説明

アドオン装置へのインターフェイスに関する方法及びシステム

子供の玩具として実施化されることが可能である方法及びシステム10が記載される。当該システム10は、システム10によってホストされる相互作用的な環境へアドオン装置20a又はストーリをインターフェイスするように動作可能である。システム10は、システム10へ導入されたアドオン装置から通知225を受信するように動作可能である応答エンジン30を有する。応答エンジンは、アドオン装置20aへのチャレンジ235を生成するように動作可能であり、前記チャレンジは、埋め込まれた透かしを含む。応答エンジン30は、アドオン装置20aからチャレンジ235に応答して送信された対応する応答を受信するように動作可能である。更に、応答エンジン30は、アドオン装置20aが前記対応する応答を生成する際にチャレンジ235から正確に透かしを抽出することが可能であるか否かを決定するために、前記対応する応答を分析するように更に動作可能である。当該システム10は、これにより、システム10へ新しい装置20aを受け入れることが選択的に可能であり、これにより、システム10を用いて使用される偽造品又は複製品を防ぐことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相互作用的な環境におけるアドオン装置(add-on device)へのインターフェイスに関する方法に関し、例えば、子供に関して適した相互作用的な遊具環境におけるアドオン装置へのインターフェイスに関する方法に関する。更に、本発明は、前記方法に従い動作可能であるアドオン装置などの装置にも関する。より更には、本発明は、アドオン装置を受けることが可能であるシステムであって、上記方法に従い動作可能であるシステムにも関する。加えて、本発明は、上述の方法を実行する計算機ハードウェアにおいて実行され得るソフトウェアに関する。
【背景技術】
【0002】
子供用の相互作用的な玩具は、広く知られており、相互作用的な玩具が、子供からなどの刺激に対する一連の応答を提供することが可能であるので、子供に対してより高度な楽しみを提供する。更に、対応する子供達を喜ばせるために、一群として相互作用的に機能する相互作用的な玩具が製造されており、子供達は、このような相互作用的な玩具の一群と相互作用する機会を提供される。
【0003】
実際に生じる問題は、第1の製造者は、相互作用的な玩具又は玩具の群を開発及び市場化するのにかなりのリソースを投資したあとで、第2の製造者が、この第1の製造者の玩具又は玩具の群と相互作用することが可能である更なる玩具を開発するか、又は第1の製造者の玩具に機能的な同等物を提供することを試みることに気が付くことである。このような第2の製造者の活動は、第1の製造者の経済的位置を埋没させるだけでなく、潜在的に不公平に、当該相互作用的な玩具又は玩具の群に対する第1の製造者の投資、及びその名声を利用し得る。
【0004】
第2製造者のこのような活動を回避する一つのアプローチは、透かし技術を用いることである。例えば、Verance Corporationに承継された米国公開特許第6,737,957号において、装置を遠隔的に制御するために音声信号に埋めこまれた透かしを用いるように動作可能であるシステムが記載されている。したがって、適切な検出器を備えられた玩具などの様々な装置が、透かしを用いて伝達される隠された信号を検出することが可能である。このような隠された信号は、1つ以上のアクション及び状態の変化をトリガーさせることが可能である。例えば、透かし技術は、時間ゲート装置に使用され得、透かしの検出は、例えば、ユーザが、ボタンを押す、答えをタイプする、又はキーをロックするなどのアクションを実行することを許される時間間隔を規定する。時間ゲートの不正な有効化を防ぐために、装置は、テープ又は他の記憶装置からのリプレイからではなく、生放送から生じる透かしのみに反応するように構成され得る。収集可能なオブジェクトを用いたリモートコントロールを開示する国際特許公報第2004/016331号も参照されたい。
【0005】
直面される技術的な問題は、このような透かし技術の使用が、例えば、複製製品又は偽造品を用いた第三者による製品の未承諾の複製を防ぐためには十分に堅牢であるとは言えないことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、例えば、相互作用的な玩具などの相互作用的なアドオン製品の複製及び偽造を防ぐために、相互作用的な環境においてアドオンへのインターフェイスするための改善された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によると、相互作用的な環境においてアドオン装置又はストーリ(story)へインターフェイスをする方法であって、前記相互作用的な環境は、応答エンジンを有し、前記方法は、
(a)前記アドオン装置又は前記ストーリが自身の存在を前記応答エンジンへ通知するように動作可能であるように、前記アドオン装置又は前記ストーリを前記応答エンジンへ導入するステップと、
(b)前記応答エンジンにおいてチャレンジを生成し、そして前記チャレンジを前記アドオン装置又は前記ストーリへ伝達するステップであって、前記チャレンジが1つ以上の透かしを含む、ステップと、
(c)前記アドオン装置又は前記ストーリにおいて前記チャレンジを受信し、そして、対応する応答を生成するために、前記アドオン装置又は前記ストーリにおいて前記チャレンジを処理するステップと、
(d)前記対応する応答を前記アドオン装置又は前記ストーリから前記応答エンジンへ送信するステップと、
(e)前記応答エンジンにおいて前記対応する応答を受信し、前記アドオン装置又は前記ストーリが前記対応する応答を生成する際に前記チャレンジから正確に前記1つ以上の透かしを抽出するように動作可能であるか否かを決定するために、前記応答エンジンにおいて前記応答を分析するステップと、
を含む方法が提供される。
【0008】
本発明は、相互作用的な環境においてアドオンへインターフェイスするための改善された方法を提供することが可能であることにおいて有利である。
【0009】
任意選択的に、当該方法のステップ(e)において、1つ以上の透かしの正確な抽出が、前記アドオン装置又は前記ストーリが後のインタラクションに関して前記相互作用的な環境に対して受け入れ可能であることを示す。1つ以上の透かしのこのような正確な抽出は、システムにアドオン装置を選択的に受け入れさせるのを可能にし、これにより、偽造又は複製のアドオン装置又はストーリを除外し、純正のアドオン装置又はストーリを受け入れさせる。
【0010】
任意選択的に、前記環境は、複数の相互作用的な装置を含み、前記方法が、前記アドオン装置又は前記ストーリが前記相互作用的な環境へ受け入れられる場合に、前記アドオン装置又は前記ストーリが、前記応答エンジン及び前記複数の装置のうちの少なくとも1つと相互作用することを許可するステップを更に含む。前記方法は、これにより、応答エンジンがアドオン装置又はストーリを受け入れると、前記環境に受け入れ可能であるアドオン装置又はストーリが、当該環境に後に参加することを許可することが可能である。例えば、アドオン装置が玩具の農場として実施化される環境に導入された動物の玩具である状況において、導入された動物玩具は、玩具の農場への受け入れがあると、玩具の農場によってユーザへ提示されるストーリに参加することが可能である。
【0011】
任意追加的に、当該方法において、前記環境は、複数の相互作用的な装置を含み、前記方法が、前記複数の装置のうちの1つ以上の装置において前記応答エンジンを実行するステップを更に含む。このような実施例は、当該環境が、ユーザの視点から、応答エンジンを実施化するために特定の構成要素を含む必要がないという点において有益である。
【0012】
任意追加的に、当該方法は、前記アドオン装置又は前記ストーリが、識別すること且つ前記アドオン装置又は前記ストーリからの前記対応する応答において及び応答することをチャレンジされる前記1つ以上の透かしに1つ以上の識別子を含ませるステップを更に含む。このような追加的な1つ以上の識別子の使用は、アドオン装置又はストーリが、追加的な程度に認証を確認するために、応答エンジンによって検査されるのを可能にする追加的な難しいチャレンジをアドオン装置又はストーリに提供する。
【0013】
任意追加的に、当該方法において、前記チャレンジは、透かし音声通信、透かし無線通信、及び透かし視覚通信のうちの1つ又は複数のものとして実行される。透かし音声の使用は、前記環境及びアドオン装置が、潜在的にすでに例えばユーザ娯楽目的などの他の目的のために音声機能性を備えているので、実施化するのは潜在的に安価である。透かし無線通信は、応答エンジン及びアドオン装置又はストーリ間で生じる通信をユーザが意識しないという意味で有益であり、これにより、アドオン装置又はストーリが本物であるか否かの確認は、ユーザに透過的に行われる。
【0014】
任意追加的に、当該方法において、前記対応する応答は、透かし音声通信、透かし無線通信、及び透かし視覚通信のうちの1つ又は複数のものとして実行される。透かし音声の使用は、前記環境及びアドオン装置が、潜在的にすでに例えばユーザ娯楽目的などの他の目的のために音声機能性を備えているので、実施化するのは潜在的に安価である。透かし無線通信は、応答エンジン及びアドオン装置又はストーリ間で生じる通信をユーザが意識しないという意味で有益であり、これにより、アドオン装置又はストーリが本物であるか否かの確認は、ユーザに透過的に行われる。
【0015】
任意追加的に、当該方法は、前記応答エンジンが、当該環境のユーザの便益のために、前記相互作用的な環境内における相互作用的なイベントのシーケンスを実施するように構成する更なるステップを含む。ユーザは、これにより、例えば、相互作用的なストーリを子供達へ聞かせるなどの、娯楽のシーケンスを提供される可能性を秘めている。
【0016】
任意追加的に、当該方法において、相互作用的なイベントのシーケンスは、前記アドオン装置又は前記ストーリが前記相互作用的な環境へ受け入れられることに応答して動的に適合可能である。ユーザは、これにより、例えば、ユーザの注目を維持するために動的可変ストーリ展開を提供されるが可能である。
【0017】
本発明の第2の態様に従うと、相互作用的な環境へアドオン装置又はストーリをインターフェイスするように動作可能であるシステムであって、前記相互作用的な環境は、当該システムによってホストされ、
前記システムは、前記アドオン装置又は前記ストーリからその存在を示す通知を受信することが可能であるように動作可能である応答エンジンを有し、前記応答エンジンは、前記通知の受信に応答して前記アドオン装置又は前記ストーリへのチャレンジを生成するように更に動作可能であり、前記チャレンジは、1つ以上の埋め込まれた透かしを含み、
前記応答エンジンは、前記アドオン装置又は前記ストーリから前記チャレンジに応答して送信された対応する応答を受信するように更に動作可能であり、
前記応答エンジンは、前記アドオン装置又は前記ストーリが前記対応する応答を生成する際に前記チャレンジから正確に前記1つ以上の透かしを抽出するように動作可能であるか否かを決定するために、前記応答を分析するように更に動作可能である、
システムが提供される。
【0018】
任意追加的に、前記システムは、前記応答エンジンと相互作用するよう動作可能である複数の装置を含む。
【0019】
任意追加的に、前記システムは、子供の玩具として実施化される。
【0020】
本発明の第3の態様に従うと、計算機ハードウェアにおいて実行可能であるソフトウェアであって、前記ソフトウェアが、本発明の第1の態様に記載の方法を実行するよう動作可能である、ソフトウェアが提供される。
【0021】
本発明の第4の態様に従うと、本発明の第2の態様に記載のシステムとの潜在的な使用のためのアドオン装置であって、前記システムが、前記アドオン装置が当該システムによって発行されるチャレンジに正確に応答することが可能であるか否かを本発明の第1の態様に記載の方法に従い決定するために、前記アドオン装置に問い合わせを行うように動作可能である、アドオン装置。
【0022】
本発明の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなくいずれの組み合わせにおいても組み合わせられ得ることが理解される。
【0023】
更なる目的、特徴、及び有利な点は、図面を参照にして、本発明のいくつかの実施例の以下の詳細な説明から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、概して10によって示される本発明に従うシステムの実施例を示す。システム10は、互いに相互作用すること、及び30によって示される応答エンジンと相互作用することが可能である複数の装置20を含む。一人以上のユーザ50は、1つ以上の装置20と相互作用することが可能である。
【0025】
装置20は、子供用に適した玩具として便利に実施化され、例えば、装置20は、各玩具は、異なる種類のキャラクタを表すユーザ収集可能玩具として製造され得る。例として、システム10は、玩具の農場であるように製造され、装置20が例えば、ヤギ、羊、豚、及び牛などの様々な種類の農場の動物であるように製造される。子供は、これにより、農場の動物の完全な収集が達成されるまで、玩具農場として実施化される装置20を徐々に集めていくことが可能である。ある実施例において、装置は、装置20が模倣しようとしている本物の動物の移動方法を模倣するために、機械的な歩行動作によって空間的に動くように動作可能である玩具農場動物として実施化される電子機械装置である。
【0026】
装置20及び応答エンジン30は、計算機ハードウェアにおいて実行可能なソフトウェアを用いて任意選択的に実施される。代替的に、装置20は、カスタム集積回路、すなわち、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのデジタルハードウェアを用いて実施化され得る。
【0027】
応答エンジンは、シンフォニー/メロディー/ハーモニー(Philips PNX010x)など、例えばMP3プレーヤICなどの、基地ユニットにおいて実行する一連のコードであり得る。
【0028】
動作において、装置20は、相互に通信し、また例えば、子供などのユーザ50からの刺激に応答して応答を提供する。例えば、玩具農場の場合において、ユーザ50は、装置20すなわち玩具動物に、食べ物の同等物を提供することによって刺激を提供し、装置20は、適宜、例えば前記食べ物の同等物への空間的な移動などによって、応答する。動作の別の態様は、動物が振動されることであり、これにより、動きセンサは、メッセージが基地ユニットへ送信されることを開始することになり、応答エンジンは、例えば、音声再生など、送信される応答を計算する。
【0029】
交換される信号は、例えば、国際特許公報第01/057868号、国際特許公報03/083857号、国際特許公報03/103273号のいずれかにおいて記載されるような、いずれかの適切な形態を有し得、これら文書の内容は、参照として本明細書に組み込まれる。信号及びメッセージは、いずれかの適切なプロトコルに従い得、複数の無線規格及び独自技術のプロトコルをサポートし得る。
【0030】
問題は、ユーザ50が新しい装置20aをシステム10へ導入する場合に発生する。新しい装置20aは、表面的には装置20と類似するが、例えば、装置20aは、潜在的には代わりの製造者製の偽造複製製品であり得る。システム10の製造者は、システム10に、装置20aを非純正の製品として識別させ、これをシステム10内に受け入れないようにさせ、これにより、ユーザ50がこのような非純正製品を購入又は収集することを阻止する技術的課題に関わっている。
【0031】
本発明の使用により、非純正である装置20aを識別するこの上述の技術的問題を少なくとも部分的に対処することが可能である方法を説明する前に、装置20自体が、図1を参照してより詳細に説明される。各装置20は、データメモリ120と通信するように接続されるデータ処理器100を備える。更に、処理器100は、更に、装置20から他のこのような装置20へ及び応答エンジン30へ通信するための第1のインターフェイス130に更に接続される。更に、各装置20は、例えば、音声提示、ビデオ提示、1つ以上の機械的パーツの動き、及び1つ以上の光の構成などのうちの1つ又は複数のものによる、ユーザ50への第2のインターフェイス140を更に備える。任意追加的に、インターフェイス130及び140は、単一のインターフェイスとして実施化され、例えば、装置20は、ユーザ50、他の装置20及び応答エンジン30と音声信号を用いて通信する。本発明の実施例の一例において、インターフェイス130は、例えばブルートゥースに類似する無線インターフェイスなどの短距離無線インターフェイスであり、この場合、インターフェイス140は、ユーザ50からの発声を感知するマイク、1つ以上のユーザへの視覚的提示、及び音声合成器へ接続されたスピーカなどの1つ以上の形態の情報の音声提示、を備える。インターフェイス140は、動きセンサなどのセンサを備え得、このセンサは、例えば装置20がユーザによって振動される又は動かされるなどの、装置20の動きを感知し、この場合、後述されるようアクションがトリガーにされる。
【0032】
システム10が新しい装置20aがシステム10に導入される場合に装置20aと相互作用する方法は、以下に概観的に説明される。装置20aがシステム10の通信範囲に導入される場合、装置20aは、装置20aが存在することをシステム10へ宣言する第1信号を発信し、この発信ステップは、動きセンサに合図することによってトリガーされ得る。第1信号は、応答エンジン30に伝達され、応答エンジン30は、応答エンジン30によって透かし入りチャレンジを装置20aへ送信するステップを含むチャレンジ・応答プロトコルを開始する。装置20aは、透かし入りチャレンジを受信する。装置20aがシステム10と真に互換性のある純正な装置である状況において、例えば、装置20aがシステム10の製造者からの製品である場合、装置20aは、透かし入りチャレンジから透かしを抽出し、抽出された透かしチャレンジの表現を応答エンジン30へ返信するように動作可能であり、応答エンジン30は、前記表現を装置20aが純正でありシステム10に含まれ得るという証明として受け入れる。逆に、装置20aが複製又は偽造製品である場合において、装置20aは、透かし入りチャレンジから透かしを正確に抽出することが可能でなく、これにより、応答エンジン30へ返信に失敗するか、又は不正確に抽出された透かしペイロードを返信し、応答エンジン30は、したがって、装置20aを非純正であると認識し、装置10を装置20aと更に応答しないように構成し、これにより、装置20aをシステム10から除外する。
【0033】
任意選択的に、図1に例示されるように、応答エンジン30は、例えば上述の方法を実行する、システム10の一部を形成する制御ユニットにおける、個別の構成要素として実施化される。代わりとして、応答エンジン30は、図2に例示される実行可能なソフトウェアとして含まれる、装置20の1つ又は複数のもののうちに一体として実施化され得る。任意選択的に、装置20のうちの1つは、応答エンジン30の機能性を提供するように動作可能である主装置であり得る。より更に任意選択的に、応答エンジン30は、どの1つ以上の装置20が応答エンジン30機能を提供するかを確立するために相互作用するよう動作可能である装置20のそれぞれにおいて休止状態で含まれ得、1つ以上の装置20のどれが応答エンジン30機能を提供するかを確立するこのような処理は、有益に、ピアツーピア通信又はランダムスタンドオフの形態のいずれかを用い、これにより、装置20のうちの1つ以上は、1つ以上の上級装置20が応答エンジン30機能を提供するよう選出する上級順序を確立する機会を有する。ランダムスタンドオフは、任意選択的に、例えば、装置20のどれが応答エンジン30として機能するかを確立するために競争的に通信するなど、装置20におけるランダム時間遅延を使用して実施化される。
【0034】
実施例は、2つの種類の構成要素からなり、基地ユニット及びキャラクタである。基地ユニットは、ストーリを再生するユニットである。これは、受信器集積回路に接続されたMP3プレーヤであり得る。キャラクタは、センサ及び送信器を含む。これらセンサによって感知されるキャラクタのいずれかの操作は、受信器へ送信され、受信器は、これを応答エンジンへリレーする。応答エンジンは、基地局において実行する一連のソフトウェアであり、センサイベントに応答、すなわちマルチメディアイベント、例えば音声クリップなどへマップする。
【0035】
いずれかのキャラクタが、アドオンであり得る。初めの製品は、基地局及びいくつかの標準キャラクタを含み得る。このような環境に対して、アドオンは、標準なキャラクタに対する追加的なキャラクタであり得る。しかし、基地局を自身で販売することも可能であり得、応答エンジンによって解釈され得るセンサイベントを基地局へ送信することが可能であるいずれの構成要素も、アドオンとして動作し得る。
【0036】
キャラクタがメッセージを基地局へ送信する場合、メッセージは、少なくとも2つのことを含み、キャラクタID及びセンサイベント(例えば、単にセンサイベントの種類又は感知された値)である。キャラクタを有効化するために、透かしとして基地局によってキャラクタに送信されるIDをキャラクタに入手させる必要があり得る。キャラクタが、ここで、センサイベントを感知する場合、キャラクタは、入手されたIDをキャラクタIDとして使用する。したがって、キャラクタは、センサイベントを基地局から入手されたIDによって識別する。
【0037】
上記で説明される本発明の方法は、図3における図を用いて更に以下に説明され、本発明のステップは、200によって概して示される。第1ステップ210において、新しい装置20aは、システム10へ導入される。第2ステップ220において装置20aは、基地局送信及び/又は音響信号の検出に基づき得るシステム10の通信範囲に入っている。その後、装置20aは、装置20aが存在することをシステム10へ宣言する第1信号225を発信する。第3ステップ230において、第1信号225は、応答エンジン30へ伝達され、応答エンジン30は、応答エンジン30により透かし入りチャレンジを装置20aへ送信するステップを含むチャレンジ・応答プロトコルを開始する。第4ステップ240において、装置20aは、透かし入りチャレンジ235を受信する。装置20aがシステム10と真に互換性のある純正な(BF:bona fide)装置である状況250において、例えば、装置20aがシステム10の製造者からの製品である場合、装置20aは、透かし入りチャレンジ235から透かしを抽出し、抽出された透かし入りチャレンジの表現255を応答エンジン30へ返信するように動作可能であり、応答エンジン30は、前記表現を装置20aが純正であり、ステップ260において後の相互作用270用にシステム10に含まれ得るという証明として受け入れる。逆に、装置20aが複製又は偽造製品(NBF)である場合において、装置20aは、ステップ280において、透かし入りチャレンジから透かしを正確に抽出することが可能でなく、これにより、応答エンジン30へ返信に失敗するか、又は不正確に抽出された透かしペイロードを返信し、応答エンジン30は、ステップ290において、したがって、装置20aを非純正(NBF)であると認識し、装置10を装置20aと更に応答しないように構成し、これにより、装置20aをシステム10から除外する。
【0038】
以上の説明される本発明の実施例は、添付の請求項によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく修正され得ることを理解される。
【0039】
図3に示される方法200は、応答エンジン30が透かし入りチャレンジ235を送信する際にチャレンジ235に含まれる透かしに固有の識別子を埋め込むように動作可能であることにおいて洗練され得る。装置20aは、この場合において、応答エンジン30へ送り戻すための応答を成功にするように生成する場合、透かし及び透かしに含まれる固有の識別子を抽出することを必要とされる。このような固有識別子は、純正装置であって偽造品又は複製品でないことを示すために、装置20aに対して余分な負担を課す。固有の識別子は、例えば、応答エンジン30によって提供されるランダムに生成される数であり得る。代わりに、固有の識別子は、第1信号225に含まれる情報の複素畳み込みの形態であり得る。
【0040】
透かしに埋め込まれる識別子は、アドオン装置によって、自身を応答エンジンに識別させるように使用され得る。オブジェクトと関連付けられるセンサが起動される場合(例えば、動物が動き、動きセンサが合図される場合)、オブジェクトは、どのオブジェクトが報告するのかを識別する識別子を含むメッセージを送信する。任意選択的に、起動されるセンサの種類又は別の特性は、メッセージに含まれる。透かしにおける識別子を送信することによって、応答エンジンは、オブジェクトが報告するのにどの識別子を使用するかを制御し得る。
【0041】
上記において、応答エンジン30は、例えば装置20及び20aのうちの1つ又は複数などを介してユーザ50へ、イベントのシーケンスを提示することが可能であり、例えば、装置20及び20aが、農場の動物、人間、ファンタジーキャラクタ、モデル列車、及び戦場の兵士など構成要素を表す玩具キャラクタである場合、ストーリを話すことを理解されるべきである。
【0042】
上記において説明されるように、インターフェイス130は、例えばブルートゥースのような無線リンクなどの無線リンクであると説明されているが、第1信号225、透かし入りチャレンジ235及び表現255は、インターフェイス140を介して音響的に実施化され得、これにより、ユーザ50は、新しく導入された装置20aが応答エンジン30に音響的又は音声的あいさつを提示することを知覚し、そしてその後に応答エンジン30は音響又は音声問い合わせを用いて応答し、そして装置20aは、この音響又は音声問い合わせに対して、対応する音響又は音声応答を提供するようにされる。任意選択的に、応答エンジン30及び装置20、20aは、無線及び音響/音声技術の組み合わせによって通信することが可能である。
【0043】
ユーザは、単語の「認識」を発音するなどコマンドを与えることによって新しい装置20aの認識を開始し得る。新しい装置20aは、コマンドを認識し、第1信号225を発信する。このようにして、ユーザは、処理により責任を持つようになり、より現実的な印象を与え得る。
【0044】
新しい装置20aの認識を開始する別の方法は、新しい装置を動かす又は振動させることであり、この場合、動きセンサは、上述の信号シーケンスを開始する。
【0045】
任意選択的に、応答エンジン30は、ユーザ50へストーリを提示するために上述のイベントのシーケンスを主として舵取りをする。ストーリは、応答エンジン30へユーザ50によって導入される1つ以上の装置20及び20aに依存して提示されるストーリテーマを用いて動的に可変であるように操作可能であり得る。このような方法において、システム10は、ユーザ50に対して潜在的にデジャブ(deja vu)になるように単一の事前に準備されたストーリの筋を単に繰り返すよりも、ユーザ50に対してより興味深い娯楽を提示することが可能である。しかし、子供は、あるストーリの繰り返しを聞くことが有利であると考えることも時々ある。
【0046】
ストーリは、新しい項目が導入されるように、経時的に変化し得る。ストーリは、交換もされ得、例えば、システムに加えられるために新しい装置20aに埋め込まれ得る。新しい装置20aが加えられる場合、ストーリの新しい部分も加えられる。
【0047】
ストーリは、新しい装置20aと同一の方法で透かしを入れられ得、ストーリが新しい装置に埋め込まれる場合、上述のものと同一の処理によって含まされ得る。
【0048】
ストーリの新しい部分は、代わりには、例えばCD及びフラッシュメモリカードなどの有体の媒体において、新しい装置20aとは別個に加えられ得る。またこの場合、同一の認識手順は、新しい装置20aに対して使用され、例えば、上述の方法で応答エンジンと通信する手段を用いて有体媒体を提供することによってなどである。
【0049】
請求項における括弧書き参照符号及び他の記号は、請求項の理解を支援するために含まれており、いずれにしても請求項の範囲を制限するように意図されていない。
【0050】
「有する」、「含む」、「組み込む」、「備える」、及び「である」などの表現は、詳細な説明及び関連する請求項を解釈する場合に非独占的に理解されるべきであり、すなわち存在するようにも明示的に規定されない他の項目又はコンポーネントを許すように解釈されるべきである。単数形の構成要素は、複数個の斯様な構成要素を参照するようにも解釈されるべきであり、逆もまた然り。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】図1は、応答エンジンと組み合わせて、本発明の方法を実施化するように動作可能である、例えば相互作用的な玩具などの複数の相互作用装置を備えるシステムの概略図である。
【図2】図2は、応答エンジンが1つ以上の装置の一体部分として含まれる、図1におけるシステムの実施例の概略図である。
【図3】図3は、本発明の方法を実施化する場合の図1及び図2のシステムにおいて実行される相互作用ステップを例示するフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互作用的な環境においてアドオン装置又はストーリへインターフェイスをする方法であって、前記相互作用的な環境は、応答エンジンを有し、前記方法は、
(a)前記アドオン装置又は前記ストーリが自身の存在を前記応答エンジンへ通知するように動作可能であるように、前記アドオン装置又は前記ストーリを前記応答エンジンへ導入するステップと、
(b)前記応答エンジンにおいてチャレンジを生成し、そして前記チャレンジを前記アドオン装置又は前記ストーリへ伝達するステップであって、前記チャレンジが1つ以上の透かしを含む、ステップと、
(c)前記アドオン装置又は前記ストーリにおいて前記チャレンジを受信し、そして、対応する応答を生成するために、前記アドオン装置又は前記ストーリにおいて前記チャレンジを処理するステップと、
(d)前記対応する応答を前記アドオン装置又は前記ストーリから前記応答エンジンへ送信するステップと、
(e)前記応答エンジンにおいて前記対応する応答を受信し、前記アドオン装置又は前記ストーリが前記対応する応答を生成する際に前記チャレンジから正確に前記1つ以上の透かしを抽出するように動作可能であるか否かを決定するために、前記応答エンジンにおいて前記応答を分析するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、ステップ(e)において、1つ以上の透かしの正確な抽出が、前記アドオン装置又は前記ストーリが後のインタラクションに関して前記相互作用的な環境に対して受け入れ可能であることを示す、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記相互作用的な環境が、複数の相互作用的な装置を含み、前記方法が、前記アドオン装置又は前記ストーリが前記相互作用的な環境へ受け入れられる場合に、前記アドオン装置又は前記ストーリが、前記応答エンジン及び前記複数の装置のうちの少なくとも1つと相互作用することを許可するステップを更に含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記相互作用的な環境が、複数の相互作用的な装置を含み、前記方法が、前記複数の装置のうちの1つ以上の装置において前記応答エンジンを実行するステップを更に含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記アドオン装置又は前記ストーリが識別すること且つ前記アドオン装置又は前記ストーリからの前記対応する応答において応答することをチャレンジされる前記1つ以上の透かしに1つ以上の識別子を含ませるステップを更に含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記チャレンジが、透かし音声通信、透かし無線通信、及び透かし視覚通信のうちの1つ又は複数のものとして実行される、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記対応する応答が、透かし音声通信、透かし無線通信、及び透かし視覚通信のうちの1つ又は複数のものとして実行される、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、当該方法は、前記応答エンジンが、当該環境のユーザの便益のために、前記相互作用的な環境内において相互作用的なイベントのシーケンスを実施するように構成する更なるステップを含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、前記相互作用的なイベントのシーケンスが、前記アドオン装置又は前記ストーリが前記相互作用的な環境へ受け入れられることに応答して動的に適合可能である、方法。
【請求項10】
相互作用的な環境へアドオン装置又はストーリをインターフェイスするように動作可能であるシステムであって、前記相互作用的な環境は、当該システムによってホストされ、
当該システムは、前記アドオン装置又は前記ストーリからその存在を示す通知を受信することが可能であるように動作可能である応答エンジンを有し、前記応答エンジンは、前記通知の受信に応答して前記アドオン装置又は前記ストーリへのチャレンジを生成するように更に動作可能であり、前記チャレンジは、1つ以上の埋め込まれた透かしを含み、
前記応答エンジンは、前記アドオン装置又は前記ストーリから前記チャレンジに応答して送信された対応する応答を受信するように更に動作可能であり、
前記応答エンジンは、前記アドオン装置又は前記ストーリが前記対応する応答を生成する際に前記チャレンジから正確に前記1つ以上の透かしを抽出するように動作可能であるか否かを決定するために、前記応答を分析するように更に動作可能である、
システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、当該システムが、前記応答エンジンと相互作用するよう動作可能である複数の装置を含む、システム。
【請求項12】
請求項10に記載のシステムであって、相互作用的な子供の玩具として実施化されるシステム。
【請求項13】
計算機ハードウェアにおいて実行可能であるソフトウェアであって、前記ソフトウェアが、相互作用的な環境において請求項1に記載の方法を実行するよう動作可能である、ソフトウェア。
【請求項14】
請求項10に記載のシステムとの潜在的な使用のためのアドオン装置であって、前記システムが、前記アドオン装置が当該システムによって発行されるチャレンジに正確に応答することが可能であるか否かを請求項1に記載の方法に従い決定するために前記アドオン装置に問い合わせを行うように動作可能である、アドオン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−502292(P2009−502292A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523493(P2008−523493)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052299
【国際公開番号】WO2007/012987
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】