説明

アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト

構造


(Rは、例えば、Yは、1)R、2)−C(R)(C(R))0−1及び3)−C(R)−O−Yからなる群から選択され;R、R、R及びRは、水素及びC1−4アルキルからなる群から独立に選択され;R5はであり;Y1は、C(O)−O−及びP(O)(OR6)−O−からなる群から選択され;並びにR6は、水素又はCH3である。)
を有する化合物又は医薬として許容されるその塩及び高血圧を治療するために前記化合物を使用する方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
米国特許第5,138,069号は、2−ブチル−4−クロロ−1−[p−(o−1H−テトラゾール−5−イルフェニル)−ベンジル]イミダゾール−5−メタノールカリウム塩及び2−ブチル−4−クロロ−1−[(2’−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル]イミダゾール−5−カルボン酸を包括的に及び具体的に記載している。米国特許第5,136,069号の欄261から263は、カプセル、錠剤、注射用製剤及び懸濁物など、この特許に記載されている化合物を調合するための一般的な操作を記載している。米国特許第5,153,197号は、高血圧を有する患者を治療するために、単独で及び利尿薬と組み合わせて、これらの化合物の使用を記載する。
【0002】
WO2005011646は、アンギオテンシンII受容体遮断薬ニトロ誘導体、これを含有する医薬組成物、心血管、腎臓及び慢性肝疾患、炎症性プロセス及びメタボリックシンドロームの治療のためのその使用を記載する。この公報は、様々な様式で、その各々が一酸化窒素基に共有結合されている様々なアンギオテンシン受容体遮断薬化合物を記載する。具体例には、1つの共有結合された一酸化窒素基を有するアンギオテンシン受容体遮断薬及び独立に共有結合された2つの一酸化窒素基を有するアンギオテンシン受容体遮断薬が含まれる。WO2005023182は、ニトロソ化された(nitrosated)及びニトロシル化された心血管化合物並びに少なくとも1つのニトロソ化された及びニトロシル化された心血管化合物を含み、及び少なくとも1つの一酸化窒素供与体を場合によって含む組成物を記載する。ニトロソ化された又はニトロシル化された心血管化合物は、アルドステロンアンタゴニスト、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、カルシウムチャンネル遮断薬、エンドセリンアンタゴニスト、ヒドララジン化合物、中性エンドペプチダーゼ阻害剤又はレニン阻害剤であり得る。一酸化窒素供与体は、S−ニトロソチオール、亜硝酸塩/エステル、硝酸塩/エステル、N−オキソ−N−ニトロソアミン、フロキサン及びシドノニミンから選択され得る。
【0003】
WO2005070868は、5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシルアセタート、6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイルジニトラート、5−ヒドロキシペンタン−1,2−ジイルジニトラート、(5R)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル4−ニトロベンゾアート、(5S)−5,6−ビス(ニトロオキシ)ヘキシル4−ニトロベンゾアート、(2R)−6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイルジニトラート、(2S)−6−ヒドロキシヘキサン−1,2−ジイルジニトラート、(2S)−プロパン−1,2−ジイルジニトラート及び(2R)−プロパン−1,2−ジイルジニトラートなどの一酸化窒素供与化合物と組み合わせて、選択されたシクロオキシゲナーゼ−2−阻害剤を投与することを含む、血栓性心血管現象のリスクを有するシクロオキシゲナーゼ−2媒介性疾病又は症状を治療するための組み合わせ療法を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,138,069号明細書
【特許文献2】米国特許第5,136,069号明細書
【特許文献3】米国特許第5,153,197号明細書
【特許文献4】国際公開第2005/011646号
【特許文献5】国際公開第2005/023182号
【特許文献6】国際公開第2005/070868号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、アンギオテンシンII受容体アンタゴニストイソソルバイドモノニトラート又はイソマンニドモノニトラート及びイソイジドモノニトラートなどのその異性体化合物及び医薬として許容される様々な塩及びこれらの形態の水和物などのこれらの誘導体、並びにこれらの形態を患者に制御された送達又は徐放送達するための医薬製剤を含む。
【0006】
塩には、無機酸(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、リン酸塩、硝酸塩など)から誘導される非毒性塩又は例えば、無機若しくは有機酸若しくは塩基から形成される四級アンモニウム塩などの非毒性塩が含まれる。酸付加塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩及びウンデカン酸塩が含まれる。塩基塩には、アンモニウム塩、ナトリウム及びカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム及びマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミンなどの有機塩基との塩並びにアルギニン、リジンなどのアミノ酸との塩が含まれる。また、塩基性含窒素基は、塩化、臭化及びヨウ化メチル、エチル、プロピル及びブチルなどのハロゲン化低級アルキルなどの因子;ジメチル、ジエチル、ジブチルのようなジアルキル硫酸並びにジアミル硫酸、塩化、臭化及びヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチル及びステアリルなどの長鎖ハロゲン化物、臭化ベンジル及びフェネチル及びその他のようなハロゲン化アラルキル並びにその他で四級化され得る。
【0007】
本発明は、以下の症状の1つ又はそれ以上を有する患者に、本発明のアンギオテンシンII受容体アンタゴニストを投与することによって、高血圧、うっ血性心不全、肺性高血圧、腎臓機能不全、腎虚血、腎不全、腎繊維症、心臓機能不全、心肥大、心臓繊維症、心筋性虚血、心臓筋肉症、糸球体腎炎、腎疝痛、腎症状、血管症状及び神経症状などの糖尿病から生じる合併症、緑内障、眼内圧上昇、アテローム性動脈硬化、血管形成術後の再狭窄、血管又は心臓手術後の合併症、勃起機能不全、高アルドステロン症、肺繊維症、強皮症、不安、認知障害、免疫抑制剤を用いた治療の合併症並びにレニン−アンギオテンシン系と関連することが知られている他の疾病を治療するための方法も含む。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の化合物は、一般式:
【0009】
【化1】

(Rは、
【0010】
【化2】


からなる群から選択され、
Yは、
1)R
2)−C(R)(C(R))0−1及び
3)−C(R)−O−Y
からなる群から選択され、
又は
【0011】
【化3】

は、
【0012】
【化4】

であり;
、R、R及びRは、水素及びC1−4アルキルからなる群から独立に選択され;並びに
は、
【0013】
【化5】

からなる群から選択され;
は、−C(O)−O−及び−P(O)(OR)−O−からなる群から選択され;並びに
は、水素又はCHである。)
を有するアンギオテンシンII受容体アンタゴニスト(ニトロオキシ)誘導体又は医薬として許容されるその塩である。
【0014】
本発明の一実施形態において、R、R、R及びRは、水素及びCHからなる群から独立に選択される。
【0015】
本発明の別の実施形態において、Yは、−C(O)−O−、−P(O)(OH)−O−及び−P(O)(OCH)−O−からなる群から選択される。
【0016】
本発明の別の実施形態において、Yは、−C((CH)(CH))OC(O)O−R、−CH(CH)OC(O)O−R、−R、−CHC(O)O−R、−CH(CH)C(O)O−R、CHCHC(O)O−R、−CHOP(O)(OCH)O−R及び−CHP(O)(OH)O−Rからなる群から選択される。
【0017】
本発明の別の実施形態において、Yは、C((CH)(CH))OC(O)O−R及び−CH(CH)OC(O)O−Rからなる群から選択される。
【0018】
本発明の別の実施形態において、Yは、C((CH)(CH))OC(O)O−R及び−CH(CH)OC(O)O−R(Rは、
【0019】
【化6】

である。)
からなる群から選択される。
【0020】
本発明の別の実施形態において、Yは、C((CH)(CH))OC(O)O−R及び−CH(CH)OC(O)O−R(Rは、
【0021】
【化7】

である。)
からなる群から選択される。
【0022】
別の実施形態において、前記化合物は、
1−[({[(3S,6R)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]−1−メチルエチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート、
(1S)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(1R)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(1S)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート、
(1R)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート、
(1S)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル(2S)−3−メチル−2−(ペンタノイル{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}アミノ)ブタノアート、
(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート、
2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(1R)−1−メチル−2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(1S)−1−メチル−2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
3−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−3−オキソプロピル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
[(メトキシ{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)オキシ]メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート及び
(ヒドロキシ{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
からなる群又はこれらの立体異性体又は医薬として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体の医薬として許容される塩からなる群から選択される。
【0023】
本発明の化合物が1つのキラル中心を含有する場合、「立体異性体」という用語は、鏡像異性体及び(ラセミ混合物と称される特定の50:50混合物などの)鏡像異性体の混合物の両方を含む。本発明の化合物は、複数のキラル中心を有し得、複数の立体異性体を与える。本発明は、立体異性体及びその混合物の全てを含む。具体的に別段の記述がなければ、1つの立体異性体に対する表記は、可能な立体異性体の全てに当てはまる。立体異性体組成物が指定されていない場合には、全ての可能な立体異性体が含まれる。使用される場合、「*」という印が付されている構造は、キラル中心である炭素原子の位置を示している。キラル炭素への結合が直線として図示されている場合、キラル炭素の(R)及び(S)の立体構造の両方(従って、鏡像異性体とその混合物の両方)が表されていることが理解される。
【0024】
注記がある場合を除き、本明細書において使用される「アルキル」は、炭素原子の指定された数を有する、分岐及び直鎖の飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むものとする。アルキル基に対して一般的に使用される略号が、本明細書を通じて使用され、例えば、メチルは、「Me」若しくはCH又は末端基として伸長された結合である記号、例えば、
【0025】
【化8】

などの慣用の略号によって表すことができ、エチルは、「Et」又はCHCHによって表すことができ、プロピルは、「Pr」又はCHCHCHによって表すことができ、ブチルは、「Bu」又はCHCHCHCHによって表すことができるなど。「C1−4アルキル」(又は「C−Cアルキル」)は、例えば、炭素原子の指定された数を有する、直鎖又は分岐鎖のアルキル基(全ての異性体を含む。)を意味する。C1−4アルキルには、n−、イソ−、sec−及びt−ブチル、n−及びイソプロピル、エチル及びメチルが含まれる。数字が指定されていない場合、直鎖又は分岐アルキル基に対して、1から4個の炭素原子が意図される。
【0026】
本発明のアンギオテンシンII受容体アンタゴニストは、高血圧、うっ血性心不全、肺性高血圧、腎臓機能不全、腎虚血、腎不全、腎繊維症、心臓機能不全、心肥大、心臓繊維症、心筋性虚血、心臓筋肉症、糸球体腎炎、腎疝腎症状、血管症状及び神経症状などの糖尿病から生じる合併症、緑内障、眼内圧上昇、アテローム性動脈硬化、血管形成術後の再狭窄、血管又は心臓手術後の合併症、勃起機能不全、高アルドステロン症、肺繊維症、強皮症、不安、認知障害、免疫抑制剤を用いた治療の合併症に関連する疾病並びにレニン−アンギオテンシン系に関連することが知られた他の疾病の治療及び/又は予防のために有用である。
【0027】
本発明のアンギオテンシンII受容体アンタゴニストは、高血圧、うっ血性心不全、肺性高血圧、腎臓機能不全、腎虚血、腎不全、腎繊維症、心臓機能不全、心肥大、心臓繊維症、心筋虚血、心筋症、腎症状、血管症状及び神経症状などの糖尿病に由来する合併症に関連する疾病を治療及び/又は予防するのに特に有用である。
【0028】
一実施形態において、本発明は、レニン−アンギオテンシン系の制御解除と関連する疾病を治療及び/又は予防するための方法、特に、上記疾病を治療又は予防するための方法に関し、前記方法は、本発明のアンギオテンシンII受容体アンタゴニストの医薬として活性な量を患者に投与することを含む。
【0029】
本発明は、上記疾病を治療及び/又は予防するための医薬の調製のための、本発明のアンギオテンシンII受容体アンタゴニストII受容体アンタゴニストの使用にも関する。
【0030】
本発明の上記アンギオテンシンII受容体アンタゴニストは、アンギオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルチプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリル又はトランドラプリル)、中性エンドペプチダーゼ阻害剤(例えば、チオルファン及びホスホラミドン)、アルドステロンアンタゴニスト、レニン阻害剤(例えば、ジ−及びトリペプチドの尿素誘導体(米国特許第5,116,835号)、アミノ酸及び誘導体(米国特許第5,095,119号及び米国特許第5,104,869号)、非ペプチド結合によって連結されたアミノ酸鎖(米国特許第5,114,937号)、ジ及びトリペプチド誘導体(米国特許第5,106,835号)、ペプチジルアミノジオール(米国特許第5,063,208号及び同第4,845,079号)及びペプチジルβ−アミノアシルアミノジオールカルバマート(米国特許第5,089,471号);以下の米国特許第5,071,837号;同第5,064,965号;同第5,063,207号;同第5,036,054号;同第5,036,053号;同第5,034,512号及び同第4,894,437号に開示されている様々な他のペプチド類縁体、並びに小分子レニン阻害剤(ジオールスルホンアミド及びスルフィニル(米国特許第5,098,924号)、N−モルホリノ誘導体(米国特許第5,055,466号)、N−複素環式アルコール(米国特許第4,885,292号)及びピロールイミダゾロン(米国特許第5,075,451号);ペプスタチン誘導体(米国特許第4,980,283号)並びにスタトン含有ペプチドフルオロ及びクロロ誘導体(米国特許第5,066,643号)、エナルクレイン、RO42−5892、A65317、CP80794、ES1005、ES8891、SQ34017、アリスキレン((2S,4S,5S,7S)−N−(2−カルバモイル−2−メチルプロピル)−5−アミノ−4−ヒドロキシ−2,7−ジイソプロピル−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]−オクタンアミドヘミフマラート)、SPP600、SPP630及びSPP635)、エンドセリン受容体アンタゴニスト、血管拡張剤、カルシウムチャンネル遮断薬(例えば、アムロジピン、ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ガロパミル、ニルジピン、ニモジピン、ニカルジピン)、カリウムチャンネル活性化因子(例えば、ニクランジル、ピナシジル、クロマカリム、ミノキシジル、アプリルカリム、ロプラゾラム)、利尿薬(例えば、ヒドロクロロチアジド)、交感神経拮抗薬(sympatholitics)、β−アドレナリン作動遮断薬(例えば、プロプラノロール、アテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロール又はメトプロロール・タルタート(tartate))、α−アドレナリン作動遮断薬(例えば、ドキサゾシン、プラゾシン又はαメチルドパ)、中枢性αアドレナリン作動性アゴニスト、末梢性血管拡張薬(例えば、ヒドララジン)、脂質降下剤(例えば、シンバスタチン、ロバスタチン、エゼタミブ、アトルバスタチン、プラバスタチン)、インシュリン増感剤及び関連化合物(例えば、ムラグリタザール、グリピジド、メトフォルミン、ロシグリタゾン)などの代謝改変剤を含む他の薬理学的に活性な化合物と又はニトロプルシド及びジアゾキシドなどの上記疾病の予防又は治療に有益な他の薬物と組み合わせても使用される。
【0031】
アンギオテンシンII受容体アンタゴニストを用いる投薬治療計画は、患者の種類、種、年齢、体重、性別及び医学的条件;治療されるべき症状の重度;投与の経路;患者の腎及び肝機能;並びに使用される具体的な化合物又はその塩などの様々な要因に従って選択される。通常の熟練した医師又は獣医師は、症状の進行を抑制し、打消し、又は停止させるために必要とされる薬物の有効量を容易に決定及び処方することができる。
【0032】
アンギオテンシンII受容体アンタゴニストの経口投薬量は、表記された効果のために使用される場合、約0.0125mg/kg体重/日(mg/kg/日)から約7.5mg/kg/日、好ましくは0.0125mg/kg/日から3.75mg/kg/日、より好ましくは、0.3125mg/kg/日から1.875mg/kg/日の間の範囲である。例えば、80kgの患者は、約1mg/日と600mg/日の間、好ましくは1mg/日から300mg/日、より好ましくは25mg/日から150mg/日を服用する。従って、一日一回の投与のための適切に調製された医薬は、1mgと600mgの間、好ましくは、1mgと300mgの間、より好ましくは、25mgと300mg、例えば、25mg、50mg、100mg、150、200、250及び300mgを含有する。有利には、アンギオテンシンII受容体アンタゴニストは、1日に2回、3回又は4回の分割された投薬で投与され得る。1日に2回投与する場合、適切に調製された医薬は、0.5mgと300mg、好ましくは、0.5mgと150mgの間、より好ましくは、12.5mgと150mgの間、例えば、12.5mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mgと150mgを含有する。
【0033】
本発明のアンギオテンシンII受容体アンタゴニストは、錠剤、カプセル及び顆粒などの経口形態で投与され得る。アンギオテンシンII受容体アンタゴニストは、以下に記載されているように、適切な医薬結合剤と混合された活性成分として通例投与される。%w/wは、全組成物と比較した、表記組成物の構成成分の重量%を表す。これらの剤形において使用される適切な充填剤には、微結晶性セルロース、ケイ化された微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、ラクトース、マニトール及びデンプン、好ましくは、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、ラクトース又はこれらの混合物が含まれる。適切な結合剤には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デンプン、ゼラチン、グルコース又はβ−ラクトース等の天然の糖、トウモロコシ甘味料(corn−sweetner)、アラビアゴム、トラガカント又はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース及びポリビニルピロリドンなどの天然及び合成ゴムが含まれる。これらの剤形において使用される潤滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸など、好ましくは、ステアリン酸が含まれる。適切なコーティング組成物には、エチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース及びEudragit(R)として商業的に公知のアクリラート共重合体などの不溶性ポリマーの水性分散物又は有機溶液が含まれる。可塑剤には、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、トリアセチン及びヒマシ油が含まれる。抗粘着剤には、タルク、カオリン、コロイド状シリカ又はこれらの混合物が含まれる。
【0034】
2−ブチル−4−クロロ−1−[(2’−(1−H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル)メチル]−イミダゾール−5−カルボン酸は、一カリウム塩として入手可能な2−ブチル−4−クロロ−1−[p−(o−1H−テトラゾール−5−イルフェニル)−ベンジル]イミダゾール−5−メタノールの活性な代謝物(ロサルタンカリウム塩としても知られる。)である。ロサルタンカリウム塩は、COZAAR(R)(Merck & Co., Inc. (Whitehouse Station, NJ))中の活性成分として市販されている。ロサルタンカリウム塩の調製は、米国特許第5,138,069号、同第5,130,439号及び同5,310,928第号に記載されている。ロサルタンカリウム塩の合成において有用なテトラゾリルフェニルボロン酸中間体は、米国特許第5,206,374号に記載されている。ロサルタンを作製するのに有用な操作を記載するさらなる特許には、米国特許第4,820,843号、同第4,870,186号、同第4,874,867号、同第5,039,814号及び同第5,859,258号が含まれる。
【0035】
中間体1
【0036】
【化9】

1−メチル−1−{[(4−ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート
無水テトラヒドロフラン(95mL)中の、酸化水銀(1.17g、5.39mmol)及び2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸(7.36g、10.8mmol)のオレンジ色の懸濁液を、室温で24時間撹拌した。次いで、(米国特許第5,684,018号に記載されているように調製された)2−クロロイソプロピルp−ニトロフェニルカルボナート(1.40g、5.39mmol)を添加し、室温で約7日間、反応を撹拌し、TLC(ヘキサン/酢酸エチル6/4)によってモニターした。ジクロロメタンで混合物を希釈し、水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で脱水させ、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(BiotageSP1;カラム65i;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル7/3;R=0.20)によって、残留物を精製して、表題の生成物を得た。
【0037】
中間体2及び3
【0038】
【化10】

(1S)−1−クロロエチル(3S,3aR,6R,6aR)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカルボナート及び(1R)−1−クロロエチル(3S,3aR,6R,6aR)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカルボナート
室温で、ジクロロメタン(209mL)中の、イソソルバイド−5−モノニトラート(10.0g、52.3mmol)及び1−クロロエチルクロロホルマート(6.6mL、60.7mmol)の溶液に、ピリジン(13.2mL、164mmol)を添加した。溶液を2日間撹拌した。水を添加し、ジクロロメタンを用いて溶液を抽出した。合わせた有機層を脱水し(硫酸マグネシウム)、ろ過し、真空中で濃縮した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによって、残留物を精製し、酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出して、それぞれ、まず、(S)−ジアステレオマー、続いて(R)−ジアステレオマーを得た。(S)−ジアステレオマー(中間体2):HNMR(500MHz,CDCl)δ6.40(q,J=6.0Hz,1H),5.36(td,J=5.5,3.0Hz,1H),5.17(d,J=2.5Hz,1H),5.00(t,J=5.5Hz,1H),4.56(d,J=4.5Hz,1H),4.11(d,J=8.0Hz,1H),4.02(t,J=12.5Hz,2H),3.91(dd,J=11.0,5.5Hz,1H),1.82(d,J=6.0Hz,3H)。(R)−ジアステレオマー(中間体3):HNMR(500MHz,CDCl)δ6.40(q,J=6.0Hz,1H),5.36(td,J=5.5,2.0Hz,1H),5.16(d,J=2.5Hz,1H),4.99(t,J=5.5Hz,1H),4.54(d,J=4.5Hz,1H),4.14(t,J=11.0Hz,1H),4.05−3.99(m,2H),3.91(dd,J=11.0,5.5Hz,1H),1.82(d,J=6.0Hz,3H)。
【0039】
中間体4
【0040】
【化11】

2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸
工程A:(2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(E3174)
【0041】
【化12】

22Lの4つ首丸底フラスコに、水(10L)を添加した。水を0℃まで冷却した。0℃で、水酸化カリウム(855g、15.24mol)を添加した後、ロサルタンカリウム(500g、1.09mol)、過ヨウ素酸ナトリウム(554g、2.59mol)及び塩化ルテニウム(III)水和物(12g、0.05mol)を添加し、0℃で一晩、反応混合物を撹拌した。反応混合物をろ過した。IPA(90mL)を、撹拌しながらろ液に添加した。溶液を25℃まで加温し、2.5時間撹拌した。2.5時間後、+30℃以下に温度を維持しながら、リン酸(1200mL)を添加した。混合物を30分間撹拌し、生成物をろ過し、水で洗浄した。55℃で一晩、真空オーブン中で残留物を乾燥させた。メタノール(4L)及び酢酸イソプロピル(12L)中に固体を溶解し、チャコール(活性炭)(100g)を添加した。室温で3.5時間、混合物を撹拌し、ろ過し、濃縮した。DCM/MeOH中に生成物を再溶解し、ヘプタンを用いて沈殿させて、緑がかった/茶色の泡として、表題化合物を得、さらなる精製なしに、その後の工程で使用した。
【0042】
工程B:2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(2−トリチル−2H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸
【0043】
【化13】

DCM(4500mL)中のE3174(234.58g、0.54mol)の溶液に、トリエチルアミン(85mL、0.59mol)を添加した後、DCM(800mL)中の塩化トリチル(159g、0.56mol)の溶液を添加し、室温で一晩、反応混合物を撹拌した。水で反応混合物を洗浄し、脱水し(MgSO)、ろ過し、真空中で濃縮した。20から80%のアセトン/ヘプタンを用いて溶出するシリカ上のクロマトグラフィーによって、オレンジ色の固体として表題化合物を得た。
【実施例1】
【0044】
【化14】

1−[({[(3S,6R)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]−1−メチルエチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート
ジクロロメタン(12mL)中の、1−メチル−1−{[(4−ニトロフェノキシ)カルボニル]オキシ}エチル2−エトキシ1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾールー7−カルボキシラート(中間体1、0.800g、0.883mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.162g、1.33mmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム(0.087g;0.177mmol)の撹拌された溶液に、イソソルバイド−5−モノニトラート(0.203g、1.06mmol)を添加した。室温で24時間、溶液を撹拌した。次いで、ジクロロメタンで混合物を希釈し、リン酸二水素ナトリウム水溶液(20mL)及び塩水(20mL)で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウム上で脱水し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(BiotageSP1;カラム40+M;TLC法:n−ヘキサン/酢酸エチル:6/4;R=0.33)によって残留物を精製して固体を得、メタノール(8mL)中に溶解した。40℃で5時間、60℃で2時間及び室温で18時間、混合物を撹拌した。次いで、減圧下で、溶液を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(BiotageSP1;カラム25+M;ジクロロメタン/メタノール:98/2)によって残留物を精製し、白色固体として表題化合物を得た。HNMR(300MHz,CDCl)δ8.03(d,1H),7.69−7.58(m,2H),7.48(d,1H),7.31(d,1H),6.88(t,1H),6.80(d,2H),6.76−6.62(m,3H),5.60(s,2H),5.41−5.33(m,1H),5.03(d,1H),4.95(t,1H),4.48(d,1H),4.36−4.15(m,2H),4.10−3.86(m,3H),1.62(d,6H)1.43(t,3H)。
【実施例2】
【0045】
【化15】

(1S)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシラート
N,N−ジメチルホルムアミド(126mL)中の、2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(中間体4、8.56g、12.6mmol)及び(1S)−1−クロロエチル(3S,3aR、6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカルボナート(中間体2、3.75g、12.6mmol)の溶液に、炭酸セシウム(5.34g、16.4mmol)を添加した。70℃まで、2時間、混合物を加熱した。水を添加し、酢酸エチル(2×)を用いて溶液を抽出した。合わせた有機層を脱水し(硫酸マグネシウム)、ろ過し、真空中で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーによって残留物を精製し、ヘキサン中の0から100%酢酸エチルで溶出して、黄色の泡を得、続いてメタノール(106mL)中に溶解した。70℃で2時間、溶液を撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。アセトニトリル/水+0.1%トリフルオロ酢酸を用いて溶出するHPLC逆相(C−18)によって残留物を精製して、表題化合物を得た。HNMR(500MHz,CDCl)δ8.00(d,J=7.5Hz,1H),7.61(t,J=7.5Hz,1H),7.54(t,J=7.5Hz,1H),7.43(d,J=8.0Hz,1H),7.15(d,J=8.0Hz,2H),6.95(d,J=8.0Hz,2H),6.85(q,J=5.5Hz,1H),5.55(d,J=16.5Hz,1H),5.45(d,J=16.5Hz,1H),5.27(td,J=5.5,3.0Hz,1H),5.03(d,J=3.0Hz,1H),4.84(t,J=5.5Hz,1H),4.39(d,J=5.5Hz,1H),4.00(d,J=11.0Hz,1H),3.95−3.88(m,2H),3.78(dd,J=11.0,5.5Hz,1H),2.66(t,J=8.0Hz,2H),1.68(五重線,J=8.0Hz,2H),1.60(d,J=5.5Hz,3H),1.36(六重線,J=8.0Hz,2H),0.89(t,J=8.0Hz,3H);LC−MS:m/z698.2(M+H)。
【実施例3】
【0046】
【化16】

(1R)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボキシラート
試薬(1S)−1−クロロエチル(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカルボナート(中間体2)を(1R)−1−クロロエチル(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルカルボナート(中間体3)に置き換えたことを除き、実施例2に対する操作に従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDCl)δ7.97(d,J=7.5Hz,1H),7.61(t,J=7.5Hz,1H),7.54(t,J=7.5Hz,1H),7.43(d,J=8.0Hz,1H),7.14(d,J=8.0Hz,2H),6.94(d,J=8.0Hz,2H),6.85(q,J=5.5Hz,1H),5.54(d,J=16.5Hz,1H),5.48(d,J=16.5Hz,1H),5.30(td,J=5.5,3.0Hz,1H),5.02(d,J=3.0Hz,1H),4.90(t,J=5.5Hz,1H),4.56(d,J=5.5Hz,1H),4.03(d,J=11.0Hz,1H),3.96−3.89(m,2H),3.83(dd,J=11.0,5.5Hz,1H),2.64(t,J=8.0Hz,2H),1.65(五重線,J=8.0Hz,2H),1.59(d,J=5.5Hz,3H),1.34(六重線,J=8.0Hz,2H),0.87(t,J=8.0Hz,3H);LC−MS:m/z698.2(M+H)。
【実施例4】
【0047】
【化17】

(1S)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート
試薬2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸を2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸に置き換えたことを除き、実施例2に関する操作に従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDCl)δ7.91(d,J=7.1Hz,1H),7.62−7.58(m,2H),7.40(d,J=7.8Hz,1H),7.27(d,J=8.0Hz,1H),6.86(t,7=7.9Hz,1H),6.77(d,J=7.8Hz,2H),6.74−6.68(m,1H),6.65(d,J=7.6Hz,2H),6.61(q,J=5.3Hz,1H),5.55(s,2H),5.36(td,J=5.4,2.5Hz,1H),5.02(d,J=2.5Hz,1H),4.83(t,J=5.3Hz,1H),4.44(d,J=4.8Hz,1H),4.36−4.26(m,1H),4.14−4.04(m,1H),4.03(d,J=11.2Hz,1H),3.98(dd,J=11.4,2.3Hz,1H),3.92(dd,J=10.6,2.9Hz,1H),3.89(dd,J=11.5,5.3Hz,1H),1.40(t,J=7.1Hz,3H),1.26(d,J=4.8Hz,3H);LC−MS:m/z702.1(M+H)。
【実施例5】
【0048】
【化18】

(1R)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート
試薬2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸を2−エトキシ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸に置き換えたことを除き、実施例3に関する手法に従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDCl)δ7.98(dd,J=7.4,1.5Hz,1H),7.61(td,J=7.5,1.5Hz,1H),7.58(td,J=7.5,1.7Hz,1H),7.45(d,J=7.7Hz,1H),7.28(dd,J=7.6,1.1Hz,1H),6.89(t,J=7.9Hz,1H),6.82−6.74(m,3H),6.69(d,J=7.7Hz,2H),6.63(q,J=5.4Hz,1H),5.62(d,J=17Hz,1H),5.56(d,J=16.9Hz,1H),5.33(td,J=5.5,2.8Hz,1H),5.03(d,J=2.9Hz,1H),4.84(t,J=5.3Hz,1H),4.36(d,J=5.0Hz,1H),4.34−4.26(m,1H),4.18−4.10(m,1H),4.02−3.96(m,2H),3.94−3.86(m,2H),1.41(t,J=7.1Hz,3H),1.32(d,J=5.3Hz,3H);LC−MS:m/z702.1(M+H)。
【実施例6】
【0049】
【化19】

(1S)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル(2S)−3−メチル−2−(ペンタノイル{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}アミノ)ブタノアート
試薬2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸を市販の(2S)−3−メチル−2−(ペンタノイル{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}アミノ)酪酸に置き換えたことを除き、実施例2に対する操作に従うことによって、表題化合物を調製した。LC−MS:m/z719.4(M+Na)。
【実施例7】
【0050】
【化20】

(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]−3−イル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−カルボキシラート
2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(工程A、中間体4、7.83g、16.5mmol)、イソソルバイド−5−モノニトラート(1.55g、8.11mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(3.78g、19.7mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.25g、8.16mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.10g、0.82mmol)及びN−メチルモルホリン(9.0mL、82mmol)をジクロロメタン(150mL)中に溶解し、2日間撹拌した。次いで、これを真空中で濃縮し、逆相質量誘導HPLC(SunfireC−18)によって精製して、表題化合物を得た。HNMR(500MHz,CDCl)δ8.02(dd,J=7.6,1.0Hz,1H),7.61(td,7=7.6,1.3Hz,1H),7.55(td,J=7.7,1.1Hz,1H),7.43(d,J=7.8Hz,1H),7.18(d,J=7.7Hz,2H),6.96(d,J=7.8Hz,2H),5.50(s,2H),5.40(td,J=5.4,3.0Hz,1H),5.32−5.30(m,1H),4.99(t,J=5.2Hz,1H),4.51(d,J=5.0Hz,1H),4.06−4.02(m,3H),3.99(dd,J=11.4,5.4Hz,1H),2.68(t,J=7.7Hz,2H),1.69(五重線,J=7.7Hz,2H),1.36(六重線,J=7.5Hz,2H),0.89(t,J=7.3Hz,3H);LC−MS:m/z610.1(M+H)。
【実施例8】
【0051】
【化21】

(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート
試薬2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸を市販の2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボン酸に置き換えたことを除き、実施例7に対する操作に従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDCl)δ7.93(d,J=7.3Hz,1H),7.66−7.57(m,2H),7.41(t,J=4.4Hz,1H),7.32(d,J=7.3Hz,1H),7.00−6.90(m,2H),6.84(d,J=7.8Hz,2H),6.68(d,J=7.3Hz,2H),5.62(s,2H),5.24−5.18(m,1H),5.08(d,J=2.5Hz,1H),4.87(t,J=4.8Hz,1H),4.40−4.30(m,2H),4.20−4.10(m,1H),3.92(dd,J=11.2,2.7Hz,1H),3.80(dd,J=11.1,2.6Hz,1H),3.76(dd,J=11.3,5.8Hz,1H),3.54−3.42(m,1H),1.40(t,J=7.1Hz,3H);LC−MS:m/z614.2(M+H)。
【実施例9】
【0052】
【化22】

2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
工程A:2−エトキシ−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の、2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(中間体4、1000mg、1.48mmol)及び炭酸カリウム(347mg、2.51mmol)の溶液に、ブロモ酢酸エチル(263μL、2.37mmol)を添加した。室温で2時間、溶液を撹拌した。水を添加し、ジエチルエーテル(2×)を用いて溶液を抽出した。有機層を脱水し(硫酸マグネシウム)、ろ過し、真空中で濃縮した。以下の工程では、残留物を未精製の状態で使用した。LC−MS:m/z787.1(M+Na)。
【0053】
工程B:{[(2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]オキシ}酢酸
濃塩酸(24mL)中に、2−エトキシ−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート(1130mg、1.48mmol)を溶解した。100℃で30分間、溶液を撹拌した。ジエチルエーテル(2×)で溶液を洗浄し、真空中で水層を濃縮した。以下の工程では、残留物を未精製の状態で使用した。LC−MS:m/z495.0(M+H)。
【0054】
工程C:2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
試薬2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸を({[(2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]オキシ}酢酸に置き換えたことを除き、実施例7に対する操作に従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDCl)δ8.41−7.99(m,1H),7.60(t,J=7.5Hz,1H),7.54(t,J=7.5Hz,1H),7.42(d,J=7.5Hz,1H),7.15(d,J=7.5Hz,2H),6.96(d,J=7.5Hz,2H),5.53(d,J=16.5Hz,1H),5.49(d,J=16.5Hz,1H),5.33−5.29(m,1H),5.21(d,J=3.0Hz,1H),4.92(t,J=5.5Hz,1H),4.78(d,J=16.0Hz,1H),4.72(d,J=16.0Hz,1H),4.45(d,J=5.0Hz,1H),3.99(t,J=11.0Hz,1H),3.93(td,J=11.0,3.0Hz,2H),3.82(dd,J=11.0,5.0Hz,1H)2.67(t,J=7.5Hz,2H),1.67(五重線,J=7.5Hz,2H),1.35(六重線,J=7.5Hz,2H),0.88(t,J=7.5Hz,3H);LC−MS:m/z668.1(M+H)。
【実施例10】
【0055】
【化23】

(1R)−1−メチル−2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
工程A:(1R)−2−(ベンジルオキシ)−1−メチル−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
試薬イソソルバイド−5−モノニトラートを(R)−乳酸ベンジルエステルに置き換えたことを除き、実施例7に対する操作に従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDCl)δ8.09(d,J=7.5Hz,1H),7.58(t,J=7.5Hz,1H),7.53(t,J=7.5Hz,1H),7.40(d,J=7.0Hz,1H),7.32−7.24(m,5H),7.13(d,J=8.0Hz,2H),6.93(d,J=8.0Hz,2H),5.50(d,J=16.0Hz,1H),5.45(d,J=16.0Hz,1H),5.19(q,J=7.0Hz,1H),5.11(s,2H),2.69(t,J=8.0Hz,2H),1.72(五重線,J=7.5Hz,2H),1.55(d,J=7.0Hz,3H)1.39(六重線,J=7.5Hz,2H),0.91(t,J=7.5Hz,3H);LC−MS:m/z599.2(M+H)。
【0056】
工程B:(2R)−2−{[(2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]オキシ}プロパン酸
(1R)−2−(ベンジルオキシ)−1−メチル−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート(332mg、0.55mmol)の撹拌されたエタノール(5.5mL)溶液に、10%パラジウム炭素(59mg、0.55mmol)を添加した。水素下で2時間、混合物を撹拌した。Celiteを通して混合物をろ過し、真空中でろ液を濃縮して、白色固体として表題化合物を得た。HNMR(500MHz,CDCl)δ7.67−7.62(m,2H),7.56−7.50(m,2H),7.09(d,J=8.0Hz,2H),7.01(d,J=8.0Hz,2H),5.67(d,J=16.5Hz,1H),5.57(d,J=16.5Hz,1H),5.15(q,J=6.5Hz,1H),2.65(t,J=7.5Hz,2H),1.56(五重線,J=7.5Hz,2H),1.49(d,J=7.0Hz,3H),1.31(六重線,J=7.5Hz,2H),0.87(t,J=7.5Hz,3H);LC−MS:m/z509.2(M+H)。
【0057】
工程C:(1R)−1−メチル−2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
試薬{[(2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]オキシ}酢酸を(2R)−2−{[(2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]オキシ}プロパン酸に置き換えたことを除き、実施例7に対する操作によって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDOD)δ7.68−7.62(m,2H),7.58−7.52(m,2H),7.10(d,J=8.0Hz,2H),7.04(d,J=8.0Hz,2H),5.63(d,J=16.5Hz,1H),5.54(d,J=16.5Hz,1H),5.42(td,J=5.5,2.0Hz,1H),5.21(d,J=2.5Hz,1H),5.16(q,J=7.0Hz,1H),4.90(t,J=5.0Hz,1H),4.44(d,J=5.0Hz,1H),4.00−3.85(m,4H),2.66(t,J=7.0Hz,2H),1.57(五重線,J=7.0Hz,2H),1.50(d,J=7.5Hz,3H),1.31(六重線,J=7.0Hz,2H),0.87(t,J=7.0Hz,3H);LC−MS:m/z682.2(M+H)。
【実施例11】
【0058】
【化24】

(1S)−1−メチル−2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
試薬(R)乳酸ベンジルエステルを(S)−乳酸ベンジルエステルで置き換えたことを除き、実施例10に対する操作に従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDOD)δ7.68−7.62(m,2H),7.57−7.51(m,2H),7.10(d,J=8.0Hz,2H),6.99(d,J=8.0Hz,2H),5.63(d,J=16.5Hz,1H),5.56(d,J=16.5Hz,1H),5.41(td,J=5.5,2.0Hz,1H),5.20−5.13(m,2H),4.90(t,J=5.0Hz,1H),4.27(d,J=5.5Hz,1H),3.99−3.84(m,4H),2.66(t,J=7.5Hz,2H),1.57(五重線,J=7.0Hz,2H),1.48(d,J=7.0Hz,3H),1.31(六重線,J=7.0Hz,2H),0.87(t,J=7.0Hz,3H);LC−MS:m/z682.2(M+H)。
【実施例12】
【0059】
【化25】

3−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−3−オキソプロピル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
工程A:ベンジル3−ヒドロキシプロパノアート
0℃でベンジルアルコール(45g、420mmol)中のナトリウムメトキシド(0.18g、3.5mmol)の撹拌された溶液に、β−プロピオラクトン(5g、25mmol)をゆっくり添加した。0℃でさらに2時間、撹拌を続けた。次いで、混合物を室温まで加温した。7時間撹拌した後、水で反応混合物を洗浄し、脱水し、蒸留して表題化合物を得た。HNMR(300MHz,CDCl):δ7.33(m,5H),5.13(s,2H),3.86(t,J=5.6Hz,2H),2.59(m,2H)。
【0060】
工程B:3−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−3−オキソプロピル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]−メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
試薬(R)−乳酸ベンジルエステルをベンジル−3−ヒドロキシプロパノアートで置き換えたことを除き、実施例10に対する操作に従うことによって、表題化合物を調製した。LC−MS:m/z682.0(M+H)。
【実施例13】
【0061】
【化26】

[(メトキシ{[(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)オキシ]メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
工程A:ジメチル(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルホスファート
ピリジン(10mL)中の、イソソルバイド−5−モノニトラート(3.82g、20.0mmol)及び四臭化炭素(7.30g、22.0mmol)の撹拌された0℃の混合物に、約1時間にわたって、ホスホン酸トリメチル(2.95mL、25.0mmol)を滴加し、室温で3時間、混合物を撹拌した。1M塩酸とジエチルエーテル/酢酸エチル(1:1)の間に、反応を分配した。ジエチルエーテルを用いて、水相を抽出した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩水で、合わせた有機抽出物を洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、真空中で濃縮した。50から100%の酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出するシリカ上のクロマトグラフィーによって、オレンジ色の固体として表題化合物を得た。HNMR(500MHz,CDOD)δ5.46(td,J=5.5,2.2Hz,1H),5.02(t,J=5.3Hz,1H),4.82(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),4.58(d,J=5.1Hz,1H),4.10(d,J=10.7Hz,1H),3.99(dd,J=11.5,2.1Hz,1H),3.91(dd,J=11.4,5.2Hz,1H),3.88(dt,J=11.0,2.4Hz,1H),3.80(d,J=2.7Hz,3H),3.78(d,J=2.7Hz,3H);LC−MS:m/z300.0(M+H)。
【0062】
工程B:メチル(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルリン酸水素
0℃のアセトニトリル(6mL)中のジメチル(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルホスファート(400mg、1.34mmol)の撹拌された室温の混合物に、ブロモトリメチルシラン(0.191mL、1.47mmol)を添加し、室温で1時間、混合物を撹拌した。メタノール(5mL)を添加し、溶液を濃縮した。調製用HPLCによって、残留物を精製し、10から100%のアセトニトリル/水+0.1%トリフルオロ酢酸を用いて溶出して、白色のゴムとして、表題化合物を得た。HNMR(500MHz,CDOD)δ5.45(tt,J=5.3,2.6Hz,1H),5.00(q,J=5.4Hz,1H),4.74(ddd,J=9.7,7.2,2.8Hz,1H),4.57(d,J=4.9Hz,1H),4.09(d,J=10.5Hz,1H),3.97(dt,J=11.3,2.5Hz,1H),3.92−3.83(m,2H),3.72(d,J=11.2Hz,3H);LC−MS:m/z286.0(M+H)。
【0063】
工程C:クロロメチルメチル(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルホスファート
ジクロロメタン(5mL)及び水(7.5mL)中のメチル(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3イルリン酸水素(245mg、0.859mmol)の激しく撹拌された0℃の混合物に、炭酸水素ナトリウム(289mg、3.44mmol)、次いで、テトラブチルアンモニウム・硫酸水素(29.2mg、0.086mmol)を添加し、0℃で10分間、混合物を撹拌した。ジクロロメタン(2.5mL)中のクロロメチルクロロサルファート(0.106mL、1.03mmol)を添加し、室温で一晩、混合物を撹拌した。有機相を除去し、脱水し、濃縮した。20から60%の酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出するシリカ上のクロマトグラフィーによって、無色の油として表題化合物を得た。HNMR(500MHz,CDCl)δ5.72−5.64(m,2H),5.36(td,J=5.5,2.8Hz,1H),5.02(t,J=5.2Hz,1H),4.93(五重線,J=3.6Hz,1H),4.63(dd,J=12.1,4.8Hz,1H),4.18(dd,J=11.0,7.3Hz,1H),4.00(dd,J=11.4,2.8Hz,1H),3.94(dq,J=11.1,2.4Hz,1H),3.90(dd,J=11.3,5.6Hz,1H),3.83(d,J=11.4Hz,3H);LC−MS:m/z334.0(M+H)。
【0064】
工程D:[(メトキシ{[(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)オキシ]メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
N,N−ジメチルホルムアミド中のクロロメチルメチル(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イルホスファート(300mg、0.090mmol)及び2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(中間体4、61.1mg、0.090mmol)の撹拌された室温の混合物に、炭酸セシウム(29.3mg、0.090mmol)を添加し、室温で一晩、混合物を撹拌した。反応を冷却し、水で反応を停止し、酢酸エチルを用いて抽出した。飽和塩水で有機相を洗浄し、脱水し(硫酸ナトリウム)、ろ過し、真空中で濃縮した。40から100%の酢酸エチル/ヘキサンを用いて溶出するシリカ上のクロマトグラフィーは、分離されたジアステレオマーを与えた。D1:HΝMR(500MHz,CDOD)δ7.81(dd,J=7.6,1.2Hz,1H),7.54(td,J=7.5,1.3Hz,1H),7.48(td,J=7.6,1.1Hz,1H),7.39(d,J=7.7Hz,1H),7.35(t,J=7.3Hz,3H),7.27(t,J=7.7Hz,6H),7.06(d,J=8.2Hz,2H),6.91(d,J=8.0Hz,6H),6.88(d,J=8.0Hz,2H),5.73(d,J=14.4Hz,2H),5.57(d,J=16.5Hz,1H),5.52(d,J=16.4Hz,1H),5.35(td,J=5.4,2.2Hz,1H),4.86(t,J=5.2Hz,1H),4.80(dd,J=6.8,2.7Hz,1H),4.48(d,J=5.1Hz,1H),4.02(d,J=11.0Hz,1H),3.87(dd,J=11.7,1.8Hz,1H),3.83(d,J=11.5Hz,1H),3.77(dt,J=11.3,2.4Hz,1H),3.73(d,J=11.4Hz,3H),2.54(t,J=7.7Hz,2H),1.53(五重線,J=7.6Hz,2H),1.23(六重線,J=7.5Hz,2H),0.82(t,J=7.3Hz,3H);LC−MS:m/z976.3(M+H)。D2:HΝMR(500MHz,CDOD)δ7.81(dd,J=7.7,1.0Hz,1H),7.54(td,J=7.5,1.3Hz,1H),7.48(td,J=7.6,1.1Hz,1H),7.38(d,J=7.8Hz,1H),7.35(t,J=7.4Hz,3H),7.27(t,J=7.7Hz,6H),7.06(d,J=8.2Hz,2H),6.90(d,J=7.6Hz,6H),6.86(d,J=8.2Hz,2H),5.73(dd,J=11.8,5.6Hz,1H),5.71(dd,J=12.3Hz,5.7Hz,1H),5.56(d,J=16.5Hz,1H),5.50(d,J=16.5Hz,1H),5.37(td,J=5.5,2.1Hz,1H),4.86(t,J=5.3Hz,1H),4.80(dd,J=7.0,2.7Hz,1H),4.51(d,J=4.8Hz,1H),3.99(d,J=11.0Hz,1H),3.89(dd,J=11.6,2.0Hz,1H),3.80(dd,J=11.5,5.3Hz,1H),3.75(dt,J=11.1,2.2Hz,1H),3.73(d,J=11.5Hz,3H),2.54(t,J=7.7Hz,2H),1.53(五重線,J=7.7Hz,2H),1.22(六重線,J=7.4Hz,2H),0.81(t,J=7.4Hz,3H);LC−MS:m/z976.3(M+H)。
【0065】
工程E:[(メトキシ{[(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)オキシ]メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
[(メトキシ{[(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)オキシ]メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラートの各ジアステレオマーをメタノール中に溶解し、70℃まで2時間加熱した。アセトニトリル/水+0.1%トリフルオロ酢酸を用いて溶出するHPLC逆相(C−18)によって残留物を精製して、表題化合物を得た。
D1:HNMR(500MHz,CDCl)δ7.95(d,J=7.8Hz,1H),7.59(t,J=7.3Hz,1H),7.52(t,J=7.4Hz,1H),7.44(d,J=7.6Hz,1H),7.12(d,J=8.0Hz,2H),6.89(d,J=8.0Hz,2H),5.72(dd,J=8.2,5.9Hz,1H),5.69(dd,J=9.2,5.5Hz,1H),5.45(s,2H),5.33(td,J=5.5,2.5Hz,1H),4.96(t,J=5.3Hz,1H),4.80(dd,J=7.1,2.5Hz,1H),4.54(d,J=4.6Hz,1H),4.04(d,J=11.2Hz,1H),3.96(dd,J=11.3,2.4Hz,1H),3.86(d,J=11.2Hz,1H),3.85(d,J=11.5Hz,1H),3.74(d,J=11.4Hz,3H),2.72(t,J=7.8Hz,2H),1.75(五重線,J=7.7Hz,2H),1.40(六重線,J=7.4Hz,2H),0.92(t,J=7.4Hz,3H);LC−MS:m/z734.3(M+H)。D2:HNMR(500MHz,CDCl)δ7.95(d,J=7.6Hz,1H),7.58(t,J=7.6Hz,1H),7.52(t,J=7.4Hz,1H),7.44(d,J=7.6Hz,1H),7.12(d,J=8.0Hz,2H),6.89(d,J=8.0Hz,2H),5.73(dd,J=9.6,5.2Hz,1H),5.70(dd,J=10.3,5.3Hz,1H),5.45(s,2H),5.30(td,J=5.5,2.7Hz,1H),4.90(t,J=5.2Hz,1H),4.82(dd,J=7.1,2.5Hz,1H),4.53(d,J=4.8Hz,1H),4.02(d,J=10.9Hz,1H),3.95(dd,J=11.4,2.5Hz,1H),3.84(d,J=11.2Hz,1H),3.83(d,J=11.2Hz,1H),3.75(d,J=11.7Hz,3H),2.72(t,J=7.8Hz,2H),1.75(五重線,J=7.7Hz,2H),1.40(六重線,J=7.5Hz,2H),0.92(t,J=7.4Hz,3H);LC−MS:m/z734.3(M+H)。
【実施例14】
【0066】
【化27】

(ヒドロキシ{[(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
工程A:(ジエトキシホスホリル)メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
試薬2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸を2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸を置き換え、イソソルバイド−5−モノニトラートをジエチル(ヒドロキシメチル)ホスホナートを置き換えたことを除き、実施例7に従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDCl)δ7.94(d,J=7.4Hz,1H),7.52(td,J=7.1,1.3Hz,1H),7.48(t,J=7.7Hz,1H),7.39−7.34(m,4H),7.28(W=7.8Hz,6H),7.13(d,J=8.3Hz,2H),6.95(d,J=8.1Hz,6H),6.80(d,J=8.1Hz,2H),5.47(s,2H),4.49(d,J=8.4Hz,2H),4.24−4.16(m,4H),2.53(t,J=7.8Hz,2H),1.67(五重線,J=7.7Hz,2H),1.33(t,J=7.0Hz,6H),1.30(六重線,J=7.4Hz,2H),0.88(t,J=7.4Hz,3H)。
【0067】
工程B:(ジエトキシホスホリル)メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
試薬[(メトキシ{[(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)オキシ]メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラートを(ジエトキシホスホリル)メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1−トリチル−1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラートに置き換えたことを除き、実施例13の工程Eに従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDCl)δ8.00(dd,J=7.7,1.3Hz,1H),7.57(t,J=7.4Hz,1H),7.50(td,J=7.6,1.4Hz,1H),7.44(d,J=7.8Hz,1H),7.12(d,J=8.2Hz,2H),6.87(d,J=8.0Hz,2H),5.45(s,2H),4.48(d,J=8.9Hz,2H),4.11(五重線,J=7.3Hz,4H),2.71(t,J=7.8Hz,2H),1.73(五重線,J=7.7Hz,2H),1.39(六重線,J=7.4Hz,2H),1.30(t,J=7.1Hz,6H),0.90(t,J=7.5Hz,3H);LC−MS:m/z587.1(M+H)。
【0068】
工程C:({[(2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]オキシ}メチル)ホスホン酸
アセトニトリル中の(ジエトキシホスホリル)メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート(3.49g、5.95mmol)の撹拌された0℃の混合物に、ブロモトリメチルシラン(1.70mL、13.1mmol)を添加し、室温で1時間、混合物を撹拌した。メタノール(20mL)を添加し、30分間撹拌し、次いで、真空中で濃縮して、未精製物質として表題化合物を得て、さらなる精製なしに、その後の工程で使用した。LC−MS:m/z 531.0(M+Η)。
【0069】
工程D:(ヒドロキシ{[(3S,3aS,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
試薬2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボン酸を({[(2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−イル)カルボニル]オキシ}メチル)ホスホン酸に置き換えたことを除き、実施例7に従うことによって、表題化合物を調製した。HNMR(500MHz,CDCl)δ7.80(d,J=7.5Hz,1H),7.58(t,J=7.5Hz,1H),7.47(t,J=7.5Hz,1H),7.43(d,J=7.5Hz,1H),7.05(d,J=7.5Hz,2H),6.88(d,J=7.5Hz,2H),5.55−5.43(m,2H),5.32−5.25(m,1H),4.94−4.87(m,1H),4.87−4.81(m,1H),4.57−4.46(m,3H),3.99−3.86(m,2H),3.86−3.75(m,2H),2.77−2.60(m,2H),1.70−1.60(m,2H),1.38−1.24(m,2H),0.86(t,J=8.0Hz,3H);LC−MS:m/z704.3(M+H)。
【0070】
ラットに経口投薬されたモノニトラート化合物は、0.5から2μMの範囲の最大濃度で、血漿中を循環する亜硝酸塩/エステル(一酸化窒素の代謝物)をもたらす。本発明に記載されているイソソルバイドモノニトラート化合物の類似の投薬は、増加した循環亜硝酸塩/エステル濃度をもたらす。検査化合物の投与に応答したインビボでのNOの生成に関する生化学的な証拠は、Sprague−Dawleyラットでの研究から得られた。絶食されたSDラット(40mpk、PO)への検査化合物の投与は、ジアミノナフタレン誘導化(DAN)アッセイを用いて評価された、反応性窒素種(RNS)の出現をもたらす。
【0071】
RNSは、Kostka及びPark(Methods Enzymol.1999, 301, 227−235)の方法を基礎とするHPLC蛍光アッセイを用いて、EDTAで処理されたラットの血漿中に、S−ニトロソチオール(RNSO)として検出された。この方法は、酸性化された2,3−ジアミノナフタレンとHgClによって媒介されるS−NO結合の破壊によって放出されたRSNOのニトロソニウム部分との間での反応中に形成された蛍光性2,3−ナフトトリアゾール(NAT)の検出を基礎とする。反応混合物を逆相HPLCによるクロマトグラフィーにかけ、分割されたNATピークの蛍光シグナルを定量した。
【0072】
まず、黒いポリプロピレン非処理マイクロタイタープレート中、HO(20μL)中に血漿(20μL)を1:1希釈した。DAN試薬(100μL/ウェル、0.1NHCl中の100μMDAN、4mMHgCl)を添加し、乳白色のプレートマットでプレートを直ちに密封し、渦巻き撹拌し、暗所で10分間温置した。プレートを遠心し(2000×g、5分)、HPLC分析の前に、4℃まで冷却した。冷却された自動試料採取装置(4℃)を用いて、Agilent1200システム上でHPLCを実施した。67%MeOH、0.1%NHOAcの移動相及び2mL/分の流速を使用する、等濃度溶出を用いたC8カラム(ZorbaxEclipseXDB−C8、4.6×150mm、5μm)上で試料のクロマトグラフィーを行った。360nmの励起波長を用いて、NAT蛍光を450nmでモニターした。対照血漿中のNaNOを用いて、検量曲線を調製した。
【0073】
実施例2、3、4、5、7、10、11及び12に対するRNSの変化は、1、3、6及び24時間に測定され、以下に示されている。
【0074】
【表1】

【0075】
経口イヌ遠隔計測法モデルでの一酸化窒素によって媒介される影響のインビボ測定は、本発明の化合物が対応するモノ及びジ−ニトラート誘導体より優れていることを示唆する。
【0076】
【表2】

【0077】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式:
【化1】

(Rは、
【化2】


からなる群から選択され、
Yは、
1)R
2)−C(R)(C(R))0−1及び
3)−C(R)−O−Y
からなる群から選択され、
又は
【化3】

は、
【化4】

であり;
、R、R及びRは、水素及びC1−4アルキルからなる群から独立に選択され;並びに
は、
【化5】

からなる群から選択され;
は、−C(O)−O−及び−P(O)(OR)−O−からなる群から選択され;並びに
は、水素又はCHである。)
を有する化合物又は医薬として許容されるその塩。
【請求項2】
、R、R及びRが水素及びCHからなる群から独立に選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が、−C(O)−O−、−P(O)(OH)−O−及び−P(O)(OCH)−O−からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Yが、−C((CH)(CH))OC(O)O−R、−CH(CH)OC(O)O−R、−R−CHC(O)O−R、−CH(CH)C(O)O−R、CHCHC(O)O−R、−CHOP(O)(OCH)O−R及び−CHP(O)(OH)O−Rからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Yが、C((CH)(CH))OC(O)O−R及び−CH(CH)OC(O)O−Rからなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
Yが、C((CH)(CH))OC(O)O−R及び−CH(CH)OC(O)O−R(Rは、
【化6】

である。)
からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項7】
Yが、C((CH)(CH))OC(O)O−R及び−CH(CH)OC(O)O−R(Rは、
【化7】

である。)
からなる群から選択される、請求項4に記載の化合物。
【請求項8】
1−[({[(3S,6R)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]−1−メチルエチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート、
(1S)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(1R)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(1S)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート、
(1R)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート、
(1S)−1−[({[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}カルボニル)オキシ]エチル(2S)−3−メチル−2−(ペンタノイル{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}アミノ)ブタノアート、
(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル2−エトキシ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−ベンゾイミダゾール−7−カルボキシラート、
2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(1R)−1−メチル−2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
(1S)−1−メチル−2−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−2−オキソエチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
3−{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}−3−オキソプロピル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート、
[(メトキシ{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)オキシ]メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート及び
(ヒドロキシ{[(3S,3aR,6R,6aS)−6−(ニトロオキシ)ヘキサヒドロフロ[3,2−b]フラン−3−イル]オキシ}ホスホリル)メチル2−ブチル−4−クロロ−1−{[2’−(1H−テトラゾール−5−イル)ビフェニル−4−イル]メチル}−1H−イミダゾール−5−カルボキシラート
又はこれらの立体異性体又は医薬として許容されるこれらの塩又はこれらの立体異性体の医薬として許容される塩からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1に記載の化合物及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物、利尿薬及び医薬として許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項11】
請求項10に記載の組成物の治療的有効量を患者に投与することを含む、患者中の高血圧を治療する方法。

【公表番号】特表2011−523941(P2011−523941A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−509559(P2011−509559)
【出願日】平成21年5月6日(2009.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/042951
【国際公開番号】WO2009/140111
【国際公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(390023526)メルク・シャープ・エンド・ドーム・コーポレイション (924)
【出願人】(398034032)ニコックス エス エイ (36)
【住所又は居所原語表記】Taissounieres HB4,1681 route des Dolines−BP313,06560 Sophia Antipolis−Valbonne,France
【Fターム(参考)】