アンテナ装置、およびそれを搭載した携帯機器
【課題】部品点数を削減できる小型のアンテナ装置を実現する。
【解決手段】アンテナ素子10とアンテナ素子10に接続されたバリキャップダイオード21,22とを備えており、バリキャップダイオード21,22に与える直流電圧を変化させることによってアンテナの共振周波数が制御される。バリキャップダイオード21,22は、アンテナ素子10の開放端側とグラウンド板との間に接続される。
【解決手段】アンテナ素子10とアンテナ素子10に接続されたバリキャップダイオード21,22とを備えており、バリキャップダイオード21,22に与える直流電圧を変化させることによってアンテナの共振周波数が制御される。バリキャップダイオード21,22は、アンテナ素子10の開放端側とグラウンド板との間に接続される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯機器において用いられるテレビジョン放送受信用のアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以前から、携帯端末向けのテレビジョン放送受信用アンテナに関しては、
(1) 一つのアンテナで広帯域の周波数に共振すること
(2) 携帯端末に搭載できる程度に小型化すること
が重要な課題として挙げられてきた。
【0003】
上記問題を解決する従来方式としては、例えば特許文献1〜3に示すようなものがある。特に、特許文献1には、アンテナと給電部との間にダイオードを挿入し、該バリキャップダイオードに与える直流電圧によってアンテナの共振周波数を制御する技術が開示されている(チューナブルアンテナ技術)。この技術では、アンテナの共振周波数を制御することで、テレビジョンの放送周波数範囲に対して、一つのアンテナで対応することが可能となる。また、この方式において、アンテナと給電部との間にインダクタを挿入することによってアンテナの素子長を短縮し、携帯端末に搭載できる程度に小型化することがおこなわれている。
【0004】
上記特許文献1のチューナブルアンテナ技術について、図14および図15を参照してさらに詳細に説明する。図14は上記特許文献1におけるアンテナ装置の一実施例を示す図である。また、図15は、上記図14において、必要最小限の構成のみを抜き出した回路図である。図14のアンテナ装置は、アンテナ素子100、チップインダクタ101、周波数調整部110、グラウンド導体102、およびチップインダクタ103を備えて構成されている。また、図中のRFは高周波回路である。
【0005】
周波数調整部110は、カソード側が互いに対向する2つのバリキャップダイオード111,112を備えている。バリキャップダイオード111,112の接続点P2にはバイアス電圧が入力され、このバイアス電圧によってバリキャップダイオード111,112の容量が可変され、アンテナの共振周波数を制御することができる。
【0006】
バリキャップダイオード111のアノード側とアースGとの間にはインダクタ113が配置され、バリキャップダイオード112のアノード側とアースGとの間にはインダクタ114が配置される。インダクタ113,114は、バリキャップダイオード111,112に流れる高周波信号がグラウンドに流れることを防止するRFブロックインダクタである。また、バリキャップダイオード111,112の接続点P2と上記バイアス電圧の入力端子との間にはインダクタ115が配置される。インダクタ115は、バリキャップダイオード111,112に流れる高周波信号がバイアス電圧入力端子に流れることを防止するRFブロックインダクタである。さらに、バリキャップダイオード112のアノード側と給電部との間には、受信信号中の直流電流成分を除去するDCブロックコンデンサ116が配置される。
【特許文献1】特開2006−270916号公報(公開日:2006年10月5日)
【特許文献2】特許第3866923号公報(公開日:2002年7月26日)
【特許文献3】特許第3259651号公報(公開日:1998年9月14日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の方式にあっては、以下の問題点が存在する。
【0008】
先ず、アンテナを小型化するための(アンテナ長を短くするための)インダクタが必要となる。これには、図14におけるチップインダクタ101が相当する。
【0009】
また、バリキャップダイオードの一方の端子の対地直流電圧をほぼ0とし、かつ高周波信号がグラウンド板に流れ込むことを防ぐためのインダクタが必要である。これには、図14におけるインダクタ113,114が相当する。
【0010】
このように、インダクタのようなチップ素子の点数が増えることにより、部品コスト、製造コストが増すほか、実装に要する体積が増大するという問題点がある。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来構成に比べてさらに部品点数を削減できるアンテナ装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るアンテナ装置は、上記課題を解決するために、逆F型アンテナであり、アンテナ素子と該アンテナ素子に接続されたバリキャップダイオードとを備えており、該バリキャップダイオードに与える直流電圧を変化させることによってアンテナの共振周波数を制御可能なアンテナ装置において、上記バリキャップダイオードが、アンテナ素子の開放端側とグラウンド板との間に接続されていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、バリキャップダイオードをアンテナ素子の開放端側に配置することで、バリキャップダイオードは直流的にグラウンド板に導通して、その対地電圧はほぼ0となる。また、このアンテナ構成において、バリキャップダイオードからグラウンド板に高周波電流が流れることを阻止する必要はない。このことから、従来構成(バリキャップダイオードがアンテナ素子の給電部側に配置される構成)で使用されていたインダクタ、すなわちバリキャップダイオードのアノード端子とグラウンド板との間のインダクタを省略することができる。
【0014】
また、上記アンテナ装置では、前記バリキャップダイオードを複数備えている構成とすることができる。これにより、バリキャップダイオードを複数とすることによって、アンテナの共振周波数の制御に要する印加電圧幅を小さくすることができる。
【0015】
また、上記アンテナ装置では、前記アンテナ素子の給電部側とグラウンド板との間に、前記バリキャップダイオードと並行になるように固定キャパシタが接続されている構成、あるいは、前記アンテナ素子の開放端側と高周波信号端子との間に、インダクタが接続されている構成とすることができる。これにより、アンテナ長をさらに短くすることができる。
【0016】
また、上記アンテナ装置では、前記バリキャップダイオードの両端に掛かる直流印加電圧を印加するための直流信号端子と前記直流信号を発生する装置との間に、低域通過濾波器を接続している構成とすることができる。
【0017】
上記の構成によれば、前記直流信号を発生する装置に起因するノイズや、外来のノイズの影響を受けにくい安定したアンテナ特性を得られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るアンテナ装置は、以上のように、逆F型アンテナであり、アンテナ素子と該アンテナ素子に接続されたバリキャップダイオードとを備えており、該バリキャップダイオードに与える直流電圧を変化させることによってアンテナの共振周波数を制御可能なアンテナ装置において、上記バリキャップダイオードが、アンテナ素子の開放端側とグラウンド板との間に接続されている構成である。
【0019】
それゆえ、バリキャップダイオードをアンテナ素子の開放端側に配置することで、バリキャップダイオードは直流的にグラウンド板に導通して、その対地電圧はほぼ0となる。また、このアンテナ構成において、バリキャップダイオードからグラウンド板に高周波電流が流れることを阻止する必要はない。このことから、従来構成(バリキャップダイオードがアンテナ素子の給電部側に配置される構成)で使用されていたインダクタ、すなわちバリキャップダイオードのアノード端子とグラウンド板との間のインダクタを省略することができ、部品点数を削減して、小型のアンテナ装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。
【0021】
先ずは、本実施の形態に係るアンテナ装置の概略構成を図1を参照して説明する。図1に示すアンテナ装置は、アンテナ素子10、バリキャップダイオード21,22を備えて構成されている。
【0022】
バリキャップダイオード21,22は、カソード側を互いに対向させて配列されており、アンテナ素子10の開放端側(給電側と反対側)において、アンテナ素子10とグラウンドGNDとの間に直列に配置される。そして、バリキャップダイオード21,22の接続点にバイアス電圧VCCが印加され、このバイアス電圧に応じてバリキャップダイオード21,22の容量が可変されることによって、アンテナの共振周波数が制御される。
【0023】
図1の構成では、従来構成と比べて、バリキャップダイオード21,22の配置箇所が異なっている。すなわち、図15に示す従来のアンテナ装置ではバリキャップダイオード111,112はアンテナ素子に対して給電側に配置されていたが、本実施の形態に係るアンテナ装置では、バリキャップダイオード21,22はアンテナ素子に対して開放端側とグラウンド板との間に配置される。
【0024】
図1の構成において、バリキャップダイオード22のアノード側端子はグラウンドに接続されている。また、バリキャップダイオード21のアノード側端子は、アンテナ素子10および接地導線12を介してグラウンドに接続されている。
【0025】
上記アンテナ装置では、従来構成で使用されていたインダクタ113,114を省略することができ、小型で、かつ良好な特性のチューナブルアンテナを提供できる。その理由は以下の通りである。
【0026】
すなわち、図1のように、バリキャップダイオード21,22をアンテナ素子10の開放端側に配置することで、バリキャップダイオード21,22のアノード端子は、何れも直流的にグラウンド板に導通して、対地電圧はほぼ0となる。また、このアンテナ構成において、アノード端子からグラウンド板に高周波電流が流れることを阻止する必要はない。このことから、バリキャップダイオードのアノード端子とグラウンド板との間のインダクタを省略することができる。
【0027】
さらに、図1のアンテナ装置では、従来構成で使用されていたインダクタ101をも省略することができる。その理由は以下の通りである。
【0028】
一般に、アンテナを小型化すると(アンテナ長を短くすると)、共振周波数が高くなるため、インダクタやキャパシタを装荷するなどの手法を用いて共振周波数を低下させることにより、低周波数で共振し、かつ小型のアンテナを実現している。
【0029】
図14に示す従来構成では、アンテナの給電端付近においてインダクタ101を挿入することによって、共振周波数を低下させている(この場合、インダクタンスが大きいほど共振周波数が低下する)。また、図14の構成では、インダクタ101と直列に接続されたバリキャップダイオード111,112によって、インダクタ101による共振周波数低下の効果を相殺させ、共振周波数を制御している。すなわち、バリキャップダイオード111,112の容量が大きくなるほど(バリキャップダイオード111,112の容量範囲を広げるほど)共振周波数が高くなり、アンテナが大型化する。
【0030】
一方、図1の構成においては、アンテナの開放端付近にバリキャップダイオード21,22を挿入しており、これらのバリキャップダイオード21,22の容量によって共振周波数を低下させている(バリキャップダイオード21,22の容量が大きいほど共振周波数が低下する)。この方式では、バリキャップダイオード21,22の容量を可変とすることで、共振周波数が制御される。すなわち、バリキャップダイオード21,22の容量が大きくなるほど(バリキャップダイオード21,22の容量範囲を広げるほど)共振周波数が低くなり、アンテナの小型化が可能となる。
【0031】
このように、本実施の形態にかかるアンテナ装置では、従来構成とは逆に、バリキャップダイオード21,22の容量範囲を広げることがアンテナの小型化に寄与する。このため、従来構成で使用されていたインダクタ101を省略しても、従来のアンテナと同じアンテナ長で、同等もしくはそれ以上の性能が得られることが期待できる。
【0032】
もちろん、本発明のアンテナ装置でも、図2に示すように、アンテナ素子10の給電側にインダクタ11を設けてアンテナのさらなる小型化を図っても良い。あるいは、図3に示すように、アンテナ素子10の開放端側にキャパシタ(固定キャパシタ)13を設けてアンテナのさらなる小型化を図っても良い。キャパシタ13は、バリキャップダイオード21,22に対して並列に配置される。
【0033】
以上により、図1〜図3の構成では、従来必要であったインダクタ等の素子を付加することなく小型のチューナブルアンテナを提供することができる。
【0034】
次に、本実施の形態に係るアンテナ装置の具体例を説明する。先ずは、比較のために、従来方式のアンテナ装置における具体例を図4に示す。
【0035】
図4におけるアンテナ装置は、基板(図4の(a)参照)上に、グラウンド板、アンテナ素子および端子等を導体パターンにて形成すると共に、バリキャップダイオードやインダクタ等のチップ素子を配置することによってモジュール化されたアンテナである。上記アンテナ装置における素子の長さは66mmであり、5個のチップ素子(2個のバリキャップダイオードと3個のインダクタ)を有している(図4の(b)参照)。
【0036】
図4の(b)における端子aは、共振周波数制御用の直流信号端子である。また、端子bは、高周波信号端子である。端子aに直流電圧を与えると、バリキャップダイオード111,112の容量が変化し、アンテナの共振周波数が変化する。その結果、端子aに与えた直流電圧に応じた周波数でアンテナが共振し、端子bから所望の周波数の高周波信号(たとえばテレビジョン放送の信号)を取り出すことができる。
【0037】
図4のアンテナ装置における特性例(バリキャップダイオードの容量と反射損失特性の対応)は図5に示すものとなる。一般に、アンテナの反射損失特性が小さいほど、到来電磁波によって受信アンテナに生じた電気エネルギーが効率的に受信回路に供給されるため、良好なアンテナであるといわれる。また、本来、アンテナの使用範囲(たとえばテレビジョン放送が行われる470〜770MHz)の全域にわたって反射損失特性が小さいことが望まれるが、小型のアンテナについてはその実現が困難であるため、外部信号によってアンテナの共振周波数を制御するチューナブルアンテナが用いられる。
【0038】
次に、図6は本実施の形態(図1の構成)のアンテナ装置の具体的構成を図示したものである。
【0039】
図6におけるアンテナ装置は、基板(図6の(a)参照)上に、グラウンド板、アンテナ素子および端子等を導体パターンにて形成すると共に、バリキャップダイオード等のチップ素子を配置することによってモジュール化された逆F型アンテナである。上記アンテナ装置における素子の長さは66mmであり、2個のチップ素子(2個のバリキャップダイオード)を有している(図6(b)参照)。
【0040】
図6のアンテナ装置においても、共振周波数制御用の直流信号端子である端子aに直流電圧を与えると、バリキャップダイオード21,22の容量が変化し、アンテナの共振周波数が変化する。その結果、端子aに与えた直流電圧に応じた周波数でアンテナが共振し、高周波信号端子である端子bから所望の周波数の高周波信号(たとえばテレビジョン放送の信号)を取り出すことができる。
【0041】
図6のアンテナ装置における特性例(バリキャップダイオードの容量と反射損失特性の対応)は図7に示すものとなる。図5および図7の比較より、本実施の形態のアンテナ装置では、従来の方式に比べてチップ素子の数が60%低減しているにもかかわらず、同じ長さのアンテナ素子で同等もしくは同等以上の特性を得ることができることがわかる。一般に、小型受信アンテナに求められる性能は反射損失が−3dB程度以下であり、従来のアンテナの特性では、共振周波数が0.65〜0.8GHz(バリキャップダイオードの容量が0.1〜1pF)の範囲で上記性能を満たしている。これに対し、本実施の形態のアンテナの特性では、共振周波数が0.48〜0.78GHz(バリキャップダイオードの容量が0.5〜4pF)の範囲で上記性能を満たしている。
【0042】
図8は、本発明の他の実施形態を示す図である。図6に示すアンテナ装置では、アンテナ素子10を基板上に形成された導電パターンにて構成していたが、図8に示すアンテナ装置では、基板上に形成したパターンに板金製のアンテナ素子10とバリキャップダイオード21,22とを実装した構造をもつ。
【0043】
また、図8に示すようにアンテナ素子10を板金製とした場合、図9の(a),(b)に示すように、高誘電率あるいは高透磁率、もしくはその両方の特性を備えた部材14をアンテナ素子の近傍に付加してもよい。このような部材14を設けることによって、アンテナ長をさらに短くすることができる。
【0044】
上記説明における本実施の形態のアンテナ装置では、2つのバリキャップダイオード21,22を備えた構成となっている。しかしながら、本願発明はこれに限定されるものではなく、バリキャップダイオードは少なくとも一つ備えられていれば良い。但し、バリキャップダイオードを複数とすることによって、アンテナの共振周波数の制御に要する印加電圧幅を小さくすることができる。これにより、特に携帯電話機、携帯ゲーム機等、バッテリーで動作し、動作電圧に制限がある携帯機器において本願発明を適用する場合に好適となる。
【0045】
バリキャップダイオードの数が1個の場合と2個の場合とにおいて、印加電圧と共振周波数との関係を示すアンテナの特性例を図10に示す。尚、バリキャップダイオードの数が1個の場合は、図6におけるバリキャップダイオード21を固定キャパシタに置き換えた場合としている。
【0046】
図10から分かるように、バリキャップダイオードが1個の場合は、400MHz帯から700MHz帯の範囲で共振周波数を制御するために、最大5V程度の印加電圧を要している。一般に、携帯電話機のバッテリーの電圧は3.7V程度であるから、このアンテナを携帯電話機でテレビジョン放送を受信する用途に供することは困難である。一方、バリキャップダイオードが2個の場合は、2V程度の印加電圧で400MHz帯から700MHz帯の範囲で共振周波数を制御することができる。このように、複数のバリキャップダイオードをアンテナ素子の開放端側とグラウンド板との間に設置することによって、1個のバリキャップダイオードを用いた場合よりも低い印加電圧で、アンテナの共振周波数を制御することができる。
【0047】
また、バリキャップダイオードを2個備えたアンテナ装置の場合、バリキャップダイオードは、図11の(a)のようにアノード側を接地し、カソード側に正電圧を与える構成のほか、(b)のようにカソード側を接地し、アノード側に負電圧を与えてもよい。
【0048】
また、本発明のアンテナ装置では、バリキャップダイオードを複数備える場合、バリキャップダイオードの個数や接続の仕方には種々の変形例が考えられる。図12の(a)〜(e)は、そのような変形例の一部を示すものである。特に、バリキャップダイオードの個数を増やすことによっては、より小さな印加電圧範囲で、より広い共振周波数の制御が可能となると考えられる。
【0049】
また、図13は、共振周波数制御用の直流信号端子と該制御用直流信号を発生する装置との間に低域通過濾波器(ローパスフィルタ)31を挿入した場合の構成例である。このように、低域通過濾波器31を挿入した構成では、信号発生装置に起因するノイズや外来のノイズの影響を受けにくい安定したアンテナ特性を得られることが期待できる。なお、この場合において、低域通過濾波器31は共振周波数制御用直流信号端子の直近にあることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図4】従来のアンテナ装置の具体例を示す斜視図である。
【図5】図4に示すアンテナ装置の特性を示すグラフである。
【図6】図1に示すアンテナ装置の具体例を示す斜視図である。
【図7】図6に示すアンテナ装置の特性を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の具体例を示す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の具体例を示す斜視図である。
【図10】本発明のアンテナ装置において、バリキャップダイオードの数が1個の場合と2個の場合とにおけるアンテナの特性を示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図12】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図13】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図14】従来のアンテナ装置の構成を示す回路図である。
【図15】従来のアンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0051】
10 アンテナ素子
11 インダクタ
13 キャパシタ(固定キャパシタ)
21・22 バリキャップダイオード
31 低域通過濾波器
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯機器において用いられるテレビジョン放送受信用のアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
以前から、携帯端末向けのテレビジョン放送受信用アンテナに関しては、
(1) 一つのアンテナで広帯域の周波数に共振すること
(2) 携帯端末に搭載できる程度に小型化すること
が重要な課題として挙げられてきた。
【0003】
上記問題を解決する従来方式としては、例えば特許文献1〜3に示すようなものがある。特に、特許文献1には、アンテナと給電部との間にダイオードを挿入し、該バリキャップダイオードに与える直流電圧によってアンテナの共振周波数を制御する技術が開示されている(チューナブルアンテナ技術)。この技術では、アンテナの共振周波数を制御することで、テレビジョンの放送周波数範囲に対して、一つのアンテナで対応することが可能となる。また、この方式において、アンテナと給電部との間にインダクタを挿入することによってアンテナの素子長を短縮し、携帯端末に搭載できる程度に小型化することがおこなわれている。
【0004】
上記特許文献1のチューナブルアンテナ技術について、図14および図15を参照してさらに詳細に説明する。図14は上記特許文献1におけるアンテナ装置の一実施例を示す図である。また、図15は、上記図14において、必要最小限の構成のみを抜き出した回路図である。図14のアンテナ装置は、アンテナ素子100、チップインダクタ101、周波数調整部110、グラウンド導体102、およびチップインダクタ103を備えて構成されている。また、図中のRFは高周波回路である。
【0005】
周波数調整部110は、カソード側が互いに対向する2つのバリキャップダイオード111,112を備えている。バリキャップダイオード111,112の接続点P2にはバイアス電圧が入力され、このバイアス電圧によってバリキャップダイオード111,112の容量が可変され、アンテナの共振周波数を制御することができる。
【0006】
バリキャップダイオード111のアノード側とアースGとの間にはインダクタ113が配置され、バリキャップダイオード112のアノード側とアースGとの間にはインダクタ114が配置される。インダクタ113,114は、バリキャップダイオード111,112に流れる高周波信号がグラウンドに流れることを防止するRFブロックインダクタである。また、バリキャップダイオード111,112の接続点P2と上記バイアス電圧の入力端子との間にはインダクタ115が配置される。インダクタ115は、バリキャップダイオード111,112に流れる高周波信号がバイアス電圧入力端子に流れることを防止するRFブロックインダクタである。さらに、バリキャップダイオード112のアノード側と給電部との間には、受信信号中の直流電流成分を除去するDCブロックコンデンサ116が配置される。
【特許文献1】特開2006−270916号公報(公開日:2006年10月5日)
【特許文献2】特許第3866923号公報(公開日:2002年7月26日)
【特許文献3】特許第3259651号公報(公開日:1998年9月14日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の方式にあっては、以下の問題点が存在する。
【0008】
先ず、アンテナを小型化するための(アンテナ長を短くするための)インダクタが必要となる。これには、図14におけるチップインダクタ101が相当する。
【0009】
また、バリキャップダイオードの一方の端子の対地直流電圧をほぼ0とし、かつ高周波信号がグラウンド板に流れ込むことを防ぐためのインダクタが必要である。これには、図14におけるインダクタ113,114が相当する。
【0010】
このように、インダクタのようなチップ素子の点数が増えることにより、部品コスト、製造コストが増すほか、実装に要する体積が増大するという問題点がある。
【0011】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来構成に比べてさらに部品点数を削減できるアンテナ装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るアンテナ装置は、上記課題を解決するために、逆F型アンテナであり、アンテナ素子と該アンテナ素子に接続されたバリキャップダイオードとを備えており、該バリキャップダイオードに与える直流電圧を変化させることによってアンテナの共振周波数を制御可能なアンテナ装置において、上記バリキャップダイオードが、アンテナ素子の開放端側とグラウンド板との間に接続されていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、バリキャップダイオードをアンテナ素子の開放端側に配置することで、バリキャップダイオードは直流的にグラウンド板に導通して、その対地電圧はほぼ0となる。また、このアンテナ構成において、バリキャップダイオードからグラウンド板に高周波電流が流れることを阻止する必要はない。このことから、従来構成(バリキャップダイオードがアンテナ素子の給電部側に配置される構成)で使用されていたインダクタ、すなわちバリキャップダイオードのアノード端子とグラウンド板との間のインダクタを省略することができる。
【0014】
また、上記アンテナ装置では、前記バリキャップダイオードを複数備えている構成とすることができる。これにより、バリキャップダイオードを複数とすることによって、アンテナの共振周波数の制御に要する印加電圧幅を小さくすることができる。
【0015】
また、上記アンテナ装置では、前記アンテナ素子の給電部側とグラウンド板との間に、前記バリキャップダイオードと並行になるように固定キャパシタが接続されている構成、あるいは、前記アンテナ素子の開放端側と高周波信号端子との間に、インダクタが接続されている構成とすることができる。これにより、アンテナ長をさらに短くすることができる。
【0016】
また、上記アンテナ装置では、前記バリキャップダイオードの両端に掛かる直流印加電圧を印加するための直流信号端子と前記直流信号を発生する装置との間に、低域通過濾波器を接続している構成とすることができる。
【0017】
上記の構成によれば、前記直流信号を発生する装置に起因するノイズや、外来のノイズの影響を受けにくい安定したアンテナ特性を得られる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るアンテナ装置は、以上のように、逆F型アンテナであり、アンテナ素子と該アンテナ素子に接続されたバリキャップダイオードとを備えており、該バリキャップダイオードに与える直流電圧を変化させることによってアンテナの共振周波数を制御可能なアンテナ装置において、上記バリキャップダイオードが、アンテナ素子の開放端側とグラウンド板との間に接続されている構成である。
【0019】
それゆえ、バリキャップダイオードをアンテナ素子の開放端側に配置することで、バリキャップダイオードは直流的にグラウンド板に導通して、その対地電圧はほぼ0となる。また、このアンテナ構成において、バリキャップダイオードからグラウンド板に高周波電流が流れることを阻止する必要はない。このことから、従来構成(バリキャップダイオードがアンテナ素子の給電部側に配置される構成)で使用されていたインダクタ、すなわちバリキャップダイオードのアノード端子とグラウンド板との間のインダクタを省略することができ、部品点数を削減して、小型のアンテナ装置を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の一実施形態について図1ないし図13に基づいて説明すると以下の通りである。
【0021】
先ずは、本実施の形態に係るアンテナ装置の概略構成を図1を参照して説明する。図1に示すアンテナ装置は、アンテナ素子10、バリキャップダイオード21,22を備えて構成されている。
【0022】
バリキャップダイオード21,22は、カソード側を互いに対向させて配列されており、アンテナ素子10の開放端側(給電側と反対側)において、アンテナ素子10とグラウンドGNDとの間に直列に配置される。そして、バリキャップダイオード21,22の接続点にバイアス電圧VCCが印加され、このバイアス電圧に応じてバリキャップダイオード21,22の容量が可変されることによって、アンテナの共振周波数が制御される。
【0023】
図1の構成では、従来構成と比べて、バリキャップダイオード21,22の配置箇所が異なっている。すなわち、図15に示す従来のアンテナ装置ではバリキャップダイオード111,112はアンテナ素子に対して給電側に配置されていたが、本実施の形態に係るアンテナ装置では、バリキャップダイオード21,22はアンテナ素子に対して開放端側とグラウンド板との間に配置される。
【0024】
図1の構成において、バリキャップダイオード22のアノード側端子はグラウンドに接続されている。また、バリキャップダイオード21のアノード側端子は、アンテナ素子10および接地導線12を介してグラウンドに接続されている。
【0025】
上記アンテナ装置では、従来構成で使用されていたインダクタ113,114を省略することができ、小型で、かつ良好な特性のチューナブルアンテナを提供できる。その理由は以下の通りである。
【0026】
すなわち、図1のように、バリキャップダイオード21,22をアンテナ素子10の開放端側に配置することで、バリキャップダイオード21,22のアノード端子は、何れも直流的にグラウンド板に導通して、対地電圧はほぼ0となる。また、このアンテナ構成において、アノード端子からグラウンド板に高周波電流が流れることを阻止する必要はない。このことから、バリキャップダイオードのアノード端子とグラウンド板との間のインダクタを省略することができる。
【0027】
さらに、図1のアンテナ装置では、従来構成で使用されていたインダクタ101をも省略することができる。その理由は以下の通りである。
【0028】
一般に、アンテナを小型化すると(アンテナ長を短くすると)、共振周波数が高くなるため、インダクタやキャパシタを装荷するなどの手法を用いて共振周波数を低下させることにより、低周波数で共振し、かつ小型のアンテナを実現している。
【0029】
図14に示す従来構成では、アンテナの給電端付近においてインダクタ101を挿入することによって、共振周波数を低下させている(この場合、インダクタンスが大きいほど共振周波数が低下する)。また、図14の構成では、インダクタ101と直列に接続されたバリキャップダイオード111,112によって、インダクタ101による共振周波数低下の効果を相殺させ、共振周波数を制御している。すなわち、バリキャップダイオード111,112の容量が大きくなるほど(バリキャップダイオード111,112の容量範囲を広げるほど)共振周波数が高くなり、アンテナが大型化する。
【0030】
一方、図1の構成においては、アンテナの開放端付近にバリキャップダイオード21,22を挿入しており、これらのバリキャップダイオード21,22の容量によって共振周波数を低下させている(バリキャップダイオード21,22の容量が大きいほど共振周波数が低下する)。この方式では、バリキャップダイオード21,22の容量を可変とすることで、共振周波数が制御される。すなわち、バリキャップダイオード21,22の容量が大きくなるほど(バリキャップダイオード21,22の容量範囲を広げるほど)共振周波数が低くなり、アンテナの小型化が可能となる。
【0031】
このように、本実施の形態にかかるアンテナ装置では、従来構成とは逆に、バリキャップダイオード21,22の容量範囲を広げることがアンテナの小型化に寄与する。このため、従来構成で使用されていたインダクタ101を省略しても、従来のアンテナと同じアンテナ長で、同等もしくはそれ以上の性能が得られることが期待できる。
【0032】
もちろん、本発明のアンテナ装置でも、図2に示すように、アンテナ素子10の給電側にインダクタ11を設けてアンテナのさらなる小型化を図っても良い。あるいは、図3に示すように、アンテナ素子10の開放端側にキャパシタ(固定キャパシタ)13を設けてアンテナのさらなる小型化を図っても良い。キャパシタ13は、バリキャップダイオード21,22に対して並列に配置される。
【0033】
以上により、図1〜図3の構成では、従来必要であったインダクタ等の素子を付加することなく小型のチューナブルアンテナを提供することができる。
【0034】
次に、本実施の形態に係るアンテナ装置の具体例を説明する。先ずは、比較のために、従来方式のアンテナ装置における具体例を図4に示す。
【0035】
図4におけるアンテナ装置は、基板(図4の(a)参照)上に、グラウンド板、アンテナ素子および端子等を導体パターンにて形成すると共に、バリキャップダイオードやインダクタ等のチップ素子を配置することによってモジュール化されたアンテナである。上記アンテナ装置における素子の長さは66mmであり、5個のチップ素子(2個のバリキャップダイオードと3個のインダクタ)を有している(図4の(b)参照)。
【0036】
図4の(b)における端子aは、共振周波数制御用の直流信号端子である。また、端子bは、高周波信号端子である。端子aに直流電圧を与えると、バリキャップダイオード111,112の容量が変化し、アンテナの共振周波数が変化する。その結果、端子aに与えた直流電圧に応じた周波数でアンテナが共振し、端子bから所望の周波数の高周波信号(たとえばテレビジョン放送の信号)を取り出すことができる。
【0037】
図4のアンテナ装置における特性例(バリキャップダイオードの容量と反射損失特性の対応)は図5に示すものとなる。一般に、アンテナの反射損失特性が小さいほど、到来電磁波によって受信アンテナに生じた電気エネルギーが効率的に受信回路に供給されるため、良好なアンテナであるといわれる。また、本来、アンテナの使用範囲(たとえばテレビジョン放送が行われる470〜770MHz)の全域にわたって反射損失特性が小さいことが望まれるが、小型のアンテナについてはその実現が困難であるため、外部信号によってアンテナの共振周波数を制御するチューナブルアンテナが用いられる。
【0038】
次に、図6は本実施の形態(図1の構成)のアンテナ装置の具体的構成を図示したものである。
【0039】
図6におけるアンテナ装置は、基板(図6の(a)参照)上に、グラウンド板、アンテナ素子および端子等を導体パターンにて形成すると共に、バリキャップダイオード等のチップ素子を配置することによってモジュール化された逆F型アンテナである。上記アンテナ装置における素子の長さは66mmであり、2個のチップ素子(2個のバリキャップダイオード)を有している(図6(b)参照)。
【0040】
図6のアンテナ装置においても、共振周波数制御用の直流信号端子である端子aに直流電圧を与えると、バリキャップダイオード21,22の容量が変化し、アンテナの共振周波数が変化する。その結果、端子aに与えた直流電圧に応じた周波数でアンテナが共振し、高周波信号端子である端子bから所望の周波数の高周波信号(たとえばテレビジョン放送の信号)を取り出すことができる。
【0041】
図6のアンテナ装置における特性例(バリキャップダイオードの容量と反射損失特性の対応)は図7に示すものとなる。図5および図7の比較より、本実施の形態のアンテナ装置では、従来の方式に比べてチップ素子の数が60%低減しているにもかかわらず、同じ長さのアンテナ素子で同等もしくは同等以上の特性を得ることができることがわかる。一般に、小型受信アンテナに求められる性能は反射損失が−3dB程度以下であり、従来のアンテナの特性では、共振周波数が0.65〜0.8GHz(バリキャップダイオードの容量が0.1〜1pF)の範囲で上記性能を満たしている。これに対し、本実施の形態のアンテナの特性では、共振周波数が0.48〜0.78GHz(バリキャップダイオードの容量が0.5〜4pF)の範囲で上記性能を満たしている。
【0042】
図8は、本発明の他の実施形態を示す図である。図6に示すアンテナ装置では、アンテナ素子10を基板上に形成された導電パターンにて構成していたが、図8に示すアンテナ装置では、基板上に形成したパターンに板金製のアンテナ素子10とバリキャップダイオード21,22とを実装した構造をもつ。
【0043】
また、図8に示すようにアンテナ素子10を板金製とした場合、図9の(a),(b)に示すように、高誘電率あるいは高透磁率、もしくはその両方の特性を備えた部材14をアンテナ素子の近傍に付加してもよい。このような部材14を設けることによって、アンテナ長をさらに短くすることができる。
【0044】
上記説明における本実施の形態のアンテナ装置では、2つのバリキャップダイオード21,22を備えた構成となっている。しかしながら、本願発明はこれに限定されるものではなく、バリキャップダイオードは少なくとも一つ備えられていれば良い。但し、バリキャップダイオードを複数とすることによって、アンテナの共振周波数の制御に要する印加電圧幅を小さくすることができる。これにより、特に携帯電話機、携帯ゲーム機等、バッテリーで動作し、動作電圧に制限がある携帯機器において本願発明を適用する場合に好適となる。
【0045】
バリキャップダイオードの数が1個の場合と2個の場合とにおいて、印加電圧と共振周波数との関係を示すアンテナの特性例を図10に示す。尚、バリキャップダイオードの数が1個の場合は、図6におけるバリキャップダイオード21を固定キャパシタに置き換えた場合としている。
【0046】
図10から分かるように、バリキャップダイオードが1個の場合は、400MHz帯から700MHz帯の範囲で共振周波数を制御するために、最大5V程度の印加電圧を要している。一般に、携帯電話機のバッテリーの電圧は3.7V程度であるから、このアンテナを携帯電話機でテレビジョン放送を受信する用途に供することは困難である。一方、バリキャップダイオードが2個の場合は、2V程度の印加電圧で400MHz帯から700MHz帯の範囲で共振周波数を制御することができる。このように、複数のバリキャップダイオードをアンテナ素子の開放端側とグラウンド板との間に設置することによって、1個のバリキャップダイオードを用いた場合よりも低い印加電圧で、アンテナの共振周波数を制御することができる。
【0047】
また、バリキャップダイオードを2個備えたアンテナ装置の場合、バリキャップダイオードは、図11の(a)のようにアノード側を接地し、カソード側に正電圧を与える構成のほか、(b)のようにカソード側を接地し、アノード側に負電圧を与えてもよい。
【0048】
また、本発明のアンテナ装置では、バリキャップダイオードを複数備える場合、バリキャップダイオードの個数や接続の仕方には種々の変形例が考えられる。図12の(a)〜(e)は、そのような変形例の一部を示すものである。特に、バリキャップダイオードの個数を増やすことによっては、より小さな印加電圧範囲で、より広い共振周波数の制御が可能となると考えられる。
【0049】
また、図13は、共振周波数制御用の直流信号端子と該制御用直流信号を発生する装置との間に低域通過濾波器(ローパスフィルタ)31を挿入した場合の構成例である。このように、低域通過濾波器31を挿入した構成では、信号発生装置に起因するノイズや外来のノイズの影響を受けにくい安定したアンテナ特性を得られることが期待できる。なお、この場合において、低域通過濾波器31は共振周波数制御用直流信号端子の直近にあることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図3】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図4】従来のアンテナ装置の具体例を示す斜視図である。
【図5】図4に示すアンテナ装置の特性を示すグラフである。
【図6】図1に示すアンテナ装置の具体例を示す斜視図である。
【図7】図6に示すアンテナ装置の特性を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の具体例を示す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の具体例を示す斜視図である。
【図10】本発明のアンテナ装置において、バリキャップダイオードの数が1個の場合と2個の場合とにおけるアンテナの特性を示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図12】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図13】本発明の他の実施形態を示すものであり、アンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【図14】従来のアンテナ装置の構成を示す回路図である。
【図15】従来のアンテナ装置の要部構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0051】
10 アンテナ素子
11 インダクタ
13 キャパシタ(固定キャパシタ)
21・22 バリキャップダイオード
31 低域通過濾波器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
逆F型アンテナであり、アンテナ素子と該アンテナ素子に接続されたバリキャップダイオードとを備えており、該バリキャップダイオードに与える直流電圧を変化させることによってアンテナの共振周波数を制御可能なアンテナ装置において、
上記バリキャップダイオードが、アンテナ素子の開放端側とグラウンド板との間に接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記バリキャップダイオードを複数備えていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記アンテナ素子の給電部側とグラウンド板との間に、前記バリキャップダイオードと並行になるように固定キャパシタが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナ素子の開放端側と高周波信号端子との間に、インダクタが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記バリキャップダイオードの両端に掛かる直流印加電圧を印加するための直流信号端子と前記直流信号を発生する装置との間に、低域通過濾波器を接続していることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記請求項1から5の何れかに記載のアンテナ装置を搭載したことを特徴とする携帯機器。
【請求項1】
逆F型アンテナであり、アンテナ素子と該アンテナ素子に接続されたバリキャップダイオードとを備えており、該バリキャップダイオードに与える直流電圧を変化させることによってアンテナの共振周波数を制御可能なアンテナ装置において、
上記バリキャップダイオードが、アンテナ素子の開放端側とグラウンド板との間に接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記バリキャップダイオードを複数備えていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記アンテナ素子の給電部側とグラウンド板との間に、前記バリキャップダイオードと並行になるように固定キャパシタが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記アンテナ素子の開放端側と高周波信号端子との間に、インダクタが接続されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記バリキャップダイオードの両端に掛かる直流印加電圧を印加するための直流信号端子と前記直流信号を発生する装置との間に、低域通過濾波器を接続していることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記請求項1から5の何れかに記載のアンテナ装置を搭載したことを特徴とする携帯機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−296250(P2009−296250A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−147162(P2008−147162)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]