説明

アデノシンA3受容体リガンドとしてのトリアゾロ[1,5−A]キノリン

本発明は、一般式IのアデノシンA3受容体リガンドに関し、中でも好ましくは、これらの拮抗剤に、これらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体に、一般式Iの化合物、これらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体を含有する医薬組成物に、一般式Iの化合物、これらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体の使用に、一般式Iの化合物、これらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体の調製に、さらに一般式II、VI、XI、XIIおよびXVの新規中間体ならびにこれらの調製に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)のアデノシンA受容体リガンドに関し、中でも好ましくは、拮抗剤に、これらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体に、一般式(I)の化合物、これらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体を含有する医薬組成物に、一般式(I)の化合物、これらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体の使用に、一般式(I)の化合物、これらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体の調製に、さらに一般式(II)、(VI)、(XI)、(XII)および(XV)の新規中間体ならびにこれらの調製に関する。
【背景技術】
【0002】
アデノシンは、いくつかの生物活性のある内因性分子(ATP、NAD、核酸)の周知の成分である。加えて、アデノシンは、多くの生理プロセスにおいて重要な調整役を果たしている。心機能に関するアデノシンの作用は、1929年にすでに発見されている(DruryおよびSzentgyorgyi、J Physiol、68:213頁、1929年)。アデノシンによる媒介が確認された生理機能が増加していることおよび新しいアデノシン受容体サブタイプが発見されたことで、特異的リガンドの治療へ応用が可能となる(Poulse,S.A.およびQuinn,R.J.Bioorganic and Medicinal Chemistry 6:619頁、1998年)。
【0003】
現在までのところ、アデノシンの受容体は、3つの主要な種類、A、AおよびAに分類されている。Aサブタイプは、G膜タンパク質に結合することにより、アデニル酸シクラーゼを阻害する原因の一部となっており、他の第2メッセンジャーシステムに一部影響を及ぼしている。A受容体サブタイプは、2つのさらなるサブタイプ、A2aおよびA2bに細分することができ、これら受容体は、アデニル酸シクラーゼ活性を刺激する。アデノシンA受容体の配列は、最近になってラット精巣cDNAライブラリから同定された。その後、これが新規な機能性アデノシン受容体に相当することが証明された。A受容体の活性化はまた、いくつかの第2メッセンジャーシステム、例えばアデニル酸シクラーゼの即時阻害ならびにホスホリパーゼCおよびDの刺激作用などにも関連している。
【0004】
アデノシン受容体は、いくつかの器官内で見出され、これらの機能を調節している。A受容体とA2a受容体の両方が、中枢神経系および心臓血管系において重要な役割を果たしている。CNSにおいて、アデノシンは、A受容体によってその作用が媒介されるシナプス伝達物質の放出を抑制する。心臓においても、A受容体は、アデノシンの陰性変力作用、変時作用および変伝導作用を媒介している。アデノシンA2a受容体は、線条体に比較的多量に存在し、シナプス伝達の調節において、ドーパミン受容体との官能性相互作用を示す。内皮細胞および平滑筋細胞上のA2aアデノシン受容体は、アデノシン誘導性血管拡張(Baraldi P Gら、Chem.Rev.、2008年、108、238−263頁)の要因である。
【0005】
mRNAの同定に基づくと、A2bアデノシン受容体は、異なる組織に広く分布している。A2bアデノシン受容体は、ほぼ全ての細胞タイプで確認されているが、その発現は、腸および膀胱で最も高い。このサブタイプは、おそらく血管の平滑筋の緊張の調節においても重要な制御機能を有し、肥満細胞の機能においても役割を果たしている(Volpini Rら、Curr.Topics in Med.Chem.、2003年、3、427−443頁)。
【0006】
アデノシン受容体の発現レベルは、他のサブタイプに比較してむしろ低く、種依存性が高い。Aアデノシン受容体は、主に、中枢神経系、精巣および免疫系において発現し、即時型過敏症反応および好中球顆粒球遊走における肥満細胞からの媒介物質の放出の調節に関与しているようである(Y.Chenら、Science、2006年、314:1792−1795頁)。
【0007】
治療に使用するためには、分子が、確実に他のアデノシン受容体に選択性を示し、したがってアデノシン受容体のA、A2aおよびA2bサブタイプに結合しない、または非常に高濃度の場合しか結合しないことが必須である。
【0008】
今までに文献で発表されたA拮抗薬は、フラボノイド、1,4−ジヒドロピリジン誘導体、チアゾロナフチリジン、チアゾロピリミジンおよびアミノキノリンの群に属する。しかし、アデノシンサブタイプに対し効果的で、選択的な拮抗薬の多くは、強い親油性の性質であり、したがって、これらは、水への溶解度が乏しい。この性質により、インビボでの適用が妨げられている。文献に見られるように、水溶性アデノシンA受容体拮抗薬の調製を対象とする研究の数が増加している(Ch.E.Mullerら、J Med.Chem.45:3440頁、2002年、A.Maconiら、J.Med.Chem.45:3579頁、2002年)。
【0009】
WO03/053968には、新規な構造形式の効果的なアデノシンA拮抗薬であるトリアゾロ−キノリン誘導体について記載している。WO03/053968に記載の一般式(1)および(1a)の化合物は、高い選択性を有するアデノシンA拮抗薬である。
【0010】
【化1】

WO03/053968の特許出願は、一般式(1)および(1a)の化合物:
(式中、
1’は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
2’は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
3’は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、またはフェニル基、チエニル基もしくはフリル基(1つもしくは複数の直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または1個、2個もしくは3個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の芳香族複素環(1つもしくは複数の直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
6’は、水素原子、またはシアノ基、アミノカルボニル基、C1−4アルコキシカルボニル基もしくはカルボキシル基を表し、
7’は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、またはフェニル基、ベンジル基、チエニル基、フリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または1個、2個もしくは3個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の芳香族複素環(1つもしくは複数の直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている)を表し、
8’、R9’、R10’およびR11’は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖状もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子を独立して意味し、または
8’およびR11は、水素原子を表し、R9’およびR10’は、一緒になって、メチレンジオキシ基を形成し、
Xは、−CH−基、−NH−基、−NR8’−基、または硫黄原子、または酸素原子、またはスルホ基、またはスルホキシ基(ここで、R8’は、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を表す。)を表し、
nは、ゼロ、1または2の値を有する。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物および光学活性異性体、さらにその塩および溶媒和物について権利の請求をしている。
【0011】
これら化合物にも、非常に水に溶解しにくい、場合によってはまったく溶解しないという特徴的に不利な点があり、これによりこれら化合物の創薬が困難になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】国際公開第03/053968号
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】DruryおよびSzentgyorgyi、J Physiol、68:213頁、1929年
【非特許文献2】Poulse,S.A.およびQuinn,R.J.Bioorganic and Medicinal Chemistry 6:619頁、1998年
【非特許文献3】Baraldi P Gら、Chem.Rev.、2008年、108、238−263頁
【非特許文献4】Volpini Rら、Curr.Topics in Med.Chem.、2003年、3、427−443頁
【非特許文献5】Y.Chenら、Science、2006年、314:1792−1795頁
【非特許文献6】Ch.E.Mullerら、J Med.Chem.45:3440頁、2002年
【非特許文献7】A.Maconiら、J.Med.Chem.45:3579頁、2002年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明者らの目的は、キノリン骨格を有する新しいアデノシンAリガンドを調製することであり、中でも、A受容体に対して強い拮抗効果を有し、選択性を示すもの、すなわちA、A2aおよびA2b受容体を抑制する場合と比較して、非常により低い濃度でA受容体を抑制するような拮抗薬が好ましい。さらに、これらの新規化合物の安定性、生体利用度、代謝、治療係数、毒性および溶解度から、原薬の開発が可能であることに注目した。さらに注目したのは、この化合物は、腸内吸収に有利なので、経口投与することができるということであった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、一般式(I)の化合物:
【0016】
【化2】

(式中、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、またはC3−6シクロアルキル基を表し、またはフェニル基またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖状もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基:
【0017】
【化3】

(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基もしくはベンジル基を独立して表し、または
アミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表す。)を表し、または
一般式(b)の基:
【0018】
【化4】

(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基またはヒドロキシル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくは−NR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖状もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖状もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1、2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、または
フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基、アミノカルボニル基、−CO−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基またはカルボキシル基を表し、
Xは、−CH−基、−NH−基、NR10−基、または硫黄原子、または酸素原子、または−SO−基もしくは−SO−基(ここで、R10は、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を表す。)を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物が、上記基準を満たし、これらが既知のトリアゾロ−3−シアノキノリン誘導体よりも良い溶解度を有し、しかも同時に、アデノシンAに対する強い拮抗作用および選択性を保持することが判明した。
【0019】
さらに、本発明者らは、本発明による一般式(I)の化合物は、優れた抗炎症性効果を示すことを見出した。
【0020】
一般式(I)の化合物のさらなる利点は、非常に好ましい代謝特性を有することである。トリアゾール環は、その代謝の間安定しているので、望ましくない芳香族アミンが形成されない。
【0021】
本発明による一般式(1)の化合物の別の利点は、有利な薬物動態学的特性を有することである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の方法A)は、反応スキーム1(図1)に概要が述べられている。
【図2】本発明の方法B)は、反応スキーム2(図2)に概要が述べられている。
【図3】本発明の方法C)は、反応スキーム3(図3)に概要が述べられている。
【図4】本発明の方法D)は、反応スキーム4(図4)に概要が述べられている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上記置換基の詳細な意味は、以下の通りである。
【0024】
ハロゲン原子とは、クロロ原子、フルオロ原子、ヨード原子またはブロモ原子を意味する。
【0025】
直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基とは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、好ましくはエチル基またはメチル基を意味する。
【0026】
直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基とは、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、第二級ブトキシ基、第三級ブトキシ基、好ましくはエトキシ基またはメトキシ基を意味する。
【0027】
3−6シクロアルキル基とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基を意味する。
【0028】
1−5アシル基とは、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、2−メチル−プロピオニル基、ブチリル基またはバレリル基を意味する。
【0029】
1個、2個、3個または4個の窒素原子を含有する5または6員の複素環とは、芳香環または不飽和の、部分的に飽和したもしくは完全に飽和した複素環、例えばピロール、イミダゾール、ピラゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、タータゾル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、ピロリン、イミダゾリン、ピラゾリン環などを意味する。この環は、C1−4アルキル基またはアルコキシ基またはヒドロキシル基で、またはハロゲン原子で場合によって置換されている。
【0030】
1個の窒素原子および1個の酸素、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する複素環は、芳香環、不飽和の、部分的に飽和したもしくは飽和した複素環、例えばオキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン環であってよい。この環は、C1−4アルキル基またはアルコキシ基またはヒドロキシル基で、またはハロゲン原子で場合によって置換されている。
【0031】
基(b)は、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、4−メチルピペラジノ、4−アセチルピペラジノ、4−アセチルメチルピペラジノ、4−エトキシエチルピペラジノ、4−ベンジルピペラジノ、モルホリノまたは2,6−ジメチルモルホリノの基が好ましい。
【0032】
一般の式(I)の化合物の塩とは、無機酸および有機酸により得られる塩を意味する。好ましい塩は、例えば塩酸、硫酸、エタンスルホン酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸など、医薬として許容される酸により得られる塩である。精製または単離の間に形成される塩、例えばメタンスルホン酸塩およびテトラフルオロホウ酸塩もまた本発明の対象である。
【0033】
溶媒和物とは、例えば水、メチル−エチル−ケトンまたはエタノールなど、様々な溶媒を用いて得られる溶媒和物を意味する。
【0034】
トリアゾロ−キノリン環の中、または任意選択で、置換基R、RまたはRの中の窒素原子は、N−オキシドへ酸化されていてもよい。
【0035】
異性体とは、構造異性体または立体異性体を意味する。構造異性体は、平衡状態にある互変異性体であってもよいし、または、これらは、単離されたデスモトロプであってよく、これらも本発明の対象である。一般式(I)の化合物は、(例えば、R、RおよびRの意味に応じて)1つまたは複数の不斉炭素原子を含有してもよいので、したがって、光学異性体、エナンチオマーまたはジアステレオ異性体の形態で存在することもできる。このようなエナンチオマーおよびジアステレオ異性体、ならびにラセミ体を含めたこれらの混合物もまた、本発明の対象である。
【0036】
一般式(I)の化合物
(式中、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、またはC3−6シクロアルキル基を表し、または
フェニル基またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、またはアミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般の式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくは−NR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1,2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、または
フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基、アミノカルボニル基、−CO−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基またはカルボキシル基を表し、
Xは、−CH−基、−NH−基、−NR10−基、または硫黄原子、または酸素原子、または−SO−もしくは−SO−基(ここで、R10は、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を表す。)を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
のより狭い群が、これらならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物により形成される。
【0037】
一般式(I)の化合物
(式中、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、フェニル基またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つまたは複数の、同一のまたは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基もしくはベンジル基、または
アミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般の式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくは−NR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1、2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
のさらに狭い群が、これらならびにこれらの塩、溶媒和物および異性体、さらにその塩および溶媒和物により形成される。
【0038】
一般式(I)の化合物
(式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、フェニル基またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
は、1個の窒素を含有する6員の複素環を表し、または
一般の式(a)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、またはNR12−基(式中、R12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ベンジル基またはアセチル基を表す。)を意味し、
Wは、窒素原子を意味し、
mは、2の値であり、
oは、2の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロの値である。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
の別のより狭い群が、これらならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物により形成される。
【0039】
一般式(I)の化合物
(式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、フェニル基を表し、または
1個の窒素原子を含有する6員の複素環を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、またはアミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくはNR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1、2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、1または2の値である。)
の別のより狭い群が、これらならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物により形成される。
一般式(I)の化合物
(式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、フェニル基またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、またはアミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般の式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくは−NR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1、2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、フェニル基(メトキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し
nは、ゼロ、1または2の値である。)
の別のより狭い群が、これらならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物により形成される。
一般式(I)の化合物
(式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、フェニル基またはチエニル基またはフリル基を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環を表し、
は、1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、または−NR12−基(式中、R12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−アセチル基、−CH−CH−O−CH−CH基またはアセチル基を表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、2の値であり、
oは、2の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロの値である。)を表し、
は、フェニル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、1の値である。)
のさらに狭い群が、これらならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物により形成される。
【0040】
以下の一般式(I)の化合物
(式中、
は、水素原子を表し、
は、水素原子を表し、
は、フェニル基を表し、または
1個の窒素原子を含有する6員の複素環を表し、
は、1個の窒素原子を含有する6員の複素環を表し、または
一般式(b)の基:
(式中、
およびRは、メチル基を表し、
Zは、酸素原子、または−NR12−基(式中、R12は、水素原子、メチル基、またはアセチル基を表す。)を意味し、
Wは、窒素原子を意味し、
mは、2の値であり、
oは、2の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロの値である。)を表し、
は、フェニル基(メトキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、1の値である。)
のさらに狭い群が、これらならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物により形成される。
一般式(I)の代表的な化合物は、例えば以下の化合物:
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(2,6−trans−ジメチルモルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(ピリジン−4−イル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−ヒドロキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−フェニル−7−(ピリジン−3−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−(2−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピリジン−3−イル)−9−(4−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物である。
【0041】
一般式(I)の化合物の塩の代表的なものは、例えば以下の化合物である。
【0042】
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩、
− 2−(ピリジン−4−イル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリンマレイン酸塩、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン−ヘミフマル酸塩一水和物、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン−ヘミフマル酸塩半水和物、
− 2−(3−ヒドロキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリンマレイン酸塩、
− 2−フェニル−7−(ピリジン−3−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩、
− 2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−(2−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピリジン−3−イル)−9−(4−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩。
【0043】
その別の態様によると、本発明はまた、一般式(I)の化合物またはこれらの異性体、塩および溶媒和物を活性成分として含有する医薬組成物に関し、これらの医薬組成物は好ましくは経口組成物であるが、吸入可能な、非経口および経皮製剤もまた本発明の対象である。上記医薬組成物は、錠剤、ペレット、カプセル剤、パッチ、溶液、懸濁液または乳濁液など、固体または液体であってよい。固体組成物では、まず、錠剤およびカプセル剤が好ましい医薬品の形態である。
【0044】
上記医薬組成物は、医薬品業界で一般に使用されている医薬用賦形剤および通常の技術操作を適用することにより調製される。
【0045】
本発明による一般式(1)の化合物は、病理治療に使用することができ、この場合A受容体が疾患の発生に役割を果たしている。
【0046】
受容体に対して選択性効果を有する化合物は、心臓(Y.Guoら、J Mol Cell Cardiol.、2001年、33:825−30頁、R.G.Blackら、Cire Res.、2002年、91:165−72頁)、眼、腎臓(H.T.Leeら、Am J Physiol Regul Integr Comp Physiol.2006年、291:R959−69頁)、呼吸器系、関節(L.Madi J Rheumatol、2007年、34:20−6頁)、消化管(L.Antonioliら、Inflamm Bowel Dis.、2007年11月16日、L.Rybaczykら、Gastroenterology、2007年、132(Suppl2):A−246頁)および中枢神経系(G.J Chenら、J Neurosci Res.、2006年、84:1848−55頁)の機能不全の治療および/または予防に有用となり得る。これらの化合物は、肥満細胞の脱顆粒を阻害し、サイトカインの産生を阻害し、眼内圧を低下させ、TNFαの遊離を低下させ、エオジノフィルおよびニュートロフィル顆粒球ならびに他の炎症性細胞の遊走および活性化を妨害し、気道平滑筋の収斂を阻害し、血漿の血管通過による浸潤を妨害する。アデノシンA受容体を阻害することで、ムチン産生の増加に関わる病理(例えば喘息およびCOPD)は、治癒することができる。
【0047】
肥満細胞は、過敏症、喘息だけでなく、過敏性腸症候群(IBS)の病理学的機序においても重要な役割を果たす。肥満細胞は、脳腸軸を介して伝達されたストレス信号を翻訳して、神経終末への刺激作用を引き起こすことができる炎症促進性の伝達物質を放出し、この伝達物質により求心性神経の神経終末が影響を受け、これらの認識が変化し、腸運動が影響され、腸の浸透性が増加し、影響を受けやすい個人においては、炎症が変調することもある(World J Gastroenterol.、2007年、22:3027−30頁)。IBS患者の一サブセットにおいては、結腸粘膜内の肥満細胞の数が増加している(Gut、2008年、57:468−473頁)。さらに、IBSで下痢を患う患者において、結腸神経の近くの活性化した肥満細胞は、腹痛および内臓過敏症と相関している(Gastroenterology、2004年、126:693−702頁、J Gastroenterol Hepatol、2006年、21(1 Pt1):71−8頁)。肥満細胞は、肥満細胞アデノシンA3受容体を部分的に介して、アデノシンのパラ分泌および自己分泌の両方が制御されている。
【0048】
上記効果に基づき、アデノシンA受容体拮抗剤は、抗喘息、抗虚血性、抗うつ、抗不整脈、抗リウマチ、抗緑内障、炎症性および過敏性腸疾患における抗炎症性、抗COPD、腎機能保護、腫瘍予防、抗パーキンソンおよび認知機能刺激の薬物として治療上有用となり得る。アデノシンA受容体拮抗剤はまた、以下の疾患の治療または予防に有用となり得る:再灌流中の心筋の傷害、急性呼吸促迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)(慢性気管支炎、肺気腫または呼吸困難を含む)、アレルギー反応(例えば鼻炎、ツタウルシ毒誘発性反応、じんま疹、強皮症、関節炎)、他の自己免疫疾患、炎症性腸疾患(IBD)(クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)、過敏性腸症候群(IBS)、アジソン病、乾癬、関節の疾患、筋緊張亢進、神経機能の異常、緑内障および糖尿病(Naunyn−Schmiedberg’s Arch.Pharmacol.、362:382頁、2000年、TiPS 21:456頁、2000年、Am.J.Resp.Cell Mol.Biol.、35:549頁、2006年)。
【0049】
本発明の化合物は、喘息(Clip.Exp.Allergy 32:824頁、2002年、J.Allergy.Clin.Immuno、114:737頁、2004年)、COPD(Am.J.Respir.Crit.Care Med.、173:398頁、2006年)、ARDS、緑内障(Investigative Ophthalmology&Visual Science、Vol.46、2005年)、腫瘍、IBD、IBS(World J.Gastroenterol.2007年、22:3027−30頁)、アレルギー性および炎症性疼痛(Pain、121:105頁、2006年)、関節リウマチ(J.Rheumatol.34:20−6頁、2007年)、心臓虚血、心臓低酸素症、心臓不整脈、腎臓疾患および気分病(JPET Fast Forward.DOI:10.1124/jpet.107.121665として2007年4月25日発行)などの機能不全の治療に好都合に使用することができる。
【0050】
この別の態様によると、本発明は、上記の病理の治療への一般式(I)の化合物の使用に関する。推奨されている1日量は、疾患の性質および重症度ならびに患者の性別、体重などに応じて、活性成分1−100mgである。
【0051】
本発明のさらなる対象は、一般式(I)の化合物ならびに一般式(II)、(III)、(V)、(VI)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIV)および(XV)の中間体の調製である。
【0052】
本発明による方法で使用される一般式(II)、(III)、(V)、(VI)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIV)および(XV)の中間体の一部は、新規である。
【0053】
本発明の方法A)は、反応スキーム1(図1)に概要が述べられている。
【0054】
一般式(I)の化合物を調製するための本発明の方法A)(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、上記の通りの意味を有する)に従い、一般式(II)の1,2−ジアミノ−アジニウム塩:
【0055】
【化5】

(式中、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、上記の通りの意味を有し、TsOは、p−トルエン−スルホン酸アニオンを意味する。)を、一般式(IV)の化合物:
【0056】
【化6】

(式中、Rの意味は、上記の通りであり、Yは、水素原子、ハロゲン原子またはC1−4アルコキシ基を表す。)と、好ましくは適切な酸塩化物またはエステルと共に反応させ(D.W.Robertson、J.Med.Chem.、28、717頁、1985年)、必要に応じて、一般式(I)の化合物の置換基を、それ自体公知である方法で互いに変換させ、および/または生成したこの一般の式(I)の化合物を、この塩、溶媒和物、N−オキシドへと変換し、またはその塩、溶媒和物から遊離し、および/またはその光学活性異性体へと分解し、またはこの光学活性異性体をラセミ化合物へと変換させ、さらに必要に応じて、構造異性体を分離する。
【0057】
アルデヒドはまた、閉環に使用することもできる。環化剤として、好ましくはジメチルホルムアミド中のトリエチルアミンが適用できるが、有機化学により知られているこの種の他の薬剤もまた使用できる。環化は、広い範囲の温度、好ましくは20℃−150℃の間で実施することができる。
【0058】
本発明の方法B)は、反応スキーム2(図2)に概要が述べられている。
一般式(I)の化合物
(式中、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で置換されている。)を意味し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する、炭素原子を介して結合している5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を意味し、または
一般式(b)の基(式中、tの値が1の場合、Wは窒素原子もしくは−CH−基を意味し、またはtの値が0の場合、Wは、−CH−基を意味し、Z、m、o、p、r、RおよびRの意味は、上記に定義された通りである。)を意味し、
、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)を調製するために、本発明に従い、
方法B/1)において、一般式(V)のトリアゾール誘導体:
【0059】
【化7】

(式中、Eは、ハロゲン原子またはトリフルオロメタンスルホニル基を表し、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)および一般式(VII)の化合物:
【0060】
【化8】

(式中、Rの意味は、方法B)に対して上記に定義された通りである。)を、鈴木反応の条件下で反応させる(A.Kotschy、G.Timari:Heterocycles from Transition Metal Catalysis.、Springer、2005年)、または
方法B/2)において、一般の式(VI)のトリアルキルスズ−トリアゾール誘導体:
【0061】
【化9】

(式中、R14は、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)および一般の式(VIII)の化合物:
−E (VIII)
(式中、Eは、ハロゲン原子またはトリフルオロメタンスルホニル基を表し、Rの意味は、方法B)に対して上記に定義された通りである。)を、スティル反応条件下で反応させる(A.Kotschy、G.Timari、Heterocycles from Transition Metal Catalysis.、Springer、2005年)、
さらに必要に応じて、一般式(I)の化合物の置換基を、それ自体公知である方法で互いに変換し、および/または生成したこの一般式(I)の化合物を、この塩、溶媒和物、N−オキシドへと変換し、またはこの塩、溶媒和物から遊離し、および/またはその光学活性異性体へと分解し、またはこの光学活性異性体を、ラセミ化合物へと変換し、必要に応じて構造異性体を分離する。
【0062】
本発明の方法C)は、反応スキーム3(図3)に概要が述べられている。
一般式(I)の化合物
(式中、R、R、R、R、R、R13、xおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)を調製するための本発明の方法C)に従い、一般式(XII)のトリアゾール誘導体:
【0063】
【化10】

(式中、R、RおよびR13の意味は、上記に定義された通りである。)および一般式(XIII)の化合物:
【0064】
【化11】

(式中、X、R、RおよびRおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)を、それ自体公知である方法で反応させ(Nan Zhang、Bioorg.and Med.Chem.Lett.、10、2825頁、2000年)、さらに必要に応じて、一般式(I)の化合物の置換基を、それ自体公知である方法で互いに変換し、および/または生成した一般式(I)の化合物を、この塩、溶媒和物、N−オキシドへと変換し、またはこの塩、溶媒和物から遊離し、および/またはその光学活性異性体へと分解し、またはこの光学活性異性体を、ラセミ化合物へと変換し、さらに必要に応じて構造異性体を分離する。
【0065】
本発明の方法D)は、反応スキーム4(図4)に概要が述べられている。
【0066】
一般式(I)の化合物
(式中、R、R、R、R4、R、R13、Xおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)を調製するための本発明の方法D)によると、一般式(XV)の化合物:
【0067】
【化12】

(式中、X、R、R、R、R、R、R13およびnの意味は、上記に定義された通りであり、TsOは、p−トルエンスルホン酸アニオンを意味する。)もまた使用でき、これを有機または無機の塩基、好ましくはトリエチルアミンまたはピリジンの存在下で環化させ、さらに必要に応じて、一般式(I)の化合物の置換基を、それ自体公知である方法で互いに変換し、および/または生成した一般の式(I)の化合物を、この塩、溶媒和物、N−オキシドへと変換し、またはこの塩、溶媒和物から遊離し、および/またはその光学活性異性体へと分解し、またはこの光学活性異性体を、ラセミ化合物へと変換し、必要に応じて構造異性体を分離する。
【0068】
上記方法に使用した出発物質およびこれらの調製物は、以下の通り実証される。
【0069】
一般式(II)の化合物:
【0070】
【化13】

(式中、R、R、R、R、R13およびnの意味は、上記に定義された通りであり、TsOは、p−トルエンスルホン酸アニオンを意味する。)は、新規物質であり、これらの化合物は、いくつかの公知の方法で調製することができるが、中でも例えば、反応スキーム1(図1)に概要が述べられているように、一般式(III)の化合物:
【0071】
【化14】

(式中、X、R、R、R、R、R13およびnの意味は、上記に定義された通りである。)から、有機化学において公知のN−アミノ化反応により調製することができる(E.E.Glover、R.T.Rowbotton、J.Chem.Soc.Perkin Trans I.376頁、1976年、G.Timari、Gy.Hajos、S.BatoriおよびA.Messmer、Chem.Ber.、125、929頁、1992年)。N−アミノ化剤として、好ましくはO−トシル−ヒドロキシルアミン(TSH)が適用されるが、N−アミノ化剤として知られている他の化合物も使用することができる。
【0072】
一般の式(III)の化合物は、特許出願公開番号WO2005/009969号明細書から部分的に知られており、またはこれらの化合物は、本明細書中に記述されている方法と類似の方法により調製することもできる。
【0073】
一般式(III)のこれら化合物
(式中、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で置換されている)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する、炭素原子を介して結合している5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(b)の基:
(式中、tの値が1の場合、Wは窒素原子もしくは−CH−基を表し、またはtの値が0の場合、Wは−CH−基を表し、Z、m、o、p、r、RおよびRの意味は、上記に定義された通りである。)を表し、
、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)は、
特許出願WO02/096879号明細書またはこの類似特許より知られている6−ハロゲノ−アミノキノリン誘導体を、出発物質として用いて、本発明の方法バージョンB/1)と類似の方法で調製することができる。
一般式(V)のこれら化合物:
【0074】
【化15】

(式中、Eは、ハロゲン原子を表し、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)は、公開番号WO03/053968号明細書の国際特許出願より部分的に知られており、またはその明細書中に記載されている方法と類似の方法により調製することができる。
【0075】
一般式(V)の化合物(式中、Eは、トリフルオロメタンスルホニル基を表し、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)は、有機化学より知られている方法によって(G.Timari、T.Soos、Gy.Hajos、A.Messmer、J.NacsaおよびJ.Molnar、Bioorg.Med.Chem.Lett、2831頁、1996年)、Eの基としてヒドロキシル基を含有する、公開番号WO03/053968号明細書の国際特許出願に記載された適切な化合物から、またはこれらの類似物から調製することができる。
【0076】
一般式(VI)の化合物:
【0077】
【化16】

(式中、R14は、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、上記に定義された通りである。)は、新規化合物である。一般式(VI)の中間体は、いくつかの公知の方法、例えば反応スキーム2(図2)に従い、一般式(V)の化合物から、有機化学において知られている方法によって(A.Kotschy、G.Timari:Heterocycles from Transition Metal Catalysis.Springer、2005年、WO2006/051341号明細書)調製することができる。トリアルキルスタネート基を構築するために、ヘキサメチルジスタネートを使用するのが好ましい。
【0078】
一般式(XII)の化合物:
【0079】
【化17】

(式中、R、RおよびR13の意味は、上記に定義された通りである。)は、新規化合物である。一般式(XII)の化合物(式中、R、RおよびR13の意味は、上記に定義された通りである。)は、一般式(XI)の化合物:
【0080】
【化18】

(式中、R、RおよびR13の意味は、上記に定義された通りである。)から、それ自体公知である方法で(D.L.Leysen、J.Heterocyclic Chem.、24、1611頁、1987年)、反応スキーム3(図3)に従い調製することができる。
【0081】
一般式(XI)の化合物(式中、R、RおよびR13の意味は、上記に定義された通りである。)は、新規化合物である。これらを調製するために、一般式(X)の1,2−ジアミノ−アジニウム塩:
【0082】
【化19】

(式中、RおよびR13の意味は、上記に定義された通りであり、TsOは、p−トルエンスルホン酸アニオンを表す。)を、一般式(IV)の化合物:
【0083】
【化20】

(式中、Rの意味は、上記に定義された通りであり、Yは、水素原子、ハロゲン原子またはC1−4アルコキシ基を表す。)と、好ましくは適切な酸塩化物またはエステルと共に反応させる(D.W.Robertson、J.Med.Chem.、28、717頁、1985年)。閉環にはアルデヒドも使用することもできる。
【0084】
環化剤として好ましくはジメチルホルムアミド中のトリエチルアミンが適用されるが、有機化学より知られているこの種の他の薬剤を使用することもできる。環化は、広範囲な温度、好ましくは20℃−150℃の間で実施することができる。
【0085】
一般式(X)の化合物(式中、RおよびR13の意味は、上記に定義された通りである。)は、新規化合物であり、これらの化合物は、いくつかの公知の方法、例えば反応スキーム3(図3)に従い、一般式(IX)の化合物:
【0086】
【化21】

(式中、RおよびR13の意味は、上記に定義された通りである。)から、有機化学において知られているN−アミノ化反応により調製することができる(E.E.Glover、R.T.Rowbotton、J.Chem.Soc.Perkin Trans I.、376頁、1976年、G.Timari、Gy.Hajos、S.BatoriおよびA.Messmer、Chem.Ber.、125、929頁、1992年)。N−アミノ化薬剤としては、好ましくはO−トシル−ヒドロキシルアミン(TSH)が適用されるが、N−アミノ化剤として知られている他の化合物も使用することができる。
【0087】
一般式(IX)の化合物は、公開番号WO2005/009969号明細書の国際特許出願より部分的に知られており、または5位に適切なR置換基を含有する2−ニトロ安息香酸から開始して、公開番号WO2005年/009969号明細書の国際特許出願に記載された方法と類似の方法で調製することもできる。
【0088】
一般の式(XV)の化合物:
【0089】
【化22】

(式中、X、R、R、R、R、R、R13およびnは、上記に定義された意味を有し、TsOは、p−トルエンスルホン酸アニオンを意味する。)は、新規化合物である。一般式(XV)の中間体は、いくつかの公知の方法、例えば反応スキーム4(図4)に従い、一般の式(XIV)の化合物:
【0090】
【化23】

(式中、X、R、R、R、R、R、R13およびnの意味は、上記に定義された通りである。)から、有機化学において知られているN−アミノ化反応により調製することができる(E.E.Glover、R.T.Rowbotton、J.Chem.Soc.Perkin Trans I.、376頁、1976年、G.Timari、Gy.Hajos、S.BatoriおよびA.Messmer、Chem.Ber.、125、929頁、1992年)。Nアミノ化薬剤として、好ましくはO−トシル−ヒドロキシルアミン(TSH)が適用されるが、N−アミノ化薬剤として知られている他の化合物もまた使用することができる。
【0091】
一般式(XIV)の化合物は、公開番号WO2005/009969号明細書の国際特許出願より部分的に知られており、または一般式(III)の化合物から、公開番号WO2005年/009969号明細書の特許出願に記載されている方法と類似の方法で調製することができる。
【0092】
N−オキシドを調製する一般手順:
適切なアミンを、クロロホルム中に溶解し、過剰量のmCPBAを少しずつ加えた。室温で5時間撹拌後、この反応混合物を10%炭酸ナトリウム溶液で抽出し、有機層を蒸発させた。固体残留物をクロマトグラフィで精製することによって、所望のN−オキシドを得た。
塩を調製する一般手順:
テトラヒドロフラン中に溶解されている適切な塩基の溶液に、1.2当量の酸(塩酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸)のエタノール溶液を加え、室温で撹拌した。生成した沈殿物を濾別し、冷たいエタノールで洗浄することによって、所望の塩を得た。
【0093】
本発明による一般式(I)、(II)、(III)、(V)、(VI)、(IX)、(X)、(XI)、(XII)、(XIV)および(XV)の化合物、これらの調製物および一般式(I)の化合物の生物活性は、特許請求の範囲は、これら実施例に制限されることはなく、以下の実施例で実証される。
【実施例】
【0094】
実施例1
2−(3−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−α]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rは3−メトキシフェニル基を表し、Rは、(b)の基(ここで、Wは窒素原子を表し、Zは酸素原子を表し、mおよびoの値は2であり、r、pおよびtの値は0である。)を意味し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(モルホリン−4−イル)キノリニウムトシレート:
2−アミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−モルホリノ−キノリン3gのジメチルホルムアミド20ml中溶液へ、ジクロロメタン25ml中に溶解したO−トシルヒドロキシルアミン2.2gを20℃で15分間滴加する。5時間の撹拌後、沈殿した結晶性物質を濾別する。乾燥後、表題化合物3.8gを得る(MH:376)。
b)2−(3−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−l0−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(モルホリン−4−イル)キノリニウムトシレート3.5gをエタノール50mlに溶解し、この溶液へ、エタノール溶液中の濃度1mol/リットルのナトリウムエチラート12mlおよび3−メトキシベンズアルデヒド2gを加える。この反応混合物を還流温度で4時間加熱する。この沈殿した結晶性物質を濾別し、ジメチルホルムアミドから再結晶化させる。乾燥後、表題化合物1.8を得る(MH:491)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.23(d,1H);7.79−7.64(m,4H);7.43−7.05(m,7H);5.15(d.2H);3.84(s,3H);3.80−3.78(m,4H);3.32−3.30(m,4H)。
【0095】
実施例1.2
2−(3−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩
2−(3−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン0.4gの酢酸エチル30ml中溶液へ、エーテル溶液中の濃度4mol/リットルの塩化水素5mlを加える。沈殿した結晶性物質を濾別する。乾燥後、表題化合物0.42gを得る(MH:491)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.23(d,1H);7.82−7.64(m,4H);7.43−7.05(m,7H);5.15(d.2H);3.84(s,3H);3.82−3.78(m,4H);3.43−3.30(m,4H)。
【0096】
実施例2
2−(4−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rは4−メトキシフェニル基を表し、Rは(b)の基(ここで、Wは窒素原子を表し、Zは酸素原子を表し、mおよびoの値は2であり、r、pおよびtの値は0である。)を意味し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)2−(4−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
実施例1に記載されている、1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(モルホリン−4−イル)キノリニウムトシレート3.5gのエタノール50ml中溶液へ、エタノール溶液中の濃度1mol/リットルのナトリウムエチラート12mlおよび4−メトキシベンズアルデヒド2gを加える。この反応混合物を還流温度で4時間加熱する。沈殿した結晶性物質を濾別し、ジメチルホルムアミドから再結晶化させる。乾燥後、表題化合物1.65gを得る(MH:491)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.72(br,1H);8.23(d,1H);7.79−7.64(m,4H);7.43−7.05(m,7H);5.13(d.2H);3.94(s,3H);3.80−3.78(m,4H);3.32−3.30(m,4H)。
【0097】
実施例2.2
2−(4−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩
実施例2に従い調製した化合物に塩酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で、表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.81(br,1H);8.33(d,1H);7.82−7.64(m,4H);7.43−7.05(m,7H);5.15(d.2H);3.96(s,3H);3.80−3.78(m,4H);3.36−3.32(m,4H)。
【0098】
実施例3
2−(4−メトキシフェニル)−7−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rは4−メトキシフェニル基を表し、Rは(b)の基(ここで、Wは窒素原子を表し、Zは酸素原子を表し、mおよびoの値は2であり、rおよびpの値は1である。)を意味し、RおよびRはメチル基を表し、tの値は0であり、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)2−ニトロ−5−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)安息香酸:
2−ニトロ−5−クロロ安息香酸5gと2,6−ジメチルモルホリン15mlの混合物を120℃で6時間撹拌する。この反応混合物へ、酢酸エチル150mlを加える。沈殿した黄色の結晶性物質を濾別し、水15ml中で溶解する。混合物のpHを酢酸で6に設定する。この沈殿した物質を濾別し、水で洗浄し、乾燥することによって、表題化合物4.2gを得る(MH:281)。
b)2−アミノ−5−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)安息香酸:
2−ニトロ−5−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)安息香酸6gと、シクロヘキセン15mlと、Pd/C(10%)3gの混合物を6時間還流加熱する。この熱い反応混合物を、セライトパッドを通して濾過する。濾液を蒸発させた後、表題生成物4.8gを得る(MH:251)。
c)5−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)イサト酸無水物:
撹拌中および外部水冷した2−アミノ−5−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)安息香酸8.9gのジオキサン60ml中混合物へ、ジホスゲン10mlを滴加する。この混合物を還流条件下で4時間加熱する。冷却した反応混合物から、固体物質を濾別し、エーテル50mlで洗浄する。この生成物をメタノール50mlおよびトリエチルアミン5mlの混合物中で5分間撹拌し、次いで濾別し、メタノール30mlで洗浄する。乾燥後、表題生成物7gを得る(MH:277)。
d)2−アミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)キノリン:
マロニトリル4gをジメチルホルムアミド50mlに溶解する。溶液へ、数回に分けて、油性分散液中の60%水素化ナトリウム2.4gを加える。この透明溶液へ、5−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)イサト酸無水物8gを加え、この混合物を室温で10時間撹拌する。この反応混合物を水70mlで希釈し、酢酸エチル2×30mlで抽出する。この水相を真空で蒸発させ、固体残留物を水20ml中に溶解し、pHを6に設定する。沈殿した物質を濾別し、水で洗浄する。乾燥後、表題化合物6.5gを得る。(MH:299)
e)2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)キノリン:
2−アミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)キノリン1.7gとホスホリルクロライド3.4mlの混合物を120℃で4時間撹拌する。この冷却した反応混合物を氷30gへ注ぎ入れ、混合物のpHを10%水酸化ナトリウム溶液で8に調整し、沈殿した物質を濾別する。乾燥後、表題化合物1.5gを得る(MH:317)。
f)2−アミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)キノリン:
2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)キノリン3gおよびベンジルアミン6mlを125℃で3時間撹拌する。この反応混合物を水30mlへ注ぎ入れる。この沈殿した物質を濾別し、水20mlで洗浄する。乾燥後、表題化合物2.3gを得る(MH:388)。
g)1.2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)キノリニウムトシレート、
2−アミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)キノリン3.2gのジメチルホルムアミド20ml中溶液へ、ジクロロメタン25ml中のO−トシルヒドロキシルアミン2.2gを20℃で15分間滴下する。5時間撹拌後、沈殿した結晶性物質を濾別する。乾燥後、表題化合物3.4gを得る(MH:403)。
h)2−(4−メトキシフェニル)−7−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)キノリニウムトシレート3.5gをエタノール50ml中に溶解し、この溶液に、エタノール溶液中の濃度1mol/lのナトリウムエチラート12mlおよび4−メトキシベンズアルデヒド2gを加える。この反応混合物を還流温度で4時間加熱する。この沈殿した結晶性物質を濾別し、ジメチルホルムアミドから再結晶化させる。乾燥後、表題化合物1.85gを得る(MH:518)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.70(br,1H);8.26(d,1H);7.89−7.64(m,4H);7.43−7.15(m,7H);5.16(d.2H);3.90(s,3H);3.77−3.74(m,4H);2.41−2.38(m,2H);1.2(d,6H)。
【0099】
実施例3.2
2−(4−メトキシフェニル)−7−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩:
実施例3に従い調製した化合物に硫酸溶液を加えることによって、上記に開示した一般の方法で表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.70(br,1H);8.42(d,1H);7.91−7.64(m,4H);7.53−7.25(m,7H);5.26(d.2H);3.92(s,3H);3.97−3.76(m,4H);2.51−2.48(m,2H);1.25(d,6H)。
【0100】
実施例4
2−(ピリジン−4−イル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rはピリジン−4−イル基を表し、Rは(b)の基(ここで、Wは窒素原子を表し、ZはNR12−基(ここで、R12はメチル基を意味する。)を表し、mおよびoの値は2であり、r、pおよびtの値は0である。)を意味し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−アミノ−4−メチルピペラジン−4−イウム−1−イル)キノリニウムジトシレート:
2−アミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン3.7gのジメチルホルムアミド20ml中溶液へ、ジクロロメタン50ml中のO−トシルヒドロキシルアミン4.4gを20℃で15分間滴加する。5時間撹拌後、この沈殿した結晶性物質を濾別する。乾燥後、表題化合物3.3gを得る(MH:404)。
b)2−(ピリジン−4−イル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−アミノ−4−メチルピペラジン−4−イウム−1−イル)キノリニウムジトシレート3.2gをエタノール50ml中に溶解し、この溶液に、エタノール溶液中の濃度1mol/リットルのナトリウムエチラート20mlおよびピリジン−4−カルバルデヒド2.1gを加える。この反応混合物を還流温度で4時間加熱する。この沈殿した結晶性物質を濾別し、ジメチルホルムアミドから再結晶化させる。乾燥後、表題化合物1.15gを得る(MH:474)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.77(br,1H);8.23(d,1H);8.12−7.64(m,6H);7.43−7.05(m,5H);5.13(d.2H);3.86(s,3H);3.46−3.34(m,4H);2.53−2.46(m,4H);2.28(s,3H)。
【0101】
実施例4.2
2−(ピリジン−4−イル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリンマレアート:
実施例4に従い調製した化合物にマレイン酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.78(br,1H);8.24(d,1H);8.12−7.64(m,6H);7.43−7.05(m,5H);6.3(s,2H);5.15(d.2H);3.86(s,3H);3.46−3.34(m,4H);2.51−2.46(m,4H);2.31(s,3H)。
【0102】
実施例5
2−(4−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rは4−メトキシフェニル基を表し、Rは(b)の基(ここで、Wは窒素原子を表し、ZはNR12−基(ここで、R12はメチル基を意味する。)を表し、mおよびoの値は2であり、r、pおよびtの値は0である。)を意味し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)2−(4−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
実施例4に従い調製した1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−アミノ−4−メチルピペラジン−4−イウム−1−イル)キノリニウムジトシレート3.2gをエタノール50ml中に溶解し、この溶液へ、エタノール溶液中の濃度1mol/リットルのナトリウムエチラート20mlおよび4−メトキシベンズアルデヒド2gを加える。この反応混合物を、還流温度で4時間加熱する。沈殿した結晶性物質を濾別し、ジメチルホルムアミドから再結晶化させる。乾燥後、表題化合物1.1gを得る(MH:504)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.65(br,1H);8.21(d,1H);7.77−7.64(m,4H);7.43−7.05(m,7H);5.12(d.2H);3.81(s,3H);3.36−3.34(m,4H);2.53−2.49(m,4H);2.26(s,3H)。
【0103】
実施例5.2
2−(4−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン−ヘミフマル酸一水和物:
実施例5に従い調製した化合物にフマル酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.23(d,1H);7.81−7.64(m,4H);7.53−7.05(m,7H);6.75(s,1H);5.14(d,2H);3.84(s,3H);3.36−3.34(m,4H);2.53−2.49(m,4H);2.33(s,3H)。
【0104】
実施例6
2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rは3−メトキシフェニル基を表し、Rは(b)の基(ここで、Wは窒素原子を表し、ZはNR12−基(ここで、R12はメチル基を意味する。)を表し、mおよびoの値は2であり、r、pおよびtの値は0である。)を意味し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
実施例4に従い調製した1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−アミノ−4−メチルピペラジン−4−イウム−1−イル)キノリニウムジトシレート3.3gをエタノール50ml中に溶解し、この溶液に、エタノール溶液中の濃度1mol/lのナトリウムエチラート20mlおよび3−メトキシベンズアルデヒド2.1gを加える。この反応混合物を還流温度で4時間加熱する。この沈殿した結晶性物質を濾別し、ジメチルホルムアミドから再結晶化させる。乾燥後、表題化合物1.15gを得る(MH:504)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.23(d,1H);7.79−7.64(m,4H);7.43−7.05(m,7H);5.12(d.2H);3.84(s,3H);3.36−3.34(m,4H);2.53−2.49(m,4H);2.26(s,3H)。
【0105】
実施例6.2
2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン−ヘミフマル酸半水化物:
実施例6に従い調製した化合物にフマル酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.23(d,1H);7.79−7.64(m,4H);7.43−7.05(m,7H);6.75(s,1H);5.12(d,2H);3.84(s,3H);3.36−3.34(m,4H);2.53−2.49(m,4H);2.31(s,3H)。
【0106】
実施例7
2−(3−ヒドロキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rは3−ヒドロキシフェニル基を表し、Rは(b)の基(ここで、Wは窒素原子を表し、ZはNR12−基(ここで、R12はメチル基を意味する。)を表し、mおよびoの値は2であり、r、pおよびtの値は0である。)を意味し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)2−(3−ヒドロキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
実施例4に従い調製した1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−アミノ−4−メチルピペラジン−4−イウム−1−イル)キノリニウムジトシレート3.1gを、エタノール50ml中に溶解し、この溶液へ、エタノール溶液中の濃度1mol/リットルのナトリウムエチラート20mlおよび3−ヒドロキシベンズアルデヒド2gを加える。この反応混合物を還流温度で4時間加熱する。沈殿した結晶性物質を濾別し、ジメチルホルムアミドから再結晶化させる。乾燥後、表題化合物1.05gを得る(MH:490)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:9.61(s,1H);8.68(br,1H);8.23(d,1H);7.79−7.64(m,4H);7.43−7.05(m,7H);5.12(d.2H);3.36−3.34(m,4H);2.53−2.49(m,4H);2.26(s,3H)。
【0107】
実施例7.2
2−(3−ヒドロキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩
実施例7に従い調製した化合物に塩酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:9.61(s,1H);8.78(br,1H);8.26(d,1H);7.81−7.64(m,4H);7.48−7.05(m,7H);5.16(d.2H);3.46−3.34(m,4H);2.55−2.49(m,4H);2.36(s,3H)。
【0108】
実施例8
2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(1)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rは3−メトキシフェニル基を表し、Rは(b)の基(ここで、Wは窒素原子を表し、Zは−N12−基(ここで、R12はアセチル基を意味する。)を表し、mおよびoの値は2であり、r、pおよびtの値は0である。)を意味し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)2−ニトロ−5−(ピペラジン−1−イル)安息香酸:
2−ニトロ−5−クロロ安息香酸50gの水750ml中懸濁液へ、ピペラジン86gを加え、この反応混合物を還流温度で20時間加熱する。次いでこの混合物をconc.塩酸で中和し、沈殿した結晶性物質を濾別し、乾燥することによって表題化合物62gを得る(MH:252)。
b)2−ニトロ−5−(4−アセチルピペラジン−1−イル)安息香酸:
2−ニトロ−5−(ピパラジン−1−イル)安息香酸30gを無水酢酸250mlに加え、この混合物を100℃で1時間撹拌する。この反応混合物を氷水350mlで希釈し、沈殿した結晶性物質を濾別し、乾燥することによって、表題化合物29gを得る(MH:294)。
c)2−アミノ−5−(4−アセチルピペラジン−1−イル)安息香酸:
2−ニトロ−5−(4−アセチルピパラジン−1−イル)安息香酸7gと、シクロヘキセン15mlと、Pd/C(10%)3gの混合物をエチルアルコール120ml中で、還流温度で6時間加熱する。この反応混合物を、セリットパッドを通して熱濾過し、この濾液を蒸発させることによって、表題化合物46.4gを得る(MH:264)。
d)5−(4−アセチルピペラジン−1−イル)イサト酸無水物:
2−アミノ−5−(4−アセチルピペラジン−1−イル)安息香酸18gとジオキサン60mlの混合物へ、ジホスゲン10mlを撹拌下および冷水による冷却下で滴加する。次いでこの混合物を還流温度で2時間加熱する。冷却後、固体材料を濾別し、エーテル50mlで洗浄し、乾燥する。表題化合物24gを得る(MH:290)。
e)2−アミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)キノリン:
マロニトリル4gをジメチルホルムアミド50mlに溶解し、数回に分けて水素化ナトリウム2.4gの60%分散液をこれに加える。この透明な溶液に、5−(4−アセチルピペラジン−1−イル)イサト酸無水物8gを加え、この混合物を室温で10時間撹拌する。この反応混合物を水70mlで希釈し、酢酸エチル2×30mlで抽出する。乾燥するまで水相を減圧で蒸発させ、固体残留物を水20ml中に溶解し、pHを酢酸で6に調整する。沈殿した物質を濾別し、水で洗浄する。乾燥後、表題化合物6.5gを得る(MH:312)。
f)2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)キノリン:
2−アミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)キノリン1.7gと、アセトニトリル50mlと、ホスホリルクロライド3.4mlの混合物を還流温度で4時間加熱する。冷却した反応混合物を氷30gへ注ぎ入れ、この混合物のpHを10%水酸化ナトリウム溶液で8に設定し、生じた沈殿物を濾別する。乾燥後、表題化合物1.5gを得る(MH:330)。
g)2−アミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)キノリン:
2−アミノ−3−シアノ−4−クロロ−6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)キノリン5gおよびベンジルアミン15mlを125℃で1時間撹拌する。次いでこの反応混合物を水30mlへ注ぎ入れ、生じた沈殿物を濾別し、水20mlで洗浄し、乾燥することによって表題化合物4gを得る(MH:401)。
h)3−メトキシ−N−[6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−4−ベンジルアミノ−3−シアノキノリン−2−イル]ベンズアミド:
2−アミノ−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)キノリン1.2gのピリジン20ml中溶液に、3−メトキシ塩化ベンゾイル1.5gを加え、この混合物を還流温度で5時間加熱する。この反応混合物を氷水30gへ注ぎ入れ、沈殿した固体材料を濾別する。乾燥後、表題化合物0.45gを得る(MH:535)。
i)1−アミノ−2−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)キノリニウムトシレート:
3−メトキシ−N−[6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−4−ベンジルアミノ−3−シアノキノリン−2−イル]ベンズアミド0.72gのジメチルホルムアミド20ml中溶液へ、ジクロロメタン25ml中のO−トシルヒドロキシルアミン0.6gを20℃で15分間滴加する。5時間撹拌後、沈殿した結晶性物質を濾別する。乾燥後、表題化合物0.65gを得る(MH:551)。
j)2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
1−アミノ−2−(3−メトキシベンゾイルアミノ)−3−シアノ−4−ベンジルアミノ−6−(4−アセチルピペラジン−1−イル)キノリニウムトシレート0.7gと、ピリジン5mlとDBU0.3mlの溶液を還流温度で8時間加熱する。この反応混合物を水15mlへ注ぎ入れ、沈殿した固体材料を濾別する。乾燥後、表題化合物0.15gを得る(MH:532)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.33(d,1H);7.89−7.64(m,4H);753−7.05(m,7H);5.15(d.2H);3.82(s,3H);3.38−3.35(m,4H);2.63−2.59(m,4H);2.45(s,3H)。
【0109】
実施例8.2
2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩:
実施例8に従い調製した化合物に硫酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.78(br,1H);8.38(d,1H);7.91−7.64(m,4H);7.63−7.05(m,7H);5.17(d.2H);3.88(s,3H);3.68−3.45(m,4H);2.63−2.59(m,4H);2.48(s,3H)。
【0110】
実施例9
2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rは3−メトキシフェニル基を表し、Rは(b)の基(Wは窒素原子を表し、ZはNR12基(ここで、R12は水素原子を意味する。)を表し、mおよびoの値は2であり、r、pおよびtの値は0である。)を意味し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
濃度3Nの塩酸溶液8ml中の2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン0.24gを還流温度で6時間加熱する。この反応混合物を10%水酸化ナトリウム溶液で中和し、沈殿された固体材料を濾別する。乾燥後、表題化合物0.1gを得る(MH:490)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.33(d,1H);8.11(br,1H);7.89−7.64(m,4H);7.53−7.05(m,7H);5.15(d.2H);3.82(s,3H);3.38−3.35(m,4H);2.63−2.59(m,4H)。
【0111】
実施例9.2
2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリンマレイン酸エステル:
実施例9に従い調製した化合物にマレイン酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.33(d,1H);8.02(br,1H);7.89−7.64(m,4H);7.53−7.05(m,7H);6.32(s,2H);5.13(d.2H);3.82(s,3H);3.38−3.35(m,4H);2.63−2.59(m,4H)。
【0112】
実施例10
2−フェニル−7−(ピリジン−3−イル)9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはフェニル基を表し、Rはピリジン−3−イル基を表し、Rはフェニル基を表し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−ヨードキノリニウムトシレート:
2−アミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−ヨードキノリン0.62gを、ジメチルホルムアミド10ml中で、固体炭酸カリウム1gの存在下、40分間撹拌し、次いでO−トシル−ヒドロキシルアミン0.6gのジクロロメタン14ml中溶液を滴加する。反応混合物を室温で4時間撹拌後、沈殿した固体物質を濾別し、乾燥することによって表題化合物0.57gを得る(MH:327)。
b)2−フェニル−7−ヨード−9−ヒドロキシ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−ヨードキノリニウムトシレート0.32gを、エタノール15ml中に溶解し、この溶液へ、エタノール溶液中の濃度1モル/リットルのナトリウムエチラート2mlおよびベンズアルデヒド0.16gを加える。この反応混合物を還流温度で1時間加熱する。沈殿した結晶性物質を濾別し、エタノールおよび水で洗浄する。乾燥後、表題化合物0.34gを得る(MH:413)。
c)2−フェニル−7−ヨード−9−クロロ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1.5−a]キノリン:
2−フェニル−7−ヨード−9−ヒドロキシ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン5gのアセトニトリル50ml中溶液へ、ホスホリルクロライド9gを加え、この混合物を還流温度で5時間加熱する。この反応混合物を氷水500mlへ注ぎ入れ、固体物質を濾別し、乾燥することによって、表題化合物5gを得る(MH:431)。
d)2−フェニル−7−ヨード−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
2−フェニル−7−ヨード−9−クロロ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン2.5gおよびベンジルアミン10gを室温で15分間、混合撹拌し、この反応混合物をジエチルエーテルとヘキサンの混合物で希釈し、沈殿した固体物質を濾別する。乾燥後、表題化合物1.88gを得る(MH:562)。
e)2−フェニル−7−(ピリジン−3−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
2−フェニル−7−ヨード−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン0.6gのジメトキシエタン10ml中懸濁液へ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.1g、ピリジン−3−ボロン酸0.25gおよび濃度1モル/リットルの炭酸水素ナトリウム溶液10mlを加える。この反応混合物をアルゴン雰囲気下、還流温度で5時間撹拌し、次いで蒸発させ、残留物を酢酸エチルで処置する。沈殿した固体物質を濾別する。乾燥後、表題化合物0.3gを得る(MH:453)。
【0113】
上記化合物はまた、以下の方法でも調製することができる。
f)2−フェニル−7−トリメチルスタンニル−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
2−フェニル−7−ヨード−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン0.25gと、ヘキサメチルジスタネート0.6gとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.1gのジオキサン3ml中溶液を窒素雰囲気下で、還流温度で5時間加熱する。次いでこの溶媒を取り除き、残留物をジエチルエーテルで処置する。沈殿した固体物質を濾別する。乾燥後、表題化合物0.24gを得る(M:539)。
g)2−フェニル−7−(ピリジン−3−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
2−フェニル−7−トリメチルスタンニル−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン0.2gのジメチルホルムアミド10ml中溶液へ、テトラキストリフェニルパラジウム(0)0.05gおよび3−ブロモピリジン0.1gを加える。この溶液を窒素雰囲気下、100℃で撹拌する。次いで溶媒を減圧で取り除き、残留物を酢酸エチルで処置する。この沈殿した固体物質を濾別する。乾燥後、表題化合物0.1gを得る(MH:453)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.33(d,1H);8.12−7.91(m,4H);7.89−7.64(m,5H);7.53−7.05(m,7H);5.15(d,2H)。
【0114】
実施例10.2
2−フェニル−7−(ピリジン−3−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩:
実施例10により調製した化合物に硫酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で、表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.78(br,1H);8.43(d,1H);8.32−7.96(m,4H);7.89−7.74(m,5H);7.53−7.05(m,7H);5.17(d,2H)。
【0115】
実施例11
2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−(2−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはピリジン−2−イル基を表し、Rは(b)の基(ここで、Wは窒素原子を表し、Zは−NR12−基(ここで、R12はメチル基を意味する。)を表し、mおよびoの値は2であり、r、pおよびtの値は0である。)を意味し、Rはフェニル基を表し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−(4−アミノ−4−メチルピペラジン−4−イウム−1−イル)キノリニウムジトシレート:
2−アミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)キノリン3.7gのジメチルホルムアミド20ml中溶液へ、ジクロロメタン50ml中のO−トシルヒドロキシルアミン4.4gを20℃で15分以内の間、滴加する。5時間の撹拌後、沈殿した結晶性物質を濾別し、乾燥することによって、表題化合物3.1gを得る(MH:315)。
b)2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ヒドロキシ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−(4−アミノ−4−メチルピペラジン−4−イウム−1−イル)キノリニウムジトシレート3.1gをエタノール50ml中に溶解し、この溶液へ、エタノール中の濃度1モル/リットルのナトリウムエチラート20mlおよびベンズアルデヒド2gを加える。この反応混合物を還流温度で4時間加熱する。沈殿した結晶性物質を濾別し、ジメチルホルムアミドから再結晶化させる。乾燥後、表題化合物1.15gを得る(MH:385)。
c)2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−クロロ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ヒドロキシ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン1.5gおよびホスホリルクロライド3.4mlの混合物を120℃で4時間加熱する。冷却した反応混合物を氷30gへ注ぎ入れ、10%水酸化ナトリウム溶液で混合物のpHを8に設定し、生成した沈殿物を濾別する。乾燥後、表題化合物1.3gを得る(MH:403)。
d)2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−(2−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
2−(アミノメチル)ピリジン5ml中の2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−クロロ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン1gを室温で2時間撹拌し、次いでこの反応混合物を水20mlで希釈し、沈殿した固体物質を濾別する。乾燥後、表題化合物1.1gを得る(MH:475)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.33(d,1H);8.19−7.64(m,4H);7.53−7.05(m,7H);5.15(d.2H);3.38−3.35(m,4H);2.63−2.59(m,4H);2.26(s,3H)。
【0116】
実施例11.2
2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−(2−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩
実施例11により調製した化合物に塩酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で、表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.78(br,1H);8.43(d,1H);8.29−7.64(m,4H);7.53−7.05(m,7H);5.15(d.2H);3.38−3.35(m,4H);2.73−2.59(m,4H);2.36(s,3H)。
【0117】
実施例12
2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピリジン−3−イル)−9−(4−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン
一般式(I)において、RおよびRは水素原子を表し、Rはピリジン−4−イル基を表し、Rはピリジン−3−イル基を表し、Rは3−メトキシフェニル基を表し、R13はシアノ基を表し、XはNH基を表し、nの値は1である。
a)1.2−ジアミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−ヨード−キノリニウムトシレート:
ジメチルホルムアミド10ml中の2−アミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−ヨードキノリン0.62gを固体炭酸カリウム1gと共に40分間撹拌する。次いで、ジクロロメタン14ml中のO−トシルヒドロキシルアミン0.6gをこの反応混合物に滴加する。室温での撹拌を4時間継続する。沈殿した結晶性物質を濾別し、乾燥することによって、表題化合物0.57gを得る(MH:327)。
b)2−(3−メトキシフェニル)−7−ヨード−9−ヒドロキシ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
実施例10で調製した1,2−ジアミノ−3−シアノ−4−ヒドロキシ−6−ヨードキノリニウムトシレート0.32gを、エタノール15ml中に溶解し、この溶液へ、エタノール溶液中の濃度1モル/リットルのナトリウムエチラート2mlおよび3−メトキシベンズアルデヒド0.16gを加える。この反応混合物を還流温度で1時間加熱する。沈殿した固体物質を濾別し、エタノールおよび水で洗浄する。乾燥後、表題化合物0.33gを得る(MH:442)。
c)2−(3−メトキシフェニル)−7−ヨード−9−クロロ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
2−(3−メトキシフェニル)−7−ヨード−9−ヒドロキシ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン5gのアセトニトリル50ml中溶液へ、塩化ホスホリル9gを加え、この混合物を還流温度で5時間加熱する。反応混合物を氷水500mlへ注ぎ入れ、沈殿物を濾別し、乾燥することによって、表題化合物5gを得る(MH:461)。
d)2−(3−メトキシフェニル)−7−ヨード−9−(4−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
2−(3−メトキシフェニル)−7−ヨード−9−クロロ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン2.5gおよび(4−ピリジル)メチルアミン10gを混合し、室温で15分間撹拌する。この反応混合物をジエチルエーテル/ヘキサン混合物で希釈し、沈殿した固体物質を濾別する。乾燥後、表題化合物1.88gを得る(MH:533)。
e)2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピリジン−3−イル)−9−(4−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン:
2−(3−メトキシフェニル)−7−ヨード−9−(4−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−α]キノリン0.6gのジメトキシエタン10ml中懸濁液へ、テトラキストリフェニルパラジウム(0)0.1g、ピリジン−3−ボロン酸0.25gおよび濃度1モル/リットルの炭酸水素ナトリウム溶液10mlを加える。この反応混合物をアルゴン雰囲気下、還流温度で5時間撹拌し、次いでこれを蒸発させ、残留物を酢酸エチルで処置する。沈殿した固体物質を濾別する。乾燥後、表題化合物0.35gを得る(MH:484)。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.68(br,1H);8.33(d,1H);8.29−7.84(m,4H);7.79−7.64(m,3H);7.53−7.05(m,7H);5.18(d.2H);3.84(s,3H)。
【0118】
実施例12.2
2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピリジン−3−イル)−9−(4−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩:
実施例12により調製した化合物に硫酸溶液を加えることによって、上記に開示された一般の方法で、表題化合物を調製する。
H−NMR(DMSO−d)、δ、ppm:8.78(br,1H);8.38(d,1H);8.36−7.89(m,4H);7.79−7.69(m,3H);7.63−7.05(m,7H);5.18(d.2H);3.91(s,3H)。
【0119】
上記手順で、適切な出発物質を用いて、表1に示されている一般式(I)の以下の化合物が調製された。
【0120】
【表1】




【0121】
実施例39
知られている方法により、以下の組成の錠剤を調製する。
活性成分 25mg
ラクトース 50mg
アビセル 21mg
クロスポビドン 3mg
ステアリン酸マグネシウム 1mg
【0122】
生物学
方法
ヒトアデノシンA受容体結合
膜懸濁液の調製:ヒトA受容体(さらに:CHO−hA)を発現しているクローン化ゴールデンハムスターの卵巣細胞を適切に培養する。集密細胞層が得られたら、37℃のPBSでこれらを洗浄することにより、細胞から培養液を除去し、次いでこの細胞を氷冷PBSに懸濁させ、PBSで3回洗浄し、遠心分離(1000×g、10分)(シグマ3K30)し、テフロン(登録商標)ホモジナイザー(B.Braun Potter S)を用いて、回転速度1500/分で15秒間、以下の緩衝液中でホモジネートする:50mM Tris、10mM MgCl、1mM EDTA、pH8.0。このホモジネートを遠心分離する(43.000g、10分)。沈殿物を上記緩衝液中で、タンパク質濃度0.1mg/mlで懸濁させる(ブラッドフォード法)。この膜調製物のアリコットを−80℃で保存する。Perkin Elmer製のhA3−CHO膜調製物を代わりに使用した。
【0123】
結合プロトコル:CHO−hA膜調製物(タンパク質含有量2μg)を、試験物質および0.5nMの[125I]AB−MECA(4−アミノ−3−ヨード−ベンジル−5’−N−メチルカルボキサミド−アデノシン)(100.000cpm)の存在下、インキュベーション緩衝液(50mM Tris、10mM MgCl、1mM EDTA、3U/mLアデノシンデアミナーゼ、pH8.0)中でインキュベートする。100μMのR−PIA(N−[L−2−フェニルイソプロピル]アデノシン)の存在下で、放射リガンドの非特異的結合を規定する。総反応量は、室温で60分間で、50μLである。この反応混合物を、Whatman GF/Bガラス繊維フィルター(事前に3時間、0.5%ポリエチレンイミンに浸漬したもの)を用いて、25Hgmm真空下で濾過し、96穴のBrandel Cell Harvesterを用いて、1mLの氷冷洗浄用緩衝液(50mM Tris、10mM MgCl、1mM EDTA、pH8.0)で4回洗浄する。ガンマカウンター(1470Wizard、Wallac)で放射能を検出する。阻害[%]=100−((試験化合物存在下での活性−非特異的活性)/(全活性−非特異的活性))*100
【0124】
ヒトアデノシンA受容体結合
結合プロトコル:ヒトA1アデノシン受容体を発現しているCHO細胞の膜調製物(タンパク質含有量:10μg)、(供給源:Perkin−Elmer社)を、試験物質および10nM[H]DPCPX(8−シクロペンチル−1,3−ジプロピルキサンチン)(200.000dpm)の存在下、インキュベーション緩衝液(50mM Tris HCl、pH7.4、3U/mLアデノシンデアミナーゼ)中でインキュベートする。10μM R−PIA(N−[L−2−フェニルイソプロピル]アデノシン)の存在下で放射リガンドの非特異的結合を規定する。総反応量:100μL、室温で3時間。この反応混合物をWhatman GF/Bガラス繊維フィルター(事前に3時間、0.5%ポリエチレンイミンに浸漬したもの)を用いて、25Hgmm真空下で濾過し、96穴のBrandel Cell Harvesterを用いて、1mLの氷冷洗浄用緩衝液(50mM Tris HCl、pH7.4)で4回洗浄する。200μL HiSafe−3反応混液の存在下、ベータカウンター(1450Microbeta、Wallac)で放射能を検出する。阻害[%]=100−((試験化合物存在下での活性−非特異的活性)/(全活性−非特異的活性))100
【0125】
ヒトアデノシンA2a受容体結合
結合プロトコル:ヒトA2aアデノシン受容体を発現しているHEK−293細胞の膜調製物(タンパク質含有量10μg)、(供給源:Perkin−Elmer社)を、試験物質および20nM[H]CGS−21680(2−[p−(2−カルボニルエチル)フェニルエチルアミノ]−5’−N−エチルカルボキサミド−アデノシン)(200.000dpm)の存在下、インキュベーション緩衝液(50mM Tris−HCl、10mM MgCl、1mM EDTA、2U/mLアデノシンデアミナーゼ、pH7.4)中でインキュベートする。
【0126】
50μM NECA(5’−N−エチルカルボキサミドアデノシン)の存在下で、非特異的結合を規定する。総反応量:100μl、室温で90分。この反応混合物を、25Hgmm真空下で、Whatman GF/Bガラス繊維フィルター(事前に3時間、0.5%ポリエチレンイミンに浸漬したもの)で濾過し、96穴のBrandel Cell Harvesterを用いて、1mLの氷冷洗浄用緩衝液(50mM Tris HCl、10mM MgCl、1mM EDTA、0.9%NaCl、pH7.4)で4回洗浄する。200μL HiSafe−3反応混液の存在下、ベータカウンター(1450Microbeta、Wallac)で放射能を検出する。阻害[%]=100−((試験化合物存在下での活性−非特異的活性)/(全活性−非特異的活性))100。
【0127】
ヒトアデノシンA2b受容体結合
結合プロトコル:ヒトA2bアデノシン受容体を発現しているHEK−293細胞の膜調製物(タンパク質含有量:10μg)、(供給元:Perkin−Elmer)を、試験物質および32.4nM[H]DPCPX(8−シクロペンチル−1,3−ジプロピルキサンチン)(800.000dpm)の存在下、インキュベーション緩衝液(50mM Tris−HCl、10mM MgCl、1mM EDTA、0.1mMベンズアミジン、2U/mLアデノシンデアミナーゼ、pH6.5)中でインキュベートする。100μM NECA(5−N−エチルカルボキサミドアデノシン)存在下で放射リガンドの非特異的結合を規定する。混合物の総反応量:室温で30分で、100μL。
【0128】
この反応混合物を、25Hgmm真空下で、Whatman GF/Cガラス繊維フィルター(事前に3時間、0.5%ポリエチレンイミンに浸漬したもの)で濾過し、96穴のBrandel Cell Harvesterを用いて、1mLの氷冷洗浄用緩衝液(50mM Tris−HCl、pH6.5)で4回洗浄する。HiSafe−3反応混液200μLの存在下、ベータカウンター(1450Microbeta、Wallac)で放射能を検出する。阻害[%]=100−((試験化合物の存在下での活性−非特異的活性)/(全活性−非特異的活性))100。
【0129】
アレルギーのマウスモデル
体重20−25gのオスのBalbCマウスを実験に使用する。この動物をまずオボアルブミンでアレルギー化し、次いで第1回目のオボアルブミン注入から3週間後、このマウスで実験を行う。実験の当日、マウスに実験物質(または活性成分を含有しないビヒクル)で処置し(経口で)、次いで適切な期間待ち、その後マウスに麻酔をかける。外科手術により気管を開いた後、1%オボアルブミン溶液10μlを気管に注射する。
【0130】
対照群には、気管に賦形剤(生理食塩水)を与える。外科手術により気管を閉じ、傷を治療した後、動物達を分離し、24時間いつもの生活条件下に置く。
【0131】
24時間後、動物達に過麻酔をかけ、気管を再び開き、肺を緩衝液で洗浄する。緩衝液を遠心分離し、細胞沈渣を再懸濁し、次いで細胞をカウントする。細胞総数を求め、異なる白血球をその形態に基づいて分別する。実験材料の有効性を決めるために、阻害%を対照群と比較して計算する。効果の重要性を断定するために、統計評価を行う。
【0132】
生物学的結果:
化合物が、上記実験条件下、1μMの濃度で、80%を超える活性でヒトアデノシンA受容体に対する放射リガンドの結合を阻害する場合、この化合物は生物学的に活性があると見なされる。
【0133】
スキャッチャード分析(G.Scatchard、Ann.N.Y.Acad.Sci.51:660頁、1949年)を用いて、ラジオアイソトープ飽和曲線に基づき、CHO−hA膜調整物の放射リガンド[125I]AB−MECAの解離定数(Kd)を求める。K値から、Cheng−Prusoff方程式(Y.J.ChengおよびW.H.Prusoff、Biochem.Pharmacol 22:3099頁、1973年)を適用させることにより、試験化合物の親和定数(K)をIC50値より計算する。
【0134】
一般式(I)の化合物は、500nM未満のIC50値を一般的に示す。実施例に示した好ましい化合物は、100nM未満のIC50値を有する。一般式(I)の最も活性のある化合物は、1nMから20nMの範囲のIC50値を有する。
【0135】
一般式(I)の化合物は、優れた生物学的利用度を有し、ヒトアデノシンA、A2aおよびA2b受容体サブタイプと比較して選択性を有する。
【0136】
本発明による一般式(I)の化合物のインビボの研究により、これらの化合物は、喘息で生じる炎症プロセスに対し非常に活性のある阻害剤であることが明らかとなった。
【0137】
さらに、静脈内投与および経口投与後の一般式(I)の化合物の作用の持続時間は長く、ID50値は低く、毒物学的プロファイルおよび副作用プロファイルは有利である。
【0138】
例として、実施例1、17および18に記載されている一般式(I)の化合物のアデノシンA受容体への結合、溶解度および抗炎症性活性などの値は、以下の通り実証される:
【0139】
【表2】

【0140】
上記データは、本発明による一般式(I)の化合物は、潜在的に優れた治療薬であることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)の化合物:
【化1】

(式中、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、またはC3−6シクロアルキル基を表し、または
フェニル基またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基:
【化2】

(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基を独立して表し、または、アミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表す。)を表し、または
一般式(b)の基:
【化3】

(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基またはヒドロキシル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくは−NR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1、2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、または
フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基、アミノカルボニル基、−CO−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基またはカルボキシル基を表し、
Xは、−CH−基、−NH−基、−NR10−基、または硫黄原子、または酸素原子、または−SO−基もしくは−SO−基(ここで、R10は、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を表す。)を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物。
【請求項2】
請求項1に記載の一般式(I)の化合物:
(式中、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、またはC3−6シクロアルキル基を表し、または
フェニル基またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、またはアミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくは−NR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1、2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、または
フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子(1つまたは複数の、同一のまたは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基、アミノカルボニル基、−CO−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基またはカルボキシル基を表し、
Xは、−CH−基、−NH−基、−NR10−基、または硫黄原子、または酸素原子、または−SO−もしくは−SO−基(ここで、R10は、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を表す。)を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の一般式(I)の化合物:
(式中、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、水素原子、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、
は、フェニル基、またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、またはアミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくは−NR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1、2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の一般式(I)の化合物:
(式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、フェニル基またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
は、1個の窒素を含有する6員の複素環を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、または−NR12−基(ここで、R12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ベンジル基またはアセチル基を表す。)を意味し、
Wは、窒素原子を意味し、
mは、2の値であり、
oは、2の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロの値である。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物。
【請求項5】
請求項1から3のいずれかに記載の一般式(I)の化合物:
(式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、フェニル基を表し、または
1個の窒素原子を含有する6員の複素環を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、またはアミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくはNR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1、2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物。
【請求項6】
請求項1から3のいずれかに記載の一般式(I)の化合物:
(式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、フェニル基またはチエニル基またはフリル基(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、またはアミノ基(アミノ基は、1個もしくは2個の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基で置換されている。)で場合によって置換されている直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基またはC3−6シクロアルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、硫黄原子、−CHR11−基もしくは−NR12−基(ここで、R11およびR12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−(直鎖もしくは分枝のC1−5アシル)基、−CH−CH−O−(直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル)基または直鎖もしくは分枝のC1−5アシル基を独立して表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、1、2または3の値であり、
oは、1、2または3の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロまたは1の値である。)を表し、
は、フェニル基(メトキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、ゼロ、1または2の値である。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物。
【請求項7】
請求項1から3のいずれかに記載の一般式(I)の化合物:
(式中、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、水素原子またはメチル基を表し、
は、フェニル基またはチエニル基またはフリル基を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個の窒素原子を含有する5もしくは6員の複素環、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5員の複素環を表し、
は、1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環を表し、または
一般式(a)の基
(式中、
およびRは、水素原子、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表す。)を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を独立して表し、
Zは、酸素原子、または−NR12−基(ここで、R12は、水素原子、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、C3−6シクロアルキル基、ベンジル基、または−CH−アセチル基、−CH−CH−O−CH−CH基またはアセチル基を表す。)を意味し、
Wは、窒素原子または−CH−基を意味し、
mは、2の値であり、
oは、2の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロの値である。)を表し、
は、フェニル基、チエニル基、またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、1の値である。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の一般式(I)の化合物:
(式中、
は、水素原子を表し、
は、水素原子を表し、
は、フェニル基を表し、または
1個の窒素原子を含有する6員の複素環を表し、
は、1個の窒素原子を含有する6員の複素環を表し、または
一般式(b)の基
(式中、
およびRは、メチル基を表し、
Zは、酸素原子または−NR12−基(ここで、R12は、水素原子、メチル基、ベンジル基またはアセチル基を表す。)を意味し、
Wは、窒素原子を意味し、
mは、2の値であり、
oは、2の値であり、
pは、ゼロまたは1の値であり、
rは、ゼロまたは1の値であり、
tは、ゼロの値である。)を表し、
は、フェニル基(メトキシ基、ヒドロキシル基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を表し、または
1個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する5もしくは6員の複素環を表し、
13は、シアノ基を表し、
Xは、−NH−基を意味し、
nは、1の値である。)
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の以下の化合物:
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(2,6−trans−ジメチルモルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(ピリジン−4−イル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10− シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−ヒドロキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−フェニル−7−(ピリジン−3−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−(2−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピリジン−3−イル)−9−(4−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン、
ならびにこれらの塩、溶媒和物、N−オキシドおよび異性体、さらにその塩および溶媒和物。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載の以下の化合物:
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(モルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(2,6−ジメチルモルホリン−4−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩、
− 2−(ピリジン−4−イル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリンマレイン酸塩、
− 2−(4−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン−ヘミフマル酸塩一水和物、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン−ヘミフマル酸塩半水和物、
− 2−(3−ヒドロキシフェニル)−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(4−アセチルピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピペラジン−1−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリンマレイン酸塩、
− 2−フェニル−7−(ピリジン−3−イル)−9−ベンジルアミノ−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩、
− 2−フェニル−7−(4−メチルピペラジン−1−イル)−9−(2−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン塩酸塩、
− 2−(3−メトキシフェニル)−7−(ピリジン−3−イル)−9−(4−ピリジルメチルアミノ)−10−シアノ−s−トリアゾロ[1,5−a]キノリン硫酸水素塩。
【請求項11】
A)一般式(I)の化合物(式中、R、R,R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有する。)を調製するために、一般式(II)の1,2−ジアミノ−アジニウム塩:
【化4】

(式中、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有し、TsOは、p−トルエン−スルホン酸アニオンを意味する。)を、一般式(IV)の化合物:
【化5】

(式中、Rの意味は、請求項1で定義された通りであり、Yは、水素原子、ハロゲン原子またはC1−4アルコキシ基を表す。)と反応させる、または
B)一般式(I)の化合物:
(式中、
は、フェニル基、ベンジル基、チエニル基またはフリル基(メチレンジオキシ基、または1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基、ヒドロキシル基、トリフルオロメチル基、シアノ基またはハロゲン原子で置換されている。)を意味し、または
1個もしくは2個もしくは3個もしくは4個の窒素原子、または1個の窒素原子および1個の酸素原子、または1個の窒素原子および1個の硫黄原子を含有する、炭素原子を介して結合している、5もしくは6員の複素環(1つもしくは複数の、同一でありもしくは異なる、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基、直鎖もしくは分枝のC1−4アルコキシ基またはハロゲン原子で場合によって置換されている。)を意味し、または
一般式(b)の基
(式中、tの値が1の場合、Wは、窒素原子もしくは−CH−基を意味し、またはtの値が0の場合、Wは−CH−基を意味し、Z、m、o、p、r、RおよびRの意味は、請求項1で定義された通りである。)を意味し、
、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、請求項1で定義された通りである。)を調製するために、
B/1)一般式(V)のトリアゾール誘導体:
【化6】

(式中、Eは、ハロゲン原子またはトリフルオロメタンスルホニル基を表し、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、請求項1で定義された通りである。)および一般式(VII)の化合物:
−B(OH)
(VII)
(式中、Rの意味は、方法B)に対して上記に定義された通りである。)を反応させる、または
B/2)一般式(VI)のトリアルキルスズ−トリアゾール誘導体:
【化7】

(式中、R14は、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、請求項1で定義された通りである。)および一般式(VIII)の化合物:
−E (VIII)
(式中、Eは、ハロゲン原子またはトリフルオロメタンスルホニル基を表し、Rの意味は、方法B)に対して上記に定義された通りである。)を反応させる、または
C)一般式(I)の化合物(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、請求項1で定義された通りである。)を調製するために、一般式(XII)のトリアゾール誘導体:
【化8】

(式中、R、RおよびR13の意味は、請求項1で定義された通りである。)および一般式(XIII)の化合物:
【化9】

(式中、X、R、RおよびRおよびnの意味は、請求項1で定義された通りである。)を反応させる、または
D)一般式(I)の化合物(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、請求項1で定義された通りである。)を調製するために、一般式(XV)の化合物:
【化10】

(式中、X、R、R、R、R、R、R13およびnの意味は、請求項1で定義された通りであり、TsOは、p−トルエンスルホン酸アニオンを意味する。)を、有機塩基または無機塩基の存在下で環化させる、さらに
必要に応じて、一般式(I)の化合物の置換基を、それ自体公知である方法により互いに変換させ、および/または生成した一般式(I)の化合物をこの塩、溶媒和物、N−オキシドへ変換し、またはこの塩、溶媒和物から遊離し、および/またはこの光学活性な異性体へと分解し、またはこの光学活性異性体をラセミ化合物へと変換させ、さらに必要に応じて構造異性体を分離させる
ことを特徴とする、請求項1に記載の一般式(I)の化合物、ならびにこれらの塩、溶媒和物および異性体、N−オキシドを調製する方法。
【請求項12】
一般式(I)の化合物の1つもしくは複数(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有する。)および/またはこの塩、溶媒和物、異性体、N−オキシドまたはその塩もしくは溶媒和物、ならびに医薬品業界で使用されている1つもしくは複数の賦形剤を含有することを特徴とする医薬組成物。
【請求項13】
請求項9または10に記載の化合物の1つまたは複数を含有することを特徴とする、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
アデノシンA受容体が疾患の発生に役割を果たしている疾患の治療における使用のための、一般式(I)の化合物(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有する。)およびこれらの塩、溶媒和物、異性体、N−オキシドまたはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項15】
心臓、眼、腎臓、呼吸器系、胃腸管、関節および中枢神経系の機能不全を治療するため、肥満細胞の脱顆粒を阻害するため、サイトカイン産生を阻害するため、眼内圧を低下させるため、TNFα遊離を阻害するため、エオジノフィルおよびニュートロフィル顆粒球ならびに他の炎症細胞の遊走および活性化を妨害するため、気道平滑筋の収斂を阻害するため、血漿の血管通過による浸潤を妨害するため、およびムチンの過剰産生の増加を阻害するために、アデノシンA受容体リガンドとして請求項14に記載の通り使用するための、一般式(I)の化合物(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有する。)およびこれらの塩、溶媒和物、異性体、N−オキシドまたはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項16】
抗喘息、抗虚血性、抗うつ、抗不整脈、抗リウマチ、抗緑内障、炎症性および過敏性腸疾患における抗炎症性、抗COPD、腎機能保護的、腫瘍予防、抗パーキンソンまたは認知機能刺激の薬物における活性医薬成分として、さらに再灌流中の心筋の傷害、急性呼吸促迫症候群、慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫または呼吸困難を含む)、アレルギー反応(鼻炎、ツタウルシ毒誘発性反応、じんま疹、強皮症、関節炎を含む)、他の自己免疫疾患、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎を含む)、過敏性腸症候群、アジソン病、乾癬、関節疾患、筋緊張亢進、神経機能の異常、緑内障および糖尿病などの疾患の治療または予防において、アデノシンA受容体拮抗剤として請求項14または15に記載の通り使用するための一般式(I)の化合物(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有する。)およびこれらの塩、溶媒和物、異性体、N−オキシドまたはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項17】
喘息、慢性閉塞性肺疾患、急性呼吸促迫症候群、緑内障、腫瘍、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、アレルギー性および炎症性疼痛、関節リウマチ、虚血、低酸素症、心臓不整脈、腎臓疾患ならびに気分病のような疾患の治療における、請求項14から16のいずれかに記載の使用のための一般式(I)の化合物(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有する。)およびこれらの塩、溶媒和物、異性体、N−オキシドまたはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項18】
アデノシンA受容体が疾患の発生に役割を果たしている疾患の治療において有用な薬物を調製するための、一般式(I)の化合物(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有する。)および/またはこれらの塩、溶媒和物、異性体、N−オキシドまたはその塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項19】
喘息、慢性閉塞性肺疾患、急性呼吸促迫症候群、緑内障、腫瘍、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、アレルギー性および炎症性疼痛、関節リウマチ、虚血、低酸素症、心臓不整脈、腎臓疾患ならびに気分病のような疾患の治療のための薬物を調製するための、一般式(I)の化合物(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有する。)および/またはこれらの塩、溶媒和物、異性体、N−オキシドまたはその塩もしくは溶媒和物の、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記A3受容体が役割を果たす疾患が発生した患者における、一般式(I)の化合物の1つまたは複数(式中、R、R、R、R、R、R13、Xおよびnは、請求項1で定義された通りの意味を有する。)またはその塩、溶媒和物、N−オキシドもしくは異性体、またはN−オキシドもしくは異性体の塩もしくは溶媒和物の医薬としての有効量を前記患者に投与することを含む、治療または予防の方法。
【請求項21】
疾患が、喘息、慢性閉塞性肺疾患、急性呼吸促迫症候群、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、緑内障、腫瘍、アレルギー性および炎症性疼痛、関節リウマチ、虚血、低酸素症、心臓不整脈、腎臓疾患ならびに気分病である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
一般式(II)の化合物:
【化11】

(式中、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、請求項1で定義された通りであり、TsOは、p−トルエンスルホン酸アニオンを意味する。)。
【請求項23】
一般式(VI)の化合物:
【化12】

(式中、R14は、直鎖もしくは分枝のC1−4アルキル基を表し、R、R、R、R、R13、Xおよびnの意味は、請求項1で定義された通りである。)。
【請求項24】
一般式(XI)の化合物:
【化13】

(式中、R、RおよびR13の意味は、請求項1で定義された通りである。)。
【請求項25】
一般式(XII)の化合物:
【化14】

(式中、R、RおよびR13の意味は、請求項1で定義された通りである。)。
【請求項26】
一般式(XV)の化合物:
【化15】

(式中、X、R、R、R、R、R、R13およびnの意味は、請求項1で定義された通りであり、TsOは、p−トルエンスルホン酸アニオンを意味する。)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−529100(P2010−529100A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510891(P2010−510891)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【国際出願番号】PCT/HU2008/000063
【国際公開番号】WO2008/149168
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(504456798)サノフイ−アベンテイス (433)
【Fターム(参考)】