車が存在する場合、遅延時間導出手段は、自車移動開始遅延時間が小さな値となるように補正するように構成されていても良い。
【0068】
さらに、このように(請求項20及び請求項21に記載のように)構成された停止通知装置においては、請求項10に記載の再始動判定手段と、再始動通知手段とが備えられていても良い。
【0069】
このような本発明の停止通知装置によれば、始動通知に従って再始動タイミングにて内燃機関を再始動させることができる。したがって、本発明の停止通知装置によれば、停止車列の進行状況に沿ってスムーズに自車両を発進させることができ、自車両が渋滞の要因となることを低減できる。
【0070】
そして、本発明の停止通知装置における再始動判定手段は、請求項11、または請求項12に記載の再始動判定手段と同様に構成されていても良いし、請求項13に記載の再始動判定手段と同様に構成されていても良い。
【0071】
これらのように構成された停止通知装置によれば、それぞれ、請求項11,12,13に記載の停止通知装置と同様の効果を得ることができる。
【0072】
なお、請求項20及び請求項21に記載のように構成された停止通知装置においては、請求項14〜請求項19に記載の構成と同様の構成を備えていても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0074】
ここで、図1は、自動車に搭載されたエンジンのアイドリング停止が有効であるか否かを判定し、判定結果に従った通知を出力するアイドリング停止通知システムの概略構成を示すブロック図である。なお、以下では、アイドリング停止通知システム1を、単に、停止通知システム1と称す。
〈全体構成〉
停止通知システム1は、図1に示すように、自動車それぞれに搭載される車載器10,と、道路上の路側に設置されている複数の路側機7とを備え、車載器10同士の通信、及び車載器10と路側機7との間の通信を実行するものである。なお、車載器10は、一台の自動車に一台ずつ搭載されるものである。
【0075】
このうち、路側機7は、信号機を有した交差点(以下、対応交差点とする)の近傍に配置され、路車間通信を利用して車載器10との間でデータ通信を行う周知のものである。以下、対応交差点が有する信号機を対応信号機と称す。
【0076】
この路側機7は、対応交差点及び対応信号機に関する情報(以下、交差点情報とする)を、アンテナ8を介して通信エリア内に送信するように構成されている。
【0077】
その交差点情報は、通信中のデータが交差点情報であることを示すヘッダと、対応交差点の位置を表す緯度,経度からなる交差点位置と、対応交差点が有する停止線(以下、対応停止線とする)の位置を表す緯度,経度からなる停止線位置と、対応信号機が赤信号であるか否かを示す停止信号情報と、対応信号機が次に青信号に変更されるまでの時間である信号待時間Tsとを備えている。
【0078】
つまり、路側機7の通信エリアを通過、もしくは通信エリア内に停止中の車両に搭載された車載器10では、周知の路車間通信を利用して、路側機7が発信した交差点情報を受信することになる。
〈車載器の構成について〉
次に、車載器10の構成について説明する。
【0079】
なお、以下では、必要に応じて、自車両以外の車両に搭載された車載器10には符合aを付して区別する(即ち、車載器10aと記載する)と共に、車載器10aが搭載された車両を他車両と称す。また、車載器10aは、搭載される車両が異なることの他は、車載器10と同様に構成されているため、車載器10aを構成する各機器については、必要に応じて符合aを付し、詳しい説明を省略する。
【0080】
そして、車載器10は、アンテナ11を介して、車載器10aや路側機7との間で情報を送受信する送受信機器12と、送受信機器12に接続されると共に、自車両に搭載されているエンジンのアイドリング停止を実行することが有効であるか否かを判定し、その判定結果に従った制御指令を車載機器に対して出力するアイドリング停止関連通知装置20とを備えている。なお、アイドリング停止関連通知装置20は、本発明のアイドリング停止通知装置に相当し、以下では、単に、停止通知装置20と称す。
【0081】
さらに、停止通知装置20には、車載器10を構成する機器として、自車両の状態を検知するセンサ群17と、自車両に搭載されているエンジンの動作状態を制御するエンジン制御電子制御装置(以下、エンジン制御ECUと称す)40と、車室内に情報を報知する報知装置50とが接続されている。
【0082】
この車載器10を構成する機器のうち、センサ群17は、自車両の位置,進行方向及び現在の時刻である現時刻を検出する位置検出器13と、自車両の車速(以下、自車両速度とする)を検出する速度センサ16とからなる。
【0083】
そして、位置検出器13は、自車両に加えられる回転運動の大きさを検出する方位センサ14(例えば、ジャイロセンサ)と、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信するGPSセンサ15とを備えている。そして、この位置検出器13は、方位センサ14からの検出信号、及びGPSセンサ15からの受信信号に従って、自車両が位置する現在の緯度,経度からなる自車位置、自車両が現在進行している進行方向(以下、自車進行方向と称す)、及び現時刻を導出し、それらの導出した情報を停止通知装置20に出力するように構成されている。
【0084】
さらに、報知装置50は、車室内に配置されるものであり、停止通知装置20からの制御指令に従って画像を表示する表示装置51と、停止通知装置20からの制御指令に従って音声を出力する音声出力装置52とを備えている。
【0085】
なお、位置検出器13及び報知装置50は、車載器10専用で備えていても良いし、ナビゲーション装置などの周知の車載機器に備えられたものでも良い。
【0086】
また、エンジン制御ECU40は、LAN通信バスを介して停止通知装置20に接続されており、図示しない、スロットル開度センサ、アクセルペダル開度センサからのエンジン状態情報(即ち、エンジン制御状態(エンジンが動作中であるか否かや、エンジンの回転数など)、アクセル操作状態)を、停止通知装置20に出力するように構成されている。さらに、エンジン制御ECU40は、目標加速、フューエルカット要求等を受信し、これらの受信した情報に応じて、エンジンのスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータに対して駆動指令を出力することで、エンジンの駆動力を制御するように構成されている。なお、本実施形態において、LAN通信バスを介して行う装置間のデータ通信は、車載ネットワークで一般的に行われているCAN(Robert Bosch社が提案した「Controller Area Network」)プロトコルを用いている。
【0087】
以下、自車位置、自車進行方向、現時刻に、自車両速度、エンジン状態情報を加えた情報を自車状態情報と称す。
【0088】
また、送受信機器12は、路側機7からの交差点情報を受信すると共に、車車間通信を利用して、通信可能範囲内に位置する送受信機器12aとの間で、データ通信を実行するように構成されている。その車車間通信を利用したデータ通信では、車載器10,10aが搭載されている車両それぞれの状態を表す車両情報を送受信する。
【0089】
なお、以下では、送受信機器12から送信する車両情報(即ち、自車両についての車両情報)を自車両情報と称し、送受信機器12にて受信した車両情報(即ち、他車両についての車両情報)を他車両情報と称す。
【0090】
さらに、送受信機器12は、受信した交差点情報、及び他車両情報を停止通知装置20に出力するように構成されている。
【0091】
ここで、図2は、車車間通信を利用して送信する自車両情報の概略構成を示す説明図である。
【0092】
図2に示すように、自車両情報は、通信中のデータが車両情報であることを示すヘッダと、その自車両情報を生成した車載器10が搭載されている車両を識別するための自車両IDと、自車位置と、自車進行方向と、自車両速度と、自車両のエンジンが停止中であるか否かを示す自車エンジン停止フラグとを有している。さらに、自車両情報は、自車両のエンジンを停止した時刻(以下、自車エンジン停止時刻とする)と、アイドリング停止を実行することが有効となるために自車両のエンジン停止を継続する期間の最低限の長さとして予め規定された時間(以下、自車停止有効時間と称す)とを有している。また、自車両情報は、自車両の車高や、車種、大きさ等を示す自車種別情報と、自車両に搭載されている車載機器の種類(例えば、前方監視装置、ナビゲーション装置など)を表す自車装備情報とを有している。
【0093】
なお、他車両情報に含まれている各情報については、上記説明及び図2に記載した「自車」を「他車」と読み替えるものとして説明を省略する。
【0094】
つまり、車載器10aに備えられた送受信機器12aの通信範囲内を走行中、もしくは通信範囲内に停車中の車両に搭載された車載器10では、車載器10aから送信された車両情報を他車両情報として受信する。
〈アイドリング停止関連通知装置について〉
次に、停止通知装置20について説明する。
【0095】
この停止通知装置20は、交差点情報,他車両情報,自車状態情報に基づいて、エンジンのアイドリング停止を実行することが有効であるか否か(以下、停止有効判定と称す)、及びアイドリング停止されているエンジンの再始動を実行することが有効であるか否か(以下、再始動有効判定と称す)を判定し、それらの判定結果に従った制御指令を報知装置50に出力するものである。
【0096】
そして、停止通知装置20は、送受信機器12から出力された他車両情報及び交差点情報を取得すると共に、当該停止通知装置20にて生成した自車両情報の送受信機器12へと出力する通信制御部21を有している。さらに、停止通知装置20は、センサ群17から出力された自車位置、自車進行方向、現時刻、及び自車両速度を取得するセンサ制御部22と、エンジン制御ECU40から出力されたエンジン状態情報を取得する車内通信部23とを備えている。
【0097】
また、停止通知装置20は、センサ群17及びエンジン制御ECU40から自車状態情報を取得する毎に、その取得した自車状態情報が記憶される自車両データベース(以下、自車両DBとする)31と、送受信機器12を介して他車両情報を取得する毎に、その取得した他車両情報が、図3に示すように記憶される他車両データベース(以下、他車両DBとする)32を備えている。そして、停止通知装置20は、地図データ(例えば、周知のノードデータ、リンクデータ、コストデータ、道路データ、地形データ、交差点データ等)が予め記憶されていると共に、送受信機器12を介して交差点情報を取得する毎に、その取得した交差点情報が記憶される道路情報データベース(以下、道路情報DBとする)33とを備えている。さらに、停止通知装置20は、通信制御部21,センサ制御部22,車内通信部23を介して取得した各種情報を後段に出力すると共に、その取得した各種情報を対応するデータベース31,32,33に記憶し、さらには必要な情報をデータベース31,32,33からの読み出すデータ管理部24を備えている。
【0098】
そして、停止通知装置20は、データ管理部24からの各種情報に従って、自車両情報を生成すると共に、停止有効判定、再始動有効判定を実行する処理実行部25と、処理実行部25での判定の結果に従った制御指令を、報知装置50へと出力する制御実行部26とを有している。
【0099】
なお、停止通知装置20は、電源が切断されても記憶内容を保持する記憶装置(例えば、フラッシュメモリ等)と、処理途中で一時的に生じたデータを格納するメモリ(例えば、DRAM等)と、記憶装置やメモリに記憶された処理プログラムを実行する演算装置とを備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成されたものである。したがって、上述した各部21〜26は、停止有効判定、及び再始動有効判定を実施し、その判定結果に従った制御指令を出力する停止・始動有効判定処理を停止通知装置20(より正確には、演算装置)が実行することによって実現される機能である。また、上述したデータベース31,32,33は、停止通知装置20が停止・始動有効判定処理を実行することにより、記憶装置またはメモリにより実現される機能である。
【0100】
なお、以下では、交差点情報と他車両情報とを併せて、判定用情報と称す。
〈停止・始動有効判定処理について〉
次に、停止通知装置20が実行する停止・始動有効判定処理について説明する。
【0101】
ここで、図4は、停止・始動有効判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0102】
この停止・始動有効判定処理は、停止通知装置20が起動されると、処理が開始されるものである。
【0103】
そして、この停止・始動有効判定処理が起動されると、まず、S110にて、送受信機器12から判定用情報を取得したか否かを判定し、判定の結果、判定用情報を取得していなければ、判定用情報を取得するまで待機する。すなわち、送受信機器12にて判定用情報を受信すると、S120へと進む。
【0104】
そのS120では、S110にて取得した判定用情報を、その判定用情報の内容に対応するデータベース32,32に記憶する。続くS130では、S110にて取得した判定用情報が他車両情報であるか、交差点情報であるかを判定し、判定の結果、判定用情報が他車両情報であれば、S140へと進む。具体的に、本実施形態の停止・始動有効判定処理では、判定用情報に含まれているヘッダに従って、判定用情報が、他車両情報であるか交差点情報であるかを特定し、その特定された情報を対応するデータベース32,33に記憶する。
【0105】
さらに、S140では、他車両情報,及び自車状態情報に基づいて、停止有効判定、または再始動有効判定を実行し、それらの判定結果に従った制御指令を報知装置50に出力する第一判定通知処理を実行する。
【0106】
そして、その後、S110へと戻る。
【0107】
一方、S130での判定の結果、判定用情報が交差点情報であれば、S160へと進む。そのS160では、交差点情報,他車両情報,及び自車状態情報に基づいて、停止有効判定、または再始動有効判定を実行し、それらの判定結果に従った制御指令を報知装置50に出力する第二判定通知処理を実行する。
【0108】
そして、その後S110へと戻る。
<第一判定通知処理について〉
次に、停止・始動有効判定処理のS140にて起動される第一判定通知処理について説明する。
【0109】
ここで、図5は、第一判定通知処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0110】
この第一判定通知処理は、処理が起動されると、まず、S410にて、速度センサ16にて検知した自車両速度が0km/sとみなせるか否かを判定し、判定の結果、自車両速度が0km/sとみなせれば、S420へと進む。なお、ここで言う「0km/sとみなせる」とは、自車両速度が、0km/sと一致することに限らず、限りなく0に近い値として予め設定された速度範囲内であることを含むものである。すなわち、自車両が走行を停止していれば、S420へと進む。
【0111】
そのS420では、エンジン制御ECU40からのエンジン状態情報に従って、自車両のエンジンが停止中であるか否かを判定し、判定の結果、エンジンが停止中でなければ、即ち、エンジンが動作中であれば、S430へと進む。
【0112】
そして、S430では、位置検出器13からの自車位置,及び自車進行方向と、先のS110にて取得した他車両情報(以下、該当他車両情報とし、該当他車両情報を送信した他車両を該当他車両と称す)に含まれている他車位置,及び他車進行方向と、道路情報DB33からの地図データに基づき、自車両が走行している道路における自車進行方向に位置する部位(即ち、進行路)上に、該当他車両が存在しているか否かを判定する。その判定の結果、自車両の進行路上に該当他車両が存在していれば、S440へと進む。なお、このS430での判定は、周知の処理であるため、詳しい説明は省略する。
【0113】
さらに、S440では、該当他車両情報に含まれている他車エンジン停止フラグがエンジン停止中であることを表していれば、即ち、該当他車両のエンジンが停止中であれば、S450へと進む。すなわち、自車両がエンジン動作中であり、しかも、エンジン停止中である該当他車両が自車両の進行路上に存在する場合、該当他車両を少なくとも含む停止車両群が存在することにより、自車両が停止したものと判断して、S450へと進む。
【0114】
そして、S450では、自車両のエンジンについてアイドリング停止を実施可能であると予測される期間の長さ(以下、停止予測時間Tとする)を、自車両状態情報及び該当他車両情報に基づいて導出し、その停止予測時間Tに従って停止有効判定を実施して、報知装置50へと制御指令を出力する停止判定処理を実行する。
【0115】
そして、その後、第一判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0116】
ところで、S420での判定の結果、判定の結果、自車両のエンジンが停止中であれば、即ち、自車両が走行しておらず(S410:Yes)、しかもエンジンが停止中である場合には、S470へと進む。
【0117】
そのS470では、再始動判定を実施して、その判定結果に従った制御指令を報知装置50へと出力する再始動判定処理を実行する。その後、第一判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0118】
なお、S410での判定の結果、自車両速度が0km/sとみなせない場合には、自車両が走行中であるため、停止判定処理または再始動処理を実行する必要性が無いものと判断する。このため、第一判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0119】
さらに、S430での判定の結果、自車両の進行路上に該当他車両が存在していない場合や、S440での判定の結果、該当他車両のエンジンが動作中である場合には、停止予測時間Tを導出するために必要な情報が該当他車両情報には含まれていない。このため、停止判定処理を実行すること無く第一判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0120】
つまり、第一判定通知処理では、自車両の進行路上に停止車両列が存在することにより、自車両が停止したものと推定でき、しかも停止予測時間Tを導出するために必要な情報が該当他車両情報には含まれている場合には、停止判定処理を実行する。ただし、第一判定通知処理は、自車両がエンジンを停止して停車中である場合には、再始動処理を実行する。
〈停止判定処理について〉
次に、第一判定通知処理のS450にて起動される停止判定処理について説明する。
【0121】
ここで、図6は、停止判定処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0122】
この停止判定処理は、起動されると、まず、S4510にて、自車位置と、該当他車両情報に含まれている他車位置とに従って、該当他車両と自車両との間の距離(以下、自他間距離と称す)Lcを導出する。
【0123】
続いて、停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置とし、先頭車両から順次発進する時に停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値(以下、発進波速度νとする)により、S4510で導出した自他間距離Lcを除した値(時間)を移動開始所要時間Tmwとして導出する(S4520)。すなわち、移動開始所要時間Tmwは、停止中である該当他車両が発進した場合に、自車両が停止先頭位置(即ち、発進可能)となるまでに要する期間の長さである。
【0124】
そして、該当他車両情報に含まれている他車エンジン停止時刻から、現時刻を引いた差を、停止経過時間ΔTpとして導出する(S4530)。つまり、停止経過時間ΔTpは、該当他車両にてアイドリング停止が継続されている期間の長さである。
【0125】
さらに、該当他車両情報に含まれている停止有効時間Teaから、S4530で導出した停止経過時間ΔTpを引いた差を、発進待機時間Tawとして導出する(S4540で)。つまり、発進待機時間Tawは、現時刻から該当他車両が発進するまでの期間の長さ(即ち、時間)として想定される最低限の期間の長さである。
【0126】
続いて、自他間距離Lcに停止中である全車両数(以下、停止車両数とする)nを導出する(S4550)。具体的に、本実施形態では、予め規定された平均車間距離δlと予め規定された平均車長lとの和により、自他間距離Lcを除した値を停止車両数nとして導出する(即ち、停止車両数n=自他間距離Lc/(平均車間距離δl+平均車長l))。
【0127】
さらに、自車位置、及び他車両DB32に記憶されている他車両情報に含まれている他車位置に従って、他車両DB32に記憶されている他車両情報の中から、自車両と該当他車両との間の道路上に位置している他車両についての他車両情報を取得する(S4560)。そして、その取得した他車両情報に含まれている他車位置に基づいて、該当他車両と自車両との間に存在している他車両の台数(以下、他車両数mとする)、即ち、車載器10aを搭載している車両数mを導出する(S4570)。本実施形態では、具体的に、S4660にて取得した他車両情報の数を、他車両数mとしている。
【0128】
そして、停止車両数nから車両数mを引いた差を、該当他車両と自車両との間に存在している未搭載車両数(n−m)として導出する(S4580)。なお、未搭載車両とは、車載器10aを搭載していない車両である。
【0129】
続いて、エンジンをアイドリング停止から再始動し、車両が自走可能となるまでに要する期間の平均長さとして予め規定された時間(以下、発進遅れ時間)ΔTaと、未搭載車両数(n−m)との乗を、開始遅延時間として導出する(S4590)。つまり、開始遅延時間は、該当他車両と自車両との間に存在している全未搭載車両での遅れ時間を累積したものである。これは、未搭載車両においては、他車両よりもエンジンの再始動及び発進が遅れるためである。
【0130】
さらに、移動開始所要時間Tmwと、発進待機時間Tawと、開始遅延時間との和を、停止予測時間Tとして導出し(S4600)、その導出した停止予測時間Tが、自車停止有効時間よりも大きいか否かを判定する(S4610)。
【0131】
そして、S4610での判定の結果、停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きければ(S4610:YES)、自車両においてアイドリング停止を実行することで、アイドリングを継続するよりも消費する燃料の量を低減できる(つまり、アイドリング停止の実行が有効である)ものと判断し、S4620へと進む。
【0132】
そのS4620では、アイドリング停止を実行させるための停止信号を制御指令として、報知装置50に出力する。これにより、報知装置50では、現時刻でアイドリング停止を実行すべき旨を示す画像を表示装置51に表示させ、その旨を示す音声を音声出力装置52から出力させる。
【0133】
そして、その後、本停止判定処理を終了して、第一判定通知処理へと戻る。
【0134】
なお、S4610での判定の結果、停止予測時間Tが自車停止有効時間以下であれば(S4610:NO)、自車両においてアイドリング停止を実行することで、アイドリングを継続するよりも消費する燃料の量が増加する(つまり、アイドリング停止の実行が無効である)ものと判断する。そして、報知装置50に対して、制御指令を出力すること無く、第一判定通知処理へと戻る。
【0135】
つまり、本実施形態における停止判定処理では、車載器10aから受信した他車両情報、及び自車両にて検出した自車状態情報に基づいて、即ち、交差点情報を用いることなく、停止予測時間Tを導出し、その導出した停止予測時間Tに従ってアイドリング停止を実行することが有効であるか否かを判定する。そして、停止判定処理では、その判定の結果、アイドリング停止を実行することが有効であれば、停止信号を制御指令として、報知装置50に出力する。
〈再始動判定処理について〉
次に、第一判定通知処理のS470にて起動される再始動判定処理について説明する。
【0136】
ここで、図7は、再始動判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0137】
この再始動判定処理は、起動されると、まず、S4710にて、該当他車両情報に含まれている他車エンジン停止フラグが、エンジン停止中であることを表しているか否かを判定する。そして、S4710での判定の結果、他車エンジン停止フラグがエンジン停止中であることを表していなければ、即ち、自車両のエンジンが停止中であり(S420:YES)、しかも、他車両のエンジンが動作中である場合、S4720へと進む。そのS4720では、自車位置と、該当他車両情報に含まれている他車位置とに従って、自他間距離Lcを導出する。
【0138】
続いて、位置検出器13からの自車位置,及び自車進行方向と、該当他車両情報に含まれている他車位置,及び他車進行方向と、道路情報DB33からの地図データに基づき、自車両の進行路上に該当他車両が存在しているか否かを判定する(S4730)。その判定の結果、自車両の進行路上に該当他車両が存在していなければ、S4740へと進む。
【0139】
そのS4740では、先のS4730と同様の方法により、該当他車両の進行路上に自車両が存在しているか否かを判定する。そして、判定の結果、該当他車両の進行路上に自車両が存在している場合、該当他車両情報に含まれている他車種別情報に基づいて、該当他車両が大型車両であるか否かを判定する(S4750)。
【0140】
そして、S4750での判定の結果、該当他車両が大型車両でなければ、S4760へと進む。そのS4760では、速度センサ16にて検知した自車両速度,及び自車進行方向と、該当他車両情報に含まれている他車両速度,及び他車進行方位とに基づき、自車両と該当他車両との相対速度vを導出し、その導出した相対速度vにより自他間距離Lcを除した値を判定指標TTCとして導出する。つまり、判定指標TTCは、該当他車両及び自車両が現時点の状態を継続した時に、該当他車両が自車両に接触するまでに要する期間の長さとして導出される。
【0141】
続いて、エンジンが始動するまでに要する十分な期間の長さとして予め規定された規定時間を、発進遅れ時間ΔTaに加えた時間を比較時間とし、判定指標TTCが比較時間よりも小さいか否かを判定する(S4780)。その判定の結果、判定指標TTCが比較時間よりも小さければ、該当他車両が自車両に対して与える危険度が予め規定された規定閾値よりも高いものと判断し、S4790へと進む。
【0142】
なお、S4750での判定の結果、該当他車両が大型車両である場合、該当他車両が自車両に対して与える危険度が予め規定された閾値よりも高いものと判断し、S4790へと進む。
【0143】
ところで、S4730での判定の結果、自車両の進行路上に該当他車両が存在していれば、S4720にて導出した自他間距離Lcを発進波速度νで除することにより、移動開始所要時間Tmwを導出する(S4800)。続いて、その導出した移動開始所要時間Tmwが、発進遅れ時間ΔTaよりも大きいか否かを判定する(S4810)。その判定の結果、移動開始所要時間Tmwが発進遅れ時間ΔTaよりも大きければ(S4810:YES)、停止車両列に停止していた該当他車両が発進したものと判断し、S4790へと進む。
【0144】
そのS4790では、エンジンを始動(即ち、アイドリング停止から再始動)させるための始動信号を制御指令として、報知装置50に出力する。これにより、報知装置50では、現時刻でエンジンを再始動すべき旨を示す画像を表示装置51に表示させ、その旨を示す音声を音声出力装置52から出力させる。
【0145】
なお、S4710での判定の結果、他車エンジン停止フラグがエンジン停止中であることを示す場合や、S4810での判定の結果、移動開始所要時間Tmwが発進遅れ時間ΔTa以下である場合、自車両を含む停止車列に変化が無いものと判断し、報知装置50に対して始動信号を出力すること無く、本再始動判定処理を終了する。また、S4740での判定の結果、該当他車両の進行路上に自車両が存在していない場合や、判定指標TTCが比較時間以上である場合、該当他車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも低いものと判断し、報知装置50に対して始動信号を出力すること無く、本再始動判定処理を終了する。
【0146】
つまり、本実施形態における再始動判定処理では、停止車両列中に位置していた該当他車両が発進した場合や、自車両に接近してくる該当他車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも高い場合には、エンジンをアイドリング停止から再始動することが有効であるものと判断する。そのような判断が停止通知装置20にてなされると、再始動処理では、エンジンを再始動させるための始動信号を報知装置50に出力する。
〈第二判定通知処理について〉
次に、停止・始動有効判定処理のS160にて起動される第二判定通知処理について説明する。
【0147】
ここで、図8は、第二判定通知処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0148】
この第二判定通知処理は、処理が起動されると、まず、S610にて、速度センサ16にて検知した自車両速度が0km/sとみなせるか否かを判定し、判定の結果、自車両速度が0km/sとみなせれば、S620へと進む。すなわち、自車両が走行を停止していれば、S620へと進む。
【0149】
そのS620では、先のS10にて取得した交差点情報(以下、該当交差点情報と称す)に含まれている停止信号情報に従って、対応信号機が赤信号であるか否かを判定し、判定の結果、対応信号機が赤信号であれば、S630へと進む。すなわち、対応信号機が赤信号であることにより、自車両が停止中であるものと判断する。
【0150】
そして、S630では、自車両状態情報、該当交差点情報、及び他車両情報に基づいて、停止予測時間Tを導出する停止継続期間導出処理を実行する。続いて、停止継続期間導出処理にて導出された停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きいか否かを判定する(S650)。その判定の結果、停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きければ(S650:YES)、自車両においてアイドリング停止を実行することで、アイドリングを継続するよりも消費する燃料の量を低減できる(つまり、アイドリング停止の実行が有効である)ものと判断し、S660へと進む。
【0151】
そのS660では、アイドリング停止を実行させるための停止信号を制御指令として、報知装置50に出力する。これにより、報知装置50では、現時刻でアイドリング停止を実行すべき旨を示す画像を表示装置51に表示させ、その旨を示す音声を音声出力装置52から出力させる。
【0152】
続いて、先のS630にて導出した停止予測時間Tが、S660にて停止信号を出力してから経過したか否かを判定し(S670)、停止予測時間が経過していなければ、経過するまで待機する。そして、停止予測時間が経過すると、エンジン制御ECU40からのエンジン状態情報に従って、自車両のエンジンが停止中であるか否かを判定する(S680)。
【0153】
そのS680での判定の結果、自車両のエンジンが停止中であれば、S690にて、エンジンを始動(即ち、アイドリング停止から再始動)させるための始動信号を制御指令として、報知装置50に出力する。これにより、報知装置50では、現時刻でエンジンを再始動すべき旨を示す画像を表示装置51に表示させ、その旨を示す音声を音声出力装置52から出力させる。
【0154】
そして、その後、本第二判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0155】
なお、S610での判定の結果、自車両速度が0km/sとみなせない場合や、S620での判定の結果、停止信号情報が赤信号ではないことを表す場合には、対応信号機が赤信号でないことにより、自車両が停止中ではないものと判断する。このため、報知装置50に対して、制御指令(即ち、停止信号または始動信号)を出力することなく、本第二判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0156】
また、S650での判定の結果、停止予測時間Tが自車停止有効時間以下であれば(S650:NO)、自車両においてアイドリング停止を実行すると、アイドリングを継続するよりも消費する燃料の量が増加する(つまり、アイドリング停止の実行が無効である)ものと判断する。このため、報知装置50に対して、制御指令を出力すること無く、本第二判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0157】
さらに、S680での判定の結果、自車両のエンジンが停止中で無い場合、停止信号を出力してから停止予測時間Tが経過する前に、自車両の運転者がエンジンを再始動させたものと判断する。このため、報知装置50に対して、始動信号を出力すること無く、本第二判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
〈停止継続時間導出処理について〉
次に、第二判定通知処理のS630にて起動される停止継続時間導出処理について説明する。
【0158】
ここで、図9は、停止継続時間導出処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0159】
この停止継続時間導出処理は、処理が起動されると、まず、S6310にて、該当交差点情報に含まれている交差点位置及び自車位置に従って、他車両DB32に記憶されている他車両情報の中から、自車両と対応停止線との間の道路上に位置している他車両についての他車両情報を取得する。
【0160】
続いて、該当交差点情報に含まれている交差点位置と自車位置とに従って、対応停止線と自車両との間の距離(以下、停止線間距離と称す)Llを導出する(S6320)。
【0161】
さらに、停止線間距離Llを発進波速度νにて徐した値(時間)と、該当交差点情報に含まれている信号待時間Tsとの和を、移動開始所要時間Tmwとして導出する(S6330)。すなわち、ここでの移動開始所要時間Tmwは、対応交差点に形成されている停止車両列において、対応停止線の位置に停止中である先頭車両が発進してから、自車両が停止先頭位置と(即ち、発進可能)となるまでに要する期間の長さである。
【0162】
続く、S6340では、開始遅延時間を導出する開始遅延時間導出処理を実行する。なお、開始遅延時間とは、未搭載車両が他車両よりもエンジンの再始動及び発進が遅れることにより自車両の発進が遅れる期間の長さである。
【0163】
そして、S6330にて導出した移動開始所要時間Tmwと、S6340で導出した開始遅延時間との和を、停止予測時間Tとして導出する(S6350)。
【0164】
そして、その後、第二判定通知処理のS650へと進み、自車両にてアイドリング停止を実行することが有効であるか否かを判定する。
〈開始遅延時間導出処理〉
次に、停止継続時間導出処理のS6340にて起動される開始遅延時間導出処理について説明する。
【0165】
ここで、図10は、開始遅延時間導出処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0166】
この図10に示すように、開始遅延時間導出処理は、起動されると、まず、S6410にて、先のS6310にて取得した他車両情報の中に、大型車両であることを表す種別情報が含まれたものが一つでもあるか否かを判定する。
【0167】
すなわち、このS6410では、対応停止線と自車両との間の道路上に、少なくとも一台の大型車両が停止しているか否かを判定し、判定結果、大型車両が一台も停止していなければ、S6420へと進む。例えば、他車種別情報に含まれている車高が予め規定された規定値以上であれば、その他車種別情報を含む他車両情報を発信した他車両を大型車両であるものと判定しても良い。
【0168】
そのS6420では、対応停止線と自車両との間に停止中である全車両数(即ち、停止車両数)nlを導出する。具体的に、本実施形態では、平均車間距離δlと平均車長lとの和により、停止線間距離Llを除した値を停止車両数nとして導出する(即ち、停止車両数n=停止線間距離Ll/(平均車間距離δl+平均車長l))。
【0169】
さらに、先のS6310にて取得した全他車両情報に含まれている他車位置に基づいて、対応停止線と自車両との間に存在する他車両数ml、即ち、車載器10aを搭載している車両数mlを導出する(S6430)。具体的には、他車位置が対応停止線と自車両との間に存在していることを表す他車両情報の数を他車両数mlとする。そして、停止車両数nlから車両数mlを引いた差を、対応停止線と自車両との間に存在している未搭載車両数(nl−ml)として導出する(S6440)。
【0170】
続いて、発進遅れ時間ΔTaと未搭載車両数(nl−ml)との乗を、開始遅延時間として導出する(S6450)。つまり、開始遅延時間は、対応停止線と自車両との間に存在している各未搭載車両についての遅れ時間を累積したものである。
【0171】
そして、その後、停止継続時間導出処理のS6340へと戻り、S6450で導出した開始遅延時間を用いて、停止予測時間Tを導出する。
【0172】
ところで、S6410での判定の結果、対応停止線と自車両との間に、大型車両が一台でも停止していれば、S6460へと進む。
【0173】
そのS6460では、S6410にて、大型車両であることを表す他車種別情報が含まれているものと判定された全ての他車両情報の中で、他車位置が対応停止線に最も近いことを表す他車両情報を抽出する。以下、S6410にて抽出された他車両情報を特定他車両情報とし、特定他車両情報に対応する大型車両を特定大型車両と称す。
【0174】
続いて、該当交差点情報に含まれている交差点位置と、特定他車両情報に含まれている他車位置とに基づいて、特定大型車両と対応停止線との間の距離Lbを導出する(S6470)。
【0175】
さらに、特定大型車両と対応停止線との間に停止中である全車両数(即ち、停止車両数)nbを導出する(S6480)。具体的に、本実施形態では、平均車間距離δlと平均車長lとの和により、距離Lbを除した値を停止車両数nbとして導出する(即ち、停止車両数nb=停止線間距離Lb/(平均車間距離δl+平均車長l))。
【0176】
さらに、先のS6310にて取得した全他車両情報に含まれている他車位置に基づいて、特定大型車両と対応停止線との間に存在する他車両数mbを導出する(S6490)。そして、停止車両数nbから他車両数mbを引いた差を、特定大型車両と対応停止線との間に存在している未搭載車両数(nb−mb)として導出する(S6500)。
【0177】
続いて、特定他車両情報に含まれている他車位置、及び自車位置に基づいて、特定大型車両と自車両との間の距離Laを導出する(S6510)。
【0178】
さらに、特定大型車両と自車両との間に存在している全車両数(即ち、停止車両数)naを導出する(S6520)。具体的に、本実施形態では、平均車間距離δlと平均車長lとの和により、距離Laを除した値を停止車両数naとして導出する(即ち、停止車両数na=停止線間距離La/(平均車間距離δl+平均車長l))。
【0179】
さらに、先のS6310にて取得した全他車両情報に含まれている他車位置に基づいて、特定大型車両と自車両との間に存在する他車両数maを導出する(S6530)。そして、停止車両数naから他車両数maを引いた差を、特定大型車両と自車両との間に存在している未搭載車両数(na−ma)として導出する(S6540)。
【0180】
続いて、特定大型車両と対応停止線との間に存在している各未搭載車両についての発進遅れ時間を発進遅れ時間ΔTbとし、発進遅れ時間ΔTbと未搭載車両数(nb−mb)との乗(以下、この乗を第一導出結果と称す)を導出する。さらに、発進遅れ時間ΔTaと未搭載車両数(na−ma)との乗(以下、この乗を第二導出結果と称す)を導出し、第一導出結果と第二導出結果との和を開始遅延時間として導出する(S6550)。つまり、開始遅延時間は、対応停止線と自車両との間に存在している大型車両により発進が遅れる各未搭載車両での遅れ時間を累積したものである。
【0181】
なお、本実施形態における発進遅れ時間ΔTbは、発進遅れ時間ΔTaに予め規定された定数kを乗じたものである。ただし、定数kは、1よりも小さな値である。これは、大型車両と停止線との間に存在している未搭載車両の運転者は、対応信号機が青信号に変化したことを視認することができるため、大型車両と自車両との間に存在している未搭載車両よりも発進遅れが少なくなるためである。
【0182】
そして、その後、停止継続時間導出処理のS6340へと戻り、停止予測時間Tを導出する。
〈動作例〉
次に、車載器10の動作例について説明する。
【0183】
ここで、図11(A),(B)は、第一動作例として想定した状況を示した説明図である。
【0184】
図11(A),(B)に示す第一動作例では、路側機7が設置されていない交差点における停止線の位置を先頭位置として形成された停止車列により、自車両が走行を停止した(即ち、速度が0km/s、かつエンジンは動作中である)状況を想定する。なお、想定した状況では、停止車列中には、車載器10aを搭載した一台の他車両80A,Bがアイドリング停止を実行した上で停車しており、この車載器10aの通信可能範囲内に、自車両に搭載されている車載器10は位置している。ただし、自車両としては、普通乗用車(即ち、小型車両)を想定し、他車両80A(即ち、図11(A)中の他車両)としては、自車両と同じ車種である小型車両を想定しているのに対し、他車両80B(即ち、図11(B)に示す他車両)としては、自車両とは異なる車種である大型車両を想定している。
【0185】
このような状況下において、停止・始動判定処理を実行している停止通知装置20は、車載器10aからの他車両情報を取得すると(即ち、S110:YES,S130:他車両情報)、第一判定通知処理中の停止判定処理へと移行する(S450)。その停止判定処理へと移行した停止通知装置20では、移動開始所要時間Tmw(S4520)と、発信待機時間Taw(S4540)と、開始遅延時間(S4590)とを導出し、それらの導出した時間から停止予測時間Tを導出する(S4600)。
【0186】
ところで、図11(A)に示すように、他車両80Aが小型車両であれば、自車両と他車両80Aとのそれぞれに搭載されているエンジンの排気量は略同じであるため、自車停止有効時間と他車停止有効時間とは、略同じ値(即ち、差分が0に近い値)となる。このため、停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも長いか否かを判定する時には、他車待機時間Tawに含まれる他車有効判定時間と、自車有効判定時間とが打ち消されることになる。
【0187】
つまり、自車停止有効時間と他車停止有効時間とがほぼ同じである場合、移動開始所要時間Tmwと開始遅延時間との和から、停止経過時間ΔTpを引いた値が、0よりも大きいか否かを判定していることになる。言い換えれば、このような場合、移動開始所要時間Tmw+開始遅延時間−停止経過時間ΔTp>0であれば、アイドリング停止を実行することが有効であると判定することになる。
【0188】
一方、図11(B)に示すように、他車両80Bが大型車両であれば、自車両と他車両80Bとのそれぞれに搭載されているエンジンの排気量が大きく異なるため、自車停止有効時間と他車停止有効時間とは大きく異なる。このため、停止判定処理を実行している停止通知装置20では、停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きいか否かを判定(S4610)していることと同じである。言い換えれば、停止予測時間T>自車停止有効時間であれば、アイドリング停止を実行することが有効であると判定することになる。
【0189】
そして、これらのように判定した結果、アイドリング停止が有効であれば、報知装置50からアイドリング停止が有効である旨を報知させる。
【0190】
この報知を受けた自車両の運転者は、エンジンのアイドリング停止を実行することになる。
〈第二動作例〉
次に、第二動作例について説明する。
【0191】
ここで、図12(A),(B)は、第二動作例として想定した状況を示した説明図である。
【0192】
図12(A),(B)に示す第二動作例では、路側機7が設置されている交差点の対応停止線の位置を先頭位置として形成された停止車列により、自車両が走行を停止した(即ち、速度が0km/s、かつエンジンは動作中である)状況を想定する。なお、想定した状況では、対応信号機は赤信号であり、停止車列中には、複数台の未搭載車両が存在していると共に、車載器10aを搭載した複数台の他車両がアイドリング停止を実行した上で停車している。また、この車載器10aの通信可能範囲内、及び路側機7の通信エリア内に、自車両に搭載されている車載器10は位置している。そして、自車両としては、普通乗用車(即ち、小型車両)を想定しており、図12(A)に示す他車両80Cとしては、自車両と同じ車種である小型車両を想定し、図12(B)に示す他車両80Dとしては、自車両よりも車高の大きな大型車両を想定している(以下、大型車両80Dとする)。
【0193】
このような状況下において、停止・始動判定処理を実行している停止通知装置20は、路側機7からの交差点情報を取得すると(即ち、S110:YES,S130:交差点情報)、第二判定通知処理へと移行する(S450)。
【0194】
その第二判定通知処理へと移行した停止通知装置20では、移動開始所要時間Tmwを導出し(S6320)、さらに、停止線位置と自車両との間に存在する未搭載車両の台数を推定して、開始遅延時間を導出する。
【0195】
そして、この未搭載車両の台数を推定して、開始遅延時間を導出する際の手順が、図12(A)に示す状況下と、図12(B)に示す状況下とでは、異なることになる。
【0196】
つまり、図12(A)に示す状況下では、停止車両列中に大型車両が存在していないため、対応停止線と自車位置との間に存在する未搭載車量の台数を推定し(S6440)、その推定した台数に、発進遅れ時間ΔTaを乗じることで開始遅延時間を導出することになる。
【0197】
一方、図12(B)に示す状況下では、停止車両列中に大型車両80Dが存在しているため、その大型車両80Dと停止線位置との間に存在する未搭載車両の台数(S6500)、及び大型車両80Dと自車位置との間に存在する未搭載車両の台数(S6540)をそれぞれ推定する。そして、推定した未搭載車両の台数それぞれに従って、開始遅延時間を導出する(S6550)。
【0198】
これらのように導出された開始遅延時間及び移動開始所要時間Tmwから導出した停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きければ(S650:YES)、報知装置50からアイドリング停止が有効である旨を報知させる。
【0199】
この報知を受けた自車両の運転者は、エンジンのアイドリング停止を実行することになる。
【0200】
さらに、自車両の運転者がアイドリング停止を実施していれば、停止予測時間Tが経過した後、アイドリング停止を解除してエンジンを再始動する旨が報知装置50から報知される。
【0201】
この報知を受けた自車両の運転者は、エンジンをアイドリング停止した状態から再始動させることになる。
〈第三動作例〉
次に、第三動作例について説明する。
【0202】
ここで、図13は、第三動作例として想定した状況を示した説明図である。
【0203】
図13に示す第三動作例では、停止車両列の最後方に停車している(即ち、速度0km/s、かつエンジンが停止中である)自車両に、自車両と同じ走行路を走行している大型車両である他車両80Eが接近してくる状況を想定する。ただし、自車両に搭載されている車載器10は、他車両80Eに搭載されている車載器10aの通信可能範囲内に位置しているものとする。
【0204】
このような状況下において、停止・始動判定処理を実行している停止通知装置20は、他車両80Eに搭載されている車載器10aからの他車両情報を取得すると(即ち、S110:YES,S130:他車両情報)、第一判定通知処理中の再始動判定処理へと移行する(S450)。
【0205】
その再始動判定処理へと移行した停止通知装置20では、他車両80Eが大型車両であることから、他車両80Eの進行路上に自車両が位置していることが判明した時点で、アイドリング停止を解除してエンジンを再始動する旨が報知装置50から報知される。
【0206】
なお、他車両80Eが小型車両であったとしても、他車両80Eの進行路上に自車両が位置し、しかも判定指標TTCが比較時間未満であれば、アイドリング停止を解除してエンジンを再始動する旨が報知装置50から報知される。
【0207】
このような報知を受けた自車両の運転者は、エンジンをアイドリング停止した状態から再始動させることになる。
[実施形態の効果]
以上、説明したように、本実施形態の停止通知装置20では、停止予測時間を導出するために用い、しかも自車両にて検知不可能な情報(即ち、交差点情報、もしくは他車両情報)のうち、他車両情報のみを取得したとしても、停止予測時間Tを導出することができる。このため、停止通知装置20によれば、停止有効判定を実行するために、路車間通信を利用して路側機7から交差点情報を取得する必要が無い。
【0208】
この結果、停止通知装置20によれば、停止有効判定を実行可能なエリアを、路側機7が設置されていない未設置区域にまで拡大することができる。
【0209】
ところで、自動車産業において、新しい技術が適用された装置を車両に搭載する場合、その装置は、高級車から搭載を開始し、徐々に、大衆車へと普及させていくことが一般的である。
【0210】
このため、停止通知装置20のような、アイドリング停止を解除すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置(即ち、停止通知装置20)が普及していく過程では、搭載車と、非搭載車とが混在する。この時、非搭載車では、アイドリング停止を解除すべき最適なタイミングでエンジンが始動されず、当該非搭載車が発進するタイミングは搭載車に比べて遅れる。つまり、新しい技術が普及していく過程では、装置の普及率により、搭載車と非搭載車との間に発進タイミングのバラつきが生じるという問題が生じる。
【0211】
ここで、図14は、第二動作例にて、停止通知装置20が停止信号を出力してから始動信号を出力するまでの期間の長さ、即ち、発進タイミングのバラつきを考慮した停止予測時間を導出することを示した模式図である。
【0212】
この図14に示すように、停止通知装置20では、移動開始所要時間Tmwと発進待機時間Tawとの和に、車両a,bが未搭載車であることによる遅れ時間(即ち、開始遅延時間)を加えた期間の長さを、停止予測時間Tとして導出している。
【0213】
言い換えれば、停止通知装置20によれば、移動開始所要時間Tmwと発進待機時間Tawと開始遅延時間との和を、停止予測時間Tとして導出しているため、自車両が移動を再開するまで、即ち、停止予測時間Tをより正確に導出ことができる。
【0214】
つまり、停止通知装置20によれば、搭載車と非搭載車との発進タイミングのバラつきである開始遅延時間を考慮した停止予測時間Tを導出するため、通知装置が普及していく過程であっても、アイドリング停止を実行することが有効であるか否かをより正確に判定することができる。このため、停止通知装置20によれば、自車両にてアイドリング停止を実行することが無効であるにもかかわらず、アイドリング停止を実行することが有効であると判断されることを低減できる。
【0215】
これらの結果、停止通知装置20によれば、停止通知装置20からの通知に従って、不必要なアイドリング停止が実行されることを抑制できる。そして、停止通知装置20からの通知に従って、アイドリング停止を実行することで、自車両の燃費を向上させることができ、さらには、自車両から排出される二酸化炭素の量を低減することができる。
【0216】
また、停止通知装置20によれば、再始動すべきタイミングに出力された始動信号に従って報知装置50が報知するため、適切なタイミングでエンジンを再始動させることができる。したがって、停止通知装置20によれば、停止車列の進行状況に沿ってスムーズに自車両を発進させることができ、自車両が渋滞の要因となることを低減できる。
【0217】
ところで、通常、アイドリング停止を実行している車両(即ち、自車両)は、エンジンのアイドリング停止中に自走することができない。このため、例えば、自車両に対して該当他車両が追突しそうになったとしても、自車両自体は、前もって回避行動を取ることが困難であるという問題があった。
【0218】
しかしながら、停止通知装置20では、自車両に接近してくる該当他車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも高い場合(即ち、該当他車両が大型車両である場合や、接近速度が高速である場合)には、報知装置50に対して始動信号を出力している。
【0219】
つまり、停止通知装置20によれば、該当他車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも高い時を始動信号を出力するタイミングとしているため、該当他車両が自車両に危険を与える前に、エンジンを前もって始動させることができる。この結果、該当他車両が自車両追突する前に、自車両の回避行動を取らせることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0220】
例えば、上記実施形態では、他車両に搭載される車載器10aは、車載器10と同様に構成されていたが、車載器10aは、車載器10と同様に構成されている必要はなく、車両情報を生成して送信可能なものであれば、どのように構成されていても良い。また、上記実施形態における車載器10では、車両情報を生成して、その生成した車両情報を自車両情報として通信可能範囲に送信していたが、車載器10において、自車両情報を送信する機能を有していなくとも良い。
【0221】
そして、車両情報として含まれる情報の内容は、上記実施形態に限るものではない、例えば、停止有効時間は含まれていなくとも良く、車両情報を受信した停止通知装置にて、車種情報に従って推定するように構成しても良い。この場合、車種と停止予測時間との対応関係を予め規定したテーブルを用いることが望ましい。
【0222】
また、上記実施形態における停止通知装置20では、停止有効判定を実行する際に、移動開始所要時間Tmwと発進待機時間Tawと開始遅延時間との和を、停止予測時間Tとして導出していたが、停止通知装置20にて導出される停止予測時間Tは、これに限るものではない。例えば、移動開始所要時間Tmw,発信待機時間Tawそれぞれ単独であっても良いし、移動開始所要時間Tmwと発信待機時間Tawとの和や、移動開始所要時間Tmw,発信待機時間Tawそれぞれと開始遅延時間との和であっても良い。
【0223】
なお、停止予測時間Tとして算出する時間は、車載器10にて取得可能な情報によって変更することが望ましい。つまり、車両情報または交差点情報を取得したか否かといったことのみならず、車両情報に含まれている情報の内容によって、停止予測時間Tとして算出する期間の長さを変更するようにしても良い。
【0224】
このように、車両情報に含まれる情報の内容によって、停止予測時間Tの算出方法を変更することの一例としては、他車両情報中に他車停止有効時間が含まれていない場合には、移動開始所要時間Tmwと開始遅延時間との和から、停止経過時間ΔTpを引いた値を停止予測時間Tとして導出し、そのようにして導出した停止予測時間Tが0よりも大きければ、アイドリング停止が有効であるものと判定しても良い。
【0225】
さらに、上記実施形態における停止通知装置20では、発進遅れ時間ΔTaを共通の値として予め規定していたが、発進遅れ時間ΔTaは、これに限るものではなく、例えば、対応停止線からの距離が遠くなるほど、大きな値となるよう設定された関数でも良い。特に、対応停止線からの距離が予め規定された規定距離以上である場合には、最大値とするようにしても良い。
【0226】
これらは、停止車両列に含まれている車両において、対応停止線からの距離が近い場合には、未搭載車両でも対応信号機の状態を運転者が視認することができ、対応停止線から離れるほど、対応信号機の状態を運転者が視認することが困難になるためである。このように設定した発進遅れ時間ΔTaを用いて、開始遅延時間を導出すれば、実際の運転に即した正確な停止予測時間Tを導出することができる。
【0227】
そして、上記実施形態における停止・始動処理では、S110にて他車両情報を取得すると、その取得した他車両情報を発信した他車両を該当他車両として処理を進めていたが、該当車両は、これに限るものではない。例えば、他車両DB32に記憶している他車両情報の中から、自車両の進行路上に位置している他車両を全て検出し、その検出した全てのものの中で、予め規定された規定条件を満たす一つを該当他車両として特定するようにしても良い。この場合、例えば、自車両から最も遠い位置に存在していることや、自車両から最も近い位置に存在していることを規定条件としても良い。
【0228】
ところで、上記実施形態における停止・始動有効判定処理では、停止予測時間Tを導出して、停止有効判定及び再始動有効判定を実施していたが、停止有効判定及び再始動有効判定に用いる指標は、停止予測時間Tに限るものではなく、例えば、停止予測時間Tを、その期間の間に走行可能な距離に変換して判定しても良い。
【0229】
なお、上記実施形態における停止通知装置20では、発進波速度νを、予め規定された共通の値としていたが、発進波速度νはこれに限るものではなく、交差点毎に異なる値が設定されていても良い。この場合、停止通知装置20は、交差点情報として路側機7から取得しても良いし、道路情報DBに予め記憶しても良い。
【0230】
ところで、上記実施形態においては、平均車長と平均車間との和により、距離を除することによって、停止車両の台数を推定していたが、未搭載車両の台数を推定するために用いる情報は、これに限るものではない。例えば、種別情報として大型車両であることを示す情報が含まれている場合には、その大型車両の車長を平均車長よりも長くするようにしても良い。特に、種別情報に車長を含めば、その種別情報中の情報を用いても良い。
【0231】
また、上記実施形態の停止通知装置20における再始動判定では、該当他車両が出発した時や、停止予測時間が経過した時、該当他車両が自車両に対して与える危険度が基準値以上となった時に、始動信号を制御指令として報知装置50に出力しているが、再始動判定において、始動信号を出力するタイミングは、これらに限るものでは無い。例えば、停止車両列において、自車両が最前部や最後方に位置している場合には、無条件で始動信号を出力しても良い。
【0232】
そして、上記実施形態の第二判定通知処理では、停止信号を出力してから停止予測時間Tが経過すると、始動信号を制御指令として出力していたが、始動信号を出力する前に(即ち、停止予測時間Tが経過する設置時間前に)、予備報知のための制御指令を報知装置50に出力するようにしても良い。
【0233】
このように予備報知を実施することで、停止予測時間Tが経過した時点で確実にエンジンを始動させることができると共に、本報知による運転者の混乱防止の両立を実現することができる。ただし、このような予備報知は、停止予測時間Tが、一定時間以上である場合に実施されることが望ましい。
【0234】
ところで、上記実施形態における停止通知装置20では、停止信号または始動信号を制御指令として報知装置50に出力していたが、制御指令の出力先は、報知装置50に限るものではなく、例えば、エンジン制御ECU40であっても良い。このようにエンジン制御ECU40を制御指令の出力先とすれば、アイドリング停止を実行すべきタイミングで確実にアイドリング停止を行うことができ、また、エンジンをアイドリング停止から再始動すべきタイミングで確実に再始動することができる。この結果、自車両の燃費を確実に向上させることができる。
[特許請求の範囲と実施形態との対応関係]
本実施形態の停止通知装置20における通信制御部21が、本発明の他車両情報取得手段及び交差点情報取得手段に相当し、停止通知装置20におけるセンサ制御部22が、本発明の自車位置取得手段に相当する。
【0235】
さらに、本実施形態の停止判定処理におけるS4510〜S4600,または停止継続時間導出処理を実行することで得られる機能が本発明の停止時間導出手段に相当する。そして、本実施形態の停止判定処理におけるS4600,S4610、または、第二判定通知処理におけるS650,S660を実行することで得られる機能が、本発明の停止通知手段に相当する。
【0236】
さらに、再始動判定処理におけるS4730〜S4780,S4800,S4810、または第二判定通知処理におけるS670,S680を実行することで得られる機能が、本発明の再始動判定手段に相当する。そして、再始動判定処理におけるS4790、または第二判定通知処理におけるS690を実行することで得られる機能が本発明の再始動通知手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0237】
【図1】アイドリング停止通知システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】車車通信により送受信される車両情報の構成を示す説明図である。
【図3】他車両DBの概略構成を示す説明図である。
【図4】停止・始動判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第一判定通知処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】停止判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】再始動判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第二判定通知処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】停止継続時間導出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】開始遅延時間導出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第一動作例として想定される状況を示した説明図である。
【図12】第二動作例として想定される状況を示した説明図である。
【図13】第三動作例として想定される状況を示した説明図である。
【図14】第二動作例として想定した状況下で導出される停止予測時間を示した模式図である。
【符号の説明】
【0238】
1…アイドリング停止通知システム 10,10a…車載器 7…路側機 8,11…アンテナ 12…送受信機器 13…位置検出器 14…方位センサ 15…GPSセンサ 16…速度センサ 17…センサ群 20…アイドリング停止関連通知制御装置(停止通知装置) 50…報知装置 51…表示装置 52…音声出力装置 40…エンジン制御ECU
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関を有した車両に搭載されるアイドリング停止通知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、路上に設置された路側機との間で通信を実行する通信機器を備え、自動車に搭載されたアイドリング停止通知装置(以下、単に、停止通知装置と称す)が知られている。
【0003】
この種の停止通知装置では、通信機器により(即ち、路車間通信を用いて)交差点や信号機に関する情報(以下、交差点関連情報とする)を取得する。これと共に、この種の停止通知装置では、その取得した交差点関連情報に基づいて、自車両が停止した時に、アイドリング停止が有効であるか否かを判定(以下、有効判定と称す)し、判定の結果、有効であれば、アイドリング停止を実行している。
【0004】
具体的には、この種の停止通知装置において、交差点に設置された信号機が青信号へと変わるまでの時間(以下、信号待時間とする)を交差点関連情報として取得し、その取得した信号待時間が予め規定された規定時間以上であれば、アイドリング停止が有効であると判定することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、この種の停止通知装置において、信号待時間に加えて、交差点における停止線の位置を交差点関連情報として取得し、自車両から停止線までの距離を発進波速度で除した値(時間)に信号待時間を加えた時間(以下、待機時間とする)が規定時間以上であれば、アイドリング停止が有効であると判定することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。なお、ここで言う発進波速度とは、停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置として、その停止車列にて先頭車両から順次発進する時に停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値である。
【特許文献1】特開2002−245587号公報
【特許文献2】特開2007−56734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1,2に記載された停止通知装置では、路車間通信を用いて交差点関連情報を取得しているため、路側機が設置されていない交差点周辺以外の場所(以下、未設置区域とする)では、有効判定を実行することができないという問題があった。
【0007】
つまり、特許文献1,2に記載された停止通知装置では、例えば、道路工事が実施されることで交互通行となっていることや、踏切にて遮断機が降りている(即ち、踏切待ちである)ことなどにより、自車両が停止した時に、有効判定を実行することができないという問題があった。
【0008】
特に、近年は、地球温暖化を抑制するために、自動車から排出される二酸化炭素を削減することが求められており、未設置区域に自車両が停止した場合にも有効判定を実施してアイドリング停止を実行可能な停止通知装置の提供が望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、アイドリング停止通知装置において、路側機が設置されていない区域であっても、有効判定を実行可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するためになされた本発明は、内燃機関を有した車両に搭載されるアイドリング停止通知装置(以下、単に、停止通知装置と称す)である。
【0011】
この本発明の停止通知装置では、自車位置取得手段が、自車両についての位置情報を自車位置として取得し、他車両情報取得手段が、他車両が自車両の進行路上にて移動を停止しているか否か、及び他車両から自車両までの距離を推定するための距離推定情報が少なくとも含まれる他車両情報を、他車両に備えられた通信装置から車車間通信を利用して取得する。なお、ここで言う、位置情報とは、車両の現在位置及び進行方向を表す情報であり、他車両とは、通信装置を備えた車両のことを表す。
【0012】
さらに、本発明の停止通知装置では、停止時間導出手段が、自車位置取得手段で取得した自車位置、及び他車両情報取得手段で取得された他車両情報に基づいて、停止予測時間を導出する。そして、停止通知手段が、停止時間導出手段で導出された停止予測時間が自車停止有効時間よりも長い場合、自車両に搭載されている車載機器に対して、アイドリング停止を実行させるための停止通知を出力する。
【0013】
なお、ここで言う停止予測時間は、自車両の内燃機関についてアイドリング停止を実施可能であると予測される期間の長さを表し、ここで言う自車停止有効時間は、自車両について、内燃機関のアイドリングを停止することでアイドリングを継続するよりも燃料の消費量が少なくなる最低限の停止継続時間を表す。ただし、ここで言う停止継続時間とは、アイドリング停止を継続する期間の長さである。
【0014】
つまり、本発明の停止通知装置においては、停止予測時間を導出するために用いる情報のうち、自車両にて検知不可能な情報(距離推定情報を含む他車両情報)を、車車間通信を利用して他車両に搭載された通信装置から取得している。言い換えれば、他車両情報を生成すると共に、その生成した他車両情報を車車間通信を利用して送信する通信装置が自車両以外の車両(即ち、他の車両)に搭載されていれば、本発明の停止通知装置にて、停止予測時間を導出可能となる。
【0015】
したがって、本発明の停止通知装置によれば、停止予測時間を導出するために、路車間通信を利用して路側機から情報を取得する必要が無く、この結果、有効判定(即ち、その時点でアイドリング停止を実行すべきか否かの判定)を実行可能なエリアを、路側機が設置されていない未設置区域にまで拡大することができる。
【0016】
そして、本発明の停止通知装置からの停止通知に従って、アイドリング停止を実行させることで、自車両の燃費を向上させることができ、さらには、自車両から排出される二酸化炭素の量を低減することができる。
【0017】
ところで、例えば、自車両が停止した直後に、他車両情報を発信した他車両(以下、該当他車両とする)が発進したとしても、該当他車両が発進してから自車両が先頭となる(即ち、移動を再開する)までに要する時間が長ければ、アイドリング停止を実行することが有効となる。
【0018】
このため、距離推定情報が、他車両についての位置情報である他車位置、及び移動を停止した移動停止状態であるか否かを表す移動停止情報を含むものである場合、本発明の停止通知装置における停止時間導出手段は、請求項2に記載のように、対象車両特定手段が、自車位置、及び距離推定情報に基づき、自車両の進行路上に存在し、かつ移動を停止している他車両を対象車両として特定し、距離導出手段が、自車両が停止したことが検知されると、対象車両と自車両との間の車両間距離を導出するように構成されていても良い。
【0019】
ただし、このように構成された停止時間導出手段は、さらに、距離導出手段で導出された車両間距離を発進波速度で除した値を、停止予測時間とするように構成されている必要がある。なお、ここで言う発進波速度とは、停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置とし、先頭車両から順次発進する時に停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値である。
【0020】
つまり、本発明の停止通知装置において、停止予測時間は、停止車両の列にて、対象車両が発進してから自車両が停止先頭位置となるまでに要する期間の長さ、即ち、自車両が停止しているものとして想定される最も短い期間であっても良い。
【0021】
このような本発明の停止通知装置によれば、自車両にてアイドリング停止を実行することが無効であるにもかかわらず、アイドリング停止を実行することが有効であると判断されることを低減できる。したがって、本発明の停止通知装置からの通知に従って、不必要なアイドリング停止が実行されることを抑制できる。
【0022】
なお、請求項2に記載のような本発明の停止通知装置において、他車両情報に他車両が移動停止状態となった停止開始時刻が含まれている場合、その停止開始時刻から現時刻を引いた差を、他車両が移動停止状態となってからの停止経過時間として導出し、その停止経過時間を自車停止有効時間としても良い。
【0023】
さらに、他車両情報に、他車両が移動停止状態となった停止開始時刻、及び他車両についての停止有効時間である他車停止有効時間が含まれている場合、本発明の停止通知装置における停止時間導出手段は、請求項3に記載のように、現時刻取得手段が、現時刻を取得し、その取得した現時刻、及び停止開始時刻に基づいて、経過時間導出手段が、他車両が移動停止状態となってからの停止経過時間を導出すると共に、待機時間導出手段が、停止経過時間と他車停止有効時間との差分を他車待機時間として導出するように構成されていても良い。
【0024】
ただし、このように構成された停止時間導出手段は、車両間距離を発進波速度で除した値を移動開始所要時間とし、さらに、その移動開始所要時間と他車待機時間との和を、停止予測時間とするように構成されている必要がある。
【0025】
つまり、請求項3に記載のように構成された停止通知装置において、停止予測時間は、他車両が現時刻から移動を再開するまでに要するものと想定される最低限の期間(他車待機時間)の長さを、自車移動開始所要時間に加えたものであっても良い。
【0026】
このような本発明の停止通知装置によれば、他車両が移動を再開するまでに要する時間を考慮して停止予測時間を導出しているため、アイドリング停止の有効性についてより正確に判断することができる。
【0027】
なお、自車両と対象車両とが有する内燃機関の排気量などが同じであれば、それぞれの車両における停止有効時間は、ほぼ同じになる。すなわち、両停止有効時間の差分が設定値以下(例えば、差分が0)である場合に、停止予測時間が自車停止有効時間よりも長いか否かを判定すると、他車待機時間に含まれる他車停止有効時間と、自車停止有効時間とが打ち消されることになる。
【0028】
このような場合、請求項3に記載にされた本発明の停止通知装置においては、停止経過時間に発進波速度を乗じた値が車両間距離よりも小さければ、自車両が有する内燃機関のアイドリング停止を実行することが有効であると判定しても良い。
【0029】
ところで、自動車産業において、新しい技術が適用された装置を車両に搭載する場合、その装置は、高級車から搭載を開始し、徐々に、大衆車へと普及させていくことが一般的である。
【0030】
このため、アイドリング停止を解除すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置(例えば、請求項10から請求項19のいずれかに記載された本発明のアイドリング停止通知装置、以下、始動通知装置と称す)が普及していく過程では、路上を走行する車両の中に、始動通知装置が搭載されている車両(以下、搭載車とする)と、非搭載である車両(以下、非搭載車とする)とが混在する。この時、非搭載車では、アイドリング停止を解除すべき最適なタイミングで内燃機関が始動されず、当該非搭載車が発進するタイミングは搭載車に比べて遅れる。つまり、新しい技術が普及していく過程では、装置の普及率により、搭載車と非搭載車との間に発進タイミングのバラつきが生じるという問題が生じる(以下、第二の課題とする)。
【0031】
そこで、他車両情報に、内燃機関をアイドリング停止から再始動すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置が搭載されているか否かを示す搭載情報が含まれている場合、本発明のアイドリング停止通知装置における停止時間導出手段は、請求項4に記載のように、通知装置が未搭載である車両を未搭載車として、未搭載数推定手段が、距離導出手段にて導出された車両間距離、及び他車両情報に基づいて、対象車両と自車両との間に存在する未搭載車の台数を推定し、遅延時間導出手段が、未搭載数推定手段で推定された台数に発進遅れ時間を乗じた時間を自車移動開始遅延時間として導出するように構成されていることが望ましい。なお、ここで言う発進遅れ時間とは、内燃機関をアイドリング停止から再始動し、車両が自走可能となるまでに要する予め規定された期間の長さである。
【0032】
ただし、このように構成された停止時間導出手段は、さらに、遅延時間導出手段で導出された自車移動開始遅延時間と、移動開始所要時間と、他車待機時間との和を、停止予測時間とするように構成されている必要がある。
【0033】
このような本発明の停止通知装置によれば、搭載車と非搭載車との発進タイミングのバラつきを考慮した停止予測時間を導出するため、新しい技術が普及していく過程であっても、アイドリング停止を実行することが有効であるか否かをより正確に判定することができる。
【0034】
次に、本発明の停止通知装置における対象車両特定手段は、請求項5に記載のように、他車両情報を取得する毎に、該他車両情報を発信した他車両が対象車両に該当するか否かを判定するように構成されていても良い。また、対象車両特定手段は、他車両情報取得手段にて取得した他車両情報に対応する他車両の中から、対象車両に該当するものを全て検出し、その検出した全てのものの中で、予め規定された規定条件を満たす一つを対象車両として特定するようにしても良い。
【0035】
ただし、これらのように構成された対象車両特定手段において、前者の場合、判定結果にて、該当する他車両を対象車両として特定するように構成されている必要がある。また、後者の場合、例えば、自車両から最も遠い位置に存在していることを規定条件としても良い。
【0036】
なお、本発明の停止通知装置における移動停止状態とは、請求項6に記載のように、内燃機関の動作が停止した状態、即ち、アイドリング停止した状態であることが望ましいが、請求項7に記載のように、走行が停止した状態(例えば、車速が0である状態や、ブレーキが作動している状態)であっても良い。
【0037】
前者であれば、他車両は、確実に停車中(アイドリング停止中)であるため、自車両が停止車列中に位置しているものとみなすことができる。
【0038】
さらに、本発明の停止通知装置の停止通知手段が停止通知を出力する車載機器とは、請求項8に記載のように、内燃機関の動作状態を制御する内燃機関制御装置であっても良いし、請求項9に記載のように、報知装置であっても良い。
【0039】
これらの停止通知装置においては、前者であれば、アイドリング停止を確実に実行することができ、後者であれば、自車両が停車した時の状況に応じて、乗員にアイドリング停止を実行させることができる。
【0040】
ところで、本発明の停止通知装置には、請求項10に記載のように、再始動判定手段と、再始動通知手段とが備えられていても良い。
【0041】
このような本発明(請求項10に記載)の停止通知装置では、再始動判定手段にて、自車両に搭載され、かつアイドリング停止された内燃機関を再始動させるべき再始動タイミングとなったものと判定されると、再始動通知手段が、自車両に搭載されている車載機器に対して、内燃機関を再始動するための始動通知を出力する。
【0042】
このため、本発明の停止通知装置によれば、始動通知に従って再始動タイミングにて内燃機関を再始動させることができる。したがって、本発明の停止通知装置によれば、停止車列の進行状況に沿ってスムーズに自車両を発進させることができ、自車両が渋滞の要因となることを低減できる。
【0043】
そして、本発明の停止通知装置における再始動判定手段は、請求項11に記載のように、アイドリング停止を開始した時から停止予測時間が経過したタイミングを再始動タイミングとするように構成されていても良い。
【0044】
また、再始動判定手段は、請求項12に記載のように、出発待時間導出手段が、移動停止情報が移動停止状態ではないことを表す他車両情報を取得する毎に、出発待時間を導出し、その導出した出発待時間が、発進遅れ時間よりも小さい場合に、再始動タイミングとするように構成されていても良い。なお、ここで言う出発待時間とは、当該他車両情報及び自車位置に従って、自車両と他車両との間の車両間距離を発進波速度で除した値である。
【0045】
さらには、本発明の停止通知装置における再始動判定手段は、請求項13に記載のように、自車位置、または他車両情報のうち、少なくとも一方に基づいて、自車両に対する危険度合いを危険性判定値として導出すると共に、その危険性判定値が規定閾値よりも大きい場合に、再始動タイミングとなったものと判定する危険度判定手段から構成されていても良い。
【0046】
ところで、通常、アイドリング停止を実行している車両(以下、特定停止車両とする)は、内燃機関のアイドリング停止中に自走することができない。このため、例えば、特定停止車両に対して他車両が追突しそうになったとしても、特定停止車両自体は、前もって回避行動を取ることが困難であるという問題があった。
【0047】
そこで、本発明の停止通知装置における危険度判定手段は、請求項14に記載のように、危険性判定手段と、判定値導出手段とから構成されていることが望ましい。
【0048】
このような本発明の停止通知装置では、危険性判定手段にて、他車両情報を取得する毎に、当該他車両情報を発信した他車両の進行路上に自車両が存在するか否かを判定し、その判定にて、他車両の進行路上に自車両が存在するものと判定された場合、判定値導出手段が、当該他車両が自車両に与える危険度を危険性判定値として導出する。
【0049】
このように構成された本発明の停止通知装置によれば、危険性判定車両の進行路上に自車両が存在し、しかも、その危険性判定車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも高い時を再始動タイミングとしているため、危険性判定車両が自車両に危険を与える前に、内燃機関を前もって始動させることができる。この結果、他車両が追突する前に、自車両の回避行動を取らせることができる。
【0050】
なお、他車両情報に、車速が含まれている場合、本発明の停止通知装置における判定値導出手段は、請求項15に記載のように、危険性判定車両と自車両との間の車両間距離を、危険性判定車両の車速で除した値を危険性判定値として導出するように構成されていても良い。このように判定値導出手段が構成されている場合、危険度判定手段は、発進遅れ時間を規定閾値とすることが望ましい。
【0051】
このように構成された本発明の停止通知装置では、危険性判定車両が自車両の後方から高速で接近してくるような場合に、危険性判定値が規定閾値よりも高くなる。つまり、本発明の停止通知装置によれば、危険性判定車両が自車両に接近している時点で内燃機関を再始動させることができ、回避行動をより確実に実行させることができる。
【0052】
ところで、例えば、大型車両が停止車両列に追突すると、乗用車(小型車両)が停止車両列に追突した場合に比べて、被害が拡大する可能性が高い。このため、大型車が接近していることが判明した時点で、内燃機関を再始動させることが望ましい。
【0053】
そこで、他車両情報に、車種を表す車種情報が含まれている場合、危険度判定手段が導出する危険性判定値は、請求項16に記載のように、危険性判定車両が大型車両であれば、規定閾値よりも大きな値であることが望ましい。
【0054】
また、通常、停止車両列の最前部、または最後方は、他車両に追突される可能性が高い。
【0055】
このため、危険度判定手段が導出する危険性判定値は、請求項17に記載のように、自車両が停止車両列の最前部または最後方である場合、規定閾値よりも大きな値であっても良い。
【0056】
なお、本発明の停止通知装置における再始動通知手段が始動通知を出力する車載機器は、請求項18に記載のように、内燃機関制御装置であっても良いし、請求項19に記載のように、報知装置であっても良い。
【0057】
これらの停止通知装置においては、前者であれば、内燃機関をアイドリング停止から確実に再始動させることができ、後者であれば、その時点での状況に応じて、内燃機関を乗員にアイドリング停止から再始動させることができる。
【0058】
なお、第二の課題を解決するためになされた本発明は、請求項20に記載のように、自車位置取得手段が、自車位置を取得し、他車両情報取得手段が、他車位置、移動停止情報、及び搭載情報が少なくとも含まれる他車両情報を取得すると共に、自車両の進行路上にて自車両から最短位置に存在する交差点を最近交差点とし、その最近交差点における停止線の位置を停止線位置とし、最近交差点における信号機が次に青信号へと変化するまでの時間を信号待時間とし、交差点情報取得手段が、停止線位置及び信号待時間を含む交差点情報を取得するように構成された停止通知装置であっても良い。
【0059】
ただし、請求項20に記載された停止通知装置では、自車両が停止したことが検知されると、停止時間導出手段が、交差点情報,自車位置,及び他車両情報に基づいて、停止予測時間を導出すると共に、停止予測時間が自車停止有効時間よりも長い場合、停止通知手段が、自車両に搭載されている車載機器に対して、アイドリング停止を実行させるための停止通知を出力するように構成されている必要がある。
【0060】
さらに、請求項20に記載の停止通知装置における停止時間導出手段は、開始時間導出手段が、自車両と停止線位置との間の特定距離を発進波速度で除した値を自車移動開始所要時間として導出し、未搭載数推定手段が、特定距離,及び他車両情報に基づいて、停止位置と自車両との間に存在する未搭載車の台数を推定して、遅延時間導出手段が、未搭載数推定手段にて推定された台数に発進遅れ時間を乗じた時間を自車移動開始遅延時間として導出すると共に、交差点情報に含まれている信号待時間と、自車移動開始所要時間と、自車移動開始遅延時間との和を、停止予測時間とするように構成されている必要がある。
【0061】
このような本発明の停止通知装置によれば、搭載車と非搭載車との発進タイミングのバラつきを考慮した停止予測時間を導出するため、アイドリング停止を実行することが有効であるか否かを適切に判定することができる。
【0062】
そして、本発明の停止通知装置からの停止通知に従って、アイドリング停止を実行することで、自車両の燃費を向上させることができ、さらには、自車両から排出される二酸化炭素の量を低減することができる。
【0063】
例えば、交差点にて信号機が赤信号で自車両が停止し、停止車列中に大型車両が存在する場合、その大型車両と自車両との間に停車中の未搭載車を運転する運転者は、信号機の状態などの進行路上の様子をうかがうことができない。この場合、アイドリング停止を実行している未搭載車が再発進するためには、大型車両が出発し、信号が変わったことを運転者が確認した後、内燃機関をアイドリング停止状態から再始動させることになる。この時、大型車両と自車両との間に停車中の未搭載車が再発進するために要する時間は、大型車両と停止線との間に停車中である未搭載車よりも長くなる。
【0064】
そこで、他車両情報に、他車両の車高に関連する車高情報が含まれている場合、本発明の停止通知装置における遅延時間導出手段は、請求項21に記載のように、車高情報、及び自車位置に基づき、基準値よりも車高が大きい大型車両が停止車列の中に含まれているか否か判定し、判定の結果、大型車両が含まれている場合、自車移動開始遅延時間が大きな値となるように補正するように構成されていることが望ましい。
【0065】
このように構成された本発明の停止通知装置によれば、運転者の行動に即した自車移動開始遅延時間を導出することができる。
【0066】
ところで、信号機が赤で停車した場合、大型車両と停止線との間に位置する車両の運転者(以下、特定運転者とする)は、搭載車、非搭載車に拘わらず、信号機を目視できる可能性が高い。このため、特定運転者は、信号が変わると同時に内燃機関を再始動することができ、先行車両から遅れが生じること無く、その該当車両をスムーズに発進させることができる。
【0067】
したがって、請求項21に記載された停止通知装置において、信号機が赤であることにより自車両が停車したことを検知し、しかも大型車両と停止線との間に未搭載車が存在する場合、遅延時間導出手段は、自車移動開始遅延時間が小さな値となるように補正するように構成されていても良い。
【0068】
さらに、このように(請求項20及び請求項21に記載のように)構成された停止通知装置においては、請求項10に記載の再始動判定手段と、再始動通知手段とが備えられていても良い。
【0069】
このような本発明の停止通知装置によれば、始動通知に従って再始動タイミングにて内燃機関を再始動させることができる。したがって、本発明の停止通知装置によれば、停止車列の進行状況に沿ってスムーズに自車両を発進させることができ、自車両が渋滞の要因となることを低減できる。
【0070】
そして、本発明の停止通知装置における再始動判定手段は、請求項11、または請求項12に記載の再始動判定手段と同様に構成されていても良いし、請求項13に記載の再始動判定手段と同様に構成されていても良い。
【0071】
これらのように構成された停止通知装置によれば、それぞれ、請求項11,12,13に記載の停止通知装置と同様の効果を得ることができる。
【0072】
なお、請求項20及び請求項21に記載のように構成された停止通知装置においては、請求項14〜請求項19に記載の構成と同様の構成を備えていても良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
【0074】
ここで、図1は、自動車に搭載されたエンジンのアイドリング停止が有効であるか否かを判定し、判定結果に従った通知を出力するアイドリング停止通知システムの概略構成を示すブロック図である。なお、以下では、アイドリング停止通知システム1を、単に、停止通知システム1と称す。
〈全体構成〉
停止通知システム1は、図1に示すように、自動車それぞれに搭載される車載器10,と、道路上の路側に設置されている複数の路側機7とを備え、車載器10同士の通信、及び車載器10と路側機7との間の通信を実行するものである。なお、車載器10は、一台の自動車に一台ずつ搭載されるものである。
【0075】
このうち、路側機7は、信号機を有した交差点(以下、対応交差点とする)の近傍に配置され、路車間通信を利用して車載器10との間でデータ通信を行う周知のものである。以下、対応交差点が有する信号機を対応信号機と称す。
【0076】
この路側機7は、対応交差点及び対応信号機に関する情報(以下、交差点情報とする)を、アンテナ8を介して通信エリア内に送信するように構成されている。
【0077】
その交差点情報は、通信中のデータが交差点情報であることを示すヘッダと、対応交差点の位置を表す緯度,経度からなる交差点位置と、対応交差点が有する停止線(以下、対応停止線とする)の位置を表す緯度,経度からなる停止線位置と、対応信号機が赤信号であるか否かを示す停止信号情報と、対応信号機が次に青信号に変更されるまでの時間である信号待時間Tsとを備えている。
【0078】
つまり、路側機7の通信エリアを通過、もしくは通信エリア内に停止中の車両に搭載された車載器10では、周知の路車間通信を利用して、路側機7が発信した交差点情報を受信することになる。
〈車載器の構成について〉
次に、車載器10の構成について説明する。
【0079】
なお、以下では、必要に応じて、自車両以外の車両に搭載された車載器10には符合aを付して区別する(即ち、車載器10aと記載する)と共に、車載器10aが搭載された車両を他車両と称す。また、車載器10aは、搭載される車両が異なることの他は、車載器10と同様に構成されているため、車載器10aを構成する各機器については、必要に応じて符合aを付し、詳しい説明を省略する。
【0080】
そして、車載器10は、アンテナ11を介して、車載器10aや路側機7との間で情報を送受信する送受信機器12と、送受信機器12に接続されると共に、自車両に搭載されているエンジンのアイドリング停止を実行することが有効であるか否かを判定し、その判定結果に従った制御指令を車載機器に対して出力するアイドリング停止関連通知装置20とを備えている。なお、アイドリング停止関連通知装置20は、本発明のアイドリング停止通知装置に相当し、以下では、単に、停止通知装置20と称す。
【0081】
さらに、停止通知装置20には、車載器10を構成する機器として、自車両の状態を検知するセンサ群17と、自車両に搭載されているエンジンの動作状態を制御するエンジン制御電子制御装置(以下、エンジン制御ECUと称す)40と、車室内に情報を報知する報知装置50とが接続されている。
【0082】
この車載器10を構成する機器のうち、センサ群17は、自車両の位置,進行方向及び現在の時刻である現時刻を検出する位置検出器13と、自車両の車速(以下、自車両速度とする)を検出する速度センサ16とからなる。
【0083】
そして、位置検出器13は、自車両に加えられる回転運動の大きさを検出する方位センサ14(例えば、ジャイロセンサ)と、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を図示しないGPSアンテナを介して受信するGPSセンサ15とを備えている。そして、この位置検出器13は、方位センサ14からの検出信号、及びGPSセンサ15からの受信信号に従って、自車両が位置する現在の緯度,経度からなる自車位置、自車両が現在進行している進行方向(以下、自車進行方向と称す)、及び現時刻を導出し、それらの導出した情報を停止通知装置20に出力するように構成されている。
【0084】
さらに、報知装置50は、車室内に配置されるものであり、停止通知装置20からの制御指令に従って画像を表示する表示装置51と、停止通知装置20からの制御指令に従って音声を出力する音声出力装置52とを備えている。
【0085】
なお、位置検出器13及び報知装置50は、車載器10専用で備えていても良いし、ナビゲーション装置などの周知の車載機器に備えられたものでも良い。
【0086】
また、エンジン制御ECU40は、LAN通信バスを介して停止通知装置20に接続されており、図示しない、スロットル開度センサ、アクセルペダル開度センサからのエンジン状態情報(即ち、エンジン制御状態(エンジンが動作中であるか否かや、エンジンの回転数など)、アクセル操作状態)を、停止通知装置20に出力するように構成されている。さらに、エンジン制御ECU40は、目標加速、フューエルカット要求等を受信し、これらの受信した情報に応じて、エンジンのスロットル開度を調整するスロットルアクチュエータに対して駆動指令を出力することで、エンジンの駆動力を制御するように構成されている。なお、本実施形態において、LAN通信バスを介して行う装置間のデータ通信は、車載ネットワークで一般的に行われているCAN(Robert Bosch社が提案した「Controller Area Network」)プロトコルを用いている。
【0087】
以下、自車位置、自車進行方向、現時刻に、自車両速度、エンジン状態情報を加えた情報を自車状態情報と称す。
【0088】
また、送受信機器12は、路側機7からの交差点情報を受信すると共に、車車間通信を利用して、通信可能範囲内に位置する送受信機器12aとの間で、データ通信を実行するように構成されている。その車車間通信を利用したデータ通信では、車載器10,10aが搭載されている車両それぞれの状態を表す車両情報を送受信する。
【0089】
なお、以下では、送受信機器12から送信する車両情報(即ち、自車両についての車両情報)を自車両情報と称し、送受信機器12にて受信した車両情報(即ち、他車両についての車両情報)を他車両情報と称す。
【0090】
さらに、送受信機器12は、受信した交差点情報、及び他車両情報を停止通知装置20に出力するように構成されている。
【0091】
ここで、図2は、車車間通信を利用して送信する自車両情報の概略構成を示す説明図である。
【0092】
図2に示すように、自車両情報は、通信中のデータが車両情報であることを示すヘッダと、その自車両情報を生成した車載器10が搭載されている車両を識別するための自車両IDと、自車位置と、自車進行方向と、自車両速度と、自車両のエンジンが停止中であるか否かを示す自車エンジン停止フラグとを有している。さらに、自車両情報は、自車両のエンジンを停止した時刻(以下、自車エンジン停止時刻とする)と、アイドリング停止を実行することが有効となるために自車両のエンジン停止を継続する期間の最低限の長さとして予め規定された時間(以下、自車停止有効時間と称す)とを有している。また、自車両情報は、自車両の車高や、車種、大きさ等を示す自車種別情報と、自車両に搭載されている車載機器の種類(例えば、前方監視装置、ナビゲーション装置など)を表す自車装備情報とを有している。
【0093】
なお、他車両情報に含まれている各情報については、上記説明及び図2に記載した「自車」を「他車」と読み替えるものとして説明を省略する。
【0094】
つまり、車載器10aに備えられた送受信機器12aの通信範囲内を走行中、もしくは通信範囲内に停車中の車両に搭載された車載器10では、車載器10aから送信された車両情報を他車両情報として受信する。
〈アイドリング停止関連通知装置について〉
次に、停止通知装置20について説明する。
【0095】
この停止通知装置20は、交差点情報,他車両情報,自車状態情報に基づいて、エンジンのアイドリング停止を実行することが有効であるか否か(以下、停止有効判定と称す)、及びアイドリング停止されているエンジンの再始動を実行することが有効であるか否か(以下、再始動有効判定と称す)を判定し、それらの判定結果に従った制御指令を報知装置50に出力するものである。
【0096】
そして、停止通知装置20は、送受信機器12から出力された他車両情報及び交差点情報を取得すると共に、当該停止通知装置20にて生成した自車両情報の送受信機器12へと出力する通信制御部21を有している。さらに、停止通知装置20は、センサ群17から出力された自車位置、自車進行方向、現時刻、及び自車両速度を取得するセンサ制御部22と、エンジン制御ECU40から出力されたエンジン状態情報を取得する車内通信部23とを備えている。
【0097】
また、停止通知装置20は、センサ群17及びエンジン制御ECU40から自車状態情報を取得する毎に、その取得した自車状態情報が記憶される自車両データベース(以下、自車両DBとする)31と、送受信機器12を介して他車両情報を取得する毎に、その取得した他車両情報が、図3に示すように記憶される他車両データベース(以下、他車両DBとする)32を備えている。そして、停止通知装置20は、地図データ(例えば、周知のノードデータ、リンクデータ、コストデータ、道路データ、地形データ、交差点データ等)が予め記憶されていると共に、送受信機器12を介して交差点情報を取得する毎に、その取得した交差点情報が記憶される道路情報データベース(以下、道路情報DBとする)33とを備えている。さらに、停止通知装置20は、通信制御部21,センサ制御部22,車内通信部23を介して取得した各種情報を後段に出力すると共に、その取得した各種情報を対応するデータベース31,32,33に記憶し、さらには必要な情報をデータベース31,32,33からの読み出すデータ管理部24を備えている。
【0098】
そして、停止通知装置20は、データ管理部24からの各種情報に従って、自車両情報を生成すると共に、停止有効判定、再始動有効判定を実行する処理実行部25と、処理実行部25での判定の結果に従った制御指令を、報知装置50へと出力する制御実行部26とを有している。
【0099】
なお、停止通知装置20は、電源が切断されても記憶内容を保持する記憶装置(例えば、フラッシュメモリ等)と、処理途中で一時的に生じたデータを格納するメモリ(例えば、DRAM等)と、記憶装置やメモリに記憶された処理プログラムを実行する演算装置とを備えた周知のマイクロコンピュータを中心に構成されたものである。したがって、上述した各部21〜26は、停止有効判定、及び再始動有効判定を実施し、その判定結果に従った制御指令を出力する停止・始動有効判定処理を停止通知装置20(より正確には、演算装置)が実行することによって実現される機能である。また、上述したデータベース31,32,33は、停止通知装置20が停止・始動有効判定処理を実行することにより、記憶装置またはメモリにより実現される機能である。
【0100】
なお、以下では、交差点情報と他車両情報とを併せて、判定用情報と称す。
〈停止・始動有効判定処理について〉
次に、停止通知装置20が実行する停止・始動有効判定処理について説明する。
【0101】
ここで、図4は、停止・始動有効判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0102】
この停止・始動有効判定処理は、停止通知装置20が起動されると、処理が開始されるものである。
【0103】
そして、この停止・始動有効判定処理が起動されると、まず、S110にて、送受信機器12から判定用情報を取得したか否かを判定し、判定の結果、判定用情報を取得していなければ、判定用情報を取得するまで待機する。すなわち、送受信機器12にて判定用情報を受信すると、S120へと進む。
【0104】
そのS120では、S110にて取得した判定用情報を、その判定用情報の内容に対応するデータベース32,32に記憶する。続くS130では、S110にて取得した判定用情報が他車両情報であるか、交差点情報であるかを判定し、判定の結果、判定用情報が他車両情報であれば、S140へと進む。具体的に、本実施形態の停止・始動有効判定処理では、判定用情報に含まれているヘッダに従って、判定用情報が、他車両情報であるか交差点情報であるかを特定し、その特定された情報を対応するデータベース32,33に記憶する。
【0105】
さらに、S140では、他車両情報,及び自車状態情報に基づいて、停止有効判定、または再始動有効判定を実行し、それらの判定結果に従った制御指令を報知装置50に出力する第一判定通知処理を実行する。
【0106】
そして、その後、S110へと戻る。
【0107】
一方、S130での判定の結果、判定用情報が交差点情報であれば、S160へと進む。そのS160では、交差点情報,他車両情報,及び自車状態情報に基づいて、停止有効判定、または再始動有効判定を実行し、それらの判定結果に従った制御指令を報知装置50に出力する第二判定通知処理を実行する。
【0108】
そして、その後S110へと戻る。
<第一判定通知処理について〉
次に、停止・始動有効判定処理のS140にて起動される第一判定通知処理について説明する。
【0109】
ここで、図5は、第一判定通知処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0110】
この第一判定通知処理は、処理が起動されると、まず、S410にて、速度センサ16にて検知した自車両速度が0km/sとみなせるか否かを判定し、判定の結果、自車両速度が0km/sとみなせれば、S420へと進む。なお、ここで言う「0km/sとみなせる」とは、自車両速度が、0km/sと一致することに限らず、限りなく0に近い値として予め設定された速度範囲内であることを含むものである。すなわち、自車両が走行を停止していれば、S420へと進む。
【0111】
そのS420では、エンジン制御ECU40からのエンジン状態情報に従って、自車両のエンジンが停止中であるか否かを判定し、判定の結果、エンジンが停止中でなければ、即ち、エンジンが動作中であれば、S430へと進む。
【0112】
そして、S430では、位置検出器13からの自車位置,及び自車進行方向と、先のS110にて取得した他車両情報(以下、該当他車両情報とし、該当他車両情報を送信した他車両を該当他車両と称す)に含まれている他車位置,及び他車進行方向と、道路情報DB33からの地図データに基づき、自車両が走行している道路における自車進行方向に位置する部位(即ち、進行路)上に、該当他車両が存在しているか否かを判定する。その判定の結果、自車両の進行路上に該当他車両が存在していれば、S440へと進む。なお、このS430での判定は、周知の処理であるため、詳しい説明は省略する。
【0113】
さらに、S440では、該当他車両情報に含まれている他車エンジン停止フラグがエンジン停止中であることを表していれば、即ち、該当他車両のエンジンが停止中であれば、S450へと進む。すなわち、自車両がエンジン動作中であり、しかも、エンジン停止中である該当他車両が自車両の進行路上に存在する場合、該当他車両を少なくとも含む停止車両群が存在することにより、自車両が停止したものと判断して、S450へと進む。
【0114】
そして、S450では、自車両のエンジンについてアイドリング停止を実施可能であると予測される期間の長さ(以下、停止予測時間Tとする)を、自車両状態情報及び該当他車両情報に基づいて導出し、その停止予測時間Tに従って停止有効判定を実施して、報知装置50へと制御指令を出力する停止判定処理を実行する。
【0115】
そして、その後、第一判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0116】
ところで、S420での判定の結果、判定の結果、自車両のエンジンが停止中であれば、即ち、自車両が走行しておらず(S410:Yes)、しかもエンジンが停止中である場合には、S470へと進む。
【0117】
そのS470では、再始動判定を実施して、その判定結果に従った制御指令を報知装置50へと出力する再始動判定処理を実行する。その後、第一判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0118】
なお、S410での判定の結果、自車両速度が0km/sとみなせない場合には、自車両が走行中であるため、停止判定処理または再始動処理を実行する必要性が無いものと判断する。このため、第一判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0119】
さらに、S430での判定の結果、自車両の進行路上に該当他車両が存在していない場合や、S440での判定の結果、該当他車両のエンジンが動作中である場合には、停止予測時間Tを導出するために必要な情報が該当他車両情報には含まれていない。このため、停止判定処理を実行すること無く第一判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0120】
つまり、第一判定通知処理では、自車両の進行路上に停止車両列が存在することにより、自車両が停止したものと推定でき、しかも停止予測時間Tを導出するために必要な情報が該当他車両情報には含まれている場合には、停止判定処理を実行する。ただし、第一判定通知処理は、自車両がエンジンを停止して停車中である場合には、再始動処理を実行する。
〈停止判定処理について〉
次に、第一判定通知処理のS450にて起動される停止判定処理について説明する。
【0121】
ここで、図6は、停止判定処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0122】
この停止判定処理は、起動されると、まず、S4510にて、自車位置と、該当他車両情報に含まれている他車位置とに従って、該当他車両と自車両との間の距離(以下、自他間距離と称す)Lcを導出する。
【0123】
続いて、停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置とし、先頭車両から順次発進する時に停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値(以下、発進波速度νとする)により、S4510で導出した自他間距離Lcを除した値(時間)を移動開始所要時間Tmwとして導出する(S4520)。すなわち、移動開始所要時間Tmwは、停止中である該当他車両が発進した場合に、自車両が停止先頭位置(即ち、発進可能)となるまでに要する期間の長さである。
【0124】
そして、該当他車両情報に含まれている他車エンジン停止時刻から、現時刻を引いた差を、停止経過時間ΔTpとして導出する(S4530)。つまり、停止経過時間ΔTpは、該当他車両にてアイドリング停止が継続されている期間の長さである。
【0125】
さらに、該当他車両情報に含まれている停止有効時間Teaから、S4530で導出した停止経過時間ΔTpを引いた差を、発進待機時間Tawとして導出する(S4540で)。つまり、発進待機時間Tawは、現時刻から該当他車両が発進するまでの期間の長さ(即ち、時間)として想定される最低限の期間の長さである。
【0126】
続いて、自他間距離Lcに停止中である全車両数(以下、停止車両数とする)nを導出する(S4550)。具体的に、本実施形態では、予め規定された平均車間距離δlと予め規定された平均車長lとの和により、自他間距離Lcを除した値を停止車両数nとして導出する(即ち、停止車両数n=自他間距離Lc/(平均車間距離δl+平均車長l))。
【0127】
さらに、自車位置、及び他車両DB32に記憶されている他車両情報に含まれている他車位置に従って、他車両DB32に記憶されている他車両情報の中から、自車両と該当他車両との間の道路上に位置している他車両についての他車両情報を取得する(S4560)。そして、その取得した他車両情報に含まれている他車位置に基づいて、該当他車両と自車両との間に存在している他車両の台数(以下、他車両数mとする)、即ち、車載器10aを搭載している車両数mを導出する(S4570)。本実施形態では、具体的に、S4660にて取得した他車両情報の数を、他車両数mとしている。
【0128】
そして、停止車両数nから車両数mを引いた差を、該当他車両と自車両との間に存在している未搭載車両数(n−m)として導出する(S4580)。なお、未搭載車両とは、車載器10aを搭載していない車両である。
【0129】
続いて、エンジンをアイドリング停止から再始動し、車両が自走可能となるまでに要する期間の平均長さとして予め規定された時間(以下、発進遅れ時間)ΔTaと、未搭載車両数(n−m)との乗を、開始遅延時間として導出する(S4590)。つまり、開始遅延時間は、該当他車両と自車両との間に存在している全未搭載車両での遅れ時間を累積したものである。これは、未搭載車両においては、他車両よりもエンジンの再始動及び発進が遅れるためである。
【0130】
さらに、移動開始所要時間Tmwと、発進待機時間Tawと、開始遅延時間との和を、停止予測時間Tとして導出し(S4600)、その導出した停止予測時間Tが、自車停止有効時間よりも大きいか否かを判定する(S4610)。
【0131】
そして、S4610での判定の結果、停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きければ(S4610:YES)、自車両においてアイドリング停止を実行することで、アイドリングを継続するよりも消費する燃料の量を低減できる(つまり、アイドリング停止の実行が有効である)ものと判断し、S4620へと進む。
【0132】
そのS4620では、アイドリング停止を実行させるための停止信号を制御指令として、報知装置50に出力する。これにより、報知装置50では、現時刻でアイドリング停止を実行すべき旨を示す画像を表示装置51に表示させ、その旨を示す音声を音声出力装置52から出力させる。
【0133】
そして、その後、本停止判定処理を終了して、第一判定通知処理へと戻る。
【0134】
なお、S4610での判定の結果、停止予測時間Tが自車停止有効時間以下であれば(S4610:NO)、自車両においてアイドリング停止を実行することで、アイドリングを継続するよりも消費する燃料の量が増加する(つまり、アイドリング停止の実行が無効である)ものと判断する。そして、報知装置50に対して、制御指令を出力すること無く、第一判定通知処理へと戻る。
【0135】
つまり、本実施形態における停止判定処理では、車載器10aから受信した他車両情報、及び自車両にて検出した自車状態情報に基づいて、即ち、交差点情報を用いることなく、停止予測時間Tを導出し、その導出した停止予測時間Tに従ってアイドリング停止を実行することが有効であるか否かを判定する。そして、停止判定処理では、その判定の結果、アイドリング停止を実行することが有効であれば、停止信号を制御指令として、報知装置50に出力する。
〈再始動判定処理について〉
次に、第一判定通知処理のS470にて起動される再始動判定処理について説明する。
【0136】
ここで、図7は、再始動判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0137】
この再始動判定処理は、起動されると、まず、S4710にて、該当他車両情報に含まれている他車エンジン停止フラグが、エンジン停止中であることを表しているか否かを判定する。そして、S4710での判定の結果、他車エンジン停止フラグがエンジン停止中であることを表していなければ、即ち、自車両のエンジンが停止中であり(S420:YES)、しかも、他車両のエンジンが動作中である場合、S4720へと進む。そのS4720では、自車位置と、該当他車両情報に含まれている他車位置とに従って、自他間距離Lcを導出する。
【0138】
続いて、位置検出器13からの自車位置,及び自車進行方向と、該当他車両情報に含まれている他車位置,及び他車進行方向と、道路情報DB33からの地図データに基づき、自車両の進行路上に該当他車両が存在しているか否かを判定する(S4730)。その判定の結果、自車両の進行路上に該当他車両が存在していなければ、S4740へと進む。
【0139】
そのS4740では、先のS4730と同様の方法により、該当他車両の進行路上に自車両が存在しているか否かを判定する。そして、判定の結果、該当他車両の進行路上に自車両が存在している場合、該当他車両情報に含まれている他車種別情報に基づいて、該当他車両が大型車両であるか否かを判定する(S4750)。
【0140】
そして、S4750での判定の結果、該当他車両が大型車両でなければ、S4760へと進む。そのS4760では、速度センサ16にて検知した自車両速度,及び自車進行方向と、該当他車両情報に含まれている他車両速度,及び他車進行方位とに基づき、自車両と該当他車両との相対速度vを導出し、その導出した相対速度vにより自他間距離Lcを除した値を判定指標TTCとして導出する。つまり、判定指標TTCは、該当他車両及び自車両が現時点の状態を継続した時に、該当他車両が自車両に接触するまでに要する期間の長さとして導出される。
【0141】
続いて、エンジンが始動するまでに要する十分な期間の長さとして予め規定された規定時間を、発進遅れ時間ΔTaに加えた時間を比較時間とし、判定指標TTCが比較時間よりも小さいか否かを判定する(S4780)。その判定の結果、判定指標TTCが比較時間よりも小さければ、該当他車両が自車両に対して与える危険度が予め規定された規定閾値よりも高いものと判断し、S4790へと進む。
【0142】
なお、S4750での判定の結果、該当他車両が大型車両である場合、該当他車両が自車両に対して与える危険度が予め規定された閾値よりも高いものと判断し、S4790へと進む。
【0143】
ところで、S4730での判定の結果、自車両の進行路上に該当他車両が存在していれば、S4720にて導出した自他間距離Lcを発進波速度νで除することにより、移動開始所要時間Tmwを導出する(S4800)。続いて、その導出した移動開始所要時間Tmwが、発進遅れ時間ΔTaよりも大きいか否かを判定する(S4810)。その判定の結果、移動開始所要時間Tmwが発進遅れ時間ΔTaよりも大きければ(S4810:YES)、停止車両列に停止していた該当他車両が発進したものと判断し、S4790へと進む。
【0144】
そのS4790では、エンジンを始動(即ち、アイドリング停止から再始動)させるための始動信号を制御指令として、報知装置50に出力する。これにより、報知装置50では、現時刻でエンジンを再始動すべき旨を示す画像を表示装置51に表示させ、その旨を示す音声を音声出力装置52から出力させる。
【0145】
なお、S4710での判定の結果、他車エンジン停止フラグがエンジン停止中であることを示す場合や、S4810での判定の結果、移動開始所要時間Tmwが発進遅れ時間ΔTa以下である場合、自車両を含む停止車列に変化が無いものと判断し、報知装置50に対して始動信号を出力すること無く、本再始動判定処理を終了する。また、S4740での判定の結果、該当他車両の進行路上に自車両が存在していない場合や、判定指標TTCが比較時間以上である場合、該当他車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも低いものと判断し、報知装置50に対して始動信号を出力すること無く、本再始動判定処理を終了する。
【0146】
つまり、本実施形態における再始動判定処理では、停止車両列中に位置していた該当他車両が発進した場合や、自車両に接近してくる該当他車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも高い場合には、エンジンをアイドリング停止から再始動することが有効であるものと判断する。そのような判断が停止通知装置20にてなされると、再始動処理では、エンジンを再始動させるための始動信号を報知装置50に出力する。
〈第二判定通知処理について〉
次に、停止・始動有効判定処理のS160にて起動される第二判定通知処理について説明する。
【0147】
ここで、図8は、第二判定通知処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0148】
この第二判定通知処理は、処理が起動されると、まず、S610にて、速度センサ16にて検知した自車両速度が0km/sとみなせるか否かを判定し、判定の結果、自車両速度が0km/sとみなせれば、S620へと進む。すなわち、自車両が走行を停止していれば、S620へと進む。
【0149】
そのS620では、先のS10にて取得した交差点情報(以下、該当交差点情報と称す)に含まれている停止信号情報に従って、対応信号機が赤信号であるか否かを判定し、判定の結果、対応信号機が赤信号であれば、S630へと進む。すなわち、対応信号機が赤信号であることにより、自車両が停止中であるものと判断する。
【0150】
そして、S630では、自車両状態情報、該当交差点情報、及び他車両情報に基づいて、停止予測時間Tを導出する停止継続期間導出処理を実行する。続いて、停止継続期間導出処理にて導出された停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きいか否かを判定する(S650)。その判定の結果、停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きければ(S650:YES)、自車両においてアイドリング停止を実行することで、アイドリングを継続するよりも消費する燃料の量を低減できる(つまり、アイドリング停止の実行が有効である)ものと判断し、S660へと進む。
【0151】
そのS660では、アイドリング停止を実行させるための停止信号を制御指令として、報知装置50に出力する。これにより、報知装置50では、現時刻でアイドリング停止を実行すべき旨を示す画像を表示装置51に表示させ、その旨を示す音声を音声出力装置52から出力させる。
【0152】
続いて、先のS630にて導出した停止予測時間Tが、S660にて停止信号を出力してから経過したか否かを判定し(S670)、停止予測時間が経過していなければ、経過するまで待機する。そして、停止予測時間が経過すると、エンジン制御ECU40からのエンジン状態情報に従って、自車両のエンジンが停止中であるか否かを判定する(S680)。
【0153】
そのS680での判定の結果、自車両のエンジンが停止中であれば、S690にて、エンジンを始動(即ち、アイドリング停止から再始動)させるための始動信号を制御指令として、報知装置50に出力する。これにより、報知装置50では、現時刻でエンジンを再始動すべき旨を示す画像を表示装置51に表示させ、その旨を示す音声を音声出力装置52から出力させる。
【0154】
そして、その後、本第二判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0155】
なお、S610での判定の結果、自車両速度が0km/sとみなせない場合や、S620での判定の結果、停止信号情報が赤信号ではないことを表す場合には、対応信号機が赤信号でないことにより、自車両が停止中ではないものと判断する。このため、報知装置50に対して、制御指令(即ち、停止信号または始動信号)を出力することなく、本第二判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0156】
また、S650での判定の結果、停止予測時間Tが自車停止有効時間以下であれば(S650:NO)、自車両においてアイドリング停止を実行すると、アイドリングを継続するよりも消費する燃料の量が増加する(つまり、アイドリング停止の実行が無効である)ものと判断する。このため、報知装置50に対して、制御指令を出力すること無く、本第二判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
【0157】
さらに、S680での判定の結果、自車両のエンジンが停止中で無い場合、停止信号を出力してから停止予測時間Tが経過する前に、自車両の運転者がエンジンを再始動させたものと判断する。このため、報知装置50に対して、始動信号を出力すること無く、本第二判定通知処理を終了して、停止・始動有効判定処理へと戻る。
〈停止継続時間導出処理について〉
次に、第二判定通知処理のS630にて起動される停止継続時間導出処理について説明する。
【0158】
ここで、図9は、停止継続時間導出処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0159】
この停止継続時間導出処理は、処理が起動されると、まず、S6310にて、該当交差点情報に含まれている交差点位置及び自車位置に従って、他車両DB32に記憶されている他車両情報の中から、自車両と対応停止線との間の道路上に位置している他車両についての他車両情報を取得する。
【0160】
続いて、該当交差点情報に含まれている交差点位置と自車位置とに従って、対応停止線と自車両との間の距離(以下、停止線間距離と称す)Llを導出する(S6320)。
【0161】
さらに、停止線間距離Llを発進波速度νにて徐した値(時間)と、該当交差点情報に含まれている信号待時間Tsとの和を、移動開始所要時間Tmwとして導出する(S6330)。すなわち、ここでの移動開始所要時間Tmwは、対応交差点に形成されている停止車両列において、対応停止線の位置に停止中である先頭車両が発進してから、自車両が停止先頭位置と(即ち、発進可能)となるまでに要する期間の長さである。
【0162】
続く、S6340では、開始遅延時間を導出する開始遅延時間導出処理を実行する。なお、開始遅延時間とは、未搭載車両が他車両よりもエンジンの再始動及び発進が遅れることにより自車両の発進が遅れる期間の長さである。
【0163】
そして、S6330にて導出した移動開始所要時間Tmwと、S6340で導出した開始遅延時間との和を、停止予測時間Tとして導出する(S6350)。
【0164】
そして、その後、第二判定通知処理のS650へと進み、自車両にてアイドリング停止を実行することが有効であるか否かを判定する。
〈開始遅延時間導出処理〉
次に、停止継続時間導出処理のS6340にて起動される開始遅延時間導出処理について説明する。
【0165】
ここで、図10は、開始遅延時間導出処理の処理手順を示したフローチャートである。
【0166】
この図10に示すように、開始遅延時間導出処理は、起動されると、まず、S6410にて、先のS6310にて取得した他車両情報の中に、大型車両であることを表す種別情報が含まれたものが一つでもあるか否かを判定する。
【0167】
すなわち、このS6410では、対応停止線と自車両との間の道路上に、少なくとも一台の大型車両が停止しているか否かを判定し、判定結果、大型車両が一台も停止していなければ、S6420へと進む。例えば、他車種別情報に含まれている車高が予め規定された規定値以上であれば、その他車種別情報を含む他車両情報を発信した他車両を大型車両であるものと判定しても良い。
【0168】
そのS6420では、対応停止線と自車両との間に停止中である全車両数(即ち、停止車両数)nlを導出する。具体的に、本実施形態では、平均車間距離δlと平均車長lとの和により、停止線間距離Llを除した値を停止車両数nとして導出する(即ち、停止車両数n=停止線間距離Ll/(平均車間距離δl+平均車長l))。
【0169】
さらに、先のS6310にて取得した全他車両情報に含まれている他車位置に基づいて、対応停止線と自車両との間に存在する他車両数ml、即ち、車載器10aを搭載している車両数mlを導出する(S6430)。具体的には、他車位置が対応停止線と自車両との間に存在していることを表す他車両情報の数を他車両数mlとする。そして、停止車両数nlから車両数mlを引いた差を、対応停止線と自車両との間に存在している未搭載車両数(nl−ml)として導出する(S6440)。
【0170】
続いて、発進遅れ時間ΔTaと未搭載車両数(nl−ml)との乗を、開始遅延時間として導出する(S6450)。つまり、開始遅延時間は、対応停止線と自車両との間に存在している各未搭載車両についての遅れ時間を累積したものである。
【0171】
そして、その後、停止継続時間導出処理のS6340へと戻り、S6450で導出した開始遅延時間を用いて、停止予測時間Tを導出する。
【0172】
ところで、S6410での判定の結果、対応停止線と自車両との間に、大型車両が一台でも停止していれば、S6460へと進む。
【0173】
そのS6460では、S6410にて、大型車両であることを表す他車種別情報が含まれているものと判定された全ての他車両情報の中で、他車位置が対応停止線に最も近いことを表す他車両情報を抽出する。以下、S6410にて抽出された他車両情報を特定他車両情報とし、特定他車両情報に対応する大型車両を特定大型車両と称す。
【0174】
続いて、該当交差点情報に含まれている交差点位置と、特定他車両情報に含まれている他車位置とに基づいて、特定大型車両と対応停止線との間の距離Lbを導出する(S6470)。
【0175】
さらに、特定大型車両と対応停止線との間に停止中である全車両数(即ち、停止車両数)nbを導出する(S6480)。具体的に、本実施形態では、平均車間距離δlと平均車長lとの和により、距離Lbを除した値を停止車両数nbとして導出する(即ち、停止車両数nb=停止線間距離Lb/(平均車間距離δl+平均車長l))。
【0176】
さらに、先のS6310にて取得した全他車両情報に含まれている他車位置に基づいて、特定大型車両と対応停止線との間に存在する他車両数mbを導出する(S6490)。そして、停止車両数nbから他車両数mbを引いた差を、特定大型車両と対応停止線との間に存在している未搭載車両数(nb−mb)として導出する(S6500)。
【0177】
続いて、特定他車両情報に含まれている他車位置、及び自車位置に基づいて、特定大型車両と自車両との間の距離Laを導出する(S6510)。
【0178】
さらに、特定大型車両と自車両との間に存在している全車両数(即ち、停止車両数)naを導出する(S6520)。具体的に、本実施形態では、平均車間距離δlと平均車長lとの和により、距離Laを除した値を停止車両数naとして導出する(即ち、停止車両数na=停止線間距離La/(平均車間距離δl+平均車長l))。
【0179】
さらに、先のS6310にて取得した全他車両情報に含まれている他車位置に基づいて、特定大型車両と自車両との間に存在する他車両数maを導出する(S6530)。そして、停止車両数naから他車両数maを引いた差を、特定大型車両と自車両との間に存在している未搭載車両数(na−ma)として導出する(S6540)。
【0180】
続いて、特定大型車両と対応停止線との間に存在している各未搭載車両についての発進遅れ時間を発進遅れ時間ΔTbとし、発進遅れ時間ΔTbと未搭載車両数(nb−mb)との乗(以下、この乗を第一導出結果と称す)を導出する。さらに、発進遅れ時間ΔTaと未搭載車両数(na−ma)との乗(以下、この乗を第二導出結果と称す)を導出し、第一導出結果と第二導出結果との和を開始遅延時間として導出する(S6550)。つまり、開始遅延時間は、対応停止線と自車両との間に存在している大型車両により発進が遅れる各未搭載車両での遅れ時間を累積したものである。
【0181】
なお、本実施形態における発進遅れ時間ΔTbは、発進遅れ時間ΔTaに予め規定された定数kを乗じたものである。ただし、定数kは、1よりも小さな値である。これは、大型車両と停止線との間に存在している未搭載車両の運転者は、対応信号機が青信号に変化したことを視認することができるため、大型車両と自車両との間に存在している未搭載車両よりも発進遅れが少なくなるためである。
【0182】
そして、その後、停止継続時間導出処理のS6340へと戻り、停止予測時間Tを導出する。
〈動作例〉
次に、車載器10の動作例について説明する。
【0183】
ここで、図11(A),(B)は、第一動作例として想定した状況を示した説明図である。
【0184】
図11(A),(B)に示す第一動作例では、路側機7が設置されていない交差点における停止線の位置を先頭位置として形成された停止車列により、自車両が走行を停止した(即ち、速度が0km/s、かつエンジンは動作中である)状況を想定する。なお、想定した状況では、停止車列中には、車載器10aを搭載した一台の他車両80A,Bがアイドリング停止を実行した上で停車しており、この車載器10aの通信可能範囲内に、自車両に搭載されている車載器10は位置している。ただし、自車両としては、普通乗用車(即ち、小型車両)を想定し、他車両80A(即ち、図11(A)中の他車両)としては、自車両と同じ車種である小型車両を想定しているのに対し、他車両80B(即ち、図11(B)に示す他車両)としては、自車両とは異なる車種である大型車両を想定している。
【0185】
このような状況下において、停止・始動判定処理を実行している停止通知装置20は、車載器10aからの他車両情報を取得すると(即ち、S110:YES,S130:他車両情報)、第一判定通知処理中の停止判定処理へと移行する(S450)。その停止判定処理へと移行した停止通知装置20では、移動開始所要時間Tmw(S4520)と、発信待機時間Taw(S4540)と、開始遅延時間(S4590)とを導出し、それらの導出した時間から停止予測時間Tを導出する(S4600)。
【0186】
ところで、図11(A)に示すように、他車両80Aが小型車両であれば、自車両と他車両80Aとのそれぞれに搭載されているエンジンの排気量は略同じであるため、自車停止有効時間と他車停止有効時間とは、略同じ値(即ち、差分が0に近い値)となる。このため、停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも長いか否かを判定する時には、他車待機時間Tawに含まれる他車有効判定時間と、自車有効判定時間とが打ち消されることになる。
【0187】
つまり、自車停止有効時間と他車停止有効時間とがほぼ同じである場合、移動開始所要時間Tmwと開始遅延時間との和から、停止経過時間ΔTpを引いた値が、0よりも大きいか否かを判定していることになる。言い換えれば、このような場合、移動開始所要時間Tmw+開始遅延時間−停止経過時間ΔTp>0であれば、アイドリング停止を実行することが有効であると判定することになる。
【0188】
一方、図11(B)に示すように、他車両80Bが大型車両であれば、自車両と他車両80Bとのそれぞれに搭載されているエンジンの排気量が大きく異なるため、自車停止有効時間と他車停止有効時間とは大きく異なる。このため、停止判定処理を実行している停止通知装置20では、停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きいか否かを判定(S4610)していることと同じである。言い換えれば、停止予測時間T>自車停止有効時間であれば、アイドリング停止を実行することが有効であると判定することになる。
【0189】
そして、これらのように判定した結果、アイドリング停止が有効であれば、報知装置50からアイドリング停止が有効である旨を報知させる。
【0190】
この報知を受けた自車両の運転者は、エンジンのアイドリング停止を実行することになる。
〈第二動作例〉
次に、第二動作例について説明する。
【0191】
ここで、図12(A),(B)は、第二動作例として想定した状況を示した説明図である。
【0192】
図12(A),(B)に示す第二動作例では、路側機7が設置されている交差点の対応停止線の位置を先頭位置として形成された停止車列により、自車両が走行を停止した(即ち、速度が0km/s、かつエンジンは動作中である)状況を想定する。なお、想定した状況では、対応信号機は赤信号であり、停止車列中には、複数台の未搭載車両が存在していると共に、車載器10aを搭載した複数台の他車両がアイドリング停止を実行した上で停車している。また、この車載器10aの通信可能範囲内、及び路側機7の通信エリア内に、自車両に搭載されている車載器10は位置している。そして、自車両としては、普通乗用車(即ち、小型車両)を想定しており、図12(A)に示す他車両80Cとしては、自車両と同じ車種である小型車両を想定し、図12(B)に示す他車両80Dとしては、自車両よりも車高の大きな大型車両を想定している(以下、大型車両80Dとする)。
【0193】
このような状況下において、停止・始動判定処理を実行している停止通知装置20は、路側機7からの交差点情報を取得すると(即ち、S110:YES,S130:交差点情報)、第二判定通知処理へと移行する(S450)。
【0194】
その第二判定通知処理へと移行した停止通知装置20では、移動開始所要時間Tmwを導出し(S6320)、さらに、停止線位置と自車両との間に存在する未搭載車両の台数を推定して、開始遅延時間を導出する。
【0195】
そして、この未搭載車両の台数を推定して、開始遅延時間を導出する際の手順が、図12(A)に示す状況下と、図12(B)に示す状況下とでは、異なることになる。
【0196】
つまり、図12(A)に示す状況下では、停止車両列中に大型車両が存在していないため、対応停止線と自車位置との間に存在する未搭載車量の台数を推定し(S6440)、その推定した台数に、発進遅れ時間ΔTaを乗じることで開始遅延時間を導出することになる。
【0197】
一方、図12(B)に示す状況下では、停止車両列中に大型車両80Dが存在しているため、その大型車両80Dと停止線位置との間に存在する未搭載車両の台数(S6500)、及び大型車両80Dと自車位置との間に存在する未搭載車両の台数(S6540)をそれぞれ推定する。そして、推定した未搭載車両の台数それぞれに従って、開始遅延時間を導出する(S6550)。
【0198】
これらのように導出された開始遅延時間及び移動開始所要時間Tmwから導出した停止予測時間Tが自車停止有効時間よりも大きければ(S650:YES)、報知装置50からアイドリング停止が有効である旨を報知させる。
【0199】
この報知を受けた自車両の運転者は、エンジンのアイドリング停止を実行することになる。
【0200】
さらに、自車両の運転者がアイドリング停止を実施していれば、停止予測時間Tが経過した後、アイドリング停止を解除してエンジンを再始動する旨が報知装置50から報知される。
【0201】
この報知を受けた自車両の運転者は、エンジンをアイドリング停止した状態から再始動させることになる。
〈第三動作例〉
次に、第三動作例について説明する。
【0202】
ここで、図13は、第三動作例として想定した状況を示した説明図である。
【0203】
図13に示す第三動作例では、停止車両列の最後方に停車している(即ち、速度0km/s、かつエンジンが停止中である)自車両に、自車両と同じ走行路を走行している大型車両である他車両80Eが接近してくる状況を想定する。ただし、自車両に搭載されている車載器10は、他車両80Eに搭載されている車載器10aの通信可能範囲内に位置しているものとする。
【0204】
このような状況下において、停止・始動判定処理を実行している停止通知装置20は、他車両80Eに搭載されている車載器10aからの他車両情報を取得すると(即ち、S110:YES,S130:他車両情報)、第一判定通知処理中の再始動判定処理へと移行する(S450)。
【0205】
その再始動判定処理へと移行した停止通知装置20では、他車両80Eが大型車両であることから、他車両80Eの進行路上に自車両が位置していることが判明した時点で、アイドリング停止を解除してエンジンを再始動する旨が報知装置50から報知される。
【0206】
なお、他車両80Eが小型車両であったとしても、他車両80Eの進行路上に自車両が位置し、しかも判定指標TTCが比較時間未満であれば、アイドリング停止を解除してエンジンを再始動する旨が報知装置50から報知される。
【0207】
このような報知を受けた自車両の運転者は、エンジンをアイドリング停止した状態から再始動させることになる。
[実施形態の効果]
以上、説明したように、本実施形態の停止通知装置20では、停止予測時間を導出するために用い、しかも自車両にて検知不可能な情報(即ち、交差点情報、もしくは他車両情報)のうち、他車両情報のみを取得したとしても、停止予測時間Tを導出することができる。このため、停止通知装置20によれば、停止有効判定を実行するために、路車間通信を利用して路側機7から交差点情報を取得する必要が無い。
【0208】
この結果、停止通知装置20によれば、停止有効判定を実行可能なエリアを、路側機7が設置されていない未設置区域にまで拡大することができる。
【0209】
ところで、自動車産業において、新しい技術が適用された装置を車両に搭載する場合、その装置は、高級車から搭載を開始し、徐々に、大衆車へと普及させていくことが一般的である。
【0210】
このため、停止通知装置20のような、アイドリング停止を解除すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置(即ち、停止通知装置20)が普及していく過程では、搭載車と、非搭載車とが混在する。この時、非搭載車では、アイドリング停止を解除すべき最適なタイミングでエンジンが始動されず、当該非搭載車が発進するタイミングは搭載車に比べて遅れる。つまり、新しい技術が普及していく過程では、装置の普及率により、搭載車と非搭載車との間に発進タイミングのバラつきが生じるという問題が生じる。
【0211】
ここで、図14は、第二動作例にて、停止通知装置20が停止信号を出力してから始動信号を出力するまでの期間の長さ、即ち、発進タイミングのバラつきを考慮した停止予測時間を導出することを示した模式図である。
【0212】
この図14に示すように、停止通知装置20では、移動開始所要時間Tmwと発進待機時間Tawとの和に、車両a,bが未搭載車であることによる遅れ時間(即ち、開始遅延時間)を加えた期間の長さを、停止予測時間Tとして導出している。
【0213】
言い換えれば、停止通知装置20によれば、移動開始所要時間Tmwと発進待機時間Tawと開始遅延時間との和を、停止予測時間Tとして導出しているため、自車両が移動を再開するまで、即ち、停止予測時間Tをより正確に導出ことができる。
【0214】
つまり、停止通知装置20によれば、搭載車と非搭載車との発進タイミングのバラつきである開始遅延時間を考慮した停止予測時間Tを導出するため、通知装置が普及していく過程であっても、アイドリング停止を実行することが有効であるか否かをより正確に判定することができる。このため、停止通知装置20によれば、自車両にてアイドリング停止を実行することが無効であるにもかかわらず、アイドリング停止を実行することが有効であると判断されることを低減できる。
【0215】
これらの結果、停止通知装置20によれば、停止通知装置20からの通知に従って、不必要なアイドリング停止が実行されることを抑制できる。そして、停止通知装置20からの通知に従って、アイドリング停止を実行することで、自車両の燃費を向上させることができ、さらには、自車両から排出される二酸化炭素の量を低減することができる。
【0216】
また、停止通知装置20によれば、再始動すべきタイミングに出力された始動信号に従って報知装置50が報知するため、適切なタイミングでエンジンを再始動させることができる。したがって、停止通知装置20によれば、停止車列の進行状況に沿ってスムーズに自車両を発進させることができ、自車両が渋滞の要因となることを低減できる。
【0217】
ところで、通常、アイドリング停止を実行している車両(即ち、自車両)は、エンジンのアイドリング停止中に自走することができない。このため、例えば、自車両に対して該当他車両が追突しそうになったとしても、自車両自体は、前もって回避行動を取ることが困難であるという問題があった。
【0218】
しかしながら、停止通知装置20では、自車両に接近してくる該当他車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも高い場合(即ち、該当他車両が大型車両である場合や、接近速度が高速である場合)には、報知装置50に対して始動信号を出力している。
【0219】
つまり、停止通知装置20によれば、該当他車両が自車両に与える危険度が規定閾値よりも高い時を始動信号を出力するタイミングとしているため、該当他車両が自車両に危険を与える前に、エンジンを前もって始動させることができる。この結果、該当他車両が自車両追突する前に、自車両の回避行動を取らせることができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0220】
例えば、上記実施形態では、他車両に搭載される車載器10aは、車載器10と同様に構成されていたが、車載器10aは、車載器10と同様に構成されている必要はなく、車両情報を生成して送信可能なものであれば、どのように構成されていても良い。また、上記実施形態における車載器10では、車両情報を生成して、その生成した車両情報を自車両情報として通信可能範囲に送信していたが、車載器10において、自車両情報を送信する機能を有していなくとも良い。
【0221】
そして、車両情報として含まれる情報の内容は、上記実施形態に限るものではない、例えば、停止有効時間は含まれていなくとも良く、車両情報を受信した停止通知装置にて、車種情報に従って推定するように構成しても良い。この場合、車種と停止予測時間との対応関係を予め規定したテーブルを用いることが望ましい。
【0222】
また、上記実施形態における停止通知装置20では、停止有効判定を実行する際に、移動開始所要時間Tmwと発進待機時間Tawと開始遅延時間との和を、停止予測時間Tとして導出していたが、停止通知装置20にて導出される停止予測時間Tは、これに限るものではない。例えば、移動開始所要時間Tmw,発信待機時間Tawそれぞれ単独であっても良いし、移動開始所要時間Tmwと発信待機時間Tawとの和や、移動開始所要時間Tmw,発信待機時間Tawそれぞれと開始遅延時間との和であっても良い。
【0223】
なお、停止予測時間Tとして算出する時間は、車載器10にて取得可能な情報によって変更することが望ましい。つまり、車両情報または交差点情報を取得したか否かといったことのみならず、車両情報に含まれている情報の内容によって、停止予測時間Tとして算出する期間の長さを変更するようにしても良い。
【0224】
このように、車両情報に含まれる情報の内容によって、停止予測時間Tの算出方法を変更することの一例としては、他車両情報中に他車停止有効時間が含まれていない場合には、移動開始所要時間Tmwと開始遅延時間との和から、停止経過時間ΔTpを引いた値を停止予測時間Tとして導出し、そのようにして導出した停止予測時間Tが0よりも大きければ、アイドリング停止が有効であるものと判定しても良い。
【0225】
さらに、上記実施形態における停止通知装置20では、発進遅れ時間ΔTaを共通の値として予め規定していたが、発進遅れ時間ΔTaは、これに限るものではなく、例えば、対応停止線からの距離が遠くなるほど、大きな値となるよう設定された関数でも良い。特に、対応停止線からの距離が予め規定された規定距離以上である場合には、最大値とするようにしても良い。
【0226】
これらは、停止車両列に含まれている車両において、対応停止線からの距離が近い場合には、未搭載車両でも対応信号機の状態を運転者が視認することができ、対応停止線から離れるほど、対応信号機の状態を運転者が視認することが困難になるためである。このように設定した発進遅れ時間ΔTaを用いて、開始遅延時間を導出すれば、実際の運転に即した正確な停止予測時間Tを導出することができる。
【0227】
そして、上記実施形態における停止・始動処理では、S110にて他車両情報を取得すると、その取得した他車両情報を発信した他車両を該当他車両として処理を進めていたが、該当車両は、これに限るものではない。例えば、他車両DB32に記憶している他車両情報の中から、自車両の進行路上に位置している他車両を全て検出し、その検出した全てのものの中で、予め規定された規定条件を満たす一つを該当他車両として特定するようにしても良い。この場合、例えば、自車両から最も遠い位置に存在していることや、自車両から最も近い位置に存在していることを規定条件としても良い。
【0228】
ところで、上記実施形態における停止・始動有効判定処理では、停止予測時間Tを導出して、停止有効判定及び再始動有効判定を実施していたが、停止有効判定及び再始動有効判定に用いる指標は、停止予測時間Tに限るものではなく、例えば、停止予測時間Tを、その期間の間に走行可能な距離に変換して判定しても良い。
【0229】
なお、上記実施形態における停止通知装置20では、発進波速度νを、予め規定された共通の値としていたが、発進波速度νはこれに限るものではなく、交差点毎に異なる値が設定されていても良い。この場合、停止通知装置20は、交差点情報として路側機7から取得しても良いし、道路情報DBに予め記憶しても良い。
【0230】
ところで、上記実施形態においては、平均車長と平均車間との和により、距離を除することによって、停止車両の台数を推定していたが、未搭載車両の台数を推定するために用いる情報は、これに限るものではない。例えば、種別情報として大型車両であることを示す情報が含まれている場合には、その大型車両の車長を平均車長よりも長くするようにしても良い。特に、種別情報に車長を含めば、その種別情報中の情報を用いても良い。
【0231】
また、上記実施形態の停止通知装置20における再始動判定では、該当他車両が出発した時や、停止予測時間が経過した時、該当他車両が自車両に対して与える危険度が基準値以上となった時に、始動信号を制御指令として報知装置50に出力しているが、再始動判定において、始動信号を出力するタイミングは、これらに限るものでは無い。例えば、停止車両列において、自車両が最前部や最後方に位置している場合には、無条件で始動信号を出力しても良い。
【0232】
そして、上記実施形態の第二判定通知処理では、停止信号を出力してから停止予測時間Tが経過すると、始動信号を制御指令として出力していたが、始動信号を出力する前に(即ち、停止予測時間Tが経過する設置時間前に)、予備報知のための制御指令を報知装置50に出力するようにしても良い。
【0233】
このように予備報知を実施することで、停止予測時間Tが経過した時点で確実にエンジンを始動させることができると共に、本報知による運転者の混乱防止の両立を実現することができる。ただし、このような予備報知は、停止予測時間Tが、一定時間以上である場合に実施されることが望ましい。
【0234】
ところで、上記実施形態における停止通知装置20では、停止信号または始動信号を制御指令として報知装置50に出力していたが、制御指令の出力先は、報知装置50に限るものではなく、例えば、エンジン制御ECU40であっても良い。このようにエンジン制御ECU40を制御指令の出力先とすれば、アイドリング停止を実行すべきタイミングで確実にアイドリング停止を行うことができ、また、エンジンをアイドリング停止から再始動すべきタイミングで確実に再始動することができる。この結果、自車両の燃費を確実に向上させることができる。
[特許請求の範囲と実施形態との対応関係]
本実施形態の停止通知装置20における通信制御部21が、本発明の他車両情報取得手段及び交差点情報取得手段に相当し、停止通知装置20におけるセンサ制御部22が、本発明の自車位置取得手段に相当する。
【0235】
さらに、本実施形態の停止判定処理におけるS4510〜S4600,または停止継続時間導出処理を実行することで得られる機能が本発明の停止時間導出手段に相当する。そして、本実施形態の停止判定処理におけるS4600,S4610、または、第二判定通知処理におけるS650,S660を実行することで得られる機能が、本発明の停止通知手段に相当する。
【0236】
さらに、再始動判定処理におけるS4730〜S4780,S4800,S4810、または第二判定通知処理におけるS670,S680を実行することで得られる機能が、本発明の再始動判定手段に相当する。そして、再始動判定処理におけるS4790、または第二判定通知処理におけるS690を実行することで得られる機能が本発明の再始動通知手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0237】
【図1】アイドリング停止通知システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】車車通信により送受信される車両情報の構成を示す説明図である。
【図3】他車両DBの概略構成を示す説明図である。
【図4】停止・始動判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】第一判定通知処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】停止判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】再始動判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】第二判定通知処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】停止継続時間導出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】開始遅延時間導出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】第一動作例として想定される状況を示した説明図である。
【図12】第二動作例として想定される状況を示した説明図である。
【図13】第三動作例として想定される状況を示した説明図である。
【図14】第二動作例として想定した状況下で導出される停止予測時間を示した模式図である。
【符号の説明】
【0238】
1…アイドリング停止通知システム 10,10a…車載器 7…路側機 8,11…アンテナ 12…送受信機器 13…位置検出器 14…方位センサ 15…GPSセンサ 16…速度センサ 17…センサ群 20…アイドリング停止関連通知制御装置(停止通知装置) 50…報知装置 51…表示装置 52…音声出力装置 40…エンジン制御ECU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関を有した車両に搭載されるアイドリング停止通知装置であって、
車両の現在位置及び進行方向を表す情報を位置情報とし、自車両についての前記位置情報を自車位置として取得する自車位置取得手段と、
車車間通信を利用して通信する通信装置を備えた車両を他車両とし、前記他車両が前記自車両の進行路上にて移動を停止しているか否か、及び前記他車両から前記自車両までの距離を推定するための距離推定情報が少なくとも含まれる他車両情報を、前記通信装置から車車間通信を利用して取得する他車両情報取得手段と、
前記自車位置取得手段で取得した自車位置、及び前記他車両情報取得手段で取得された他車両情報に基づいて、前記自車両の内燃機関についてアイドリング停止を実施可能であると予測される期間の長さを表す停止予測時間を導出する停止時間導出手段と、
アイドリング停止を継続する期間の長さを停止継続時間とし、前記内燃機関のアイドリングを停止することでアイドリングを継続するよりも燃料の消費量が少なくなる最低限の前記停止継続時間を停止有効時間とし、前記自車両についての前記停止有効時間を自車停止有効時間とし、前記停止時間導出手段で導出された停止予測時間が前記自車停止有効時間よりも長い場合、前記自車両に搭載されている車載機器に対して、前記アイドリング停止を実行させるための停止通知を出力する停止通知手段と
を備えることを特徴とするアイドリング停止通知装置。
【請求項2】
前記距離推定情報は、前記他車両についての前記位置情報である他車位置、及び移動を停止した移動停止状態であるか否かを表す移動停止情報を含み、
前記停止時間導出手段は、
前記自車位置、及び前記距離推定情報に基づき、前記自車両の進行路上に存在し、かつ移動を停止している前記他車両を対象車両として特定する対象車両特定手段と、
前記自車両が停止したことが検知されると、前記対象車両特定手段で特定された対象車両と前記自車両との間の車両間距離を導出する距離導出手段と
を備え
停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置とし、前記先頭車両から順次発進する時に前記停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値を発進波速度とし、前記距離導出手段で導出された車両間距離を前記発進波速度で除した値を、前記停止予測時間とすることを特徴とする請求項1に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項3】
前記他車両情報は、前記他車両が前記移動停止状態となった停止開始時刻、及び前記他車両についての前記停止有効時間である他車停止有効時間を含み、
前記停止時間導出手段は、
現時刻を取得する現時刻取得手段と、
前記停止開始時刻、及び前記現時刻取得手段で取得した現時刻に基づいて、前記他車両が前記移動停止状態となってからの停止経過時間を導出する経過時間導出手段と、
前記経過時間導出手段で導出された停止経過時間と、前記他車停止有効時間との差分を他車待機時間として導出する待機時間導出手段と
を備え、
前記車両間距離を前記発進波速度で除した値を移動開始所要時間とし、その移動開始所要時間と、前記待機時間導出手段で導出された他車待機時間との和を、前記停止予測時間とすることを特徴とする請求項2に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項4】
前記他車両情報は、前記内燃機関をアイドリング停止から再始動すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置が搭載されているか否かを示す搭載情報を含み、
前記停止時間導出手段は、
前記通知装置が未搭載である車両を未搭載車とし、前記距離導出手段にて導出された車両間距離、及び前記他車両情報に基づいて、前記対象車両と前記自車両との間に存在する前記未搭載車の台数を推定する未搭載数推定手段と、
前記内燃機関をアイドリング停止から再始動し、車両が自走可能となるまでに要する予め規定された期間の長さを発進遅れ時間とし、前記未搭載数推定手段で推定された台数に前記発進遅れ時間を乗じた時間を自車移動開始遅延時間として導出する遅延時間導出手段と
を備え、
前記遅延時間導出手段で導出された自車移動開始遅延時間と、前記移動開始所要時間と、前記他車待機時間との和を、前記停止予測時間とすることを特徴とする請求項3に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項5】
前記対象車両特定手段は、
前記他車両情報取得手段にて他車両情報を取得する毎に、該他車両情報を発信した他車両が前記対象車両に該当するか否かを判定し、その判定の結果、該当する場合、該他車両を前記対象車両として特定することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項6】
前記移動停止状態とは、
前記内燃機関の動作が停止した状態であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項7】
前記移動停止状態とは、
車両の走行を停止した状態であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項8】
前記停止通知手段は、
前記内燃機関の動作状態を制御する内燃機関制御装置に対して、前記停止通知を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項9】
前記停止通知手段は、
前記自車両の乗員に情報を報知する報知装置に対して、前記停止通知を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項10】
前記自車両に搭載され、かつアイドリング停止された内燃機関を再始動させるべきタイミングである再始動タイミングとなったか否かを判定する再始動判定手段と、
前記再始動判定手段にて前記再始動タイミングとなったものと判定されると、前記自車両に搭載されている車載機器に対して、前記内燃機関を再始動するための始動通知を出力する再始動通知手段と
を備えることを特徴とする請求項2ないし請求項9のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項11】
前記再始動判定手段は、
前記停止時間導出手段で導出された停止予測時間が、前記アイドリング停止を開始した時から経過した場合、前記再始動タイミングとなったものと判定することを特徴とする請求項10に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項12】
前記再始動判定手段は、
前記他車情報取得手段にて前記移動停止情報が移動停止状態ではないことを表す前記他車両情報を取得する毎に、当該他車両情報及び前記自車位置取得手段で取得した自車位置に従って、前記自車両と前記他車両との間の車両間距離を前記発進波速度で除した値を出発待時間として導出する出発待時間導出手段を備え、
前記内燃機関をアイドリング停止状態から再始動して車両が自走可能となるまでに要する予め規定された期間の長さを発進遅れ時間とし、前記出発待時間導出手段で導出された出発待時間が、前記発進遅れ時間よりも小さい場合、前記再始動タイミングとなったものと判定することを特徴とする請求項10に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項13】
前記再始動判定手段は、
前記自車位置取得手段で取得した自車位置、または前記他車両情報取得手段で取得した他車両情報のうち、少なくとも一方に基づいて、前記自車両に対する危険度合いを危険性判定値として導出すると共に、その危険性判定値が、予め規定された規定閾値よりも大きい場合、前記再始動タイミングとなったものと判定する危険度判定手段からなることを特徴とする請求項10に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項14】
前記危険度判定手段は、
前記他車両情報取得手段にて他車両情報を取得する毎に、該他車両情報を発信した他車両の進行路上に前記自車両が存在するか否かを判定する危険性判定手段と、
前記危険性判定手段にて、前記他車両の進行路上に前記自車両が存在するものと判定された場合、当該他車両を危険性判定車両とし、前記危険性判定車両が自車両に与える危険度を前記危険性判定値として導出する判定値導出手段と
を備えることを特徴とする請求項13に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項15】
前記他車両情報は、車速を含み、
前記判定値導出手段は、
前記危険性判定車両と前記自車両との間の車両間距離を、前記危険性判定車両の車速で除した値を前記危険性判定値として導出し、
前記危険度判定手段は、
前記内燃機関をアイドリング停止状態から再始動して車両が自走可能となるまでに要する時間として予め規定された期間の長さである発進遅れ時間を前記規定閾値とすることを特徴とする請求項14に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項16】
前記他車両情報は、車種を表す車種情報を含み
前記判定値導出手段は、
前記危険性判定車両が大型車両である場合、前記規定閾値よりも値が大きいものとして前記危険性判定値を導出することを特徴とする請求項14に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項17】
前記危険度判定手段は、
前記自車両が停止車両列の最前部または最後方に位置している場合、前記規定閾値よりも値が大きいものとして前記危険性判定値を導出することを特徴とする請求項14に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項18】
前記再始動通知手段は、
前記内燃機関の動作状態を制御する内燃機関制御装置に対して、前記始動通知を出力することを特徴とする請求項10ないし請求項17のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項19】
前記再始動制御手段は、
前記自車両の乗員に情報を報知する報知装置に対して、前記始動通知を出力することを特徴とする請求項10ないし請求項17のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項20】
内燃機関を有した車両に搭載されるアイドリング停止通知装置であって、
自車両の現在位置及び進行方向を表す自車位置を取得する自車位置取得手段と、
他車両の現在位置及び進行方向を表す他車位置、前記他車両が移動を停止した移動停止状態であるか否かを表す移動停止情報、及び前記内燃機関をアイドリング停止から再始動すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置が前記他車両に搭載されているか否かを示す搭載情報が少なくとも含まれる他車両情報を取得する他車両情報取得手段と、
前記自車両の進行路上にて自車両から最短位置に存在する交差点を最近交差点とし、その最近交差点における停止線の位置を停止線位置とし、前記最近交差点における信号機が次に青信号へと変化するまでの時間を信号待時間とし、前記停止線位置及び前記信号待時間を含む交差点情報を取得する交差点情報取得手段と、
前記自車両が停止したことが検知されると、前記交差点情報取得手段で取得された交差点情報、前記自車位置取得手段で取得した自車位置、前記他車両情報取得手段で取得した他車両情報に基づいて、前記自車両の内燃機関についてアイドリング停止を実施可能であると予測される期間の長さを表す停止予測時間を導出する停止時間導出手段と、
前記アイドリング停止を継続する期間の長さを停止継続時間とし、前記自車両の内燃機関のアイドリングを停止することでアイドリングを継続するよりも燃料の消費量が少なくなる最低限の前記停止継続時間を自車停止有効時間とし、前記停止時間導出手段で導出された停止予測時間が前記自車停止有効時間よりも長い場合、前記自車両に搭載されている車載機器に対して、前記アイドリング停止を実行させるための停止通知を出力する停止通知手段と
を備え、
前記停止時間導出手段は、
停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置とし、前記先頭車両から順次発進する時に前記停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値を発進波速度とし、前記自車両と前記停止線位置との間の特定距離を前記発進波速度で除した値を自車移動開始所要時間として導出する開始時間導出手段と、
前記通知装置が未搭載である車両を未搭載車とし、前記距離導出手段にて導出された特定距離、及び前記他車両情報に基づいて、前記停止位置と前記自車両との間に存在する前記未搭載車の台数を推定する未搭載数推定手段と、
前記内燃機関をアイドリング停止状態から再始動し、車両が自走可能となるまでに要する予め規定された期間の長さを発進遅れ時間とし、前記未搭載数推定手段で推定された台数に前記発進遅れ時間を乗じた時間を自車移動開始遅延時間として導出する遅延時間導出手段と
を備え、
前記交差点情報に含まれている信号待時間と、前記自車移動開始所要時間と、前記自車移動開始遅延時間との和を、前記停止予測時間とすることを特徴とするアイドリング停止通知装置。
【請求項21】
前記他車両情報には、前記他車両の車高に関連する車高情報が含まれ、
前記遅延時間導出手段は、
前記車高情報、及び前記自車位置に基づき、予め規定された基準値よりも車高が大きい大型車両が停止車列の中に含まれているか否か判定し、判定の結果、前記大型車両が含まれている場合、前記自車移動開始遅延時間が大きな値となるように補正することを特徴とする請求項20に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項22】
前記自車両に搭載され、かつアイドリング停止された内燃機関を再始動させるべきタイミングである再始動タイミングとなったか否かを判定する再始動判定手段と、
前記再始動判定手段にて前記再始動タイミングとなったものと判定されると、前記自車両に搭載されている車載機器に対して、前記内燃機関を再始動するための始動通知を出力する再始動通知手段と
を備えることを特徴とする請求項20または請求項21のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項23】
前記再始動判定手段は、
前記停止時間導出手段で導出された停止予測時間が、前記アイドリング停止を開始した時から経過した場合、前記再始動タイミングとなったものと判定することを特徴とする請求項22に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項24】
前記再始動判定手段は、
前記他車情報取得手段にて前記移動停止情報が移動停止状態ではないことを表す前記他車両情報を取得する毎に、当該他車両情報及び前記自車位置取得手段で取得した自車位置に従って、前記自車両と前記他車両との間の車両間距離を前記発進波速度で除した値を出発待時間として導出する出発待時間導出手段を備え、
前記出発待時間導出手段で導出された出発待時間が、前記発進遅れ時間よりも小さい場合、前記再始動タイミングとなったものと判定することを特徴とする請求項22に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項25】
前記再始動判定手段は、
前記自車位置取得手段で取得した自車位置、または前記他車両情報取得手段で取得した他車両情報のうち、少なくとも一方に基づいて、前記自車両に対する危険度合いを危険性判定値として導出すると共に、その危険性判定値が、予め規定された規定閾値よりも大きい場合、前記再始動タイミングとなったものと判定する危険度判定手段からなることを特徴とする請求項22に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項1】
内燃機関を有した車両に搭載されるアイドリング停止通知装置であって、
車両の現在位置及び進行方向を表す情報を位置情報とし、自車両についての前記位置情報を自車位置として取得する自車位置取得手段と、
車車間通信を利用して通信する通信装置を備えた車両を他車両とし、前記他車両が前記自車両の進行路上にて移動を停止しているか否か、及び前記他車両から前記自車両までの距離を推定するための距離推定情報が少なくとも含まれる他車両情報を、前記通信装置から車車間通信を利用して取得する他車両情報取得手段と、
前記自車位置取得手段で取得した自車位置、及び前記他車両情報取得手段で取得された他車両情報に基づいて、前記自車両の内燃機関についてアイドリング停止を実施可能であると予測される期間の長さを表す停止予測時間を導出する停止時間導出手段と、
アイドリング停止を継続する期間の長さを停止継続時間とし、前記内燃機関のアイドリングを停止することでアイドリングを継続するよりも燃料の消費量が少なくなる最低限の前記停止継続時間を停止有効時間とし、前記自車両についての前記停止有効時間を自車停止有効時間とし、前記停止時間導出手段で導出された停止予測時間が前記自車停止有効時間よりも長い場合、前記自車両に搭載されている車載機器に対して、前記アイドリング停止を実行させるための停止通知を出力する停止通知手段と
を備えることを特徴とするアイドリング停止通知装置。
【請求項2】
前記距離推定情報は、前記他車両についての前記位置情報である他車位置、及び移動を停止した移動停止状態であるか否かを表す移動停止情報を含み、
前記停止時間導出手段は、
前記自車位置、及び前記距離推定情報に基づき、前記自車両の進行路上に存在し、かつ移動を停止している前記他車両を対象車両として特定する対象車両特定手段と、
前記自車両が停止したことが検知されると、前記対象車両特定手段で特定された対象車両と前記自車両との間の車両間距離を導出する距離導出手段と
を備え
停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置とし、前記先頭車両から順次発進する時に前記停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値を発進波速度とし、前記距離導出手段で導出された車両間距離を前記発進波速度で除した値を、前記停止予測時間とすることを特徴とする請求項1に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項3】
前記他車両情報は、前記他車両が前記移動停止状態となった停止開始時刻、及び前記他車両についての前記停止有効時間である他車停止有効時間を含み、
前記停止時間導出手段は、
現時刻を取得する現時刻取得手段と、
前記停止開始時刻、及び前記現時刻取得手段で取得した現時刻に基づいて、前記他車両が前記移動停止状態となってからの停止経過時間を導出する経過時間導出手段と、
前記経過時間導出手段で導出された停止経過時間と、前記他車停止有効時間との差分を他車待機時間として導出する待機時間導出手段と
を備え、
前記車両間距離を前記発進波速度で除した値を移動開始所要時間とし、その移動開始所要時間と、前記待機時間導出手段で導出された他車待機時間との和を、前記停止予測時間とすることを特徴とする請求項2に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項4】
前記他車両情報は、前記内燃機関をアイドリング停止から再始動すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置が搭載されているか否かを示す搭載情報を含み、
前記停止時間導出手段は、
前記通知装置が未搭載である車両を未搭載車とし、前記距離導出手段にて導出された車両間距離、及び前記他車両情報に基づいて、前記対象車両と前記自車両との間に存在する前記未搭載車の台数を推定する未搭載数推定手段と、
前記内燃機関をアイドリング停止から再始動し、車両が自走可能となるまでに要する予め規定された期間の長さを発進遅れ時間とし、前記未搭載数推定手段で推定された台数に前記発進遅れ時間を乗じた時間を自車移動開始遅延時間として導出する遅延時間導出手段と
を備え、
前記遅延時間導出手段で導出された自車移動開始遅延時間と、前記移動開始所要時間と、前記他車待機時間との和を、前記停止予測時間とすることを特徴とする請求項3に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項5】
前記対象車両特定手段は、
前記他車両情報取得手段にて他車両情報を取得する毎に、該他車両情報を発信した他車両が前記対象車両に該当するか否かを判定し、その判定の結果、該当する場合、該他車両を前記対象車両として特定することを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項6】
前記移動停止状態とは、
前記内燃機関の動作が停止した状態であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項7】
前記移動停止状態とは、
車両の走行を停止した状態であることを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項8】
前記停止通知手段は、
前記内燃機関の動作状態を制御する内燃機関制御装置に対して、前記停止通知を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項9】
前記停止通知手段は、
前記自車両の乗員に情報を報知する報知装置に対して、前記停止通知を出力することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項10】
前記自車両に搭載され、かつアイドリング停止された内燃機関を再始動させるべきタイミングである再始動タイミングとなったか否かを判定する再始動判定手段と、
前記再始動判定手段にて前記再始動タイミングとなったものと判定されると、前記自車両に搭載されている車載機器に対して、前記内燃機関を再始動するための始動通知を出力する再始動通知手段と
を備えることを特徴とする請求項2ないし請求項9のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項11】
前記再始動判定手段は、
前記停止時間導出手段で導出された停止予測時間が、前記アイドリング停止を開始した時から経過した場合、前記再始動タイミングとなったものと判定することを特徴とする請求項10に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項12】
前記再始動判定手段は、
前記他車情報取得手段にて前記移動停止情報が移動停止状態ではないことを表す前記他車両情報を取得する毎に、当該他車両情報及び前記自車位置取得手段で取得した自車位置に従って、前記自車両と前記他車両との間の車両間距離を前記発進波速度で除した値を出発待時間として導出する出発待時間導出手段を備え、
前記内燃機関をアイドリング停止状態から再始動して車両が自走可能となるまでに要する予め規定された期間の長さを発進遅れ時間とし、前記出発待時間導出手段で導出された出発待時間が、前記発進遅れ時間よりも小さい場合、前記再始動タイミングとなったものと判定することを特徴とする請求項10に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項13】
前記再始動判定手段は、
前記自車位置取得手段で取得した自車位置、または前記他車両情報取得手段で取得した他車両情報のうち、少なくとも一方に基づいて、前記自車両に対する危険度合いを危険性判定値として導出すると共に、その危険性判定値が、予め規定された規定閾値よりも大きい場合、前記再始動タイミングとなったものと判定する危険度判定手段からなることを特徴とする請求項10に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項14】
前記危険度判定手段は、
前記他車両情報取得手段にて他車両情報を取得する毎に、該他車両情報を発信した他車両の進行路上に前記自車両が存在するか否かを判定する危険性判定手段と、
前記危険性判定手段にて、前記他車両の進行路上に前記自車両が存在するものと判定された場合、当該他車両を危険性判定車両とし、前記危険性判定車両が自車両に与える危険度を前記危険性判定値として導出する判定値導出手段と
を備えることを特徴とする請求項13に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項15】
前記他車両情報は、車速を含み、
前記判定値導出手段は、
前記危険性判定車両と前記自車両との間の車両間距離を、前記危険性判定車両の車速で除した値を前記危険性判定値として導出し、
前記危険度判定手段は、
前記内燃機関をアイドリング停止状態から再始動して車両が自走可能となるまでに要する時間として予め規定された期間の長さである発進遅れ時間を前記規定閾値とすることを特徴とする請求項14に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項16】
前記他車両情報は、車種を表す車種情報を含み
前記判定値導出手段は、
前記危険性判定車両が大型車両である場合、前記規定閾値よりも値が大きいものとして前記危険性判定値を導出することを特徴とする請求項14に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項17】
前記危険度判定手段は、
前記自車両が停止車両列の最前部または最後方に位置している場合、前記規定閾値よりも値が大きいものとして前記危険性判定値を導出することを特徴とする請求項14に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項18】
前記再始動通知手段は、
前記内燃機関の動作状態を制御する内燃機関制御装置に対して、前記始動通知を出力することを特徴とする請求項10ないし請求項17のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項19】
前記再始動制御手段は、
前記自車両の乗員に情報を報知する報知装置に対して、前記始動通知を出力することを特徴とする請求項10ないし請求項17のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項20】
内燃機関を有した車両に搭載されるアイドリング停止通知装置であって、
自車両の現在位置及び進行方向を表す自車位置を取得する自車位置取得手段と、
他車両の現在位置及び進行方向を表す他車位置、前記他車両が移動を停止した移動停止状態であるか否かを表す移動停止情報、及び前記内燃機関をアイドリング停止から再始動すべきタイミングを車載機器に対して通知する通知装置が前記他車両に搭載されているか否かを示す搭載情報が少なくとも含まれる他車両情報を取得する他車両情報取得手段と、
前記自車両の進行路上にて自車両から最短位置に存在する交差点を最近交差点とし、その最近交差点における停止線の位置を停止線位置とし、前記最近交差点における信号機が次に青信号へと変化するまでの時間を信号待時間とし、前記停止線位置及び前記信号待時間を含む交差点情報を取得する交差点情報取得手段と、
前記自車両が停止したことが検知されると、前記交差点情報取得手段で取得された交差点情報、前記自車位置取得手段で取得した自車位置、前記他車両情報取得手段で取得した他車両情報に基づいて、前記自車両の内燃機関についてアイドリング停止を実施可能であると予測される期間の長さを表す停止予測時間を導出する停止時間導出手段と、
前記アイドリング停止を継続する期間の長さを停止継続時間とし、前記自車両の内燃機関のアイドリングを停止することでアイドリングを継続するよりも燃料の消費量が少なくなる最低限の前記停止継続時間を自車停止有効時間とし、前記停止時間導出手段で導出された停止予測時間が前記自車停止有効時間よりも長い場合、前記自車両に搭載されている車載機器に対して、前記アイドリング停止を実行させるための停止通知を出力する停止通知手段と
を備え、
前記停止時間導出手段は、
停止車両列の先頭車両の位置を停止先頭位置とし、前記先頭車両から順次発進する時に前記停止先頭位置が移動する速度として予め規定された値を発進波速度とし、前記自車両と前記停止線位置との間の特定距離を前記発進波速度で除した値を自車移動開始所要時間として導出する開始時間導出手段と、
前記通知装置が未搭載である車両を未搭載車とし、前記距離導出手段にて導出された特定距離、及び前記他車両情報に基づいて、前記停止位置と前記自車両との間に存在する前記未搭載車の台数を推定する未搭載数推定手段と、
前記内燃機関をアイドリング停止状態から再始動し、車両が自走可能となるまでに要する予め規定された期間の長さを発進遅れ時間とし、前記未搭載数推定手段で推定された台数に前記発進遅れ時間を乗じた時間を自車移動開始遅延時間として導出する遅延時間導出手段と
を備え、
前記交差点情報に含まれている信号待時間と、前記自車移動開始所要時間と、前記自車移動開始遅延時間との和を、前記停止予測時間とすることを特徴とするアイドリング停止通知装置。
【請求項21】
前記他車両情報には、前記他車両の車高に関連する車高情報が含まれ、
前記遅延時間導出手段は、
前記車高情報、及び前記自車位置に基づき、予め規定された基準値よりも車高が大きい大型車両が停止車列の中に含まれているか否か判定し、判定の結果、前記大型車両が含まれている場合、前記自車移動開始遅延時間が大きな値となるように補正することを特徴とする請求項20に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項22】
前記自車両に搭載され、かつアイドリング停止された内燃機関を再始動させるべきタイミングである再始動タイミングとなったか否かを判定する再始動判定手段と、
前記再始動判定手段にて前記再始動タイミングとなったものと判定されると、前記自車両に搭載されている車載機器に対して、前記内燃機関を再始動するための始動通知を出力する再始動通知手段と
を備えることを特徴とする請求項20または請求項21のいずれかに記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項23】
前記再始動判定手段は、
前記停止時間導出手段で導出された停止予測時間が、前記アイドリング停止を開始した時から経過した場合、前記再始動タイミングとなったものと判定することを特徴とする請求項22に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項24】
前記再始動判定手段は、
前記他車情報取得手段にて前記移動停止情報が移動停止状態ではないことを表す前記他車両情報を取得する毎に、当該他車両情報及び前記自車位置取得手段で取得した自車位置に従って、前記自車両と前記他車両との間の車両間距離を前記発進波速度で除した値を出発待時間として導出する出発待時間導出手段を備え、
前記出発待時間導出手段で導出された出発待時間が、前記発進遅れ時間よりも小さい場合、前記再始動タイミングとなったものと判定することを特徴とする請求項22に記載のアイドリング停止通知装置。
【請求項25】
前記再始動判定手段は、
前記自車位置取得手段で取得した自車位置、または前記他車両情報取得手段で取得した他車両情報のうち、少なくとも一方に基づいて、前記自車両に対する危険度合いを危険性判定値として導出すると共に、その危険性判定値が、予め規定された規定閾値よりも大きい場合、前記再始動タイミングとなったものと判定する危険度判定手段からなることを特徴とする請求項22に記載のアイドリング停止通知装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−138786(P2010−138786A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315604(P2008−315604)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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