説明

イソオキサゾール誘導体とその使用

本発明は、医薬組成物を生成するのに適する新規のイソオキサゾール誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規のイソオキサゾール誘導体、そのような化合物を含有する医薬組成物、そのような化合物の使用、およびそのような化合物を生成する方法に関する。
【0002】
特許文献1より、イソオキサゾリル基を有する様々なヌクレオチド合成阻害剤は当業者にとって既知であり、とりわけ著しく増殖する細胞を伴う腫瘍、免疫疾患、炎症性疾患、および他の疾患の治療に使用される。
【特許文献1】独国特許出願第19857009(A)号明細書
【0003】
特許文献2より、とりわけ腫瘍を治療する医薬組成物を生成するためにアミノオキシ酢酸を使用することは当業者にとって既知である。
【特許文献2】独国特許出願第10112926(A)号明細書
【0004】
基本的に、癌細胞の増殖および新生腫瘍の成長を阻害し、身体の過剰な防御反応(敗血症性ショック、自己免疫疾患、移植臓器の拒絶、急性および慢性の炎症反応等)を抑制することが可能であり、なおかつ健常な細胞に対する細胞毒性が低い〜みられない新しく改善された作用物質が強く求められている。さらに、単細胞生物の増殖も阻害しようとしている。
【0005】
このため、本発明は化学式1による化合物を教示する。
R1-O-NH-(CO)-R2 化学式1
【0006】
(CO)は(CS)によって置換され得るものであることと、R1が任意の残基であることと、R2が任意の残基R3と置換される、あるいは置換されない4‐イソオキサゾリルまたは(CCN)=CH(OH)、あるいはそのような化合物の代謝物もしくはそのような化合物または代謝物の生理的に忍容性の高い塩類であることとを特徴とする。
【0007】
しかし、N-{[3‐クロロ‐5(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]オキシ}‐3,5‐ジメチル‐4‐イソキサゾールカルボキシアミドは除外される。
【0008】
好ましくは、R2は5位および/または3位で残基R3と置換される。
【0009】
R3が(-Hを除く)(C‐C10)アルキル基あるいは該当する場合、部分的または完全にハロゲン化され得るものであり、具体的にはフッ化(C‐C10)アルキル基(具体的には‐CH基、CF基、イソプロピル基、イソブチル基、(C‐C)シクロアルキル基、具体的には例えばメチル基、シクロヘキシル基、(C‐C10)アルケニル基、(C‐C10)アルキニル基、(C‐C)アルキル‐(C‐C)シクロアルキル基、(C‐C)アルケニル‐(C‐C)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C‐C)アルキルヘテロシクリル基、(C‐C)アルケニルヘテロシクリル基、アリール基(具体的にはフェニル基、4‐フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、フェノキシ置換フェニル基)、(C‐C)アルキルアリール基(具体的には‐CH(Phe)基)、(C‐C)アルキニルアリール基、または該当する場合、1〜2個のケト基によって置換される、1〜2個の(C‐C)アルキル基を含む単環または二環ヘテロアリール基、1〜2個の(C‐C)アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、1〜2個のエキソメチレン基、1〜3個の窒素原子および/または1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄分子、(C‐C)アルキルヘテロアリール基、または(C‐C)アルケニルヘテロアリール基、(C‐C)アルキニルヘテロアリール基、‐COOHと1〜4倍置換されるシクロプロピル基であり、これらの官能基は任意の位置でR2と連結され得るものであり、該当する場合、1つ以上の位置で水和され得る。R3は、好ましくは(C〜C)アルキル基であり、該当する場合、部分的または完全にハロゲン化されるものであり、具体的にはフッ素化(C〜C)アルキル基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルケニル基、または(C〜C)アルキニル基である。
【0010】
(化学式I)による化合物の代謝物は、細胞または有機体において4‐イソオキサゾリルまたは5‐置換4‐イソオキサゾリルが化学式IIによる残基に反応することを特徴とする。
‐C(CN)=C(OH)R3 化学式2
【0011】
代謝物は(化学式IIa)の構造を有する。
R1‐O‐NH‐(CO)‐C(CN)=C(OH)R3 化学式2a
【0012】
そのような代謝物については、R1が生理的に忍容性が高い限りは、基本的に任意と考えられる。化学式Iの説明によれば、化学式IIおよびIIaのR3とR1は同じ意味を持つ。
【0013】
例えば、R1は直接または間接的に(C〜C)アルキル基によって連結される、該当する場合、例えば(C〜C)アルキル基によって置換される芳香環(例えばフェニル基またはベンジル基)であり、任意選択的にその環の1個以上のC原子がS、O、およびNからなる群の1個以上の異なるヘテロ原子と交換され得ることと、その芳香環が個々または複合的に、同一または別異の方法でR4と置換され得ることとを特徴とする。R4は一致したあるいは異なる方法でR41およびR42と置換される‐H、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CN、COOH、‐OH、‐NO2、NR41R42であり、個々または複合的に‐F、‐Cl、‐Br、または‐Iと任意選択的に置換される(C〜C10)アルキル基であり、該当する場合、部分的または完全にハロゲン化される、具体的にはフッ化(C〜C10)アルキル基、(C〜C10)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C10)アルケニル基、(C〜C10)アルキニル基、(C〜C)アルキル‐(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルケニル‐(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C〜C)アルキルヘテロシクリル基、(C〜C)アルケニルへテロシクリル基、アリール基、(C〜C)アルキルアリール基、(C〜C)アルケニルアリール基、または(C〜C)アルキニルアリール基と考えられる。
【0014】
さらにR1は、例えば(C〜C10)アルキル基であり、該当する場合、部分的または完全にハロゲン化される、具体的にはフッ化されるあるいは‐COOHまたは‐CN‐置換(C〜C10)アルキル基、(C〜C10)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C10)アルケニル基、(C〜C10)アルキニル基、(C〜C10)アルキル‐(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルケニル‐(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C〜C)アルキルヘテロシクリル基、(C〜C)アルケニルヘテロシクリル基、アリール基、(C〜C)アルキルアリール基、(C〜C)アルケニルアリール基、または(C〜C)アルキニルアリール基と考えられる。
【0015】
好ましくは、R1はフェニル基、個々または複合的にハロゲン化されるフェニル基、‐CNまたは‐OOOHと置換されるフェニル基、あるいは(C〜C10)アルコキシ基と置換されるフェニル基である。
【0016】
記載の残基、具体的にはR3のC〜C10およびC〜Cのアルキル基は直鎖状または分枝状であり、例えばメチル基、エチル基、n‐プロピル基、イソ‐プロピル基、n‐ブチル基、イソ‐ブチル基、t‐ブチル基、n‐ペンチル基、2,2‐ジメチル‐プロピル基、2‐メチルブチル基、3‐メチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、ノニル基、デシル基、およびそれらの任意の分枝状誘導体が考えられる。メチル基またはエチル基が好ましい。記載のアルキル基は、該当する場合、1〜5個のハロゲン原子によって置換され得る。部分的または完全にハロゲン化される、具体的にはフッ素化されるC〜Cアルキル基は、例えば次の部分的または完全にフッ素化される官能基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、1,1‐ジフルオロエチル基、1,2‐ジフルオロエチル基、1,1,1‐トリフルオロ‐エチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基と考えられる。とりわけ、トリフルオロメチル基またはペンタフルオロエチル基が好ましく、完全にフッ素化される官能基はパーフルオロアルキル基とも呼ばれる。
【0017】
〜C10およびC〜Cのアルコキシ基は直鎖状または分枝状と考えられ、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n‐プロポキシ基、イソ‐プロポキシ基、n‐ブトキシ基、イソ‐ブトキシ基、t‐ブトキシ基、n‐ペントキシ基、2,2‐ジメチルプロポキシ基、2‐メチルブトキシ基、3‐メチルブトキシ基と考えられる。C〜Cのアルコキシ基が好ましい。メトキシ基またはエトキシ基は特に好ましい。
【0018】
シクロアルキル基は、該当する場合、1種類以上のハロゲン原子、(C〜C)アルキル基、(C〜C)アルコキシ基、NR10R11基、COOR12基、CHO基、シアノ基によって置換される3〜7個の環炭素原子を有する飽和環状基(シクロプロピル基、メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、メチルシクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘプチル基等)である。
【0019】
(C〜C)アルキル‐(C〜C)シクロアルキル基は、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルキルユニットによって連結されるシクロアルキル基である。
【0020】
(C〜C)アルケニル‐(C〜C)シクロアルキル基は、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルケニルユニットによって連結されるシクロアルキル基である。
【0021】
ヘテロシクリル基は芳香族ではなく、例えばピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジンと考えられる。パーヒドロキノリンおよびパーヒドロイソキノリンは、含まれるヘテロシクリル基にも属する。
【0022】
本発明の意味においてアリール基は芳香族または6〜14個の炭素分子を有する部分的芳香族炭素環式官能基であり、環、例えばフェニル基またはフェニレン基あるいは複数の縮合環(ナプチル基またはアントラニル基等)を含む。例えばフェニル基、ナプチル基、テトラリニル基、アントラニル基、インダニル基、およびインデニル基である。
【0023】
アリール基は、ヒドロキシ基またはハロゲン基の1個以上の残基によって適切な位置で置換可能であるため、立体異性体が安定する。該当する場合、置換されたフェニル基およびナプチル基が好ましい。
【0024】
(C〜C)アルキルアリール基は上述のとおり、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルキルユニットによって連結されるアリール基である。
【0025】
(C〜C)アルケニルアリール基は上述のとおり、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルケニルユニットによって連結されるアリール基である。
【0026】
(C〜C)アルキニルアリール基は上述のとおり、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルキニルユニットによって連結されるアリール基である。
【0027】
単環式ヘテロアリール基は、例えばピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、アザインドリジン、2Hおよび4H‐ピラン、2Hおよび4H‐チオピラン、フラン、チオフェン、1Hおよび4H‐ピラゾール、1Hおよび2H‐ピロール、オキサゾール、チアゾール、フラザン、1Hおよび4H‐イミダゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアジアゾールと考えられる。
【0028】
二環式ヘテロアリール基は、例えばフタリジル、チオフタリジル、インドリル、イソインドリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、インドロニル、ジヒドロインドロニル、イソインドロニル、ジヒドロイソインドロニル、ベンゾフラニル、ベンジミダゾリル、ジヒドロイソキノリル、ジヒドロキノリニル、ベンゾキサジノニル、フタラジノニル、ジヒドロフタラジノニルキノリニル、イソキノリニル、キノロニル、イソキノロニル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、フタラジニル、ジヒドロフタラジニル、1,7または1,8‐ナフチリジニルクマリニル、イソクマリニル、インドリジニル、イソベンゾフラニル、アザインドリル、アザイソインドリル、フラノピリジル、フラノピリミジニル、フラノピラジニル、フラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロフラノピリジル、ジヒドロフラノピリミジニル、ジヒドロフラノピラジニル、ジヒドロフラノピリダジニル、ジヒドロベンゾフラニル、クロメニル、イソクロメニル、クロメノニル、またはイソクロメノニル基と考えられる。
【0029】
(C〜C)アルキルヘテロアリール基は上述のとおり、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルキルユニットによって連結されるヘテロアリール基である。
【0030】
アルケニルヘテロアリール基は上述のとおり、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルケニルユニットによって連結されるアリール基である。
【0031】
(C〜C)アルキニルヘテロアリール基は上述のとおり、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルキニルユニットによって連結されるヘテロアリール基である。
【0032】
(C〜C)アルキルヘテロシクリル基は上述のとおり、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルキルユニットによって連結されるヘテロシクリル基である。
【0033】
(C〜C)アルケニルヘテロシクリル基は上述のとおり、環システムを有する直鎖状または分枝状の(C〜C)アルケニルユニットによって連結されるヘテロシクリル基である。
【0034】
残基R3またはR1によれば、R10〜R12はそれぞれ独立して、同一または別異のすべての官能基でもよい。
【0035】
本発明による化合物の例はN‐(4‐メチルフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐エチルフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐トリフルオロメチルフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐トリフルオロメトキシフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐エトキシフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐シアノフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(2,5‐ジブロモフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(2,5‐ジフルオロフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(3‐フルオロフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、[5‐メチルイソオキサゾール‐4‐カルボニル)‐アミノオキシ]酢酸、N‐(4‐メチルフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐エチルフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐トリフルオロメチル‐フェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐トリフルオロメトキシフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐エトキシフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐シアノフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(2,5‐ジブロモフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(2,5‐ジフルオロフェノキシ)‐(5‐エチルイソ‐オキサゾール)炭酸アミド、N‐(3‐フルオロフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、[(5‐エチルイソオキサゾール‐4‐カルボニル)‐アミノオキシ]酢酸、5‐メチル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]イソオキサゾール‐4‐カルボキサミド、4‐{[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]カルバモイル}イソオキサゾール‐3‐カルボン酸、4‐{[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]カルバモイル}イソオキサゾール‐3‐カルボン酸、3,5‐ジメチル‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]イソオキサゾール‐4‐カルボキサミド、3,5‐ジメチル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]イソオキサゾール‐4‐カルボキサミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐N[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ‐ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐(4‐ニトロフェノキシ)ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐(4‐フルオロフェニル)‐3‐ヒドロキシ‐N‐[4‐(ニトロフェノキシ)ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐(4‐フルオロフェニル)‐3‐ヒドロキシ‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐シクロヘキシル‐3‐(4‐フルオロフェニル)‐3‐ヒドロキシ‐N[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐シクロヘキシル‐3‐ヒドロキシ‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐シクロヘキシル‐3‐ヒドロキシ‐N‐[3‐トリフルオロメチル]フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(2,2,3,3‐テトラメチルシクロプロピル)‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(2,2,3,3‐テトラメチルシクロプロピル)‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(ペンタ‐フルオロフェニル)‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(ペンタフルオロフェニル)‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(3‐フェノキシフェニル)‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(3‐フェノキシフェニル)‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4‐フェニル‐N‐4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4‐フェニル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4‐メチル‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ペンタ‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4‐メチル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ペンタ‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4,4‐ジフェニル‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4,4‐ジフェニル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブト‐2‐エンアミド、(2Z)‐2‐シアノ‐4‐(1H‐インドール‐5‐イル)‐N‐(1‐フェニル‐エトキシ)ブト‐2‐エンアミド、N‐[3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]チオフェン‐2‐カルボキサミド、3‐[2‐クロロフェニル)アミノ]‐2‐シアノ‐3‐チオキソ‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパンアミド、5‐メチル‐N‐{[4‐(トリフルオロ‐メチル)ベンジル]オキシ}イソオキサゾール‐4‐カルボキサミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐N‐{[4‐(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐(3,5‐時ヒドロキシ‐フェニル)‐N‐{[4‐(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}ブト‐2‐エンアミドである。
【0036】
医薬組成物を得るため、本発明による化合物はその他のそれ自体既知の活性物質、例えばアルデスロイキン、アミフォスチン、アトラセンタン、ベバシツマブ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、カペシタビン、カルボプラチン、クロランブシル、シスプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シトミド、ダカルバジン、ドセタキセル、ドロロキシフェン、エドレコロマブ、エポチロン、エルロチニブ、エトポシド、エキセメスタン、フラボピリドール、フルダラビン、フルオロウラシル、フォルメスタン、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、イダルビシン、イリノテカン、イクサベピロン、ロナファルニブ、ミルテホシン、マイトマイシン、ネオバスタット、オキサリプラチン、ペメトレキセド、ポルフィマー、リツキシマブ、テガフール、テモゾロマイド、ティピファニブ、トポテカン、トリメトレキサート、ボロゾール、ビンブラスチン、およびそのような活性物質の2種類以上の混合物である。単一の剤形を目的として本発明による化合物を活性物質と混合してもよい。しかし、医薬組成物が2種類(以上)の異なる剤形からなっていて、第1製剤に本発明による化合物を、第2製剤に活性物質を含めることも可能である。第1製剤に、第2製剤の活性物質とは異なる活性物質を提供してもよい。
【0037】
本発明による化合物は、例えば任意選択的に第1に化学式3の化合物がチオニルハロゲン化物と反応してスルフィニルハロゲン化物(例えばスルフィニルハロゲン化物が入手できない場合)になることによって生成され得るものであり、入手したスルフィニルハロゲン化物が化学式4のアミノオキシ化合物と反応することと、R1が添付された請求項の1つの意味を有することと、化学式3の化合物とそのスルフィニルハロゲン化物が3位で置換され得ることとを特徴とする。
NH2‐O‐R1 化学式4
【0038】
化学式4のアミノオキシ化合物が入手できない場合は、化学式5の化合物を生成し、必要であれば化学式6〜化学式7の化合物と反応することによって生成され得るものであり、R20とR21が原則的に‐Hを除くR1またはR3による残基でもよいことと、R20が好ましくは‐Hおよび/またはR21が好ましくは‐HまたはC〜Cアロキシ基であることと、具体的にはエチルオキシ基であることと、化学式7による化合物が酸(例えば塩酸または過塩素酸)と反応して化学式4による化合物になることを特徴とする。
R1‐Hal 化学式5
HO‐N=CR20R21 化学式6
R1‐O‐N=CR20R21 化学式7
【0039】
フェノキシアミン化合物によって得られる本発明による化合物は、例えば図2のように生成し得る。
【0040】
同様に、別異に置換されたフェノキシアミン化合物を用いて本発明による化合物を生成することができる。
【0041】
同様に、本発明によるその他の化合物は、塩素化脂肪族炭化水素誘導体により生成することができる(図3)。
【0042】
本発明は、本発明による化合物を含む医薬組成物をさらに教示する。任意選択的に1種類以上の生理的に忍容性の高い補助剤および/または担体物質を本化合物と混合することが可能であり、その混合物は局所または全身投与(具体的には経口投与)、非経口投与(標的臓器に対する注入)、注射(静脈内、筋肉内、関節内、または腰椎内等)、歯ポケットへの適用(歯根と歯肉の間のすき間)するために剤形を調製する。追加剤および/または補助剤の選択は、選択した投与タイプによって異なる。本発明による医薬組成物は、従来の方法で剤形化してもよい。イオン化合物の対イオンとして、例えばCa++、CaCl、Na、K、Li、またはシクロヘキシルアンモニウム、あるいはCl、Br、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、シュウ酸、マロン酸、マレイネート、クエン酸、安息香酸、サリチル酸等を使用してもよい。
【0043】
適切な固体または液体の財形は、例えば顆粒、粉末、糖衣丸、錠剤、(マイクロ)カプセル、坐剤、シロップ、ジュース剤、懸濁剤、乳剤、ドロップ、注射剤(静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下)、微細分散液(エアゾール)、乾燥粉末吸入用剤形、経皮投薬システム、および活性物質が遅延放出される剤形であり、これらを生成するために通常使用される手段は、担体物質、爆発剤、結合剤、コーティング剤、膨張剤、滑り剤、潤滑剤、調味料、甘味料、および媒介剤などである。補助剤として知られているのは、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、乳糖、マンニットとその他の糖、タルカム、牛乳タンパク質、ゼラチン、澱粉、セルロースとその誘導体、動物性および植物性油(タラ肝油、ヒマワリ油、ピーナツ油、または胡麻油等)、ポリエチレングリコール、および溶媒(減菌水および一価または多価アルコール等)、例えばグリセリンである。本発明による医薬組成物は、本発明により使用される少なくとも1種類の混合物が規定量で薬剤的に適切に、なおかつ生理的に忍容性の高い担体およびさらに規定量で適切と考えられる活性物質、追加剤、または補助剤と混合され、任意の投与形態で調製されることによって生成され得る。
【0044】
希釈剤として、ポリグリコール、エタノール、水、および緩衝液を使用できる。適切な緩衝液は、例えばN,N’‐ジベンジルエチレンジアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N‐メチルグルカミン、N‐ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、リン酸、炭酸水素ナトリウム、または炭酸ナトリウムである。しかし、希釈剤をまったく使用しないことも可能である。
【0045】
生理的に忍容性の高い塩類は、無機酸または有機酸(塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、p‐トルオルスルホン酸等)、無機塩または有機塩(NaOH、KOH、Mg(OH)、ジエタノールアミン、エチレンジアミン等)、アミノ酸(アルギニン、リシン、グルタミン酸等)、無機塩(CaCl、NaCl、またはその遊離イオン[Ca、Na、Cl、SO‐、またはその混合物等])である。これらは標準的な方法によって生成される。
【0046】
本発明は、糖尿病、リピドーシス等の古典的な代謝病以外のその他の疾患(癌、自己免疫疾患、リウマチ等)も、最終的には代謝病が原因であるという知見に基づく。本発明による化合物は、ミトコンドリアにおいて確認され、ピリミジンヌクレオチド合成に使われるジヒドロオロテート脱水素酵素を特に効果的に阻害する。とりわけ活性化リンパ球の増殖が阻害される。このような代謝病の測定可能な生化学的パラメータは、例えば上述および下述するすべての疾患患者の血液中で増加するピルビン酸キナーゼM2型(M2‐PK)の増加である。各疾患の依存性については、患者の血中で検出され得るM2‐PKは様々な細胞由来であり、癌は腫瘍細胞由来、敗血症は免疫細胞由来、リウマチは免疫細胞および/または滑膜細胞由来である。健常な細胞では、四量体のM2‐PKは高度に並んだ細胞質複合体、つまり解糖系酵素複合体において確認し得る。腫瘍性タンパク質の過活性化によりM2‐PKが複合体から外へ移動し、腫瘍代謝の典型的な変化が生じる。同時にホスホグリセロムターゼ(PGM)が複合体を離れ、別の酵素複合体に移入する。そこでは細胞質内のトランスアミナーゼが関係してくる。そのため、この複合体はトランスアミナーゼ複合体と呼ばれる。PGM、グリセリン酸‐3‐Pの基質は、アミノ酸セリンおよびグリセリン合成の前段階である。どちらのアミノ酸もDNAおよびリン脂質合成には必須である。PGMがトランスアミナーゼ複合体に移入することにより、セリン合成およびグルタミン酸分解が活性化される。例えばリウマチ、敗血症、または多発外傷等、免疫系の疾患が生じた場合、同じ変化が免疫細胞で起こる。多細胞生物では、細胞質ゾル中の酵素の臓器特異的な関わり、例えば筋肉では収縮タンパク質との関係等によって様々な細胞の代謝が統合化される。そのため様々な臓器がそれぞれ特異的な同位酵素を備えている。この秩序が乱されると、必然的に疾患が発現する。十分量の食物上で繁殖する細菌やイースト菌等の単細胞生物には細胞質ゾルという複雑な機構がない。結果的に、多細胞生物における異常代謝を阻害する物質は、そのような単細胞生物の増殖も阻害する。そこで本発明は効果を発揮し、適切な標的分子、具体的にはピルビン酸キナーゼ、アスパラギナーゼ、セリン脱水酵素、トランスアミナーゼ、デアミナーゼ、および/またはグルタミナーゼ等、解糖系酵素複合体の分子と競合的に結合することによって疾患起因の代謝病を阻害する。具体的にはアミノ基転移、酸化的脱アミノ化、加水分解的脱アミノ化、除去的脱アミノ化、および還元的脱アミノ化を阻害する。それによって基本的に細胞毒性作用の可能性がなくなり、その他の既知の活性物質に典型的な副作用は生じない。炎症阻害または抗リウマチ作用に関する適応と関係して、特に本発明による物質が非ステロイド性物質であることには意味がある。
【0047】
具体的には、本発明による物質はアミノ酸由来のピルビン酸を阻害すると考えられる。
【0048】
本発明による物質は、心不全または慢性心不全(CCF)の治療にさらに使用し得る。そうすることによって異型またはニューヨーク心臓協会(NYHA)分類で定義されるグレードNYHA I〜HYHA IVが適応になる。これらすべての疾患は、心筋が負荷下または安静時でも臓器の代謝に必要な血流および輸送能を急性的および/または慢性的に提供できない状態を示す。その理由は、とりわけ複雑な冠動脈の炎症プロセスである(免疫系の細胞および補体の活性化)。
【0049】
この意味において、本発明による抗炎症性物質の投与は、切迫した生命を脅かすアシドーシス(乳酸産生による)を予防し得る。既知の手段(ACE阻害剤、利尿剤、ジギタリス、筋変力作用陽性物質、または硝酸イソソルビド等)と比較して、本発明による物質はエネルギー代謝に直接影響を及ぼすため、これを改善する。副作用はほぼ無視できる。
【0050】
したがって、本発明は「癌(肺癌、白血病、卵巣癌、肉腫、髄膜腫、腸癌、リンパ節癌、脳腫瘍、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌等)、慢性炎症、喘息、アレルギー、鼻炎、ブドウ膜炎、蕁麻疹、関節炎、変形性関節炎、慢性多発関節炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、変形性関節症、軟骨破壊を伴うリウマチ性循環障害、敗血症、自己免疫疾患、I型糖尿病、橋本病、自己免疫性血小板減少症、多発性硬化症、重症筋無力症、慢性炎症性腸疾患、クローン病、ブドウ膜炎、乾癬、異型皮膚炎、膠原病、グッドパスチャー症候群、白血球接着が障害されている疾患、悪液質、TNF‐α濃度上昇による疾患、糖尿病、リピドーシス、細菌感染、(具体的には耐性菌)、心不全、および慢性心不全(CCF)」からなる前記群の1種類以上の疾患を治療する医薬組成物を生成するための本発明による化合物の使用をさらに教示する。このような治療には予防も含まれる。
【0051】
本発明のため、様々なさらなる実施形態が考えられる。例えば、本発明による医薬組成物は、上述の(化学式I)に分類される複数の異なる化合物を含み得る。さらに、本発明による医薬組成物は(化学式I)の化合物とは異なる活性物質をさらに含み得る。これは混合剤である。使用される様々な活性物質は、当該活性物質が投与単位で混合される等、単一の投与単位で調製され得る。しかし、様々な活性物質を同種または異種の調製単位で調製することも可能である。
【0052】
本発明は、医薬組成物を生成する方法にも関連があり、本発明による少なくとも1種類の化合物が薬剤的に適切かつ生理的に忍容性の高い担体物質と、該当する場合、さらに適切な活性物質、追加剤または補助剤と混合され、適切な投与形態にされることを特徴とする。
【0053】
好ましくは、本医薬品組成物は計量装置で生成され、投与されるものであって、活性成分としてすべての単位に(化学式I)による本発明による規定量の化合物が含まれることを特徴とする。錠剤、カプセル、糖衣丸、または坐剤等の固形剤形ではおそらく0.1〜1,000 mg、好ましくは1〜300 mg、アンプル形態の注射液では0.01〜1,000 mg、好ましくは1〜100 mgである。
【0054】
50〜100 kg、例えば70 kgの成人を治療する場合、例えば0.1〜1,000 mg、好ましくは1〜500 mgの活性物質を1日1回注射する。しかし、特定の条件下では1日投与量がより高用量またはより低用量でも適切となり得る。1日投与量は、単回投与ユニットまたはより少量の複数回投与ユニットの形態あるいは特定の間隔での反復投与で1日1回投与し得ることである。
【0055】
しかし、本発明による1種類以上の活性物質とアミノオキシ酢酸(AOA、NH2‐O‐CH2‐COOH、または塩類あるいはそのエステル[例えばC‐Cl0アルキル基またはヒドロキシアルキルエステル基])の混合物、特にAOAは小さな腫瘍(<0.1〜1 cm)に対して効果的である、あるいはその生成、具体的には転移の進展を阻害するが、本発明による化合物は特に大きな腫瘍に対して効果的である。その理由は、小さな腫瘍と大きな腫瘍の代謝が異なるためである。混合に関する上述の説明を同様に適用する。
【0056】
以下に、本発明による化合物の合成例を記載する。
【実施例】
【0057】
実施例1
2,5‐ジブロモフェノキシ‐(5‐メチルイソオキサゾール)‐4‐炭酸アミドの合成。
【0058】
実施例1.1
エチル‐2,5‐ジブロモフェノキシ‐アセトヒドロキサム酸の合成。
【0059】
エチルアセトヒドロキサム酸(9.2 g、89.22 mmole)を無水DMF100 mlで溶解し、0度でKOtBu(11.05 g、98.5 mmol)に添加する。30分後、20度で撹拌し、2,5‐フッ化ジブロモフェニル(1.25 g、98.5 mmole)を添加し、80度でさらに1.5時間撹拌した。氷で冷却しながら溶液を水600 mlと反応させ、酢酸エチル400 mlで2回それぞれ抽出し、飽和NaCl溶液400 mlで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空にて濃縮する。一晩おいて得られた結晶学的組成を吸い出し、若干のEEで洗浄する。収量は8.92 g(27%)である。
【0060】
実施例1.2
2,5‐ジブロモフェノキシアミンの合成。
【0061】
1.1の生成物(8.92 g、26.5 mmole)をジオキサン(32 ml)中で溶解し、氷浴中〜0度で冷却する。シリンジを用いて60%過塩素酸(22.3 ml)を緩徐に添加する。氷浴を除去し、20度で1時間の撹拌後、反応混合物を氷水500 mlに添加し、40%水酸化ナトリウム溶液で中和する。水相を酢酸エチル600 mlで2回それぞれ抽出し、飽和NaCl溶液400 mlで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空にて濃縮する。収量は7 gである。
【0062】
実施例1.3
5‐メチルイソオキサゾール‐4‐炭酸クロリドの合成。
【0063】
アルゴン雰囲気下で5‐メチルイソオキサゾール‐4‐炭酸(2.37 g、18.65 mmole)を準備し、塩化チオニル(23.83 ml、326.5 mmole)と反応させる。次に溶液を90度で1時間撹拌し冷却、真空にて塩化チオニルを除去する。次に生成物を使用し、さらなる清浄はしない。
【0064】
実施例1.4
最終生成物の合成。
【0065】
アルゴン雰囲気下でステップ1.2の中間生成物(4.98 g18.66 mmole)を水分のないピリジン100 ml中で溶解する。次に無水ジクロロメタン10 ml中で溶解したステップ1.3の生成物(2.7 g、18.65 mmole)を緩徐に滴下させる。16時間の撹拌後、真空にて反応液を70度で濃縮し、トルエンを用いて再度共蒸着させる。得られた残留物をシリカゲル上に載せ、フラッシュシリカゲル(tol/EE 3:1)上を清浄後、最終生成物が得られ、イソプロパノールより再結晶化され得る。
【0066】
実施例2
N‐(4‐トリフルオロメトキシフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)‐4‐炭酸アミドの合成。
【0067】
手順は実施例1と類似しているが、ステップ1.1では2,5‐フッ化ジブロモフェニルの代わりに2,5‐4‐フッ化トリフルオロメトキシフェニルを使用する。
【0068】
実施例3
4‐シアノフェノキシ‐(5‐メチル‐イソオキサゾール)‐4‐炭酸アミドの合成。
【0069】
手順は実施例1と類似しているが、ステップ1.1では2,5‐フッ化ジブロモフェニルの代わりにフッ化シアノフェニルを使用する。
【0070】
実施例4
N‐(4‐トリフルオロメチルフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミドの合成。
【0071】
手順は実施例1と類似しているが、ステップ1では2,5‐フッ化ジブロモフェニルの代わりに4‐フッ化トリフルオロメチルフェニルを使用する。
【0072】
実施例5
[(5‐メチルイソオキサゾール‐4‐カルボニル)アミノオキシ]の合成。
【0073】
実施例5.1
アセトンカルボキシメトキシムの合成。
【0074】
クロロ酢酸ナトリウム塩(175.3 g、1.51 mmol)を水300 ml中で溶解し、水310 ml中で溶解したアセトオキシム(100 g、1.37 mol)を添加する。さらに、40%水性NaOH 137 gを添加し、反応混合物を1時間、沸騰するまで加熱する。20度まで冷却後、反応溶液をエーテル200 mlで4回それぞれ抽出し、有機相を捨てる。塩酸を用いて水相をpH 3〜4にし、NaClで飽和させ、エーテル300 mlで6回それぞれ抽出する。混合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空にて濃縮する。黄色の固体物質として中間生成物が得られる。収量は65 gである。
【0075】
実施例5.2
カルボキシメトキシルアミンヘミ塩酸塩の合成。
【0076】
ステップ5.1の生成物(26 g、198.3 mmole)を広口のエルレンマイアーフラスコ中に準備し、水260 mlと反応させる。得られた溶液16 ml濃度に対し、塩酸を滴下させ、撹拌下で90度まで加熱する。90度で3.5時間撹拌後、濃縮溶液(50 ml)を冷却し、イソプロパノール/エーテル(1:3)390 mlと反応させる。冷却器に2日放置後、得られた沈降物を濾過、洗浄し、高真空にて乾燥させる。無色の結晶が得られる。収量は6 gである。
【0077】
実施例5.3
5‐メチルイソオキサゾール‐4‐炭酸クロリドの合成。
【0078】
アルゴン雰囲気下で5‐メチルイソオキサゾール‐4‐炭酸(2.37 g、18.65 mmole)を準備し、塩化チオニル(23.83 ml、326.5 mmole)と反応させる。次に生成物を90度で1時間撹拌し、冷却、真空にて塩化チオニルを引き出す。さらなる洗浄はせずに生成物を使用する。
【0079】
実施例5.4
最終生成物の合成。
【0080】
ステップ5.2の中間生成物(8.3 g、76 mmol)を水50 ml中で溶解し、2N NaOH(76.6 mmole)38.3 mlで中和する。次に0度まで冷却後、無水ジエチルエーテル42 ml中で溶解したステップ5.3の生成物(11.45 g、76 mmole)を緩徐に滴下させる。50分以内に2N NaOH溶液37.5 mlを滴下させ、塩酸を用いて反応溶液をpH 3にする。次に生成物をエーテル上に引き出し、水相を酢酸エチル50 mlで4回それぞれ抽出する。混合した有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空にて濃縮する。白色の固体物質が得られる。収量は5.2 g(34%)である。
【0081】
実施例6
構造および分析データ。
【0082】
実施例6.1
2,5‐ジブロモフェノキシ‐(5‐メチルイソオキサゾール)‐4‐炭酸アミド(図4)。
MW:376.00 g/mol。
【0083】
融点:165.6度(Electrothermal IA 9200、昇温速度1度/分)。
【0084】
1H‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として400 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=2.67(s、3H、Me)、7.23(dd、1H、J=2.2 Hz、J=8.4 Hz、4‐Harom)、7.46(d、1H、J=1.9 Hz、6‐Harom)、7.61(d、1H、J=8.4 Hz、3‐Harom)、8.88(s、1H、CH)、12.55(bs、1H、NH)。
【0085】
13C‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として100.6 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=12.10(1C、Me)、106.48(1C)、108.13(1C)、116.47(1C)、121.25(1C、4‐Carom)、126.89(1C、6‐Carom)、134.58(1C,3‐Carom)、148.66(1C、CH)、156.20(1C)、160.99(1C)、173.31(1C)。
【0086】
実施例6.2
N‐(4‐トリフルオロメトキシフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)‐4‐炭酸アミド(図5)。
MW:303.21 g/mol。
【0087】
融点:−−−(Electrothermal IA 9200、昇温速度1度/分)。
【0088】
1H‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として400 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=2.66(s、3H、Me)、7.23(d、2H、J=9.2 Hz)、7.36(d、2H、J=8.8 Hz)、8.86(s、1H、NH)。13C‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として100.6 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=12.04(1C、Me)、108.27(1C)、114.49(2C)、120.05(q、1C、J=255.6 Hz、CF3)、122.59(2C)、143.06(1C)、148.55(1C)、158.11(1C)、159.53(1C)、173.06(1C)。
【0089】
実施例6.3
4‐シアノフェノキシ‐(5‐メチルイソオキサゾール)‐4‐炭酸アミド(図6)。
MW:243.22 g/mol。
【0090】
融点:132.1度(Electrothermal IA 9200、昇温速度1度/分)。
【0091】
1H‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として400 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=2.67(s、3H、Me)、7.32(d、2H、J=8.8 Hz)、7.72(m、2H)、8.87(s、1H、CH)、12.55(bs、1H、NH)。
【0092】
13C‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として100.6 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=12.05(1C、Me)、105.05(1C)、108.16(1C)、114.03(1C)、118.62(1C)、134.28(2C)、148.57(1C)、159.69(1C)、162.70(1C)、173.17(1C)。
【0093】
実施例6.4
N‐(4‐トリフルオロメチルフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド(図7)。
MW:286.21 g/mol。
【0094】
融点:122.8度(Electrothermal IA 9200、昇温速度1度/分)。
【0095】
1H‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として400 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=2.67(s、3H、Me)、7.32(d、2H、J=8.6 Hz)、7.72(d、2H、J=8.7 Hz)、8.88(s、1H、CH)、12.55(bs、1H、NH)。
【0096】
13C‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として100.6 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=20.96(1C、Me)、108.25(1C)、113.58(2C、2‐Carom、6‐Carom)、123.33(q、1C J=32.2 Hz、CCF3/CF3)、124.22(q、1C、J=271.0 Hz、CCF3/CF3)、127.08(q、2C、J=3.7 Hz、3‐Carom、5‐Carom)、148.55(1C)、159.64(1C)、162.22(1C)、173.18(1C)。
【0097】
実施例6.5
[(5‐メチルイソオキサゾール‐4‐カルボニル)‐アミノオキシ]酢酸(図8)。
MW:200.15 g/mol。
【0098】
融点:155.4度(Electrothermal IA 9200、昇温速度1度/分)。
【0099】
1H‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として400 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=2.64(s、3H、Me)、4.50(s、2H、CH2)、8.80(s、1H、CH)、12.10(bs、1H、COOH/NH)、12.88(bs、1H、COOH/N)。
【0100】
13C‐NMR(Bruker Avance 400(国際基準として100.6 MHz、dmso‐d、TMS)で測定):δ(ppm)=12.01(1C、Me)、76.96(1C)、108.67(1C)、148.54(1C)、159.15(1C)、170.16(1C)、172.55(1C)。
【0101】
実施例7
生物学的データ。
【0102】
実施例6.1の構造について、コロニー検定で試験した。様々なヒト腫瘍の腫瘍幹細胞を軟寒天中で培養し、試験物質ありとなしの状態で生成された腫瘍コロニーを数えた。全部で25種類の腫瘍モデルについて試験した。大腸、膵臓、および胃の癌、小細胞および非小細胞肺腫瘍、乳癌、卵巣癌、腎臓癌、および黒色腫に属するものである。これら様々なタイプの腫瘍を用いた試験によって、試験物質が特定の腫瘍に対してのみ選択的に活性を示すのか、多数または複数の腫瘍に対しても活性を示すのか評価できる。
【0103】
図9では、実施例6.1の構造の効果が示される。全25モデルについて、本物質はコロニー生成を用量依存的に阻害する。IC50値(対照と比較してコロニー数の50%減少が認められる物質濃度)は160 μM、IC70値(70%減少)は220 μMであった。
【0104】
図9では、棒グラフは全IC70データの平均値を基準としてIC70濃度を示す。棒グラフが左方向に向っている場合、全モデルの平均値と比較してこれらのモデルのほうが感度が高い等、IC70は全ICデータの平均値より低くなる。棒グラフが右方向に向うと、IC70値はモデルの平均値よりも高いことを意味し、平均より感度が低いことを示す。略語は次の腫瘍モデルを意味する。CXF:大腸癌、GXF:胃癌、LXFA:非小細胞肺癌、LXFE:扁平上皮肺癌、FXFL:大細胞肺癌、LXFS:小細胞肺癌、MAXF:乳房腫瘍、MEXF:黒色腫、OVXF:卵巣癌、PAXF:膵臓癌、およびRXF:腎臓癌。
【0105】
さらに、細胞培養実験を実施した。このため、6点の腫瘍細胞株を使用し(ヒト大腸癌細胞株1点、ヒト乳癌細胞株2点、ヒト膵臓腫瘍細胞株1点、多剤耐性ヒト子宮頚部細胞株系1点、およびラット肝臓癌細胞株1点)、様々な栄養条件下(栄養培地におけるピルビン酸の有無により)で試験した。これらの細胞培養試験における平均IC50は150 μMであり、30〜280 μMの範囲であった。これを用いて上述のコロニー検定試験についても細胞培養試験で確認する。
【0106】
全体として、モデルがない、阻害されなかった等、極めて広範かつ有効なスペクトラムが得られ、IC50値およびIC70値はいずれのモデルでも比較的接近していた。非小細胞肺腫瘍モデルでは、特に感度が高かった。ここでは、IC50値は60 μM、IC70値は100 μMであった。腎臓腫瘍モデルでは、IC50値とIC70値の最高値はそれぞれ240 μMおよび400 μMであった。
【0107】
実施例6.2、6.3、および6.4の構造については、細胞培養試験において得られた以下の平均IC50値(80 μM、340 μM、および180 μM)は上述の実験と類似していた。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】化学式3。
【図2】フェノキシアミン化合物によって得られる本発明による化合物の生成方法。
【図3】本発明によるその他の化合物を塩素化脂肪族炭化水素誘導体により生成する方法。
【図4】2,5‐ジブロモフェノキシ‐(5‐メチルイソオキサゾール)‐4‐炭酸アミドの化学式。
【図5】N‐(4‐トリフルオロメトキシフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)‐4‐炭酸アミドの化学式。
【図6】4‐シアノフェノキシ‐(5‐メチルイソオキサゾール)‐4‐炭酸アミドの化学式。
【図7】N‐(4‐トリフルオロメチルフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド。
【図8】[(5‐メチルイソオキサゾール‐4‐カルボニル)‐アミノオキシ]酢酸。
【図9】実施例6.1の構造についてのコロニー検定の試験結果。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
R1-O-NH-(CO)-R2 化学式1
(CO)が(CS)によって置換され得るものであることと、
R1が任意の残基であることと、
R2が任意の残基R3と置換される、あるいは置換されない4‐イソオキサゾリルまたは‐(CCN)=CH(OH)、
あるいはそのような化合物の代謝物
もしくはそのような化合物または代謝物の生理的に忍容性の高い塩類であるが、
N-{[3‐クロロ‐5(トリフルオロメチル)‐2‐ピリジニル]オキシ}‐3,5‐ジメチル‐4‐イソキサゾールカルボキシアミドではないことを特徴とする、
化学式1による化合物。
【請求項2】
R2が前記5位および/または3位で前記残基R3と置換されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R3が(C‐C10)アルキル基あるいは該当する場合、部分的または完全にハロゲン化され得るものであり、具体的にはフッ化(C‐C10)アルキル基(具体的には‐CH基、CF基、イソプロピル基、イソブチル基、(C‐C)シクロアルキル基、具体的には例えばメチル基、シクロヘキシル基、(C‐C10)アルケニル基、(C‐C10)アルキニル基、(C‐C)アルキル‐(C‐C)シクロアルキル基、(C‐C)アルケニル‐(C‐C)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C‐C)アルキルヘテロシクリル基、(C‐C)アルケニルヘテロシクリル基、アリール基(具体的にはフェニル基、4‐フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、フェノキシ置換フェニル基)、(C‐C)アルキルアリール基(具体的には‐CH(Phe)基)、(C‐C)アルキニルアリール基、または該当する場合、1〜2個のケト基によって置換される、1〜2個の(C‐C)アルキル基を含む単環または二環ヘテロアリール基、1〜2個の(C‐C)アルコキシ基、1〜3個のハロゲン原子、1〜2個のエキソメチレン基、1〜3個の窒素原子および/または1〜2個の酸素原子および/または1〜2個の硫黄分子、(C‐C)アルキルヘテロアリール基、または(C‐C)アルケニルヘテロアリール基、(C‐C)アルキニルヘテロアリール基、‐COOHと1〜4倍置換されるシクロプロピル基であり、これらの官能基は任意の位置でR2と連結され得るものであり、該当する場合、1つ以上の位置で水和され得ることを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
R3が、好ましくは(C〜C)アルキル基であり、該当する場合、部分的または完全にハロゲン化されるものであり、具体的にはフッ素化(C〜C)アルキル基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルケニル基、または(C〜C)アルキニル基であることを特徴とする、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R1が直接または間接的に(C〜C)アルキル基によって連結される、該当する場合、例えば(C〜C)アルキル基によって置換される芳香環(具体的にはフェニル基またはベンジル基)であり、任意選択的に前記環の1個以上のC原子がS、O、およびNからなる前記群の1個以上の異なるヘテロ原子と交換され得ることと、前記芳香環が個々または複合的に、同一または別異の方法でR4と置換され得ることとを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項6】
R4が一致したあるいは異なる方法でR41およびR42と置換される‐H、‐F、‐Cl、‐Br、‐I、‐CN、COOH、‐OH、‐NO、NR4142であり、個々または複合的に‐F、‐C1、‐Br、または‐Iと任意選択的に置換される(C〜C10)アルキル基であることと、R41が上述の意味を有し、該当する場合、部分的または完全にハロゲン化される、具体的にはフッ化(C〜C10)アルキル基(例えば‐CF)、(C〜C10)アルコキシ基(例えば‐O‐CFまたは‐O‐CH)、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C10)アルケニル基、(C〜C10)アルキニル基、(C〜C)アルキル‐(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルケニル‐(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C〜C)アルキルヘテロシクリル基、(C〜C)アルケニルへテロシクリル基、アリール基、(C〜C)アルキルアリール基、(C〜C)アルケニルアリール基、または(C〜C)アルキニルアリール基を有することと、これらの官能基が任意の位置でR2と連結され得るものであり、適宜、1つ以上の位置で水和され得ることとを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
R1が、例えば(C〜C10)アルキル基であり、該当する場合、部分的または完全にハロゲン化される、具体的にはフッ化されるあるいは‐COOHまたは‐CN‐置換(C〜C10)アルキル基、(C〜C10)アルコキシ基、(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C10)アルケニル基、(C〜C10)アルキニル基、(C〜C10)アルキル‐(C〜C)シクロアルキル基、(C〜C)アルケニル‐(C〜C)シクロアルキル基、ヘテロシクリル基、(C〜C)アルキルヘテロシクリル基、(C〜C)アルケニルヘテロシクリル基、アリール基、(C〜C)アルキルアリール基、(C〜C)アルケニルアリール基、または(C〜C)アルキニルアリール基であることと、これらの官能基が任意の位置でR2と関連し得るものであり、適宜、1つ以上の位置で水和され得ることとを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項8】
R1がフェニル基、個々または複合的にハロゲン化されるフェニル基、‐CNまたは‐OOOHと置換されるフェニル基、あるいは(C〜C10)アルコキシ基と置換されるフェニル基であることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項9】
すなわちN‐(4‐メチルフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐エチルフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐トリフルオロメチルフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐トリフルオロメトキシフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐エトキシフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐シアノフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(2,5‐ジブロモフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(2,5‐ジフルオロフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(3‐フルオロフェノキシ)‐(5‐メチルイソオキサゾール)炭酸アミド、[5‐メチルイソオキサゾール‐4‐カルボニル)‐アミノオキシ]酢酸、N‐(4‐メチルフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐エチルフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐トリフルオロメチル‐フェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐トリフルオロメトキシフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐エトキシフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(4‐シアノフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(2,5‐ジブロモフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、N‐(2,5‐ジフルオロフェノキシ)‐(5‐エチルイソ‐オキサゾール)炭酸アミド、N‐(3‐フルオロフェノキシ)‐(5‐エチルイソオキサゾール)炭酸アミド、[(5‐エチルイソオキサゾール‐4‐カルボニル)‐アミノオキシ]酢酸、5‐メチル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]イソオキサゾール‐4‐カルボキサミド、4‐{[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]カルバモイル}イソオキサゾール‐3‐カルボン酸、4‐{[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]カルバモイル}イソオキサゾール‐3‐カルボン酸、3,5‐ジメチル‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]イソオキサゾール‐4‐カルボキサミド、3,5‐ジメチル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]イソオキサゾール‐4‐カルボキサミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐N[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ‐ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐(4‐ニトロフェノキシ)ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐(4‐フルオロフェニル)‐3‐ヒドロキシ‐N‐[4‐(ニトロフェノキシ)ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐(4‐フルオロフェニル)‐3‐ヒドロキシ‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐シクロヘキシル‐3‐(4‐フルオロフェニル)‐3‐ヒドロキシ‐N[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐シクロヘキシル‐3‐ヒドロキシ‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐シクロヘキシル‐3‐ヒドロキシ‐N‐[3‐トリフルオロメチル]フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(2,2,3,3‐テトラメチルシクロプロピル)‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(2,2,3,3‐テトラメチルシクロプロピル)‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(ペンタ‐フルオロフェニル)‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(ペンタフルオロフェニル)‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(3‐フェノキシフェニル)‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐3‐(3‐フェノキシフェニル)‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4‐フェニル‐N‐4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4‐フェニル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]アクリルアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4‐メチル‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ペンタ‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4‐メチル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ペンタ‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4,4‐ジフェニル‐N‐[4‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐4,4‐ジフェニル‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]ブト‐2‐エンアミド、(2Z)‐2‐シアノ‐4‐(1H‐インドール‐5‐イル)‐N‐(1‐フェニル‐エトキシ)ブト‐2‐エンアミド、N‐[3,5‐ビス(トリフルオロメチル)フェノキシ]チオフェン‐2‐カルボキサミド、3‐[2‐クロロフェニル)アミノ]‐2‐シアノ‐3‐チオキソ‐N‐[3‐(トリフルオロメチル)フェノキシ]プロパンアミド、5‐メチル‐N‐{[4‐(トリフルオロ‐メチル)ベンジル]オキシ}イソオキサゾール‐4‐カルボキサミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐ヒドロキシ‐N‐{[4‐(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}ブト‐2‐エンアミド、(2E)‐2‐シアノ‐3‐(3,5‐時ヒドロキシ‐フェニル)‐N‐{[4‐(トリフルオロメチル)ベンジル]オキシ}ブト‐2‐エンアミドである請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の化合物。
【請求項10】
請求項1〜請求項9のいずれか1つによる生理的有効量の化合物と任意選択的に生理的に忍容性の高い補助剤および/または担体物質を含む、医薬組成物。
【請求項11】
具体的にはアルデスロイキン、アミフォスチン、アトラセンタン、ベバシツマブ、ベキサロテン、ボルテゾミブ、カペシタビン、カルボプラチン、クロランブシル、シスプラチン、クラドリビン、シクロホスファミド、シトミド、ダカルバジン、ドセタキセル、ドロロキシフェン、エドレコロマブ、エポチロン、エルロチニブ、エトポシド、エキセメスタン、フラボピリドール、フルダラビン、フルオロウラシル、フォルメスタン、フルベストラント、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、イダルビシン、イリノテカン、イクサベピロン、ロナファルニブ、ミルテホシン、マイトマイシン、ネオバスタット、オキサリプラチン、ペメトレキセド、ポルフィマー、リツキシマブ、テガフール、テモゾロマイド、ティピファニブ、トポテカン、トリメトレキサート、ボロゾール、ビンブラスチン、およびそのような活性物質の2種類以上の混合物からなる前記群から選択される化合物とは異なる活性物質を追加的に含む、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
細胞性代謝病を伴う疾患を予防または治療する医薬組成物を生成するための、任意選択的に活性物質または請求項11による複数の活性物質との混合物における、請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の化合物の前記使用。
【請求項13】
前記疾患が「肺癌(非小細胞癌、上皮細胞癌、大細胞癌、小細胞肺癌)、白血病、卵巣癌、肉腫、髄膜腫、腸癌、リンパ節癌、脳腫瘍、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌(黒色腫)等の癌、慢性炎症、喘息、アレルギー、鼻炎、ブドウ膜炎、蕁麻疹、関節炎、変形性関節炎、慢性多発関節炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、変形性関節症、軟骨破壊を伴うリウマチ性循環障害、敗血症、自己免疫疾患、I型糖尿病、橋本病、自己免疫性血小板減少症、多発性硬化症、重症筋無力症、慢性炎症性腸疾患、クローン病、ブドウ膜炎、乾癬、異型皮膚炎、膠原病、グッドパスチャー症候群、白血球接着が障害されている疾患、悪液質、TNF‐α濃度上昇による疾患、糖尿病、リピドーシス、細菌感染、(具体的には耐性菌)、心不全、および慢性心不全(CCF)」からなる群から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の化合物が、少なくとも1種類の担体および/または補助剤と生理的に有効な投与量で混合され、ある投与剤形にされることを特徴とする、請求項12または請求項13に記載の使用。
【請求項15】
予防または治療を必要とする人に対し請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の化合物あるいは請求項10または請求項11に記載の医薬組成物を生理的に有効な投与量で投与されることを特徴とし、具体的には「肺癌、白血病、卵巣癌、肉腫、髄膜腫、腸癌、リンパ節癌、脳腫瘍、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌等の癌、慢性炎症、喘息、アレルギー、鼻炎、ブドウ膜炎、蕁麻疹、関節炎、変形性関節炎、慢性多発関節炎、関節リウマチ、炎症性腸疾患、変形性関節症、軟骨破壊を伴うリウマチ性循環障害、敗血症、自己免疫疾患、I型糖尿病、橋本病、自己免疫性血小板減少症、多発性硬化症、重症筋無力症、慢性炎症性腸疾患、クローン病、ブドウ膜炎、乾癬、異型皮膚炎、膠原病、グッドパスチャー症候群、白血球接着が障害されている疾患、悪液質、TNF‐α濃度上昇による疾患、糖尿病、リピドーシス、細菌感染、(具体的には耐性菌)、心不全、および慢性心不全(CCF)」からなる前記群の細胞性代謝病を伴う疾患の予防または治療のための、方法。
【請求項16】
任意選択的に化学式3の化合物が
チオニルハロゲン化物と、具体的にはチオニルクロリドと反応して、スルフィニルハロゲン化合物、具体的にはスルフィニルクロリドになることと、入手したスルフィニルハロゲン化物が化学式4の化合物と反応することと、
NH2‐O‐R1 化学式4
R1が請求項の意味を有することと、化学式3の化合物とそのスルフィニルハロゲン化物が3位で置換され得ることとを特徴とする、
請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の化合物を生成する、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公表番号】特表2009−531339(P2009−531339A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501849(P2009−501849)
【出願日】平成19年3月26日(2007.3.26)
【国際出願番号】PCT/DE2007/000600
【国際公開番号】WO2007/110068
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(503332617)シェボ ビオテック アクティエン ゲゼルシャフト (2)
【Fターム(参考)】