説明

アントラサイクリン誘導体コンジュゲート、その調製方法及び抗腫瘍化合物としてのその用途

本発明は、例えばポリクローナル及びモノクローナル抗体、天然又は合成由来のタンパク質又はペプチドのようなキャリアとの治療的に有用なアントラサイクリンのコンジュゲート;その調製方法、それらを含む薬学的組成物及びある種の哺乳動物の腫瘍の治療におけるその使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)又は式(I’)

[上式中、
Antはアントラサイクリン誘導体残基であり、
Lはリンカーであり、
Zはスペーサーであり、
mは1から30の整数であり、
Tは、タンパク質、ペプチド、モノクローナル又はポリクローナル抗体又は[Ant−L−Z−]部分への結合に適したその化学的に修飾された誘導体、又はポリマーキャリアから選択されるキャリアであり、
Qは、水素原子、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フェニル又はベンジル基であり;
Antは、遊離して式(II)

(上式中、Rは水素原子、ヒドロキシ又はメトキシ基であり、RはC−Cアルコキシ基である)
のアントラサイクリン誘導体を生じ得る]のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
スペーサーZは、
a)−NH−、
b)−S−、
c)更なるチオール又はアミノ基又はカルボキシ残基を有するアミノアルキレン、チオアルキレン、アミノシクロアルキレン又はチオシクロアルキレン、又は
d)アミド結合又はジスルフィド結合を形成することによりTキャリアにLリンカーを結合させ得るペプチド残基
から選択される、請求項1に記載の式(I)又は(I’)のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
キャリアTが、腫瘍関連抗原に結合可能な抗原結合部位を含むポリクローナル抗体又はその断片;腫瘍細胞集団上に優先的又は選択的に発現される抗原に結合可能な抗原結合部位を含むモノクローナル抗体又はその断片;腫瘍細胞に優先的に又は選択的に結合可能な天然又は組換えペプチド又はタンパク質;[Ant−L−Z−]部分への結合に適した化学的に修飾された誘導体、又は天然又は合成ポリマーキャリアから選択される、請求項1に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート(I)又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
式(Ia)

[上式中、
、R、Z、m及びTは請求項1に記載の通りであり、
は式(III)又は(IV)

(ここで、Bはヘテロ原子が介在されていてもよいC−Cアルキレン部分であり、v、j、k及びyは独立して0又は1である)のリンカーであり;Antが式(II)のC−14の第一級アルコールにアセタール結合を介してリンカーL1を結合させる。]
のものである、請求項1記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
スペーサーZが、
i)式T−[NHのキャリアから[−Z−]−Tが誘導される−NH−;
ii)T−[SH]のキャリアから[−Z−]−Tが誘導される−S−;
iii)−NH−D−NH−CO−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又はD−NH−が、式T−[COOH]のキャリアから[−Z−]−Tが誘導される少なくとも一の遊離アミノ酸を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
iv)−NH−D−NH−CO−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−CO−が、式T−[NHのキャリアから[−Z−]−Tが誘導される少なくとも一の遊離カルボキシル基を有する1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
v)−NH−D−N=CH−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、−D−N−は、式T−[CHO]のキャリアから[−Z−]−Tが誘導される少なくとも一の遊離アミノ基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
vi)−NH−D−S−CH−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−S−は[−Z−]−Tが式(V):

のキャリア誘導体から誘導される少なくとも一の遊離チオール基を有する1から4のアミノ酸で構成されるペプチド残基である);
vii)−NH−D−S−S−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−S−は[−Z−]−Tが式(VI):

のキャリアから誘導される少なくとも一の遊離チオール基を有する1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である)
から選択される、請求項4に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
式(Ib)

[上式中、R、R、Z、m及びTは請求項1に記載の通りであり、Lは式(VII)は(VIII):

(上式中、nは1から9の整数である)のリンカーである]
のものである、請求項1に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
が、請求項6に記載の式(VII)のリンカーであり、Zが、
i)式T−[NHのキャリアから[−Z−]−Tが誘導される−NH−;
ii)式T−[SH]のキャリアから[−Z−]−Tが誘導される−S−;
iii)−NH−D−NH−CO−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−NH−は、式T−[COOH]のキャリアから[−Z−]−Tが誘導される少なくとも一の遊離アミノ基を有する1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
iv)−NH−D−CO−NH−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−CO−は、式T−[NHのキャリアから[−Z−]−Tが遊離される少なくとも一の遊離カルボキシル基を有する1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
v)−NH−D−N=CH−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−N−は、式T−[CHO]のキャリアから[−Z−]−Tが誘導される少なくとも一の遊離アミノ基を有する1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
vi)−NH−D−S−CH−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−S−は、式(V):

のキャリアから[−Z−]−Tが遊離される少なくとも一の遊離チオール基を有する1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
vii)−NH−D−S−S−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−S−は、式(VI):

のキャリアから[−Z−]−Tが誘導される少なくとも一の遊離チオール基を有する1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
viii)−S−D−NH−CO−(ここで、−D−NH−は、少なくとも一つの遊離アミノ基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
ix)−S−D−CO−NH−(ここで、−D−CO−は少なくとも一つの遊離カルボキシル基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
x)−S−D−N=C−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−N−は少なくとも一の遊離アミノ基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
xi)S−D−S−CH−(ここで、−D−はC−Cアルキレン又はC−Cシクロアルキレンであり、又は−D−S−は少なくとも一の遊離チオール基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
xii)−S−D−S−S−(ここで、−D−はC−Cアルキレン又はC−Cシクロアルキレンであり、又は−D−S−は少なくとも一の遊離チオール基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である)]
から選択される、請求項6に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
が、請求項6に記載の式(VIII)のリンカーであり、Zが、
i)式T−[SH]のキャリアから[−Z−]−T−が誘導される−S−;
ii)−S−D−NH−CO−(ここで、−D−NH−が少なくとも一の遊離アミノ基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である、)
iii)−S−D−CO−NH−(ここで、−D−CO−が少なくとも一の遊離カルボキシル基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である)
iv)−S−D−N=C−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−N−は少なくとも一の遊離アミノ基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
v)S−D−S−CH−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−S−は少なくとも一の遊離チオール基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である);
vi)−S−D−S−S−(ここで、−D−はC−Cアルキレン、C−Cシクロアルキレンであり、又は−D−S−は少なくとも一の遊離チオール基を持つ1から4のアミノ酸から構成されるペプチド残基である)
から選択されるものである、請求項6記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
式(I’a)又は(I’b):

[上式中、L、L、R及びRは請求項4、6に記載の通り、Zは−NH−又は1から3のアミノ酸から構成されるペプチド残基であり、Qは水素原子、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、フェニル又はベンジル基である]
のものである、請求項1に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
Lは式(IIIa)又は(IVa)

[ここで、vとkは独立して0又は1であり;又はLが、式(VII)又は(VIII)

(ここでnは2から5の整数である)
のものである、請求項1に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
請求項3に記載の重合体のキャリアは、ポリリジン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、及びそのアナログ又は誘導体、デキストラン、ポリマー炭水化物及びそのアナログ又は誘導体;又はN−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリアミド(HPMA)から誘導された合成コポリマーである。
【請求項12】
請求項3に記載される抗体は、抗T細胞抗体T101 Royston、抗CD5抗体 OKT1(Ortho)ATCC CRL8000、抗CD20抗体IgG1イブリツモマブ、抗CD33抗体huCD33、抗トランスファーレセプター抗体OKT9(Ortho)ATCC CRL8021、抗メラノーマ抗体MAb9.2.27、抗CEA1116 NS−3d ATCC CRL8019、抗αフェトプロテインOM 3−1.1 ATCC HB134、791T/36 Embleton、及びB72.3、抗卵巣癌抗体OVB3 ATCC HB9147、抗乳癌抗体、抗膀胱癌1G3.10、抗CanAg抗体huC242抗体、又は抗前立腺癌抗体MLN591である。
【請求項13】
請求項3に記載のペプチド又はタンパク質は、FGF、EGF、PDGF、TGF− ALPHA、ALPHA−MS、インターロイキン、インターフェロン、TNF、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)又はMcm2である。
【請求項14】
請求項5に記載のキャリアT−[CHO]は、Fc部に優先的に位置し、化学的又は酵素的方法により選択的にアルデヒド基へと酸化される糖鎖部分を有するポリクローナル又はモノクローナル抗体から誘導される。
【請求項15】
式Iが[Ant−L−Z−]−Tであり、式(I’)がAnt−L−Z−Qであり;
Antが、式(IIa)又は(IIb);

であり、L、Z、m、Q及びTが、


の通りである化合物から選択される、請求項1に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート。
【請求項16】
2−[(1−{2−オキソ−2−[(2S,4S)−2,5,12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エトキシ}シクロヘキシル)オキシ]アセトアミド、
N−メチル−2−[(1−{2−オキソ−2−[(2S,4S)−2,5,12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エトキシ}シクロヘキシル)オキシ]アセトアミド、
N−ベンゾイル−2−[(1−{2−オキソ−2−[(2S,4S)−2,5,12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エトキシ}シクロヘキシル)オキシ]アセトアミド、
−(tert−ブトキシ)−N−{[(1−{2−オキソ−2−[(2S,4S)−2,5,12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エトキシ}シクロヘキシル)オキシ]アセチル}−L−リジン、
N−メチル−2−[(6−{2−オキソ−2−[(2S,4S)−2,5,12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エトキシ}テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メトキシ]アセトアミド、
2−[(6−{2−オキソ−2−[(2S,4S)−2,5,12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エトキシ}テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メトキシ]アセトアミド、
N−ベンゾイル−2−[(6−{2−オキソ−2−[(2S,4S)−2,5、12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エトキシ}テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メトキシ]アセトアミド、
N−アセチル−S−(1−{6−[(2E)−2−{2−ヒドロキシ−1−[(2S,4S)−2,5,12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エチリデン}ヒドラジニル]−6−オキソヘキシル}−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル)−L−システイン、
−(tert−ブトキシ)−N−(1−{6−[(2E)−2−{2−ヒドロキシ−1−[(2S,4S)−2,5,12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エチリデン}ヒドラジニル]−6−オキソヘキシル}−2,5−ジオキソピロリジン−3−イル)−L−リジン、
N−アセチル−3−({3−[(2E)−2−{2−ヒドロキシ−1−[(2S,4S)−2,5,12−トリヒドロキシ−7−メトキシ−4−{[(1S,3R,4aS,9S,9aR,10aS)−9−メトキシ−1−メチルオクタヒドロ−1H−ピラノ[4’,3’:4,5][1,3]オキサゾロ[2,3−c][1,4]オキサジン−3−イル]オキシ}−6,11−ジオキソ−1,2,3,4,6,11−ヘキサヒドロテトラセン−2−イル]エチリデン}ヒドラジニル]−3−オキソプロピル}ジスルファニル)−L−アラニン
からなる群から選択される、請求項1に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート。
【請求項17】
請求項1に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又はその薬学的に許容可能な塩と薬学的に許容可能な賦形剤、担体又は希釈剤を含有する薬学的組成物。
【請求項18】
請求項1に記載のアントラサイクリン誘導体コンジュゲート又は薬学的に許容可能な塩、又は請求項17に記載の薬学的な構成物を、それを必要とする患者に投与することを含む、癌又は細胞増殖疾患の治療方法。
【請求項19】
請求項18に記載される癌が、膀胱癌、乳癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、肺癌、小細胞肺癌、食道癌、胆嚢癌、卵巣癌、膵臓癌、胃癌、子宮頸部癌、甲状腺癌、前立腺癌、皮膚癌; 扁平細胞癌;白血病、急性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、ヘアリー細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫からなる群から選択されるリンパ系統の造血系腫瘍;急性、慢性骨髄性白血病、骨髄異形性症候群、前骨髄球性白血病からなる群から選択される骨髄系統の造血性腫瘍;線維肉腫及び横紋筋肉腫からなる群から選択される間葉系起源の腫瘍;星状細胞腫、神経膠腫、シュワン細胞腫からなる群から選択される中枢及び末梢神経の腫瘍;メラノーマ、精上皮腫、奇形癌腫、骨肉腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、甲状腺濾胞癌 又はカポジ肉腫から選択される。
【請求項20】
請求項18に記載される細胞性増殖疾患が、良性前立腺肥大症、家族性大腸ポリポーシス、神経線維腫症、乾癬、アテローム性動脈硬化症に伴う血管平滑細胞増殖、肺線維症、関節炎、糸球体腎炎及び手術後血管狭窄及び再狭窄からなる群から選択される。
【請求項21】
式(IIc)

[上式中、Antは

(ここで、波線はLへの結合を示す)
の構造式から選択され;
Lが、−N(R)−、−N(R)(C−C12アルキレン)−、−N(R)(C−Cアルケニレン)−、−N(R)(C−Cアルキニレン)−、−N(R)(CHCHO)−、及び構造:

(ここで、波線はAnt及びZへの結合を示す)
から選択され、
Zが、−CHC(O)−、−CHC(O)NR(C−C12アルキレン)−及び構造式


から選択される任意スペーサーであり、
Xが、マレイミド、チオール、アミノ、臭化物、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシル、カルボキシル、ピリジルジスルフィド、N−ヒドロキシスクシンイミドから選択される反応性官能基であり;
Rは、H、C−C12アルキル、又はC−C20アリールであり;
、Rは、アミノ酸側鎖から独立して選択され;
は、−(C−C12アルキレン)−、−(C−Cアルケニレン)−、−(C−Cアルキニレン)−、及び−(CHCHO)−から選択され、
mが0又は1であり、nが1から6である]のアントラサイクリン誘導体。
【請求項22】
構造:

(上式中、Z−Xは

から選択される)から選択される請求項21に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項23】
構造:

を有する請求項22に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項24】
構造:

を有する請求項22に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項25】
構造:

を有する請求項21に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項26】
構造:

を有する請求項21に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項27】
構造:

(上式中、ZはC−C12アルキレンである)
を有する請求項21に記載のアントラサイクリン誘導体。.
【請求項28】
構造:

を有する請求項27に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項29】
構造:

を有する請求項21に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項30】
構造:

を有する請求項29に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項31】
構造:

を有する請求項21に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項32】
構造:

から選択される請求項29に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項33】
が−(C−C12アルキレン)−である請求項32に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項34】
構造:

を有する請求項32に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項35】
及びRが、水素、メチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、ベンゾイル、p−ヒドロキシベンゾイル、−CHOH、−CH(OH)CH、−CHCHSCH、−CHCONH、−CHCOOH、−CHCHCONH、−CHCHCOOH、−(CHNHC(=NH)NH、−(CHNH、−(CHNHCOCH、−(CHNHCHO、−(CHNHC(=NH)NH、−(CHNH、−(CHNHCOCH、−(CHNHCHO、−(CHNHCONH、−(CHNHCONH、−CHCHCH(OH)CHNH、2−ピリジイルメチル−、3−ピリジルメチル−、4−ピリジルメチル−、フェニル、シクロヘキシル、及び次の構造:

から独立して選択される、請求項21に記載のアントラサイクリン誘導体。
【請求項36】
一又は複数のアントラサイクリン誘導体薬物部分DにリンカーL及び任意スペーサーZによって共有的に結合された抗体を含む抗体−薬剤コンジュゲートであって、該化合物が、式(Ic)

有し、又はその薬学的に許容可能な塩であり、ここで、
Abが抗体であり;
Dが構造:

(上式中、波線はLへの結合を示す)
から選択されるアントラサイクリン誘導体であり;
Lは、−N(R)−、−N(R)(C−C12 アルキレン)−、−N(R)(C−C アルケニレン)−、−N(R)(C−C アルキニレン)−、−N(R)(CHCHO)−、及び構造:

(上式中、波線はD、Zへの結合を示す)
から選択されるリンカーであり;
Zは、−CHC(O)−、−CHC(O)NR(C−C12 アルキレン)−、及び構造:

から任意に選択されるスペンサーであり、:
Rは、H、C−C12アルキル又はC−C20アリールであり;
及びRは、独立してアミノ酸側鎖から選択され;
が、−(C−C12アルキレン)−、−(C−Cアルケニレン)−、−(C−Cアルキニレン)−及び−(CHCHO)−から選択され、
mが0又は1であり;
nが1から6の整数である
抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項37】
及びRが、水素、メチル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、ベンゾイル、p−ヒドロキシベンゾイル、−CHOH、−CH(OH)CH、−CHCHSCH、−CHCONH、−CHCOOH、−CHCHCONH、−CHCHCOOH、−(CHNHC(=NH)NH、−(CHNH、−(CHNHCOCH、−(CHNHCHO、−(CHNHC(=NH)NH、−(CHNH、−(CHNHCOCH、−(CHNHCHO、−(CHNHCONH、−(CHNHCONH、−CHCHCH(OH)CHNH、2−ピリジイルメチル−、3−ピリジイルメチル−、4−ピリジイルメチル−、フェニル、シクロヘキシル、及び次の構造:

から独立して選択される、請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項38】
スペーサーZがパラ−アミノベンジルオキシカルボニル(PAB)基を含む、請求項36記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項39】
リンカー−スペーサー単位L−Zがマレイミドカプロイル(MC)基を含む、請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項40】
Zがバリン−シトルリン(vc)基を含む、請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項41】
Abが、(1)−(36):
(1)BMPR1B(骨形成タンパク質レセプター−タイプIB)
(2)E16(LAT1,SLC7A5);
(3)STEAP1(前立腺癌六回膜貫通型上皮抗原);
(4)0772P(CA125、MUC16);
(5)MPF(MPF、MSLN、SMR、巨核球増強因子、メソテリン);
(6)Napi3b(NAPI−3B、NPTIIb、SLC34A2、ソリュートキャリアファミリー34(リン酸ナトリウム)、メンバー2、タイプIIナトリウム−リン酸共輸送体3b);
(7)Sema5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5bHlog、セマドメイン、7トロンボスポンジンレセプター(タイプ1及びタイプ1様)、膜貫通型ドメイン(TM)及びショート細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B);
(7)Sema5b(FLJ10372、KIAA1445、Mm.42015、SEMA5B、SEMAG、セマフォリン5bHlog、セマドメイン、7トロンボスポンジンリピート(タイプ1及びタイプ1様)、膜貫通型ドメイン(TM)及びショート細胞質ドメイン、(セマフォリン)5B);
(8)PSCA hlg(2700050C12Rik、C530008O16Rik、RIKENcDNA2700050C12、RIKENcDNA2700050C12遺伝子);
(9)ETBR(エンドセリンタイプBレセプター);
(10)MSG783(RNF124、ハイポセティカルタンパク質FLJ20315);
(11)STEAP2(HGNC_8639、IPCA−1、PCANAP1、STAMP1、STEAP2、STMP、前立腺癌関連遺伝子1、前立腺癌癌関連タンパク質1、前立腺癌六回膜貫通型上皮抗原2、六回膜貫通型前立腺癌タンパク質);
(12)TrpM4(BR22450、FLJ20041、TRPM4、TRPM4B、トランジェントレセプターポテンシャルカチオンチャネル、サブファミリーM、メンバー4);
(13)CRIPTO(CR、CR1、CRGF、CRIPTO、TDGF1、奇形癌腫由来増殖因子);
(14)CD21(CR2(補体レセプター2)又はC3DR(C3d/エプスタイン・バーウイルスレセプター)又はHs73792);
(15)CD79b(CD79B、CD79b、IGb(免疫グロブリン関連β)、B29);
(16)FcRH2(IFGP4、IRTA4、SPAP1A(SH2ドメイン含有ホスファターゼアンカー型タンパク質1a)、SPAP1B、SPAP1C);
(17)HER2;
(18)NCA;
(19)MDP;
(20)IL20Ra;
(21)ブレビカン;
(22)EphB2R;
(23)ASLG659;
(24)PSCA;
(25)GEDA;
(26)BAFF−R(B細胞活性化因子レセプター、BLySレセプター3、BR3);
(27)CD22(B細胞レセプターCD22−Bアイソフォーム);
(28)CD79a(CD79A、CD79a、免疫グロブリン関連α);
(29)CXCR5(バーキットリンパ腫レセプター1);
(30)HLA−DOB(主要組織適合複合体クラスII分子βサブユニット(Ia抗原));
(31)P2X5(プリン作動性レセプターP2Xリガンドゲートイオンチャネル5);
(32)CD72(B細胞分化抗原CD72、Lyb−2);
(33)LY64(リンパ球抗原64(RP105)、ロイシンリッチ反復配列(LRR)ファミリーのI型膜タンパク質);
(34)FcRH1(Fcレセプター様タンパク質1);
(35)IRTA2(免疫グロブリンスーパーファミリーレセプタートランスロケーション関連2);及び
(36)TENB2(推定膜貫通型プロテオグリカン)
から選択される一又は複数の腫瘍関連抗原又は細胞表面レセプターに結合する抗体である、請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項42】
Abが、システイン遺伝子操作抗体である、請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項43】
AbがErbBレセプターに結合する抗体である、請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項44】
Abがトラスツズマブである請求項43に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項45】
pが1、2、3又は4である、請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項46】
抗体−薬剤コンジュゲート化合物の混合物を含み、ここで、抗体−薬剤コンジュゲート化合物の混合物中の抗体当たりの平均薬剤負荷は約2から5である、請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項47】
抗体−薬剤コンジュゲート化合物の混合物中の抗体当たりの平均薬剤負荷が約3から約4である、請求項46に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物。
【請求項48】
請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物と、薬学的に許容可能な希釈剤、担体又は賦形剤を含有する薬学的組成物。
【請求項49】
治療的有効量の化学療法剤を更に含む、請求項48に記載の薬学的組成物
【請求項50】
請求項48に記載の薬学的組成物を患者へ投与することを含む癌治療方法。
【請求項51】
患者に、抗体−薬剤コンジュゲート化合物と併用して、化学療法剤を投与される、請求項50に記載の方法
【請求項52】
哺乳動物における癌の治療のための医薬の製造における請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物の使用。
【請求項53】
哺乳動物がヒトである請求項52に記載の使用。
【請求項54】
請求項36に記載の抗体−薬剤コンジュゲート化合物;
容器物;及び
化合物を癌治療に使用し得ることを示すパッケージ挿入物又はラベル
を含む製造品。
【請求項55】
抗体−薬剤コンジュゲート化合物を製造する方法において、
アントラサイクリン誘導体と抗体Abを反応させて、抗体−薬剤コンジュゲート化合物を形成し、ここで、アントラサイクリン誘導体が式(IIc):

[上式中、Antは、構造:

(ここで、破線はLへの結合を示す)
から選択され、
Lは、−N(R)−、−N(R)(C−C12アルキレン)−、−N(R)(C−Cアルケニレン)−、−N(R)(C−Cアルキニレン)−、−N(R)(CHCHO)−、及び構造:

(ここで、破線はAnt及びZへの結合を示す)から選択されるリンカーであり;
Zは、−CHC(O)−、−CHC(O)NR(C−C12 アルキレン)−、及び構造:

から選択される任意スペーサーであり、
Xは、マレイミド、チオール、アミノ、臭化物、p−トルエンスルホン酸、ヨウ化物、ヒドロキシル、カルボキシル、ピリジルヂスルフィド、及びN−ヒドロキシサクシイミドから選択される活性官能基であり;
Rは、H、C−C12アルキル又はCーC20アリールであり;
及びRはアミノ酸側鎖から独立して選択され;
Z1は、−(C−C12アルキレン)−、−(C−Cアルケニレン)−、−(C−Cアルキニレン)−、及び−(CHCHO)−から選択され、
mは0又は1であり、nは1から6である」
を有し;
抗体−薬剤コンジュゲート化合物が式Ic:

(ここで、Abは抗体であり;pは1から8の整数である)
を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公表番号】特表2011−528360(P2011−528360A)
【公表日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518840(P2011−518840)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/050537
【国際公開番号】WO2010/009124
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【出願人】(508270819)ネルヴィアーノ・メディカル・サイエンシズ・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ (3)
【Fターム(参考)】