説明

アーティクル認証システム及び方法

【課題】認証画像をアーティクルに与える方法を提供する。
【解決手段】この方法は、認証画像のデジタル化されたバージョンを得て(図4)、符号化された潜像を生成するために認証画像のデジタル化されたバージョンを符号化し、透過印刷媒体を使用してアーティクルの印刷可能な表面上に符号化された潜像を印刷することを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は偽造防止手段、特に再生可能ではない認証画像を1または複数のアーティクルに適用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
盗難および偽造商品の闇市場での販売の識別は今日、世界が日々増して直面している重要な問題である。毎年、数百万ドルが偽物の文書およびブランド商品の不正使用で損失されている。アイテム及び識別レベルの複製に使用される光学スキャナ、複写機、その他の装置の精巧さが増加すると、簡単に検出されないような十分な品質の偽造文書およびその他の模造品を偽造者が製造する能力が強化されている。
【0003】
セキュリティの増加のための1方法は、幾つかの形態の印、典型的にテキストストリングまたはその他の画像をそのアーティクルに与え、これは画像が目だけでは見ることができないように符号化されている。符号化された画像はそれが符号化される前に現れるときのように画像を“再度組立てる”復号装置の使用によってのみ観察されることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高解像度の走査装置はこれらの画像でさえも再生を受ける可能性がある。例えば光学スキャナのような複製装置は通常、スキャナによりアイテムに投射された光の反射を検出することにより動作する。多量の色素を有するアイテムの領域は色素がほとんどないか全くない領域よりも光を吸収する。スキャナは反射光の量または強度を測定でき、それはスキャナによるコンピュータデータとして記録される。このデータはその後、通常は印刷されたコピーまたはデジタルイメージとして、走査されたアイテムのレプリカを生成するためにスキャナにより使用される。このレプリカは符号化され印刷された印も複製されることのできる十分な品質である。このような場合には、複製されたアーティクルを観察するために復号器を使用してもその偽造特性は明らかにならない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の例示的な実施形態は印刷可能な表面と、透過印刷媒体の印刷可能な表面の第1の部分に形成された潜像とを具備する認証可能なアーティクルを提供する。その潜像は認証画像の符号化されたバージョンであり、光学復号器により光学的に復号されるように構成され、それによって認証画像は光学復号器が潜像上に位置されるとき光学復号器を通して観察されることができる。
【0006】
本発明の別の例示的な実施形態は認証画像をアーティクルに与える方法を提供する。この方法は、認証画像のデジタル化されたバージョンを得て、符号化された潜像を生成するために認証画像のデジタル化されたバージョンを符号化し、透過印刷媒体を使用してアーティクルの印刷可能な表面上に符号化された潜像を印刷するステップを含んでいる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
アーティクルの認証または識別の目的で、符号化された画像をアーティクルに与えるための従来使用された方法は色素インクまたはトナーにより符号化された画像を印刷することを含んでいる。1方法はもとの画像を異なるピースに分解することである。符号化された画像は基本的に、画像を“再度組立てる”光学特性を有するレンズを通して観察するまでは裸眼では見ることができない。
【0008】
潜像のラスター化及び印刷を含む符号化プロセスは米国特許第5,708,717号明細書(‘717号明細書)に記載されており、これは全体として参考文献としてここに組込まれている。このプロセスでは、潜像は例えば単位インチ当りの印刷されたある線の数に対応するある周波数でラスター化される。符号化された画像はその後、通常は可視の印の印刷に使用される4色の原色の印刷インクのうちの1以上を使用してアイテム上に印刷される。印刷されるアーティクルが潜像と共に可視画像を有するならば、その可視画像も選択された周波数でラスター化され、それによって潜像は可視画像の種々の部分の色及び密度に従って調節されることができる。潜像及び可視画像はその後、共にアーティクル上に印刷され、可視画像はその組立てられた(即ち可視)形態で再生され、潜像はその符号化された(即ち不可視)形態で再生される。潜像はその潜像の選択された周波数に対して構成された復号レンズが潜像上に置かれるときにのみ可視になる。
【0009】
前記‘717号明細書の方法では、潜像は進歩した走査装置に対して可視であるマークを生成する画素インクまたはトナーを使用して生成される。さらに、この方法はアーティクル上に印刷される任意の可視画像がデジタル化され、ラスター化されて、潜像の調節を可能にすることを必要とする。可視画像はその後、潜像と同時に印刷されなければならない。
【0010】
ここで説明する本発明の実施形態は潜像をアーティクルに与える方法を提供し、この潜像は、再生を受けにくく、アーティクルに印刷される任意の可視画像と独立して、潜像の処理及び印刷を可能にする。これらの方法は実質的に透過印刷媒体を使用して、アーティクル上に符号化された画像を印刷することを含んでいる。ここで使用されている用語“透過印刷媒体”とは、印刷媒体が与えられた表面に対して垂直な方向での入射光の反射の程度が大きくはなく、光が印刷媒体を通過することを可能にする印刷媒体を意味している。透過印刷媒体は完全に透明ではなく、したがってそれが与えられる基板の反射率に僅かな変化しか発生しない。潜像が本発明にしたがって透過印刷媒体と共に印刷されるとき、結果的な反射率の小さい変化は、画像の異なるピースが人間の目により観察されることを可能にするのに不十分である。さらに、反射率の変化は十分に小さいので、これらは複写機または走査装置により認識または複製されることができない。しかしながら、これらは画像の異なるピースが復号器により組立てられて、完全な画像を形成するとき、画像は認識可能な十分な大きさである。
【0011】
スキャナによる検出を避ける能力は、透過媒体によりカバーされる領域と透過媒体によりカバーされない領域との間のコントラストを最小にすることによって最大にされることができる。約5%よりも少ない基板のカバーされていない領域とのコントラストを与える(即ち5%よりも少ない量だけ基板の反射率を変化する)透過媒体は典型的な走査装置または複写機により識別可能でも再生可能でもないことが発見されている。0.5%程度に低いコントラストは復号器により識別可能な画像を生成するのに十分であることも発見されている。さらに復号器に対する改良によって、必要とされるコントラストはさらに減少されることができる。非常に成功した結果は、約0.5%乃至約1.5%の範囲の基板とのコントラストを生成する透過媒体を使用して印刷された画像により実現されている。
【0012】
本発明を図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2を参照すると、認証されるアーティクル10は印刷された印のある形態を有するように適合された印刷可能な表面12を有している。アーティクル10は色素インク、トナーその他の印刷媒体を使用して印刷可能な表面上に印刷された一次画像14と、アーティクル10の認証に使用される潜像20とを含むことができる。
【0014】
アーティクル10は表面の一部が印刷された印を受けることができる限り、任意の寸法及び形状であってもよいことが当業者には理解されるであろう。説明を簡単にするために、アーティクル10は薄い平坦な部材として示されているが、これはラベル、タグ、通貨またはチケットのようなアーティクルの代表例である。アーティクル10または少なくとも印刷可能な表面12を有するアーティクル10の一部分は、印刷媒体を受け、維持することのできる任意の材料であってもよく、紙、ビニール、布、金属、アクリル、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエチレンを含むが、これらに限定されない。
【0015】
印刷可能な表面12は無地またはパターン化された背景、一次画像14または背景と一次画像14の両者を印刷されることができる。一次画像14はグラフィック画像、写真図またはテキストのような任意の形態を有している。背景および/または一次画像14は任意の既知の方法を使用してグレースケールまたはカラーにより、インクまたはトナーで印刷されることができる。カラー印刷応用では、最初の印刷は任意の4色のカラー印刷プロセスを含むことができる。技術で知られているように、4色のカラー印刷はフルカラー画像を生成するために4色の原色印刷(シアン、マゼンダ、黄、黒)の別々の層の適用を含んでいる。適切な印刷方法には例えばリソグラフまたはオフセット、凹版、凸版、フレキソ、グラビアが含まれている。インクジェットおよびレーザ印刷のようなデジタル印刷技術が使用されることもできる。
【0016】
アーティクル10は実質的に透過的な印刷媒体を使用して、印刷可能な表面12上に印刷される潜像20も含んでいる。潜像20はアーティクル10の認証に使用される選択された認証画像16の符号化されたバージョンである。認証画像16は単一のグラフィック画像でもよく、或いは図3に示されているようにテキストまたは反復する幾何学形状のグラフィックまたはランダムパターンであってもよい。認証画像16は例えばメッセージ、法人のロゴまたは他の商標の単一または反復する表示を特徴とすることができる。
【0017】
潜像20は認証画像16が観察されることを可能にするために組立てられ又は復号されることのできる複数の画像断片を含んでいる。図1乃至4に示されている例示的な実施形態では、潜像20は認証画像16のラスター化されたバージョンであり、単位インチ当り予め定められた数の線(周波数)において印刷された複数の平行線22を有している。典型的な線周波数は単位インチ当り約50線乃至単位インチ当り約300線の範囲である。
【0018】
平行線22はこれらが通常は可視でないことを示すために破線で図1及び2に示されている。線22の間隔は説明の目的で誇張されていることが当業者により理解されよう。
【0019】
潜像20の印刷に使用される透過印刷媒体は、時間で変化しない基板の反射率において小さい変化しか発生しない、印刷可能な表面に与えるのに適した任意の材料であってもよい。適切な材料にはクリアプリンタのワニスとして分類されるものが含まれている。ここで使用されている用語“プリンタのワニス”とは、耐性と光沢、鈍いまたはつやのある仕上げを付加するために印刷された表面に施すことのできる液体のセラックまたはプラスティック被覆のような被覆を指している。クリアな重ね刷りワニスは容易に入手可能であり、特別な装置を設置せずに標準的なオフセット印刷により基板上に与えられることができる。適切なクリアワニスの例にはJoncryl 1679とCDX−562が含まれている。これらのようなクリアワニスは反射率において所望の変化を発生するために使用されることができる。基板の被覆されていない領域との実際のコントラストは使用されるワニス、与えられる層の厚さ、多数の層の使用により決定されることができる。
【0020】
使用される特定の印刷媒体は印刷可能な表面の材料及び組織と、アーティクルが露出される環境にしたがうことが認識されよう。例えば、認証潜像20を有するアーティクル10は熱で誘発する収縮包装のような付加的な処理を受けることができる。このような例では、高温環境に適した透過印刷媒体が望ましい。
【0021】
透過印刷媒体は一次画像14上にカバー層として与えられることができる。したがって潜像20は部分的または完全に一次画像14の上に存在できる。その代わりに潜像20は印刷可能な表面の一部分に印刷されることができ、この表面はそうでなければ印刷されていないか背景カラーまたは壁紙パターンが印刷されている。
【0022】
幾つかの例では、潜像20は一次画像14を与える前に透過印刷媒体で印刷されることができる。このような例では、潜像20は一次画像の“穴”(即ちインクまたは他の色素媒体が与えられる一次画像の境界内の領域)を通して観察されることができる。
【0023】
前述したように、透過印刷媒体の相対的な透明度は、潜像20を“観察”または再生する能力を減少または除去する。この特徴は潜像20の符号化特性と組合わせて、不可能ではないにしても、認証印のコピーを極めて困難にする。
【0024】
図4に示されているように、潜像20は認証画像16が復号器30の使用によってのみ観察されることを可能にする。復号器は認証画像16が符号化される方法に整合する光学特性を有するように設計されている。説明されている実施形態では、復号器30は符号化された潜像20の線周波数に対応するように製造された復号レンズ32を具備している。図5および6は本発明の実施形態で使用されることのできる復号レンズ32の一部を示している。復号レンズ32は一連の湾曲したリッジ36を有する上部の観察者に面する表面34と、実質上平坦な下部の画像に面する表面38とを有するレンチキュラーレンズである。リッジ36の湾曲及び間隔は画像20のラスター化された断片を光学的に一つに纏めるように設定されている。湾曲したリッジ間の規則的なピーク間の距離Dは復号レンズ32の所望の周波数によって決定されている。復号器30がアーティクル10を認証するために使用されるとき、復号レンズ32の周波数と潜像20の周波数の一致に近づく程、認証画像16はクリアになる。認証画像16はそれが歪んで見えても、復号レンズ32と潜像20の周波数が相互の単位インチ当り約10線内であるならば、依然として観察されることができる。復号レンズ32と潜像20の周波数の差が単位インチ当り約10線を超えるならば、認証画像16は復号器30を使用しても観察可能ではない。
【0025】
本発明の示された実施形態は平坦な表面と平坦な復号器を示しているが、印刷可能な表面が既知の湾曲を有し、復号器が観察可能な認証画像を発生するためにこの湾曲を考慮するように構成されることができることが当業者により理解されるであろう。
【0026】
種々の他の熱可塑性樹脂も使用されることができるが、例示的な復号レンズ32はアクリルまたはポリカーボネートレンズであってもよい。典型的に、復号レンズ32は復号器を通して観察される画像の読み取り能力を強化する高い屈折率を有する材料で構成されることができる。技術で知られているように、光速度は光が異なる媒体を通過するときに変化する。特定の媒体はその媒体を通過する光の速度によって割算された真空における光速度として規定される屈折率を有している。空気の屈折率に類似する屈折率を有する材料は、その材料を通して観察される画像の歪みを減少するために好ましい。
【0027】
復号レンズ32の厚さと、リッジ36の曲率半径とは使用される材料の光学特性の関数である。アクリルレンズでは、典型的なレンズの厚さは約90ミルであり、リッジ36の曲率半径は約30ミルである。
【0028】
復号器30を通して潜像20へ通過する光の透過は、復号器30により入射光が反射する結果として減少されることができる。後方反射と呼ばれるこの現象は、透過媒体を使用して印刷された潜像20を識別できる容易さの程度を顕著に減少する。これは潜像20のコントラストの増加を必要とし、その結果として再生能力の可能性を増加する。後方反射効果は復号器30がアーティクル10の外側の包装材料として使用されるようなクリアな包装材料(例えばセロファン)を通して潜像20を復号しようとするならば、さらに悪化される。多くの場合、反射されるが潜像20に透過されない光は総入射光の約4%から約16%の間である。潜像20に到達するために光が通過しなければならない材料の屈折率が高い程、透過される光は少なくなる。
【0029】
後方反射を減らし、潜像20の読取り能力を増加するために、復号器30の表面34、38の一方または両方が反射防止材料で被覆されることができる。このような材料の付加は復号器30の光透過を入射光の約90%乃至約99%の範囲まで改良することができる。
【0030】
適切な反射防止材料には例えば単一層のフッ化マグネシウム被覆、狭帯域または“V”多層被覆、或いは広帯域の多層被覆が含まれている。示された実施形態では、復号レンズ32は約2乃至4ミクロンの全体の厚さを生成する4以上の層を含む反射防止被覆を有することができる。被覆はレンズの表面全体、またはレンズ表面34、38の一方または双方の所望の部分に施されることができる。
【0031】
透過潜像20は従来技術よりも優れた幾つかの重要な利点を提供する。従来の方法を使用すると、符号化された画像は4色の印刷プロセスの4色の色素インク(シアン、マゼンダ、黄または黒)のうちの1つを使用して印刷されなければならない。これは本質的に潜像が一次画像の対応するカラー層と同時に印刷されることを必要とする。原色の使用はまた高濃度のカラーを含んでいない領域に符号化された画像を位置させるのを限定する。
【0032】
対照的に、本発明の潜像20は一次画像14または背景印刷時に与えられる必要はない。これは本発明の認証マークの適用および使用の有用性とフレキシブル性を非常に強化する。さらに、一次画像14の特定のカラーの濃化を避けるために、潜像の配置を調節することを必要としない。
【0033】
別の利点は、透過潜像20が一次画像14の予備処理または予備操作を必要としないことである。従来の方法では原色のインクまたはスポットカラーのカラー分離を操作するために一次画像のデジタル化および分解を必要とする。技術でよく知られているようにスポットカラーは画像の大部分の生成に使用される原色印刷を使用せずに、予め製造し、印刷されたページに与えられる特別に混合したインクである。スポットカラーで印刷される領域は原色インクで印刷されない。したがって、符号化された画像が原色を使用して印刷されるとき、符号化された画像はスポットカラーによって印刷された任意の領域の外に位置されなければならない。
【0034】
しかしながら、本発明の実施形態では、潜像20は透過印刷媒体を使用して別々に印刷される。それ故、潜像20の位置には限定はない。潜像20はスポットカラーを使用して印刷された任意の領域を含めた一次画像16の部分の上に存在できる。
【0035】
クリアワニスで潜像20を印刷するさらに別の利点は、画像20が低い解像度を使用して印刷されることである。典型的に単位インチ当りのドット数で測定される解像度は印刷される画像の品質に関する尺度である。プリンタはインクの多数のドットからなるスポットの可変サイズ及びパターンを使用して画像を印刷している。プリンタは典型的にハーフトーンスポットを含むセルに分解されるハーフトーングリッドを使用する。グリッド中のセルの近接度は単位インチ当りの線の数で測定される。解像度が低いとき、単位インチ当りのドットが少数であり、ハーフトーンスポットは印刷された画像でより明白である。潜像のドットが色素インクから形成されるとき、スキャナーは高解像度の画像よりも低解像度の画像を複製するほうが容易である。これは高解像度では、ドットの密度はスキャナーが連続する画像以外のものを識別できない密度であるためである。したがって、低解像度の印刷は色素インクを使用して印刷された潜像の効力を減少する。しかしながら、潜像がクリア印刷媒体を使用して印刷されるとき、スキャナーは潜像を基板から弁別できないので、高解像度と低解像度の差は無関係である。
【0036】
したがって、クリア印刷媒体の使用は、潜像20が(単位インチ当り約50乃至65線の周波数に対応する)低解像度から(単位インチ当り約150以上の周波数に対応する)高解像度までの種々の解像度で印刷されることを可能にする。低解像度印刷を使用する利点は、与えられる材料の密度が低いことにより典型的に高解像度プロセスよりも低いメンテナンスおよび低価格であり、さらに高レベルの反復能力を与えることである。反復能力は画像の同一のコピーを一定して生成するプリンタの能力を示すのに使用される用語である。
【0037】
低解像度における印刷能力はまた潜像20が印刷されることのできる基板を拡大する。例えば、新聞用紙のようなあるタイプの紙は紙がインクを吸収する方法と、インクが紙上で拡散する態様のために低解像度画像しか再生できない。結果として、新聞用紙は典型的に単位インチ当り85線の解像度で印刷される。スペクトルの他端では、雑誌で使用されるような高品質被覆紙はインクの拡散が少ないために単位インチ当り150以上の線の解像度を有することができる。
【0038】
低解像度の付加的な利点は、これがほとんどの任意の印刷装置を使用して実行されることができることである。ほとんどの印刷機は低から中間の解像度の画像を印刷できるが、高解像度の出力が可能であるものは少ない。
【0039】
本発明の幾つかの実施形態では透過印刷媒体中に添加物が含まれており、それによってその密度と外観を微調整する。これらの材料は潜像の走査を可能にするコントラストしきい値を超えずに、潜像の外観または読取り能力を強化する程度の少量で印刷媒体に付加されることができる。このような材料には、染料、反射材料、光沢材料が含まれてもよい。通常、光沢材料は直角以外の角度で観察するときのみ光を反射する。スキャナーは典型的に走査されるアイテムに垂直な光を投射するので、光沢材料は潜像20の検出及び再生を防止する能力に影響せずに、透過印刷媒体に付加されることができる。
【0040】
先の説明に基づいて、透過印刷媒体を使用してアーティクルに印刷された符号化された潜像20は復号器30と組合わされて、アーティクルを認証するシステムを提供することが理解されよう。このシステムでは、復号器30は符号化された潜像20を覆って配置するように構成され、その光学特性を通して、認証画像16が観察されることができるように潜像20を復号する。幾つかの実施形態では、潜像20は認証画像16のラスター化されたバージョンであり、潜像20は予め定められた線周波数と共に印刷されている。このような実施形態では、復号器は対応する周波数を有して構成されたレンチキュラーレンズ32を具備し、それによってレンチキュラーレンズ32が潜像20の上に置かれたとき、認証画像16が観察されることができる。そのレンズはレンズ周波数が単位インチ当り約±10線内で潜像20の線周波数に一致するように構成されることができる。
【0041】
図7は本発明の1実施形態にしたがった認証画像16をアーティクル10に提供する方法のフローチャートを示している。その方法はS100で開始する。S110で、認証画像16が選択され、または生成される。認証画像16はテキスト、オリジナルなアートワーク、または既存のロゴ或いは商標で構成することができる。認証画像16は写真、図、または印刷されたテキストまたは認証のマークを提供できるユーザが所望する任意の他の印から得られる。前述したように、認証画像16は単一の画像であってもよく、また壁紙スタイルのパターンであってもよい。
【0042】
S120で、認証画像16はデータ処理システムにより記憶および/または処理されるためにデジタル化される。すでに存在する認証画像16は走査等の任意の既知の方法でデジタル化されることができる。認証画像16もデジタル写真装置の使用またはコンピュータの使用等によってデジタルフォーマットで生成されることができることが理解されるであろう。
【0043】
S130で、デジタル化された認証画像16は符号化され、それによって符号化タスクに適合したデータ処理システム及びソフトウェアを使用して符号化された画像を生成する。これを実現するため、デジタル化された認証画像16は任意の種々の符号化または暗号化技術を受けることができる。前述したように、(‘717号特許明細書に記載された)1つのこのような技術は認証画像16のラスター化を含んでいる。ラスター化技術の使用に適合した方法の1実施形態では、符号化ソフトウェアは単位インチ当りユーザが特定した数の線の周波数を有する一連の等間隔の線を生成するために、デジタル化された認証画像16を分解する。典型的に印刷技術で使用される周波数を選択することが有効であるが、任意の周波数が使用されることができる。典型的な印刷周波数は単位インチ当り約50線から単位インチ当り約150線の範囲である。
【0044】
符号化された画像は印刷プレートまたはスクリーンの生成で使用するために別々の新しい画像ファイルとして保存されることができる。リソグラフのようなある印刷プロセスでは、これはポジまたはネガのフォーマットで、高解像度のイメージセッターを使用してフルサイズのフィルムを生成することを含んでいる。そのフィルムはその後、リソグラフ印刷機のプレートシリンダに取り付けられるフレキシブルな印刷プレートを生成するために使用されることができる。
【0045】
符号化された画像はS140でアーティクル10の印刷可能な表面12上に符号化された潜像20を印刷するために使用される。符号化された潜像20は透過印刷媒体を使用して印刷され、したがって潜像20のエレメントは直接的な観察または走査装置により識別されることができない。本発明の幾つかの実施形態では、透過印刷媒体は標準的な印刷技術を使用して与えられることができるクリアプリンタのワニスである。潜像20は所定の印刷プロセスでグラフィカルアートテクニカル財団により設定された印刷標準方式と整合する方法によりクリアプリンタのワニスで印刷されることができる。
【0046】
幾つかの例では、印刷可能な表面12は既にグレースケールまたはカラーで、インクを使用して背景または一次画像14を印刷されている。表面12における任意の初期印刷は任意の既知の方法により行われることができる。カラー印刷用では、初期印刷は任意の4色の印刷プロセスを含むことができる。適切な印刷方法は例えばリソグラフまたはオフセット、凹版、凸版、フレキソ、グラビアを含むことができる。インクジェットおよびレーザ印刷のようなデジタル印刷技術が使用されることもできる。
【0047】
幾らかまたは全ての印刷可能な表面12が背景または一次画像14を予め印刷されているならば、潜像20は背景または一次画像14上に印刷されることができる。潜像20の印刷は実際に初期印刷を含む印刷プロセス全体の最終ステップとして行われることができる。例えば潜像20は丁度第5番目の色が伝統的な4色の印刷プロセスに付加されるかのように印刷基板上にクリアプリンタのワニスの層を付加することにより印刷されることができる。その代わりに、潜像20は別個の印刷装置を使用して、背景または一次画像14から完全に分離して印刷されることができる。結果として、潜像20は初期印刷とは完全に異なる設備でまたは異なる製造業者によりアーティクル10上に付加されることができる。潜像20はアーティクル10の販売地点においても与えられることもできる。
【0048】
印刷可能な表面が既に印刷され、即ち1以上の一次画像を含んでいる場合、“線画”または分解画像、即ち緊密であるが不規則に間隔を隔てられている線および/または形状を有し、典型的にはコントラストをなす2以上の色を含んでいる画像を有する一次画像上に透過印刷媒体の潜像の少なくとも一部を与えることが特に効率的である。例えば、線画は統一商品コード(UPC)のようなバーコードであってもよい。
【0049】
潜像が透過印刷媒体に印刷されるとき、その潜像はそれが印刷されているグロスレベルにおいて顕著な減少を生じる。この減少は透過媒体の潜像が印刷されている製品が変更されたことを熟練した偽造者に警告する。どんなタイプの変更が行われたか、または潜像が存在することは明白でないが、変更により偽造者はさらに製品を調査する気になる。前述したように、線画の一次画像、特にバーコードのような線間隔において交互のコントラストと不規則な変化を有する画像上に潜像を印刷することは、潜像が透過印刷媒体に印刷されているグロスレベルにおける顕著な差を阻止するのに特に有用である。裸眼で線画を観察するとき、人の視覚は典型的にその画像の不規則性により僅かに歪む。さらに、線画の同一の交互のコントラストと変化された線間隔により、アーティクルが走査されるならば、潜像を知覚および/または複製するスキャナの能力も低下する。
【0050】
図8に示されているように、アーティクル10の印刷可能な表面12はUPCシンボルである一次画像14を含んでいる。UPCシンボルは可変の厚さの不規則に隔てられた一連の線を含んでいる線画である。図8に示されている実施形態では、潜像20は印刷可能な表面12上に与えられた透過印刷媒体に印刷されることが好ましく、それによって実質的に全ての潜像が一次画像14を含んでいる印刷可能な表面12の領域上に印刷される。したがって潜像20は存在するならば、部分的にのみ、UPCシンボルのエッジを越えて延在する。図8で明らかなように、潜像20が現われる領域は図1および2に示されているような一連の破線ではなくボックスで示されている。
【0051】
グロスレベルの任意の変更を偽装するために線画の一次画像上に潜像を印刷することに加えて、グロスレベル自体の変更が透過印刷媒体を提供するために使用されるハーフトーンスクリーンの使用によって直接制御されることができる。ハーフトーンスクリーンは透過印刷媒体の密度を漸進的に変化するために使用されることができる。この密度の変化は潜像からの距離が増加する程、漸進的に増加するグロスレベルを生じる。この方法で、潜像の印刷から生じるグロスレベルの任意の減少はより多くの領域にわたって広がり、アーティクルを観察する人が潜像の存在を警告される確率を減少する。グロスレベルの変化は線画上での印刷と組合わせて使用されるとき特に有効である。
【0052】
潜像20はしばしば早期の印刷物上に印刷されるが、印刷可能な表面12の印刷されていない部分に直接印刷されることもできる。潜像は例えば予め印刷されていない紙に直接印刷されることができる。前述したように、一次画像またはその他の印刷物は潜像の後に与えられ、潜像の少なくとも一部は一次画像の印刷されていない領域を通して見られる。
【0053】
図7を再度参照すると、アーティクル10が潜像20と共に印刷されると、アーティクルは配布、さらに包装または付加的な印刷のために転送されることができる。方法はS150で終了する。
【0054】
本発明はまた本物のアーティクルが透過印刷媒体を使用して符号化された潜像20と共に印刷され、本物ではないアーティクルが印刷されていない場合の疑わしいアーティクルの真実性を証明する方法を提供する。潜像20は本物のアーティクルの提供業者により選択された予め定められた認証画像16に対応する。この方法はアーティクルが本物であるならば、符号化された潜像20が存在する筈の疑わしいアーティクルのターゲット位置に置かれるように構成された復号器30を得ることを含んでいる。復号器はさらに潜像20を復号できる光学特性を有して構成され、それによって認証画像16はそれが存在するならば観察されることができる。この方法はさらに、復号器30を疑わしいアーティクル上のターゲット位置におき、復号器を通してターゲット位置を観察するステップを含んでいる。その後、認証画像16が見られるか否かの決定が行われる。認証画像16が存在するという決定に応答して、検査されたアーティクルは本物として識別される。認証画像16が存在しないという決定に応答して、疑わしいアーティクルは本物ではないとして識別される。
【0055】
潜像20が予め定められた線周波数を有して印刷されている認証画像16のラスター化されたバージョンである場合、疑わしいアーティクルの確実性を証明する方法では、復号器30は単位インチ当り約±10線内で潜像20の線周波数に一致するレンズ周波数を有するレンチキュラーレンズ32を具備することができる。
【0056】
本発明の方法の使用には多数の例が存在し、本発明による確実性を証明する方法はいつでも実行されることができる。例えば、税関員は米国への入国または出国のときに符号化された潜像を含むパスポートを証明することができ、法人の調査員は分配業者の倉庫に収納されているブランド商品の確実性を証明できる。
【0057】
以上、本発明の例示的な実施形態を示し説明したが、本発明はここで説明した構造に限定されないことが理解されるであろう。本発明はその技術的範囲または根本的な属性から逸脱せずに他の特別形態で実施されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の1実施形態による認証可能なアーティクルの斜視図。
【図2】図1に示されている認証可能なアーティクルの平面図。
【図3】本発明の実施形態で使用されることのできる例示的な認証画像の図。
【図4】本発明の1実施形態による認証可能なアーティクル及び復号器の平面図。
【図5】図4に示されている復号器の一部の平面図。
【図6】図5に示されている復号器の一部分の側面図。
【図7】本発明の1実施形態による認証画像を提供する方法のフロー図。
【図8】印刷された表面に与えられた認証アーティクルの平面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷可能な表面と、
透過印刷媒体の印刷可能な表面の第1の部分に形成された潜像とを有し、
前記潜像は認証画像の符号化されたバージョンであり、光学復号器により光学的に復号されるように構成され、それによって認証画像は光学復号器が潜像上に位置されるとき光学復号器を通して観察できるように構成されている認証可能なアーティクル。
【請求項2】
透過印刷媒体は潜像画像が印刷されている印刷可能な表面の第1の部分と、印刷可能な表面の隣接領域との間で最大の反射率差を与えるように選択され、最大の反射率差は隣接領域の反射率の5%以下である請求項1記載の認証可能なアーティクル。
【請求項3】
透過印刷媒体は潜像画像が印刷されている印刷可能な表面の第1の部分と、印刷可能な表面の隣接領域との間で最大の反射率差を与えるように選択され、最大の反射率差は隣接領域の反射率の約0.5%乃至約1.5%の範囲である請求項1記載の認証可能なアーティクル。
【請求項4】
透過印刷媒体はクリアなプリンタワニスを含んでいる請求項1記載の認証可能なアーティクル。
【請求項5】
透過印刷媒体は1以上の染料および光沢材料を含んでいる請求項1記載の認証可能なアーティクル。
【請求項6】
潜像は約50線/インチ乃至約150線/インチの範囲の線周波数で印刷された複数の平行線を含んでいる請求項1記載の認証可能なアーティクル。
【請求項7】
潜像は約50線/インチ乃至約65線/インチの範囲の線周波数で印刷された複数の平行線を含んでいる請求項1記載の認証可能なアーティクル。
【請求項8】
線周波数は約±10線/インチ内で復号器のレンズ周波数に一致するように選択されている請求項1記載の認証可能なアーティクル。
【請求項9】
さらに、印刷可能な表面の第2の部分上に形成される可視の一次画像を含んでいる請求項1記載の認証可能なアーティクル。
【請求項10】
潜像の少なくとも一部は一次画像の少なくとも一部の上に形成される請求項9記載の認証可能なアーティクル。
【請求項11】
潜像の少なくとも一部と、一次画像の少なくとも一部との最大の反射率差は一次画像の少なくとも一部の反射率の5%以下である請求項10記載の認証可能なアーティクル。
【請求項12】
潜像の少なくとも一部と、一次画像の少なくとも一部との最大の反射率差は一次画像の少なくとも一部の反射率の約0.5%乃至約1.5%の範囲である請求項10記載の認証可能なアーティクル。
【請求項13】
一次画像は線画を含んでいる請求項9記載の認証可能なアーティクル。
【請求項14】
線画はバーコードである請求項9記載の認証可能なアーティクル。
【請求項15】
アーティクルの印刷可能な表面上の透過印刷媒体に形成され、光学的に復号可能なコード化方式を使用して認証画像の符号化されたバージョンとして構成されている潜像と、
前記潜像の少なくとも一部上に位置されるように構成されたレンズを具備する光学復号器とを具備し、
前記レンズはそれが潜像の上に位置されるとき、潜像を復号する光学的に復号可能なコード化方式に対応する光学的な復号特性を有し、それによって認証画像がレンズを通して観察されることを可能にするように構成されているアーティクルを認証するシステム。
【請求項16】
透過印刷媒体は潜像画像が印刷されている印刷可能な表面の第1の部分と、印刷可能な表面の隣接領域との間で最大の反射率差を与えるように選択され、最大の反射率差は隣接領域の反射率の5%以下である請求項15記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項17】
透過印刷媒体は潜像画像が印刷されている印刷可能な表面の第1の部分と、印刷可能な表面の隣接領域との間で最大の反射率差を与えるように選択され、最大の反射率差は隣接領域の反射率の約0.5%乃至約1.5%の範囲である請求項15記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項18】
透過印刷媒体はクリアなプリンタワニスを含んでいる請求項15記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項19】
透過印刷媒体はクリアなプリンタワニスと、1以上の染料および光沢材料とを含んでいる請求項15記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項20】
潜像は約50線/インチ乃至約150線/インチの範囲の線周波数で印刷された複数の平行線を含んでいる請求項15記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項21】
潜像は約50線/インチ乃至約65線/インチの範囲の線周波数で印刷された複数の平行線を含んでいる請求項15記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項22】
レンズは上部の観察者に面する表面と下部の画像に面する表面とを有する実質的に平坦な部材として形成されているレンチキュラーレンズであり、観察者に面する表面は複数の隣接する平行なリッジを有し、リッジは予め定められた湾曲を有する湾曲した最上部表面を含む共通の幾何学的形状を有し、平行なリッジの数及び幾何学的形状はレンズ周波数を設定している請求項21記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項23】
線周波数とレンズ周波数は約10線/インチよりも少ない量だけ異なっている請求項22記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項24】
レンズは上部の観察者に面する表面と下部の画像に面する表面の少なくとも1つに反射防止被覆を有している請求項21記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項25】
反射防止被覆はフッ化マグネシウム被覆を含んでいる請求項24記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項26】
反射防止被覆は狭帯域の被覆および広帯域の被覆の少なくとも一方を含んでいる請求項24記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項27】
反射防止被覆は複数の層から形成されている請求項24記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項28】
反射防止被覆は全体の厚さが約2.0ミクロン乃至約4.0ミクロンの範囲である請求項24記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項29】
アーティクルの印刷可能な表面上の透過印刷媒体に形成され、光学的に復号可能なコード化方式を使用して認証画像の符号化されたバージョンとして構成されている潜像と、
認証画像が観察されることができるように潜像を復号する光学復号手段とを具備しているアーティクルを認証するシステム。
【請求項30】
透過印刷媒体は潜像画像が印刷されている印刷可能な表面の第1の部分と、印刷可能な表面の隣接領域との間で最大の反射率差を与えるように選択され、最大の反射率差は隣接領域の反射率の5%以下である請求項29記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項31】
透過印刷媒体は潜像画像が印刷されている印刷可能な表面の第1の部分と、印刷可能な表面の隣接領域との間で最大の反射率差を与えるように選択され、最大の反射率差は隣接領域の反射率の約0.5%乃至約1.5%の範囲である請求項29記載の認証するシステム。
【請求項32】
透過印刷媒体はクリアなプリンタワニスを含んでいる請求項29記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項33】
透過印刷媒体はクリアなプリンタワニスと、1以上の染料および光沢材料とを含んでいる請求項29記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項34】
潜像は約50線/インチ乃至約150線/インチの範囲の線周波数で印刷された複数の平行線を含んでいる請求項29記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項35】
潜像は約50線/インチ乃至約65線/インチの範囲の線周波数で印刷された複数の平行線を含んでいる請求項29記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項36】
光復号手段は上部の観察者に面する表面と下部の画像に面する表面とを有する実質的に平坦な部材として形成されたレンチキュラーレンズを含んでおり、観察者に面する表面は複数の隣接する平行なリッジを有し、リッジは予め定められた湾曲を有する湾曲した最上部表面を含む共通の幾何学的形状を有し、平行なリッジの数及び幾何学的形状はレンズ周波数を設定している請求項29記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項37】
線周波数とレンズ周波数は約10線/インチよりも少ない量だけ異なっている請求項36記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項38】
レンチキュラーレンズは上部の観察者に面する表面と下部の画像に面する表面の少なくとも1つに反射防止被覆を有している請求項36記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項39】
反射防止被覆はフッ化マグネシウム被覆を含んでいる請求項38記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項40】
反射防止被覆は狭帯域の被覆および広帯域の被覆の少なくとも一方を含んでいる請求項38記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項41】
反射防止被覆は複数の層から形成される請求項38記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項42】
反射防止被覆は全体の厚さが約2.0ミクロン乃至約4.0ミクロンの範囲である請求項38記載のアーティクルを認証するシステム。
【請求項43】
認証画像のデジタル化されたバージョンを獲得し、
符号化された潜像を生成するために前記認証画像のデジタル化されたバージョンを符号化し、
透過印刷媒体を使用してアーティクルの印刷可能な表面の第1の部分上に符号化された潜像を印刷するステップを含んでいる認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項44】
透過印刷媒体は潜像画像が印刷されている印刷可能な表面の第1の部分と、印刷可能な表面の隣接領域との間で最大の反射率差を与えるように選択され、最大の反射率差は隣接領域の反射率の5%以下である請求項43記載の認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項45】
透過印刷媒体は潜像画像が印刷されている印刷可能な表面の第1の部分と、印刷可能な表面の隣接領域との間で最大の反射率差を与えるように選択され、最大の反射率差は隣接領域の反射率の約0.5%乃至約1.5%の範囲である請求項43記載の認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項46】
透過印刷媒体はクリアなプリンタワニスを含んでいる請求項43記載の認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項47】
透過印刷媒体はクリアなプリンタワニスと、1以上の染料および光沢材料とを含んでいる請求項43記載の認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項48】
潜像は約50線/インチ乃至約150線/インチの範囲の線周波数で印刷された複数の平行線を含んでいる請求項43記載の認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項49】
潜像は約50線/インチ乃至約65線/インチの範囲の線周波数で印刷された複数の平行線を含んでいる請求項43記載の認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項50】
アーティクルは印刷可能な表面上に配置される可視の一次画像を含んでおり、符号化された潜像の印刷は符号化された潜像の少なくとも一部を一次画像の少なくとも一部の上に印刷する請求項43記載の認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項51】
一次画像は線画を含んでいる請求項50記載の認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項52】
線画はバーコードである請求項51記載の認証画像をアーティクルに与える方法。
【請求項53】
複数のハーフトーンスクリーンを使用して、透過印刷媒体がアーティクルの印刷可能な表面の第1の部分に与えられ、透過印刷媒体は印刷可能な表面上に可変密度で与えられる請求項50記載の方法。
【請求項54】
与えられた透過印刷媒体の変化された密度により、印刷可能な表面の第1の部分に印刷された潜像からの距離が増加するにしたがって、アーティクルの光沢レベルが漸進的に増加する請求項53記載の方法。
【請求項55】
符号化された潜像画像の少なくとも一部と、一次画像の少なくとも一部との最大の反射率差は一次画像の少なくとも一部の反射率の5%以下である請求項50記載のアーティクルに認証画像を与える方法。
【請求項56】
符号化された潜像画像の少なくとも一部と、一次画像の少なくとも一部との最大の反射率差は一次画像の少なくとも一部の反射率の約0.5%乃至約1.5%の範囲である請求項50記載のアーティクルに認証画像を与える方法。
【請求項57】
符号化された潜像の印刷はリソグラフ印刷装置を使用して行われる請求項43記載のアーティクルに認証画像を与える方法。
【請求項58】
認証画像のデジタル化されたバージョンの獲得は、
認証画像を選択し、
認証画像をデジタル化する動作を含んでいる請求項43記載のアーティクルに認証画像を与える方法。
【請求項59】
認証画像のデジタル化されたバージョンの符号化は認証画像のデジタル化されたバージョンを予め定められた周波数を有する等間隔の平行線に分解する動作を含んでいる請求項43記載のアーティクルに認証画像を与える方法。
【請求項60】
予め定められた周波数は単位インチ当り約50線乃至単位インチ当り約150線の範囲である請求項59記載のアーティクルに認証画像を与える方法。
【請求項61】
認証画像のデジタル化されたバージョンの符号化は、符号化された潜像がアーティクル上に印刷されるとき符号化された潜像を光学的に復号する暗号化方法にしたがって、認証画像のデジタル化されたバージョンを符号化するようにプログラムされているデジタル処理システムにより行われる請求項43記載のアーティクルに認証画像を与える方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−505762(P2007−505762A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−526128(P2006−526128)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/027726
【国際公開番号】WO2005/027401
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【出願人】(506074439)グラフィック・セキュリティー・システムズ・コーポレイション (3)
【Fターム(参考)】