説明

アルキンカップリングによる抗がん活性三環式化合物の新規製法

【課題】アルキンカップリングによる抗がん活性三環式化合物の新規な製造方法の提供。
【解決手段】式(Ia)または(Ib):


[式中、Rは置換されていてもよいC1−6アルキルなどであり;WはO、SまたはNRであり;Rは水素原子などである]で示される化合物の製造方法であって、相当するハロゲン、アミン又は水酸基含有の特定化合物を塩基、銅触媒およびパラジウム触媒の存在下、非プロトン性極性溶媒中にて反応させるアルキンカップリング工程を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルキンカップリングによる抗がん活性ナフトキノン類などの三環式化合物の新規な製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナフトキノン類は、種々の薬効を示すことが知られている。例えば、ナフトキノン類のうち、下式:
【化1】

で示される(−)−2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(以下、NQ801とも称する)は、ノウゼンカズラ科タベブイア属の植物であるタヒボ(Tabebuia avellanedae; Tabebuia impetiginosaなど)に含まれる光学活性化合物であり、抗癌作用を有することが知られている(特許文献1および非特許文献1を参照)。NQ801の合成法としては、いくつか知られており、例えば次式で示される方法が挙げられる(特許文献2および3を参照):
【化2】

【0003】
いずれの文献記載の方法も容易に入手可能な5−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(以下、ユグロン(juglone)とも称する)から誘導された2−ジメチルアミノ−5−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(1)から合成された5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(3)を鍵中間体としている。これらの方法では、上記化合物(2)から鍵中間体(3)を合成する工程において無視できない量の副生成物(3')が得られ、化合物(3)との分離が容易でない。
【化3】

また、特許文献2記載の方法では、所望の化合物(3)を塩基で還元した後、NQ801のラセミ体(4)を光学分割する必要がある。さらに、特許文献3記載の方法では、特許文献2記載の方法と比較して、合成工程数が不斉合成により軽減されるが、依然として化合物(3)とその合成時の副生成物(3')との分離の問題が残っている。
【0004】
一方、次式のように、上記化合物(1)と類似する基質を用いた標準的な薗頭カップリング反応によりナフトピロールジオン類を合成する方法が知られている(非特許文献2を参照):
【化4】

【0005】
しかしながら、上記文献記載の方法は、ベンゼン環の置換基Rが反応性の低い、比較的安定な化学基であるため基質特異的な手法である。また、当該方法によりナフトピロールジオン類を合成する場合、アルキンのカップリング後、別工程にて閉環反応を行う必要があるため合成工程数の点でも問題が残っている。
【0006】
さらに、ナフトキノン類とアルキンとのカップリング反応として、次式の反応が知られている(非特許文献3を参照):
【化5】

非特許文献3記載の方法では、二種類のナフトフランジオン類が非選択的に得られ、いずれか一方を選択的に製造する方法は開示されていない。
【化6】

当該文献に開示される反応系では、反応基質であるナフトキノン環の2位にある水酸基が反応に大きく関与していると考えられる。
また、非特許文献4にも同様のカップリング反応が記載されているが、ナフトキノン環の5位に水酸基を有する反応基質に適用された反応例は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2669762号公報
【特許文献2】特開2006−290871号公報
【特許文献3】特許第4077863号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】上田伸一ら, ファイトケミストリー(Phytochemistry), 1994年, 第36巻, 第2号, p. 323-325
【非特許文献2】Mark S. Shvartsberg, et al., Tetrahedron Letters, 50 (2009), p.6769-6771
【非特許文献3】S. Shvartsberg, et al., Russian Chemical Review 73(2), p.161-184 (2004)
【非特許文献4】V. S. Romanov, et al., Russian Chemical Bulletin, International Edition, Vol. 54, No. 7, pp. 1686-1689
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、抗がん活性成分NQ801を含むナフトキノン類に広く適用可能な三環式化合物の新規な製造方法を提供することを目的とする。本発明はまた、従来法と比較して工程数を軽減することにより効率的かつ工業的生産が可能な三環式化合物の新規な製造方法を提供することも目的とする。本発明はさらに、構造の異なる三環式化合物の新規かつ選択的な製造方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の具体的態様を提供する:
[1]式(Ia)または(Ib):
【化7】

[式中、
は水素原子;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC1−6アルキル;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC5−10アリール;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよい5〜10員の飽和または不飽和ヘテロ環;CHO;CONH;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC1−6アルキルカルボニル;およびヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいCOC5−10アリールからなる群から選択され;
WはO、SまたはNRであり;Rは水素原子;ニトロ、スルホ、シアノ、アセチルまたはC5−10アリールで置換されていてもよいC1−6アルキル;COC1−6アルキル;およびニトロ、スルホ、シアノまたはアセチルで置換されていてもよいCOC5−10アリールからなる群から選択される]
で示される化合物の製造方法であって、式(II):
【化8】

[式中、Rは前記のとおりである]
で示される化合物と式(III)または(IV):
【化9】

[式中、
は前記のとおりであり;
は水素原子;ニトロ、スルホ、シアノ、アセチルまたはC5−10アリールで置換されていてもよいC1−6アルキル;COC1−6アルキル;およびニトロ、スルホ、シアノまたはアセチルで置換されていてもよいCOC5−10アリールからなる群から選択され;
Xは塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択されるハロゲン原子;またはOSOCFである]
で示される化合物とを塩基、銅触媒およびパラジウム触媒の存在下、非プロトン性極性溶媒中にて反応させる工程(a)を含む、方法。
【0011】
[2]工程(a)で用いられる銅触媒が酸化銅(I)である、[1]記載の方法。
【0012】
[3]Rがヒドロキシで置換されているC1−6アルキルである、[2]記載の方法。
【0013】
[4]さらに工程(a)で式(III)で示される化合物を用いた場合において得られる式(V):
【化10】

[式中、各記号は[1]に定義されるとおりである]
で示される化合物を環化する工程(b)を含む、[1]〜[3]のいずれか記載の方法。
【0014】
[5]パラジウム触媒が式(III)または(IV)の化合物に対して5mol%未満のパラジウム触媒である、[1]〜[4]のいずれか記載の式(Ia):
【化11】

[式中、各記号は[1]に定義されるとおりである]
で示される化合物の製造方法。
【0015】
[6]パラジウム触媒が式(III)または(IV)の化合物に対して5mol%以上のパラジウム触媒である、[1]〜[4]のいずれか記載の式(Ib):
【化12】

[式中、各記号は[1]に定義されるとおりである]
で示される化合物の製造方法。
【0016】
[7][1]〜[5]のいずれか記載の方法で得られる、式(Ia):
【化13】

[式中、各記号は[1]に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【0017】
[8][1]〜[4]または[6]のいずれか記載の方法で得られる、式(Ib):
【化14】

[式中、各記号は[1]に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【0018】
[9]式(III):
【化15】

[式中、各記号は[1]に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【0019】
[10]式(IV):
【化16】

[式中、各記号は[1]に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【0020】
[11]式(V):
【化17】

[式中、各記号は[1]に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【0021】
[12]工程(a)で用いられる塩基および非プロトン性極性溶媒がいずれもピリジンである、[1]〜[6]のいずれか記載の方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、2,3−ジ置換ナフトキノン誘導体をアルキン化合物と反応させる工程を含むことにより、従来法と比較して、1以上の工程を短縮して所望の三環式化合物を効率的かつ工業的に製造することができる。
【0023】
本発明はまた、2,3−ジ置換ナフトキノン誘導体をアルキン化合物と反応させる工程における反応条件を調節することにより、選択的に所望の三環式化合物を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書において用語「C1−6アルキル」は、炭素数1〜6個を有する直鎖または分枝鎖の飽和炭化水素基を意味する。好ましい「C1−6アルキル」としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチルなどが挙げられる。好ましい「置換C1−6アルキル」としては、1−ヒドロキシエチルなどのヒドロキシ置換C1−6アルキル、ベンジルなどが挙げられる。
【0025】
本明細書において用語「C1−6アルコキシ」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル」と同義である。好ましい「C1−6アルコキシ」としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどが挙げられる。
本明細書において、好ましい「COC1−6アルキル」としては、アセチルなどが挙げられる。
【0026】
本明細書において用語「C5−10アリール」は、炭素数5〜10個を有する芳香族炭化水素基を意味する。好ましい「C5−10アリール」としては、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチルなどが挙げられる。
本明細書において、好ましい「COC5−10アリール」としては、ベンゾイルなどが挙げられる。
【0027】
本明細書において用語「ヘテロ環」としては、単環式または多環式ヘテロ環基などが挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子から選択される同一または異なる1以上のヘテロ原子を含む。好ましい「ヘテロ環」としては、アジリジル、アゼチジル、ピロリジル、ピペリジル、ピロリル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ベンズオキサゾリル、ベンズチアゾリル、フリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、キノリル、イソキノリル、トリアゾリル、トリアジニル、テトラゾリル、インドリル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、ジベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、キノキサリル、シンノリル、キナゾリル、インダゾリル、ナフチリジル、キノリノリル、イソキノリノリルなどが挙げられる。
【0028】
本明細書において用語「ハロゲン原子」としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。好ましいハロゲン原子は臭素原子またはヨウ素原子である。
【0029】
本明細書において用語「非プロトン性極性溶媒」としては、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMA)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、アセトン、ピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジンなどが挙げられる。好ましい非プロトン性極性溶媒はDMF、DMSOまたはピリジンである。
【0030】
本明細書において用語「銅触媒」としては、1価の銅触媒が挙げられ、好ましくは酸化銅(I)またはヨウ化銅(I)であり、より好ましくは酸化銅(I)である。本方法において適切な銅触媒の選択は、所望の反応の進行のために重要な因子の一つである。
【0031】
本明細書において用語「パラジウム触媒」としては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジアセトキシパラジウム(II)(以下、酢酸パラジウムとも称する)などが挙げられ、好ましくはII価のパラジウム触媒であり、より好ましくはジアセトキシパラジウム(II)である。本方法において適切なパラジウム触媒の種類および量は、所望の反応の進行のために重要な因子の一つである。
【0032】
本明細書において用語「塩基」としては、アミン化合物が挙げられ、好ましくはピリジン、4−メチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、トリエチルアミン、ジエチルアミンなどであり、より好ましくはピリジンである。塩基としてピリジン、4−メチルピリジンまたは2,4−ジメチルピリジンを用いた場合には、ピリジン、4−メチルピリジンまたは2,4−ジメチルピリジンが非プロトン性極性溶媒としても機能する。
【0033】
本発明の製造方法において、式(Ia)および(Ib)の化合物は、適切な製造条件を採用することにより、選択的に合成することができる。
具体的には、パラジウム触媒が式(III)または(IV)の化合物に対して5mol%未満、好ましくは1〜3mol%である場合には、式(Ia)の化合物を選択的に製造することができる。
また、パラジウム触媒が式(III)または(IV)の化合物に対して5mol%以上、好ましくは6〜10mol%である場合には、式(Ib)の化合物を選択的に製造することができる。
【0034】
本発明により製造される三環式化合物は、少なくとも一つの不斉炭素原子を有していてもよい。従って、本発明は、ラセミ化合物のみならず、その光学活性体も製造することができる。
【0035】
以下に、本発明における式(Ia)または(Ib)の化合物の製造方法について、例を挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、本明細書において、簡略化のために次の略号を使用することがある。
【0036】
Me:メチル基
Et:エチル基
Ac:アセチル基
Ph:フェニル基
THP:テトラヒドロピラニル基
NBS:N−ブロモスクシンイミド
THF:テトラヒドロフラン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
NMP:N−メチルピロリドン
DMA:ジメチルアセトアミド
【0037】
本発明のある具体的態様は、以下のスキームA〜Dで示される。
【0038】
スキームA:三環式化合物の製造
【化18】

[式中、
は水素原子;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC1−6アルキル;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC5−10アリール;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよい5〜10員の飽和または不飽和ヘテロ環;CHO;CONH;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC1−6アルキルカルボニル;およびヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいCOC5−10アリールからなる群から選択され;
およびRはそれぞれ独立して水素原子;ニトロ、スルホ、シアノ、アセチルまたはC5−10アリールで置換されていてもよいC1−6アルキル;COC1−6アルキル;およびニトロ、スルホ、シアノまたはアセチルで置換されていてもよいCOC5−10アリールからなる群から選択され;
Xは塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択されるハロゲン原子、またはOSOCFである]
【0039】
上記スキームAの工程1は、例えばチャカーらの文献(Chaker, L.; Pautet, F.; Fillion, H., Chem. Pharm. Bull., 1994, 42, 2238-2240)に記載された方法に従い行うことができる。工程1において、適当な溶媒に溶解させた5−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(以下、ユグロンとも称する;例えば東京化成工業(株)から入手可能)にアミン(HNR)をそのままで、または適当な溶媒に溶解した溶液にて添加する。ユグロンの溶媒は、有機溶媒であれば特に限定されないが、好ましくはトルエンである。好ましいアミンの溶媒は、水、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、メタノールまたはエタノールである。工程1の反応は、−78℃から溶媒の還流温度で行うことが可能であるが、好ましくは−40℃〜室温の範囲で行われる。特に、−40℃〜0℃の反応温度は、選択性および操作の簡便性の点で有利である。
【0040】
ユグロンについては、メルク・インデックス(Merck Index)第13版第5288頁およびその参照文献において詳細に記載されている。
【0041】
上記スキームAの工程2において、工程1で得られたアミノナフトキノン誘導体を当分野における通常の方法に従いハロゲン化する。ハロゲン化剤としては、N−ブロモスクシンイミド、臭素、臭化水素、ヨウ素、ヨウ化水素、塩素、塩化水素などが挙げられ、好ましくはN−ブロモスクシンイミドである。
【0042】
工程2の別法において、置換基Xとして脱離基を導入してもよい。脱離基としては、次の工程3および/または4に許容される任意の基であることができ、例えばOSOCF基などが挙げられる。
【0043】
上記スキームAの工程3において、アルキンと銅触媒および塩基の存在下、非プロトン性極性溶媒中にて、工程2で得られた置換アミノナフトキノン誘導体(III)およびパラジウム触媒とを反応させてアルキン付加体(V)を得る。本工程における好ましい非プロトン性極性溶媒はDMFまたはピリジンである。本工程における塩基としてピリジンを用いた場合には、ピリジンが非プロトン性極性溶媒としても機能する。
【0044】
工程3において、基質化合物(III)1当量に対し、反応化合物(アルキン)過剰当量、すなわち1当量以上、好ましくは5〜10当量、より好ましくは10当量と反応させる。
【0045】
工程3のアルキンとしては、種々のアルキン化合物を用いることができるが、好ましくは置換されていてもよい末端アルキンである。置換基としては、ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC1−6アルキル;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC5−10アリール;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよい5〜10員の飽和または不飽和ヘテロ環;CHO;CONH;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC1−6アルキルカルボニル;およびヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいCOC5−10アリールなどが挙げられ、好ましくはヒドロキシで置換されているC1−6アルキルであり、より好ましくは1−ヒドロキシエチルである。工程3において、不斉炭素を有する末端アルキンを用いることにより、光学活性なナフトキノン類を製造することができる。
【0046】
置換アミノナフトキノン誘導体(III)は、電子供与性の水酸基で置換されており、電子供与性のアミノ基を含んでもよいため、一般にアルキンとのカップリング反応が進行しにくいと考えられる。しかし、本発明の製法により置換アミノナフトキノン誘導体(III)は、良好な収率でアルキンとカップリングすることができる。
【0047】
工程3において、式(III)の化合物に対するパラジウム触媒の量を調節することにより、化合物(Ia-A)または(Ib-A)を選択的に製造することができる。そして、化合物(Ib-A)の製造条件下では、工程3の系中にて化合物(Ib-A)を得ることができるため、次の工程4を省略してもよい。
【0048】
上記スキームAの工程4において、工程3で得られたアルキン付加体(V)を環化させる。工程4の環化は好ましくは水存在下、より好ましくは水/アルコール系溶媒混合物中、水/アセトニトリル混合物中または水/アセトン混合物中にて行うことができる。アルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。水/アルコール系溶媒混合物、水/アセトニトリル混合物および水/アセトン混合物の好ましい容量比は2/1である。
工程4において、付加体(V)のアミノ基NRを水酸基に変換することなく、所望のナフトフランジオン誘導体を得ることができる。また、本発明の環化工程4は、酸を用いることなく行うことができる。
【0049】
化合物(Ia-A)および(Ib-A)の製造方法のいずれにおいても、上記工程3および4は、組み合わせて一段階(ワンポット)としてもよい。
【0050】
本発明は、上記工程1〜4において、ナフトキノン環に結合する水酸基を保護することなく、実施することができるが、常法に従い、適宜当該水酸基を適当な保護基で保護し、当該保護基を適切な段階で除去してもよい。当該保護基としては、THP基またはAc基などが挙げられる。
【0051】
スキームB:三環式化合物の製造
【化19】

[式中、各記号は前記のとおりである]
【0052】
上記スキームBの工程1は、例えばTietzeらの文献(Chem. Eur. J., 2007, 13, 9939-9947)に記載された方法に従い行うことができる。例えば、工程1において、適当な溶媒に溶解させた5−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオンに臭素を添加して3−ブロモユグロンを得る。
【0053】
スキームBの工程2において、例えば、工程1で得られた3−ブロモユグロンなどの置換ユグロンをメチルアミン塩酸塩などのアミンと反応させた後、NBSを加えて撹拌する。得られた反応溶液を精製して式(III)の化合物を得る。
【0054】
工程3は、非プロトン性極性溶媒として好ましくはDMSOが用いられること以外は、上記スキームAと同様に行うことができる。
【0055】
スキームBでは、スキームAの工程4に対応する工程は不要であってもよい。すなわち、化合物(III)とアルキンとのカップリング反応後、中間体の精製または抽出をしなくとも系中で閉環反応が進行し、所望の化合物(Ia-B)または(Ib-B)を効率良く合成することができる。
【0056】
スキームC:三環式化合物の製造
【化20】

[式中、各記号は前記のとおりである]
【0057】
スキームCにおいて、工程1〜3は上記スキームAと同様に行うことができる。工程4において、アルキン付加体(V)を硫化金属と40℃〜60℃、好ましくは50℃にて反応させることによって、化合物(Ia-C)または(Ib-C)を製造することができる。当該硫化金属としては、硫化ナトリウムなどが挙げられる。
【0058】
スキームD:三環式化合物の製造
【化21】

[式中、各記号は前記のとおりである]
【0059】
スキームDにおいて、工程1は上記スキームAと同様に行うことができる。
工程2において、例えば工程1で得られたアミノナフトキノン誘導体を酸(10%塩酸など)の存在下、ジオキサンなどの溶媒中、適当な温度(例えば溶媒の還流温度)にて反応させることにより2,5−ジヒドロキシナフトキノン誘導体(VI)を製造することができる。
工程3において、化合物(VI)をハロゲン化剤(例えばモルホリンヨード錯体:
【化22】

など)と反応させることにより式(IV)の化合物を製造することができる。
工程4において、化合物(IV)を塩基、銅触媒およびパラジウム触媒の存在下、非プロトン性極性溶媒中にて式(II)のアルキンと反応させることにより、化合物(Ia-A)または(Ib-A)を製造することができる。本工程において、好ましい塩基および非プロトン性極性溶媒としては、ピリジンが挙げられる。
【実施例】
【0060】
製造例1
2−ジメチルアミノユグロンの製造
【化23】

5−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(171 mg, 1 mmol)のトルエン(5 mL)溶液に、ジメチルアミン(0.75 mL, THF中2.0M溶液, 1.5 mmol)を−20℃にて添加した。−20℃にて1時間撹拌後、ジメチルアミン(0.75 mL, THF中2.0M溶液, 1.5 mmol)を添加し、−20℃にてさらに30分間撹拌し、次いで溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル=20/1(v/v))により単離精製し、2−ジメチルアミノユグロン(87.2 mg, 40%)および3−ジメチルアミノユグロン(28.8 mg, 13%)を得た。
【0061】
2−ジメチルアミノユグロン
融点:147〜148℃
1H-NMR (CDCl3): δ3.25 (s, 6H), 5.72 (s, 1H), 7.20 (dd, 1H, J = 1.2, 8.3 Hz), 7.45-7.51 (m, 2H), 13.0 (s, 1H).
3−ジメチルアミノユグロン
1H-NMR (CDCl3): δ3.23 (s, 6H), 5.84 (s, 1H), 7.15 (dd, 1H, J = 3.7, 6.1 Hz), 7.56-7.59 (m, 2H), 11.9 (s, 1H).
【0062】
製造例2
2−ジメチルアミノユグロンの製造2
別法として、Tietzeらの文献(Chem. Eur. J., 2007, 13, 9939-9947)およびChakerらの文献(Chem. Pharm. Bull., 1994, 42, 2238-2240)に記載の方法に従い、以下の式のように2−ジメチルアミノユグロンを製造した。
【化24】

5−ヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(171 mg, 1 mmol)のクロロホルム溶液に、臭素を添加して混合物を撹拌した。次いで、得られた混合物に酢酸およびエタノールを添加して還流下、撹拌して3−ブロモユグロンを得た(80%)。得られた3−ブロモユグロンにジメチルアミンを添加し、トルエン中、室温にて撹拌して2−ジメチルアミノユグロンおよび3−ジメチルアミノユグロンを得た(85%)。
得られた2−ジメチルアミノユグロンと3−ジメチルアミノユグロンの収量比は95:5であった。
【0063】
製造例3
3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロンの製造
【化25】

2−ジメチルアミノユグロン(500 mg, 2.3 mmol)のDMF(15 ml)溶液に、室温にてNBS(491 mg, 2.76 mmol)のDMF(6 ml)溶液を5分間で添加し、20分間撹拌した。反応を氷水の添加によりクエンチし、クロロホルムにて抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧蒸留した後、紫色固体として3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロン(656 mg, 96%)を得た。
1H-NMR (CDCl3): δ3.29 (s, 6H), 7.22 (dd, 1H, J= 1.8, 7.8Hz), 7.49-7.55 (m, 2H), 12.48 (s, 1H).
【0064】
製造例4
3−ブロモ−5−ヒドロキシ−2−(メチルアミノ)ナフタレン−1,4−ジオンの製造
【化26】

文献(Chem. Eur. J. 2007, 13, 9939-9947)に従って得られた2−ブロモ−8−ヒドロキシ−1,4−ナフタレンジオン(253 mg, 1.0 mmol)およびメチルアミン塩酸塩(68 mg, 1.0 mmol)のエタノール(8.0 mL)溶液にトリエチルアミン(0.30 mL, 2.2 mmol)を室温にて加え、その反応溶液を1日撹拌した。原料の消失を薄層クロマトグラフィー(TLC)にて確認した後、反応溶液を氷水にて冷やしながら、NBS(267 mg, 1.5 mmol)を加えて30分さらに撹拌した。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=10/1)にて精製し、標記の化合物を茶色、柱状晶として得た(250 mg, 89%収率, mp 159-160℃)。
rf (hexane/EtOAc = 4/1) = 0.40.
1H-NMR (CDCl3): 3.48 (3H, d, J = 6.5 Hz), 7.26 (1H, dd, J = 1.0, 8.0 Hz), 7.48 (1H, dd, J = 7.5, 8.0 Hz), 7.59 (1H, dd, J = 1.0, 7.5 Hz).
13C-NMR (CDCl3, 50℃): 33.0, 114.2, 119.7, 125.9, 129.9, 134.2, 143.3, 147.8, 161.0, 179.4, 182.1.
IR (KBr): 3325, 1674, 1605, 1551, 1520, 1466, 1412, 1362, 1293, 1231, 1165, 1111, 829, 756.
LRMS (ESI) m/z: 282, 284 [M+H]+. HRMS (ESI) m/z: [M+H]+ [C11H9NO3Br]+計算値281.9766, 283.9745; 実測値281.9729, 283.9713.
【0065】
製造例5〜13
当分野における通常の方法に従い、製造例1〜4を適宜改変して、以下の製造例5〜13の化合物を製造する。
【表1】

【0066】
製造例14
【化27】

2,5−ジヒドロキシナフタレン−1,4−ジオン(100 mg, 0.53 mmol)の蒸留水(5 ml)溶液に炭酸カリウム(218 mg, 1.58 mmol)を添加し、室温にて撹拌した。反応液にモルホリンヨード錯体(223 mg, 0.66 mmol)を2時間かけて15分おきに添加した。モルホリンヨード錯体をすべて添加し終えた後、さらに30分間撹拌し、反応を25%リン酸の添加によりクエンチし、10分間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮したところ、2,5−ジヒドロキシ−3−ヨードナフタレン−1,4−ジオン(156 mg, 94%)を得た。
1H-NMR (CDCl3): δ7.28 (dd, 1H, J = 1.1, 8.4Hz), 7.54 (dd, 1H, J = 7.5, 8.4Hz), 7.66 (dd, 1H, J = 1.1, 7.5Hz), 12.08 (s, 1H).
【0067】
実施例1
3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロンのアルキン付加
【化28】

酸化銅(I)(和光純薬工業(株), 144 mg, 1.01 mmol)および(S)−(−)−3−ブチン−2−オール(東京化成工業(株), 798μl, 10.1 mmol, >98%ee)のDMF(36 ml)およびピリジン(15 ml)溶液を室温にて2時間撹拌した。この反応混合液に3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロン(300 mg, 1.01 mmol)、および酢酸パラジウム(東京化成工業(株), 6.8 mg, 3 mol%)のDMF(42 ml)溶液を加え、一晩撹拌した。反応を氷水の添加によりクエンチし、反応混合液をクロロホルムにて抽出した。有機層を氷水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)により精製すると、紫色固体として2−ジメチルアミノ−3−(3−ヒドロキシブタ−1−イン−1−イル)ユグロン(220 mg, 76%)を得た。
1H-NMR (CDCl3): δ1.50 (d, 3H, J = 6.6Hz), 3.42 (s, 6H), 4.79 (q, 1H, J = 6.6Hz), 7.11 (dd, 1H, J = 3.9, 5.7Hz), 7.37-7.40 (m, 2H), 12.61 (s, 1H).
13C-NMR (CDCl3): 23.9, 45.3, 59.1, 77.2, 78.3, 102.9, 104.1, 114.4, 119.0, 124.6, 132.1, 134.5, 155.5, 160.4, 182.5, 187.8.
IR (KBr): 3468, 1670, 1624, 1547, 1474, 1385, 1196, 1152, 1069, 1045, 895, 777.
融点:156〜158℃
LRMS (ESI) m/z: 284 [M-H]-. HRMS (ESI) m/z: [M-H]- [C16H14NO4]+計算値284.0923; 実測値284.0904.
【0068】
実施例2
NQ801の製造1
【化29】

実施例1で得られた化合物(100 mg, 0.35 mmol)の蒸留水(120 ml)およびメタノール(60 ml)溶液を95℃にて4時間撹拌し、反応液を室温まで冷却後、クロロホルムにて抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製すると、黄色固体として(−)−2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(72 mg, 80%)を得た。
【0069】
実施例3
NQ801の製造2
【化30】

酸化銅(I)(和光純薬工業(株), 48 mg, 0.34 mmol)および(S)−(−)−3−ブチン−2−オール(東京化成工業(株), 266μl, 3.38 mmol, >98%ee)のDMF(12 ml)およびピリジン(5 ml)溶液を室温にて2時間撹拌した。この反応混合液に3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロン(100 mg, 0.34 mmol)、および酢酸パラジウム(東京化成工業(株), 2.3 mg, 3 mol%)のDMF(14 ml)溶液を加え、一晩撹拌した。反応を氷水の添加によりクエンチし、反応混合液をクロロホルムにて抽出した。有機層を氷水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物の蒸留水(120 ml)およびメタノール(60 ml)溶液を95℃にて4時間撹拌し、反応液を室温まで冷却後、クロロホルムにて抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)により精製すると、黄色固体として(−)−2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(59 mg, 68%)を得た。
融点: 170℃。
1H-NMR (CDCl3): δ1.66 (d, 3H, J = 6.6Hz), 2.23 (d, 1H, J = 5.3Hz), 5.05 (m, 1H), 6.85 (d, 1H, J = 0.7Hz), 7.28 (dd, 1H, J = 1.2, 8.5Hz), 7.62 (dd, 1H, J = 7.6, 8.5Hz), 7.76 (dd, 1H, J = 1.2, 7.6Hz) 12.18 (s, 1H).
13C-NMR (CDCl3): 21.5, 63.8, 103.4, 115.2, 120.0, 125.3, 131.0, 132.7, 136.3, 152.1, 162.3, 165.4, 172.7, 186.5.
[α]25D -23.5 (c 0.13, CH3OH), 98% ee (HPLC, Daicel Chiralpak AD-H, hexane/i-PrOH = 9/1, 1.0 mL/min, 254 nm, minor 22.3 min and major 24.5 min).
【0070】
実施例4
オルトキノン誘導体の製造
【化31】

酸化銅(I)(和光純薬工業(株), 48 mg, 0.34 mmol)および3−ブチン−2−オール(東京化成工業(株), 263μl, 3.38 mmol)のDMF(12 ml)およびピリジン(5 ml)溶液を室温にて2時間撹拌した。この反応混合液に3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロン(100 mg, 0.34 mmol)、および酢酸パラジウム(東京化成工業(株), 4.6 mg, 6 mol%)のDMF(5 ml)溶液を加え、60℃にて1時間撹拌した。その後、70℃にて1時間撹拌し、反応を氷水の添加によりクエンチした。反応混合液をクロロホルムにて抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製すると、目的化合物 (19 mg, 20%)を得た。
1H-NMR (MeOD): δ1.46 (d, 3H, J= 6.6Hz), 4.77 (m, 1H), 6.52 (s, 1H), 7.02 (dd, 1H, J= 1.1, 8.3Hz), 7.17 (dd, 1H, J=7.5, 8.3Hz), 7.42 (dd, 1H, J=1.1, 7.5Hz).
13C-NMR (MeOD): 20.6, 62.7, 103.4, 121.1, 124.1, 125.6, 129.8, 131.5, 152.7, 160.1, 160.4, 162.9, 174.5, 180.4.
IR (KBr): 3443, 3124, 3082, 1670, 1665, 1587, 1319, 1288, 1080, 1067, 995, 939, 885, 826, 691, 669.
融点:>300℃
LRMS (ESI) m/z: 257 [M-H]-. HRMS (ESI) m/z: [M-H]- [C14H9O5]-計算値257.0450; 実測値257.0432.
【0071】
実施例5〜16
当分野における通常の方法に従い、実施例1〜3を適宜改変して、以下の実施例5〜16の化合物を製造する。
【表2】

表中、*は不斉炭素を示す。
【0072】
実施例17
1−メチル−2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]ピロール−4,9−ジオンの製造1
【化32】

酸化銅(I)(和光純薬工業(株), 71 mg, 0.5 mmol)および3−ブチン−2−オール(東京化成工業(株), 389μl, 5.0 mmol)のDMF(18 ml)およびピリジン(7.4 ml)溶液を室温にて2時間撹拌した。この反応混合液に3−ブロモ−2−モノメチルアミノユグロン(141 mg, 0.5 mmol)、および酢酸パラジウム(東京化成工業(株), 3.4 mg, 3 mol%)のDMF(20 ml)溶液を加え、室温にて一晩撹拌した。反応を氷水の添加によりクエンチし、反応混合液をクロロホルムにて抽出し、有機層を氷水およびブラインで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製すると、目的化合物(57 mg, 42%)を得た。
薄黄色針状物, mp 219-220℃ (57 mg, 42%収率). rf (hexane/EtOAc = 4/1) = 0.20.
1H-NMR (CDCl3): 1.68 (3H, d, J = 6.5 Hz), 1.98 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.11 (3H, s), 4.93 (1H, dt, J = 6.5, 7.5 Hz), 6.65 (1H, s), 7.17 (1H, dd, J = 1.0, 8.5 Hz), 7.53 (1H, dd, J = 7.5, 8.5 Hz), 7.63 (1H, dd, J = 1.0, 7.5 Hz).
13C-NMR (CDCl3): 22.1, 33.4, 62.0, 105.1, 115.4, 119.2, 124.1, 126.8, 131.8, 134.3, 135.4, 145.4, 162.0, 175.7, 186.7.
IR (KBr): 3530, 1630, 1458, 1374, 1352, 1219, 1080.
LRMS (ESI) m/z: 270 [M-H]-. HRMS (ESI) m/z: [M-H]- [C15H13NO4]-計算値270.0766; 実測値270.0757.
【0073】
実施例18
1−メチル−2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]ピロール−4,9−ジオンの製造2
【化33】

酸化銅(I)(和光純薬工業(株), 22 mg, 0.15 mmol)および3−ブチン−2−オール(東京化成工業(株), 120μl, 1.52 mmol)のDMF(5 ml)およびピリジン(2.3 ml)溶液を室温にて2時間撹拌した。この反応混合液に3−ヨード−2−モノメチルアミノユグロン(50 mg, 0.15 mmol)、および酢酸パラジウム(東京化成工業(株), 1.0 mg, 3 mol%)のDMF(4 ml)溶液を加え、80℃にて1時間撹拌した。反応を氷水の添加によりクエンチし、反応混合液をクロロホルムにて抽出し、有機層を氷水およびブラインで洗浄した。硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製すると、目的化合物(33 mg, 80%)を得た。
薄黄色針状物, mp 219-220℃ (33 mg, 80%収率). rf (hexane/EtOAc = 4/1) = 0.20.
1H-NMR (CDCl3): 1.68 (3H, d, J = 6.5 Hz), 1.98 (1H, d, J = 7.5 Hz), 4.11 (3H, s), 4.93 (1H, dt, J = 6.5, 7.5 Hz), 6.65 (1H, s), 7.17 (1H, dd, J = 1.0, 8.5 Hz), 7.53 (1H, dd, J = 7.5, 8.5 Hz), 7.63 (1H, dd, J = 1.0, 7.5 Hz).
13C-NMR (CDCl3): 22.1, 33.4, 62.0, 105.1, 115.4, 119.2, 124.1, 126.8, 131.8, 134.3, 135.4, 145.4, 162.0, 175.7, 186.7.
IR (KBr): 3530, 1630, 1458, 1374, 1352, 1219, 1080.
LRMS (ESI) m/z: 270 [M-H]-. HRMS (ESI) m/z: [M-H]- [C15H13NO4]-計算値270.0766; 実測値270.0757.
【0074】
実施例19
(S)−5−ヒドロキシ−2−(1−ヒドロキシエチル)−1H−ベンゾ[f]インドール−4,9−ジオンの製造
【化34】

酸化銅(I)(和光純薬工業(株), 48 mg, 0.34 mmol)および(S)−(−)−3−ブチン−2−オール(東京化成工業(株), 266μl, 3.38 mmol)のDMF(12 ml)およびピリジン(5 ml)溶液を室温にて2時間撹拌した。この反応混合液に3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロン(100 mg, 0.34 mmol)、および酢酸パラジウム(東京化成工業(株), 2.3 mg, 3 mol%)のDMF(14 ml)溶液を加え、一晩撹拌した。反応を氷水の添加によりクエンチし、反応混合液をクロロホルムにて抽出した。有機層を氷水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物のNMP(20 ml)溶液に28%アンモニア水(和光純薬工業(株), 208μl, 2.57 mmol)を添加し、80℃にて1時間撹拌した後、無水炭酸カリウム(和光純薬工業(株), 35 mg, 0.26 mmol)を添加し、80℃にて30分間撹拌した。反応液にさらに無水炭酸カリウム(和光純薬工業(株), 248 mg, 1.80 mmol)を添加し、100℃にて3時間撹拌した。反応液をクロロホルムにて抽出し、有機層を3M塩酸、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=2/1)にて精製すると、黄色固体として(S)−5−ヒドロキシ−2−(1−ヒドロキシエチル)−1H−ベンゾ[f]インドール−4,9−ジオン(20 mg, 23%)を得た。
1H-NMR (CDCl3): δ1.64 (d, 3H, J = 6.5Hz), 5.08 (m, 1H), 6.58 (dd, 1H, J = 0.8, 2.3Hz), 7.21 (dd, 1H, J = 1.2, 8.3Hz), 7.54 (dd, 1H, J = 7.5, 8.3Hz), 7.68 (dd, 1H, J = 1.2, 7.5Hz) 12.63 (s, 1H).
IR(KBr): 3575, 1623, 1458, 1377, 1254, 1204, 1099, 1034, 764.
LRMS (ESI) m/z: 256 [M-H]-. HRMS (ESI) m/z: [M-H]- [C14H10NO4]- 計算値256.0610; 実測値256.0604.
【0075】
実施例20
2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]チオフェン−4,9−ジオンの製造1
【化35】

酸化銅(I)(和光純薬工業(株), 24 mg, 0.167 mmol)および3−ブチン−2−オール(東京化成工業(株), 133μl, 1.69 mmol)のDMF(6 ml)およびピリジン(2.5 ml)溶液を室温にて2時間撹拌した。この反応混合液に3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロン(50 mg, 0.167 mmol)、および酢酸パラジウム(東京化成工業(株), 1.1 mg, 3 mol%)のDMF(7 ml)溶液を加え、一晩撹拌した。反応を氷水の添加によりクエンチし、反応混合液をクロロホルムにて抽出した。有機層を氷水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧濃縮し、粗生成物を得た。この粗生成物のメタノール(8 ml)および蒸留水(100μl)溶液に硫化ナトリウム(無水)(和光純薬工業(株), 26 mg, 0.334 mmol)を添加し、室温にて一晩撹拌した。反応液を塩化アンモニウム水溶液にてクエンチし、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)にて精製すると、黄色固体として2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]チオフェン−4,9−ジオン(21 mg, 46%)を得た。
薄黄色針状物, mp >193℃ (dec.). rf (CH2Cl2 only) = 0.20.
[α]25D -18.0 (c 0.15, CH3OH), >99% ee (HPLC, Daicel Chiralpak AD-H, hexane/i-PrOH = 9/1, 1.0 mL/min, 254 nm, minor 23.4 min and major 27.7 min).
1H-NMR (CDCl3): 1.67 (3H, d, J = 7.0 Hz), 2.27 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.22 (1H, dt, J = 4.5, 7.0 Hz), 7.27 (1H, dd, J = 1.0, 7.5 Hz), 7.50 (1H, s), 7.62 (1H, dd, J = 7.5, 8.5 Hz), 7.76 (1H, dd, J = 1.0, 7.5 Hz).
13C-NMR (DMSO): 25.9, 65.2, 116.0, 119.7, 121.1, 124.9, 134.0, 137.1, 142.7, 143.2, 162.1, 164.6, 177.3, 185.2.
IR (KBr): 3275, 3187, 1649, 1632, 1451, 1288, 831, 752, 702.
LRMS (ESI) m/z: 273 [M-H]-. HRMS (ESI) m/z: [M-H]- [C14H9O4S]-計算値273.0222; 実測値273.0216.
1H-NMR (CDCl3/MeOD): δ 1.64 (d, 1H, J = 6.5Hz), 5.16 (q, 1H, J = 6.5Hz), 7.27 (dd, 1H, J = 0.94, 8.4Hz), 7.49 (s, 1H), 7.62 (dd, 1H, J = 7.5, 8.4Hz), 7.76 (dd, 1H, J = 0.94, 7.5Hz), 12.34 (s, 1H).
【0076】
実施例21〜32
当分野における通常の方法に従い、実施例20を適宜改変して、以下の実施例21〜32の化合物を製造する。
【表3】

表中、*は不斉炭素を示す。
【0077】
実施例33
【化36】

2,5−ジヒドロキシ−3−ヨードナフタレン−1,4−ジオン(30 mg, 0.095 mmol)のピリジン(3.5 ml)溶液に酸化銅(I)(13.5 mg, 0.095 mmol)、3−ブチン−2−オール(75μl, 0.949 mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2 mg, 3 mol%)を添加し、反応温度を80℃にて30分間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、反応を2M塩酸の添加によりクエンチし、反応液をクロロホルムにて抽出した。有機層を氷水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)により精製すると、黄色固体として2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(17.2 mg, 70%)を得た。
1H-NMR (CDCl3): δ1.66 (d, 3H, J = 6.6Hz), 2.23 (d, 1H, J = 5.3Hz), 5.05 (m, 1H), 6.85 (d, 1H, J = 0.7Hz), 7.28 (dd, 1H, J = 1.2, 8.5Hz), 7.62 (dd, 1H, J = 7.6, 8.5Hz), 7.76 (dd, 1H, J = 1.2, 7.6Hz) 12.18 (s, 1H).
13C-NMR (CDCl3): 21.5, 63.8, 103.4, 115.2, 120.0, 125.3, 131.0, 132.7, 136.3, 152.1, 162.3, 165.4, 172.7, 186.5.
【0078】
NQ801の製造
【化37】

【0079】
実施例34
実施例1で得られた化合物(30 mg, 0.105 mmol)の蒸留水(20 ml)およびブタノール(10 ml)溶液を120℃にて一晩撹拌し、反応液を室温まで冷却後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)により精製すると、2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(16.4 mg, 61%)を得た。
【0080】
実施例35
実施例1で得られた化合物(30 mg, 0.105 mmol)の蒸留水(20 ml)およびエタノール(10 ml)溶液を100℃にて5時間撹拌し、反応液を室温まで冷却後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)により精製すると、2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(14.8 mg, 55%)を得た。
【0081】
実施例36
実施例1で得られた化合物(30 mg, 0.105 mmol)の蒸留水(20 ml)およびアセトニトリル(10 ml)溶液を100℃にて一晩撹拌し、反応液を室温まで冷却後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)により精製すると、2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(11 mg, 41%)を得た。
【0082】
実施例37
実施例1で得られた化合物(30 mg, 0.105 mmol)の蒸留水(20 ml)およびアセトン(10 ml)溶液を100℃にて一晩撹拌し、反応液を室温まで冷却後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして溶媒を減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=6/1)により精製すると、2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオン(10 mg, 37%)を得た。
【0083】
比較例1
【化38】

非特許文献4記載の方法に従い、カップリング反応を試みた。ヨウ化銅(和光純薬工業(株), 30 mg, 0.16 mmol)および3−ブチン−2−オール(東京化成工業(株), 11μl, 0.15 mmol)のDMSO(500μl)およびクロロホルム(350μl)溶液にトリエチルアミン(東京化成工業(株), 18μl, 0.13 mmol)、3−ブロモ−2−ジメチルアミノユグロン(30 mg, 0.1 mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(東京化成工業(株), 300μg, 0.43 mol%)を添加し、一晩撹拌したが、目的生成物は得られなかった。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、従来法と比較して反応工程数が軽減した三環式化合物の新規かつ選択的な製法を提供し、三環式化合物の選択的製造に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(Ia)または(Ib):
【化1】

[式中、
は水素原子;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC1−6アルキル;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC5−10アリール;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよい5〜10員の飽和または不飽和ヘテロ環;CHO;CONH;ヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいC1−6アルキルカルボニル;およびヒドロキシ、C1−6アルコキシまたはアミノで置換されていてもよいCOC5−10アリールからなる群から選択され;
WはO、SまたはNRであり;
は水素原子;ニトロ、スルホ、シアノ、アセチルまたはC5−10アリールで置換されていてもよいC1−6アルキル;COC1−6アルキル;およびニトロ、スルホ、シアノまたはアセチルで置換されていてもよいCOC5−10アリールからなる群から選択される]
で示される化合物の製造方法であって、式(II):
【化2】

[式中、Rは前記のとおりである]
で示される化合物と式(III)または(IV):
【化3】

[式中、
は前記のとおりであり;
は水素原子;ニトロ、スルホ、シアノ、アセチルまたはC5−10アリールで置換されていてもよいC1−6アルキル;COC1−6アルキル;およびニトロ、スルホ、シアノまたはアセチルで置換されていてもよいCOC5−10アリールからなる群から選択され;
Xは塩素、臭素およびヨウ素からなる群から選択されるハロゲン原子;またはOSOCFである]
で示される化合物とを塩基、銅触媒およびパラジウム触媒の存在下、非プロトン性極性溶媒中にて反応させる工程(a)を含む、方法。
【請求項2】
工程(a)で用いられる銅触媒が酸化銅(I)である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
がヒドロキシで置換されているC1−6アルキルである、請求項2記載の方法。
【請求項4】
さらに工程(a)で式(III)で示される化合物を用いた場合において得られる式(V):
【化4】

[式中、各記号は請求項1に定義されるとおりである]
で示される化合物を環化する工程(b)を含む、請求項1〜3のいずれか記載の方法。
【請求項5】
パラジウム触媒が式(III)または(IV)の化合物に対して5mol%未満のパラジウム触媒である、請求項1〜4のいずれか記載の式(Ia):
【化5】

[式中、各記号は請求項1に定義されるとおりである]
で示される化合物の製造方法。
【請求項6】
パラジウム触媒が式(III)または(IV)の化合物に対して5mol%以上のパラジウム触媒である、請求項1〜4のいずれか記載の式(Ib):
【化6】

[式中、各記号は請求項1に定義されるとおりである]
で示される化合物の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか記載の方法で得られる、式(Ia):
【化7】

[式中、各記号は請求項1に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【請求項8】
請求項1〜4または6のいずれか記載の方法で得られる、式(Ib):
【化8】

[式中、各記号は請求項1に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【請求項9】
式(III):
【化9】

[式中、各記号は請求項1に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【請求項10】
式(IV):
【化10】

[式中、各記号は請求項1に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【請求項11】
式(V):
【化11】

[式中、各記号は請求項1に定義されるとおりである]
で示される化合物。
【請求項12】
工程(a)で用いられる塩基および非プロトン性極性溶媒がいずれもピリジンである、請求項1〜6のいずれか記載の方法。

【公開番号】特開2012−92083(P2012−92083A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50363(P2011−50363)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(592198736)タヒボジャパン株式会社 (4)
【Fターム(参考)】