説明

インクの送出

特に、インク噴射用の本装置はある量のインクを含むための貯蔵器を含む貯蔵器システムを含む。前記インクは少なくとも2つの噴射組立部へ送出され、噴射組立部から基板上に噴射方向に噴射される。貯蔵器システムはインク噴射の方向に沿って、噴射組立部のうちの少なくとも2つに隣接して位置している。また、インク噴射用の方法であって、該方法はインク送出の方向に沿ってインクをある量のインクから少なくとも2つの噴射組立部まで送出することを含み、インクがインク噴射の方向で基板上に噴射され、該インク送出の方向が該インク噴射の方向に平行する方法も含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2008年6月30日に出願した米国特許出願番号12/164,366の利益を主張する。前記文献はここで参照することにより組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本記述はインクの送出に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
インクはインクジェットプリンタ内に位置しているインク貯蔵器からインク噴射組立部まで送出されることができる。噴射組立部がアクティブ化されるとき、前記組立部は基板上にイメージを形成するためにインクを噴射する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要約)
概して、1つの局面において、インク噴射用の本装置はある量のインクを含むための貯蔵器を含む貯蔵器システムを含む。前記インクは少なくとも2つの噴射組立部へ送出され、噴射組立部から基板上に噴射方向に噴射される。貯蔵器システムはインク噴射の方向に沿って、噴射組立部のうちの少なくとも2つに隣接して位置している。
【0005】
インプリメンテーションは以下の特徴を1つ以上含み得る。
【0006】
インク貯蔵器は、噴射組立部の垂直方向上方の位置に前記量のインクの上に開放の表面を維持するように構成される。インクがインク噴射の方向に沿って前記量のインクから噴射組立部に送出される。インクが前記量のインクから噴射組立部へ水平方向に送出される。貯蔵器は前記量のインクを補充するためのインクを受け取る入口を含む。前記量のインクは開放の表面を含み、貯蔵器は、インクが噴射されるときおよびインクが補充されるとき、前記量のインクの開放の表面より高い内部の天井を有する。インクが噴射されるときおよび前記量のインクが補充されるとき、貯蔵器の内部の天井は前記量のインクの開放の表面上に平均的に少なくとも約1から3cmの隙間を提供する。貯蔵器は隙間から真空までのコネクションを含む。貯蔵器はインクが前記量のインクから噴射組立部へ移動することを許可する少なくとも1つの出口を含む。貯蔵器は少なくとも1つの出口を含み、各噴射組立部は貯蔵器の出口からインクを受け取るための通路を含む。前記量のインクは開放の表面を含み、貯蔵器システムは貯蔵器内の開放の表面の高さを検出するためのセンサーを含む。貯蔵器は、前記量のインクを保持するためにチャンバの形状となり、チャンバは金属を含む。チャンバは約5cmの深さを有する。チャンバは約1メートルの長さを有する。チャンバは約2メートルの長さを有する。チャンバは1メートルより大きな長さを有する。チャンバは矩形の断面を含む。チャンバは曲がったフロアを含む。貯蔵器と噴射組立部は第1の取り付けフレームに取り付けられる。噴射組立部は第2の取り付けフレームにも取り付けられ、第1と第2の取り付けフレームは互いに隣接して配置される。噴射組立部は断熱のフレームを含む第2の取り付けフレームにも取り付けられる。前記装置は貯蔵器と各噴射組立部との間の導管も含む。導管はインクがインク噴射の方向に沿って、貯蔵器内の前記量のインクから、導管に沿って、インク噴射組立部へ移動することを許可する。導管は垂直のチューブを含む。導管は水平のチューブを含む。噴射組立部は貯蔵器の長さに沿って列に配置される。噴射組立部は2列に配置され、各列は貯蔵器の長さに沿う。2列のうちの1列内の噴射組立部は、2列のうちのもう1列内の噴射組立部に対して、貯蔵器の長さに沿って交互に配列される。貯蔵器システムはさらなる貯蔵器を含み、各さらなる貯蔵器はある量のインクを含むように構成される。貯蔵器のうちの少なくともいくつかはある量の異なった色のインクを含むように構成される。貯蔵器は水平を保たされる。第1の取り付けフレームは水平を保たされる。
【0007】
もう1つの局面において、インク噴射用の本装置は、インク噴射の方向で基板上に噴射されるある量のインクを含むための貯蔵器と、貯蔵器内の前記量のインクに加えられる真空と、貯蔵器内の前記量のインクからインクを受け取るための少なくとも2つの噴射組立部と、貯蔵器内の前記量のインクから各噴射組立部へインクを導くための貯蔵器と各噴射組立部との間の導管と、噴射組立部が取り付けられている取り付けフレームとを含む貯蔵器システムを含む。ここで、貯蔵器はインク噴射の方向に沿って噴射組立部のうちの少なくとも2つと相対的に位置し、インクは前記量のインクから噴射組立部まで送出されて噴射される。
【0008】
もう1つの局面において、インク噴射用の本方法は、インク送出の方向に沿ってインクをある量のインクから少なくとも2つの噴射組立部まで送出することを含み、インクがインク噴射の方向で基板上に噴射され、インク送出の方向がインク噴射の方向に平行する。
【0009】
インプリメンテーションは以下の特徴を1つ以上含み得る。
【0010】
本方法は前記量のインクの開放の表面を維持することも含む。維持することは開放の表面を検出することを含む。維持することは、インクが噴射されるときおよびインクが補充されるとき、開放の表面が前記量のインクが含まれる貯蔵器の内部の天井に接触するのを防ぐことを含む。開放の表面が貯蔵器の内部の天井に接触するのを防ぐことは、開放の表面を貯蔵器の内部の天井より平均的に少なくとも約1cmから約3cm低く保つことを含む。本方法は開放の表面に真空を加えることも含む。本方法は前記量のインクにインクを補充することも含む。インクを送出することはインクを、前記量のインクから、前記量のインクが広がる長さに沿って配置された複数のインク出口を通して、少なくとも2つの噴射組立部まで流すことを含む。前記量のインクが広がる長さは1メートルより大きい。
【0011】
これらおよび他の側面と特徴は、方法、装置、システム、機能を実行するための手段として、および他の態様で、表現することができる。
【0012】
他の特徴と利点は、以下の詳細な記述と特許請求範囲から明白になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】図1A、図4Aと図4Cはインクジェットプリンタの側面図の略図である。
【図1B】図1Bは噴射組立部の分解斜視図である。
【図2】図2はインクジェットプリンタの側面図の略図である。
【図2A】図2と図2Aはインクジェットプリンタの側面図の略図である。
【図3】図3はインクジェットプリンタの上面図の略図である。
【図4A】図1A、図4Aと図4Cはインクジェットプリンタの側面図の略図である。
【図4B】図4Bと図4Dは噴射組立部の分解斜視図である。
【図4C】図1A、図4Aと図4Cはインクジェットプリンタの側面図の略図である。
【図4D】図4Bと図4Dは噴射組立部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1Aを参照すると、インクジェットプリンタ10が使用中のとき、インクはインク貯蔵器26内のある量のインク24からマニフォルド22へ送出され、水平の供給チューブ20を通して、水平方向xに沿って噴射組立部12aと12bへ送出される。インク滴14はインク噴射の方向zに沿って噴射組立部12aと12bから噴射され、基板16の上にイメージ18を形成し、基板16は基板16にわたるx方向に垂直なプロセスの方向yに沿って噴射組立部12aと12bの下で移動する。いくつかのプリンタにおいて、インクはまた、第2のインク貯蔵器26’内の第2のある量のインク24’から第2のマニフォルド22’に送出され、供給チューブ20’を通して、さらに噴射組立部12cと12dへ送出される。
【0015】
図1Bを参照すると、噴射組立部12a、12b、12c、および12dの各々は1つ以上のインク通路30と1つのインク充満の通路32とを含む本体28を有する。キァビティ板とスチフナー板(示していない)は、本体28の反対側の表面に取り付けられ、各表面上に井戸34(全部を示していない)の配列を形成する。各井戸34は細長くなることがあり得、本体28はセラミック、焼結したカーボン、またはシリコンを含み得る。インク通路30は供給チューブ20(図1A)からインクを受け取り、インク充満の通路32へ送出する。反対側の表面がポリマーフィルム36と36’に覆わされるとき、ポンピングチャンバ、例えば、細長いポンピングチャンバは井戸34から形成され、各井戸はインク充満の通路32からインクを受け取るためのインク入口38と、インク噴射の通路(示していない)を通してインクを本体28に注ぎ戻すおよび本体28底部の開口部(示していない)にインクが噴射されるためのインク出口の端部40を含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、オリフィス板(示していない)は本体28底部に取り付けられる。オリフィス板上の各オリフィスは1つの開口部に対応して、インクはインク噴射の方向zに沿って、オリフィスを通して、基板16上に噴射される(図1A)。いくつかの実施形態において、噴射組立部12a、12b、12c、および12cのような複数噴射組立部は1つのプリントヘッドに組み立てられ得、このプリントヘッドは図1Aの噴射組立部の代わりに用いられ得る。概して、各ポンピングチャンバは、その対応するインク噴射の通路、本体底部の開口部およびオリフィスと一緒に1つの噴射組立部のジェットと呼ばれ得る。噴射組立部12a、12b、12c、および12dに関する情報は2008年5月22日に出願したUSSN12/125,648でも提供される。前記文献はここで参照することにより組み込まれる。
【0017】
噴射組立部12a、12b、12c、および12dの各々は井戸34から形成されたポンピングチャンバを、インクを噴射させるようにトリガするための電子の構成部分42も含む。例えば、電子の構成部分はポリマーフィルム36と36’上の電極44と44’の2つのセットを含み、電極セットはリード(示していない)により、それぞれのフレキシブルなプリント回路46、46’と集積回路48、48’に接続される。ピエゾ電子素子50と50’は各ポリマーフィルム36と36’のそれぞれの外側に取り付けられ、各ピエゾ電子素子は電極52と52’のセットを含み、電極はポリマーフィルム36と36’に接触する。各電極52または52’はポンピングチャンバを覆い、覆われたポンピングチャンバに噴射圧力を受けさせるために、ピエゾ電子素子50と50’の対応する一部をアクティブ化可能である。
【0018】
使用時、集積回路48と48’から送られたパルス電圧は、ピエゾ電子素子50と50’に、形状を変化させて、選択されたポンピングチャンバに圧力を加える。基板がy方向に沿って移動するとき、連続のラインはプリントされる。プリントされたイメージのxまたはy方向に沿った解像度は1インチあたりのドット数(dpi)で表され得る。いくつかの実施形態において、噴射組立部4またはインクジェトモジュール2は各方向xまたはyに沿って、100dpiより大きい、200dpiより大きい、400dpiより大きい、500dpiより大きい、800dpiより大きい、1000dpiより大きい、またはさらに大きい解像度を有するイメージがプリントできる。インク噴射組立部に関するさらなる情報はUS特許No.6,755,511でも提供される。前記文献はここで参照することにより組み込まれる。
【0019】
再度図1Aを参照すると、噴射組立部12a、12b、12cおよび12dは列13に配置され、x方向に沿って基板16にわたって整列された長さl(図1Bも参照)を有し、それにより、噴射組立部12a、12b、12cおよび12dの結合されたプリントの細長い列が基板16の所望のプリントエリアの幅W1Aを覆うようにする(示された噴射組立部の数は概略である)。噴射組立部の第2の列(示していない)はy方向に沿って列13の隣に配置され得る。第2の列の噴射組立部は、列13の噴射組立部の間の間隔15を覆うために、x方向に沿って列13の噴射組立部に対して交互に配列され、それにより、基板16にわたる1ラインの各ピクセルが噴射組立部より覆われるようにする。この配置の詳細は後に議論される。図1Aで示している例において、供給チューブ20によりそれぞれの異なった噴射組立部12のインク通路30(図1B)に供給されたインクはx方向に沿ってインク貯蔵器26から異なった距離を通過し、異なった温度および/または供給圧力を有し得、その温度および/または供給圧力は、異なった噴射組立部12a、12b、12c、および12dにおいて異なった液滴の形態およびプリント品質の結果を生成し得る。さらに、供給チューブ20はインクの流れに影響するエアーポケットを含み得る。前記エアーポケットは、噴射組立部12a、12b、12c、および12dに供給された場合、噴射組立部がトリガされたとき、ポンピングチャンバにインクを噴射しないことをさせ得る。温度の変化を減らすことと、x方向に沿った各噴射組立部への圧力供給を減らすことと、エアーポケットの処理を容易にすることとのために、噴射組立部12a、12b、12c、および12d、ならびに供給チューブ20はよく水平を保たれる。
【0020】
図2を参照すると、インクジェットプリンタ54は1列に配置された1つ以上の噴射組立部32(示された噴射組立部の数は概略である)の上部に貯蔵器58を有する貯蔵器システム56を含み、各噴射組立部は基板57にわたるx方向に整列された長さlを有し、図1Bの噴射組立部12a、12b、12c、または12dと類似な特徴を含み、インク噴射の方向zに沿ってインクを噴射することが可能である。使用時、インクは貯蔵器58の天井74上のインク入口70を通して外部のインク供給部(示していない)から補充され、噴射の方向zに沿って貯蔵器58のフロア76上のインク出口72を通して貯蔵器58内のある量のインク60から下へ、噴射組立部32まで送出される。貯蔵器システム56は前記量のインク60の開放の表面62のレベルを検出するセンサー64も含み、前記レベルは、例えば噴射組立部32の垂直方向上方にある。
【0021】
天井70とインクの開放の表面62との間のエアーを含む隙間82を維持するために、前記量のインク60の開放の表面62は天井70の内側より低く保たされる。いくつかの実施形態において、隙間82は、例えば少なくとも約1cmから少なくとも約3cmの高さhを有する。隙間82はコネクション68を通して真空66に開かれ、真空は前記インク量60の重力効果をオフセットし、各インク出口72での適切なインク圧力を維持し、それにより、インクは重力によって貯蔵器58内に保持され、噴射組立部32に流れ込まないようにする。いくつかの実施形態において、前記量のインク60の開放の表面62における圧力はほぼ、約1インチから7インチの水により生成される圧力である。隙間82は、インクが、真空66に吸い込まれることと、貯蔵器システム56に対する真空コントロールを無効にすることとも防止する。
【0022】
貯蔵器58はチャンバ69を含み、チャンバは、前記量のインク60のスペースと隙間82とを含み、金属、例えば、アルミニウム、アノード化されたアルミニウム、またはステレンススチールで作られる。チャンバ69は天井70と、フロア76と、天井70とフロア76との間の4つの壁71、73、75、および79(図3)とを含む。図2で示している例において、チャンバ69は矩形の断面を有し、断面の長い次元は、例えば少なくとも約20cm、50cm、100cm、または150cm、および/または最大で、例えば、1メートル、1.5メートル、1.8メートル、2.0メートル、2.3メートル、2.5メートル、または3.0メートルより大きい長さLを有する。チャンバ69は垂直の次元に沿った例えば約3cmから約5cmの深さHも含む。チャンバ69は例えば約1.2から約2.5cmの幅W(図4)も有する。いくつかの実施形態において、周囲でインクが有効的に循環しない死角が貯蔵器58内に形成されることを防ぐために、フロア76の内側はコーナー65とコーナー67とのようなコーナー付近で曲げられ得る。このような死角がないことはチャンバ69内のインクが噴射組立部32へ容易に流れることを助け得、インクの開放の表面のレベルに与えられる前記量のインクが少なくなることを可能にし得る。このようなデザインで、インクはより効率的に使われ得、プリントすることはより経済的に行なわれ得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、貯蔵器58の長い次元Lは噴射組立部32の列の全長に広がる。前記列は長さLに沿って、例えば少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、または80個の噴射組立部32、および/または最大で、例えば、100、120個またはさらに多くの噴射組立部32を含む。
【0024】
センサー64は熱のまたは容量性のセンサーであり得る。いくつかの実施形態において、センサー64は、センサー64の本体上の第1ポイント85でスタートして第2ポイント87で終了する検出部分78を含む。インクの開放の表面62のレベルを検出するために、センサーの部分78はチャンバ69内に置かれる。特に、センサー64の第1ポイント85は、例えば天井70の内側の少なくとも1.5cm下に置かれ、および/またはセンサー64の第2ポイント87は、例えばフロア76の内側から約2から約3cmにある。使用時、インクの開放の表面62が第1ポイント85の上にあるとき、インクのレベルは高くて、さらなるインクが貯蔵器58内へ充填されるべきではなく、インクの開放の表面62が第2ポイント87の下にあるとき、インクのレベルは低くて、インクは前記量のインク60内へ補充されることが必要である。
【0025】
いくつかの実施形態において、インク入口70は例えば約0.25cm、0.5cm、または約1cmの直径を有し、各インク出口72は、対応する噴射組立部32へインクを充填するための噴射組立部の1つのインク通路30(図1B)に対応して、各インク出口は例えば約0.25cm、および/または最大で約0.35cmの直径を有する。いくつかの実施形態において、各噴射組立部32は図1Bに記載の通りの2つ以上の通路30を含み、貯蔵器58は複数のインク出口72を含み、各インク出口はインクを送出するための1つの通路30に対応する。いくつかの実施形態において、各インク出口72は、インク噴射組立部32の対応する通路30に対して垂直に整列される。
【0026】
噴射組立部32の垂直方向上方の前記量のインク60の開放の表面62を維持することによって、インクは実質的に均一の温度で噴射組立部32へ流れ込む。いくつかの実施形態において、前記量のインク60内のインクの温度が貯蔵器58の周囲の環境によって変えられないようにするために、ストライプまたはカートリッジのヒーター(示していない)はチャンバ69の内側または外側に取り付けられ得る。例えば、ストライプのヒーターはシリコーンゴムに被覆されたストライプのヒーターであり得る。このような配置において、インクが垂直の方向に流れるので、噴射組立部32と貯蔵器58は完璧に水平にされる必要がない。
【0027】
前記量のインク60がチャンバ69のフロア76を覆う十分な量のインクを含むとき、インク出口72から噴射組立部32のうちの1つへのインクの送出は他の噴射組立部32へのインクの送出とは独立である。このことはより簡単かつ低コストのインクジェットプリンタ28の製造を可能にする。貯蔵器システム56の配置は、前記量のインク34内のエアーポケットが隙間52へ容易に移動させられることも可能にし、エアーポケットが出口72に到達することも防止する。さらに、噴射組立部32の上に貯蔵器システム56を置くことによって、インクジェットプリンタ54の全体の長さDは小さくなり、それにより、プリンタは空間的により経済的であるようになる。例えば、全体の長さDは貯蔵器58の長さLに類似し、20cmと3mまたはさらに長い長さとの間にわたる。
【0028】
噴射組立部32は、例えば1つがもう1つの上にある互いに隣接して位置している取り付けフレーム84と86に取り付けられる。いくつかの実施形態において、取り付けフレーム84の上部の表面77は各噴射組立部32の本体28(図1Aと図1B)上部の表面79に対して整列され、取り付けフレーム86の下部の表面81は噴射組立部32の本体28(図1Aと図1B)底部に取り付けられたオリフィス板75の下部の表面83に対して整列される。貯蔵器システム56は取り付けフレーム84の上部に取り付けられ、例えば、噴射組立部32のインク通路30(図1B)に対して垂直に整列されたインク出口72を有する取り付けフレーム84の上部の表面77に接触する。いくつかの実施形態において、取り付けフレーム86の下部の表面81は、オリフィス板75を約0.003インチから約0.010インチだけへこませる。
【0029】
取り付けフレーム84は、金属、例えば、アルミニウム、またはステレンススチールで作られ、約1cmから約2cmの厚さを有する。取り付けフレーム86は、断熱材料、例えば、Delrin(Dupont、Wilmington、DE)としても知られるポリオキシメチレンを含み、約1cmから約2cmの厚さを有する。断熱取り付けフレーム86は、例えば均一の、所望の温度に噴射組立部32を保ち、このことは安定した噴射性能を可能にする。
【0030】
図2Aを参照すると、貯蔵器システム56は取り付けフレーム84の上部の表面77の上に持ち上げられ、導管88の列を通して噴射組立部32に接続される(示された噴射組立部の数は概略である)。いくつかの実施形態において、各導管88は各インク出口72を対応する噴射組立部32の通路30(図1B)に接続する垂直のチューブである。図2Aで示している例において、導管88のうちのいくつかはインク出口72を、例示された噴射組立部列と異なった列の噴射組立部(図3)に接続している。インクは、貯蔵器システム56内の貯蔵器58から、出口72の外へ、導管88を通して、そしてインク噴射の方向zに沿って下へ噴射組立部32へ送出される。
【0031】
導管88は貯蔵器チャンバ69と実質的に同じ材料で作られ得る。いくつかの実施形態において、各導管88は、例えば約2から約10cmの長さtを有する。この配置はデザイン上の柔軟性を提供し得、例えば取り付けフレーム84の上部の表面77とチャンバ69のフロア76との間に隙間が必要とされる状況で使われ得る。
【0032】
図3を参照すると、インク貯蔵器システム56は、交互に配列された配置における噴射組立部32の2つの列90と92にインクを送出し得る(示された噴射組立部の数は概略である)。列90と92のうちの1列の各噴射組立部32は、オーバーラップする領域94においてもう1列の対応する噴射組立部32と少なくとも部分的にオーバーラップする。このような噴射組立部列90と92との交互に配列された配置は、噴射組立部32のスパンを増やし、基板57の幅Wを覆い、基板57にわたる複数の噴射組立部32を用いることによりプリントする精度および品質を向上させる。
【0033】
プリンタ54は基板57の幅に垂直なプロセスy方向に沿って配置された2つ以上の貯蔵器システムを含み得、各貯蔵器システムは図2と図2Aの貯蔵器システム56と同様な特徴を有し、取り付けフレーム84と86に取り付けられ、図3のアレイ90と92とのように配置された噴射組立部のうちの2列にインクを供給することが可能である。いくつかの実施形態において、プリンタ54は4つの貯蔵器システムを含み、カラーイメージをプリントするために、各貯蔵器システムは、他のと異なった色、例えばシアン、マゼンタ、イエロー、またはブラックのインクを含む貯蔵器を有する。
【0034】
図4Aと図4Bを参照すると、図2と図3のインクジェットプリンタ54に対して若干の修正があって、例えば、各インク貯蔵器58に対して、真空66、センサー64、およびインク入口70の位置を適切に再配置し、それにより、貯蔵器システム56は前述の方法で正しく動作できるようにし、インクジェットプリンタ54はx方向の周囲に回り得、例えば、プリンタ54’(取り付け板とノズル板は示されていない)を形成するように90度を回り得るプリンタ54’は、垂直方向zに沿って移動する基板100上に水平のインク噴射の方向yでインクを噴射する。前記量のインク60の開放の表面62はインク出口72の上に保持され、インクはインク出口からインク噴射の方向yに沿って噴射組立部32へ送出される。
【0035】
図4Cと図4Dを参照すると、プリンタ54’’を形成するために、類似する回転および修正は図2Aと図3のインクジェットプリンタ54にも行われ得、プリンタ54’’は方向zに沿って垂直に移動する基板102上に水平のインク噴射の方向yでのインクの噴射を可能にする。同様に、前記量のインク60の開放の表面62はインク出口72の上に保持され、インクはインク出口から水平の導管88を通して、インク噴射の方向yに沿って噴射組立部32へ送出される。
【0036】
他の実施形態も以下の特許請求範囲内にある。
【0037】
例えば、貯蔵器チャンバ69の形状は矩形と異なり得る。インクチャンバ69の次元は前述のものと異なり得る。例えば、インクチャンバ69の長さL、深さH、および幅Wは上記に列挙された値より大きくても小さくてもよい。インク入口70は、貯蔵器チャンバ69の天井とフロアとの間の壁71、73、75、および79のうちの1つの上に位置し得る。インク入口70は前記量のインク60の開放の表面62の上または下のどちらにあり得る。
【0038】
図1Bに示される噴射組立部の以外の噴射組立部、例えば、シリコンで作られてU.S.5,265,315で記載された噴射組立部、2008年5月22日に出願したUSSN12/125,648で記載された噴射組立部またはプリントヘッドが使われ得る。前記2つの文献はここで参照することにより組み込まれる。基板57にわたる方向に沿って組み立てられた噴射組立部32の数は変わり得、各噴射組立部の長さと基板の幅とに依存する。
【0039】
例えば、噴射組立部12a−12dは本体28の表面上に機械加工された井戸を有する本体28を含み得る。ポンピングチャンバは、キャビティ板を使わずに、ポリマーフィルムを用いて本体28の機械加工された井戸を密封することによって形成され得る。ポンピングチャンバはポリマーフィルムの外側の表面に取り付けられたピエゾ電子素子によってアクティブ化され得、ポリマーフィルムは本体28に接触する内部の表面に対して反対側にある。いくつかの実施形態において、ピエゾ電子素子は井戸を直接に密封し、井戸とピエゾ電子素子との間のポリマーフィルムなしにポンピングチャンバを形成する。ポンピングチャンバのアクティブ化は構成部品、例えば、図1Bに関して議論されたものに類似している電子の構成部分を使って行われ得る。インク液滴とイメージとの特徴、例えば、このような噴射組立器でプリントされたインク液滴のサイズとイメージの解像度とは図1Bの噴射組立器でプリントされたものに類似している。
【0040】
1つだけまたは2つ以上の取り付けフレームが使われ得る。各噴射組立部32は1つより多くのインク通路30を有し、1つより多くの導管88は、各噴射組立部32のインク通路30をインク出口72と接続するのに使われ得る。導管88は非垂直であり得、各インク出口72とその対応するインク通路30との相対的位置に依存する。噴射組立部本体28の上部の表面79は取り付けフレーム84の上部の表面77と異なる平面にあり得る。噴射組立部本体28の下部の表面83は取り付け板86の下部の表面81と異なる平面にあり得る。各取り付け板84と86は前述のものと異なる厚さを有し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク噴射用の装置であって、該装置は、ある量のインクを含むための貯蔵器を含む貯蔵器システムを含み、該インクは少なくとも2つの噴射組立部へ送出され、該噴射組立部から基板上に噴射方向に噴射され、該貯蔵器システムは該インク噴射の方向に沿って、該噴射組立部のうちの少なくとも2つに隣接して位置している、装置。
【請求項2】
前記インク貯蔵器が前記噴射組立部の垂直方向上方の位置に前記量のインクの上に開放の表面を維持するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
インクが前記インク噴射の方向に沿って前記量のインクから前記噴射組立部に送出される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
インクが前記量のインクから前記噴射組立部へ水平方向に送出される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記量のインクは開放の表面を含み、前記貯蔵器は、インクが噴射されるときおよびインクが補充されるとき、該量のインクの該開放の表面より高い内部の天井を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
インクが噴射されるときおよび前記量のインクが補充されるとき、前記貯蔵器の前記内部の天井は該量のインクの前記開放の表面上に平均的に少なくとも約1から3cmの隙間を提供する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記貯蔵器は前記隙間から真空までのコネクションを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記貯蔵器は少なくとも1つの出口を含み、各噴射組立部は該貯蔵器の該出口からインクを受け取るための通路を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記量のインクは開放の表面を含み、前記貯蔵器システムは前記貯蔵器内の該開放の表面の高さを検出するためのセンサーを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記貯蔵器は、前記量のインクを保持するためにチャンバの形状となり、該チャンバは金属を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記チャンバは約5cmの深さを有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記チャンバは約1メートルの長さを有する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記チャンバは約2メートルの長さを有する、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記チャンバは1メートルより大きな長さを有する、請求項10に記載の装置。
【請求項15】
前記チャンバは矩形の断面を含む、請求項10に記載の装置。
【請求項16】
前記チャンバは曲がったフロアを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項17】
前記貯蔵器と前記噴射組立部は第1の取り付けフレームに取り付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記噴射組立部は第2の取り付けフレームにも取り付けられ、前記第1および該第2の取り付けフレームは互いに隣接して配置される、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記噴射組立部は断熱のフレームを含む第2の取り付けフレームにも取り付けられる、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記貯蔵器と各噴射組立部との間の導管をさらに含み、インクが前記インク噴射の方向に沿って、該貯蔵器内の前記量のインクから、該導管に沿って、前記インク噴射組立部へ移動することを許可する、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記導管は垂直のチューブを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記導管は水平のチューブを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記噴射組立部は前記貯蔵器の長さに沿って列に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記噴射組立部は2列に配置され、各列は前記貯蔵器の長さに沿う、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記2列のうちの1列内の前記噴射組立部は、該2列のうちのもう1列内の該噴射組立部に対して、前記貯蔵器の長さに沿って交互に配列される、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記貯蔵器システムはさらなる貯蔵器を含み、さらなる該貯蔵器の各々はある量のインクを含むように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記貯蔵器のうちの少なくともいくつかはある量の異なった色のインクを含むように構成される、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記貯蔵器は水平を保たされる、請求項1に記載の装置。
【請求項29】
前記第1の取り付けフレームは水平を保たされる、請求項17に記載の装置。
【請求項30】
インク噴射用の装置であって、該装置は
インク噴射の方向で基板上に噴射されるある量のインクを含むための貯蔵器と、
該貯蔵器内の該量のインクに加えられる真空と、
該貯蔵器内の該量のインクからインクを受け取るための少なくとも2つの噴射組立部と、
該貯蔵器内の該量のインクから各噴射組立部へインクを導くための該貯蔵器と各噴射組立部との間の導管と、
該噴射組立部が取り付けられている取り付けフレームとを含む貯蔵器システムを含み、
該貯蔵器は該インク噴射の方向に沿って該噴射組立部のうちの少なくとも2つと相対的に位置し、インクは該量のインクから該噴射組立部まで送出されて噴射される、装置。
【請求項31】
前記貯蔵器は1メートルより長い長さを有するチャンバを含む、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
インク噴射用の方法であって、該方法はインク送出の方向に沿ってインクをある量のインクから少なくとも2つの噴射組立部まで送出することを含み、インクがインク噴射の方向で基板上に噴射され、該インク送出の方向が該インク噴射の方向に平行する、方法。
【請求項33】
前記量のインクの開放の表面を維持することも含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記維持することは前記開放の表面を検出することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記維持することは、インクが噴射されるときおよびインクが補充されるとき、前記開放の表面が前記量のインクが含まれる前記貯蔵器の内部の天井に接触するのを防ぐことを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記開放の表面が前記貯蔵器の前記内部の天井に接触するのを防ぐことは、該開放の表面を該貯蔵器の該内部の天井より平均的に少なくとも約1cmから約3cm低く保つことを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記開放の表面に真空を加えることをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記量のインクにインクを補充することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記インクを送出することは、インクを、前記量のインクから、該量のインクが広がる長さに沿って配置された複数のインク出口を通して、前記少なくとも2つの噴射組立部まで流すことを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
前記量のインクが広がる長さは1メートルより大きい、請求項39に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【公表番号】特表2011−526851(P2011−526851A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516418(P2011−516418)
【出願日】平成21年6月10日(2009.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/046846
【国際公開番号】WO2010/002558
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(502122794)フジフィルム ディマティックス, インコーポレイテッド (73)
【Fターム(参考)】