説明

アルキンズII

本発明は、式(I)の新規な化合物、それらの製造方法、それらの使用、および該新規な化合物を含む医薬組成物に関する。該新規な化合物は、療法において、具体的には、胃食道逆流性疾患(GERD)の処置に有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な化合物、それらの製造方法、療法におけるそれらの使用、およびそれら新規な化合物を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
代謝共役型グルタミン酸受容体(mGluR)は、中枢神経系(CNS)における多数のシナプスの調節および活性に関与しているGタンパク質に共役した受容体である。8種類の代謝共役型グルタミン酸受容体サブタイプが識別されており、配列類似性に基づいて3群に再分される。I群は、mGluR1およびmGluR5から成る。これら受容体は、ホスホリパーゼCを活性化し、ニューロン興奮性を増加させる。mGluR2およびmGluR3から成るII群、並びにmGluR4、mGluR6、mGluR7およびmGluR8から成るIII群は、アデニリルシクラーゼ活性を阻害することができ、シナプス伝達を減少させる。それら受容体のいくつかは、更に、選択的スプライシングによって生じる種々のイソフォーム(isoform)で存在する(Chen, C-Y et al., Journal of Physiology (2002), 538.3, pp. 773-786; Pin, J-P et al., European Journal of Pharmacology (1999), 375, pp. 277-294; Brauner-Osborne, H et al. Journal of Medicinal Chemistry (2000), 43, pp. 2609-2645; Schoepp, D.D, Jane D.E. Monn J.A. Neuropharmacology (1999), 38, pp. 1431-1476)。
【0003】
下部食道括約筋(low esophageal sphincter:LES)は、間欠的に弛緩する傾向がある。結果として、以下、「逆流」と称するイベントであるこのような時に、機械的障壁が一時的に失われるので、胃液が食道に入ることがありうる。
【0004】
胃食道逆流性疾患(Gastro-esophageal reflux disease:GERD)は、最も一般的な上部胃腸管疾患である。現行の薬物療法は、胃酸分泌を減少させることまたは食道内の酸を中和することを目指している。逆流の裏にある主な機構は、低緊張性下部食道括約筋に依存すると考えられた。しかしながら、例えば、Holloway & Dent (1990) Gastroenterol. Clin. N. Amer. 19, pp. 517-535 は、大部分の逆流エピソードが、一過性下部食道括約筋弛緩(TLESR)、すなわち、嚥下によって引き起こされるのではない弛緩の際に起こるということを示した。更に、胃酸分泌は、通常、GERDの患者においては正常であるということを示した。
【0005】
本発明の基礎にある課題は、GERDの処置に有用な新しい化合物を発見することであった。
WO01/16121 A1号は、化合物A−L−B
[式中、Aは、5員、6員または7員の複素環
【0006】
【化1】

【0007】
であり;
Lは、アルケニレン、アルキニレンまたはアゾであり;そして
Bは、ヒドロカルビル;シクロヒドロカルビル;複素環(1個またはそれを超える二重結合を含有してよい);またはアリールである]
を開示している。これら化合物は、特に、大脳虚血、慢性神経変性、精神障害、癲癇、および肺系の疾患並びに心臓血管系の疾患に有用であると記載された。
【0008】
WO99/02497 A2号は、式
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、Xは、ビシナル不飽和炭素原子によって結合したアルケニレンまたはアルキニレン、またはアゾ基であってよく;そしてRは、芳香族基またはヘテロ芳香族基であってよい)
を有する化合物を開示している。これら化合物は、特に、癲癇、大脳虚血およびアルツハイマー病に有用であると記載された。
【発明の開示】
【0011】
発明の概説
本発明は、一般式I:
【0012】
【化3】

【0013】
(式中、Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールより選択され、ここにおいて、そのアリールまたはヘテロアリールは、C−Cアルキルで置換されていてよく;
は、水素およびC−Cアルキルより選択され;
は、水素、C−Cアルキル、F、CF、CHFおよびCHFより選択され;
は、水素、F、CF、CHF、CHFおよびCHより選択され;
は、水素およびFより選択され;
は、水素およびFより選択され;
Qは、S、NHまたはNCHであって、C−Cアルキルで置換されていてもよいものであり;
は、水素;ハロゲン;ニトリル;C−Cアルコキシ;C−Cアルキルであって、そのアルキル基の一つまたはそれを超える水素原子が、フッ素原子へと置換されていてもよいもの;ベンジルオキシ;メタ位またはパラ位にあるニトロ;およびC−Cアルキルエステルより選択され;
は、水素;ハロゲン;ニトリル;C−Cアルコキシ;C−Cアルキルであって、そのアルキル基の一つまたはそれを超える水素原子が、フッ素原子へと置換されていてもよいもの;およびC−Cアルキルエステルより選択され;
は、水素;ハロゲン;ニトリル;C−Cアルコキシ;C−Cアルキルであって、そのアルキル基の一つまたはそれを超える水素原子が、フッ素原子へと置換されていてもよいもの;およびC−Cアルキルエステルより選択され;または
およびYは、芳香環または非芳香環であって、ハロゲン;ニトリル;C−Cアルコキシ;C−Cアルキルであって、そのアルキル基の一つまたはそれを超える水素原子が、フッ素原子へと置換されていてもよいもの;ベンジルオキシ;またはC−Cアルキルエステルで置換されていてもよい環を形成してよい)
による新規な化合物;並びに
それらの薬学的に許容しうる塩、水和物、イソフォームおよび/または光学異性体に関する。
【0014】
式Iの定義に用いられる包括的用語は、次の意味を有する。
ハロゲンは、クロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードである。
−Cアルキルは、1個、2個、3個または4個の炭素原子を各々独立して含有する直鎖または分岐状のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチルまたはイソプロピルである。一つの態様において、それらアルキル基は、O、NおよびSより選択される1個またはそれを超えるヘテロ原子を含有してよい。このような基の例は、メチルエチルエーテル、メチルエチルアミンおよびメチルチオメチルである。
【0015】
シクロアルキルは、3個、4個、5個または6個の炭素原子を各々独立して含有する環状アルキルであって、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどである。
【0016】
−Cアルコキシは、1個、2個、3個または4個の炭素原子を含有するアルコキシ基であって、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシまたはイソプロポキシなどである。
【0017】
本明細書中で用いられるアリールという用語は、単環および多環式化合物双方を含めた、6〜14個の炭素原子を含む芳香環であって、フェニル、ベンジルまたはナフチルなどを意味する。
【0018】
本明細書中で用いられるヘテロアリールという用語は、単環およびイミダゾピリジンなどの多環式化合物双方を含めた、5〜14個の炭素原子を含む芳香環であって、フラニルまたはチオフェニルのような、1個または数個の環原子が、酸素か、窒素かまたは硫黄であるものを意味する。
【0019】
本発明の範囲内には、更に、式Iの化合物の薬学的に許容しうる塩、並びにそれらの異性体、水和物およびイソフォームがある。
式Iの化合物の薬学的に許容しうる塩も、本発明の範囲内である。このような塩は、例えば、塩酸などの鉱酸で形成される塩;ナトリウム塩またはカリウム塩のようなアルカリ金属塩;またはカルシウム塩またはマグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩である。
【0020】
本発明による新規な化合物は、療法において有用である。本発明の一つの側面において、それら化合物は、一過性下部食道括約筋弛緩(transient lower esophageal sphincter relaxation:TLESR)の阻害に有用であり、したがって、胃食道逆流性障害(gastro-esophageal reflux disorder:GERD)の処置または予防に有用である。更に別の態様において、本発明による化合物は、逆流の予防;吐き戻しの処置または予防;喘息の処置または予防;喉頭炎の処置または予防;肺疾患の処置または予防;および発育不全の管理に有用である。
【0021】
本発明のもう一つの側面は、一過性下部食道括約筋弛緩の阻害用の;GERDの処置または予防用の;逆流の予防用の;吐き戻しの処置または予防用の;喘息の処置または予防用の;喉頭炎の処置または予防用の;肺疾患の処置または予防用の;および発育不全の管理用の薬剤の製造のための、式Iによる化合物の使用である。
【0022】
本発明のもう一つの側面は、機能性消化不良(functional dyspepsia:FD)などの胃腸機能障害の処置または予防用の薬剤の製造のための、式Iによる化合物の使用である。本発明のなおもう一つの側面は、過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome:IBS)であって、便秘支配的IBS、下痢支配的IBSまたは交代性便通支配的IBSなどの処置または予防用の薬剤の製造のための、式Iによる化合物の使用である。
【0023】
本発明の更にもう一つの側面は、上述のいずれか一つの状態の処置方法であって、上の式Iによる化合物の薬学的有効量を、一つまたは複数のそれら状態に苦しむ対象に投与することによる方法である。
【0024】
本発明の一つの側面において、式Iの化合物は、急性および慢性の神経障害および精神障害、不安、および慢性および急性の疼痛障害の処置および/または予防に有用である。もう一つの側面において、それら化合物は、片頭痛に関係した疼痛;炎症性疼痛;糖尿病性ニューロパシーなどのニューロパシー性疼痛障害;関節炎およびリウマチ様疾患;腰痛症;術後性疼痛;および癌、アンギナ、腎疝痛または胆石疝痛、月経、片頭痛および痛風を含めたいろいろな状態に関連した疼痛の予防および/または処置に有用である。
【0025】
「異性体」という用語は、官能基の位置および/または配向が異なる式Iの化合物として本明細書中に定義される。「配向」により、立体異性体、ジアステレオ異性体、レギオ異性体および鏡像異性体を意味する。
【0026】
本明細書中で用いられる「イソフォーム」という用語は、結晶性化合物および非晶性化合物のような、結晶格子が異なる式Iの化合物として定義される。
一過性下部食道括約筋弛緩である「TLESR」という表現は、Mittal, R.K., Holloway, R.H., Penagini, R., Blackshaw, L.A., Dent, J., 1995; Transient lower esophageal sphincter relaxation. Gastroenterology 109, pp. 601-610 にしたがって本明細書中に定義される。
【0027】
「逆流(reflux)」という表現は、このような時に、機械的障壁が一時的に失われるので、胃液が食道に入ることが可能であると本明細書中に定義される。
胃食道逆流性疾患である「GERD」という表現は、van Heerwarden, M.A., Smout A.J.P.M., 2000; Diagnosis of reflux disease. Bailliere’s Clin. Gastroenterol. 14, pp. 759-774 にしたがって本明細書中に定義される。
【0028】
製造方法
最初に、トリエチルアミンなどの塩基の存在下における室温〜60℃でのアリールブロミドAおよびアルコールBの Sonogashira カップリング(Tetrahedron Letters 1975, 50, 4467, S. Thorand, N. Krause J. Org. Chem., 1998, 63, 8551-8553, M. Erdelyi, A. Gogoll, J. Org. Chem., 2001, 66, 4165-4169)が、アルコールCを生じ、次に、それを、トリエチルアミン中のメタンスルホニルクロリドで、約−20〜0℃においてメシラートDへと変換する。第一級アルコールのメシラートを単離し且つ特性決定し、同時に、第二級アルコールのメシラートを現場で生じさせる。最後に、それぞれのメシラートを、第一級または第二級アミンまたはチオール求核試薬と反応させて、生成物(I)を生じる(スキーム1)。
【0029】
【化4】

【0030】
所望のR/R基を含むアルコールBが、商業的に入手不能である場合、生成物(I)を、別の経路によって形成させる(スキーム2)。最初に、アリールブロミドAを、Sonogashira カップリングによって、トリエチルアミン中において60℃でエチニル(トリメチル)シランFとカップリングさせて、生成物Gを生じる。メタノール中の炭酸カリウムまたはメタノール/DCMでの室温におけるGの脱保護は、末端アルキンHを生じ、それを、THF中のリチウムヘキサメチルジシラジドまたはリチウムビス(トリメチルシリル)アミドで−78℃において脱プロトンする。−78℃において、アルデヒドまたはケトンを加え、反応混合物を室温に達しさせ、その温度で適当な時間保持して、アルコールIを形成させる。Iを単離したら、メタンスルホニルクロリドおよびトリエチルアミンで、室温においてかまたは冷却しながら、メシラートJを現場で形成させる。次に、アミンを加え、反応混合物を室温で適当な時間撹拌して、生成物(I)を形成させる。
【0031】
【化5】

【0032】
上のスキーム1およびスキーム2において、R、R、R、R、R、R、Y、YおよびYは、上の式Iの化合物の場合のように定義される。
実験の詳細
DCMは、3Åモレキュラーシーブ上で乾燥させる。THFは、Na/ベンゾフェノンから使用直前に蒸留した。全ての反応を、窒素雰囲気下で行う。ガラス器具は全て、150℃で、使用直前に少なくとも2時間乾燥させる。International Sorbent Technology(IST)よりの相分離器を用いる。クロマトグラフィーによる精製は、シリカゲル60(0.040〜0.063mm)で行うかまたは、C8カラムでの逆相クロマトグラフィーによる。NMRスペクトルは全て、δ−クロロホルム中で測定する。
【0033】
2−ブロモ−6−メチルピリジンは、Aldrich より商業的に入手可能であり、(PPhPdClは、Avacado より、Pd(OAc)は、Aldrich より、そしてCuIは、Fluka より商業的に入手可能である。それ以外に述べられていないとしても、用いられる化学薬品は商業的に入手可能であるし、更に精製することなく、そのままで用いられる。
【0034】
医薬製剤
臨床使用のために、式Iの化合物を、本発明によって好適に製剤化して、経口投与用の医薬製剤にする。直腸、非経口またはいずれか他の投与経路も、製剤業者に考慮されることがありうる。したがって、式Iの化合物を、少なくとも一つの薬学的におよび薬理学的に許容しうる担体またはアジュバントと一緒に製剤化する。その担体は、固体、半固体または液体の希釈剤の形であってよい。
【0035】
本発明による経口医薬製剤の製造において、製剤化される式Iの化合物を、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体、ゼラチンなどの固体粉末成分または別の適する成分と、更には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリルフマル酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールワックスなどの崩壊剤および滑沢剤と混合する。次に、その混合物を加工して顆粒剤にする、または圧縮して錠剤にする。
【0036】
ゼラチン軟カプセル剤は、本発明の一つまたは複数の活性化合物、植物油、脂肪、またはゼラチン軟カプセル剤に適する他のビヒクルの混合物を含有するカプセルで製造することができる。ゼラチン硬カプセル剤は、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、バレイショデンプン、トウモロコシデンプン、アミロペクチン、セルロース誘導体またはゼラチンなどの固体粉末成分との組合せで活性化合物を含有することができる。
【0037】
直腸投与用の投薬単位は、(i)中性脂肪基剤と混合された一つまたは複数の活性物質を含有する坐剤の形で;(ii)植物油、パラフィン油、または直腸用ゼラチンカプセル剤に適する他のビヒクルとの混合物で活性物質を含有する直腸用ゼラチンカプセル剤の形で;(iii)既製の微小浣腸剤の形で;または(iv)投与直前に適する溶媒中で再構成される乾燥微小浣腸製剤の形で製造することができる。
【0038】
経口投与用の液状製剤は、シロップ剤または懸濁剤の形で、例えば、活性化合物を含有し且つその製剤の残部が、糖または糖アルコール、およびエタノール、水、グリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコールの混合物から成る溶液または懸濁液の形で製造することができる。所望ならば、このような液状製剤は、着色剤、着香剤、サッカリンおよびカルボキシメチルセルロースまたは他の増粘剤を含有してよい。経口投与用の液状製剤は、使用前に適する溶媒で再構成される乾燥粉末の形で製造することもできる。
【0039】
非経口投与用の液剤は、薬学的に許容しうる溶媒中の本発明の化合物の溶液として製造することができる。これら液剤は、安定化用成分および/または緩衝化用成分を含有してもよく、アンプルまたはバイアルの形の単位用量へと調剤される。非経口投与用の液剤は、使用前に即座に、適する溶媒で再構成される乾燥製剤として製造することもできる。
【0040】
本発明の一つの側面において、式Iの化合物は、患者の状態の重症度に依存して、1日1回または2回投与することができる。
式Iの化合物の典型的な1日用量は、処置される対象の体重kg当たり0.1〜10mgであるが、これは、投与経路、患者の年齢および体重、並びに患者の状態の重症度などのいろいろな因子に依存するであろう。
【実施例】
【0041】
方法G
実施例1
3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−オール(化合物16)の製造:
【0042】
【化6】

【0043】
2−ブロモ−6−メチルピリジン(1.72g,0.01mol)に、(PPhPdCl(0.116g,0.2mmol,0.02eq.)およびCuI(0.063g,0.3mmol,0.03eq.)を、窒素下において0℃で加えた後、プロプ−2−イン1−オール(2.24g,2.33mL,0.4mol,4.0eq.)およびトリエチルアミン(1.50mL)を加えた。その反応混合物を、室温に達しさせた後、60℃で3.5時間加熱した。次に、反応混合物を水(10mL)に加え、そのpHを、2M HClで6〜7に調整した。水相をDCM(3x10mL)で抽出し、合わせた有機相を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。これは、1.719gの粗生成物を生じた。これの1.098gを、シリカゲル上において最初に1:1、次に1:2、最後に1:3のペンタン/EtOAcを溶離剤としたフラッシュクロマトグラフィーに供した。これは、0.578gの生成物を生じた。
【0044】
13C NMR (75 MHz): 157.7, 141.1, 136.2, 123.7, 122.3, 88.4, 83.0, 49.9, 23.5.
方法H
実施例2
3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イルメタンスルホネート(化合物17)の製造:
【0045】
【化7】

【0046】
3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン1−オール(0.300g,2.04mmol)を、DCM(10mL)中に、窒素下で5〜10分間にわたって溶解させた。その溶液を−20℃に冷却した(冷却浴:アセトン+ドライアイス片)。トリエチルアミン(0.268g,0.37mL,0.27mmol,1.30eq.)を加えた。DCM(1.5mL)中のメタンスルホニルクロリド(0.280g,0.19mL,0.24mmol,1.2eq.)を、3分間にわたって加えた。反応混合物を−18〜−22℃で1時間撹拌し、その後、LC/MSだけが生成物を示した。水(10mL)を加えた。有機相を分離し、水相をDCM(3x10mL)で抽出した。有機相をプールし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させた。これは、0.450g(収率:98%)を黄色油状物として生じた。
【0047】
1H NMR (300 MHz): 7.61 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.31 (d, J =7.7 Hz,1H), 7.19 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 5.10 (s, 2H), 3.18 (s, 3H), 2.58 (s, 3H).
13C NMR (75 MHz): 158.9, 140.2, 136.8, 124.5, 123.8, 87.8, 80.7, 57.7, 38.9, 24.2.
方法I
実施例3
N−[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アニリン(化合物18)の製造:
【0048】
【化8】

【0049】
3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イルメタンスルホネート(0.044g,0.195mmol)を、トリエチルアミン(0.372g,0.270mL,10.0eq.)中のアニリン(0.182g,0.180mL,1.95mmol,10.0eq.)と一緒に、室温で1.5時間撹拌した。その後、LC/MSによれば、メシラートは残っていなかった。
【0050】
その混合物を蒸発させ、逆相カラムクロマトグラフィーによって精製した。収率:0.017g(40%)。
1H NMR (500 MHz): 7.50 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.28-7.16 (m,CDCl3 と重なる, 3H), 7.08 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.82-6.69 (m, 3H), 4.18 (s, 2H), 2.54 (s, 3H).
13C NMR (125 MHz): 158.6, 146.7, 141.9, 136.1, 129.0,124.0, 122.5, 118.3, 113.4, 86.0, 82.7, 34.4, 24.5.
実施例4
N−ベンジル−3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−アミン(化合物19)の製造:
上の方法Iにしたがって、ベンジルアミンを出発物質として製造する。
【0051】
【化9】

【0052】
収率:逆相クロマトグラフィー後に23%。
1H NMR (500 MHz): 7.54 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.38-7.32 (m, 4H), 7.29-7.23 (m, 2H), 7.09 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.68 (s, 2H), 2.56 (s, 3H), 1.80 (br, 2H, アセテート).
方法J
実施例5
N−メチル−N−[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アニリン(化合物20)の製造:
【0053】
【化10】

【0054】
3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イルメタンスルホネート(0.042g,0.19mmol)を、トリエチルアミン(0.20mL)中のN−メチルアニリン(0.040g,0.040mL,0.37mmol,2.0eq.)で、室温において21時間撹拌した。その後、LC/MSによれば、メシラートは残っていなかった。その混合物を蒸発させ、逆相カラムクロマトグラフィーによって精製した。収率:3.5mg(7%)。
【0055】
1H NMR (500 MHz): 7.48 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.29-7.25 (m, 2H), 7.16 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.91 (m, 2H), 6.81 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 4.30 (s, 2H), 3.05 (s, 3H), 2.53 (s, 3H), 1.68 (br, 3H, アセテート).
実施例6
(3−クロロフェニル)−[1−メチル−3−(6−メチルピリジン−2−イル)−プロパ−2−イニル]−アミンの製造
その化合物を、方法Mにしたがって、(RS)−4−(6−メチルピリジン−2−イル)ブタ−3−イン−2−オールおよび3−クロロアニリンを出発物質として用いて製造した。
【0056】
【化11】

【0057】
1H NMR (400 MHz): 7.48 (t, 1 H), 7.18-7.04 (m, 3 H), 6.71 (m, 2 H), 6.60 (m, 1 H), 4.43 (m, 1 H), 3.93 (br s, 1 H), 2.53 (s, 3 H), 1.61 (d, 3 H).
実施例7
(3−メチルフェニル)[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アミンの製造:
【0058】
【化12】

【0059】
ガラスバイアル中のm−トルイジン(0.054g,0.50mmol,2.5eq.)に、無水炭酸カルシウム(0.033g,0.024mmol,1.2eq.)およびアセトン(0.2mL)を加えた。次に、0.5mLのアセトン中のAの0.4M溶液(0.045g,0.20mmol)を加えた。そのバイアルを密封し、60℃で5時間加熱した。その反応物質を、Celite を介して濾過後、真空遠心分離した。精製は、逆相カラムクロマトグラフィーによって行った。収率:0.013g(28%)。
【0060】
1H NMR (500 MHz): 7.50 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.13-7.06 (m, 2H), 6.61 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.55-6.52 (m, 2H), 4.17 (s, 2H), 2.54 (s, 3H), 2.30 (s, 3H).
MS m/Z: 237 (M+1)
実施例8
(3−メトキシフェニル)[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アミンの製造:
【0061】
【化13】

【0062】
実施例6と同様であるが、3−メトキシアニリンを出発物質として製造する。収率:0.016g(31%)。
1H NMR (500 MHz): 7.51 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.14-7.07 (m, 2H), 6.34 (m, 2H), 6.27 (br t, J = 2.2 Hz, 1H), 4.16 (s, 2H), 3.78 (s, 3H), 2.54 (s, 3H).
13C NMR (75 Hz): 160.5, 158.6, 148.2, 141.9, 136.1, 129.8, 124.0, 122.5, 106.3, 103.6, 99.4, 85.9, 82.8, 55.1, 34.4, 24.5.
MS m/Z: 253 (M+1)
実施例9
(3−クロロフェニル)[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アミンの製造:
【0063】
【化14】

【0064】
実施例6と同様であるが、3−クロロアニリンを出発物質として製造する。収率:0.011g(21%)。
1H NMR (500 MHz): 7.51 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.20 (br d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.14-7.07 (m, 2H), 6.74 (br d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.69 (m, 1H), 6.58 (br d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.16 (s, 2H), 2.54 (s, 3H).
実施例10
[(3−フェニルプロプ−2−イン−1−イル)チオ]ベンゼンの製造
その化合物を、実施例15にしたがって、メタンスルホン酸3−ピリジン−2−イルプロパ−2−イニルエステルおよびチオフェノールを用いて製造した。
【0065】
【化15】

【0066】
1H NMR: 8.55 (m, 1H), 7.59 (m, 1H), 7.48 (m, 2H), 7.25 (m, 5H), 3.84 (s, 2H).
13C NMR: 150.1, 143.3, 136.3, 135.2, 130.6, 129.2, 127.4, 127.2, 123.0, 85.9, 83.1, 23.8
実施例11
3−ピリジン−2−イルプロプ−2−イン−1−オールの製造
3−ピリジン−2−イルプロプ−2−イン1−オールを、方法Gにしたがって、2−ブロモピリジンおよびプロプ−2−イン1−オールを出発物質として製造した。
【0067】
【化16】

【0068】
1H NMR (400 MHz, MeOH-d4): 8.48 (m, 1 H), 7.82 (dt, 1 H), 7.53 (m, 1 H), 7.38 (dd, 1 H), 4.42 (s, 2 H).
実施例12
メタンスルホン酸3−ピリジン−2−イル−プロプ−2−イニルエステルの製造
メタンスルホン酸3−ピリジン−2−イル−プロプ−2−イニルエステルを、方法Hにしたがって、3−ピリジン−2−イルプロプ−2−イン−1−オールを出発物質として製造した。
【0069】
【化17】

【0070】
実施例13
1−メトキシ−3−[(3−フェニルプロプ−2−イン−1−イル)チオ]ベンゼンの製造:
その化合物を、実施例15にしたがって、メタンスルホン酸3−ピリジン−2−イルプロパ−2−イニルエステルおよび3−メトキシチオフェノールを用いて製造した。
【0071】
【化18】

【0072】
1H NMR: 8.55 (m, 1H), 7.61 (t, 1H), 7.34 (d, 1H), 7.22 (m, 2H), 7.07 (m, 2H), 6.78 (m, 1H), 3.86 (s, 2H), 3.78 (s, 3H)
13C NMR: 160.1, 150.1, 143.2, 136.5, 136.3, 130.0, 127.4, 123.1, 122.5, 115.6, 113.2, 85.9, 83.1, 55.5, 23.6.
実施例14
2−{3−[(3−クロロフェニル)チオ]ブト−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジンの製造:
その化合物を、方法Mにしたがって、(RS)−4−(6−メチルピリジン−2−イル)ブタ−3−イン−2−オールおよび3−クロロチオフェノールを出発物質として用いて製造した。
【0073】
【化19】

【0074】
1H NMR: 7.59 (m, 1H), 7.47 (m, 2H), 7.26 (m, 2H), 7.14 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 4.14 (q, 1H), 2.53 (s, 3H), 1.62 (d, 3H).
13C NMR: 159.0, 142.4, 136.5, 136.0, 134.6, 131.2, 130.0, 128.2, 124.5, 122.9, 89.5, 83.8, 34.1, 24.7, 21.6.
実施例15
2−メチル−6−[3−(フェニルチオ)プロプ−1−イン−1−イル]ピリジン(化合物26)の製造:
【0075】
【化20】

【0076】
チオフェノール(0.019g,0.11mmol,1.50eq.)を、THF(0.5mL)中に、窒素下において0℃で溶解させた。トリエチルアミン(0.015g,2.0eq.)を加えた。その混合物を室温で5分間撹拌した。次に、THF(0.5mL)中の3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イルメタンスルホネート(0.017g,0.075mmol)を0℃で加えた。次に、その混合物を室温で1時間撹拌した。水(10mL)を加えた。次に、DCM(3x10mL)での抽出を行った。合わせた有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、蒸発させた。これは、0.023gの生成物を生じ、それを、逆相クロマトグラフィーによって精製した。選択され画分をプールした。水を加え、そしてMeCN−水相を、DCM(3x10mL)で抽出した。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発させた。これは、0.007g(収率:39%)を生じた。
【0077】
1H NMR (300 MHz): 7.53-7.45 (m, 3H), 7.36-7.20 (m, 3H), 7.14 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 3.86 (s, 2H), 2.53 (s, 3H).
13C NMR (75 MHz): 158.6, 142.1, 136.1, 134.9,130.2, 128.8, 126.8, 124.0, 122.5, 85.0, 83.0, 24.5, 23.7.
実施例16
2−{3−[(3−クロロフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン(化合物27)の製造:
実施例15にしたがって、3−クロロベンゼンチオールを出発物質として製造した。
【0078】
【化21】

【0079】
1H NMR (500 MHz): 7.46-7.41 (m, 2H), 7.29 (d t, J1 = 7.6 Hz, J2 = 1.4 Hz, 1H), 7.18 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 7.16-7.13 (m, 1H), 7.10 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.01 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 3.79 (s, 2H), 2.46 (s, 3H).
13C NMR (75 MHz): 158.8, 141.9, 137.0, 136.2, 134.5, 129.9, 129.7, 128.0, 127.0, 124.2, 122.7, 84.3, 83.4, 24.4, 23.3.
実施例17
2−{3−[(3−メトキシフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン(化合物28)の製造:
実施例15にしたがって、3−メトキシベンゼンチオールを出発物質として製造した。
【0080】
【化22】

【0081】
1H NMR (500 MHz): 7.50 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 2.27-7.21 (m, 1H), 7.17 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.09-7.05 (m, 3H), 6.79 (d d, J1 = 8.4 Hz, J2 = 2.3 Hz, 1H), 3.86 (s, 2H), 3.80 (s, 3H), 2.53 (s, 3H).
実施例18
2−メチル−6−{3−[(3−メチルフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}ピリジン(化合物29)の製造:
実施例15にしたがって、3−メチルベンゼンチオールを出発物質として製造した。
【0082】
【化23】

【0083】
1H NMR (300 MHz): 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.28-7.04 (m, 4H), 7.02-6.95 (m, 2H), 3.77 (s, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.26 (s, 3H).
13C NMR (75 MHz): 158.6, 142.1, 138.5, 136.1, 134.6, 130.9, 128.6, 127.7, 127.2, 124.0, 122.4, 85.1, 83.0, 24.5, 23.7, 21.3.
方法L
実施例19
(RS)−4−(6−メチルピリジン−2−イル)ブト−3−イン−2−オール(化合物30)の製造:
【0084】
【化24】

【0085】
2−ブロモ−6−メチルピリジン(0.258g,1.5mmol)を、ブト−3−イン−2−オール(0.116g,1.65mmol,1.1eq.)および(PPhPdCl(0.032g,0.045mmol,0.03eq.)と混合した。0℃において、トリエチルアミン(0.61g,0.84mL,6.0mmol,4.0eq.)を加えた。その混合物を0℃で10分間撹拌し、CuI(0.006g,0.03mmol,0.02eq.)を加えた。混合物を室温に達しさせ、最後に、60℃で4時間加熱した。
【0086】
リン酸緩衝液(10mL,0.2M,pH 7)を加え、そして水相を、相分離器を用いることによってDCM(3x10mL)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。これは、0.286gの粗生成物を生じた。
【0087】
Si上においてペンタン/EtOAc画分(最初に1:1、次に3:2、そして最後に1:2)を溶離剤としたフラッシュクロマトグラフィー後、0.163g(収率:67%)の純粋な生成物を、黄色油状物として単離した。
【0088】
TLC:R(1:1のペンタン/EtOAc)=0.20。
1H NMR (300 MHz): 7.40 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.96 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.90 (b, 1H), 4.76 (q, J = 6.8 Hz, 1H), 2.43 (s, 3H), 1.49 (d, J = 6.7 Hz, 3H).
13C NMR (75 MHz): 158.2, 141.7, 136.2, 123.9, 122.4, 91.7, 82.3, 57.6, 23.9, 23.8.
方法M
実施例20
(RS)−2−{3−[(3−メトキシフェニル)チオ]ブト−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン(化合物31)の製造:
【0089】
【化25】

【0090】
(RS)−4−(6−メチルピリジン−2−イル)ブト−3−イン−2−オール(0.020g,0.12mmol)を、DCM(2mL)中に溶解させ、−20℃に冷却した。トリエチルアミン(0.015g,0.021mL,0.15mmol,1.20eq.)を加えた後、DCM(1mL)中のメタンスルホニルクロリド(0.015g,0.010mL,0.13mmol,1.1eq.)を加えた。反応混合物をその温度で1時間撹拌した後、水(3x5mL)での抽出によって処理後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。DCM(3〜5mL)をすすぎ洗浄に用いて濾過後、その溶液を、僅かに濃縮して3mL容量とした後、−20℃に再冷却した。NEt(1mL)を加えた後、DCM(0.5mL)中の3−メトキシベンゼンチオール(0.019g,0.017mL,1.10eq.)を加えた。その混合物を、4時間にわたって室温に達しさせた。撹拌を室温で更に20時間続けた。その時点で、反応混合物を蒸発させた。Siプレート上、4:1のヘプタン/EtOAc中の分取クロマトグラフィー(R=0.22)は、0.006gの純粋な生成物を生じた。
【0091】
1H NMR (300 MHz): 7.49 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.28-7.20 (m, 2H), 7.18-7.11 (m, 2H), 7.06 (d, J =7.8 Hz, 1H), 6.87-6.81 (m, 1H), 4.14 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 3.78 (s, 3H), 2.53 (s, 3H), 1.63 (d, J = 7.1 Hz, 3H).
13C NMR (75 MHz): 159.4, 158.5, 142.2, 136.0, 134.7, 129.4, 125.0, 124.1, 122.3, 117.8, 113.9, 89.7, 83.1, 55.2, 33.8, 24.5, 21.5.
実施例21
2−メチル−6−[(トリメチルシリル)エチニル]ピリジン(化合物32)の製造:
【0092】
【化26】

【0093】
6−ブロモ−2−メチルピリジン(0.516g,3.0mmol)エチニル(トリメチル)シランを、エチニル(トリメチル)シラン(0.324g,3.3mmol,1.10eq.)および(PPhPdCl(0.063g,0.09mmol,0.03eq.)と混合し、そしてトリエチルアミン(1.21g,1.67mL,12.0mmol,4.0eq.)を0℃で加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌後、CuI(0.017g,0.09mmol,0.03eq.)を加えた。その混合物を、15分間にわたって室温に達しさせた。混合物を室温で15分間撹拌後、60℃に加熱した。加熱を2時間維持し、そして最後に、反応混合物を室温で16時間放置した。リン酸緩衝液(5mL,0.2M,pH7)を加えた。相分離器の使用により、DCM(3x5mL)で抽出した。有機相を一緒にし、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。これは、0.623gを生じた。
【0094】
Siゲル上においてヘプタン中の5%、後に10%のEtOAcで溶離することによるフラッシュクロマトグラフィーを行った。0.320gの純粋な物質を単離した。(収率:56%)。
【0095】
TLC:R(2:1のヘプタン/EtOAc)=0.56。
1H NMR (300 MHz): 7.37 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.93 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 2.40 (s, 3H), 0.14 (s, 9H).
13C NMR (75 MHz): 158.2, 141.8, 135.7, 124.0, 122.3, 103.5, 93.6, 24.2, -0.51.
実施例22
2−エチニル−6−メチルピリジン(化合物33)の製造:
【0096】
【化27】

【0097】
2−メチル−6−[(トリメチルシリル)エチニル]ピリジン(1.67g,8.82mmol)を、MeOH(10mL)およびDCM(20mL)中に溶解させ、そして無水炭酸カリウム(3.66g,26.5mmol,3.0eq.)を室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌後、真空中で濃縮した。次に、その物質を、10gのSiプラグを介して、DCMですすぎ洗浄しながら通過させた。これは、1.0g(収率:97%)の純粋な生成物を生じた。
【0098】
1H NMR (400 MHz): 7.55 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.31 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 3.13 (s, 1H), 2.56 (s, 3H).
実施例23
4−メチル−1−(6−メチルピリジン−2−イル)ペント−1−イン−3−オールの製造:
【0099】
【化28】

【0100】
2−エチニル−6−メチルピリジン(0.040g,0.34mmol)を、THF(2.5mL)中に溶解させ、その溶液を−78℃に冷却した。リチウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.69mLのTHF中1.0M溶液,2.0eq.)を加え、溶液をその温度で0.5時間撹拌後、2−メチルプロパナール(0.050g,0.063mL,0.69mmol,2.0eq.)を加えた。その後、反応混合物の温度を室温に達しさせ、そしてその温度で0.5時間撹拌後、混合物を、5gのSCXカラムを介して、THFおよびMeOHでそれぞれ溶離しながら通過させた。化合物を溶離するために、最後に、MeOH中の飽和アンモニア溶液でカラムを溶離した。これは、0.080gの粗生成物を生じ、それを、更に精製することなく、化合物35(下を参照されたい)の製造に用いた。
【0101】
1H NMR (400 MHz): 7.48 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.19 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.38 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 2.50 (s, 3H), 1.96 (m, 1H), 1.05 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.02 (d, J = 6.8 Hz, 3H).
13C NMR (100 MHz): 158.5, 142.0, 136.3, 124.1, 122.5, 89.6, 84.3, 67.5, 34.3, 24.1, 18.1, 17.7.
実施例24
2−[3−(3−クロロフェニル)−4−メチルペント−1−イン−1−イル]−6−メチルピリジンの製造:
【0102】
【化29】

【0103】
4−メチル−1−(6−メチルピリジン−2−イル)ペント−1−イン3−オール(0.080gの粗生成物,0.34mmol)を、DCM(2.5mL)中に溶解させ、トリエチルアミン(0.73g,0.099mL,0.72mmol,2.1eq.)を加えた。メタンスルホニルクロリド(0.63g,0.43mL,0.55mmol,1.6eq.)を、室温で滴加した。室温での撹拌を3時間続けた。反応混合物を蒸発させた。その粗生成物を、DCM(2.5mL)およびNEt(0.70g,0.095mL,0.69mmol,2.0eq.)中に溶解させた後、3−クロロベンゼンチオール(0.10g,0.69mmol,2.0eq.)を室温で加えた。
【0104】
反応混合物を室温で16時間撹拌した。1M炭酸カリウム水溶液(25mL)を加え、水相をDCM(3x25mL)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。Siゲル上のフラッシュクロマトグラフィー(溶離剤:100:0〜80:20のヘプタン/AcOEt勾配)は、0.005gの生成物を生じた。(収率:4%)。
【0105】
1H NMR (400 MHz): 7.56 (m, 1H), 7.50 (t, J = 7.8, 1H), 7.46-7.40 (m, 1H), 7.26-7.22 (m, 2H), 7.16 (d, J = 7.8, 1H), 7.08 (d, J = 7.8, 1H), 3.97 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 2.54 (s, 3H), 2.13 (m, 1H), 1.21 (d, J = 6.6 Hz, 3H), 1.19 (d, J = 6.6 Hz, 3H).
実施例24
2−{3−[(3,4−ジメチルフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジンの製造:
【0106】
【化30】

【0107】
ガラスバイアル中の3,4−ジメチルベンゼンチオール(0.041g,0.30mmol)に、0.5mLのジクロロメタン中0.6Mの3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イルメタンスルホネート溶液(0.068g,0.30mmol,1.0eq.)を加えた後、トリエチルアミン(0.304g,0.418mL,3.0mmol,10.0eq.)を加えた。バイアルを密封し、反応混合物を60℃で5時間加熱後、室温で14時間撹拌した。その物質を、Celite を介して濾過し、真空遠心分離した。精製は、逆相カラムクロマトグラフィーによって行った。収率:0.024g(30%)。
【0108】
MS m/Z: 268 (M+1)
実施例25
2−{3−[(3,5−ジメチルフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジンの製造:
【0109】
【化31】

【0110】
実施例24と同様であるが、3,5−ジメチルベンゼンチオールを出発物質として製造した。収率:0.034g(42%)。
MS m/Z: 268 (M+1)
実施例26
2−{[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]チオ}安息香酸メチルの製造:
【0111】
【化32】

【0112】
実施例24と同様であるが、2−メルカプト安息香酸メチルを出発物質として製造した。収率:0.006g(7%)。
MS m/Z: 298 (M+1)
実施例27
2−メチル−6−[3−(1−ナフチルチオ)プロプ−1−イン−1−イル]ピリジンの製造:
【0113】
【化33】

【0114】
実施例24と同様であるが、ナフタレン−1−チオールを出発物質として製造した。収率:0.015g(17%)。
MS m/Z: 290 (M+1)

実施例28
2−{3−[(3−エトキシフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジンの製造:
【0115】
【化34】

【0116】
実施例24と同様であるが、3−エトキシベンゼンチオールを出発物質として製造した。収率:0.023g(0.027g)。
MS m/Z: 284 (M+1)
実施例29
2−{3−[(4−tert−ブチルフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジンの製造:
【0117】
【化35】

【0118】
実施例24と同様であるが、4−tert−ブチルベンゼンチオールを出発物質として製造した。収率:0.024g(27%)。
MS m/Z: 296 (M+1)
実施例30
1−(6−メチルピリジン−2−イル)−ペント−1−イン3−オールの製造
1−(6−メチルピリジン−2−イル)−ペント−1−イン3−オールを、実施例23に記載の方法にしたがって、2−エチニル−6−メチルピリジンおよびプロピオンアルデヒドを出発物質として用いて製造した。
【0119】
【化36】

【0120】
1H NMR (400 MHz): 7.47 (t, 1 H), 7.19 (d, 1 H), 7.03 (d, 1 H), 4.55 (t, 1 H), 4.13 (br s, 1 H), 2.49 (s, 3 H), 1.81 (m, 2 H), 1.03 (t, 3 H).
実施例31
2−{3−[(3−クロロフェニル)チオ]ペント−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジンの製造:
アルコールである1−(6−メチルピリジン−2−イル)−ペント−1−イン3−オール(74.7mg,0.43mmol)およびトリエチルアミン(173mg,1.70mmol)を、DCM(5.0mL)中に溶解させ、メシルクロリド(73.3mg,0.64mmol)を滴加した。1時間後、m−クロロチオフェノール(123mg,0.85mmol)を溶液に加えた。その混合物を室温で一晩撹拌した。この後、KCO(1.0M,25mL)を加え、その溶液をDCMで抽出した。有機相をプールし、乾燥させ(NaSO)、濾過し、蒸発させた。得られた粗生成物を、シリカゲル上の勾配(1:0〜3:2のヘプタン/EtOAc)でのフラッシュクロマトグラフィーおよび分取HPLC(Cクロマシル(kromasil))に供して、12.1mg(9.4%)の純粋な生成物を与えた。
【0121】
【化37】

【0122】
1H-NMR (400 MHz): 7.57 (m, 1H), 7.49 (m, 1H), 7.42 (m, 1H), 7.24 (m, 2H), 7.14 (d, 1H), 7.06 (d, 1H), 3.98 (t, 1H), 2.53 (s, 3H), 1.91 (m, 2H), 1.17 (t, 3H).
13C-NMR (400 MHz): 159.0, 142.5, 136.5, 136.2, 134.6, 132.7, 131.1, 130.0, 128.0, 124.6, 122.8, 88.5, 84.8, 41.1, 28.5, 24.8, 12.1.
生物学的評価
mGluR5dを発現する細胞系におけるmGluR5拮抗作用の機能性評価
本発明の化合物の性状は、薬理学的活性についての標準的な検定を用いて分析することができる。グルタミン酸受容体検定の例は、例えば、Aramori et al., Neuron 8:757 (1992), Tanabe et al., Neuron 8:169 (1992), Miller et al., J. Neuroscience 15: 6103 (1995), Balazs, et al., J. Neurochemistry 69:151 (1997) に記載のように、当該技術分野において周知である。これら公報に記載された方法は、本明細書中に援用される。好都合には、本発明の化合物は、mGluR5を発現する細胞中の細胞内カルシウム[Ca2+の動員(mobilization)を測定する検定(FLIPR)、またはイノシトールリン酸代謝回転を測定する別の検定(IP3)によって研究することができる。
【0123】
FLIPR検定
WO97/05252号に記載のようなヒトmGluR5dを発現する細胞を、コラーゲンを被覆した透明底の、黒色側面を有する96ウェルプレート上に、100,000個/ウェルの細胞密度で播種し、そして播種から24時間後に実験を行う。検定は全て、127mM NaCl、5mM KCl、2mM MgCl、0.7mM NaHPO、2mM CaCl、0.422mg/mlのNaHCO、2.4mg/mlのHEPES、1.8mg/mlのグルコースおよび1mg/mlのBSA Fraction IVを含有する緩衝液(pH7.4)中で行う。それら96ウェルプレート中の細胞培養物を、0.01%プルロニック酸(pluronic acid)(有標非イオン性界面活性剤ポリオール−CAS Number 9003−11−6)中の4μMのアセトキシメチルエステル型の蛍光カルシウム指示薬fluo−3(Molecular Probes, Eugene, Oregon)を含有する上述の緩衝液中で60分間負荷処理する。負荷時間後、fluo−3緩衝液を除去し、新しい検定緩衝液と交換する。FLIPR実験は、0.800Wのレーザー設定および0.4秒のCCDカメラシャッター速度を用いて、それぞれ、488nmおよび562nmの励起波長および発光波長で行う。各々の実験を、細胞プレートの各ウェル中にある160μlの緩衝液で開始する。アンタゴニストプレートから40μlを添加後、アゴニストプレートから50μlを添加した。アンタゴニスト添加とアゴニスト添加を、90秒間隔で隔てる。蛍光シグナルは、1秒間隔で50回サンプリング後、それら二つの添加各々の直後に5秒間隔で3回サンプリングする。応答は、サンプリング時間内のバックグラウンド蛍光より小さい、アゴニストへの応答のピーク高さ間の差として測定する。IC50測定は、線型最小二乗適合プログラムを用いて行う。
【0124】
IP3検定
mGluR5dについてのもう一つの機能性検定は、WO97/05252号に記載されており、ホスファチジルイノシトール代謝回転に基づいている。受容体活性化は、ホスホリパーゼC活性を刺激し、そして増加したイノシトール1,4,5,トリリン酸(IP)形成をもたらす。
【0125】
ヒトmGluR5dを安定して発現するGHEKを、24ウェルのポリ−L−リシン被覆プレート上の、1μCi/ウェルの[3H]myo−イノシトールを含有する培地中に、40x10個細胞/ウェルで播種する。細胞を一晩(16時間)インキュベート後、3回洗浄し、そして1単位/mlのグルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼおよび2mMピルベートを補足したHEPES緩衝化生理食塩水(146mM NaCl、4.2mM KCl、0.5mM MgCl、0.1%グルコース、20mM HEPES、pH7.4)中において37℃で1時間インキュベートした。細胞を、HEPES緩衝化生理食塩水中で1回洗浄し、そして10mM LiClを含有するHEPES緩衝化生理食塩水中で10分間プレインキュベートする。化合物を、二重試験において37℃で15分間インキュベート後、グルタメート(80μM)かまたはDHPG(30μM)を加え、そして更に30分間インキュベートする。その反応を、4℃で少なくとも30分間のインキュベーションを伴う0.5mlの氷上の過塩素酸(5%)の添加で停止させる。試料を、15mlポリプロピレン管に集め、そしてイオン交換樹脂(Dowex AG1−X8ギ酸型,200〜400メッシュ,BIORAD)カラムを用いて、イノシトールリン酸を分離する。イノシトールリン酸分離は、最初に、グリセロホスファチジルイノシトールを8mlの30mMギ酸アンモニウムで溶離することによって行った。次に、全イノシトールリン酸を、8mlの700mMギ酸アンモニウム/100mMギ酸で溶離し、シンチレーションバイアル中に集める。次に、この溶出液を、8mlのシンチラント(scintillant)と混合し、そして[3H]イノシトール取込みを、シンチレーション計数によって決定する。二重試験試料からのdpm計数をプロットし、そして線型最小二乗適合プログラムを用いて、IC50測定値を生じる。
【0126】
略語
BSA ウシ血清アルブミン
CCD 荷電結合素子
CRC 濃度応答曲線
DHPG 3,5−ジヒドロキシフェニルグリシン
DPM 崩壊毎分
EDTA エチレンジアミン四酢酸
FLIPR 蛍光光度イメージングプレートリーダー(Fluorometric Imaging Plate reader)
GHEK GLAST含有ヒト胎生腎
GLAST グルタミン酸/アスパラギン酸輸送体
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(緩衝液)
IP イノシトールトリリン酸
概して、それら化合物は、上の検定において、10000nM未満のIC50値で活性である。本発明の一つの側面において、そのIC50値は1μM未満である。本発明のもう一つの側面において、IC50値は100nM未満である。
【0127】
個々の化合物のIC50値の例を、下に示す。
【0128】
【表1】

【0129】
TLESRに対して活性な化合物のスクリーニング
Pavlov 吊り包帯で立っているように訓練された双方の性のラブラドル・レトリーバー成犬を用いる。粘膜−皮膚食道造瘻を形成し、それらイヌを完全に回復させた後、いずれかの実験を行う。
【0130】
運動性測定
簡単にいうと、自由な水供給を伴う約17時間の絶食後、マルチルーメンスリーブ/サイドホールアセンブリー(multilumen sleeve/sidehole assembly)(Dentsleeve, Adelaide, South Australia)を、食道造瘻を介して導入して、胃、下部食道括約筋(LES)および食道の圧力を測定する。そのアセンブリーを、低コンプライアンス側圧灌流ポンプ(Dentsleeve, Adelaide, South Australia)を用いて水で灌流する。空気灌流管を口方向に通して、LESより3cm上で、嚥下およびアンチモン電極監視pHを測定する。全てのシグナルを増幅させ、パーソナルコンピューターにおいて10Hzで捕捉する。
【0131】
空腹時の胃/LES III相運動活性を含まないベースライン測定値を得た時点で、プラシーボ(0.9%NaCl)または試験化合物を、前肢静脈に静脈内投与する(i.v.,0.5ml/kg)。i.v.投与から10分後に、栄養食(10%ペプトン、5%D−グルコース、5% Intralipid、pH3.0)を、アセンブリーの中心ルーメンを介して胃中に100ml/分で注入して、30ml/kgの最終容量とする。栄養食の注入後、空気注入を500ml/分の速度で、10±1mmHgの胃内圧が得られるまで行う。次に、その圧力を、更なる空気注入のためのまたは胃から空気を抜くための注入ポンプを用いて、実験の間中このレベルで維持する。栄養注入の開始から空気吹入の終わりまでの実験時間は45分である。その手順は、TLESRを引き起こす信頼性のある手段として妥当であった。
【0132】
TLESRは、>1 mmHg/秒の速度での下部食道括約筋圧力(胃内圧に関する)の減少として定義される。その弛緩は、その開始前≦2秒に咽頭シグナルが先行するはずはなく、その場合の弛緩は、嚥下に誘発されたものとして分類される。LESと胃との間の圧力差は、2mmHg未満であるべきであり、完全弛緩の持続時間は1秒より長くあるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

(式中、Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールより選択され、ここにおいて、そのアリールまたはヘテロアリールは、C−Cアルキルで置換されていてよく;
は、水素およびC−Cアルキルより選択され;
は、水素、C−Cアルキル、F、CF、CHFおよびCHFより選択され;
は、水素、F、CF、CHF、CHFおよびCHより選択され;
は、水素およびFより選択され;
は、水素およびFより選択され;
Qは、S、NHまたはNCHであって、C−Cアルキルで置換されていてもよいものであり;
は、水素;ハロゲン;ニトリル;C−Cアルコキシ;C−Cアルキルであって、そのアルキル基の一つまたはそれを超える水素原子が、フッ素原子へと置換されていてもよいもの;ベンジルオキシ;メタ位またはパラ位にあるニトロ;およびC−Cアルキルエステルより選択され;
は、水素;ハロゲン;ニトリル;C−Cアルコキシ;C−Cアルキルであって、そのアルキル基の一つまたはそれを超える水素原子が、フッ素原子へと置換されていてもよいもの;およびC−Cアルキルエステルより選択され;
は、水素;ハロゲン;ニトリル;C−Cアルコキシ;C−Cアルキルであって、そのアルキル基の一つまたはそれを超える水素原子が、フッ素原子へと置換されていてもよいもの;およびC−Cアルキルエステルより選択され;または
およびYは、芳香環または非芳香環であって、ハロゲン;ニトリル;C−Cアルコキシ;C−Cアルキルであって、そのアルキル基の一つまたはそれを超える水素原子が、フッ素原子へと置換されていてもよいもの;ベンジルオキシ;またはC−Cアルキルエステルで置換されていてもよい環を形成してよい)
を有する化合物;並びに
その薬学的に許容しうる塩、水和物、イソフォームおよび/または光学異性体。
【請求項2】
式I
【化2】

(式中、Rは、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールより選択され、ここにおいて、そのアリールまたはヘテロアリールは、C−Cアルキルで置換されていてよく;
は、水素およびC−Cアルキルより選択され;
は、水素、C−Cアルキル、F、CF、CHFおよびCHFより選択され;
は、水素、F、CF、CHF、CHFおよびCHより選択され;
は、水素およびFより選択され;
は、水素およびFより選択され;
Qは、S、NHまたはNCHであって、C−Cアルキルで置換されていてもよいものであり;
は、水素、ハロゲン、ニトリル、C−CアルコキシおよびC−Cアルキルより選択され;
は、水素、ハロゲン、ニトリル、C−CアルコキシおよびC−Cアルキルより選択され;
は、水素、ハロゲン、ニトリル、C−CアルコキシおよびC−Cアルキルより選択される)
を有する化合物;並びに
その薬学的に許容しうる塩、水和物、イソフォームおよび/または光学異性体。
【請求項3】
が、水素またはC−Cアルキルであり;
が水素であり;
が、水素およびメチルより選択され;
が水素であり;
が水素であり;
が水素であり;
Qが、S、NHまたはNCHであって、C−Cアルキルで置換されていてもよいものであり;
が、水素、クロロ、C−CアルコキシおよびC−Cアルキルより選択され;そして
が、水素、クロロ、C−CアルコキシおよびC−Cアルキルより選択され;そして
が水素である、請求項1または請求項2に記載の式Iの化合物。
【請求項4】
N−[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アニリン;
N−ベンジル−3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン1−アミン;
N−メチル−N−[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アニリン;
(3−メチルフェニル)[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アミン;
(3−メトキシフェニル)[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アミン;
(3−クロロフェニル)[3−(6−メチルピリジン−2−イル)プロプ−2−イン−1−イル]アミン;
[(3−フェニルプロプ−2−イン−1−イル)チオ]ベンゼン;
1−メトキシ−3−[(3−フェニルプロプ−2−イン−1−イル)チオ]ベンゼン;
2−{3−[(3−クロロフェニル)チオ]ブト−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン;
2−メチル−6−[3−(フェニルチオ)プロプ−1−イン−1−イル]ピリジン;
2−{3−[(3−クロロフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン;
2−{3−[(3−メトキシフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン;
2−メチル−6−{3−[(3−メチルフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}ピリジン;
(RS)−2−{3−[(3−メトキシフェニル)チオ]ブト−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン;
2−[3−(3−クロロフェニル)−4−メチルペント−1−イン−1−イル]−6−メチルピリジン;
2−{3−[(3,4−ジメチルフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン;
2−{3−[(3,5−ジメチルフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン;
2−{3−[(3−エトキシフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン;
2−{3−[(4−tert−ブチルフェニル)チオ]プロプ−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン;および
2−{3−[(3−クロロフェニル)チオ]ペント−1−イン−1−イル}−6−メチルピリジン
より選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
療法に用いるための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
療法が、胃食道逆流性疾患の処置または予防である、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
一過性下部食道括約筋弛緩の阻害用の薬剤の製造のための、請求項1または請求項2に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩または光学異性体の使用。
【請求項8】
胃食道逆流性疾患の処置または予防用の薬剤の製造のための、請求項1または請求項2に記載の式Iの化合物、またはその薬学的に許容しうる塩または光学異性体の使用。
【請求項9】
医薬組成物であって、活性成分としての請求項1または請求項2に記載の式Iの化合物を、薬理学的におよび薬学的に許容しうる担体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項10】
式Iの化合物の製造方法であって、アリールブロミドA
【化3】

およびアルコールB
【化4】

のカップリング反応を、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で行って、アルコールC
【化5】

を生じ、次に、それをメシラートD
【化6】

へと変換し、そして第一級または第二級アミン、またはチオール求核試薬と反応させることにより、そしてここにおいて、
は、水素、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールより選択され、ここにおいて、そのアリールまたはヘテロアリールは、C−Cアルキルで置換されていてよく;
は、水素およびC−Cアルキルより選択され;
は、水素、C−Cアルキル、F、CF、CHFおよびCHFより選択され;
は、水素、F、CF、CHF、CHFおよびCHより選択され;
は、水素およびFより選択され;
は、水素およびFより選択される方法。
【請求項11】
(RS)−4−(6−メチルピリジン−2−イル)ブタ−3−イン−2−オール;
4−メチル−1−(6−メチルピリジン−2−イル)ペント−1−イン3−オール;
3−ピリジン−2−イルプロパ−2−イニルメタンスルホン酸エステル;および
1−(6−メチルピリジン−2−イル)−ペント−1−イン3−オール
より選択される化合物。
【請求項12】
一過性下部食道括約筋弛緩の阻害方法であって、請求項1または請求項2に記載の式Iの化合物の有効量を、このような阻害を必要としている対象に投与することによる方法。
【請求項13】
胃食道逆流性疾患の処置または予防の方法であって、請求項1または請求項2に記載の式Iの化合物の有効量を、このような処置または予防を必要としている対象に投与することによる方法。

【公表番号】特表2007−509935(P2007−509935A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538085(P2006−538085)
【出願日】平成16年10月20日(2004.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/034519
【国際公開番号】WO2005/044267
【国際公開日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【出願人】(506138029)エヌピーエス・ファーマシウティカルズ・インコーポレイテッド (11)
【Fターム(参考)】