説明

イソキサゾリン環を有するカスパーゼ阻害剤

本発明は、様々なカズパーゼに対する阻害剤であるイソキサゾール誘導体、当該誘導体の製造方法、および当該誘導体を含む炎症及びアポトーシスを治療する治療用組成物に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カスパーゼ−1[インターロイキン−1β−変換酵素(ICE)]及びカスパーゼ−3[アポパイン/CPP−32]を含む各種カスパーゼに対する阻害剤としてのイソキサゾリン誘導体、その製造方法、並びにそれを含有する炎症及びアポトーシスを抑制するための治療用組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カスパーゼは、過去10年間で発見されたα2β2形態をしている新しい種類のシステインプロテアーゼである。それらの約14種類が、現在まで知られている。その中の1つであるカスパーゼ−1(ICE)はサイトカインの一種であり、不活性プロインターロイキン−1βの活性インターロイキン−1βへの変換に関与する。インターロイキン−1はインターロイキン−1αとインターロイキン−1βとからなり、その両方は、31KDaの前駆体の形態に単核細胞で合成される。そのうち、プロインターロイキン−1βのみがICEにより活性化される。カスパーゼ−1により加水分解される位置は、Asp27−Gly28とAsp116−Ala117である。後者位置における加水分解は、インターロイキン-1βを与える。インターロイキン−1βは、炎症を引き起こす重要な媒介体として作用することが報告れている(参考文献1,3)。カスパーゼ−1は1989年に初めて発見され、2つの独立した研究グループによって、その3次元的な構造がX−ray結晶学的方法により決定された。
【0003】
カスパーゼ−3(CPP−32)は、その役割や作用メカニズムが広く研究されており、その3次元的構造は1996年に決定された(参考文献2)。プロカスパーゼ−3から活性化されたカスパーゼ−3(アポパイン)は、(P4)Asp−X−X−Asp(P1)モチーフを加水分解し、その公知の基質としては、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ、U1 70,000 Mr小核リボ核酸タンパク質及び460,000 MrのDNA−依存性プロテインキナーゼの触媒的サブユニットなどが含まれる。カスパーゼ−7のX−ray構造は、カスパーゼ−3のそれとかなり類似していることが報告されている(参考文献4)。
【0004】
カスパーゼ−8と9はカスパーゼ−3、6、7の上流に存在し、これらカスパーゼは、アポトーシスカスケードに関与していることが知られている。カスパーゼ−8のX−ray構造は、1999年に決定され(参考文献5)、特にその阻害剤は、を投与することでアポトーシスに関連する疾患を治療するために使用でき得る。
【0005】
カスパーゼ阻害剤とは、カスパーゼ活性を阻害し、カスパーゼの活性により誘発される炎症やアポトーシスなどの症状をコントロールする化合物を意味する。当該阻害剤を投与することにより治療又は軽減できる疾患又は症状としては、下記が含まれる:リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、移植片対宿主疾患、敗血症、骨関節炎、骨粗鬆症、急性及び慢性骨髄白血病、脳膜炎、卵管炎、敗血性ショック、胆管炎、大腸炎、脳炎、心内膜炎、糸球体腎炎、肝炎、心筋炎、膵臓炎、1型糖尿病、多発性硬化症、アルツハイマー病、パーキンソン病、肝硬変(参考文献6)。
【0006】
これまで知られているカスパーゼ阻害剤の中で、最も知られた非可逆的阻害剤は、以下通りである。
【0007】
【化1】

【0008】
上記両阻害剤は、酵素を非可逆的に不活性化して細胞アポトーシスを抑制するという共通のメカニズムを示す(非可逆的、広範囲−スペクトル阻害剤)。非可逆的な阻害剤と可逆的な阻害剤を比較すると、非可逆的阻害剤は可逆的な阻害剤より極めて高い効果を有することが報告されている(参考文献7)。IDUN社のIDN−1965とMaxim社のMX−1013は、何れも、肝損傷の細胞アポトーシスモデルで活性を示すと報告された(参考文献8,9)。これらの化合物は、現在、前臨床試験段階にある。最近に構造が報告された非可逆的阻害剤であるIDN−6556は、肝損傷抑制剤としての第2相臨床試験段階が進行中である(参考文献10,11)。
【0009】
【化2】

【0010】
参考文献:
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(7)Wu J.et al,Methods:A Companion to Methods in Enzymology,1999,17,320
(8)Hoglen N.C.et al,J.of Pharmacoloy and Experimental Therapeutics,2001,297,811
(9)Jaeschke H.et al,Toxicology and Applied Pharmacology,2000,169,77
(10)Hoglen N.C.et al,J.Pharmacol Exp.Ther.,2004,309(2):634.IDN−6556(3−[2−(2−tert−ブチル−フェニルアミノオギザリル)−アミノ]−プロピオニルアミノ]−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロ−フェノキシ)−ペンタン酸)の特性:肝臓を標的とするカスパーゼ阻害剤;
(11)Canbay A et al,J.Pharmacol.Exp.Ther.,2004,308(3),1191.カスパーゼ阻害剤であるIDN−6556は、胆汁菅を結紮したマウスの肝障害と繊維症を軽減する。
【発明の開示】
【0011】
本発明者らは、カスパーゼに対する効果的な阻害剤として使い得るものであり、特徴的な構造と類似な酵素に対する高い選択性を有する化合物を新たにデザインして合成し、それらのカスパーゼに対する結合能と阻害活性を測定した。その結果、本発明者らは、下記式(1)の化合物がその様な要求を満たすことを見出し、本発明を完成した。
【0012】
【化3】

式中、A、B、R、R1、R2及びXは、下記と同義である。
【0013】
即ち本発明は、カスパーゼに対する有効な阻害活性を有する式(1)の新規なイソキサゾリン誘導体、その塩、またはその立体異性体を提供するものである。
【0014】
本発明のもう1つの目的は、式(1)の化合物、その塩、またはその立体異性体を製造するための方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明のもう1つの目的は、組成物、用途、又はカスパーゼの阻害方法、特に、薬学上許容される担体と共に、活性成分として式(1)の化合物、その塩、またはその立体異性体を含有する組成物、用途、又は炎症及びアポトーシスを抑制するための方法を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明を詳細に説明する前に、下記重要用語を定義する:
【0017】
a)単純アルキル鎖(Simple Alkyl Chain;以下、「SAC」)は、直鎖状または分枝状の異性体の何れかに炭素原子1〜8を有する炭化水素を意味する。
【0018】
b)単純シクロアルキル鎖(Simple Cyclo Alkyl Chain;以下、「SCAC」)は、炭素数3〜10を有する環状ラジカルを意味する。
【0019】
c)アリール基(以下、「Ar」)は、芳香族基と複素芳香族基を両方含む。芳香族基は5〜15員の単純または縮合不飽和環である。1以上の水素は、アシル、アミノ、カルボアルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、チオール、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、スルホキシ、及びグアニド基から選択される基で置換されていてもよい。複素芳香族基は、酸素、硫黄、及び窒素よりなる群から選択された1〜5個のヘテロ原子を有する芳香族基である。同様に、1以上の水素は、アシル、アミノ、カルボアルコキシ、カルボキシ、カルボキシアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、チオール、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、スルホキシ、グアニド基から選択される基で置換されていてもよい。または、例えばピリジルの場合、窒素原子にアルキル基を加え、ピリジル基を、窒素原子上に正の電荷を有するピリジニウム基に変換し得る。
【0020】
アリール基には、フェニル、ビフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、ピリジニル、N−アルキルピリジニウム、ピリミジニル、キノリニル、ベンゾチエニル、インドリル、ピラジニル、イソインドリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾリニル、イソキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、インドリジニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、チエニル、ピロリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾロピリジニル、イミダゾピリジニル、イソチアゾリル、シンノリニル、カルバゾリル、イソクロマニル、クロマニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、イソベンゾテトラヒドロフラニル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジニル、ベンゾテトラヒドロフラニル、ベンゾテトラヒドロチエニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、トリアジニル、フェノキサジニイル、フェノチアジニイル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジニル、イミダゾチアゾリル、ジヒドロベンズイソキサジニル、ベンズイソキサジニル、ベンゾキサジニル、ジヒドロベンズイソチオピラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クマリニル、イソクマリニル、クロモニル、クロマノニル、ピリジニル−N−オキサイド、テトラヒドロキノリニル−N−オキサイド、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、ジヒドロクマリニル、ジヒドロイソクマリニル、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾキサゾリノニル、N−アルキル−ピリジウム、ピロリル−N−オキサイド、ピリミジニル−N−オキサイド、ピラジニル−N−オキサイド、キノリニル−N−オキサイド、インドリル−N−オキサイド、インドリニル−N−オキサイド、イソキノリル−N−オキサイド、キナゾリニル−N−オキサイド、キノキサリニル−N−オキサイド、フタラジニル−N−オキサイド、イミダゾリニル−N−オキサイド、イソキサゾリルN−オキサイド、オキサゾリル−N−オキサイド、チアゾリル−N−オキサイド、インドリジニル−N−オキサイド、インダゾリル−N−オキサイド、ベンゾチアゾリル−N−オキサイド、ベンズイミダゾリル−N−オキサイド、ピロリル−N−オキサイド、オキサジアゾリル−N−オキサイド、チアジアゾリル−N−オキサイド、トリアゾリル−N−オキサイド、テトラゾリル−N−オキサイドなどが含まれる。
【0021】
d)アリールで置換された単純アルキル鎖(以下、「SAC−Ar」)は、上述したアリール基で置換された炭素数1〜8の直鎖状または分枝状のアルキル基を意味する。
【0022】
e)天然アミノ酸には、グリシン、アラニン、バリン、ルイシン、イソルイシン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、プロリン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファンが含まれる。
【0023】
f)単純エステルの保護基は、直鎖状または分枝状の異性体の何れかの炭素数1〜8個を有する炭化水素である。
【0024】
また、本明細書は下記略語を含む:
N−クロロスクシンイミド:NCS
N−メチルモルホリン:NMM
O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェイト: HATU
N,N−ジメチルホルムアミド:DMF
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド:EDC
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物:HOBt
トリフルオロ酢酸:TFA
t−ブトキシカルボニル:Boc
ベンジルオキシカルボニル:Cbz
メチル:Me
エチル:Et
当量:Eq
【0025】
上記式(1)の置換基は、具体的には以下の通り定義される。
【0026】
I) Rは、H、単純アルキル鎖(−SAC)、単純シクロアルキル鎖(−SCAC)、アリール基(−Ar)、またはアリールで置換された単純アルキル鎖(−SAC−Ar)を表し、
II) R1は、−SAC、−SCAC、−Ar、−SAC−Ar、または全ての天然アミノ酸の側鎖残基を表し;式(1)の化合物は、R1が結合した炭素原子がR1によりステレオセンターになるときに、特異なジアステレオマー体、またはその混合物として存在していてもよく;または、R1がカルボキシル基部分を含むアミノ酸の側鎖残基であるときに、エステル体(−CO23;ここで、R3は−SAC)、またはスルホンアミド体(−CONHSO24;ここで、R4は−SAC)の形で保護基を有していてもよく、或いは薬学上許容される塩の形で存在していてもよく;または、R1が塩基性部分を含むアミノ酸の側鎖残基であるときに、薬学上許容される塩形態の形で存在していてもよく、
III) R2は−SAC、−SCAC、−Ar、−SAC−Ar、または天然アミノ酸の側鎖残基を表し;式(1)の化合物は、R2が結合した炭素原子がR2によりステレオセンターになるときに、特異なジアステレオマ体、またはその混合物で存在していてもよく;R2がカルボキシル基部分を含むアミノ酸の側鎖残基であるときに、エステル体(−CO25;ここで、R5は−SACである。)、またはスルホンアミド体(−CONHSO26;ここで、R6は−SACである。)の形で保護基を有していてもよく、或いは薬学上許容される塩の形で存在していてもよく;または、R2が塩基性部分を含むアミノ酸の側鎖残基であるときに、薬学上許容される塩形態の形で存在していてもよく、または
2は、さらに、H;−(CH2nOR7(ここで、R7は−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arであり、n=1または2);または−(CH2nOC(=O)R8(ここで、R8は−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arであり、n=1または2)を表し、
IV) Aは、−(CH2n−(n=0〜4)、−O−(CHn−(n=0〜4)、または−NR9−(CH2n−(n=0〜4)(ここで、R9は−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar)を表し、
V) Bは、H、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arを表し、または、
VI) R及びR1は、それらが結合した炭素原子と共に環を形成していてもよく、この場合、−R−R1−は、−(CHn−、−(CH2n−O−(CH2m−、または−(CH2n−NR10−(CH2m−(ここで、n+m<9であり、R10は−SAC、−SCAC、−Ar、−SAC−Ar、−C(=O)−SAC、−C(=O)−SCAC、−C(=O)−Ar、または−C(=O)−SAC−Ar)を表し、
VII) Xは、−C(=O)CH2OR11(ここで、R11は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar);−C(=O)CH2OC(=O)R12(ここで、R12は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar);−CH=CH−CO213(ここで、R13は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar);−CH=CH−SO214(ここで、R14は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar);−C(=O)CH=CH2;または−COCH2−W(ここで、Wは、−N2、−F、−Cl、−Br、−I、−NR1516(ここで、R15及びR16は、それぞれ−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arであるか、或いは共に結合して3〜6員の飽和または不飽和環状基を形成していてもよい)、−SR17(ここで、R17は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arである)、または下記式を表す:
【0027】
【化4】

【0028】
式中、
Yは、H、−OH、−OR18(R18=−SACまたは−SCAC)、C(=O)R19(R19=−H、−SAC、または−SCAC)、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NC、−N3、−CO2H、CF3、−CO220(R20=−SACまたは−SCAC)、−C(=O)NHR21(R21=−SACまたは−SCAC)、または−C(=O)NR2223(R22及びR23は、それぞれ−SAC、−SCAC、−Ar、または-SAC−Arである)であり、
24は、H、−SAC、−SAC−Ar、または−Arである。
【0029】
上記式(1)の化合物中でも好ましい化合物は、式中、
RはHを表し;
1は、−CH2COOH、−CH2COOR3(R3=SAC)、または−CH2CONHSO24(R4=SAC)を表し;
2は、H、−SAC、−Ar、または−(CH2nOR7(R7=−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar、n=1または2)を表し;または
Xは、−C(=O)CH2OAr、−C(=O)CH2OC(=O)Ar、または−COCH2−W[ここで、Wは、−N2、−F、−Cl、−Br、−I、−NR1516(ここで、R15及びR16はそれぞれ独立して−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arであるか、または共に結合して3〜6員の飽和若しくは不飽和環状基を形成していてもよい。)]、または−SR17(ここで、R17は−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar)を表す。
【0030】
上記式(1)の化合物中で、さらに好ましい化合物は、式中、
I) RはHを表し、
II) R1は、-CH2COOH、−CH2COOR3(R3=SAC)、または-CH2CONHSO24(R4=SAC)を表し、
III) R2は、H、−SAC、−Ar、または−(CH2nOR7(R7=−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar;n=1または2)を表し、
IV) Aは、−(CH2n−(n=0−4)または−O−(CH2n−(n=0〜4)を表し、
V) Bは、H、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arを表し、
VI) Xは、−COCH22、−COCH2F、−COCH2Cl、−COCH2Br、−COCH2I、−COCH2OAr、−COCH2OCOArまたは−COCH2SR17(ここで、R17は−SAC、−SCAC、−Arまたは−SAC−Ar)を表す。
【0031】
特に、好ましい化合物は下記群から選択される:
(1) (3S)−5−[(2,6−ジクロロベンゾイル)オキシ]−3−({[5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa);
(2) (3S)−3−({[5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−フェノキシペンタン酸(Ibb);
(3) (3S)−3−({[5−エチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Icc);
(4) (3S)−3−({[5−エチル−3−(1−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Idd);
(5) (3S)−3−({[5−エチル−3−(2−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Iee);
(6) (3S)−3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Iff);
(7) 3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Igg);
(8) エチル 3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタノエート(Ihh);
(9) 5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii);
(10) 3−({[5−エチル−3−(4−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ijj);
(11) 3−({[3−(ベンゾチオフェン−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ikk);
(12) (3S)−3−({[3−(1,3−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Ill);
(13) 3−({[3−(1,3−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Imm);
(14) (3S)−3−({[5−エチル−3−(1−ナフチルメチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Inn);
(15) (3S)−5−[(2,6−ジクロロベンゾイル)オキシ]−3−[({5−エチル−3−[2−(1−ナフチル)エチル]−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−4−オキソペンタン酸(Ioo);
(16) (3S)−3−[({5−エチル−3−[(1−ナフチルオキシ)メチル]−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Ipp);
(17) (3S)−3−{[(3−{[(4−クロロ−1−ナフチル)オキシ]メチル}−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Iqq);
(18) (3S,4E)−6−エトキシ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−6−オキソ−4−ヘキセン酸(Irr);
(19) (3S,4E)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−(メチルスルホニル)−4−ペンテン酸(Iss);
(20) 5−フルオロ−3−({[(5S)−3−(1−イソキノリニル)−5−プロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Itt);
(21) 3−({[(5S)−5−エチル−3−(1−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iuu);
(22) 3−({[(5S)−5−エチル−3−(2−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ivv);
(23) 3−({[(5R)−5−エチル−3−(3−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iww);
(24) 3−({[5−エチル−3−(8−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ixx);
(25) 3−({[5−エチル−3−(3−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iyy);
(26) 5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(2−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Izz);
(27) 3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa1);
(28) 3−[({3−[3−(tert−ブチル)フェニル]−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa2);
(29) 3−[({3−[4−(tert−ブチル)フェニル]−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa3);
(30) 5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa4);
(31) 3−[({(5R)−3−[3−(tert−ブチル)フェニル]−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa5);
(32) 3−{[(3−[1,1’−ビフェニル]−3−イル−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa6);
(33) 3−({[5−エチル−3−(2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa7);
(34) 3−[({3−[4−(tert−ブチル)−2−ピリジニル]−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa8);
(35) 3−[({(5R)−3−[4−(tert−ブチル)−2−ピリジニル]−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル]アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa9);
(36) 3−({[5−エチル−3−(4−イソブチル−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa10);
(37) 3−({[3−(4−アセチル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa11);
(38) 3−({[3−(4−シクロプロピル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa12);
(39) 3−({[3−(4−シクロペンチル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa13);
(40) 3−({[(5R)−3−(4−シクロペンチル−2−ピリジニル)−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa14);
(41) 3−({[3−(4−シクロヘキシル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa15);
(42) 3−({[5−エチル−3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa16);
(43) 5−フルオロ−3−({[5−イソプロピル−3−(4−フェニル−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa17);
(44) (3S)−5−[(ジフェニルホスホリル)オキシ]−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa18);
(45) (3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−{[1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}ペンタン酸(Iaa19);
(46)(3S)−5−[(4−ベンジル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−3−フラニル)オキシ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa20);
(47) (3S)−5−(イソブチリルオキシ)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa21);
(48) (3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−ヘキセン酸(Iaa22);
(49) (3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2−ピリジニルオキシ)ペンタン酸(Iaa23);
(50) (3S)−3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2−ピリジニルオキシ)ペンタン酸(Iaa24);
(51) 2−{[(3S)−4−カルボキシル−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−2−オキソブチル]オキシ}−1−メチルピリジウム トリフルオロメタンスルホネート(Iaa25);
(52) 2−{[(3S)−4−カルボキシ−3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−2−オキソブチル]オキシ}−1−メチルピリジウム トリフルオロメタンスルホネート(Iaa26);
(53) 3−({[3−(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa27);
(54) 3−({[3−(1,5−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa28);及び
(55) (3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii−1)。
【0032】
本発明に係る式(1)の化合物は2個の不斉炭素を有していることから、ジアステレオマーを含む立体異性体の形態で存在し得る。このような立体異性体中でも特に好ましい化合物は、式(1a)の化合物であり、
【0033】
【化5】

【0034】
従って、本発明の他の目的は、立体異性体である式(1a)の化合物を提供することにある。
【0035】
上記式(1a)の化合物中で、例えば、(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii−1)化合物は、(3S)及び(3R)の混合物を、メチル−t−ブチルエーテルに溶解するステップ、シード物質として(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸の結晶を少量添加して結晶を得るステップ、及びこの結晶を酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶媒から再結晶するステップ、を含む方法により得られる。
【0036】
式(1)の化合物及び式(1a)の化合物中で、最も好ましい化合物は、5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii);及び、(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii−1)である。
【0037】
カスパーゼの抑制効果を示す式(1)の新規なイソキサゾリン誘導体を製造する方法を、下記反応スキーム1〜5に示す。しかし、下記反応スキームに示す方法は、本発明で使われる単なる代表的なものである。操作順序は制限なしに変更できるので、方法は下記説明に制限されるものではない。
【0038】
【化6】

式中、A、B、及びR2は上述したものと同義であり、
1は単純アルキル鎖を表す。
【0039】
上記反応スキーム1では、アルデヒド誘導体(II)をアルコール−水の混合溶液中でヒドロキシルアミン塩酸塩及び炭酸ナトリウムと反応させて、オキシム誘導体(III)(syn及びantiオキシムの混合物)を得る。得られたオキシム誘導体(III)を、ジメチルホルムアミド溶液中、NCS(N−クロロスクシンイミド)で処理して、ヒドロキサモイルクロライド誘導体(IV)を得る。得られたヒドロキサモイルクロライド誘導体(IV)をアクリレート誘導体(V)と反応させて、イソキサゾリン誘導体(VI)を得る。このイソキサゾリン誘導体(VI)は、必要により加水分解して、脱保護されたイソキサゾリン誘導体(VII)を得る。場合によっては、オキシム誘導体(III)、アクリレート誘導体(V)、及びNaOClを反応容器内(in situ)で反応させて、直接イソキサゾリン誘導体(VI)を得てもよい(製造例16、17を参照)。
【0040】
【化7】

式中、A、B、R、R1、R2、R11、R12、及びW上述したものと同義である。
【0041】
上記反応スキーム2で、カルボン酸誘導体(VII)をアスパラギン酸誘導体(VIII)(下記反応スキーム3 参照)とカップリングして得た化合物(IX)に対し、デス−マーチン(Dess-Martin)ペルヨージナン酸化反応と、必要に応じて脱保護反応に付して、目的とする化合物(I)を得る。
【0042】
反応スキーム2の化合物(I)で官能基Zは、左側のカルボン酸化合物(VII)をアスパラギン酸(β−t−Bu)メチルエステルと結合させた後、下記製造例5及び7に例示されたように、数段階を経て形成することができる。一方、下記反応スキーム3に示されるように、先ず既に所望のZを持つ化合物(VIII)を合成し、これを化合物(VII)(参照:WO00/23421)とカップリングする。また、WがFの場合は、Tetrahedron Letters,1994,35(52),9693-9696の公知方法によって、ラセミ化合物を製造することができる。
【0043】
【化8】

式中、Zは上述したものと同義である。
【0044】
上記反応スキーム1で反応物として用イアクリレート誘導体(V)は、2つの経路を通じて製造することができる。即ち、化合物(XV)は、反応スキーム4に示すように公知化合物(XIV)(Synthesis,1982,p924)から容易に製造することができるか、または、化合物(V)であるメチル(エチル)2−i−プロピルアクリレートは、ジメチル(ジエチル)マロネート(J.Chemical Society Perkin Trans.1 1997,1559-1570)から製造することができる。
【0045】
【化9】

式中、P1及びR2は前述したものと同義である。
【0046】
下記反応スキーム5は、P1部位にα,β−不飽和エステルやα,β−不飽和スルホンが導入された化合物の合成方法を示している。これによれば、反応スキーム1で得たカルボキシル酸誘導体(VII)をアミノアルコール誘導体(XVII)と反応させて得た化合物(XVI)を、デス−マーチン酸化反応とヴィッティッヒ反応に付して、化合物(I)を得る。
【0047】
【化10】

式中、R、A、B、R1、及びR2は上述したものと同義であり、
Qは−CO213またはSO214(ここで、R13及びR14は上述したものと同義である)を表す。
【0048】
本発明に係る式(1)の化合物は、下記実験例の結果から立証されるように、カスパーゼに対して広い阻害活性スペクトルを有しているので、消炎及びアポトーシスの抑制効果を有している。従って本発明は、カスパーゼを阻害するための組成物、特に、薬学上許容される担体と共に有効成分として式(1)の化合物を含有する、消炎及びアポトーシスを抑制するための治療用組成物を提供する。詳しくは、本発明に係る組成物は、認知症、脳卒中、AIDSによる脳損傷、糖尿病、胃潰瘍、肝炎による脳損傷、肝炎により誘発される肝疾患、急性肝炎、劇症肝不全、肝硬変、敗血症、臓器移植拒絶反応、リウマチ性関節炎、または虚血性心臓疾患による心臓アポトシースに対する治療効果を有しており、特に、急性肝炎、肝硬変、またはリウマチ性関節炎に効果が高い。
【0049】
カスパーゼ抑制剤、特に式(1)の化合物は、投与目的に応じて様々な薬剤形態に製剤化できる。本発明に係る薬学的組成物を製造するために、有効量のカスパーゼ抑制剤、特に式(1)の化合物またはその塩を、製造しようとする製剤によって、多様な形態を取る薬学上許容しうる担体と混合する。
【0050】
カスパーゼ阻害化合物は、適用目的により注射用製剤、経皮用製剤または経口用製剤として製剤化できる。投与の容易性や投薬量の均一性から、単位投薬形態で組成物を製剤化することが特に有利である。
【0051】
経口用製剤のために、通常の薬学的担体を使用することができる。例えば、懸濁液、シロップ剤、エリキシル及び溶液剤のような経口用液体製剤の場合には、水、グリコール、油、アルコールなどを用いてもよく;また、散剤、丸剤、カプセル剤及び錠剤のような固体製剤の場合、澱粉、砂糖、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤などを用いてもよい。その投与が容易であることから、錠剤及びカプセル剤が最も有利な単位投薬形態である。また、錠剤及び丸剤は腸溶性コート製剤に製剤化することが好ましい。
【0052】
非経口組成物の場合、溶解補助剤などの他の成分を用いてもよいが、担体としては、通常、滅菌水を用いる。注射剤、例えば注射用の滅菌水性懸濁液または油性懸濁液は、適切な分散剤、湿潤剤または懸濁剤を用いる公知方法により製造できる。注射剤を製造するための用いることができる溶剤としては、水、リンゲル液、等張NaCl溶液などが挙げられ、また、滅菌固定オイルも溶剤または懸濁媒質として便利に用いることができる。モノグリセリドやジグリセリドを含む任意の非刺激性固定オイルが、このような目的で用いることができる。オレイン酸などの脂肪酸も、注射製剤に用いることができる。
【0053】
経皮投与のために、担体としては浸透促進剤及び/または適切な湿潤剤があり、有意な皮膚刺激のない適切な添加剤を併用してもしてもよい。かかる添加剤は、皮膚への投与を促進することができ、及び/または所望の組成物を製造するのに役立ち得る。これらの経皮製剤は、例えば経皮パッチ、点滴剤(spot-on)または軟膏といった様々な方式で投与される。
【0054】
カスパーゼ抑制剤、特に式(1)の化合物を臨床的な目的で使用するとき、1日に0.1mg/kg体重〜100mg/kg体重の範囲の量で被検者に投与することが好ましい。1日のトータル投薬量は、一回又は数回に分けて投与することができる。しかし、個々の患者に対する特定の投薬量は、使用される特定化合物、被検者の体重、性別、衛生状態、食事、薬剤の投与時間、投与方法、排泄率、薬剤の組み合わせ、及び疾患の重篤度などにより変更することができる。
【0055】
下記実施例は、本発明をどのように実施するかを、当業者がより明確に理解できるようにしたものである。本発明を好ましい具体例で説明するが、下記は本発明の範囲を制限するものではない。本発明の他の側面は、本発明が属する技術分野の当業者に自明であろう。
【実施例】
【0056】
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明する。しかし、これらの実施例は発明を例示するものであって、本発明の範囲を何ら制限するものと解釈されるべきではない。
【0057】
製造例1
ベンズアルデヒドオキシム
ベンズアルデヒド(5.31g、50.0mmol)をエタノール(60mL)−水(30mL)に溶解し、0℃でヒドロキシルアミン塩酸塩(5.21g、1.5当量)と無水炭酸ナトリウム(Na2CO3、3.97g、0.75当量)を加えた。約1分後、大量の固体が生成したところで水−エタノール(1:1、60mL)を加え、当該混合物を1時間攪拌した。飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)を加え、当該混合物を酢酸エチル(300mL)で2回抽出した。抽出液を1.0N重炭酸ナトリウム水溶液(NaHCO3、100mL×2)で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧濃縮して白色粉末状の標記化合物(6.06g、収率99%)をシス及びトランス混合物として得た。
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ8.9(br,1H),8.1(s,1H),7.5(m,2H),7.3(m,3H)
【0058】
製造例2
ベンズアルデヒドヒドロキサモイルクロライド
製造例1で得たオキシム(3.00g、24.8mmol)をジメチルホルムアミド(100mL)に溶解し、N−クロロスクシンイミド(3.47g、1.05当量)を加えた。得られた溶液を約40℃の水浴で1時間攪拌した後、揮発性溶媒を減圧蒸留して除去した。残渣を酢酸エチル−ヘキサン(1:1、150mL)に溶解し、水(100mL×3)で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧濃縮して標記化合物(3.86g、収率99%)を得た。この化合物は、それ以上精製することなく次の反応で使用した。
【0059】
製造例3
メチル 5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VIa)
製造例2で得たヒドロキサモイルクロライド(3.86g、24.8mmol)とメタクリル酸メチル(4.0mL、37.2mmol、1.5当量)を、窒素雰囲気下で無水ジエチルエーテル(120mL)に溶解し、当該混合物を−78℃に維持し、トリエチルアミン(6.9mL、2.0当量)を加えた。当該混合物をゆっくり室温まで暖めながら、一晩攪拌した。水(100mL)を加え、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した後、水(100mL×2)で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(15%酢酸エチル−ヘキサン)で精製して標記化合物(5.34g、収率98%)を得た。これを1H−NMRで分析した結果、1:1ジアステレオマー混合物であった。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ6.7(m,2H,),6.5(m,3H),3.0(d,J=16.7Hz,1H),2.9(s,3H),2.3(d,J=16.7Hz,1H),0.8(s,3H)
【0060】
製造例4
5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボン酸(VIIa)
製造例3で得た化合物(VIa、5.34g)を蒸留したテトラヒドロフラン(120mL)に溶解し、1N水酸化ナトリウム水溶液(36.5mL、1.5当量)を加えた。約4時間後に、当該混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、減圧蒸留して大部分のテトラヒドロフランを除去した。残渣を過量の酢酸エチル(>700mL)に溶解し、水で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧濃縮して白色粉末状の標記化合物(4.77g、収率95%)を得た。この化合物は、それ以上精製することなく次反応に使用した。
【0061】
製造例5
(3S)−3−{[(ベンジルオキシ)カルボニル]アミノ}−5−(t−ブトキシ)−2−ヒドロキシ−5−オキソペンチル 2,6−ジクロロベンゾエート(XIIa)
N−ベンジルオキシカルボニル−β−t−ブチルアスパラギン酸(5.03g、15.6mmol)及びNMM(1.90mL、17.1mmol)に無水テトラヒドロフラン(60mL)を窒素雰囲気下で加え、当該混合物を−15℃に維持し、イソブチルクロロホルメート(2.12mL、16.3mmol)を加えた。当該混合物を約20分間攪拌した。0℃に維持した反応混合物へジアゾメタン−エーテル溶液(2.0当量の1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソ−グアニジンから合成、60mL)を加え、ジアゾケトン誘導体(〜30分)を調製した。ここに、30%HBr/AcOH(6.42mL、2.0当量)を0℃で加えた。得られた混合物を攪拌(30〜60分)し、酢酸エチルで抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で2回、塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧濃縮してブロモメチルケトン誘導体(X、6.4g)を得た。
【0062】
このようにして得られたブロモメチルケトン誘導体(X、4.36g)及び2,6−ジクロロ安息香酸(2.28g、1.1当量)をジメチルホルムアミド(18mL)に溶解し、KF(1.58g、2.5当量)を加え、当該混合物を2時間攪拌して2,6−ジクロロベンゾイルオキシメチルケトン誘導体(XIa)を得た。この化合物をメタノール(20mL)に溶解し、NaBH4(412mg)−メタノール溶液(40mL)を加えて反応させた(−10℃〜常温、2時間)。酢酸で反応を中止し、反応溶液を減圧蒸留してメタノールを除去した。残渣を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、水及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーで分離精製(酢酸エチル−ヘキサン、1:5)して、標記化合物(4.80g、収率86%)をジアステレオマー形態として得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.3-7.2(m,8H),5.9(m,1H),5.2(m,4H),4.7(m,1H),2.9(m,1H),2.7(m,1H),1.4(s,9H)
【0063】
製造例6
(3S)−3−アミノ−5−(t−ブトキシ)−2−ヒドロキシ−5−オキソペンチル 2,6−ジクロロベンゾエート(VIIIa)
製造例5で得た化合物のベンジルオキシカルボニル基を、水素バルーン下で40分間除去(Pd/C化)して、標記化合物(収率100%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.2(br,2H),7.6-7.5(m,3H),6.1(m,1H),4.4-3.9(m,3H),3.0-2.6(m,2H),1.4(s,9H)
【0064】
実施例1
(3S)−5−(t−ブトキシ)−3−{[(5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−2,5−ジオキソペンチル 2,6−ジクロロベンゾエート(Ia)
製造例4で得たカルボン酸誘導体(VIIa、300mg、1.46mmol)、製造例6で得たアミノアルコール誘導体(VIIIa、667mg、1.1当量)及びHATU(722mg、1.3当量)の混合物を0℃に冷却し、DMF(5mL)溶媒中でトリエチルアミン(0.82mL、4.0当量)を加え、当該混合物を5時間反応した。溶媒を減圧蒸留し、残渣を酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、水、重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して化合物(IXa)(810mg、収率98%)を得た。この化合物とデス−マーチン試薬(Dess-Martin reagent)(1.70g、3.0当量)に無水ジクロロメタン(25mL)を加え、当該混合物を室温で1時間攪拌した。イソプロピルアルコール(3mL)で反応を中止した。セライトを用いた減圧濾過で固体を除去し、濾液を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(36%酢酸エチル−ヘキサン)で予備精製してジアステレオマー標記化合物(780mg)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.8(m,NH,1H),7.6(m,2H),7.3(m,3H),7.2(m,3H),5.1-5.0(m,2H),4.8(m,1H),3.8(m,1H),3.2(m,1H),2.9-2.8(m,2H),1.7(s,3H),1.4(s,9H)
【0065】
実施例2
(3S)−5−[(2,6−ジクロロベンゾイル)オキシ]−3−{[(5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−4−オキソペンタン酸(Iaa)
実施例1で合成した化合物(44mg)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、0℃でトリフルオロ酢酸(1mL)を加えた。当該混合物を室温までゆっくり暖めながら混合物を2時間攪拌した後、減圧濃縮して標記化合物(Iaa)を定量的に得た。
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ8.1(m,1H),7.5((m,2H),7.3(m,3H),7.2(m,3H),5.1-4.9(m,2H),4.9-4.8(m,1H),3.8(m,1H),3.2(m,1H),1.7(m,3H)
【0066】
製造例7
t−ブチル (3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−フェノキシペンタノエート(VIIIb)
N−ベンジルオキシカルボニル−β−t−ブチルアスパラギン酸(10.0g、31.0mmol)及びNMM(3.75mL、1.1当量)に無水テトラヒドロフラン(120mL)を窒素雰囲気下で加え、当該混合物を−15℃に維持した。イソブチルクロロホルメート(4.22mL、1.05当量)を加え、混合物を約20分間攪拌した。反応物を0℃に維持した状態でジアゾメタン−エーテル溶液(2.0当量の1−メチル−3−ニトロ−1−ニトロソ−グアニジンから合成、60mL)を加えて、ジアゾケトン誘導体を合成した(〜30分)。ここへ、30%HBr/AcOH(12.83mL、2.0当量)を加えてブロモメチルケトン誘導体を合成した(30〜60分)。酢酸エチルで抽出し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧濃縮してブロモメチルケトン誘導体(12.9g)を定量的に得た。
【0067】
このようにして得られたブロモメチルケトン誘導体(X、12.9g、31.0mmol)及びフェノール(3.23g、1.2当量)をジメチルホルムアミド(30mL)に溶解し、KF(4.53g、2.5当量)を加え、当該混合物を2時間攪拌してフェノキシメチルケトン誘導体(XIb)を得た。この化合物をメタノール(40mL)−THF(100mL)に溶解して、NaBH4(2.35g)−メタノール溶液(40mL)を加えて反応させた(−10℃〜室温、2時間)。酢酸で反応を中止し、反応混合物を減圧蒸留してメタノールを除去した。残渣を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、水及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン、1:7)で分離精製して、ベンジルオキシカルボニルによってアミノ基が保護されたジアステレオマー形態の化合物(XIIb、6.50g、収率50%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.3-7.2(m,8H),5.9(m,1H),5.2(m,4H),4.7(m,1H),2.9(m,1H),2.7(m,1H),1.4(s,9H)
【0068】
このようにして得られた化合物のベンジルオキシカルボニル基を水素バルーン下で除去(Pd/C)して標記化合物(4.16g、収率95%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.1(br,2H),7.3(m,5H),5.6(m,1H),4.1-4.0(m,3H),2.6(m,2H),1.4(s,9H)
【0069】
実施例3
t−ブチル (3S)−3−{[(5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}-4−オキソ−5−フェノキシペンタノエート(Ib)
製造例4で得たカルボン酸誘導体(VIIa、273mg、1.33mmol)、製造例7で得たアミノアルコール誘導体(VIIIb、412mg、1.1当量)及びHATU(657mg、1.3当量)の混合物を0℃に冷却し、DMF(5mL)溶媒中でトリエチルアミン(0.74mL、4.0当量)を加え、反応混合物を5時間反応させた。溶媒を減圧蒸留し、残渣を酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、水、重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(30−40%EA/Hex)で精製して化合物(IXb)(545mg、収率88%)を得た。この化合物とデス−マーチン試薬(1.43g、3.0当量)へ無水ジクロロメタン(25mL)を加え、当該混合物を常温で1時間攪拌した。イソプロピルアルコール(2mL)で反応を中止させた。セライトを用いた減圧濾過で固体を除去し、濾過物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:25%酢酸エチル/ヘキサン)で予備精製してジアステレオマー標記化合物(540mg、収率99%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.8(NH,1H),7.5(m,2H),7.3(m,3H),7.3(m,1H),7.1(m,1H),6.8(m,2H),6.7(m,1H),4.9(s,1H),4.7-4.6(m,2H),3.7(d,J=17Hz,1H),3.2(d,J=17Hz,1H),2.9(m,1H),2.8(m,1H),1.7(s,3H),1.4(s,9H)
【0070】
実施例4
(3S)−3−{[(5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−4−オキソ−5−フェノキシペンタン酸(Ibb)
実施例3で得た化合物(530mg、1.136mmol)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、0℃でトリフルオロ酢酸(3mL)を加えた。当該混合物を室温までゆっくり暖めながら2時間攪拌し、減圧濃縮して標記化合物(Ibb)(465mg)を定量的に得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.5(m,2H),7.3(m,3H),7.1(NH,1H),6.7(m,5H),5.0-4.6(m,2H),4.2(m,1H),3.8(m,1H),3.2(m,1H),3.0-2.7(m,2H),1.6(s,3H)
【0071】
製造例8
エチル 2−エチルアクリレート(XVb)
CuCN(26.9g、真空下で予め乾燥)に、窒素雰囲気下で約500mLの無水テトラヒドロフランを加えた。当該混合物を−78℃に維持し、機械的に攪拌しつつ、メチルマグネシウムブロミド(3.0Mジエチルエーテル溶液)100mLをゆっくり加えた。粘度の高い当該混合物を、−78℃で約30分間攪拌した。約30mLの無水テトラヒドロフランに溶解したエチル 2−ブロモメチルアクリレート(28.9g、150mmol、合成法:Villieras,J.及びRambaud,M.Synthesis,1982年,914)を、そこへゆっくり加えた。反応混合物の温度を、室温まで2時間かけてゆっくり上げた。飽和塩化アンモニウム溶液(〜50mL)をゆっくり加え、反応を完結させた。当該反応混合物をセライトによってろ過して沈澱物を除去した後、ジエチルエーテルで洗浄した。有機層を水及び飽和炭酸水素ナトリウム溶液(300mL×2)で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧濃縮して26.7g(収率定量的)の透明な液体を得た。この液体を1H−NMR(500MHz、CDCl3)で分析した結果、約75%のw/w純度を有する標記化合物であることが確認された。
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ6.12(1H,s),5.50(1H,s),4.20(2H,q,J=7.3Hz),2.31(2H,qt),1.28(3H,t,J=7.3 Hz),1.07(3H,t,J=7.8Hz)
【0072】
製造例9
エチル 5−エチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VIb)
製造例8で得た化合物(XVa)を製造例3と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.6(m,2H),7.4-7.3(m,3H),4.3-4.2(m,2H),4.0(d,J=17.2Hz,1H),3.4(d,J=17.2Hz,1H),2.1-2.0(m,2H),1.3(t,3H),1.0(t,3H)
【0073】
製造例10
t−ブチル (3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタノエート(VIIIc)
2,3,5,6−テトラフルオロフェノールを製造例5及び6と同じ方法によって反応させて、72%の全体収率で標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.2(br,2H),7.6-7.5(m,1H),5.9(m,1H),4.3-4.1(m,3H),3.6(m,1H),2.7(m,1H),1.4(s,9H)
【0074】
実施例5
t−ブチル (3S)−3−{[(5−エチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタノエート(Ic)
製造例9及び10の化合物を製造例4及び実施例1と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.6(dd,J=3.6,1.6Hz,1H),7.6(m,2H),7.4-7.3(m,3H),6.7(m,1H),5.1-4.9(m,2H),4.9-4.8(m,1H),3.7(dd,J=17.6,17.2Hz,1H),3.3(1H,d,J=17.2Hz),3.0-2.8(m,1H),2.8-2.7(m,1H),2.1(m,1H),1.9(m,1H),1.4-1.3(two s,9H,),1.0(m,3H)
【0075】
実施例6
(3S)−3−{[(5−エチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Icc)
実施例5の化合物を実施例2と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ7.6(br,1H),7.6-7.5(m,2H),7.4-7.3(m,3H),6.8-6.7(m,1H),4.9-4.8(m,1H),4.5(br,2H),3.7(d,J=16Hz,1H),3.3(d,J=16Hz,1H),3.3-3.0(m,1H),2.8-2.7(m,1H),2.1(m,1H),2.0-1.9(m,1H),1.0(m,3H)
MS[M+H]+497
【0076】
製造例11
エチル 5−エチル−3−(1−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VIc)
1−ナフトアルデヒドとエチル 2−エチルアクリレートを製造例1、2及び3と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.9(d,J=8.8Hz,1H),7.9-7.8(m,2H),7.6-7.4(m,4H),4.3-4.2(m,2H),4.0(d,J=17.2Hz,1H),3.4(d,J=17.2Hz,1H),2.1-2.0(m,2H),1.3(t,3H),1.0(t,3H)
【0077】
実施例7
t−ブチル (3S)−3−({[5−エチル−3−(1−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタノエート(Id)
製造例11及び製造例10の化合物を製造例4及び実施例1と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.9(m,1H),7.9-7.8(m,3H),7.6-7.4(m,4H),6.5-6.9(m,1H),5.1-4.9(m,2H),4.9(m,1H),3.9(dd,1H),3.5(d,J=17.2Hz,1H),3.0-2.9(m,1H),2.8(m,1H),2.2(m,1H),2.0(m,1H),1.4-1.3(two s,9H),1.1(m,3H)
【0078】
実施例8
(3S)−3−({[5−エチル−3−(1−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Idd)
実施例7の化合物を実施例2と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.8(m,1H),7.9-7.7(m,3H),7.6-7.4(m,4H),6.7(m,1H),4.9(m,1H),4.5(br,2H),3.9(d,J=17.2Hz,1H),3.5(d,J=17.2Hz,1H),3.1-2.9(m,1H),2.8-2.7(m,1H),2.2(m,1H),2.0(m,1H),1.0(m,3H)
MS[M+MeOH+Na]+601
【0079】
製造例12
エチル 5−エチル−3−(2−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VId)
2−ナフトアルデヒド及びエチル 2−エチルアクリレートを製造例1、2及び3と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ8.7(d,J=8.8Hz,1H),7.8-7.7(m,2H),7.5-7.3(m,4H),4.3-4.2(m,2H),4.0(d,J=17.2Hz,1H),3.4(d,J=17.2Hz,1H),2.1-2.0(m,2H),1.3(t,3H),1.0(t,3H)
【0080】
実施例9
t−ブチル (3S)−3−({[5−エチル−3−(2−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタノエート(Ie)
製造例12及び製造例10の化合物を製造例4及び実施例1と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.8-7.7(m,6H),7.5(m,2H),6.7&6.5(m,1H),5.1-4.9(m,2H),4.9-4.8(m,2H),3.8(dd,J=16Hz,1H),3.4(d,J=16Hz,1H),3.0(m,1H),2.8(m,1H),2.8-2.7(m,1H),2.2-2.1(m,1H),2.0(m,1H),1.4-1.3(two s,9H),1.1-1.0(m,3H)
【0081】
実施例10
(3S)−3−({[5−エチル−3−(2−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Iee)
実施例9の化合物を実施例2と同じ方法で脱保護し、Prep−TLCで異性体を分離して、2種類の化合物を得た。
低極性ジアステレオマー:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.4(br,1H),8.7(br,1H),8.1(s,1H),7.9-8.0(m,3H),7.8-7.9(m,1H),7.5-7.6(m,3H),5.2(br,2H),4.7(br,1H),3.8(d,J=17.2Hz,1H),3.5(d,J=17.6Hz,1H),2.7(m,1H),2.5(m,1H),2.0(m,1H),1.9(m,1H),0.9-0.8(m,3H)
MS[M+H]+547
高極性ジアステレオマー:
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.6(br,1H),8.2(s,1H),8.0-7.9(m,3H),7.9(m,1H),7.6(m,2H),7.4(m,1H),5.0(br,2H),4.8(m,1H),3.9(d,J=17.6Hz,1H,),3.6(d,J=17.6Hz,1H,),2.9-2.7(m,2H),2.1-2.0(m,1H),2.0-1.9(m,1H),0.9(m,3H)
【0082】
製造例13
エチル 5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VIe)
1−イソキノリンアルデヒドとエチル 2−エチルアクリレートを製造例1、2及び3と同じ方法によって反応させ、キラルOD HPLC(ダイセル化学工業、2.00cm×25cm、OD00CJ−1C005、3%i−PrOH in Hexane、220nm)で活性キラル異性体形態の標記化合物を分離し、これを次の反応に利用した。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.25(m,1H),8.55(d,1H),7.85(d,1H),7.74- 7.65(m,3H),4.29(m,2H),4.13(d,1H),3.71(d,1H),2.11(m,2H),1.33(t,3H),1.06(t,3H)
【0083】
実施例11
t−ブチル (3S)−3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタノエート(If)
製造例13及び製造例10の化合物を製造例4及び実施例1と同じ方法によって反応させて標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.14(m,1H),8.53(m,1H),7.91-7.85(m,2H),7.74-7.64(m,3H),6.73-6.62(m,1H),5.30-4.91(m,3H),4.09(two d,1H),3.72(two d,1H),3.04-2.76(m,2H),2.24(m,1H),2.04(m,1H),1.45&1.35(two s,9H),1.08(two t,3H)
【0084】
実施例12
(3S)−3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Iff)
実施例11の化合物を実施例2と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.02(m,1H),8.76(m,1H),8.59(m,1H),8.08-7.73(m,4H),7.61-7.32(m,1H),5.19-5.10(m,2H),4.93-4.65(m,1H),3.91(two d,1H),3.68(two d,1H),2.91-2.52(m,2H),2.10-1.94(m,2H),0.94(two t,3H)
Mass:M+H 548
【0085】
実施例13
t−ブチル 3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタノエート(Ig)
製造例13の化合物及びt−ブチル 3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシペンタノエートを製造例4及び実施例1と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.15(m,1H),8.55(d,1H),7.87-7.66(m,5H),5.22-4.89(m,3H),4.12(two d,1H),3.72(two d,1H),3.05-2.75(m,2H),2.22 (m,1H),2.04(m,1H),1.45&1.34(two s,9H),1.07(two t,3H)
【0086】
実施例14
3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Igg)
実施例13の化合物を実施例2と同じ方法によって反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.03(m,1H),8.67-8.59(m,2H),8.08(d,1H),7.97-7.78(m,3H),5.26-5.07(m,2H),4.75(m,1H),3.94(two d,1H),3.67(two d,1H),2.88-2.58(m,2H),2.07-1.94(m,2H),0.96(two t,3H)
Mass:M+H 402
【0087】
実施例15
エチル 3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタノエート(Ihh)
実施例14で得た化合物を、Tetrahedron Letters,1994年,35(52),9693-9696に記載の公知方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.15(m,1H),8.55(d,1H),7.89-7.67(m,5H),5.23-4.94(m,3H),4.18(m,2H),4.11(two d,1H),3.72(two d,1H),3.08-2.82(m,2H),2.22(m,1H),2.05(m,1H),1.29-1.04(m,6H)
【0088】
製造例14
メチル 5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレートと分割(VIf)
1−イソキノリンアルデヒドとメチル 2−イソプロピルアクリレートを、製造例1,2及び3と同様の方法により反応させて標記化合物を得た。得られた化合物から、キラルODカラム(ダイセル化学工業、2.00cm×25cm、OD00CJ−1C005、5%i−PrOHのヘキサン溶液、14mL/分、220nm)を用いる分取HPLCで (5R)−活性キラル異性体(9.7分〜11.7分min)を分離し(他の(5S)−異性体は15.3〜20.1分のリテンションタイムの間に溶出された)、これを次の反応に使用した(加水分解後の分割方法は製造例23を参照)。
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ9.24(m,1H),8.55(d,1H),7.85(d,1H),7.72(t,3H),7.67(m,2H),4.11(d,1H),3.83(s,3H),3.74(d,1H),2.50(septet,1H),1.07(d,3H),1.02(d,3H)
【0089】
実施例16
t−ブチル 5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタノエート(Ih)
製造例14の化合物及びt−ブチル 3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシペンタノエートを、製造例4及び実施例1と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ9.14(m,1H),8.55(d,1H),7.87-7.65(m,5H),5.23-4.93(m,2H),4.90(m,1H),4.05-4.00(two d,1H),3.84-3.79(two,1H),3.06-2.74(m,2H),2.40(m,1H),1.45 & 1.34(two s,9H),1.12-1.07(m,6H)
【0090】
実施例17
5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii)
実施例16の化合物を実施例2と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た((5S)−異性体であるIii−uは、同様の方法で得た)。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.00(m,1H),8.63-8.48(m,2H),8.08(d,1H),7.97(m,1H)7.87-7.76(m,2H),5.31-4.82(br,2H),4.74(m,1H),3.91(two d,1H),3.73(two d,1H),2.88-2.61(m,2H),2.33(m,1H),0.98(m,6H)
Mass:M+H 416
【0091】
製造例15
エチル 5−エチル−3−(4−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VIg)
4−キノリンアルデヒドとエチル 2−エチルアクリレートを、製造例1、2及び3と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.95(d,1H),8.89(m,1H),8.11(d,1H),7.83(m,1H),7.71(m,1H),7.65(d,1H),4.27(m,2H),4.01(d,1H),3.67(d,1H),2.10 (m,2H),1.31(t,3H),1.02(t,3H)
【0092】
実施例18
t−ブチル 3−({[5−エチル−3−(4−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタノエート(Ii)
製造例15の化合物及びt−ブチル 3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシペンタノエートを、製造例4及び実施例1と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.97(d,1H),8.89(m,1H),8.17(d,1H),7.87-7.64(m,3H),7.36(d,1H),5.21-4.93(m,3H),3.93(two d,1H),3.48(two d,1H),3.05-2.78(m,2H),2.24(m,1H),2.03(m,1H),1.46&1.33(two s,9H),1.06(two t,3H)
【0093】
実施例19
3−({[5−エチル−3−(4−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ijj)
実施例18の化合物を実施例2と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ9.16-9.10(m,2H),8.25-7.86(m,5H),5.20(br,2H),4.75(m,1H),4.00-3.89(two d,1H),3.73(two d,1H),2.87-2.71(m,2H),2.26-2.05(m,2H),1.07(two t,3H)
Mass:M+H 402
【0094】
製造例16
エチル 3−(ベンゾチオフェン−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VIh)
製造例1と同様の方法で合成したベンゾチオフェン−2−アルデヒドのオキシム誘導体(400mg、2.26mmol)をTHF(25mL)に溶解し、混合物を0℃に維持した。エチル 2−エチルアクリレート(434mg、1.5当量)とトリエチルアミン(7滴)をTHF(5mL)に溶解し、得られた溶液をゆっくり加え、さらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(6.0mL)を加えた。当該反応液を室温まで温め、4時間攪拌した。水(20mL)を加え、酢酸エチル(40mL×2)で抽出し、塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ(20%酢酸エチル−ヘキサン)で精製して、標記化合物(121mg、収率18%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.82-7.75(m,2H),7.40-7.32(m,3H),4.28(m,2H),3.90(d,1H),3.31(d,1H),2.07(m,2H),1.33(t,3H),1.01(t,3H)
【0095】
実施例20
t−ブチル 3−({[3−(ベンゾチオフェン−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタノエート(Ij)
製造例16の化合物及びt−ブチル 3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシペンタノエートを、製造例4及び実施例1と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.83-7.68(m,3H),7.42-7.35(m,3H),5.21-4.88 (m,3H),3.80(two d,1H),3.38(two d,1H),3.03-2.78(m,2H),2.17(m,1H),2.01(m,1H),1.46&1.38(two s,9H),1.03(two t,3H)
【0096】
実施例21
3−({[3−(ベンゾチオフェン−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ikk)
実施例20の化合物を実施例2と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.63(m,1H),8.11-7.79(m,3H),7.47-7.36(m,2H),5.24-5.06(m,2H),4.73(m,1H),3.79(two d,1H),3.53(two d,1H),2.83-2.58(m,2H),2.03-1.86(m,2H),0.91(two t,3H)
Mass:M+H 407
【0097】
製造例17
エチル 3−(1,3−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VIi)
1,3−ジメチル−1H−インドール−2−アルデヒドのオキシム誘導体(356mg、2.07mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、当該混合物を0℃に維持した。エチル 2−エチルアクリレート(345mg、1.3当量)とトリエチルアミン(6滴)をジクロロメタン(5mL)に溶解してゆっくり加え、さらに次亜塩素酸ナトリウム溶液(5.5mL)を加えた。当該反応液を室温まで温め、4時間攪拌した。水(20mL)を加え、当該混合物をジクロロメタン(40mL×2)で抽出し、塩化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過し、減圧濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィ(15%酢酸エチル−ヘキサン)で分離して、標記化合物(230mg、収率35%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.60(d,1H),7.31(m,2H),7.12(m,1H),4.29(m,2H),3.98(d,1H),3.94(s,3H),3.40(d,1H),2.47(s,3H),2.08(m,2H),1.34(t,3H),1.04(t,3H)
Mass:M+H 315
【0098】
実施例22
t−ブチル (3S)−3−({[3−(1,3−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタノエート(Ik)
製造例17及び10の化合物を、製造例4及び実施例1と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.85-7.79(m,1H),7.57(m,1H),7.37-7.26(m,2H),7.13(m,1H),6.75-6.49(m,1H),5.12-4.90(m,3H),3.95(two d,1H),3.89(two s,3H),3.45(two d ,1H),3.03-2.79(m,2H),2.44(two s,3H),2.22(m,1H),2.01(m,1H),1.58&1.37(two s,9H),1.05(two t,3H)
【0099】
実施例23
(3S)−3−({[3−(1,3−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Ill)
実施例22の化合物を実施例2と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.67(br,1H),7.61-7.43(m,3H),7.27(m,1H),7.08(m,1H),5.20(br,2H),4.83(m,1H),3.84(two s,3H),3.76(two d,1H),3.59(two d ,1H),2.91-2.60(m,2H),2.50(two s,3H),2.07-1.91(m,2H),0.95(two t,3H)
【0100】
実施例24
t−ブチル 3−({[3−(1,3−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタノエート(Il)
製造例17の化合物及びt−ブチル 3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシペンタノエートを、製造例4及び実施例1と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ7.79(m,1H),7.60(m,1H),7.32(m,2H),7.13(m,1H),5.20-4.90(m,3H),3.97-3.89(m,4H),3.46(two d,1H),3.03-2.77(m,2H),2.21(m,1H),2.01(m,1H),1.46&1.38(two s,9H),1.05(two t,3H)
【0101】
実施例25
3−({[3−(1,3−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Imm)
実施例24の化合物を実施例2と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.68(br,1H),7.60(m,1H),7.45(m,1H),7.26(m,1H),7.07(m,1H),5.20(br,2H),4.81(m,1H),3.84(two s,3H),3.76(two d,1H),3.59(two d,1H),2.94-2.59(m,2H),2.38(two s,3H),2.07-1.91(m,2H),0.95(two t,3H)
Mass:M+H 418
【0102】
製造例18
エチル 5−エチル−3−(1−ナフチルメチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VIj)
1−ナフチルアセトアルデヒドとエチル 2−エチルアクリレートを、製造例1、2及び3と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ8.1-8.0(d,J=8Hz,1H),7.8(d,J=7.6Hz,1H,),7.8-7.7(d,J=8Hz,1H),7.5-7.4(m,2H),7.4-7.3(m,2H),4.1-4.0(m,4H),3.1(d,J=17.6Hz,1H),2.6(d,J=17.6Hz,1H),1.8-1.7(m,2H),1.2(t,3H),0.7(t,3H)
【0103】
実施例26
t−ブチル (3S)−3−({[5−エチル−3−(1−ナフチルメチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタノエート(Im)
製造例18及び10の化合物を、製造例4及び実施例1と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.0(m,1H),7.8(m,1H),7.8(m,1H),7.7(m,1H),7.5(m,2H),7.4-7.3(m,2H),6.7(m,1H),5.0-4.9(m,2H),4.9-4.8(m,1H),4.2-4.0(m,2H),3.1(dd,J=24.8Hz,1H),2.9-2.6(m,3H),1.9(m,1H),1.7(m,1H),1.4(two s,9H),0.8(m,3H)
【0104】
実施例27
(3S)−3−({[5−エチル−3−(1−ナフチルメチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Inn)
実施例26の化合物を実施例2と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.3(br,1H),8.4(br,1H),8.0(m,1H),7.9(m,1H),7.8(m,1H),7.5-7.4(m,5H),5.0(br,2H),4.7(m,1H),4.0(s,2H),3.3(m,1H),3.1(m,1H),2.8(m,2H),2.5(m,1H),1.8(m,1H),1.7(m,1H),0.8(m,3H)
MS[M+H]+ 561
【0105】
実施例28
(3S)−5−(t−ブトキシ)−3−[({5−エチル−3−[2−(1−ナフチル)エチル]−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−2,5−ジオキソペンチル 2,6−ジクロロベンゾエート(In)
1−ナフチルプロピオンアルデヒドと製造例6の化合物を、製造例1,2,3,4及び実施例1と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.00(d,1H),7.85(m,1H),7.76(m,2H),7.57-7.28(m,7H),7.34-7.27(m,3H),5.20-5.05(m,2H),4.94&4.88(two m,1H),3.39-3.27(m,3H),2.97-2.72(m,5H),2.07(m,1H),1.86(m,1H),1.46&1.45(two s,9H),1.00&0.96(two t,3H)
【0106】
実施例29
(3S)−5−[(2,6−ジクロロベンゾイル)オキシ]−3−[({5−エチル−3−[2−(1−ナフチル)エチル]−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−4−オキソペンタン酸(Ioo)
実施例28の化合物を実施例2と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.45(bd,1H),8.06(d,1H),7.90(d,1H),7.77(d,1H),7.60-7.37(m,7H),5.21-5.03(m,2H),4.73(m,1H),3.06(m,2H),2.65(bd,4H),1.91&1.74(two m,2H),0.84(m,3H)
【0107】
製造例19
エチル 5−エチル−3−[(1−ナフチルオキシ)メチル]−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(VIl)
2-ニトロエタノールのピラニル誘導体(Synthesis,1993,12,1206-1208を参照)とエチル 2−エチルアクリレートを反応させ、当該反応物を脱保護してエチル 5−エチル−(3−ヒドロキシメチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレート(23%)を得た。この化合物を臭素化(CBr4、PPh3、94%)した後、1−ナフトール(NaH、DMF、82%)と反応させて標記化合物を得た。
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ8.20(m,1H),7.81(d,1H),7.55-7.42(m,3H),7.36(m,1H),6.88(d,1H),5.01(dd,2H),4.22(m,2H),3.61(d,1H),3.07(d,1H),1.97(m,2H),1.27(t,3H),0.93(t,3H)
【0108】
実施例30
(3S)−3−[({5−エチル−3−[(1−ナフチルオキシ)メチル]−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Ipp)
製造例19及び10の化合物を、製造例4、実施例1及び2と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.51(br,1H),8.13(m,1H),7.87(m,1H),7.54-7.38(m,5H),7.02(m,1H),5.18-4.97(m,4H),4.71(m,1H),3.58(two d,1H),3.21(two d,1H),2.68(m,2H),1.97(m,1H),1.81(m,1H),0.86(two t,3H)
Mass:M+H 577
【0109】
実施例31
(3S)−3−{[(3−{[(4−クロロ−1−ナフチル)オキシ]メチル}−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Iqq)
製造例19の中間体として得られたブロモ誘導体と4−クロロ−1−ナフトールを、製造例19と同じ方法により反応させて、エチル 5−エチル−3−[(4−クロロ−1−ナフチルオキシ)メチル]−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボキシレートを得、これを製造例4、実施例1及び2と同じ方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.65(m,1H),8.24-8.09(m,2H),7.78-7.35(m,4H),7.06(m,1H),5.17-5.07(m,4H),4.82-4.69(m,1H),3.45(two d,1H),3.23(two d,1H),2.83-2.52(m,2H),1.96-1.79(m,2H),0.86(two t,3H)
Mass:M+H 611
【0110】
製造例20
tert−ブチル (3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシブタノエート
N−ベンジルオキシカルボニル−β−t−ブチルアスパラギン酸(3.0g、9.28mmol)及びNMM(1.12mL、1.1当量)へ、無水テトラヒドロフラン(20mL)を窒素雰囲気下で加えた。反応液を0℃に保持した。イソブチルクロロホルメート(1.26mL、1.05当量)を加え、当該混合物を約40分間攪拌した。得られたスラリーを窒素下で濾過し、得られた溶液をNaBH4(702mg、2.0当量)溶液[メタノール(10mL)−無水テトラヒドロフラン(20mL)]に−78℃で加えた。得られた混合物を室温までゆっくり温めた(2時間)。酢酸(2.3mL)で反応を中止させ、反応溶液を減圧蒸留してメタノールを除去した。残渣を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、水及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィで分離精製(酢酸エチル−ヘキサン、1:5)して、アルコール化合物(2.52g、収率88%)を得た。
【0111】
得られた上記化合物のベンジルオキシカルボニル基を、水素バルーン下で1時間かけて除去(Pd/C)して、標記化合物(収率100%)を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ4.60(bs,1H),3.21(m,2H),2.96(m,1H),2.41(dd,1H),2.03(dd,1H),1.40(s,9H)
【0112】
製造例21
tert−ブチル (3S)−4−ヒドロキシ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)ブタノエート(XVI)
製造例14の化合物を製造例4の方法により反応させて、活性カルボン酸誘導体(VIIf)を得た。当該活性カルボン酸誘導体(VIIf、224mg、0.79mmol)、製造例20で得たアミノアルコール誘導体(166mg、1.2当量)及びHATU(390mg、1.3当量)の混合物を0℃に冷却して、DMF(5mL)溶媒中でトリエチルアミン(0.33mL、3.0当量)を加え、得られた混合物を2時間反応させた。溶媒を減圧蒸留し、残渣を酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、水、重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、カラムクロマトグラフィ(60〜70% EA/Hex)で精製して、標記化合物(330mg、収率95%)を得た。
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.16(d,1H),8.55(d,1H),7.85(d,1H),7.73-7.70(m,3H),7.56(NH,d,1H),4.26(m,1H),4.12(d,1H),4.04(d,1H),3.79(d,1H),3.75(t,2H),2.94(bs,1H),2.57(m,2H),2.41(m,1H),1.10&1.07(two d,6H)
【0113】
実施例32 6−(tert−ブチル) 1−エチル(2E,4S)−4−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−2−ヘキセンジオエート(Iq)
製造例21で得た化合物(107mg、0.24mmol)とデス−マーチン試薬(153mg、1.5当量)に無水ジクロロメタン(4mL)を加え、当該混合物を室温で1時間攪拌し、減圧濃縮した。残渣に無水THF(3mL)と(カルボエトキシメチレン)トリフェニルホスホラン(108mg、1.3当量)を加え、混合物を2時間加熱還流した。反応混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、分取クロマトグラフィ(40%酢酸エチル−ヘキサン)で予備精製して、標記化合物(98mg、80%)をジアステレオマーの3:1混合物で得た。
主異性体の1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ9.15(d,1H),8.54(d,1H),7.86(d,1H),7.74-7.62(m,4H),6.93(dd,1H),6.00(dd,1H),4.98(m,1H),4.19(qt,2H),4.02(d,1H),3.81(d,1H),2.58(m,2H),2.43(m,1H),1.36(s,9H),1.27(t,3H),1.07&1.06(two d,6H)
【0114】
実施例33
(3S,4E)−6−エトキシ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−6−オキソ−4−ヘキセン酸(Irr)
実施例32で得た化合物を実施例2と同様の方法により反応させて、標記化合物を得た。
主異性体の1H-NMR(500MHz,MeOD-d3)δ9.04(d,1H),8.61(d,1H),8.52(d,1H),7.95(d,1H),7.81-7.68(m,3H),6.94(dd,1H),6.00(dd,1H),5.01(m,1H),4.17(qt,2H),3.90(d,1H),3.82(d,1H),2.71(d,2H),2.39(septet,1H),1.26(t,3H),1.07&1.06(two d,6H)
MS:M+H 454
【0115】
実施例34
tert−ブチル (3S,4E)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−(メチルスルホニル)−4−ペンテノエート(Ir)
製造例21で得た化合物(109mg、0.25mmol)とデス−マーチン試薬(157mg、1.5当量)に無水ジクロロメタン(4mL)を加え、当該混合物を室温で1時間攪拌し、減圧濃縮した。イソプロピルアルコール(0.5mL)で反応を中止させた。セライトを用いた減圧濾過で固体を除去した。濾液を酢酸エチル(20mL×2)で抽出し、水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮してアルデヒド化合物(540mg、収率99%)を得た。
【0116】
ジエチルメチルスルホノメタンホスホネート(113mg、2.0当量、Synthesis,1969,170を参照)をTHF(3mL)に溶解し、NaH(鉱油中60%、20mg、2.0当量)と上記で得られたアルデヒド化合物を加えて、得られた混合物を2時間還流した。酢酸エチル(20mL×2)で抽出した後、水、飽和重炭酸ナトリウム水溶液及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧下で濃縮し、分取クロマトグラフィ(60%酢酸エチル−ヘキサン)で精製して、標記化合物(52mg、41%)をジアステレオマーの4:1混合物として得た。
主ジアステレオマーの1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ9.14(d,1H),8.55(d,1H),7.86(d,1H),7.76-7.65(m,4H),6.92(dd,1H),6.57(dd,1H),5.03(m,1H),4.02(d,1H),3.81(d,1H),2.94(s,3H),2.61(m,2H),2.41(septet,1H),1.36(s,9H),1.10&1.08(two set of d,6H)
【0117】
実施例35
(3S,4E)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−(メチルスルホニル)−4−ペンテン酸(Iss)
実施例34で得た化合物を実施例2と同様の方法により反応させて、標記化合物を得た。
主異性体の1H-NMR(500MHz,MeOD-d3)δ9.04(d,1H),8.52(d,1H),7.95(d,1H),7.82-7.69(m,3H),6.90(dd,1H),6.71(dd,1H),5.06(m,1H),3.86(m,2H),2.98(s,3H),2.76(d,2H),2.39(m,1H),1.08&1.06(two set of d,6H)
MS:M+H 460
【0118】
実施例36〜42の製造方法
(イソ)キノリンアルデヒド(または1−または2−ナフトアルデヒド)とエチル 2−エチルアクリレート(またはエチル 2−プロピルアクリレート)を、製造例1、2及び3(または製造例1及び16)と同じ方法により反応させて得られた化合物を、必要に応じてキラルODカラムを用いる分取HPLCを使用して、活性キラル異性体を単離するために精製した。単離された活性キラル異性体や不活性異性体を製造例4と同じ方法により加水分解し、得られた化合物とt−ブチル 3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシペンタノエートを、実施例1及び2と同じ方法により反応させて、下記実施例36〜42の標記化合物を得た。
【0119】
実施例36
5−フルオロ−3−({[(5S)−3−(1−イソキノリニル)−5−プロピル-4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Itt)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ9.02(t,1H),8.61(m,2H),8.08(d,1H),7.96(m,1H),7.85(t,1H),7.78(m,1H),5.05(bs,2H),4.73(m,1H),3.97-3.92(dd,1H),3.70-3.65(two d,1H),2.90-2.70(two m,2H),2.03(m,1H),1.91(m,1H),1.48(m,1H),1.32(m,1H),0.93(m,3H)
Mass:M+H 416
【0120】
実施例37
3−({[(5S)−5−エチル−3−(1−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iuu)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.84(s,1H),8.59(bs,1H),8.02(m,2H),7.75(s,1H),7.60(m,3H),5.01(bs,2H),4.73(m,1H),3.87-3.82(dd,1H),3.70-3.65(two d,1H),2.82-2.73(two m,2H),2.05(m,1H),1.95(m,1H),0.96(m,3H)
Mass:M+H 401
【0121】
実施例38
3−({[(5S)−5−エチル−3−(2−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ivv)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.61(dd,1H),8.41(m,1H),8.02(m,3H),7.79(t,1H),7.65(t,1H),5.22-5.06(m,1H),4.72(m,1H),4.49-4.28(m,1H),3.84(m,1H),3.54(m,1H),2.99-2.54(two m,2H),2.01(m,1H),1.91(m,1H),0.91(m,3H)
Mass:M+H 402
【0122】
実施例39
3−({[(5R)−5−エチル−3−(3−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iww)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.25&9.16(two s,1H),8.08-7.64(m,5H),4.90-4.84(m,1H),4.79-4.54(m,2H),4.01-3.93(two d,1H),3.54(d,1H),3.03-2.87(m,2H),2.27-2.19&2.10-2.01(two m,2H),1.10-1.06(m,3H)
Mass:M+H 402
【0123】
実施例40
3−({[5−エチル−3−(8−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ixx)
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ8.98&8.93(two m,1H),8.56-8.21(m,1H),8.03-7.94(m,2H),7.73(bs,1H),7.60(m,1H),7.53-7.48(two m,1H),4.94-4.64(m,3H),4.27-4.22(two d,1H),3.77(d,1H),3.07&2.92(two m,2H),2.31-2.22(m,1H),2.12-2.05(m,1H),1.10(t,3H)
Mass:M+H 402
【0124】
実施例41
3−({[5−エチル−3−(3−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iyy)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.32&9.25(two d,1H),8.16-8.03(m,2H),7.83-7.73(m,3H),7.62-7.55(m,1H),4.95-4.76(m,3H),3.86(two d,1H),3.45-3.39(two d,1H),3.17-3.01(two m,1H),2.90-2.82(m,1H),2.27-2.20(m,1H),2.09-2.00(m,1H),1.10-1.05(m,3H)
Mass:M+H 402
【0125】
実施例42
5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(2−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Izz)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.24(m,1H),8.14(m,1H),8.04(d,1H),7.88(d,1H),7.79(m,1H),7.65(m,1H),7.51(bs,1H),5.13-4.35(m,3H),4.05-4.00(two d,1H),3.73(d,1H),3.05-2.82(m,2H),2.42(m,1H),1.10(m,6H)
Mass:M+H 416
【0126】
実施例43〜48の製造方法
芳香族アルデヒド(Bioorg.Med.Chem.Lett.,1996,6,p2173,J.Org.Chem.,1978,43,1372)とエチル 2−エチルアクリレート(またはエチル 2−イソプロピルアクリレート)を、製造例1、2及び3(または製造例1及び16)と同様の方法により反応させて得られた化合物を、必要に応じてキラルODカラムを用いる分取HPLCを使用して、活性キラル異性体を単離するために精製した。単離された活性キラル異性体や不活性異性体を製造例4と同様の方法により加水分解し、得られた化合物とt−ブチル 3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシペンタノエートを実施例1及び2と同様の方法により反応させて、下記実施例43〜48の標記化合物を得た。
【0127】
実施例43
3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa1)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.53(bs,1H),7.40(m,2H),7.32(m,1H),7.25(m,1H),5.02(bs,2H),4.72(m,1H),3.60-3.54(two d,1H),3.46-3.43(two d,1H),3.40(m,1H),2.78-2.60(two m,2H),1.95(m,1H),1.85(m,1H),1.14(s,6H),0.88(m,3H)
Mass:M+H 393
【0128】
実施例44
3−[({3−[3−(tert−ブチル)フェニル]−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa2)
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ8.56(dd,1H),7.67(s,1H),7.48(m,1H),7.38(d,2H),5.24-5.12(q,1H),4.76-4.69(m,1H),4.59-4.26(m,1H),3.68(m,1H),3.49-3.43(two d,1H),2.96-2.56(two m,2H),1.98(m,1H),1.85(m,1H),1.29(s,9H),0.89(d,3H)
Mass:M+H 407
【0129】
実施例45
3−[({3−[4−(tert−ブチル)フェニル]−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa3)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.52(bs,1H),7.58(m,2H),7.43(dd,2H),5.10(bs,2H),4.71-4.65(m,1H),3.65-3.59(two d,1H),3.40-3.35(two d,1H),2.86-2.60(two m,2H),1.94(m,1H),1.82(m,1H),1.24(s,9H),0.86(m,3H)
Mass:M+H 407
【0130】
実施例46
5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa4)
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ7.60-7.53(m,1H),7.41(m,2H),7.27-7.23(m,2H),5.20-4.91(m,1H),4.71(m,1H),4.54-4.42(m,1H),3.69-3.64(two d,1H),3.45-3.38(m,2H),3.12-2.77(m,2H),2.32(m,1H),1.22(d,6H),1.05(d,6H)
Mass:M+H 407
【0131】
実施例47
3−[({(5R)−3−[3−(tert−ブチル)フェニル]−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa5)
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ7.69(s,1H),7.48(d,1H),7.41(d,1H),7.35(t,1H),4.74-4.50(m,3H),3.69(d,1H),3.40(d,1H),3.06-2.77(m,2H),2.32(m,1H),1.33(s,9H),1.04(m,6H)
Mass:M+H 421
【0132】
実施例48
3−{[(3−[1,1’−ビフェニル]−3−イル−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa6)
3−ビフェニルカルボキシアルデヒド(Synthesis,2003,337を参照)を出発物質として使用して、標記化合物を得た。
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.42(bs,1H),7.87(d,1H),7.73-7.69(m,4H),7.52(m,1H),7.45(m,2H),7.38(m,1H),5.03(bs,2H),4.63(m,1H),3.73-3.57(m,2H),2.67-2.63(two m,2H),2.22(m,1H),0.89(m,6H)
Mass:M+H 441
【0133】
実施例49〜59の製造方法
4−置換ピリジン 2−カルボキシアルデヒドを公知方法であるUS 6043248,JOC 1982,47,p4315)によって得、これらを製造例1、2及び3(または製造例1及び16)と同様の方法により反応させた。得られた化合物を、必要に応じてキラルODカラムを用いる分取HPLCを使用して、活性キラル異性体を単離するために精製した。単離された活性キラル異性体や不活性異性体を製造例4と同様の方法により加水分解し、得られた化合物とt−ブチル 3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシペンタノエートを、実施例1及び2と同様の方法により反応させて、下記実施例49〜59の標記化合物を得た。
【0134】
実施例49
3−({[5−エチル−3−(2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa7)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ12.41(bs,1H),8.61(s,1H),8.59-8.53(dd,1H),7.87(m,1H),7.44(m,1H),5.19-5.04(two d,1H),4.70(m,1H),4.45-4.27(m,1H),3.67(m,1H),3.42(m,1H),2.95-2.53(two m,2H),1.96(m,1H),1.86(m,1H),0.85(m,3H)
Mass:M+H 352
【0135】
実施例50
3−[({3−[4−(tert−ブチル)−2−ピリジニル]−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa8)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.58(d,1H),7.90(s,1H),7.65(bs,1H),7.45-7.39(m,1H),4.98-4.68(m,3H),3.92&3.88(two d,1H),3.52&3.47(two d,1H),3.05-2.86(m,2H),2.23-2.18(m,1H),2.08-2.00(m,1H),1.38(s,9H),1.05(t,3H)
Mass:M+H 408
【0136】
実施例51
3−[({(5R)−3−[4−(tert−ブチル)−2−ピリジニル]−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa9)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.58(d,1H),7.88(d,1H),7.61(bs,1H),7.43(m,1H),4.84(m,1H),4.60(bs,2H),3.89-3.82(two d,1H),3.60-3.55(two d,1H),3.04-2.86(m,2H),2.38(m,1H),1.38(s,9H),1.07(m,6H)
Mass:M+H 422
【0137】
実施例52
3−({[5−エチル−3−(4−イソブチル−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa10)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.58-8.52(dd,1H),8.49(s,1H),7.68(s,1H),7.27(s,1H),5.19-5.04(m,1H),4.69(m,1H),4.46-4.29(m,1H),3.68(m,1H),3.41-3.37(dd,1H),2.93-2.46(m,4H),1.95-1.85(two m,3H),0.86-0.82(m,9H)
Mass:M+H 408
【0138】
実施例53
3−({[3−(4−アセチル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa11)
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ8.79(d,1H),8.35(s,1H),7.76(d,1H),7.46(bs,1H),4.84-4.40(m,3H),3.90-3.85(two d,1H),3.51-3.46(two d,1H),3.04-2.84(m,2H),2.65(s,3H),HHHkdkdk2.16(m,1H),2.02(m,1H),1.03(m,3H)
Mass:M+H 394
【0139】
実施例54
3−({[3−(4−シクロプロピル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa12)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ12.39(bs,1H),8.41(t,1H),7.56(d,1H),7.12(m,1H),5.19-5.04(m,1H),4.72-4.66(m,1H),4.46-4.27(m,1H),3.69-3.63(m,1H),3.39-3.35(two d,1H),2.80-2.74(m,1H),2.63-2.52(m,1H),2.00-1.80(m,3H),1.06(m,2H),0.86-0.80(m,5H)
Mass:M+H 392
【0140】
実施例55
3−({[3−(4−シクロペンチル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa13)
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ8.50(d,1H),7.67(m,2H),7.26(m,1H),4.88-4.82(m,1H),4.65(bs,2H),3.88-3.81(two d,1H),3.45-3.41(two d,1H),3.05(m,1H),2.96-2.80(m,2H),2.20-2.12(m,3H),2.02-1.96(m,1H),1.83(m,2H),1.72(m,2H),1.60(m,2H),1.01(t,3H)
Mass:M+H 420
【0141】
実施例56
3−({[(5R)−3−(4−シクロペンチル−2−ピリジニル)−5-イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa14)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.58(m,1H),7.74(d,1H),7.63(bs,1H),7.38-7.32(dd,1H),4.88-4.81(m,1H),4.53(bs,2H),3.87-3.79(two d,1H),3.56-3.53(two d,1H),3.12-3.04(m,1H),3.02-2.85(m,2H),2.38(m,1H),2.16(m,2H),1.88(m,2H),1.78(m,2H),1.65(m,2H),1.07(m,6H)
Mass:M+H 434
【0142】
実施例57
3−({[3−(4−シクロヘキシル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa15)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.61(m,1H),7.75(d,1H),7.64(bs,1H),7.39-7.33(dd,1H),4.86-4.53(two m,3H),3.87(t,1H),3.50-3.45(dd,1H),3.05-2.85(two m,2H),2.63(m,1H),2.22(m,1H),2.03(m,1H),1.93-1.80(two m,5H),1.44(m,5H),1.05(t,3H)
Mass:M+H 434
【0143】
実施例58
3−({[5−エチル−3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa16)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.60-8.53(dd,1H),8.30(d,1H),7.15(d,1H),5.20-5.05(m,1H),4.74-4.66(m,1H),4.45-4.25(m,1H),3.75-3.68(m,1H),3.47-3.41(m,1H),2.94-2.88(m,2H),2.80-2.72(m,3H),2.62-2.53(m,1H),1.99-1.93(m,1H),1.88-1.80(m,1H),1.71-1.69(m,4H),0.88-0.84(m,3H)
Mass:M+H 406
【0144】
実施例59
5−フルオロ−3−({[5−イソプロピル-3−(4−フェニル−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa17)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ8.68(d,1H),8.14(s,1H),7.68(m,1H),7.58(m,1H),7.54-7.43(m,5H),4.86-4.60(m,3H),3.92-3.87(two d,1H),3.62(d,1H),3.09-2.86(m,2H),2.39(m,1H),1.11-1.06(m,6H)
Mass:M+H 442
【0145】
実施例60〜63の製造方法
(2S)−4−(tert−ブトキシ)−2−({[(5R)−5-イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソブタン酸[化合物(VIIf)とAsp(O−t−Bu)−OMeのカップリング反応と加水分解により得られる)を、製造例5と同様の方法により反応させて、ブロモメチルケトン誘導体(tert−ブチル (3S)−5−ブロモ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタノエート)を得た。このブロモメチルケトン誘導体をジフェニルホスフィン酸とKF/DMF(製造例5を参照)中で反応させて、ジフェニルホスホリルオキシメチルケトン誘導体を得、これを実施例2と同様の方法により反応させて、標記化合物(実施例60の化合物)を得た。
【0146】
下記実施例61〜63の化合物は、1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−オール、3−ベンジル−4−ヒドロキシ−2(5H)−フラノン、またはイソ酪酸から、上記と同様にして得た。
【0147】
実施例60
(3S)−5−[(ジフェニルホスホリル)オキシ]−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa18)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.92(m,1H),8.58(m,1H),8.05(m,1H),7.94(m,1H),7.81(m,1H),7.75-7.72(m,3H),7.57(m,3H),7.49(m,4H),7.35(m,2H),4.90-4.65(two m,3H),3.79-3.75(two d,1H),3.69-3.67(two d,1H),2.65(two m,2H),2.22(m,1H),0.84(m,6H)
Mass:M+H 614
【0148】
実施例61
(3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1-イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−{[1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}ペンタン酸(Iaa19)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.95(m,1H),8.83(d,1H),8.57(m,1H),8.03(d,1H),7.92(d,1H),7.80(m,1H),7.74(m,1H),7.65(d,1H),7.57(m,1H),7.51-7.34(m,3H),6.27(s,1H),5.29-5.15(m,2H),4.76(m,1H),3.92-3.88(m,1H),3.75-3.69(m,1H),2.84-2.60(m,2H),2.33(m,1H),0.96(m,6H)
Mass:M+H 624
【0149】
実施例62
(3S)−5−[(4−ベンジル−5−オキソ-2,5−ジヒドロ−3−フラニル)オキシ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa20)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.97(t,1H),8.58(d,1H),8.04(d,1H),7.92(d,1H),7.81(m,1H),7.73(m,1H),7.23-7.07(m,6H),7.51(m,1H),4.79-4.65(m,3H),3.92-3.87(two d,1H),3.74-3.68(two d,1H),2.82-2.58(m,2H),2.31(m,1H),0.95(m,6H)
Mass:M+H 586
【0150】
実施例63
(3S)−5−(イソブチリルオキシ)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa21)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ12.39(bs,1H),8.96(t,1H),8.73(m,1H),8.58(dd,1H),8.04(d,1H),7.92(d,1H),7.81(t,1H),7.73(m,1H),4.78(m,2H),4.68(m,1H),3.87(t,1H),3.73-3.68(two d,1H),2.79-2.60(two m,2H),2.56(m,1H),2.31(m,1H),1.05(d,3H),0.95(m,9H)
Mass:M+H 484
【0151】
実施例64
(3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−ヘキセン酸(Iaa22)
(2S)−4−(tert−ブトキシ)−2−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソブタン酸のWeinrebアミド誘導体(N,O−ジメチルヒドロキシルアミンと縮合した誘導体)と、ビニルマグネシウムブロマイドを反応させ、得られた化合物を実施例2と同様の方法により反応させて、標記化合物を得た。
1H-NMR(400MHz,DMSO-d6)δ12.27(bs,1H),8.95(t,1H),8.74-8.67(two d,1H),8.58(m,1H),8.04(d,1H),7.92(d,1H),7.83-7.72(m,2H),6.47(m,1H),6.22-6.11(two dd,1H),5.71-5.62(two dd,1H),4.77(m,1H),3.90-3.79(m,1H),3.72-3.64(m,1H),2.82(m,1H),2.62-2.49(m,1H),2.30(m,1H),0.94(m,6H)
Mass:M+H 410
【0152】
製造例22
t−ブチル (3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−5−(2−ピリジニルオキシ)ペンタノエート(VIIIf)
製造例5の中間体であるブロモメチルケトン誘導体X(3.2g、7.93mmol)をベンゼン(30mL)に溶解し、Ag2CO3(2.62g、1.2当量)と2−ヒドロキシピリジン(0.93g、1.2当量)を加えた。当該混合物を80℃で3日間還流しつつ攪拌した。当該反応物をセライトを通して濾過し、減圧濃縮し、カラムクロマトグラフィで精製して、2−ピリジニルオキシメチルケトン誘導体(XIf)(466mg、収率14%)を得た。
【0153】
得られた2−ピリジニルオキシメチルケトン誘導体(XIf)(227mg、0.548mmol)を、テトラヒドロフラン/メタノール(3:2v/v)混合溶媒(10mL)に溶解し、NaBH4(43mg、2.0当量)を0℃で加え、当該混合物を室温で30分間攪拌した。飽和塩化アンモニウム溶液で反応を終結させ、当該反応溶液を減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出し、水及び塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥(無水Na2SO4)し、減圧濃縮して、ケトン基がヒドロキシルへ還元された化合物(XIIf)(230mg)を得た。
【0154】
上記で製造された化合物のベンジルオキシカルボニル基を水素バルーン下で40分間除去(Pd/C)して、標記化合物(155mg、99%)を得た。
【0155】
実施例65〜66の製造方法
化合物VIIf(またはVIIu)とVIIIfを実施例1及び2と同様の方法により反応させて、実施例65〜66の化合物を得た。ここで、VIIuは5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボン酸を表す。
【0156】
実施例65
(3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2−ピリジニルオキシ)ペンタン酸(Iaa23)
1H-NMR(500MHz,MeOH-d4)δ9.04(d,1H),8.50(d,1H),7.95(d,1H),7.81(d,1H),7.77(t,1H),7.69(t,1H),7.59(m,1H),6.85-6.80(m,2H),6.67(bs,1H),5.07(bs,1H),4.95(t,1H),4.84(m,1H),3.94-3.79(Abq,2H),2.92-2.80(m,2H),2.39(m,1H),1.09(m,6H)
Mass:M+H 491
【0157】
実施例66
(3S)−3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2−ピリジニルオキシ)ペンタン酸(Iaa24)
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.71(bs,1H),8.02-7.94(two bs,1H),7.71-7.64(m,1H),7.42-7.18(m,4H),6.96-6.90(two t,1H),6.85-6.80(two d,1H),4.99(bs,2H),4.86-4.78(m,1H),3.58(two d,1H),3.48(two d,1H),3.36(m,1H),2.81-2.61(m,2H),2.05-1.80(two m,2H),1.14-1.03(m,6H),0.93-0.88(m,3H)
Mass:M+H 468.21
【0158】
実施例67
2−{[(3S)−4−カルボキシル−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−2−オキソブチル]オキシ}−1−メチルピリジニウム トリフルオロメタンスルホネート(Iaa25)
実施例65でデス−マーチン酸化反応後に得られた中間体である、t−ブチル (3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2−ピリジニルオキシ)ペンタノエート(49mg、90μmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、メチル トリフルオロメタンスルホネート(1.1当量、10.1μL)を加え、当該混合物を室温で1日間攪拌した。減圧濃縮した後、残渣を実施例2と同様の処理に付して標記化合物(60mg)を得た。
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ9.00-8.91(m,2H),8.76-8.57(m,2H),8.42(m,1H),8.04(m,1H),7.93(m,1H),7.80(m,1H),7.75(m,1H),7.54(m,1H),5.77-5.48(m,2H),4.85-4.81(m,1H),4.00(s,3H),3.94-3.69(m,2H),2.87-2.60(m,2H),2.33(m,1H),0.98&0.94(two d,6H)
Mass:M+ 505.20
【0159】
実施例68
2−{[(3S)−4−カルボキシル−3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−2−オキソブチル]オキシ}−1−メチルピリジニウム トリフルオロメタンスルホネート(Iaa26)
実施例66でデス−マーチン酸化反応後に得られた中間体である、t−ブチル (3S)−3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2−ピリジニルオキシ)ペンタノエート(55mg、0.105mmol)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、メチル トリフルオロメタンスルホネート(1.1当量、13μL)を加え、当該混合物を室温で1日間攪拌した。減圧濃縮した後、残渣を実施例2と同様の処理に付して標記化合物を59mg(94%)得た。
1H-NMR(500MHz,DMSO-d6)δ8.80-8.73(two d,1H),8.65(m,1H),8.45-8.38(m,1H),7.56-7.51(m,2H),7.43-7.31(m,3H),7.24-7.12(m,H),5.72-5.48(m,2H),4.91(m,1H),4.01&3.99(two s,3H),3.64(two d,1H),3.48(two d,1H),3.42(m,1H),2.90-2.62(m,2H),2.05-1.80(two m,2H),1.15-1.03(m,6H),0.93-0.88(m,3H)
Mass:M+ 482.17
【0160】
実施例69〜70の製造方法:
5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−アルデヒドのオキシム誘導体または1,5−ジメチル−1H−インドール−2−アルデヒドのオキシム誘導体と、t−ブチル 3−アミノ−5−フルオロ−4−ヒドロキシペンタノエートを、製造例1、17、4及び実施例1、2と同様の方法により反応させて、実施例69〜70の化合物を得た。
【0161】
実施例69
3−({[3−(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa27)
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ7.59(s,1H),7.46-7.39(two d,1H),7.30-7.23(m,3H),5.01(m,1H),4.75-4.46(m,2H),4.02(d,1H),3.95(s,3H),3.71(d,1H),2.95(m,1H),2.77(m,1H),2.35(m,1H),1.04(m,6H)
Mass:M+H 452
【0162】
実施例70
3−({[3−(1,5−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa28)
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ7.48(bs,1H),7.39(d,1H),7.23-7.14(m,3H),4.76(m,1H),4.70-4.50(m,2H),4.07-4.02(two d,1H),3.99,3.94&3.93(three s,3H),3.75-3.48(m,1H),2.94-2.82(two m,1H),2.46-2.43(two s,3H),2.34(m,1H),1.05(m,6H)
Mass:M+H 432
【0163】
製造例23
(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボン酸の分割
5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボン酸を、60℃に加熱してアセトン(190mL)に溶解し、(S)−α−メチル−ベンジルアミン(14.5mL、112mmol)を加えた。当該反応液を室温まで冷却し、4時間攪拌した。生成した沈澱物を濾過し、アセトン(40mL)で3回洗浄した。
【0164】
得られた(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボン酸の(S)−α−メチル−ベンジルアミン塩を、90℃に加熱してアセトンと水の4:1混合液(150mL)へ溶解し、室温まで冷却し、3時間攪拌した。生成した沈澱物を濾過し、アセトン(40mL)で3回洗浄して、純粋な(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボン酸の(S)−α−メチル-ベンジルアミン塩(12.8g、24.3%、99.8%ee)を得た。
【0165】
(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソオキサゾールカルボン酸の光学純度を、キラルセルODカラム(4.6×250mm、5μm)を用いて測定した。移動相としてはn−ヘキサン/イソプロパノール/トリフルオロ酢酸(92/8/0.1)を使用し、流速は1mL/分、カラム温度は40℃、検出波長は225nmとした。2つ光学異性体は、それぞれ7.8分(R異性体)と21.1分(S異性体)のリテンションタイムで検出された。
【0166】
実施例71
化合物(Iii−1)の分割
1)シード化合物の分離
実施例16の2つのジアステレオマーは、分取用液体クロマトグラフィシリカカラム(直径40mm、DYNAMAX−100Å)を使用して分離した。移動相としてはn−ヘキサン/エタノール/トリフルオロ酢酸(4000/32/2)を使用し、流速は50mL/分とし、検出波長227nmでリテンションタイム62〜66分で所望のジアステレオマーを99:1の割合で得た(86分まで継続的して比率が変わりつつ、2つのジアステレオマーがブロードに溶出した)。このようにして得られた99:1比率のジアステレオマーを脱保護し、分割のためのシードとして用いた。
【0167】
光学純度は、アトランティスC18カラム(4.6×250mm、5μm)を使って測定した。移動相としては、アセトニトリル/水/トリフルオロ酢酸の混合物を、下記勾配で1mL/分の流量で用いた:
t = 0分、 0:100:0.1
3分、 20:80:0.1
50分、 100:0:0.1
【0168】
検出波長227nmを使用したとき、2つ光学異性体は、それぞれ36.6分(3R、5R異性体)と37.1分(3S、5R異性体)のリテンションタイムで検出された。
【0169】
(3S、5R異性体):tert−ブチル (3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタノエート
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ9.13(d,1H),8.55(d,1H),7.85(d,1H),7.78-7.65(m,4H),5.22-5.02(two m,2H),4.90(m,1H),4.02(d,1H),3.80(d,1H),2.92-2.88(dd,1H),2.79-2.75(dd,1H),2.41(m,1H),1.34(s,9H),1.09(m,6H)
Mass:M+H 472
【0170】
(3R、5R異性体):tert−ブチル (3R)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタノエート
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.14(d,1H),8.56(d,1H),7.87(d,1H),7.77-7.64(m,4H),5.25-5.00(two q,2H),4.90(m,1H),4.03(d,1H),3.82(d,1H),2.93(dd,1H),2.77(dd,1H),2.42(m,1H),1.35(s,9H),1.11(m,6H)
Mass:M+H 472
【0171】
(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii−1)
1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ9.07(d,1H),8.57(d,1H),7.89(d,1H),7.78-7.69(m,3H),7.69(d,1H),4.88-4.79(m,2H),4.67(bs,1H),4.07(d,1H),3.81(d,1H),3.08-2.93(m,1H),2.91-2.82(m,1H),2.43(m,1H),1.12(m,6H)
Mass:M+H 416
【0172】
(3R)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii−2)
1H-NMR(500MHz,CDCl3)δ9.07(d,1H),8.55(d,1H),7.87(d,1H),7.75-7.68(m,3H),7.52(bs,1H),5.20-4.35(m,3H),4.02(d,1H),3.80(d,1H),3.13-2.90(m,2H),2.39(m,1H),1.08(m,6H)
Mass:M+H 416
【0173】
2)再結晶
(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii−1)
粗t−ブチル 5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタノエート(366g)を塩化メチレン(1.9kg)に溶解し、0℃まで冷却した。トリエチルシラン(235g)とトリフルオロ酢酸(1.88kg)を加えて、0℃で1時間攪拌した。当該反応混合物を減圧蒸留し、酢酸エチル(2.4kg)に再溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液(3.1L)を加えてpHを5.2に調整した。有機層を分離して、水層を酢酸エチル(2.4kg)で一度抽出した。合わせた有機層を減圧蒸留して溶媒を除去し、得られた残渣をメチル−t−ブチルエーテル(530g)に溶解し、少量の(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸の結晶を添加した。室温で16時間攪拌した後、生成した沈澱を濾過し、メチル−t−ブチルエーテルとn−ヘキサンの9:1の混合液(210mL)で洗浄した。
【0174】
得られた(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸を、50℃に加熱して酢酸エチル(240mL)に溶解し、n−ヘキサン(240mL)をゆっくり加え、室温まで徐々に冷却した。室温で24時間攪拌した後、生成した沈澱を濾過し、酢酸エチルとn−ヘキサンの1:1混合液(30mL)で洗浄して、標記化合物(Iii−1、46.0g、3S/3R=94/6.0)を得た。光学純度は、ルナカラム(4.6×250mm、5μm、C18)を用いて測定した。移動相はアセトニトリル/20mM NH4OAc(pH=6)(30/70)の混合物を使用し、流速は1mL/分とした。検出波長227nmを使用したとき、2つの光学異性体は、それぞれ8.0分(3R異性体)と9.0分(3S異性体)で検出された。
【0175】
実験例1
カスパーゼ阻害効果の測定
α2β2体のシステインプロテアーゼとして知られているカスパーゼ−1とカスパーゼ−8を、公知の方法であるThornberry,N.A.et al,Nature,1992,356,768、Thornberry,N.A.Methods in Enzymology,1994,244,615、Walker,N.P.C.et al.Cell,1994,78,343)を変形した方法で、発現させ、精製し及び活性化し、また、同様にしてカスパーゼ−9を精製し、それらに対する阻害活性を試験した。簡略に記述すると、p10とp20サブユニット(Thornberry,N.A.et al,Nature,1992,356,768)を大腸菌で発現させ、ニッケルカラムとアニオン交換クロマトグラフィで精製して、カスパーゼ−1、カスパーゼ−8及びカスパーゼ−9を得た。得られたカスパーゼ−1に対する蛍光基質であるAcYVAD−AFC、カスパーゼ−8に対するAcDEVD−AFC、カスパーゼ−9に対するAcLEHD−AFCを、合成された阻害剤の特異的活性の測定ために使用した。酵素反応は、50mM HEPES(pH7.50)、10%(w/v)スクロース、0.1%(w/v)CHAPS、100mM NaCl、1mM EDTA、10mM DTTを含む緩衝液中で、10nMカスパーゼ−1のための50μM AcYVAD−AFC、2.1nMカスパーゼ−8のための50μM AcDEVD−AFC、及び200nMカスパーゼ−9のための150μM AcLEHD−AFCの存在下、多用な濃度の阻害剤と共に25℃で遂行した。阻害剤の阻害定数であるKi及びKobs値は、蛍光分光器を使って経時的に反応速度を測定し、初期速度定数(initial rate constant)を得ることによって決定した。Kiはラインウェーバー−バークプロットから、Kobsは下記数式1から求めた。
数式1
obs=−ln(1−At/A00)/t
上記式中、
は時間tでの解離率(%)を表し、
00は解離率(%)を表す。
【0176】
蛍光分光器としてはMolecular Device社のSpectra MAX GeminiXS 蛍光分光計を使用し、励起波長は405nm、放射波長は505nmとした。
【0177】
阻害剤の細胞内阻害活性は、Jurkat細胞(ATCC TIB−152)をFas抗体(Upstate Biotech 05−201)を用いたアポトーシスに付し、Francoeur A.M.及びAssalian A.(1996)Biochemica 3,19-25に記載の公知方法であるWST−1に従って色の変化を検出し、阻害剤により細胞を処理した際の生存Jurkat細胞の量を観察することにより決定した。分光計としてはMolecular Device社のSpectra MAX340分光計を用い、吸光(Absorbance)波長は440nmとした。
【0178】
【表1】

【0179】
実験例2
マウスにおいてLPSにより誘発された急性肝炎に対するの治療効果
ステップ1) 血液サンプルの調製
雌性Balb/cマウス(6週齢、Charles River Laboratory、大阪、日本)を、22℃、55%の相対湿度下、12時間の昼夜サイクルの条件下で飼育した。この時、飼料と水は自由に供給した。発熱物質が除去された食塩水に、LPS(リポポリサッカライド)とD−ガラクトースアミンをそれぞれ0.4mg/mLと280mg/mLの濃度で溶解して、これらを1:1に混合した溶液を5mL/kgの量で注射した。LPSとD−ガラクトースアミンを注射した直後に、試験化合物が溶解されているビヒクル(PEG400:エタノール:Tween80=15:7.5:2.5の混合物を、食塩水で5倍に希釈したもの)またはビヒクル単独を、マウスに腹腔内注射した。薬剤注射から8時間後、心臓から血液サンプルを得た。
【0180】
ステップ2:血漿アミノトランスフェラーゼ活性の測定
ステップ1で得た血液サンプルについて、ALTアッセイキット(ASAN Pharm.Co.、ソウル、韓国)を使い、メーカーの使用説明書に従って、血漿ALT活性を測定した。その結果、LPSとD−ガラクトースアミンの投与が血漿中のALT活性を急激に上昇させ、試験物質が上昇した酵素活性を容量依存的に抑制することが確認された。これらの結果に基づいて、試験物質のED50値を、GraphPad社のPrismソフトウェアを用いて算出して、0.01〜10mg/kgとの値を得た。
【0181】
実験例3
SD系列ラットにおける肝繊維形成に対する阻害効果
ステップ1) 肝繊維形成の誘導と投薬
雄性Spargue−Dawley系列ラット(6週齢、Korea Biolink)を、22℃、55%の相対湿度下、12時間の昼夜サイクルの条件下で飼育した。この時、飼料と水は自由に供給した。胆管の結紮のために、ラットをハロタン1%で麻酔して開腹し、胆管の末端部とその近接部を結紮し、結紮部位の間を切った後、2mL生理食塩水を注入した後、縫合した。
【0182】
試験化合物(Iii)を、3mg/kgまたは10mg/kgの容量で1日2回経口投与した。即ち、化合物を共溶媒(PEG400:エタノール:Tween80=15:7.5:2.5)に溶解し、リン酸緩衝液(pH7.4)で5倍に希釈して投与した。対照群には、試験化合物無しの溶液を投与した。投与は、胆管を結紮してから1週間後、1週間にわたり投薬した。
【0183】
ステップ2:組織切片の調製とシリウスレッド染色
投薬終了後、ラットを殺した。肝臓を10%中性ホルマリンにより固定して5μm厚さのパラフィン切片を調製し、0.1%シリウスレッド(Direct red 80、Sigma)で染色した。組織切片は光学顕微鏡で調べ、赤色に染色されたコラーゲン繊維を観察した。その結果を図1に示す。
【0184】
実験例4
SDラットにおける胆汁停滞中のアポトーシスに対する抑制効果
実験例3のステップ1の通り、胆管結紮したSDラットに試験化合物(Iii)を投薬した。手術から2週間後にラットを殺した。肝臓を10%中性ホルマリンにより固定して5μm厚さのパラフィン切片を調製した。Apopタグペルオキシダーゼ In Situアポトーシス検出キット(Chemicon)を使い、メーカーの使用説明書に従って、TUNEL染色を行なった。TUNEL染色された肝組織を、200倍の倍率で10ヶ所以上重ならないように写真を撮って、図2に示した。各処理群でアポトーシスが起きた細胞の数を計算して、下記表2に示した。下記表で、擬似手術は胆管のみ露出して結紮しない場合を意味し、BDL手術は胆管結紮手術後にビヒクルのみを投与した場合を意味する。
【0185】
【表2】

【0186】
結論
胆汁停滞を通して肝繊維形成を誘導することにより確立したモデルをTUNEL染色することによって、化合物(Iii)によるアポトーシスの阻害効果(75%抑制)を示した。また、肝組織切片をシリウスレッド染色すると、対照群では激しい繊維形成が生じたが、阻害剤化合物(Iii)投与群の場合、肝繊維形成はほとんど観察されなかった。この結果は、ラットにおける肝繊維形成に対する化合物(Iii)の阻害効果を示すので、化合物(Iii)は、臨床的にも肝細胞アポトーシスを抑制することにより肝硬変の進行を抑制できる薬理活性を発揮できるものと予測される。さらに、胆汁停滞性の肝硬変だけでなく、アポトーシスによる肝繊維化を含む様々な肝臓疾患にも広く使われる可能性がある。
【0187】
実験例5
ラットにおける消炎効果
雄性SDラット(6週齢、オリエント)を、22℃、55%の相対湿度下、12時間の昼夜サイクルの条件下で飼育した。この時、飼料と水は自由に供給した。浮腫を誘導する前に、各ラットの足の容量を足容積測定装置(plethysmometer)により測定した。浮腫を誘導する前に、試験化合物が溶解されているビヒクル(PEG400:エタノール:Tween80=15:7.5:2.5の混合物をリン酸緩衝液で10倍希釈したもの)またはビヒクル単独を、ラットに経口投与した。カラギーナン(gamma)を食塩水へ1%の濃度で溶解し、各ラットの右側後足に100μLずつ皮下注射した。3時間後、足容積測定装置で右足の容量を再度測定した。試験化合物の効果を、浮腫抑制(%)で示した(表3を参照)。浮腫抑制%は、下記数式2を用いて求めた。
数式2
浮腫抑制(%)=100×(ビヒクル投与群で増加した足の容量の平均−試験化合物投与群で増加した足の容量)/ビヒクル投与群で増加した足の容量の平均
【0188】
【表3】

【0189】
実験例6
ラットにおけるリウマチ性関節炎の治療効果
雌性ルイスラット(7週齢、Charles River、日本)を、22℃、55%の相対湿度下、12時間の昼夜サイクルの条件下で飼育した。この時、飼料と水は自由に供給した。II型コラーゲン(bovine)を、0.05M酢酸に2mg/mLの濃度で4℃で溶解し、この溶液に同量の完全フロイト補助剤(Complete Freund's adjuvant)を加え、4℃で乳化させた。この乳液0.1mLをルイスラットの尻尾に皮下注射した。7日後、この乳液を再度同じ方法で注射した。第2回目の乳液を注射した日から、試験化合物が溶解されているビヒクル(PEG400:エタノール:Tween80=15:7.5:2.5の混合物をリン酸緩衝液で10倍希釈したもの)またはビヒクル単独を、実験動物に毎日経口投与した。コラーゲン含有乳液の第1回目の投与から14日後に、ラットの右側後足の容量を足容積測定装置で測定した(表4を参照)。浮腫抑制(%)は、下記数式3を用いて求めた。
数式3
浮腫抑制(%)=100×(14日目のビヒクル投与群で増加した足の平均容量−14日目の試験物質投与群で増加した足の容量)/14日目のビヒクル投与群で増加した足の平均容量
【0190】
また、14日目の増加した足の容量から、スチューデントt−テストによりp値を求め、有意性を確認した。
【0191】
【表4】

【0192】
ラットでの足浮腫試験において、阻害剤化合物(Iii)は、3、30、100mg/kgの容量で、容量依存的にそれぞれ約2、21、23%程度の浮腫抑制効果を示した。リウマチ性関節炎モデルでも、陰性対照群で最高の浮腫を示した時点である14日目において、化合物(Iii)投与群では足の浮腫が有意に減少した(約70%減少)。以上の結果から、化合物(Iii)は炎症性疾患モデルで炎症の進行を抑制する効果があるものと判断されるので、リウマチ性関節炎と同じ自己免疫性の炎症性疾患も治療可能と考えられる。
【0193】
実験例7
公知化合物との効果の比較
本発明に係る化合物(Iii)と、PCT/KR00/01047(WO01/21600)で公知にされたLB84068MP(化合物68)を試験紙、その結果を下記表5に示した。
【0194】
【表5】

【0195】
上記表5の結果から分かるように、本発明に係る化合物(Iii)では、カスパーゼ−8とJurkat細胞に対する阻害効果がLB84068MPに比べて10倍以上増加しており、LPSで誘発した急性肝炎モデル(マウス)での治療効果も、100倍程度増加していることを確認することができた。また、物理化学的な特性でも溶解度が向上しているので、注射剤として容易に使用することができる。従って、本発明に係る化合物は、LB84068MPと比較して活性と物理化学的性質で、より一層改善された効果を示している。
【図面の簡単な説明】
【0196】
【図1】図1は、胆汁停滞による肝繊維症に対する阻害剤化合物(Iii)の抑制効果を示す:図1で“a)”は擬似手術の場合を示し、“b)”は、胆管結紮手術後、ビヒクルのみを投与したBDL手術の場合を示し、“c)”は胆管結紮から一週間後、一週間の間、阻害剤化合物(Iii)を3mg/kgずつ一日2回経口投与する場合を示し、“d)”は胆管結紮から一週間後、一週間の間、阻害剤化合物(Iii)を10mg/kgずつ一日2回経口投与した場合を示す。
【図2】図2は、胆汁停滞による肝細胞アポトーシスに対する阻害剤化合物(Iii)の抑制効果を示す:図2で“a)”は擬似手術の場合を示し、“b)”は、胆管結紮手術後、ビヒクルのみを投与したBDL手術の場合を示し、“c)”は、胆管結紮から一週間後、一週間の間、阻害剤化合物(Iii)を3mg/kgずつ一日2回経口投与する場合を示し、“d)”は、胆管結紮から一週間後、一週間の間、阻害剤化合物(Iii)を10mg/kgずつ一日2回経口投与した場合を示し、“e)”は、それぞれの処理群でアポトーシスした肝細胞の数を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)の化合物、その塩、またはその立体異性体:
【化1】

式中、
I) Rは、H、単純アルキル鎖(−SAC)、単純シクロアルキル鎖(−SCAC)、アリール基(−Ar)、またはアリールで置換された単純アルキル鎖(−SAC−Ar)を表し、
II) R1は、−SAC、−SCAC、−Ar、−SAC−Ar、または全ての天然アミノ酸の側鎖残基を表し;式(1)の化合物は、R1が結合した炭素原子がR1によりステレオセンターになるときに、特異なジアステレオマー体、またはその混合物として存在していてもよく;または、R1がカルボキシル基部分を含むアミノ酸の側鎖残基であるときに、エステル体(−CO23;ここで、R3は−SAC)、またはスルホンアミド体(−CONHSO24;ここで、R4は−SAC)の形で保護基を有していてもよく、或いは薬学上許容される塩の形で存在していてもよく;または、R1が塩基性部分を含むアミノ酸の側鎖残基であるときに、薬学上許容される塩形態の形で存在していてもよく、
III) R2は−SAC、−SCAC、−Ar、−SAC−Ar、または天然アミノ酸の側鎖残基を表し;式(1)の化合物は、R2が結合した炭素原子がR2によりステレオセンターになるときに、特異なジアステレオマ体、またはその混合物で存在していてもよく;R2がカルボキシル基部分を含むアミノ酸の側鎖残基であるときに、エステル体(−CO25;ここで、R5は−SACである。)、またはスルホンアミド体(−CONHSO26;ここで、R6は−SACである。)の形で保護基を有していてもよく、或いは薬学上許容される塩の形で存在していてもよく;または、R2が塩基性部分を含むアミノ酸の側鎖残基であるときに、薬学上許容される塩形態の形で存在していてもよく、または
2は、さらに、H;−(CH2nOR7(ここで、R7は−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arであり、n=1または2);または−(CH2nOC(=O)R8(ここで、R8は−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arであり、n=1または2)を表し、
IV) Aは、−(CH2n−(n=0〜4)、−O−(CHn−(n=0〜4)、または−NR9−(CH2n−(n=0〜4)(ここで、R9は−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar)を表し、
V) Bは、H、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arを表し、または、
VI) R及びR1は、それらが結合した炭素原子と共に環を形成していてもよく、この場合、−R−R1−は、−(CHn−、−(CH2n−O−(CH2m−、または−(CH2n−NR10−(CH2m−(ここで、n+m<9であり、R10は−SAC、−SCAC、−Ar、−SAC−Ar、−C(=O)−SAC、−C(=O)−SCAC、−C(=O)−Ar、または−C(=O)−SAC−Ar)を表し、
VII) Xは、−C(=O)CH2OR11(ここで、R11は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar);−C(=O)CH2OC(=O)R12(ここで、R12は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar);−CH=CH−CO213(ここで、R13は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar);−CH=CH−SO214(ここで、R14は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar);−C(=O)CH=CH2;または−COCH2−W(ここで、Wは、−N2、−F、−Cl、−Br、−I、−NR1516(ここで、R15及びR16は、それぞれ−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arであるか、或いは共に結合して3〜6員の飽和または不飽和環状基を形成していてもよい)、−SR17(ここで、R17は、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arである)、または下記式を表す:
【化2】

式中、
Yは、H、−OH、−OR18(R18=−SACまたは−SCAC)、C(=O)R19(R19=−H、−SAC、または−SCAC)、−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−NC、−N3、−CO2H、CF3、−CO220(R20=−SACまたは−SCAC)、−C(=O)NHR21(R21=−SACまたは−SCAC)、または−C(=O)NR2223(R22及びR23は、それぞれ−SAC、−SCAC、−Ar、または-SAC−Arである)であり、
24は、H、−SAC、−SAC−Ar、または−Arである。
【請求項2】
RがHを表す請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1が、−CH2COOH、−CH2COOR3(R3=SAC)、または−CH2CONHSO24(R4=SAC)を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
2が、H、−SAC、−Ar、または−(CH2nOR7(R7=−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arであり、n=1または2)を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Xが、−C(=O)CH2OAr、−C(=O)CH2OC(=O)Ar、または−COCH2−W[ここで、Wは−N2、−F、−Cl、−Br、−I、−NR1516(ここで、R15及びR16は、それぞれ−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arであるか、または共に結合して3〜6員の飽和または不飽和環状基を形成していてもよい)]、または−SR17(ここで、R17は−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar)を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
I) RがHを表し、
II) R1が、−CH2COOH、−CH2COOR3(R3=SAC)、または−CH2CONHSO24(R4=SAC)を表し、
III) R2が、H、−SAC、−Ar、または−(CH2nOR7(R7=−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Ar;n=1または2)を表し、
IV) Aが−(CH2n−(n=0〜4)または−O−(CH2n−(n=0〜4)を表し、
V) Bが、H、−SAC、−SCAC、−Ar、または−SAC−Arを表し、
VI) Xが−COCH22、−COCH2F、−COCH2Cl、−COCH2Br、−COCH2I、−COCH2OAr、−COCH2OCOArまたは−COCH2SR17(ここで、R17は−SAC、−SCAC、−Arまたは−SAC−Ar)を表す請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
下記群から選択される請求項1に記載の化合物:
(1) (3S)−5−[(2,6−ジクロロベンゾイル)オキシ]−3−({[5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa);
(2) (3S)−3−({[5−メチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−フェノキシペンタン酸(Ibb);
(3) (3S)−3−({[5−エチル−3−フェニル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Icc);
(4) (3S)−3−({[5−エチル−3−(1−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Idd);
(5) (3S)−3−({[5−エチル−3−(2−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Iee);
(6) (3S)−3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Iff);
(7) 3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Igg);
(8) エチル 3−({[5−エチル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタノエート(Ihh);
(9) 5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii);
(10) 3−({[5−エチル−3−(4−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ijj);
(11) 3−({[3−(ベンゾチオフェン−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ikk);
(12) (3S)−3−({[3−(1,3−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Ill);
(13) 3−({[3−(1,3−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Imm);
(14) (3S)−3−({[5−エチル−3−(1−ナフチルメチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Inn);
(15) (3S)−5−[(2,6−ジクロロベンゾイル)オキシ]−3−[({5−エチル−3−[2−(1−ナフチル)エチル]−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−4−オキソペンタン酸(Ioo);
(16) (3S)−3−[({5−エチル−3−[(1−ナフチルオキシ)メチル]−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Ipp);
(17) (3S)−3−{[(3−{[(4−クロロ−1−ナフチル)オキシ]メチル}−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−4−オキソ−5−(2,3,5,6−テトラフルオロフェノキシ)ペンタン酸(Iqq);
(18) (3S,4E)−6−エトキシ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−6−オキソ−4−ヘキセン酸(Irr);
(19) (3S,4E)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−(メチルスルホニル)−4−ペンテン酸(Iss);
(20) 5−フルオロ−3−({[(5S)−3−(1−イソキノリニル)−5−プロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Itt);
(21) 3−({[(5S)−5−エチル−3−(1−ナフチル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iuu);
(22) 3−({[(5S)−5−エチル−3−(2−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ivv);
(23) 3−({[(5R)−5−エチル−3−(3−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iww);
(24) 3−({[5−エチル−3−(8−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Ixx);
(25) 3−({[5−エチル−3−(3−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iyy);
(26) 5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(2−キノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Izz);
(27) 3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa1);
(28) 3−[({3−[3−(tert−ブチル)フェニル]−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa2);
(29) 3−[({3−[4−(tert−ブチル)フェニル]−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa3);
(30) 5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa4);
(31) 3−[({(5R)−3−[3−(tert−ブチル)フェニル]−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa5);
(32) 3−{[(3−[1,1’−ビフェニル]−3−イル−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル)カルボニル]アミノ}−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa6);
(33) 3−({[5−エチル−3−(2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa7);
(34) 3−[({3−[4−(tert−ブチル)−2−ピリジニル]−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル)アミノ]−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa8);
(35) 3−[({(5R)−3−[4−(tert−ブチル)−2−ピリジニル]−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル}カルボニル]アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa9);
(36) 3−({[5−エチル−3−(4−イソブチル−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa10);
(37) 3−({[3−(4−アセチル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa11);
(38) 3−({[3−(4−シクロプロピル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa12);
(39) 3−({[3−(4−シクロペンチル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa13);
(40) 3−({[(5R)−3−(4−シクロペンチル−2−ピリジニル)−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa14);
(41) 3−({[3−(4−シクロヘキシル−2−ピリジニル)−5−エチル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa15);
(42) 3−({[5−エチル−3−(5,6,7,8−テトラヒドロ−1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa16);
(43) 5−フルオロ−3−({[5−イソプロピル−3−(4−フェニル−2−ピリジニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa17);
(44) (3S)−5−[(ジフェニルホスホリル)オキシ]−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa18);
(45) (3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−{[1−フェニル−3−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール−5−イル]オキシ}ペンタン酸(Iaa19);
(46)(3S)−5−[(4−ベンジル−5−オキソ−2,5−ジヒドロ−3−フラニル)オキシ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa20);
(47) (3S)−5−(イソブチリルオキシ)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iaa21);
(48) (3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−ヘキセン酸(Iaa22);
(49) (3S)−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2−ピリジニルオキシ)ペンタン酸(Iaa23);
(50) (3S)−3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソ−5−(2−ピリジニルオキシ)ペンタン酸(Iaa24);
(51) 2−{[(3S)−4−カルボキシル−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−2−オキソブチル]オキシ}−1−メチルピリジウム トリフルオロメタンスルホネート(Iaa25);
(52) 2−{[(3S)−4−カルボキシ−3−({[5−エチル−3−(2−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−2−オキソブチル]オキシ}−1−メチルピリジウム トリフルオロメタンスルホネート(Iaa26);
(53) 3−({[3−(5−クロロ−1−メチル−1H−インドール−2−イル)−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa27);
(54) 3−({[3−(1,5−ジメチル−1H−インドール−2−イル)−5−イソプロピル−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−5−フルオロ−4−オキソペンタン酸(Iaa28);及び
(55) (3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii−1)。
【請求項8】
5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii)である請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
下記式(1a)の化合物:
【化3】

式中、
A、B、R、R、R、及びXは請求項1と同義である。
【請求項10】
(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸(Iii−1)である請求項9に記載の化合物。
【請求項11】
請求項10に記載で定義された化合物(Iii−1)を製造するための方法であって、
(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸、及び(3R)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸の混合物を、メチル−t−ブチルエーテルに溶解するステップ、
シード物質として(3S)−5−フルオロ−3−({[(5R)−5−イソプロピル−3−(1−イソキノリニル)−4,5−ジヒドロ−5−イソキサゾリル]カルボニル}アミノ)−4−オキソペンタン酸の結晶を少量添加して結晶を得るステップ、及び
この結晶を酢酸エチル/n−ヘキサン混合溶媒から再結晶するステップ、
を含む方法。
【請求項12】
薬学上許容される担体と共に、活性成分として請求項1で定義された式(1)のカスパーゼ阻害化合物、その塩、またはその立体異性体を含有する炎症及びアポトーシスを抑制するための治療用組成物。
【請求項13】
認知症、脳卒中、AIDSによる脳損傷、糖尿病、胃潰瘍、肝炎による脳損傷、肝炎による肝疾患、急性肝炎、劇症肝不全、肝硬変、敗血症、臓器移植拒絶反応、リウマチ性関節炎、または虚血性心臓疾患による心臓アポトシースに対する治療剤である請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
急性肝炎または肝硬変に対する治療剤である請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
リウマチ性関節炎に対する治療剤である請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
経口剤、注射剤、またはパッチ剤として製剤化されたものである請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
請求項8に定義された化合物(Iii)を活性成分として含有する請求項12に記載の組成物。
【請求項18】
請求項10に定義された化合物(Iii−1)を活性成分として含有する請求項12に記載の組成物。
【請求項19】
薬学上許容される担体に、請求項1に定義された式(1)のカスパーゼ阻害化合物、その塩、またはその立体異性体を混合することを含む、請求項12に定義された炎症及びアポトーシスを抑制するための治療用組成物の製造方法。
【請求項20】
消炎及びアポトーシスに罹患した患者に、請求項1に定義された式(1)のカスパーゼ阻害化合物、その塩、またはその立体異性体の有効量を投与することを含む消炎及びアポトーシスの抑制方法。
【請求項21】
消炎及びアポトーシスの抑制のための、請求項1に定義された式(1)のカスパーゼ阻害化合物、その塩、またはその立体異性体の使用。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−503429(P2007−503429A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−524573(P2006−524573)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【国際出願番号】PCT/KR2004/002139
【国際公開番号】WO2005/021516
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(502398182)エルジー ライフ サイエンス リミテッド (1)
【Fターム(参考)】