説明

アルミニウム合金用塑性加工潤滑油、及びそれを用いた熱交換機用フィン材の製造方法。

【課題】静電塗油装置により均一に塗油することができ、かつ、臭いや肌荒れ等の問題がなく、低コストで、乾燥性も良く、アルミニウム粉の分散性に優れ、潤滑性に優れたアルミニウム合金用塑性加工潤滑油、及びそれを用いた熱交換機用フィン材の製造方法を提供すること。
【解決手段】ノンアロマ鉱油又は/およびイソパラフィンからなる基油と、一般式R1−COO−R2により示される脂肪酸エステルからなる第1添加剤と、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤からなる第2添加剤とからなり、静電塗油方法により塗油可能なアルミニウム合金用塑性加工潤滑油である。第1添加剤は、0.1%〜10%含有し、第2添加剤は、0.001〜5.0%含有する。塑性加工潤滑油は、導電率が2000〜500000pS/mである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレコートアルミニウム合金に塑性加工を施す際に用いる塑性加工用潤滑油に関する。なお、本明細書中の「アルミニウム合金」又は「アルミニウム」は、アルミニウムを主体とする金属及び合金の総称であり、純アルミニウム、及びアルミニウム合金を含む概念である。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金の塑性加工としては、例えば、鍛造加工、押し出し加工、転造加工、圧延加工、プレス加工等があり、アルミニウム合金製品は塑性加工を施して製造される。
例えば、空調機における熱交換器としては、多数のプレートフィンとチューブとを組み合わせて構成されるプレートフィンチューブ熱交換器が多用されており、上記プレートフィンは、アルミニウム合金板よりなる熱交換機用フィン材(以下、単にフィン材という)に、上記チューブを挿通して固定するための1〜4mm高さのフィンカラー部をプレス加工して作製される。
そのフィンカラープレス加工方法は、ドロー式、しごき方式及びドロー・しごき併用方式がある。最近では、揮発性潤滑油に対応できるドロー・しごき併用方式がある。
【0003】
また、フィンプレス加工を行う際には、プレス加工速度は毎分200〜350ストロークであり、さらに高速化の方向にある。また、工具の手直しなしで数1000万回ストロークもの加工をすることから、プレス加工の全工程にわたり、素材と加工金型の間の良好な潤滑性が要求される。潤滑性に劣ると、特にしごき加工の際にフィンカラーが破断する、いわゆる「カラー飛び」という致命的な不具合を引き起こす。
【0004】
さらに、穴あけ加工の場合は、剪断加工によるため、剪断面から発生するアルミニウム粉がポンチに凝着する問題が生じる。この凝着は、初期のストロークでは問題にならないが、ストローク回数が増すと、ポンチに凝着したアルミニウム粉により素材の剪断面にノッチを生じせしめ、最終のフレア加工において先端に割れを生じる、いわゆる「フレア割れ」という致命的な不具合を引き起こす。更に、工具寿命も縮めてしまう。
【0005】
これらの不具合を解決するために、素材側からの改良、潤滑剤の改良が種々なされてきた。更に、アルミニウム合金としては、アルミニウム合金に親水性塗膜等を施したプレコートタイプのものや、塗装などを設けていない無処理タイプのものがある。プレコートタイプのものは、塗膜中あるいは塗膜上に潤滑剤を付加することができることから、親水性と潤滑性の両方の機能を有するものとして多用されている。
【0006】
ところが、最近の加工速度の高速化に伴い、更なる工具寿命の向上、成形制度の向上というハイレベルな要求がなされており、潤滑剤のより一層の改良が不可欠となってきた。そのために、塑性加工油としては、これまで多数のフィンプレス用潤滑油(特許文献1、2)が提案され、また、種々の市販品が流通している。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1、特許文献2に記載の潤滑油、あるいは、市販の塑性加工油においては、プレス加工工程の1つである穴あけ加工(剪断加工)において、ポンチにアルミニウム粉が凝着しやすいという問題や、プレス加工後に潤滑剤を除去するために乾燥させるが、乾燥がなかなか進まないという問題や、臭いがあり、作業環境を悪化させるという問題や、皮膚に触れるとかゆみや肌荒れが生じ易いなどの問題を少なからず有していた。特に、アルミニウム粉凝着の場合は、ポンチの手入れを頻繁にすることによって回避するしかなく、根本的な解決策を見出し得ていなかった。
【0008】
これらの課題を解決するために、臭いや肌荒れ等の問題がなく、低コストで乾燥性も良く、特にポンチへのアルミニウム粉の凝着を有効に抑制することができるフィンプレス用潤滑油(特許文献3)が提案されている。
しかしながら、近年では、さらに生産性向上、品質向上が重要視されており、生産性アップ等のスピードアップに伴い、アルミニウム磨耗粉発生量が多くなり、その結果、金型へのそれらの付着が発生しやすくなり、その結果、種々品質問題が多くなっている。
【0009】
したがって、上記のような臭いや肌荒れなどの問題がなく、低コストで、乾燥性も良く、特にポンチへのアルミニウム粉の凝着を有効に抑制するほかに、アルミニウム磨耗粉の発生を抑制する塑性加工用の潤滑油が強く望まれるようになっている。
このような要求性能については、特許文献3、4に示されるように、潤滑油の添加剤成分で対処されているのが現状である。
【0010】
一方、以上のような潤滑油は、工業的には浸漬法で塗油されるのが一般的である。しかしながら、上記のような生産能率の向上、アルミニウム粉凝着の抑制による品質向上、さらには、製造コスト低減が強く要求されるようになった状況下では、浸漬塗油方法にたよることには限界がある。すなわち、浸漬塗油方法では、過剰に潤滑油を塗油してしまったり、アルミニウム合金表面に均一に塗油することができず、結果的には、油不足になって、潤滑不良を引き起こし、品質不良を発生させてしまう場合がある。
【0011】
最低限の塗油量でかつ均一に塗油することは、品質向上だけでなく、潤滑油使用量削減によるコストダウンへの寄与が大きい。
そこで、塗油方法として塗油精度の高い静電塗油装置が使われる場合がある。しかしながら、フィンプレス加工に要求される要件を具備した上で、静電塗油装置によって塗油可能な潤滑油は未だ開発されていない。また、このような潤滑油が開発できれば、フィンプレス加工に最適であると共に、フィンプレス加工以外の塑性加工においても好適に使用できる。
【0012】
【特許文献1】特開平6−41573号公報
【特許文献2】特開平8−157851号公報
【特許文献3】特開2004−263056号公報
【特許文献4】特開2006−143937号公報
【非特許文献1】住友軽金属技報 「家庭用及び業務用空調機の熱交換器に用いられるアルミニウム合金フィン材の開発状況」1994年11月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、静電塗油装置により均一に塗油することができ、かつ、臭いや肌荒れ等の問題がなく、低コストで、乾燥性も良く、アルミニウム粉の分散性に優れ、潤滑性に優れたアルミニウム合金用塑性加工潤滑油及びそれを用いた熱交換機用フィン材の製造方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の発明は、ノンアロマ鉱油又は/およびイソパラフィンからなる基油と、一般式R1−COO−R2(但し、R1は炭素数7〜17の炭化水素基、R2は、炭素数1〜4の炭化水素基)により示される脂肪酸エステルからなる第1添加剤と、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤からなる第2添加剤とからなり、静電塗油方法により塗油可能なアルミニウム合金用塑性加工潤滑油であって、
上記第1添加剤は、0.1%〜10%含有し、
上記第2添加剤は、0.001〜5.0%含有し、
上記アルミニウム合金用塑性加工潤滑油は、導電率が2000〜500000pS/mであることを特徴とするアルミニウム合金用塑性加工潤滑油にある(請求項1)。
【0015】
本発明は、上述したように、ノンアロマ鉱油又は/およびイソパラフィンを基油として、上記第1添加剤と、上記第2添加剤とを、特定の割合で含有してなる。この構成によって、上述した従来の問題を解消することができる。
すなわち、本発明のアルミニウム合金用塑性加工潤滑油は、低コストで、臭いもなく、手荒れもなく、また、良好な加工性を得ることができ、アルミニウム粉の分散性に優れたものとなる。
【0016】
さらに、本発明のアルミニウム合金用塑性加工潤滑油は、静電塗油装置により均一に塗油することができる。
このように、本発明によれば、工具寿命、作業効率、作業環境、加工精度等を、従来に比べ、格段に向上させることができる。
これにより、本発明のアルミニウム合金用塑性加工潤滑油は、静電塗油装置により均一に塗油することができ、かつ、臭いや肌荒れ等の問題がなく、低コストで、乾燥性も良く、アルミニウム粉の分散性に優れ、潤滑性に優れたものとなる。
【0017】
第2の発明は、第1の発明に記載のアルミニウム合金用塑性加工潤滑油を用いてアルミニウム合金よりなる熱交換機用フィン材を製造する方法であって、
上記アルミニウム合金用塑性加工潤滑油を静電塗油装置に供給し、該静電塗油装置からアルミニウム合金板に均一に塗油し、
塗油された上記アルミニウム合金板をフィンプレス装置に供給して、該フィンプレス装置によって熱交換機用フィン材にプレス加工することを特徴とする熱交換機用フィン材の製造方法にある(請求項5)。
【0018】
本発明のアルミニウムからなる熱交換機用フィン材の製造方法は、上述したように、第1の発明に記載のアルミニウム合金用塑性加工油を用いるため、静電塗油装置により最低限の塗油量で均一に塗油することができる。そのため、品質向上だけでなく、コストダウンへの寄与が大きい。
また、上記アルミニウム合金用塑性加工油は潤滑性に優れているため、「カラー飛び」という致命的な不具合を抑制することができ、かつ、アルミニウム粉の分散性に優れているため、ポンチの手入れを頻繁にする必要がない。これにより、優れた生産性で熱交換機用フィン材を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
第1の発明のアルミニウム合金用塑性加工潤滑油は、上述したように、ノンアロマ鉱油又は/およびイソパラフィンからなる基油と、一般式R1−COO−R2(但し、R1は炭素数7〜17の炭化水素基、R2は、炭素数1〜4の炭化水素基)により示される脂肪酸エステルよりなる第1添加剤と、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤からなる第2添加剤とからなるアルミニウム合金の塑性加工潤滑油である。
【0020】
上記基油としては、上記のごとく、ノンアロマ鉱油又は/およびイソパラフィン、つまりは、ノンアロマ鉱油又はイソパラフィンのいずれか一方、あるいは、ノンアロマ鉱油とイソパラフィンの両方を含む基油を用いる。
上記ノンアロマ鉱油は、アロマ系の鉱油を全く含まない鉱油であり、ナフテン系もしくはパラフィン系の1種又は2種を含む鉱油が採用されうる。また、上記基油は、上記のごとく、合成油であるイソパラフィン単独であってもよいし、イソパラフィンとノンアロマ鉱油との混合であってもよい。これらの鉱油を採用することにより、低コストで、かつ臭いや肌荒れによる作業環境の悪化を好適に防止し得る。
【0021】
また、一般式R1−COO−R2(但し、R1は炭素数7〜17の炭化水素基、R2は、炭素数1〜4の炭化水素基)により示される脂肪酸エステルからなる第1添加剤を0.1%〜10%含有している。
これにより、優れた潤滑性、アルミニウム粉凝着性、臭気性、乾燥性、作業性を得ることができる。
【0022】
上記脂肪酸エステルの炭化水素基R1としては、例えば、アルキル基やアルケニル基等が挙げられる。上記炭化水素基R1としては、アルキル基であることが好ましい。
上記炭化水素基R1の炭素数が6以下の場合には、潤滑性不良、アルミニウム粉凝着による成形不良、及び臭気がきつく、作業環境を悪化させるという問題がある。一方、上記炭化水素基R1の炭素数が18以上の場合には、乾燥性が悪化(乾燥し難い)し、かつ、融点が高くなり常温で固化し易くなることによる作業性の悪化という問題がある。
これらの、潤滑性、アルミ凝着性、臭気、乾燥性、作業性の観点から、上記炭化水素基R1の炭素数の範囲は、9〜13であることがより好ましい。
【0023】
また、上記脂肪酸エステルの炭化水素基R2としては、例えば、アルキル基やアルケニル基が挙げられる。上記炭化水素基R2としては、アルキル基であることが好ましい。
上記炭化水素基R2の炭素数が5以上の場合には、乾燥性が悪化し、かつ融点が高くなり、常温で固化し易くなるために、加熱設備の追加が必要となり、作業性が悪化するという問題がある。
これらの、乾燥性、作業性の観点から、上記炭化水素基R2の炭素数は、1〜4であることが好ましい。
【0024】
そして、上記脂肪酸エステルとしては、具体的には、カプリル酸メチル、カプリル酸エチル、カプリル酸プロピル、カプリル酸ブチル、ペラルゴン酸メチル、ペラルゴン酸エチル、ペラルゴン酸プロピル、ペラルゴン酸ブチル、カプリン酸メチル、カプリン酸エチル、カプリン酸プロピル、カプリン酸プロピル、カプリン酸ブチル、ラウリン酸メチル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸プロピル、ラウリン酸ブチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸プロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸プロピル、パルミチン酸ブチル、ステアリン酸メチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸プロピル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル、オレイン酸プロピル、オレイン酸ブチル等が挙げられる。
【0025】
また、上記第1添加剤は、0.1%〜10%含有してある。
上記第1添加剤の含有量が0.1%未満の場合には、潤滑不良、及びアルミニウム粉凝着によるフレア割れや工具寿命低下という問題があり、一方、上記第1添加剤の含有量が10%を超える場合には、乾燥性の悪化、及び高コストとなる問題がある。
【0026】
また、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤からなる第2添加剤を0.001〜5.0%含有している。一般に、乾燥性が高く、臭気の小さい潤滑油ほど、不純物あるいは添加剤成分が少ない傾向があり、その結果、静電塗油装置では適正な油膜が形成されず、均一に薄く塗油することができない場合が多い。そこで、本発明では、上述したごとく、上記第2添加剤を特定の割合で添加することにより、上記塑性加工潤滑油の導電率を2000〜500000pS/mにコントロールすることができる。経験的には、導電率が2000〜500000pS/mの範囲内であれば、静電塗油装置で適正な油滴が形成されるため、十分に静電塗油できる。
そのため、最低限の塗油量でかつ均一に塗油することが可能な静電塗油装置によって塗油することができる。
【0027】
上記第2添加剤の含有量が0.001%未満の場合には、導電率が確保できず、均一な静電塗油ができないという問題があり、一方、上記第1添加剤の含有量が5.0%を超える場合には、添加剤コストが上がるという問題や、導電率が高くなりすぎて、火災などの危険性が生じるという問題がある。
【0028】
また、上記導電率が2000pS/m未満の場合には、静電塗油装置で最低限の塗油量でかつ均一に塗油することができないという問題があり、一方、上記導電率が500000pS/mを超える場合には、導電率が高すぎるため、火災などの危険性が生じるという問題がある。
【0029】
本発明の上記アルミニウム合金用塑性加工潤滑油は、更に、脂肪酸アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン、およびそれらのアルキレンキシド付加物、及びアルキルスルホン酸塩の少なくとも1種以上からなる第3添加物を、合計0.01〜2.0%含有することが好ましい(請求項2)。
この場合には境界潤滑性が向上することができ、アルミニウム粉の凝着やアルミニウム合金摩耗粉の発生を抑制することができる。
【0030】
また、上記第3添加物の含有量が0.01%未満の場合には、アルミニウム粉の凝集力及びコーティング抑制の効果を得られないというおそれがあり、一方、上記第3添加物の含有量が2.0%を超える場合には、アルミニウム粉の凝集効果が伸びず、コストアップとなるおそれがある。また、含有量が多くなると基油揮発後の残留分が多くなり、品質を悪化させることになる。これにより、上記第3添加物の含有量は0.1〜1.0%であることがより好ましい。
【0031】
上記第3添加物は、脂肪酸アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン、およびそれらのアルキレンキシド付加物、アルキルスルホン酸塩の少なくとも1種以上であり、ヒドロキシル基、エーテル基が含まれていても良い。
また、上記アミン誘導体は、ヒドロキシル基、エーテル基が含まれていてもよい。
【0032】
上記脂肪族アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、ブチルアミン、カプリルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、牛脂アミンジメチルアミン、ジエチルアミン、ジオクチルアミン、ブチルオクチルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、及びトリオクチルアミン等が挙げられる。
【0033】
また、上記アルカノールアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−イソプロピルエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−エチルイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン、N−イソプロピルイソプロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルイソプロパノールアミン、モノn−プロパノールアミン、ジn−プロパノールアミン、トリn−プロパノールアミン、N−メチルn−プロパノールアミン、N,N−ジメチルn−プロパノールアミン、N−エチルn−プロパノールアミン、N,N−ジエチルn−プロパノールアミン、N−イソプロピルn−プロパノールアミン、N,N−ジイソプロピルn−プロパノールアミン、モノブタノールアミン、ジブタノールアミン、トリブタノールアミン、N−メチルブタノールアミン、N,N−ジメチルブタノールアミン、N−エチルブタノールアミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、N−イソプロピルブタノールアミン、及びN,N−ジイソプロピルブタノールアミン等が挙げられる。
【0034】
また、上記脂肪族ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ヘキサメチレンジアミン、及び硬化牛脂プロピレンジアミン等が挙げられる。
また、上記芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、ジメチルアニリン、及びジエチルアニリン等が挙げられる。
【0035】
また、上記脂環式アミンとしては、例えば、N−シクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチル−シクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルーシクロヘキシルアミン、N,N−ジ(3−メチル−シクロヘキシル)アミン、N,N−ジ(2−メトキシ−シクロヘキシル)アミン、及びN,N−ジ(4−ブロモ−シクロヘキシル)アミン等が挙げられる。
【0036】
上記複素環アミンとしては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、ピペラジン、ホモピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、N−アセチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、N−アセチルピペラジン、N−アセチルホモピペラジン、1−(クロロフェニル)ピペラジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、及び1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジン等が挙げられる。
【0037】
上記アミン誘導体は、油に対する溶解性の面から、分枝鎖を有する全炭素数4以上の炭化水素基を有していることが好ましい。また、全炭素数が20を超えた場合には、後工程での焼鈍において、オイルステインが発生しやすくなるおそれがある。
【0038】
また、上記アルキレンオキシド付加物は、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、α−オレフィンオキシド、スチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加重合することにより得ることができる。付加されるアルキレンオキシドの重合形態として、1種類のアルキレンオキシドの単独重合、2種類以上のアルキレンオキシドランダム共重合、ブロック共重合又は、ランダム/ブロック共重合等がある。
また、アルキレンオキシドの付加モル数が6モルを超える場合には、基油への溶解性が悪くなるおそれがある。より好ましくは、アルキレンオキシドの付加モル数は1〜4モルである。
【0039】
上記アルキルスルホン酸塩としては、例えば、アルキルスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸、アミドスルホン酸、及びジアルキルスルホこはく酸ナトリウム等が挙げられる。
また、上記アルキルスルホン酸塩は、アルキル基が炭素数4〜18であることが好ましい。
【0040】
また、上記第2添加剤は、ポリスルホン、ポリアミン、アルキルナフタレンスルホン酸のアンモニウム化合物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルアミン塩の少なくとも1種以上であることが好ましい(請求項3)。
【0041】
上記ポリスルホン、ポリアミンの質量は、10000〜1500000の範囲内が望ましく、好ましい範囲は50000〜900000である。ポリスルホン、ポリアミンは限定されず、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アリ−ルアルキル基、フェニル基、エーテル基が含まれていても良い。
【0042】
上記ソルビタン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルの具体例としては、例えば、モノカプリル酸ソルビタン、ジカプリル酸ソルビタン、トリカプリル酸ソルビタン、モノペラルゴン酸ソルビタン、ジペラルゴン酸ソルビタン、トリペラルゴン酸ソルビタン、モノカプリン酸ソルビタン、ジカプリン酸ソルビタン、トリカプリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ジラウリン酸ソルビタン、トリラウリン酸ソルビタン、モノミリスチン酸ソルビタン、ジミリスチン酸ソルビタン、トリミリスチン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ジパルミチン酸ソルビタン、トリパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、ジステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、ジオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノカプリル酸ソルビタン、ポリオキシエチレンジカプリル酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリカプリル酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノペラルゴン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンジペラルゴン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリペラルゴン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノカプリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンジカプリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリカプリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンジラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリラウリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノミリスチン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンジミリスチン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリミリスチン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノパルミチン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンジパルミチン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリパルミチン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンジステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリステアリン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンモノオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレンジオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレントリオレイン酸ソルビタン等が挙げられる。
【0043】
また、上記アルキルアミン塩としては、例えば、芳香族アミン塩、非芳香族アミン塩および第四アンモニウム塩が挙げられる。また、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、アリ−ルアルキル基のいずれが含まれていても良い。
【0044】
また、上記アルミニウム合金用塑性加工油は、アルミニウム合金よりなる熱交換機用フィン材をプレス加工する際に用いられるフィンプレス用であることが好ましい(請求項4)。
この場合には「カラー飛び」という致命的な不具合を抑制することができ、かつ、アルミニウム粉の分散性に優れているため、ポンチの手入れを頻繁にする必要がない。これにより、優れた生産性で熱交換機用フィン材を得ることができる。
【実施例】
【0045】
(実施例1)
本例は、本発明のアルミニウム合金用塑性加工潤滑油にかかる実施例について説明する。
本例では、表1に示す本発明の実施例としての複数種類のフィンプレス用潤滑剤(試料E1〜試料E15)と、表2に示す比較例としての複数種類のフィンプレス用潤滑油(試料C1〜試料C14)を作製し、各種性能の比較試験を行った。
各実施例及び比較例のフィンプレス用潤滑剤の基油、添加剤の種類、及び基油と添加剤との合計量に対する添加剤の割合(濃度%)等については、表1及び表2に示す。
【0046】
本発明の実施例のアルミニウム合金用塑性加工潤滑油(試料E1〜試料E15)は、いずれも、ノンアロマ鉱油又は/およびイソパラフィンからなる基油と、一般式R1−COO−R2(但し、R1は炭素数7〜17の炭化水素基、R2は、炭素数1〜4の炭化水素基)により示される脂肪酸エステルからなる第1添加剤と、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤からなる第2添加剤とからなり、静電塗油方法により塗油可能なアルミニウム合金の塑性加工潤滑油である。上記第1添加剤は、0.1%〜10%含有し、上記第2添加剤は、0.001〜5.0%含有する。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】

【0049】
次に、本例では、上記実施例としての試料E1〜試料E15、及び比較例としての試料C1〜試料C14を用いて、各種試験を次のように行った。なお、素材としてフィン材を用いる試験は、JISA1050−H28の0.10mm厚のアルミニウム合金板を用いた。また、試験によっては、同材質で形態の違う棒材等によって代用した。試験結果は表2に示す。なお、本例では、素材の材質として上記のJISA1050を用いたが、フィン材として一般に用いられているJISA1100、JISA1200、Al−Mn系合金を用いても本例と同様の結果が得られる。
【0050】
<動粘度>
各供試油(試料E1〜試料E15、試料C1〜試料C14)について、各供試油全体の動粘度を、JIS K 2283の「原油及び石油製品の動粘度試験方法」に準拠して40℃における動粘度を測定した。測定器具としては、JIS K 2839の「石油類試験用ガラス器具」のキャノン−フェンスケ粘度計(毛管粘度計の一種)を用いた。
【0051】
<静電塗油性評価試験>
各供試油について、EMCEE ELECTROICS、INC.製導電率計DIGITAL CONDUCTIVITY METER MODEL 1152X10を用いて、導電率を測定し、静電塗油性を評価した。評価が○のものを合格、評価が×のものを不合格とする。
(評価基準)
○:導電率が2000pS/m〜500000pS/mの場合
×:導電率が2000pS/m未満、あるいは500000pS/m超えの場合
【0052】
<乾燥性評価試験>
上記素材(フィン材)をφ25mmの平底カップに加工し、その中に10g/m2となるように供試油を加えた後、100℃×5分加熱保持して乾燥した前後の重量差を求め、乾燥後の残油量を測定し、乾燥性を評価した。評価が◎及び○のものを合格、評価が×のものを不合格とする。
(評価基準)
◎:残油量が0.05g/m2以下の場合
○:残油量が0.05g/m2超え0.1g/m2以下の場合
×:残油量が0.1g/m2超えの場合
【0053】
<加工性評価試験>
ピンオンディスク試験装置5を用いて、アルミニウム粉凝着性及び摩擦係数を評価した。ピンオンディスク試験装置5は、ピン状の供試材59を固定する支持部51と、これに対面して回転可能に配設されたディスク部52とを有している。供試材9としては、上記フィン材と同材質で断面積が5mm2の棒状(ピン状)部材を用いた。また、ディスク部には、SKDを使用した。そして、支持部に付与した荷重Fは10kgf、回転半径(ディスク部の中心から供試材の抽伸までの距離)は15mm、回転数30rpm、測定時間20min、常温の条件にてアルミニウム粉凝着量を測定し、加工性を評価した。評価が◎及び○のものを合格、評価が△及び×のものを不合格とした。
また、摩擦係数は、0.2以下の場合を合格とした。
(評価基準)
◎:アルミニウム粉凝着量が0.0002mg/m以下の場合
○:アルミニウム粉凝着量が0.0002mg/m超え、0.0004mg/m以下の場合
△:アルミニウム粉凝着量が0.0004mg/m超え、0.0006mg/m以下の場合
×:アルミニウム粉凝着量が0.0006mg/m超えの場合
【0054】
<油残存性試験>
上記素材の表面へ供試油を滴下し、素材表面と油滴間で形成される接触角を測定し、油残存性を評価した。評価が◎及び○のものを合格、評価が×のものを不合格とした。
(評価基準)
◎:接触角が25°以下の場合
○:接触角が25°超え35°以下の場合
×:接触角が35°を超える場合
【0055】
<臭気性評価試験>
各供試油について、無差別に選定した10人に臭気を嗅がせて臭気無し、臭気の違和感の有無を判断をしてもらい、臭気性を判断した。評価が◎及び○を合格、評価が△及び×を不合格とした。
(評価基準)
◎:違和感無し10人
○:違和感無し5人以上9人以下
△:違和感無し1人以上4人以下
×:違和感無し0人
【0056】
<手荒れ性評価試験>
各供試油について、無差別に選定した10人に素手で触らせて、かゆみなどの違和感の有無を判定してもらい、手荒れ性を評価した。評価が◎及び○を合格、評価が△及び×を不合格とした。
(評価基準)
◎:違和感無し10人
○:違和感無し5人以上9人以下
△:違和感無し1人以上4人以下
×:違和感無し0人
【0057】
<作業性評価試験>
各供試油について、低音用DTA装置によりDTA曲線を求めて凝固点を測定し、作業性を評価した。評価が◎及び○を合格、評価が×を不合格とした。
(評価基準)
◎:凝固点が10℃未満の場合
○:凝固点が10℃超え、20℃未満の場合
×:凝固点が20℃超えの場合
【0058】
<蟻の巣腐食性評価試験>
実施例または比較例の供試油6mLと蒸留水50mL、銅粉1gを100mLビーカー中に加え、90℃の恒温乾燥機中で48時間加熱した。冷却後、水層の約2mLを抜き取り、水槽に溶出している有機酸イオン濃度をイオンクロマトグラフ法により分析した。分析元素は、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオンとし、蟻の巣腐食性を評価した。評価が◎のものを合格、×のものを不合格とした。
【0059】
(評価基準)
◎:水槽への溶出量が5ppm(mg/L)以下の場合
×:水槽への溶出量が5ppm(mg/L)超えの場合
これらの結果を表3、及び表4に示す。
【0060】
【表3】

【0061】
【表4】

【0062】
表3より知られるごとく、本発明の実施例としての試料E1〜試料E15は、静電塗油性、乾燥性、加工性、油残存性、臭気性、手荒れ性、作業性、蟻の巣腐食性のいずれの評価においても良好な結果を示した。これにより、本発明のアルミニウム合金用塑性加工潤滑油は、静電塗油装置により均一に塗油することができ、かつ、臭いや肌荒れ等の問題がなく、低コストで、乾燥性も良く、アルミニウム粉の分散性に優れ、潤滑性に優れている。
【0063】
表4より知られるごとく、本発明の比較例としての試料C1及び試料C9は、第2添加剤の含有量が、本発明の下限を下回るため、静電塗油性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C2及び試料C10は、第2添加剤の含有量が本発明の上限を上回るため、静電塗油性、乾燥性、油残存性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C3は、第2添加剤を含有していないため、静電塗油性が不合格であった。
【0064】
また、本発明の比較例としての試料C4は、第1添加剤の炭化水素基R1の炭素数が本発明の下限を下回るため、潤滑性不良、アルミニウム凝着による成形不良、臭気がキツイという理由により、加工性、及び臭気性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C5は、第1添加剤の炭化水素基R1の炭素数が本発明の上限を上回るため、乾燥性の悪化、融点が高くなり、常温で固化し易くなるという理由により、乾燥性及び油残存性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C6は、第1添加剤の炭化水素基R2の炭素数が本発明の上限を上回るため、乾燥性が悪化し、かつ融点が高くなり、常温で固化し易くなるという理由により、乾燥性と油残存性が不合格であった。
【0065】
また、本発明の比較例としての試料C7は、第1添加剤の含有量が本発明の下限を下回るため、潤滑不良、及びアルミニウム粉が凝着するという理由により、加工性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C8は、第1添加剤の含有量が本発明の上限を上回るため、乾燥性が悪化するという理由により、乾燥性と油残存性が不合格であった。
【0066】
また、本発明の比較例としての試料C11は、基油としてアロマ鉱油を用いているため、手荒れ性及び臭気性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C12は、基油としてアロマ鉱油を用い、また、第1添加剤としてラウリルアルコールを用いているため、臭気性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C13は、基油としてアロマ鉱油を用い、また、第1添加剤としてラウリン酸を用いているため、臭気性及び蟻の巣腐食性が不合格であった。
また、本発明の比較例としての試料C14は、基油としてα−オレフィンを用いているため、手荒れ性及び臭気性が不合格であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノンアロマ鉱油又は/およびイソパラフィンからなる基油と、一般式R1−COO−R2(但し、R1は炭素数7〜17の炭化水素基、R2は、炭素数1〜4の炭化水素基)により示される脂肪酸エステルからなる第1添加剤と、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、または両性界面活性剤からなる第2添加剤とからなり、静電塗油方法により塗油可能なアルミニウム合金用塑性加工潤滑油であって、
上記第1添加剤は、0.1%〜10%含有し、
上記第2添加剤は、0.001〜5.0%含有し、
上記アルミニウム合金用塑性加工潤滑油は、導電率が2000〜500000pS/mであることを特徴とするアルミニウム合金用塑性加工潤滑油。
【請求項2】
請求項1において、更に、脂肪酸アミン、アルカノールアミン、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、脂環式アミン、複素環アミン、およびそれらのアルキレンキシド付加物、及びアルキルスルホン酸塩の少なくとも1種以上からなる第3添加物を、合計0.01〜2.0%含有することを特徴とするアルミニウム合金用塑性加工潤滑油。
【請求項3】
請求項1または2において、上記第2添加剤は、ポリスルホン、ポリアミン、アルキルナフタレンスルホン酸のアンモニウム化合物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アルキルアミン塩の少なくとも1種以上であることを特徴とするアルミニウム合金用塑性加工潤滑油。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、上記アルミニウム合金用塑性加工油は、アルミニウム合金よりなる熱交換機用フィン材をプレス加工する際に用いられるフィンプレス用であることを特徴とするアルミニウム合金用塑性加工油。
【請求項5】
請求項4に記載のアルミニウム合金用塑性加工潤滑油を用いてアルミニウム合金よりなる熱交換機用フィン材を製造する方法であって、
上記アルミニウム合金用塑性加工潤滑油を静電塗油装置に供給し、該静電塗油装置からアルミニウム合金板に均一に塗油し、
塗油された上記アルミニウム合金板をフィンプレス装置に供給して、該フィンプレス装置によって熱交換機用フィン材にプレス加工することを特徴とする熱交換機用フィン材の製造方法。

【公開番号】特開2008−19299(P2008−19299A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190032(P2006−190032)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000002277)住友軽金属工業株式会社 (552)
【Fターム(参考)】