説明

アザビシクロオクタンの誘導体、その製造方法及びそのジペプチジルペプチダーゼIVの阻害剤としての用途

式(I)で表されるアザビシクロオクタンの誘導体、その製造方法、及びそれを含有する組成物並びにそのジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤としての用途(式中、式(I)中の置換基は、明細書の記載に挙げられている意義と同じ意義を有する)。
【化97】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アザビシクロオクタンの誘導体、その製造方法、及びそれを含有する組成物並びにその用途、特にジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)の阻害剤としての医薬用途に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病とは、多数の原因因子に由来し且つインスリンの分泌及び/又機能欠陥によって引き起こされる糖、脂質及びタンパク質代謝障害と共に血漿グルコース値の上昇又は高血糖によって特徴付けられる疾患過程を指す。糖尿病は、古くからの疾患であり、人体のインスリンの完全な又は相対的な欠乏によって、より多い飲料、より多い尿、より多い食物と共に主として尿中に排出する血中のグルコースの濃度の上昇、体重減少、めまい、脱力及びその他の症状を招く。
【0003】
ジペプチジルペプチダーゼIV(DPPIV)は、好ましくは最後から2番目の位置のプロリン残基を含有するペプチド鎖からN末端ジペプチドを切断するセリンプロテアーゼである。哺乳動物系におけるDPPIVの生物学的な役割は完全に確証されていないが、神経ペプチドの代謝、T細胞の活性化、内皮に対する癌細胞の付着及びリンパ球様細胞内へのHIVの侵入において重要な役割を果たすと考えられる(国際公開第WO98/19998号明細書)。
【0004】
最近になって、DPPIVがグルカゴン様ペプチド(GLP)−1の分泌の阻害に関与することが発見された。さらに詳しくは、DPPIVは、GLP−1のアミノ末端His−Alaジペプチドを切断し、活性GLP−1(7−36)NH2を不活性GLP−1(9−36)NH2に分解する(Endocrinology,1999,140:5356−5363)。生理学的条件下では、血液循環中の全GLP−1の半減期は短く、DPPIVによって分解されたGLP−1由来の不活性代謝産物は、GLP−1受容体と結合して活性GLP−1をアンタゴナイズすることができ、従ってGLP−1に対する生理学的反応が短縮される。内因性及び外因性GLP−1は、DPPIV阻害剤によって、DPPIVによって不活性化されることから完全に保護されることができ、GLP−1生物活性は著しく高められることができる(5〜10倍)。GLP−1は、膵臓のインスリン分泌の主要な刺激物質であり、グルコース処理に直接に影響を及ぼすことができることから、DPPIV阻害剤は非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)を治療するのに十分に有用である(米国特許第6110949号明細書)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第WO98/19998号明細書
【特許文献2】米国特許第6110949号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Endocrinology,1999,140:5356−5363
【発明の概要】
【0007】
従って、本発明は、式(I)
【化1】

〔式中:
Rは、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノカルボニルアルキル、アミドアルキル、複素環を有するアミノカルボニルアルキル及びアミノアルキルからなる群から選択され、前記複素環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アミド基、アミノカルボニル、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換された5員又は6員ヘテロ環であり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換されていてもよく、
は、水素及びアルキルからなる群から選択され、前記アルキルはシクロアルキルおよびアリールからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換されていてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換されていてもよく、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員ヘテロ環を形成し、この場合の3〜8員へテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換されていてもよく、
nは0〜4の整数である〕
を有する化合物又はその製薬学的に許容し得る塩に関する。
【0008】
また、本発明は、式(IA):
【化2】

〔式中:
Rは、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノカルボニルアルキル、アミドアルキル、複素環を有するアミノカルボニルアルキル及びアミノアルキルからなる群から選択され、前記複素環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アミド基、アミノカルボニル、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換された5員又は6員ヘテロ環であり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換されていてもよく、
は、水素及びアルキルからなる群から選択され、前記アルキルはシクロアルキルおよびアリールからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換されていてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換されていてもよく、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員ヘテロ環を形成し、この場合の3〜8員ヘテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換されていてもよい〕の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩を包含する。
【0009】
好ましくは、式(I)を有する化合物又はその製薬学的に許容し得る塩において、Rは
次式:
【化3】

(式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換されていてもよく、
及びRは、それぞれ独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択され、
WはC、S又はO原子であり、前記CはさらにR及びRで置換されていてもよい。
【0010】
また、本発明は、式(IB):
【化4】

〔式中、Rは、次式:
【化5】

であり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
は、水素及びアルキルからなる群から選択され、前記アルキルはシクロアルキルおよびアリールからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコシキル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員ヘテロ環を形成し、この場合の3〜8員ヘテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択され、
Wは、C、S又はO原子であり、前記CはさらにR及びRで置換されていてもよい]の化合物またはその製薬学的に許容し得る塩を包含する。
【0011】
また、本発明は、式(IC):
【化6】

〔式中、Rは、次式:
【化7】

であり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
Rは、水素及びアルキルからなる群から選択され、前記アルキルはシクロアルキルおよびアリールからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコシキル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員ヘテロ環を形成し、この場合の3〜8員ヘテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択され、
Wは、C、S又はO原子であり、前記CはさらにR及びRで置換される]の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩を包含する。
【0012】
本発明は、式(I)を有する化合物又は製薬学的に許容し得る塩であって、前記塩が塩酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酢酸及びトリフルオロ酢酸からなる群から選択される酸を用いて形成される塩からなり、好ましくは酸がp−トルエンスルホン酸、塩酸、酒石酸およびトリフルオロ酢酸である式(I)を有する化合物又は製薬学的に許容し得る塩を提供する。
【0013】
特に好ましい実施形態においては、式(I)を有する化合物又は製薬学的に許容し得る塩としては、以下が挙げられる。
【0014】
【表1】




【0015】
さらにまた、本発明は、式(I)を有する化合物の合成における中間体としての次式(ID):
【化8】

〔式中:
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコシキル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員ヘテロ環を形成し、この場合の3〜8員ヘテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換される〕
の化合物に関する。
【0016】
さらにまた、本発明は、式(ID)の化合物の製造方法であって、
【化9】

出発原料5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルを、氷水浴中、ジクロロメタンのような溶媒中でトリフルオロ酢酸と反応させて、ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタートを得る工程と、
【化10】

ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタートを、塩基の存在下でアシルクロリドと反応させて式(ID)の化合物を得る工程とを含む式(ID)の化合物の製造方法に関する。
【0017】
本発明は、式(ID)の中間体を、アミン、置換水素化ホウ素ナトリウムと及びトリエチルアミンのような塩基と、メタノール又はエタノールの溶媒中で反応させて、式(IB)の化合物を得る工程を含む式(IB)の化合物の製造方法に関する。
【化11】

【0018】
本発明は、tert-ブトキシドカリウムとヨウ化メチルトリフェニルホスホニウムのトルエンの溶液を加熱し、式(ID)の中間体を加えて、室温で反応させて、アザビシクロ アルケニル化合物を得る工程と
【化12】

アザビシクロ アルケニル化合物をシクロロメタンのような溶媒で過塩素酸銀の存在下室温でシアン化トリメチルシリルと反応させてアザビシクロ シアノ化合物を得る工程と
【化13】

アザビシクロ シアノ化合物をエタノールのような溶媒で室温で適当な酸と反応させてアザビシクロ アミン化合物を得る工程と
【化14】

アザビシクロ アミン化合物をN,N−ジメチルフルムアミドのようなアルカリ性溶媒の存在下でハロ化合物と反応させて式(IB)の化合物を得る工程とを含む式(IB)の化合物の製造方法に関する。
【化15】

【0019】
本発明は、式(ID)の中間体をエチエン グリコール ジメチル エーテルのような溶媒でイソシアン化トシルメチルと反応させてアザビシクロ シアノ化合物を得る工程と
【化16】

アザビシクロ シアノ化合物をテトラヒドロフランのような溶媒でヘキサメチルジシラジドリチウムと反応させてR置換のアザビシクロ シアノ化合物を得る工程と
【化17】

酸の存在下R置換のアザビシクロ シアノ化合物を加水分解し、R置換のアザビシクロ カルボキシル化合物を得る工程又は
置換のアザビシクロ シアノ化合物をシクロロメタンの溶媒で氷水浴で冷却しながらDIBAL−Hのような還元剤と反応させてアルデヒート化合物を得て、アルデヒート化合物をテトラヒドロフラン/水の混合溶媒で氷水浴で冷却しながら、燐酸二水素ナトリウム、亜塩素酸ナトリウムおよび2−メチルー2−ブテンと反応させてR置換のアザビシクロ カルボキシル化合物を得る工程と
【化18】

置換のアザビシクロ カルボキシル化合物をトリエチルアミンのような塩基の存在下、クロロギ酸エチルと反応させてアザビシクロ アジド化合物を含む工程
【化19】

アザビシクロ アジド化合物をトルエンのような溶媒で酸性溶液で加熱撹拌し、R
換のアザビシクロ アミン化合物を得る工程と
【化20】

置換のアザビシクロ アミン化合物をN,N−ジメチルフルムアミドのようなア
ルカリ性溶媒の存在下でハロ置換化合物と反応させて式(IB)の化合物を得る工程とを含む式(IB)の化合物の製造工程に関する。
【化21】

【0020】
本発明は、式(ID)の中間体をテトラヒドロフナンのような溶媒で氷水浴で冷やしながら、水素化トリ-tert-ブトキシアルミニウム
リチウムのような還元剤と反応させてアザビシクロ ヒドロキシ化合物を得る工程と
【化22】

アザビシクロ ヒドロキシ化合物をジクロロメタンのような溶媒でトリメチルアミンのような塩基および塩化メチルスルホニルと反応させてアザビシクロ メチル スルフォン酸化合物を得る工程と
【化23】

アザビシクロ メチル スルフォン酸化合物およびフタルイミド カリウムをN,N-ジメチルホルムアミドのような塩基の存在下で加熱してフタルイミド置換のアザビシクロ化合物を得る工程と
【化24】

フタルイミド置換のアザビシクロ化合物およびヒドラジンをエタノールのような溶媒で加熱してアザビシクロアミン化合物を得る工程と
【化25】

アザビシクロアミン化合物およびハロゲン化合物をジクロロメタンのような溶媒で加熱して式(IC)の化合物を得る工程とを含む式(IC)の化合物の製造方法に関する。
【化26】

【0021】
好ましくは、前記の製造方法において、Rは、次式:
【化27】

〔式中:
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1個又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択され、
Wは、C、S又はO原子であり、CはさらにR又はRで置換される〕
である。
【0022】
精製した式(IB)及び式(IC)の化合物をさらにメタノール、ジクロロメタン又はエチル アセテートの溶媒で酸と反応させて酸の附加塩を得ることができる。
【0023】
さらにまた、本発明は、有効治療量の本発明の化合物又はその塩と、製薬学的に許容し得る担体とを含有してなる医薬組成物に関する。
【0024】
さらにまた、本発明は、ジペプチジルペプチダーゼ(DPPIV)阻害剤としての医薬の製造における式(I)を有する化合物又はその製薬学的に許容し得る塩の使用に関する。
【0025】
本発明は、式(I)を有する化合物が製薬学的に許容し得る遊離の形及び酸付加塩の形である式(I)を有する化合物又は製薬学的に許容し得る塩に関し、且つその製薬学的に許容し得る(無毒性の、生理学的に許容し得る)塩であって、製薬学的に許容し得る塩が、塩酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、及びトリフルタートからなる群から選択されるものである製薬学的に許容し得る(無毒性の、生理学的に許容し得る)塩を提供する。好ましくは、前記塩は、p−トルエンスルホン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩及びトリフルオロ酢酸塩である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
特に明記しない限りは、明細書及び特許請求の範囲で使用する次の用語は、以下に記載の意味を有する。
【0027】
「アルキル」とは、飽和脂肪族炭化水素基、例えばC−C20直鎖及び分岐鎖基を指す。好ましくは、アルキル基は、1〜10個の炭素原子を有する中間サイズのアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、ペンチルなどである。さらに好ましくは、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する低級アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、又はtert−ブチルなどである。アルキル基は、置換されていてもよいし又は非置換であってもよい。置換される場合には、置換基は、独立して、ハロ、ヒドロキシル、低級アルコキシル、アリール、アリールオキシル、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、C(O)R及びC(O)NRであるのが好ましい。
【0028】
「シクロアルキル」とは、全体が炭素からなる3〜8員単環式環、全体が炭素素からなる5員/6員又は6員/6員縮合二環式環を指すか、あるいは多重縮合環(「縮合」環系とは、その系のそれぞれの環が炭素原子と系内のその他の環との隣り合った対を共有することを意味する)であって1個又はそれ以上の環が1個又はそれ以上の二重結合を含有していてもよいが、環のいずれも完全に共役したπ電子系を有していない多重縮合環基を指す。シクロアルキル基の例は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサン、シクロヘキサジエン、アダマンタン、シクロヘプタン、シクロヘプタトリエンなどである。シクロアルキル基は、置換されていてもよいし又は非置換であってもよい。置換される場合には、置換基は、低級アルキル、トリハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシル、アリール(場合により、それぞれ独立してハロ、ヒドロキシ、低級アルキル又は低級アルコキシル基である1個又はそれ以上の基で置換されていてもよい)、アリールオキシル(場合により、それぞれ独立してハロ、ヒドロキシ、低級アルキル又は低級アルコキシル基である1個又はそれ以上の基で置換されていてもよい)、6員ヘテロアリール(環上に1〜3個の窒素原子を有し、環上の炭素は、場合により、それぞれ独立してハロ、ヒドロキシ、低級アルキル又は低級アルコキシル基である1個又はそれ以上の基で置換されていてもよい)、5員ヘテロアリール(窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1〜3個の異種原子を有し、この基の炭素原子及び窒素原子は、場合により、それぞれ独立してハロ、ヒドロキシ、低級アルキル又は低級アルコキシル基である1個又はそれ以上の基で置換されていてもよい)、5員又は6員ヘテロシクロアルキル(窒素、酸素及び硫黄からなる群から選択される1〜3個の異種原子を有し、この基の炭素原子及び窒素原子(存在する場合)は、場合により、それぞれ独立してハロ、ヒドロキシ、低級アルキル又は低級アルコキシル基である1個又はそれ以上の基で置換されていてもよい)、メルカプト、(低級アルキル)チオ、アリールチオ(場合により、それぞれ独立してハロ、ヒドロキシ、低級アルキル又は低級アルコキシル基である1個又はそれ以上の基で置換されていてもよい)、シアノ、アシル、チオアシル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、ニトロ、N−スルホンアミド、S−スルホンアミド、C(O)R、C(O)NR及びC(O)OR3からなる群から独立して選択される1つ又はそれ以上であることが
好ましい。
【0029】
「アルケニル」とは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する前記で定義したようなアルキル基を指す。代表的な例としては、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−、2−、3−ブテニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
「アルキニル」とは、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する前記で定義したようなアルキル基を指す。代表的な例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−、2−、3−ブチニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
「アリール」とは、少なくとも1個の芳香族環を有する基、すなわち共役π電子系を有する基、例えば全部が炭素からなる環式アリール、ヘテロアリール及びビアリール基を指す。前記アリール基は、場合により、ハロ、トリハロメチル、ヒドロキシ、SR、ニトロ、シアノ、アルコキシル及びアルキルからなる群からそれぞれ独立して選択される1つ又はそれ以上の基で置換されていてもよい。
【0032】
「ヘテロアリール」とは、環原子としてN、O及びSからなる群から選択される1〜3個の異種原子を有し、残りの還原子がCであるアリールを指す。前記の環は、5員又は6員環である。ヘテロアリール基の例としては、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N−アルキルピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリルなどが挙げられる。
【0033】
「ヘテロシクロアルキル」とは、5〜9個の環原子からなる単環式基又は縮合環基であって、その1個又は2個の環異種原子がN、O及びS(O)n(nは0〜2の整数である)からなる群から選択され、残りの環原子がCである5〜9個の環原子からなり、さらに、環が1個又はそれ以上の二重結合を有していていもよいが、完全に共役したπ電子系を有していないものである5〜9個の環原子からなる単環式基又は縮合環基を指す。非置換ヘテロシクロアルキルとしては、ピロリジル、ピペリジン下位塩基、ピペラジン下位塩基、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモピペラジニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルは、置換されていてもよいし又は非置換であってもよい。置換される場合には、置換基は、それぞれ独立して低級アルキル、トリハロアルキル、ハロ、ヒドロキシ、低級アルコキシ、シアノ及びアシルからなる群から選択される1個又はそれ以上の基であることが好ましく、1個、2個又は3個の基であることがさらに好ましく、1個又は2個の基であることがさらにより好ましい。好ましくは、ヘテロシクロアルキルは、場合により、ハロ、低級アルキル、トリハロアルキル、ヒドロキシ、メルカプト、シアノ、N−アミド、及びカルボキシからなる群から独立して選択される1個又は2個の基で置換されていてもよい。
【0034】
「ヒドロキシ」とは、−OH基を指す。
【0035】
「アルコキシル」とは、−O−(アルキル)基及び−O−(非置換シクロアルキル)基の両方を指す。代表的な例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
「ハロアルコキシ」とは、−O−(ハロアルキル)を指す。代表的な例としては、例えば、トリフルオロメトキシ、トリブロモメトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0037】
「アリールオキシル」とは、アリール及びヘテロアリールが上記で定義した通りである−O−アリール基及び−O−ヘテロアリール基の両方を指す。代表的な例としては、例えば、フェノキシ、ピリジニルオキシ、フラニルオキシ、チエニルオキシ、ピリミジニルオキシ、ピラジニルオキシなど及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
「メルカプト」とは、−SH基を指す。
【0039】
「アルキルチオ」とは、−S−(アルキル)基及び−S−(非置換シクロアルキル)基を指す。代表的な例としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
「アリールチオ」とは、アリール及びヘテロアリールが上記で定義した通りであるS−アリール基及び−S−ヘテロアリール基を指す。代表的な例としては、例えば、フェニルチオ、ピリジニルチオ、フラニルチオ、チエニルチオ、ピリミジニルチオなど及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0041】
「アシル」とは、−C(O)−R″基を指し、この場合のR″は、水素、低級アルキル、トリハロメチル、非置換シクロアルキル、アリール(場合により、低級アルキル基、トリハロメチル基、低級アルコキシル基及びハロ基からなる群から選択される1個又はそれ以上の置換基、好ましくは1個、2個又は3個の置換基で置換されていてもよい)、ヘテロアリール(環炭素を介して結合される)(場合により、低級アルキル基、トリハロアルキル基、低級アルコキシル基及びハロ基からなる群から選択される1個又はそれ以上の置換基、好ましくは1個、2個又は3個の置換基で置換されていてもよい)、及びヘテロ脂環式基(環炭素を介して結合される)(場合により、低級アルキル基、トリハロアルキル基、低級アルコキシル基及びハロ基からなる群から選択される1個又はそれ以上の置換基、好ましくは1個、2個又は3個の置換基で置換されていてもよい)からなる群から選択される。代表的なアシル基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、ベンゾイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
「チオアシル」とは、−C(S)−R″基(式中、R″は上記で定義した通りである)
を指す。
【0043】
「アセチル」とは、−C(O)CH基を指す。
【0044】
「ハロ」とは、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨード、好ましくはフルオロ又はクロロを指す。
【0045】
「トリフルオロメチル」とは、−CF基を指す。
【0046】
「シアノ」とは、−C≡N基を指す。
【0047】
「アミノ」とは、−NH基を指す。
【0048】
「カルボン酸」とは、−COOH基を指す。
【0049】
「カルボン酸エステル」とは、−COOR基(式中、Rはアルキル又はシクロアルキルである)を指す。
【0050】
「ヒドロキシルアルキル」とは、−(CH2)rNH基(式中、rは1〜4の整数である)を指す。
【0051】
「任意の」又は「場合により」とは、後に記載の事象又は状況が生じてもよいし又は生じなくてもよいことを意味し、また記載が前記の事象又は状況が生じてもよいし又は生じなくてもよい場合を包含することをする。例えば、「場合によりアルキル基で置換されていてもよい複素環基」とは、アルキルが存在していてもよいし又は存在しなくてもよいことを意味し、また記載が、前記複素環基がアルキル基で置換されている状況及びヘテロシクロ基がアルキル基で置換されていない状況を包含することを意味する。
【0052】
「医薬組成物」とは、本明細書に記載の化合物又はその生理学的に/製薬学的に許容し得る塩又はプロドラッグの1つ又はそれ以上と、その他の化学成分、例えば生理学的に/製薬学的に許容し得る担体及び賦形剤との混合物を指す。医薬組成物の目的は、生体に対する化合物の投与を促進することにある。
【0053】
発明の化合物の合成方法
発明の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決策を適用する:
本発明の式(IB)の化合物又は製薬学的に許容し得る塩の製造方法であって、
【0054】
【化28】

出発原料5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルを、氷水浴中、ジクロロメタンの溶媒中でトリフルオロ酢酸と反応させてヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタートを得る工程と、ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタートを、塩基の存在下でアシルクロリド又はエステルと反応させて式(ID)の化合物を得る工程と、式(ID)の化合物を、当量の種々のアミン、置換した水素化ホウ素ナトリウム及びトリエチルアミンのような塩基と、メタノール又はエタノールの溶媒中で室温で反応させて、式(IB)の化合物を得る工程と
【化29】

tert-ブトキシドカリウムとヨウ化メチルトリフェニルホスホニウムのトルエンの溶液を加熱し、式(ID)の中間体を加えて、室温で反応させて、アザビシクロ アルケニル化合物を得る工程と、アザビシクロ アルケニル化合物をシクロロメタンのような溶媒で過塩素酸銀の存在下室温でシアン化トリメチルシリルと反応させてアザビシクロ シアノ化合物を得る工程と、アザビシクロ シアノ化合物をエタノールのような溶媒で室温で塩酸のようなな酸と反応させてアザビシクロ アミン化合物を得る工程と、アザビシクロ アミン化合物をN,N−ジメチルフルムアミドのようなアルカリ性溶媒の存在下でハロ置換の化合物と反応させて式(IB)の化合物を得る工程と
【化30】

式(ID)の中間体をエチエン グリコール ジメチル エーテルのような溶媒でイソシアン化トシルメチルと反応させてアザビシクロ シアノ化合物を得る工程と、アザビシクロ シアノ化合物をテトラヒドロフランのような溶媒でヘキサメチルジシラジドリチウムと反応させてR置換のアザビシクロ シアノ化合物を得る工程と、酸の存在下R置換のアザビシクロ シアノ化合物を加水分解し、R置換のアザビシクロ カルボキシル化合物を得る工程又はR置換のアザビシクロ シアノ化合物をシクロロメタンの溶媒で氷水浴で冷却しながらDIBAL−Hのような還元剤と反応させてアルデヒート化合物を得て、アルデヒート化合物をテトラヒドロフラン/水の混合溶媒で氷水浴で冷却しながら、燐酸二水素ナトリウム、亜塩素酸ナトリウムおよび2−メチルー2−ブテンと反応させてR置換のアザビシクロ カルボキシル化合物を得る工程と、R置換のアザビシクロ カルボキシル化合物をトリエチルアミンのような塩基の存在下、クロロギ酸エチルと反応させてアザビシクロ アジド化合物を含む工程、アザビシクロ アジド化合物をトルエンのような溶媒で酸性溶液で加熱撹拌し、反応液のpHを塩基性まで中和し、R置換のアザビシクロ アミン化合物を得る工程と、R置換のアザビシクロ アミン化合物をN,N−ジメチルフルムアミドのようなアルカリ性溶媒の存在下でハロ置換の化合物と反応させて式(IB)の化合物を得る工程と、
【化31】

式(ID)の中間体をテトラヒドロフナンのような溶媒で氷水浴で冷やしながら、水素化トリ-tert-ブトキシアルミニウム
リチウムのような還元剤と反応させてアザビシクロ ヒドロキシ化合物を得る工程と、アザビシクロ ヒドロキシ化合物をジクロロメタンのような溶媒でトリメチルアミンのような塩基および塩化メチルスルホニルと反応させてアザビシクロ メチル スルフォン酸化合物を得る工程と、アザビシクロ メチル スルフォン酸化合物およびフタルイミド カリウムをN,N-ジメチルホルムアミドのような塩基の存在下で加熱してフタルイミド置換のアザビシクロ化合物を得る工程と、
フタルイミド置換のアザビシクロ化合物およびヒドラジンをエタノールのような溶媒で加熱してアザビシクロアミン化合物を得る工程と、アザビシクロアミン化合物およびハロゲン化合物をジクロロメタンのような溶媒で加熱して式(IC)の化合物を得る工程とを含む式(IC)の化合物の製造方法。 精製した式(IB)及び式(IC)の化合物をさらにメタノール、ジクロロメタン又はエチル アセテートの溶媒で酸と反応させて酸の附加塩を得ることができる。
【0055】
本発明は、治療有効量の式(I)を有する化合物又は塩と、製薬学的に許容し得る担体とを含有してなる医薬組成物に関するか、又は本発明は、ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤としての医薬の製造における前記化合物又は塩の使用に関する。言い換えれば、本発明はまた、治療有効量の上記化合物を含有してなる組成物、及びジペプチジルペプチダーゼ阻害剤としての医薬の製造における前記化合物の使用を提供する。
【0056】
具体的な実施方法
以下の実施例は、本発明を例証するのに役立つが、実施例は発明の範囲を限定するとみなされるべきではない。
【実施例】
【0057】
化合物の構造決定は、NMR及びMSで確認した。NMRの化学シフトは、ppm(1
0−6)で示した。NMRは、Bruker AVANCE−400装置で測定した。溶媒は、重水素化クロロホルム(CDCl)及び重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d)であり、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として使用した。化学シフトは、ppm(10−6)で示した。
【0058】
MSは、FINNIGAN LCQ Ad(ESI)質量分光計で測定した。
【0059】
キナーゼ及びIC50の阻害率の平均は、NovoStar ELIASA(BMG
Co.German)で測定した。
【0060】
薄層シリカゲルは、yantai huanghai HSGF2S4又はqingdao GF254シリカゲルプレートであった。
【0061】
カラムクロマトグラフィーは、一般にyantai huanghai 200−300メッシュシリカゲルを担体として使用した。
【0062】
DMSO−d:重水素化ジメチルスルホキシド
CDCl:重水素化クロロホルム
【実施例1】
【0063】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド塩酸塩
【化32】

【0064】
【化33】

[2−(2−カルバモイル−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル1bの製造
N−tert−ブチルオキシカルボニルグリシン1a(5g、28.56ミリモル)及びL−プロリンアミド(3.25g、28.50ミリモル)を、75mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、得られた溶液を0℃(摂氏温度)に冷却し、次いで1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(11.8g、87.3ミリモル)、N−エチル−N’−(ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド(11.3g、59ミリモル)及びトリエチルアミン(12.1mL、87.3ミリモル)を攪拌しながら加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温まで上昇させ、一夜攪拌した。薄層クロマトグラフィーが出発原料が消失したことを示した後に、N,N−ジメチルホルムアミドを50℃以下で蒸発させ、反応溶液を酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を50mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、酢酸エチルを用いて再結晶により精製して、表題化合物[2−(2−カルバモイル−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル1b(7.42g、収率95.8%)を白色粉末として得た。
MSm/z(ESI):272.1(M+1)
【0065】
[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル1cの製造
窒素雰囲気下の乾燥三つ口フラスコに、286mLのピリジン、[2−(2−カルバモイル−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル1b(13.5g、49.8ミリモル)及びイミダゾール(7.11g、104.6ミリモル)を連続的に加えた。この反応系を−35℃に冷却し、次いでこの溶液に攪拌しながらオキシ塩化リン(19mL、204.2ミリモル)を滴加した。−35℃で1時間攪拌した後に、反応混合物を室温まで上昇させ、さらに0.5時間攪拌した。ピリジンを低い温度下で蒸発させ、反応混合物を水で希釈し、次いで酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を50mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル1c(10.7g、収率84.9%)を白色粉末として得た。
MSm/z(ESI):254.3(M+1)
【0066】
1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1dの製造
[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル1c(13.7g.54.2ミリモル)を、140mLのエーテルと40mLの水との溶媒混合物に溶解し、次いで得られた溶液に37%塩酸(90mL)を滴加した。滴加の完了時に、反応混合物を氷水浴中で1時間攪拌し、溶媒を蒸発させ、残留物にエーテルを加え、遠心分離して1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1d(10g、収率98%)を白色粉末として得た。
MSm/z(ESI):154.4(M+1)
【0067】
ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1fの製造
5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル1c(0.32g、1.42ミリモル)を10mLのジクロロメタンに溶解し、次いで得られた溶液にトリフルオロ酢酸(3.27mL、42.7ミリモル)を氷水浴中で加えた。添加の完了時に、反応混合物を0℃で30分間攪拌し、次いで溶媒を蒸発乾固して表題化合物ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1fを得、これを次の反応に直接に使用した。
MSm/z(ESI):126.4(M+1)
【0068】
5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド1gの製造
上記で得られたヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1fの粗生成物を15mLのアセトニトリルに溶解し、得られた溶液に炭酸カリウム(0.24g、1.71ミリモル)を氷水浴中で加え、次いでN,N−ジメチルカルバミン酸クロリド(0.14mL、1.56ミリモル)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温まで上昇させ、2時間攪拌し、溶媒を蒸発させ、次いで残留物に50mLの水を加えた。得られた混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド1g(0.19g、収率68.3%)を淡黄色油状物として得た。
MSm/z(ESI):197.4(M+1)
【0069】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド1hの製造
1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1d(0.36g、1.91ミリモル)を20mLのメタノールに溶解し、次いで得られた溶液に、5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド1g(0.25g、1.28ミリモル)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.22g、5.74ミリモル)を攪拌しながら加えた。室温で3時間攪拌した後に、得られた混合物を濃縮し、次いで得られた混合物に20mLの飽和炭酸ナトリウム溶液を加えた。反応混合物をジクロロメタン(20mL×10)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド1h(0.3mg、収率53%)を白色粉末として得た。
MSm/z(ESI):334.5(M+1)
【0070】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド塩酸塩1の製造
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド1h(200mg、0.687ミリモル)を10mLのジクロロメタンに溶解し、次いで得られた溶液に、2mLのエーテルに溶解した0.5N塩酸の溶液を氷水浴中で加えた。溶媒を蒸発乾固し、次いで残留物に10mLのエーテルを加えた。生成した沈殿物を遠心分離して、表題化合物シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド塩酸塩1(180mg、収率80%)を白色粉末として得た。
HNMR(CDOD、400MHz)δ4.82(dd,1H、J1=4Hz、J2=5.2Hz),4.02(dd,2H,J1=J2=16.4Hz),3.62−3.25(m,7H),2.76(s,6H),2.51−1.49(m,10H)。
【実施例2】
【0071】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩、
【化34】

【0072】
【化35】

5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸メチルエステル2aの製造
ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1f(0.559g、2.34ミリモル)を20mLのアセトニトリルに溶解し、次いで得られた溶液に、氷水浴中で、炭酸カリウム(0.646g、4.68ミリモル)とクロロギ酸メチル(0.22mL、2.8ミリモル)を連続的に加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温まで上昇させ、一夜攪拌した。溶媒を蒸発させ、次いで残留物に50mLの水を加えた。混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水及び50mLの水で連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸メチルエステル2a(0.25g、収率58.4%)を無色油状物として得た。
MSm/z(ESI):184(M+1)
【0073】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸メチルエステル2bの製造
1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1d(0.43g、2.29ミリモル)を20mLのメタノールに溶解し、次いで得られた溶液に、攪拌しながら、5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸メチルエステル2a(0.28g、1.53ミリモル)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.46g、6.88ミリモル)を加えた。室温で3時間攪拌した後に、反応混合物を濃縮し、次いで得られた混合物に飽和炭酸ナトリウム溶液(20mL)を加えた。反応混合物をジクロロメタン(20mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、10mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸メチルエステル2b(0.22g、収率41%)を白色粉末として得た。
MSm/z(ESI):357(M+1)
【0074】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩2の製造
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸メチルエステル2b(200mg、0.687ミリモル)を10mLのエーテルに分散させ、次いで得られた溶液に、2mLのエーテルに溶解した0.5N塩酸の溶液を氷水浴中で加えた。沈殿物を遠心分離して、表題化合物シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩2(200mg)を白色粉末として得た。
HNMR(CDOD、400MHz)δ4.71(m,1H),3.93(m,2H),3.59−3.28(m,10H),2.64(m,2H),2.34(m,2H),2.17(m,2H),2.08(m,2H)。
【実施例3】
【0075】
シス−1−{2−[2−(2−ヒドロキシ−アセチル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩
【化36】

【0076】
【化37】

2−(2−ヒドロキシ−アセチル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン3aの製造
ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1f(764.8mg、3.2ミリモル)と2−ヒドロキシ酢酸(267.5mg、3.52ミリモル)とを10mLのアセトニトリルに溶解し、次いで得られた溶液に、氷水浴中で、ヒドロキシ酢酸(1.3g、9.6ミリモル)、1−エチル−3−ジメチルアミノプロピル−カルボジイミド塩酸塩(1.23g、6.4ミリモル)及びトリエチルアミン(1.3mL、9.6ミリモル)を加えた。次いで、氷水浴を取り去り、反応混合物を25℃で一夜攪拌した。溶媒を蒸発させ、次いで残留物に20mLの酢酸エチルを加えた。混合物を濾過し、濾液を20mLの水で洗浄した。一緒にした有機抽出液を、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物2−(2−ヒドロキシ−アセチル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン3a(0.375g、収率64%)を無色油状物として得た。
MSm/z(ESI):184(M+1)
【0077】
シス−1−{2−[2−(2−ヒドロキシ−アセチル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル3bの製造
2−(2−ヒドロキシ−アセチル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン3a(0.375g、2.05ミリモル)と1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1d(0.78g、4.1ミリモル)とを、5mLのメタノールと10mLのテトラヒドロフランとの溶媒混合物に溶解した。反応混合物を室温で0.5時間攪拌し、次いで得られた混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.87g、4.1ミリモル)を加え、混合物を室温で一夜攪拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、次いで得られた混合物にメタノール(50mL)と炭酸カリウム(2g、7ミリモル)を加えた。0.5時間攪拌した後に、混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物シス−1−{2−[2−(2−ヒドロキシ−アセチル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル3bを得、これを次の反応に直接に使用した。
MSm/z(ESI):357(M+1)
【0078】
シス−1−{2−[2−(2−ヒドロキシ−アセチル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ)−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩3の製造
シス−1−{2−[2−(2−ヒドロキシ−アセチル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル3bを10mLのエーテルに分散させ、次いで得られた溶液に、氷水浴中で、2mLのエーテルに溶解した0.5N塩酸の溶液を加えた。沈殿物を遠心分離して、表題化合物シス−1−{2−[2−(2−ヒドロキシ−アセチル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ)−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩3(100mg)を白色粉末として得た。
【実施例4】
【0079】
シス−1−{2−[2−(ピペリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩
【化38】

【0080】
【化39】

2−(ピペリジン−1−カルボニル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン4aの製造
ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1f(478mg、2ミリモル)を20mLのジクロロメタンに溶解し、次いで得られた溶液に1−メチル−3−(ピペリジン−1−カルボニル)−1H−イミダゾール−3−イウムヨージド(0.96g、3ミリモル)とトリエチルアミン(0.84mL、6ミリモル)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温で一夜攪拌し、次いで得られた混合物に20mLの水を加えて反応を停止させ、混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、10%クエン酸溶液(50mL)及び50mLの飽和食塩水で連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物2−(ピペリジン−1−カルボニル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン4a(0.41g、収率87%)を無色油状物として得た。
MSm/z(ESI):237(M+1)
【0081】
シス−1−{2−[2−(ピペリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル4bの製造
2−(ピペリジン−1−カルボニル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン4a(0.41g、1.74ミリモル)と1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1d(0.5g、2.6ミリモル)とを50mLのテトラヒドロフランに溶解し、次いで得られた溶液に硫酸ナトリウム(5g)と酢酸(0.05mL)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温で0.5時間攪拌し、次いでこの混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.1g、5.2ミリモル)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いでこの混合物に飽和炭酸ナトリウム溶液(50mL)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水及び50mLの水で連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物シス−1−{2−[2−(ピペリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル4bを得、これを次の反応に直接に使用した。
MSm/z(ESI):410(M+1)
【0082】
シス−1−{2−[2−(ピペリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩4の製造
シス−1−{2−[2−(ピペリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル4bを10mLのエーテルに分散させ、次いで得られた溶液に、氷水浴中で、2mLのエーテルに溶解した0.5N塩酸の溶液を加えた。沈殿物を遠心分離して、表題化合物シス−1−{2−[2−(ピペリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩4(0.16g)を白色粉末として得た。
HNMR(CDOD、400MHz)δ4.83(dd,1H,J1=3.0Hz,
J2=5.8Hz),4.09(dd,2H,J1=J2=13.1Hz),3.70−3.30(m,10H),2.72(m,2H),2.47(m,2H),2.31−2.00(m,5H),1.66−1.52(m,8H)。
【実施例5】
【0083】
シス−1−[2−(2−アセチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩
【化40】

【0084】
【化41】

2−アセチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン5aの製造
ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1f(717mg、3ミリモル)を20mLのアセトニトリルに溶解し、次いでこの溶液に、氷水浴中で、無水酢酸(0.42mL、4.5ミリモル)とトリエチルアミン(0.98mL、9ミリモル)を加えた。次いで、添加の完了時に、反応混合物を氷水浴中で一夜攪拌した。溶媒を蒸発させ、次いで残留物に水(50mL)を加えた。混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物2−アセチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン5a(0.36g、収率72%)を無色油状物として得た。
MSm/z(ESI):168.4(M+1)
【0085】
シス−1−[2−(2−アセチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボニトリル5bの製造
2−アセチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン5a(0.36g、2.15ミリモル)と1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1d(0.614g、3.23ミリモル)を、50mLのテトラヒドロフランに溶解し、次いでこの溶液に硫酸ナトリウム(5g)と酢酸(0.05mL)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温で0.5時間攪拌し、次いでこの混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.37g、6.46ミリモル)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、次いでこの混合物に飽和炭酸ナトリウム溶液(50mL)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水及び50mLの水で連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物シス−1−[2−(2−アセチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボニトリル5bを得、これを次の反応に直接に使用した。
MSm/z(ESI):305.5(M+1)
【0086】
シス−1−[2−(2−アセチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩5の製造
得られたシス−1−[2−(2−アセチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボニトリル5bを20mLのエーテルに分散させ、次いでこの溶液に、氷水浴中で、4mLのエーテルに溶解した0.5N塩酸の溶液を加えた。沈殿物を遠心分離して、表題化合物シス−1−[2−(2−アセチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ)−アセチル]−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩5(0.23g)を白色粉末として得た。
HNMR(CDOD、400MHz)δ4.71(m,1H),3.92(m,2H),3.69−3.37(m,7H),2.69(m,2H),2.33(m,2H),
2,13(m,2H),2.04−2.00(m,5H),1.48(m,2H)。
【実施例6】
【0087】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸イソプロピルアミド塩酸塩
【化42】

【0088】
【化43】

5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸イソプロピルアミド6aの製造
ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1f(717mg、3ミリモル)を20mLのジクロロメタンに溶解し、次いでこの溶液に、氷水浴中で、2−イソシアナトプロパン(9mL、9ミリモル)とトリエチルアミン(1.7mL、12ミリモル)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温で一夜攪拌し、次いでこの混合物に水(50mL)を加えた。混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、10%クエン酸溶液(50mL)及び50mLの飽和食塩水で連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸イソプロピルアミド6a(0.3g、収率47.6%)を無色油状物として得た。
MSm/z(ESI):211(M+1)
【0089】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸イソプロピルアミド6bの製造
5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸イソプロピルアミド6a(0.3g、1.43ミリモル)と(s)−1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1d(0.407g、2.14ミリモル)とを、50mLのテトラヒドロフランに溶解し、次いでこの溶液に硫酸ナトリウム(5g)と酢酸(0.05mL)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温で0.5時間攪拌し、次いでこの混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.9g、4.3ミリモル)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、次いでこの混合物に飽和炭酸ナトリウム溶液(50mL)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水及び50mLの水で連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸イソプロピルアミド6bを得、これを次の反応に直接に使用した。
MSm/z(ESI):384(M+1)
【0090】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸イソプロピルアミド塩酸塩6の製造
得られたシス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸イソプロピルアミド6bを10mLのエーテルに分散させ、次いでこの溶液に、氷水浴中で、2mLのエーテルに溶解した0.5N塩酸の溶液を加えた。沈殿物を遠心分離して、表題化合物シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸イソプロピルアミド塩酸塩6(80mg)を白色粉末として得た。
HNMR(CDOD、400MHz)δ4.70(m,1H),3.92(m,2H),3.76−3.32(m,8H),2.63−1.41(m,10H),1.01(d,6H,J=6Hz)。
【実施例7】
【0091】
シス−1−{2−[2−(モルホリン−4−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩
【化44】

【0092】
【化45】

2−(モルホリン−4−カルボニル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン7aの製造
ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1f(574mg、2.4ミリモル)を20mLのアセトニトリルに攪拌しながら溶解し、次いでこの溶液に、氷水浴中で、炭酸カリウム(0.397g、2.88ミリモル)を加え、次いでモルホリン−4−カルボニルクロリド(0.323mL、2,64ミリモル)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を氷水浴中で一夜攪拌し、次いで溶媒を蒸発させ、残留物に水(50mL)を加えた。混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物2−(モルホリン−4−カルボニル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン7a(0.572g、収率77.3%)を無色油状物として得た。
MSm/z(ESI):239(M+1)
【0093】
シス−1−{2−[2−(モルホリン−4−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル7bの製造
2−(モルホリン−4−カルボニル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン7a(0.64g、2,69ミリモル)と1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1d(0.764g、4.03ミリモル)とを、50mLのテトラヒドロフランに溶解し、この溶液に硫酸ナトリウム(5g)と酢酸(0.05mL)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温で0.5時間攪拌し、次いでこの混合物にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.71g、8.07ミリモル)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで残留物に飽和炭酸ナトリウム溶液(50mL)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水及び50mLの水で連続的に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物シス−1−{2−[2−(モルホリン−4−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル7bを得、これを次の反応に直接に使用した。
MSm/z(ESI):376.7(M+1)
【0094】
シス−1−{2−[2−(モルホリン−4−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩7の製造
得られたシス−1−{2−[2−(モルホリン−4−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル7bを10mLのエーテルに分散させ、次いでこの溶液に、2mLのエーテルに溶解した0.5N塩酸の溶液を氷水浴中で加えた。沈殿物を遠心分離して、表題化合物シス−1−{2−[2−(モルホリン−4−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩7(30mg、収率3%)を白色粉末として得た。
【実施例8】
【0095】
シス−1−{2−[2−(ピロリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩
【化46】

【0096】
【化47】

2−(ピロリジン−1−カルボニル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン8aの製造
ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタート1f(478mg、2ミリモル)を20mLのジクロロメタンに溶解し、次いでこの溶液に、氷水浴中で、ピロリジン−1−カルボニルクロリド(0.276mL、2.5ミリモル)とトリエチルアミン(0.84mL、6ミリモル)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温で一夜攪拌し、次いでこの溶液に10%クエン酸溶液を加えてpH4に調節した。混合物をジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物2−(ピロリジン−1−カルボニル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン8a(0.26g、収率58.5%)を無色油状物として得た。
MSm/z(ESI):223(M+1)
【0097】
シス−1−{2−[2−(ピロリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル8bの製造
2−(ピロリジン−1−カルボニル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オン8a(0.26g、1.17ミリモル)と1−(2−アミノ−アセチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩1d(0.33g、1.75ミリモル)とを、50mLのテトラヒドロフランに溶解し、次いでこの溶液に硫酸ナトリウム(5g)と酢酸(0.05mL)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を室温で0.5時間攪拌し、この溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.75g、3.5ミリモル)を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。反応混合物を、減圧下で濃縮し、次いでこの混合物に飽和炭酸ナトリウム溶液(50mL)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水及び50mLの水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、シス−1−{2−[2−(ピロリジン−l−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル8bを得、これを次の反応に直接に使用した。
MSm/z(ESI);396(M+l)
【0098】
シス−1−(2−[2−(ピロリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩8の製造
得られたシス−1−{2−[2−(ピロリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル8bを10mLのエーテルに分散させ、次いでこの溶液に、氷水浴中で、2mLのエーテルに溶解した0.5N塩酸の溶液を加えた。沈殿物を遠心分離して、表題化合物シス−1−(2−[2−(ピロリジン−1−カルボニル)−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルアミノ]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩8(90mg)を白色粉末として得た。
HNMR(CDOD、400MHz)δ4.72(m,1H),4.09(m,2H),3.43−3.30(m,11H),2.62(m,2H),2.35(m,2H),2.18(m,2H),2.08(m,2H),1.77(m,4H)
【実施例9】
【0099】
シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]
−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドトリフルタート
【化48】

【0100】
実施例1から得られたシス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド1h(157mg、0.54ミリモル)を10mLのジクロロメタンに分散させ、次いでこの溶液に、氷水浴中で、トリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。反応混合物を0.5時間攪拌した。沈殿物を遠心分離して、表題化合物シス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドトリフルタート9(201mg)を白色粉末として得た。
HNMR(CDCl、400MHz)δ4.74(t,1H,J=5.2Hz),3.98(d,1H,J=15.6Hz),3.79(d,1H,J=15.6Hz),3.57−3.25(m,7H),2.75(s,6H),2.55(m,2H),2.33(m,2H),2.20−2.08(m,4H),1.74(m,2H)
【実施例10】
【0101】
トランス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドトリフルタート
【化49】

【0102】
【化50】

シス−5−ヒドロキシ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10aの製造
窒素雰囲気下の乾燥三つ口フラスコに、5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド1g(1.58g、8.06ミリモル)を30mLのテトラヒドロフランに溶解し、次いで30mLのテトラヒドロフラン中の水素化リチウムトリtert−ブトキシアルミニウム(2.45g、9.6ミリモル)に溶液を−25℃で攪拌しながら滴加した。添加の完了時に、反応混合物を−25℃で2.5時間攪拌し、水を加えて反応を停止させた。混合物に20mLの飽和塩化アンモニウムを加え、次いで反応混合物を室温まで上昇させ、ジクロロメタン(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して表題化合物シス−5−ヒドロキシ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10a(1.27g、収率80%)を無色油状物として得た。
MS(m/z)(ESI):199(M+1)
【0103】
シス−メタンスルホン酸2−ジメチルカルバモイル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルエステル10bの製造
窒素雰囲気下の乾燥一口フラスコに、シス−5−ヒドロキシ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10a(1.69g.8.5ミリモル)を30mLのジクロロメタンに溶解し、次いで氷水中で、トリエチルアミン(1.66mL、14.45ミリモル)とメタンスルホニルクロリドe(2.2g.21.74ミリモル)を連続的に加えた。反応混合物を0.5時間攪拌し、室温まで上昇させ、次いで反応混合物を2時間攪拌し、減圧下で濃縮し、この混合物に水(20mL)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(50mL×6)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物シス−メタンスルホン酸2−ジメチルカルバモイル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルエステル10b(1.94g、収率83%)を白色粉末として得た。
MS(m/z)(ESI):277(M+1)
【0104】
トランス−5−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10cの製造
窒素雰囲気下の乾燥一口フラスコに、シス−メタンスルホン酸2−ジメチルカルバモイル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−イルエステル10b(1g、3.6ミリモル)を20mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、次いでこの溶液にフタルイミドカリウム塩(993mg、5.4ミリモル)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を70℃まで上昇させ、3時間攪拌した。混合物を、減圧下で濃縮し、得られた混合物に水(20mL)を加えた。反応混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。一緒にした有機抽出液を、50mLの飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物トランス−5−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10c(1.06g、収率90%)を白色粉末として得、これを次の反応に直接に使用した。
MS(m/z)(ESI):328(M+1)
【0105】
トランス−5−アミノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10dの製造
一口フラスコに、トランス−5−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イル)−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10c(1g、3.06ミリモル)を20mLの95%エタノールに溶解し、次いでこの溶液にヒドラジン(490mg、15.3ミリモル)を加えた。添加の完了時に、反応混合物を8時間加熱還流し、室温まで冷却し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して白色粉末を得た。メタノール(25mL)を加え、得られた混合物を濾過し、減圧下で濃縮した。残留物を塩基性アルミナカラムクロマトグラフィーで精製して、トランス−5−アミノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10d(290mg、収率48%)を無色油状物として得た。
MS(m/z)(ESI):198(M+1)
【0106】
トランス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドトリフルタート10の製造
一口フラスコに、トランス−1−(2−クロロ−エチル)−ピロリジン−2−カルボニトリル(334mg、1.94ミリモル)を加え、次いで5−アミノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10d(290mg、1.46ミリモル)を20mLのジクロロメタンに溶解した溶液を加えた。添加の完了時に、反応混合物を48時間加熱還流し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、トランス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10eを得た。次いで、トランス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド10eを10mLのジクロロメタンに攪拌しながらに溶解し、次いでこの溶液に氷水浴中でトリフルオロ酢酸(2mL)を加えた。反応混合物を0.5時間攪拌して、表題化合物トランス−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドトリフルタート10(201mg)を白色固体として得た。
MS(m/z)(ESI):334(M+1)
H NMR(CDCl、400MHz)δ4.65(m,1H),3.93(d,1H,J=15.2Hz),3.74(d,1H,J=15.2Hz),3,69−3.19(m,7H),2.77(s,6H),2.18−1.96(m,10H)。
実施例11
【0107】
5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドp−トルエンスルホン酸塩
【化51】

【0108】
【化52】

ステップ1
5−メチレン−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
tert−ブトキサイドカリウム(7.17 g, 0.064 mol)及びヨウ化メチルトリフェニールホスホニウム(25.8
g, 0.064 mol)を窒素環境下で150 mLのトルエンに溶解させた。この反応混合物を加熱し、3時間還流させたのち、室温に冷却させた。それにN,N―ジメチル−5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸1g (5.0 g, 0.0255 mol)のトルエン溶液を添加した。この反応混合物を30分間攪拌し、TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、30 mLの水及び30 mLの飽和食塩水でこの混合物を希釈し、酢酸エチルで抽出(200 mL×4)した。有機の抽出液を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。それをろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色オイルの上記化合物5−メチレン−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11aを得た(4.0 g, 収率:80%)。
MS m/z (ESI): 195.2 [M+1]
【0109】
ステップ2
5−イソシアノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−メチレン−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11a (1.6 g, 8.23 mmol)を攪拌しながら30 mLのジクロロメタンに溶解させ、シアン化トリメチルシリル(4.08 g, 41.2
mmol)及び過塩素酸銀(5.12 g, 24.7 mmol) を窒素環境下で添加した。この反応混合物を室温下で終夜攪拌した。その後一部の反応混合物を飽和した炭酸ナトリウム水溶液で処理した。TLCで反応をモニターし、大部分の原料が残留していたことを確認した。その後、氷―水浴中で冷却しながら20 mLの飽和した炭酸ナトリウム水溶液で混合物を処理した。この反応は発熱した。10分後にこの混合物をろ過し、残渣を除去した。分離した水層を酢酸エチルで抽出(50 mL×4)した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し薄い黄色オイルの上記化合物5−イソシアノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11bを得た(0.33 g, 収率:18.1%)。
GC-MS:
221.1 [M+]
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 3.31 (m, 4H), 2.97 (m,
2H), 2.84 (s, 6H), 2.32 (m, 2H), 1.52 (s, 3H), 1.46 (m, 2H)
【0110】
ステップ3
5−アミノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−イソシアノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11b(0.388 g, 1.75 mmol)のエタノール溶液15 mLに氷水浴で冷却しながら0.38 mLの塩酸(6 N)を添加した。この反応混合物を室温まで加熱し、1.5時間攪拌した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、20 mLの飽和した炭酸ナトリウム水溶液で反応を停止させた。ジクロロメタンで混合物を抽出(50 mL×3)した。有機層を合わせ、蒸発乾固させた。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、黄色オイルの上記化合物5−アミノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11cを得た(0.28 g, 収率:75.7%)。
MS
m/z (ESI): 212.2 [M+1]
【0111】
ステップ4
5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−アミノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11c(200 mg, 0.92 mmol)を8 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、1−(2−クロロ−アセチル)−ピロリジン−2−シアノ(175 mg, 1.02 mmol)を添加した。この反応混合物は室温で終夜反応し、その後、減圧下で濃縮し、N,N-ジメチルホルムアミドを除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11dを得た(0.135 g, 収率:42.3%)。また、5−アミノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11cを回収した(130 mg)。
MS
m/z (ESI): 348.2 [M+1]
【0112】
ステップ5
5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドローシクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドp−トルエンスルホン酸塩の製造
5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11d(20 mg, 0.057 mmol)及びp−トルエンスルホン酸水和物(12 mg, 0.063 mmol)を氷―水浴中冷却しながら2 mLのジクロロメタンに溶解させた。この混合物を同じ温度下で10分間攪拌したのち、氷水浴を撤去した。減圧下で混合物を濃縮し、オイル状物質を得た。これを攪拌しながら5 mLの酢酸エチルで処理し、沈殿を産出させた。これを減圧下でろ過し、白色固体の上記化合物5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドローシクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドp−トルエンスルホン酸塩11を得た(0.026 g, 収率:86.8%)。
MS
m/z (ESI): 348.2 [M+1]
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.68 (d, 2H), 7.17 (d,
2H), 3.72 (m, 1H), 3.68 (m, 1H), 3.58 (m, 1H), 3.30 (m, 4H), 2.98 (s, 2H), 2.81
(s, 6H), 2.55 (m, 2H), 2.22 (m, 4H), 2.05 (m, 2H), 1.62 (m, 2H), 1.56 (s, 3H).
実施例12
【0113】
5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドp−トルエンスルホン酸塩
【化53】

【0114】
【化54】

ステップ1
5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
N,N−ジメチル−5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシアミド1g (12.9
g, 0.066 mol)及び4−トルエンスルホニルメチルイソシアン化物 (14.2 g, 0.0727
mol)を氷―水浴中冷却し、攪拌しながら、240 mLの1,2−ジメトキシエタンに溶解させた。その後、tert−ブトキサイドカリウム(14.8 g, 0.132 mol)のtert−ブタノール溶液を滴加した。その後、氷―水浴を撤去した。反応混合物を室温まで加熱し、終夜反応した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、混合物を100 mLの水及び50 mL飽和食塩水で希釈した。この混合物を酢酸エチルで抽出(200 mL×3)した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過し、減圧下で濃縮させた。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色オイルの上記化合物5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12aを得た(7.0 g, 収率:51%)。
MS
m/z (ESI): 208.1 [M+1]
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 3.5-3.0 (m, 4H), 2.75 (s,
6H), 2.6 (m, 1H), 2.1-1.5 (m, 6H)
【0115】
ステップ2
5−シアノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造

5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12a(4.2 g, 20.2 mmol)及びヨードメタン(11.5 g, 80.8
mmol)を100 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、室温下、窒素環境下でリチウムヘキサメチルジシラジド(80.8 mL, 80.8 mmol)を滴加した。この混合物はMSで原料は消失するまで2時間反応させた。100 mLの水でこの混合物を希釈し、酢酸エチルで抽出(200 mL×3)した。その後、有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。それをろ過し、減圧下で濃縮させ、オイル状の物質を得た。これはTLC上で二つの隣接したスポットを示した。このオイルをシロカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色オイルの上記化合物5−シアノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12bを得た(2.411 g)。
MS
m/z (ESI): 222.2 [M+1]
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 3.44 (m, 2H), 3.3 (m,
2H), 2.85 (s, 6H), 2.77 (m, 2H), 2.06 (m, 2H), 2.00 (m, 2H), 1.36 (s, 3H)
【0116】
ステップ3
2−ジメチルカルバモイル−5−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸の製造
5−シアノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12b(6.99 g, 31.6 mmol)を90 mLの塩酸(36%)に溶解させた。この反応混合物を油浴中50℃まで加熱し、48時間攪拌した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、100 mLの水でこの混合物を希釈し、氷水浴中で冷却しながら、炭酸カリウムで混合物をpH6に調節し、連続的に酢酸エチル(1500 mL×3)及びジクロロメタン(150
mL×3)で抽出した。有機層の抽出物を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。それをろ過し、減圧下で濃縮し、黄色液体の上記化合物2−ジメチルカルバモイル−5−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸12cを得た(7.0 g, 収率:92%)。これを次のステップに直接に用いた。
MS
m/z (ESI): 241.2 [M+1]
【0117】
ステップ4
2−ジメチルカルバモイル−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジドの製造
氷水浴中で冷却しながら、2−ジメチルカルバモイル−5−メチル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸12c(1.0 g, 4.2 mmol)を攪拌しながら25 mLのアセトンに溶解させ、その後、-5℃でトリエチルアミン(463.5 mg, 4.58 mmol)及びクロロギ酸エチル(497 mg , 4.58 mmol)のアセトン溶液10 mLを滴加した。この反応混合物は-5℃で15分間反応した。その後に、アジ化ナトリウム(546 mg, 8.4 mmol)の水溶液10 mLを添加した。その後、-5℃でこの反応混合物を更に30分間攪拌した。25 mLの水で反応を停止させ、酢酸エチルでこの混合物を抽出(50 mL×3)した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。黄色オイルの粗製精製物2−ジメチルカルバモイル−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド12dを得た(700 mg)。
【0118】
ステップ5及びステップ6
2−ジメチルカルバモイル−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド12d(700 mg)を20 mLのトリエンに加え、反応混合物を加熱し、2時間還流させた。トルエンを蒸発させ、(3aS,5r,6aR)5-イソシアナト−5−メチル-N,N,5−トリメチル―ヘキサヒドロ―シクロペンタ[c]ピロール−2(1H)-2−カルボキサミド12eが生成された。氷水浴中で冷却しながら、8 mLの塩酸(8 N)を上記の混合物に添加した。この反応混合物を30分間攪拌した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、氷―水浴中で冷却しながら、3 N水酸化ナトリウム水溶液でこの混合物をpH12以上に調節した。その後、酢酸エチルで抽出(15 mL×3)した。有機抽出物は無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色オイルの上記化合物5−アミノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12fを得た(500 mg)。
MS
m/z (ESI): 212.2 [M+1]
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 3.5-3.0 (m, 4H), 2.72 (s,
6H), 1.7-1.3 (m, 6H), 1.04 (s, 3H)
【0119】
ステップ7
5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−アミノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12f(332 mg, 1.57 mmol)を10 mLのN,N-ジメチルホルムアミド
/ ジクロロメタン混合溶媒(1:1)に溶解させ、その後、1−(2−クロロ−アセチル)−ピロリジン−2−シアノ(217 mg, 1.26 mmol)を添加した。この反応混合物を室温下で終夜反応し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグタフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12gを得た(240 mg, 収率:55%)。
MS
m/z (ESI): 348.2 [M+1]
【0120】
ステップ8
5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドp−トルエンスルホン酸塩の製造
5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12g (150 mg, 0.43 mmol)及びp−トルエンスルホン酸水和物(82 mg, 0.43 mmol)を攪拌しながら4 mLのジクロロメタンに溶解させた。この反応混合物を10分間攪拌し、減圧下で濃縮し、薄い黄色固体の上記化合物5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドp−トルエンスルホン酸塩12を得た(0.022 g, 収率:95.3%)。
MS
m/z (ESI): 348.2 [M+1]
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 4.82 (m, 1H), 3.97 (s,
2H), 3.79 (m, 2H), 3.49 (m, 2H), 3.21 (m, 4H), 2.75 (s, 6H), 2.62 (m, 2H), 2.19
(m, 2H), 1.92-1.61 (m, 3H), 2.06 (m, 3H), 1.2 (s, 3H)
実施例13
【0121】
5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−N,N,5−トリメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシアミド酒石酸塩
【化55】

【0122】
【化56】

ステップ1
(2S,4R)
−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸の製造
L-ヒドロキシプロリン13a
(60 g, 0.458 mol)を750 mLのテトラヒドロフラン / 水の混合溶媒(2:1)に加え、その後、252 mLの水酸化ナトリウム水溶液(10%)及び750 mLのジ−tert−ブチルジカルボン酸塩(136 g, 0.624 mol)のテトラヒドロフラン / 水の混合溶媒(2:1)を添加した。この反応混合物は室温下で終夜反応した。その後、500 mLの酢酸エチルで希釈した。層を分離し、有機層を廃棄した。水層を濃塩酸でpH2に調節した。この混合物を1.5 Lの酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和した食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過し、減圧下で濃縮し、無色オイルの上記化合物(2S,4R) −1−(tert-ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸13bを得た(86.4 g, 収率:80%)。
【0123】
ステップ2
(2S,4R)-tert-ブチル2−カルバモイル−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸塩の製造
(2S,4R) −1−(tert-ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸13b(86.4 g, 0.374 mol)を1.2 Lのテトラヒドロフランに溶解させ、その後、アルゴンガス環境下でトリエチルアミン(41 g, 0.411 mol)を加えた。この反応混合物を-15 ℃まで冷却し、クロロギ酸エチル(43.84 g, 0.411 mol)を添加した。この混合物を10分間攪拌した後、アモニア水(236.8 mL)を添加した。反応混合物を2時間かけて徐々に5 ℃まで加熱した。その後、塩化アモニウム(32 g)を添加した。この反応混合物を30分間攪拌した後、分離させた。その有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、水層を酢酸エチルで抽出(100 mL×2)した。有機層を合わせ、減圧下で濃縮し、白色固体の上記化合物(2S,4R) −tert−ブチル2−カルバモイル−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸塩13cを得た(74 g, 収率:86%)。
【0124】
ステップ3
(2S,4R)-tert-ブチル2−シアノ−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸塩の製造
(2S,4R)-tert-ブチル2−カルバモイル−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸塩13c(74 g, 0.3217 mol)をアルゴンガス環境下で攪拌しながら、740
mLのピリジンに溶解させた。この混合物を-20℃に冷却し、トリフロロ酢酸無水物(169 g, 0.804 mol)を滴加した。その後、反応混合物を室温まで加熱し、TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、水を加え反応を停止させた。0.8 Lの酢酸エチルでこの混合物を希釈した。分離した有機層を500 mLの飽和食塩水で洗浄し、400 mLの濃塩酸で中和し、弱酸性に調節した。得られた混合物を300 mLの水酸化ナトリウム水溶液(2 M)及び500 mLの飽和食塩水で連続に洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、褐色オイルの上記化合物(2S,4R)-tert-ブチル2−シアノ−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸塩13dを得た(49.7 g, 収率:73%)。
【0125】
ステップ4
(2S,4S)-tert−ブチル2−シアノ−4−フロロピロリジン−1−カルボン酸塩の製造
(2S,4R)-tert-ブチル2−シアノ−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボン酸塩13d(49.7 g, 0.2344 mol)をアルゴンガス環境下で攪拌しながら、1130
mLのジクロロメタンに溶解させた。この混合物を-30℃に冷却させた後、三フッ化ジエチルアミノスルフォ(56.7 g, 0.3516 mol)を添加した。45分間攪拌した後、この反応混合物を-5℃まで加熱し、その後、室温で終夜反応した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、飽和した炭酸ナトリウム水溶液で温度が20℃以下に保つような速度で混合物をpH > 7に調節した。その後、氷水及び500 mLのジクロロメタンを添加した。分離した有機層を500 mLの飽和した硫酸水素ナトリウム水溶液及び500 mLの飽和食塩水で連続に洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、38℃以下の減圧下で濃縮し、薄い黄色固体の上記化合物(2S,4S)-tert−ブチル2−シアノ−4−フロロピロリジン−1−カルボン酸塩13eを得た(50 g, 収率:100%)。
【0126】
ステップ5
(2S,4S)−4−フロロピロリジン−2−カルボニトリルの製造
(2S,4S)-tert−ブチル2−シアノ−4−フロロピロリジン−1−カルボン酸塩13e(1 g, 4.6 mmol) をアルゴンガス環境下で攪拌しながら、2 mLの酢酸エチルに溶解させた。この混合物を15℃まで冷却し、その後、2.5 mLの塩酸の1,4−ジオキサン溶液 (3 M)を添加した。この反応混合物を室温で2時間攪拌し、更に25℃で5時間反応した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、この混合物をろ過し、残渣を室温で2時間攪拌し、白い沈殿が生じた。この混合物を再度ろ過し、ろ液を更に2時間攪拌し、ろ過した。残渣を合わせ、白色固体の上記化合物(2S,4S)−4−フロロピロリジン−2−カルボニトリル13fを得た(15.6 g, 収率:76.6%)。
【0127】
ステップ6
(2S,4S)−1−(2−クロロアセチル)−4−フロロピロリジンー2−カルボニトリルの製造
塩化クロロアセチル(11.13 g, 98.5 mmol) をアルゴンガス環境下で攪拌しながら、120 mLのジクロロメタンに溶解させた。それを0℃に冷却し、(2S,4S)−4−フロロピロリジン−2−カルボニトリル13f
(11.4 g, 75.7 mmol) を400 mLのジクロロメタンに溶解させた。その後、トリエチルアミン(16.1 g, 158.97 mmol) を添加した。塩化クロロアセチルのジクロロメタン溶液に上記混合物を30分間内に加えた。この反応混合物を0℃で2時間反応し、200 mLの氷水及び150 mLのジクロロメタンで希釈した。分離した有機層を飽和した硫酸二ナトリウムで中和し、300 mLの水及び300 mLの飽和食塩水で連続に洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、白色結晶の上記化合物(2S,4S)-1-(2-クロロアセチル)−4−フロロピロリジンー2−カルボニトリル13gを得た(8 g, 収率:60%)。
【0128】
ステップ7
5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]-N,N,5−トリメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシアミドの製造
5−アミノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12f (130 mg, 0.616
mmol)、(2S,4S)−1−(2−クロロアセチル)−4−フロロピロリジンー2−カルボニトリル13g (117.4 mg, 0.616 mmol)及びカルボン酸カリウム (85
mg, 0.616 mmol)を攪拌しながら窒素環境下で2 mLのジクロロメタン及び2 mLのN,N-ジメチルホルムアミドの混合溶媒に溶解させた。この反応混合物を室温で終夜反応し、TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、この混合物を減圧下で濃縮し、N,N-ジメチルホルムアミド及びジクロロメタンを除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]-N,N,5−トリメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシアミド13hを得た(0.13 g, 収率:58%)。
【0129】
ステップ8
5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]-N,N,5−トリメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシアミド酒石酸塩の製造
5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ] −N,N,5−トリメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2(1H)−カルボキシアミド13h
(0.16 g, 0.44 mmol) を攪拌しながら、5 mLのジクロロメタンに溶解させた。その後、5 mLの酒石酸(65.6 mg, 0.44 mmol) のアセトン溶液を滴加した。30分間反応し、白い沈殿が生じた。この混合物をろ過し、残渣をアセトンで洗浄し、白色固体の上記化合物5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ] −N,N,5−トリメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシアミド酒石酸塩13を得た(0.18 g, 収率:82%)。
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 5.76 (m, 1H), 5.46 (m,
1H), 5.0 (m, 1H), 4.08-4.05 (m, 4H), 3.97 (m, 2H), 3.69 (m, 2H), 2.73 (s, 6H),
2.61 (m, 2H), 1.87 (m, 3H), 1.57 (m, 3H), 1.18 (s, 3H), 1.9 (m, 2H)
実施例14
【0130】
5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩
【化57】

【0131】
【化58】

ステップ1
5−ベンジル−5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12a(4.0 g, 19.3 mmol) を攪拌しながら、60 mLのテトラヒドロフランに溶解させた。その後、窒素環境下で塩化ベンジル(5.4 g, 42.5 mmol) 及びリチウムヘキサメチルジシラジド(42.5
mL, 42.5 mmol) を添加した。この反応混合物を室温で4時間攪拌し、TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、50 mLの水で反応を停止させた。この混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色固体の上記化合物5−ベンジル−5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14aを得た(2.6 g, 収率:46%)。
【0132】
ステップ2
5−ベンジル−5−ホルミル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−ベンジル−5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14a (2.0 g, 6.7 mmol) を攪拌しながら100 mLのジクロロメタンに溶解させた。これを0℃に冷却し、水酸化ジイソブチルアルミニウム(20.2 mL, 20.2 mmol)を滴加した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、水で反応を停止させた。この混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−ベンジル−5−ホルミル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14bを得た(729 mg, 収率:36%)。
【0133】
ステップ3
5−ベンジル−2−ジメチルカバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸の製造
5−ベンジル−5−ホルミル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14b (0.729 g, 2.43 mmol)を窒素環境下で28 mLのテトラヒドロフラン及び14 mLの水の混合溶媒に溶解させ、その後、0 °Cに冷却し、燐酸二水素ナトリウム2水和物(1.14 g, 7.29 mmol)、亜塩素酸ナトリウム (0.66 g, 7.29 mmol) 及び2−メチル−2−ブテン(0.513 g, 7.32
mmol)を添加した。この反応混合物を0 °Cで2時間攪拌した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−ベンジル−2−ジメチルカバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸14cを得た(0.76 g, 収率:98%)。
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 7.5-7.0 (m, 5H), 3.24 (m,
2H), 3.1 (m, 2H), 2.76 (s, 2H), 2.7 (s, 6H), 2.68 (m, 2H), 1.99-1.55 (m, 4H)
【0134】
ステップ4
5−ベンジル−2−ジメチルカバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジドの製造
5−ベンジル−2−ジメチルカバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸14c (0.86 g, 2.72 mmol)を氷―水浴中で冷却しながら、30 mLのアセトンに溶解させた。この混合物を-5℃に冷却した後、トリエチルアミン(0.303 g, 2.99 mmol)及びクロロギ酸エチル(0.325 g, 2.99 mmol) のアセトン溶液15 mLを連続に滴加した。反応混合物を15分間攪拌した後、アジ化ナトリウム(0.353 g, 5.44 mmol)の水溶液15 mL を滴加した。この反応混合物を更に30分間攪拌した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、減圧下でこの混合物を濃縮し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、薄い黄色オイルの上記化合物5−ベンジル−2−ジメチルカバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド14dを得た(0.9 g, 収率:97%)。
【0135】
ステップ5
5−ベンジル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−ベンジル−2−ジメチルカバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド14d (1.0 g, 2.72 mmol) を攪拌しながら、20 mLのトルエンに溶解させ、この反応混合物を加熱し1.5時間還流させた。溶媒を蒸発させ、粗製精製物として上記化合物5−ベンジル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14eを得た。これを次のステップに直接に用いた。
【0136】
ステップ6
5−アミノ−5−ベンジル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
室温下で12 mLの塩酸溶液(8 N)に上記ステップで得られた5−ベンジル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14e を滴加した。当該反応混合物を30分間攪拌し、4 N 水酸化ナトリウム水溶液でpH 9に調節した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−アミノ−5−ベンジル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14fを得た(0.55 g, 収率:70%)。
【0137】
ステップ7
5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−アミノ−5−ベンジル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14f (0.1 g, 0.35 mmol) を4 mLのジクロロメタン / N,N-ジメチルホルムアミド(V/V=1/1)の混合溶媒に溶解させた。その後、 (2S,4S)−1−(2−クロロアセチル)−4−フロロピロリジン−2−カルボニトリル13g (66.5 mg, 0.35 mmol) 及び炭酸カリウム(49 mg,
0.35 mmol)を添加した。この反応混合物を40℃で12時間反応した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、この混合物を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、白色固体の上記化合物5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14gを得た(87 mg, 収率:56%)。
MS
m/z (ESI): 442.2 [M+1]
【0138】
ステップ8
5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩の製造
5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14g (87 mg, 0.197 mmol) を攪拌しながら、3 mLのジクロロメタンに溶解させた。その後、3 mLの酒石酸のアセトン溶液を滴加した。この反応混合物は室温で30分間反応した後、濃縮した。得られた残渣を酢酸エチル / アセトンの混合溶媒から再結晶し、白色固体の上記化合物5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩14を得た(80 mg, 収率:68%)。
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 7.32-7.2 (m, 5H), 5.55
(d, 1H), 5.41 (d, 1H), 4.97 (m, 1H), 4.31 (s, 2H), 4.08 (m, 1H), 4.0-3.5 (m,
6H), 2.81 (s, 2H), 2.78 (s, 6H), 2.5 (m, 2H), 2.0 (m, 3H), 1.6-1.3 (m, 6H)
実施例15
【0139】
5−シクロヘキシルメチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩
【化59】

【0140】
【化60】

ステップ1
5−シアノ−5−シクロヘキシルメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12a (3.66 g, 17.6 mmol) を攪拌しながら、150 mLのテトラヒドロフランに溶解させた。その後、臭化シクロヘキシメチル(6.2 g, 35.2 mmol) 及びリチウムヘキサメチルジシアジド(35.2
mL, 32.5 mmol)を滴加した。この反応混合物は室温で2時間反応した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、150 mLの飽和した塩化アモニウム水溶液を添加した。この混合物を酢酸エチルで抽出(60
mL×3)した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、黄色固体の上記化合物5−シアノ−5−シクロヘキシルメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド 15aを得た(2.2 g, 収率:41.5%)。
MS
m/z (ESI): 304.5 [M+1]
【0141】
ステップ2
5−シクロヘキシルメチル−5−ホルミル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
氷水浴中で0℃に冷却しながら、5−シアノ−5−シクロヘキシルメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド 15a (1.2 g, 3.95 mmol)を攪拌しながら30 mLのジクロロメタンに溶解させた。その後、水酸化ジイソブチルアルミニウム (11.8 mL, 11.8 mmol)を滴加した。この反応混合物は1時間反応した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、酒石酸ナトリウムカリウムの飽和水溶液を添加した。当該混合物を澄明になるまでに攪拌し、酢酸エチルで抽出 (100 mL×3)した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色オイルの上記化合物5−シクロヘキシルメチル−5−ホルミル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド15bを得た(0.4 g, 収率:33%)。
MS
m/z (ESI): 307.4 [M+1]
【0142】
ステップ3
5−シクロヘキシルメチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸の製造
5−シクロヘキシルメチル−5−ホルミル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド15b (0.713 g, 2.33 mmol)を 60 mL のテトラヒドロフラン及び30 mLの水の混合溶媒に溶解させた。その後、0℃に冷却しながら、燐酸二水素ナトリウム二水和物(1.09 g, 6.99 mmol)、亜塩素酸ナトリウム(0.79 g, 6.99 mmol)及び2−メチル−2−ブテン(0.62 mL,
7.0 mmol)を添加した。この反応混合物は0℃で2時間反応した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、この混合物を濃縮し、テトラヒドロフランを除去し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層の抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、黄色固体の上記化合物5−シクロヘキシルメチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸15cを得た(0.75 g, 収率:100%)。
MS
m/z (ESI): 323.3 [M+1]
【0143】
ステップ4
5−シクロヘキシルメチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジドの製造
氷水浴で冷却しながら、5−シクロヘキシルメチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸15c (0.75 g, 2.33 mmol) を攪拌しながら20 mLのアセトンに溶解させた。その後、トリエチルアミン(0.36 mL, 2.56 mmol) 及び2 mLのクロロギ酸エチル(0.25 mL, 2.56 mmol)のアセトン溶液を滴加した。この反応混合物を15分間攪拌し、2 mLのアジ化ナトリウム(0.303 g, 4.66 mmol) の水溶液を加えた。その後、反応混合物は0℃-5℃で更に30分間反応した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、混合物を濃縮し、アセトンを除去し、10
mLの水で希釈した。この混合物を酢酸エチルで抽出(10 mL×5)した。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、黄色オイルの上記化合物5−シクロヘキシルメチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド15dを得た(0.79 g)。これを次のステップに直接に用いた。
【0144】
ステップ5
5−シクロヘキシルメチル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−シクロヘキシルメチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド15d (0.79 g, 2.27 mmol) を20 mLのトルエンに溶解させ、反応混合物を加熱し1時間還流させた。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、この混合物を濃縮し、灰色固体の上記化合物5−シクロヘキシルメチル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド15eを得た(0.65 g)。これを次のステップに直接に用いた。
MS
m/z (ESI): 320.4 [M+1]
【0145】
ステップ6
5−アミノ−5−シクロヘキシルメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
氷水浴中で冷却しながら、10 mLの塩酸(8 N)を5−シクロヘキシルメチル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド15e (0.65 g, 2.03 mmol)に滴加した。その後、氷水浴を撤去し、反応混合物は50 ℃で20分間反応した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、濃アモニアでこの混合物をpH > 8に調節した。その後、酢酸エチルで抽出(30 mL×5)し、合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過し、減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製した。灰色オイルの上記化合物5−アミノ−5−シクロヘキシルメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド15fを得た(0.5 g, 収率:84%)。
MS
m/z (ESI): 294.3 [M+1]
【0146】
ステップ7
5−シクロヘキシルメチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−シクロヘキシルメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−アミノ−5−シクロヘキシルメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド15f (0.115 g, 0.39 mmol)
を攪拌しながら、10 mLのジクロロメタン / N,N –ジメチルホルムアミドの混合溶媒(V/V=1/1)に溶解させた。その後、1−(2−クロロ−アセチル)−ピロリジン−2−シアノ (54 mg, 0.31 mmol)を添加した。この反応混合物は50℃で2時間反応した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、この混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン及びN,N –ジメチルホしたルムアミドを除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−(シクロヘキシルメチル)−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−シクロヘキシルメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド15gを得た(113 mg, 収率:67%)。
MS
m/z (ESI): 430.5 [M+1]
【0147】
ステップ8
5−シクロヘキシルメチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩の製造
5−(シクロヘキシルメチル)−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−シクロヘキシルメチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド15g (113 mg, 0.263 mmol)
を10 mLの酢酸エチルに溶解させ、2 mLの酒石酸のアセトン溶液を滴加した。この反応混合物を30分間攪拌し、ろ過した。白色固体の上記化合物5−(シクロヘキシルメチル)−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩15を得た(40 mg)。
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 5.2 (m, 1H), 4.77 (s,
2H), 4.18 (m, 3H), 4.02 (m, 1H), 3.63 (m, 2H), 3.32 (m, 2H), 2.73 (s, 6H), 2.58
(m, 2H), 2.16-1.87 (m, 9H), 1.59-1.19 (m, 8H)
実施例16
【0148】
5−シクロペンチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩
【化61】

【0149】
【化62】

ステップ1
5−シアノ−5−シクロペンチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12a を30 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、窒素環境下でヨウド−シクロペンタン (5.4 g, 27.5 mmol)及びリチウムヘキサメチルジシラジド (27.5
mL, 27.5 mmol)を添加した。 反応混合物を室温下で2時間攪拌した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、10 mLの水でこの混合物を希釈した。濃縮し、N,N-ジメチルホルムアミドを除去した。酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色固体の上記化合物5−シアノ−5−シクロペンチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド16aを得た(2.6 g, 収率:42%)。
MS
m/z (ESI): 276.2 [M+1]
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 3.35-3.0 (m, 4H), 2.24
(s, 6H), 1.34-2.5 (m, 15H)
【0150】
ステップ2
5−シクロペンチル−5−ホルミル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−シアノ−5−シクロペンチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド16a (0.817 g, 2.97 mmol)を0℃下で攪拌しながら、40 mL のジクロロメタンに溶解させた。その後、水素化ジイソブチルアルミニウム(8.9 mL, 8.9 mmol)を滴加し、この反応混合物を45分間攪拌した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、混合物を濃縮し、ジクロロメタンを除去した。その残渣を100 mLの飽和した酒石酸カリウム・ナトリム水溶液で希釈した。この混合物を澄明になるまでに攪拌し、酢酸エチルで抽出 (100 mL×4)した。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色オイルの上記化合物5−シクロペンチル−5−ホルミル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド 16bを得た(0.266 g, 収率:32%)。
MS
m/z (ESI): 279.3 [M+1]
【0151】
ステップ3
5−シクロペンチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸の製造
5−シクロペンチル−5−ホルミル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド 16b (0.266 g, 0.955
mmol)を20 mLのテトラヒドロフランと10 mLの水の混合溶媒に溶解させた。その後、0℃で燐酸二水素ナトリウム二水和物(0.448 g, 2.87 mmol)、亜塩素酸ナトリウム (0.26 g, 2.87 mmol) 及び2−メチル−2−ブテン(0.24 mL,
2.88 mmol)を添加した。0℃でこの反応混合物を2時間攪拌した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、混合物を濃縮し、テトラヒドロフランを除去し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、黄色固体の上記化合物5−シクロペンチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸16cを得た(0.28 g, 収率:99.6%)。
MS
m/z (ESI): 295.5 [M+1]
【0152】
ステップ4
5−シクロペンチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジドの製造
5−シクロペンチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸16c (0.28 g, 6.95 mmol)を氷―水浴中で冷却しながら、20 mLのアセトンに溶解させた。その後、0℃ー5℃でトリエチルアミン (0.15 mL, 1.05 mmol)及び2 mLのクロロギ酸エチル(0.1 mL, 1.05 mmol)のアセトン溶液を加えた。15分間攪拌した後、アジ化ナトリウム水溶液 (0.124 g, 1.9 mmol)を滴加した。この反応混合物を更に30分間攪拌した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、この混合物を濃縮し、残渣を10 mLの水で希釈した。この混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。ろ過し、減圧下で濃縮し、黄色オイルの上記化合物5−シクロペンチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド16dを得た(0.287 g, 収率:95%)。これを次のステップに直接に用いた。
【0153】
ステップ5
5−シクロペンチル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−シクロペンチル−2−ジメチルカルバモイル−オクタヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド16d (0.287 g, 0.9 mmol)を攪拌しながら、10 mLのトルエンに溶解させた。この反応混合物を加熱し、1時間還流させた。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、この混合物を濃縮し、上記化合物5−シクロペンチル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド16eを得た。
MS
m/z (ESI): 292.3 [M+1]
【0154】
ステップ6
5−アミノ−5−シクロペンチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
氷水浴中で冷却しながら、10 mLの塩酸(8 N)溶液に先のステップで得られた5−シクロペンチル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド16eを滴加した。その後、氷−水浴を撤去した。この反応混合物は50℃で15分間反応した。 TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、濃アモニアでこの混合物をpH > 8に調節し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、黄色オイルの上記化合物5−アミノ−5−シクロペンチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド16fを得た(0.18 g, 収率:81.8%)。
MS
m/z (ESI): 266.2 [M+1]
【0155】
ステップ7
5−シクロペンチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−アミノ−5−シクロペンチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド16f (0.108 g, 0.407 mmol)及び1−(2−クロロ−アセチル)−ピロリジン−2−シアノ (70 mg, 0.407 mmol)を攪拌しながら、3 mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた。その後、窒素環境下で炭酸カリウム(57 mg,
0.407 mmol)を添加した。油浴で加熱し、この反応混合物を80℃で終夜反応した。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、 混合物を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−シクロペンチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド16gを得た(100 mg, 収率:61.3%)。
MS
m/z (ESI): 402.3 [M+1]
【0156】
ステップ8
5−シクロペンチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドローシクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩の製造
5−シクロペンチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド16g (102 mg, 0.254 mmol)
を2 mLの酢酸エチルに溶解させ、3 mLの酒石酸のアセトン溶液を添加した。この反応混合物を30分間攪拌し、白い沈殿物が生じた。その後、n-ヘキサンを加え、更に攪拌した。この混合物をろ過し、白色固体の上記化合物5−シクロペンチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドローシクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩16を得た(88 mg, 収率:65%)。
実施例17
【0157】
5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩
【化63】

【0158】
【化64】

ステップ1
5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−アミノ−5−ベンジル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド14f (0.1 g, 0.35 mmol)、1−(2−クロロ−アセチル)−ピロリジン−2−シアノ(120.4 mg, 0.7 mmol)及び炭酸カリウム (49 mg, 0.35
mmol)を窒素環境下で3 mLのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、油浴で加熱しながら、80℃で終夜反応させた。TLCで反応をモニターした。原料が消失した後、この混合物を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド17aを得た(56 mg, 収率:40%)。
MS
m/z (ESI): 424.3 [M+1]
【0159】
ステップ2
5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩の製造
5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド17a (56 mg, 0.132 mmol)を攪拌しながら、1 mLの酢酸エチルに溶解させ、その後1 mLの酒石酸のアセトン溶液を添加した。この反応混合物を30分間攪拌し、白い沈殿物が生じた。その後、n-ヘキサンを加え、再度攪拌した。この混合物をろ過し、白色固体の上記化合物5−ベンジル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩17を得た(50 mg, 収率:67%)。
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 7.32-7.19 (m, 5H), 4.78
(m, 1H), 4.23 (s, 2H), 3.8-3.0 (m, 8H), 2.75 (s, 2H), 2.73 (s, 6H), 2.18 (m,
2H), 2.16 (m, 2H), 1.87 (m, 3H), 1.35 (m, 3H)
実施例18
【0160】
5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドp−トルエンスルホン酸塩
【化65】

【0161】
【化66】

ステップ1
5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
窒素環境下で5−アミノ−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド11c (1.3 g, 7.58 mmol)、(2S,4S)−1−(2−クロロアセチル)−4−フロロピロリジン−2−カルボニトリル13g (1.74 g, 9.1 mmol)、炭酸カリウム(1.26 g, 9.1
mmol)、30 mLのN,N−ジメチルホルムアミド及び18 mLのジクロロメタンをフラスコに入れ、油浴で加熱し、30℃で終夜反応した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、この混合物を濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミドを除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、白色固体の上記化合物5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド18aを得た(1.39 g, 収率:50%)。
MS
m/z (ESI): 348.2 [M+1]
【0162】
ステップ2
5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドp−トルエンスルホン酸塩の製造
5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド18a (0.9 g, 2.47 mmol) を室温で攪拌しながら5 mLのジクロロメタンに溶解させた。その後、3 mLのp−トルエンスルホン酸一水和物(469 mg, 2.47 mmol)のアセトン溶液に上記の溶液を加え、白い沈殿物が生じた。この反応混合物を30分間攪拌し、その後、1 mLのn-ヘキサンを加えた。この混合物をろ過し、白色固体の上記化合物5−[2−(2−シアノ−4−フロロ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−メチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドp−トルエンスルホン酸塩18を得た(1.3 g, 収率:93%)。
MS
m/z (ESI): 366.1 [M+1]
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 7.74 (d, 2H), 7.29 (d,
2H), 5.57-5.44 (m, 1H), 5.07 (m, 1H), 4.19-4.07 (m, 4H), 3.49 (m, 2H), 3.35 (m,
2H), 3.0 (m, 2H), 2.9 (s, 6H), 2.6 (m, 2H), 2.39 (m, 5H), 1.57 (m, 2H), 1.34
(s, 3H)
実施例19
【0163】
5−エチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩
【化67】

【0164】
【化68】

ステップ1
5−シアノ−5−エチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−シアノ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド12a (3.0 g, 14.5 mmol)を攪拌しながら、60 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、その後、窒素環境下でエチルヨード(4.52
g, 29 mmol)及びリチウムヘキサメチルジシルアジド(29 mL, 29 mmol)を添加した。この反応混合物は室温で2時間反応した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、この混合物を20 mLの水で希釈し、酢酸エチルで抽出 (200 mL×3)した。合わせた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、オイル状物質を得た。これはTLC上で隣接した二つのスポットを示した。その後、このオイルをシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色固体の上記化合物5−シアノ−5−エチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド19aを得た(1.64 g)。
MS
m/z (ESI): 236.3 [M+1]
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 3.5-3.0 (m, 4H), 2.7 (s,
6H), 1.9-1.2 (m, 8H), 1.19 (m, 3H)
【0165】
ステップ2
5−エチル−5−ホルミル−N,N−ジメチルーヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシアミドの製造
5−シアノ−5−エチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド19a (1.54 g, 6.55 mmol) を60 mLのジクロロメタンに溶解させ、0℃でジイソブチルアルミニウム水和物(19.6 mL, 19.6 mmol)を滴加した。この反応混合物を0℃で30分間攪拌した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、1.5 mLの水で反応を停止させ、無水硫酸マグネシウムでこの混合物を乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。薄い黄色オイルの上記化合物5−エチル−5−ホルミル−N,N−ジメチルーヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボキシアミド19bを得た(0.4 g, 収率:26%)。
MS
m/z (ESI): 239.1 [M+1]
【0166】
ステップ3
5−エチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸の製造
5−エチル−5−ホルミル−N,Nージメチルヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド19b (0.4 g, 1.68 mmol) を18 mLのテトラヒドロフラン及び9 mLの水の混合溶媒に溶解させた。その後、0℃で燐酸二水素ナトリウム二水和物(787 mg, 5.04 mmol)、亜塩素酸ナトリウム(0.454 g, 5.04
mmol)及び2−メチル−2−ブテン(354 mg, 5.06 mmol)を添加した。 窒素環境下0℃で2時間反応した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、この混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合わせて、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。黄色固体の上記化合物5−エチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸19cを得た(0.426
g, 収率:100%)。
MS
m/z (ESI): 255.2 [M+1]
【0167】
ステップ4
5−エチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジドの製造
5−エチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボン酸19c (0.56 g, 2.2 mmol) を氷−水浴で冷却しながら、60 mLのアセトンに溶解させた。-5℃まで冷却し、トリエチルアミン(0.245 mg, 2.43 mmol)及び2 mLのクロロギ酸エチル(263 mg, 2.43 mmol)のアセトン溶液を滴加した。この反応混合物を15分間攪拌し、2 mLのアジ化ナトリウム (0.286 g, 4.4 mmol) の水溶液を添加した。この反応混合物を-5℃ー0℃で更に30分間攪拌した。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、10 mLの水でこの混合物を希釈し、酢酸エチルで抽出(10 mL×5)した。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、薄い黄色オイルの上記化合物5−エチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド 19dを得た(0.5 g)。これを次のステップに直接に用いた。
【0168】
ステップ5
5−エチル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
5−エチル−2−ジメチルカルバモイル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−カルボニルアジド 19d (0.5 g, 1.86
mmol) を30 mLのトルエンに溶解させ、この反応混合物を加熱し2時間還流させた。TLCで反応をモニターし、原料が消失した後、この混合物を濃縮し、上記化合物5−エチル−5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド19eを得た。これを次のステップに直接に用いた。
【0169】
ステップ6
5−アミノ−5−エチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
室温で12 mLの塩酸(8 N)溶液に先のステップにおいて得られた5−エチルー5−イソシアナト−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド19e を加えた。この反応混合物を30分間攪拌し、8 N水酸化ナトリウム水溶液でpH 9-10に調節した。分離した水層をジクロロメタンで抽出(30 mL×5)した。合わせた有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、無色オイルの上記化合物5−アミノ−5−エチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド 19fを得た(0.3 g, 収率:71%)。
MS
m/z (ESI): 226.2 [M+1]
【0170】
ステップ7
5−エチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミドの製造
窒素環境下で、5−アミノ−5−エチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド 19f (0.202 g,
0.897 mmol)、1−(2−クロロ−アセチル)−ピロリジン−2−シアノ (185 mg, 1.07 mmol)、炭酸カリウム (148 mg, 1.07
mmol)及び9 mLのN,N−ジメチルホルムアミド / ジクロロメタン の混合溶媒(V/V=1/1)をフラスコに入れた。この反応混合物を60℃で2時間反応した。TLCで反応をモニターし、原料は消失した後、この混合物を減圧下で濃縮し、N,N−ジメチルホルムアミドを除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムのクロマトグラフィで精製し、薄い黄色オイルの上記化合物5−エチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−エチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド19gを得た(120 mg, 収率:40%)。
MS
m/z (ESI): 362.2 [M+1]
【0171】
ステップ8
5−エチル−5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩の製造
5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−エチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド19g (120 mg, 0.33
mmol) を1 mLの酢酸エチルに溶解させた。その後、2 mLの酒石酸(50 mg, 0.33 mmol)のアセトン溶液を滴加した。この反応混合物を30分間攪拌し、ろ過し、白色固体の上記化合物5−[2−(2−シアノ−ピロリジン−1−イル)−2−オキソ−エチルアミノ]−5−エチル−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸ジメチルアミド酒石酸塩19を得た(160 mg, 収率:94%)。
MS
m/z (ESI): 362.2 [M+1]
1H NMR (DMSO-D6, 400 MHz) δ 4.79 (m, 1H), 4.11 (s,
2H), 3.65 (m, 2H), 3.49 (m, 2H), 3.22 (m, 4H), 2.75 (s, 6H), 2.55 (m, 2H), 2.19
(m, 2H), 2.09 (m, 2H), 1.99 (m, 2H), 1.51 (m, 4H), 0.86 (t, 3H)
【0172】
生物アッセイ
活性阻害DPPIVアッセイ
アッセイ手順
以下の方法が、DPP−IVの酵素活性を阻害する本発明の化合物の活性を測定するのに使用できる。本発明の化合物を、精製DPP−IVの酵素活性を阻害するその能力について試験する。それぞれの化合物の阻害率又はIC50(酵素活性の50%を阻害する試験化合物の濃度)を、一定量の酵素を混合した基質を数種の濃度の試験化合物と共にインキュベートすることによって測定する。
【0173】
材料及び方法:
材料として、以下が挙げられる:
a.White96ウエルプレート(BMG)、
b.トリス緩衝液、dHO中2mMのトリス緩衝液1000mlを調製するために、
0.0242gのトリスを約90mlのdHOに溶解し、HCl及びNaOHを用いてpHを8.00に調整し、少なくともdHOを100mlまで加えた、
c.トリス緩衝液に2mMまで溶解したDPPIV酵素(CalBiochemカタログ番号317630)
d.dH2Oに1mMまで溶解したDPPIV−Glo(商標)基質(Promegaカタログ番号G8350)、
e.DPPIV−Glo.緩衝液(Promegaカタログ番号G8350)、
f.ルシフェリン検出試薬(Promegaカタログ番号G8350)、
g.DMSO、及び
h.dH
【0174】
プロトコール:
アッセイは、以下のステップの順序で行った:
1.DPPIV−Glo.を解凍し、それを使用前に緩衝し及び室温に平衡化させる;
2.凍結乾燥ルシフェリン検出試薬を使用前に室温に平衡化させる;
3.DPPIV−Glo.を懸濁させ、超純水を基質バイアルに加えて手短に混合し、
次いで1mM基質を得る;
4.ルシフェリン検出試薬をアンバーボトルに加え、次いでDPPIV−Glo.緩衝液を加える、この場合にルシフェリン検出試薬は1分未満で溶解されるべきである;
5.試験化合物を、DMSOを用いて所望の最終濃度の50倍まで溶解し;
6.2μLの試験化合物をそれぞれの試験管に50倍濃度で加え、陰性対照及びブランク対照では2μLのDMSOを加える;
7.46μLのトリス緩衝液をそれぞれの試験管に加え、ブランク対照では48μLのトリス緩衝液を加える;
8.陰性対照及び試験化合物については、2μLのDPPIV酵素をそれぞれの試験管に加える;
9.試験管を旋回させ、遠心分離し、次いでこの試験管の物質を96ウエルプレートに移す;
10.基質とDPPIV−Gloatを1:49の比率で混合し、次いで基質を旋回
せるか又は反転させて均質溶液を得、それを使用前に室温で30〜60分間放置する;
11.溶液のDPPIV−Glo.と基質の混合溶液50μLをそれぞれの96ウエルプレートに加え、このプレートを密封フィルムで覆う;
12.96ウエルの物質をプレートシェーカーを使用して300〜500rpmで30秒間穏やかに混合し、次いでそれを室温で30分〜3時間インキュベートし;そして
13.発光を記録する。
【0175】
阻害率は、[1−(S−B)/(N−B)]*100%として定義することができる。
S:試料
B:ブランク対照
N:陰性対照
【0176】
DPP―VIII活性阻害のアッセイ
【0177】
材料及び方法:
材料として、以下が挙げられる:
i.White96ウエルプレート(BMG)、
j.トリス緩衝液、dHO中2mMのトリス緩衝液1000mlを調製するために、0.0242gのトリスを約90mlのdHOに溶解し、HCl及びNaOHを用いてpHを8.00に調整し、少なくともdHOを100mlまで加えた、
k.トDPP-VIII酵素(Bioscienceカタログ番号80080)を25%のトリスーHCl、pH=8.0、100mMのNaCl、0.05%のtween-20、50%のグリセール及び3mMのDTT緩衝液に溶解した。最終濃度は0.1ng/100μLアッセイである。
l.dHOに1mMまで溶解したDPP-VIII(商標)基質(Promegaカタログ番号G8350)、
m.DPP-VIII−Glo.緩衝液(Promegaカタログ番号G8350)、
n.ルシフェリン検出試薬(Promegaカタログ番号G8350)、
o.DMSO、及び
p.dH
【0178】
プロトコール:
アッセイは、以下のステップの順序で行った:
14.DPP-VIII−Glo.を解凍し、それを使用前に緩衝し及び室温に平衡化させる;
15.凍結乾燥ルシフェリン検出試薬を使用前に室温に平衡化させる;
16.DPP-VIII−Glo.を懸濁させ、超純水を基質バイアルに加えて手短に混合し、
次いで1mM基質を得る;
17.ルシフェリン検出試薬をアンバーボトルに加え、次いでDPP-VIII−Glo.緩衝液を加える、この場合にルシフェリン検出試薬は1分未満で溶解されるべきである;
18.試験化合物を、DMSOを用いて所望の最終濃度の50倍まで溶解し;
19.2μLの試験化合物をそれぞれの試験管に50倍濃度で加え、陰性対照及びブラン
ク対照では2μLのDMSOを加える;
20.46μLのトリス緩衝液をそれぞれの試験管に加え、ブランク対照では48μLのトリス緩衝液を加える;
21.陰性対照及び試験化合物については、2μLのDPP-VIII酵素をそれぞれの試験管に加える;
22.試験管を旋回させ、遠心分離し、次いでこの試験管の物質を96ウエルプレートに移す;
23.基質とDPPIV−Gloatを1:49の比率で混合し、次いで基質を旋回せるか又は反転させて均質溶液を得、それを使用前に室温で30〜60分間放置する;
24.溶液のDPP-VIII−Glo.と基質の混合溶液50μLをそれぞれの96ウエルプレートに加え、このプレートを密封フィルムで覆う;
25.96ウエルの物質をプレートシェーカーを使用して300〜500rpmで30秒間穏やかに混合し、次いでそれを室温で30分〜3時間インキュベートし;そして
26.発光を記録する。
DPP-IX活性阻害のアッセイ
【0179】
材料及び方法:
材料として、以下が挙げられる:
q.White96ウエルプレート(BMG)、
r.トリス緩衝液、dHO中2mMのトリス緩衝液1000mlを調製するために、0.0242gのトリスを約90mlのdHOに溶解し、HCl及びNaOHを用いてpHを8.00に調整し、少なくともdHOを100mlまで加えた、
s.DPP-IX酵素(Bioscienceカタログ番号80090)を25mlのトリスーHCl、pH=8.0、100mMのNaCl、0.05%のtween-20、50%のグリセール及び3mMのDTT緩衝液に溶解した。最終濃度は0.1ng/100μLアッセイである。
t.
u.dH2Oに1mMまで溶解したDPP-IX(商標)基質(Promegaカタログ番号G8350)、
v. DPP-IX−Glo.緩衝液(Promegaカタログ番号G8350)、
w.ルシフェリン検出試薬(Promegaカタログ番号G8350)、
x.DMSO
y.dH
【0180】
プロトコール:
アッセイは、以下のステップの順序で行った:
27.DPP-IX−Glo.を解凍し、それを使用前に緩衝し及び室温に平衡化させる;
28.凍結乾燥ルシフェリン検出試薬を使用前に室温に平衡化させる;
29.DPP-IX−Glo.を懸濁させ、超純水を基質バイアルに加えて手短に混合し、次いで1mM基質を得る;
30.ルシフェリン検出試薬をアンバーボトルに加え、次いでDPP-IX−Glo.緩衝液を加える、この場合にルシフェリン検出試薬は1分未満で溶解されるべきである;
31.試験化合物を、DMSOを用いて所望の最終濃度の50倍まで溶解し;
32.2μLの試験化合物をそれぞれの試験管に50倍濃度で加え、陰性対照及びブランク対照では2μLのDMSOを加える;
33.46μLのトリス緩衝液をそれぞれの試験管に加え、ブランク対照では48μLのトリス緩衝液を加える;
34.陰性対照及び試験化合物については、2μLのDPP-IX酵素をそれぞれの試験管に加える;
35.試験管を旋回させ、遠心分離し、次いでこの試験管の物質を96ウエルプレートに移す;
36.基質とDPP−IX−Gloatを1:49の比率で混合し、次いで基質を旋回せるか又は反転させて均質溶液を得、それを使用前に室温で30〜60分間放置する;
37.溶液のDPP-IX−Glo.と基質の混合溶液50μLをそれぞれの96ウエルプレートに加え、このプレートを密封フィルムで覆う;
38.96ウエルの物質をプレートシェーカーを使用して300〜500rpmで30秒間穏やかに混合し、次いでそれを室温で30分〜3時間インキュベートし;そして
39.発光を記録する。
【0181】
阻害率は、[1−(S−B)/(N−B)]*100%として定義することができる。
S:試料
B:ブランク対照
N:陰性対照

試験化合物のDPP−IV/DPP−VIII/DPP−IXのIC50を表2に示した:
【0182】

【0183】
DPPIV阻害剤の血糖低下作用の予備評価
目的:
健常なICRマウスにおいてDPPIV阻害剤SHR1039(実施例1)及びSHR1040(実施例2)の経口ブドウ糖負荷に対する効果を観察するために、生体内血糖低下作用を評価した。
試験動物:
種、系統: ICRマウス
供給源: Chinese Academy of Sciences,
Shanghai Laboratory Animal Center,Qualified No.:SYXK(Shanghai)2004−
2005
体重: 25〜30g
性別: 雄性動物
動物数: 40匹
飼育条件: SPF−クラス動物室内飼育、温度:22〜24℃、湿度:45〜80%、
照明:150〜300Lx、12時間の間隔で日中及び夜間サイクル
【0184】
薬剤:
名前: SHR1039(実施例1)
ロット番号:01
色、形状: 白色粉末
純度: 96.97%
供給: Shanghai Hengrui Medicine Co.,Ltd.
製造方法: 化合物を正確に秤量し、次いで再蒸留水に溶解した。0.5、0.15及び0.05mg/mlの懸濁液をそれぞれ調製した(注:製品取扱説明書に示されているが、試験化合物は水に可溶性であったが、実験では水溶性が不十分であった、すなわち低濃度では溶解させることができるが、0.5mg/mlの濃度では未だ肉眼で見える粒子が存在している。1%CMCを化合物を懸濁させるために試みたが、再蒸留水よりも良くなかった。)
用量: 胃管栄養法で1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg。
容量は20ml/kgである。
名前: SHR1040(実施例2)
ロット番号:01
色、形状: 白色粉末
純度: 96.62%
供給: Shanghai Hengrui Medicine Co.,Ltd.
製造方法: 化合物を正確に秤量し、次いで再蒸留水に溶解し、十分に混合して
1.5mg/ml溶液を調製し、次いでそれぞれ0.5mg/ml、
0.15mg/ml及び0.05mg/mlの透明溶液に希釈した。
用量: 胃管栄養法で1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg。
容量は20ml/kgである。
【0185】
方法;
1.健常なICRマウスにおける血糖に対する化合物の効果
健常な雄性ICRマウスを、体重に従って無作為に、それぞれの群に6匹のマウスにグループ分けした。それぞれの群は、以下の通りのブランク対照群及び種々の用量の処理群を含んでいた:
【0186】
試験1:
ブランク対照:胃管栄養法による再蒸留水
群1: 胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)1mg/kg
胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)3mg/kg
胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)10mg/kg
群2: 胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)1mg/kg
胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)3mg/kg
胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)10mg/kg
【0187】
試験2:
ブランク対照:胃管栄養法による再蒸留水
群1: 胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)1mg/kg
胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)3mg/kg
胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)10mg/kg
群2: 胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)1mg/kg
胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)3mg/kg
胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)10mg/kg
【0188】
それぞれの群の動物を6時間絶食させ、次いで化合物又は再蒸留水を用いてそれぞれ胃管栄養法で1回投与で予備処理した。30分後に、動物に胃管栄養法で2.5g/kgのグルコースを投与した。グルコースの投与前及び投与後30分、60分及び120分に血液を採取して血糖値を測定した。
【0189】
2.血中グルコース測定:
血中グルコースをグルコースキットで測定する。250μlの作用酵素溶液を採取し、
次いでこの溶液に5μlの血清を加えた。ブランク試験管(5μlの再蒸留水を加えた)
及び標準試験管(5μlのグルコース標準溶液を加えた)を同時に作り、それぞれ37℃
の水浴中で20分間振盪した。ブランク試験管を調製し、次いで比色アッセイをOD505nmで測定した。
【0190】
血中グルコース濃度(BG、ミリモル/l)=OD試料試験管/OD標準試験管×5.
55
データ処理及び統計的分析:
1.平均±SD及びStudent−t検定をデータ統計的分析で使用した。
2.糖の投与後30分の血中グルコース減少の割合及び曲線下面積(AUC)を算出した。
【0191】
結果:
試験1:
雄性ICRマウスを6時間絶食させ、次いで再蒸留水、種々の用量の実施例1及び実施
例2の化合物を用いて胃管栄養法で処理した。投与後30分に、経口ブドウ糖負荷試験を行った。結果は、対照群の血糖値が2.5g/kgのグルコースを胃管栄養法で投与した後に著しく上昇し、30分でピークに達したことを示した。実施例1の化合物の低用量、中間用量及び高用量では、血糖は30分で対照群よりも著しく低く、その血糖の割合はそれぞれ19.16%、22.85%及び31.85%まで低下した。実施例2の化合物のそれぞれの用量では、血糖はグルコース(<P0.01)の投与後30分で対照群よりも著しく低かった。対照群と比較して、その血糖の割合は25.54%、25.92及び26.93%まで低下した。
【0192】
試験2:
雄性ICRマウスを6時間絶食させ、次いで再蒸留水、種々の用量の試験化合物SHR1039(実施例1)及びSHR1040(実施例2)を用いて胃管栄養法で処理した。投与後30分に、経口ブドウ糖負荷試験を行った。結果は、対照群の血糖値が、2.5g/kgのグルコースを胃管栄養法で投与した後に著しく上昇し、30分でピークに達したことを示した。SHR1039のそれぞれの用量では、血糖は、グルコース(P<0.01)の投与後30分で対照群よりも著しく低く、その血糖の割合はそれぞれ26.10%、30.24及び32.05%まで低下した。SHR1040の低用量、中間用量及び高用量では、血糖は、グルコース(P<0.01)の投与後30分で対照群よりも著しく低く、その血糖の割合は24.51%、26.96%及び27.75%%まで低下した。
【0193】
結論:
この報告書の2つの実験結果は、試験化合物SHR1039(実施例1)、SHR1040(実施例2)が健常なICRマウスでの経口ブドウ糖負荷試験に対して顕著な血糖低下作用を有することを示している。また、試験化合物SHR1039(実施例1)は、よりよい用量−効果の関係を示し、化合物SHR1040(実施例2)は劣る用量−効果の関係を有する。
【0194】
KKAyマウスでの経口ブドウ糖負荷に対するDPPIV阻害剤の効果
目的:
II型糖尿病のKKAyマウスでの経口ブドウ糖負荷に対するDPPIV阻害剤SHR1039(実施例1)及びSHR1040(実施例2)の効果を観察するために、その生体内での血糖低下作用の予備的評価を評価した。
【0195】
試験動物:
種、系統: KKAyマウス
供給源: Shanghai Laboratory Animal Center,
Chinese Academy of Sciences,Qualified No.:SYXK(Shanghai)2004−2005
体重: 40〜55g
性別: 雌:52匹; 雄:33匹
飼育条件: SPF−クラス動物室内飼育、温度:22〜24℃、湿度:45〜80%、
照明:150〜300Lx、12時間の間隔で日中及び夜間サイクル
【0196】
薬剤:
名前: SHR1039(実施例1)及びSHR1040(実施例2)
製造方法: 化合物を正確に秤量し、次いで再蒸留水に溶解し、十分に混合して3mg/ml溶液を調製し、次いで1mg/ml、0.3mg/ml及び0.1mg/mlの透明溶液それぞれに希釈した。
用量: 胃管栄養法で1mg/kg、3mg/kg、10mg/kg。
容量は10ml/kgである。
【0197】
方法:
健常なKKAyマウスにおける血糖に対する化合物の効果
健常なKKAyマウスを6時間絶食させ、次いで体重及び絶食血糖に従って無作為にそれぞれの群に5匹のマウスにグループ分けした。それぞれの群は、以下の通りにブランク対照群及び種々の用量の処理群を含んでいた:
【0198】
試験1:雄性0704
ブランク対照: 胃管栄養法による再蒸留水
SHR1039:胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)10mg/kg
胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)30mg/kg
【0199】
試験2:雌性0816
ブランク対照: 胃管栄養法による再蒸留水
SHR1039:胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)3mg/kg
胃管栄養法によるSHR1039(実施例1)10mg/kg
【0200】
試験3:雄性0712
ブランク対照: 胃管栄養法による再蒸留水
SHR1040:胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)10mg/kg
胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)30mg/kg
【0201】
試験4:雌性0907
ブランク対照: 胃管栄養法による再蒸留水
SHR1040:胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)3mg/kg
胃管栄養法によるSHR1040(実施例2)10mg/kg
【0202】
それぞれの群の動物を6時間絶食させ、次いで化合物又は再蒸留水を用いてそれぞれ胃管栄養法で1回投与で予備処理した。30分後に、動物に胃管栄養法で2.5g/kg(雌性KKAyマウス)のグルコースを投与するか又は1.5g/kg(雄性KKAyマウス)のグルコースを投与した。グルコースの投与後30分、60分及び120分に、血糖値をグルコメーターで測定した。
【0203】
データ処理及び統計的分析:
3.平均±SD及びStudent−t検定又はAnovaをデータ統計的分析で使用した。
4.糖の投与後30分の血糖減少の割合及び曲線下面積(AUC)を算出した。
【0204】
結果:
1.化合物SHR1039(実施例1):試験1、試験2:
雄性KKAyマウスを6時間絶食させ、次いで再蒸留水及び種々の用量の試験化合物SHR1039(実施例1)を用いて胃管栄養法で処理した。投与後30分に、経口ブドウ糖負荷試験を行った。結果は、対照群の血糖値が1.5g/kgグルコースを胃管栄養法で投与した後に著しく上昇し、30分でピークに達したことを示した。SHR1039(実施例1)群の10mg/kg及び30mg/kgの用量では、その血糖値は、両方共にグルコース投与後30分で対照群よりも著しく低かった。対照群と比較して、その血糖の割合はぞれぞれ16.22%及び17.15%まで低下した。
【0205】
雌性KKAyマウスを6時間絶食させ、次いで再蒸留水及び種々の用量の試験化合物SHR1039(実施例1)を用いて胃管栄養法で処理した。投与後30分に、経口ブドウ糖負荷試験を行った。結果は、対照群の血中ブドウ糖値が2.5g/kgのグルコースを胃管栄養法で投与した後に著しく上昇し、30分でピークに達したことを示した。SHR1039(実施例1)群の3mg/kg及び10mg/kgの用量では、その血糖値は、両方共にグルコース投与後30分で対照群よりも著しく低かった。その血糖の割合はぞれぞれ40.63%及び24.68%まで低下した。
【0206】
2.化合物SHR1040(実施例2):試験3、試験4:
雄性KKAyマウスを6時間絶食させ、次いで再蒸留水及び種々の用量の試験化合物SHR1040(実施例2)を用いて胃管栄養法で処理した。投与後30分に、経口ブドウ糖負荷試験を行った。結果は、対照群の血糖値が1.5g/kgのグルコースを胃管栄養法で投与した後に著しく上昇し、30分でピークに達したことを示した。SHR1040(実施例1)群の10mg/kg及び30mg/kgの用量では、その血糖値は、両方共にグルコース投与後30分での対照群よりも著しく低かった。対照群と比較して、その血糖の割合はぞれぞれ13.79%及び12.23%まで低下した。
【0207】
雌性KKAyマウスを6時間絶食させ、次いで再蒸留水及び種々の用量の試験化合物SHR1040(実施例2)を用いて胃管栄養法で処理した。投与後30分に、経口ブドウ糖負荷試験を行った。結果は、対照群の血糖値が2.5g/kgのグルコースを胃管栄養法で投与した後に著しく上昇し、30分でピークに達したことを示した。SHR1040(実施例2)群の10mg/kgの用量では、その血糖値は、グルコース(P=0.075、anova)投与後30分での対照群よりも著しく低かった。その血糖の割合はぞれぞれ21.55%まで低下した。しかし、マウスでは大きな個体差があるので、結果は顕著な相違を有していなかった。
【0208】
結論:
試験化合物SHR1039(実施例1)及びSHR1040(実施例2)は共に、II型糖尿病のKKAyマウスでの経口ブドウ糖負荷に対して若干の血糖低下作用を有する。






































【特許請求の範囲】
【請求項1】
(式I):
【化69】

〔式中:
Rは、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノカルボニルアルキル、アミドアルキル、複素環を有するアミノカルボニルアルキル及びアミノアルキルからなる群から選択され、前記複素環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アミド基、アミノカルボニル、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換された5員又は6員ヘテロ環であり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
は、水素及びメチルからなる群から選択され、前記アルキルはシクロアルキルおよびアリールからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員ヘテロ環を形成し、この場合の3〜8員ヘテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
nは0〜4の整数である〕
を有する化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
前記化合物又は製薬学的に許容し得る塩が、式(IA):
【化70】

〔式中:
Rは、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノカルボニルアルキル、アミドアルキル、複素環を有するアミノカルボニルアルキル及びアミノアルキルからなる群から選択され、前記複素環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アミド基、アミノカルボニル、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、アミノアルキル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換された5員又は6員ヘテロ環であり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
は、水素及びメチルからなる群から選択され、前記アルキルはシクロアルキルおよびアリールからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員ヘテロ環を形成し、この場合の3〜8員ヘテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換される〕
を含むものである、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
Rが次式:
【化71】

[式中、Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択され、
WはC、S又はO原子であり、前記CはさらにR及びRで置換される]
である、請求項1又は請求項2に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項4】
前記化合物が、式(IB):
【化72】

〔式中、Rは次式:
【化73】

であり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
は、水素及びメチルからなる群から選択され、前記アルキルはシクロアルキルおよびアリールからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコシキル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員ヘテロ環を形成し、この場合の3〜8員ヘテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択され、
Wは、C、S又はO原子であり、前記CはさらにR及びRで置換される〕
を含むものである、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項5】
前記化合物が、式(IC):
【化74】

〔式中、Rは次式:
【化75】

であり、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
は、水素及びメチルからなる群から選択され、前記アルキルはシクロアルキルおよびアリールからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコシキル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員ヘテロ環を形成し、この場合の3〜8員ヘテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択され、
Wは、C、S又はO原子であり、前記CはさらにR及びRで置換される〕
を含むものである、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項6】
前記塩が、塩酸、p−トルエンスルホン酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酢酸及びトリフルオロ酢酸からなる群から選択される酸を用いて形成される塩を含む、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
【請求項7】
前記酸がp−トルエンスルホン酸、塩酸、酒石酸又はトリフルオロ酢酸である、請求項6に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項8】
前記化合物が、
【化76】

を包含するものである、請求項1に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩。
【請求項9】
治療有効量の請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩と、製薬学的に許容し得る担体とを含有してなる医薬組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物の合成における中間体としての次式(ID):
【化77】

〔式中:
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−C(O)NR、−C(O)R及び−C(O)ORからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールは、アルキル、アリール、ヒドロキシル、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコシキル、トリフルオロメチル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、N原子と一緒に結合して3〜8員へテロ環を形成し、この場合の3〜8員ヘテロ環は、さらに、N、O及びS原子からなる群から選択される1個又はそれ以上の異種原子を含有し、且つ3〜8員環は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル、ハロゲン及び−NRからなる群から選択される1つ又はそれ以上の基でさらに置換される〕の化合物。
【請求項11】
請求項10に記載の式(ID)の化合物の製造方法であって、
【化78】

5−オキソ−ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−2−カルボン酸tert−ブチルエステルをトリフルオロ酢酸と反応させてヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタートを得る工程と、
【化79】

ヘキサヒドロ−シクロペンタ[c]ピロール−5−オントリフルタートを、アシルクロリド又はエステルと反応させて式(ID)の化合物を得る工程とを含む、製造方法。
【請求項12】
反応がジクロロメタンで行なわれる請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
【化80】

式(ID)の中間体を、アミン、置換水素化ホウ素ナトリウムと及びトリエチル塩基の存在下、室温で溶媒中で反応させて、式(IB)の化合物を得る工程を含む式(IB)の化合物の製造方法。
【請求項14】
溶媒がメタノール又はエタノールである請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
請求項10に記載の式(ID)の化合物の製造方法であって
【化81】

tert-ブトキシドカリウムとヨウ化メチルトリフェニルホスホニウムのトルエンの溶液を加熱し、式(ID)の中間体を加えて、室温で反応させて、アザビシクロ アルケニル化合物を得る工程と
【化82】

アザビシクロ アルケニル化合物を適当な溶媒で過塩素酸銀の存在下室温でシアン化トリメチルシリルと反応させてアザビシクロ シアノ化合物を得る工程と
【化83】

アザビシクロ シアノ化合物を適当なような溶媒で室温で適当な酸と反応させてアザビシクロ アミン化合物を得る工程と
【化84】

アザビシクロ アミン化合物をアルカリ性溶媒の存在下でハロ化合物と反応させて式(IB)の化合物を得る工程とを含む式(IB)の化合物の製造方法。
【請求項16】
アザビシクロ アルケニル化合物とシアン化トリメチルシリルとの反応はジクロロメタンの存在下、アザビシクロシアノ化合物の反応はエタノールの存在下、酸が塩酸である、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
請求項4に記載の式(IB)の化合物の製造方法であって
【化85】

式(ID)の中間体を適当な溶媒の存在下でイソシアン化トシルメチルと反応させてアザビシクロ シアノ化合物を得る工程と
【化86】

アザビシクロ シアノ化合物を適当な溶媒、ヘキサメチルジシラジドリチウムの存在下でとハロゲン化合物と反応させてR置換のアザビシクロ シアノ化合物を得る工程と
【化87】

酸の存在下R置換のアザビシクロ シアノ化合物を加水分解し、R置換のアザビシクロ カルボキシル化合物を得る工程又は
置換のアザビシクロ シアノ化合物を適当な溶媒で氷水浴でDIBAL−Hのような還元剤と反応させてアルデヒート化合物を得て、アルデヒート化合物をテトラヒドロフラン/水の混合溶媒で氷水浴で、燐酸二水素ナトリウム、亜塩素酸ナトリウムおよび2−メチルー2−ブテンと反応させてR置換のアザビシクロ カルボキシル化合物を得る工程と
【化88】

置換のアザビシクロ カルボキシル化合物を塩基の存在下、クロロギ酸エチルと反応させて置換のアザビシクロ アジド化合物を含む工程
【化89】

アザビシクロ アジド化合物を溶媒の存在下で酸性溶液で加熱撹拌し、R置換のアザビシクロ アミン化合物を得る工程と
【化90】

置換のアザビシクロ アミン化合物をアルカリ性溶媒の存在下でハロ置換化合
物と反応させて式(IB)の化合物を得る工程とを含む式(IB)の化合物の製造工程。
【請求項18】
請求項5に記載の式(IC)の化合物の製造方法であって
【化91】

式(ID)の中間体を適当な溶媒で氷水浴で、還元剤と反応させてアザビシクロ ヒドロキシ化合物を得る工程と
【化92】

アザビシクロ ヒドロキシ化合物を適当な溶媒で氷水浴で塩基および塩化メチルスルホニルと反応させてアザビシクロ メチル スルフォン酸化合物を得る工程と
【化93】

アザビシクロ メチル スルフォン酸化合物およびフタルイミド カリウムを塩基の存在下で加熱してフタルイミド置換のアザビシクロ化合物を得る工程と
【化94】

フタルイミド置換のアザビシクロ化合物およびヒドラジンを適当な溶媒で加熱してアザビシクロアミン化合物を得る工程と
【化95】

アザビシクロアミン化合物およびハロゲン化合物を適当な溶媒で加熱して式(IC)の化合物を得る工程とを含む式(IC)の化合物の製造方法。
【請求項19】
還元剤が水素化トリ-tert-ブトキシアルミニウム
リチウムである請求項18に記載の製造方法
【請求項20】
Rが次式:
【化96】

〔式中:
は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクロアルキルからなる群から選択され、前記アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロシクロアルキルは、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシル、シクロアルコキシル、アリールオキシル、ヘテロアリールオキシル、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、シアノ、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルコキシル、カルボン酸及びカルボン酸エステルからなる群から選択される1個又はそれ以上の基でさらに置換され、
及びRは、それぞれ独立して、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ハロアルコキシル、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、アルキニル、アルコキシル、アリールオキシル、ヒドロキシアルキル、ヘテロシクロアルキル、カルボン酸、カルボン酸エステル及びハロゲンからなる群から選択され、
Wは、C、S又はO原子であり、前記CはさらにR及びRで置換される〕
である、請求項12ないし19のいずれかの請求項に記載の製造方法。
【請求項21】
精製した式(IB)又は式(IC)の化合物をメタノール、ジクロロメタン又は酢酸エチルのような溶媒中の存在下、酸と反応させて、対応酸付加塩を得る工程を含む請求項12ないし19のいずれかの請求項に記載の製造方法。
【請求項22】
ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤としての医薬の製造における請求項1ないし8のいずれかの請求項に記載の化合物又はその製薬学的に許容し得る塩の使用。
【請求項23】
ジペプチジルペプチダーゼ阻害剤としての医薬の製造における請求項9に記載の組成物の使用。

























【公表番号】特表2011−510026(P2011−510026A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−543359(P2010−543359)
【出願日】平成20年5月20日(2008.5.20)
【国際出願番号】PCT/CN2008/071014
【国際公開番号】WO2009/094866
【国際公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【出願人】(509152219)ジエンス ハンセン ファーマセウティカル カンパニー リミテッド (5)
【出願人】(508209602)シャンハイ ヘンルイ ファーマスーティカル カンパニー リミテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI HENGRUI PHARMACEUTICAL CO., LTD.
【Fターム(参考)】