説明

アミノ−チアゾリル−ピリミジン誘導体、および癌の治療のための該誘導体の使用

本発明は式(I)の化合物に:そしてその薬学的組成物に、そしてその使用法に関する。これらの化合物は、骨髄増殖性障害および癌の治療を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、その薬学的組成物および使用法に関する。さらに、本発明は、癌の治療および予防のための療法的方法に、そして骨髄増殖性障害および癌の治療および予防のための薬剤製造におけるこれらの化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
JAK(ヤヌス会合キナーゼ)/STAT(転写のシグナル伝達因子および活性化因子)シグナル伝達経路は、多様な過剰増殖性および癌関連プロセスに関与し、これらには、細胞周期進行、アポトーシス、血管形成、浸潤、転移および免疫系の回避が含まれる(Hauraら, Nature Clinical Practice Oncology, 2005, 2(6), 315−324; Vernaら, Cancer and Metastasis Reviews, 2003, 22, 423−434)。
【0003】
JAKファミリーは、4つの非受容体チロシンキナーゼ、Tyk2、JAK1、JAK2、およびJAK3からなり、これらは、サイトカインおよび増殖因子仲介シグナル伝達において、非常に重要な役割を果たす。サイトカインおよび/または増殖因子が細胞表面受容体(単数または複数)に結合すると、受容体二量体化が促進され、そして自己リン酸化による受容体会合JAKの活性化が促進される。活性化されたJAKは受容体をリン酸化し、SH2ドメイン含有シグナル伝達タンパク質、特にタンパク質のSTATファミリー(STAT1、2、3、4、5a、5bおよび6)のドッキング部位を生成する。受容体に結合したSTATは、それ自体、JAKによってリン酸化され、これが、受容体からの解離、およびそれに続く二量体化および核への転位置を促進する。ひとたび核に入ると、STATはDNAに結合し、そして他の転写因子と協調して、限定されるわけではないが、アポトーシス阻害剤をコードする遺伝子(例えばBcl−XL、Mcl−1)および細胞周期制御因子(例えばサイクリンD1/D2、c−myc)を含むいくつかの遺伝子の発現を制御する(Hauraら, Nature Clinical Practice Oncology, 2005, 2(6), 315−324; Vernaら, Cancer and Metastasis Reviews, 2003, 22, 423−434)。
【0004】
過去10年間に渡って、恒常的JAKおよび/またはSTATシグナル伝達と、過剰増殖性障害および癌を結びつける、かなりの量の科学的文献が公表されてきている。STATファミリー、特にSTAT3およびSTAT5の恒常的活性化が、広範囲の癌および過剰増殖性障害で検出されてきている(Hauraら, Nature Clinical Practice Oncology, 2005, 2(6), 315−324)。さらに、JAK/STAT経路の異常な活性化は、多くのキナーゼ(例えばFlt3、EGFR)の下流にある重要な増殖性および/または抗アポトーシス性ドライブを提供し、こうしたキナーゼの恒常的活性化は、多様な癌および過剰増殖性障害の重要なドライバーとして関連づけられてきている(Tibesら, Annu Rev Pharmacol Toxicol 2550, 45, 357−384; Choudharyら, International Journal of Hematology 2005, 82(2), 93−99; Sordellaら, Science 2004, 305, 1163−1167)。さらに、負の制御タンパク質、例えばサイトカインシグナル伝達抑制因子(SOCS)タンパク質の損傷もまた、疾患において、JAK/STATシグナル伝達経路の活性化状態に影響を及ぼしうる(JC TanおよびRabkin R, Pediatric Nephrology 2005, 20, 567−575)。
【0005】
多様な疾患設定において、JAK2のいくつかの突然変異型が同定されてきている。例えば、オリゴマー化ドメインとJAK2キナーゼドメインの融合を生じる転位置、TEL−JAK2、Bcr−JAK2およびPCM1−JAK2が、多様な血液学的悪性疾患の病因に関連づけられてきている(SD TurnerおよびAlesander DR, Leukemia, 2006, 20, 572−582)。より最近、JAK2におけるバリンからフェニルアラニンへの置換(V617F)をコードするユニークな後天性突然変異が、かなりの数の真性多血症、原発性血小板血症および特発性骨髄線維症患者において、そしてより少ない度合いでいくつかの他の疾患において、検出された。突然変異体JAK2タンパク質は、サイトカイン刺激の非存在下で、下流シグナル伝達を活性化可能であり、自律増殖および/またはサイトカインに対する過敏症を生じ、そしてこれらの疾患を駆動する際に重要な役割を果たすと考えられる(MJ PercyおよびMcMullin MF, Hematological Oncology 2005, 23(3−4), 91−93)。
【0006】
JAK(特にJAK3)は、免疫抑制分野において重要な生物学的役割を果たし、そして臓器移植拒絶を防止するツールとしてJAKキナーゼ阻害剤を用いる報告がある(Changelian, P.S.ら, Science, 2003, 302, 875−878)。Merck(Thompson, J. E.ら Bioorg. Med. Chem. Lett. 2002, 12, 1219−1223)およびIncyte(WO2005/105814)は、一桁のnMレベルの酵素強度を持つ、イミダゾールに基づくJAK2/3阻害剤を報告した。Vertex PCT公報は、JAK阻害剤としてのアザインドールを記載している(WO2005/95400)。AstraZenecaは、JAK3阻害剤として、キノリン−3−カルボキサミドを公表している(WO2002/92571)。
【0007】
上記に加えて、Vertex Pharmaceuticalsは、WO2002/50065、WO2002/62789、WO2003/027111およびWO2004/37814において、GSK3、オーロラなどの阻害剤としてピラゾール化合物を記載しており;そしてAstraZenecaは、IGF−1受容体キナーゼに対する阻害剤としてピラゾール化合物を報告し−WO2003/48133−そしてWO2005/049033、WO2005/103010、WO2006/082392においてTrkに対する阻害剤として報告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2005/105814
【特許文献2】WO2005/95400
【特許文献3】WO2002/92571
【特許文献4】WO2002/50065
【特許文献5】WO2002/62789
【特許文献6】WO2003/027111
【特許文献7】WO2004/37814
【特許文献8】WO2003/48133
【特許文献9】WO2005/049033
【特許文献10】WO2005/103010
【特許文献11】WO2006/082392
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Hauraら, Nature Clinical Practice Oncology, 2005, 2(6), 315−324
【非特許文献2】Vernaら, Cancer and Metastasis Reviews, 2003, 22, 423−434
【非特許文献3】Tibesら, Annu Rev Pharmacol Toxicol 2550, 45, 357−384
【非特許文献4】Choudharyら, International Journal of Hematology 2005, 82(2), 93−99
【非特許文献5】Sordellaら, Science 2004, 305, 1163−1167
【非特許文献6】JC TanおよびRabkin R, Pediatric Nephrology 2005, 20, 567−575
【非特許文献7】SD TurnerおよびAlesander DR, Leukemia, 2006, 20, 572−582
【非特許文献8】MJ PercyおよびMcMullin MF, Hematological Oncology 2005, 23(3−4), 91−93
【非特許文献9】Changelian, P.S.ら, Science, 2003, 302, 875−878
【非特許文献10】Thompson, J. E.ら Bioorg. Med. Chem. Lett. 2002, 12, 1219−1223
【発明の概要】
【0010】
本発明にしたがって、本出願者らは、本発明によって、式(I):
【0011】
【化1】

【0012】
の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を発見した。
【0013】
式(I)の化合物は、JAKキナーゼ阻害活性を所持すると考えられ、そしてしたがって抗増殖および/またはアポトーシス促進活性に、そしてヒトまたは動物の体の治療法において有用である。本発明はまた、前記化合物、またはその薬学的に許容されうる塩の製造のためのプロセスにも、該化合物を含有する薬学的組成物にも、そしてヒトなどの温血動物における抗増殖および/またはアポトーシス促進効果の産生において使用するための薬剤の製造における該化合物の使用にも関する。やはり本発明にしたがって、本出願者らは、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群および癌の治療における、前記化合物、またはその薬学的に許容されうる塩を使用する方法を提供する。
【0014】
式(I)の化合物の特性は、チロシンキナーゼ、特にJAKファミリー、およびより詳細にはJAK2を阻害することによって、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群および癌の治療に価値があると予期される。治療法は、多様な骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群および癌関連プロセスに関与する、チロシンキナーゼ活性、特にJAKファミリー活性、およびより詳細にはJAK2活性をターゲットとする。したがって、チロシンキナーゼ、特にJAKファミリー、およびより詳細にはJAK2の阻害剤は、骨髄増殖性障害、例えば、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、特発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病および好酸球増加症候群、骨髄異形成症候群、ならびに乳房、卵巣、肺、結腸、前立腺または他の組織の癌腫などの新生物疾患、ならびに白血病、骨髄腫およびリンパ腫、中枢および末梢神経系の腫瘍、ならびに黒色腫、線維肉腫および骨肉腫などの他の腫瘍タイプに対して活性であると予期される。チロシンキナーゼ阻害剤、特にJAKファミリー阻害剤、およびより詳細にはJAK2阻害剤はまた、限定されるわけではないが、自己免疫、炎症性、神経学的、および心臓血管疾患を含む他の増殖性疾患の治療にも有用であると予期される。
【0015】
さらに、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容されうる塩は、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、特発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病および好酸球増加症候群、骨髄異形成症候群、ならびに食道癌、骨髄腫、肝細胞性癌、膵臓癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、カポジ肉腫、卵巣癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膀胱癌、黒色腫、肺癌−非小細胞肺癌(NSCLC)、および小細胞肺癌(SCLC)、胃癌、頭部および頸部の癌、中皮腫、腎癌、リンパ腫および白血病より選択される癌;特に骨髄腫、白血病、卵巣癌、乳癌および前立腺癌に対する治療または予防において価値があると予期される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、式(I):
【0017】
【化2】

【0018】
式中:
環Aは、カルボシクリルおよびヘテロシクリルより選択されてもよく、ここで前記カルボシクリルおよびヘテロシクリルは、1以上のRで場合によって置換されてもよく;
Xは、−NH−、−O−、および−S−より選択されてもよく;
は、H、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR1a、−SR1a、−N(R1a、−N(R1a)C(O)R1b、−N(R1a)N(R1a、−NO、−C(O)H、−C(O)R1b、−C(O)1a、−C(O)N(R1a、−OC(O)N(R1a、−N(R1a)C(O)1a、−N(R1a)C(O)N(R1a、−OC(O)R1b、−S(O)R1b、−S(O)1b、−S(O)N(R1a、−N(R1a)S(O)1b、−C(R1a)=N(R1a)、および−C(R1a)=N(OR1a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR10で場合によって置換されてもよく;
1aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換されてもよく;
1bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換されてもよく;
は、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR2a、−SR2a、−N(R2a、−N(R2a)C(O)R2b、−N(R2a)N(R2a、−NO、−C(O)H、−C(O)R2b、−C(O)2a、−C(O)N(R2a、−OC(O)N(R2a、−N(R2a)C(O)2a、−N(R2a)C(O)N(R2a、−OC(O)R2b、−S(O)R2b、−S(O)2b、−S(O)N(R2a、−N(R2a)S(O)2b、−C(R2a)=N(R2a)、および−C(R2a)=N(OR2a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR20で場合によって置換されてもよく;
2aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR20で場合によってそして独立に置換されてもよく;
2bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR20で場合によってそして独立に置換されてもよく;
は、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR3a、−SR3a、−N(R3a、−N(R3a)C(O)R3b、−N(R3a)N(R3a、−NO、−C(O)H、−C(O)R3b、−C(O)3a、−C(O)N(R3a、−OC(O)N(R3a、−N(R3a)C(O)3a、−N(R3a)C(O)N(R3a、−OC(O)R3b、−S(O)R3b、−S(O)3b、−S(O)N(R3a、−N(R3a)S(O)3b、−C(R3a)=N(R3a)、および−C(R3a)=N(OR3a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR30で場合によって置換されてもよく;
3aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換されてもよく;
3bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換されてもよく;
は、H、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−N(R4a)C(O)R4b、−N(R4a)N(R4a、−NO、−C(O)H、−C(O)R4b、−C(O)4a、−C(O)N(R4a、−OC(O)N(R4a、−N(R4a)C(O)4a、−N(R4a)C(O)N(R4a、−OC(O)R4b、−S(O)R4b、−S(O)4b、−S(O)N(R4a、−N(R4a)S(O)4b、−C(R4a)=N(R4a)、および−C(R4a)=N(OR4a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR40で場合によって置換されてもよく;
4aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換されてもよく;
4bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換されてもよく;
は、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR5a、−SR5a、−N(R5a、−N(R5a)C(O)R5b、−N(R5a)N(R5a、−NO、−C(O)H、−C(O)R5b、−C(O)5a、−C(O)N(R5a、−OC(O)N(R5a、−N(R5a)C(O)5a、−N(R5a)C(O)N(R5a、−OC(O)R5b、−S(O)R5b、−S(O)5b、−S(O)N(R5a、−N(R5a)S(O)5b、−C(R5a)=N(R5a)、および−C(R5a)=N(OR5a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR50で場合によって置換されてもよく;
5aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換されてもよく;
5bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換されてもよく;
10は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR10a、−SR10a、−N(R10a、−N(R10a)C(O)R10b、−N(R10a)N(R10a、−NO、−C(O)H、−C(O)R10b、−C(O)10a、−C(O)N(R10a、−OC(O)N(R10a、−N(R10a)C(O)10a、−N(R10a)C(O)N(R10a、−OC(O)R10b、−S(O)R10b、−S(O)10b、−S(O)N(R10a、−N(R10a)S(O)10b、−C(R10a)=N(R10a)、および−C(R10a)=N(OR10a)より独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
10aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
10bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
20は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR20a、−SR20a、−N(R20a、−N(R20a)C(O)R20b、−N(R20a)N(R20a、−NO、−C(O)H、−C(O)R20b、−C(O)20a、−C(O)N(R20a、−OC(O)N(R20a、−N(R20a)C(O)20a、−N(R20a)C(O)N(R20a、−OC(O)R20b、−S(O)R20b、−S(O)20b、−S(O)N(R20a、−N(R20a)S(O)20b、−C(R20a)=N(R20a)、および−C(R20a)=N(OR20a)より独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
20aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
20bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
30は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR30a、−SR30a、−N(R30a、−N(R30a)C(O)R30b、−N(R30a)N(R30a、−NO、−C(O)H、−C(O)R30b、−C(O)30a、−C(O)N(R30a、−OC(O)N(R30a、−N(R30a)C(O)30a、−N(R30a)C(O)N(R30a、−OC(O)R30b、−S(O)R30b、−S(O)30b、−S(O)N(R30a、−N(R30a)S(O)30b、−C(R30a)=N(R30a)、および−C(R30a)=N(OR30a)より独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
30aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
30bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
40は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR40a、−SR40a、−N(R40a、−N(R40a)C(O)R40b、−N(R40a)N(R40a、−NO、−C(O)H、−C(O)R40b、−C(O)40a、−C(O)N(R40a、−OC(O)N(R40a、−N(R40a)C(O)40a、−N(R40a)C(O)N(R40a、−OC(O)R40b、−S(O)R40b、−S(O)40b、−S(O)N(R40a、−N(R40a)S(O)40b、−C(R40a)=N(R40a)、および−C(R40a)=N(OR40a)より独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
40aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
40bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
50は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR50a、−SR50a、−N(R50a、−N(R50a)C(O)R50b、−N(R50a)N(R50a、−NO、−C(O)H、−C(O)R50b、−C(O)50a、−C(O)N(R50a、−OC(O)N(R50a、−N(R50a)C(O)50a、−N(R50a)C(O)N(R50a、−OC(O)R50b、−S(O)R50b、−S(O)50b、−S(O)N(R50a、−N(R50a)S(O)50b、−C(R50a)=N(R50a)、および−C(R50a)=N(OR50a)より独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のRで場合によって置換されてもよく;
50aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
50bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換されてもよく;
、R、R、R、およびRは、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR、−SR、−N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)N(R、−NO、−C(O)H、−C(O)R、−C(O)、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)、−N(R)C(O)N(R、−OC(O)R、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−N(R)S(O)、−C(R)=N(R)、および−C(R)=N(OR)より独立に選択されてもよく;
は、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;そして
は、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよい
の化合物またはその薬学的に許容されうる塩に関する。
【0019】
本明細書において、Cx−yアルキル等の用語で用いるような接頭辞Cx−y(式中、xおよびyは整数である)は、基の中に存在する炭素原子の数値範囲を示し;例えば、C1−4アルキルには、Cアルキル(メチル)、Cアルキル(エチル)、Cアルキル(プロピルおよびイソプロピル)およびCアルキル(ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、およびt−ブチル)が含まれる。
【0020】
アルキル−本明細書において、用語「アルキル」は、明記される数の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖両方の飽和炭化水素ラジカルを指す。「プロピル」などの個々のアルキル基に対する言及は、直鎖型のみに特異的であり、そして「イソプロピル」などの個々の分枝鎖アルキル基に対する言及は、分枝鎖型のみに特異的である。
【0021】
アルケニル−本明細書において、用語「アルケニル」は、明記される数の炭素原子を有し、そして少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有する直鎖および分枝鎖両方の炭化水素ラジカルを指す。例えば、「C2−6アルケニル」には、限定されるわけではないが、C2−6アルケニル、C2−4アルケニル、エテニル、2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、および5−ヘキセニルが含まれる。
【0022】
アルキニル−本明細書において、用語「アルキニル」は、明記される数の炭素原子を有し、そして少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含有する直鎖および分枝鎖両方の炭化水素ラジカルを指す。例えば、「C2−6アルキニル」には、限定されるわけではないが、C2−6アルキニル、C2−4アルキニル、エチニル、2−プロピニル、2−メチル−2−プロピニル、3−ブチニル、4−ペンチニル、および5−ヘキシニルが含まれる。
【0023】
ハロ−本明細書において、用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。1つの側面において、用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、およびブロモを指してもよい。別の側面において、用語「ハロ」は、フルオロおよびクロロを指してもよい。
【0024】
カルボシクリル−本明細書において、用語「カルボシクリル」は、3〜12環原子を含有し、このうち1以上の−CH−基が、対応する数の−C(O)−基で場合によって置換されていてもよい、飽和、部分飽和、または不飽和単環または二環炭素環を指す。「カルボシクリル」の例示的な例には、限定されるわけではないが、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、インダニル、ナフチル、オキソシクロペンチル、1−オキソインダニル、フェニル、およびテトラリニルが含まれる。1つの側面において、「カルボシクリル」は、シクロプロピルを指してもよい。
【0025】
ヘテロシクリル−本明細書において、用語「ヘテロシクリル」は、4〜12の環原子を含有し、そのうち少なくとも1つの環原子が、窒素、イオウ、および酸素より選択され、そして別に明記されない限り、炭素または窒素連結であってもよく、そしてそのうち、−CH−基が−C(O)−によって場合によって置換されていてもよい、飽和、部分飽和、または不飽和単環または二環を指す。環イオウ原子は、場合によって酸化されて、S−オキシドを形成してもよい。環窒素原子は、場合によって酸化されて、N−オキシドを形成してもよい。用語「ヘテロシクリル」の例示的な例には、限定されるわけではないが、1,3−ベンゾジオキソリル、3,5−ジオキソピペリジニル、フラニル、イミダゾリル、インドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、モルホリノ、2−オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−イル、オキサゾリル、2−オキソピロリジニル、2−オキソ−1,3−チアゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジル、2H−ピラニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、4−ピリドニル、キノリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、チオモルホリノ、チオフェニル、ピリジン−N−オキシジルおよびキノリン−N−オキシジルが含まれる。
【0026】
五員または六員ヘテロシクリル−1つの側面において、「ヘテロシクリル」は、5つまたは6つの環原子を含有する、飽和、部分飽和、または不飽和単環であって、そのうち少なくとも1つの環原子が、窒素、イオウ、および酸素より選択され、そしてそのうち、−CH−基が−C(O)−基によって場合によって置換されていてもよい前記環を指す、「五員または六員ヘテロシクリル」であってもよい。別に明記しない限り、「五員または六員ヘテロシクリル」基は、炭素または窒素連結されていてもよい。環窒素原子は、場合によって酸化されて、N−オキシドを形成してもよい。環イオウ原子は、場合によって酸化されて、S−オキシドを形成してもよい。「五員または六員ヘテロシクリル」の例示的な例には、限定されるわけではないが、3,5−ジオキソピペリジニル、フラニル、イミダゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、モルホリノ、オキサゾリル、2−オキソピロリジニル、2−オキソ−1,3−チアゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジル、2H−ピラニル、ピラゾリル、ピリジニル、ピロリル、ピロリジニル、ピロリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、4−ピリドニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリジニル、チオモルホリノ、チオフェニル、ピリジン−N−オキシジルが含まれる。
【0027】
六員ヘテロシクリル−別の側面において、「ヘテロシクリル」および「五員または六員ヘテロシクリル」は、6つの環原子を含有する飽和、部分飽和、または不飽和単環であって、そのうち少なくとも1つの環原子が、窒素、イオウ、および酸素より選択され、そしてそのうち、−CH−基が−C(O)−基によって場合によって置換されていてもよい前記環を指す、「六員ヘテロシクリル」であってもよい。別に明記しない限り、「六員ヘテロシクリル」基は、炭素または窒素連結されていてもよい。環窒素原子は、場合によって酸化されて、N−オキシドを形成してもよい。環イオウ原子は、場合によって酸化されて、S−オキシドを形成してもよい。「六員ヘテロシクリル」の例示的な例には、限定されるわけではないが、3,5−ジオキソピペリジニル、モルホリノ、ピペラジニル、ピペリジニル、2H−ピラニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、およびピリミジニルが含まれる。
【0028】
六員ヘテロアリール−さらに別の側面において、「ヘテロシクリル」、「五員または六員ヘテロシクリル」、および「六員ヘテロシクリル」は、「六員ヘテロアリール」であってもよい。用語「六員ヘテロアリール」は、6つの環原子を含有する単環芳香族ヘテロシクリル環を指すよう意図される。別に明記しない限り、「六員ヘテロアリール」基は炭素連結される。用語「六員ヘテロアリール」の例示的な例には、限定されるわけではないが、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、およびピリジニルが含まれる。
【0029】
特定のR基(例えばR1a、R10など)が1回より多く式(I)の化合物中に存在する場合、そのR基に関する各選択は、任意の他の出現での任意の選択とは、各出現で独立であることが意図される。例えば、−N(R)基は:1)両方のR置換基が同じである−N(R)基、例えば両方のR置換基が、例えばC1−6アルキルであるもの;および2)各R置換基が異なる−N(R)基、例えば一方のR置換基が、例えばHであり、そして他方のR置換基が、例えばカルボシクリルであるものを含むよう意図される。
【0030】
別に明記しない限り、基の結合原子は、その基の任意の適切な原子であってもよく;例えば、プロピルにはプロプ−1−イルおよびプロプ−2−イルが含まれる。
【0031】
有効量−本明細書において、句「有効量」は、治療しようとする症状および/または状態を有意にそして正に修飾する(例えば正の臨床的応答を提供する)のに十分に足りる化合物または組成物量を意味する。薬学的組成物において使用するための活性成分の有効量は、治療している特定の状態、状態の重症度、治療期間、同時に存在する療法の性質、使用する特定の活性成分(単数または複数)、利用する特定の薬学的に許容されうる賦形剤(単数または複数)/キャリアー(単数または複数)、ならびに主治医の知識および技能内の同様の要因によって多様であろう。
【0032】
特に、癌の治療において使用するための式(I)の化合物の有効量は、ヒトなどの温血動物において、癌および骨髄増殖性疾患の症状を症状的に軽減するか、癌および骨髄増殖性疾患の進行を遅らせるか、または癌および骨髄増殖性疾患の症状を持つ患者において、さらに悪くなるリスクを減少させるのに十分な量である。
【0033】
脱離基−本明細書において、句「脱離基」は、アミン求核剤、およびアルコール求核剤、またはチオール求核剤などの求核剤によって容易に置換可能な基を指すよう意図される。適切な脱離基の例には、クロロおよびブロモなどのハロ、ならびにメタンスルホニルオキシおよびトルエン−4−スルホニルオキシなどのスルホニルオキシ基が含まれる。
【0034】
場合によって置換される−本明細書において、句「場合によって置換される」は、置換が場合により、そしてしたがって、指定された基が置換されているかまたは置換されていないかいずれであることも可能であることを示す。置換が望ましい場合、特定の置換基上の原子の通常の価数を超えず、そして置換が安定な化合物を生じる限り、指定された基上の任意の数の水素を、示す置換基から選択したもので置換してもよい。
【0035】
1以上−1つの側面において、特定の基が「1以上の」置換基で場合によって置換されると称される場合、その特定の基は置換されていなくてもよい。別の側面において、特定の基は1つの置換基を所持してもよい。別の側面において、特定の置換基は2つの置換基を所持してもよい。さらに別の側面において、特定の基は3つの置換基を所持してもよい。さらに別の側面において、特定の基は4つの置換基を所持してもよい。さらなる側面において、特定の基は1つまたは2つの置換基を所持してもよい。さらにさらなる側面において、特定の基は置換されていなくてもよいし、あるいは1つまたは2つの置換基を所持してもよい。
【0036】
薬学的に許容されうる−本明細書において、用語「薬学的に許容されうる」は、適切な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、あるいは他の問題または合併症なしに、妥当な利益/リスク比と釣り合った、ヒトおよび動物組織と接触させて使用するのに適した、化合物、物質、組成物、および/または投薬型を指す。
【0037】
保護基−本明細書において、用語「保護基」は、選択された反応基(カルボキシ、アミノ、ヒドロキシ、およびメルカプト基など)が望ましくない反応を経ることを防止するために用いられる基を指すよう意図される。
【0038】
ヒドロキシ基に適した保護基の例示的な例には、限定されるわけではないが、アシル基;アセチルなどのアルカノイル基;ベンゾイルなどのアロイル基;トリメチルシリルなどのシリル基;およびベンジルなどのアリールメチル基が含まれる。上記ヒドロキシ保護基のための脱保護条件は、必然的に、保護基の選択によって多様であろう。したがって、例えばアルカノイルまたはアロイル基などのアシル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウムまたはナトリウムなどの適切な塩基を用いた加水分解によって除去可能である。あるいは、トリメチルシリルなどのシリル基は、例えばフルオリドまたは酸性水溶液によって除去可能であり;あるいはベンジル基などのアリールメチル基は、例えばパラジウム炭素などの触媒の存在下での水素化によって除去可能である。
【0039】
アミノ基に適した保護基の例示的な例には、限定されるわけではないが、アシル基;アセチルなどのアルカノイル基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、およびt−ブトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニルなどのアリールメトキシカルボニル基;およびベンゾイルなどのアロイル基が含まれる。上記アミノ保護基のための脱保護条件は、必然的に、保護基の選択によって多様であろう。したがって、例えばアルカノイルまたはアルコキシカルボニル基あるいはアロイル基などのアシル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウムまたはナトリウムなどの適切な塩基を用いた加水分解によって除去可能である。あるいは、t−ブトキシカルボニル基などのアシル基は、例えば塩酸、硫酸、リン酸またはトリフルオロ酢酸などの適切な酸での処理によって除去可能であり、そしてベンジルオキシカルボニル基などのアリールメトキシカルボニル基は、例えばパラジウム炭素などの触媒上での水素化によって、またはルイス酸、例えば三塩化ホウ素での処理によって除去可能である。一級アミノ基に適した別の保護基は、例えば、フタノイル基であり、これはアルキルアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミンまたは2−ヒドロキシエチルアミンでの、あるいはヒドラジンでの処理によって除去可能である。アミンに適した別の保護基は、例えばテトラヒドロフランなどの環状エーテルであり、これはトリフルオロ酢酸などの適切な酸での処理によって除去可能である。
【0040】
保護基は、化学業に周知の慣用的技術を用いて、合成中の任意の好適な段階で除去してもよいし、あるいは後の反応工程または検査中に除去してもよい。
【0041】
例示的目的のため、置換基Rに関して、以下の置換基定義は、示す意味を有する:
【0042】
【化3−1】

【0043】
【化3−2】

【0044】
本明細書に論じる化合物は、多くの場合、ACD/Labs(登録商標)によるACD/Nameで命名され、そして/またはチェックされた。
【0045】
式(I)の化合物は、安定な薬学的に許容されうる酸または塩基塩を形成可能であり、そしてこうした場合、塩としての化合物の投与が適切でありうる。酸付加塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、カンフォレート(camphorate)、カンファースルホン酸塩、コリン、クエン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、ジエチレンジアミン、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、2−ヒドロキシエチル−スルホネート、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、メグルミン、2−ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩(p−トルエンスルホン酸塩)、トリフルオロ酢酸塩、およびウンデカン酸塩が含まれる。塩基塩の例には、アンモニウム塩;ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩などのアルカリ金属塩;アルミニウム、カルシウムおよびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ジシクロヘキシルアミン塩およびN−メチル−D−グルカミンなどの有機塩基との塩;ならびにアルギニン、リジン、オルニチンなどのアミノ酸との塩が含まれる。また、塩基性窒素含有基を:ハロゲン化メチル、エチル、プロピル、およびブチルなどの低次アルキルハロゲン化物;硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、ジアミルなどの硫酸ジアルキル;ハロゲン化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルなどの長鎖ハロゲン化物;臭化ベンジルなどのアリールアルキルハロゲン化物、ならびにその他などの剤で四級化してもよい。非毒性の生理学的に許容されうる塩が好ましいが、他の塩は、産物を単離しまたは精製する際などに有用でありうる。
【0046】
塩は、慣用的手段によって、例えば産物の遊離塩基型を、該塩が不溶性である溶媒もしくは媒体中で、または水などの溶媒中で、適切な酸の1当量以上と反応させ、溶媒を真空中で、または凍結乾燥によって除去することによって、あるいは適切なイオン交換樹脂上の別の陰イオンを、存在する塩の陰イオンと交換することによって、形成されうる。
【0047】
式(I)のいくつかの化合物は、キラル中心および/または幾何異性体中心(E−およびZ−異性体)を有する可能性もあり、そして本発明が、すべてのこうした光学的ジアステレオ異性体および幾何異性体を含むことが理解されるものとする。本発明はさらに、式(I)の化合物のあらゆる互変異型に関する。
【0048】
式(I)の特定の化合物は、溶媒和型ならびに非溶媒和型、例えば水和型で存在してもよい。本発明がすべてのこうした溶媒和型を含むことが理解されるものとする。
【0049】
本発明のさらなる態様は以下の通りである。これらのさらなる態様は、式(I)の化合物およびその薬学的に許容されうる塩に関する。こうした特定の置換基を、適切な場合、上記にまたは以下に定義する定義、請求項または態様のいずれとともに用いてもよい。
【0050】
環A
1つの側面において、環Aは、カルボシクリルおよびヘテロシクリルより選択されてもよく、ここで前記カルボシクリルおよびヘテロシクリルは、1以上のRで場合によって置換されてもよく;そして
は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR5a、−SR5a、−N(R5a、−N(R5a)C(O)R5b、−C(O)H、−C(O)R5b、−C(O)5a、−C(O)N(R5a、−OC(O)R5a、−N(R5a)C(O)N(R5a、−S(O)R5b、−S(O)5b、−S(O)N(R5a、および−N(R5a)S(O)5bより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換されてもよく;
5aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換されてもよく;
5bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換されてもよく;
50は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリル、−OR50a、−SR50a、および−N(R50aより独立に選択されてもよく;そして
50aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよい。
【0051】
別の側面において、環Aは、カルボシクリルおよびヘテロシクリルより選択されてもよく、ここで前記カルボシクリルおよびヘテロシクリルは、1以上のRで場合によって置換されてもよく;そして
はハロであってもよい。
【0052】
さらに別の側面において、環Aは、フェニル、ピリジニル、およびピリミジニルより選択されてもよく、ここで前記フェニル、ピリジニル、およびピリミジニルは、1以上のRで場合によって置換されてもよく;そして
はハロであってもよい。
【0053】
さらに別の側面において、環Aは、フェニル、ピリジニル、およびピリミジニルより選択されてもよく、ここで前記フェニル、ピリジニル、およびピリミジニルは、1以上のRで場合によって置換されてもよく;そして
はフルオロであってもよい。
【0054】
さらなる側面において、環Aは、4−フルオロフェニル、5−フルオロピリジン−2−イル、および5−フルオロピリミジン−2−イルより選択されてもよい。
【0055】
さらにさらなる側面において、環Aは4−フルオロフェニルであってもよい。
【0056】
さらにさらなる側面において、環Aは5−フルオロピリジン−2−イルであってもよい。
【0057】
1つの側面において、環Aは5−フルオロピリミジン−2−イルであってもよい。
【0058】

1つの側面において、Xは、−NH−および−O−より選択されてもよい。
【0059】
別の側面において、Xは−NH−であってもよい。
【0060】
さらに別の側面において、XはOであってもよい。
【0061】

1つの側面において、Rは、H、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR1a、−SR1a、−N(R1a、−N(R1a)C(O)R1b、−N(R1a)N(R1a、−NO、−C(O)H、−C(O)R1b、−C(O)1a、−C(O)N(R1a、−OC(O)N(R1a、−N(R1a)C(O)1a、−N(R1a)C(O)N(R1a、−OC(O)R1b、−S(O)R1b、−S(O)1b、−S(O)N(R1a、−N(R1a)S(O)1b、−C(R1a)=N(R1a)、および−C(R1a)=N(OR1a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR10で場合によって置換されてもよく;
1aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換されてもよく;
1bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換されてもよく;
10は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR10a、−SR10a、−N(R10a、−N(R10a)C(O)R10b、−C(O)H、−C(O)R10b、−C(O)10a、−C(O)N(R10a、−OC(O)R10b、−N(R10a)C(O)N(R10a、−S(O)R10b、−S(O)10b、−S(O)N(R10a、および−N(R10a)S(O)10bより独立に選択されてもよく;
10aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;そして
10bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよい。
【0062】
別の側面において、Rは、−CN、C1−6アルキル、および−C(O)1aより選択されてもよく;そして
1aはC1−6アルキルであってもよい。
【0063】
さらに別の側面において、Rは−CNであってもよい。
【0064】
さらに別の側面において、RはC1−6アルキルであってもよい。
【0065】
さらなる側面において、Rは−C(O)1aより選択されてもよく;そして
1aはC1−6アルキルであってもよい。
【0066】
さらにさらなる側面において、Rはメチルであってもよい。
【0067】
さらにさらなる側面において、Rは−C(O)Meであってもよい。
【0068】
さらにさらなる側面において、Rは、−CN、メチル、および−C(O)Meより選択されてもよい。
【0069】

1つの側面において、Rは、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR2a、−SR2a、−N(R2a、−N(R2a)C(O)R2b、−NO、−C(O)H、−C(O)R2b、−C(O)2a、−C(O)N(R2a、−OC(O)R2b、−N(R2a)C(O)N(R2a、−S(O)R2b、−S(O)2b、−S(O)N(R2a、および−N(R2a)S(O)2bより選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR20で場合によって置換されてもよく;
2aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換されてもよく;
2bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR20で場合によってそして独立に置換されてもよく;
20は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR20a、−SR20a、−N(R20a、−N(R20a)C(O)R20b、−C(O)H、−C(O)R20b、−C(O)20a、−C(O)N(R20a、−OC(O)R20b、−N(R20a)C(O)N(R20a、−S(O)R20b、−S(O)20b、−S(O)N(R20a、および−N(R20a)S(O)20bより独立に選択されてもよく;
20aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;そして
20bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよい。
【0070】
別の側面において、RはHおよびハロより選択されてもよい。
【0071】
さらに別の側面において、RはHより選択されてもよい。
【0072】
さらに別の側面において、Rはハロより選択されてもよい。
【0073】
さらなる側面において、Rは、H、フルオロ、およびクロロより選択されてもよい。
【0074】
さらにさらなる側面において、Rはフルオロより選択されてもよい。
【0075】
さらにさらなる側面において、Rはクロロより選択されてもよい。
【0076】

1つの側面において、Rは、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR3a、−SR3a、−N(R3a、−N(R3a)C(O)R3b、−C(O)H、−C(O)R3b、−C(O)3a、−C(O)N(R3a、−OC(O)R3a、−N(R3a)C(O)N(R3a、−S(O)R3b、−S(O)3b、−S(O)N(R3a、および−N(R3a)S(O)3bより選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR30で場合によって置換されてもよく;
3aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換されてもよく;
3bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換されてもよく;
30は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR30a、−SR30a、−N(R30a、−N(R30a)C(O)R30b、−C(O)H、−C(O)R30b、−C(O)30a、−C(O)N(R30a、−OC(O)R30a、−N(R30a)C(O)N(R30a、−S(O)R30b、−S(O)30b、−S(O)N(R30a、および−N(R30a)S(O)30bより独立に選択されてもよく;
30aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;そして
30bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよい。
【0077】
別の側面において、RはHおよびヘテロシクリルより選択されてもよく、ここで前記ヘテロシクリルは、1以上のR30で場合によって置換されてもよく;そして
30はC1−6アルキルであってもよい。
【0078】
さらに別の側面において、Rは、H、ヘテロシクリル、および−OR3aより選択されてもよく、ここで前記ヘテロシクリルは、1以上のR30で場合によって置換されてもよく;
3aはC1−6アルキルであってもよく、
30はC1−6アルキルであってもよい。
【0079】
さらに別の側面において、Rは、H、モルホリノ、およびピペラジニルより選択されてもよく、ここで前記モルホリノおよびピペラジニルは、1以上のR30で場合によって置換されてもよく;そして
30はC1−6アルキルであってもよい。
【0080】
さらなる側面において、Rは、H、4−メチルピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、およびピペラジン−1−イルより選択されてもよい。
【0081】
さらにさらなる側面において、Rは、H、メトキシ、4−メチルピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、およびピペラジン−1−イルより選択されてもよい。
【0082】
1つの側面において、RはHであってもよい。
【0083】
別の側面において、Rはモルホリン−4−イルであってもよい。
【0084】
さらに別の側面において、Rは4−メチルピペラジン−1−イルであってもよい。
【0085】
さらなる側面において、Rはピペラジン−1−イルであってもよい。
【0086】

1つの側面において、Rは、H、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニル、−N(R4a)C(O)R4b、−NO、−C(O)H、−C(O)R4b、−C(O)4a、−C(O)N(R4a、−OC(O)N(R4a、−N(R4a)C(O)4a、−N(R4a)C(O)N(R4a、−OC(O)R4b、−S(O)R4b、−S(O)4b、−S(O)N(R4a、および−N(R4a)S(O)4bより選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルは、1以上のR40で場合によって置換されてもよく;
4aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換されてもよく;
4bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換されてもよく;
40は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR40a、−SR40a、−N(R40a、−N(R40a)C(O)R40b、−NO、−C(O)H、−C(O)R40b、−C(O)40a、−C(O)N(R40a、−OC(O)R40a、−N(R40a)C(O)N(R40a、−S(O)R40b、−S(O)40b、−S(O)N(R40a、および−N(R40a)S(O)40bより独立に選択されてもよく;
40aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;そして
40bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよい。
【0087】
別の側面において、RはC1−6アルキルであってもよい。
【0088】
さらに別の側面において、Rはメチルであってもよい。
【0089】
さらに別の側面において、式(I)の化合物は、式(Ia):
【0090】
【化4】

【0091】
式中、環A、X、R、R、R、およびRは、上記に定義する通りである
の化合物またはその薬学的に許容されうる塩であってもよい。
【0092】
環A、X、R、R、R、およびR
1つの側面において、環Aは、カルボシクリルおよびヘテロシクリルより選択されてもよく、ここで前記カルボシクリルおよびヘテロシクリルは、1以上のRで場合によって置換されてもよく;
Xは、−NH−、および−O−より選択されてもよく;
は、H、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR1a、−SR1a、−N(R1a、−N(R1a)C(O)R1b、−N(R1a)N(R1a、−NO、−C(O)H、−C(O)R1b、−C(O)1a、−C(O)N(R1a、−OC(O)N(R1a、−N(R1a)C(O)1a、−N(R1a)C(O)N(R1a、−OC(O)R1b、−S(O)R1b、−S(O)1b、−S(O)N(R1a、−N(R1a)S(O)1b、−C(R1a)=N(R1a)、および−C(R1a)=N(OR1a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、三員〜五員カルボシクリル、および五員ヘテロシクリルは、1以上のR10で場合によって置換されてもよく;
1aは、各出現において、HおよびC1−6アルキルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換されてもよく;
1bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換されてもよく;
は、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR2a、−SR2a、−N(R2a、−N(R2a)C(O)R2b、−N(R2a)N(R2a、−NO、−C(O)H、−C(O)R2b、−C(O)2a、−C(O)N(R2a、−OC(O)N(R2a、−N(R2a)C(O)2a、−N(R2a)C(O)N(R2a、−OC(O)R2b、−S(O)R2b、−S(O)2b、−S(O)N(R2a、−N(R2a)S(O)2b、−C(R2a)=N(R2a)、および−C(R2a)=N(OR2a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR20で場合によって置換されてもよく;
2aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR20で場合によってそして独立に置換されてもよく;
2bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR20で場合によってそして独立に置換されてもよく;
は、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR3a、−SR3a、−N(R3a、−N(R3a)C(O)R3b、−N(R3a)N(R3a、−NO、−C(O)H、−C(O)R3b、−C(O)3a、−C(O)N(R3a、−OC(O)N(R3a、−N(R3a)C(O)3a、−N(R3a)C(O)N(R3a、−OC(O)R3b、−S(O)R3b、−S(O)3b、−S(O)N(R3a、−N(R3a)S(O)3b、−C(R3a)=N(R3a)、および−C(R3a)=N(OR3a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR30で場合によって置換されてもよく;
3aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換されてもよく;
3bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換されてもよく;
は、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−N(R4a)C(O)R4b、−N(R4a)N(R4a、−NO、−C(O)H、−C(O)R4b、−C(O)4a、−C(O)N(R4a、−OC(O)N(R4a、−N(R4a)C(O)4a、−N(R4a)C(O)N(R4a、−OC(O)R4b、−S(O)R4b、−S(O)4b、−S(O)N(R4a、−N(R4a)S(O)4b、−C(R4a)=N(R4a)、および−C(R4a)=N(OR4a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR40で場合によって置換されてもよく;
4aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換されてもよく;
4bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換されてもよく;
は、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−N(R5a)C(O)R5b、−N(R5a)N(R5a、−NO、−C(O)H、−C(O)R5b、−C(O)5a、−C(O)N(R5a、−OC(O)N(R5a、−N(R5a)C(O)5a、−N(R5a)C(O)N(R5a、−OC(O)R5b、−S(O)R5b、−S(O)5b、−S(O)N(R5a、−N(R5a)S(O)5b、−C(R5a)=N(R5a)、および−C(R5a)=N(OR5a)より選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR50で場合によって置換されてもよく;
5aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換されてもよく;
5bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換されてもよく;
10は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR10a、−SR10a、−N(R10a、−N(R10a)C(O)R10b、−N(R10a)N(R10a、−NO、−C(O)H、−C(O)R10b、−C(O)10a、−C(O)N(R10a、−OC(O)N(R10a、−N(R10a)C(O)10a、−N(R10a)C(O)N(R10a、−OC(O)R10b、−S(O)R10b、−S(O)10b、−S(O)N(R10a、−N(R10a)S(O)10b、−C(R10a)=N(R10a)、および−C(R10a)=N(OR10a)より独立に選択されてもよく;
10aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;
10bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;
20は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR20a、−SR20a、−N(R20a、−N(R20a)C(O)R20b、−N(R20a)N(R20a、−NO、−C(O)H、−C(O)R20b、−C(O)20a、−C(O)N(R20a、−OC(O)N(R20a、−N(R20a)C(O)20a、−N(R20a)C(O)N(R20a、−OC(O)R20b、−S(O)R20b、−S(O)20b、−S(O)N(R20a、−N(R20a)S(O)20b、−C(R20a)=N(R20a)、および−C(R20a)=N(OR20a)より独立に選択されてもよく;
20aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;
20bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;
30は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR30a、−SR30a、−N(R30a、−N(R30a)C(O)R30b、−N(R30a)N(R30a、−NO、−C(O)H、−C(O)R30b、−C(O)30a、−C(O)N(R30a、−OC(O)N(R30a、−N(R30a)C(O)30a、−N(R30a)C(O)N(R30a、−OC(O)R30b、−S(O)R30b、−S(O)30b、−S(O)N(R30a、−N(R30a)S(O)30b、−C(R30a)=N(R30a)、および−C(R30a)=N(OR30a)より独立に選択されてもよく;
30aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;
30bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;
40は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR40a、−SR40a、−N(R40a、−N(R40a)C(O)R40b、−N(R40a)N(R40a、−NO、−C(O)H、−C(O)R40b、−C(O)40a、−C(O)N(R40a、−OC(O)N(R40a、−N(R40a)C(O)40a、−N(R40a)C(O)N(R40a、−OC(O)R40b、−S(O)R40b、−S(O)40b、−S(O)N(R40a、−N(R40a)S(O)40b、−C(R40a)=N(R40a)、および−C(R40a)=N(OR40a)より独立に選択されてもよく;
40aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;
40bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;
50は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR50a、−SR50a、−N(R50a、−N(R50a)C(O)R50b、−N(R50a)N(R50a、−NO、−C(O)H、−C(O)R50b、−C(O)50a、−C(O)N(R50a、−OC(O)N(R50a、−N(R50a)C(O)50a、−N(R50a)C(O)N(R50a、−OC(O)R50b、−S(O)R50b、−S(O)50b、−S(O)N(R50a、−N(R50a)S(O)50b、−C(R50a)=N(R50a)、および−C(R50a)=N(OR50a)より独立に選択されてもよく;
50aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよく;そして
50bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択されてもよい。
【0093】
別の側面において、環Aは、カルボシクリルおよびヘテロシクリルより選択されてもよく、ここで前記カルボシクリルおよびヘテロシクリルは、1以上のRで場合によって置換されてもよく:
Xは−NH−であってもよく;
は、−CN、C1−6アルキル、および−C(O)1aより選択されてもよく;
1aはC1−6アルキルであってもよく;
はHおよびハロより選択されてもよく;
はHおよびヘテロシクリルより選択されてもよく、ここで前記ヘテロシクリルは、1以上のR30で場合によって置換されてもよく;
はC1−6アルキルであってもよく;
はハロであってもよく;そして
30はC1−6アルキルであってもよい。
【0094】
さらに別の側面において、環Aは、4−フルオロフェニル、5−フルオロピリジン−2−イル、および5−フルオロピリミジン−2−イルより選択されてもよく;
は、−CN、メチル、および−C(O)Meより選択されてもよく;
は、H、フルオロ、およびクロロより選択されてもよく;
は、H、4−メチルピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、およびピペラジン−1−イルより選択されてもよく;そして
はメチルであってもよい。
【0095】
有用性
JAK2
式(I)の化合物は、JAKチロシンキナーゼ、特にJAK2ファミリーを阻害することによって、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群および癌の治療のための有用性を有する。治療法は、多様な骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群および癌関連プロセスに関与する、チロシンキナーゼ活性、特にJAKファミリー活性、およびより詳細にはJAK2活性をターゲットとする。したがって、チロシンキナーゼ、特にJAKファミリー、およびより詳細にはJAK2の阻害剤は、骨髄増殖性障害、例えば、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、特発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病および好酸球増加症候群、骨髄異形成症候群、ならびに乳房、卵巣、肺、結腸、前立腺または他の組織の癌腫などの新生物疾患、ならびに白血病、骨髄腫およびリンパ腫、中枢および末梢神経系の腫瘍、ならびに黒色腫、線維肉腫および骨肉腫などの他の腫瘍タイプに対して活性であると予期される。チロシンキナーゼ阻害剤、特にJAKファミリー阻害剤、およびより詳細にはJAK2阻害剤はまた、限定されるわけではないが、自己免疫、炎症性、神経学的、および心臓血管疾患を含む他の増殖性疾患の治療にも有用であると予期される。
【0096】
式(I)の化合物は、本明細書記載のJAK2アッセイによって決定されるように、チロシンキナーゼ、特にJAKファミリーそしてより詳細にはJAK2を阻害することが示されてきている。
【0097】
式(I)の化合物はまた、潜在的な薬剤が、チロシンキナーゼ、特にJAKファミリーそしてより詳細にはJAK2を阻害する能力を決定する際の標準および試薬としても有用であるはずである。これらは、本発明の化合物を含む商業的キット中で提供されるであろう。
【0098】
増幅発光近接アッセイ(Alphascreen)技術(PerkinElmer, 549 Albany Street, Boston, MA)を用いて、キナーゼが一般的なポリペプチド基質内の合成チロシン残基をリン酸化する能力を測定することによって、JAK2キナーゼ活性を決定した。
【0099】
JAK2キナーゼ活性を測定するため、商業的に入手可能な精製酵素を用いてもよい。該酵素は、Sf21細胞(Upstate Biotechnology MA)中でバキュロウイルスによって発現された、C末端His6タグ化組換えヒトJAK2、アミノ酸808末端(Genbank寄託番号NM 004972)であってもよい。キナーゼをビオチン化基質およびアデノシン三リン酸(ATP)と室温で60分間インキュベーションした後、30mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)の添加によって、キナーゼ反応を停止してもよい。384ウェル・マイクロタイタープレート中で反応を実行してもよく、そしてストレプトアビジンでコーティングしたドナービーズ、およびホスホチロシン特異的抗体でコーティングしたアクセプタービーズを添加して、室温で一晩インキュベーションした後、EnVision Multilabelプレート読み取り装置を用いて反応産物を検出してもよい。
【0100】
【表1】

【0101】
式(I)の化合物の薬理学的特性は、構造変化によって多様でありうるが、一般的に、式(I)の化合物によって所持される活性は、IC50濃度(50%阻害を達成する濃度)または10μMより低いレベルの用量で示されうると考えられる。
【0102】
上述のアッセイに基づくin vivoアッセイで試験した際、以下の例のJAK阻害活性が、以下のIC50で測定された。
【0103】
【表2】

【0104】
したがって、1つの側面において、薬剤として使用するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を提供する。
【0105】
別の側面において、ヒトなどの温血動物における、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌の治療または予防のための薬剤製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用を提供する。
【0106】
さらに別の側面において、ヒトなどの温血動物における、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群および癌(固形および血液学的腫瘍)、線維増殖性および分化障害、乾癬、関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、急性および慢性腎症、アテローム、アテローム性動脈硬化症、動脈再狭窄、自己免疫疾患、末端肥大症、急性および慢性炎症、骨疾患、ならびに網膜血管増殖を伴う目の疾患の治療または予防のための薬剤製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用を提供する。
【0107】
さらに別の側面において、ヒトなどの温血動物における、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、特発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病および好酸球増加症候群、骨髄異形成症候群、ならびに食道癌、骨髄腫、肝細胞性癌、膵臓癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、カポジ肉腫、卵巣癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膀胱癌、黒色腫、肺癌−非小細胞肺癌(NSCLC)、および小細胞肺癌(SCLC)、胃癌、頭部および頸部の癌、中皮腫、腎癌、リンパ腫および白血病より選択される癌を治療するための薬剤製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用を提供する。
【0108】
さらなる側面において、ヒトなどの温血動物における、抗増殖効果の産生のための薬剤製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用を提供する。
【0109】
さらにさらなる側面において、JAK阻害効果の産生のための薬剤製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用を提供する。
【0110】
さらにさらなる側面において、癌の治療のための薬剤製造における、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用を提供する。
【0111】
1つの側面において、ヒトなどの温血動物において、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌を治療するための方法であって、前記動物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。
【0112】
別の側面において、ヒトなどの温血動物において、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌(固形および血液学的腫瘍)、線維増殖性および分化障害、乾癬、関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、急性および慢性腎症、アテローム、アテローム性動脈硬化症、動脈再狭窄、自己免疫疾患、末端肥大症、急性および慢性炎症、骨疾患、ならびに網膜血管増殖を伴う目の疾患を治療するための方法であって、前記動物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。
【0113】
さらに別の側面において、ヒトなどの温血動物において、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、特発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病および好酸球増加症候群、骨髄異形成症候群、ならびに食道癌、骨髄腫、肝細胞性癌、膵臓癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、カポジ肉腫、卵巣癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膀胱癌、黒色腫、肺癌−非小細胞肺癌(NSCLC)、および小細胞肺癌(SCLC)、胃癌、頭部および頸部の癌、中皮腫、腎癌、リンパ腫および白血病より選択される癌を治療するための方法であって、前記動物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。
【0114】
さらに別の側面において、ヒトなどの温血動物において、抗増殖効果を産生するための方法であって、前記動物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。
【0115】
さらなる側面において、ヒトなどの温血動物において、JAK阻害効果を産生するための方法であって、前記動物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。
【0116】
さらにさらなる側面において、ヒトなどの温血動物において、癌を治療するための方法であって、前記動物に、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法を提供する。
【0117】
さらにさらなる側面において、ヒトなどの温血動物における、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌を治療する際に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を提供する。
【0118】
1つの側面において、ヒトなどの温血動物における、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌(固形および血液学的腫瘍)、線維増殖性および分化障害、乾癬、関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、急性および慢性腎症、アテローム、アテローム性動脈硬化症、動脈再狭窄、自己免疫疾患、末端肥大症、急性および慢性炎症、骨疾患、ならびに網膜血管増殖を伴う目の疾患を治療する際に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を提供する。
【0119】
別の側面において、ヒトなどの温血動物における、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、特発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病および好酸球増加症候群、骨髄異形成症候群、ならびに食道癌、骨髄腫、肝細胞性癌、膵臓癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、カポジ肉腫、卵巣癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膀胱癌、黒色腫、肺癌−非小細胞肺癌(NSCLC)、および小細胞肺癌(SCLC)、胃癌、頭部および頸部の癌、中皮腫、腎癌、リンパ腫および白血病より選択される癌を治療する際に使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を提供する。
【0120】
さらに別の側面において、ヒトなどの温血動物における、抗増殖効果の産生において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を提供する。
【0121】
さらに別のさらなる側面において、ヒトなどの温血動物における、JAK阻害効果の産生において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を提供する。
【0122】
さらなる側面において、ヒトなどの温血動物における、癌の治療において使用するための、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を提供する。
【0123】
さらにさらなる側面において、癌の治療(または予防)に言及する場合、中胚葉性腎腫、中皮腫、急性骨髄性白血病、急性リンパ球性白血病、多発性骨髄腫、食道癌、骨髄腫、肝細胞性癌、膵臓癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、カポジ肉腫、卵巣癌、分泌性乳癌を含む乳癌、結腸直腸癌、ホルモン抵抗性前立腺癌を含む前立腺癌、膀胱癌、黒色腫、肺癌−非小細胞肺癌(NSCLC)、および小細胞肺癌(SCLC)、胃癌、頭部および頸部の癌、腎癌、リンパ腫、甲状腺乳頭癌を含む甲状腺癌、中皮腫、白血病、中枢および末梢神経系の腫瘍、黒色腫、先天性線維肉腫を含む線維肉腫および骨肉腫の治療(または予防)を特に指してもよい。より詳細には、これは前立腺癌を指す。さらに、より詳細には、これは、SCLC、NSCLC、結腸直腸癌、卵巣癌および/または乳癌を指す。さらなる側面において、これは、ホルモン抵抗性前立腺癌を指してもよい。
【0124】
さらにさらなる側面において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩、および少なくとも1つの薬学的に許容されうるキャリアー、希釈剤、または賦形剤を含む、薬学的組成物を提供する。
【0125】
1つの側面において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩、および少なくとも1つの薬学的に許容されうるキャリアー、希釈剤、または賦形剤を含む、薬学的組成物を提供する。
【0126】
本発明の組成物は、経口使用(例えば、錠剤、ロゼンジ、硬または軟カプセル、水性または油性懸濁物、エマルジョン、分散可能粉末または顆粒、シロップまたはエリキシル剤として)、局所使用(例えば、クリーム、軟膏、ゲル、あるいは水性または油性溶液または懸濁物として)、吸入による投与(例えば、細分割粉末または液体エアロゾルとして)、吹送による投与(例えば、細分割粉末として)、または非経口投与(例えば、静脈内、皮下、筋内または筋内投薬用の無菌水性または油性溶液として、あるいは直腸投薬用の座薬として)に適した形であってもよい。
【0127】
本発明の組成物は、当該技術分野に周知の慣用的薬学的賦形剤を用いて、慣用法によって得られうる。したがって、経口使用に意図される組成物は、例えば、1以上の着色剤、甘味料、フレーバー剤および/または保存剤を含有してもよい。
【0128】
錠剤配合に適した薬学的に許容されうる賦形剤には、例えば、ラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムなどの不活性希釈剤;コーンスターチまたはアルギン酸(algenic acid)などの顆粒化剤および分散剤;デンプンなどの結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの潤滑剤;p−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピルなどの保存剤;ならびにアスコルビン酸などの酸化防止剤が含まれる。錠剤配合物は、コーティングされていなくても、あるいは胃腸管内での活性成分の分解およびそれに続く吸収を修飾するか、または安定性および/または外見を改善するかいずれかのために、いずれの場合も、当該技術分野に周知の慣用的コーティング剤および方法を用いて、コーティングされていてもよい。
【0129】
経口使用のための組成物は、活性成分が、不活性固形希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合された、硬ゼラチンカプセルの形、あるいは活性成分が、水またはピーナツ油、流動パラフィンもしくはオリーブ油などの油と混合された、軟ゼラチンカプセルとしてであってもよい。
【0130】
水性懸濁物は、一般的に、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアゴムなどの懸濁剤;レシチン、または酸化アルキレンと脂肪酸の縮合産物(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン)、または酸化エチレンと長鎖脂肪酸アルコールの縮合産物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、または酸化エチレンと、脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、または酸化エチレンと長鎖脂肪酸アルコールの縮合産物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、または酸化エチレンと、脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、または酸化エチレンと、脂肪酸および無水ヘキシトール由来の部分エステルの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンなどの分散剤または湿潤剤の1以上と一緒に、細分割粉末型で、あるいはナノ化またはマイクロ化粒子の形で、活性成分を含有する。水性懸濁物はまた、−ヒドロキシ安息香酸エチルまたはプロピルなどの1以上の保存剤;アスコルビン酸などの酸化防止剤;着色剤;フレーバー剤;および/またはスクロース、サッカリンまたはアスパルテームなどの甘味料も含有してもよい。
【0131】
油性懸濁物は、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油またはココナツ油などの植物油中、あるいは流動パラフィンなどのミネラルオイル中に活性成分を懸濁することによっても配合可能である。油性懸濁物はまた、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤も含有してもよい。上述のような甘味料、およびフレーバー剤を添加して、口当たりがよい経口調製物を提供してもよい。これらの組成物を、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加によって保存してもよい。
【0132】
水の添加による水性懸濁物の調製に適した分散可能粉末および顆粒は、一般的に、活性成分を、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1以上の保存剤とともに含有する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、すでに上述のものによって例示される。甘味料、フレーバー剤および着色剤などのさらなる賦形剤もまた、存在してもよい。
【0133】
本発明の薬学的組成物はまた、水中油エマルジョンの形でも存在しうる。油性相は、オリーブ油もしくはラッカセイ油などの植物油、または例えば流動パラフィンなどのミネラルオイル、あるいはこれらの任意の組み合わせであってもよい。適切な乳化剤は、例えば、アラビアゴムまたはトラガカントゴムなどの天然存在ゴム、ダイズ(soya bean)、レシチンなどの天然存在ホスファチド、脂肪酸および無水ヘキシトール由来のエステルまたは部分エステル(例えばモノオレイン酸ソルビタン)および前記部分エステルと酸化エチレンの縮合産物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンであってもよい。エマルジョンはまた、甘味料、フレーバー剤および保存剤も含有してもよい。
【0134】
シロップおよびエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテームまたはスクロースなどの甘味料を含んで配合可能であり、そしてまた、鎮痛剤、保存剤、フレーバー剤および/または着色剤も含有してもよい。
【0135】
薬学的組成物はまた、無菌注射可能水性または油性懸濁物の形であってもよく、これらは、上記に言及した、1以上の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、既知の方法にしたがって配合されてもよい。無菌注射可能調製物はまた、非毒性の非経口的に許容されうる希釈剤または溶媒中の無菌注射可能溶液または懸濁物、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液であってもよい。
【0136】
吸入による投与のための組成物は、細分割固形または液体小滴いずれかを含有するエアロゾルとして、活性成分を分配するように準備された、慣用的な加圧エアロゾルの形であってもよい。揮発性フッ素化炭化水素または炭化水素などの慣用的エアロゾル噴霧剤を用いてもよく、そしてエアロゾルデバイスは、好適に、活性成分の測定された量を分配するように準備される。
【0137】
配合に関するさらなる情報に関しては、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch; Chairman of Editorial Board), Pergamon Press 1990の第5巻、第25.2章を参照されたい。
【0138】
1以上の賦形剤と合わせて、単一の投薬型を生じる活性成分の量は、必然的に、治療される宿主および特定の投与経路に応じて多様であろう。例えば、ヒトへの経口投与に意図される配合物は、一般的に、例えば、総組成物の約5〜約98重量パーセントで多様でありうる、適切でそして好適な量の賦形剤とともに配合された、0.5mg〜4gの活性剤を含有するであろう。投薬単位型は、一般的に、約1mg〜約500mgの活性成分を含有するであろう。投与経路および投薬措置に関するさらなる情報に関しては、Comprehensive Medicinal Chemistry(Corwin Hansch; Chairman of Editorial Board), Pergamon Press 1990の第5巻、第25.3章を参照されたい。
【0139】
上述のように、特定の疾患状態の療法的または予防的治療に必要な用量サイズは、必然的に、治療される宿主、投与経路および治療される疾病の重症度に応じて多様であろう。好ましくは、1〜50mg/kgの範囲の1日用量を使用する。したがって、最適投薬量は、任意の特定の患者を治療している医師によって決定されうる。
【0140】
本明細書に定義する抗癌治療を、単一療法として適用してもよいし、またはこうした治療は、本発明の化合物に加えて、慣用的な手術または放射療法または化学療法を伴ってもよい。こうした化学療法には、1以上の以下のカテゴリーの抗腫瘍剤が含まれてもよい:
(i)内科的腫瘍学で用いられるような、抗増殖/抗新生物薬剤およびその組み合わせ、例えばアルキル化剤(例えばシスプラチン、カルボプラチン、シクロホスファミド、ナイトロジェンマスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、およびニトロソ尿素);代謝拮抗剤(例えば、5−フルオロウラシルおよびテガフールを含むフルオロピリミジンなどの抗葉酸剤、ラルチトレキセド、メトトレキセート、シトシンアラビノシドおよびヒドロキシ尿素);抗腫瘍抗生物質(例えばアドリアマイシン、ブレオマイシン、ドキソルビシン、ダウノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン−C、ダクチノマイシンおよびミトラマイシンのようなアントラサイクリン);抗有糸分裂剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシンおよびビノレルビンのようなビンカアルカロイド、ならびにタキソールおよびタキソテールのようなタキソイド);およびトポイソメラーゼ阻害剤(例えばエトポシドおよびテニポシドのようなエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカンならびにカンプトテシン);およびプロテオソーム阻害剤(例えばボルテゾミブ[Velcade(登録商標)]);およびアネグリライド(anegrilide)剤[Agrylin(登録商標)];およびアルファ−インターフェロン剤;
(ii)細胞増殖抑制剤、例えば抗エストロゲン剤(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェンおよびヨードキシフェン)、エストロゲン受容体下方制御剤(例えばフルベストラント)、抗アンドロゲン剤(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミドおよび酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、リュープロレリンおよびブセレリン)、プロゲストゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール(vorazole)およびエキセメスタン)および5αレダクターゼの阻害剤、例えばフィナステリド;
(iii)癌細胞浸潤を阻害する剤(例えばマリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害剤、およびウロキナーゼプラスミノーゲン活性化因子受容体機能の阻害剤);
(iv)増殖因子機能の阻害剤、例えばこうした阻害剤には、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体(例えば抗erbb2抗体、トラスツズマブ[HerceptinTM]および抗erbb1抗体、セツキシマブ[C225])、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤およびセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤、例えば上皮増殖因子ファミリーの阻害剤(例えばEGFRファミリー・チロシンキナーゼ阻害剤、例えばN−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ゲフィチニブ、AZD1839)、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(エルロチニブ、OSI−774)および6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI 1033))、例えば血小板由来増殖因子ファミリーの阻害剤および例えば肝細胞増殖因子ファミリーの阻害剤、例えばホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)の阻害剤および例えばマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MEK1/2)の阻害剤および例えばプロテインキナーゼB(PKB/Akt)の阻害剤、例えばSrcチロシンキナーゼファミリーおよび/またはAbelson(Abl)チロシンキナーゼファミリーの阻害剤、例えば、AZD0530およびダサチニブ(BMS−354825)およびメシル酸イマチニブ(GleevecTM);およびSTATシグナル伝達を修飾する任意の剤;
(v)抗血管形成剤、例えば血管内皮増殖因子の効果を阻害するもの(例えば抗血管内皮細胞増殖因子抗体、ベバシズマブ[AvastinTM]、国際特許出願WO 97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856およびWO 98/13354に開示するものなどの化合物)および他の機構によって作用する化合物(例えば、インテグリンαvβ3機能の阻害剤であるリノミド(linomide)、およびアンジオスタチン);
(vi)血管損傷剤、例えばコンブレタスタチンA4および国際特許出願WO 99/02166、WO 00/40529、WO 00/41669、WO 01/92224、WO 02/04434およびWO 02/08213に開示される化合物;
(vii)アンチセンス療法、例えばISIS 2503などの上に列挙するターゲットに対して向けられるもの、抗rasアンチセンス;
(viii)例えば、異常なp53、あるいは異常なBRCA1またはBRCA2などの異常な遺伝子を置換するアプローチ、シトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌ニトロレダクターゼ酵素を用いるものなどのGDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法)アプローチ、および多剤耐性遺伝子治療などの化学療法または放射療法に対する患者耐性を増加させるアプローチを含む、遺伝子治療アプローチ;
(ix)例えば、患者腫瘍細胞の免疫原性を増加させるex−vivoおよびin−vivoアプローチ、例えばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球−マクロファージ・コロニー刺激因子などのサイトカインでのトランスフェクション、T細胞アネルギーを減少させるアプローチ、サイトカインでトランスフェクションした樹状細胞などのトランスフェクションした免疫細胞を用いるアプローチ、サイトカインでトランスフェクションした腫瘍細胞株を用いるアプローチ、ならびに抗イディオタイプ抗体を用いるアプローチ、ならびに免疫調節薬剤サリドマイドおよびレナリドマイド[Revlimid(登録商標)]を用いるアプローチを含む、免疫療法アプローチ;ならびに
(x)デキサメタゾン、プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブを含む)、イソトレチノイン(13−シスレチノイン酸)、サリドマイド、レブミド(revemid)、リツキサマブ(Rituxamab)、ALIMTA、Cephalonのキナーゼ阻害剤、CEP−701およびCEP−2563、抗Trkまたは抗NGFモノクローナル抗体、131I−メタヨードベンジルグアニジン(131I−MIBG)を用いたターゲティング放射線療法、化学療法後に顆粒球−マクロファージ・コロニー刺激因子(GM−CSF)を伴うまたは伴わない、抗G(D2)モノクローナル抗体療法を含む、他の治療措置。
【0141】
治療の個々の構成要素を同時に、連続してまたは別個に投薬することによって、こうした共同の治療を達成してもよい。こうした組み合わせ産物は、本明細書において上述する投薬量範囲内の本発明の化合物またはその薬学的に許容されうる塩、および認可された投薬量範囲内の他の薬学的活性剤を使用する。
【0142】
療法的薬剤における使用に加えて、式(I)の化合物およびその薬学的に許容されうる塩はまた、新規療法剤に関する検索の一部として、ネコ、イヌ、ウサギ、サル、ラットおよびマウスなどの実験動物におけるJAK2の阻害剤の効果の評価のためのin vitroおよびin vivo試験系の開発および標準化における薬理学的ツールとしても有用である。
【0143】
本発明の上述の薬学的組成物、プロセス、方法、使用、薬剤、および製造特徴のいずれにおいても、本明細書記載の本発明の化合物の別の任意の態様もまた当てはまる。
【0144】
1つの側面において、JAK活性の阻害は、特に、JAK2活性の阻害を指す。
【0145】
プロセス
商業的に入手可能でない場合、本明細書記載のものなどの方法に必要な出発物質は、標準的有機化学技術、既知の構造的に類似の化合物の合成に類似の技術、あるいは記載される方法または実施例に記載する方法に類似の技術より選択される方法によって作製可能である。
【0146】
本明細書記載の合成法のための出発物質の多くは商業的に入手可能であり、そして/または科学的文献に広く報告されるか、あるいは科学的文献に報告されるプロセスの適応を用いて、商業的に入手可能な化合物から作製されうることが注目される。反応条件および試薬に関する一般的な指針に関しては、John Wiley & Sons 2001によって刊行された、Jerry MarchおよびMichael Smithによる、Advanced OrganicChemistry, 第5版をさらに参照されたい。
【0147】
本明細書に言及する反応のいくつかにおいて、化合物における任意の感受性基を保護することが必要である/望ましい可能性もあることもまた認識されるであろう。保護が必要であるかまたは望ましい例が当業者に知られ、こうした保護に適した方法もまた知られる。標準的実施(例えば、John Wiley & Sons, 1991によって刊行された、T.W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesisを参照されたい)および上述のような技術にしたがって、慣用的保護基を用いてもよい。
【0148】
式(I)の化合物は、多様な方式で調製可能である。以下に示すプロセスおよびスキームは、式(I)の化合物および式(I)の化合物の合成に使用可能な中間体を合成するためのいくつかの方法を例示する(式中、環A、X、R、R、R、およびRは、別に定義しない限り、上記に定義する通りである)。特定の溶媒または試薬がスキーム中に示されるか、または付随する本文中に言及される場合、一般の化学者は、必要に応じてその溶媒または試薬を修飾可能であろうことが理解されるものとする。プロセスおよびスキームは、式(I)の化合物を調製するための方法の包括的なリストを提示するようには意図されず;むしろ、熟練化学者が知っているさらなる技術もまた、化合物の合成に使用可能である。請求項は、プロセスおよびスキーム中に示す構造に限定されるようには意図されない。
【0149】
熟練化学者は、上記参考文献、および該文献に付随する例、ならびにまた本明細書の実施例およびスキーム内に含有され、そして言及される情報を用いそして適応させて、必要な出発物質および産物を得ることが可能である。
【0150】
1つの側面において、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩は:
1)プロセスA−式(A):
【0151】
【化5】

【0152】
のピリミジンを、式(B):
【0153】
【化6】

【0154】
の化合物と反応させるか;または
2)プロセスB−式(C):
【0155】
【化7】

【0156】
の化合物を、式(D):
【0157】
【化8】

【0158】
の化合物と反応させ;そしてその後、必要であれば:
i)式(I)の化合物を、式(I)の別の化合物に変換し;
ii)いかなる保護基も除去し;そして/または
iii)薬学的に許容されうる塩を形成する
式中、Lは、各出現において、同じでもまたは異なってもよく、そして上述のような脱離基である
工程によって調製可能である。
【0159】
プロセスA−式(A)の化合物および式(B)の化合物を、適切な溶媒の存在下で一緒に反応させてもよく、こうした溶媒の例には、アセトンなどのケトン、エタノールおよびブタノールなどのアルコール、ならびにトルエンおよびN−メチルピロリド−2−オンなどの芳香族炭化水素が含まれる。こうした反応は、適切な塩基の存在下で好適に起こってもよく、こうした塩基の例には、限定されるわけではないが、炭酸セシウム、炭酸カリウムなどの無機塩基または;ならびにトリエチルアミンおよびジイソプロピルエチルアミンなどの有機塩基が含まれる。反応は、0℃から還流の範囲の温度で好適に行われる。
【0160】
別の側面において、式(A)の化合物および式(B)の化合物を適切な塩基とともに、標準的Buchwald条件下で、一緒に反応させてもよい(例えば、J. Am. Chem. Soc., 118, 7215; J. Am. Chem. Soc., 119, 8451; J. Org. Chem., 62, 1568および6066を参照されたい)。適切な塩基の例には、炭酸セシウムなどの無機塩基、およびカリウムt−ブトキシドなどの有機塩基が含まれる。こうした反応は、酢酸パラジウムおよびBINAPなどの適切なリガンドの存在下で好適に行われうる。こうした反応に適した溶媒には、トルエン、ベンゼン、またはキシレンなどの芳香族溶媒が含まれる。
【0161】
プロセスB−式(D)の化合物および式(B)の化合物を、式(A)の化合物と式(B)の化合物の反応に関して記載するものと類似の条件下で、一緒に反応させてもよい。
【0162】
スキーム1:
【0163】
【化9】

【0164】
式中、Lは、各出現において、同じでもまたは異なってもよく、そして上述のような脱離基である
にしたがって、式(C)の化合物を調製してもよい。
【実施例】
【0165】
本発明は、ここで、以下の例示的実施例に関してさらに記載され、この中で、別に言及しない限り:
(i)温度はセ氏温度(℃)で示され;室温または周囲温度で、すなわち18〜25℃の範囲内で操作を実行する;
(ii)別に言及しない限り、無水硫酸マグネシウム上で、有機溶液を乾燥させる;最高60℃の槽温度で、減圧(4.5〜30mmHg)下、回転蒸発装置を用いて、有機溶媒の蒸発を実行した;
(iii)クロマトグラフィーは、シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーを意味する;シリカゲルプレート上で、薄層クロマトグラフィー(TLC)を実行した;
(iv)一般的に、TLCまたは液体クロマトグラフィー/質量分析によって反応経過を追跡し、そして例示のみのために反応時間を提示する;
(v)最終産物は、満足なプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび/またはマススペクトルデータを有する;
(vi)収量を例示のみのために提示し、そしてこれは必ずしも熱心なプロセス開発によって得られうるものではない;さらなる物質が必要であれば、調製を反復した;
(vii)提示する場合、NMRデータは、別に言及しない限り、DMSO−d中、300MHzで測定された、内部標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分の一分率(ppm)で示される、主要な特徴的プロトンのデルタ値の形である;
(viii)化学記号は通常の意味を有する;
(ix)溶媒比を体積:体積(v/v)で示した。
【0166】
(x)「ISCO」は、ISCO, Inc, 4700 Superior Street Lincoln, NE, USAより得られる、製造者の使用説明書にしたがって用いられる、あらかじめ充填されたシリカゲルカートリッジ(12g、40gなど)を用いた順相フラッシュカラムクロマトグラフィーを指す。
【0167】
(xi)「Gilsonカラム」は、別に言及しない限り、可動相としての0.1%TFAを含むHO/MeCN中、そしてGilson, Inc. 3000 Parmenter Street, Middleton, WI 53562−0027, U.S.A.より得られる、製造者の使用説明書にしたがって用いられる、20mm/100および50mm/250の寸法のYMC−AQC18逆相HPLCカラムを指す。
【0168】
(xii)「Biotage」は、Biotage Inc, 1725 Discovery Drive Charlotteville, Virginia 22911, USAより得られる、製造者の使用説明書にしたがって用いられる、あらかじめ充填されたシリカゲルカートリッジ(12g、40g、80gなど)を用いた順相フラッシュカラムクロマトグラフィーを指す。
【0169】
(xiii)「SFC(超臨界液体クロマトグラフィー)」は、SFC Mettler Toledo AutoChem, Inc. 7075 Samuel Morse Drive Columbia MD 21046, U.S.A.より得られる、製造者の使用説明書にしたがって用いられる、分析用SFC(ダイオードアレイ検出装置を伴うASC−1000分析用SFC系)および/または分離用SFC(APS−1000 AutoPrep分離用SFC)を指す。
【0170】
(xiv)Parr HydrogenatorまたはParr振盪装置型hydrogenatorは、最大5気圧(60psi)の圧力および80℃までの温度で、触媒の存在下、化学物質を水素で処理するための系である。
【0171】
(xv)以下の略語を用いている:
BINAP 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
BocO ジ−tert−ブチル−ジカーボネート
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMSO ジメチルスルホキシド
dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EtOAc 酢酸エチル
EtO ジエチルエーテル
GC ガスクロマトグラフィー
HPLC 高性能液体クロマトグラフィー
LCMS 液体クロマトグラフィー/質量分析
Pd(dba) tris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
THF テトラヒドロフラン
TFA トリフルオロ酢酸
中間体1
2,5−ジクロロ−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピリミジン−4−アミン
EtOH(0.35M)中の2,4,5−トリクロロピリミジン(351mg、1.91mmol)および5−メチル−1,3−チアゾール−2−アミン(218mg、1.91mmol)を含有するフラスコに、DIPEA(0.67ml、3.82mmol)を添加した。反応混合物を25℃で一晩攪拌した。反応混合物を真空で濃縮して、いかなるさらなる精製もなしに次の工程に使用するために十分に純粋な黄色油(539mg)として、表題化合物を得た。m/z:262。
【0172】
中間体2
メチル2−[(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート
2,4,5−トリクロロピリミジンおよびメチル2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボキシレートを用いて、中間体1の合成に関して記載したものと類似の方法を通じて、表題化合物を調製した。m/z:306。
【0173】
中間体3
5−フルオロピリジン−2−カルボニトリル
無水DMA(300ml)中の2−ブロモ−5−フルオロピリジン(93.0g、528mmol)、亜鉛粉末(8.29g、127mmol)、シアン化亜鉛(40.3g、343mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(11.7g、21.1mmol)およびPddba(9.68g、10.6mmol)を、95℃で3時間加熱した。室温に冷却した後、塩水(100ml)およびエーテル(500ml)を添加した。形成された固体をろ過によって除去し、そしてエーテル(300ml)で洗浄した。有機層を分離し、塩水(200ml)で洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして濃縮した。溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−DCM=1:1)によって、生じた残渣を精製して、白色固体として表題化合物を得た(49g、72%)。
【0174】
【化10】

【0175】
中間体4
N−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)ビニル)アセトアミド
エーテル中のMeMgBr(170.3ml、510.98mmol)の溶液を170mlの無水THFで希釈し、そして0℃に冷却した。THF(170ml)中の5−フルオロピリジン−2−カルボニトリル(中間体3、53.6g、425.82mmol)を一滴ずつ添加した。反応を0℃で30分間攪拌し、次いで、DCM(170ml)で希釈した。DCM(100ml)中の無水酢酸(48.3ml、510.98mmol)を0℃で一滴ずつ添加した。添加後、反応を室温に温め、そして室温で8時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液(50ml)を添加し、そしてEtOAc(2x200ml)で抽出した。合わせた有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=2.5:1)によって、生じた残渣を精製して、白色固体として表題化合物を得た(26.6g、35%)。
【0176】
【化11】

【0177】
中間体5
N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アセトアミド
MeOH(120ml)中のN−(1−(5−フルオロピリジン−2−イル)ビニル)アセトアミド(中間体4、11.0g、61.1mmol)の溶液に、N下で、(+)−1,2−ビス((2S,5S)−2,5−ジエチルホスホラノ)ベンゼン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(0.441g、0.611mmol)を添加した。溶液を高圧ボンベに移し、そして150psi Hをチャージした。反応を室温で攪拌し、そして内圧を7時間、120〜150psiの間に維持した。溶媒を除去し、そしてカラムクロマトグラフィー(EtOAc)によって、生じた残渣を精製して、白色固体として表題化合物を得た(9.8g、88%)。
【0178】
【化12】

【0179】
中間体6
tert−ブチル[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]カルバメート
THF(100ml)中のN−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アセトアミド(中間体5、11.0g、60.37mmol)、DMAP(1.48g、12.07mmol)およびジ−tert−ブチル−ジカーボネート(26.35g、120.7mmol)の溶液を50℃で20時間攪拌した。室温に冷却した後、水酸化リチウム一水和物(5.19g、123.8mmol)および水(100ml)を添加した。反応を室温で5時間攪拌し、そしてエーテル(200ml)で希釈した。有機層を分離し、塩水(100ml)で洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAc=5:1)によって、生じた残渣を精製して、淡黄色油として表題化合物を得た(13.6g、94%)。
【0180】
【化13】

【0181】
中間体7
[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミン
DCM(100ml)中のtert−ブチル[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]カルバメート(中間体6、12.8g、53.3mmol)の溶液に、HCl/ジオキサン溶液(107ml、4N、428mmol)を添加した。反応を室温で3時間攪拌した。溶媒を除去し、そして50mlの飽和重炭酸ナトリウムを添加した。生じた水溶液をエーテル(6x400ml)で抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、そして濃縮して、淡黄色油として表題化合物を得た(7.30g、98%)。
【0182】
【化14】

【0183】
中間体8
5−フルオロピリミジン−2−カルボニトリル
10mlのマイクロウェーブ・バイアルに、2−クロロ−5−フルオロピリミジン(2.0g、15.09mmol)、Pd(dba)(0.549g、0.6mmol)、dppf(0.67g、1.21mmol)、シアン化亜鉛(1.15g、9.81mmol)、および亜鉛粉末(0.237mg、3.62mmol)をチャージした。フラスコを空にして、そしてNおよび無水ジメチルアセトアミドを充填し直した。バイアルを、Personal Chemistryマイクロウェーブ反応装置上に乗せ、そして100℃で10時間加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、そして次いで塩水で3回洗浄した。有機層を得て、そして蒸発乾固した。シリカゲルクロマトグラフィー(EtOAcおよびヘキサンの勾配を伴う、By ISCO Combiflash)によって乾燥残渣を精製して、クリーム状固体として表題化合物を得た(1.50g、80%)。
【0184】
【化15】

【0185】
中間体9
N−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ビニル)アセトアミド
THF(10ml)中の5−フルオロピリミジン−2−カルボニトリル(中間体8、1.0g、8.1mmol)を、エーテル中のMeMgBr(3.3ml、9.75mmol)の溶液に0℃で一滴ずつ添加した。添加後、反応を室温に温め、室温で1時間攪拌し、そして次いで、DCM(10ml)で希釈した。無水酢酸(1.23ml、13.0mmol)を一部分添加した。反応を室温で1時間攪拌し、そして40℃で1時間攪拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液(10ml)を添加し、そしてEtOAc(2x20ml)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=2.5:1)によって、生じた残渣を精製して、白色固体として表題化合物を得た(0.38g、26%)。
【0186】
【化16】

【0187】
中間体10
N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アセトアミド
MeOH(5ml)中のN−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)ビニル)アセトアミド(中間体9、0.10g、0.55mmol)に、N下で、(+)−1,2−ビス((2S,5S)−2,5−ジエチルホスホラノ)ベンゼン(シクロオクタジエン)ロジウム(I)トリフルオロメタンスルホネート(0.04g、0.0055mmol)を添加した。溶液を高圧ボンベに移し、そして150psi Hをチャージした。反応を室温で4時間攪拌した。溶媒を除去し、そしてカラムクロマトグラフィー(EtOAc)によって、生じた残渣を精製して、白色固体として表題化合物を得た(0.096g、95%)。
【0188】
【化17】

【0189】
中間体11
tert−ブチル[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]カルバメート
THF(10ml)中のN−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アセトアミド(中間体10、0.20g、1.09mmol)、DMAP(0.027g、0.22mmol)およびジ−tert−ブチル−ジカーボネート(0.60g、2.73mmol)の溶液を50℃で40時間攪拌した。室温に冷却した後、水酸化リチウム一水和物(0.094g、2.24mmol)および水(10ml)を添加した。反応を室温で9時間攪拌した。エーテル(30ml)を添加し、有機層を分離し、塩水(20ml)で洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を除去した後、カラムクロマトグラフィー(Hex:EtOAc=5:1)によって、生じた残渣を精製して、淡黄色油として表題化合物を得た(0.21g、80%)。
【0190】
【化18】

【0191】
中間体12
(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エタンアミン塩酸塩
DCM(5ml)中のtert−ブチル[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]カルバメート(中間体11、0.21g、0.87mmol)の溶液に、ジオキサン中のHCl(1.3ml、5.2mmol)を添加した。反応を室温で3時間攪拌した。溶媒を除去して、白色固体として表題化合物を得た(定量的)。MS:計算値:141;測定値:[M+H]142。
【0192】
中間体12はまた、5−フルオロピリミジン−2−カルボニトリル(中間体8)より調製可能である:
中間体12(代替合成経路)
(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エタンアミン塩酸塩
乾燥ジオキサン(20ml)中のN−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−(2R)−メチルプロパン−2−スルフィナミド(中間体15、655mg、2.67mmol)の溶液に、ジオキサン中のHCl(3.4ml、13.3mmol)を添加した。反応を室温で3時間攪拌した。溶媒を除去して、白色固体として表題化合物を得た(定量的)。MS:計算値:141;測定値:[M+H]142。
【0193】
中間体13
5−フルオロピリミジン−2−カルバルデヒド
無水THF中の5−フルオロピリミジン−2−カルボニトリル(中間体8、1.0g、8.1mmol)の溶液に、−78℃で、20分間の期間に渡って、DIBAL−H(8.1mL)の溶液を添加した。生じた混合物をこの温度で2時間攪拌し、その後すぐ、MeOHを添加した。この溶液を室温に温め、その後すぐ、濃HCl溶液を添加した。生じた混合物を周囲温度で2時間攪拌し、そして水性層をEtOAc(3x)で洗浄した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、そして乾燥させた(MgSO)。溶媒を蒸発させて表題化合物を得た(780mg、76%)。MS:[M+H]127。
【0194】
中間体14
N−[(1Zおよび/またはE)−(5−フルオロピリミジン−2−イル)メチレン]−2−(R)−メチルプロパン−2−スルフィナミド
無水DCM中の5−フルオロピリミジン−2−カルバルデヒド(中間体13、1.55g、12.3mmol)の溶液に、室温で、2−(R)−メチルプロパン−2−スルフィナミド(1.79g、14.7mmol)および無水硫酸銅(II)(1.96g、12.28mmol)を添加した。生じた混合物をこの温度で24時間攪拌し、真空下で固体をろ過し、DCM(3x)で洗浄し、そして溶媒を蒸発させて黄色油を得た。カラムクロマトグラフィー(Hex:EtOAc=3:1)によって、生じた残渣を精製して、表題化合物を得た(1.94g、69%)。
【0195】
【化19】

【0196】
中間体15
N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−(2R)−メチルプロパン−2−スルフィナミド
無水THF中のN−[(1Zおよび/またはE)−(5−フルオロピリミジン−2−イル)メチレン]−2−(R)−メチルプロパン−2−スルフィナミド(中間体14、1.94g、8.5mmol)の溶液に、−20℃で、MeMgBr(9.3mL g、9.3mmol)の溶液をゆっくり添加した。生じた混合物をこの温度で3時間攪拌し、その後すぐ、HOおよびEtOAcの間で分配した。水性層をEtOAc(3x)で抽出し、塩水で洗浄し、乾燥させた(MgSO)。減圧下、真空下で溶媒を蒸発させて黄色油を得た。カラムクロマトグラフィー(100% EtOAc)によって、生じた残渣を精製して、表題化合物を得た(660mg、50%)。
【0197】
【化20】

【0198】
中間体16
4−(2,6−ジクロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)モルホリン
丸底フラスコに、エタノール(100ml)中の2,4,6−トリクロロ−5−フルオロピリミジン(PCT公報第WO05/049033号を参照されたい、2.0g、10mmol)をチャージして、そして−20℃に冷却した。EtOH(20ml)中のモルホリン(0.95g、11mmol)を一滴ずつ、1時間に渡って反応混合物に添加した。反応を−20℃で30分間攪拌して、そして室温で一晩攪拌した。溶媒を真空中で除去し、そして残渣をDCMおよびHO間で分配した。有機相を濃縮して落とし、そして残渣をEtOHから再結晶させて、表題化合物を得た(1.75g、86%)。
【0199】
【化21】

【0200】
中間体17
4−クロロ−5−フルオロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2−アミン
丸底フラスコに、n−BuOH(20ml)中の4−(2,6−ジクロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)モルホリン(中間体16、1.45g、5.75mmol)、(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エタンアミン塩酸塩(中間体12、1.23g、5.75mmol)、DIPEA(4.0ml、23mmol)をチャージした。反応を130℃で一晩加熱した。溶媒を蒸発させた後、精製して(1% EtNを含むEtOAc/ヘキサン勾配を伴う、ISCO Combiflash)、表題化合物345mgを得た。
【0201】
【化22】

【0202】
中間体18
2,4−ジクロロ−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン
丸底フラスコに、EtOH(15ml)中の2,4,6−トリクロロピリミジン(0.92g、5mmol)およびDIPEA(1.74ml、10mmol)をチャージして、−20℃に冷却した。EtOH(5ml)中の4−メチルピペラジン(0.55mL、5mmol)を一滴ずつ添加した。反応を−20℃で30分間攪拌し、そして次いで、0℃で1時間攪拌した。混合物を室温に温め、そしてこの温度で一晩攪拌した。真空中で溶媒を蒸発させて残渣を得て、これをシリカゲルクロマトグラフィー上で精製して、表題化合物を得た(0.8g、81%)。LC−MS、248(M+1)。
【0203】
中間体19
4−クロロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−6−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−アミン
丸底フラスコに、n−BuOH(8ml)中の2,4−ジクロロ−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−ピリミジン(中間体18、0.50g、2mmol)、(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン塩酸塩(0.42g、2mmol)、DIPEA(1.4ml、8mmol)をチャージした。反応を還流で一晩加熱した。溶媒を蒸発させた後、カラムクロマトグラフィー精製した(1% EtNを含むDCMおよびMeOH勾配を伴う、ISCO Combiflash)。白色ゴムを得た(0.14g、20%)。LC−MS、351(M+1)。
【0204】
中間体20
4−(2,6−ジクロロピリミジン−4−イル)モルホリン
2,4,6−トリクロロピリミジンおよびモルホリンを用いて、中間体18の合成に関して記載したものと類似の方法を通じて、表題化合物を調製した。LC−MS:235(M+1)。
【0205】
中間体21
4−クロロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2−アミン
中間体19の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、4−(2,6−ジクロロピリミジン−4−イル)モルホリン(中間体20)および(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エタンアミン塩酸塩(中間体12)を反応させて、表題化合物を得た。m/z:339。
【0206】
中間体22
4−クロロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2−アミン
中間体19の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、4−(2,6−ジクロロピリミジン−4−イル)モルホリン(中間体20)および[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミン(中間体7)を反応させて、表題化合物を得た。m/z:338。
【0207】
中間体23
2,6−ジクロロ−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピリミジン−4−アミン
THF(0.2M)中の2,4,6−トリクロロピリミジン(4.81g、26.2mmol)および5−メチル−1,3−チアゾール−2−アミン(3.0g、26.2mmol)を含有するフラスコに、NaH(ミネラルオイル中、60% w/w、1.6g、39.4mmol)を慎重に0℃で添加した。反応混合物を25℃で2時間攪拌した。反応混合物をHOで希釈し、そしてろ過を通じて産物を収集した。m/z:261。
【0208】
中間体24
6−クロロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン
n−BuOH(5ml)中の2,6−ジクロロ−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピリミジン−4−アミン(中間体23、346mg、1.33mmol)の溶液に、DIPEA(0.5ml、2.66mmol)および(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン塩酸塩(0.22g、1.33mmol)を添加して、そして生じた溶液を還流まで12時間加熱した。混合物をEtOAcおよびHO間で分配し、有機層を塩水で洗浄し、そして乾燥させた。減圧下で溶媒を除去して油を得て、これをカラムクロマトグラフィー(30%→50% EtOAc/Hex)によって精製して、表題化合物を得た(1.8g)。m/z:366。
【0209】
中間体25
2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
MeCN(3ml)中の2−(EおよびZ)−3−メトキシアクリロニトリル(0.18mmol、1.51mL)の混合物の溶液に、0℃で、そして慎重に臭素(〜1mL、0.18mmol)を添加した。生じた混合物をこの温度で30分間攪拌し、その後すぐ、冷水(12ml)を添加した。激しく1時間攪拌した後、NaOAc・3HO(16mmol)を添加し、そして15分間攪拌した。チオ尿素(19.8mmol)を添加し、そして溶液を0℃で2時間攪拌し、NaOAc・3HO(10.8mmol)を添加し、そして生じた混合物を60℃に1時間加熱した。混合物を室温に冷却し、そしてこの温度で一晩攪拌した。pH〜4になるまで、10N NaOH(水性)を反応混合物内にゆっくり添加した。冷HOで洗浄した後、ろ過によって表題化合物を収集した。
【0210】
【化23】

【0211】
中間体26
2−[(2,6−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
中間体23の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、2−アミノ−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル(中間体25)および2,4,6−トリクロロピリミジンを反応させて、表題化合物を得た。m/z:272。
【0212】
中間体27
2−[(6−クロロ−2−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}ピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
中間体24の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、2−[(2,6−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル(中間体26)および(S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エタンアミン塩酸塩(中間体7)を反応させて、表題化合物を得た。m/z:371。
【0213】
中間体28
2−[(6−クロロ−2−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}ピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
中間体27の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、2−[(2,6−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル(中間体26)および(S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エタンアミン塩酸塩(中間体12)を反応させて、表題化合物を得た。m/z:372。
【0214】
中間体28
(S)−4−クロロ−N−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル)−6−メトキシピリミジン−2−アミン
中間体17の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、2,4−ジクロロ−6−メトキシピリミジン(中間体29)および(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エタンアミン塩酸塩(中間体12)を反応させて、表題化合物を得た。LCMS:284[M+H]
【0215】
中間体29
2,4−ジクロロ−6−メトキシピリミジン
THF(40mL)中の2,4,6−トリクロロピリミジン(1.82g、10mmol)を−40℃に冷却した。シリンジを通じて、NaOMe(20ml、MeOH中、0.5M)を反応に一滴ずつ添加した。反応混合物をさらに40分間、−40℃で攪拌し、そして続いて1時間に渡って室温に温めた。沈殿物をろ過し、そして減圧下で揮発性物質を蒸発させて、表題化合物を得て、これをいかなるさらなる精製もなしに、次の工程で用いた。LCMS:180[M+H]
【0216】
実施例1
5−クロロ−N−[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン
マイクロウェーブ反応容器に、2,5−ジクロロ−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピリミジン−4−アミン(中間体1、800mg、3.06mmol)、(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エタンアミン(426mg、3.06mmol)およびDIPEA(1.07mL、6.12mmol)をチャージした。次いで、無水n−ブタノール(0.5M)を添加し、そして試験管を密封し、そしてマイクロウェーブ反応装置中で、180℃で10800秒加熱した。反応混合物を真空で濃縮して茶色油を得た。Gilson(10〜50% MeCN/HO、35分間)による精製によって、黄色油を得た(221mg)。次いで、この物質をSFCによって再精製して、白色固体として表題化合物を得た(17mg)。
【0217】
【化24】

【0218】
実施例2
メチル2−[(5−クロロ−2−{[(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}ピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート
実施例1の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、メチル2−[(2,5−ジクロロピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボキシレート(中間体2)および(1S)−1−(4−フルオロフェニル)エタンアミンを反応させて、表題化合物を得た。
【0219】
【化25】

【0220】
実施例3
5−クロロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例1の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、2,5−ジクロロ−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピリミジン−4−アミン(中間体1)および[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミン(中間体7)を反応させて、表題化合物を得た。
【0221】
【化26】

【0222】
実施例4
5−フルオロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2,4−ジアミン
マイクロウェーブ反応容器に、ジオキサン中の4−クロロ−5−フルオロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2−アミン(中間体17、72mg、0.2mmol)、5−メチル−1,3−チアゾール−2−アミン(28mg、0.22mmol)、Pd(dba)(18mg、0.02mmol)、BINAP(25mg、0.04mmol)、CsCO(228mg、0.7mmol)をチャージした。反応を脱気し、そして95℃で6時間加熱した。溶媒を取り除き、そして残渣をDCMおよびHOの間で分配した。ジクロロメタン層を濃縮して落とし、そしてシリカゲルクロマトグラフィーによって2回精製して(MeOHおよびDCM勾配を伴う、ISCO Combiflashによる)、淡青白色固体として表題化合物を得た(47mg、52%)。
【0223】
【化27】

【0224】
実施例5
−[(S)−1−(5−フルオロ−ピリジン−2−イル)−エチル]−6−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−N−(5−メチル−チアゾール−2−イル)−ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例4の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、4−クロロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−6−(4−メチル−ピペラジ−1−イル)−ピリミジン−2−アミン(中間体19)および5−メチル−1,3−チアゾール−2−アミンを反応させて、表題化合物を得た。
【0225】
【化28】

【0226】
実施例6
−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2,4−ジアミン
実施例4の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、4−クロロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2−アミン(中間体21)および5−メチル−1,3−チアゾール−2−アミンを反応させて、表題化合物を得た。
【0227】
【化29】

【0228】
実施例7
−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2,4−ジアミン
実施例1の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、4−クロロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2−アミン(中間体22)および5−メチル−1,3−チアゾール−2−アミンを反応させて、表題化合物を得た。
【0229】
【化30】

【0230】
実施例7(代替合成経路)
−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)−6−モルホリン−4−イルピリミジン−2,4−ジアミン
i−AmOH(0.5ml)中の6−クロロ−N−[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]−N−(5−メチル−1,3−チアゾール−2−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(中間体24、200mg)の溶液に、モルホリン(5ml)を添加して、そして生じた溶液を還流まで12時間加熱した。混合物をEtOAcおよびHOの間で分配し、有機層を塩水で洗浄し、そして乾燥させた。溶媒を減圧下で除去して、油を得た。Gilson(20〜95% MeCN/HO、35分間)による精製によって、表題化合物を得た。
【0231】
【化31】

【0232】
実施例8
2−[(2−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}−6−モルホリン−4−イルピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例7の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、2−[(6−クロロ−2−{[(1S)−1−(5−フルオロピリジン−2−イル)エチル]アミノ}ピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル(中間体27)およびモルホリンを反応させて、表題化合物を得た。
【0233】
【化32】

【0234】
実施例9
2−[(2−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}−6−モルホリン−4−イルピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル
実施例7の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、2−[(6−クロロ−2−{[(1S)−1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル]アミノ}ピリミジン−4−イル)アミノ]−1,3−チアゾール−5−カルボニトリル(中間体28)およびモルホリンを反応させて、表題化合物を得た。
【0235】
【化33】

【0236】
実施例10
(S)−N−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル)−6−メトキシ−N−(5−メチルチアゾール−2−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン
実施例4の合成に関して記載したものと類似の方法を用いて、(S)−4−クロロ−N−(1−(5−フルオロピリミジン−2−イル)エチル)−6−メトキシピリミジン−2−アミン(中間体28)および5−メチル−1,3−チアゾール−2−アミンを反応させて、表題化合物を得た。
【0237】
【化34】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

式中:
環Aは、カルボシクリルおよびヘテロシクリルより選択され、ここで前記カルボシクリルおよびヘテロシクリルは、1以上のRで場合によって置換され;
Xは、−NH−、−O−、および−S−より選択され;
は、H、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR1a、−SR1a、−N(R1a、−N(R1a)C(O)R1b、−N(R1a)N(R1a、−NO、−C(O)H、−C(O)R1b、−C(O)1a、−C(O)N(R1a、−OC(O)N(R1a、−N(R1a)C(O)1a、−N(R1a)C(O)N(R1a、−OC(O)R1b、−S(O)R1b、−S(O)1b、−S(O)N(R1a、−N(R1a)S(O)1b、−C(R1a)=N(R1a)、および−C(R1a)=N(OR1a)より選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR10で場合によって置換され;
1aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換され;
1bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換され;
は、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR2a、−SR2a、−N(R2a、−N(R2a)C(O)R2b、−N(R2a)N(R2a、−NO、−C(O)H、−C(O)R2b、−C(O)2a、−C(O)N(R2a、−OC(O)N(R2a、−N(R2a)C(O)2a、−N(R2a)C(O)N(R2a、−OC(O)R2b、−S(O)R2b、−S(O)2b、−S(O)N(R2a、−N(R2a)S(O)2b、−C(R2a)=N(R2a)、および−C(R2a)=N(OR2a)より選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR20で場合によって置換され;
2aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR20で場合によってそして独立に置換され;
2bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR20で場合によってそして独立に置換され;
は、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR3a、−SR3a、−N(R3a、−N(R3a)C(O)R3b、−N(R3a)N(R3a、−NO、−C(O)H、−C(O)R3b、−C(O)3a、−C(O)N(R3a、−OC(O)N(R3a、−N(R3a)C(O)3a、−N(R3a)C(O)N(R3a、−OC(O)R3b、−S(O)R3b、−S(O)3b、−S(O)N(R3a、−N(R3a)S(O)3b、−C(R3a)=N(R3a)、および−C(R3a)=N(OR3a)より選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR30で場合によって置換され;
3aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換され;
3bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換され;
は、H、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−N(R4a)C(O)R4b、−N(R4a)N(R4a、−NO、−C(O)H、−C(O)R4b、−C(O)4a、−C(O)N(R4a、−OC(O)N(R4a、−N(R4a)C(O)4a、−N(R4a)C(O)N(R4a、−OC(O)R4b、−S(O)R4b、−S(O)4b、−S(O)N(R4a、−N(R4a)S(O)4b、−C(R4a)=N(R4a)、および−C(R4a)=N(OR4a)より選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR40で場合によって置換され;
4aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換され;
4bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換され;
は、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR5a、−SR5a、−N(R5a、−N(R5a)C(O)R5b、−N(R5a)N(R5a、−NO、−C(O)H、−C(O)R5b、−C(O)5a、−C(O)N(R5a、−OC(O)N(R5a、−N(R5a)C(O)5a、−N(R5a)C(O)N(R5a、−OC(O)R5b、−S(O)R5b、−S(O)5b、−S(O)N(R5a、−N(R5a)S(O)5b、−C(R5a)=N(R5a)、および−C(R5a)=N(OR5a)より選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR50で場合によって置換され;
5aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換され;
5bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換され;
10は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR10a、−SR10a、−N(R10a、−N(R10a)C(O)R10b、−N(R10a)N(R10a、−NO、−C(O)H、−C(O)R10b、−C(O)10a、−C(O)N(R10a、−OC(O)N(R10a、−N(R10a)C(O)10a、−N(R10a)C(O)N(R10a、−OC(O)R10b、−S(O)R10b、−S(O)10b、−S(O)N(R10a、−N(R10a)S(O)10b、−C(R10a)=N(R10a)、および−C(R10a)=N(OR10a)より独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
10aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
10bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
20は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR20a、−SR20a、−N(R20a、−N(R20a)C(O)R20b、−N(R20a)N(R20a、−NO、−C(O)H、−C(O)R20b、−C(O)20a、−C(O)N(R20a、−OC(O)N(R20a、−N(R20a)C(O)20a、−N(R20a)C(O)N(R20a、−OC(O)R20b、−S(O)R20b、−S(O)20b、−S(O)N(R20a、−N(R20a)S(O)20b、−C(R20a)=N(R20a)、および−C(R20a)=N(OR20a)より独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
20aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
20bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
30は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR30a、−SR30a、−N(R30a、−N(R30a)C(O)R30b、−N(R30a)N(R30a、−NO、−C(O)H、−C(O)R30b、−C(O)30a、−C(O)N(R30a、−OC(O)N(R30a、−N(R30a)C(O)30a、−N(R30a)C(O)N(R30a、−OC(O)R30b、−S(O)R30b、−S(O)30b、−S(O)N(R30a、−N(R30a)S(O)30b、−C(R30a)=N(R30a)、および−C(R30a)=N(OR30a)より独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
30aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
30bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
40は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR40a、−SR40a、−N(R40a、−N(R40a)C(O)R40b、−N(R40a)N(R40a、−NO、−C(O)H、−C(O)R40b、−C(O)40a、−C(O)N(R40a、−OC(O)N(R40a、−N(R40a)C(O)40a、−N(R40a)C(O)N(R40a、−OC(O)R40b、−S(O)R40b、−S(O)40b、−S(O)N(R40a、−N(R40a)S(O)40b、−C(R40a)=N(R40a)、および−C(R40a)=N(OR40a)より独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
40aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
40bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
50は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR50a、−SR50a、−N(R50a、−N(R50a)C(O)R50b、−N(R50a)N(R50a、−NO、−C(O)H、−C(O)R50b、−C(O)50a、−C(O)N(R50a、−OC(O)N(R50a、−N(R50a)C(O)50a、−N(R50a)C(O)N(R50a、−OC(O)R50b、−S(O)R50b、−S(O)50b、−S(O)N(R50a、−N(R50a)S(O)50b、−C(R50a)=N(R50a)、および−C(R50a)=N(OR50a)より独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のRで場合によって置換され;
50aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
50bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のRで場合によってそして独立に置換され;
、R、R、R、およびRは、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR、−SR、−N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)N(R、−NO、−C(O)H、−C(O)R、−C(O)、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−N(R)C(O)、−N(R)C(O)N(R、−OC(O)R、−S(O)R、−S(O)、−S(O)N(R、−N(R)S(O)、−C(R)=N(R)、および−C(R)=N(OR)より独立に選択され;
は、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され;そして
は、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択される
の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項2】
環Aは、カルボシクリルおよびヘテロシクリルより選択され、ここで前記カルボシクリルおよびヘテロシクリルは、1以上のRで場合によって置換され;そして
は、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR5a、−SR5a、−N(R5a、−N(R5a)C(O)R5b、−C(O)H、−C(O)R5b、−C(O)5a、−C(O)N(R5a、−OC(O)R5b、−N(R5a)C(O)N(R5a、−S(O)5b、−S(O)5b、−S(O)N(R5a、および−N(R5a)S(O)5bより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換され;
5aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換され;
5bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR50で場合によってそして独立に置換され;
50は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリル、−OR50a、−SR50a、および−N(R50aより独立に選択され;そして
50aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択される
請求項1に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項3】
Xは、−NH−および−O−より選択される、
請求項1または2のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項4】
は、H、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR1a、−SR1a、−N(R1a、−N(R1a)C(O)R1b、−N(R1a)N(R1a、−NO、−C(O)H、−C(O)R1b、−C(O)1a、−C(O)N(R1a、−OC(O)N(R1a、−N(R1a)C(O)1a、−N(R1a)C(O)N(R1a、−OC(O)R1b、−S(O)R1b、−S(O)1b、−S(O)N(R1a、−N(R1a)S(O)1b、−C(R1a)=N(R1a)、および−C(R1a)=N(OR1a)より選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR10で場合によって置換され;
1aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換され;
1bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換され;
10は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR10a、−SR10a、−N(R10a、−N(R10a)C(O)R10b、−C(O)H、−C(O)R10b、−C(O)10a、−C(O)N(R10a、−OC(O)R10b、−N(R10a)C(O)N(R10a、−S(O)R10b、−S(O)10b、−S(O)N(R10a、および−N(R10a)S(O)10bより独立に選択され;
10aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され;そして
10bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択される
請求項1〜3のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項5】
は、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR2a、−SR2a、−N(R2a、−N(R2a)C(O)R2b、−NO、−C(O)H、−C(O)R2b、−C(O)2a、−C(O)N(R2a、−OC(O)R2b、−N(R2a)C(O)N(R2a、−S(O)R2b、−S(O)2b、−S(O)N(R2a、および−N(R2a)S(O)2bより選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR20で場合によって置換され;
2aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、ヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR10で場合によってそして独立に置換され;
2bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR20で場合によってそして独立に置換され;
20は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR20a、−SR20a、−N(R20a、−N(R20a)C(O)R20b、−C(O)H、−C(O)R20b、−C(O)20a、−C(O)N(R20a、−OC(O)R20b、−N(R20a)C(O)N(R20a、−S(O)R20b、−S(O)20b、−S(O)N(R20a、および−N(R20a)S(O)20bより独立に選択され;
20aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され;そして
20bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、およびヘテロシクリルより独立に選択される
請求項1〜4のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項6】
は、H、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR3a、−SR3a、−N(R3a、−N(R3a)C(O)R3b、−C(O)H、−C(O)R3b、−C(O)3a、−C(O)N(R3a、−OC(O)R3a、−N(R3a)C(O)N(R3a、−S(O)R3b、−S(O)3b、−S(O)N(R3a、および−N(R3a)S(O)3bより選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、1以上のR30で場合によって置換され;
3aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換され;
3bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR30で場合によってそして独立に置換され;
30は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR30a、−SR30a、−N(R30a、−N(R30a)C(O)R30b、−C(O)H、−C(O)R30b、−C(O)30a、−C(O)N(R30a、−OC(O)R30a、−N(R30a)C(O)N(R30a、−S(O)R30b、−S(O)30b、−S(O)N(R30a、および−N(R30a)S(O)30bより独立に選択され;
30aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され;そして
30bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択される
請求項1〜5のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項7】
は、H、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニル、−N(R4a)C(O)R4b、−NO、−C(O)H、−C(O)R4b、−C(O)4a、−C(O)N(R4a、−OC(O)N(R4a、−N(R4a)C(O)4a、−N(R4a)C(O)N(R4a、−OC(O)R4b、−S(O)R4b、−S(O)4b、−S(O)N(R4a、および−N(R4a)S(O)4bより選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、およびC2−6アルキニルは、1以上のR40で場合によって置換され;
4aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換され;
4bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され、ここで前記C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルは、各出現において、1以上のR40で場合によってそして独立に置換され;
40は、各出現において、ハロ、−CN、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、−OR40a、−SR40a、−N(R40a、−N(R40a)C(O)R40b、−NO、−C(O)H、−C(O)R40b、−C(O)40a、−C(O)N(R40a、−OC(O)R40a、−N(R40a)C(O)N(R40a、−S(O)R40b、−S(O)40b、−S(O)N(R40a、および−N(R40a)S(O)40bより独立に選択され;
40aは、各出現において、H、C1−6アルキル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択され;そして
40bは、各出現において、C1−6アルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、カルボシクリル、およびヘテロシクリルより独立に選択される
請求項1〜6のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項8】
式(I):
【化2】

式中:
環Aは、4−フルオロフェニル、5−フルオロピリジン−2−イル、および5−フルオロピリミジン−2−イルより選択され;
は、−CN、メチル、および−C(O)Meより選択され;
は、H、フルオロ、およびクロロより選択され;
は、H、メトキシ、4−メチルピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、およびピペラジン−1−イルより選択され;そして
はメチルである
の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項9】
薬剤として使用するための請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項10】
ヒトなどの温血動物における、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌を治療する際に使用するための薬剤製造における、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用。
【請求項11】
ヒトなどの温血動物における、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群および癌(固形および血液学的腫瘍)、線維増殖性および分化障害、乾癬、関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、急性および慢性腎症、アテローム、アテローム性動脈硬化症、動脈再狭窄、自己免疫疾患、末端肥大症、急性および慢性炎症、骨疾患、ならびに網膜血管増殖を伴う目の疾患を治療するための薬剤製造における、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用。
【請求項12】
ヒトなどの温血動物における、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、特発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病および好酸球増加症候群、骨髄異形成症候群、ならびに食道癌、骨髄腫、肝細胞性癌、膵臓癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、カポジ肉腫、卵巣癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膀胱癌、黒色腫、肺癌−非小細胞肺癌(NSCLC)、および小細胞肺癌(SCLC)、胃癌、頭部および頸部の癌、中皮腫、腎癌、リンパ腫および白血病より選択される癌を治療するための薬剤製造における、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用。
【請求項13】
ヒトなどの温血動物における、抗増殖効果の産生のための薬剤製造における、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用。
【請求項14】
JAK阻害効果の産生のための薬剤製造における、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用。
【請求項15】
癌の治療のための薬剤製造における、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の使用。
【請求項16】
ヒトなどの温血動物において、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌を治療するための方法であって、前記動物に、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項17】
ヒトなどの温血動物において、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌(固形および血液学的腫瘍)、線維増殖性および分化障害、乾癬、関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、急性および慢性腎症、アテローム、アテローム性動脈硬化症、動脈再狭窄、自己免疫疾患、末端肥大症、急性および慢性炎症、骨疾患、ならびに網膜血管増殖を伴う目の疾患を治療するための方法であって、前記動物に、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項18】
ヒトなどの温血動物において、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、特発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病および好酸球増加症候群、骨髄異形成症候群、ならびに食道癌、骨髄腫、肝細胞性癌、膵臓癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、カポジ肉腫、卵巣癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膀胱癌、黒色腫、肺癌−非小細胞肺癌(NSCLC)、および小細胞肺癌(SCLC)、胃癌、頭部および頸部の癌、中皮腫、腎癌、リンパ腫および白血病より選択される癌を治療するための方法であって、前記動物に、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項19】
ヒトなどの温血動物において、抗増殖効果を産生するための方法であって、前記動物に、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項20】
ヒトなどの温血動物において、JAK阻害効果を産生するための方法であって、前記動物に、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項21】
ヒトなどの温血動物において、癌を治療するための方法であって、前記動物に、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩の有効量を投与する工程を含む、前記方法。
【請求項22】
ヒトなどの温血動物における、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌を治療する際に使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項23】
ヒトなどの温血動物における、骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、および癌(固形および血液学的腫瘍)、線維増殖性および分化障害、乾癬、関節リウマチ、カポジ肉腫、血管腫、急性および慢性腎症、アテローム、アテローム性動脈硬化症、動脈再狭窄、自己免疫疾患、末端肥大症、急性および慢性炎症、骨疾患、ならびに網膜血管増殖を伴う目の疾患を治療する際に使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項24】
ヒトなどの温血動物における、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性血小板血症、骨髄線維症を伴う骨髄化生、特発性骨髄線維症、慢性骨髄単球性白血病および好酸球増加症候群、骨髄異形成症候群、ならびに食道癌、骨髄腫、肝細胞性癌、膵臓癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、神経芽細胞腫、カポジ肉腫、卵巣癌、乳癌、結腸直腸癌、前立腺癌、膀胱癌、黒色腫、肺癌−非小細胞肺癌(NSCLC)、および小細胞肺癌(SCLC)、胃癌、頭部および頸部の癌、中皮腫、腎癌、リンパ腫および白血病より選択される癌を治療する際に使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項25】
ヒトなどの温血動物における、抗増殖効果の産生において使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項26】
ヒトなどの温血動物における、JAK阻害効果の産生において使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項27】
ヒトなどの温血動物における、癌の治療において使用するための、請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩。
【請求項28】
請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩、および少なくとも1つの薬学的に許容されうるキャリアー、希釈剤、または賦形剤を含む、薬学的組成物。
【請求項29】
請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を調製するためのプロセスであって、式(A):
【化3】

の化合物を、式(B):
【化4】

の化合物と反応させ;そしてその後、必要であれば:
i)式(I)の化合物を、式(I)の別の化合物に変換し;
ii)いかなる保護基も除去し;そして/または
iii)薬学的に許容されうる塩を形成する
式中、Lは脱離基である
工程を含む、前記プロセス。
【請求項30】
請求項1〜8のいずれか一項に請求されるような、式(I)の化合物またはその薬学的に許容されうる塩を調製するためのプロセスであって、式(C):
【化5】

の化合物を、式(D):
【化6】

の化合物と反応させ;そしてその後、適切であれば:
i.式(I)の化合物を、式(I)の別の化合物に変換し;
ii.いかなる保護基も除去し;そして/または
iii.薬学的に許容されうる塩を形成する
式中、Lは脱離基である
工程を含む、前記プロセス。

【公表番号】特表2010−526048(P2010−526048A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504866(P2010−504866)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050322
【国際公開番号】WO2008/135786
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】