説明

アタッチメントデバイスおよびそれを使用する方法

第1の塊および第2の塊をつなぐデバイス、ならびにそれを製造する方法およびそれを使用する方法が開示される。デバイスは、弾性材料、伸縮材料、または変形可能な材料で形成し得る。デバイスは、心臓弁リングを、生体の環状部に取り付けるために用いることができる。デバイスはまた、傷口を閉じること、または他の種々の処置、例えば、プロテーゼを周囲の組織もしくは他のプロテーゼに固定すること、例えば中隔心臓欠損のような先天的欠損症の閉鎖における組織修復、組織または管吻合、ヘルニア修復のための、補強メッシュを用いる又は用いない組織の固定、骨融合または腱もしくは筋肉修復のような整形外科的な固定、眼の適応症、腹腔鏡または内視鏡による組織修復もしくはプロテーゼの置換、あるいは遠隔操作で実施される上述の処置のためのロボットデバイスによる使用のために用いることができる。


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の背景
1.技術分野
本発明は、概して、第1の塊を第2の塊に取り付けるデバイス、ならびにそれを製造する方法およびそれを使用する方法に関する。
【0002】
2.関連する技術の説明
患者の欠陥のあるヒトの弁を人工心臓弁で置換し得る。人工弁は一般に、人工弁のオリフィスの外周に取り付けられ、それに沿って延びる、縫合リングあるいは縫合糸(または接合)カフもしくはリングを含む。
【0003】
典型的な人工弁の植え込み処理においては、大動脈を切開し、欠陥を有する弁を取り除いて、所望の配置サイトを残すようにする。配置サイトは、繊維状の組織層または環状の組織を有し得る。公知の心臓弁置換技術には、弁輪内で、繊維状の組織または所望の配置サイトに一本一本、縫合糸を通過させて、縫合糸のアレイ(または並んだもの)を形成することが含まれる。縫合糸の自由端部は、胸腔の外側に延びて、患者の身体で、間隔をあけて配置される。それから、縫合糸の自由端部は、一本一本、縫合リングのフランジを通過させられる。全ての縫合糸がリングを通過すると(典型的には12〜18本の縫合糸)、全ての縫合糸は引き上げられ、人工弁は、配置サイトの組織の近くに所定の位置に滑るように動かされ、または「降下させられる」。それから、人工弁は、縫合糸を用いる常套的な糸結びにより、所定の位置に固定される。医師は、1本の糸につき、3〜10の結び目をしばしば使用するため、この手順は時間を要する。
【0004】
縫合リングはしばしば、ニードルおよび糸が通過することができる生物学的に適合性を有する布で形成される。人工弁は、一般的には、外科医が患者の心臓から既存の弁を取り除いたときに残る生体塊(または生体本体もしくは生物学的な凝集体)に縫いつけられる、縫合リングに取り付けられる。縫合糸は、しっかりと結ばれ、それにより縫合リングを生体塊に、ひいては人工弁を心臓に固定する。
【0005】
心臓弁置換処置の間、患者は心肺バイパスの状態にある。心肺バイパスは、患者の酸素レベルを減らし、非生理学的な血流力学を生成する。患者がより長い間、心肺バイパス状態にあると、永久的な健康上のダメージに関するリスクがより大きくなる。既存の縫合技術は、バイパスの時間を延ばし、心肺バイパスに起因する健康上のリスクを増大させる。さらにまた、同じ医療専門家であっても、縫合により生じる固定力は、縫合糸ごとに、実質的に変化する。
【0006】
加えて、縫合糸および他のアタッチメントデバイスは、種々の医療用途において使用され、それらの用途において、本発明のデバイスの使用は、第1の塊を第2の塊に固定する上で、利点をもたらすであろう。ここで、第1の塊は、組織またはデバイスもしくはプロテーゼ(または人工器官もしくは人工補綴)であり、第2の塊は、組織またはデバイスもしくはプロテーゼである。これらの用途には、人工的な又は自己移植片のようなプロテーゼを、周囲の組織または他のプロテーゼに固定すること、例えば中隔心臓欠損のような先天的欠損症の閉鎖における組織修復、組織または管吻合、ヘルニア修復のための、補強メッシュを用いる若しくは用いない組織の固定、骨融合または腱もしくは筋肉修復のような整形外科的な固定、眼の適応症、腹腔鏡または内視鏡による組織修復もしくはプロテーゼの置換、あるいは遠隔操作で実施される処置のためのロボットデバイスによる使用を含む。
【0007】
これらの適応および他の適応に関して、あるデバイスまたは導管(例えば、弁プロテーゼ)と第2の塊を固定し、ある管を他の管または解剖学的な構造体に固定し、組織を組織に固定し、周囲の組織を第2のプロテーゼに固定し、また上述のように固定するのにかかる時間を最小限にする、固定デバイスが求められている。さらにまた、既存の縫合糸またはアタッチメントデバイスおよび方法に適合し、固定時間を減らす、デバイスが求められている。また、一定の固定力を与え得る固定デバイスを提供する必要も存在する。
【0008】
発明の概要
第1の塊を第2の塊に接続するデバイスが開示される。デバイスは、ベースおよび第1の脚部(またはレッグ)を有する。ベースは、ベース軸、第1の端部および第2の端部を有する。第1の脚部は、ベースの第1の端部から延びる。デバイスは、第1の形状構成(または形態)および第2の形状構成(または形態)を有する。ベースがベース軸に関して回転させられるとき、デバイスは第1の形状構成である。デバイスはまた、ベースの第2の端部から延びる第2の脚部(またはレッグ)を有し得る。
【0009】
第1の塊を第2の塊に接続する別のデバイスが開示される。デバイスは、ベース、第1の脚部、および第2の脚部を有する。ベースは、ベース軸、第1の端部、および第2の端部を有する。第1の脚部は、第1の長手方向の軸および第1の脚部長さを有する。第1の脚部は、ベースの第1の端部から延びる。第2の脚部は、第2の長手方向の軸および第2の脚部長さを有する。第2の脚部は、ベースの第2の端部から延びる。第1の脚部長さは、第2の脚部長さよりも、実質的に長い。
【0010】
デバイスは、第1の形状構成および第2の形状構成を有し得る。ベースがベース軸に関して回転させられるとき、デバイスは第1の形状構成にある。
【0011】
第1の塊を第2の塊に接続する、さらに別のデバイスが開示される。デバイスはベース、第1の脚部、および第2の脚部を有する。ベースは湾曲している。ベースは、ベース径、第1の端部、および第2の端部を有する。第1の脚部は、第1の長手方向の軸および第1の脚部長さを有する。第1の脚部は、ベースの第1の端部から延びる。第2の脚部は、第2の長手方向の軸、および第2の脚部長さを有する。第2の脚部は、ベースの第2の端部から延びる。デバイスは、弛緩した(または緩んだ)形状構成を有する。弛緩した形状構成において、第1の脚部は、第2の脚部と、脚部角度を形成して交差する。脚部角度は180度未満である。
【0012】
脚部角度は、90度以下であってよい。脚部角度は、60度以下であってよい。ベース径は、0.13インチ以下であってよい。ベース径は、0.08インチ以上であってよい。
【0013】
第1の塊を第2の塊に取り付ける方法が開示される。当該方法は、ベース、第1の脚部および第2の脚部を有するアタッチメントデバイスを使用する。ベースは、第1の端部および第2の端部を有する。第1の脚部は、ベースの第1の端部から延びる。第2の脚部は、ベースの第2の端部から延びる。アタッチメントデバイスは、第1の形状構成および第2の形状構成を有する。当該方法は、アタッチメントデバイスを第1の形状構成に保持することを含む。当該方法はまた、アタッチメントデバイスのベースをひねって、アタッチメントデバイスを第2の形状構成にさせることを含む。さらに、当該方法は、アタッチメントデバイスを、第1の塊および第2の塊に挿入することを含む。当該方法はまた、アタッチメントデバイスをはずすことを含む。
【0014】
アタッチメントデバイスのベースをひねることは、アタッチメントデバイスを第1の塊に挿入する前に、行ってよい(または生じてよい)。アタッチメントデバイスを少なくとも部分的に第1の塊に挿入することは、アタッチメントデバイスのベースをひねる前に、行ってよい(または生じてよい)。
【0015】
第1の塊を第2の塊に取り付ける別の方法が開示される。当該方法は、アタッチメントデバイスを強制的に第2の形状構成に保持することを含む。アタッチメントデバイスは、第1の形状構成および第2の形状構成を有する。当該方法はまた、アタッチメントデバイスを第1の塊および第2の塊に挿入することを含む。当該方法はまた、アタッチメントデバイスを解放して、第1の形状構成にすることを含む。
【0016】
詳細な説明
図1〜図3は、アタッチメントデバイス2を示す。アタッチメントデバイス2は、ベース4、脚部6、および各脚部6の端部に先端8を有し得る。(極めて細い線は、ベース4、脚部6、および先端8を表わす。)ベース4、脚部6、および先端8は、分離したエレメントであってよく、あるいは一体のエレメントであってよい。フラグ10が、ベース4に取り付けられ、ベース4から延びていてよい。ベース4および/または脚部6は、まっすぐであってよく、あるいは湾曲していてよい。
【0017】
アタッチメントデバイス2は、変形し得る又は弾性材料、または結果として変形し得る又は弾性特性を有する材料の組み合わせで、作製してよい。材料は、例えば、ステンレス鋼合金、ニッケルチタン合金(例えば、ニチノール)、コバルトクロム合金(例えば、エルジロイ(ELGILOY)(登録商標) Elgin Specialty Metals、エルジン、イリノイ州提供;CONICHROME(登録商標) Carpenter Metals Corp.、ワイオミッシング、ペンシルベニア州提供)、ポリマー、例えば、ポリエステル(例えば、DACRON(登録商標)、E. I. Du Pont de Nemours and Company、ウィルミントン、デラウェア州提供)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、発泡PTFE(ePTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、ポリエーテルブロックコポリアミドポリマー(例えば、PEBAX(登録商標) ATOFINA、パリ、フランス提供)、脂肪族ポリエーテルポリウレタン(例えば、TECOFLEX(登録商標) Thermedics Polymer Products、ウィルミントン、マサチューセッツ州提供)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン、熱可塑性プラスチック、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、押出しコラーゲン、シリコーン、音波反射性材料、放射性材料、放射線不透過性材料、またはそれらの組み合わせであり得る。放射線不透過性材料の例は、硫酸バリウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケルチタン合金、タンタル、および金である。
【0018】
アタッチメントデバイス2の幾つかの又は全てのエレメントは、細胞内部成長のためのマトリックスとなり得、または、布帛(例えば、細胞内部成長のためのマトリックスとして機能するカバリング(図示せず))とともに使用され得る。布帛は、例えば、ポリエステル(例えば、DACRON(登録商標)、E. I. du Pont de Nemours and Company、ウィルミントン、デラウェア州提供)、ポリプロピレン、PTFE、ePTFE、ナイロン、押出しコラーゲン、シリコーン、またはそれらの組み合わせであってよい。
【0019】
アタッチメントデバイス2および/または布帛は、当業者に公知の薬剤デリバリーマトリックス、および/または治療薬、および/または診断薬で満たされていてよく、ならびに/あるいはそれで被覆されていてよい。これらの薬剤には、放射性物質:放射線不透過性物質;細胞発生剤;細胞毒性薬;細胞増殖抑制剤;血栓形成剤を挙げることができ、例えば、ポリウレタン、三酸化ビスマスと混合した酢酸セルロースポリマー、およびエチレンビニルアルコール;滑らかな親水性材料;燐光性コレン;抗炎症剤、例えば、非ステロイド性の抗炎症剤(NSAIDs)、例えば、シクロオキシゲナーゼ−1(COX−1)阻害剤(例えば、アセチルサリチル酸、例えば、ASPIRIN(登録商標) バイエルAG、レーフェルクーゼン、ドイツ提供;イブプロフェン、例えば、ADVIL(登録商標) Wyeth、カレッジビル、ペンシルベニア州提供;インドメタシン;メフェナム酸)、COX−2阻害剤(例えば、VIOXX(登録商標) Merck&Co., Inc.、ホワイトハウスステーション、ニュージャージー州提供;CELEBREX(登録商標) Pharmacia Corp.、ピーパック、ニュージャージー州提供;COX−1阻害剤);免疫抑制剤、例えば、シロリムス(RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth、カレッジビル、ペンシルベニア州提供)、または炎症反応の経路内で早期に作用するマトリクス・メタロプロテイナーゼ(MMP)阻害剤(例えば、テトラサイクリンおよびテトラサイクリン誘導体)である。他の薬剤の例は、Waltonらの「腹部の大動脈瘤における、プロストグランジンE合成の阻害(Inhibition of Prostoglandin E2 Synhthesis in Abdominal Aortic Aneurysms)」、Circulation、1999年7月6日、48−54頁;Tambiahら「実験的な大動脈炎症メディエータおよびクラミジア肺炎の誘発(Provocation of Experimental Aortic Inflammation Mediators and Chlamydia Pneumoniae)」、Brit. J. Surgery 88(7)、935−940頁;Franklinらの「テトラサイクリンの大動脈瘤壁による取り込み、ならびに炎症および蛋白質分解に及ぼすその影響(Uptake of Tetracycline by Aortic Aneurysm Wall and Its Effect on Inflammation and Proteolysis)」、Brit. J. Surgery 86(6)、771−775頁;Xuらの「Sp1は低酸素症の管の内皮細胞においてシクロオキシゲナーゼ−2の発現を増加させる(Sp1 Increases Expression of Cyclooxygenase-2 in Hypoxic Vascular Endothelium)」、J. Biological Chemistry 275(32)、24583−24589頁;およびPyoらの「マトリックスメタロプロテナーゼ−9(ゼラチナーゼB)の標的遺伝子破壊は実験的な腹部大動脈瘤の成長を抑える(Targeted Gene Disruption of Matrix Metalloproteinase-9 (Gelatinase B) Suppresses Development of Experimental Abdominal Aortic Aneurysms)」、J. Clinical Investigation 105(11)、1641−1649頁において、提供されている。これらの文献は、引用により全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
ベース軸12は、ベース4の横方向断面の中心を通過して、長手方向に延びてよい。図2に示すように、側方から見たときに、ベース軸12は、約0度〜約30度(例えば、約10度)のベース面角度14を形成し得る。ベース4は、約0.25mm(0.010インチ)〜約19.1mm(0.750インチ)(例えば約1.91mm(0.075インチ))のベース内側半径16を有し得る。ベース4の近位端部は、テーブル17に形成してよい。テーブル17は、ベース4に向かって先細り(またはテーパー)になっている、平坦な表面であり得る。
【0021】
ベース4および脚部6は、約0.03mm(0.001インチ)〜約6.35mm(0.250インチ)、例えば、約0.51mm(0.020インチ)のシャフト径18を有する。ベース4および脚部6は、同じまたは異なるシャフト径18を有し得る。ベース中間半径19は、ベース内側半径16とシャフト径18の半分(を合わせたもの)であり得る。図1に示すように、脚部6は、脚部角度20にて、アタッチメントデバイス2の面にて又はその付近で、あるいはベース4の近似面(または隣接面もしくは近接面)にて又はその付近で、交差し得る。近似面は、ベース4が平坦な面上にあってもなくても、使用され得る面である。ベース4がまっすぐなラインまたは点である場合、ベース4の近似面は、ベース4に最も近く、また、ベース4のラインから外れている脚部6のポイントを使用して、計算され得る。脚部角度20は、約180度〜約10度であり得、より狭くは約90度〜約60度であり得、例えば、約45度であり得、あるいは、例えば、約60度であり得る。
【0022】
ベース4の端部から長手方向の脚部の軸24までの長さは、ボディ(または本体もしくは主要部)長さ22であり得る。ボディ長さ22は、約0.25mm(0.010インチ)〜約12.7mm(0.500インチ)、例えば、約2.913mm(0.1147インチ)であり得る。一方の先端8の遠位端部と、反対側の先端8の遠位端部との間の長さは、先端距離26であり得る。先端距離26は、約0.03mm(0.001インチ)〜約25.4mm(1.000インチ)、より狭くは約1.3mm(0.050インチ)〜約3.18mm(0.125インチ)、例えば約2.3mm(0.090インチ)であり得る。
【0023】
先端8は、約0.05mm(0.002インチ)〜約12.7mm(0.500インチ)(例えば、約1.00mm(0.040インチ))の先端長さ28を有し得る。先端8は、約5度〜約90度(例えば、約30度)の先端角度30を有し得る。先端8は、真っ直ぐであってよく、とがらせた端部であってよく、脚部6の最も近い端部から、ラインを外れて曲がっていてよく(図2及び図3において、仮想線で描かれている、代替の先端8aおよび8bにより示されている)、あるいはその組み合わせであってよい。
【0024】
先端8および/または脚部6は、保持デバイス29を有し得る。保持デバイス29は、バーブ(または棘)、スパイク、フック、糸、リブ、スプライン(または細長い薄板)、粗くした表面、焼結した表面、(例えば、DACRON(登録商標)、E. I. du Pont de Nemours and Company、ウィルミントン、デラウェア州提供)で)被覆した表面、またはそれらの組み合わせであってよい。保持コーティング31(例えば、ゲルもしくはゲラチンのような生分解性コーティングもしくはフィラー、または他の除去可能なもの)が、保持デバイス29の上に及び/もしくはその周囲に、ならびに/またはその付近にあってよい。保持コーティング31(仮想線で示される)は、実質的な量の保持コーティング31が生分解される又は除去されるまで、保持デバイス29が、実質的に効果を発揮しないように構成することができる。
【0025】
脚部6は、機械的なインターフェース33、例えば、溝穴、スナップ、突起、ラッチ(もしくは掛け金)、止め、またはそれらの組み合わせを有してよい。インターフェース33は、脚部6が交差するポイントにて、一つの脚部6におけるインターフェースが他方の脚部6におけるインターフェース33と合致するように、整列させることができる。インターフェース33は、互いに取り外し可能なように取り付けてよい。
【0026】
図4〜図10は、脚部6および/またはベース4の断面A−Aの例を示す。脚部6の断面A−Aは、ベース4の断面と同じであってよく、あるいは異なっていてよい。ベース4および/または脚部6の断面は、それらのそれぞれの長さに沿って変化していてよく、あるいは一定であってよい。図4〜図8は、円形、方形(正方形を含む)、三角形、実質的に平坦、および星形または異形である、断面A−Aをそれぞれ示す。図9は、長円形の断面A−Aを示す。短軸32に対する軸径18の比は、約1:1〜約20:1であり得、例えば10:1であり得る。
【0027】
図10は、断面A−A内部のキャビティ36を示す。キャビティ34は、中空であってよく、あるいは完全にまたは部分的に充填されていてよい。キャビティ34は、当業者に公知の薬剤デリバリーマトリックス、および/または治療薬、および/または診断薬、および/または音波反射物質、および/または放射性物質、および/または放射線不透過性物質、例えば、上記において挙げた薬剤および/または物質で充填されていてよい。充填物質の種類および量は、ベース4および/または脚部6の長さに沿って変化してよい。キャビティ径36に対する軸径18の比は、約1:1〜約50:1であってよく、例えば約2:1であってよい。
【0028】
図11は、第1の脚部セグメント38および第2の脚部セグメント40を有し得る、脚部6を有し得るアタッチメントデバイス2を示す。第1の脚部セグメント38はベース4から延びていてよい。第2の脚部セグメント40は、第1の脚部セグメント38から、近位端部にて延びていてよい。先端8は、第2の脚部セグメントの遠位端部40から延びていてよい。第2の脚部40は、第1の脚部セグメント38とは異なる曲率半径を有していてよく、および/または第1の脚部セグメント40に対して角度を形成していてよい。図12は、第2の脚部セグメント40が、ベース4の近似面と、角度(矢印で示す)を形成し得ることを示す。図13は、第1の脚部セグメント38が、ベース4の近似面と、角度(矢印で示す)を形成し得ることを示す。第2の脚部セグメント40は、ベース4の近似面と実質的に平行であってもよい。
【0029】
図14は、第2の脚部6bよりも実質的に長いものであり得る、第1の脚部6aを有し得る、アタッチメントデバイス2を示す。第1の脚部先端部分長さ(またはチップ長さ)22a対第2の脚部先端部分長さ22bの比は、約1:1〜約10:1であってよく、例えば、約3:1であってよい。
【0030】
図15は、第1の脚部半径42および第2の脚部半径44を有し得る、アタッチメントデバイスを示す。第1の脚部半径42対第2の脚部半径44の比は、約1:1〜約50:1であってよく、例えば、約10:1であってよい。
【0031】
図16および図17は、「フラット・トップ」を有し得る、アタッチメントデバイス2を示す。第2の脚部6bの近似面は、ベース4の近似面と、例えば約90度の角度を形成し得る。使用に際して、フラット・トップは、アタッチメントデバイス2を、第1の塊および/または第2の塊に対して、さらに固定し得る。図18および図19は、ベース軸12の周囲に巻かれ得る、アーム6を有し得る、アタッチメントデバイス2を示す。
【0032】
図20は、ベース4および/または脚部6から延び得る、アーム46を有し得る、アタッチメントデバイス2を示す。展開されると、アーム46は、追加の保持力のために、アーム46と脚部6および/またはベース4との間にある組織を絞ることができる。アンカー48が、アーム46から、アーム46の遠位端部にて、延びていてよい。アンカー48は、例えば、フック、バーブ(または棘)、スパイク、ステープル、またはそれらの組み合わせであってよい。アンカー48は、ベース4および/または脚部6に別に取り付けられたアーム46とともに又はアーム46無しで、ベース4および/または脚部6から、真っ直ぐに(または直接的に)延びてよい。図21は、真っ直ぐなベース4を有し得、また、ベース4から延びるアーム46を有し得る、アタッチメントデバイス2を示す。
【0033】
図22および図23は、第1の脚部6a、第2の脚部6b、および第3の脚部6cを有し得る、アタッチメントデバイスを示す。ベース4は、プラットフォーム(または台)、ワイヤーフレーム、またはポイントアッタチメントであってよく、それらは、スポット溶接もしくは鑞付けされてよく、またはチューブ圧着されてよく、あるいは機械的に接続されてよい。脚部6a、6b、および6cの面は、実質的に等しい角度、即ち、約120度で交差してよく、あるいは不同の角度で交差してよい。
【0034】
図24は、第1のループ49および第2のループ51を有し得る、アタッチメントデバイスを示す。第1のループ49は、ベース4および第1の脚部セグメント38の近位部分から形成されてよい。第2のループ51は、第1の脚部セグメント38の遠位部分および第2の脚部セグメント40の近位部分で形成されてよい。
【0035】
製造方法
図25は、例えば、熱処理の間に、アタッチメントデバイス2を形成するために用いることができる、マンドレル50を示す。ベース4および/または脚部6は、単一のシリンダー52、形成された通路54、および加圧プレート56(例えば、ねじボルト下のワッシャーまたはそれらの組み合わせ)によって、マンドレル50に保持することができる。形状記憶合金(例えばニチノール)を成形する方法が、当業者に公知である。先端8は、例えば、研削、電解研磨、または精密研磨(例えば、Point Technologies, Inc. ボールダー、コロラド州から提供されている研磨サービス)により、申し分のない形状構成(套管針ポイント、斜角を形成されたもの、丸くされたもの、先細り(またはテーパー)にされたもの)、鋭くされたもの、平坦にされたものを含む)を形成することができる。
【0036】
当業者に公知の他の方法を、アタッチメントデバイス2および/またはそのエレメントを製造するために使用することができる。例えば、製造技術として、一次成形(またはモールド成形)、機械加工、注型、二次成形(例えば、加圧成形)、クリンプ、型打ち、溶融、ねじ止め、接着、溶接、打抜き、レーザ切断、放電加工(EDM)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0037】
任意のエレメント、サブアセンブリ、または最終的な組立て後の全体としてのアタッチメントデバイス2は、当業者に公知のディップコーティングまたはスプレーコーティング法により、PTFE(例えば、TEFLON(登録商標)、E. I. du Pont de Nemours and Company、ウィルミントン、デラウェア州提供)、ポリエステル(例えば、DACRON(登録商標)、E. I. du Pont de Nemours and Company、ウィルミントン、デラウェア州提供)、ゼラチン、ゲル、他のポリマー、またはそれらの組み合わせのような材料を用いて、被覆してよい。管用の医療用デバイスをコートするために用いられる方法の一例は、Dingらの米国特許第6,358,556号にて提供されており、この文献は引用によりその全体が本明細書に組み込まれる。当業者に公知の徐放性コーティング方法もまた、コーティング中の薬剤の放出を遅らせるために使用することができる。コーティングは、血栓形成または抗血栓性であってよい。
【0038】
アタッチメントデバイス2またはその任意のエレメント(例えば、ベース4)は、布、例えば、ポリエステル、(例えば、DACRON(登録商標)、E. I. du Pont de Nemours and Company、ウィルミントン、デラウェア州提供)、ポリプロピレン、PTFE(例えば、TEFLON(登録商標)、E. I. du Pont de Nemours and Company、ウィルミントン、デラウェア州提供)、ePTFE、ナイロン、押出しコラーゲン、ゲル、ゼラチン、シリコーン、またはそれらの組み合わせで、被覆してよい。埋め込み可能なデバイスを布で被覆する方法は、当業者に公知であり、例えば、焼結、スプレーコーティング、接着、ゆるく(または取り外し可能に)覆うこと(loose covering)、ディッピング、またはそれらの組み合わせである。
【0039】
使用方法
アタッチメントデバイス2は、第1の形状構成(例えば、図26および図27に示す形状構成)および第2の形状構成(例えば、図1〜図3に示す形状構成)を有し得る。アタッチメントデバイス2は、外からの力が加えられておらず、アタッチメントデバイスが弛緩した状態にあるとき(例えば、挿入前または使用前に)、第2の形状構成を有し得る。アタッチメントデバイス2は、送り出す前に、例えば、デリバリツールにより、外からの力が加えられると、第1の形状構成を有し得る。外からの力がアタッチメントデバイス2から除かれると、アタッチメントデバイス2は、第1の形状構成から第2の形状構成に戻り得る。
【0040】
アタッチメントデバイス2は、ある永久的なヒステリスシス変形が生じたとき、および/または外部の対象物(例えば、第1および/または第2の塊)がアタッチメントデバイス2の進行を妨げるときでさえも、第2の形状構成に実質的に戻り得る。アタッチメントデバイス2が第1の形状構成を有しているとき、1または両方の脚部6が、ベース4に対して回転してよい(例えば、ベース4をベース軸12の周囲で回転させることにより、1または両方の脚部6は、ベースの周囲でねじれる又は回転することにより、トルクが与えられるので、外に広がる又は分離する)。
【0041】
図26は、アタッチメントデバイスが、第1の形状構成を有するようにさせる方法を示す。アタッチメントデバイス2は、矢印58で示すベーストルクを与えることにより、第1の形状構成を有するようにさせられる。ベーストルクは、ベース4に直接加えることができる。ベーストルクは、脚部の軸24aおよび24bの周囲で、脚部6aおよび/または6bに対する、矢印60aおよび60bで示す脚部トルクに、間接的に成り、あるいは該脚部トルクとして加えられてよい。ベース中間半径19の約2倍が、先端距離26より小さいと、脚部6は、第1の塊68に入るときに、外向きに傾斜するであろう。ベース中間半径19の約2倍が、先端距離26と等しいかあるいはそれよりも大きいと、脚部6は、第1の塊68内に展開するときに、内向きに傾斜するか、あるいは垂直なままであろう。
【0042】
図27は、アタッチメントデバイスが第1の形状構成を有するようにさせる方法を示す。アタッチメントデバイス2は、ベース4が脚部6に取り付けられているエリアの周囲で与えられる、矢印62で示すピボットトルクをかけることにより、第1の形状構成を有するようにさせられ、その結果、脚部6は、互いから半径方向に外向きに旋回させられる。ピボットトルクは、矢印64で示す、外向きに平行移動させる力を、1または両方の脚部6に加えることにより掛けることができる。ピボットトルクは、矢印66で示すように、平行移動させる力をベース4に加えることにより、掛けることができる。
【0043】
図28〜30に示すように、アタッチメントデバイス2は、展開して、第1の塊69を第2の塊70の取り付けることができる。第1の塊68および/または第2の塊70は、プロテーゼおよび/もしくは組織であってよく、または両方とも組織であってよく、または両方ともプロテーゼであってよい。プロテーゼは、例えば、心臓リード、マーカー、ステント、グラフト、ステントグラフト、心臓弁、弁輪形成リング、自家移植片、同種移植片、異種移植片、または任意のそれらのアセンブリ、もしくはそれらの組み合わせであってよい。組織は、例えば、管、弁、臓器(例えば、腸、心臓、皮膚、肝臓、腎臓、尿道、骨の塊、腱、神経、筋肉)、石灰化軟部組織、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。
【0044】
Griffinらの米国特許第6,241,765号、Laneの米国特許6,371,983号、およびRitzの米国特許第5,976,183号(それらの両文献は引用により全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている、心臓弁アセンブリを、本発明のデバイスを使用して、配置することができる。使用され得る他の心臓弁アセンブリとして、例えば、アドバンテージ・バイリーフレット心臓弁、パラレル弁、フリースタイル・ステンレス大動脈弁、ハンコック(Hancock)ブタ心臓弁、ハンコック心尖左心室コネクターモデル174A、ハンコック弁付き導管モデル100、105、150、ホール・メドトロニック(Hall Medtronic)心臓弁、ホール・メドトロニック弁付き導管、モザイク(MOSAIC;登録商標)心臓弁、および無傷ブタ組織弁(メドトロニック・インコポーレイテッド(Medtronic, Inc.)、ミネアポリス、ミネソタ州);Angelini Lamina-flo弁(Cardio Carbon Company, Ltd.、英国);Bjork-Shileyシングルディスク、モノストラット(monostrut)、およびケージド(caged)ディスク型弁(Shiley, Inc. 現在存在しない、以前はカリフォルニア州);Wada-Cutter弁およびChitra Cooley-Cutter弁(Cutter Biomedical Corp.、サンディエゴ、カリフォルニア州)、Angioflex三葉ポリウレタン弁(Abiomed, Inc.、デンバー、マサチューセッツ州);ATS APシリーズ心臓弁およびATS標準心臓弁(ATS Medical, Inc.、ミネアポリス、ミネソタ州);ANNULOFLO(登録商標)弁形成リング、ANNUFLEX(登録商標)弁形成リング、CARBSEAL(登録商標)弁付き導管、ORBIS(登録商標)ユニバーサル大動脈および僧帽弁、小児用/大人用小型弁、Rシリーズ弁、SUMIT(登録商標)僧帽弁、TOP HAT(登録商標)大動脈弁、OPTIFORM(登録商標)僧帽弁、MITROFLOW SYNERGY(登録商標)PCステント付き大動脈心膜生体プロテーゼおよびSYNERGY(登録商標)STステント付き大動脈および僧帽ブタ生体プロテーゼ弁(CarboMedics Inc.、オースティン、テキサス州);ON-X(登録商標)プロテーゼ心臓弁(MCRI(登録商標), LLC、オースティン、テキサス州);Starr-Edwards SILASTIC(登録商標)ボール弁、Starr-Edwards 1000、Starr-Edwards 1200、Starr-Edwards 1260、Starr-Edwards 2400、Starr-Edwards 6300、Starr-Edwards 6500、Starr-Edwards 6520、Carpentier-Edwardsブタ組織弁、Carpentier-Edwards心膜プロテーゼ、Carpentier-Edwards弁輪上方弁、Carpentier-Edwards弁形成リング、Duromedics弁、およびPERIMOUNT(登録商標)心臓弁(Edwards Lifesciences Corp.、イルバイン、カリフォルニア州);Cross-Jonesレンズ状ディスク弁(Pemco, Inc.);Tissuemedステント付きブタ弁(Tissuemed, Ltd.、リーズ、英国);Tekna弁(Baxter Healthcare Corp.、ディアフィールド、イリノイ州);Komp-01僧帽弁保持リング(Jyros Medical Ltd.、ロンドン、英国);SJM(登録商標)Mastersシリーズ機械心臓弁、SJM(登録商標)Mastersシリーズ大動脈バルブ付きグラフトプロテーゼ、ST. JUDE MEDICAL(登録商標)機械心臓弁、ST. JUDE MEDICAL(登録商標)機械心臓弁Hemodynamic Plus(HP)シリーズ、SJM REGENT(登録商標)弁、TORONTO SPV(登録商標)(Stentless Porcine Valve)弁、SJM BIOCOR(登録商標)弁およびSJM EPIC(登録商標)弁(St. Jude Medical, Inc.、セントポール、ミネソタ州);Sorin Bicarbon、Sorin Carbocast、Sorin Carboseal導管、Sorin Pericarbon およびSorin Pericarbonステントレス(Snia S.p.A.、イタリア)が挙げられる。本発明のアタッチメントデバイスは、これらの種々のデバイスを、特定のデバイスの形態及び好ましい配置に応じて、弁輪(もしくは環状部)上方位置、または経弁輪(もしくは環状部横断)位置に埋め込むために、展開させてよい。同様に、米国特許出願10/646,639号(2003年8月22日出願、引用により全体が明細書に組み込まれる)にて提供されているように、弁構造体を含む第2のプロテーゼを配置する前に、本発明のアタッチメントデバイス2を、縫合リングの輪の内部に又は周囲にデバイスを水平に又は垂直に配置することにより、縫合リングまたは第1のプロテーゼを固定するために、本発明のアタッチメントデバイス2を用いることもまた、有利であり得る。
【0045】
図28は、アタッチメントデバイス2が第1の形状構成に保持され得ることを示す。アタッチメントデバイス2を第1の塊68内に進行させる前に、アタッチメントデバイス2を綿撒糸(またはガーゼ)71を経由させて、供給することができる。綿撒糸71は、布のピースであってよく、例えば、上記において挙げた布であってよい。綿撒糸71は、使用前に、アタッチメントデバイス2の上に取り付けてよい。図29は、アタッチメントデバイス2を、矢印72で示すように、第1の塊68の内部に且つそれを通過し、かつ第2の塊70の一部の内部に且つそれを通過するように、押し込まれ得ることを示す。図30は、アタッチメントデバイス2が、第1の形状構成を有することから解放され得ることを示す。アタッチメントデバイス2は、実質的に第2の形状構成を有する状態に戻ることができる。矢印で示す、つまむ力をアタッチメントデバイス2に加えて、アタッチメントデバイス2が第2の形状構成を有する状態に戻ることをさらに促進させてよい。図24に示すアタッチメントデバイス2は、展開の前または展開の間に、第1および第2のループを真っ直ぐにするために十分に回転し得ることを除いては、先に説明したように、展開し得る。
【0046】
例えば、外科医がアタッチメントデバイス2の位置に満足しない場合、またはプロテーゼが将来のある時点で再配置すること、又は「やり直す」ことを要求する場合には、アタッチメントデバイス2は、上記の展開のいずれの段階にても、取り除いて、再度展開させてよい。アタッチメントデバイス2が保持デバイス29を有している場合において、保持コーティング31が十分に生分解し、あるいは取り除かれると、保持デバイス29は露出して、アタッチメントデバイス2が展開サイトから移動することを十分に防止し得る。しかしながら、それにもかかわらず、二次的な保持エレメントの強力に打ち勝つのに十分な力を(ツールまたは他のデバイス)により加えることにより、移動(または除去)することはあり得る。
【0047】
図31〜図33は、アタッチメントデバイス2を展開させて、第1の塊68を第2の塊70に取り付ける方法を示す。使用前に、綿撒糸71を、アタッチメントデバイス2の上に供給してよい。綿撒糸2は、アタッチメントデバイス2のベース4へのアクセスを許容する、アクセス開口部73(例えば、スリット、穴、または開口(もしくはアパーチャ))を備えた、矩形のコンテナとして、形成することができる。アタッチメントデバイス2は、第2の形状構成を有し得る。アタッチメントデバイス2は、矢印で示すように、押し込むことができ、それにより先端8が第1の塊68に係合する。図32は、先端8が第1の塊68により保持された状態で、矢印で示すように、縦方向の軸74の周囲でアタッチメントデバイス2に与えられた長手方向のトルクが、アタッチメントデバイス2を第1の形状構成にすることを示す。図33で示すように、アタッチメントデバイス2は、矢印で示すように、第1の塊68、および第2の塊70の一部を通過するように、押し込まれる。長手方向のトルク(図33には示さず)は、展開の間、またはアタッチメントデバイス2が第1および第2の塊68および70内に完全に展開した後に、取り除いてよい。綿撒糸71は、展開の間に押しつぶしてよい。
【0048】
図34〜図36は、図14に示すアタッチメントデバイス2を展開させる方法を示す。第1の脚部6aは、矢印で示すように、第1の塊68の内部に且つそれを通過し、且つ第2の塊70の一部の内部に且つそれを通過するように、押し込むことができる。第1の脚部6aは、「パドル(またはヘラ)」(図示せず)を有してよい。パドルは、一つの脚部にて、扁平な長円形又は長い矩形断面形状であってよい。アタッチメントデバイス22にトルクを与えるときに、パドルは、第1の塊68および/または第2の塊70に関して、抵抗力を大きくすることができる。
【0049】
図35は、アタッチメント2を、矢印58で示すベーストルクを与えることによって、第1の形状構成にし得ることを示す。第2の脚部6bは、それから、矢印76で示すように、アタッチメントデバイス2から外向きに回転させることができる。
【0050】
図36は、矢印で示すように、アタッチメントデバイス2を、第1の塊68と第2の塊70の一部とに押し込み得ることを示す。ベーストルク(図36において示されていない)は、展開の間に、またはアタッチメントデバイス2が第1及び第2の塊68および70内に完全に展開した後に、取り除くことができる。
【0051】
図37〜図39は、図18および図19に示す、アタッチメントデバイス2を展開させる方法を示す。図37は、ベース4および先端8を、第1の塊68に接触させて又はその付近に配置し得ることを示す。図38は、アーム6をベース軸12の周囲で、矢印で示すように回転させ得ることを示す。アーム6は回転させられて、アーム6は第1の塊68に押し込まれる。図39は、アーム6を、矢印で示すように、ベース軸12の周囲でさらに回転させ得ることを示す。アームは、第2の塊70内に且つそれを通過するように、押し込まれる。アーム6は、第1の塊68に再び入ることができる。
【0052】
図40〜図42は、アタッチメントデバイス2を展開させて、第1の塊68を第2の塊70に取り付ける方法を示す。例えば、アタッチメントデバイス2を、傷を閉じるために用いる場合には、第1の塊68および第2の塊70は、同じ対象物の2つのセクションであってよい。図40は、アタッチメントデバイス2を第1の形状構成に保持され得ることを示す。図41は、アタッチメントデバイス2を、矢印72で示すように押し込んで、それにより第1の脚部60を第1の塊68に挿入し、第2の脚部6bを第2の塊70に挿入し得ることを示す。図42は、アタッチメントデバイス2が第1の形状構成を有することから、解放され得ることを示す。アタッチメントデバイス2は、実質的に第2の形状構成を有する状態に戻ることができて、脚部6aおよび6bを矢印78で示すように内向きに回転させ、矢印80で示すように、力を第1の塊68および第2の塊70に加え、その結果、第1および第2の塊68および70が、互いの方に向かって移動する。
【0053】
アタッチメントデバイス2は、適用可能な場合には、上記展開方法の工程を逆にすることにより、第2の塊70および/または第1の塊68から取り除くことができる。
【0054】
図43は、使用中、アタッチメントデバイス2を、新しい組織成長82で覆うことができることを示す。フラグ(または旗)10は、(図示するように)新しい組織成長82の外側に延在させてよく、あるいは、表面の直下ではあるが、触知できるように配置させてよい。フラグ10は、例えば、アタッチメントデバイス2を取り外す場合に、アタッチメントデバイス2の位置を確認するために、直接的な視認もしくは当該分野で公知の画像診断法(例えば、X線、磁気共鳴映像法(MRI)、超音波、コンピュータ断層撮影法(CT)、心エコー図)により認識可能であるか、あるいは触知可能な標識として機能し得る。フラグ10は、縫合材料(例えば、ナイロン、ポリグリコール酸、ポリエステル(例えば、DACRON(登録商標)、E. I. du Pont de Nemours and Company、ウィルミントン、デラウェア州提供)、アタッチメントデバイス2の他のエレメントで使用されているような金属、その他のポリマー、またはそれらの組み合わせ)から成ってよい。ベース4もまた、ある用途において、この機能(例えば、マーカーの機能)を奏する。
【0055】
図44は、アタッチメントデバイス2を展開させるツール84を示す。ツール84は、第1のレバー86および第2のレバー88を有し得る。第1のレバー86は、回転可能にピボット90にて、第2のレバー88に取り付けられ得る。第1および第2のレバー86および88は、各レバーの第1の端部にて、ハンドル92を、各レバーの第2の端部にて、パッド94を有し得る。パッド94は、アタッチメントデバイス2を保持するために用いることができる。矢印96で示すように、力がハンドル92に加えられると、矢印98で示すように、力がパッド94に伝達される。
【0056】
ドライバーシャフト100は、第1の端部にてドライバーハンドル102を、第2の端部にてグリップ104を有し得る。ピボット90は、長手方向のチャンネル106を有し得る。ドライバーシャフト100は、長手方向のチャンネル106を通過してよく、および/またはレバー86もしくは88に固定されたケース(図示せず)に回転可能に取り付けられてよい。グリップ104は、アタッチメントデバイス2に取り外し可能なように取り付けられる。アタッチメントデバイス2は、パッド94を弛め、矢印108で示すようにドライバーハンドルを回転させることによって、長手方向の軸2の周囲で回転させ得る。
【0057】
図45は、アタッチメントデバイス2をツール84内に装着する前の、アタッチメントデバイス2を展開させるツール84の端部を示す。ツール84は、上側部分110および下側部分112を有し得る。上側部分110は、取り外し可能なように、矢印114で示すように、下側部分に取り付け得る。
【0058】
上側部分110および/または下側部分112は、アタッチメントデバイス2が第1の形状構成を有するときの1または複数の脚部6の一部およびベース4にフィットする寸法の溝116を有し得る。アタッチメントデバイス2は、第1の形状構成を有するようにされて、矢印118で示すように、ツール84内に装着され得る。上側部分110は、アタッチメントデバイス2がグルーブ116に配置された状態で(図示せず)、下側部分112に取り付けることができる。
【0059】
アタッチメントデバイス2は、ツール84によって、所望の展開位置に配置することができる。デバイス2は、下側部分112から上側部分110を取り外し、また、ツール84を展開位置から取り除くことによって、ツール84から展開させることができる。
【0060】
図46は、ツール84の端部を示す。ツール84は、アンビル(または金敷)122および脚部ポート124を備えたケース120を有し得る。ケース120は、スライド可能に、摺動体(またはすべり金もしくはすべり面)126に取り付けられ得る。アタッチメントデバイス2は、アンビル122の周囲に装着され得る。脚部6は、脚部ポート124を経由して、ケース120から突出し得る。
【0061】
図47は、図46のツール84を使用して、デバイス2を展開させる方法を示す。摺動体126は、矢印128で示すように、アンビル122の方に、押し進められる。摺動体126は、ベース4をアンビル122に押し付けることができ、それにより脚部6を、矢印76で示すように、外向きに回転させる。摺動体126およびアンビル122の表面形態は、アタッチメントデバイス2を図39に示すように完全に歪ませたときに、アタッチメントデバイス2の表面形態と合致し得る。アタッチメントデバイス2は、それから、所望の展開位置(図示せず)内に挿入することができる。アタッチメントデバイス2が適所に配置されると、アタッチメントデバイス2は、例えば、アンビル122を(図47の面に対して垂直に)邪魔にならないところにスライドさせ、アタッチメントデバイス2を、スライド126でもってツール84の端部の外に押し進めることによって、ツール84から展開させることができる。
【0062】
図45〜47に示すツール84の端部は、当業者に公知の方法で、ツール84の残部に対して旋回させ得る。ツール84の旋回可能な端部は、関節状に連結されていないツール84が容易にアクセスできない、展開サイトへのアクセスを向上させ得る。ツール84は、関節状に連結できないものであってよい。埋め込みのサイトへのアクセスが許容する場合には、当業者に公知のニードルドライバーツールと実質的に類似するツールを採用することもまた、可能であろう。
【0063】
2002年12月20日に出願された米国特許出願10/327,821、および2003年8月22日に出願された米国特許出願10/646,639における追加の開示が含まれ、これらの出願は引用により全体が本明細書に組み込まれる。本発明の精神から逸脱しない限りにおいて、種々の変更および改変を、この開示に対して為してよく、均等物を採用してよいことが、当業者には明らかであろう。任意の形態とともに示したエレメントは、特定の形態のための例示的なものであり、この開示内で他の形態において使用してよい。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、アタッチメントデバイスの一形態の正面図である。
【図2】図2は、アタッチメントデバイスの一形態の側面図である。
【図3】図3は、アタッチメントデバイスの一形態の底面図である。
【図4】図4は、アタッチメントデバイスの断面A−Aの一形態である。
【図5】図5は、アタッチメントデバイスの断面A−Aの一形態である。
【図6】図6は、アタッチメントデバイスの断面A−Aの一形態である。
【図7】図7は、アタッチメントデバイスの断面A−Aの一形態である。
【図8】図8は、アタッチメントデバイスの断面A−Aの一形態である。
【図9】図9は、アタッチメントデバイスの断面A−Aの一形態である。
【図10】図10は、アタッチメントデバイスの断面A−Aの一形態である。
【図11】図11は、アタッチメントデバイスの一形態の正面図である。
【図12】図12は、図11に示すアタッチメントデバイスの一形態の底面図である。
【図13】図13は、図11に示すアタッチメントデバイスの一形態の底面図である。
【図14】図14は、アタッチメントデバイスの一形態の正面図である。
【図15】図15は、アタッチメントデバイスの一形態の正面図である。
【図16】図16は、アタッチメントデバイスの一形態の正面斜視図である。
【図17】図17は、図16に示すアタッチメントデバイスの一形態の上面図である。
【図18】図18は、アタッチメントデバイスの一形態の側面斜視図である。
【図19】図19は、図18に示すアタッチメントデバイスの側面図である。
【図20】図20は、アタッチメントデバイスの一形態の正面図である。
【図21】図21は、アタッチメントデバイスの一形態の正面図である。
【図22】図22は、アタッチメントデバイスの一形態の正面斜視図である。
【図23】図23は、図22に示すアタッチメントデバイスの形態の上面図である。
【図24】図24は、アタッチメントデバイスの一形態の正面図である。
【図25】図25は、アタッチメントデバイスを製造するマンドレルの一形態を示す。
【図26】図26は、アタッチメントデバイスを第1の形状構成から第2の形状構成に変更する方法を示す。
【図27】図27は、アタッチメントデバイスを第1の形状構成から第2の形状構成に変更する方法を示す。
【図28】図28は、アタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図29】図29は、アタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図30】図30は、アタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図31】図31は、全体斜視図で示した綿撒糸とともに、アタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図32】図32は、全体斜視図で示した綿撒糸とともに、アタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図33】図33は、綿撒糸とともにアタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図34】図34は、図14に示す形態のアタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図35】図35は、図14に示す形態のアタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図36】図36は、図14に示す形態のアタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図37】図37は、図18および図19に示す形態のアタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図38】図38は、図18および図19に示す形態のアタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図39】図39は、図18および図19に示す形態のアタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図40】図40は、アタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図41】図41は、アタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図42】図42は、アタッチメントデバイスを使用する方法の一形態を示す断面図である。
【図43】図43は、フラグを使用する方法を示す断面図である。
【図44】図44は、アタッチメントデバイスを展開するツールの一形態を示す。
【図45】図45は、アタッチメントデバイスを展開するツールの端部を示す。
【図46】図46は、アタッチメントデバイスを展開するツールの一形態の先端を使用することを示す。
【図47】図47は、アタッチメントデバイスを展開するツールの一形態の先端を使用することを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の塊を第2の塊に取り付けるためのデバイスであって、
ベース軸、第1の端部、および第2の端部を有するベース、
第1の脚部、
を含み、
第1の脚部は、ベースの第1の端部から延びており、デバイスが第1の形状構成および第2の形状構成を有し、デバイスがベース軸に対して回転させられると、デバイスは第1の形状構成にある、
デバイス。
【請求項2】
第2の脚部をさらに含み、第2の脚部がベースの第2の端部から延びている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
第1の塊を第2の塊に取り付けるためのデバイスであって、
ベース軸、第1の端部、および第2の端部を有するベース、
第1の長手方向の軸および第1の脚部長さを有する第1の脚部、および
第2の長手方向の軸および第2の脚部長さを有する第2の脚部
を含み、
第1の脚部がベースの第1の端部に取り付けられており、第2の脚部がベースの第2の端部から延びており、
第1の脚部長さが第2の脚部長さよりも長い、
デバイス。
【請求項4】
デバイスは、第1の形状構成および第2の形状構成を有し、ベースがベース軸に対して回転させられると、デバイスが第1の形状構成にある、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
第1の脚部長さが、第2の脚部長さの3倍以上である、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
第1の塊を第2の塊に取り付けるデバイスであって、
ベース径、第1の端部、および第2の端部を有する、湾曲したベース、
第1の長手方向の軸および第1の脚部長さを有する第1の脚部、および
第2の長手方向の軸および第2の脚部長さを有する第2の脚部
を含み、
第1の脚部が、ベースの第1の端部から延びており、第2の脚部が、ベースの第2の端部から延びており、
デバイスが弛緩した形状構成を有し、弛緩した形状構成において、第1の脚部が第2の脚部と、脚部角度で交差し、脚部角度が180度未満である、
デバイス。
【請求項7】
脚部角度は90度以下である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
脚部角度は60度以下である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
ベース径が、0.13インチ以下である、請求項6に記載のデバイス。
【請求項10】
ベース径が、0.08インチ以上である、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
ベース軸、第1の端部、および第2の端部を有するベース、ベースの第1の端部から延びる第1の脚部、およびベースの第2の端部から延びている第2の脚部を含むアタッチメントデバイスであって、第1の形状構成および第2の形状構成を有するアタッチメントデバイスを使用して、第1の塊を第2の塊に取り付ける方法であって、
アタッチメントデバイスを第1の形状構成に保持すること、
ベースをベース軸の周囲で回転させて、アタッチメントデバイスを第2の形状構成にすること、
アタッチメントデバイスを第1の塊および第2の塊に挿入すること、ならびに
アタッチメントデバイスを弛めること
を含む方法。
【請求項12】
ベースを回転させることを、アタッチメントデバイスを第1の塊に挿入する前に行う、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
アタッチメントデバイスを第1の塊に挿入することを、ベースを回転させる前に行う、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
第1の対象物が、第1のセクションおよび第2のセクションを含み、第1のセクションが第1の塊を含み、第2のセクションが第2の塊を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
第1の塊を第2の塊に取り付ける方法であって、
第1の形状構成および第2の形状構成を有するアタッチメントデバイスを、強制的に第1の形状構成に保持すること、
アタッチメントデバイスを、第1の塊および第2の塊に挿入すること、ならびに
弛められたときに、第2の形状構成を形成しようとする、アタッチメントデバイスを弛めること
を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公表番号】特表2007−533362(P2007−533362A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534353(P2006−534353)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【国際出願番号】PCT/US2004/033149
【国際公開番号】WO2005/041784
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(304040223)アーバー・サージカル・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】Arbor Surgical Technologies,lnc.
【Fターム(参考)】