説明

アクチュエータ制御装置

【課題】アクチュエータ(あるいはアクチュエータにより駆動される対象)の位置などを検出するセンサが故障した場合に、所定期間は待ち時間や再判定などを行って誤判定を回避するとともに、その所定期間中におけるアクチュエータや駆動対象の故障の併発が抑制されるアクチュエータ制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン2の排気管4から吸気管3へ排気を再循環させるEGR管5にEGR弁50が装備された構成のもとで、ECU6は、開度センサ52の出力値が適正範囲を外れたら、所定期間はセンサ故障を判定せず、EGR弁50を駆動するアクチュエータ51への供給電流値を制限する。これによりノイズの混入による故障誤判定を回避するとともに、所定期間中に弁がアクチュエータによって全開側へ強く付勢されて、ストッパ部に衝突した弁が故障する事態も回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
システムに使用されているコンポーネント、特にアクチュエータの実位置等を示すセンサ(ポジションセンサ)の出力異常に関し、センサ出力が予め設定しておいた範囲外となり、且つ所定時間継続した際に故障と判定する技術が下記特許文献1に記載されている。また、故障判定を複数回行い、故障であることを確定し、ユーザに知らせるという技術が、下記特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−60549号公報
【特許文献2】特開2009−74593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献の発明によれば、故障判定にある程度の待ち時間や再判定を設けることで、誤判定を防止している。この際、待ち時間及び再判定を設けることで、その間は異常なセンサ信号で制御され続ける事になり、アクチュエータが所定範囲外へ制御され続けて、アクチュエータそのものの故障を併発してしまうという不具合があった。
【0005】
すなわち、例えば各種バルブ装置において、バルブの開度を検出するセンサに故障が発生した場合、開度センサの出力値は全閉を示す数値であるゼロとなる。しかしセンサ出力値がゼロとなっても、待ち時間や再判定中は、バルブ開度が目標開度に追従するようにバルブ制御が継続される。これによりセンサ出力がゼロなので目標開度との偏差が大きく、バルブのアクチュエータへ供給される電力(例えば電流値)も過大となる。
【0006】
したがってバルブが全速力で全開方向に付勢されて、ストッパ部材に突き当たり、この衝撃でバルブが故障する可能性がある。さらにアクチュエータが所定の開度範囲外に制御されることともなるので、アクチュエータも故障する可能性がある。
【0007】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、アクチュエータ(あるいはアクチュエータにより駆動される対象)の位置などを検出するセンサが故障した場合に、所定期間は待ち時間や再判定などを行って誤判定を回避するとともに、その所定期間中におけるアクチュエータや駆動対象の故障の併発が抑制されるアクチュエータ制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記課題を達成するために、本発明に係るアクチュエータ制御装置は、電力が供給されて被駆動部の位置が移動するように駆動するアクチュエータと、前記被駆動部の位置を検出する検出部と、前記被駆動部の移動範囲を規制するストッパ部と、その検出部が検出した前記被駆動部の位置が目標位置に追従するように前記アクチュエータへの供給電力値を、所定の最大値とゼロの間で制御する制御手段と、前記検出部が検出した位置が所定の正規範囲を外れたら、所定期間は前記検出部が故障したか否かの判定を猶予し、前記検出部が検出した位置が所定の正規範囲を外れた状態が所定期間継続したら前記検出部が故障したと判定する判定手段と、前記検出部が検出した位置が所定の正規範囲を外れた場合、前記所定期間内は、前記アクチュエータへの供給電力が、前記最大値未満の数値として設定された制限値を越えないように制限し、前記所定期間後に前記判定手段が前記検出部が故障したと判定したら前記アクチュエータへの供給電力をゼロにする制限手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
これにより本発明に係るアクチュエータ制御装置では、検出された位置が目標位置に追従するように制御されるアクチュエータ装置において、検出部の出力値が正規範囲外になることが所定期間継続したら検出部の故障だと判定するとともに、その所定期間内では、アクチュエータへの供給電力を制限する。したがって検出部故障の誤判断の可能性を低減するとともに、故障判定以前に目標位置と検出位置との大きな乖離が原因でアクチュエータが被駆動部を過大に付勢して、被駆動部がストッパ部に衝突して故障する可能性も低減する。よって検出部故障の誤判定と、それに伴う被駆動部の故障とがともに回避できるアクチュエータ制御装置が実現される。
【0010】
また前記検出部が検出した検出位置が所定の正規範囲を外れる前における、目標位置あるいは検出位置と前記ストッパ部との距離に応じて前記制限値を調節する調節手段を備えたとしてもよい。
【0011】
この発明によれば、検出位置が正規範囲外となった後のアクチュエータ供給電力の制限値を、正規範囲外となる以前の目標位置あるいは検出位置とストッパ部との距離に応じて調節するので、例えば目標位置あるいは検出位置がストッパ部の位置から離れているほど、アクチュエータが被駆動部を付勢する力を制限するようにする。したがって、目標位置あるいは検出位置がストッパ部の位置から大きく離れている場合に、長い距離を付勢された被駆動部がストッパ部に衝突して故障する事態が回避される。よって検出部故障時に被駆動部の故障が抑制されるように適切にアクチュエータ供給電力が制限される。
【0012】
また前記被駆動部はバルブであり、前記被駆動部の位置はバルブ開度であるとしてもよい。
【0013】
この発明によれば、検出されたバルブ開度が目標開度に追従するように制御されるバルブアクチュエータ装置において、検出開度値が正規範囲外になることが所定期間継続したら開度検出部の故障だと判定するとともに、その所定期間内では、バルブアクチュエータへの供給電力を制限する。したがってバルブ開度検出部故障の誤判定の可能性を低減するとともに、故障判定以前に目標開度と検出開度との大きな乖離が原因でアクチュエータがバルブを過大に付勢して、バルブがストッパ部に衝突して故障する可能性も低減する。よってバルブ開度検出部故障の誤判断と、それに伴うバルブの故障とがともに回避できるバルブアクチュエータ制御装置が実現される。
【0014】
また前記調節手段は、前記バルブの全開開度と、前記検出部が検出した位置が所定の正規範囲を外れる前の目標開度あるいは前記検出部が検出した開度と、の差分値が大きいほど、前記制限値が小さくなるように前記制限値を調節するとしてもよい。
【0015】
この発明によれば、検出されたバルブ開度が正規範囲外となった後のバルブアクチュエータ供給電力の制限値を、バルブの全開開度と、正規範囲外となる前の目標開度あるいは検出開度との距離が大きいほど小さくなるように調節するので、目標開度あるいは検出開度が全開開度から離れているほど、アクチュエータが被駆動部を付勢する力が制限される。したがって、目標開度あるいは検出開度が全開開度から大きく離れている場合に、長い距離を付勢されたバルブがストッパ部に衝突して故障する事態が回避される。よってバルブ開度検出部の故障時にバルブの故障が抑制されるように適切にバルブアクチュエータ供給電力が制限される。
【0016】
また前記被駆動部は内燃機関の吸気管あるいは排気還流管に装備されたバルブであるとしてもよい。
【0017】
この発明によれば、内燃機関の吸気管あるいは排気還流管に装備されたバルブの開度が目標開度に追従するように制御されるバルブアクチュエータ装置において、検出開度値が正規範囲外になることが所定期間継続したら開度検出部の故障だと判定するとともに、その所定期間内では、バルブアクチュエータへの供給電力を制限する。したがってバルブ開度検出部故障の誤判定の可能性を低減するとともに、故障判定以前に目標開度と検出開度との大きな乖離が原因でアクチュエータがバルブを過大に付勢して、バルブがストッパ部に衝突して故障する可能性も低減する。よって内燃機関の吸気管あるいは排気還流管に装備されたバルブの開度検出部故障の誤判定と、それに伴うバルブの故障とがともに回避できて、内燃機関の適切な制御に寄与するバルブアクチュエータ制御装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例におけるアクチュエータ制御装置の構成図。
【図2】アクチュエータ制御処理のフローチャート。
【図3】センサ異常閾値の例を示す図。
【図4】エンジン回転数、EGR弁開度、EGR弁制御電流の時間推移の例を示す図。
【図5】電流制限値の例を示す図。
【図6】EGR弁の構造の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明に係るアクチュエータ制御装置1(以下、装置1)の実施例における装置構成の概略図である。
【0020】
装置1は、自動車車両の内燃機関(エンジン)に関係して構成されたアクチュエータ制御装置の実施例である。装置1は、エンジン2、吸気管3、排気管4、EGR管5、電子制御ユニット6(ECU:Electronic Control Unit)を備える。
【0021】
吸気管3を通じてエンジン2に空気が供給される。エンジン2からの排気は排気管4を通じて車外に排出される。EGR管5は、排気管から吸気管への排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)のための配管である。EGR管5を通じた排気の再循環によって、エンジン内の燃焼温度が低下し、エンジンからのNOxの排出量を減少できる。ECU6は、通常のコンピュータの構造を有して、後述するEGR管のバルブの開閉制御など、車両の各種制御を司る。
【0022】
今日EGRとしては、ターボチャージャのタービンの上流側からコンプレッサの下流側へ排気を還流する高圧EGRと、ターボチャージャのタービンの下流側からコンプレッサの上流側へ排気を還流する低圧EGRとの2系統を備える場合がある。
【0023】
EGRを2系統備えることにより、高負荷では、ターボチャージャーの過給による吸気圧上昇分により、高圧EGRでは排気通路から還流できるEGR量が確保できないことがあるため、ターボチャージャーの過給による吸気圧上昇の影響を受けないよう、コンプレッサより吸気通路上流側に連通する低圧EGRでEGRを実行することで、高負荷域で吸気圧が過給されている状況下でも、十分なEGR量を確保できる。図1におけるEGRは高圧EGRと低圧EGRのいずれでもよい。
【0024】
EGR管5にはEGR弁50(EGRバルブ)、アクチュエータ51、開度センサ52を備える。EGR弁50(EGRバルブ)の開閉によって還流排気量が調節される。アクチュエータ51はEGR弁50の開閉を駆動する。開度センサ52はEGR弁50の開度を検出する。
【0025】
図6には、EGR弁50の構造の一例が簡略化されて図示されている。図6はEGR管5の軸方向に直交する断面図である。この例では、EGR弁50は、EGR管5の途中に配置されて、EGR管5に固定されたハウジング58内にバルブシャフト53やバタフライバルブ54などの部材を収容する。バルブシャフト53の先端にはバタフライバルブ54が固定され、バルブシャフト53にはアクチュエータ51が装備されている。
【0026】
アクチュエータ51の駆動によりバルブシャフト53が軸線周りに回動する。バタフライバルブ54は例えば円板形状を有し、EGR管5内に少なくとも一部の外周端面が内接するように配置される。バルブシャフト53の回動角度によってEGR管5における還流排気が流通する断面積が全開状態から全閉状態まで変化する。
【0027】
EGR弁50は、バタフライバルブ54あるいはバルブシャフト53の回動範囲を規制する構造として、突起部55、全開側ストッパ部56、全閉側ストッパ部57を備える。突起部55はバルブシャフト53から径方向に突出する形状で形成されており、バルブシャフト53が回動して、EGRバルブ50の開度が増加していって、全開側ストッパ部56に突起部55が当接すると、それ以上の回動が係止されて全開状態となる。逆方向にバルブシャフト53が回動して、EGRバルブ50の開度が減少していって、全閉側ストッパ部57に突起部55が当接すると、それ以上の回動が係止されて全閉状態となる。
【0028】
開度センサ52は、バルブシャフト53の回動角度を検出する。開度センサ52は、図6に示されているように例えばバルブシャフト53の軸方向端部に配置されて、ポテンショメータを用いた接触方式、あるいは磁石とホールICを用いた非接触方式などの公知の方法でバルブシャフト53の回動角度を検出する。
【0029】
アクチュエータ51でバルブシャフト53の回動のために消費される電力は例えば車両のバッテリーから供給すればよい。アクチュエータ51は例えばサーボモータにより構成されて、供給される電流に応じてバルブシャフト53の回動角度を変動させる。アクチュエータ51に供給する電流値はECU6によって時々刻々制御する。なお図6は一例に過ぎず、本発明は任意の構造のバルブ装置(例えばバルブが平行移動する構造など)に適用することができる。
【0030】
以上の構成のもとで、ECU6によってEGR弁50を制御する。その制御の際に、開度センサ52の故障の誤判定を回避しながら、故障判定までの期間におけるEGR弁50(やアクチュエータ51)の故障を回避する。その処理手順が図2に示されている。図2の処理は例えばECU6内(のメモリ)に記憶しておき、エンジン2の始動から停止までの期間に所定の周期でECU6が自動的に処理すればよい。
【0031】
図2の処理では、まず手順S10でECU6はセンサ異常(故障)の判定のための閾値を算出する。具体的な閾値の算出は例えば以下のとおりである。車両のエンジンの運転条件などに応じて、エミッションを最適な状態にするためのEGR弁50の目標開度を予め求めておいてマップのかたちでECU6に記憶しておく。
【0032】
本システムではEGR弁50の開度を常時フィードバック制御するので、EGR弁50の実開度(実際の開度)は目標開度を含むある範囲内に収まると考えられる。したがって開度センサ52の出力値がその範囲外に出たらセンサ故障とみなしてよいと考えられる。よってS10では、例えば目標開度を含むその幅の上下の端をセンサ異常(故障)の判定のための上下の閾値として算出する。
【0033】
あるいは図3のように閾値を算出してもよい。図3の例ではアクチュエータの実位置の可能範囲(最大値(max)と最小値(min)の間)に対応するセンサ出力値の範囲よりも大きい数値を上側閾値、同範囲よりも小さい数値を下側閾値としている。
【0034】
ECU6は次にS20で開度センサ52の出力値を入力(取得)する。そしてECU6はS30で、S20で取得したセンサ出力値がS10で算出した閾値範囲(正規範囲)内にあるか否かを判定する。閾値範囲内にある場合(S30:Yes)はS70に進み、閾値範囲内にない場合(S30:No)はS40に進む。
【0035】
S40に進んだらECU6は、アクチュエータへ供給する電力を制限する。その例が図4に示されている。図4には上から、エンジン回転数、EGR弁50の開度、EGR弁制御電流(アクチュエータ51へ供給される電流値)の時間推移が示されている。
【0036】
図4の例では時刻aでセンサ故障(例えばセンサ断線)が発生し、時刻bでセンサ故障と判定してアクチュエータへの供給電流値をゼロとしている。時刻aでセンサ故障によりセンサ出力が異常範囲にはいるので、S30が否定判断(No)となる。時刻bで、センサ出力の異常値が所定時間継続したことによりS50が肯定判断(Yes)となる(つまり時刻aからbまでの時間間隔が所定時間である)。
【0037】
図1のシステムでは、センサで検出した開度値をフィードバックしてアクチュエータを制御するので、センサ故障がなければ、図4に示されているように、EGR弁の実開度(正常時実開度)は目標開度に追従する。しかし、時刻aでセンサ故障が発生してセンサ出力値が異常値(例えばゼロ)となることにより、センサ出力値であるEGR弁開度の検出値と目標開度とが大きく乖離する。EGR6が司るフィードバック制御によって、この乖離を解消するようにアクチュエータへの電流値が増大する。
【0038】
図4にL2で示されているように、従来技術においては、フル通電(最大値)となるまでアクチュエータへ供給される電流値が増大することが許容されていた。これにより、図4のL0のとおりEGR弁の実開度が急激に増加して、突起部55が全開側ストッパ部56に全速力で突き当たって、弁などの故障を併発していた。
【0039】
これに対してS40では、図4のL3のとおりセンサ故障発生(時刻a)から故障判定(時刻b)までのアクチュエータ電流値の許容範囲を制限する。これにより図4のL1のとおり、EGR弁の実開度の増加速度が従来より緩やかとなり、突起部55が全開側ストッパ部56に突き当たっても弁の故障の可能性が低減される。電流制限値は、目標開度が全開でセンサ出力値がゼロ(全閉)の状態で制御されて突起部55がストッパ部56に突き当たってもバルブ装置が故障しない条件を満たすように設定すればよい。
【0040】
続いてS50でECU6は、閾値範囲外が一定時間継続したか否かを判定する。一定時間継続した場合(S50:Yes)はS60に進み、一定時間継続していない場合(S50:No)は図2の処理を終了する。
【0041】
S60に進んだらECU6は、センサ異常(故障)を判定し、アクチュエータに供給する電流をゼロにする。すなわち本システムでは、センサ出力値が異常値となっても一定時間はセンサ異常(故障)とは判定せず待ち時間とする。そしてセンサ出力値が一定時間継続して異常値となったらセンサ異常(故障)と判定する。これにより一時的なノイズの混入などをセンサ異常(故障)と誤判定することが抑制される。
【0042】
一方S70に進んだらECU6は、EGR弁50を通常どおり制御する。上述のとおりECU6は、センサ検出値をフィードバックして目標開度に追従するようにアクチュエータ供給電流値を制御する。これによって図4のとおり正常時実開度は目標開度に追従する。以上が図2の処理手順である。
【0043】
上述のS40におけるアクチュエータへ供給する電流値の制限値は、例えば図5のように設定してもよい。図5の例では、全開開度と故障直前(時刻a直前)の実開度との差分値(開度偏差)が大きいほど、アクチュエータの電流制限値を小さくしている。
【0044】
したがって開度偏差が大きい場合に全開に至るまでの時間(あるいは突起部55の移動距離)が長くて、その間に印加される電流積算量が大きくなって突起部55が全開側ストッパ部56に突き当たるときの衝撃が大きくなるが、図5のように設定することによって、全開に至るまでの時間が長くても全開時の突起部55ひいてはEGR弁50が受ける衝撃が低減される。
【0045】
図1の実施例は本発明をEGR弁のアクチュエータに適用した例であるが、本発明の実施対象はこれに限定されない。例えば吸気弁など内燃機関にかかわる他の弁のアクチュエータでもよい。さらに内燃機関や弁に限定せず、ポジションセンサを用いてフィードバック制御される任意のアクチュエータ装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 アクチュエータ制御装置
2 エンジン(内燃機関)
5 EGR管
50 EGRバルブ
51 アクチュエータ
52 開度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力が供給されて被駆動部の位置が移動するように駆動するアクチュエータと、
前記被駆動部の位置を検出する検出部と、
前記被駆動部の移動範囲を規制するストッパ部と、
その検出部が検出した前記被駆動部の位置が目標位置に追従するように前記アクチュエータへの供給電力値を、所定の最大値とゼロの間で制御する制御手段と、
前記検出部が検出した位置が所定の正規範囲を外れたら、所定期間は前記検出部が故障したか否かの判定を猶予し、前記検出部が検出した位置が所定の正規範囲を外れた状態が所定期間継続したら前記検出部が故障したと判定する判定手段と、
前記検出部が検出した位置が所定の正規範囲を外れた場合、前記所定期間内は、前記アクチュエータへの供給電力が、前記最大値未満の数値として設定された制限値を越えないように制限し、前記所定期間後に前記判定手段が前記検出部が故障したと判定したら前記アクチュエータへの供給電力をゼロにする制限手段と、
を備えたことを特徴とするアクチュエータ制御装置。
【請求項2】
前記検出部が検出した検出位置が所定の正規範囲を外れる前における、目標位置あるいは検出位置と前記ストッパ部との距離に応じて前記制限値を調節する調節手段を備えた請求項1に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項3】
前記被駆動部はバルブであり、前記被駆動部の位置はバルブ開度である請求項1又は2に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項4】
前記調節手段は、前記バルブの全開開度と、前記検出部が検出した位置が所定の正規範囲を外れる前の目標開度あるいは前記検出部が検出した開度と、の差分値が大きいほど、前記制限値が小さくなるように前記制限値を調節する請求項3に記載のアクチュエータ制御装置。
【請求項5】
前記被駆動部は内燃機関の吸気管あるいは排気還流管に装備されたバルブである請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアクチュエータ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−149582(P2012−149582A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9526(P2011−9526)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】