アクティブマトリクス型表示装置とその製造方法
【課題】電極間が低い接続抵抗で確実にかつ安定して接続されたアクティブマトリクス型表示装置を提供する。
【解決手段】第1基板と、第1基板の一方の主面に形成された薄膜トランジスタと、第2基板と、第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有し、第1基板と第2基板とは、第1基板の主面と、第2基板の主面とが対向して貼り合わされており、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内の一方の第1電極と、表示素子のアノード電極及びカソード電極の一方の下部電極とを接続しかつ第1基板と第2基板との間に間隔を保持するコンタクトスペーサーを第1基板と第2基板の一方が有し、他方がコンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを有し、コンタクトスペーサーの先端部がコンタクトホール内で固定される。
【解決手段】第1基板と、第1基板の一方の主面に形成された薄膜トランジスタと、第2基板と、第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有し、第1基板と第2基板とは、第1基板の主面と、第2基板の主面とが対向して貼り合わされており、薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内の一方の第1電極と、表示素子のアノード電極及びカソード電極の一方の下部電極とを接続しかつ第1基板と第2基板との間に間隔を保持するコンタクトスペーサーを第1基板と第2基板の一方が有し、他方がコンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを有し、コンタクトスペーサーの先端部がコンタクトホール内で固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス型表示装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子を用いたアクティブマトリクス型表示装置は、表示素子が自発光であることからバックライトを必要とせず、軽量薄型化が可能であり、視野角やコントラストの点でも液晶表示装置より優れている。このアクティブマトリクス型表示装置は、例えば、特許文献1に示されているように、スイッチング薄膜トランジスタを有する駆動回路が形成された基板と、有機EL素子が形成された基板とが貼り合わされて作製される。このようにして作製されるアクティブマトリクス型表示装置では、表示素子の電極と駆動回路の電極とが、例えば、導電性スペーサによって電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−114910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、駆動回路が形成された薄膜トランジスタ基板と有機EL素子が形成された基板とを貼り合わせて作製されるアクティブマトリクス型表示装置では、別々の基板に形成された電極間に接触不良のない安定した電気的導通をいかにして実現するかが課題となる。
特に、フレキシブル基板同士を貼り合わせた場合、基板を曲げたときに接触部分が剥離しないように強固に電極同士を接続することが重要になる。
また、柔軟性のある異方性導電接着フィルムを用いて電極間を接続すれば剥離を防止する上では一定の効果が得られるが、金属接合させた場合に比べると接続抵抗を十分低くできなかったり、接続領域が表示装置の1画素の限定された領域であるため、異方性導電接着フィルム内の導電性粒子の分散状況によっては接続抵抗バラツキが生じる等の問題がある。
また、異方性導電接着フィルムの接着剤と、薄膜トランジスタ基板若しくは有機EL素子が形成された基板との密着性が悪く接着性が確保できない場合や温度変化による基板伸縮の度合いの違いによる影響も懸念される。
【0005】
そこで、本発明は、二つの基板に形成された電極間が低い接続抵抗で確実にかつ安定して接続されているアクティブマトリクス型表示装置とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置は、
第1基板と、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、第2基板と、アノード電極及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有し、前記第1基板と前記第2基板とは、前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とが対向して貼り合わされているアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内のどちらか一方の電極である第1電極と、前記表示素子のアノード電極及びカソード電極の内のどちらか一方の電極である下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを前記第1基板と前記第2基板の一方の基板が有し、
他方の基板が前記コンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを有し、
前記コンタクトスペーサーの先端部が前記コンタクトホール内で固定されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のある形態では、前記コンタクトスペーサーは、柱形状の絶縁構造体とその表面に形成された導電膜からなる。
【0008】
また、本発明のある形態では、前記コンタクトスペーサーは前記下部電極上に形成されており、前記コンタクトホールは前記第1電極上に形成され、前記コンタクトホールの底面に前記第1電極の表面が露出されている。
【0009】
また、本発明のある形態では、前記コンタクトスペーサーは前記第1電極上に形成されており、前記コンタクトホールは前記下部電極上に形成され、前記コンタクトホールの底面に前記下部電極の表面が露出されている。
【0010】
また、本発明のある形態では、前記コンタクトホールの側面に、前記第1電極又は前記下部電極に接続された導電膜が形成されている。
【0011】
また、本発明のある形態では、前記第1電極と前記下部電極とは、前記コンタクトホールの少なくとも一部に充填された接合部材を介して電気的に接続されており、前記コンタクトスペーサーの先端部が前記接合部材に埋め込まれている。
【0012】
また、本発明のある形態では、前記接合部材は、導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化して形成された材料からなる。
【0013】
また、本発明のある形態では、前記導電性インクは、液体媒体と、該液体媒体中に分散された無機ナノ粒子とを含有する。
【0014】
また、本発明のある形態では、前記無機ナノ粒子は、Au、Ag、Cu、Pd、Pt、Ni、ITO、Al、硫化銀及び酸化銀からなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0015】
また、本発明のある形態では、前記導電性ペーストは、PbSn合金、SnAg合金、Agからなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0016】
また、本発明のある形態では、前記導電性ペーストは、ポリマーを含む。
【0017】
また、本発明のある形態では、前記薄膜トランジスタが有機半導体を含む。
【0018】
さらに、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置の製造方法は、第1基板と、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、第2基板と、アノード電極及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有するアクティブマトリックス型表示装置を製造する方法であって、前記第1基板と前記第2基板とを前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とを対向させて貼り合わせることを含む方法であって、
前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内のどちらか一方の電極である第1電極と前記表示素子のアノード電極及びカソード電極の内のどちらか一方の電極である下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを前記第1基板と前記第2基板の一方の基板に形成するコンタクトスペーサー形成工程と、
他方の基板に前記コンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトスペーサーの先端部を接合部材によって前記コンタクトホール内に固定して、前記第1電極と下部電極とを電気的に接続するため、前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程と、
を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明のある形態では、前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程は、
前記コンタクトホールに導電性インクもしくは導電性ペーストを有版印刷法もしくは無版印刷法を用いて充填することと、
前記コンタクトスペーサーの先端部を前記充填された導電性インクもしくは導電性ペーストに沈入させることと、
前記先端部が沈入された導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化させることとを含む
【0020】
また、本発明のある形態では、前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程は、
前記コンタクトスペーサーの先端部に導電性インクもしくは導電性ペーストを転写印刷版上から転写印刷することと、
前記導電性インクもしくは導電性ペーストが転写印刷されたコンタクトスペーサーの先端部を前記コンタクトホールに挿入することにより前記コンタクトホール内に前記導電性インクもしくは導電性ペーストを充填することと、
コンタクトホール内に充填された導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化させることとを含む
【発明の効果】
【0021】
以上のように構成された本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置は、第1基板又は第2基板の一方の基板が、前記薄膜トランジスタの1つの電極と前記下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを有し、そのコンタクトスペーサーの先端部が他方の基板に設けられたコンタクトホールで固定されているので、第1基板と第2基板とを接触不良なく確実に接続することができる。
また、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置の製造方法では、コンタクトスペーサーもしくはコンタクトホールを利用して、例えば、Agナノ粒子分散インクを用いた有版印刷法もしくは無版印刷法により接合部材を塗布できるので、接合部材の塗布工程を簡略化する事ができる。特に、コンタクトスペーサーを凸版に見立てコンタクトスペーサーの先端に接合部材を直接転写印刷すれば、更なる工程の簡略化ができる。
更に、Agナノ粒子分散インクを焼結させる事で接合した場合、金属接合による強固な接続を実現することができ、かつ、周辺の温度変化や電流による発熱の影響を接合部が受ける事は無く安定した接合状態を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置に係る製造方法の工程フロー図である。
【図3A】ステップDS1の第1基板1を洗浄する工程の断面図である
【図3B】ステップDS2のゲート電極層2を含む金属層を形成する工程の断面図である。
【図3C】ステップDS3のゲート絶縁膜3を成膜する工程の断面図である。
【図3D】ステップDS4のソース電極4、ドレイン電極5を含む金属層を形成する工程の断面図である。
【図3E】ステップDS5の半導体層6を成膜する工程の断面図である。
【図3F】ステップDS6の保護膜7を成膜し、コンタクトホール14を形成する工程の断面図である。
【図4A】ステップLS1の基板8を洗浄する工程の断面図である。
【図4B】ステップLS2のアノード電極9を含む導電層を形成する工程の断面図である。
【図4C】ステップLS3のアノード電極9の上に電極セパレータ11を形成する工程の断面図である。
【図4D】ステップLS4のアノード電極9の上にコンタクトスペーサー12を形成する工程の断面図である。
【図4E】ステップLS5の電極セパレータ11で仕切られた素子領域のアノード電極9上に発光部10である有機EL素子等の発光素子を形成する工程の断面図である。
【図5A】ステップBS1のコンタクトスペーサー12の先端にナノパーティクルAgやAgペーストを転写印刷する工程の断面図である。
【図5B】ステップBS2の基板同士を貼り合わせる工程の断面図である。
【図6】本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明に係る実施形態3のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明に係る実施形態4のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明に係る実施形態5のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明に係る実施例の素子構成を示す平面図であり、(a)は、第1基板1上に有機薄膜トランジスタTr1を形成したときの平面図、(b)は、第2基板8上に発光部10を形成したときの平面図、(c)は、第1基板1と第2基板2とを貼り合わせたときの平面図である。
【図11】実施例1で製造した表示装置の出力特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施形態のアクティブマトリクス型表示装置について説明する。
実施形態1.
図1は、本発明に係る実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
本発明に係る実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置は、第1基板1と、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、第2基板8と、アノード電極(下部電極)9及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有し、前記第1基板と前記第2基板とは、前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とが貼り合わされている表示装置であって、以下のように構成される。
尚、本明細書において、下部電極は、第2基板に接して又は第2基板上に存在する他の導電性パターンの中で最も第2基板の近くに形成される電極をいい、素子の向きによっては必ずしも下に位置するものには限られない。
また、上、下という表現は、基板に近い側又は場所を下といい、基板から離れた側又は場所を上という。
【0024】
第1基板1には、図1に示すように、一方の主面上にゲート電極2を介してゲート絶縁膜3が形成され、そのゲート絶縁膜3の上にソース電極4とドレイン電極5がゲート電極2の上で所定の間隔を隔てて形成され、その間隔を埋めるように半導体層6がソース電極4とドレイン電極5にまたがって形成される。以上のようにして、第1基板1上に薄膜トランジスタが形成されて、その薄膜トランジスタを覆うように保護膜7が形成される。
【0025】
そして、実施形態1では、ドレイン電極5の上に保護膜7を貫通するコンタクトホール14が形成される。コンタクトホール14の底面にはドレイン電極5の表面が露出される。
ここでコンタクトホールとは、一般的に基板や電極とその上層にある配線層を接続するため、絶縁膜に開けられた穴である。
本実施の形態の場合は、コンタクトホール内に導電性インク又は導電性ペーストとコンタクトスペーサー12を埋め込み、該導電性インク又は導電性ペーストを乾燥もしくは焼結することで接合部材20を形成し、これによって前記ドレイン電極5と第2基板のアノード電極とのコンタクトをとる。
【0026】
また、第2基板8には、図1に示すように、一方の主面上にアノード電極9が形成され、そのアノード電極9の上に各発光部を仕切る電極セパレータ11が形成され、その電極セパレータ11によって仕切られた各領域に発光部10が形成される。発光部10は、少なくとも発光層と陰極とを含む。発光部10は、さらに、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等を含んでいてもよい。アノード電極9と発光部10とをあわせて発光素子とよぶ。発光素子は表示素子の一態様である。
【0027】
そして、隣接する発光部10を囲う電極セパレータ11間のアノード電極9上にコンタクトスペーサー12が形成される。このコンタクトスペーサー12は、例えば、柱形状の絶縁構造体の表面に金属膜が形成されてなり、薄膜トランジスタのドレイン電極5とアノード電極9とを電気的に接続しかつ第1基板1と第2基板8との間を所定の間隔に保持する。
本発明中で用いているコンタクトスペーサーとは、所定の高さで柱形状に凸加工された絶縁樹脂とその表面を覆う導電材料で形成されている。そのコンタクトスペーサーの根本には第2基板8の電極が露出されており、コンタクトスペーサーの表面を覆う導電材料を成膜するときに同時に第2基板8の電極とコンタクトスペーサー表面の導電層が接続される。
このコンタクトスペーサーは、好ましくは、図4Dの12のような長手方向に沿った断面が台形状の構造物とする。
また、絶縁構造体とは、絶縁樹脂を用いて形成した立体構造物を指す。構造物の形成方法は限定されず、例えば、無版印刷法、有版印刷法、インプリントリソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、フォトリソグラフィ等を用いることができる。好ましくは、フォトリソグラフィによる構造物形成である。
【0028】
ドレイン電極5とアノード電極9との電気的な接続は、例えば、コンタクトスペーサー12の表面に形成された金属膜とアノード電極9とを電気的に導通させることにより実現される。このコンタクトスペーサー12の表面に形成された金属膜は、アノード電極9の表面に連続して形成されていてもよい。ここで、ドレイン電極5とコンタクトスペーサー12は接続部材20を介して接続される。コンタクトホール14の側面はさらにドレイン電極5に接続された導電膜で覆われていることが好ましいが、必ずしもこの限りではない。この接合部材20は、導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥もしくは焼結により固化して形成された材料からなり、この接合部材20を通すことにより、確実な導通が実現出来る。
ここで接合部材とは、別々に作成された基板や部品の電極同士を電気的、機械的に接合するための部材を指す。一般的には、異方性導電接着フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や異方性導電接着剤(ACA:anisotropic conductive adhesive)が接合部材として用いられているが、本発明では、異方性導電接着フィルムや異方性導電接着剤を用いることなく、接合部材の前駆体として例示した導電性インクや導電性ペーストを用いて形成することができる。最良の形態は、金属微粒子が分散された導電性インクを用いる事であり、金属微粒子が分散された導電性インクを用いれば接合部を金属結合することができるため、信頼性の高い接合を実現できる。
【0029】
以上のように構成された第1基板1と第2基板8とは、コンタクトスペーサー12の先端部がコンタクトホール14内に挿入されて導電性の接合部材20によって固定される。
【0030】
以下、実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置の製造方法について説明する。
図2は、実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置の製造フローを示す工程図である。
実施形態1では、薄膜トランジスタを含む発光制御用アクティブマトリクス回路が形成された第1基板1がステップDS1〜DS6の工程を経て作製され、発光部10が形成された第2基板8がステップLS1〜LS5の工程を経て作製される。発光制御用アクティブマトリクス回路が形成された第1基板1と発光部10が形成された第2基板8とをステップBS1〜BS3の工程を経て貼り合わせることによりアクティブマトリクス型表示装置が製造される。
以下、各工程について詳細に説明する。
【0031】
1.薄膜トランジスタの形成(発光制御回路の形成)
<ステップDS1>
ステップDS1は、第1基板1を洗浄する工程である(図3A)。
第1基板1は、樹脂、ガラス、金属、金属ホイルなど種々の材料からなる基板を選択でき、フレキシブルな樹脂基板でもよい。第2基板8が透光性を有していればよく、第1基板1は透明であっても不透明であってもよい。
また、洗浄は、適宜、基板の材質に合わせた一般的な方法で行うことができる。
また、第1基板1の上には、平坦化膜、接着膜、バリア膜、もしくは、これらの機能を複数有する膜が成膜されていてもよく、その膜は、無機膜でも有機膜でもよい。また、無機膜と有機膜を組み合わせた積層膜を成膜してもよく、第1基板の材質や該基板上に成膜する有機膜や無機膜が果たすべき機能に合わせて適宜選択できる。
さらに、無機膜は、ゾル−ゲルや前駆体を含む液から塗布法により形成してもよいし、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法を含むCVD法やスパッタリング法などのPVD法で形成してもよい。無機膜の材料としては、例えば、SiOx,SiNx,SiOxNy、Al2O3等の酸化物や窒化物が挙げられる。
有機膜は、CVD法やPVD法で成膜することができ、高分子化合物などの塗布・焼成で形成してもよい。有機膜の材料については、目的に沿うものが選択されるが、パリレン、エポキシ樹脂、PS樹脂、PVP樹脂、PMMA樹脂などが挙げられる。
【0032】
<ステップDS2>
ステップDS2は、ゲート電極層2を含む金属層を形成する工程である(図3B)。
この金属層には、ゲート電極層2以外に、発光制御用アクティブマトリクス回路を構成する受動素子の電極や配線及び外部接続端子などが含まれる。
この工程では、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法などのPVD法、導電性インクを第1基板1上に塗布する方法で第1基板1上に金属膜を一面に成膜した後、フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニングを実施する。
金属膜として選択される材料は、特に制限されるものではないが、Au、Ag、Cu、Mo、W、Ti、Al、Pd、Pt、Ta等の金属、これらの金属の合金、これらの金属の化合物が挙げられ、伝導性が高い材料が好ましい。
また、有版もしくは無版印刷法により、直接所定のパターンを形成してもよい。
この塗布もしくは印刷する材料としては、種々の導電性インクが使用できるが、電導性が高い材料を含むインク(液)が好ましく、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)などの、導電性高分子化合物を含むインク、無機材料のナノパーティクルを分散させたナノ−Au、ナノ−Ag、ナノ−Cu、ナノ−Pd、ナノ−Pt、ナノ−Ni、ナノ−ITO、ナノ−Al、ナノ−硫化銀、ナノ−酸化銀等の微粒子分散インク、銀塩などの金属化合物インクが挙げられる。ナノ−酸化銀を含む微粒子分散インクには、還元剤を混合して用いてもよい。
また、フォトリソグラフィ法や有版もしくは無版印刷法により、予め直接所定のパターンに活性層をパターニングした基板上へ、無電解めっき法や無電解めっきと電解めっき法の組合せにより所定の位置に金属膜を形成してもよい。
ゲート電極2の膜厚は、特に制限は無いが、好ましくは、50nm〜1μmであり、より好ましくは、50nm〜300nmである。
ここで有版印刷法とは、印刷版を用いる印刷法全般を指しており、例えば、フレキソ印刷(凸版)法、グラビア印刷(凹版)法、スクリーン印刷(孔版)法、オフセット(反転)印刷法、マイクロコンタクトプリント法、ナノインプリント法などがあげられる。無版印刷法とは、印刷版を用いない印刷法全般を指しており、例えば、インクジェットプリント法、ノズルコート法、スリットコート法等があげられる。
【0033】
<ステップDS3>
ステップDS3は、ゲート絶縁膜3を成膜する工程である(図3C)。
ゲート絶縁膜3は、高分子化合物材料を用いて有機絶縁膜を成膜することにより形成することが好ましく、高分子化合物材料としては、PS樹脂、PVP樹脂、PMMA樹脂、含フッ素樹脂、PI樹脂、PC樹脂、PVA樹脂やこれらの樹脂が含有する繰り返し単位を複数種類含む共重合体などが挙げられる。より好ましくは、耐溶剤性などのプロセス耐性や安定性に優れる、架橋性を有する共重合体である。この工程では、スピンコート法により成膜した後、フォトリソグラフィ法で所定のパターンを形成してもよいし、有版印刷もしくは無版印刷法により直接パターニングをしてもよい。
フォトリソグラフィ法で所定のパターンを形成する場合は、高分子化合物材料として感光性が付与された上記樹脂が含有する繰り返し単位を複数種類含む共重合体を用いることが好ましい。
ゲート絶縁膜3の膜厚は、特に制限は無いが、好ましくは、10nm〜1μmであり、より好ましくは、100nm〜600nmである。
ゲート絶縁膜3を塗布法又は印刷法により形成する場合に使用する溶媒は、第1基板1及び、第1基板1上に形成された平坦化膜、接着膜、バリア膜等に対してダメージを与えない、第1基板1及び前記膜に対する直交溶媒であることが好ましい。
【0034】
<ステップDS4>
ステップDS4は、ソース電極4、ドレイン電極5を含む金属層を形成する工程である(図3D)。この金属層にはソース電極4及びドレイン電極5以外に、例えば、発光制御用アクティブマトリクス回路を構成する受動素子の電極や配線などが含まれる。本発明において、第1電極は、ソース電極4又はドレイン電極5である。
金属膜の形成方法は、例えば有機絶縁膜からなるゲート絶縁膜3に対してダメージを与えない手法が好ましい。もしくは、ダメージ緩和層等、有機絶縁膜をプロセスダメージから保護する保護層を予め形成した後に金属層を形成してもよい。この保護層は、金属層が無い部分の有機絶縁膜上に残しておいてもよいし除去してもよい。
所定のパターンを形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法などのPVD法、導電性インクをゲート絶縁膜3上に塗布する方法でゲート絶縁膜3上に金属膜を一面に成膜した後、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより所定の形状のパターンを形成する方法が挙げられる。金属膜の材料は、Au,Ag,Cu,Mo,W,Ti,Al,Pd,Pt,Ta等の金属、これらの金属を含む合金、これらの金属を含む化合物が挙げられるが、導電性が高い材料が好ましい。
また、有版もしくは無版印刷法により、直接所定のパターンを形成してもよい。
この塗布もしくは印刷する材料としては、種々の導電性インクが使用できるが、伝導性が高い材料を含むインクが好ましく、例えば、PEDOT/PSSなどの導電性高分子化合物を含むインク、無機材料のナノパーティクルを分散させたナノ−Au、ナノ−Ag、ナノ−Cu、ナノ−Pd、ナノ−Pt、ナノ−Ni、ナノ−ITO、ナノ−Al、ナノ−硫化銀、ナノ−酸化銀等の微粒子分散インク、銀塩などの金属化合物インクが挙げられる。ナノ−酸化銀を含む微粒子分散インクには、還元剤を混合して用いてもよい。
また、無電解めっき法又は無電解めっきと電解めっき法とを組合せた方法により所定の位置に金属膜を形成してもよい。
ソース電極4及びドレイン電極5の膜厚は、特に制限は無いが、好ましくは、50nm〜1μmであり、より好ましくは、100nm〜600nmである。
ソース電極4及びドレイン電極5を塗布法又は印刷法により形成する場合に使用する溶媒は、第1基板1、ゲート絶縁膜3に対してダメージを与えない、第1基板1及びゲート絶縁膜3に対する直交溶媒であることが好ましい。
【0035】
<ステップDS5>
ステップDS5は、半導体層6を成膜する工程である(図3E)。
この工程でも、ステップDS4と同様、例えば、有機絶縁膜からなるゲート絶縁膜3に対してダメージを与えない成膜手法が好ましい。
例えば、メタルマスク等のマスクの上から真空蒸着法を用い、所望の領域のみに半導体層6を成膜してもよいし、ゲート絶縁膜、ソース電極及びドレイン電極上に一面に膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニングを実施してもよい。もしくは、所望の領域にテーパー形状の開口部を持ちセパレータとしても機能する樹脂膜を形成し、その後、一面に半導体層を真空蒸着法で成膜してもよい。ここで、テーパー形状の開口部とは、断面を見たときに下方(基板に近い側)ほど拡がっている開口部をいう。
さらには、有版もしくは無版印刷法により、直接所定のパターンを塗布法により形成してもよい。
印刷する材料は、無機半導体材料の分散インクや低分子化合物、高分子化合物などの有機半導体材料を含むインク等を用いることができるが、高分子有機半導体材料を含むインクが好ましい。また、塗布法により半導体膜を形成後、半導体膜のモルフォロジー制御や溶媒揮発のため、適宜、焼成処理を実施してもよい。半導体層6の膜厚は、半導体特性に影響が無ければ特に制限は無いが、好ましくは、15nm〜150nmであり、より好ましくは、15nm〜80nmである。
半導体層6を塗布法又は印刷法により形成する場合に使用する溶媒は、基板1、ゲート絶縁膜3、ソース電極4、及びドレイン電極5に対してダメージを与えない、基板1、ゲート絶縁膜3、ソース電極4及びドレイン電極5に対する直交溶媒であることが好ましい。
無機半導体材料の分散インクとしては、ZnO、IGZO、ZTO、ITO、IZOになどの酸化物半導体の分散インク、ゾル−ゲル液、Siなどの無機半導体材料のナノ粒子を含む液が挙げられる。
有機半導体材料としては、ペンタセン(Pentacene)や銅フタロシアニン等の蒸着により成膜しうる低分子化合物、6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン(6,13-bis(triisopropylsilylethynyl)pentacene(Tips-Pentacene))、13,6−N−スルフィニルアセトアミドペンタセン(13,6-N-sulfinylacetamidopentacene(NSFAAP))、6,13−ジヒドロ−6,13−メタノペンタセン−15−オン(6,13-Dihydro-6,13-methanopentacene-15-one(DMP))、ペンタセン−N−スルフィニル−n−ブチルカルバマート付加物(Pentacene-N-sulfinyl-n-butylcarbamate adduct)、ペンタセン−N−スルフィニル−tert−ブチルカルバマート(Pentacene-N-sulfinyl-tert-butylcarbamate)等のペンタセン前駆体、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン([1]Benzothieno[3,2-b]benzothiophene(BTBT))、ポルフィリン、ベンゾポルフィリン、可溶性基としてアルキル基等を有するオリゴチオフェン等の低分子化合物又はオリゴマー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)等のポリチオフェン、フルオレンコポリマー(例えば、フルオレンジイル基とチオフェンジイル基とを有する共重合体)等の高分子化合物等が挙げられる。
【0036】
<ステップDS6>
ステップDS6は、保護膜7を成膜し、コンタクトホール14を形成する工程である(図3F)。
ここでは、半導体層6に対してダメージを与えない成膜手法が好ましい。
例えば、真空蒸着法、ALD法、スピンコート法などの塗布法を用いてゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極及び半導体層上に一面に保護膜7を形成した後、フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニングして、ドレイン電極5が露出するようにコンタクトホール14を形成する。
また、有版もしくは無版印刷法により、ドレイン電極5を露出させる領域を除いて直接所定のパターンを形成してもよい。
印刷する材料は、無機材料の分散インク、ゾル−ゲル材料、低分子化合物、高分子化合物になどの有機材料を含むインク等の種々の材料が選択できるが、高分子材料を含むインクが好ましい。
前記材料は、無機材料、有機SOG(スピンオングラス)材料の他に、低分子化合物としては、パリレンなどが挙げられる。高分子化合物としては、PS樹脂、PVP樹脂、PMMA樹脂、含フッ素樹脂、PI樹脂、PC樹脂、PVA樹脂、これらの樹脂が含有する繰り返し単位を複数種類含む共重合体などが挙げられる。好ましい高分子化合物は、耐溶剤性などのプロセス耐性や安定性に優れる、架橋性を有する共重合体である。フォトリソグラフィ法で所定のパターンを形成する場合は、感光性が付与された上記樹脂が含有する繰り返し単位を複数種類含む共重合体を用いることが好ましい。
保護膜7の膜厚は、特に制限は無いが、好ましくは、50nm〜5μmであり、より好ましくは、500nm〜1.5μmである。
コンタクトホールの側面には、第1電極(ドレイン電極)又は下部電極に接続された導電膜が形成されていることが好ましい。
保護膜7を塗布法又は印刷法により形成する場合に使用する溶媒は、第1基板1、ゲート絶縁膜3、ソース電極4、ドレイン電極5、及び半導体層6に対してダメージを与えない、第1基板1、ゲート絶縁膜3、ソース電極4、ドレイン電極5及び半導体層6に対する直交溶媒であることが好ましい。
【0037】
2.第2基板8上への表示素子(発光素子)の形成
<ステップLS1>
ステップLS1は、第2基板8を洗浄する工程である(図4A)。
第2基板8としては、特に制限は無く、例えばガラスやフレキシブル樹脂基板等が適用可能であるが、高い水蒸気に対するバリア性、高いガスバリア性がある基板が望ましい。
また、洗浄は、適宜、基板の材質に合わせた一般的な方法で行うことができる。
また、第2基板8の上には、平坦化膜、接着膜、バリア膜、もしくは、これらの機能を複数有する膜が成膜されていてもよく、その膜は、無機膜でも有機膜でもよい。また、無機膜と有機膜を組み合わせた積層膜を成膜してもよく、第2基板の材質や該基板上に成膜する有機膜や無機膜が果たすべき機能に合わせて適宜選択できる。
さらに、無機膜は、ゾル−ゲルや前駆体を含む液から塗布法により形成してもよいし、ALD法を含むCVD法やスパッタリング法などのPVD法で形成してもよい。無機膜の材料としては、例えば、SiOx,SiNx,SiOxNy、Al2O3等の酸化物や窒化物が挙げられる。
有機膜は、CVD法やPVD法で成膜することができ、高分子化合物を含むインクなどの塗布・焼成で形成してもよい。有機膜の材料については、目的に沿うものが選択されるが、例えば、パリレン、エポキシ樹脂、PS樹脂、PVP樹脂、PMMA樹脂などが挙げられる。
【0038】
<ステップLS2>
ステップLS2は、アノード電極9を含む導電層を形成する工程である(図4B)。
ここでは、アノード電極9用の導電層として透明もしくは半透明導電層を形成するときの例で説明する。
この工程では、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法などのPVD法で導電膜を第2基板8上に一面に成膜した後、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより所定の形状のパターンを形成することができる。
導電膜は、例えば、ITO、IZO、ZTO、ZnO、IGZOなどの金属酸化物材料からなる導電膜を選択することができ、可視光透過率や伝導性が高い材料からなる導電膜が好ましい。
有版もしくは無版印刷法により、直接所定のパターンを形成してもよい。
印刷する透明導電材料としては、PEDOT/PSSなどの導電性高分子を含むインク、無機材料のナノパーティクルを分散させたナノ−ITO等の微粒子分散インクなどを用いることができる。さらにその他の透明導電性インクであっても特に制約無く使用できるが、可視光透過率や伝導性が高い材料を含むインクが好ましい。
アノード電極9には、ナノ−Au、ナノ−Ag、ナノ−Cu、ナノ−酸化銀等の微粒子分散インク、又は、銀塩などの金属化合物インクを、光を透過しうる膜厚になるよう基板上に印刷して形成したアノード電極、メッシュ構造にパターン印刷したアノード電極も用いることができる。また、これらの金属電極上に上記透明導電材料を積層したアノード電極やメッシュ構造の段差を平坦化する平坦化電極を組み合わせたアノード電極も使用することができる。ナノ−酸化銀を含む微粒子分散インクには、還元剤を混合して用いてもよい。
【0039】
<ステップLS3>
ステップLS3は、アノード電極9の上に電極セパレータ11を形成する工程である(図4C)。
電極セパレータ11を構成する構造材料としては、例えば、ZPN2464(ZEON社製)等、パターニングした断面を逆テーパー形状に加工することが可能な材料であって電気絶縁性が高い材料を使用することができる。ZPN2464の様に光パターニングが可能な材料であって電極や有機発光層に悪影響を与えるガスを硬化後に放出しない材料であることが好ましい。電極セパレータ11には、撥水処理を施してもよい。電極セパレータ11の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.5μm以上4.0μm以下が望ましい。
逆テーパー形状の電極セパレータ11を形成する前に、適宜、その下に下地層を形成してもよい。下地層は、SiOx、SiOxNy、SiNx等の無機材料や電気絶縁性が高い無機又は有機の材料を用いることができるが、無機材料の方が電気絶縁性が高く下地層の高さを低くできるので好ましい。この下地層の厚さは電気絶縁性が保たれれば特に制限は無いが、例えば、10nm以上500nm以下に設定される。
【0040】
<ステップLS4>
ステップLS4は、アノード電極9の上にコンタクトスペーサー12を形成する工程である(図4D)。
このコンタクトスペーサー12の絶縁構造体を構成する構造材としては、例えば、順テーパー形状への加工が可能な材料であって電気絶縁性が高く厚膜化が可能な材料を使用することができる。光パターニングが可能な材料であって電極や有機発光層に悪影響を与えるガスを硬化後に放出しない材料が好ましい。具体的には、東レ製のフォトニース(感光性ポリイミド)が用いられる。コンタクトスペーサー12の高さは、電極セパレータ11の厚さと基板1のドレイン電極5上に設けられたコンタクトホール14の深さとの和よりも長ければよく、好ましくは、電極セパレータ11の厚さとコンタクトホール14の深さとの和よりも1.5倍以上、より好ましくは、2倍以上長く設定される。
絶縁構造体の形状は、柱形状であることが好ましい。また、この絶縁構造体の表面には、アノード電極9とドレイン電極5とを導通させる導電膜が形成される。
この導電膜は、発光部10に含まれるカソード電極(陰極)を蒸着する工程で同時に形成される。この時、電極セパレータ11により発光部10のカソード電極とアノード電極9との絶縁性が保たれる。
【0041】
<ステップLS5>
ステップLS5は、電極セパレータ11で仕切られた領域のアノード電極9上に発光部10を設け、有機EL素子を形成する工程である(図4E)。
有機EL素子は、例えば、アノード電極9上に発光層を介してカソード電極を形成することにより構成されるが、アノード電極9もしくはカソード電極と発光層の間には種々の機能層を形成することもある。
具体的な素子構造については後述する。
【0042】
3.貼り合わせ工程
<ステップBS1>
ステップBS1は、コンタクトスペーサー12の先端にナノパーティクルAgやAgペースト等の導電性インク若しくは導電性ペーストを転写印刷する工程である(図5A)。
ここでは、ナノパーティクルAgインクもしくはAgペーストからなる接合部材前駆体層20aが塗布された転写印刷版30を準備して、その接合部材前駆体層20aに第2基板8のコンタクトスペーサー12の先端部を押し当てて先端部に接合部材前駆体層20bを塗布する(転写印刷)。
また、本発明は、転写印刷法に限定されるものではなく、第1基板1のコンタクトホール14に直接、インクジェット法やドロップキャスト法により例えばナノパーティクルAgインクを塗布してもよい。
その他の塗布方法としては、マイクロコンタクトプリント法、スクリーン印刷法、凸版印刷法などの有版印刷手法が適用でき、これらの方法によって、導電性インクもしくは導電性ペーストなどの接合部材前駆体をコンタクトホール14内に充填する。
導電性インクは、液体媒体と、該液体媒体中に分散された無機ナノ粒子とを含有していることが好ましい。無機ナノ粒子は、Au、Ag、Cu、Pd、Pt、Ni、ITO、Al、硫化銀及び酸化銀からなる群から選択された少なくとも1つを含むことが好ましい。
導電性ペーストは、PbSn合金、SnAg合金、Agからなる群から選択された少なくとも1つの材料を含んでいてもよく、ポリマーを含んでいてもよい。
【0043】
<ステップBS2>
ステップBS2は、基板同士を貼り合わせる工程である(図5B)。
ここでは、アライメント可能な貼り合わせ装置を用いて、コンタクトスペーサー12の先端部がコンタクトホール14に対向するように第1基板1と第2基板8とを位置合わせしてコンタクトスペーサー12の先端部をコンタクトホール14内に挿入し、接合部材前駆体20bを固化する。アライメント精度は、±5μm以下であることが望ましい。
以上のようにして第1基板1と第2基板8とが貼り合わされ、第1電極と下部電極9とが電気的に接続される。
接合部材前駆体20bの固化方法は、選択される接合部材前駆体の種類に応じて適宜選択され、例えば、乾燥もしくは焼結により固化されるが、加熱を伴う場合には加熱温度は150℃以下であることが好ましい。
本実施例の場合の焼結とは、例えば、分散剤を含有する銀ナノ粒子を接合部材前駆体として用いる場合であって分散剤の脱離温度もしくは分解温度が常温以上の場合、脱離温度もしくは分解温度よりも高い温度にて焼成し、分散剤を脱離もしくは分解させて銀ナノ粒子同士を直接接触させ、固化させることを指す。ナノ粒子の表面は非常に活性なため、銀ナノ粒子同士が直接触れることで溶融し、凝集して金属膜となり固化する。
乾燥とは、例えば、接着性導電ペーストを接合部材前駆体として用いる場合、接着性導電ペースト中の分散溶媒を蒸発させることで導電フィラーとして入っている銀粒子同士を接触させ、固化させることを指す。もしくは、分散剤を含有する銀ナノ粒子を接合部材前駆体として用いる場合であって常温で分散剤が脱離もしくは分解しうる場合、時間をかけて分散溶媒を蒸発させ、分散剤を脱離もしくは分解させることで銀ナノ粒子が溶融し、凝集して金属膜になり固化させることを指す。
【0044】
<ステップBS3>
ステップBS3は、シーラント層13を形成して封止する工程である。
シーラント層13は、基板内部全体に充填されてもよいし、貼り合わせた基板の内、外形の小さい方の基板の外周部のみに塗布されていてもよい。基板がフレキシブル樹脂基板の場合は、基板の全面に充填硬化されて封止されることが望ましい。シーラント層の材質には特に制限は無いが、TFT基板や有機EL層に影響を与えない材料が好ましく、例えば、エポキシ樹脂系の封止材などが用いられる。
【0045】
以上のようにして、コンタクトスペーサー12の先端部がコンタクトホール14で固定された本実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置が製造される。
【0046】
次に、本実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置における発光素子について説明する。
まず、発光素子の代表例として、有機EL素子を挙げることができる。
【0047】
<有機EL素子>
有機EL素子は、陽極(アノード電極)、陰極(カソード電極)、及びこれらの間に設けられた発光層を基本構成として備えるが、有機EL素子の具体的な構成としては、例えば、以下のa)〜d)の構成が挙げられる。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下、同様である。)
【0048】
なお、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。正孔輸送層と電子輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。また、発光層に隣接した正孔輸送層をインターレイヤー層と呼ぶ場合もある。
【0049】
陽極の材料及び作製方法としては、前述のアノード電極9の材料及び作製方法が挙げられる。陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、更に好ましくは50nm〜500nmである。
【0050】
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びそれらのうち2種以上の合金、或いはそれらのうち1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金、グラファイト又はグラファイト層間化合物等が用いられる。
【0051】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。
【0052】
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、更に好ましくは50nm〜500nmである。
【0053】
発光層に含まれる発光材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、チオフェン環を含む化合物、及びそれらの化合物の重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体などが挙げられる。
【0054】
正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体等が挙げられる。
【0055】
電子輸送層に含まれる電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。
【0056】
発光層、正孔輸送層、電子輸送層の積層・成膜は、溶液から行うことができる。溶液からの積層・成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。また、電子輸送材料が低分子化合物である場合、真空蒸着法で成膜することもできる。
【0057】
発光層の膜厚は、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
【0058】
正孔輸送層の膜厚は、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、正孔輸送層の膜厚は、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
【0059】
電子輸送層の膜厚は、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、電子輸送層の膜厚は、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
【0060】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と呼ぶことがある。更に、電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は絶縁層を設けてもよく、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。なお、積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜選択すればよい。
【0061】
電荷注入層を設けた発光素子としては、以下のe)〜p)の構造を有するものが挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
【0062】
電荷注入層としては、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層等が挙げられる。
【0063】
電荷注入層に用いる材料としては、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン、カーボン等が挙げられる。
電荷注入層の積層・成膜は、溶液から行うことができる。
電荷注入層の膜厚は、例えば、1〜100nmであり、2〜50nmが好ましい。
【0064】
以上、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置の発光素子の代表例として有機EL素子について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光素子が形成された第2基板8の代わりに
(1)マイクロカプセル方式、電子粉流体方式、電子泳動方式、エレクトロウェッティング方式、化学変化方式による電子ペーパー表示素子、
(2)液晶が充填された液晶表示素子、
が形成された基板を貼り合わせることもできる。この場合、第1基板1のコンタクトホール14の位置にコンタクトスペーサーを形成しておくことで第1基板1と表示素子が形成された第2基板8との貼り合わせと表示素子の駆動が可能になる。
【0065】
また、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置において、第1基板1及び第2基板8は、形成される薄膜トランジスタ及び表示素子の種類や表示装置の用途に応じて、透明もしくは半透明な樹脂製のリジット基板もしくはフィルム基板、それらと金属ホイル基板の組合せなど、種々の基板及び組み合わせから選択することができる。
【0066】
さらに上記樹脂基板の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、全芳香族ポリアミド(別名:アラミド)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM、別名:ポリアセタール)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)等を選択することができる。
【0067】
以上のように構成された本発明に係る実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置は、第1基板1と第2基板8とを確実に固定し、かつアノード電極9とドレイン電極5とを高い信頼性で確実に接続することが可能になる。
【0068】
また、コンタクトホール14に接続部材を充填して接続することができることから、低粘度のインクを用いて接続することが可能になり、例えば、ナノパーティクルAgを使用することができる。
以下、実施形態1とは異なる形態の本発明に係る実施形態について説明する。
【0069】
実施形態2.
図6は、本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置は、
(1)第1基板1のドレイン電極5の上に、コンタクトスペーサー12aが設けられ、コンタクトスペーサー12aとドレイン電極5上に導電膜を形成し、
(2)第2基板8の隣接する発光素子の発光部10を囲む電極セパレータ11間に、その底面に下部電極9が露出するようにコンタクトホール14aが設けられて、
(3)コンタクトホール14aに充填された接合部材20にコンタクトスペーサー12aの先端部が埋め込まれて固定されている点が実施形態1とは異なっており、それ以外の部分は実施形態1と同様に構成される。
以上のように構成された実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置は、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0070】
実施形態3.
図7は、本発明に係る実施形態3のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
本発明に係る実施形態3のアクティブマトリクス型表示装置は、第1基板1上に形成される薄膜トランジスタの構成が実施形態1とは異なっている。
具体的には、第1基板1の上にまず、ソース電極4とドレイン電極5が所定の間隔を隔てて形成され、その間隔を埋めるように半導体層6がソース電極4とドレイン電極5にまたがって形成される。そして、その半導体層6を覆うようにゲート絶縁膜3を形成し、半導体層6に対向するようにゲート電極2を形成して、そのゲート電極2を覆うように保護膜7が形成されている。
実施形態3において、コンタクトホール14bは、保護膜7とゲート絶縁膜3とを貫通するように形成されて、コンタクトホール14bの底面にはドレイン電極5の表面が露出される。
第2基板8上には、実施形態1と同様にして発光素子及びコンタクトスペーサー12等が形成されて、実施形態1と同様にして、コンタクトホール14bに充填された接合部材20にコンタクトスペーサー12の先端部が埋め込まれて固定される。
以上のように構成された実施形態3のアクティブマトリクス型表示装置は、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0071】
実施形態4.
図8は、本発明に係る実施形態4のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
本発明に係る実施形態4のアクティブマトリクス型表示装置は、
(1)第1基板1のドレイン電極5の上に、コンタクトスペーサー12cが設けられ、保護膜7の加工形状が電極セパレータの役割を担うよう逆テーパー形状になっており、
(2)第2基板8の隣接する発光素子の発光部10の電極セパレータ11間にコンタクトホール14cが設けられて、
(3)コンタクトホール14cに充填された接合部材20にコンタクトスペーサー12cの先端部が埋め込まれて固定されている点が実施形態3とは異なっており、それ以外の部分は実施形態3と同様に構成される。
以上のように構成された実施形態4のアクティブマトリクス型表示装置は、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0072】
実施形態5.
図9は、本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置においてさらに、第1基板1側の保護膜7の上に電極セパレータ40が形成されている。
本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置において上記以外の点は実施形態2と同様である。
以上のように構成された実施形態5のアクティブマトリクス型表示装置は、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【実施例】
【0073】
本発明に係る実施例を実施形態1で用いた図1、図3AからF、図4AからEを用いて説明する。本実施例の装置構成は、1個のトランジスタに対して1個の発光素子を含む構成である。(図10)
【0074】
実施例の装置構成
以下の実施例では、まず、第1基板1上に有機薄膜トランジスタTr1を形成する(図10(a))。
図10(a)において、2tはゲート端子、4tはソース端子、5はドレイン電極、15dはカソード引出線、15tはカソード端子である。また、14は、図1、図3AからF等に示したコンタクトホールである。
図10(b)において、12pは発光部10のアノード側のコンタクトスペーサーであり、12nは発光部10のカソード側のコンタクトスペーサーであり、15は発光部10のカソード電極である。尚、9は図1、図4AからE等に示したアノード電極である。
以上のように構成された第1基板1と第2基板8とを図5A,Bで説明したようにして貼り合わせる。貼り合わせ後の位置関係を図10(c)に示す。
【0075】
<実施例1>
本実施例1では、その断面構造が図1に示す構造である図10に示す表示装置を製造した。第1基板1(ガラス)上に、ゲート電極2(Cu)、ゲート絶縁膜3(有機絶縁膜)、ソース電極4とドレイン電極5(共にナノ−Ag)を形成し、該ソース電極4と該ドレイン電極5の間に半導体層6(高分子有機半導体)を形成し、コンタクトホール14を形成する領域以外を保護膜7(有機絶縁膜)で覆うことで有機薄膜トランジスタを作製した。また、第2基板8(ガラス)上にITOを成膜し、ITO膜をパターニングすることでアノード電極9(ITO)を形成し、発光部10を形成する領域のみに開口部を設けたSiO2膜を下地層として形成し、コンタクトセパレータ12(東レ社製感光性ポリイミド:フォトニース)、発光素子の発光部10を形成し、高分子EL素子である表示素子を作製した。電極セパレータ11の作製を省き、カソード電極膜蒸着後に、アノード電極9上にあるコンタクトセパレータ12周辺のアノード電極9露出部分の外周部分の金属膜を削り取ることで電極セパレータとした。次いで、第1基板1のコンタクトホール12内にナノ−Agインク(アルバックマテリアル社製L−Ag1)をドロップキャストし第2基板8のコンタクトスペーサーが第1基板1のコンタクトホール12内に収まるように置き、グローブボックス内のホットプレート上で150で℃30分程度焼成した。次いで、基板の周辺部をエポキシ樹脂で封止して、貼り合わせ構造を有する有機トランジスタ駆動による有機EL素子を得た。
【0076】
以下、実施例1の表示装置の製造方法について説明する。
洗浄済の第1基板1上にスパッタリング法でCu(銅)層を形成し、フォトリソグラフィにより、ゲート電極2を形成した(図3B)。フォトリソグラフィにおいて、フォトレジストは、東京応化工業社製「OFPR800C LB」を、現像液は、ナガセケムテックス社製「NPD−18」を、レジスト剥離液は、東京応化工業社製「104」を、Cuエッチング液は、関東化学社製の「混酸Cu−03」を使用した。フォトリソグラフィは、以下の工程により行った。Cu層上にフォトレジスト「OFPR800C LB」の膜を形成し、フォトマスクを介して365nmのUV光を照射した。次いで、現像液「NPD−18」を用いてフォトレジストの現像を行った。次いで、現像したフォトレジストをマスクとして、Cu層のCuが露出している部分を、Cuエッチング液「混酸Cu−03」を用いて除去し、レジスト剥離液「104」を用いて残りのフォトレジストを剥離して、ゲート電極2のパターニングを行った。
この時のゲート電極2の膜厚は、約100nmであった。また、同プロセスで作製したTEG素子にて測定した該銅電極の抵抗率は、約4.2e−6Ωcmであった。
【0077】
次に、第1基板1及びゲート電極2上に、高分子化合物1と高分子化合物2と2−ヘプタノンとを含む溶液をスピンコート法により塗布して有機層を形成した(図3C)。該有機層は熱架橋性の材料を含むため、直ぐに、焼成処理を行い、ゲート絶縁膜3を得た。焼成処理は、窒素(N2)フロー加熱炉で行い、急激な熱ストレスによる熱架橋への悪影響を防ぐため、炉内温度が常温の状態でゲート電極及び有機層を形成した第1基板1を炉内に入れ、炉の温度が230℃の設定で60分加熱を実施した。この時の最終的な基板周辺の焼成温度は、220℃〜227℃の間であった。また、ゲート絶縁膜3の膜厚は、約460nmであった。
【0078】
有機絶縁膜材料である前記高分子化合物1及び前記高分子化合物2は、下記方法で製造したポリスチレン共重合体である。
(高分子化合物1の合成)
スチレン(和光純薬製)2.06g、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ製)2.43g、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート(昭和電工製、商品名「カレンズMOI−BM」)1.00g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.06g、2−ヘプタノン(和光純薬製)14.06gを、50ml耐圧容器(エース製)に入れ、窒素をバブリングした後、密栓し、60℃のオイルバス中で48時間重合させて、高分子化合物1が溶解している粘稠な2−ヘプタノン溶液を得た。高分子化合物1は下記化1に示す繰り返し単位を有している。ここで、( )の添え数字は繰り返し単位のモル分率を示している。
【0079】
【化1】
高分子化合物1
【0080】
得られた高分子化合物1の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、32800であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
【0081】
(高分子化合物2の合成)
4−アミノスチレン(アルドリッチ製)3.50g、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ製)13.32g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.08g、2−ヘプタノン(和光純薬製)25.36gを、125ml耐圧容器(エース製)に入れ、窒素をバブリングした後、密栓し、60℃のオイルバス中で48時間重合させて、高分子化合物2が溶解している粘稠な2−ヘプタノン溶液を得た。
高分子化合物2は下記化2に示す繰り返し単位を有している。ここで、( )の添え数字は繰り返し単位のモル分率を示している。
【0082】
【化2】
高分子化合物2
【0083】
得られた高分子化合物2の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、132000であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
【0084】
次に、スピンコート法によりゲート絶縁膜3上にナノ−Agインク「アルバックマテリアル社製 L−Ag1T」を塗布し、大気中、ホットプレート上で150℃で30分焼成することで銀電極層を得た。この後、該銀電極層をフォトリソグラフィ法によりソース電極4及びドレイン電極5の形状に加工した。フォトリソグラフィにおいて、フォトレジストは、東京応化工業社製「OFPR800C LB」を、現像液は、ナガセケムテックス社製「NPD−18」を、レジスト剥離液は、東京応化工業社製「104」を、Agエッチング液は、関東化学社製の「SEA−05」を使用した。フォトリソグラフィは、以下の工程により行った。Ag層上にフォトレジスト「OFPR800C LB」の膜を形成し、フォトマスクを介して365nmのUV光を照射した。次いで、現像液「NPD−18」を用いてフォトレジストの現像を行った。次いで、現像したフォトレジストをマスクとして、Ag層のAgが露出している部分を、Agエッチング液「SEA−05」を用いて除去し、レジスト剥離液「104」を用いて残りのフォトレジストを剥離し、最後にナノ−Ag焼結体である銀電極の最終焼成処理として大気中ホットプレート上で220℃30分の焼成処理を実施して、ソース電極4、ドレイン電極5のパターニングを行った(図3D)。ソース電極4及びドレイン電極5の膜厚は、約200nmであった。また、同プロセスで作製したTEG素子にて測定した該銀電極の抵抗率は、約6×10−6Ωcmであった。
【0085】
次に、ソース電極4とドレイン電極5との間に、転写印刷法により半導体層6を形成した。転写印刷に用いた印刷版は、信越化学社製PDMS(ポリジメチルシロキサン)「SIM−360」と硬化剤「CAT−360」を9:1(重量比)で混ぜ、0.7mmの厚さになる様に冶具を用いて形成した樹脂からなる平版を作製し、半導体層6を形成するエリアの大きさに該平版から印刷版用平版を切り取り、ガラスの支持基板に該印刷用平板を貼り付けることで印刷版とした。該印刷版上に予め準備しておいた高分子有機半導体を含むインクをスピンコート法により塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜をソース電極4とドレイン電極5との間の半導体層6を形成するエリアに転写印刷し、半導体層6を得た(図3E)。
【0086】
次に、第1基板1上のコンタクトホール12と端子部以外の領域に、転写印刷法により、保護膜7を形成した。転写印刷に用いた印刷版は、半導体層6と同様の方法で作製した。該印刷版上に、下記化3に示す高分子化合物3とフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体と2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン(2,3,4,5,6−Pentafluorotoluene)とを含む溶液をスピンコート法により塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を第1基板1上の領域であってコンタクトホール12及び端子部以外の領域に転写印刷した。該塗布膜は熱架橋性を有するため、直ぐに窒素(N2)雰囲気中のホットプレート上で200℃30分焼成することで保護膜7を得た(図3F)。
【0087】
【化3】
高分子化合物3
【0088】
次にITO膜付きガラス基板を洗浄し、フォトリソグラフィ法でITO膜をパターニングすることで、アノード電極9が形成された第2基板8を得た(図4B)。フォトリソグラフィにおいて、フォトレジストは、東京応化工業社製「OFPR800C LB」を、現像液は、ナガセケムテックス社製「NPD−18」を、レジスト剥離液は、東京応化工業社製「106」を、ITOエッチング液は、林純薬工業社製「ITOエッチング液:塩鉄液」を使用した。フォトリソグラフィは、以下の工程により行った。ITO膜上にフォトレジスト「OFPR800C LB」の膜を形成し、フォトマスクを介して365nmのUV光を照射した。次いで、現像液「NPD−18」を用いてフォトレジストの現像を行った。次いで、現像したフォトレジストをマスクとして、ITO膜が露出している部分を、ITOエッチング液「塩鉄液」を用いて除去し、レジスト剥離液「106」を用いて残りのフォトレジストを剥離して、アノード電極9のパターニングを行った。
アノード電極9の膜厚は約150nm、抵抗率は約120×10−6Ωcmであった。
【0089】
次にアノード電極9と電極セパレータ11の間に発光素子の発光部10を形成する領域のみに開口部を持つSiO2層を下地層として形成した後、コンタクトセパレータ12をフォトリソグラフィ法により形成した。フォトリソグラフィにおいて、コンタクトセパレータ12に用いる感光性樹脂は、東レ社製「フォトニース」を、現像液は、ナガセケムテックス社製「NPD−18」を使用した。フォトリソグラフィは、以下の工程により行った。SiO2層までが形成された第2基板8上に感光性樹脂である「フォトニース」の膜を形成し、フォトマスクを介して365nmのUV光を照射した。次いで、現像液「NPD−18」を用いてフォトレジストの現像を行った。最後に、大気雰囲気の加熱炉にて230℃30分の焼成処理を行い、コンタクトセパレータ12を得た。この時のコンタクトセパレータ12の高さは、約4μmであった。
電極セパレータ11の作製を省き、カソード金属膜蒸着後に、アノード電極9上にあるコンタクトセパレータ12周辺のアノード電極9露出部分の外周部分の金属膜を削り取ることで電極をセパレートした。
【0090】
次に、有機発光層をスピンコート法及び焼成処理により形成し、次いで、カソード電極を真空蒸着して発光素子の発光部10を得た。発光素子の発光部10の作製プロセスについては、実施形態1に記載した方法と同様の方法で形成した。ただし、コンタクトセパレータ12上と周辺のアノード電極9露出部分に付着した有機発光層用材料は適宜拭き取った。
【0091】
次に、第1基板1と第2基板8の貼り合わせを行う為、第1基板1上のコンタクトホール14内にドロップキャスト法を用いてナノ−Agインクを充填した。ナノ−Agインクは、アルバックマテリアル社製「L−Ag1T」を用いた。貼り合わせ手順は、ドロップキャスト法を用いて第1基板1上のコンタクトホール14内にナノ−Agインク「L−Ag1T」を充填し、第2基板8上のコンタクトセパレータ12が第1基板1上のコンタクトホール14内に収まるように第1基板1と第2基板8を重ね合わせた。その後、加圧しながら150℃で30分焼成してナノ−Agインク「L−Ag1T」を加熱固化することで貼り合わせを実施した。この時の作業は全て酸素濃度が1.0ppm未満であり、かつ、水分濃度が1.0ppm未満のグローブボックス中で実施した。
【0092】
最後に、グローブボックス中の圧力を負圧(約−2.0Pa)にして貼り合わせた基板の外周部にエポキシ樹脂を塗布した。その後、グローブボックス中の圧力を陽圧(約5.0Pa)に戻しエポキシ樹脂を硬化させて、高分子有機トランジスタ駆動の表示装置を得た。
【0093】
本実施例で作製した表示素子をアジレントテクノロジー社製「B1500A」半導体パラメータアナライザで出力(PVdd−Ipled)特性を測定したところ、発光素子を含む表示装置のトランジスタ特性の確認および有機発光層の発光を確認することができた。(図11)。図11中、PVddは有機薄膜トランジスタのソース電極4とカソード電極との間に印可されている電圧を表す。Ipledは、有機薄膜トランジスタのソース電極4、半導体層6、ドレイン電極5、コンタクトホール14、コンタクトセパレータ12(アノード側)、アノード電極9、発光素子の発光部10、コンタクトセパレータ12(カソード側)、カソード電極間を流れる電流を表す。本実施例で作製した表示装置において、ソース電極4、半導体層6、ドレイン電極5、コンタクトホール14、コンタクトセパレータ12(アノード側)、アノード電極9、発光素子の発光部10、コンタクトセパレータ12(カソード側)、カソード電極の間で導通を確認することが出来た。
【符号の説明】
【0094】
1 第1基板
2 ゲート電極
2t ゲート端子
3 ゲート絶縁膜
4 ソース電極
4t ソース端子
5 ドレイン電極
6 半導体
7 保護膜
8 第2基板
9 アノード電極
10 発光部
11 電極セパレータ
12 コンタクトスペーサー
13 シーラント層
14 コンタクトホール
15 カソード電極
15d カソード引出線
15t カソード端子
20 接合部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブマトリクス型表示装置とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子を用いたアクティブマトリクス型表示装置は、表示素子が自発光であることからバックライトを必要とせず、軽量薄型化が可能であり、視野角やコントラストの点でも液晶表示装置より優れている。このアクティブマトリクス型表示装置は、例えば、特許文献1に示されているように、スイッチング薄膜トランジスタを有する駆動回路が形成された基板と、有機EL素子が形成された基板とが貼り合わされて作製される。このようにして作製されるアクティブマトリクス型表示装置では、表示素子の電極と駆動回路の電極とが、例えば、導電性スペーサによって電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−114910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、駆動回路が形成された薄膜トランジスタ基板と有機EL素子が形成された基板とを貼り合わせて作製されるアクティブマトリクス型表示装置では、別々の基板に形成された電極間に接触不良のない安定した電気的導通をいかにして実現するかが課題となる。
特に、フレキシブル基板同士を貼り合わせた場合、基板を曲げたときに接触部分が剥離しないように強固に電極同士を接続することが重要になる。
また、柔軟性のある異方性導電接着フィルムを用いて電極間を接続すれば剥離を防止する上では一定の効果が得られるが、金属接合させた場合に比べると接続抵抗を十分低くできなかったり、接続領域が表示装置の1画素の限定された領域であるため、異方性導電接着フィルム内の導電性粒子の分散状況によっては接続抵抗バラツキが生じる等の問題がある。
また、異方性導電接着フィルムの接着剤と、薄膜トランジスタ基板若しくは有機EL素子が形成された基板との密着性が悪く接着性が確保できない場合や温度変化による基板伸縮の度合いの違いによる影響も懸念される。
【0005】
そこで、本発明は、二つの基板に形成された電極間が低い接続抵抗で確実にかつ安定して接続されているアクティブマトリクス型表示装置とその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するために、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置は、
第1基板と、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、第2基板と、アノード電極及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有し、前記第1基板と前記第2基板とは、前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とが対向して貼り合わされているアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内のどちらか一方の電極である第1電極と、前記表示素子のアノード電極及びカソード電極の内のどちらか一方の電極である下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを前記第1基板と前記第2基板の一方の基板が有し、
他方の基板が前記コンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを有し、
前記コンタクトスペーサーの先端部が前記コンタクトホール内で固定されていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のある形態では、前記コンタクトスペーサーは、柱形状の絶縁構造体とその表面に形成された導電膜からなる。
【0008】
また、本発明のある形態では、前記コンタクトスペーサーは前記下部電極上に形成されており、前記コンタクトホールは前記第1電極上に形成され、前記コンタクトホールの底面に前記第1電極の表面が露出されている。
【0009】
また、本発明のある形態では、前記コンタクトスペーサーは前記第1電極上に形成されており、前記コンタクトホールは前記下部電極上に形成され、前記コンタクトホールの底面に前記下部電極の表面が露出されている。
【0010】
また、本発明のある形態では、前記コンタクトホールの側面に、前記第1電極又は前記下部電極に接続された導電膜が形成されている。
【0011】
また、本発明のある形態では、前記第1電極と前記下部電極とは、前記コンタクトホールの少なくとも一部に充填された接合部材を介して電気的に接続されており、前記コンタクトスペーサーの先端部が前記接合部材に埋め込まれている。
【0012】
また、本発明のある形態では、前記接合部材は、導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化して形成された材料からなる。
【0013】
また、本発明のある形態では、前記導電性インクは、液体媒体と、該液体媒体中に分散された無機ナノ粒子とを含有する。
【0014】
また、本発明のある形態では、前記無機ナノ粒子は、Au、Ag、Cu、Pd、Pt、Ni、ITO、Al、硫化銀及び酸化銀からなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0015】
また、本発明のある形態では、前記導電性ペーストは、PbSn合金、SnAg合金、Agからなる群から選択された少なくとも1つを含む。
【0016】
また、本発明のある形態では、前記導電性ペーストは、ポリマーを含む。
【0017】
また、本発明のある形態では、前記薄膜トランジスタが有機半導体を含む。
【0018】
さらに、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置の製造方法は、第1基板と、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、第2基板と、アノード電極及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有するアクティブマトリックス型表示装置を製造する方法であって、前記第1基板と前記第2基板とを前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とを対向させて貼り合わせることを含む方法であって、
前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内のどちらか一方の電極である第1電極と前記表示素子のアノード電極及びカソード電極の内のどちらか一方の電極である下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを前記第1基板と前記第2基板の一方の基板に形成するコンタクトスペーサー形成工程と、
他方の基板に前記コンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトスペーサーの先端部を接合部材によって前記コンタクトホール内に固定して、前記第1電極と下部電極とを電気的に接続するため、前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程と、
を含むことを特徴とする。
【0019】
また、本発明のある形態では、前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程は、
前記コンタクトホールに導電性インクもしくは導電性ペーストを有版印刷法もしくは無版印刷法を用いて充填することと、
前記コンタクトスペーサーの先端部を前記充填された導電性インクもしくは導電性ペーストに沈入させることと、
前記先端部が沈入された導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化させることとを含む
【0020】
また、本発明のある形態では、前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程は、
前記コンタクトスペーサーの先端部に導電性インクもしくは導電性ペーストを転写印刷版上から転写印刷することと、
前記導電性インクもしくは導電性ペーストが転写印刷されたコンタクトスペーサーの先端部を前記コンタクトホールに挿入することにより前記コンタクトホール内に前記導電性インクもしくは導電性ペーストを充填することと、
コンタクトホール内に充填された導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化させることとを含む
【発明の効果】
【0021】
以上のように構成された本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置は、第1基板又は第2基板の一方の基板が、前記薄膜トランジスタの1つの電極と前記下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを有し、そのコンタクトスペーサーの先端部が他方の基板に設けられたコンタクトホールで固定されているので、第1基板と第2基板とを接触不良なく確実に接続することができる。
また、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置の製造方法では、コンタクトスペーサーもしくはコンタクトホールを利用して、例えば、Agナノ粒子分散インクを用いた有版印刷法もしくは無版印刷法により接合部材を塗布できるので、接合部材の塗布工程を簡略化する事ができる。特に、コンタクトスペーサーを凸版に見立てコンタクトスペーサーの先端に接合部材を直接転写印刷すれば、更なる工程の簡略化ができる。
更に、Agナノ粒子分散インクを焼結させる事で接合した場合、金属接合による強固な接続を実現することができ、かつ、周辺の温度変化や電流による発熱の影響を接合部が受ける事は無く安定した接合状態を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置に係る製造方法の工程フロー図である。
【図3A】ステップDS1の第1基板1を洗浄する工程の断面図である
【図3B】ステップDS2のゲート電極層2を含む金属層を形成する工程の断面図である。
【図3C】ステップDS3のゲート絶縁膜3を成膜する工程の断面図である。
【図3D】ステップDS4のソース電極4、ドレイン電極5を含む金属層を形成する工程の断面図である。
【図3E】ステップDS5の半導体層6を成膜する工程の断面図である。
【図3F】ステップDS6の保護膜7を成膜し、コンタクトホール14を形成する工程の断面図である。
【図4A】ステップLS1の基板8を洗浄する工程の断面図である。
【図4B】ステップLS2のアノード電極9を含む導電層を形成する工程の断面図である。
【図4C】ステップLS3のアノード電極9の上に電極セパレータ11を形成する工程の断面図である。
【図4D】ステップLS4のアノード電極9の上にコンタクトスペーサー12を形成する工程の断面図である。
【図4E】ステップLS5の電極セパレータ11で仕切られた素子領域のアノード電極9上に発光部10である有機EL素子等の発光素子を形成する工程の断面図である。
【図5A】ステップBS1のコンタクトスペーサー12の先端にナノパーティクルAgやAgペーストを転写印刷する工程の断面図である。
【図5B】ステップBS2の基板同士を貼り合わせる工程の断面図である。
【図6】本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明に係る実施形態3のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明に係る実施形態4のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明に係る実施形態5のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明に係る実施例の素子構成を示す平面図であり、(a)は、第1基板1上に有機薄膜トランジスタTr1を形成したときの平面図、(b)は、第2基板8上に発光部10を形成したときの平面図、(c)は、第1基板1と第2基板2とを貼り合わせたときの平面図である。
【図11】実施例1で製造した表示装置の出力特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明に係る実施形態のアクティブマトリクス型表示装置について説明する。
実施形態1.
図1は、本発明に係る実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
本発明に係る実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置は、第1基板1と、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、第2基板8と、アノード電極(下部電極)9及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有し、前記第1基板と前記第2基板とは、前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とが貼り合わされている表示装置であって、以下のように構成される。
尚、本明細書において、下部電極は、第2基板に接して又は第2基板上に存在する他の導電性パターンの中で最も第2基板の近くに形成される電極をいい、素子の向きによっては必ずしも下に位置するものには限られない。
また、上、下という表現は、基板に近い側又は場所を下といい、基板から離れた側又は場所を上という。
【0024】
第1基板1には、図1に示すように、一方の主面上にゲート電極2を介してゲート絶縁膜3が形成され、そのゲート絶縁膜3の上にソース電極4とドレイン電極5がゲート電極2の上で所定の間隔を隔てて形成され、その間隔を埋めるように半導体層6がソース電極4とドレイン電極5にまたがって形成される。以上のようにして、第1基板1上に薄膜トランジスタが形成されて、その薄膜トランジスタを覆うように保護膜7が形成される。
【0025】
そして、実施形態1では、ドレイン電極5の上に保護膜7を貫通するコンタクトホール14が形成される。コンタクトホール14の底面にはドレイン電極5の表面が露出される。
ここでコンタクトホールとは、一般的に基板や電極とその上層にある配線層を接続するため、絶縁膜に開けられた穴である。
本実施の形態の場合は、コンタクトホール内に導電性インク又は導電性ペーストとコンタクトスペーサー12を埋め込み、該導電性インク又は導電性ペーストを乾燥もしくは焼結することで接合部材20を形成し、これによって前記ドレイン電極5と第2基板のアノード電極とのコンタクトをとる。
【0026】
また、第2基板8には、図1に示すように、一方の主面上にアノード電極9が形成され、そのアノード電極9の上に各発光部を仕切る電極セパレータ11が形成され、その電極セパレータ11によって仕切られた各領域に発光部10が形成される。発光部10は、少なくとも発光層と陰極とを含む。発光部10は、さらに、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層等を含んでいてもよい。アノード電極9と発光部10とをあわせて発光素子とよぶ。発光素子は表示素子の一態様である。
【0027】
そして、隣接する発光部10を囲う電極セパレータ11間のアノード電極9上にコンタクトスペーサー12が形成される。このコンタクトスペーサー12は、例えば、柱形状の絶縁構造体の表面に金属膜が形成されてなり、薄膜トランジスタのドレイン電極5とアノード電極9とを電気的に接続しかつ第1基板1と第2基板8との間を所定の間隔に保持する。
本発明中で用いているコンタクトスペーサーとは、所定の高さで柱形状に凸加工された絶縁樹脂とその表面を覆う導電材料で形成されている。そのコンタクトスペーサーの根本には第2基板8の電極が露出されており、コンタクトスペーサーの表面を覆う導電材料を成膜するときに同時に第2基板8の電極とコンタクトスペーサー表面の導電層が接続される。
このコンタクトスペーサーは、好ましくは、図4Dの12のような長手方向に沿った断面が台形状の構造物とする。
また、絶縁構造体とは、絶縁樹脂を用いて形成した立体構造物を指す。構造物の形成方法は限定されず、例えば、無版印刷法、有版印刷法、インプリントリソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、フォトリソグラフィ等を用いることができる。好ましくは、フォトリソグラフィによる構造物形成である。
【0028】
ドレイン電極5とアノード電極9との電気的な接続は、例えば、コンタクトスペーサー12の表面に形成された金属膜とアノード電極9とを電気的に導通させることにより実現される。このコンタクトスペーサー12の表面に形成された金属膜は、アノード電極9の表面に連続して形成されていてもよい。ここで、ドレイン電極5とコンタクトスペーサー12は接続部材20を介して接続される。コンタクトホール14の側面はさらにドレイン電極5に接続された導電膜で覆われていることが好ましいが、必ずしもこの限りではない。この接合部材20は、導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥もしくは焼結により固化して形成された材料からなり、この接合部材20を通すことにより、確実な導通が実現出来る。
ここで接合部材とは、別々に作成された基板や部品の電極同士を電気的、機械的に接合するための部材を指す。一般的には、異方性導電接着フィルム(ACF:Anisotropic Conductive Film)や異方性導電接着剤(ACA:anisotropic conductive adhesive)が接合部材として用いられているが、本発明では、異方性導電接着フィルムや異方性導電接着剤を用いることなく、接合部材の前駆体として例示した導電性インクや導電性ペーストを用いて形成することができる。最良の形態は、金属微粒子が分散された導電性インクを用いる事であり、金属微粒子が分散された導電性インクを用いれば接合部を金属結合することができるため、信頼性の高い接合を実現できる。
【0029】
以上のように構成された第1基板1と第2基板8とは、コンタクトスペーサー12の先端部がコンタクトホール14内に挿入されて導電性の接合部材20によって固定される。
【0030】
以下、実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置の製造方法について説明する。
図2は、実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置の製造フローを示す工程図である。
実施形態1では、薄膜トランジスタを含む発光制御用アクティブマトリクス回路が形成された第1基板1がステップDS1〜DS6の工程を経て作製され、発光部10が形成された第2基板8がステップLS1〜LS5の工程を経て作製される。発光制御用アクティブマトリクス回路が形成された第1基板1と発光部10が形成された第2基板8とをステップBS1〜BS3の工程を経て貼り合わせることによりアクティブマトリクス型表示装置が製造される。
以下、各工程について詳細に説明する。
【0031】
1.薄膜トランジスタの形成(発光制御回路の形成)
<ステップDS1>
ステップDS1は、第1基板1を洗浄する工程である(図3A)。
第1基板1は、樹脂、ガラス、金属、金属ホイルなど種々の材料からなる基板を選択でき、フレキシブルな樹脂基板でもよい。第2基板8が透光性を有していればよく、第1基板1は透明であっても不透明であってもよい。
また、洗浄は、適宜、基板の材質に合わせた一般的な方法で行うことができる。
また、第1基板1の上には、平坦化膜、接着膜、バリア膜、もしくは、これらの機能を複数有する膜が成膜されていてもよく、その膜は、無機膜でも有機膜でもよい。また、無機膜と有機膜を組み合わせた積層膜を成膜してもよく、第1基板の材質や該基板上に成膜する有機膜や無機膜が果たすべき機能に合わせて適宜選択できる。
さらに、無機膜は、ゾル−ゲルや前駆体を含む液から塗布法により形成してもよいし、原子層堆積(Atomic Layer Deposition:ALD)法を含むCVD法やスパッタリング法などのPVD法で形成してもよい。無機膜の材料としては、例えば、SiOx,SiNx,SiOxNy、Al2O3等の酸化物や窒化物が挙げられる。
有機膜は、CVD法やPVD法で成膜することができ、高分子化合物などの塗布・焼成で形成してもよい。有機膜の材料については、目的に沿うものが選択されるが、パリレン、エポキシ樹脂、PS樹脂、PVP樹脂、PMMA樹脂などが挙げられる。
【0032】
<ステップDS2>
ステップDS2は、ゲート電極層2を含む金属層を形成する工程である(図3B)。
この金属層には、ゲート電極層2以外に、発光制御用アクティブマトリクス回路を構成する受動素子の電極や配線及び外部接続端子などが含まれる。
この工程では、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法などのPVD法、導電性インクを第1基板1上に塗布する方法で第1基板1上に金属膜を一面に成膜した後、フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニングを実施する。
金属膜として選択される材料は、特に制限されるものではないが、Au、Ag、Cu、Mo、W、Ti、Al、Pd、Pt、Ta等の金属、これらの金属の合金、これらの金属の化合物が挙げられ、伝導性が高い材料が好ましい。
また、有版もしくは無版印刷法により、直接所定のパターンを形成してもよい。
この塗布もしくは印刷する材料としては、種々の導電性インクが使用できるが、電導性が高い材料を含むインク(液)が好ましく、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)/ポリスチレンスルホン酸(PSS)などの、導電性高分子化合物を含むインク、無機材料のナノパーティクルを分散させたナノ−Au、ナノ−Ag、ナノ−Cu、ナノ−Pd、ナノ−Pt、ナノ−Ni、ナノ−ITO、ナノ−Al、ナノ−硫化銀、ナノ−酸化銀等の微粒子分散インク、銀塩などの金属化合物インクが挙げられる。ナノ−酸化銀を含む微粒子分散インクには、還元剤を混合して用いてもよい。
また、フォトリソグラフィ法や有版もしくは無版印刷法により、予め直接所定のパターンに活性層をパターニングした基板上へ、無電解めっき法や無電解めっきと電解めっき法の組合せにより所定の位置に金属膜を形成してもよい。
ゲート電極2の膜厚は、特に制限は無いが、好ましくは、50nm〜1μmであり、より好ましくは、50nm〜300nmである。
ここで有版印刷法とは、印刷版を用いる印刷法全般を指しており、例えば、フレキソ印刷(凸版)法、グラビア印刷(凹版)法、スクリーン印刷(孔版)法、オフセット(反転)印刷法、マイクロコンタクトプリント法、ナノインプリント法などがあげられる。無版印刷法とは、印刷版を用いない印刷法全般を指しており、例えば、インクジェットプリント法、ノズルコート法、スリットコート法等があげられる。
【0033】
<ステップDS3>
ステップDS3は、ゲート絶縁膜3を成膜する工程である(図3C)。
ゲート絶縁膜3は、高分子化合物材料を用いて有機絶縁膜を成膜することにより形成することが好ましく、高分子化合物材料としては、PS樹脂、PVP樹脂、PMMA樹脂、含フッ素樹脂、PI樹脂、PC樹脂、PVA樹脂やこれらの樹脂が含有する繰り返し単位を複数種類含む共重合体などが挙げられる。より好ましくは、耐溶剤性などのプロセス耐性や安定性に優れる、架橋性を有する共重合体である。この工程では、スピンコート法により成膜した後、フォトリソグラフィ法で所定のパターンを形成してもよいし、有版印刷もしくは無版印刷法により直接パターニングをしてもよい。
フォトリソグラフィ法で所定のパターンを形成する場合は、高分子化合物材料として感光性が付与された上記樹脂が含有する繰り返し単位を複数種類含む共重合体を用いることが好ましい。
ゲート絶縁膜3の膜厚は、特に制限は無いが、好ましくは、10nm〜1μmであり、より好ましくは、100nm〜600nmである。
ゲート絶縁膜3を塗布法又は印刷法により形成する場合に使用する溶媒は、第1基板1及び、第1基板1上に形成された平坦化膜、接着膜、バリア膜等に対してダメージを与えない、第1基板1及び前記膜に対する直交溶媒であることが好ましい。
【0034】
<ステップDS4>
ステップDS4は、ソース電極4、ドレイン電極5を含む金属層を形成する工程である(図3D)。この金属層にはソース電極4及びドレイン電極5以外に、例えば、発光制御用アクティブマトリクス回路を構成する受動素子の電極や配線などが含まれる。本発明において、第1電極は、ソース電極4又はドレイン電極5である。
金属膜の形成方法は、例えば有機絶縁膜からなるゲート絶縁膜3に対してダメージを与えない手法が好ましい。もしくは、ダメージ緩和層等、有機絶縁膜をプロセスダメージから保護する保護層を予め形成した後に金属層を形成してもよい。この保護層は、金属層が無い部分の有機絶縁膜上に残しておいてもよいし除去してもよい。
所定のパターンを形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法などのPVD法、導電性インクをゲート絶縁膜3上に塗布する方法でゲート絶縁膜3上に金属膜を一面に成膜した後、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより所定の形状のパターンを形成する方法が挙げられる。金属膜の材料は、Au,Ag,Cu,Mo,W,Ti,Al,Pd,Pt,Ta等の金属、これらの金属を含む合金、これらの金属を含む化合物が挙げられるが、導電性が高い材料が好ましい。
また、有版もしくは無版印刷法により、直接所定のパターンを形成してもよい。
この塗布もしくは印刷する材料としては、種々の導電性インクが使用できるが、伝導性が高い材料を含むインクが好ましく、例えば、PEDOT/PSSなどの導電性高分子化合物を含むインク、無機材料のナノパーティクルを分散させたナノ−Au、ナノ−Ag、ナノ−Cu、ナノ−Pd、ナノ−Pt、ナノ−Ni、ナノ−ITO、ナノ−Al、ナノ−硫化銀、ナノ−酸化銀等の微粒子分散インク、銀塩などの金属化合物インクが挙げられる。ナノ−酸化銀を含む微粒子分散インクには、還元剤を混合して用いてもよい。
また、無電解めっき法又は無電解めっきと電解めっき法とを組合せた方法により所定の位置に金属膜を形成してもよい。
ソース電極4及びドレイン電極5の膜厚は、特に制限は無いが、好ましくは、50nm〜1μmであり、より好ましくは、100nm〜600nmである。
ソース電極4及びドレイン電極5を塗布法又は印刷法により形成する場合に使用する溶媒は、第1基板1、ゲート絶縁膜3に対してダメージを与えない、第1基板1及びゲート絶縁膜3に対する直交溶媒であることが好ましい。
【0035】
<ステップDS5>
ステップDS5は、半導体層6を成膜する工程である(図3E)。
この工程でも、ステップDS4と同様、例えば、有機絶縁膜からなるゲート絶縁膜3に対してダメージを与えない成膜手法が好ましい。
例えば、メタルマスク等のマスクの上から真空蒸着法を用い、所望の領域のみに半導体層6を成膜してもよいし、ゲート絶縁膜、ソース電極及びドレイン電極上に一面に膜を形成した後、フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニングを実施してもよい。もしくは、所望の領域にテーパー形状の開口部を持ちセパレータとしても機能する樹脂膜を形成し、その後、一面に半導体層を真空蒸着法で成膜してもよい。ここで、テーパー形状の開口部とは、断面を見たときに下方(基板に近い側)ほど拡がっている開口部をいう。
さらには、有版もしくは無版印刷法により、直接所定のパターンを塗布法により形成してもよい。
印刷する材料は、無機半導体材料の分散インクや低分子化合物、高分子化合物などの有機半導体材料を含むインク等を用いることができるが、高分子有機半導体材料を含むインクが好ましい。また、塗布法により半導体膜を形成後、半導体膜のモルフォロジー制御や溶媒揮発のため、適宜、焼成処理を実施してもよい。半導体層6の膜厚は、半導体特性に影響が無ければ特に制限は無いが、好ましくは、15nm〜150nmであり、より好ましくは、15nm〜80nmである。
半導体層6を塗布法又は印刷法により形成する場合に使用する溶媒は、基板1、ゲート絶縁膜3、ソース電極4、及びドレイン電極5に対してダメージを与えない、基板1、ゲート絶縁膜3、ソース電極4及びドレイン電極5に対する直交溶媒であることが好ましい。
無機半導体材料の分散インクとしては、ZnO、IGZO、ZTO、ITO、IZOになどの酸化物半導体の分散インク、ゾル−ゲル液、Siなどの無機半導体材料のナノ粒子を含む液が挙げられる。
有機半導体材料としては、ペンタセン(Pentacene)や銅フタロシアニン等の蒸着により成膜しうる低分子化合物、6,13−ビス(トリイソプロピルシリルエチニル)ペンタセン(6,13-bis(triisopropylsilylethynyl)pentacene(Tips-Pentacene))、13,6−N−スルフィニルアセトアミドペンタセン(13,6-N-sulfinylacetamidopentacene(NSFAAP))、6,13−ジヒドロ−6,13−メタノペンタセン−15−オン(6,13-Dihydro-6,13-methanopentacene-15-one(DMP))、ペンタセン−N−スルフィニル−n−ブチルカルバマート付加物(Pentacene-N-sulfinyl-n-butylcarbamate adduct)、ペンタセン−N−スルフィニル−tert−ブチルカルバマート(Pentacene-N-sulfinyl-tert-butylcarbamate)等のペンタセン前駆体、[1]ベンゾチエノ[3,2−b]ベンゾチオフェン([1]Benzothieno[3,2-b]benzothiophene(BTBT))、ポルフィリン、ベンゾポルフィリン、可溶性基としてアルキル基等を有するオリゴチオフェン等の低分子化合物又はオリゴマー、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)等のポリチオフェン、フルオレンコポリマー(例えば、フルオレンジイル基とチオフェンジイル基とを有する共重合体)等の高分子化合物等が挙げられる。
【0036】
<ステップDS6>
ステップDS6は、保護膜7を成膜し、コンタクトホール14を形成する工程である(図3F)。
ここでは、半導体層6に対してダメージを与えない成膜手法が好ましい。
例えば、真空蒸着法、ALD法、スピンコート法などの塗布法を用いてゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極及び半導体層上に一面に保護膜7を形成した後、フォトリソグラフィ法により所定の形状にパターニングして、ドレイン電極5が露出するようにコンタクトホール14を形成する。
また、有版もしくは無版印刷法により、ドレイン電極5を露出させる領域を除いて直接所定のパターンを形成してもよい。
印刷する材料は、無機材料の分散インク、ゾル−ゲル材料、低分子化合物、高分子化合物になどの有機材料を含むインク等の種々の材料が選択できるが、高分子材料を含むインクが好ましい。
前記材料は、無機材料、有機SOG(スピンオングラス)材料の他に、低分子化合物としては、パリレンなどが挙げられる。高分子化合物としては、PS樹脂、PVP樹脂、PMMA樹脂、含フッ素樹脂、PI樹脂、PC樹脂、PVA樹脂、これらの樹脂が含有する繰り返し単位を複数種類含む共重合体などが挙げられる。好ましい高分子化合物は、耐溶剤性などのプロセス耐性や安定性に優れる、架橋性を有する共重合体である。フォトリソグラフィ法で所定のパターンを形成する場合は、感光性が付与された上記樹脂が含有する繰り返し単位を複数種類含む共重合体を用いることが好ましい。
保護膜7の膜厚は、特に制限は無いが、好ましくは、50nm〜5μmであり、より好ましくは、500nm〜1.5μmである。
コンタクトホールの側面には、第1電極(ドレイン電極)又は下部電極に接続された導電膜が形成されていることが好ましい。
保護膜7を塗布法又は印刷法により形成する場合に使用する溶媒は、第1基板1、ゲート絶縁膜3、ソース電極4、ドレイン電極5、及び半導体層6に対してダメージを与えない、第1基板1、ゲート絶縁膜3、ソース電極4、ドレイン電極5及び半導体層6に対する直交溶媒であることが好ましい。
【0037】
2.第2基板8上への表示素子(発光素子)の形成
<ステップLS1>
ステップLS1は、第2基板8を洗浄する工程である(図4A)。
第2基板8としては、特に制限は無く、例えばガラスやフレキシブル樹脂基板等が適用可能であるが、高い水蒸気に対するバリア性、高いガスバリア性がある基板が望ましい。
また、洗浄は、適宜、基板の材質に合わせた一般的な方法で行うことができる。
また、第2基板8の上には、平坦化膜、接着膜、バリア膜、もしくは、これらの機能を複数有する膜が成膜されていてもよく、その膜は、無機膜でも有機膜でもよい。また、無機膜と有機膜を組み合わせた積層膜を成膜してもよく、第2基板の材質や該基板上に成膜する有機膜や無機膜が果たすべき機能に合わせて適宜選択できる。
さらに、無機膜は、ゾル−ゲルや前駆体を含む液から塗布法により形成してもよいし、ALD法を含むCVD法やスパッタリング法などのPVD法で形成してもよい。無機膜の材料としては、例えば、SiOx,SiNx,SiOxNy、Al2O3等の酸化物や窒化物が挙げられる。
有機膜は、CVD法やPVD法で成膜することができ、高分子化合物を含むインクなどの塗布・焼成で形成してもよい。有機膜の材料については、目的に沿うものが選択されるが、例えば、パリレン、エポキシ樹脂、PS樹脂、PVP樹脂、PMMA樹脂などが挙げられる。
【0038】
<ステップLS2>
ステップLS2は、アノード電極9を含む導電層を形成する工程である(図4B)。
ここでは、アノード電極9用の導電層として透明もしくは半透明導電層を形成するときの例で説明する。
この工程では、例えば、スパッタリング法や真空蒸着法などのPVD法で導電膜を第2基板8上に一面に成膜した後、フォトリソグラフィ法によりパターニングすることにより所定の形状のパターンを形成することができる。
導電膜は、例えば、ITO、IZO、ZTO、ZnO、IGZOなどの金属酸化物材料からなる導電膜を選択することができ、可視光透過率や伝導性が高い材料からなる導電膜が好ましい。
有版もしくは無版印刷法により、直接所定のパターンを形成してもよい。
印刷する透明導電材料としては、PEDOT/PSSなどの導電性高分子を含むインク、無機材料のナノパーティクルを分散させたナノ−ITO等の微粒子分散インクなどを用いることができる。さらにその他の透明導電性インクであっても特に制約無く使用できるが、可視光透過率や伝導性が高い材料を含むインクが好ましい。
アノード電極9には、ナノ−Au、ナノ−Ag、ナノ−Cu、ナノ−酸化銀等の微粒子分散インク、又は、銀塩などの金属化合物インクを、光を透過しうる膜厚になるよう基板上に印刷して形成したアノード電極、メッシュ構造にパターン印刷したアノード電極も用いることができる。また、これらの金属電極上に上記透明導電材料を積層したアノード電極やメッシュ構造の段差を平坦化する平坦化電極を組み合わせたアノード電極も使用することができる。ナノ−酸化銀を含む微粒子分散インクには、還元剤を混合して用いてもよい。
【0039】
<ステップLS3>
ステップLS3は、アノード電極9の上に電極セパレータ11を形成する工程である(図4C)。
電極セパレータ11を構成する構造材料としては、例えば、ZPN2464(ZEON社製)等、パターニングした断面を逆テーパー形状に加工することが可能な材料であって電気絶縁性が高い材料を使用することができる。ZPN2464の様に光パターニングが可能な材料であって電極や有機発光層に悪影響を与えるガスを硬化後に放出しない材料であることが好ましい。電極セパレータ11には、撥水処理を施してもよい。電極セパレータ11の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、0.5μm以上4.0μm以下が望ましい。
逆テーパー形状の電極セパレータ11を形成する前に、適宜、その下に下地層を形成してもよい。下地層は、SiOx、SiOxNy、SiNx等の無機材料や電気絶縁性が高い無機又は有機の材料を用いることができるが、無機材料の方が電気絶縁性が高く下地層の高さを低くできるので好ましい。この下地層の厚さは電気絶縁性が保たれれば特に制限は無いが、例えば、10nm以上500nm以下に設定される。
【0040】
<ステップLS4>
ステップLS4は、アノード電極9の上にコンタクトスペーサー12を形成する工程である(図4D)。
このコンタクトスペーサー12の絶縁構造体を構成する構造材としては、例えば、順テーパー形状への加工が可能な材料であって電気絶縁性が高く厚膜化が可能な材料を使用することができる。光パターニングが可能な材料であって電極や有機発光層に悪影響を与えるガスを硬化後に放出しない材料が好ましい。具体的には、東レ製のフォトニース(感光性ポリイミド)が用いられる。コンタクトスペーサー12の高さは、電極セパレータ11の厚さと基板1のドレイン電極5上に設けられたコンタクトホール14の深さとの和よりも長ければよく、好ましくは、電極セパレータ11の厚さとコンタクトホール14の深さとの和よりも1.5倍以上、より好ましくは、2倍以上長く設定される。
絶縁構造体の形状は、柱形状であることが好ましい。また、この絶縁構造体の表面には、アノード電極9とドレイン電極5とを導通させる導電膜が形成される。
この導電膜は、発光部10に含まれるカソード電極(陰極)を蒸着する工程で同時に形成される。この時、電極セパレータ11により発光部10のカソード電極とアノード電極9との絶縁性が保たれる。
【0041】
<ステップLS5>
ステップLS5は、電極セパレータ11で仕切られた領域のアノード電極9上に発光部10を設け、有機EL素子を形成する工程である(図4E)。
有機EL素子は、例えば、アノード電極9上に発光層を介してカソード電極を形成することにより構成されるが、アノード電極9もしくはカソード電極と発光層の間には種々の機能層を形成することもある。
具体的な素子構造については後述する。
【0042】
3.貼り合わせ工程
<ステップBS1>
ステップBS1は、コンタクトスペーサー12の先端にナノパーティクルAgやAgペースト等の導電性インク若しくは導電性ペーストを転写印刷する工程である(図5A)。
ここでは、ナノパーティクルAgインクもしくはAgペーストからなる接合部材前駆体層20aが塗布された転写印刷版30を準備して、その接合部材前駆体層20aに第2基板8のコンタクトスペーサー12の先端部を押し当てて先端部に接合部材前駆体層20bを塗布する(転写印刷)。
また、本発明は、転写印刷法に限定されるものではなく、第1基板1のコンタクトホール14に直接、インクジェット法やドロップキャスト法により例えばナノパーティクルAgインクを塗布してもよい。
その他の塗布方法としては、マイクロコンタクトプリント法、スクリーン印刷法、凸版印刷法などの有版印刷手法が適用でき、これらの方法によって、導電性インクもしくは導電性ペーストなどの接合部材前駆体をコンタクトホール14内に充填する。
導電性インクは、液体媒体と、該液体媒体中に分散された無機ナノ粒子とを含有していることが好ましい。無機ナノ粒子は、Au、Ag、Cu、Pd、Pt、Ni、ITO、Al、硫化銀及び酸化銀からなる群から選択された少なくとも1つを含むことが好ましい。
導電性ペーストは、PbSn合金、SnAg合金、Agからなる群から選択された少なくとも1つの材料を含んでいてもよく、ポリマーを含んでいてもよい。
【0043】
<ステップBS2>
ステップBS2は、基板同士を貼り合わせる工程である(図5B)。
ここでは、アライメント可能な貼り合わせ装置を用いて、コンタクトスペーサー12の先端部がコンタクトホール14に対向するように第1基板1と第2基板8とを位置合わせしてコンタクトスペーサー12の先端部をコンタクトホール14内に挿入し、接合部材前駆体20bを固化する。アライメント精度は、±5μm以下であることが望ましい。
以上のようにして第1基板1と第2基板8とが貼り合わされ、第1電極と下部電極9とが電気的に接続される。
接合部材前駆体20bの固化方法は、選択される接合部材前駆体の種類に応じて適宜選択され、例えば、乾燥もしくは焼結により固化されるが、加熱を伴う場合には加熱温度は150℃以下であることが好ましい。
本実施例の場合の焼結とは、例えば、分散剤を含有する銀ナノ粒子を接合部材前駆体として用いる場合であって分散剤の脱離温度もしくは分解温度が常温以上の場合、脱離温度もしくは分解温度よりも高い温度にて焼成し、分散剤を脱離もしくは分解させて銀ナノ粒子同士を直接接触させ、固化させることを指す。ナノ粒子の表面は非常に活性なため、銀ナノ粒子同士が直接触れることで溶融し、凝集して金属膜となり固化する。
乾燥とは、例えば、接着性導電ペーストを接合部材前駆体として用いる場合、接着性導電ペースト中の分散溶媒を蒸発させることで導電フィラーとして入っている銀粒子同士を接触させ、固化させることを指す。もしくは、分散剤を含有する銀ナノ粒子を接合部材前駆体として用いる場合であって常温で分散剤が脱離もしくは分解しうる場合、時間をかけて分散溶媒を蒸発させ、分散剤を脱離もしくは分解させることで銀ナノ粒子が溶融し、凝集して金属膜になり固化させることを指す。
【0044】
<ステップBS3>
ステップBS3は、シーラント層13を形成して封止する工程である。
シーラント層13は、基板内部全体に充填されてもよいし、貼り合わせた基板の内、外形の小さい方の基板の外周部のみに塗布されていてもよい。基板がフレキシブル樹脂基板の場合は、基板の全面に充填硬化されて封止されることが望ましい。シーラント層の材質には特に制限は無いが、TFT基板や有機EL層に影響を与えない材料が好ましく、例えば、エポキシ樹脂系の封止材などが用いられる。
【0045】
以上のようにして、コンタクトスペーサー12の先端部がコンタクトホール14で固定された本実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置が製造される。
【0046】
次に、本実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置における発光素子について説明する。
まず、発光素子の代表例として、有機EL素子を挙げることができる。
【0047】
<有機EL素子>
有機EL素子は、陽極(アノード電極)、陰極(カソード電極)、及びこれらの間に設けられた発光層を基本構成として備えるが、有機EL素子の具体的な構成としては、例えば、以下のa)〜d)の構成が挙げられる。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下、同様である。)
【0048】
なお、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。正孔輸送層と電子輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。また、発光層に隣接した正孔輸送層をインターレイヤー層と呼ぶ場合もある。
【0049】
陽極の材料及び作製方法としては、前述のアノード電極9の材料及び作製方法が挙げられる。陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、更に好ましくは50nm〜500nmである。
【0050】
陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましく、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、及びそれらのうち2種以上の合金、或いはそれらのうち1種以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金、グラファイト又はグラファイト層間化合物等が用いられる。
【0051】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。
【0052】
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、通常、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、更に好ましくは50nm〜500nmである。
【0053】
発光層に含まれる発光材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、チオフェン環を含む化合物、及びそれらの化合物の重合体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリパラフェニレンビニレン誘導体などが挙げられる。
【0054】
正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体等が挙げられる。
【0055】
電子輸送層に含まれる電子輸送材料としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。
【0056】
発光層、正孔輸送層、電子輸送層の積層・成膜は、溶液から行うことができる。溶液からの積層・成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スリットコート法、キャピラリーコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法等の塗布法を用いることができる。また、電子輸送材料が低分子化合物である場合、真空蒸着法で成膜することもできる。
【0057】
発光層の膜厚は、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
【0058】
正孔輸送層の膜厚は、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、正孔輸送層の膜厚は、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
【0059】
電子輸送層の膜厚は、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、電子輸送層の膜厚は、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜200nmである。
【0060】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と呼ぶことがある。更に、電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は絶縁層を設けてもよく、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。なお、積層する層の順番や数、及び各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜選択すればよい。
【0061】
電荷注入層を設けた発光素子としては、以下のe)〜p)の構造を有するものが挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
【0062】
電荷注入層としては、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層等が挙げられる。
【0063】
電荷注入層に用いる材料としては、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン、カーボン等が挙げられる。
電荷注入層の積層・成膜は、溶液から行うことができる。
電荷注入層の膜厚は、例えば、1〜100nmであり、2〜50nmが好ましい。
【0064】
以上、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置の発光素子の代表例として有機EL素子について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光素子が形成された第2基板8の代わりに
(1)マイクロカプセル方式、電子粉流体方式、電子泳動方式、エレクトロウェッティング方式、化学変化方式による電子ペーパー表示素子、
(2)液晶が充填された液晶表示素子、
が形成された基板を貼り合わせることもできる。この場合、第1基板1のコンタクトホール14の位置にコンタクトスペーサーを形成しておくことで第1基板1と表示素子が形成された第2基板8との貼り合わせと表示素子の駆動が可能になる。
【0065】
また、本発明に係るアクティブマトリクス型表示装置において、第1基板1及び第2基板8は、形成される薄膜トランジスタ及び表示素子の種類や表示装置の用途に応じて、透明もしくは半透明な樹脂製のリジット基板もしくはフィルム基板、それらと金属ホイル基板の組合せなど、種々の基板及び組み合わせから選択することができる。
【0066】
さらに上記樹脂基板の材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、全芳香族ポリアミド(別名:アラミド)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM、別名:ポリアセタール)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)等を選択することができる。
【0067】
以上のように構成された本発明に係る実施形態1のアクティブマトリクス型表示装置は、第1基板1と第2基板8とを確実に固定し、かつアノード電極9とドレイン電極5とを高い信頼性で確実に接続することが可能になる。
【0068】
また、コンタクトホール14に接続部材を充填して接続することができることから、低粘度のインクを用いて接続することが可能になり、例えば、ナノパーティクルAgを使用することができる。
以下、実施形態1とは異なる形態の本発明に係る実施形態について説明する。
【0069】
実施形態2.
図6は、本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置は、
(1)第1基板1のドレイン電極5の上に、コンタクトスペーサー12aが設けられ、コンタクトスペーサー12aとドレイン電極5上に導電膜を形成し、
(2)第2基板8の隣接する発光素子の発光部10を囲む電極セパレータ11間に、その底面に下部電極9が露出するようにコンタクトホール14aが設けられて、
(3)コンタクトホール14aに充填された接合部材20にコンタクトスペーサー12aの先端部が埋め込まれて固定されている点が実施形態1とは異なっており、それ以外の部分は実施形態1と同様に構成される。
以上のように構成された実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置は、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0070】
実施形態3.
図7は、本発明に係る実施形態3のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
本発明に係る実施形態3のアクティブマトリクス型表示装置は、第1基板1上に形成される薄膜トランジスタの構成が実施形態1とは異なっている。
具体的には、第1基板1の上にまず、ソース電極4とドレイン電極5が所定の間隔を隔てて形成され、その間隔を埋めるように半導体層6がソース電極4とドレイン電極5にまたがって形成される。そして、その半導体層6を覆うようにゲート絶縁膜3を形成し、半導体層6に対向するようにゲート電極2を形成して、そのゲート電極2を覆うように保護膜7が形成されている。
実施形態3において、コンタクトホール14bは、保護膜7とゲート絶縁膜3とを貫通するように形成されて、コンタクトホール14bの底面にはドレイン電極5の表面が露出される。
第2基板8上には、実施形態1と同様にして発光素子及びコンタクトスペーサー12等が形成されて、実施形態1と同様にして、コンタクトホール14bに充填された接合部材20にコンタクトスペーサー12の先端部が埋め込まれて固定される。
以上のように構成された実施形態3のアクティブマトリクス型表示装置は、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0071】
実施形態4.
図8は、本発明に係る実施形態4のアクティブマトリクス型表示装置の構成を模式的に示す断面図である。
本発明に係る実施形態4のアクティブマトリクス型表示装置は、
(1)第1基板1のドレイン電極5の上に、コンタクトスペーサー12cが設けられ、保護膜7の加工形状が電極セパレータの役割を担うよう逆テーパー形状になっており、
(2)第2基板8の隣接する発光素子の発光部10の電極セパレータ11間にコンタクトホール14cが設けられて、
(3)コンタクトホール14cに充填された接合部材20にコンタクトスペーサー12cの先端部が埋め込まれて固定されている点が実施形態3とは異なっており、それ以外の部分は実施形態3と同様に構成される。
以上のように構成された実施形態4のアクティブマトリクス型表示装置は、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【0072】
実施形態5.
図9は、本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置においてさらに、第1基板1側の保護膜7の上に電極セパレータ40が形成されている。
本発明に係る実施形態2のアクティブマトリクス型表示装置において上記以外の点は実施形態2と同様である。
以上のように構成された実施形態5のアクティブマトリクス型表示装置は、実施形態1と同様の作用効果を有する。
【実施例】
【0073】
本発明に係る実施例を実施形態1で用いた図1、図3AからF、図4AからEを用いて説明する。本実施例の装置構成は、1個のトランジスタに対して1個の発光素子を含む構成である。(図10)
【0074】
実施例の装置構成
以下の実施例では、まず、第1基板1上に有機薄膜トランジスタTr1を形成する(図10(a))。
図10(a)において、2tはゲート端子、4tはソース端子、5はドレイン電極、15dはカソード引出線、15tはカソード端子である。また、14は、図1、図3AからF等に示したコンタクトホールである。
図10(b)において、12pは発光部10のアノード側のコンタクトスペーサーであり、12nは発光部10のカソード側のコンタクトスペーサーであり、15は発光部10のカソード電極である。尚、9は図1、図4AからE等に示したアノード電極である。
以上のように構成された第1基板1と第2基板8とを図5A,Bで説明したようにして貼り合わせる。貼り合わせ後の位置関係を図10(c)に示す。
【0075】
<実施例1>
本実施例1では、その断面構造が図1に示す構造である図10に示す表示装置を製造した。第1基板1(ガラス)上に、ゲート電極2(Cu)、ゲート絶縁膜3(有機絶縁膜)、ソース電極4とドレイン電極5(共にナノ−Ag)を形成し、該ソース電極4と該ドレイン電極5の間に半導体層6(高分子有機半導体)を形成し、コンタクトホール14を形成する領域以外を保護膜7(有機絶縁膜)で覆うことで有機薄膜トランジスタを作製した。また、第2基板8(ガラス)上にITOを成膜し、ITO膜をパターニングすることでアノード電極9(ITO)を形成し、発光部10を形成する領域のみに開口部を設けたSiO2膜を下地層として形成し、コンタクトセパレータ12(東レ社製感光性ポリイミド:フォトニース)、発光素子の発光部10を形成し、高分子EL素子である表示素子を作製した。電極セパレータ11の作製を省き、カソード電極膜蒸着後に、アノード電極9上にあるコンタクトセパレータ12周辺のアノード電極9露出部分の外周部分の金属膜を削り取ることで電極セパレータとした。次いで、第1基板1のコンタクトホール12内にナノ−Agインク(アルバックマテリアル社製L−Ag1)をドロップキャストし第2基板8のコンタクトスペーサーが第1基板1のコンタクトホール12内に収まるように置き、グローブボックス内のホットプレート上で150で℃30分程度焼成した。次いで、基板の周辺部をエポキシ樹脂で封止して、貼り合わせ構造を有する有機トランジスタ駆動による有機EL素子を得た。
【0076】
以下、実施例1の表示装置の製造方法について説明する。
洗浄済の第1基板1上にスパッタリング法でCu(銅)層を形成し、フォトリソグラフィにより、ゲート電極2を形成した(図3B)。フォトリソグラフィにおいて、フォトレジストは、東京応化工業社製「OFPR800C LB」を、現像液は、ナガセケムテックス社製「NPD−18」を、レジスト剥離液は、東京応化工業社製「104」を、Cuエッチング液は、関東化学社製の「混酸Cu−03」を使用した。フォトリソグラフィは、以下の工程により行った。Cu層上にフォトレジスト「OFPR800C LB」の膜を形成し、フォトマスクを介して365nmのUV光を照射した。次いで、現像液「NPD−18」を用いてフォトレジストの現像を行った。次いで、現像したフォトレジストをマスクとして、Cu層のCuが露出している部分を、Cuエッチング液「混酸Cu−03」を用いて除去し、レジスト剥離液「104」を用いて残りのフォトレジストを剥離して、ゲート電極2のパターニングを行った。
この時のゲート電極2の膜厚は、約100nmであった。また、同プロセスで作製したTEG素子にて測定した該銅電極の抵抗率は、約4.2e−6Ωcmであった。
【0077】
次に、第1基板1及びゲート電極2上に、高分子化合物1と高分子化合物2と2−ヘプタノンとを含む溶液をスピンコート法により塗布して有機層を形成した(図3C)。該有機層は熱架橋性の材料を含むため、直ぐに、焼成処理を行い、ゲート絶縁膜3を得た。焼成処理は、窒素(N2)フロー加熱炉で行い、急激な熱ストレスによる熱架橋への悪影響を防ぐため、炉内温度が常温の状態でゲート電極及び有機層を形成した第1基板1を炉内に入れ、炉の温度が230℃の設定で60分加熱を実施した。この時の最終的な基板周辺の焼成温度は、220℃〜227℃の間であった。また、ゲート絶縁膜3の膜厚は、約460nmであった。
【0078】
有機絶縁膜材料である前記高分子化合物1及び前記高分子化合物2は、下記方法で製造したポリスチレン共重合体である。
(高分子化合物1の合成)
スチレン(和光純薬製)2.06g、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ製)2.43g、2−〔O−[1’−メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ〕エチル−メタクリレート(昭和電工製、商品名「カレンズMOI−BM」)1.00g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.06g、2−ヘプタノン(和光純薬製)14.06gを、50ml耐圧容器(エース製)に入れ、窒素をバブリングした後、密栓し、60℃のオイルバス中で48時間重合させて、高分子化合物1が溶解している粘稠な2−ヘプタノン溶液を得た。高分子化合物1は下記化1に示す繰り返し単位を有している。ここで、( )の添え数字は繰り返し単位のモル分率を示している。
【0079】
【化1】
高分子化合物1
【0080】
得られた高分子化合物1の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、32800であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
【0081】
(高分子化合物2の合成)
4−アミノスチレン(アルドリッチ製)3.50g、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン(アルドリッチ製)13.32g、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)0.08g、2−ヘプタノン(和光純薬製)25.36gを、125ml耐圧容器(エース製)に入れ、窒素をバブリングした後、密栓し、60℃のオイルバス中で48時間重合させて、高分子化合物2が溶解している粘稠な2−ヘプタノン溶液を得た。
高分子化合物2は下記化2に示す繰り返し単位を有している。ここで、( )の添え数字は繰り返し単位のモル分率を示している。
【0082】
【化2】
高分子化合物2
【0083】
得られた高分子化合物2の標準ポリスチレンから求めた重量平均分子量は、132000であった(島津製GPC、「Tskgel super HM−H」1本+「Tskgel super H2000」1本、移動相=THF)。
【0084】
次に、スピンコート法によりゲート絶縁膜3上にナノ−Agインク「アルバックマテリアル社製 L−Ag1T」を塗布し、大気中、ホットプレート上で150℃で30分焼成することで銀電極層を得た。この後、該銀電極層をフォトリソグラフィ法によりソース電極4及びドレイン電極5の形状に加工した。フォトリソグラフィにおいて、フォトレジストは、東京応化工業社製「OFPR800C LB」を、現像液は、ナガセケムテックス社製「NPD−18」を、レジスト剥離液は、東京応化工業社製「104」を、Agエッチング液は、関東化学社製の「SEA−05」を使用した。フォトリソグラフィは、以下の工程により行った。Ag層上にフォトレジスト「OFPR800C LB」の膜を形成し、フォトマスクを介して365nmのUV光を照射した。次いで、現像液「NPD−18」を用いてフォトレジストの現像を行った。次いで、現像したフォトレジストをマスクとして、Ag層のAgが露出している部分を、Agエッチング液「SEA−05」を用いて除去し、レジスト剥離液「104」を用いて残りのフォトレジストを剥離し、最後にナノ−Ag焼結体である銀電極の最終焼成処理として大気中ホットプレート上で220℃30分の焼成処理を実施して、ソース電極4、ドレイン電極5のパターニングを行った(図3D)。ソース電極4及びドレイン電極5の膜厚は、約200nmであった。また、同プロセスで作製したTEG素子にて測定した該銀電極の抵抗率は、約6×10−6Ωcmであった。
【0085】
次に、ソース電極4とドレイン電極5との間に、転写印刷法により半導体層6を形成した。転写印刷に用いた印刷版は、信越化学社製PDMS(ポリジメチルシロキサン)「SIM−360」と硬化剤「CAT−360」を9:1(重量比)で混ぜ、0.7mmの厚さになる様に冶具を用いて形成した樹脂からなる平版を作製し、半導体層6を形成するエリアの大きさに該平版から印刷版用平版を切り取り、ガラスの支持基板に該印刷用平板を貼り付けることで印刷版とした。該印刷版上に予め準備しておいた高分子有機半導体を含むインクをスピンコート法により塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜をソース電極4とドレイン電極5との間の半導体層6を形成するエリアに転写印刷し、半導体層6を得た(図3E)。
【0086】
次に、第1基板1上のコンタクトホール12と端子部以外の領域に、転写印刷法により、保護膜7を形成した。転写印刷に用いた印刷版は、半導体層6と同様の方法で作製した。該印刷版上に、下記化3に示す高分子化合物3とフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体と2,3,4,5,6−ペンタフルオロトルエン(2,3,4,5,6−Pentafluorotoluene)とを含む溶液をスピンコート法により塗布して塗布膜を形成し、該塗布膜を第1基板1上の領域であってコンタクトホール12及び端子部以外の領域に転写印刷した。該塗布膜は熱架橋性を有するため、直ぐに窒素(N2)雰囲気中のホットプレート上で200℃30分焼成することで保護膜7を得た(図3F)。
【0087】
【化3】
高分子化合物3
【0088】
次にITO膜付きガラス基板を洗浄し、フォトリソグラフィ法でITO膜をパターニングすることで、アノード電極9が形成された第2基板8を得た(図4B)。フォトリソグラフィにおいて、フォトレジストは、東京応化工業社製「OFPR800C LB」を、現像液は、ナガセケムテックス社製「NPD−18」を、レジスト剥離液は、東京応化工業社製「106」を、ITOエッチング液は、林純薬工業社製「ITOエッチング液:塩鉄液」を使用した。フォトリソグラフィは、以下の工程により行った。ITO膜上にフォトレジスト「OFPR800C LB」の膜を形成し、フォトマスクを介して365nmのUV光を照射した。次いで、現像液「NPD−18」を用いてフォトレジストの現像を行った。次いで、現像したフォトレジストをマスクとして、ITO膜が露出している部分を、ITOエッチング液「塩鉄液」を用いて除去し、レジスト剥離液「106」を用いて残りのフォトレジストを剥離して、アノード電極9のパターニングを行った。
アノード電極9の膜厚は約150nm、抵抗率は約120×10−6Ωcmであった。
【0089】
次にアノード電極9と電極セパレータ11の間に発光素子の発光部10を形成する領域のみに開口部を持つSiO2層を下地層として形成した後、コンタクトセパレータ12をフォトリソグラフィ法により形成した。フォトリソグラフィにおいて、コンタクトセパレータ12に用いる感光性樹脂は、東レ社製「フォトニース」を、現像液は、ナガセケムテックス社製「NPD−18」を使用した。フォトリソグラフィは、以下の工程により行った。SiO2層までが形成された第2基板8上に感光性樹脂である「フォトニース」の膜を形成し、フォトマスクを介して365nmのUV光を照射した。次いで、現像液「NPD−18」を用いてフォトレジストの現像を行った。最後に、大気雰囲気の加熱炉にて230℃30分の焼成処理を行い、コンタクトセパレータ12を得た。この時のコンタクトセパレータ12の高さは、約4μmであった。
電極セパレータ11の作製を省き、カソード金属膜蒸着後に、アノード電極9上にあるコンタクトセパレータ12周辺のアノード電極9露出部分の外周部分の金属膜を削り取ることで電極をセパレートした。
【0090】
次に、有機発光層をスピンコート法及び焼成処理により形成し、次いで、カソード電極を真空蒸着して発光素子の発光部10を得た。発光素子の発光部10の作製プロセスについては、実施形態1に記載した方法と同様の方法で形成した。ただし、コンタクトセパレータ12上と周辺のアノード電極9露出部分に付着した有機発光層用材料は適宜拭き取った。
【0091】
次に、第1基板1と第2基板8の貼り合わせを行う為、第1基板1上のコンタクトホール14内にドロップキャスト法を用いてナノ−Agインクを充填した。ナノ−Agインクは、アルバックマテリアル社製「L−Ag1T」を用いた。貼り合わせ手順は、ドロップキャスト法を用いて第1基板1上のコンタクトホール14内にナノ−Agインク「L−Ag1T」を充填し、第2基板8上のコンタクトセパレータ12が第1基板1上のコンタクトホール14内に収まるように第1基板1と第2基板8を重ね合わせた。その後、加圧しながら150℃で30分焼成してナノ−Agインク「L−Ag1T」を加熱固化することで貼り合わせを実施した。この時の作業は全て酸素濃度が1.0ppm未満であり、かつ、水分濃度が1.0ppm未満のグローブボックス中で実施した。
【0092】
最後に、グローブボックス中の圧力を負圧(約−2.0Pa)にして貼り合わせた基板の外周部にエポキシ樹脂を塗布した。その後、グローブボックス中の圧力を陽圧(約5.0Pa)に戻しエポキシ樹脂を硬化させて、高分子有機トランジスタ駆動の表示装置を得た。
【0093】
本実施例で作製した表示素子をアジレントテクノロジー社製「B1500A」半導体パラメータアナライザで出力(PVdd−Ipled)特性を測定したところ、発光素子を含む表示装置のトランジスタ特性の確認および有機発光層の発光を確認することができた。(図11)。図11中、PVddは有機薄膜トランジスタのソース電極4とカソード電極との間に印可されている電圧を表す。Ipledは、有機薄膜トランジスタのソース電極4、半導体層6、ドレイン電極5、コンタクトホール14、コンタクトセパレータ12(アノード側)、アノード電極9、発光素子の発光部10、コンタクトセパレータ12(カソード側)、カソード電極間を流れる電流を表す。本実施例で作製した表示装置において、ソース電極4、半導体層6、ドレイン電極5、コンタクトホール14、コンタクトセパレータ12(アノード側)、アノード電極9、発光素子の発光部10、コンタクトセパレータ12(カソード側)、カソード電極の間で導通を確認することが出来た。
【符号の説明】
【0094】
1 第1基板
2 ゲート電極
2t ゲート端子
3 ゲート絶縁膜
4 ソース電極
4t ソース端子
5 ドレイン電極
6 半導体
7 保護膜
8 第2基板
9 アノード電極
10 発光部
11 電極セパレータ
12 コンタクトスペーサー
13 シーラント層
14 コンタクトホール
15 カソード電極
15d カソード引出線
15t カソード端子
20 接合部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、
第2基板と、
アノード電極及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有し、
前記第1基板と前記第2基板とは、前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とが対向して貼り合わされているアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内のどちらか一方の電極である第1電極と、前記表示素子のアノード電極及びカソード電極の内のどちらか一方の電極である下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを前記第1基板と前記第2基板の一方の基板が有し、
他方の基板が前記コンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを有し、
前記コンタクトスペーサーの先端部が前記コンタクトホール内で固定されていることを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項2】
前記コンタクトスペーサーは、柱形状の絶縁構造体とその表面に形成された導電膜からなる請求項1記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項3】
前記コンタクトスペーサーは前記下部電極上に形成されており、前記コンタクトホールは前記第1電極上に形成され、前記コンタクトホールの底面に前記第1電極の表面が露出されている請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項4】
前記コンタクトスペーサーは前記第1電極上に形成されており、前記コンタクトホールは前記下部電極上に形成され、前記コンタクトホールの底面に前記下部電極の表面が露出されている請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項5】
前記コンタクトホールの側面に、前記第1電極又は前記下部電極に接続された導電膜が形成されている請求項3又は4記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項6】
前記第1電極と前記下部電極とは、前記コンタクトホールの少なくとも一部に充填された接合部材を介して電気的に接続されており、前記コンタクトスペーサーの先端部が前記接合部材に埋め込まれている請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項7】
前記接合部材は、導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化して形成された材料からなる請求項6記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項8】
導電性インクは、液体媒体と、該分液体媒体中に分散された無機ナノ粒子とを含有する請求項7記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項9】
前記無機ナノ粒子は、Au、Ag、Cu、Pd、Pt、Ni、ITO、Al、硫化銀及び酸化銀からなる群から選択された少なくとも1つを含む請求項8記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項10】
前記導電性ペーストは、PbSn合金、SnAg合金、Agからなる群から選択された少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7記載のアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項11】
前記導電性ペーストは、ポリマーを含むことを特徴とする請求項7記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項12】
前記薄膜トランジスタが有機半導体を含む請求項1〜11のうちのいずれか1つに記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項13】
第1基板と、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、第2基板と、アノード電極及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有するアクティブマトリックス型表示装置を製造する方法であって、前記第1基板と前記第2基板とを前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とを対向させて貼り合わせることを含む方法であって、
前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内のどちらか一方の電極である第1電極と前記表示素子のアノード電極及びカソード電極の内のどちらか一方の電極である下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを前記第1基板と前記第2基板の一方の基板に形成するコンタクトスペーサー形成工程と、
他方の基板に前記コンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトスペーサーの先端部を接合部材によって前記コンタクトホール内に固定して、前記第1電極と下部電極とを電気的に接続するため、前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程と、
を含むことを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置の製造方法
【請求項14】
前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程は、
前記コンタクトホール内に導電性インクもしくは導電性ペーストを有版印刷法もしくは無版印刷法を用いて充填することと、
前記コンタクトスペーサーの先端部を前記充填された導電性インクもしくは導電性ペーストに沈入させることと、
前記先端部が沈入された導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化させることと、
を含む請求項13記載のアクティブマトリクス型表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程は、
前記コンタクトスペーサーの先端部に導電性インクもしくは導電性ペーストを転写印刷版上から転写印刷することと、
前記導電性インクもしくは導電性ペーストが転写印刷されたコンタクトスペーサーの先端部を前記コンタクトホールに挿入することにより前記コンタクトホール内に前記導電性インクもしくは導電性ペーストを充填することと、
コンタクトホール内に充填された導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化させることと、
を含む請求項13記載のアクティブマトリクス型表示装置の製造方法。
【請求項1】
第1基板と、
ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、
第2基板と、
アノード電極及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有し、
前記第1基板と前記第2基板とは、前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とが対向して貼り合わされているアクティブマトリクス型表示装置であって、
前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内のどちらか一方の電極である第1電極と、前記表示素子のアノード電極及びカソード電極の内のどちらか一方の電極である下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを前記第1基板と前記第2基板の一方の基板が有し、
他方の基板が前記コンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを有し、
前記コンタクトスペーサーの先端部が前記コンタクトホール内で固定されていることを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項2】
前記コンタクトスペーサーは、柱形状の絶縁構造体とその表面に形成された導電膜からなる請求項1記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項3】
前記コンタクトスペーサーは前記下部電極上に形成されており、前記コンタクトホールは前記第1電極上に形成され、前記コンタクトホールの底面に前記第1電極の表面が露出されている請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項4】
前記コンタクトスペーサーは前記第1電極上に形成されており、前記コンタクトホールは前記下部電極上に形成され、前記コンタクトホールの底面に前記下部電極の表面が露出されている請求項1又は2に記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項5】
前記コンタクトホールの側面に、前記第1電極又は前記下部電極に接続された導電膜が形成されている請求項3又は4記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項6】
前記第1電極と前記下部電極とは、前記コンタクトホールの少なくとも一部に充填された接合部材を介して電気的に接続されており、前記コンタクトスペーサーの先端部が前記接合部材に埋め込まれている請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項7】
前記接合部材は、導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化して形成された材料からなる請求項6記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項8】
導電性インクは、液体媒体と、該分液体媒体中に分散された無機ナノ粒子とを含有する請求項7記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項9】
前記無機ナノ粒子は、Au、Ag、Cu、Pd、Pt、Ni、ITO、Al、硫化銀及び酸化銀からなる群から選択された少なくとも1つを含む請求項8記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項10】
前記導電性ペーストは、PbSn合金、SnAg合金、Agからなる群から選択された少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7記載のアクティブマトリクス型表示装置。
【請求項11】
前記導電性ペーストは、ポリマーを含むことを特徴とする請求項7記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項12】
前記薄膜トランジスタが有機半導体を含む請求項1〜11のうちのいずれか1つに記載のアクティブマトリクス型表示装置
【請求項13】
第1基板と、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、及び半導体膜を有し前記第1基板の一方の主面上に形成された薄膜トランジスタと、第2基板と、アノード電極及びカソード電極を有し前記第2基板の一方の主面に形成された表示素子とを有するアクティブマトリックス型表示装置を製造する方法であって、前記第1基板と前記第2基板とを前記第1基板の前記薄膜トランジスタが形成されている主面と、前記第2基板の前記表示素子が形成された主面とを対向させて貼り合わせることを含む方法であって、
前記薄膜トランジスタのソース電極及びドレイン電極の内のどちらか一方の電極である第1電極と前記表示素子のアノード電極及びカソード電極の内のどちらか一方の電極である下部電極とを電気的に接続しかつ前記第1基板と前記第2基板との間に所定の間隔を保持するコンタクトスペーサーを前記第1基板と前記第2基板の一方の基板に形成するコンタクトスペーサー形成工程と、
他方の基板に前記コンタクトスペーサーに対向するコンタクトホールを形成する工程と、
前記コンタクトスペーサーの先端部を接合部材によって前記コンタクトホール内に固定して、前記第1電極と下部電極とを電気的に接続するため、前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程と、
を含むことを特徴とするアクティブマトリクス型表示装置の製造方法
【請求項14】
前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程は、
前記コンタクトホール内に導電性インクもしくは導電性ペーストを有版印刷法もしくは無版印刷法を用いて充填することと、
前記コンタクトスペーサーの先端部を前記充填された導電性インクもしくは導電性ペーストに沈入させることと、
前記先端部が沈入された導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化させることと、
を含む請求項13記載のアクティブマトリクス型表示装置の製造方法。
【請求項15】
前記第1基板と第2基板を貼り合わせる工程は、
前記コンタクトスペーサーの先端部に導電性インクもしくは導電性ペーストを転写印刷版上から転写印刷することと、
前記導電性インクもしくは導電性ペーストが転写印刷されたコンタクトスペーサーの先端部を前記コンタクトホールに挿入することにより前記コンタクトホール内に前記導電性インクもしくは導電性ペーストを充填することと、
コンタクトホール内に充填された導電性インクもしくは導電性ペーストを乾燥又は焼結により固化させることと、
を含む請求項13記載のアクティブマトリクス型表示装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−198536(P2012−198536A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−52787(P2012−52787)
【出願日】平成24年3月9日(2012.3.9)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月9日(2012.3.9)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】
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