説明

アシルアルギネートを含む化粧品調製物

【化1】


本発明は、式(I)[式中、RおよびRは相互に独立して、HおよびC5−22−アルキルであることができる]、とりわけ式(II)または式(III)の、1種以上のアシルアルギネートを含む化粧品的または皮膚科学的エマルションに関し、ここで前記アシルアルギネートがまた、塩、例えば塩酸塩として存在することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アシルアルギネートを含んでなる化粧品調製物に関する。
【背景技術】
【0002】
主題の「化粧品製品」は、美学の理由により皮膚および毛髪に変化を与え、または身体の清浄化に使用されるすべての手段を一緒に総合するために使用することができる。従って、化粧品製品は、自身の周囲の人々および自分自身の双方に快適さを与えるために、見て、感じて、そして嗅ぐことができる方法で、身体の外部の手入れ、高揚および美化を整えることを意味する。数千年前でも、化粧品製品はこの目的のために人々に使用された。顔面と口唇は着色され、高価な油が塗布のために使用され、また沐浴のために香水が使用された。
【0003】
シャンプーの洗浄作用、毛髪リンスにより与えられる改善される櫛削り易さ、またはパーマネントウェービングからの毛髪のカールは、容易に、客観的に確立することができるが、実際的には測定が不可能な、または非常に個人的にのみ気づくことができる化粧品製品のその他の効果と特性が存在する。これらは例えば、特定の(爽やかな、柔らかい、しなやかな、滑らかな、等、の)皮膚の感触、または化粧品製品の適用後の皮膚の柔らかさとしなやかさ、並びに毛髪の豊富さとはずみ、等を含む。更に、消費者の期待はまた、製品の二次的特性により支配される。これらは、より具体的には、化粧品製品の香りと色彩、並びにその包装、価格、製造会社および広告を含む。
【0004】
感覚の科学は、感覚的印象に基づく化粧品調製物の評価に関する科学的専門分野である。化粧品製品の感覚的評価は視覚、嗅覚および触覚の印象に基づいて実施される。
・ 視覚的印象:眼により感知することができるすべての特徴(色彩、形状、構造)
・ 嗅覚の印象:空気が鼻腔を通して吸い込まれる時に感知されるすべての匂いの印象;しばしば初期の匂い(トップの匂い)、主要な匂い(中間の印象、本体)、および残り香(最終的)に区別されることができる。更に嗅覚の印象に寄与するものは適用の過程でのみ放出される揮発性化合物である。
・ 触覚の印象:主として製品の構造とコンシステンシーに関連する接触の感覚のすべての感触。
【0005】
感覚の分析は、ある製品の全体的感覚の印象を総合的に獲得する可能性を利用する。感覚分析の欠点は、印象の主観性、試験対象が影響を受け得る容易性、およびそれに伴う、結果の広いばらつき、である。これらの弱点は今日、訓練された試験対象群を使用し、試験者を相互から隔離し、また大部分の場合に多数である分析データを統計的評価にかける、ことにより対処される。
【0006】
研究、開発にもっともしばしば使用される感覚分析の方法は識別試験(difference testing)である。この場合の作業は典型的には、多数のサンプル、または対照サンプルと異なる検体の認識に限定される。識別試験により、1つの試験内で2種のみのサンプルが相互に比較されるが、序列付け試験は、一般に強度、品質、人気または比較サンプルに対する類似性に従って3種以上のサンプルの序列を確定する工程を伴う。この(簡単な)方法は例えば製品の最適化におけるサンプルの準備的選択のために適し、そしてまたしばしば市場調査に使用される。
【0007】
組織(texture)の成分は以下の通りに説明することができる:
機械的特性:運動感覚的に測定される、ストレスに対する反応、
【0008】
【表1】

【0009】
【表2】

【0010】
【表3】

【0011】
【表4】

【0012】
【表5】

【0013】
幾何学的特性:巧妙な方法による粒子の感知(粒度、形状、配向)
滑らか:粒子が存在しない
砂利状:小さく硬い粒子
顆粒状:小型粒子
チョーク状/粉末状:微粒子(フィルム)
繊維状:長い糸状の粒子(繊維物質)
塊状/起伏のある:大きい、均一な部分または突起物
【0014】
【表6】

【0015】
すべての場合に、用語は各タイプの製品に特異的であるが、最初の組織プロファイルの刊行物(Szczesniak,1963:Szczesniak et al.,1963;Brandt et al.,1963)に従う基礎的レオロジー特性に基づく。
【0016】
試験者は、試験者がそのために訓練される特定の製品の適用(固形食品、飲料、半固形構造物、皮膚の手入れ用製品、布地、紙、等)における知られた構造的相異を識別する能力に基づいて選択される。大部分のその他の説明的分析法によるように、試験者は興味、利用可能性および態度を決定するために面接される。
【0017】
訓練のために選択された試験者は、広範な参照システムをもつために、研究下の範疇の製品の、広範な選択を実施させられる。更に、試験者は、研究下の製品の構造に関与する基礎的構造原理に紹介される。この学習経験は、試験者に、製品に対する機械的なインプット力および結果的応力に関する理解を与える。
【0018】
従って、試験者は豊富な表現に基づく面倒な考察を回避することができ、また製品を評価するための、最も適切な、最も具体的な表現を技術的に選択することができる。試験者はまた、評価のためのすべての表現とすべての方法を規定し、従って、大部分の説明的試験のばらつきを一部減少させる。試験者を訓練するのに使用される参照コードは、試験者のばらつきの更なる減少とともに、後に、近似の評価値に対する参照ポイントとして役立つことができる。
【0019】
サンプルは、前記の評価法の一つを使用して各試験者により独立に評価される。最初の組織プロファイル法は芳香プロファイル尺度の拡大13点バージョンを使用した。
【0020】
しかし、近年、組織プロファイルの試験者は、15点または15cmの直線尺度を伴う使用のために、食品組織参照物に対する、カテゴリー尺度、直線尺度およびME尺度を使用して訓練されてきた。試験者により使用される尺度の性状および、データが処理されなければならない方法に応じて、試験者の判断は、芳香プロファイル法によるようなグループの一致、またはデータの統計的分析を端緒とすることができる。結論的報告のためには、データは表またはグラフの形態で示されることができる。
【0021】
従って、相容性、棚寿命等のような化粧品製品に対して通常の基準に加えて、更に、これまでは認識されなかったが、使用者に本質的な化粧品的性能を提供する調製物を見出すことが本発明の一つの目的であった。とりわけ、探求される調製物は、身体の手入れ部門、すなわち全身に対する適用(そして従って、比較的大量の純粋な顔面手入れの適用から
の区別における)使用に適しなければならないが、しかし同時に、顔面部分における適用に対して感覚的に魅力的でなければならない。これは、とりわけ良好な塗布性、急速な吸収能および十分で行き届いた感覚に示される。
【発明の概要】
【0022】
これらの目的は、式
【0023】
【化1】

【0024】
[式中、RおよびRは相互に独立して、HおよびC5−22−アルキルを表すことができる]、とりわけ
【0025】
【化2】

【0026】
の、1種以上のアシルアルギネートを含んでなる、化粧品的または皮膚科学的エマルションにより本発明に従って達成される。
【0027】
好適なものは次の化合物:
【0028】
【化3】

【0029】
(=ラウロイルアルギネート)である。
【0030】
これらのアシルアルギネートはまた、塩、例えば塩酸塩として存在することができる。
【0031】
本発明を特徴付ける特徴物の保持により、極めて快適な感覚特性および化粧品的感覚の著明な、化粧品的に優れたエマルションを得ることができる。
【0032】
皮膚上の軽い感触、塗布の容易性および脂肪性でない感覚特性に関する異なる調合物の特徴を示す適切な測定法は、接触角測定のものである(Cosmetics & Toiletries,01/2007,Vol.122,No.1,pages 20−27“水の接触角と湿潤化/感覚の主張との相関(Correlating Water Contact Angles and Moisturization/Sensory
Claims)”中に記載)。
【0033】
驚くべきことには、今日、例えばラウロイルアルギネート(LAE)、エチルラウロイルアルギネートHCl(CAS 60372−77−2)のようなアシルアルギネートの使用により、日光防護調合物の接触角は、それを使用しないものより小さいことが浮上した。このことから、該調合物の感覚特性はラウロイルアルギネートを含まないものより良好であると結論することができる。
【0034】
本発明の調製物は好都合には、油中水エマルション、より好適には水中油エマルションを構成することができる。
【0035】
本発明の調製物は好適には、調製物の総重量に基づいて、それぞれの場合に0.001%〜10重量%、好適には0.05%〜5重量%、特に好適には0.05%〜1重量%のアシルアルギネートを含んでなる。
【0036】
本発明の調製物はすべての点で極めて満足な製品を構成する。当業者にとり、疑似性流れ動態(構造粘性)およびチキソトロピーの、目標とされた設定により、本発明に従う特性を示すエマルションは、比較的高い降伏点にもかかわらず、皮膚上に非常に容易に塗布可能で、とりわけ急速に吸収され、それにも拘わらず非常に芳醇で、手入れ感を与えることができることは予知することができなかった。
【0037】
本発明の化粧品的および/または皮膚科学的調合物は標準の組成をもつことができ、また、皮膚科学的処置または美化用化粧品における処置の意味で、皮膚および/または毛髪を処置するために使用することができる。あるいはまたそれらは、装飾的化粧品における
メークアップ製品中に使用することができる。
【0038】
適用に対し、本発明の化粧品的および/または皮膚科学的調合物は、化粧品製品および皮膚科学的製品に対する通常の方法で、十分量を、皮膚および/または毛髪に対して適用される。
【0039】
抗酸化剤の存在は一般に有益である。その場合、調製物中の抗酸化剤(1種以上の化合物)の量は調製物の総重量に基づいて、好適には0.001%〜30重量%、より好適には0.05%〜20重量%、とりわけ1%〜10重量%である。
【0040】
本発明の目的に使用されるエマルションは以下:
グリセリルステアレートシトレート、グリセリルステアレート(自己−乳化性)、ステアリン酸、ステアレート塩、ポリグリセリル−3−メチルグリコースジステアレート、セテアレス−20(ceteareth−20)、PEG−40 ステアレート、PEG−100 ステアレート、水素化ポリイソブテンと組み合わせたスクロースポリステアレート、ナトリウムステアロイルグルタメート、PEG−40水素化ヒマシ油と組み合わせたセテアリルアルコール、ナトリウムセテアリルスルフェート、グリセリルステアレート、カリウムセチルホスフェート、ポリグリセリル−3 ソルビタンステアレート、シリコーンポリエーテル共重合体、例えば、PEG−10 ジメチコン、PEG/PPG−14/4
ジメチコン、グリセリルステアレートシトレートおよび/またはナトリウムステアロイルグルタメート、セテアレス−n(ここでn=5−50)、ソルビタンオレエート、ジステアリルジモニウムクロリド、ステアリルジメチコン、レシチン、ナトリウムジヒドロキシセチルホスフェート、PG−10 ステアレート、ラウリルPEG/PPG−18/18 メチコン、セチルPEG/PPG−10/1 ジメチコン、ポリグリセリル−2 カプレート、イソステアリルジグリセリルスクシネート、セチルホスフェート、ソルビタンセスキオレエート、ポリグリセリル−3 メチルグルコースセスキステアレート、ポリグリセリル−3 メチルグルコースジステアレート、カリウムセチルホスフェート、ポリグリセリル−2 セスキイソステアレート、グリセリルイソステアレート、ベヘントリモニウムクロリド、セテアリルグルコシド、PEG/PPG−18/18 ジメチコン、一般的にアルコキシル化シリコーン乳化剤、一般的にポリグリセロール−誘導シリコーン乳化剤、ポリカプロラクトン、スクロースポリコットンシーデート(polycottonseedate)、アセチルトリフルオロメチルフェニルバリルグリシン、ヒドロキシエチルピペラジン、エタンスルホン酸、ヒドロキシプロピルテトラヒドロピラントリオール、トコフェリルグルコシド、グアノシン、ポリエステル−5、トリC14−15アルキルシトレート、PEG/PPG−14/7 ジメチルエーテル、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、クリサンスナム・パルテニウム、ナトリウムヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、PEG−60 グリセリルイソステアレート、スクシノグリカン、ポリグリセリル−2 カプレート、ドデセン、オキソチアゾリジンカルボン酸、ユーカリプトール、水素化ミリスチルオリーブエステル、加水分解小麦タンパク質PG−プロピルメチルシランジオール、の1種以上の乳化剤を基剤とすることができる。
【0041】
脂質相は有利には、以下:
− 鉱油、鉱物ワックス、
− 一般的にトリグリセリド、および特にカプリン酸またはカプリル酸のもの、のような油、並びに更に例えば、ヒマシ油のような天然油、
− 脂肪、ワックス、並びにその他の天然および合成脂肪物質、好適には、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールまたはグリセロールとのような、低C数のアルコールとの脂肪酸のエステル、または脂肪酸のような低C数のアルカン酸との脂肪アルコールのエステル、
− アルキルおよび/またはベンゾエート
− ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジシロキサンジメチコンおよびそれらの混合形態のようなシリコーン油、
の物質群から選択することができる。
【0042】
本発明の目的のためのエマルションの油相は有利には、3〜30C原子の鎖長をもつ飽和および/または不飽和の分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸と、3〜30C原子の鎖長をもつ飽和および/または不飽和の分枝および/または非分枝アルコールとのエステルの群から、芳香族カルボン酸と、3〜30C原子の鎖長をもつ飽和および/または不飽和の分枝および/または非分枝アルコールとのエステルの群から、選択される。この種のエステル油は、その場合、有利には、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルオレエート、n−ブチルステアレート、n−ヘキシルラウレート、n−デシルオレエート、イソオクチルステアレート、イソノニルステアレート、イソノニルイソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−エチルヘキシルラウレート、2−ヘキシルデシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、オレイルオレエート、オレイルエルケート、エルシルオレエート、エルシルエルケート、オクチルパルミテート、オクチルココエート、オクチルイソステアレート、オクチルドデシルミリステート、イソプロピルラウロイルサルコシネート、ジブチルアジペート、セテアリルイソノナノエート、イソプロピルミリステート、ステアリルヘプタノエート並びに更にこのようなエステルの合成、半合成および天然の混合物、例えばホホバ油よりなる群から選択することができる。本発明の目的のために有利に使用することができる更なる油は以下の通り:ジアルキルエーテルおよびジアルキルカーボネート、特にジカプリリルエーテルおよび/またはジカプリリルカーボネート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、カプリル酸/カプリン酸/ジグリセリルスクシネート、ブチレングリコールジカプリレート/ジカプレート、C12−13アルキルラクテート、ジ−C12−C13−アルキルタルトレート、トリイソステアリン、ジペンタエリスリチルヘキサカプリレート/ヘキサカプレート、プロピレングリコールモノイソステアレート、トリカプリリン、ジメチルイソソルビド、カプリル酸/カプリン酸オクチルドデカノール、イソプロピルパルミテート、エチルヘキシルココエート、ブチルスペルマム・パルキイ(Butyrospermum parkii)、水素化ココ−グリセリド、シモンドシア・キネンシス油(Simmondsia chinensis oil)、トリデシルステアレート、トリデシルトリメリテート、ジペンタエリスリチルヘキサカプリレート/ヘキサカプレート、ラノリンアルコール、エキウム・リコプシス油(Echium lycopsis oil)、ショレア・ロブスタバター(Shorea robusta butter)、である。
【0043】
本発明の調製物の水相が存在する場合は、それは場合により、有利には、低C数のアルコール、ジオールまたはポリオールおよび更にそれらのエーテル、好適には、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルもしくはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルもしくはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、並びに類似製品、並びに更に低C数のアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、および1,2−プロパンジオールを含んでなる。
【0044】
本発明の調製物は非常に特別に有利には、例えばより具体的には約2%〜50重量%の濃度のグリセロール、のような湿潤化剤、を含んでなり、好適な態様は25%〜35%、そして非常に好適には約30重量%のグリセロール含量を示す。しかし、その場合は化粧品的または物理的不都合を受け入れる必要なしに約70重量%のグリセロール含量まで到達することが完全に可能である。
【0045】
本発明の目的のための更なる湿潤化剤は以下の通り:尿素および尿素の誘導体(例えば
Hydrovance(登録商標))、乳酸、ヒアルロン酸、AHA、EHA、ピログルタミン酸のナトリウム塩、キシリトール、セリン、乳酸ナトリウム、エクトイン、キトサンおよび記載化合物の対応する誘導体、コラーゲン、プランクトン、インペラタ・シリンドラの抽出物(Moist 24(登録商標))、アクリル酸ホモポリマー(Lipidure−HM(登録商標))、ベータ−グルカンおよび対応する誘導体並びに例えばアプリコット油のような天然の油、である。記載されたすべての物質は場合により更にカプセル封入形態で使用することができる。
【0046】
エアゾール容器から噴霧することができる本発明の調製物のための噴射剤は、通常の、知られた、揮発性の液化噴射剤であり、その例は、単独でもまたは相互との混合物中でも使用することができる炭化水素(プロパン、ブタン、イソブタン)である。圧縮空気も有利に使用することができる。
【0047】
更に、本発明の調製物が、UVBおよび/またはUVA領域のUV光線を吸収する物質を含むことは有利に可能であり、全領域の紫外線から毛髪および/または皮膚を防護する化粧品調製物を提供するためのフィルター物質の総量は、調製物の総重量に基づき、例えば、0.1%〜30重量%、好適には0.5%〜10重量%、より具体的には1.0%〜6.0重量%である。それらはまた、毛髪または皮膚に対する日焼け止めとして働くことができる。
【0048】
本発明の化粧品調製物は、必須ではないが、更に、有利には、例えば調合物の感覚的および化粧品的特性を更に改善し、また例えば皮膚上にベルベット様の、またはシルキーな感触をもたらす、またはそれを強化する、充填剤および/またはシロキサン・エラストマーを含むことができる。
【0049】
本発明の目的のために好都合な充填剤は、デンプンおよびデンプン誘導体、元来UVフィルター効果も着色効果ももたない顔料(例えば、窒化ホウ素、等)および/またはAerosils(登録商標) (CAS No.7631−86−9)および/またはタルクである。本発明の目的に特に好都合には、以下:タピオカデンプン、二デンプンホスフェート、アルミニウムおよび/またはナトリウムデンプンオクテニルスクシネート等、ポリメチルシルセスキオキサン、乳化性シリコーンエラストマー、非乳化性シリコーンエラストマー、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート・クロスポリマー、ポリアミド、ナイロン、ポリエチレン粉末、ポリジメチルシロキシエチル・ジメチコン、アクリレート/C10−C30アルキルアクリレート・クロスポリマー、多糖類およびそれらの誘導体、例えばセルロースおよびセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸、キサンタンガム、それぞれの場合に、個別の、または組み合わせた、ポリアクリレート、好適にはカーボポールとして、例えばタイプ980、981、1382、2984、5984のカーボポールとして知られる群からのポリアクリレートの群からの重合体、を使用することができる。本発明に従って好都合な更なる増粘剤は、INCI表示、アクリレート/C10−C30アルキルアクリレート・クロスポリマーをもつもの(例えばNOVEONからのPemulen TR 1,Pemulen TR 2,Carbopol 1328)、および更にAristoflex AVC(INCI:アンモニウム・アクリロイルジメチルタウレート/VP共重合体)および更にビニルピロリドンとアクリル酸との共重合体、PEG−10 ジメチコン/ビニルジメチコン・クロスポリマー、ナイロン−66、ポリC10−30アルキルアクリレート、ガム、多糖類、セルロース誘導体、フィロシリケート、ポリアクリレートおよび/またはその他の重合体、ポリアクリルアミド(Seppigel 305)、ポリビニルアルコール、PVP、PVP/VA共重合体、ポリグリコール、アラビアゴム、イナゴマメの粉、トラガカント、カラヤ、グアガム、ペクチン、ゲランガム、カラゲーナン、寒天、アルギン、コン
ドラス、キサンタンガム、誘導ガム、例えばヒドロキシプロピルグア(Jaguar(登録商標) HP 8)、キチンおよびキトサン、コンドロイチン硫酸、デンプンおよびデンプン誘導体、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、ラポナイト、マグネシウムアルミニウムシリケート、例えばVeegum(登録商標)、である。これらはそのままで、または変更形態で、例えばステアリルアルコニウム・ヘクトライトとして使用することができる。更に、また、シリカゲルを使用することも好都合に可能である。
【0050】
以下の実施例は本発明を限定することなく具体的に示すことを意図する。
【実施例】
【0051】
【表7】

【0052】
【表8】

【0053】
【表9】

【0054】
【表10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、RおよびRは相互に独立して、HおよびC5−22−アルキルを表すことができる]、とりわけ
【化2】

の、1種以上のアシルアルギネートを含む、化粧品的または皮膚科学的エマルションであって、これらのアシルアルギネートがまた、塩、例えば塩酸塩として存在することができる、エマルション。
【請求項2】
【化3】

を含む化粧品的または皮膚科学的エマルションであって、このアシルアルギネートがまた、塩、例えば塩酸塩として存在することもできる、エマルション。
【請求項3】
それらが、調製物の総重量に基づいて、それぞれの場合に、0.001〜10重量%、好適には0.05〜5重量%、よりとりわけ好適には0.05〜1重量%の濃度の、1種以上のアシルアルギネートを含むことを特徴とする、請求項1に従うエマルション。
【請求項4】
それらが水中油エマルションであることを特徴とする、請求項1または2に従うエマルション。
【請求項5】
それらが油中水エマルションであることを特徴とする、請求項1または2に従うエマルション。
【請求項6】
それらが、より具体的には約2〜50重量%、好適には25〜35重量%、そして非常に好適には約30重量%の濃度のグリセロールを含んでなることを特徴とする、請求項1〜3のうちの1項に従うエマルション。

【公表番号】特表2013−519651(P2013−519651A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552390(P2012−552390)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2011/051926
【国際公開番号】WO2011/098505
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(591010376)バイヤースドルフ・アクチエンゲゼルシヤフト (20)
【氏名又は名称原語表記】BEIERSDORF AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】