説明

アクティブポストディストーション線形化を有する差動増幅器

【課題】電力消費量を低下させ、回路面積を縮小した線形性がより高いLNAを提供する。
【解決手段】差動増幅器300の一腕は第1トランジスタ310及び第2トランジスタは320、第1のカスケード対として結合され、第3トランジスタ330及び第4トランジスタ340は、第2のカスケード対として結合される。第3トランジスタ330は、第2トランジスタ320のソースに結合したゲートを有し、第4トランジスタ340は、第2トランジスタ320のドレインに結合したドレインを有する。第3トランジスタ330は、第1トランジスタ310によって生成される3次歪み成分を除去するのに用いられる歪み成分を生成する。誘導子350は、第1トランジスタ310に対してソースディジェネレーションを提供し、歪み除去を向上させる。第2トランジスタ320及び第3のトランジスタ330の大きさは、利得損失を低減させるために選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般には、回路に関するものであり、より具体的には、無線通信及びその他の用途に適した増幅器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
増幅器は、信号増幅を提供するために様々な電子デバイスにおいて一般に用いられている。さらに、異なる型の増幅器を異なる用途に利用可能である。例えば、無線デバイスは、双方向通信用の送信機及び受信機を含むことができ、送信機は、電力増幅器(PA)を利用することができ、受信機は、低雑音増幅器(LNA)及び可変利得増幅器(VGA)を利用することができる。
【0003】
LNAは、受信機において通信チャネルを介して受信された低振幅信号を増幅するために一般に用いられる。LNAは、受信された信号が最初に出会うアクティブ回路であることがしばしばあり、従って、幾つかの主要な分野における受信機の性能に対して大きな影響を有する。第1に、LNAの雑音は受信された信号内に直接投入されるため、LNAは受信機の全体的な雑音数字に対して大きな影響を有しており、後続する段階の雑音は、LNAの利得によって実効的に低減される。第2に、LNAの線形性は、受信機内の後続する段階の設計および受信機性能の両方に対して大きな影響を有する。LNA入力信号は、典型的には、外部の干渉源及び共配置された送信機からの漏れに起因する可能性がある様々な望まれていない信号成分を含む。LNAにおける非線形性は、これらの望まれていない信号成分を混合させ、希望される信号帯域幅内に入ることができる混変調歪み(XMD)を生成させる。混変調歪みの振幅は、LNAにおける非線形量によって決定される。希望される信号帯域幅内に入る混変調歪み成分は、希望される信号の信号・雑音比(SNR)を劣化させる雑音として作用する。LNAの非線形性に起因するSNRの劣化は、受信機に関する全体的なSNR仕様を満たすための後続する段階の設計に対して影響を及ぼし、(さらに前記後続する段階に対してより厳しい要求を課すことがしばしばある)。従って、線形性がより高いLNAを有することは、その他の段階に関する性能上の要求を緩和することができ、その結果、受信機に関して電力消費量を低下させること及び回路面積を縮小することが可能になる。
【0004】
従って、優れた線形性及び雑音性能を有する増幅器が必要である。
【発明の概要】
【0005】
アクティブポストディストーション(APD)を用いて線形化された差動増幅器の様々な実施形態が本明細書において説明される。前記増幅器は、設計が単純で、優れた線形性及び雑音性能を有し、無線通信及びその他の高周波数用途に適している。例えば、前記増幅器は、無線デバイス内の受信機用のLNAとして用いることができる。アクティブポストディストーションは、ミキサー等のその他のアクティブ回路を線形化するためにも用いることができる。
【0006】
一実施形態においては、差動増幅器(LNA等)は、第1、第2、第3、及び第4のトランジスタ(N−FET等)と、誘導子と、を含む第1の側面を含む。前記第1及び第2のトランジスタは、第1のカスケード対として結合され、前記第3及び第4のトランジスタは、第2のカスケード対として結合される。前記第1のトランジスタは、前記誘導子に結合されたソースと、差動入力信号の第1の入力(電圧)を受け取るゲートと、を有する。前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタのドレインに結合されたソースと、差動出力信号の第1の出力(電流)を提供するドレインと、を有する。前記第3のトランジスタは、前記第2のトランジスタの前記ソースに結合されたゲートを有する。前記第4のトランジスタは、前記第3のトランジスタのドレインに結合されたソースと、前記第2のトランジスタの前記ドレインに結合されたドレインと、を有する。前記第1のトランジスタは、信号増幅を提供する。前記第2のトランジスタは、負荷分離を提供し、前記第3のトランジスタに対して中間信号をさらに生成する。前記第3のトランジスタは、前記中間信号を受け取り、前記第1のトランジスタによって生成された3次歪み成分を除去するために用いられる歪み成分を生成する。前記第4のトランジスタは、負荷分離を提供する。前記誘導子は、前記第1のトランジスタに対してソースディジェネレーション(degeneration)を提供し、前記3次歪みの除去を向上させる。差動増幅器は、差動入力信号の第2の入力を受け取り、差動出力信号の第2の出力を生ずるために第1の側面と同様に機能する第2の側面を含みうる。その他の実施形態においては、前記第4のトランジスタは、省くことができ、前記第3のトランジスタの前記ドレインは、前記第1又は第2のトランジスタの前記ドレインに結合させることができる。前記第2及び第3のトランジスタの大きさは、前記増幅器に関する利得損失を低減し、可能な限り多くの3次歪みを除去するような大きさを選択することができる。
【0007】
本発明の様々な側面及び実施形態が以下においてさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本実施形態の特長及び性質は、下記の発明を実施するための最良の形態と図面を併用することでさらに明確になるであろう。なお、同一のものについては図面全体に渡って同一の参照符号を付すこととする。
【図1】図1は、無線デバイスの無線周波数(RF)部分を示した図である。
【図2A】図2Aは、アンテナからの受信信号を示した図である。
【図2B】図2Bは、LNA入力信号を示した図である。
【図2C】図2Cは、LNA出力信号を示した図である。
【図3】図3は、アクティブポストディストーション線形化を有するLNAの概略図である。
【図4A】図4Aは、低周波数に関するLNAに関するIIP3を示した図である。
【図4B】図4Bは、高周波数に関するLNAに関するIIP3を示した図である。
【図5】図5は、LNAに関する等価回路を示した図である。
【図6】図6は、アクティブポストディストーション除去を示したベクトル図である。
【図7A】図7Aは、アクティブポストディストーション線形化を有するLNAの追加の実施形態の概略図である。
【図7B】図7Bは、アクティブポストディストーション線形化を有するLNAの追加の実施形態の概略図である。
【図8】図8は、アクティブポストディストーション線形化及び複数の利得設定を有するLNAの概略図である。
【図9】図9は、P−FETによって実装されたLNAの概略図である。
【図10】図10は、アクティブポストディストーション線形化を有する差動LNAの概略図である。
【図11A】図11Aは、アクティブポストディストーション線形化を有する差動LNAの追加の実施形態の概略図である。
【図11B】図11Bは、アクティブポストディストーション線形化を有する差動LNAの追加の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において用いられている「典型的な」という表現は、「1つの例、事例、又は実例」を示すことを目的とするものである。このため、本明細書において「典型的な」実施形態又は設計として説明されているいずれの実施形態も又はいずれの設計も、その他の実施形態又はその他の設計よりも好ましい又は有利であるとは必ずしも解釈すべきではない。
【0010】
本明細書において説明される増幅器及びその他の線形化されたアクティブ回路は、通信、ネットワーク化、演算、消費者エレクトロニクス等の様々な用途に関して用いることができる。これらの線形化されたアクティブ回路は、符号分割多重接続(CDMA)システム、時分割多重接続(TDMA)システム、グローバル移動通信(GSM(登録商標))システム、高度携帯電話システム(AMPS)システム、全地球測位システム(GPS)、多入力多出力(MIMO)システム、直交周波数分割多重化(OFDM)システム、直交周波数分割多重化接続(OFDMA)システム、単搬送波FDMA(SC−FDMA)システム、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)等の無線通信システムにおいて用いることができる。増幅器は、LNA、VGA、PA等として用いることができる。説明を明確化するため、CDMAシステムに関する無線デバイスの受信機内において用いられるLNAが以下において説明される。CDMAシステムは、cdma2000、ワイドバンドCDMA(W−CDMA)、及び/又はその他のCDMA無線アクセス技術を実装することができる。
【0011】
図1は、無線デバイス100の無線周波数(RF)部分のブロック図を示す。無線デバイス100は、携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、無線モデムカード、又は無線通信に関して用いられるその他の何らかのデバイスであることができる。無線デバイス100は、双方向通信を提供する送信機及び受信機を含む。
【0012】
送信経路において、電力増幅器(PA)110は、送信(TX)変調信号を受信して増幅し、送信信号を提供する。送信信号は、デュプレクサ120を通じてルーティングされ、アンテナ130を介して1つ以上の交信基地局に送信される。送信信号の一部分は、デュプレクサ120を通じて受信経路に結合するか又は漏れる。TX漏れ量は、デュプレクサ120の送信ポートと受信ポートとの間の分離に依存し、前記分離は、セルラーバンドにおける表面音響波(SAW)デュプレクサに関しては約50デシベル(dB)であることができる。これよりも低いTX−RX分離は、より高いレベルのTX漏れが発生する。
【0013】
受信経路において、希望される信号そしておそらくジャマーを含む受信信号が、アンテナ130を介して受信され、デュプレクサ120を通じてルーティングされ、LNA140に提供される。LNA140は、TX漏れ信号も送信経路から受信する。従って、LNA140の入力部における入力信号は、希望される信号と、TX漏れ信号と、ジャマーと、を含むことができる。LNAは、入力信号を増幅し、増幅されたRF信号を提供する。SAWフィルタ150は、増幅されたRF信号をフィルタリングしてバンド外成分(例えば、TX漏れ信号)を除去し、フィルタリングされたRF信号を提供する。ミキサー160は、フィルタリングされたRF信号をローカル発振器(LO)信号によって周波数ダウンコンバージョンし、ダウンコンバージョンされた信号を提供する。
【0014】
図2Aは、アンテナ130からの受信された信号を示し、該信号は、希望される信号210と、ジャマー220と、を含む。ジャマー220は、希望されない信号であり、例えば、AMPSシステム内の近くの基地局によって送信された信号に対応することができる。ジャマーは、振幅が希望される信号よりもはるかに高くなることができ、さらに周波数の点で希望される信号の近くに所在することができる。
【0015】
図2Bは、LNA140の入力部における入力信号を示す。入力信号は、受信された信号内の希望される信号210及びジャマー220、及び送信経路からのTX漏れ信号230を含むことができる。TX漏れ信号は、特に無線デバイス100が交信基地局から遠くに存在していてこれらの基地局に到達するために高電力レベルで送信する必要がある場合に希望される信号と比較して大きくなることができる。
【0016】
図2Cは、LNA140の出力部における信号を示す。LNA140における非線形性は、TX漏れ信号230に関する変調を狭帯域ジャマー220と相互に作用させてジャマー周囲において混変調歪み240を生成させる可能性がある。陰影によって示される混変調歪みの一部分250は、希望される信号帯域内に入ることができる。一部分250は、受信機の性能を低下させる追加雑音として作用する。この雑音は、受信機の感度も低下させ、このため、受信機によって信頼できる形で検出可能な最も小さい希望される信号は、より大きい振幅を有する必要がある。
【0017】
図3は、アクティブポストディストーション(APD)線形化を有するLNA140aの実施形態の概略図を示す。LNA140aは、優れた線形性及び雑音性能を有し、図1のLNA140に関して用いることができる。LNA140aは、4つのNチャネルフィールド効果トランジスタ(N−FET)310、320、330及び340と、誘導子350と、キャパシタ352と、を含む。N−FET310は、誘導子350の一端に結合されたソースと、入力電圧vを受け取るゲートと、N−FET320のソースに結合されたドレインと、を有する。誘導子350の他端は、回路アースと結合する。N−FET320は、バイアス電圧vbiasを受け取るゲートと、出力ノードに結合されたドレインと、を有する。N−FET330は、回路アースに結合されたソースと、キャパシタ352の一端に結合されたゲートと、N−FET340のソースに結合されたドレインと、を有する。キャパシタ352の他端は、N−FET320のソースと結合する。N−FET340は、バイアス電圧vbiasを受け取るゲートと、出力ノードに結合されたドレインと、を有する。出力ノードは、LNA140aに対して出力電流ioutを提供する。
【0018】
N−FET310及び320は、信号増幅のために用いられる主信号経路に関する第1のカスケード対を形成する。N−FET310は、信号増幅を提供する。N−FET320は、N−FET310に関する負荷分離を提供し、N−FET330に対して中間電圧vをさらに生成する。N−FET330および340は、歪み除去のために用いられる混変調歪みを生成する補助信号経路に関する第2のカスケード対を形成する。N−FET330は、混変調歪みを生成し、NET−FET340は、N−FET330に対して負荷分離を提供する。誘導子350は、ソースディジェネレーションを提供し、N−FET310のゲート内への50オーム整合をさらに提供する。誘導子350は、アクティブポストディストーション線形化に関しても用いられ、歪み除去を向上させる。キャパシタ352は、AC結合を提供する。
【0019】
N−FET310は、N−FET310のサイズ(長さ、幅等)、N−FET310に関するバイアス電流、N−FET310のゲート−ソース電圧vgs等の様々な要因によって決定されるgの小信号トランスコンダクタンスを有する。N−FET320は、g/αの小信号トランスコンダクタンスを有し、ここで、αは、N−FET310のトランスコンダクタンスとN−FET320のトランスコンダクタンスの比である。ファクタαは、典型的には、N−FET310の幅とN−FET320の幅の比によって決定される。N−FET330は、g/βの小信号トランスコンダクタンスを有し、ここで、βは、N−FET310のトランスコンダクタンスとN−FET330のトランスコンダクタンスの比である。ファクタβは、典型的には、N−FET310の幅とN−FET330の幅の比によって決定される。ファクタαおよびβは、後述されるように選択することができる。
【0020】
アクティブポストディストーションを用いたLNA140aの線形化は、低周波数においては次のように達成することができる。低周波数において、誘導子350は、動作に加わらず、実効的に短絡され、入力電圧vは、N−FET310に関するvgs電圧に等しい。N−FET310のドレイン電流iは、べき級数によって以下のように表すことができる。
【数1】

【0021】
ここで、
は、2次非線形性の強度を定義する係数である。
【0022】
は、3次非線形性の強度を定義する係数である。
【0023】
i(vgs)は、vgsの関数としてのN−FET310のドレイン電流である。
【0024】
説明を単純化するため、方程式(1)においては、3次よりも高い非線形性は無視される。係数g、g及びgは、デバイスサイズ及びN−FET310に関するバイアス電流によって決められる。係数gは、低信号レベルにおける3次相互変調歪み(IMD3)を制御し、従って、増幅器の線形性を指定するために共通して用いられる測定基準である3次入力インターセプトポイント(IIP3)を決定する。
【0025】
N−FET320は、線形であるとみなすことができる。この場合は、N−FET310のドレイン電圧v2は、N−FET330に関するvgs電圧でもあり、以下のように表すことができる。
【数2】

【0026】
方程式(2)は、N−FET320によって生成されたv電圧がαに依存することを示す。N−FET330のドレイン電流iは、べき級数によって以下のように表すことができる。
【数3】

【0027】
方程式(3)は、N−FET330に関する係数及びN−FET310に関する係数がβによって関連づけられることを示す。
【0028】
方程式(2)を方程式(3)に代入し、N−FET330のドレイン電流iをN−FET310のドレイン電流iの関数として表すことができる。次に、方程式(1)を方程式(3)に代入し、N−FET330のドレイン電流iをN−FET310のvgs電圧の関数として表すことができる。展開された方程式(3)は、方程式(1)のべき級数と方程式(3)のべき級数との間の相互作用に起因する各次の非線形性に関する複数の項を含む。
【0029】
N−FET310及び330のドレイン電流が以下のように結合されて出力電流ioutが生成される。
【数4】

【0030】
ここで、
【数5】

【0031】
及び
【数6】

【0032】
は、それぞれ、出力電流ioutに関する1次及び3次のべき級数であり、以下のように表すことができる。
【数7】

【0033】
基本周波数及び3次非線形性のみが対象となっているため、方程式(4)の項
【数8】

【0034】
は無視することができる。
【0035】
方程式(5)は、LNA140aに関する総合利得を表し、アクティブポストディストーション線形化の使用結果発生する利得損失を示す。歪み除去を有するLNA140aに関する総合利得は、
【数9】

【0036】
であり、歪み除去のないLNAに関する利得は、gである。(1−α/β)の利得損失は、α及びβと直接関連しており、αとの比較で相対的に大きいβを選択することによって小さく維持することができる。より大きいβは、利得損失がより小さくなるが、出力歪みの低下は必ずしも意味しない。方程式(6)は、出力電流ioutにおける結合された3次歪みを表す。方程式(6)の第1の項は、3次非線形性による貢献度を表し、方程式(6)の第2の項は、2次非線形性による貢献度を表す。
【0037】
図4Aは、低周波数における、(N−FET330及びN−FET340が接続された状態での)歪み除去を有するLNA140aに関するIIP3の作図410及び(N−FET330及びN−FET340が省かれた状態での)歪み除去なしのLNA140aに関するIIP3の作図420を示す。所定のデバイス幅及び電力消費量に関して、方程式(6)は、3次歪み成分がゼロに近づくような形で解くことができる。βの値は、過度の利得損失を防止する値が選択される。特定の典型的設計に関しては、βは、8に等しい値が選択され、αに関する値は1.35が優れた歪み除去を提供する。方程式(6)の2次非線形性に起因して、歪み除去は、N−FET310に関する動作vgs電圧であるバイアス電圧に依存する。
【0038】
LNA140aは、無線通信等の高周波数用途に関して用いることができる。高周波数においては、キャパシタ及び誘導子等のリアクティブ素子が線形性能に対して影響を及ぼし、周波数への性能の依存度をさらに高くする。
【0039】
図5は、図3のLNA140aに関する単純化された等価回路500の概略図である。図5に示される実施形態に関して、N−FET310、320、330及び340は、それぞれの理想的な電流源510、520、530及び540、及びそれぞれの寄生ゲート−ソースキャパシタ512、522、532及び542を用いてモデル化される。N−FET310、320、330及び340は、Cgs1、Cgs2、Cgs3及びCgs4のゲート−ソースキャパシタンスをそれぞれ有し、vgs1、vgs2、vgs3及びvgs4のゲート−ソース電圧をそれぞれ有する。誘導子350は、理想的な誘導子550を用いてモデル化される。回路508は、N−FET310の入力インピーダンスZをモデル化する。
【0040】
説明を単純化するため、等価回路500に関して以下の仮定が設けられる。
【0041】
・各N−FETに関してCgsを除くすべての寄生キャパシタンスが無視可能である。
【0042】
・寄生抵抗はゼロである。
【0043】
・N−FETのボディ効果(body effect)は無視可能である。
【0044】
・LNA 140aは、小入力信号v1を有する弱非線形領域において動作する。
【0045】
電流源510、520及び530に関するドレイン電流は以下のように表すことができる。
【数10】

【0046】
ここで、v=vgs3=−vgs2である。説明を単純化するため、方程式(7b)によって示されるように、N−FET310及び330の非線形性のみが考慮され、N−FET320及び340は線形であると仮定される。
【0047】
弱非線形領域における等価回路500に関する出力電流ioutは、以下のように表すことができる。
【数11】

【0048】
ここで、C(s,...,s)は、n次非線形関数としばしば呼ばれる、ioutに関するn次ボルテラ核のラプラス変換である。
【0049】
s=jωは、ラプラス変数である。
【0050】
,...,sは、n次ボルテラ核によって作用される周波数である。
【0051】
“o”は、C(s,...,s)によるvの各周波数成分の複素乗算を表す。
【0052】
方程式(8)は、非線形解析のためにしばしば用いられるボルテラ級数に関する方程式である。ボルテラ級数は、各次の非線形性に関するボルテラ核を含む。n次非線形性は、項vに対応し、nの周波数成分を生成する。n次ボルテラ核は、n次非線形性によって生成されたnの周波数成分に対して作用する一組のnの係数である。各ボルテラ核に関する係数は、数学的導出又はその他の何らかの手段によって決定することができる。方程式(8)において、3次ボルテラ核C(s,s,s)は、対象となる高周波数における3次非線形性を決定する。
【0053】
N−FET310のゲート−ソース電圧vgs1は、以下のように入力電圧vの関数として表すことができる。
【数12】

【0054】
ここで、A(s,...,s)は、vgs1に関するn次ボルテラ核のラプラス変換である。
【0055】
N−FET310は、方程式(7a)及び(9)に示されるように、入力電圧vに基づいて非線形電流ids1を生成する。ids1電流の一部分は、N−FET320を通り、v電圧を生成する。v電圧は、方程式(7c)に示されるように、N−FET330を通じて非線形電流ids3を生成する。出力電流ioutは、ids1電流とids3電流の和に等しい。
【0056】
方程式(8)を評価してすべての歪み成分を決定することができる。対象となる歪み成分は、IIP3に対して影響を及ぼす歪み成分である。N−FET310の3次非線形性によって生成される歪み成分は、ζM1で表される。N−FET330の非線形性によって生成される歪み成分は以下のように分類することができる。
【0057】
・ζ:N−FET310の2次及び3次非線形性によって生成されてα/βのファクタによって減衰された歪み成分
・ζ:N−FET330の2次非線形性によって乗じられたN−FET310の2次非線形性によって生成された歪み成分
・ζ:N−FET330の3次非線形性によって生成された歪み成分
アクティブポストディストーション線形化を有する場合は、項ζ、ζ及びζは、N−FET330によってアクティブに生成され、N−FET310からの項ζM1を除去するために用いられる。
【0058】
項ζは、N−FET310の2次及び3次非線形性によって生成された歪み成分を含む。例えば、N−FET310のソースにおける第2の調波(2ω)は、N−FET310のゲートにおける基本周波数(ω)と混合して3次相互変調歪みを生成することができる。第2の調波は、方程式(7a)内の項g・vgs1に対応する、N−FET310の2次非線形性に起因する。基本周波数は、方程式(7a)内の項g・vgs1に対応する、N−FET310の3次非線形性に起因する3次相互変調歪みを生成することも可能である。N−FET310からのこれらの歪み成分は、方程式(7c)内のg・vgs3項を通じてN−FET330によって増幅され、N−FET320と330の組合せによるα/βのファクタによって減衰される。
【0059】
項ζは、N−FET310及び330の2次非線形性によって生成された歪み成分を含む。例えば、N−FET310の2次非線形性によって生成された第2の調波は、方程式(7c)内の項g・vgs3に対応する、N−FET330の2次非線形性に起因する基本周波数と混合して3次相互変調歪みを生成することができる。
【0060】
項ζは、N−FET330の3次非線形性によって生成された歪み成分を含む。N−FET310からの基本周波数は、方程式7(c)内のg・vgs3に対応する、N−FET330の3次非線形性に起因する3次相互変調歪みを生成することができる。
【0061】
N−FET310及び330に関する非線形性項は以下のように表すことができる。
【数13】

【数14】

【0062】
方程式(14)、(15)及び(16)は、ζ、ζ及びζを構成する様々な中間項に誘導子350のインダクタンスLが含まれていることを示す。誘導子350は、高周波数において、N−FET310によって生成された3次歪みの除去を向上させる。
【0063】
上記の方程式において、s=jω、s=jω、s=jω、及びs=jωは、近い間隔で配置された異なる信号周波数であって、
【数15】

【0064】
であり、このため、Δω=ω−ωは、ω及びωよりもはるかに小さい。方程式(14)、(15)及び(16)を方程式(10)、(11)、(12)及び(13)内に代入し、さらにωにおける共役整合を仮定すると、出力電流ioutにおける総3次歪み
【数16】

【0065】
は、以下のように表すことができる。
【数17】

【0066】
方程式(17)内の
【数18】

【0067】
は、方程式(8)内の3次ボルテラ核C(s,s,s)に対応する。
【0068】
方程式(17)において、第1の行の項は、3次非線形性を表し、第2の行の項は、2次調波を有する2次非線形性を表し、第3の行の項は、2次非線形性を表す。α及びβの値は、これらの3つの歪み成分が可能な限り多く除去され、総3次歪みが最小化され、可能な限り最高のIIP3がLNA140aに関して達成されるような値を選択することができる。
【0069】
図6は、アクティブポストディストーションの歪み除去メカニズムを例示するベクトル図を示す。項ζ、ζ及びζは、信号周波数(s=jω)、N−FETの係数g、g及びg、及びディジェネレーションインダクタンスLに依存する。項ζ、ζ及びζは、これらの3つの項に関する3つのベクトルによって示されるように、所定の周波数において異なる振幅及び位相を有することができる。これらの3つの項ζ、ζ及びζの和は、ダッシュ付きベクトルによって示され、総歪みが最小化されるようにζM1に関するベクトルと振幅が等しく位相が反対であるべきである。
【0070】
図4Bは、高周波数において、歪み除去を有するLNA140aに関するIIP3の作図430、及び歪み除去のないLNA140aに関するIIP3の作図440を示す。所定のデバイス幅及び電力消費量に関して、方程式(17)は、3次歪み成分がゼロに近づくような形で解くことができる。βの値は、過度の利得損失を防止する値が選択される。特定の典型的設計に関しては、βは、8に等しい値が選択され、αに関する値は1.77が優れた歪み除去を提供する。高周波数において歪みを最小にするαに関する値は、低周波数におけるαに関する値と異なることができる。高周波数に関する異なるαは、方程式(17)における第2の行に対応する、第2の調波と相互作用する2次非線形性によって生成された歪み成分に起因する。
【0071】
LNA140aの雑音性能は、アクティブポストディストーション線形化によって多少劣化される。N−FET310からの雑音は、従来の誘導的にディジェネレーションされたLNAからの雑音とほぼ同じである。アクティブポストディストーション線形化により、ゲートによって誘導された雑音及びドレイン雑音の形の追加の雑音がN−FET330によって生成される。これらの追加の雑音源の両方とも、βを大きくすることによって低減させることができ、その結果、より少ない利得損失及びより小さい雑音指数の低下となる。
【0072】
図7Aは、アクティブポストディストーション線形化を有するLNA140bの実施形態の概略図である。LNA140bは、図3に関して上述されるように結合されるN−FET310、320及び330と、誘導子350と、キャパシタ352と、を含む。しかしながら、N−FET330のドレインは、出力ノードに直接結合される。LNA140bではN−FET340は省かれる。LNA140bの線形性及び雑音性能は、図3のLNA140aの線形性及び雑音性能と同様である。N−FET340を省くことは、N−FET330に関する負荷分離に対して主に影響を与える。
【0073】
図7Bは、アクティブポストディストーション線形化を有するLNA140cの実施形態の概略図である。LNA140cは、図3に関して上述されるように結合されるN−FET310、320及び330と、誘導子350と、キャパシタ352と、を含む。しかしながら、N−FET330のドレインは、N−FET320のソースに直接結合される。LNA140cではN−FET340は省かれる。LNA140cの線形性及び雑音性能は、図3のLNA140aの線形性及び雑音性能と同様である。
【0074】
図8は、アクティブポストディストーション線形化及び複数の利得設定を有するLNA140dの実施形態の概略図である。LNA140dは、図3におけるN−FET310、320、330及び340、誘導子350、及びキャパシタ352とそれぞれ同じ形で結合されるN−FET810、820、830及び840と、誘導子850と、キャパシタ852と、を含む。LNA140dは、バイアス化、利得制御、及びインピーダンス整合を提供する追加回路をさらに含む。
【0075】
LNA140dに関するバイアス回路は、電流源858と、N−FET860と、抵抗器862、864、866及び868と、を含む。電流源858は、電源VDDに結合された一端と、N−FET860のドレインに結合された他端と、を有する。N−FET860は、ダイオード接続され、回路アースに結合されたソースと、ドレインに結合されたゲートと、を有する。抵抗器862は、N−FET810のゲートに結合された一端と、N−FET860のゲートに結合された他端と、を有する。抵抗器864は、N−FET830のゲートに結合された一端と、N−FET860のゲートに結合された他端と、を有する。N−FET810に関するバイアス電流は、(1)電流源858によって提供される電流及び(2)N−FET810の幅とN−FET860の幅の比によって決定される。同様に、N−FET830に関するバイアス電流は、(1)電流源858によって提供される電流及び(2)N−FET830の幅とN−FET860の幅の比によって決定される。抵抗器866は、VDD電源に結合された一端と、N−FET820及び840のゲートに結合された他端と、を有する。抵抗器868は、回路アースに結合された一端と、N−FET820及び840のゲートに結合された他端と、を有する。抵抗器866及び868は、精密に設定する必要がない、N−FET820及び840に関するゲートバイアス電圧を決定する。
【0076】
LNA140dに関する利得制御回路は、N−FET870及び880と、キャパシタ872と、抵抗器882、884及び886と、を含む。N−FET870及び880は、N−FET810のゲートに結合されたソースと、2つの利得制御信号を受け取るゲートと、を有する。キャパシタ872は、N−FET820及び840のドレインに結合された一端と、N−FET870のドレインに結合された他端と、を有する。抵抗器882及び884は、直列に結合される。抵抗器882は、N−FET880のドレインに結合された一端と、抵抗器884及び886に結合された他端と、を有する。抵抗器884の他端は、N−FET820及び840のドレインに結合され、抵抗器886の他端は、回路アースに結合される。
【0077】
N−FET810、820、830及び840は、利得信号経路を形成し、N−FET870は、パススルー信号経路を形成し、N−FET880は、減衰信号経路を形成する。3つの信号経路の1つは、いずれかの所定の瞬間において、2つの利得制御信号に基づいて選択される。N−FET870がオンにされ、パススルー信号経路が選択された場合は、入力信号は、N−FET870及びACカップリングキャパシタ872内を通ってLNA出力に達する。N−FET880がオンにされて減衰信号経路が選択された場合は、入力信号は、N−FET880内を通り、抵抗器網によって減衰される。
【0078】
入力インピーダンス整合回路890は、RF入力部とN−FET810のゲートとの間を結合する。出力インピーダンス整合回路892は、RF出力部とVDD電源との間を結合する。各インピーダンス整合回路は、1つ以上の誘導子、キャパシタ、ストリップライン等を含むことができる。整合回路892は、N−FET810、820、830、840及び880に関するバイアス電流も提供する。
【0079】
図9は、アクティブポストディストーション線形化を有するLNA140eの実施形態の概略図である。LNA140eは、4つのPチャネルFET(P−FET)910、920、930及び940と、誘導子950と、キャパシタ952と、を含む。P−FET910は、誘導子950の一端に結合されたソースと、入力電圧vを受け取るゲートと、P−FET920のソースに結合されたドレインと、を有する。誘導子950の他端は、VDD電源に結合する。P−FET920は、バイアス電圧vbiasを受け取るゲートと、出力ノードに結合されたドレインと、を有する。N−FET920は、バイアス電圧vbiasを受け取るゲートと、出力ノードに結合されたドレインと、を有する。N−FET930は、VDD電源に結合されたソースと、キャパシタ952の一端に結合されたゲートと、P−FET940のソースに結合されたドレインと、を有する。キャパシタ952の他端は、P−FET920のソースに結合する。P−FET940は、バイアス電圧vbiasを受け取るゲートと、出力ノードに結合されたドレインと、を有する。出力ノードは、LNA140eに関する出力電流ioutを提供する。
【0080】
図10は、アクティブポストディストーション線形化を有する差動LNA300の実施形態の概略図である。LNA300は、LNA300が追加のN−FET410,420,430,及び440,誘導子450,及びキャパシタ452を有するような差動回路構成を有するということを除いて、図3に示されるLNA140aと同様に動作する。LNA300は、差動入力を受け取り、差動出力を出力する。N−FET310のゲートは、入力電圧v(差動入力の第1の入力)を受け取り、N−FET410のゲートは、入力電圧v(差動入力の第2の入力)を受け取る。LNA300は、差動出力を提供するために2つの出力ノードIout+及びIout−を有する。LNA300の左半分は、図3のLNA140aと同じ回路構成を有し、出力ノードIout+から出力電流iout+を提供する。また、LNA300の右半分は、左半分の逆(ミラーイメージ)である回路構成を有する。LNA300は、LNA140aに関して上で説明したように、アクティブポストディストーションを用いることによって線形性を向上させる。
【0081】
N−FET410は、誘導子450の一端に結合したソース,入力電圧v1−を受け取るゲート,及びN−FET420のソースに結合したドレインを有する。誘導子450のもう一端は、回路アースと結合する。N−FET420は、バイアス電圧vbiasを受け取るゲート及び出力ノードIout−に結合したドレインを有する。N−FET430は、回路アースに結合したソース,キャパシタ452のもう一端に結合したゲート,及びN−FET440のソースに結合したドレインを有する。キャパシタ452の一端は、N−FET420のソースに結合する。N−FET440は、バイアス電圧vbiasを受け取るゲート及び出力ノードIout−に結合したドレインを有する。出力ノードIout−は、LNA300に対して出力電流iout−を提供する。
【0082】
図11Aは、図7Aに示されるLNA140bの回路を用いた、差動回路構成を有する差動LNA301である。LNA301は、LNA301が差動形態においてLNA140bを用いるということを除いて、LNA300と同様に構築される。LNA301は、LNA301が追加のN−FET410,420,及び430,誘導子450,及びキャパシタ452を有するような差動回路構成を有するということを除いて、図7Aに示されるLNA140bと同様に動作する。LNA301は、LNA140bに関して上で説明したように、アクティブポストディストーションを用いることによって線形性を向上させる。
【0083】
図11Bは、図7Bに示されるLNA140cの回路を用いた、差動回路構成を有する差動LNA302である。LNA302は、LNA302が差動形態においてLNA140cを用いるということを除いて、LNA300と同様に構築される。LNA302は、LNA302が追加のN−FET410,420,及び430,誘導子450,及びキャパシタ452を有するような差動回路構成を有するということを除いて、図7Bに示されるLNA140cと同様に動作する。LNA302は、LNA140cに関して上で説明したように、アクティブポストディストーションを用いることによって線形性を向上させる。
【0084】
上記したように、アクティブポストディストーションを用いてアクティブ回路を線形化する技術は、増幅器、ミキサー等の様々な型のアクティブ回路に関して用いることができる。アクティブ回路に関する主信号経路は、主信号経路内の回路素子の非線形性に起因する歪みを生成する。補助信号経路は、主信号経路によって生成された歪み成分を除去するために用いられる歪み成分をアクティブに生成する。
【0085】
本明細書において説明される増幅器及びその他の線形化されたアクティブ回路は、ベースバンド、中間周波数(IF)、RF等を含む様々な周波数範囲に関して用いることができる。例えば、これらの線形化されたアクティブ回路は、無線通信に関して共通して採用される以下のような周波数帯域に関して用いることができる。
【0086】
・824乃至894MHzのセルラーバンド
・1850乃至1990MHzのパーソナル通信システム(PCS)バンド
・1710乃至1880MHzのデジタルセルラーシステム(DCS)バンド
・890乃至960MHzのGSM900バンド
・1920乃至2170MHzの第3世代移動通信システム2000(IMT−2000)バンド
・1574.4乃至1576.4MHzの全地球測位システム(GPS)バンド
本明細書において説明される増幅器及びその他の線形化されたアクティブ回路は、集積回路(IC)、RF集積回路(RFIC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、プリント基板(PCB)、電子デバイス等の内部に実装することができる。これらの線形化されたアクティブ回路は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、NチャネルMOS(N−MOS)、PチャネルMOS(P−MOS)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、バイポーラCMOS(BiCMOS)、珪素ゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)等の様々なICプロセス技術によって製造することができる。
【0087】
開示された実施形態に関する上記の説明は、当業者が本発明を製造又は使用できるようにすることを目的とするものである。これらの実施形態に対する様々な修正は、当業者にとっては容易に明確になるであろう。本明細書において定められている一般原理は、本発明の精神及び適用範囲を逸脱しない形でその他の実施形態に対しても適用することができる。以上のように、本発明は、本明細書において示されている実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書において開示されている原理及び斬新な特長に一致する限りにおいて最も広範な適用範囲が認められるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
差動入力信号の第1の入力を受け取り、増幅するために第1の誘導子に電気的に結合される第1のトランジスタと、
第1の中間信号を生成し、差動出力信号の第1の出力を提供する、前記第1のトランジスタに電気的に結合される第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタに電気的に結合され、前記第1の中間信号を受け取るため及び前記第1のトランジスタによって生成される歪み成分を除去するのに用いられる歪み成分を生成するために動作可能な第3のトランジスタと、
前記差動入力信号の第2の入力を受け取り、増幅するために第2の誘導子に電気的に結合される第4のトランジスタと、
第2の中間信号を生成し、前記差動出力信号の第2の出力を提供する、前記第4のトランジスタに電気的に結合される第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタに電気的に結合され、前記第2の中間信号を受け取るため及び前記第4のトランジスタによって生成される歪み成分を除去するのに用いられる歪み成分を生成するために動作可能な第6のトランジスタと
を具備する集積回路。
【請求項2】
前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタがカスケード対として結合され、前記第4のトランジスタ及び前記第5のトランジスタがカスケード対として結合される、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記第3のトランジスタは、前記第1のトランジスタによって生成される3次歪み成分を除去するのに用いられる歪み成分を生成するために動作可能であり、前記第6のトランジスタは、前記第4のトランジスタによって生成される3次歪み成分を除去するのに用いられる歪み成分を生成するために動作可能である、請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記第2のトランジスタ及び前記第3のトランジスタに電気的に結合され、負荷分離を提供するために動作可能である第7のトランジスタと、
前記第6のトランジスタ及び前記第5のトランジスタに電気的に結合され、負荷分離を提供するために動作可能である第8のトランジスタと
を更に具備する請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記第3のトランジスタは、前記第2のトランジスタのドレインに電気的に結合されるドレインを有し、前記第6のトランジスタは、前記第5のトランジスタのドレインに電気的に結合されるドレインを有する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
前記第3のトランジスタは、前記第1のトランジスタのドレインに電気的に結合されるドレインを有し、前記第6のトランジスタは、前記第4のトランジスタのドレインに電気的に結合されるドレインを有する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項7】
前記第1,第2,及び第3のトランジスタはそれぞれ第1,第2,及び第3の利得を有し、前記第1及び第2の利得は第1のファクタに関連し、前記第1及び第3の利得は第2のファクタに関連し、前記第4,第5,及び第6のトランジスタはそれぞれ前記第1,第2,および第3の利得を有する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項8】
前記第2のファクタは利得損失を低減させるために選択され、前記第1のファクタは前記第1及び第4のトランジスタによって生成される歪み成分を除去するために選択される、請求項7に記載の集積回路。
【請求項9】
前記第2のファクタは1よりも大きく、前記第3の利得は前記第1の利得の一部分である、請求項7に記載の集積回路。
【請求項10】
前記第1,第2,第3,第4,第5,及び第6のトランジスタは、N−チャネル・フィールド・効果トランジスタ(N−FET)である、請求項1に記載の集積回路。
【請求項11】
前記第1,第2,第3,第4,第5,及び第6のトランジスタは、P−チャネル・フィールド・効果トランジスタ(P−FET)である、請求項1に記載の集積回路。
【請求項12】
前記第1,第2,第3,第4,第5,及び第6のトランジスタは、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)である、請求項1に記載の集積回路。
【請求項13】
前記第1,第2,第3,第4,第5,及び第6のトランジスタは、低雑音増幅器(LNA)を形成する、請求項1に記載の集積回路。
【請求項14】
前記差動入力信号は、符号分割多重接続(CDMA)信号である、請求項1に記載の集積回路。
【請求項15】
ソースディジェネレーションを提供するために動作可能な第1の誘導子と、
前記第1の誘導子に電気的に結合されるソースと差動入力信号の第1の入力を受け取るゲートとを有し、信号増幅を提供するために動作可能な第1のトランジスタと、
差動出力信号の第1の出力を提供するドレインと前記第1のトランジスタのドレインに電気的に結合されるソースとを有し、第1の中間信号を生成するために動作可能な第2のトランジスタと、
前記第2のトランジスタのソースに電気的に結合されるゲートを有し、前記第1の中間信号を受け取るため及び前記第1のトランジスタによって生成される歪み成分を除去するのに用いられる歪み成分を生成するために動作可能な第3のトランジスタと、
ソースディジェネレーションを提供するために動作可能な第2の誘導子と、
前記第2の誘導子に電気的に結合されるソースと前記差動入力信号の第2の入力を受け取るゲートとを有し、信号増幅を提供するために動作可能な第4のトランジスタと、
前記差動出力信号の第2の出力を提供するドレインと前記第4のトランジスタのドレインに電気的に結合されるソースとを有し、第2の中間信号を生成するために動作可能な第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタのソースに電気的に結合されるゲート有し、前記第2の中間信号を受け取るため及び前記第4のトランジスタによって生成される歪み成分を除去するのに用いられる歪み成分を生成する第6のトランジスタと
を具備する増幅器。
【請求項16】
前記第3のトランジスタのドレインに電気的に結合されるソースと前記第2のトランジスタのドレインに電気的に結合されるドレインとを有する第7のトランジスタと、
前記第6のトランジスタのドレインに電気的に結合されるソースと前記第5のトランジスタのドレインに電気的に結合されるドレインとを有する第8のトランジスタと
を更に具備する請求項15に記載の増幅器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【公開番号】特開2012−257290(P2012−257290A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−167490(P2012−167490)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2010−502220(P2010−502220)の分割
【原出願日】平成20年3月28日(2008.3.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】