説明

インクジェット記録装置

【課題】 インクジェット記録装置に関し、複数廃インクタンクを用いた場合、効率的に廃インクタンクを使用する必要がある。
【解決手段】 予備吐回復を行う位置である予備吐口を複数備え、記録媒体以外へ排出されたインクを集める廃インクタンクを複数備え、複数ある予備吐口を選択的に使うことにより、予備吐口からつながる複数ある廃インクタンクに集められるインクの量を制御する。これにより、効率的に廃インクタンクを使用することが出来、本体寿命を延ばし、効率的に廃インクタンクの交換を行うことが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予備吐回復で使用したインクを廃インクタンクに集めるインクジェット記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の複数の廃インクタンクを効率的に使用しているものには、予備吐する位置において予備吐する回数が各廃インクタンクの容量比率に比例するように予備吐位置を選択的に移動させて予備吐出を行うようにしたものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−66665号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、引用文献1には、複数の廃インクタンクに関する上記従来例では容量の異なる2つの廃インクタンクについてのみ述べられており、同一形状の廃インクタンクを複数設けた装置については何ら言及されていない。特に大判プリンタのような装置が大型なものは、交換において、廃インクタンクは複数個に分割したほうが、交換の使い勝手がよくなる。また、複数個にすることでインクの這いまわしなどがなくなり、さらには、同一形状にしたほうがコストダウンにもつながる。さらに、従来例だと印字中の予備吐などにおいては毎回一番遠い位置へ行かなければならない場合などが発生する。一回のスキャンでは微小な時間でも、印刷される用紙が大きなものになるほど、1ページの時間とするとかなりの時間を要することになる。さらに、予備吐口は印字領域外にしかないため、さまざまな用紙サイズをセットした場合、用紙の下に予備吐口が隠れてしまい、使いたい予備吐口が使用できない場合については何ら考慮されていない。また、廃インクタンクは交換可能な場合については何ら言及していない。しかし、特にサービスマンによる交換等においてはより効率的な交換を行わないと、コスト増につながってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明では上記課題を解決するために、複数ある予備吐口は記録ヘッドから最も近い位置もしくは駆動方向に最も近い位置の予備吐口を使用する手段により、記録ヘッドの動作を少なくすることにより時間の短縮を図る。用紙で覆われていることが多いなど使用頻度が少ないことを記憶する手段、もしくは少ないと予測する手段を設け、その予備吐口を優先的に使用する手段を持つ。これにより全く使われないもしくは使われることが少ないであろう廃インクタンクへつながる予備吐口を優先的に使用することが可能となる。よって、廃インクタンク交換の回数を減らし、予備吐口に対応した廃インクタンクが全く使用されないという問題を防ぐことが可能となる。また、吸引回復を行う吸引手段や、前記予備吐回復手段、フチ無し印字、経過時間による蒸発等、さまざまな記録媒体外のインクの量を算出する算出手段を持つ。これにより、複数ある廃インクタンク毎に蓄積インク量、または廃インクタンク空量としてデータを記憶する記憶手段を記録装置に備えそこに記憶する。以上により、選択する予備吐口は前記廃インクタンクに集められるインクの残量が均一になるように選択して使用することで、廃インクタンク交換時期を同じとすることが出来る。また、交換不可能な場合は寿命を延ばすことが可能となる。同様に、選択する予備吐口は前記廃インクタンクに集められているインクの残量に差がつくように選択して使用することにより、立て続けに廃インクタンクの交換をさけるようにすることが可能となる。これにより、サービスマンが何度もユーザー先にいかなくてはならないという状況を回避することが出来る為、コストダウンにつながる。最後に、ある廃インクタンクが満杯の場合でも他の廃インクタンクを使用している予備吐口を選択することで動作の継続が可能となり、これを行うことで一度に複数の廃インクタンク交換が可能となる。
【発明の効果】
【0005】
以上説明したように、本発明によれば、予備吐口を選択することにより、その予備吐口に吐出されたインクを複数ある廃インクタンクに効率的に集めることが可能となる。それにより本体寿命を延ばし、ユーザーやサービスマンによる廃インクタンクの交換も効率的に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0007】
図1は本発明の実施例を示すインクジェット記録装置の概略の図である。図中の10が記録紙であるロール紙を表す。図においてこのロール紙10は最大サイズである60インチの用紙が取り付けられている状態である。また、予め定型サイズにカットされたカット紙もロール紙をはずすことで取り付け可能である。ロール紙は11の搬送ローラーにより用紙の上下ではさまれている。この搬送ローラー11が回転することにより紙送りがされる。12がキャリッジであり、キャリッジ12に記録ヘッドを搭載し、この記録ヘッドによりインクを吐出することにより印字が行われる。13はプラテンを表し、ロール紙10を支えている。ロール紙10が搬送ローラー11により紙送りされこのプラテン13上を前後することにより印字が行われる。
【0008】
このプラテン13には後述する予備吐口が開けられていて、その予備吐口からロール紙10上以外へ吐出されたインクをその下の廃インクタンクへと送る。14は回復ユニットを表し、この回復ユニット14上にキャリッジ12を持ってくることにより記録ヘッドをキャップする。この回復ユニット14上の位置をキャリッジ12のホームポジションと呼ぶ。また、この回復ユニット14より吸引などの記録ヘッドのメンテナンス作業を行う。回復ユニットのキャップ上に予備吐を行うこともある。すなわち、予備吐口と同様のものとしても機能するため、本実施例では予備吐口と呼ぶ場合もある。このようにして回復ユニット14により吸引や予備吐されたインクはその下の30である廃インクタンクへ集められる。
【0009】
集められたインクは予備吐の場合は記録ヘッドから吐出された発数からインクの量を算出し、吸引の場合は吸引の種類ごとに吸い出すインク量が予め求められている。これらの値を元に、廃インクタンクへ入ったであろうインク量を今まで入っているインク量に加算した、蓄積インク量及び、廃インクタンクへ後どれくらい入るかを示す空き容量である廃インク空き量を算出する。その値を記録装置本体にある不揮発性メモリおよび廃インクタンクに取り付けられている不揮発性メモリへ記録する。
【0010】
廃インクタンク30は手前に引き出すことで用意に交換可能であり、ユーザーが交換できる。22、28はプラテン上に開けられた予備吐口である。これらはフチ無し印字の場合におけるインク回収の為の穴もかねており、図のように用紙最大の60インチの定型サイズに合わせて用紙端部に重なるように配置している。
【0011】
用紙の下にも同様の予備吐口がフチ無し印字可能な定型サイズ毎に配置されており、例えばA4サイズの紙幅に合わせて予備吐口が開けられている。ここで、予備吐口22はいかなる用紙を取り付けても基準位置が同じ為、図のような状態になる。29、21も予備吐口である。他の予備吐口は最大サイズの60インチの用紙がセットされた場合はふさがれてしまう。しかし、予備吐口29、21はいかなる場合でも予備吐が可能な位置に配置している。最大サイズの用紙がセットされた場合でも予備吐口22、28を使用することは可能だが、本実施例では用紙端部が吐出したインクで汚れてしまう可能性もある為、使用していない。これら予備吐口22、28、29、21の下にもそれぞれ後述する図2に示すような廃インクタンクが設置され、フチ無し印字の際に入ったインクや予備吐によるインクが予備吐項毎に対応した廃インクタンクに集められる。これらプラテン下の廃インクタンクは用意に交換できない為、サービスマンが交換を行う。
【0012】
回復ユニット14と同様にして、蓄積インク量及び廃インク空き量を予備吐口毎に対応する廃インクタンク毎に算出し、記録装置本体にある不揮発性メモリへ記録する。ここでは、プラテン下の廃インクタンクはサービスマン交換の為、不揮発性メモリは取り付けず、本体にある不揮発性メモリのみで管理を行う。
【0013】
巻き取り装置やロール紙をカットしない場合を除いて待機状態の際には、ロール紙10の先端は搬送ローラー11の近傍で待機させる為、予備吐口上には用紙はなく、どの予備吐口でも使用可能となる。印字の際には図のようになる為、使用できる予備吐口は29、21と回復ユニット14となる。
【0014】
全てが初期状態の場合などは廃インクタンクに全くインクが入っていないことから、キャリッジ12から最も近い予備吐口を使用する。そこで、キャリッジ12がホームポジションから反対のバックポジションに印字中のスキャンで予備吐が必要となった場合は用紙端部から最も近い予備吐可能な予備吐口29を使用する。逆にバックポジションからホームポジションへのスキャン中に予備吐が必要となった場合には、予備吐口21及び回復ユニット14が使用可能であるが、最も近い21を使用する。
【0015】
廃インクタンクにインクが入っている場合は図2を用いて示す。
【0016】
図1における図中の位置20に示す断面で切り取り、記録装置正面から見た概略図を図2に示す。図中21から29までが予備吐口を表し、予備吐口22から28までが前述したように、フチ無し印字の場合におけるインク回収の為の穴もかねており、フチ無し可能な定型サイズに合わせて用紙端部に重なるように配置している。
【0017】
図中30から35が廃インクタンクを示し、廃インクタンク30はユーザー交換可能なため容易に交換することが出来る。31から35はサービスマン交換とし、交換に多少手間がかかる。回復ユニット14および予備吐口21から29と廃インクタンク30から35の関係は、回復ユニット14および予備吐口21が廃インクタンク30へと集められる。予備吐口22が廃インクタンク31、予備吐口23及び24が廃インクタンク32、予備吐口25及び26が廃インクタンク33、予備吐口27及び28が廃インクタンク34、予備吐口29が廃インクタンク35へと集められる。
【0018】
本実施例では30が比較的容易に交換でき、吸引にも使われる為、容量を一番大きくとり、次に廃インクタンク35が大きく、最後に廃インクタンク31から34までが同じものを使用することによりコストダウンにつなげている。
【0019】
次に予備吐口の選択を図3、図4を用いて示す。
【0020】
図3は図2に示した廃インクタンクの関係を廃インクタンクの空き量と累積インク量をわかりやすくした概略図である。図4は予備吐口の選択における一例を示したシーケンス図である。
【0021】
図3において、廃インクタンクの底辺の高さ及び、幅を等しく示した。累積インク量は各廃インクタンク内にグレーで示したものである。予備吐やフチ無し印字の場合は記録ヘッドから吐出された発数からインクの量を算出し、吸引の場合は吸引の種類ごとに吸い出すインク量が予め求められている。これらの値を元に、廃インクタンクへ入ったであろうインク量を今まで入っているインク量に加算した値及び、経過時間による蒸発等、さまざまな記録媒体外のインクの量を算出した結果の蓄積インク量である。図中の累積インク量は廃インクタンク30>35>33>31=34>32の関係になる。また、図中41に示す破線は廃インクタンクのニアフルの状態を示し、満杯で使用でなくなるまで後もう少しという閾値であり、全てのタンクにおいて41から満杯になるまでの容量は同じ値になるように設定している。キャリッジ12は図中矢印のホームポジションの方向へ動作しているものとする。また、42は廃インクタンクの空き容量を示し、43は廃インクタンク33の空き容量を示す。
【0022】
また、廃インクタンクの交換が容易かそうでないかにより、容易なほうを優先的に使用することにより、交換が困難なほうのタンク交換を避けることが可能となり、廃インクタンク交換が不可能な場合は、本体寿命も延ばすことが可能となる。また、サービスマン交換の場合もサービスマンがユーザー先へ行くことが減ることによりコストダウンにもつながる。本実施例では交換が困難なほうはサービスマン交換を前提に述べる。ここでは廃インクタンク交換がユーザーでも可能なものは廃インクタンク30のみで、他をサービスマン交換が必要な廃インクタンクとする。
【0023】
廃インクタンク31から34は対応する予備吐口22から28が用紙に覆われていて使用不可能になる場合がある。このように予備吐口の使用頻度が少ないことを記憶する、もしくは少ないと予測することにより、その予備吐口を優先的に使用することで、全く使われないもしくは使われることが少ないであろう廃インクタンクへつながる予備吐口を優先的に使用する。これにより廃インクタンク交換の回数を減らし、予備吐口に対応した廃インクタンクが全く使用されないという問題を防ぐことが可能となる。
【0024】
本実施例では、廃インクタンク31は常に用紙基準位置がかかり、フチ無し印字の場合には必ず使用する。そのため、優先順位を高いほうから廃インクタンク32,33と設定した。本実施例では予測して使用する廃インクタンクに優先順位をつけたが、使われる予備吐口や廃インクタンクの頻度又は用紙幅を記憶し、それにより決定するようにしても良い。また、優先度の高い32が満杯の場合にも33に対応した予備吐口は用紙でふさがれることはなく使用可能である。この優先度をつけることで、32が満杯の場合、33が満杯になるまで使用することができ、33と32の2つを同時に交換可能となる。このように、他の廃インクタンク満杯での交換と同時に交換させることが可能となり、一回で複数の廃インクタンク交換を行えるようにすることが出来る。
【0025】
従来の場合は廃インクタンク満杯の場合ではそこで動作を停止して交換完了を待つことをしていた。しかし、本実施例では前述のように他の廃インクタンクへつながる予備吐口が使用可能であれば動作継続が出来、なおかつ継続させることにより、同時にタンク交換が可能となり、より効率的に廃インクタンクの交換を行うことが可能となる。
【0026】
図4は予備吐口選択の一例を表したシーケンス図である。以下、図3の状態の場合を例に挙げて説明を行う。
【0027】
図中S10により予備吐口選択を開始する。まず、S11で使用可能な予備吐口の確認を行う。用紙で覆われている場合や、廃インクタンクが満杯になってしまい使えない場合はその予備吐口は使用しないこととする。またスキャン方向により戻ることが不可能な場合などはその方向もその時点では使用しない事とする。次に、S12により用紙などで覆われてつかえない位置を優先的に使用するための予備吐口が使用可能かどうかの判断を行う。ここでは32が使用可能なのでS13により予備吐口は優先的に使用する廃インクタンク32を使用することと決定する。ここで予備吐口は23と24の二つが選択可能であるが、現在のキャリッジ12の位置や駆動方向から一番近いところを選択し、予備吐口24を使用すると決定する。S12で優先的に使用する位置が使用不可能な場合、ここでは以降を廃インクタンク32、33が用紙で覆われるなどの優先順位をつけなかったこととして説明を続ける。S14キャリッジ12から最も近い予備吐口の選択を行う。それにより予備吐口24、廃インクタンク32が選ばれる。次にS1により交換が容易かそうでないかにより優先的に使用する位置かそうでないかを判断する。本実施例では廃インクタンク30かそうでないかで交換が容易かそうでないかということになる。よって、S14により廃インクタンク30へつながる予備吐口21および回復ユニット14が選ばれた場合はそのままS16の最も近い予備吐口21または回復ユニット14に決定する。今回は予備吐口24が選択され、これにつながる廃インクタンク32は交換が容易ではないため、S17のモード選択を行う。モードとは後述の2つの廃インクタンクを選択する方法を表す。1つ目は廃インクタンク空量または蓄積インク量が均一になるように予備吐口を選択して使用することである。これにより、廃インクタンク交換時期を同じとすることや交換不可能な場合は寿命を延ばすことが可能となる。2つ目は廃インクタンクに集められているインクの残量に差がつくように選択して使用することである。これにより、立て続けに廃インクタンクの交換を行わなくてはならないような状況をさけるようにすることが可能となる方法を表す。図中では1つ目の方法を平均、2つ目の方法を優先としてある。また、これら2つのモードはホストコンピュータ及び記録装置本体にあるパネル上からユーザーが設定可能としてあり、平均及び優先モードと自動選択モードを用意してある。本実施例では自動選択モードは平均モードと同じ動作としたが他の動作であっても良い。ここで、S17による結果が自動/平均の場合は平均的に満杯にすることを目指し、空き容量が多い廃インクタンクに優先的にインクを集める。そこで、まず現在選択されている廃インクタンク32の空き量42が閾値41以下かどうかの判断を行う。ここでは空き量が閾値以上の為、S19により現在の選択されている廃インクタンクを使用してよいこととなる為、予備吐口はそのまま最も近い予備吐口24となる。ここで空き量42が閾値以上であった場合にはS20他の廃インクタンクと空き量比が予め決められた閾値以上かどうかを判断する。ここでは空き量42と全ての使用可能なタンクの空き量を比較する。ここで空き量43が最も差が多い為、その差が予め決められた閾値以上の場合はS21により空き量43の最も差の多い廃インクタンク33が選ばれ、そこへつながる予備吐口25、26の内近い方の予備吐口25が決定される。ここで、S11によりスキャン方向などで使用できないと判断した場合は予備吐口25以降を選択できないので空き量比較の廃インクタンクは31と30のみとなる。次に空き量比が閾値以上の廃インクタンクがない場合はS19により現在の選択されている廃インクタンクを使用して、予備吐口はそのまま最も近い予備吐口24となる。S17による結果が優先の場合は優先的に満杯にすることを目指し、空き容量が少ない廃インクタンクに優先的にインクが集まるようにする。そこで、まず現在選択されている廃インクタンク32の空き量42が閾値41以上かどうかの判断を行う。空き量が閾値以下で少ない場合は満杯に近いのでそのまま現在の選択されている廃インクタンクを使用し、S23の予備吐口はそのまま最も近い予備吐口24となる。ここで空き量が閾値以上の場合はS24により他の廃インクタンクの空き量が閾値以上の場合はS25最も空き量が少ない廃インクタンクを使用することに決定される。ここで毎回同じ位置だとスループットが低下する場合もあるため他の廃インクの空き量比を見ても良い。また、満杯になってしまうと使用不可になってしまう為、他の廃インクタンクへつながる予備吐口を選択することになり、これもスループットへ影響するので、ある一定以下の空き量になるとその廃インクタンクは比較しないように閾値を設定しても良い。S24により他の廃インクタンクの空き量が閾値以下の場合はそのまま現在の選択されている廃インクタンクを使用し、S23により選択される予備吐口はそのまま最も近い予備吐口24となる。
【0028】
以上説明してきた方式にでは、記録する値を蓄積インク量および廃インク空き量としたがどちらか片方でも良い。また、記憶するのを記録装置本体及び廃インクタンクの両方としたが、どちらでも良い。また値を取れるならばどちらでもなくホストコンピューターなどの別の場所であってもかまわない。また、用紙最大サイズを60インチとしたが他のサイズであってもかまわない。廃インクタンクはユーザー交換で容易なものやサービスマン交換で多少手間がかかるものなどと分けているが形態はどのようなものであっても良いし、交換不可能にしてもかまわない。また、廃インクタンクの容量もどのようなものでもかまわない。また、予備吐口を選択するシーケンスにおいては平均的に使うか優先的に満杯にするか、交換が容易かそうでないか、使用頻度など全ての条件を考慮した場合について述べてきた。交換不可の場合は判断する順番を入れ替えて速めに判断することでより優先的に容易か困難かで選択する必要がある。そのため、これらの判断の順番を入れ替えても良いし、またある特定の条件だけに関して判断し予備吐口を選択しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施例を示すインクジェット記録装置の概略の図
【図2】図1における図中の位置20に示す断面で切り取り、記録装置正面から見た概略図
【図3】廃インクタンクの関係を廃インクタンクの空き量と累積インク量をわかりやすくした概略図
【図4】予備吐口の選択における一例を示したシーケンス図
【符号の説明】
【0030】
10 ロール紙
11 搬送ローラー
12 キャリッジ
13 プラテン
14 回復ユニット
20 切り取り線
21,22,23,24,25,26,27,28,29 予備吐口
30,31,32,33,34,35 廃インクタンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクを吐出して、記録媒体に記録ヘッドを用いて記録を行うインクジェット装置において、前記記録ヘッドの吐出口からインクを吐出して、記録媒体に記録を行うための記録手段と、前記記録ヘッドより記録媒体外へ吐出することで回復処理を行う予備吐回復手段と、記録媒体以外の予備吐回復を行う位置である予備吐口を複数備え、前記記録手段によって記録媒体以外へ排出されたインクを集める廃インクタンクを複数備え、複数ある前記予備吐口を選択的に使うことにより、複数ある廃インクタンクに集められるインクの量を制御することを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項2】
複数ある前記予備吐口の選択は記録ヘッドから最も近い位置もしくは駆動方向に最も近い位置の予備吐口を使用することで、記録ヘッドの動作を少なくし時間短縮を行うことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項3】
吸引回復を行う吸引手段、前記予備吐回復手段、フチ無し印字及び経過時間による蒸発のインクの量を算出する算出手段を設け、複数ある廃インクタンク毎に蓄積インク量、または廃インクタンク空量としてデータを記憶する記憶手段を備え、前記予備吐口は前記廃インクタンク空量または蓄積インク量が均一になるように選択して使用することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項4】
吸引回復を行う吸引手段、前記予備吐回復手段、フチ無し印字及び経過時間による蒸発のインクの量を算出する算出手段を設け、複数ある廃インクタンク毎に蓄積インク量、または廃インクタンク空量としてデータを記憶する記憶手段を記録装置に備え、前記予備吐口は前記廃インクタンクに集められているインクの残量に差がつくように選択して使用することを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のインクジェット記録装置のどちらか一方をユーザーにより選択することを可能とすることを特徴とするインクジェット記録装置。
【請求項6】
廃インクタンクの交換が容易かそうでないかにより、容易な方を優先的に使用することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項7】
使用頻度が少ない、もしくは少ないと予測される予備吐口を優先的に使用することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
【請求項8】
ある廃インクタンクが満杯の場合でも他の廃インクタンクを使用することで動作の実行を可能とすることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−183870(P2008−183870A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−21532(P2007−21532)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】