説明

イオンチャネルのモジュレーターとして有用なピリジン

本発明は、電圧ゲート性ナトリウムチャネルの阻害剤として有用な式IA〜IDの化合物に関する。本発明は又、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物、並びに種々の障害の処置における該組成物の使用方法も提供する。これらの障害としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:例えば、急性、慢性、神経障害性又は炎症性疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、癲癇又は癲癇状態、神経変性障害、精神障害(例えば、不安及びうつ病)、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、脊髄根痛、坐骨神経痛、背部痛、頭頚部痛、重度又は難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突破性疼痛、術後疼痛又は癌性疼痛。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の技術分野)
本発明は、イオンチャネルの阻害剤として有用な化合物に関する。本発明は又、本発明の化合物を含む薬学的に許容される組成物、並びに種々の障害の処置における該組成物の使用方法も提供する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
Naチャネルは、ニューロン及び筋細胞のような全ての興奮性細胞における活動電位の生成の中核をなしている。これらのチャネルは、脳、胃腸管の平滑筋、骨格筋、末梢神経系、脊髄及び気道のような興奮性組織において重要な役割を果たしている。そのため、種々の疾患状態、例えば癲癇(Moulard, B. and D. Bertrand (2002) “Epilepsy and sodium channel blockers” Expert Opin. Ther. Patents 12(1):85−91)を参照)、疼痛(Waxman, S.G., S. Dib−Hajj, et al., (1999) “Sodium channels and pain” Proc Natl Acad Sci USA 96(14):7635−9 and Waxman, S.G., T.R. Cummins, et al., (2000) “Voltage−gated sodium channels and the molecular pathogenesis of pain:a review” J Rehabil Res Dev 37(5):517−28を参照)、ミオトニー(Meola, G. and V. Sansone(2000) “Therapy in myotonic disorders and in muscle channelopathies” Neurol Sci 21(5):S953−61 and Mankodi, A. and C.A. Thornton (2002) “Myotonic syndromes” Curr Opin Neurol 15(5):545−52を参照)、運動失調(Meisler, M.H., J.A. Kearney, et al., (2002) “Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy” Novartis Found Symp 241:72−81を参照)、多発性硬化症(Black, J.A., S. Dib−Hajj, et al., (2000) “Sensory neuron−specific sodium channel SNS is abnormally expressed in the brains of mice with experimental allergic encephalomyelitis and humans with multiple sclerosis” Proc Natl Acad Sci USA 97(21):11598−602, and Renganathan, M., M. Gelderblom, et al., (2003) “Expression of Na(v)1.8 sodium channels perturbs the firing patterns of cerebellar purkinje cells” Brain Res 959(2):235−42を参照)、過敏性腸(Su, X., R.E. Wachtel, et al., (1999) “Capsaicin sensitivity and voltage−gated sodium currents in colon sensory neurons from rat dorsal root ganglia” Am J Physiol 277 (6 Pt 1):G1180−8, and Laird, J.M., V. Souslova, et al., (2002) “Deficits in visceral pain and referred hyperalgesia in Nav1.8 (SNS/PN3)−null mice” J Neurosci 22(19):8352−6)、尿失禁及び内臓痛(Yoshimura, N., S. Seki, et al., (2001) “The involvement of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.8 (PN3/SNS) in a rat model of visceral pain” J Neurosci 21(21):8690−6を参照)、並びに不安及びうつ病のような種々の精神機能不全(Hurley, S.C. (2002) “Lamotrigine update and its use in mood disorders” Ann Pharmacother 36(5):860−73を参照)において重要な役割を果たしている。
【0003】
電圧ゲート性ナトリウムチャネルは、9種の異なるサブタイプ(NaV1.1〜NaV1.9)からなる遺伝子ファミリーを含む。表1に示す通り、これらのサブタイプは、組織特異的局在性と機能的相違を示す(非特許文献1を参照)。遺伝子ファミリーの3種のメンバー(NaV1.8、1.9, 1.5)は、周知のNaチャネルブロッカーであるTTXによる阻害に対して耐性を備えており、この遺伝子ファミリー内のサブタイプ特異性を示している。突然変異分析では、TTXの結合に重要な残基としてグルタメート387gが特定されている(非特許文献2を参照)。
【0004】
表1(略語:CNS=中枢神経系、PNS=末梢神経系、DRG=脊髄神経節、TG=三叉神経節):
【0005】
【表1】

一般的に、電圧ゲート性ナトリウムチャネル(NaV)は、正常及び異常な疼痛知覚を含み、コードする電気シグナルを伝達する、神経系の興奮性組織における活動電位の急速な上昇を開始させる作用を有する。NaVチャネルの拮抗剤は、これらの疼痛シグナルを減衰させ、種々の疼痛状態(例えば、急性、慢性、炎症性及び神経障害性の疼痛が含まれるがこれらに限定されない)を処置するのに有用である。既知のNaV拮抗剤、例えば、TTX、リドカイン(Mao, J. and L.L. Chen (2000) “Systemic lidocaine for neuropathic pain relief” Pain 87(1):7−17を参照)、ブピバカイン、フェニトイン(Jensen, T.S. (2002) “Anticonvulsants in neuropathic pain:rationale and clinical evidence” Eur J Pain 6(Suppl A):61−8を参照)、ラモトリジン(Rozen, T.D. (2001) “Antiepileptic drugs in the management of cluster headache and trigeminal neuralgia” Headache 41 Suppl 1:S25−32;及びJensen, T.S. (2002) “Anticonvulsants in neuropathic pain:rationale and clinical evidence” Eur J Pain 6 (Suppl A):61−8を参照)、及びカルバマゼピン(Backonja, M.M. (2002) “Use of anticonvulsants for treatment of neuropathic pain” Neurology 59 (5 Suppl 2):S14−7を参照)は、ヒト及び動物モデルにおける疼痛の減衰に有用であることが明らかにされている。
【0006】
組織の損傷又は炎症の存在下で発症する痛覚過敏(痛みを伴うものに対する極度過敏)は、損傷部位を神経支配している高閾値の一次求心性ニューロンの興奮性の増大を少なくとも部分的に反映している。電圧感受性ナトリウムチャネルの活性化は、ニューロン活動電位の生成と伝播に重要である。NaV電流の変調がニューロン興奮性の制御に使用される内因性の機序であることを示す証拠が益々多く示されている(非特許文献1を参照)。脊髄神経節(DRG)ニューロンでは、動態力学的及び薬理学的に異なる電圧ゲート性ナトリウムチャネルが幾つか発見されている。TXX耐性電流は、テトロドトキシンのμmol濃度に対して感受性がなく、その他の電圧ゲート性ナトリウムチャネルに比べて、緩徐な活性化及び不活性化の動態、並びにより脱分極した活性化の閾値を示す。TTX耐性ナトリウム電流は本質的に、侵害受容に関与する可能性がある感覚ニューロンのサブ集団に限定されている。特に、TTX耐性ナトリウム電流は、小細胞体直径を有し、小径の緩徐伝導軸索をもたらし、カプサイシンに応答するニューロンにほぼ限定して発現する。TXX耐性ナトリウムチャネルがC線維上で発現され、脊髄への侵害受容情報の伝達に重要であることは、多くの実験証拠で明らかにされている。
【0007】
TTX耐性ナトリウムチャネルの固有の領域(NaV1.8)をターゲティングするアンチセンスオリゴヌクレオチドの髄腔内投与により、PGE誘導痛覚過敏の有意な低減がもたらされている(Khasar, S.G., M.S. Gold, et al., (1998) “A tetrodotoxin−resistant sodium current mediates inflammatory pain in the rat” Neurosci Lett 256(1):17−20を参照)。より最近では、機能的NaV1.8を欠失するノックアウトマウス系統をWood等が作成している。突然変異は、炎症性物質であるカラギーナンに対する動物の応答を評価する試験で、鎮痛作用を有している(Akopian, A.N., V. Souslova, et al., (1999) “The tetrodotoxin−resistant sodium channel SNS has a specialized function in pain pathways” Nat Neurosci 2(6):541−8を参照)。更に、これらの動物では、機械的受容及び温度受容の両方の欠損が認められている。Nav1.8ノックアウト突然変異体により示される鎮痛作用は、侵害受容におけるTTX耐性電流の役割に関する所見と一致している。
【0008】
免疫組織化学的in situハイブリダイゼーション及びin vitro電気生理学的実験では何れにおいても、ナトリウムチャネルNaV1.8が脊髄神経節及び三叉神経節の小型感覚ニューロンに選択的に局在化することが示されている(Akopian, A.N., L. Sivilotti, et al., (1996) “A tetrodotoxin−resistant voltage−gated sodium channel expressed by sensory neurons” Nature 379(6562):257−62を参照)。これらのニューロンの主な役割は、侵害受容刺激の検出及び伝達である。アンチセンス及び免疫組織化学的証拠も又、神経障害性疼痛におけるNaV1.8の役割を裏付けている(Lai, J., M.S. Gold, et al., (2002) “Inhibition of neuropathic pain by decreased expression of the tetrodotoxin−resistant sodium channel, NaV1.8” Pain 95(1−2):143−52;及びLai, J., J.C. Hunter, et al., (2000) “Blockade of neuropathic pain by antisense targeting of tetrodotoxin−resistant sodium channels in sensory neurons” Methods Enzymol 314:201−13を参照)。NaV1.8タンパク質は、神経損傷に隣接する未損傷C線維に渡って上方調節される。アンチセンス処置は、神経にわたるNaV1.8の再分布を防止し、神経障害性疼痛を逆転させる。総括すると、遺伝子ノックアウト及びアンチセンスデータでは、炎症性及び神経障害性疼痛の検出及び伝達におけるNaV1.8の役割を裏付けている。
【0009】
神経障害性疼痛状態においては、Naチャネルの分布及びサブタイプのリモデリングが起こる。損傷神経においては、NaV1.8及びNaV1.9の発現が大きく低減されるのに対し、TTX感受性サブユニットNaV1.3の発現は5〜10倍上方調節される(Dib−Hajj, S.D., J. Fjell, et al., (1999) “Plasticity of sodium channel expression in DRG neurons in the chronic constriction injury model of neuropathic pain.” Pain 83(3):591−600を参照)。NaV1.3の増加の時間的過程は、神経損傷後の動物モデルにおける異痛の出現と平行している。NaV1.3チャネルの生物物理学は、活動電位に続く不活性化後の極めて迅速な再プライミングを示すという点で区別される。これにより、損傷神経で多く見られる通り、高発火頻度の持続が可能となる(Cummins, T.R., F. Aglieco, et al., (2001) “Nav1.3 sodium channels:rapid repriming and slow closed−state inactivation display quantitative differences after expression in a mammalian cell line and in spinal sensory neurons” J Neurosci 21(16):5952−61を参照)。NaV1.3は、ヒトの中枢及び末梢系に発現される。NaV1.9は、脊髄神経節及び三叉神経節の小型感覚ニューロンに選択的に局在化することから、NaV1.8と類似する(Fang, X., L. Djouhri, et al., (2002) “The presence and role of the tetrodotoxin−resistant sodium channel Na(v)1.9 (NaN) in nociceptive primary afferent neurons.” J Neurosci 22(17):7425−33を参照)。これは不活性化の緩徐な速度及び活性化の左へシフトした電圧依存性を有している(Dib−Hajj, S., J.A. Black, et al., (2002) “NaN/Nav1.9:a sodium channel with unique properties” Trends Neurosci 25(5):253−9を参照)。これらの2つの生物物理学的特徴により、NaV1.9は、侵害受容ニューロンの静止膜電位の確立において役割を果たしている。NaV1.9発現細胞の静止膜電位は−55〜−50mVの範囲であるのに対して、その他の大部分の末梢及び中枢ニューロンは−65mVである。この持続的な脱分極は、NaV1.9チャネルの持続的な低レベルの活性化に大部分が起因している。この脱分極により、ニューロンは、侵害受容刺激に応答して活動電位の発火のための閾値により容易に到達できる。NaV1.9チャネルを阻害する化合物は、疼痛刺激を検出する設定値の確立において重要な役割を果たしている。慢性的な疼痛状態においては、神経及び神経末端が腫大して過敏状態となり、刺激が軽度又は皆無であっても高頻度の活動電位発火を示す。これらの病理学的神経腫大は神経腫と呼ばれており、それらに発現される一次Naチャネルは、NaV1.8及びNaV1.7である(Kretschmer, T., L.T. Happel, et al., (2002) “Accumulation of PN1 and PN3 sodium channels in painful human neuroma−evidence from immunocytochemistry” Acta Neurochir (Wien) 144(8):803−10;discussion 810を参照)。NaV1.6及びNaV1.7も又、脊髄神経節ニューロンに発現され、これらの細胞に見られる小型のTTX感受性成分に寄与している。従って、NaV1.7は特に、神経内分泌興奮性における役割に加えて、潜在的な疼痛標的となる場合がある(Klugbauer, N., L. Lacinova, et al., (1995) “Structure and functional expression of a new member of the tetrodotoxin−sensitive voltage−activated sodium channel family from human neuroendocrine cells” Embo J 14(6):1084−90を参照)。
【0010】
NaV1.1(Sugawara, T., E. Mazaki−Miyazaki, et al., (2001) “Nav1.1 mutations cause febrile seizures associated with afebrile partial seizures.” Neurology 57(4):703−5を参照)及びNaV1.2(Sugawara, T., Y. Tsurubuchi, et al., (2001) “A missense mutation of the Na+ channel alpha II subunit gene Na(v)1.2 in a patient with febrile and afebrile seizures causes channel dysfunction” Proc Natl Acad Sci USA 98(11):6384−9を参照)は、熱性痙攣を含む癲癇状態と関係付けられている。熱性痙攣に関連するNaV1.1における遺伝子突然変異は、9種類以上存在する(Meisler, M.H., J.A. Kearney, et al., (2002) “Mutations of voltage−gated sodium channels in movement disorders and epilepsy” Novartis Found Symp 241:72−81を参照)。
【0011】
NaV1.5に対する拮抗剤は、既に開発され、心不整脈の処置に使用されている。電流に対してより大きい非不活性化成分を生成するNaV1.5の遺伝子欠損は、ヒトのQT延長に関係付けられており、経口使用可能な局所麻酔剤メキシリチンがこの状態の処置に使用されている(Wang, D.W., K. Yazawa, et al., (1997) “Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels.” J Clin Invest 99(7):1714−20を参照)。
【0012】
現在、医療現場では、幾つかのNaチャネルブロッカーが、癲癇(Moulard, B. and D. Bertrand (2002) “Epilepsy and sodium channel blockers” Expert Opin. Ther. Patents 12(1):85−91.を参照);急性疼痛(Wiffen, P., S. Collins, et al., (2000) “Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain” Cochrane Database Syst Rev 3を参照)、慢性疼痛(Wiffen, P., S. Collins, et al., (2000) “Anticonvulsant drugs for acute and chronic pain” Cochrane Database Syst Rev 3;及びGuay, D.R. (2001) “Adjunctive agents in the management of chronic pain” Pharmacotherapy 21(9):1070−81を参照)、炎症性疼痛(Gold, M.S. (1999) “Tetrodotoxin−resistant Na+ currents and inflammatory hyperalgesia.” Proc Natl Acad Sci USA 96(14):7645−9を参照)、及び神経障害性疼痛(Strichartz, G.R., Z. Zhou, et al., (2002) “Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain” Novartis Found Symp 241:189−201;及びSandner−Kiesling, A., G. Rumpold Seitlinger, et al., (2002) “Lamotrigine monotherapy for control of neuralgia after nerve section” Acta Anaesthesiol Scand 46(10):1261−4を参照);心不整脈(An, R.H., R. Bangalore, et al., (1996) “Lidocaine block of LQT−3 mutant human Na+ channels” Circ Res 79(1):103−8;及びWang, D.W., K. Yazawa, et al., (1997) “Pharmacological targeting of long QT mutant sodium channels” J Clin Invest 99(7):1714−20を参照)の処置に;並びに脳保護(Taylor, C.P. and L.S. Narasimhan (1997) “Sodium channels and therapy of central nervous system diseases” Adv Pharmacol 39:47−98を参照)及び麻酔(Strichartz, G.R., Z. Zhou, et al., (2002) “Therapeutic concentrations of local anaesthetics unveil the potential role of sodium channels in neuropathic pain.” Novartis Found Symp 241:189−201を参照)処置として、使用されるか、又は試験中である。
【0013】
臨床的に有意な種々の動物が、以下に挙げる数多くの種類の疼痛の適応症に対するナトリウムチャネルモジュレーターの研究のために開発されている:例えば、悪性慢性疼痛(Kohase, H., et al., Acta Anaesthesiol Scand. 2004; 48(3):382−3を参照);大腿癌疼痛(Kohase, H., et al., Acta Anaesthesiol Scand. 2004, 48(3):382−3を参照);非悪性慢性骨疼痛(Ciocon, J.O., et al., J Am Geriatr Soc. 1994;42(6):593−6を参照);慢性関節リューマチ(Calvino, B., et al., Behav Brain Res. 1987:24(1):11−29を参照);骨関節炎(Guzman, R.E., et al., Toxicol Pathol. 2003;31(6):619−24を参照);脊髄狭窄(Takenobu, Y., et al., J Neurosci Methods. 2001;104(2):191−8を参照);神経障害性下部背部痛(Hines, R., et al., Pain Med. 2002;3(4);361−5;Massie, J.B., et al., J Neurosci Methods. 2004;137(2):283−9を参照);神経障害性下部背部痛(Hines, R., et al., Pain Med. 2002;3(4):361−5;Massie, J.B., et al., J Neurosci Methods. 2004;137(2):283−9を参照);顔面筋疼痛症候群(Dalpiaz & Dodds, J Pain Palliat Care Pharmacother. 2002;16(1):99−104;Sluka KA et al., Muscle Nerve. 2001;24(1):37−46を参照);線維筋肉痛(Bennet & Tai, Int J Clin Pharmacol Res. 1995;15(3):115−9を参照);側頭下顎関節疼痛(Ime H, Ren K, Brain Res Mol Brain Res. 1999;67(1):87−97を参照);慢性内蔵痛、例えば腹痛(Al−Chaer, E.D., et al., Gastroenterology. 2000;119(5):1276−85を参照);骨盤/会陰疼痛(Wasselmann, et al., Neurosci Lett. 1998;246(2):73−6を参照);膵臓(Vera−Portocarrero, L.B., et al., Anesthesiology. 2003;98(2):474−84を参照);IBS疼痛(Verne, G.N., et al., Pain. 2003;105(1−2):223−30;La JH, et al., World Gastroenterol. 2003;9(12):2791−5を参照);慢性頭痛(Willimas & Stark, Cephalalgia. 2003;23(10):963−71を参照);偏頭痛(Yamamura, H., et al., J Neurophysiol. 1999;81(2):479−93を参照);緊張性頭痛、例えば群発性頭痛(Costa, A., et al., Cephalalgia. 2000;20(2):85−91を参照);慢性神経障害性疼痛、例えばヘルペス後神経痛(Attal, N., et al., Neurology. 2004;62(2):218−25;Kim & Chung 1992, Pain 50:355を参照);糖尿病性神経障害(Beidoun A, et al., Clin J Pain. 2004;20(3):174−8;Courteix, C., et al., Pain. 1993;53(1):81−8を参照);HIV関連神経障害(Portegies & Rosenberg, Ned Tijdschr Geneeskd. 2001;145(15):731−5;Joseph EK, et al., Pain. 2004;107(1−2):147−58;Oh, S.B., et al., J Neurosci. 2001;21(14):5027−35を参照);三叉神経痛(Sato, J., et al., Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod. 2004;97(1):18−22;Imamura Y, et al., Exp Brain Res. 1997;116(1):97−103を参照);シャルコー−マリエ歯部神経障害(Sereda, M., et al., Neuron. 1996;16(5):1049−60を参照);遺伝性感覚神経障害(Lee, M.J., et al., Hum Mol Genet. 2003;12(15):1917−25を参照);末梢神経損傷(Attal, N., et al., Neurology. 2004;62(2):218−25;Kim & Chung 1992, Pain 50:355;Bennett & Xie, 1998, Pain 33:87;Decostered, I. & Woolf, C.J., 2000, Pain 87:149;Shir, Y. Seltzer, Z. 1990;Neurosci Lett 115:62を参照);疼痛性神経腫(Nahabedian & Johnson, Ann Plast Surg. 2001;46(1):15−22;Devor & Raber, Behav Neural Biol. 1983;37(2):276−83を参照);異所性近位遠位放電(Liu, X., et al., Brain Res. 2001;900(1):119−27を参照);神経根障害(Devers & Galer, Clin J. Pain. 2000;16(3):205−8;Hayashi N, et al., Spine. 1998;23(8):877−85を参照);化学療法誘導神経障害性疼痛(Aley, K.O., et al., Neuroscience. 1996;73(1):259−65を参照);放射線療法誘導神経障害性疼痛;乳房切除後疼痛(Devers & Galer, Clin J. Pain. 2000;16(3):205−8を参照);中枢痛(Cahana, A., et al., Anesth Analg. 2004;98(6):1581−4を参照);脊髄損傷疼痛(Hains, B.C., et al., Exp Neurol. 2000;164(2):426−37を参照);卒中後疼痛;視床性疼痛(LaBuda, C.J., et al., Neurosci Lett. 2000;290(1):79−83を参照);複合的局所疼痛症候群(Wallace, M.S., et al., Anesthesiology. 2000;92(1):75−83;Xantos D, et al., J Pain. 2004;5(3 Suppl 2):S1を参照);幻想痛(Weber, W.E., Ned Tijdschr Geneeskd. 2001;145(17):813−7;Levitt & Heyback, Pain. 1981;10(1):67−73を参照);難治性疼痛(Yokoyama, M., et al., Can J Anaesth. 2002;49(8):810−3を参照);急性疼痛、急性術後疼痛(Koppert. W., et al., Anesth Analg. 2004;98(4):1050−5;Brennan, T.J., et al., Pain 1996;64(3):493−501を参照);急性筋骨格疼痛;関節痛(Gotoh, S., et al., Ann Rheum Dis. 1993;52(11):817−22を参照);機械的下部背部痛(Kehl, L.J., et al., Pain. 2000;85(3):333−43を参照);頚部痛;腱炎;損傷/運動痛(Sesay, M., et al., Can J Anaesth. 2002;49(2):137−43を参照);急性内臓痛、例えば腹痛;腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニア等(Giambernardino, M.A., et al., Pain. 1995;61(3):459−69を参照);胸部痛、例えば心臓痛(Vergona, R.A., et al., Life Sci. 1984;35(18):1877−84を参照);骨盤痛;腎仙痛;急性産科痛、例えば陣痛(Segal, S., et al., Anesth Analg. 1998;87(4):864−9を参照);帝王切開痛;急性炎症、熱傷及び外傷性疼痛;急性間欠性疼痛、例えば子宮内膜症(Cason, A.M., et al., Horm Behav. 2003;44(2):123−31を参照);急性帯状疱疹疼痛;鎌状赤血球貧血;急性膵臓炎(Toma, H;Gastroenterology. 2000;119(5):1373−81を参照);突破性疼痛;口腔顔面疼痛、例えば複鼻腔疼痛、歯痛(Nusstein, J., et al., J Endod. 1998;24(7):487−91;Chidiac, J.J., et al., Eur J Pain. 2002;6(1):55−67を参照);多発性硬化症(MS)疼痛(Sakurai & Kanazawa, J Neurol Sci. 1999;162(2):162−8を参照);うつ病における疼痛(Greene B, Curr Med Res Opin. 2003;19(4):272−7を参照);らい病疼痛;ベーチェット病疼痛;有痛脂肪症(Devillers & Oranje, Clin Exp Dermatol. 1999;24(3):240−1を参照);静脈炎疼痛;ギヤン−バレー疼痛;脚部痛及び運動時踵部痛;ハグルンド症候群;皮膚紅痛症(Legroux−Crespel, E., et al., Ann Dermatol Venereol. 2003;130(4):429−33を参照);ファブリー病性疼痛(Germain, D.P., J Soc Biol. 2002;196(2):183−90を参照);膀胱及び泌尿器疾患、例えば尿失禁(Berggren, T., et al., J Urol. 1993;150(5Pt1):1540−3を参照);過剰活性膀胱(Chuang Y.C., et al., Urology. 2003;61(3):664−70を参照);疼痛性膀胱症候群(Yoshimura, N., et al., J Neurosci. 2001;21(21):8690−6を参照);間質性膀胱炎(IC)(Giannakopoulos & Campilomatos, Arch Ital Urol Nefrol Androl. 1992;64(4):337−9;Boucher, M., et al., J Urol. 2000;164(1):203−8を参照);及び前立腺炎(Mayersak, J.S., Int Surg. 1998;83(4):347−9;Keith, I.M., et al., J Urol. 2001;166(1):323−8を参照)が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
カルシウムチャネルは、外部環境からのCaの進入、及び同時に起こる細胞膜電位脱分極を可能にする、膜貫通多重サブユニットタンパク質である。これまでカルシウムチャネルは、低電圧又は高電圧活性化型及び動態のような機能的特徴に基づいて分類されてきた(L、T、N、P、Q)。カルシウムチャネルサブユニットをクローニングして発現する能力は、これらの機能的応答をもたらすチャネル組成を更に理解しやすくする。カルシウムチャネルを構成する主なサブユニットには、α1、α2δ及びβの3種類が存在する。α1はチャネル細孔及び電圧センサーを含有するサブユニットであり、α2は主に細胞外にあり、膜貫通δサブユニットにジスルフィド結合しており、βはCaチャネルのα1サブユニットの原形質領域に結合して存在する非グリコシル化サブユニットである。現在、種々のカルシウムチャネルサブタイプは、以下の特定のサブユニットにより構成されていると考えられている。
●サブユニットα1Cα1Dα1F又はα1S、α2δ及びβ3aを含む、L型
●サブユニットα1B、α2δ、β1bを含む、N型
●サブユニットα1A、α2δ、β4aを含む、P型
●サブユニットα1A(スプライス変異体)α2δ、β4aを含む、Q型
●サブユニットα1E、α2δ、β1bを含む、R型
●サブユニットα1G、α1H又はα1Iを含む、T型
カルシウムチャネルは、神経伝達物質放出において中心的な役割を果たしている。神経プロセスのシナプス前末端へのCa流入は、タンパク質間相互作用のカスケードに連絡し、これを生じさせ(シンタキシン1A、SNAP−25及びシナプトタグミン)、これは最終的にシナプス小胞の融合及び神経伝達物質パケットの放出をもって終了する。シナプス前カルシウムチャネルの阻害は、Caの流入を低減し、神経伝達物質の放出における立方X減少をもたらす。
【0015】
N型Caチャネル(CaV2.2)は、第I及びII板における背部角ニューロンと共にシナプスを形成することから、脊髄神経節のシナプス前末端において高度に発現される。これらのニューロンは、第2及び第3次のニューロン上にシナプス形成することから、シナプス前末端に多数のN型Caチャネルを有する。この経路は疼痛の情報を脳に中継するのに極めて重要である。
【0016】
疼痛は、急性、炎症性及び神経障害性の3種類に大別できる。急性疼痛は、組織の損傷をもたらす場合がある刺激から生物を安全に維持するのに重要な保護的機能を果たす。重度の熱的、機械的又は化学的入力は、無視されると生物に重度の損傷をもたらす可能性がある。急性疼痛は、損傷をもたらす環境から個体を迅速に取り除く作用を有する。急性疼痛は、それ自体の性質により、一般的には短期間持続し、強力である。一方、炎症疼痛は、より長時間持続する場合があり、その強度はより特別である。炎症が生じる理由は、例えば、組織の損傷、自己免疫応答、及び病原体の侵襲等、数多く存在する。炎症疼痛は、P物質、ヒスタミン、酸、プロスタグランジン、ブラジキニン、CGRP、サイトカイン、ATP及び神経伝達物質の放出からなる「炎症スープ」により媒介される。3種類目の疼痛は、神経障害性であり、何年も持続する慢性疼痛を生じる可能性がある病的な「感作」状態をもたらすニューロンタンパク質及び回路を再構成する神経損傷を伴う。この種類の疼痛は、順応性の利益をもたらさず、既存の治療薬では処置が特に困難である。
【0017】
疼痛、特に神経障害性及び難治性疼痛は、未だに対策が採られていない医療上の必須事項である。現在、何百もの個体が、現在の治療薬では十分に抑制できない重度の疼痛に罹患している。現在疼痛の処置に使用されている薬剤には、NSAID、COX2阻害剤、オピオイド、三環抗欝剤及び鎮痙剤が含まれる。神経障害性疼痛は、高用量に達するまでオピオイドに応答しないことから、特に処置が困難である。ガバペンチンは、現在神経障害性疼痛の処置に好まれている治療薬であるが、奏功率は僅か60%であり、薬効は中等度である。しかしながら、この薬剤は極めて安全であり、高用量では沈静化が問題となるものの、副作用は全般的に耐容できるものである。
【0018】
N型Caチャネルは、難治性疼痛、癌疼痛、オピオイド耐性疼痛、及び重度の神経障害性疼痛の処置のための毒素であるジコノチドの髄腔内注入により、ヒトにおいて妥当性が確認されている。この毒素は、ヒトにおける疼痛の処置において85%の奏功率を有しており、モルヒネよりも高い力価を有する。経口使用可能なN型Caチャネル拮抗剤は、疼痛市場においてより大きなシェアを占めている。ジコノチドは、肥満細胞脱顆粒化を誘発し、用量依存性の中枢副作用をもたらす。これらの副作用には、眩暈、眼振、撹乱及び測定障害が含まれる。高用量では一部の患者で起立性低血圧も生じる。この標的の主な危険性は、高用量のジコノチドで認められるCNS副作用を伴う。これらの副作用には、眩暈、眼振、撹乱及び測定障害が含まれる。高用量では一部の患者で起立性低血圧も生じる。これはジコノチド誘導肥満細胞脱顆粒化、及び/又は脊髄神経節と同様にN型Cチャネルを発現する交感神経節に対するその作用に起因すると考えられている。10Hzを超えるより高い周波数領域において優先的に阻害する用途依存性の化合物は、これらの潜在的副作用の問題を最小限にするのに役立つはずである。交感遠心神経のヒトにおける発火率は、0.3Hzの範囲にある。CNSニューロンは高い頻度で発火できるが、一般的には活動電位の短期バースト時にしか発火しない。用途依存性により付与される選択性をもってしても、L型カルシウムチャネルに対する内因性選択性は、心臓及び血管の平滑筋の収縮に関与していることから、尚必要となる。
【非特許文献1】Goldin,A.L.,“Resurgence of sodium channel research”,Annu Rev Physiol,2001年,63:871−94
【非特許文献2】Noda,M.,H.Suzukiら,“A single point mutation confers tetrodotoxin and saxitoxin insensitivity on the sodium channel II”,FEBS Lett,1989年,259(1):213−6
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
残念なことに、前述の通り、前述の疾患状態に対して現在使用されているナトリウムチャネルブロッカー及びカルシウムチャネルブロッカーの薬効は、幾つかの副作用によりかなり制限されている。これらの副作用には、種々のCNS障害、例えば、眼のかすみ、吐き気、及び沈静化、並びに生命に危険をもたらす可能性がより高い心不整脈及び心疾患が含まれる。従って、更なるNaチャネル及びCaチャネル拮抗剤、好ましくは、より薬効が高く、より副作用が少ない薬剤の開発が依然として望まれている。残念なことに、前述の通り、前述の疾患状態に対して現在使用されているナトリウムチャネルブロッカー及びカルシウムチャネルブロッカーの薬効は、幾つかの副作用によりかなり制限されている。これらの副作用には、種々のCNS障害、例えば、眼のかすみ、吐き気、及び沈静化、並びに生命に危険をもたらす可能性がより高い心不整脈及び心疾患が含まれる。従って、更なるNaチャネル及びCaチャネル拮抗剤、好ましくは、より薬効が高く、より副作用が少ない薬剤の開発が依然として望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
(発明の要旨)
今回、本発明の化合物及びその薬学的に許容される組成物が電圧ゲート性ナトリウムチャネル及びカルシウムチャネルの阻害剤として有用であることを発見した。これらの化合物は、以下の化学式IA、化学式IB、化学式IC及び化学式ID:
【0021】
【化13】

の化合物、又はその薬学的に許容される塩である。
【0022】
これらの化合物及び薬学的に許容される組成物は、以下に挙げる種々の疾患、障害又は状態を処置するか、又はその重症度を低下させるのに有用である:例えば、急性、慢性、神経障害性又は炎症性疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、癲癇又は癲癇状態、神経変性障害、精神障害(例えば、不安及びうつ病)、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、脊髄根痛、坐骨神経痛、背部痛、頭頚部痛、重度又は難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突破性疼痛、術後疼痛又は癌性疼痛が含まれるが、これらに限定されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(発明の詳細な説明)
I.本発明の化合物の概要
一実施形態において、本発明は、以下の化学式IA、化学式IB、化学式IC及び化学式IDの化合物であって:
【0024】
【化14】

式中:
Wは、OR’、SR’、N(R’)、CHF又はCHFであり;
及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、窒素、硫黄又は酸素から独立して選択される0〜3個の追加のへテロ原子を有する場合により置換される3〜8員の単環式飽和又は部分不飽和環を形成し;R及びRが一緒になって形成する環はそれぞれ、場合により且つ独立して、1つ以上の置換可能な炭素、窒素又は硫黄原子において、z個の独立した−Rで置換され、zは0〜5であり;
yは0〜5であり;
3aは、水素又はX−Rであり、式中、XはC−Cアルキリデン鎖であり、ピリジニル環に直接結合している炭素原子を除いたXの2個までの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−によって置換され;Rは、−R’、=O、=NR’、ハロゲン、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’,−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
各R3b、R3c、R及びRは独立してQ−Rであり;Qは、結合、又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2個までの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−によって置換され;各Rは、−R’、ハロゲン、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’,−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
各Rは独立して、水素又は場合により置換されるC1〜6脂肪族基であり;
各R’は独立して、水素;又は場合により置換されるC1〜6脂肪族基;窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜3個のへテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式環;又は窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜5個のへテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の二環式環系であり;或いはR及びR’、2個のR、又は2個のR’は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式又は二環式環を形成するが;
但し:
i) 化学式I−Dにおいて、R3a、R3b及びR3cが水素であり、且つR及びRが窒素原子と一緒になって4−モルホリニル環を形成する場合、WはSR’(式中、R’はメチル又は1H−ベンズイミダゾール−2−イルである)でないものとし;
ii) 化学式I−Aにおいて、R3a、R3b及びR3cが水素であり、且つR及びRが窒素原子と一緒になって4−モルホリニル環を形成する場合、Wは、R及びフェニル環と一緒になって、
【0025】
【化16】

でないものとし;
iii) 化学式I−Bにおいて、yが0であり、R3a及びR3bが何れも水素であり、且つR及びRが一緒になって4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イルを形成する場合、R3cは−NRCO−R又は−NRCOR’でないものとする、
化合物;或いはそれらの薬学的に許容される塩を提供する。
【0026】
2.化合物及び定義
本発明の化合物は、上に概説したものを含み、本明細書に開示されるクラス、サブクラス及び種により更に例示される。本明細書において、特に指示がない限りは、以下の定義を適用するものとする。本発明において、化学元素は、Periodic Table of the Elements, CAS version, Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.に従って識別される。更に、有機化学の一般的原則は、全文が参考として本明細書に組み入れられている“Organic Chemistry”, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999、及び“March’s Advanced Organic Chemistry”, 5th Ed., Ed.: Smith, M.B. and March, J., John Wiley & Sons, New York: 2001に記載されている。
【0027】
本明細書に記載の通り、本発明の化合物は、1つ以上の置換基、例えば上に概説したもの、又は本発明の特定のクラス、サブクラス及び種により例示されるもので場合により置換される場合がある。「場合により置換される」という表現は、「置換又は未置換の」という表現と交換可能に使用されることが理解されるであろう。一般的に、「置換される」という用語は、「場合により」という用語が先行しているか否かにかかわらず、任意の構造の水素ラジカルが指定の置換基のラジカルで置き換えられることを指す。特に指示がない限り、場合により置換される基は、その基の各置換型位置において置換基を有する場合があり、何れか任意の構造の複数の位置が、指定の群から選択される複数の置換基で置換される場合、置換基は各位置において同じである場合もあれば、異なる場合もある。本発明により想定される置換基の組み合わせは、好ましくは安定した又は化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。本明細書で使用される「安定した」という用語は、その産生、検出、並びに好ましくはその回収、精製、及び本明細書に開示される目的の1つ以上のための使用を可能にする条件に付されても実質的に改変されない化合物を指す。幾つかの実施形態において、安定した化合物又は化学的に実現可能な化合物は、水分の存在下又はその他の化学反応条件下の40℃以下の温度で少なくとも1週間保持されても実質的に改変されないものである。
【0028】
本明細書で使用される「脂肪族」又は「脂肪族基」という用語は、分子の残余への単一の結合点を有する、完全飽和であるか、1つ以上の不飽和単位を含有する直鎖(即ち未分枝鎖)若しくは分枝鎖の、置換若しくは未置換の炭化水素鎖、又は完全飽和であるか、1つ以上の不飽和単位を含有する単環の炭化水素若しくは二環の炭化水素であるが、芳香族ではないもの(本明細書において「炭素環」、「環式脂肪族」又は「シクロアルキル」とも称する)を意味する。幾つかの実施形態において、「環式脂肪族」(又は「炭素環」又は「シクロアルキル」)とは、分子の残余への単一の結合点を有する、完全飽和であるか、1つ以上の不飽和単位を含有する単環若しくは二環の炭化水素であるが、芳香族ではないものを指し、前記二環系の何れかの個々の環は3〜7員を有する。好適な脂肪族基には、直鎖又は分枝鎖の、置換又は未置換のアルキル、アルケニル、アルキニル基及びそれらの混成物、例えば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル又は(シクロアルキル)アルケニルが含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
本明細書で使用される「複素脂肪族」という用語は、1つ又は2つの炭素原子が独立して1つ以上の酸素、硫黄、窒素、リン又はケイ素により置き換えられている脂肪族基を意味する。複素脂肪族基は、置換又は未置換であり、直鎖又は分枝鎖であり、環状又は非環状である場合があり、これには、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式脂肪族」又は「複素環式」基が含まれる。
【0030】
本明細書で使用される「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式脂肪族」又は「複素環式」という用語は、1つ以上の環員がヘテロ原子から独立して選択される、非芳香族の単環、二環又は三環系を意味する。幾つかの実施形態において、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式脂肪族」又は「複素環式」基は、3〜14環員を有し、そのうち1つ以上の環員が酸素、硫黄、窒素又はリンから独立して選択されるヘテロ原子であり、系の各環が3〜7環員を含有する。
【0031】
「ヘテロ原子」という用語は、1つ以上の酸素、硫黄、窒素、リン又はケイ素(窒素、硫黄、リン又はケイ素の何れかの酸化形態;何れかの塩基性窒素の四級化形態;又は複素環の置換型窒素、例えばN(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリルの場合等)、NH(ピロリジニルの場合等)又はNR(N−置換ピロリジニルの場合等)を含む)を意味する。
【0032】
本明細書で使用される「不飽和」という用語は、部分が1つ以上の不飽和単位を有することを意味する。
【0033】
本明細書で使用される「アルコキシ」又は「チオアルキル」という用語は、酸素(「アルコキシ」)又は硫黄(「チオアルキル」)原子を介して主炭素鎖に連結する以前に定義したアルキル基を指す。
【0034】
「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」及び「ハロアルコキシ」という用語は、1つ以上のハロゲン原子で適宜置換されるアルキル、アルケニル又はアルコキシを意味する。「ハロゲン」という用語は、F、Cl、Br又はIを意味する。
【0035】
単独で使用される、又は「アラルキル」、「アラルコキシ」若しくは「アリールオキシアルキル」中のようなより長い部分の一部として使用される「アリール」という用語は、合計5〜14環員を有する単環、二環及び三環系を指し、系の少なくとも1つの環が芳香族であり、系の各環が3〜7環員を含有する。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と交換可能に使用される場合がある。「アリール」という用語は又、以下に定義するヘテロアリール環系も指す。
【0036】
単独で使用される、又は「ヘテロアラルキル」若しくは「ヘテロアリールアルコキシ」中のようなより長い部分の一部として使用される「ヘテロアリール」という用語は、合計5〜14環員を有する単環、二環及び三環系を指し、系の少なくとも1つの環が芳香族であり、系の少なくとも1つの環が1つ以上のヘテロ原子を含有し、系の各環が3〜7環員を含有する。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」という用語又は「複素芳香族」という用語と交換可能に使用される場合がある。
【0037】
アリール(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキル等を含む)又はヘテロアリール(ヘテロアラルキル及びヘテロアリールアルコキシ等を含む)基は、1つ以上の置換基を含有する場合があり、即ち「場合により置換される」場合がある。本明細書で特に指示がない限り、アリール又はヘテロアリール基の不飽和炭素原子上の好適な置換基は、一般的にハロゲン;−R;−OR;−SR;場合によりRで置換されるフェニル(Ph);場合によりRで置換される−O(Ph);場合によりRで置換される−(CH1−2(Ph);場合によりRで置換される−CH=CH(Ph);−NO;−CN;−N(R;−NRC(O)R;−NRC(S)R;−NRC(O)N(R;−NRC(S)N(R;−NRCO;−NRNRC(O)R;−NRNRC(O)N(R;−NRNRCO;−C(O)C(O)R;−C(O)CHC(O)R;−CO;−C(O)R;−C(S)R;−C(O)N(R;−C(S)N(R;−OC(O)N(R;−OC(O)R;−C(O)N(OR)R;−C(NOR)R;−S(O);−S(O);−SON(R;−S(O)R;−NRSON(R;−NRSO;−N(OR)R;−C(=NH)−N(R;−P(O);−PO(R;−OPO(R;−(CH0−2NHC(O)R;場合によりRで置換されるフェニル(Ph);場合によりRで置換される−O(Ph);場合によりRで置換される−(CH1−2(Ph);又は場合によりRで置換される−CH=CH(Ph)であり;Rの各独立した存在は、水素、場合により置換されるC1−6脂肪族、未置換の5〜6員ヘテロアリール又は複素環、フェニル、−O(Ph)又は−CH(Ph)から選択されるか、又は上記の定義にかかわらず、同じ置換基上又は異なる置換基上のRの2つの独立した存在は、各R基が結合する原子と一緒になって、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜4個有する、場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環若しくは二環を形成する。
【0038】
本明細書で特に指示がない限り、Rの脂肪族基上の任意の置換基は、NH、NH(C1−4脂肪族)、N(C1−4脂肪族)、ハロゲン、C1−4脂肪族、OH、O(C1−4脂肪族)、NO、CN、COH、CO(C1−4脂肪族)、O(ハロC1−4脂肪族)又はハロC1−4脂肪族から選択され、Rの前述のC1−4脂肪族基はそれぞれ未置換である。
【0039】
脂肪族若しくは複素脂肪族基、又は非芳香族複素環は、1つ以上の置換基を含有する場合があり、即ち「場合により置換される」場合がある。本明細書で特に指示がない限り、脂肪族若しくは複素脂肪族基の、又は非芳香族複素環の、不飽和炭素原子上の好適な置換基は、アリール又はヘテロアリール基の不飽和炭素に関して上に列挙したものから選択され、更に以下を含み:=O、=S、=NNHR、=NN(R、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)又は=NR;各Rは水素、又は場合により置換されるC1−6脂肪族基から独立して選択される。
【0040】
本明細書で特に指示がない限り、非芳香族複素環の窒素上の任意の置換基は一般的に、−R、−N(R、−C(O)R、−CO、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−SO、−SON(R、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(R又は−NRSOから選択され;Rは水素、場合により置換されるC1−6脂肪族、場合により置換されるフェニル、場合により置換される−O(Ph)、場合により置換される−CH(Ph)、場合により置換される−(CH1−2(Ph);場合により置換される−CH=CH(Ph);又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜4個有する、未置換の5〜6員ヘテロアリール又は複素環であるか、又は上の定義にかかわらず、同じ置換基上又は異なる置換基上のRの2つの独立した存在は、各R基が結合する原子と一緒になって、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜4個有する、場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環若しくは二環を形成する。
【0041】
本明細書で特に指示がない限り、Rの脂肪族基又はフェニル環上の任意の置換基は、−NH、−NH(C1−4脂肪族)、−N(C1−4脂肪族)、ハロゲン、C1−4脂肪族、−OH、−O(C1−4脂肪族)、−NO、−CN、−COH、−CO(C1−4脂肪族)、−O(ハロC1−4脂肪族)又はハロC1−4脂肪族から選択され、Rの前述のC1−4脂肪族基はそれぞれ未置換である。
【0042】
「アルキリデン鎖」という用語は、完全飽和である場合もあれば、又は1つ以上の不飽和単位を有する場合もあり、分子の残余への2つの結合点を有する直鎖又は分枝鎖の炭素鎖を指す。
【0043】
前述の通り、幾つかの実施形態において、R(又はR、R、R’又は本明細書において同様に定義されるその他何れかの変数)の2つの独立した存在は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜4個有する、場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環若しくは二環を形成する。
【0044】
(又はR、R、R’又は本明細書において同様に定義されるその他何れかの変数)の2つの独立した存在が、各変数の結合する原子と一緒になる場合に形成される例示的な環には、以下が含まれるが、これらに限定されない:即ち、a)同じ原子に結合し、その原子と一緒になって環、例えばN(Rを形成するR(又はR、R、R’又は本明細書において同様に定義されるその他何れかの変数)の2つの独立した存在(Rの両方の存在は、窒素原子と一緒になって、ピペリジン−1−イル、ピペラジン−1−イル又はモルホルン−4−イル基を形成する);及びb)異なる原子に結合し、それらの原子と一緒になって環、例えばフェニル基がORの2つの存在
【0045】
【化20】

により置換されるものを形成するR(又はR、R、R’又は本明細書において同様に定義されるその他何れかの変数)の2つの独立した存在(Rのこれらの2つの存在は、それらが結合する酸素原子と一緒になって、縮合6員酸素含有環:
【0046】
【化21−1】

を形成する)。R(又はR、R、R’又は本明細書において同様に定義されるその他何れかの変数)の2つの独立した存在が、それぞれの変数が結合する原子と一緒になる場合、その他種々の環が形成されてもよく、上に詳述する例が限定することを目的としていないことが理解されるであろう。
【0047】
本明細書で特に指示がない限り、本明細書に図示する構造は又、構造の全ての異性体(例えばエナンチオマー、ジアステレオマー及び幾何(若しくは立体配座))形態、例えば、各不斉中心のR及びSの立体配置、(Z)及び(E)の二重結合異性体、並びに(Z)及び(E)の立体配座異性体を含むことを目的としてもいない。従って、本発明の単一の立体化学上の異性体、並びにエナンチオマー、ジアステレオマー及び幾何(又は立体配座)混合物は、本発明の適用範囲に含まれる。特に指示がない限り、本発明の化合物の全ての互変異体は、本発明の適用範囲に含まれる。更に、特に指示がない限り、本明細書に図示する構造は又、同位体に富んだ1つ以上の原子の存在下においてのみ異なる化合物を含むことを目的としてもいない。例えば、重水素又はトリチウムにより水素が置き換えられているか、或いは13C若しくは14Cに富んだ炭素により炭素が、又は15N窒素により窒素が置き換えられている以外は本発明の構造を有する化合物は、本発明の適用範囲に含まれる。このような化合物は、例えば生物試験における分析手段又はプローブとして有用である。
【0048】
3.例示化合物の説明
本発明の一実施形態において、R及びRは一緒になってアゼチジニル環:
【0049】
【化21−2】

を形成する。
【0050】
本発明の別の実施形態において、R及びRは一緒になってピロリジニル環:
【0051】
【化22−1】

を形成する。
【0052】
本発明の別の実施形態において、R及びRは一緒になってピペリジニル環:
【0053】
【化22−2】

を形成する。
【0054】
本発明の別の実施形態において、R及びRは一緒になってピペラジニル環:
【0055】
【化22−3】

を形成する。
【0056】
本発明の別の実施形態において、R及びRは一緒になってモルホリニル環:
【0057】
【化22−4】

を形成する。
【0058】
本発明の別の実施形態において、R及びRは一緒になってチオモルホリニル環:
【0059】
【化22−5】

を形成する。
【0060】
本発明の別の実施形態において、R及びRは一緒になってアゼパニル環:
【0061】
【化22−6】

を形成する。
【0062】
本発明の別の実施形態において、R及びRは一緒になってアゾカニル環:
【0063】
【化23−1】

を形成する。
【0064】
一実施形態において、R及びRは一緒になって以下に示す環(ii)又は(jj)を形成し:
【0065】
【化23−2】

式中:
は−N−、−CH−NH−又は−CH−CH−NH−であり;
及びnはそれぞれ独立して0〜3であるが、但し、m+nは2〜6であり;
は0〜2であり;
zは0〜4であり;
各RXXは水素、C1−6脂肪族基、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、3〜8員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜5個有する、8〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和二環系であり;RXXは場合により−R11のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜3であるが;
但し、両方のRXXは同時に水素ではなく;
YYは水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’又は−PO(R’)であり;
11のそれぞれの存在は独立してQ−Rであり;式中、Qは結合であるか、又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2つまでの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−で置き換えられており;Rのそれぞれの存在は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
Rのそれぞれの存在は独立して水素、又は3個までの置換基を有するC1−6脂肪族基であり;R’のそれぞれの存在は独立して水素、又はC1−6脂肪族基、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、3〜8員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜5個有する、8〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和二環系であり、R’は4個までの置換基を有するか;又はR及びR’、Rの2つの存在、若しくはR’の2つの存在は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜4個有する、場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環若しくは二環を形成する。
【0066】
本発明の一実施形態において、一方のRXXは水素であり、もう一方のRXXは水素ではない。
【0067】
本発明の別の実施形態において、RXXは何れも水素ではない。
【0068】
本発明の一実施形態において、pは0である。又は、pは1である。又は、pは2である。
【0069】
本発明の一実施形態において、m及びnはそれぞれ1である。又は、m及びnはそれぞれ2である。又は、m及びnはそれぞれ3である。
【0070】
本発明の一実施形態において、RXXはC1−6脂肪族基であり、RXXは場合により−R11のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜3である。又は、RXXは場合により−R11のw個の独立した存在により置換されているC1−C6アルキル基であり、wは0〜3である。
【0071】
本発明の一実施形態において、RXXはC1−C6アルキル基である。
【0072】
本発明の別の実施形態において、RXXは、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、3〜8員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜5個有する、8〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和二環系であり、RXXは場合により−R11のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜3である。
【0073】
別の実施形態において、RXXは、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、3〜8員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環であり、RXXは場合により−R11のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜3である。
【0074】
別の実施形態において、RXXは、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜5個有する、8〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和二環系であり、RXXは場合により−R11のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜3である。
【0075】
別の実施形態において、RYYは水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’又は−PO(R’)である。
【0076】
又は、RYYは水素である。
【0077】
別の実施形態において、RYYは−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’又は−PO(R’)である。
【0078】
一実施形態において、Rは水素である。又は、RはC1−C6アルキル基である。好ましいRには、メチル、エチル、プロピル又はブチルが含まれる。
【0079】
別の実施形態において、RYYは水素であり、一方のRXXは水素であり、もう一方のRXXはC1−C6アルキルである。
【0080】
更に別の実施形態において、pは0であり、RYYは水素であり、一方のRXXは水素であり、もう一方のRXXはC1−C6アルキルである。
【0081】
別の実施形態において、RYYは水素であり、一方のRXXは水素であり、もう一方のRXXはC1−C6アルキルである。
【0082】
更に別の実施形態において、pは0であり、RYYは水素であり、一方のRXXは水素であり、もう一方のRXXはC1−C6アルキルである。
【0083】
本発明の一実施形態において、R及びRは一緒になって以下に示す環:
【0084】
【化26−1】

を形成する。
【0085】
一実施形態において、RXXはC1−C6アルキルである。
【0086】
一実施形態において、RXXはメチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はt−ブチルである。
【0087】
一実施形態において、R及びRは一緒になって以下に示す環(kk)を形成し:
【0088】
【化26−2】

式中:
は−N−又はCHであり;
及びnはそれぞれ独立して0〜3であるが、但し、m+nは2〜6であり;
は0〜2であるが;但し、GがNである場合、pは0ではなく;
は0又は1であり;
zは0〜4であり;
Spは結合又はC1−C6アルキリデンリンカーであり、2つまでのメチレン単位は、場合により且つ独立して−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’−、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO−、−SO−、−NR’−、−SONR’−、−NR’SO−又は−NR’SONR’−で置き換えられており;
環Bは、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和、部分不飽和又は芳香族の単環複素環であり、環Bは場合により−R12のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4であり;
12のそれぞれの存在は独立してQ−Rであり;式中、Qは結合であるか、又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2つまでの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−で置き換えられており;Rのそれぞれの存在は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
Rのそれぞれの存在は独立して水素、又は3個までの置換基を有するC1−6脂肪族基であり;R’のそれぞれの存在は独立して水素又はC1−6脂肪族基、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、3〜8員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜5個有する、8〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和二環系であり、R’は4個までの置換基を有するか;又はR及びR’、Rの2つの存在、若しくはR’の2つの存在は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜4個有する、場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環若しくは二環を形成する。
【0089】
一実施形態において、GはNである。又は、GはCHである。
【0090】
一実施形態において、pは0である。又は、pは1である。又は、pは2である。
【0091】
別の実施形態において、qは0である。又は、qは1である。
【0092】
一実施形態において、pは1であり、qは1である。
【0093】
別の実施形態において、GはCHであり、pは0であり、qは1である。
【0094】
一実施形態において、m及びnはそれぞれ1である。又は、m及びnはそれぞれ2である。
【0095】
別の実施形態において、Spは−O−、−S−又は−NR’−から選択される。一実施形態において、Spは−O−である。又は、Spは−NR’−である。又は、Spは−NH−である。
【0096】
一実施形態において、環Bは、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和、部分不飽和又は芳香族の単環複素環であり、環Bは場合により−R12のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4である。
【0097】
別の実施形態において、環Bは、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和単環複素環であり、環Bは場合により−R12のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4である。
【0098】
更に別の実施形態において、環Bは、O、S又はNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員飽和単環複素環であり、環Bは場合により−R12のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4である。
【0099】
一実施形態において、wは0である。
【0100】
別の実施形態において、環Bはテトラヒドロフラニルである。
【0101】
更に別の実施形態において、
i)Spは結合、O又は−O−CH−であり;
ii)pは1であり;
iii)Rは水素であり;そして、
iv)n及びmは何れも同時に1又は2である。
【0102】
一実施形態において、Rは水素である。又は、RはC1−C6アルキルである。好ましいRには、メチル、エチル、プロピル又はブチルが含まれる。
【0103】
一実施形態において、R及びRは一緒になって化学式(kk−i)又は化学式(kk−ii):
【0104】
【化28】

の環を形成する。
【0105】
一実施形態によれば、環Bは、O、S又はNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員飽和単環複素環であり、環Bは場合により−R12のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4である。
【0106】
一実施形態によれば、Rは水素である。又は、Rは水素であり、、環Bはテトラヒドロフラニルである。
【0107】
更に別の実施形態によれば、Spは結合、−O−又は−O−CH−である。
【0108】
一実施形態において、R及びRは一緒になって環(II)を形成し:
【0109】
【化29】

式中:
及びnはそれぞれ独立して0〜3であるが、但し、m+nは2〜6であり;
zは0〜4であり;
Spは−O−、−S−、−NR’−又はC1−C6アルキリデンリンカーであり、2つまでのメチレン単位は、場合により且つ独立して−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’−、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO−、−SO−、−NR’−、−SONR’−、−NR’SO−又は−NR’SONR’−で置き換えられているが、但し、Spは炭素原子を除いた原子を介してカルボニル基に結合しており;
環Bは、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和、部分不飽和又は芳香族の単環複素環であり、環Bは場合により−R13のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4であり;
13のそれぞれの存在は独立してQ−Rであり;式中、Qは結合であるか、又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2つまでの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−で置き換えられており;Rのそれぞれの存在は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
Rのそれぞれの存在は独立して水素、又は3個までの置換基を有するC1−6脂肪族基であり;R’のそれぞれの存在は独立して水素又はC1−6脂肪族基、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、3〜8員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜5個有する、8〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和二環系であり、R’は4個までの置換基を有するか;又はR及びR’、Rの2つの存在、若しくはR’の2つの存在は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜4個有する、場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環若しくは二環を形成する。
【0110】
一実施形態において、Spは−O−、−S−又は−NR’−から選択される。又は、Spは−O−である。又は、Spは−O−CH−である。別の実施形態において、Spは−NR’−である。又は、Spは−NH−である。又は、Spは−NH−CH−である。
【0111】
一実施形態において、m及びnはそれぞれ1である。別の実施形態において、m及びnはそれぞれ2である。
【0112】
一実施形態において、環Bは、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和、部分不飽和又は芳香族の単環複素環であり、環Bは場合により−R13のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4である。
【0113】
別の実施形態において、環Bは、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する、4〜8員の飽和単環複素環であり、環Bは場合により−R13のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4である。
【0114】
更に別の実施形態において、環Bは、O、S又はNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員飽和単環複素環であり、環Bは場合により−R13のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4である。
【0115】
一実施形態において、wは0である。
【0116】
別の実施形態において、環Bはテトラヒドロフラニルである。
【0117】
更に別の実施形態において、Spは結合、O又は−O−CH−であり;Rは水素であり;そしてn及びmは何れも同時に1又は2である。
【0118】
一実施形態において、Rは水素である。又は、RはC1−C6アルキルである。好ましいRには、メチル、エチル、プロピル又はブチルが含まれる。
【0119】
別の実施形態において、zは0である。
【0120】
一実施形態によれば、環Bは、O、S又はNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する、5〜6員飽和単環複素環であり、環Bは場合により−R13のw個の独立した存在により置換されており、wは0〜4である。
【0121】
別の実施形態によれば、Rは水素である。又は、Rは水素であり、環Bはテトラヒドロフラニルである。
【0122】
更に別の実施形態によれば、Spは結合、O、−O−CH−又は−NH−CHである。
【0123】
一実施形態において、R及びRは一緒になって環(mm)を形成し:
【0124】
【化31】

式中:
及びnはそれぞれ独立して0〜3であるが、但し、m+nは2〜6であり;
は1〜2であり;
YZは場合により−R14のw個の独立した存在により置換されるC−C脂肪族基であり、wは0〜3であり;
14のそれぞれの存在は独立してQ−Rであり;式中、Qは結合であるか、又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2つまでの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−で置き換えられており;Rのそれぞれの存在は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
Rのそれぞれの存在は独立して水素、又は3個までの置換基を有するC1−6脂肪族基であり;R’のそれぞれの存在は独立して水素、又はC1−6脂肪族基、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、3〜8員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜5個有する、8〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和二環系であり、R’は4個までの置換基を有するか;又はR及びR’、Rの2つの存在、若しくはR’の2つの存在は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜4個有する、場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環若しくは二環を形成する。
【0125】
一実施形態において、pは1である。又は、pは2である。
【0126】
一実施形態において、m及びnはそれぞれ1である。又は、m及びnはそれぞれ2である。又は、m及びnはそれぞれ3である。
【0127】
一実施形態において、RYZは、場合により−R14のw個の独立した存在により置換されるC1−C6アルキルであり、wは0〜3である。別の実施形態において、RYZは、場合により−R14のw個の独立した存在により置換されるC1−C4アルキル基であり、wは0〜3である。又は、Rは1−C6アルキル基である。
【0128】
一実施形態において、Rは水素である。又は、Rは1−C6アルキルである。好ましいRには、メチル、エチル、プロピル又はブチルが含まれる。
【0129】
別の実施形態において、R及びRは一緒になって環(mm−1)を形成し:
【0130】
【化33】

式中:
及びnはそれぞれ独立して0〜3であるが、但し、m+nは2〜6であり;
は1〜2であり;
YZは、場合により−R14のw個の独立した存在により置換されるC−C脂肪族基であり、wは0〜3であり;
YZにおける2つのメチレン単位は、場合により−NR−、−O−、−CO−、−OCO−、−NRCO−、−CONR−、−CO−、−SONR−又は−NRSO−で置き換えられており;
14のそれぞれの存在は独立してQ−Rであり;式中、Qは結合であるか、又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2つまでの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−で置き換えられており;Rのそれぞれの存在は、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
Rのそれぞれの存在は独立して水素、又は3個までの置換基を有するC1−6脂肪族基であり;R’のそれぞれの存在は独立して水素、又はC1−6脂肪族基、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜3個有する、3〜8員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環、又は窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜5個有する、8〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和二環系であり、R’は4個までの置換基を有するか;又はR及びR’、Rの2つの存在、若しくはR’の2つの存在は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素若しくは硫黄から独立して選択されるヘテロ原子を0〜4個有する、場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和若しくは完全不飽和単環若しくは二環を形成する。
【0131】
別の実施形態において、本発明は、化学式mm−2及びmm−3:
【0132】
【化34−1】

の化合物を提供する。
【0133】
化学式mm−2及びmm−3の一実施形態において、RYZは未置換のC1−6脂肪族基である。
【0134】
化学式mm−2の一実施形態において、RYZは−CH、−CHCH、−CH(CH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCH(CH又は−CHC(CHである。
【0135】
化学式mm−3の一実施形態において、RYZは−CH、−CHCH、−CH(CH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCH(CH又は−CHC(CHである。
【0136】
一実施形態において、R及びRは一緒になって環(nn):
【0137】
【化34−2】

を形成する。
【0138】
一実施形態において、Gは−N−である。又は、Gは−CH−NH−である。又は、Gは−CH−CH−NH−である。
【0139】
別の実施形態において、RYYは水素であり、一方のRXXは水素であり、もう一方のRXXはC1−C6アルキルである。
【0140】
更に別の実施形態において、pは0であり、RYYは水素であり、一方のRXXは水素であり、もう一方のRXXはC1−C6アルキルである。
【0141】
一実施形態において、R及びRは一緒になって環(pp):
【0142】
【化35】

を形成する。
【0143】
別の実施形態において、RYYは水素であり、一方のRXXは水素であり、もう一方のRXXはC1−C6アルキルである。
【0144】
更に別の実施形態において、pは0であり、RYYは水素であり、一方のRXXは水素であり、もう一方のRXXはC1−C6アルキルである。
【0145】
本発明の一実施形態において、WはOR’である。別の実施形態において、WはOHである。
【0146】
本発明の一実施形態において、WはSR’である。別の実施形態において、WはSHである。
【0147】
本発明の一実施形態において、WはN(R’)である。別の実施形態において、WはNHR’である。又は、WはNHである。
【0148】
本発明の一実施形態において、WはCHF又はCHFである。一実施形態において、WはCHFである。別の実施形態において、WはCHFである。
【0149】
本発明の一実施形態において、zは0〜5である。別の実施形態において、zは1〜3である。更に別の実施形態において、zは1〜2である。更に別の実施形態において、zは1である。
【0150】
本発明の一実施形態において、Rは独立してハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)、又はC−C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、環式脂肪族、ヘテロ環式脂肪族、アリールC−Cアルキル、ヘテロアリールC−Cアルキル、環式脂環族C−Cアルキル若しくはヘテロ環式脂環族C−Cアルキルから選択される場合により置換される基である。
【0151】
本発明の別の実施形態において、Rは独立してCl、Br、F、CF、CH、−CHCH、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SO(CHCH、−SOCH(CH、−SON(CH、−SOCHCH、−C(O)OCHCH(CH、−C(O)NHCHCH(CH、−NHCOOCH、−C(O)C(CH、−COO(CHCH、−C(O)NHCH(CH、−C(O)CHCH、又は−ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、C1−4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、−CHシクロヘキシル、ピリジル、−CHピリジル又は−CHチアゾリルから選択される場合により置換される基である。
【0152】
本発明の一実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼチジン−1−イル(aa)であり、zは1又は2であり、Rの少なくとも1つの存在は−NRSOR’、−NRCOOR’又は−NRCOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼチジン−1−イル(aa)であり、zは1であり、Rは−NRSOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼチジン−1−イル(aa)であり、zは1であり、Rは−NRCOOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼチジン−1−イル(aa)であり、zは1であり、Rは−NRCOR’である。
【0153】
更に別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピロリジン−1−イル(bb)であり、zは1又は2であり、RはCl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’又は−CHOR’である。
【0154】
別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピペリジン−1−イル(cc)であり、zは1又は2であり、Rの少なくとも1つの存在は、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’又は−CHOR’、−NRSOR’、−NRCOOR’又は−OCON(R’)である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピペリジン−1−イル(cc)であり、zは1であり、RはF、CF、CH、−CHCH、−OR’又は−CHOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピペリジン−1−イル(cc)であり、zは1であり、Rは−NRSOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピペリジン−1−イル(cc)であり、zは1であり、Rは−NRCOOR’である。
【0155】
更に別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zは1又は2であり、Rの少なくとも1つの存在は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’又は−COOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zは1であり、Rは−SOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zは1であり、Rは−COOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zは1であり、Rは−CON(R’)である。別の実施形態において、一緒になるR及びRが、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zは1であり、Rは−SON(R’)である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zは1であり、Rは−COR’である。
【0156】
更に別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zは1又は2であり、Rの少なくとも1つの存在は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’又は−COOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zは1であり、Rは−SOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zは1であり、Rは−COOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zは1であり、Rは−CON(R’)である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zは1であり、Rは−SON(R’)である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zは1であり、Rは−COR’である。
【0157】
更に別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zは1又は2であり、Rの少なくとも1つの存在は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’又は−COOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zは1であり、Rは−SOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zは1であり、Rは−COOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zは1であり、Rは−CON(R’)である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zは1であり、Rは−SON(R’)である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zは1であり、Rは−COR’である。
【0158】
更に別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zは1又は2であり、Rの少なくとも1つの存在は、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’又は−COOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zは1であり、Rは−SOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zは1であり、Rは−COOR’である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zは1であり、Rは−CON(R’)である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zは1であり、Rは−SON(R’)である。別の実施形態において、一緒になるR及びRは、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zは1であり、Rは−COR’である。
【0159】
一実施形態において、yは0〜5である。別の実施形態において、yは0である。又は、yは1〜3である。別の実施形態において、yは1〜2である。又は、yは1である。
【0160】
一実施形態において、Rは独立してハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−S(O)N(R’)、−OCOR’、−COR’、−COR’、−OCON(R’)、−NR’SOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、−OPO(R’)、又はC−C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、環式脂肪族、ヘテロ環式脂肪族、アリールC−Cアルキル、ヘテロアリールC−Cアルキル、環式脂環族C−Cアルキル又はヘテロ環式脂環族C−Cアルキルから選択される場合により置換される基である。
【0161】
別の実施形態において、Rは独立してCl、Br、F、CF、Me、Et、CN、−COOH、−NH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−OCH、−OCHCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SONHC(CH、−OCOC(CH、−OCOCHC(CH、−O(CHN(CH、4−CH−ピペラジン−1−イル、OCOCH(CH、OCO(シクロペンチル)、−COCH、場合により置換されるフェノキシ、又は場合により置換されるベンジルオキシである。
【0162】
別の実施形態において、RはFである。又は、RはOR’である。一実施形態において、RはOHである。
【0163】
一実施形態において、本発明は、以下の化学式I−A−i、化学式I−B−i、化学式I−C−i又は化学式I−D−iの化合物であって:
【0164】
【化38】

【0165】
【化39】

式中、R、R、R3a、R3b及びR3cは、化学式I−A、化学式I−B、化学式I−C及び化学式I−Dに関して上に定義した通りである、
化合物;或いはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0166】
一実施形態において、R3aは水素である。別の実施形態において、R3aはX−Rである。
【0167】
一実施形態において、XはC1−C6アルキリデンである。別の実施形態において、XはC1−C4アルキリデンである。又は、Xは−CH−である。
【0168】
一実施形態において、Rは、−R’、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択される。
【0169】
別の実施形態において、RはR’である。
【0170】
一実施形態において、R3bは水素である。別の実施形態において、R3cは水素である。又は、R3b及びR3cは何れも同時に水素である。
【0171】
一実施形態において、R3b及びR3cはそれぞれ独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’)、又はC−C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、環状脂肪族、複素環脂肪族、アリールC−Cアルキル、ヘテロアリールC−Cアルキル、環状脂肪族C−Cアルキル、又は複素環脂肪族C−Cアルキルから選択される場合により置換される基である。
【0172】
更に別の実施形態において、R3b及びR3cのそれぞれの存在は独立して、Cl、Br、F、CF、−OCF、Me、Et、CN、−COOH、−NH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−OCH、−OCHCH、−CHOH、−NHCOCH、−NHCOCH(CH、−SONH、−CONH(シクロプロピル)、−CONHCH、−CONHCHCH、又は−ピペリジニル、ピペリジニル、モルホリノ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル又はベンジルオキシから選択される場合により置換される基である。
【0173】
別の実施形態において、R3b及びR3cはそれぞれ独立して、ハロゲン、CN、場合により置換されるC−Cアルキル、OR’、N(R’)、CON(R’)、又はNRCOR’である。
【0174】
更に別の実施形態において、R3b及びR3cはそれぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、又は−CNである。
【0175】
更に別の実施形態において、R3b及びR3cはそれぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、又は−CNである。
【0176】
更に別の実施形態において、R3b及びR3cはそれぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、又は−CNから選択される。
【0177】
別の実施形態において、R3b及びR3cはそれぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCH、又は−OCHCHから選択される。
【0178】
更に別の実施形態において、R3b及びR3cはそれぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCH又は−OCHCHから選択される。
【0179】
別の実施形態において、R3b及びR3cはそれぞれ−CON(R’)又は−NRCOR’である。
【0180】
更に別の実施形態において、R3b及びR3cはそれぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCH又は−OCHCHから選択される。
【0181】
一実施形態において、本発明は、以下の化学式IA−ii、化学式IB−ii、化学式IC−ii及び化学式ID−iiの化合物であって:
【0182】
【化40】

【0183】
【化41−1】

式中、R、R、R3b及びR3cは、上に定義した通りである、
化合物を提供する。
【0184】
化学式IA−ii、化学式IB−ii、化学式IC−ii及び化学式ID−iiの一実施形態において、R3b及びR3cの1つは水素である。別の実施形態において、R3b及びR3cは何れも同時に水素である。
【0185】
化学式IA−iiの一実施形態において、R3b及びR3cは何れも同時に水素であり、R及びRは一緒になって、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、この場合zは1であり、Rは−COOR’であり、R’はC1〜6脂肪族基である。別の実施形態において、R’は、メチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はt−ブチルである。更に別の実施形態において、R’はイソブチルである。
【0186】
化学式IA−iiの別の実施形態において、R3b及びR3cは何れも同時に水素であり、R及びRは一緒になって、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、この場合zは1であり、Rは−COR’であり、R’はC1〜6脂肪族基である。別の実施形態において、R’は、メチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はt−ブチルである。更に別の実施形態において、R’はイソブチルである。
【0187】
化学式IA−iiの別の実施形態において、R3b及びR3cは何れも同時に水素であり、R及びRは一緒になって、以下の環を形成し:
【0188】
【化41−2】

式中、RXXはC−Cアルキルである。別の実施形態において、RXXは、メチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はt−ブチルである。更に別の実施形態において、RXXはイソブチルである。
【0189】
別の実施形態において、本発明は、以下の表2に示す化合物を提供する。
【0190】
【表2】

別の実施形態において、本発明は以下の化合物から選択される化合物を提供する:
【0191】
【化42】


4. 一般的合成法
本発明の化合物は、一般的に当業者に既知の方法によって調製される場合がある。代表的な合成経路は、本発明の化合物の調製に関する以下の説明で例示する。
【0192】
化学式IAの化合物は、以下のスキーム1及びスキーム1Aに例示する通りに調製される場合がある。
【0193】
【化43】

化学式IBの化合物は、以下のスキーム2及びスキーム2Aに例示する通りに調製される場合がある。
【0194】
【化44】

【0195】
【化45−1】

化学式ICの化合物は、以下のスキーム3及び3Aに例示する通りに調製される場合がある。
【0196】
【化45−2】

【0197】
【化46−1】

化学式IDの化合物は、以下のスキーム4及び4Aに例示する通りに調製される場合がある。
【0198】
【化46−2】

【0199】
【化47】

5.使用、製剤化及び投与
薬学的に許容される組成物
前述の通り、本発明は電圧ゲート性ナトリウムイオンチャネル及び/又はカルシウムチャネルの阻害剤である化合物を提供し、そのため、本発明は、例えば限定しないが、急性、慢性、神経障害性又は炎症性の疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、癲癇又は癲癇状態、神経変性障害、精神障害、例えば不安及びうつ病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群及び失禁を含めた疾患、障害又は状態の処置に有用である。従って、本発明の別の態様においては、本明細書に記載の化合物の何れかを含み、場合により薬学的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルを含む、薬学的に許容される組成物が提供される。特定の実施形態において、これらの組成物は、場合により更に1つ以上の追加の治療薬を含む。
【0200】
本発明の化合物の特定のものは処置のための遊離形態で、又は適宜その薬学的に許容される誘導体として存在してもよいことも理解されるであろう。本発明によれば、薬学的に許容される誘導体には、薬学的に許容される塩、エステル、このようなエステルの塩、又は他の何れかの付加物又は誘導体であって、それが必要な患者への投与時に直接又は間接的に本明細書において別途記載した化合物、その代謝産物又は残基を与えることができるものが含まれるが、これらに限定されない。
【0201】
本明細書において、「薬学的に許容される塩」という用語は、調和の取れた医療上の判断の範囲内において、予想外の毒性、刺激性、アレルギー応答等を伴うことなくヒト及びより低等な動物の組織に接触させながら使用するのに適しており、合理的な利益/危険の比に相当する塩を指す。「薬学的に許容される塩」は、レシピエントへの投与時に直接又は間接的に本明細書の化合物又はその阻害活性代謝産物又は残基を与えることができる本発明の化合物の何れかの非毒性の塩又はエステルの塩を意味する。本明細書において、「その阻害活性代謝産物又は残基」という用語は、その代謝産物又は残基も又電圧ゲート性ナトリウムイオンチャネル又はカルシウムチャネルの阻害剤であることを意味する。
【0202】
薬学的に許容される塩は当該技術分野で周知の。例えば、M.Berge等は、参考として本明細書に組み入れられているJ.Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1−19において、薬学的に許容される塩を詳細に説明している。本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、好適な無機及び有機の酸及び塩基から誘導されるものが含まれる。薬学的に許容される非毒性の酸付加塩の例には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸のような無機酸を使用して、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸又はマロン酸のような有機酸を使用して、又はイオン交換のような当該技術分野で使用されている他の方法を使用して形成されたアミノ基の塩がある。その他の薬学的に許容される塩には、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、半硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等が含まれる。適切な塩基から誘導された塩には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN(C1−4アルキル)の塩が含まれる。本発明は又、本明細書に開示される化合物の何れかの塩基性窒素含有基の第4化を包含する。水溶性又は脂溶性又は分散性の産物はこのような第4化により得られる場合がある。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属の塩には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等が含まれる。更なる薬学的に許容される塩には、適宜、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシレート、スルフェート、ホスフェート、ニトレート、低級アルキルスルフォネート及びアリールスルホネートのような対イオンを使用して形成された非毒性のアンモニウム、第4アンモニウム及びアミンカチオンが含まれる。
【0203】
前述の通り、本発明の薬学的に許容される組成物は更に、薬学的に許容される担体、アジュバント又はビヒクルを含み、これらには、本明細書において、所望の特定の剤型に適する如何なる溶媒、希釈剤又は他の液体ビヒクル、分散又は懸濁助剤、界面活性剤、等張性付与剤、濃厚化又は乳化剤、保存料、固体バインダー、潤滑剤等が含まれる。Remington’s Pharmaceutical Sciences, Sixteenth Edition, E.W. Martin (Mack Publishing Co., Easton, Pa., 1980)は薬学的に許容される組成物を製剤化する再に使用される種々の担体、及びその調製のための既知の技法を開示している。如何なる従来の担体媒体も、例えば望ましくない生物学的作用をもたらしたり、その他、薬学的に許容される組成物のその他何れかの成分との有害な態様において相互作用するなど、本発明の化合物と不適合である場合を除き、その使用は本発明の適用範囲内に含まれることを意図している。薬学的に許容される担体として作用できる物質の一部の例は、限定しないが、イオン交換物質、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えばヒト血清アルブミン、緩衝物質、例えばリン酸塩、グリシン、ソルビン酸、又はソルビン酸カルシウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩又は電解質、例えば硫酸プロタミン、リン酸水素2ナトリウム、リン酸カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、3ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン阻害重合体、羊毛脂、糖類、例えば乳糖、グルコース及びスクロースを包含し;澱粉類、例えばコーンスターチ及びポテトスターチ;セルロース及びその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及びセルロースアセテート;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばカカオ脂及び坐剤用ワックス;油脂、例えばピーナツ油、綿実油;サフラワー油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油及びダイズ油;グリコール類;例えばプロピレングリコール又はポリエチレングリコール;エステル類、例えばエチルオレエート及びエチルラウレート;寒天;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱物質非含有の水;等張性食塩水;リンゲル溶液;エチルアルコール及びリン酸塩緩衝溶液、並びに、他の非毒性の適合性のある潤滑剤、例えばラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウム、並びに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味料、フレーバー及び芳香剤、保存料及び抗酸化剤も又製剤者の判断に従って組成物中に存在できる。
【0204】
化合物及び薬学的に許容される組成物の使用
更に別の態様において、化合物又は化合物を含む薬学的に許容される組成物の有効量をそれを必要とする対象に投与することからなる、急性、慢性、神経障害性又は炎症性の疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、癲癇又は癲癇状態、神経変性障害、精神障害、例えば不安及びうつ病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、脊髄根痛、坐骨神経痛、背部痛、頭頚部痛、重度又は難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突破性疼痛、術後疼痛又は癌性疼痛から選択される疾患、障害又は状態を処置するか、又はその重症度を低下させるための方法が提供される。特定の実施形態において、化合物又は薬学的に許容される組成物の有効量をそれを必要とする対象に投与することからなる、急性、慢性、神経障害性又は炎症性の疼痛を処置するか、又はその重症度を低下させるための方法が提供される。特定の別の実施形態において、化合物又は薬学的に許容される組成物の有効量をそれを必要とする対象に投与することからなる、脊髄根痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部痛又はび頚部痛を処置するか、又はその重症度を低下させるための方法が提供される。更に別の実施形態において、化合物又は薬学的に許容される組成物の有効量をそれを必要とする対象に投与することからなる、重度又は難治性疼痛、急性疼痛、術後疼痛、背部痛、耳鳴又は癌性疼痛を処置するか、又はその重症度を低下させるための方法が提供される。
【0205】
本発明の特定の実施形態において化合物又は薬学的に許容される組成物の「有効量」とは、急性、慢性、神経障害性又は炎症性の疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、癲癇又は癲癇状態、神経変性障害、精神障害、例えば不安及びうつ病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、脊髄根痛、坐骨神経痛、背部痛、頭頚部痛、重度又は難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突破性疼痛、術後疼痛、耳鳴又は癌性疼痛の1つ以上を処置するか、又はその重症度を低下させるのに有効な量である。
【0206】
化合物及び組成物は、本発明の方法によれば、急性、慢性、神経障害性又は炎症性の疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、癲癇又は癲癇状態、神経変性障害、精神障害、例えば不安及びうつ病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、脊髄根痛、坐骨神経痛、背部痛、頭頚部痛、重度又は難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突破性疼痛、術後疼痛、耳鳴又は癌性疼痛の1つ以上を処置するか、又はその重症度を低下させるのに有効な何れかの量及び何れかの経路を使用して投与される場合がある。厳密な必要量は対象の種、齢及び全身状態、感染の重症度、特定の薬剤、投与様式等により、対象毎に変動する。本発明の化合物は好ましくは投与の容易さ及び用量の均一性のために単位剤型において製剤化する。「単位剤型」という表現は本明細書において、処置する患者に適切な薬剤の物理的に個別の単位を指す。しかしながら、本発明の化合物及び組成物の一日当たり総用量は調和の取れた医療上の判断の範囲内で担当医師が決定することになる。何れかの特定の患者又は生物に対する特定の有効用量の水準は種々の要因、例えば処置する障害及び障害の重症度;使用する特定の化合物の活性;使用する特定の組成物;患者の年齢、体重、全身状態、性別及び食餌;投与時間;投与経路;及び使用する特定の化合物の排出速度;処置の持続期間;使用する特定の化合物と組み合わせ手、又は同時に使用する薬剤及び医療の当該技術分野で周知の類似の要因に応じて変動する。本明細書で使用される「患者」という用語は、動物、好ましくは哺乳類、最も好ましくはヒトを意味する。
【0207】
本発明の薬学的に許容される組成物はヒト及び他の動物に対し、経口、直腸、非経腸、槽内、膣内、腹腔内、局所(粉末、軟膏又はドロップ剤として)、口内、口腔又は鼻用スプレー等として、処置する感染症の重症度に応じて投与することができる。特定の実施形態において、本発明の化合物は経口又は非経腸において、一日当たり約0.01mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kg対象体重の用量水準で、一日に一回以上投与することにより所望の治療効果を得られる場合がある。
【0208】
経口投与用の液体剤型には、薬学的に許容される乳液、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ及びエリキシルが含まれるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体剤型は当該技術分野で一般的に使用されている不活性希釈剤、例えば水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムミド、油脂類(特に綿実油、ピーナツ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル及びこれらの混合物を含有する場合がある。不活性希釈剤のほかに、経口用組成物はアジュバント、例えば水和剤、乳化及び懸濁剤、甘味料、フレーバー及び芳香剤も含むことができる。
【0209】
注射用調製品、例えば滅菌注射用水性又は油性懸濁液は、好適な分散又は水和剤及び懸濁剤を使用しながら、当該技術分野で知られる通り製剤化される場合がある。滅菌注射用調製品は又、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液、懸濁液又は乳液である場合もあり、例えば1,3−ブタンジオール溶液として存在する場合もある。使用される場合がある許容されるビヒクル及び溶媒には、水、リンゲル溶液、USP及び等張性塩化ナトリウム溶液がある。更に、滅菌された固定油が溶媒又は懸濁媒体として従来より使用されている。この目的においては、合成モノ又はジグリセリドを含めた何れの銘柄の固定油を使用してもよい。更に、オレイン酸のような脂肪酸が注射用調製品で使用される。
【0210】
注射用製剤は例えば細菌保持フィルターを通した濾過により、又は使用前に滅菌水又は他の滅菌注射用媒体中に溶解又は分散することができる滅菌固体組成物の形態の滅菌剤を配合することにより、滅菌することができる。
【0211】
本発明の化合物の効果を延長させるためには、皮下又は筋肉内注射からの化合物の吸収を緩徐化することが望ましい場合が多い。これは水溶性の低い結晶性又は不定形の物質の液体懸濁液の使用により達成される場合がある。その場合、化合物の吸収速度はその溶解の速度に依存し、溶解速度は結晶の大きさ及び結晶型に依存する。或いは、非経腸投与化合物形態の遅延吸収は油脂ビヒクル中に化合物を溶解又は懸濁することにより達成される。蓄積注射形態はポリラクチド−ポリグリコリドのような生体分解性重合体に化合物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより作成する。化合物の重合体に対する比及び使用する特定の重合体の性質に応じて、化合物放出速度を制御できる。他の生体分解性重合体の例には、ポリ(オルトエステル)及びポリ(無水物)が含まれる。蓄積注射製剤は又、生体組織と適合性であるリポソーム又はマイクロエマルジョン中に化合物を捕獲させることにより調製される。
【0212】
直腸又は膣内投与のための組成物は好ましくは、室温では固体であるが体温では液体となり、このため直腸又は膣腔内で溶融し、活性化合物を放出するカカオ脂、ポリエチレングリコール又は坐剤用ワックスのような好適な非刺激性の賦形剤又は担体と本発明の化合物を混合させることにより調製できる坐剤である。
【0213】
経口投与用の固体剤型には、カプセル、錠剤、丸薬、粉末及び顆粒が含まれる。このような固体剤型において、活性化合物は少なくとも1つの不活性の薬学的に許容される賦形剤又は担体、例えばクエン酸ナトリウム又はリン酸2カルシウム、及び/又は、a)充填剤又は増量剤、例えば澱粉、乳糖、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸、b)バインダー、例えばカルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアカシア、c)保湿剤、例えばグリセロール、d)錠剤崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ポテト又はタピオカスターチ、アルギン酸、特定のケイ酸塩及び炭酸ナトリウム、e)溶解遅延剤、例えばパラフィン、f)吸収加速剤、例えば第4アンモニウム化合物、g)水和剤、例えばセチルアルコール及びグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、例えばカオリン及びベントナイト粘土、及びi)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム及びこれらの混合物と混合させる。カプセル、錠剤及び丸薬の場合、剤型は又緩衝剤を含む場合がある。
【0214】
同様の型の固体組成物は又、乳糖又はミルクシュガーのような賦形剤並びに高分子量ポリエチレングリコール等を使用するソフトと及びハード型の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用される場合がある。錠剤、ドラジェ剤、カプセル、丸薬及び顆粒固体剤型はコーティング及びシェル材、例えば腸溶性コーティング及び製薬の当該技術分野で周知の他のコーティングを使用して調製できる。それらは場合により不透明化剤を含有する場合があり、又場合により遅延された態様において腸管の特定の部分にてのみ、或いは優先的に活性成分を放出する組成物であることもできる。使用できる包埋組成物の例には、重合性物質及びワックスが含まれる。同様の型の固体組成物は又、乳糖又はミルクシュガーのような賦形剤並びに高分子量ポリエチレングリコール等を使用するソフトと及びハード型の充填ゼラチンカプセル中の充填剤として使用される場合がある。
【0215】
活性化合物は又前述の賦形剤1つ以上と共にマイクロカプセル型となることもできる。錠剤、ドラジェ剤、カプセル、丸薬及び顆粒固体剤型はコーティング及びシェル材、例えば腸溶性コーティング、放出制御コーティング及び製薬の当該技術分野で周知の他のコーティングを使用して調製できる。このような固体剤型において、活性化合物はスクロース、乳糖又は澱粉のような少なくとも1つの不活性希釈剤と混合される場合があるこのような剤型は又、通常の慣行通り、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば錠剤成型用潤滑剤及び他の錠剤化補助剤、例えばステアリン酸マグネシウム及び微結晶セルロースを含む場合がある。カプセル、錠剤及び丸薬の場合、剤型は又緩衝剤も含む場合がある。それらは場合により不透明化剤を含有する場合があり、又場合により遅延された態様において腸管の特定の部分にてのみ、或いは優先的に活性成分を放出する組成物であることもできる。使用できる包埋組成物の例には、重合性物質及びワックスが含まれる。
【0216】
本発明の化合物の局所又は経皮投与のための剤型には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤又はパッチが含まれる。活性化合物は滅菌条件下、薬学的に許容される担体及び何れかの必要な保存料又は必要に応じて緩衝剤と共に混合させる。眼科用製剤、点耳剤及び点眼剤も又本発明の適用範囲に含まれる。更に、本発明は身体への化合物の制御された送達を行うという更なる利点を有する経皮パッチの使用を意図している。このような剤型は適切な媒体中に化合物を溶解又は分注することにより調製される。吸収増強剤も又皮膚を通過する化合物の流束を増大させるために使用できる。速度は速度制御膜を設けるか、又は重合体マトリックス又はゲル中に化合物を分散させることにより制御できる。
【0217】
上に概説した通り、本発明の化合物は電圧ゲート性ナトリウムイオンチャネル又はカルシウムチャネル、好ましくはN型カルシウムチャネルの阻害剤として有用である。一実施形態において、本発明の化合物及び組成物はNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9又はCaV2.2の1つ以上の阻害剤であり、即ち、如何なる理論にも制約されないが、化合物及び組成物は、NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9又はCaV2.2の1つ以上の活性化又は過剰活性が疾患、状態及び障害に関与しているとされる疾患、状態及び障害の処置又は重症度低下のために特に有用である。NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9又はCaV2.2の活性化又は過剰活性が特定の疾患、状態及び障害に関与している場合、疾患、状態及び障害は又「NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8又はNaV1.9媒介の疾患、状態及び障害」又は「CaV2.2媒介の状態又は障害」とも称する。従って、別の態様において、本発明はNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9又はCaV2.2の1つ以上の活性化又は過剰活性が疾患状態に関与しているとされる疾患、状態及び障害の処置又は重症度低下のための方法を提供する。
【0218】
NaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9又はCaV2.2の阻害剤として本発明で使用される化合物の活性は、本明細書の実施例に概説する方法に従って、又は当該技術分野で既知の方法に従って試験される場合がある。
【0219】
特定の例示的実施形態において、本発明の化合物はNaV1.8の阻害剤として有用である。別の実施形態において、本発明の化合物はNaV1.8及びCaV2.2の阻害剤として有用である。更に別の実施形態において、本発明の化合物はCaV2.2の阻害剤として有用である。更に別の実施形態において、本発明の化合物はNaV1.8およびTTX感受性イオンチャネル(例えばNav1.3またはNav1.7)の二重阻害剤として有用である。
【0220】
本発明の化合物及び薬学的に許容される組成物は複合療法で使用されてもよく、即ち、化合物及び薬学的に許容される組成物は別の望ましい治療薬又は医療手技の1つ以上と同時又はその前後に投与できることも理解されるであろう。複合用法において使用する療法(治療薬又は処置)の特定の組み合わせは所望の治療薬及び/又は処置の敵愚生及び達成する所望の治療効果を考慮したものとなる。使用する治療薬が同じ障害に所望の効果を達成する場合もあれば(例えば、本発明の化合物は同じ障害の処置に使用する別の薬剤と同時に投与される場合がある)、それらが異なる効果(例えば、何れかの有害作用の制御)を達成する場合もあることも理解されるであろう。本明細書において、特定の疾患又は状態を処置又は防止するために通常投与される追加の治療薬は「処置する疾患又は状態に対して適切である」ものとして知られている。例えば、更なる例示的な治療薬には、非オピオイド鎮痛剤(インドール類、例えばエトドラック、インドメタシン、スリンダック、トルメチン;ナフチルアルカン類、例えばナブメトン;オキシカム類、例えばピロキシカム;パラアミノフェノール誘導体、例えばアセトアミノフェン;プロピオン酸、例えばフェノプロフェン、フルビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン;サリシレート類、例えばアスピリン、コリンマグネシウムトリサリシレート、ジフルニサル;フェナメート類、例えばメクロフェナミン酸、メフェナミン酸;及びピラゾール類、例えばフェニルブタゾン);又はオピオイド(麻薬性物質)アゴニスト(例えばコデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、レボルファノール、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルホン、プロポキシフェン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、デゾシン、ナルブフィン及びペンタゾシン)が含まれるが、これらに限定されない。更に、非薬剤鎮痛法も本発明の化合物1つ以上の投与と共に利用される場合がある。例えば痛覚脱失的(脊髄内注入、神経阻害)、神経外科的(CNS経路の神経剥離)、神経刺激的(経皮電気神経刺激、後柱刺激)、理学療法的(理学療法、歯科矯正器具、ジアテルミー)又は心理学的(認知法−嗜眠、バイオフィードバック又は行動学的方法)な方法も利用される場合がある。追加の適切な治療薬又は手法については、全文が参考として本明細書に組み入れられている、The Merck Manual, Seventeenth Edition, Ed. Mark H. Beers and Robert Berkow, Merck Resarch Laboratories, 1999;及び食品医薬品局のウェブサイト(www.fda.gov)に概説されている。
【0221】
本発明の組成物中に存在する追加の治療薬の量は唯一の活性剤としての治療薬を含む組成物中で通常投与される量を超えないものとなる。好ましくは、本開示の組成物中の追加の治療薬の量は唯一の治療活性剤としてその薬剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%〜100%となる。
【0222】
本発明の化合物又はその薬学的に許容される組成物はプロテーゼ、人工弁、血管グラフト、ステント及びカテーテルのような植込み型医療用デバイスをコーティングするための組成物中に配合してもよい。従って、別の態様において、本発明には、上に概説した、本明細書に記載のクラス及びサブクラスの本発明の化合物、及び植込み型デバイスをコーティングするための好適な担体を含む、該植込み型デバイスをコーティングするための組成物が含まれる。更に別の態様において、本発明には、上に概説した、本明細書に記載のクラス及びサブクラスの本発明の化合物、及び植込み型デバイスをコーティングするための好適な担体を含む組成物でコーティングされた該植込み型デバイスが含まれる。好適なコーティング及びコーティングされた植込み型デバイスの一般的製造については、米国特許第6,099,562号;第5,886,026号;及び第5,304,121号に記載されている。コーティングは一般的に生体適合性の重合体物質、例えばヒドロゲル重合体、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ酪酸、エチレンビニルアセテート及びこれらの混合物である。コーティングは場合により、組成物に制御された放出特性を付与するために、フルオロシリコン、多糖類、ポリエチレングリコール、リン脂質又はこれらの組み合わせの好適なトップコートで更に被覆される場合がある。
【0223】
本発明の別の態様は生物学的試料又は患者におけるNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9又はCaV2.2活性1つ以上を阻害することに関し、その方法は化学式Iの化合物又は該化合物を含む組成物を患者に投与すること、又はそれに該生物学的試料を接触させることを含む。本明細書で使用される「生物学的試料」という用語には、細胞培養物又はその抽出物;哺乳類から得た生検材料又はその抽出液;及び血液、唾液、尿、糞、精液、涙液又は他の体液又はその抽出液が含まれるが、これらに限定されない。
【0224】
生物学的試料中のNaV1.1、NaV1.2、NaV1.3、NaV1.4、NaV1.5、NaV1.6、NaV1.7、NaV1.8、NaV1.9又はCaV2.2活性の1つ以上の阻害は、当該技術分野で既知の種々の目的のために有用である。このような目的の例には、生物学的及び病理学的な現象におけるナトリウムイオンチャネルの研究;及び新しいナトリウムイオンチャネル阻害剤の比較評価が含まれるが、これらに限定されない。
【0225】
本明細書に記載する本発明がより深く理解されるようにするため、以下の実施例を記載する。これらの実施例は単に説明を目的としたものであり、本発明を限定するものとは決して見なされないことを理解しなければならない。
【実施例】
【0226】
(R)−1−(4−(6−ブロモピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシ−4−メチルペンタン−1−オン(1a)
【0227】
【化58】

ジオキサン25mL中の2−ブロモ−6−フルオロピリジン(0.44g、2.5mmol)及び(R)−2−ヒドロキシ−4−メチル−1−(ピペラジン−1−イル)ペンタン−1−オン(0.47g、2.5mmol)を、N下で16時間加熱還流した。溶媒を減圧蒸発させ、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO、MeOH/CHCl)によって精製して、無色油状物(0.38g、44%収率)として1aを得た。LCMS: m/z 356.1(M+H) 3.02分(10%〜99% CHCN/HO)、(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。
【0228】
(R)−2−ヒドロキシ−1−(4−(6−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)−4−メチルペンタン−1−オン(4)
【0229】
【化59】

2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−フェノール(25μL、120μmol)、1a(36mg、100μmol)、Pd(PhP)(12mg、10μmol)、KCO(28mg、200μmol)、CHCN(900μL)、及びHO(100μL)を、マイクロ波容器に密封し、120℃で15分間マイクロ波照射によって加熱した。反応物を濾過し、逆相HPLCによって精製して4を得た(10%〜99% CHCN/HO)、(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。
LCMS: m/z 370.1(M+H) 2.89分(10%〜99% CHCN/HO)、(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。
【0230】
イソブチル4−(2−クロロピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(3a)
【0231】
【化60−1】

乾燥トルエン(5mL)中の、4−ブロモ−2−クロロピリジン(125mg、0.65mmol)、イソブチルピペラジン−1−カルボキシレート(93mg、0.5mmol)、Pd(dba)(10mg、10μmol)、t−BuONa(72mg、0.75mmol)、及びXantphos(17mg、30μmol)を、マイクロ波容器に密封し、150℃で15分間マイクロ波照射によって加熱した。反応物をEtOAcで希釈し、水で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(SiO、MeOH/CHCl)によって精製し、黄褐色油状物として3aを得た(94mg、63%収率)。LCMS: m/z 298.5(M+H) 1.93分(10%〜99% CHCN/HO)、(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。
【0232】
イソブチル4−(2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボキシレート(1)
【0233】
【化60−2】

2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−フェノール(25μL、120μmol)、3a(30mg、100μmol)、Pd(PhP)(12mg、10μmol)、KCO(28mg、200μmol)、CHCN(900μL)、及びHO(100μL)を、マイクロ波容器に密封し、120℃で15分間マイクロ波照射によって加熱した。反応物を濾過し、逆相HPLCによって精製して化合物1を得た(10%〜99% CHCN/HO)、(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。LCMS: m/z 356.1(M+H) 2.24分(10%〜99% CHCN/HO)、(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。
【0234】
2−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−フェノール(5a)
【0235】
【化61−1】

トルエン:水(5:0.5mL)中の、4−ブロモ−2−クロロピリジン(310mg、1.6mmol)、531mg(2.4mmol)の2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェノール、10.8mg(0.016mmol)のPd(OAc)、710mg(3.3mmol)のKPO、及びXantphos[9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン](18.6mg、0.032mmol)を、マイクロ波容器に密封し、100℃で2分間マイクロ波照射によって加熱した。反応混合物を冷却し、10mLのCHClで希釈し、水(5mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、減圧蒸発させた。残渣をDMSOに溶解し、逆相HPLC(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))によって精製して5aを得た。LC/MS: m/z 206.1(M+H)、室温(保持時間)=2.86分(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。
【0236】
イソブチル−4−[4’−(2−ヒドロキシフェニル)−ピリジン−2’−イル]−ピペラジン−1−カルボキシレート(5)
【0237】
【化61−2】

イソブチルピペラジン−1−カルボキシレート(153mg、0.82mmol)、2−(2−クロロ−ピリジン−4−イル)−フェノール(130mg、0.63mmol)、Pd(dba)(12mg、13μmol)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(22mg、38μmol)、KCO(174mg、1.26mmol)、及びトルエン(2.1mL)を、マイクロ波容器に密封し、140℃で3分間マイクロ波照射によって加熱した。反応物を濾過し、溶媒を減圧蒸発させた。残渣をDMSOに溶解し、逆相HPLC(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))によって精製して、5を得た。LC/MS: m/z 356.2(M+H) 2.49分(10%〜99% CHCN(0.035%TFA)/HO(0.05%TFA))。
【0238】
本発明の代表的な化合物の分析データを、以下の表3に示す。
【0239】
【表3】

化合物のNaV阻害特性を検出及び測定するための試験
化合物のNaV阻害特性を試験するための光学的方法
本発明の化合物は、電圧ゲート性ナトリウムイオンチャネルの拮抗剤として有用である。被験化合物の拮抗剤特性を以下の通り試験した。対象となるNaVを発現する細胞をマイクロプレートに入れ、インキュベーション期間の後、細胞を膜貫通電位感受性蛍光色素で染色した。被験化合物をマイクロタイタープレートに添加し、細胞を化学的又は電気的な手段で刺激することにより、未阻害チャネルからNaV依存性膜電位変化を誘発させ、これを膜貫通電位感受性色素を使用して検出し、測定した。拮抗剤は刺激に対する膜電位応答の低下として検出された。光学的膜電位試験では、Gonzalez及びTsierが解説する電圧感受性FRETセンサー(Gonzalez, J.E. and R.Y. Tsien (1995) “Voltage sensing by fluorescence resonance energy transfer in single cells” Biophys J 69(4):1272−80;及びGonzalez, J.E. and R.Y. Tsien (1997) “Improved indicators of cell membrane potential that use fluorescence resonance energy transfer” Chem Biol 4(4):269−77を参照)を、蛍光変化を測定する機器、例えば電圧/イオンプローブリーダー(VIPR(登録商標))(Gonzalez, J.E., K. Oades, et al., (1999) “Cell−based assays and instrumentation for screening ion−channel targets” Drug Discov Today 4(9):431−439を参照)と組み合わせて使用した。
【0240】
B)化学的刺激によるVIPR(登録商標)光学的膜電位試験法
細胞の取扱い及び色素の投入
VIPRによる試験の24時間前に、NaV1.2型の電圧ゲート性NaVを内因性に発現するCHO細胞を、96ウェルのポリリジンコーティングプレートにウェル当たり60,000個の細胞密度で播種する。その他のサブタイプは、対象となるNaVを発現する細胞系統において類似の様式で実施する。
1)試験当日、培地を吸引し、細胞を225μLの浴溶液2(BS#2)で2回洗浄する。
2)5mMのクマリン保存溶液を10%のプルロニック127と1:1の比率で混合した後、混合物を適切な容量のBS#2に溶解することにより、15uMのCC2−DMPE溶液を調製する。
3)浴溶液を96ウェルプレートから除去した後、細胞にCC2−DMPE溶液80μLを投入する。プレートを室温にて30分間暗所にてインキュベートする。
4)細胞をクマリンで染色する間に、BS#2中のオキソノール溶液15μLを調製する。DiSBAC(3)に加えて、この溶液は、0.73mMのABSC1及び30μLのベラトリジン(10mMのEtOH保存液から調製、Sigma No.V−5754)を含有すること。
5)30分後、CD−DMPEを除去し、細胞を225μLのBS#2で2回洗浄する。前回と同様、残存容量は40μLになること。
6)浴を取り外したら、細胞に80μLのDiSBAC(3)溶液を投入し、その後薬剤添加プレートの各ウェルに所望の試験濃度が達成されるまで、DMSOに溶解した被験化合物を添加し、十分混合させる。ウェルの容量は概ね121μLになるようにすること。次に細胞を20〜30分間インキュベートする。
7)インキュベーションが終了すると、細胞はナトリウム再添加プロトコルを使用してVIPR(登録商標)により試験できる状態となる。120mLの浴溶液1を添加することにより、NaV依存性脱分極を刺激する。200μLのテトラカインをNaVチャネル阻害の拮抗剤陽性対照として使用した。
【0241】
VIPR(登録商標)データの分析
データを分析し、460nm及び580nmのチャネルにおいて測定したバックグラウンド差し引き発光強度の標準化比として報告する。次にバックグラウンド強度を各試験チャネルから差し引く。バックグラウンド強度は無細胞の同様に投与した試験ウェル由来の同じ時間の発光強度を測定することにより得られる。次に時間の関数としての応答を以下の式を使用して得られた比として報告する。
【0242】
【化64−1】

データは更に初期(Ri)及び最終(Rf)の比を計算することにより換算される。刺激前の期間の一部又は前部の間、及び刺激期間のサンプリング時点の間の平均の比の値が存在する。次に刺激への応答R=Rf/Riを計算する。Na再添加分析時間ウインドウについては、ベースラインは2〜7秒であり、最終応答は15〜24秒でサンプリングする。
【0243】
対照応答はテトラカインのような所望の特性を有する化合物の存在下(陽性対照)、及び薬理学的物質の非存在下(陰性対照)において試験を実施することにより得られる。陰性(N)及び陽性(P)対照に対する応答は上記の通り計算する。化合物の拮抗剤活性Aは以下の通り定義される。
【0244】
【化64−2】

式中、Rは被験化合物の比応答である。
溶液[mM]
浴溶液1: NaCl160、KCl4.5、CaCl2、MgCl1、HEPES10、NaOHによりpH7.4。
浴溶液2: TMA−Cl160、CaCl0.1、MgCl1、HEPES10、KOHによりpH7.4(最終K濃度約5mM)
CC2−DMPE: DMSO中5mMの保存溶液として調製し、−20℃で保存。
DiSBAC(3): DMSO中12mMの保存溶液として調製し、−20℃で保存。
ABSC1: 水中200mMの保存溶液として調製し、室温にて保存。
【0245】
細胞培養
CHO細胞は、10%PBS(ウシ胎児血清、検定済み;GibcoBRL No.16140−071))及び1%Pen−Strep(ペニシリン−ストレプトマイシン;GibcoBRL No.15140−122)を添加したDMEM(ダルベッコ変性イーグル培地;GibcoBRL No.10569−010)中で生育させる。細胞は換気したカップフラスコ中、90%湿度及び10%CO2の下に100%コンフルエントとなるまで生育させる。通常はトリプシン処理により日程の必要性に応じて1:10又は1:20にスプリットし、次のスプリットまで2〜3日生育させる。
【0246】
C)電気的刺激によるVIPR(登録商標)光学的膜電位試験法
NaV1.3阻害活性を光学的膜電位法2を使用してどのようにして測定するかを以下に例示する。他のサブタイプは対象となるNaVを発現する細胞系統において類似の様式で実施する。
【0247】
NaV1.3を安定に発現するHEK293細胞を96ウェルのマイクロプレートにプレーティングする。適切なインキュベーション期間の後、細胞を電圧感受性色素CC2−DMPE/DiSBAC(3)を使用して以下の通り染色する。
【0248】
試薬:
100mg/mLプルロニックF−127(Sigma No.P2443)、乾燥DMSO中
10mMDiSBAC(3)(Aurora No.00−100−010)、乾燥DMSO中
10mMCC2−DMPE(Aurora No.00−100−008)、乾燥DMSO中
200 mM ABSC1、HO中
Hankバランス塩溶液(Hyclone No.SH30268.02)、10mMHEPES(Gibco No.15630−080)添加
投入プロトコル
2倍CC2−DMPE=20μM CC2−DMPE:10mM CC2−DMPEを等容量の10%プルロニックと回転混合し、その後10mM HEPES含有HBSS必要量中で回転混合させる。各細胞プレートは5mLの2倍CC2−DMPEを要することになる。50μLの2倍CC2−DMPEを洗浄細胞含有ウェルに添加し、10μMの最終染色濃度とする。細胞をRT暗所で30分間染色する。
【0249】
2倍DISBAC2(3)+ABSC1=6μMDISBAC2(3)及び1mMABSC1:必要量の10mM DISBAC2(3)を50mLのコニカル試験官に添加し、作成する溶液の各mL当たり10%プルロニック1μLと混合し、回転混合させる。次にHBSS/HEPESを添加して2倍溶液を作成する。最後にABSC1を添加する。
【0250】
2倍DiSBAC(3)溶液を化合物プレートの溶媒和に使用できる。化合物プレートは2倍薬剤濃度に作成することに留意する。染色されたプレートを再度洗浄し、残存容量を50μLとする。50μL/ウェルの2倍DiSBAC(3)w/ABSC1を添加する。RT暗所で30分間染色する。
【0251】
電気的刺激の機器及び使用方法は、参考として本明細書に組み入れられているION Channel Assay Methods PCT/US01/21652に記載されている。機器は、マイクロプレートハンドラー、クマリン色素を励起させると同時にクマリンとオキソノールの発光を記録するための光学系、波形発生器、電流又は電圧制御型の増幅器、及びウェルに電極を挿入するための機器を含む。統合型のコンピュータ制御下で、この機器は、ユーザーによりプログラムされた電気刺激プロトコルを、マイクロプレートのウェル内の細胞に通す。
【0252】
試薬
試験緩衝液1
140mMNaCl、4.5mMKCl、2mMCaCl、1mMMgCl、10mMHEPES、10mMグルコース、pH7.40、330mOsm
プルロニック保存溶液(1000倍):100mg/mLプルロニック127、乾燥DMSO中
オキソノール保存溶液(3333倍):10mMDiSBAC(3)、乾燥DMSO中
クマリン保存溶液(1000倍):10mMCC2−DMPE、乾燥DMSO中
ABSC1保存溶液(400倍):200mMABSC1、水中
試験プロトコル
1.試験する各ウェル内に電極を挿入又は使用する。
2.電流制御型増幅器を使用して刺激パルスを3秒間送達する。2秒間の刺激前記録を行うことにより未刺激強度を得る。5秒間の刺激後記録を行うことにより休止状態までの緩和を調べる。
【0253】
データ分析
データを分析し、460nm及び580nmのチャネルにおいて測定したバックグラウンド差し引き発光強度の標準化比として報告する。次にバックグラウンド強度を各試験チャネルから差し引く。バックグラウンド強度は無細胞の同様に投与した試験ウェル由来の同じ時間の発光強度を測定することにより得られる。次に時間の関数としての応答を以下の式を使用して得られた比として報告する。
【0254】
【化67−1】

データは更に初期(Ri)及び最終(Rf)の比を計算することにより換算される。刺激前の期間の一部又は前部の間、及び刺激期間のサンプリング時点の間の平均の比の値が存在する。次に刺激への応答R=Rf/Riを計算する。
【0255】
対照応答はテトラカインのような所望の特性を有する化合物の存在下(陽性対照)、及び薬理学的物質の非存在下(陰性対照)において試験を実施することにより得られる。陰性(N)及び陽性(P)対照に対する応答は上記の通り計算する。化合物の拮抗剤活性Aは以下の通り定義される。
【0256】
【化67−2】

式中、Rは被験化合物の比応答である。
【0257】
被験化合物のNaV活性及び阻害に関する電気生理学的試験
パッチクランプ電気生理学的検討を使用して脊髄神経節ニューロンにおけるナトリウムチャネルブロッカーの薬効及び選択性を試験した。ラットニューロンを脊髄神経節から単離し、NGF(50ng/mL)の存在下で2〜10日間培養維持した(培地はB27、グルタミン及び抗生物質を添加したNeurobasalAからなるものとした)。小径ノニューロン(侵害受容器、直径8〜12μm)は目視により発見され、増幅器に接続した微細尖端ガラス電極でプローブされている(Axon Instrument)。「電圧クランプ」モードを使用して細胞を−60mVに維持しながら化合物のIC50を調べている。更に、「電流クランプ」モードも使用することにより電流の注入に応答した活動電位発生の阻害における化合物の薬効を試験している。これらの実験の結果は化合物の薬効のプロファイルの定義に寄与している。
【0258】
DRGニューロンにおける電圧クランプ試験
TTX耐性ナトリウム電流はパッチクランプ技法の全細胞変法を使用してDRG体から記録した。記録はAxopatch200B増幅器(Axon Instrument)を用いながら厚壁ホウケイ酸ガラス電極(WPI、抵抗3〜4MΩ)により室温(〜22℃)において行った。全細胞の配置を明確化した後、ピペット溶液を細胞内部で平衡化するために約15分おいた後に記録を開始した。電流は2〜5kHzの間でローパスフィルター処理し、10kHzでデジタルサンプリングした。シリーズの抵抗は60〜70%補償し、実験中を通じて連続的にモニタリングした。細胞内ピペット溶液と外部記録溶液との間の液体接合部の電位(〜7mV)はデータ分析では考慮しなかった。重力駆動型高速灌流システム(SF−77、Warner Instrument)により被験溶液を細胞に適用した。
【0259】
用量−応答関係は60秒毎に一回+10mVの試験電位となるまで実験特異的保持電位から細胞を反復して脱分極させることに異より電圧クランプモードにおいて測定した。ブロッキング作用を定常状態に至らしめた後に次の試験濃度に進行した。
【0260】
溶液
細胞内溶液(mM単位):Cs−F(130)、NaCl(10)、MgCl(1)、EGTA(1.5)、CaCl(0.1)、HEPES(10)、グルコース(2)、pH=7.42、290 mOsm。
【0261】
細胞外溶液(mM単位):NaCl(138)、CaCl(1.26)、KCl(5.33)、KHPO(0.44)、MgCl(0.5)、MgSO(0.41)、NaHCO(4)、NaHPO(0.3)、グルコース(5.6)、HEPES(10)、CdCl(0.4)、NiCl(0.1)、TTX(0.25×10−3)。
【0262】
化合物のNaVチャネル阻害活性に関する電流クランプ試験
細胞をMultiplamp700A増幅器(Axon Inst)を使用して全細胞配置にて電流クランプした。ホウケイ酸ピペット(4〜5MΩ)に以下の組成(mM単位):150K−グルコネート、10NaCl、0.1EGTA、10Hepes、2MgCl(KOHでpH 7.34にまで緩衝)を充填した。細胞を以下の組成(mM単位):140NaCl、3KCl、1MgCl、1CaClの浴に浸積した。ピペット電位をゼロとした後にシール形成し;液体接合部電圧は獲得中補正しなかった。記録は室温にて行った。
【0263】
NaV1.8チャネルに対する本発明の選択された化合物の活性を表4において以下の通り示す。表4において、符号は以下の意味を有する。
「+++」は<10μMを意味し;「++」は10μM〜15μMを意味し;そして「+」は>15μMを意味し;「ND」はデータ無しを意味する。
【0264】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の化学式IA、化学式IB、化学式IC又は化学式IDの化合物であって:
【化70】

式中:
Wは、OR’、SR’、N(R’)、CHF又はCHFであり;
及びRは、それらが結合する窒素原子と一緒になって、窒素、硫黄又は酸素から独立して選択される0〜3個の追加のへテロ原子を有する場合により置換される3〜8員の単環式飽和又は部分不飽和環を形成し;R及びRが一緒になって形成する環はそれぞれ、場合により且つ独立して、1つ以上の置換可能な炭素、窒素又は硫黄原子において、z個の独立した−Rで置換され、zは0〜5であり;
yは0〜5であり;
3aは、水素又はX−Rであり、式中、XはC−Cアルキリデン鎖であり、ピリジニル環に直接結合している炭素原子を除いたXの2個までの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−によって置換され;Rは、−R’、=O、=NR’、ハロゲン、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’,−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して択され;
各R3b、R3c、R及びRは独立してQ−Rであり;Qは、結合、又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2個までの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−によって置換され;各Rは、−R’、ハロゲン、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’,−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
各Rは独立して、水素又は場合により置換されるC1−6脂肪族基であり;
各R’は独立して、水素;又は場合により置換されるC1−6脂肪族基;窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜3個のへテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式環;又は窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜5個のへテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の二環式環系であり;或いはR及びR’、2個のR、又は2個のR’は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式又は二環式環を形成するが;
但し:
i) 化学式I−Dにおいて、R3a、R3b及びR3cが水素であり、且つR及びRが窒素原子と一緒になって4−モルホリニル環を形成する場合、WはSR’(式中、R’はメチル又は1H−ベンズイミダゾール−2−イルである)でないものとし;
ii) 化学式I−Aにおいて、R3a、R3b及びR3cが水素であり、且つR及びRが窒素原子と一緒になって4−モルホリニル環を形成する場合、Wは、R及びフェニル環と一緒になって、
【化72−1】

でないものとし;
iii) 化学式I−Bにおいて、yが0であり、R3a及びR3bが何れも水素であり、且つR及びRが一緒になって4−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−ピロリジン−1−イルを形成する場合、R3cは−NRCO−R又は−NRCOR’でないものとする、
化合物;或いはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
及びRが一緒になって、以下のアゼチジニル環:
【化72−2】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
及びRが一緒になって、以下のピロリジニル環:
【化72−3】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
及びRが一緒になって、以下のピペリジニル環:
【化72−4】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
及びRが一緒になって、以下のピペラジニル環:
【化73−1】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
及びRが一緒になって、以下のモルホリニル環:
【化73−2】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
及びRが一緒になって、以下のチオモルホリニル環:
【化73−3】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
及びRが一緒になって、以下のアゼパニル環:
【化73−4】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
及びRが一緒になって、以下のアゾカニル環:
【化73−5】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
及びRが一緒になって、以下の環(ii)又は(jj):
【化74】

[式中、
は、−N−、−CH−NH−、又は−CH−CH−NH−であり;
及びnはそれぞれ独立して0〜3であるが、但し、m+nは2〜6であるものとし;
は0〜2であり;
zは0〜4であり;
各RXXは、水素;C1−6脂肪族基;窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜3個のへテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式環;又は窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜5個のへテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の二環式環系であり;RXXは、w個の独立した−R11によって場合により置換され、wは0〜3であるが;
但し、両方のRXXが同時に水素でないものとし;
YYは、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’、又は−PO(R’)であり;
各R11は独立してQ−Rであり;Qは、結合、又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2個までの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−によって置換され;各Rは、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’,−P(O)OR’、−PO(R’)、又は−OPO(R’)から独立して選択され;
各Rは独立して、水素又は3個までの置換基を有するC1−6脂肪族基であり;各R’は独立して、水素;又はC1−6脂肪族基;窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜3個のへテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式環;又は窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜5個のへテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の二環式環系であり;R’は4個までの置換基を有し;或いはR及びR’、2個のR、又は2個のR’が、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式又は二環式環を形成する]
を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
一方のRXXが水素であり、他方のRXXが水素でない、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
両方のRXXが水素でない、請求項10に記載の化合物。
【請求項13】
が0である、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
が1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項15】
が2である、請求項10に記載の化合物。
【請求項16】
及びnがそれぞれ1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項17】
及びnがそれぞれ2である、請求項10に記載の化合物。
【請求項18】
及びnがそれぞれ3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項19】
XXがC1−6脂肪族基であり、RXXが、w個の独立した−R11によって場合により置換され、wが0〜3である、請求項10〜18の何れか1項に記載の化合物。
【請求項20】
XXが、w個の独立した−R11によって場合により置換されるC−Cアルキル基であり、wが0〜3である、請求項10〜19の何れか1項に記載の化合物。
【請求項21】
XXがC−Cアルキル基である、請求項10〜20の何れか1項に記載の化合物。
【請求項22】
XXが、窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜3個のへテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式環;又は窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜5個のへテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の二環式環系であり;RXXが、w個の独立した−R11によって場合により置換され、wが0〜3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項23】
XXが、窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜3個のへテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式環であり;RXXが、w個の独立した−R11によって場合により置換され、wが0〜3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項24】
XXが、窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜5個のへテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の二環式環系であり;RXXが、w個の独立した−R11によって場合により置換され、wが0〜3である、請求項10に記載の化合物。
【請求項25】
YYが、水素、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’、又は−PO(R’)である、請求項10〜24の何れか1項に記載の化合物。
【請求項26】
YYが水素である、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
YYが、−COR’、−COR’、−CON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−P(O)(OR’)、−P(O)OR’、又は−PO(R’)である、請求項25に記載の化合物。
【請求項28】
Rが水素である、請求項10〜27の何れか1項に記載の化合物。
【請求項29】
RがC−Cアルキルである、請求項10〜27の何れか1項に記載の化合物。
【請求項30】
Rがメチル、エチル、プロピル又はブチルである、請求項10〜27の何れか1項に記載の化合物。
【請求項31】
YYが水素であり、一方のRXXが水素であり、他方のRXXがC−Cアルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項32】
が0であり、RYYが水素であり、一方のRXXが水素であり、他方のRXXがC−Cアルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項33】
YYが水素であり、一方のRXXが水素であり、他方のRXXがC−Cアルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項34】
が0であり、RYYが水素であり、一方のRXXが水素であり、他方のRXXがC−Cアルキルである、請求項10に記載の化合物。
【請求項35】
及びRが一緒になって以下の環:
【化78−1】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
XXがC−Cアルキルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項37】
XXが、メチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル又はt−ブチルである、請求項35に記載の化合物。
【請求項38】
及びRが一緒になって、以下の環(kk):
【化78−2】

[式中:
は−N−又はCHであり;
及びnはそれぞれ独立して0〜3であるが、但し、m+nは2〜6であるものとし;
は0〜2であるが、但し、GがNである時、pは0でないものとし;
は0又は1であり;
zは0〜4であり;
Spは、結合又はC−Cアルキリデンリンカーであり、2個までのメチレン単位は、場合により且つ独立して、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’−、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO−、−SO−、−NR’−、−SONR’−、−NR’SO−、又は−NR’SONR’−によって置換され;
環Bは、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜8員の飽和、部分不飽和又は芳香族の単環式複素環であって、該環Bは、w個の独立した−R12によって場合により置換され、wは0〜4であり;
各R12は独立してQ−Rであり;Qは、結合又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2個までの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−によって置換され;各Rは、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’,−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
各Rは独立して水素、又は3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;各R’は独立して水素;又はC1〜6脂肪族基;窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜3個のへテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式環;又は窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜5個のへテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の二環式環系であり、R’は4個までの置換基を有し;或いはR及びR’、2個のR、又は2個のR’は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式又は二環式環を形成する]
を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
がNである、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
がCHである、請求項38に記載の化合物。
【請求項41】
が0である、請求項38〜40の何れか1項に記載の化合物。
【請求項42】
が1である、請求項38〜40の何れか1項に記載の化合物。
【請求項43】
が2である、請求項38〜40の何れか1項に記載の化合物。
【請求項44】
が0である、請求項38〜43の何れか1項に記載の化合物。
【請求項45】
が1である、請求項38〜43の何れか1項に記載の化合物。
【請求項46】
が1であり、qが1である、請求項38に記載の化合物。
【請求項47】
がCHであり、pが0であり、qが1である、請求項38に記載の化合物。
【請求項48】
及びnがそれぞれ1である、請求項38に記載の化合物。
【請求項49】
及びnがそれぞれ2である、請求項38〜48の何れか1項に記載の化合物。
【請求項50】
Spが、−O−、−S−又は−NR’−から選択される、請求項38〜49の何れか1項に記載の化合物。
【請求項51】
Spが−O−である、請求項38〜50の何れか1項に記載の化合物。
【請求項52】
Spが−NR’−である、請求項38〜50の何れか1項に記載の化合物。
【請求項53】
Spが−NH−である、請求項38〜50の何れか1項に記載の化合物。
【請求項54】
環Bが、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜8員の飽和、部分不飽和又は芳香族の単環式複素環であって、該環Bが、w個の独立した−R12によって場合により置換され、wが0〜4である、請求項38〜53の何れか1項に記載の化合物。
【請求項55】
環Bが、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜8員の飽和単環式複素環であって、該環Bが、w個の独立した−R12によって場合により置換され、wが0〜4である、請求項38〜54の何れか1項に記載の化合物。
【請求項56】
環Bが、O、S又はNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和単環式複素環であって、該環Bが、w個の独立した−R12によって場合により置換され、wが0〜4である、請求項38〜55の何れか1項に記載の化合物。
【請求項57】
が0である、請求項38〜56の何れか1項に記載の化合物。
【請求項58】
環Bがテトラヒドロフラニルある、請求項38〜57の何れか1項に記載の化合物。
【請求項59】
Spが結合、O又は−O−CH−であり;pが1であり;Rが水素であり;n及びmが何れも同時に1又は2である、請求項38に記載の化合物。
【請求項60】
Rが水素である、請求項38〜59の何れか1項に記載の化合物。
【請求項61】
RがC−Cアルキルである、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
Rがメチル、エチル、プロピル又はブチルである、請求項60に記載の化合物。
【請求項63】
及びRが一緒になって、以下の化学式(kk−i)又は化学式(kk−ii):
【化82】

の環を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項64】
環Bが、O、S又はNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和単環式複素環であって、該環Bが、w個の独立した−R12によって場合により置換され、wが0〜4である、請求項63に記載の化合物。
【請求項65】
Rが水素である、請求項63又は64の何れか1項に記載の化合物。
【請求項66】
Rが水素であり、環Bがテトラヒドロフラニルである、請求項65に記載の化合物。
【請求項67】
Spが結合、−O−又は−O−CH−である、請求項63〜66の何れか1項に記載の化合物。
【請求項68】
及びRが一緒になって、以下の環(II):
【化83】

[式中:
及びnはそれぞれ独立して0〜3であるが、但し、m+nは2〜6であるものとし;
zは0〜4であり;
Spは、−O−、−S−、−NR’−、又はC−Cアルキリデンリンカーであり、2個までのメチレン単位は、場合により且つ独立して、−O−、−S−、−CO−、−CS−、−COCO−、−CONR’−、−CONR’NR’−、−CO−、−OCO−、−NR’CO−、−NR’CONR’−、−OCONR’−、−NR’NR’−、−NR’NR’CO−、−NR’CO−、−SO−、−SO−、−NR’−、−SONR’−、−NR’SO−、又は−NR’SONR’−によって置換されるが、但し、Spは、炭素以外の原子を介してカルボニル基に結合しているものとし;
環Bは、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜8員の飽和、部分不飽和又は芳香族の単環式複素環であって、該環Bは、w個の独立した−R13によって場合により置換され、wは0〜4であり;
各R13は独立してQ−Rであり;Qは、結合又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2個までの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−によって置換され;各Rは、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’,−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
各Rは独立して水素又は3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;各R’は独立して水素;又はC1〜6脂肪族基;窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜3個のへテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式環;又は窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜5個のへテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の二環式環系であり、R’は4個までの置換基を有し;或いはR及びR’、2個のR、又は2個のR’は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式又は二環式環を形成する]
を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項69】
Spが、−O−、−S−又は−NR’−から選択される、請求項68に記載の化合物。
【請求項70】
Spが−O−である、請求項68又は69の何れか1項に記載の化合物。
【請求項71】
Spが−O−CH−である、請求項68に記載の化合物。
【請求項72】
Spが−NR’−である、請求項69に記載の化合物。
【請求項73】
Spが−NH−である、請求項69に記載の化合物。
【請求項74】
Spが−NH−CH−である、請求項68に記載の化合物。
【請求項75】
及びnがそれぞれ1である、請求項68〜74の何れか1項に記載の化合物。
【請求項76】
及びnがそれぞれ2である、請求項75に記載の化合物。
【請求項77】
環Bが、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜8員の飽和、部分不飽和又は芳香族の単環式複素環であって、該環Bが、w個の独立した−R13によって場合により置換され、wが0〜4である、請求項68〜76の何れか1項に記載の化合物。
【請求項78】
環Bが、O、S又はNから選択される1〜4個のヘテロ原子を有する4〜8員の飽和単環式複素環であって、該環Bが、w個の独立した−R13によって場合により置換され、wが0〜4である、請求項77に記載の化合物。
【請求項79】
環Bが、O、S又はNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和単環式複素環であって、該環Bが、w個の独立した−R13によって場合により置換され、wが0〜4である、請求項68〜76の何れか1項に記載の化合物。
【請求項80】
が0である、請求項68〜79の何れか1項に記載の化合物。
【請求項81】
環Bがテトラヒドロフラニルである、請求項68〜80の何れか1項に記載の化合物。
【請求項82】
Spが結合、O又は−O−CH−であり;Rが水素であり;n及びmが何れも同時に1又は2である、請求項68に記載の化合物。
【請求項83】
Rが水素である、請求項68〜83の何れか1項に記載の化合物。
【請求項84】
RがC−Cアルキルである、請求項68〜83の何れか1項に記載の化合物。
【請求項85】
Rがメチル、エチル、プロピル又はブチルである、請求項84に記載の化合物。
【請求項86】
zが0である、請求項68〜85の何れか1項に記載の化合物。
【請求項87】
環Bが、O、S又はNから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和単環式複素環であって、該環Bが、w個の独立した−R13によって場合により置換され、wが0〜4である、請求項68〜76の何れか1項に記載の化合物。
【請求項88】
及びRが一緒になって、以下の環(mm):
【化86】

[式中:
及びnはそれぞれ独立して0〜3であるが、但し、m+nは2〜6であるものとし;
は、1〜2であり;
YZは、w個の独立した−R14によって場合により置換されるC−C脂肪族基であり、wは0〜3であり;
各R14は、独立してQ−Rであり;Qは、結合、又はC−Cアルキリデン鎖であり、Qの2個までの非隣接メチレン単位は、場合により且つ独立して、−NR−、−S−、−O−、−CS−、−CO−、−OCO−、−CO−、−COCO−、−CONR−、−NRCO−、−NRCO−、−SONR−、−NRSO−、−CONRNR−、−NRCONR−、−OCONR−、−NRNR−、−NRSONR−、−SO−、−SO−、−PO−、−PO−、−OP(O)(OR)−又は−POR−によって置換され;各Rは、−R’、ハロゲン、=O、=NR’、−NO、−CN、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’,−P(O)OR’、−PO(R’)又は−OPO(R’)から独立して選択され;
各Rは独立して水素又は3個までの置換基を有するC1〜6脂肪族基であり;各R’は独立して水素;又はC1〜6脂肪族基;窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜3個のへテロ原子を有する3〜8員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式環;又は窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜5個のへテロ原子を有する8〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の二環式環系であり、R’は4個までの置換基を有し;或いはR及びR’、2個のR、又は2個のR’は、それらが結合する原子と一緒になって、窒素、酸素又は硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する場合により置換される3〜12員の飽和、部分不飽和又は完全不飽和の単環式又は二環式環を形成する]
を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項89】
が1である、請求項88に記載の化合物。
【請求項90】
が2である、請求項88に記載の化合物。
【請求項91】
及びnがそれぞれ1である、請求項87〜90の何れか1項に記載の化合物。
【請求項92】
及びnがそれぞれ2である、請求項87〜90の何れか1項に記載の化合物。
【請求項93】
及びnがそれぞれ3である、請求項87〜90の何れか1項に記載の化合物。
【請求項94】
YZが、w個の独立した−R14によって場合により置換されるC−Cアルキルであり、wが0〜3である、請求項88〜93の何れか1項に記載の化合物。
【請求項95】
YZが、w個の独立した−R14によって場合により置換されるC−Cアルキル基であり、wが0〜3である、請求項94に記載の化合物。
【請求項96】
YZがC−Cアルキル基である、請求項94に記載の化合物。
【請求項97】
Rが水素である、請求項87〜96の何れか1項に記載の化合物。
【請求項98】
RがC−Cアルキルである、請求項87〜96の何れか1項に記載の化合物。
【請求項99】
Rがメチル、エチル、プロピル又はブチルである、請求項98に記載の化合物。
【請求項100】
及びRが一緒になって、以下の環(nn):
【化88】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項101】
が−N−である、請求項100に記載の化合物。
【請求項102】
が−CH−NH−である、請求項100に記載の化合物。
【請求項103】
が−CH−CH−NH−である、請求項100に記載の化合物。
【請求項104】
YYが水素であり、一方のRXXが水素であり、他方のRXXがC−Cアルキルである、請求項100〜103の何れか1項に記載の化合物。
【請求項105】
が0であり、RYYが水素であり、一方のRXXが水素であり、他方のRXXがC−Cアルキルである、請求項100〜104の何れか1項に記載の化合物。
【請求項106】
及びRが一緒になって、以下の環(pp):
【化89】

を形成する、請求項1に記載の化合物。
【請求項107】
YYが水素であり、一方のRXXが水素であり、他方のRXXがC−Cアルキルである、請求項106に記載の化合物。
【請求項108】
が0であり、RYYが水素であり、一方のRXXが水素であり、他方のRXXがC−Cアルキルである、請求項100〜107の何れか1項に記載の化合物。
【請求項109】
WがOR’である、請求項1〜108の何れか1項に記載の化合物。
【請求項110】
WがOHである、請求項109に記載の化合物。
【請求項111】
WがSR’である、請求項1〜110の何れか1項に記載の化合物。
【請求項112】
WがSHである、請求項111に記載の化合物。
【請求項113】
WがN(R’)である、請求項1〜110の何れか1項に記載の化合物。
【請求項114】
WがNHR’である、請求項113に記載の化合物。
【請求項115】
WがNHである、請求項114に記載の化合物。
【請求項116】
WがCHF又はCHFである、請求項1〜110の何れか1項に記載の化合物。
【請求項117】
WがCHFである、請求項116に記載の化合物。
【請求項118】
WがCHFである、請求項116に記載の化合物。
【請求項119】
zが0〜5である、請求項1〜118の何れか1項に記載の化合物。
【請求項120】
zが1〜3である、請求項119に記載の化合物。
【請求項121】
zが1〜2である、請求項120に記載の化合物。
【請求項122】
zが1である、請求項121に記載の化合物。
【請求項123】
が独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’);又はC−C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、脂環式、複素脂環式、アリールC−Cアルキル、ヘテロアリールC−Cアルキル、脂環式C−Cアルキル又は複素脂環式C−Cアルキルから選択される場合により置換される基である、請求項1〜122の何れか1項に記載の化合物。
【請求項124】
が独立して、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、CN、−COOH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SO(CHCH、−SOCH(CH、−SON(CH、−SOCHCH、−C(O)OCHCH(CH、−C(O)NHCHCH(CH、−NHCOOCH、−C(O)C(CH、−COO(CHCH、−C(O)NHCH(CH、−C(O)CHCH;又は−ピペリジニル、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、C1〜4アルコキシ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル、ベンジルオキシ、−CHシクロヘキシル、ピリジル、−CHピリジル、又は−CHチアゾリルから選択される場合により置換される基である、請求項123に記載の化合物。
【請求項125】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1又は2であり、少なくとも1個のRが、−NRSOR’、−NRCOOR’、又は−NRCOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項126】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1であり、Rが−NRSOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項127】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1であり、Rが−NRCOOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項128】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼチジン−1−イル(aa)であり、zが1であり、Rが−NRCOR’である、請求項125に記載の化合物。
【請求項129】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピロリジン−1−イル(bb)であり、zが1又は2であり、Rが、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’、又は−CHOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項130】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1又は2であり、少なくとも1個のRが、Cl、Br、F、CF、CH、−CHCH、−OR’、−CHOR’、−NRSOR’、−NRCOOR’、又は−OCON(R’)である、請求項1に記載の化合物。
【請求項131】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1であり、Rが、F、CF、CH、−CHCH、−OR’、又は−CHOR’である、請求項130に記載の化合物。
【請求項132】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1であり、Rが−NRSOR’である、請求項130に記載の化合物。
【請求項133】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペリジン−1−イル(cc)であり、zが1であり、Rが−NRCOOR’である、請求項130に記載の化合物。
【請求項134】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1又は2であり、少なくとも1個のRが、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、又は−COOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項135】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−SOR’である、請求項134に記載の化合物。
【請求項136】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−COOR’である、請求項134に記載の化合物。
【請求項137】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である、請求項134に記載の化合物。
【請求項138】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である、請求項134に記載の化合物。
【請求項139】
及びRが一緒になって、場合により置換されるピペラジン−1−イル(dd)であり、zが1であり、Rが−COR’である、請求項134に記載の化合物。
【請求項140】
及びRが一緒になって、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1又は2であり、少なくとも1個のRが、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、又は−COOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項141】
及びRが一緒になって、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−SOR’である、請求項140に記載の化合物。
【請求項142】
及びRが一緒になって、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−COOR’である、請求項140に記載の化合物。
【請求項143】
及びRが一緒になって、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である、請求項140に記載の化合物。
【請求項144】
及びRが一緒になって、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である、請求項140に記載の化合物。
【請求項145】
及びRが一緒になって、場合により置換されるモルホリン−1−イル(ee)又はチオモルホリン−1−イル(ff)であり、zが1であり、Rが−COR’である、請求項140に記載の化合物。
【請求項146】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1又は2であり、少なくとも1個のRが、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、又は−COOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項147】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−SOR’である、請求項146に記載の化合物。
【請求項148】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−COOR’である、請求項146に記載の化合物。
【請求項149】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である、請求項146に記載の化合物。
【請求項150】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である、請求項146に記載の化合物。
【請求項151】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゼパン−1−イル(gg)であり、zが1であり、Rが−COR’である、請求項146に記載の化合物。
【請求項152】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1又は2であり、少なくとも1個のRが、−SOR’、−CON(R’)、−SON(R’)、−COR’、又は−COOR’である、請求項1に記載の化合物。
【請求項153】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−SOR’である、請求項152に記載の化合物。
【請求項154】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−COOR’である、請求項152に記載の化合物。
【請求項155】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−CON(R’)である、請求項152に記載の化合物。
【請求項156】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−SON(R’)である、請求項152に記載の化合物。
【請求項157】
及びRが一緒になって、場合により置換されるアゾカン−1−イル(hh)であり、zが1であり、Rが−COR’である、請求項152に記載の化合物。
【請求項158】
yが0〜5である、請求項124〜157の何れか1項に記載の化合物。
【請求項159】
yが0である、請求項158に記載の化合物。
【請求項160】
yが1〜3である、請求項158に記載の化合物。
【請求項161】
yが1〜2である、請求項160に記載の化合物。
【請求項162】
yが1である、請求項161に記載の化合物。
【請求項163】
が独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−S(O)N(R’)、−OCOR’、−COR’、−COR’、−OCON(R’)、−NR’SOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’,−P(O)OR’、−PO(R’)、−OPO(R’);又はC−C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、脂環式、複素脂環式、アリールC−Cアルキル、ヘテロアリールC−Cアルキル、脂環式C−Cアルキル、又は複素脂環式C−Cアルキルから選択される場合により置換される基である、請求項124〜162の何れか1項に記載の化合物。
【請求項164】
が独立して、Cl、Br、F、CF、Me、Et、CN、−COOH、−NH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−OCH、−OCHCH、−CHOH、−NHCOCH、−SONH、−SONHC(CH、−OCOC(CH、−OCOCHC(CH、−O(CHN(CH、4−CH−ピペラジン−1−イル、OCOCH(CH、OCO(シクロペンチル)、−COCH、場合により置換されるフェノキシ、又は場合により置換されるベンジルオキシである、請求項163に記載の化合物。
【請求項165】
がFである、請求項164に記載の化合物。
【請求項166】
がOR’である、請求項163に記載の化合物。
【請求項167】
がOHである、請求項166に記載の化合物。
【請求項168】
以下の化学式I−A−i、化学式I−B−i、化学式I−C−i又は化学式I−D−i:
【化95】

[式中、R、R、R3a、R3b及びR3cは、化学式I−A、化学式I−B、化学式I−C及び化学式I−Dに関して請求項1に定義した通りである]
を有する、請求項1に記載の化合物、或いはその薬学的に許容される塩。
【請求項169】
3aが水素である、請求項168に記載の化合物。
【請求項170】
3aがX−Rである、請求項168に記載の化合物。
【請求項171】
XがC−Cアルキリデンである、請求項170に記載の化合物。
【請求項172】
XがC−Cアルキリデンである、請求項170に記載の化合物。
【請求項173】
Xが−CH−である、請求項170に記載の化合物。
【請求項174】
が、−R’、−OR’、−SR’、−N(R’)、−NR’COR’、−NR’CON(R’)、−NR’COR’、−COR’、−COR’、−OCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−SOR’、−SOR’、−SON(R’)、−NR’SOR’、−NR’SON(R’)、−COCOR’、−COCHCOR’、−OP(O)(OR’)、−P(O)(OR’)、−OP(O)OR’、−P(O)OR’、−PO(R’)、又は−OPO(R’)から独立して選択される、請求項170に記載の化合物。
【請求項175】
がR’である、請求項174に記載の化合物。
【請求項176】
3bが水素である、請求項168に記載の化合物。
【請求項177】
3cが水素である、請求項168に記載の化合物。
【請求項178】
3bが及びR3cが何れも同時に水素である、請求項168に記載の化合物。
【請求項179】
3b及びR3cがそれぞれ独立して、ハロゲン、CN、NO、−N(R’)、−CHN(R’)、−OR’、−CHOR’、−SR’、−CHSR’、−COOR’、−NRCOR’、−CON(R’)、−OCON(R’)、−COR’、−NHCOOR’、−SOR’、−SON(R’);又は、C−C脂肪族、アリール、ヘテロアリール、脂環式、複素脂環式、アリールC−Cアルキル、ヘテロアリールC−Cアルキル、脂環式C−Cアルキル、又は複素脂環式C−Cアルキルから選択される場合により置換される基である、請求項168に記載の化合物。
【請求項180】
3b及びR3cがそれぞれ独立して、Cl、Br、F、CF、−OCF、Me、Et、CN、−COOH、−NH、−N(CH、−N(Et)、−N(iPr)、−O(CHOCH、−CONH、−COOCH、−OH、−OCH、−OCHCH、−CHOH、−NHCOCH、−NHCOCH(CH、−SONH、−CONH(シクロプロピル)、−CONHCH、−CONHCHCH;又は−ピペリジニル、ピペリジニル(piperizinyl)、モルホリノ、フェニル、フェニルオキシ、ベンジル又はベンジルオキシから選択される場合により置換される基である、請求項179に記載の化合物。
【請求項181】
各R3b及びR3cが独立して、ハロゲン、CN、場合により置換されるC−Cアルキル、OR’、N(R’)、CON(R’)、又はNRCOR’である、請求項179に記載の化合物。
【請求項182】
3b及びR3cがそれぞれ独立して、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、又は−CNである、請求項181に記載の化合物。
【請求項183】
3b及びR3cが、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−CONHCH、−CONHCHCH、−CONH(シクロプロピル)、−OCH、−NH、−OCHCH、又は−CNから独立して選択される、請求項182に記載の化合物。
【請求項184】
3b及びR3cが、−Cl、−CH、−CHCH、−F、−CF、−OCF、−OCH、又は−OCHCHから独立して選択される、請求項183に記載の化合物。
【請求項185】
各R3b及びR3cが−CON(R’)又は−NRCOR’である、請求項168に記載の化合物。
【請求項186】
以下の化学式IA−ii、化学式IB−ii、化学式IC−ii及び化学式ID−ii:
【化98】

[式中、R、R、R3b及びR3cは、化学式I−A、化学式I−B、化学式I−C及び化学式I−Dに関して請求項1に定義した通りである]
の化合物から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項187】
3a及びR3cの一方が水素である、請求項186に記載の化合物。
【請求項188】
3b及びR3cが何れも同時に水素である、請求項186に記載の化合物。
【請求項189】
以下の化学式:
【化99】

から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項190】
請求項1〜189の何れか1項に記載の化合物、及び薬学的に許容されるアジュバント又は担体を含む、薬学的組成物。
【請求項191】
急性、慢性、神経障害性又は炎症性の疼痛、関節炎、偏頭痛、群発性頭痛、三叉神経痛、ヘルペス性神経痛、全身性神経痛、癲癇又は癲癇状態、神経変性障害、精神障害、例えば不安及びうつ病、ミオトニー、不整脈、運動障害、神経内分泌障害、運動失調、多発性硬化症、過敏性腸症候群、失禁、内臓痛、骨関節痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、脊髄根痛、坐骨神経痛、背部痛、頭頚部痛、重度又は難治性疼痛、侵害受容性疼痛、突破性疼痛、術後疼痛又は癌性疼痛から選択される疾患、障害又は状態を処置するか、又はその重症度を低下させるための方法であって、請求項190に記載の組成物の有効量を前記患者に投与する工程を含む、方法。
【請求項192】
前記疾患、状態又は障害が電圧ゲート性ナトリウムチャネルの活性化又は過剰活性に関与している、請求項191に記載の方法。
【請求項193】
前記疾患、状態又は障害が急性、慢性、神経障害性又は炎症性の疼痛である、請求項192に記載の方法。
【請求項194】
前記疾患、状態又は障害が脊髄根痛、坐骨神経痛、背部痛、頭部痛又は頚部痛である、請求項192に記載の方法。
【請求項195】
前記疾患、状態又は障害が重度又は難治性疼痛、急性疼痛、術後疼痛、背部痛又は癌性疼痛である、請求項192に記載の方法。
【請求項196】
前記疾患が大腿癌性疼痛;非悪性慢性骨疼痛;慢性関節リューマチ;骨関節炎;脊髄狭窄;神経障害性下部背部痛;顔面筋疼痛症候群;線維筋肉痛;側頭下顎関節疼痛;慢性内蔵痛、例えば腹部;膵臓;IBS疼痛;慢性頭痛;偏頭痛;緊張性頭痛、例えば群発性頭痛;慢性神経障害性疼痛、例えばヘルペス後神経痛;糖尿病性神経障害;HIV関連神経障害;三叉神経痛;シャルコー−マリエ歯部神経障害;遺伝性感覚神経障害;末梢神経損傷;疼痛性神経腫;異所性近位遠位放電;神経根障害;化学療法誘導神経障害性疼痛;放射線療法誘導神経障害性疼痛;乳房切除後疼痛;中枢痛;脊髄損傷疼痛;卒中後疼痛;視床性疼痛;複合的局所疼痛症候群;幻想痛;難治性疼痛;急性疼痛、急性術後疼痛;急性筋骨格疼痛;関節痛;機械的下部背部痛;頚部痛;腱炎;損傷/運動痛;急性内臓痛、例えば腹痛;腎盂腎炎;虫垂炎;胆嚢炎;腸閉塞;ヘルニア等;胸部痛、例えば心臓痛;骨盤痛;腎仙痛;急性産科痛、例えば陣痛;帝王切開痛;急性炎症、熱傷及び外傷性疼痛;急性間欠性疼痛、例えば子宮内膜症;急性帯状疱疹疼痛;鎌状赤血球貧血;急性膵臓炎;突破性疼痛;口腔顔面疼痛、例えば複鼻腔疼痛、歯痛;多発性硬化症(MS)疼痛;うつ病における疼痛;らい病疼痛;ベーチェット病疼痛;有痛脂肪症;静脈炎疼痛;ギヤン−バレー疼痛;脚部痛及び運動時踵部痛;ハグルンド症候群;皮膚紅痛症;ファブリー病性疼痛;膀胱及び泌尿器疾患、例えば尿失禁;過剰活性膀胱;疼痛性膀胱症候群;間質性膀胱炎(IC);又は前立腺炎から選択される、請求項192に記載の方法。

【公表番号】特表2008−540438(P2008−540438A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510181(P2008−510181)
【出願日】平成18年5月3日(2006.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/017046
【国際公開番号】WO2006/119390
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(598032106)バーテックス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (414)
【氏名又は名称原語表記】VERTEX PHARMACEUTICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】130 Waverly Street, Camridge, Massachusetts 02139−4242, U.S.A.
【Fターム(参考)】