説明

アンモニアガスセンサ

【課題】NH3ガスが、被検出雰囲気中において、NO2等の他のガスと共存しても、NH3ガスに対するガス選択性を良好に確保するようにしたアンモニアガスセンサを提供する。
【解決手段】アンモニアガスセンサは、絶縁基板110、一対の櫛歯状電極120、130及び感応層140からなるセンサ素子100を備えている。このセンサ素子100において、一対の櫛歯状電極120、130は、母材である金(Au)及びこの金に添加されたある種の添加材を主成分とする電極材料でもって形成されている。ここで、上記ある種の添加材としては、アルカリ土類金属酸化物、RO系ガラス或いはPbO系ガラスが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検出雰囲気中のアンモニアガスを検出するに適したアンモニアガスセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のアンモニアガスセンサとしては、例えば、下記特許文献1に開示されたアンモニアガスセンサがある。このアンモニアガスセンサは、一対の櫛歯電極と、これら一対の櫛歯電極を介し絶縁基板上に積層した感応層とを備えている。
【0003】
ここで、一対の櫛歯電極は、絶縁基板上に積層した金(Au)等の貴金属材料でもって形成されている。また、感応層は固体超強酸物質を主成分として形成されている。
【特許文献1】特開2005−114355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したアンモニアガスセンサは、N2ガス、O2ガス、CO2ガスやH2Oガス等の一般的な排ガス組成に対しNH3ガスを加えたガス組成においては、当該NH3ガスに対し、高いガス選択性を示す。
【0005】
しかしながら、上記一般的な排ガス組成において、NH3ガスがHCガス、COガス、NOガス或いはNO2ガスと共に共存する環境、特に、NH3ガスがNO2ガスと共に共存する環境では、上記アンモニアガスセンサのNH3ガスに対するガス選択性が不十分となる。その結果、当該アンモニアガスセンサのNH3ガスに対する検出機能が低下するという不具合が生じることが分かってきた。
【0006】
このような不具合の発生原因について検討してみた。これによれば、一対の櫛歯電極が上述のごとく貴金属材料でもって形成されているために、NH3ガスとNO2ガスとの間の反応が、主に一対の櫛歯電極の表面において、上記貴金属材料の触媒作用によって起こる。その結果、NH3ガスの濃度が低下することで、当該アンモニアガスセンサのNH3ガスに対する検出機能が低下するものと考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、NH3ガスが、被検出雰囲気中において、NO2等の他のガスと共存しても、NH3ガスに対するガス選択性を良好に確保するようにしたアンモニアガスセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題の解決にあたり、アンモニアガスセンサの電極を形成する材料として、主に電極を形成する材料である金(Au)にある種の添加材を加えた材料を用いることにより、NH3ガスがNO2ガス等の他のガスと共存する環境においても、他のガスがNH3ガスに与える影響を低減させ得ることが、本発明者等によってみいだされた。
【0009】
ここで、上述のある種の添加材としては、例えば、アルカリ土類金属酸化物、このアルカリ土類金属酸化物を含有するガラス或いは鉛酸化物を含有するガラスが挙げられる。
【0010】
このような前提のもと、本発明は、請求項1の記載によれば、
一対の電極(20、30、50、60)と、当該一対の電極に接するように設けられた感応体(40、70)とを備え、当該感応体の主成分は固体超強酸物質であるアンモニアガスセンサにおいて、一対の電極は、主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物をも含むことを特徴とする。
【0011】
このように一対の電極が、主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物をも含むことにより、従来のアンモニアガスセンサのように電極の材料として金(Au)等の貴金属材料のみを用いるのに比べて、NH3ガスに対するNO2ガス等の他のガスの共存による影響が低減され得る。
【0012】
従って、当該アンモニアガスセンサの実際の使用環境が、NH3ガスに対するNO2ガス等の他のガスの共存という環境にあっても、このアンモニアガスセンサのNH3ガスに対するガス選択性が良好に確保される。その結果、当該アンモニアガスセンサのNH3ガスに対する検出機能、ひいては検出精度が良好に維持され得る。
【0013】
なお、「感応体の主成分」とは当該感応体中に最も多く含まれる物質をいい、「電極の主成分」とは、当該電極中に最も多く含まれる物質をいう。また、アルカリ土類金属酸化物は、電極中に2番目に多く含まれていてもいなくてもよく、NH3ガスに対する選択性を良好に確保する重量を適宜設定できればよい。
【0014】
ここで、NH3ガスに対するNO2ガス等の他のガスの共存という環境にあっても、一対の電極の形成材料として、主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物をも含む材料を用いることで、上述した共存の影響が低減される根拠について詳細に説明する。
【0015】
まず、NO2ガス等の他のガスのうち、例えばNO2ガスが、NH3ガスと共存する環境において、従来のアンモニアガスセンサによるNH3ガス検出機能が低下する原因について説明する。
【0016】
従来のアンモニアガスセンサによる場合、NH3が、主に、当該アンモニアガスセンサの電極の表面に起こるNO2との間の反応によって消費される。これに伴い、当該アンモニアガスセンサの電極と感応層との界面の近傍におけるNH3ガスの濃度が、被検出雰囲気中のNH3ガスの濃度に比べて減少する。その結果、従来のアンモニアガスセンサによるNH3ガスの検出機能が低下する。
【0017】
これに対し、上述のように、一対の電極に対し、主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物をも含む材料を用いることで、一対の電極の表面の反応活性点が被毒作用を受けて、上述したNH3とNO2との反応が抑制される。
【0018】
その結果、NH3ガスのNO2ガスとの共存による影響が、従来のアンモニアガスセンサと比較して、低減され、アンモニアガスセンサのNH3ガスに対するガス選択性が良好に確保されて、当該アンモニアガスセンサとしての検出機能が良好に維持され得る。
【0019】
また、本発明は、請求項2の記載によれば、請求項1に記載のアンモニアガスセンサにおいて、
アルカリ土類金属酸化物は、金(Au)の重量を100(重量%)としたとき、5(重量%)〜30(重量%)の範囲以内の重量となるように、一対の電極に含まれることを特徴とする。
【0020】
これにより、請求項1に記載の発明の作用効果がより一層良好に達成され得る。ここで、上述のようにアルカリ土類金属酸化物を5(重量%)以上としたのは、当該アルカリ土類金属酸化物が5(重量%)未満のときには、金(Au)に対しアルカリ土類金属酸化物を加えても、NH3ガスのNO2ガスとの共存環境におけるNH3ガスに対するガス選択性が良好には得られないためである。
【0021】
また、上述のようにアルカリ土類金属酸化物を30(重量%)以下としたのは、当該アルカリ土類金属酸化物が30(重量%)よりも増大すると、一対の電極間に導通不良が発生しアンモニアガスセンサとしての検出機能が得られないためである。
【0022】
なお、アルカリ土類金属酸化物の一部は、金(Au)や固体超強酸物質と反応して化合物になるおそれがあるが、本請求項2に記載のアルカリ土類金属酸化物の含有量はこの化合物を含んだ含有量である。
【0023】
また、本発明は、請求項3の記載によれば、請求項1または2に記載のアンモニアガスセンサにおいて、
アルカリ土類金属酸化物は、バリウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物及びストロンチウム酸化物のうちの少なくとも一種であることを特徴とする。
【0024】
このように、アルカリ土類金属酸化物が、バリウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物及びストロンチウム酸化物のいずれか、或いは、バリウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物及びストロンチウム酸化物のうちの少なくとも2種以上であれば、請求項1または2の記載の発明の作用効果がより一層向上され得る。なお、バリウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物及びストロンチウム酸化物としては、それぞれ、例えば、BaO、CaO、MgO及びSrOが挙げられる。
【0025】
また、本発明は、請求項4の記載によれば、
一対の電極(20、30、50、60)と、当該一対の電極に接するように設けられた感応体(40、70)とを備え、当該感応体の主成分は固体超強酸物質であるアンモニアガスセンサにおいて、一対の電極は、主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物を含有するガラスをも含むことを特徴とする。
【0026】
このように、一対の電極が、請求項1に記載の発明とは異なり、主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物を含有するガラスをも含んでいても、当該一対の電極が上述した主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物をも含む場合と同様に、この一対の電極の表面の反応活性点が被毒作用を受けることで、上述したNH3とNO2との反応が抑制される。その結果、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が達成され得る。
【0027】
なお、アルカリ土類金属酸化物を含有するガラスは、電極中に2番目に多く含まれていてもいなくてもよく、NH3ガスに対する選択性を良好に確保する重量を適宜設定できればよい。
【0028】
また、本発明は、請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載のアンモニアガスセンサにおいて、
上記ガラスは、金(Au)の重量を100(重量%)としたとき、5(重量%)〜20(重量%)の範囲以内の重量となるように、一対の電極に含まれることを特徴とする。
【0029】
これにより、請求項4に記載の発明の作用効果がより一層良好に達成され得る。ここで、上述のように上記ガラスを5(重量%)以上としたのは、当該ガラスが5(重量%)未満のときには、金(Au)に対し上記ガラスを加えても、NH3ガスのNO2ガスとの共存環境におけるNH3ガスに対するガス選択性が良好には得られないためである。
【0030】
また、上述のように上記ガラスを20(重量%)以下としたのは、当該ガラスが20(重量%)よりも増大すると、一対の電極間に導通不良が発生しアンモニアガスセンサとしての検出機能が得られないためである。
【0031】
なお、ガラスの一部は、金(Au)や固体超強酸物質と反応して化合物になるおそれがあるが、本請求項5に記載のガラスの含有量はこの化合物を含んだ含有量である。
【0032】
また、本発明は、請求項6の記載によれば、請求項4または5に記載のアンモニアガスセンサにおいて、上記ガラスに含有される上記アルカリ土類金属酸化物は、バリウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物及びストロンチウム酸化物のうちの少なくとも一種であることを特徴とする。
【0033】
これによっても、請求項3に記載の発明と同様の作用効果が請求項4または5に記載の発明において達成され得る。
【0034】
また、本発明は、請求項7に記載の発明によれば、
一対の電極(20、30、50、60)と、当該一対の電極に接するように設けられた感応体(40、70)とを備え、当該感応体の主成分は固体超強酸物質であるアンモニアガスセンサにおいて、一対の電極は、主成分としての金(Au)に加え、さらに、鉛酸化物を含有するガラスをも含むことを特徴とする。
【0035】
このように、一対の電極が、請求項1または4に記載の発明とは異なり、主成分としての金(Au)に加え、さらに、鉛酸化物を含有するガラスをも含んでいても、当該一対の電極が、上述のように、主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物或いはこのアルカリ土類金属酸化物を含むガラスをも含む場合と同様に、この一対の電極の表面の反応活性点が被毒作用を受けることで、上述したNH3とNO2との反応が抑制される。その結果、請求項1または4に記載の発明と同様の作用効果が達成され得る。なお、上述の鉛酸化物としては、PbOが挙げられる。
【0036】
なお、鉛酸化物は、電極中に2番目に多く含まれていてもいなくてもよく、NH3ガスに対する選択性を良好に確保する重量を適宜設定できればよい。また、当該鉛酸化物の一部は、金(Au)や固体超強酸物質と反応して化合物になることがあるが、本請求項7の鉛酸化物の含有量はこの化合物を含んだ含有量である。
【0037】
また、本発明は、請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載のアンモニアガスセンサにおいて、
上記ガラスは、金(Au)の重量を100(重量%)としたとき、10(重量%)〜40(重量%)の範囲以内の重量となるように、一対の電極に含まれることを特徴とする。
【0038】
これにより、請求項7に記載の発明の作用効果がより一層良好に達成され得る。ここで、上述のように、鉛酸化物を含むガラスを10(重量%)以上としたのは、当該ガラスが10(重量%)未満のときには、金(Au)に対し上記ガラスを加えても、NH3ガスのNO2ガスとの共存環境におけるNH3ガスに対するガス選択性が良好には得られないためである。
【0039】
また、上述のように、鉛酸化物を含むガラスを40(重量%)以下としたのは、当該ガラスが40(重量%)よりも増大すると、一対の電極間に導通不良が発生しアンモニアガスセンサとしての検出機能が得られないためである。
【0040】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明の各実施形態を図面により説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明に係るアンモニアガスセンサの第1実施形態を示しており、このアンモニアガスセンサは、センサ素子100を、ハウジング200内に保持体300を介して保持している。なお、当該アンモニアガスセンサは、例えば、自動車等に搭載のディーゼルエンジンの排気管に配設してなるNOX選択還元触媒システムに適用される。
【0042】
ここで、センサ素子100の構成の説明に先立ち、ハウジング200及び保持体300の各構成について説明する。
【0043】
ハウジング200は、筒状の金具210と、金属製の外筒220と、筒状の外側プロテクター230と、筒状の内側プロテクター240とでもって構成されている。なお、金具210は、その下端小径部213の雄ねじ部211にて、上記内燃機関の排気管の管壁のうち上記NOX選択還元触媒システムの下流側部位に形成した雌ねじ孔部(図示しない)に締着により嵌装される。
【0044】
外筒220は、その大径部221の下端開口部222にて、金具210の上側小径部212に外方から同軸的にレーザ溶接でもって嵌着されており、この外筒220は、その下端開口部222から上方へ延出している。
【0045】
外側プロテクター230及び内側プロテクター240は、それぞれ、断面U字状となるように金属材料でもってプレス加工されている。外側プロテクター230は、その開口端部231にて、金具210の下端小径部213の先端部に外方から同軸的にレーザ溶接でもって嵌着されており、この外側プロテクター230は、その開口端部231から下方に向けて延出している。
【0046】
内側プロテクター240は、外側プロテクター230内に収容されている。また、内側プロテクター240は、その開口端部241にて、外側プロテクター230の周壁部分にレーザ溶接により固着されている。
【0047】
保持体300は、下側、中央側及び上側の各保持部材310、320及び330を有する。下側保持部材310は、セラミックにより円柱台形状に形成されており、この下側保持部材310は、金具210の下端小径部213の中空部内に同軸的に嵌装されて、当該下端小径部213の上端側傾斜状段部上に着座している。中央側保持部材320は、金具210の六角環状鍔部214の内部にタルクの粉末を充填したものである。
【0048】
また、上側保持部材330は、絶縁材料でもって形成されており、この上側保持部材330は、円柱状大径部331の上端部中央から円柱状小径部332を上方に延出している。ここで、円柱状大径部331は、金具210の上側小径部212の内部から六角環状鍔部214の内部にかけて嵌装されている。この円柱状大径部331は、金属製リング333を介して金具210の上側小径部212の上端部にカシメを施すことで、固定される。
【0049】
センサ素子100は、図1にて示すごとく、保持体300の上側保持部材330の中央孔部334、中央側保持部材320の中央孔部321及び下側保持部材310の中央孔部311に挿通されることで、保持体300により同軸的に保持されている。
【0050】
当該センサ素子100は、図2〜図4にて示すごとく、アルミナ製絶縁基板110、一対の櫛歯状電極120、130及び感応層140を備えている。
【0051】
当該センサ素子100において、一対の櫛歯状電極120、130は、後述するような主成分である金(Au)と、ある種の添加材とを含有する電極材料でもって形成されており、これら櫛歯状電極120、130は、図2〜図4から分かるように、絶縁基板110の表面のうち図2にて図示右側表面部位(以下、電極側表面部位ともいう)上に櫛歯状に交差して設けられている。ここで、電極120の各電極部121が、電極130の各電極部131と櫛歯状に交差している(図4参照)。
【0052】
また、一対の電極120、130は、その各接続端子122、132(図4参照)にて、一対のリード111、112の各内端部上に重畳されて電気的に接続されている。なお、一対のリード111、112は、絶縁基板110の表面のうち図2にて図示左側表面部位(以下、リード側表面部位ともいう)上に互いに並行に形成されている。
【0053】
感応層140は、固体超強酸物質を主成分とするアンモニアガス検出材料でもって形成されており、この感応層140は、図2〜図4にて示すごとく、一対の電極120、130を覆蓋するように絶縁基板110の電極側表面部位上に積層形成されている。なお、上記センサ素子においては、絶縁基板110の上記電極側表面部位に内蔵した発熱抵抗体からなるヒータ及び測温抵抗体(図示しない)によって、一対の電極120、130及び感応層140が、当該測温抵抗体の測定温度に基づく上記ヒータによる加熱のもと、一定の温度に維持されるようになっている。
【0054】
また、当該アンモニアガスセンサは、ハウジング200の外筒220の小径部223内に収容したセパレータ400及びグロメット500を備えている。セパレータ400は、アルミナにより円筒状に形成されており、このセパレータ400は、次のようにして、外筒220の小径部223内に同軸的に嵌装支持されている。
【0055】
即ち、セパレータ400は、その上端フランジ部410にて、小径部223の環状窪み部224上に着座するようにして、当該小径部223内に嵌装支持されている。なお、環状窪み部224は、小径部223の周壁の軸方向中間部位を内方へ隆起するように窪ませて形成されている。
【0056】
グロメット500は、例えば、フッ素ゴムからなるもので、このグロメット500は、外筒220の小径部223の上端側開口部内に気密的に圧入されて、セパレータ400上に着座している。
【0057】
また、当該アンモニアガスセンサは、図1にて示すごとく、複数のターミナル600、700を備えており、これらターミナル600、700は、その各先端部にて、保持部材330の中央孔部334内に挿入されて、センサ素子100の各リード111、112に接触している。また、複数のターミナル600、700は、それぞれ、グロメット500に挿通してなる各対応の被覆導線610、710の接続端部に接続されている。
【0058】
以上のように構成したアンモニアガスセンサは、センサ素子100の感応層140を内燃機関の排気管内に晒すように、当該排気管に取り付けられる。そして、交流電圧が交流電源(図示しない)から一対の被覆導線710、810、一対のターミナル700、800及び一対のリード111、112を介して一対の櫛歯状電極120、130間に印加されることで、当該一対の櫛歯状電極120、130間に生ずるインピーダンスが、上記ヒータによる加熱のもとに検出される。
【0059】
ここで、当該インピーダンスは、感応層140の外面に接触するディーゼルエンジンの排気ガス中のアンモニアガスの濃度に応じて変化する。このことは、当該アンモニアガスセンサは、上記インピーダンスに対応してNH3ガスの濃度を検出することを意味する。
【0060】
次に、以上のように構成した本第1実施形態のアンモニアガスセンサの製造方法について説明する。本第1実施形態では、当該アンモニアガスセンサは、以下に説明するように、実施例1〜実施例6として、製造される。
【0061】
但し、これら実施例1〜実施例6の製造にあたり、センサ素子100における絶縁基板110及び一対のリード111、112の作製並びに感応層140の作製は、上述したアンモニアガスセンサと同様であるので、実施例1〜実施例6の製造説明においては、主として、一対の櫛歯状電極120、130の作製につき詳細に説明する。
【0062】
また、これら実施例1〜実施例6において、一対の櫛歯状電極120、130の形成材料としては、主成分である金(Au)と、ある種の添加材とを含有する電極材料であって当該ある種の添加材を異ならしめた電極材料が用いられている(図5の図表参照)。
実施例1:
(1)絶縁基板100の作製
従来と同様の方法(例えば、特開2005−114355号公報に記載の方法)で作製された一対のリード111、112が上記リード側表面部位上に互いに並列に形成されてなるアルミナ製絶縁基板を絶縁基板110として準備する。
(2)一対の櫛歯状電極120、130の作製
主成分である金(Au)のペーストと添加材であるアルカリ土類金属酸化物の1つの粉末とを、有機溶剤及び分散剤と共に、乳鉢に入れてらいかい機により、4時間の間、分散混合する。
【0063】
その後、このような分散混合物にバインダーを添加してさらに4時間の間湿式混合を行った上で、粘度調整を行い、電極ペースト(以下、実施例1用電極ペーストともいう)を作製する。この実施例1では、アルカリ土類金属酸化物の1つとして、20(重量%)の酸化バリウム(BaO)が採用されている(図5の図表参照)。
【0064】
なお、金(Au)のペーストが上記添加材と適切な比率で混合されておれば、電極ペーストの作製方法としては、上述の方法に限られるものではない。また、一対の櫛歯状電極としての機能を損ねることがない程度であれば、当該一対の櫛歯状電極の機械的強度を高めるため、上記電極ペースト中にZrO2やAl23等の無機酸化物を添加するようにしてもよい。
【0065】
上述のように実施例1用電極ペーストを作製した後、当該電極ペーストを用いて、一対の電極120、130の櫛歯状に対応する電極パターンを、絶縁基板10の上記電極側表面部位上にスクリーン印刷する。
【0066】
そして、このように電極パターンをスクリーン印刷してなる絶縁基板110を、60(℃)にて、1時間の間、乾燥後、1000(℃)にて、1時間、焼き付けを行って、絶縁基板110の上記電極側表面部位上に一対の電極120、130を作製する。
(3)感応層140の作製
上述の固体超強酸物質、例えば、10(重量%)WO3/ZrO2を有機溶剤及び分散剤と共に乳鉢に入れ、らいかい機で、4時間の間分散混合する。その後、当該分散混合物にバインダーを添加し、さらに4時間の間、湿式混合を行ってスラリーとし、このスラリーに粘度調整を施して感応層ペーストを作製する。
【0067】
このように作製した感応層ペーストを、スクリーン印刷により、一対の電極120、130を介し、絶縁基板110の上記電極側表面部位上に所定形状にて厚膜印刷し、然る後、60℃で1時間乾燥後、600(℃)で、1時間の間、焼付けて、感応層140を形成する。以上により、当該アンモニアガスセンサの実施例1としての製造が終了する。
実施例2:
一対のリード111、112を備えた絶縁基板110を実施例1と同様に作製した後、一対の櫛歯状電極120、130は、次のようにして作製される。
【0068】
この実施例2では、上記アルカリ土類金属酸化物の他の例を添加材として採用し、この添加材及び主成分である金(Au)を用いて、実施例1と同様に実施例2用電極ペーストを作製する。この実施例2では、上記アルカリ土類金属酸化物の他の例として、20(重量%)の酸化カルシウム(CaO)を採用する(図5の図表参照)。
【0069】
上述のように実施例2用電極ペーストを作製した後、当該電極ペーストを用いて、実施例1と同様に一対の電極120、130を作製する。ついで、感応層140を上記実施例1と同様に形成する。以上により、当該アンモニアガスセンサの実施例2としての製造が終了する。
実施例3:
一対のリード111、112を備えた絶縁基板110を実施例1と同様に作製した後、一対の櫛歯状電極120、130は、次のようにして作製される。
【0070】
この実施例3では、上記アルカリ土類金属酸化物のその他の例を添加材として採用し、この添加材及び主成分である金(Au)を用いて、実施例1と同様に実施例3用電極ペーストを作製する。この実施例3では、上記アルカリ土類金属酸化物のその他の例として、20(重量%)の酸化マグネシウム(MgO)を採用する(図5の図表参照)。
【0071】
上述のように実施例3用電極ペーストを作製した後、当該電極ペーストを用いて、実施例1と同様に一対の電極120、130を作製する。ついで、感応層140を上記実施例1と同様に形成する。以上により、当該アンモニアガスセンサの実施例3としての製造が終了する。
実施例4:
一対のリード111、112を備えた絶縁基板110を実施例1と同様に作製した後、一対の櫛歯状電極120、130は、次のようにして作製される。
【0072】
この実施例4では、上記アルカリ土類金属酸化物のさらなる他の例を添加材として採用し、この添加材及び主成分である金(Au)を用いて、実施例1と同様に実施例3用電極ペーストを作製する。この実施例3では、上記アルカリ土類金属酸化物のさらなる他の例として、20(重量%)の酸化ストロンチウム(SrO)を採用する(図5の図表参照)。
【0073】
上述のように実施例4用電極ペーストを作製した後、当該電極ペーストを用いて、実施例1と同様に一対の電極120、130を作製する。ついで、感応層140を上記実施例1と同様に形成する。以上により、当該アンモニアガスセンサの実施例4としての製造が終了する。
実施例5:
一対のリード111、112を備えた絶縁基板110を実施例1と同様に作製した後、一対の櫛歯状電極120、130は、次のようにして作製される。
【0074】
この実施例5では、添加材として、上記アルカリ土類金属酸化物を含むガラス(以下、RO系ガラスともいう)を採用し、このRO系ガラスを用いて、実施例1と同様に実施例5用電極ペーストを作製する。この実施例5では、RO系ガラスのうちガラスが、SiO2、Al23及びB23を含有しており、上記アルカリ土類金属酸化物は、CaO、BaO、MgO及びSrOである。但し、上記RO系ガラスの添加量は、10(重量%)である(図5の図表参照)。
【0075】
上述のように実施例5用電極ペーストを作製した後、当該電極ペーストを用いて、実施例1と同様に一対の電極120、130を作製する。ついで、感応層140を上記実施例1と同様に形成する。以上により、当該アンモニアガスセンサの実施例5としての製造が終了する。
実施例6:
一対のリード111、112を備えた絶縁基板110を実施例1と同様に作製した後、一対の櫛歯状電極120、130は、次のようにして作製される。
【0076】
この実施例6では、添加材として、酸化鉛(PbO)を含むガラス(以下、PbO系ガラスともいう)を採用し、このPbO系ガラスを主成分である金(Au)に添加したものを用いて、実施例1と同様に実施例6用電極ペーストを作製する。但し、上述のPbO系ガラスの添加量は30(重量%)である(図5の図表参照)。
【0077】
このように実施例6用電極ペーストを作製した後、当該電極ペーストを用いて、実施例1と同様に一対の電極120、130を作製する。ついで、感応層140を上記実施例1と同様に形成する。以上により、当該アンモニアガスセンサの実施例6としての製造が終了する。
【0078】
以上のようにアンモニアガスセンサとして製造した実施例1〜実施例6のいずれかによれば、被検出雰囲気中においてNH3ガスが他のガス例えばNO2ガスと共存していても、一対の電極120、130の形成材料が、上述したアルカリ土類金属酸化物のいずれか、RO系ガラス或いはPbO系ガラスを添加材として金(Au)に添加したものを主成分とすることから、アンモニアガスに対するガス選択性が良好に確保され得る。
【0079】
その結果、アンモニアガスセンサとしての検出機能、ひいてはNH3ガスの濃度の検出精度が良好に確保され得る。特に、被検出雰囲気においてNO2ガスが過剰に存在していても、NH3ガスの濃度が精度よく検出され得る。なお、当該アンモニアガスセンサは自動車等の内燃機関や焼成炉等からの排気ガス中のNH3濃度の検出に良好に利用できる。
【0080】
ちなみに、モデルガス発生装置を用いて、上述のようにして製造した当該アンモニアガスセンサの実施例1〜実施例6としての検出特性を、比較例の検出特性と共に、次の測定条件のもとに、測定した。
【0081】
なお、上記検出特性は、上記各実施例或いは上記比較例のインピーダンスとアンモニア(NH3)の濃度との関係を表す特性をいう。また、上記比較例は、一対の櫛歯状電極の形成材料として、上記添加材を加えることなく、100(重量%)の金(Au)を用いた点を除き、上記各実施例と同様に製造されている。
【0082】
上記測定条件:
上記モデルガス発生装置で発生するガスの温度、流量及び流速は、それぞれ、280(℃)、18(リットル/min)及び0.015(m/s)である。なお、上述の各実施例及び比較例の各制御温度は400(℃)とする。
【0083】
また、ベースガス組成は、10(体積%)の酸素(O2)、5(体積%)の二酸化炭素(CO2)、5(体積%)の水(H2O)及び窒素(N2)とする。
【0084】
ここで、上記モデルガス発生装置で発生するガスの組成は、第1ガス組成及び第2ガス組成とする。
【0085】
上記第1ガス組成は、上記ベースガス組成に対し、0(p.p.m)〜150(p.p.m)の範囲以内の濃度のアンモニア(NH3)を追加したものとする。また、上記第2ガス組成は、上記ベースガス組成に対し、100(p.p.m)の濃度の二酸化窒素(NO2)及び0(p.p.m)〜150(p.p.m)の範囲以内の濃度のアンモニア(NH3)を追加したものとする。
【0086】
このような測定条件のもとで、上記各実施例及び上記比較例を、上記モデルガス発生装置の上記第1或いは第2のガス組成のガス中に配置した。そして、所定の電圧(2V)及び周波数(400Hz)を有する交流電圧を、上記各実施例の一対の電極間及び上記比較例の一対の電極間にそれぞれ印加することで、上記各実施例の一対の電極間及び上記比較例の一対の電極間にそれぞれ生ずるインピーダンスを測定した。
【0087】
但し、ベースインピーダンス(以下、ベースインピーダンスZbという)は、NH3=0(p.p.m)で得られる値とする。なお、上述のインピーダンスの測定は、上記第1ガス組成及び第2ガス組成のガス中で、それぞれ、アンモニア(NH3)の濃度を、0(p.p.m)〜150(p.p.m)の範囲以内にて変えて行った。
【0088】
そして、上記各実施例及び上記比較例について、NH3ガスの投入時のインピーダンス(以下、インピーダンスZという)を測定した上で、次の式(1)を用いて、上記実施例1及び上記比較例の各NH3感度を計算した。
【0089】
NH3感度={(Zb−Z)/Zb}×100・・・(1)
このようにして求めた上記各実施例及び上記比較例の各NH3感度に基づき、上述の第1ガス組成及び第2ガス組成におけるNO2ガスのNH3ガスに対する共存の各影響に関し、それぞれ、評価を行ってみたところ、図6にて示すような各棒グラフ1−1〜1−6及び2が得られた。
【0090】
ここで、各棒グラフ1−1、1−2及び1−3は、それぞれ、実施例1、実施例2及び実施例3のNO2共存雰囲気におけるNH3感度の規格値(以下、感度規格値ともいう)を示し、また、各棒グラフ1−4、1−5及び1−6は、それぞれ、実施例4、実施例5及び実施例6のNH3ガスに対する各感度規格値を示す。また、棒グラフ2は、上記比較例のNH3ガスに対する感度規格値を示す。
【0091】
但し、図6において、実施例1〜実施例6及び上記比較例の各感度規格値は、20(p.p.m)のNH3ガスに対するNH3感度を100と規格化したときの値でもって、示されている。従って、図6によれば、当該感度規格値が100に近い程、NH3ガスに対するNO2ガスの影響が小さいことが示されている。例えば、NH3ガスに対するNO2ガスの影響が全く無ければ、当該感度規格値は100である。
【0092】
以上のような前提のもと、図6の棒グラフ2によれば、上記比較例の感度規格値は約30である。従って、NH3ガスがNO2ガスと共存する雰囲気(上記第2ガス組成の雰囲気)中においては、上記比較例の感度規格値は本来の値よりも小さく、当該比較例はNH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響を受けていることが分かる。
【0093】
これに対し、実施例1〜実施例6においては、各感度規格値は、NH3ガスに対するNO2ガスの共存時には、上記比較例と比較して大きな値を示している(図6の破線参照)。
【0094】
従って、当該実施例1〜実施例6によれば、NH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響が改善されていることが分かる。ここで、NH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響が最も小さい実施例は、棒グラフ1−5にて示すごとく、実施例5である。また、NH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響は、上記比較例よりは小さいものの、各実施例5、6、1、3、4及び2の順で、順次、大きくなっている(各棒グラフ1−1〜1−6参照)。
【0095】
さらに、実施例1〜実施例6及び上記比較例について、インピーダンスが、上記第1及び第2の各ガス組成におけるNH3感度の各変化に伴い、それぞれ、どのように変化するかについて調べてみたところ、図7〜図13に示す各折れ線グラフ3−1〜9―2が得られた。
【0096】
図7及び図8において、各折れ線グラフ3−1及び4−1は、それぞれ、上記第1ガス組成のもと、実施例1及び実施例2におけるインピーダンスとNH3感度との間の各関係を示す。また、各折れ線グラフ3−2及び4−2は、それぞれ、上記第2ガス組成のもと、実施例1及び実施例2におけるインピーダンスとNH3感度との間の各関係を示す。
【0097】
また、図9及び図10において、各折れ線グラフ5−1及び6−1は、それぞれ、上記第1ガス組成のもと、実施例3及び実施例4におけるインピーダンスとNH3感度との間の各関係を示す。また、各折れ線グラフ5−2及び6−2は、それぞれ、上記第2ガス組成のもと、実施例3及び実施例4におけるインピーダンスとNH3感度との間の各関係を示す。
【0098】
また、図11及び図12において、各折れ線グラフ7−1及び8−1は、それぞれ、上記第1ガス組成のもと、実施例5及び実施例6におけるインピーダンスとNH3感度との間の各関係を示す。また、各折れ線グラフ7−2及び8−2は、上記第2ガス組成のもと、実施例5及び実施例6におけるインピーダンスとNH3感度との間の各関係を示す。
【0099】
一方、図13において、折れ線グラフ9−1は、上記第1ガス組成のもと、上記比較例のインピーダンスとNH3感度との間の関係を示す。また、折れ線グラフ9―2は、上記第2ガス組成のもと、上記比較例のインピーダンスとNH3感度との間の関係を示す。
【0100】
上述した図7〜図12の各両折れ線グラフによれば、各折れ線グラフ3−2、4−2、5−2、6−2、7−2及び8−2は、NH3ガスに対するNO2ガスの共存にもかかわらず、それぞれ、NH3ガスに対するNO2ガスの共存のない各折れ線グラフ3−1、4−1、5−1、6−1、7−1及び8−1に接近していることが分かる。
【0101】
従って、実施例1〜実施例6によれば、NH3ガスに対するNO2ガスの共存にもかかわらず、NH3ガスに対するガス選択性が良好に確保され得ることが分かる。
【0102】
一方、上述した図13の両折れ線グラフ9−1、9―2によれば、折れ線グラフ9―2は、NH3ガスに対するNO2ガスの共存に影響されて、NH3ガスに対するNO2ガスの共存のない折れ線グラフ9−1からかなり離れていることが分かる。従って、上記比較例によれば、NH3ガスに対するNO2ガスの共存時には、NH3ガスに対するガス選択性がかなり低下するといえる。
【0103】
以上のことから、上記比較例では、NH3ガスに対するガス選択性が、NH3ガスに対するNO2ガスの共存時には、かなり低下するのに対し、実施例1〜実施例6では、NH3ガスに対するNO2ガスの共存のもとでも、この共存に影響されることなく、NH3ガスに対するガス選択性が当該NH3ガスの低濃度から高濃度に亘りかなり向上していることが分かる。このことは、実施例1〜実施例6では、NH3ガスの検出精度が低濃度から高濃度に亘りかなり向上し得ることを意味する。
【0104】
また、上述のような効果は、添加材としてアルカリ土類金属酸化物を採用する場合には、アルカリ土類金属酸化物であれば、BaO、CaO、MgO、SrOに限ることなく、どのようなアルカリ土類金属酸化物であっても、達成され得る。
【0105】
また、上述のような効果は、添加材としてRO系ガラス或いはPbO系ガラスを採用する場合には、当該RO系ガラス或いはPbO系ガラスは、上述した含有組成に限ることなく、どのようなRO系ガラス或いはPbO系ガラスとしての含有組成であっても、達成され得る。
【0106】
次に、一対の櫛歯状電極120、130の形成材料において、金(Au)の添加量100(重量%)に対する添加材の添加量が、NH3ガスに対するNO2ガスの共存環境において、NH3ガスに対するガス選択性にどのような影響を与えるかについて検討してみた。上記添加材としては、酸化バリウム(BaO)、RO系ガラス及びPbO系ガラスを、例として、採用した。
1.添加材が酸化バリウム(BaO)である場合
この添加材の添加量による影響を検討するにあたり、当該アンモニアガスセンサの実施例として、実施例7〜実施例11を準備した。但し、これら実施例7〜実施例11は、上述の実施例1〜実施例6とは添加材或いはこの添加材の添加量を異にする点を除き、当該実施例1〜実施例6と同様に製造されている。なお、実施例7〜実施例11に対する比較例としては、上述の比較例を採用した。
【0107】
ここで、酸化バリウム(BaO)が、上記添加材として、実施例7〜実施例11に共通に用いられているが、実施例7及び実施例8の各添加材の添加量は、それぞれ、2(重量%)及び5(重量%)であり、実施例9、実施例10及び実施例11の各添加材の添加量は、それぞれ、10(重量%)、30(重量%)及び40(重量%)である(図14の図表参照)。
【0108】
上述のように準備した実施例7〜実施例10の各NH3感度について、上述と同様に測定して上記式(1)により計算し、これら各NH3感度に基づき、上述の第2のガス組成の雰囲気において、NO2ガスのNH3ガスに対する共存の影響を評価した。この評価にあたり、上述の実施例1をも評価比較の対象とした。なお、この実施例1及び上記比較例の各NH3感度は上述と同様である。
【0109】
このような評価の結果、図15にて示すごとく、各棒グラフ10―1〜10−4が得られた。ここで、各棒グラフ10−1及び10−2は、それぞれ、実施例7及び実施例8の各感度規格値を示し、各棒グラフ10−3及び10−4は、それぞれ、実施例9及び実施例10の各感度規格値を示す。
【0110】
また、棒グラフ1ー1は、上述した実施例1の感度規格値を示し、棒グラフ2は、上述した比較例の感度規格値を示す。
【0111】
但し、図15において、実施例7〜実施例10の各感度規格値は、実施例1及び上記比較例の各感度規格値と同様に、20(p.p.m)のNH3ガスに対するNH3感度を100と規格化したときの値である。
【0112】
以上の前提のもと、図15の各棒グラフを比較すれば、上記比較例の感度規格値は、棒グラフ2で示すように、上述したごとく、NH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響を受けていることが分かる。
【0113】
また、残りの各棒グラフ10―1〜10−4及び1−1において、実施例1の感度規格値が、棒グラフ1−1で示すように最も高く、実施例7の感度規格値が、棒グラフ10−1で示すように、最も低い。そして、各感度規格値は、実施例1及び実施例10〜実施例7の順で、順次、低くなっている。
【0114】
ここで、実施例7の感度規格値は、上記比較例よりも若干高いがほぼ同じ値となっている。これは、BaOの添加量が2重量%と少ないため、BaOが添加材としての効果、即ち、上述のNH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響を低減する効果を発揮し得ないことに起因する。
【0115】
また、実施例11の感度規格値は図15において示されていない。これは、上記添加材であるBaOの添加量が40(重量%)と多いために、実施例11の一対の電極間で導通不良となり、実施例11によっては、NH3感度が測定不能であったことによる。
【0116】
以上の検討結果によれば、添加材が酸化バリウム(BaO)である場合には、
NO2ガスとの共存環境におけるNH3ガスの感度規格値は、金(Au)の添加量を100重量%としたとき、酸化バリウム(BaO)の添加量が5(重量%)〜30(重量%)の範囲以内の量であれば、NH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響が良好に低減され、NH3ガスに対するガス選択性が良好に確保され得る。
2.添加材がRO系ガラスである場合
この添加材の添加量による影響を検討するにあたり、当該アンモニアガスセンサの実施例として、実施例12〜実施例15を準備した。但し、これら実施例12〜実施例15は、実施例1〜実施例6とは、添加材或いはこの添加材の添加量を異にする点を除き、上述の実施例1〜実施例6と同様に製造されている。この評価にあたり、上述の実施例5をも評価比較の対象とした。なお、比較例としては、上述の比較例を採用した。
【0117】
ここで、RO系ガラスが、上記添加材として、実施例12〜実施例15に共通に用いられているが、当該RO系ガラスとしては、上記実施例5と同様の組成のものが採用されている。
【0118】
また、実施例12及び実施例13の各RO系ガラスの添加量は、それぞれ、2(重量%)及び5(重量%)であり、実施例14及び実施例15の各RO系ガラスの添加量は、それぞれ、20(重量%)及び30(重量%)である(図16の図表参照)。
【0119】
上述のように準備した実施例12〜実施例15の各NH3感度について、上述と同様に測定して上記式(1)により計算し、これら各NH3感度に基づき、上述の第2のガス組成において、NO2ガスのNH3ガスに対する共存の影響を評価した。この評価にあたり、上述の実施例5及び上記比較例をも比較対象とした。なお、実施例5及び上記比較例の各NH3感度は上述と同様である。
【0120】
このような評価の結果、図17にて示すごとく、各棒グラフ11―1〜11−3が得られた。ここで、各棒グラフ11−1、11−2及び11−3は、それぞれ、実施例12、実施例13及び実施例14の感度規格値を示す。なお、各棒グラフ1−5及び2は、それぞれ、上述した実施例5及び比較例の各感度規格値を示す。
【0121】
但し、図17において、実施例12〜実施例15の各感度規格値は、実施例5及び比較例の各感度規格値と同様に、20(p.p.m)のNH3ガスに対するNH3感度を100と規格化したときの感度規格値でもって、示されている。
【0122】
以上の前提のもと、図17の各棒グラフ11―1〜11−3、1−5及び2を比較すれば、各棒グラフにおいて、実施例5の感度規格値が、棒グラフ1−5で示すように最も高く、実施例12の感度規格値が、棒グラフ11−1で示すように、最も低い。そして、各感度規格値は、実施例5及び実施例14〜実施例12の順で、順次、低くなっている。
【0123】
ここで、実施例12の感度規格値は、上記比較例と同様に低くこの比較例よりも若干高いがほぼ同じ値となっている。これは、RO系ガラスの添加量が2重量%と少ないため、当該RO系ガラスが添加材としての効果、即ち、上述のNH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響を低減する効果を発揮し得ないことに起因する。
【0124】
また、実施例15の感度規格値は図17において示されていない。これは、RO系ガラスの添加量が30(重量%)と多いために、実施例15の一対の電極間で導通不良となり、当該実施例15のNH3感度が測定不能であったことによる。
【0125】
以上の検討結果によれば、添加材がRO系ガラスである場合には、NO2ガスとの共存環境におけるNH3ガスの感度規格値は、金(Au)の添加量を100(重量%)としたとき、RO系ガラスの添加量が5(重量%)〜20(重量%)の範囲以内の量であれば、NH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響が良好に低減され、NH3ガスに対するガス選択性が良好に確保され得る。
3.添加材がPbO系ガラスの場合
この添加材の添加量による影響を検討するにあたり、当該アンモニアガスセンサの実施例として、実施例16〜実施例19を準備した。但し、これら実施例16〜実施例19は、実施例1〜実施例6とは、添加材或いはこの添加材の添加量を異にする点を除き、上述の実施例1〜実施例6と同様に製造されている。この評価にあたり、上述の実施例6をも評価比較の対象とした。なお、比較例としては、上述の比較例を採用した。
【0126】
ここで、PbO系ガラスが、上記添加材として、実施例16〜実施例19に共通に用いられているが、実施例16及び実施例17の各PbO系ガラスの添加量は、それぞれ、5(重量%)及び10(重量%)であり、実施例18及び実施例19の各PbO系ガラスの添加量は、それぞれ、40(重量%)及び50(重量%)である(図18の図表参照)。
【0127】
上述のように準備した実施例16〜実施例19の各NH3感度について、上述と同様に測定して上記式(1)により計算し、これら各NH3感度に基づき、上述の第2のガス組成において、NO2ガスのNH3ガスに対する共存の影響を評価した。この評価にあたり、上述の実施例6及び比較例の各NH3感度は上述と同様である。
【0128】
このような評価の結果、図19にて示すごとく、各棒グラフ12―1〜12−3が得られた。ここで、各棒グラフ12−1、12−2及び12−3は、それぞれ、実施例16、実施例17及び実施例18の各感度規格値を示す。また、各棒グラフ1−6及び2は、それぞれ、上述した実施例6及び比較例の各感度規格値を示す。
【0129】
但し、図19において、実施例16〜実施例18の各感度規格値は、上述した実施例6及び比較例の各感度規格値と同様に、20(p.p.m)のNH3ガスに対するNH3感度を100と規格化したときの値でもって、示されている。
【0130】
以上の前提のもと、図19の各棒グラフを比較すれば、実施例6の感度規格値が、棒グラフ1−6で示すように最も高く、実施例16の感度規格値が、棒グラフ12−1で示すように、最も低い。そして、各感度規格値は、実施例6及び実施例18〜実施例16の順で、順次、低くなっている。
【0131】
ここで、実施例16の感度規格値は、上記比較例と同様に低くこの比較例よりも若干高いがほぼ同じ値となっている。これはPbO系ガラスの添加量が5重量%と少ないため、当該PbO系ガラスが添加材としての効果、即ち、上述のNH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響を低減する効果を発揮し得ないことに起因する。
【0132】
また、実施例19の感度規格値は図19において示されていない。これは、PbO系ガラスの添加量が50(重量%)と多いために、実施例19の一対の電極間で導通不良となり、当該実施例19のNH3感度が測定不能であったことによる。
【0133】
以上の検討結果によれば、添加材がPbO系ガラスである場合には、NO2ガスとの共存環境におけるNH3ガスの感度規格値は、金(Au)の添加量を100(重量%)としたとき、PbO系ガラスの添加量が10(重量%)〜40(重量%)の範囲以内の量であれば、NH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響が良好に低減され、NH3ガスに対するガス選択性が良好に確保され得る。
(第2実施形態)
図20〜図22は、本発明に係るアンモニアガスセンサの第2実施形態の要部を示している。この第2実施形態にいうアンモニアガスセンサは、上記第1実施形態にて述べたアンモニアガスセンサにおいて、一対の櫛歯状電極120、130及び感応層140に代えて、一対の平板状電極150、160及び感応層170を設けた構成のセンサ素子(以下、センサ素子100という)を有する。
【0134】
一対の平板状電極150、160は、第1実施形態にて述べた一対の櫛歯状電極120、130と同様の形成材料でもって形成されている。具体的には、当該一対の平板状電極150、160の形成材料は、上記第1実施形態と同様に、主成分である金(Au)と、ある種の添加材とを含有する電極材料である。
【0135】
また、上述したある種の添加材としては、上記第1実施形態にて述べたアルカリ土類金属酸化物、RO系ガラス或いはPbO系ガラスが挙げられる。ここで、アルカリ土類金属酸化物としては、上記第1実施形態にて述べたと同様に、例えば、BaO、CaO、MgO或いはSrOが挙げられる。
【0136】
RO系ガラスとしては、上記第1実施形態にて述べたと同様に、例えば、SiO2、Al23及びB23、CaO、BaO、MgO及びSrOからなるRO系ガラスが挙げられる。また、PbO系ガラスとしては、上記第1実施形態にて述べたと同様に、例えば、PbOを含むガラスが挙げられる。
【0137】
また、添加材の添加量は、上記第1実施形態にて述べたと同様に、以下のような量であれば、NH3ガスに対するNO2ガスの共存の影響が良好に低減され、NH3ガスに対するガス選択性が良好に確保され得る。
【0138】
即ち、酸化バリウム(BaO)にあっては、金(Au)の重量を100(重量%)としたとき、5(重量%)〜30(重量%)の範囲以内の量であればよい。また、RO系ガラスにあっては、金(Au)を100(重量%)としたとき、5(重量%)〜20(重量%)の範囲以内の量であり、PbO系ガラスにあっては、金(Au)を100(重量%)としたとき、10(重量%)〜40(重量%)の範囲以内の量であればよい。
【0139】
しかして、平板状電極150は、図20〜図22から分かるように、下側電極として、上記第1実施形態にて述べた絶縁基板10の電極側表面部位上に設けられている。一方、平板状電極160は、後述する感応層170を介し平板状電極50に対向するように当該感応層170に積層されている。
【0140】
なお、平板状電極150は、その接続端子151にて、上記第1実施形態にて述べたリード111の内端部に電気的に接続されており、一方、平板状電極160は、その接続端子161にて、上記第1実施形態にて述べたリード112の内端部に電気的に接続されている。
【0141】
感応層170は、上記第1実施形態にて述べた感応層140と同様の形成材料でもって、平板状電極150を覆うように上記第1実施形態にて述べた絶縁基板110の電極側表面部位上に積層形成されている。なお、本第2実施形態においても、当該アンモニアガスセンサは、上記第1実施形態にて述べたと同様に、主成分である金(Au)と上記ある種の添加材とを含有する電極材料を用い、当該ある種の添加材を異ならしめて製造される。その他の構成は上記第1実施形態と同様である。
【0142】
以上のように構成した本第2実施形態においては、アンモニアガスセンサが、上述したごとく、上記第1実施形態にて述べたアンモニアガスセンサの電極構造である一対の櫛歯状電極とは異なり、一対の平板状電極という電極構造を有するが、このような電極構造においても、上記第1実施形態と同様の作用効果が達成され得る。
【0143】
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態にて述べたRO系ガラスの組成は、SiO2、Al23及びB23、CaO、BaO、MgO及びSrOに限ることなく、SiO2、Al23及びB23のうちの少なくとも1種及びB23、CaO、BaO、MgO及びSrOのうちの少なくとも1種であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明に係るアンモニアガスセンサの第1実施形態を示す断面図である。
【図2】図1のセンサ素子の拡大斜視図である。
【図3】図2において3−3線に沿う断面図である。
【図4】図2のセンサ素子の分解斜視図である。
【図5】上記第1実施形態における実施例1〜実施例6及び比較例の一対の電極の形成材料を添加材の添加量と共に示す図表である。
【図6】上記第1実施形態における実施例1〜実施例6及び比較例の各感度規格値を示す各棒グラフである。
【図7】上記第1実施形態における実施例1の一対の電極の間に生ずるインピーダンスとNH3濃度との関係を、第1及び第2の各ガス組成をパラメータとして示す各折れ線グラフである。
【図8】上記第1実施形態における実施例2の一対の電極の間に生ずるインピーダンスとNH3濃度との関係を、第1及び第2の各ガス組成をパラメータとして示す各折れ線グラフである。
【図9】上記第1実施形態における実施例3の一対の電極の間に生ずるインピーダンスとNH3濃度との関係を、第1及び第2の各ガス組成をパラメータとして示す各折れ線グラフである。
【図10】上記第1実施形態における実施例4の一対の電極の間に生ずるインピーダンスとNH3濃度との関係を、第1及び第2の各ガス組成をパラメータとして示す各折れ線グラフである。
【図11】上記第1実施形態における実施例5の一対の電極の間に生ずるインピーダンスとNH3濃度との関係を、第1及び第2の各ガス組成をパラメータとして示す各折れ線グラフである。
【図12】上記第1実施形態における実施例6の一対の電極の間に生ずるインピーダンスとNH3濃度との関係を、第1及び第2の各ガス組成をパラメータとして示す各折れ線グラフである。
【図13】上記第1実施形態における比較例の一対の電極の間に生ずるインピーダンスとNH3濃度との関係を、第1及び第2の各ガス組成をパラメータとして示す各折れ線グラフである。
【図14】上記第1実施形態における実施例7〜実施例11及び比較例の一対の電極の形成材料を添加材の添加量と共に示す図表である。
【図15】上記第1実施形態における実施例7〜実施例11の各感度規格値を、実施例1及び比較例の各感度規格値と共に示す各棒グラフである。
【図16】上記第1実施形態における実施例12〜実施例15及び比較例の一対の電極の形成材料を添加材の添加量と共に示す図表である。
【図17】上記第1実施形態における実施例12〜実施例15の各感度規格値を、実施例5及び比較例の各感度規格値と共に示す各棒グラフである。
【図18】上記第1実施形態における実施例16〜実施例19及び比較例の一対の電極の形成材料を添加材の添加量と共に示す図表である。
【図19】上記第1実施形態における実施例16〜実施例19の各感度規格値を、実施例6及び比較例の各感度規格値と共に示す各棒グラフである。
【図20】本発明に係るアンモニアガスセンサの第2実施形態の要部であるセンサ素子を示す斜視図である。
【図21】図20において21−21線に沿う断面図である。
【図22】図20のセンサ素子の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0145】
100…センサ素子、110…絶縁基板、120、130…櫛歯状電極、
140、170…感応層、150、160…平板状電極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の電極と、当該一対の電極に接するように設けられた感応体とを備え、
当該感応体の主成分は固体超強酸物質であるアンモニアガスセンサにおいて、
前記一対の電極は、主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物をも含むことを特徴とするアンモニアガスセンサ。
【請求項2】
前記アルカリ土類金属酸化物は、金(Au)の重量を100(重量%)としたとき、5(重量%)〜30(重量%)の範囲以内の重量となるように、前記一対の電極に含まれることを特徴とする請求項1に記載のアンモニアガスセンサ。
【請求項3】
前記アルカリ土類金属酸化物は、バリウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物及びストロンチウム酸化物のうちの少なくとも一種であることを特徴とする請求項1または2に記載のアンモニアガスセンサ。
【請求項4】
一対の電極と、当該一対の電極に接するように設けられた感応体とを備え、
当該感応体の主成分は固体超強酸物質であるアンモニアガスセンサにおいて、
前記一対の電極は、主成分としての金(Au)に加え、さらに、アルカリ土類金属酸化物を含有するガラスをも含むことを特徴とするアンモニアガスセンサ。
【請求項5】
前記ガラスは、金(Au)の重量を100(重量%)としたとき、5(重量%)〜20(重量%)の範囲以内の重量となるように、前記一対の電極に含まれることを特徴とする請求項4に記載のアンモニアガスセンサ。
【請求項6】
前記ガラスに含有される前記アルカリ土類金属酸化物は、バリウム酸化物、カルシウム酸化物、マグネシウム酸化物及びストロンチウム酸化物のうちの少なくとも一種であることを特徴とする請求項4または5に記載のアンモニアガスセンサ。
【請求項7】
一対の電極と、当該一対の電極に接するように設けられた感応体とを備え、
当該感応体の主成分は固体超強酸物質であるアンモニアガスセンサにおいて、
前記一対の電極は、主成分としての金(Au)に加え、さらに、鉛酸化物を含有するガラスをも含むことを特徴とするアンモニアガスセンサ。
【請求項8】
前記ガラスは、金(Au)の重量を100(重量%)としたとき、10(重量%)〜40(重量%)の範囲以内の重量となるように、前記一対の電極に含まれることを特徴とする請求項7に記載のアンモニアガスセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2008−268049(P2008−268049A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−112705(P2007−112705)
【出願日】平成19年4月23日(2007.4.23)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】