説明

インスリン初期分泌促進剤

本発明は、コロソリン酸等からなるインスリン初期分泌促進剤である。本発明のインスリン初期分泌促進剤によれば、インスリンを食直後すばやく分泌させ、しかも血中グルコースが上昇しない時には余分なインスリン分泌を抑制可能なインスリン初期分泌促進剤を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインスリン初期分泌促進剤及びその製造方法、並びにインスリン初期分泌促進剤を用いた薬剤、健康補助食品、喫煙材料、食用材料及び動物用飼料に関する。
【背景技術】
【0002】
バナバ(Lagerstroemia speciosa Linn.又はPers.)は、フィリピンを始め、インド、マレーシア、中国南部及びオーストラリアなどの東南アジアに広く生育するミソハギ科の植物である。特許文献1には、バナバ葉を熱水あるいは有機溶媒で抽出したバナバエキスを主成分とする抗糖尿病剤が提案されており、その抗糖尿病作用は、糖尿病マウスを用いた動物実験で確認されている。
【特許文献1】特開平5−310587号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
糖尿病治療においては、インスリンを食直後すばやく分泌させ、しかも血中グルコースが上昇しない時にはインスリンの過剰分泌を引き起こさないことが理想的である。しかし、今までの抗糖尿病剤や、スルホニル尿素薬、ビグアナイド薬、チアゾリジン誘導体、フェニルアラニン誘導体等の糖尿病治療のための合成薬剤ではこのような理想的な血糖値上昇抑制及びインスリン分泌調整は困難であった。
【0004】
また、このような抗糖尿病剤や合成薬剤は、血糖値を下げることは出来ても、低血糖を招いたり、インスリンの効果が低下するインスリン感受性低下・インスリン抵抗性を引き起こしたり、肝臓への副作用を生じさせることがあり、特にインスリン分泌臓器である膵臓の疲弊はさけられないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、食事を取ったときのみ素早くインスリン初期分泌を促進し、血糖値上昇を抑制し、その結果、理想的な血糖値上昇抑制及びインスリン分泌調整が可能となる、副作用の少ない、インスリン初期分泌促進剤及びその製造方法を提供することにある。本発明の目的はまた、このインスリン初期分泌促進剤を用いた薬剤、健康補助食品、喫煙材料、食用材料及び動物用飼料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らはコロソリン酸を含む代表的植物としてのバナバからコロソリン酸及びその類縁体を抽出し、それらの薬理作用を調べる過程において、コロソリン酸及び特定の類縁体は血糖降下作用を有することを確認した。そして、驚くべきことに、それらは血糖値の上昇後直ちにインスリン分泌を促進させる作用(インスリン初期分泌促進作用)を有することを発見した。
【0007】
すなわち、本発明のインスリン初期分泌促進剤は、コロソリン酸、アシルオキシコロソリン酸、マスリン酸及びアシルオキシマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つの薬効成分を全質量の99質量%以上含有するものである。このインスリン初期分泌促進剤は、インスリンの初期分泌を促進し、分泌されたインスリンは血糖値を速やかに降下させる。そして、血糖値が速やかに降下することによりインスリン分泌もその後速やかに減少し、最終的にインスリンの過剰分泌が抑えられることとなる。
【0008】
本発明のインスリン初期分泌促進剤は、食事を取ったときのみ(特に、糖を取り込んだときのみ)素早くインスリン初期分泌を促進して血糖値上昇を抑制することが特徴的である。したがって、理想的な血糖値上昇抑制及びインスリン分泌調整が可能となり、低血糖等の副作用が低減される。
【0009】
コロソリン酸、アシルオキシコロソリン酸、マスリン酸及びアシルオキシマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つの薬効成分は、コロソリン酸又はマスリン酸(好適にはコロソリン酸)であることが好ましく、インスリン初期分泌促進剤はこのような薬効成分を全質量の100質量%含有することが好ましい。すなわち、本発明のインスリン初期分泌促進剤は、コロソリン酸又はマスリン酸(好適にはコロソリン酸)からなることが好ましい。インスリン初期分泌促進剤としては、コロソリン酸を全質量の99質量%以上含有し、マスリン酸を全質量の1質量%未満含有するものも好適に用いられる。
【0010】
なお、アセチルコロソリン酸等のアシルオキシコロソリン酸はコロソリン酸の誘導体であり、アセチルマスリン酸等のアシルオキシマスリン酸はマスリン酸の誘導体であるが、これらも、コロソリン酸やマスリン酸と同様に上記作用効果を奏するインスリン初期分泌促進剤として機能する。
【0011】
一般的に、血糖降下作用は様々な機序を介して発揮されるものであり、必ずしもインスリン分泌に関わるものばかりではない。例えば、ビグアナイド薬は、インスリン分泌促進ではなく、肝臓における糖新生の抑制を介して、血糖降下作用を発揮している。また、α−グルコシダーゼ阻害薬は、消化器官からの糖の吸収を妨げることにより、血糖降下作用を発揮している。したがって、血糖降下作用を有する化合物は、必ずしもインスリン分泌に関与していることを意味するものではない。
【0012】
コロソリン酸については、枇杷(Eriobotrya japonica)の葉から抽出することができ血糖降下作用を有するとの報告がされているが(Planta Medica,57,414−416(1991))、この文献における枇杷からの抽出物とコロソリン酸(バナバから抽出)とを本発明者らが比較したところ、両者の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)における保持時間が異なることを見出した。すなわち、枇杷からの抽出物はコロソリン酸とは別の化合物である。また、上記文献には抽出物のインスリン分泌についての見解は示されていない。したがって、コロソリン酸についてインスリン初期分泌に関する知見は従来全く存在しなかったものである。
【0013】
一方、インスリン分泌に関わる薬剤として、スルホニル尿素剤やナテグリニド等がある。これらは、糖の取り込み時だけに作用するものではなく、しばしば低血糖を招き重大な副作用を引き起こす危険性が指摘されている。また、同時に膵臓の疲弊も免れない。
【0014】
これに対して、上述した本発明のインスリン初期分泌促進剤は、インスリン初期分泌が糖の取り込み時に限って促進される、糖依存性インスリン初期分泌促進剤であるため、副作用が少なく、膵臓への負担も軽減される。
【0015】
なお、上述した本発明のインスリン初期分泌促進剤を(1)配糖体とした場合、(2)エステル化した場合や、(3)インスリン初期分泌促進剤100質量部と、ウルソール酸及びオレアノール酸1〜99質量部とを混合した場合も上記と同様の作用効果を生じることを本発明者らは確認している。
【0016】
したがって、上述した化合物及び組成物(インスリン初期分泌促進剤)を有効成分として含む薬剤(錠剤、カプセル、粉体、液体又は気体状の薬剤)や、喫煙材料、健康補助食品が提供可能になる。また、上述した化合物及び組成物を、パン、麺類、菓子、飲料、砂糖、酒類、油脂、小麦粉及び澱粉等からなる群より選ばれる材料に添加して食用材料とすることもできる。
【0017】
本発明のインスリン初期分泌促進剤により、副作用の少ない、膵臓を疲弊させない、血糖値上昇抑制が可能になり、糖尿病患者のみならず糖尿病予備軍とされる境界型糖尿病患者に対する予防医学への貢献も可能となる。
【0018】
また、インスリンを食直後素早く分泌させ血糖値上昇を抑制し、その結果インスリンの過剰分泌を防止することは、血糖降下作用のみならず、インスリン抵抗性の予防、インスリン過剰分泌による肥満防止、中性脂肪の抑制、更にはそこから引き起こされる高血圧やコレステロールの蓄積による動脈硬化症の予防にもつながる。
【0019】
インスリン初期期分泌促進剤を食前、食事と共に、食後又は食間に服用することにより、あるいはインスリン初期分泌促進剤が添加された食品等を摂取することにより、糖尿病、高血圧、高脂血症及び肥満の治療のみならず予防にも極めて有効であり、健康維持を実現することができる。
【0020】
本発明のインスリン初期分泌促進剤に用いられるコロソリン酸は、下記一般式(1)で表されるアシルオキシコロソリン酸を脱アシル化するステップを備える製造方法で得ることができる。
【化1】

ここで、式(1)中、R及びRは、それぞれ独立にアシルオキシ基又は水酸基を示す。但し、R及びRは同時に水酸基ではない。
【0021】
上記のようにアシルオキシコロソリン酸を脱アシル化することで、非常に純度の高い(略100%)コロソリン酸を得ることができる。
【0022】
また、本発明のインスリン初期分泌促進剤に用いられるマスリン酸は、下記一般式(2)で表されるアシルオキシマスリン酸を脱アシル化するステップを備える製造方法で得ることができる。
【化2】

ここで、式(2)中、R11及びR12は、それぞれ独立にアシルオキシ基又は水酸基を示す。但し、R11及びR12は同時に水酸基ではない。
【0023】
上記のようにアシルオキシマスリン酸を脱アシル化することで、非常に純度の高い(略100%)マスリン酸を得ることができる。
【発明の効果】
【0024】
インスリンを食直後すばやく分泌させ、しかも血中グルコースが上昇しない時にはインスリンを余分に分泌させないという血糖値上昇抑制、インスリン抵抗性改善、肥満防止、中性脂肪抑制に効果のあるインスリン初期分泌促進剤及びその製造方法が提供される。すなわち、インスリン初期分泌を促進することにより、食後血糖値を下げ、同時にインスリン分泌過剰を防止するインスリン初期分泌促進剤が提供される。
【0025】
このインスリン初期分泌促進剤は、食前、食間、食後に服用することによって血糖値上昇抑制、肥満防止、中性脂肪抑制、インスリン抵抗性防止など高血糖から引き起こされる種々の病気の予防と健康維持を可能とする。
【0026】
このインスリン初期分泌促進剤は、錠剤、カプセル、注射、ドリンク剤、噴霧気体、張り薬、座薬、入浴剤等で使用されるほか、パン、麺類、飲料、酒類、飼料、喫煙材料の成分として含有させ、日常食品や嗜好品などの日常的製品として使うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、糖負荷試験中の血中インスリン値を表わした図である。(a)はコロソリン酸を投与した場合であり、(b)はプラセボを投与した場合である。
【図2】図2は、糖負荷試験中の血糖値を表わした図である。(c)はコロソリン酸を投与した場合であり、(d)はバナバ葉エキスを投与した場合であり、(e)はプラセボを投与した場合である。
【図3】図3は、糖負荷がない状態でコロソリン酸とプラセボとを投与した場合の血糖レベルの変化を示す図である。
【図4】図4は、糖負荷がない状態でコロソリン酸とプラセボとを投与した場合の血中インスリン値の変化を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明のインスリン初期分泌促進剤に含まれるコロソリン酸、アシルオキシコロソリン酸、マスリン酸、アシルオキシマスリン酸、ウルソール酸及びオレアノール酸は、バナバエキス又はバナバエキス濃縮物から製造することができ、また、枇杷、桑、グワバを始めとする多くの植物からも抽出・精製が可能である。
【0029】
特にコロソリン酸については、種々の方法で得ることができる。その製造及び精製方法としては、エキスなどの抽出方法のほか、植物培養、液培養、微生物応用、酵素利用、半合成、合成、遺伝子操作等が含まれる。
【0030】
コロソリン酸を多量に含有する代表的植物であるバナバのエキスは、バナバを熱水又はメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール又はこれらのアルコールの水溶液で抽出して得られる。バナバを冷水やエタノール100%の溶液に浸しておいても、バナバエキスを得ることができる。こうして抽出されたエキスの主成分は、コロソリン酸及びバナバポリフェノール(バナバ葉、花、茎などに含まれるタンニン類)である。抽出は以下の方法で行うことができる。
【0031】
バナバエキスの原料としてのバナバ葉は、フィリピンなどで産出するバナバ(Lagerstroemia speciosa Linn.又はPers.)の生葉もしくはそれを乾燥したものである。生葉の乾燥は自然乾燥、風乾、又は強制乾燥のいずれであってもよい。乾燥は、いわゆるトーステッドドライにより水分含量が20重量%以下、好ましくは10重量%以下となるように行うのが、微生物の生育を防止しかつ保存安定性のために望ましい。
【0032】
乾燥したバナバ葉は、そのまま抽出してもよいが粉砕又は細断して抽出することが望ましい。乾燥したバナバ葉を熱水もしくはアルコールで抽出し、濃縮する方法及び条件は特に制限されないが、濃縮物中にコロソリン酸が一定の割合で含有されるような方法及び条件を採用することが好ましい。すなわち、バナバエキスを後述するバナバエキス濃縮物に加工した場合の濃縮物100mg当り、コロソリン酸が0.1〜15mgの割合で含有されるのが望ましい。さらに、コロソリン酸の含有割合は、濃縮物100mg当り、0.2〜12mgが好ましく、0.5〜10mgが特に好ましい。好適な抽出の方法及び条件は、以下のとおりである。
【0033】
方法1:乾燥したバナバ葉の粉砕化物(原料)にエタノール又はエタノール水溶液(エタノール含量50〜80重量%)を原料に対して5〜20重量倍、好ましくは8〜10重量倍加えて、常温〜90℃好ましくは約50〜85℃の温度で30分〜2時間加熱還流又はソックスレー抽出する。この抽出を2〜3回繰り返す。
【0034】
方法2:乾燥したバナバ葉の粉砕化物に対して3〜20重量倍のメタノール又はメタノール水溶液(メタノール含量50〜90重量%)を加え、方法1と同様に加熱還流又はソックスレー抽出して抽出する。抽出の操作は、常温〜65℃の範囲の温度で30分〜2時間実施するのが好適である。抽出操作は1回に限らず2回以上繰り返して行うことができる。
【0035】
方法3:乾燥したバナバ葉の粉砕化物に対して3〜20重量倍の熱水を加え、50〜90℃、好ましくは60〜85℃の温度で30分〜2時間加熱還流又はソックスレー抽出して抽出を行う。
【0036】
上記したバナバエキスの抽出の方法1〜3は、適宜組み合わせることもできる。例えば、方法1及び方法2を組み合わせて実施することもできる。これらの方法のうち、好ましいのは方法1及び方法2であり、特に好ましいのは方法1である。
【0037】
バナバエキスは取扱いを容易にするため濃縮・乾燥してバナバエキス濃縮物に加工するのが一般的である。抽出後の濃縮及び乾燥は、濃縮物が高い温度で長時間保持されると活性成分が劣化することがあるので比較的短時間で行うことが望ましい。そのために減圧下にて濃縮及び乾燥を行うのが有利である。上記の方法で得られた抽出液を濾過して60℃以下の温度で減圧下濃縮し、得られた固形状物を50〜70℃の温度で減圧下(濃縮時よりも高い減圧下)にて乾燥する。こうして得られた固形物を粉砕して粉末状濃縮物を得る。バナバエキス濃縮物は粉末形態に限らず錠剤形態あるいは顆粒形態のいずれに加工してもよい。このような方法で得られたバナバエキス濃縮物は、コロソリン酸、バナバポリフェノール及びその他の有効成分を有している。
【0038】
上記のようにして得られたバナバエキス又はバナバエキス濃縮物から、公知の抽出方法等(HPLC等の液体クロマトグラフィーによる方法等)を用いて、コロソリン酸以外の成分(その他成分)を除去することで、コロソリン酸(コロソリン酸99%以上含有)を得ることができる。また、マスリン酸、ウルソール酸、オレアノール酸は、バナバエキス又はバナバエキス濃縮物から得られた上記その他成分から得ることができる。
【0039】
コロソリン酸(或いはマスリン酸)は、そのまま用いても良いが、アシル化(例えばアセチル化)して用いてもよく、その後脱アシル化(例えば脱アセチル化)して用いてもよい。特にコロソリン酸(或いはマスリン酸)をアシル化(例えばアセチル化)した後、脱アシル化して用いることが好ましい。アシル化コロソリン酸からアシル基を除くことで、非常に純度の高い(略100%)コロソリン酸を得ることができる。
【0040】
コロソリン酸をアセチル化する方法は、例えば、上記で得られたコロソリン酸を無水ピリジンに溶解し、無水酢酸を加え、室温にて12時間程度放置した後、反応溶液に氷水を加え、クロロホルムにて複数回(3回程度)抽出し、クロロホルム層を硫酸ナトリウムにて脱水して、ろ過にて硫酸ナトリウムを除き、クロロホルムを減圧下留去して、ヘキサンにて再結晶することにより実施することができる。
【0041】
また、コロソリン酸を脱アシル化する方法としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリで加水分解する方法が挙げられる。
【0042】
このようにして得られたコロソリン酸、アシルオキシコロソリン酸、マスリン酸、アシルオキシマスリン酸、ウルソール酸、オレアノール酸、アシルオキシウルソール酸、アシルオキシオレアノール酸を用いて、公知の方法を適用して上述したような薬剤、健康補助食品、食用材料、喫煙材料及び動物用飼料を製造できる。
【0043】
上記健康補助食品は、バナバ葉若しくはコロソリン酸を含有する植物を熱水抽出、若しくはアルコール抽出にて有効成分を取り出し、乾燥させたパウダー若しくは液体を健康補助食品に混入することによって製造することができる。この健康補助食品は、錠剤、カプセル、塗り薬、座薬、点鼻薬、注射、顆粒、粉体の態様で用いることができる。
【0044】
上記食用材料は、バナバ葉若しくはコロソリン酸を含有する植物を熱水抽出、若しくはアルコール抽出にて有効成分を取り出し、乾燥させたパウダー若しくは液体を食用材料に混入することによって用いて製造することができる。なお、食用材料の場合は色、味、匂いが重要視されるため、得られる有効成分からタンニン類、葉緑素を取り除いたエキス、更にそのエキスを澱粉、デキストリンで希釈した粉体等の態様で用いることが好ましい。なお、この食用材料は、一般の小麦粉、澱粉、砂糖、塩、醤油、料理用油脂と同じように原材料の一部として、また調理用材料、調味料として用いることができる。
【0045】
上記喫煙材料とは、例えばタバコなどをいい、紙巻、葉巻、パイプ、煙管等のどのような使用態様に用いられる喫煙材料も含まれる。具体的には、バナバ葉を細かく刻んでタバコ葉と大きさを合わせ、混入させるかバナバ葉だけで紙巻若しくは葉巻きにして喫煙材料として用いられる。一方バナバエキスをエタノール、他のアルコールで溶解し、タバコ葉を浸しそれを乾燥させて葉巻、若しくは紙巻タバコに供しやすいようにして用いることも可能である。上記喫煙材料は、火をつけて燃焼させその火の近づく際の高温度による揮発成分、または燃焼する際の揮発成分にも効果がある。すなわち、気腔器からの上記揮発成分の吸入はコロソリン酸の処方量が微量であっても大きな効果が期待できる。これらは喫煙の習慣を利用したコロソリン酸の口からの吸収方法として用いることができる。
【0046】
本発明の動物用飼料には、魚類用飼料も含まれ、家畜やペットに与えることにより、動物の糖尿病、高血圧、高脂血症及び肥満の治療及び予防することができ、動物の健康維持を実現することができる。具体的には、バナバ葉若しくはコロソリン酸を含有する植物を熱水抽出、若しくはアルコール抽出にて有効成分を取り出し、乾燥させてパウダー若しくは液体を取り出し作られたものをペットフーズ若しくは鶏、豚、牛、ヤギなどの家禽類、家畜類、養殖用魚類の餌に混入することによって製造することができる。この動物用飼料は、一般飼料、ペットフーズと同様に食用としても使用可能である。
【実施例】
【0047】
以下、実施例および比較例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0048】
(ジアセチルコロソリン酸の製造例1)
バナバ乾燥葉を粉砕し、熱エタノールで抽出後、減圧濃縮してエタノール抽出物を得た。エタノール抽出物を水で懸濁後、ヘキサンで抽出を行い、ヘキサンエキスを得た。また、水層をDIAION HP−20カラムクロマトグラフィーに付し、水、50%メタノール、メタノールの順に順次溶出し、それらを減圧下溶媒留去した。
【0049】
メタノール抽出画分を無水ピリジンに溶解し、無水酢酸を加え、室温にて24時間撹拌した。次いで、反応液に氷水を加え、クロロホルムにて3回抽出した。次に、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムにて脱水した後、ろ過にて無水硫酸マグネシウムを除き、クロロホルムを減圧下留去した。
【0050】
得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=150:1)にて分離し、更に順相系カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(ヘキサン:2−プロパノール=99:1)にて精製を行い、ジアセチルコロソリン酸を得た。
【0051】
(ジアセチルコロソリン酸の製造例2)
バナバ乾燥葉を粉砕し、熱エタノールで抽出後、減圧濃縮してエタノール抽出物を得た。エタノール抽出物を水で懸濁後、ヘキサンで抽出を行い、ヘキサンエキスを得た。また、水層をDIAION HP−20カラムクロマトグラフィーに付し、水、50%メタノール、メタノールの順に順次溶出し、それらを減圧下溶媒留去した。
【0052】
メタノール抽出画分を無水ピリジンに溶解し、無水酢酸を加え、室温にて12時間放置した。次いで、反応液に氷水を加え、クロロホルムにて3回抽出した。次に、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムにて脱水した後、ろ過にて硫酸ナトリウムを除き、クロロホルムを減圧下留去した。得られる残留分をヘキサンにて再結晶させることにより、ジアセチルコロソリン酸(無色針状晶)を得た。
【0053】
(ジアセチルコロソリン酸の確認)
上記ジアセチルコロソリン酸の製造例1又は2で得られた上記ジアセチルコロソリン酸を薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて確認した。シリカゲルとしてSilica gel 60 F254(Merck)を用い、展開溶媒としてクロロホルム:メタノール=20:1を用いた。コロソリン酸及びジアセチルコロソリン酸のRf値は、0.21(コロソリン酸)、0.59(ジアセチルコロソリン酸)であるが、TLCにて確認した結果、原料であるコロソリン酸が残っていないことが確認された。
【0054】
(ジアセチルマスリン酸の製造例1)
バナバ乾燥葉を粉砕し、熱エタノールで抽出後、減圧濃縮してエタノール抽出物を得た。エタノール抽出物を水で懸濁後、ヘキサンで抽出を行い、ヘキサンエキスを得た。また、水層をDIAION HP−20カラムクロマトグラフィーに付し、水、50%メタノール、メタノールの順に順次溶出し、それらを減圧下溶媒留去した。
【0055】
メタノール抽出画分を無水ピリジンに溶解し、無水酢酸を加え、室温にて24時間撹拌した。次いで、反応液に氷水を加え、クロロホルムにて3回抽出した。次に、クロロホルム層を無水硫酸マグネシウムにて脱水した後、ろ過にて無水硫酸マグネシウムを除き、クロロホルムを減圧下留去した。
【0056】
得られる残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=150:1)にて分離し、更に順相系カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(ヘキサン:2−プロパノール=99:1)にて精製を行い、ジアセチルマスリン酸を得た。
【0057】
(ジアセチルマスリン酸の製造例2)
バナバ乾燥葉を粉砕し、熱エタノールで抽出後、減圧濃縮してエタノール抽出物を得た。エタノール抽出物を水で懸濁後、ヘキサンで抽出を行い、ヘキサンエキスを得た。また、水層をDIAION HP−20カラムクロマトグラフィーに付し、水、50%メタノール、メタノールの順に順次溶出し、それらを減圧下溶媒留去した。
【0058】
メタノール抽出画分を無水ピリジンに溶解し、無水酢酸を加え、室温にて12時間放置した。次いで、反応液に氷水を加え、クロロホルムにて3回抽出した。次に、クロロホルム層を無水硫酸ナトリウムにて脱水した後、ろ過にて硫酸ナトリウムを除き、クロロホルムを減圧下留去した。得られる残留分をヘキサンにて再結晶させることにより、ジアセチルマスリン酸(無色針状晶)を得た。
【0059】
(ジアセチルマスリン酸の確認)
上記ジアセチルマスリン酸の製造例1又は2で得られた上記ジアセチルマスリン酸を薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いて確認した。シリカゲルとしてSilica gel 60 F254(Merck)を用い、展開溶媒としてクロロホルム:メタノール=20:1を用いた。マスリン酸及びジアセチルマスリン酸のRf値は、0.21(マスリン酸)、0.59(ジアセチルマスリン酸)であるが、TLCにて確認した結果、原料であるマスリン酸が残っていないことが確認された。
【0060】
(ジアセチルコロソリン酸(或いはジアセチルマスリン酸)の脱アセチル化)
1規定の水酸化カリウムのメタノール溶液に、上記ジアセチルコロソリン酸(或いはジアセチルマスリン酸)を加え、室温で2時間放置し、脱アセチル化を行った。次いでイオン交換膜にて中和を行うことにより、高純度のコロソリン酸(或いはマスリン酸)を得た。
【0061】
(高純度コロソリン酸(或いはマスリン酸)の確認)
得られた上記高純度のコロソリン酸(或いはマスリン酸)の純度を高速液体クロマトグラフィーを用いて確認した。このときの条件は、移動層としてMEH:0.05%TFA=85:15を用い、カラムとしてYMCPACKODS(4.6mm I.D×250mm)を用いた。得られた成分のUV(210nm)を測定することにより、コロソリン酸(或いはマスリン酸)の純度は略100%であることが確認された。
【0062】
(試験例1:インスリン初期分泌促進作用の確認)
次に、以下の試験により、得られたコロソリン酸がインスリン初期分泌促進作用を有していることを確認した。ダブルブラインド・クロスオーバー方式により、コロソリン酸又はプラセボ投与後に糖負荷試験を行い、血中インスリン値(IRI:immunoreactive insulin)を測定した。
【0063】
まず、被験者である境界型糖尿病の患者31名に対して、コロソリン酸(純度99%以上、10mg)又はプラセボを経口投与し、その直後に採血し、そのときの血中インスリン値を0分での値とした。採血後、ただちにグルコース75gを被験者に経口投与して糖負荷試験を開始し、30分、60分、90分、120分及び180分経過後に採血を行い、血中インスリン値を測定した。
【0064】
図1は、糖負荷試験中の血中インスリン値を表わした図である。横軸は糖負荷試験開始後の時間(分)を表わし、縦軸はIRI(μU/mL)を表わす。(a)はコロソリン酸を投与した場合の図であり、(b)はプラセボを投与した場合の図である。
【0065】
図1に示した結果から明らかなように、コロソリン酸を投与すると、プラセボを投与した場合に比べて、糖負荷試験開始30分後において有意に血中インスリン値の上昇が認められた(p<0.05)。また、その一方で、糖負荷試験開始120分後において有意に血中インスリン値の低下が認められた(p<0.05)。
【0066】
以上から、コロソリン酸はインスリン初期分泌を促進することが明らかとなった。また、血糖値が上昇しない時にはインスリンを余分に分泌させないことも明らかとなった。
【0067】
(試験例2:血糖降下作用の確認)
以下の試験により、コロソリン酸が血糖降下作用を有していることを確認した。ダブルブラインド・クロスオーバー方式により、コロソリン酸、バナバエキス又はプラセボ投与後に糖負荷試験を行い、血糖値(血漿グルコース濃度)を測定した。
【0068】
まず、被験者35名に対して、コロソリン酸(純度99%以上、10mg)、バナバエキス(商品名:コロソリアM、株式会社ユース・テクノコーポレーション製、コロソリン酸量が10mgとなるように投与)又はプラセボを経口投与し、その直後に採血し、そのときの血糖値を0分での値とした。採血後、ただちにグルコース75gを被験者に経口投与して糖負荷試験を開始し、30分、60分、90分、120分及び180分経過後に採血を行い、血糖値を測定した。
【0069】
図2は、糖負荷試験中の血糖値を表わした図である。横軸は糖負荷試験開始後の時間(分)を表わし、縦軸は血漿グルコース濃度(mg/dL)を表わす。(c)はコロソリン酸を投与した場合の図であり、(d)はバナバ葉エキスを投与した場合の図であり、(e)はプラセボを投与した場合の図である。
【0070】
図2に示した結果から明らかなように、コロソリン酸を投与すると、プラセボを投与した場合に比べて、糖負荷試験開始90分後及び120分後において有意に血糖値の低下が認められた(p<0.05)。以上から、コロソリン酸は血糖降下作用を有することが明らかとなった。
【0071】
(試験例3:糖依存性インスリン初期分泌促進作用の確認)
3名の境界型糖尿病患者(55歳男性、54歳男性及び45歳男性)を午後8時から絶食させ(糖負荷なし)、翌日の午前9時に、偽薬(プラセボ)を1回、実薬(コロソリン酸)を1回与え、その後の血糖レベル(血糖値)と血中インスリン値の変化を測定した。なお、治験者には一切偽薬、実薬の情報は与えられなかった(クロスオーバー、ダブルブラインド)。また、コロソリン酸は1回(単回)で10mg投与され、試験は各2回行なわれた。
【0072】
試験の結果を以下の表1に示す。
【表1】

【0073】
図3は、糖負荷がない状態でコロソリン酸とプラセボとを投与した場合の血糖レベルの変化を示し、図4は、糖負荷がない状態でコロソリン酸とプラセボとを投与した場合の血中インスリン値の変化を示す。図3及び4において、コロソリン酸を投与した場合とプラセボとを投与した場合とで、血糖レベル及び血中インスリン値に有意差はなく、本発明のインスリン初期分泌促進剤が、糖依存性インスリン初期分泌促進剤であることが判明した。
【0074】
(試験例4:健康補助食品の作製例)
[商品1:錠剤及びドリンク]
錠剤又はドリンクの全質量に対してコロソリン酸が0.18質量%となるように錠剤又はドリンクにコロソリン酸を添加した。
【0075】
上記濃度とすることにより、微量元素や他の栄養成分を享受することができる。特に血糖が気になる人に有効である。なお、用途・目的・形・量に合わせて希釈することも可能である。
【0076】
[商品2:ヨーグルト]
ヨーグルト1パック100g中、コロソリン酸1mgとなるようにしてコロソリン酸含有ヨーグルトを得た。なお、ノンシュガーヨーグルトの場合は、例えば、加える糖の質量3.9gに対してコロソリン酸1mgとなるようにした。
【0077】
(試験例5:食用材料の作製)
[商品3:パン]
下記表2に示す処方に従い、1食あたりコロソリン酸1mg摂取となるようにパンを作製した。
【表2】

【0078】
<作り方>
強力粉、ドライイースト、塩、コロソリン酸、砂糖、スキムミルク、ぬるま湯を混合し、この混合物をこねながらバターを混ぜた。混合物が固まり始めたら更に15分こねることにより生地を作製した。
【0079】
次いで、この生地を40℃で60分発酵させ、十分に膨らんだら、この生地を2つに切り分け、内部のガス抜いた。そして、ガス抜きした生地を丸め、食パン型に入れて10分載置した。さらにこの生地をそのままもう一度40℃で30分発酵させ、体積が2倍〜3倍となったら170℃で25分焼くことによってパンを得た。
【0080】
[商品4:シュークリーム]
下記表3及び表4に示す処方に従い、1個あたりコロソリン酸1mg摂取となるようにシュークリーム12個分を作製した。
【表3】

【表4】

【0081】
<作り方>
まず、鍋に生地用の牛乳、水、バター、塩を入れ加熱した。バターが溶けたら加熱を止めて薄力粉を入れた後、再度2〜3分混合物を加熱した。これに溶いた卵を入れて混ぜ、オーブンペーパーを敷いた天板に生地を円状に絞り出した。形を整えた後、混合物を190℃で15分間オーブンで焼き、更に温度を180℃から160℃に下げて15分焼いた。その後、そのままの状態で5分間乾燥させシュー生地を得た。
【0082】
カスタードクリームは、鍋に牛乳、コロソリン酸、糖を入れて加熱した。沸騰直前で加熱を止め、バニラエッセンス、コアントローを加えた。これに粉類と溶いた卵黄とを混ぜ、混合物がなめらかになったら更にバターを混ぜて、これを冷蔵庫に入れて冷やした。次いであわ立てた生クリームを冷やした混合物に混ぜてカスタードクリームとした。
【0083】
上述の焼いたシュー生地にカスタードクリームを入れて、仕上げに粉砂糖を上からふるうことによりシュークリームを作製した。
【0084】
[商品5:その他]
その他としてチョコレート、プリン、チーズケーキ、サラダドレッシング、だし、醤油、みそ等にも糖類の代わりにコロソリン酸デキストリンを添加することができる。なお、1食あたりコロソリン酸1mg摂取となるようにすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
インスリン初期分泌を促進することにより、食後血糖値を下げ、同時にインスリン分泌過剰を防止するインスリン初期分泌促進剤及びその製造方法、並びにインスリン初期分泌促進剤を用いた薬剤、健康補助食品、喫煙材料、食用材料及び動物用飼料が提供される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロソリン酸、アシルオキシコロソリン酸、マスリン酸及びアシルオキシマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つの薬効成分を全質量の99質量%以上含有するインスリン初期分泌促進剤。
【請求項2】
コロソリン酸、アシルオキシコロソリン酸、マスリン酸及びアシルオキシマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つの薬効成分が、コロソリン酸である請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤。
【請求項3】
コロソリン酸、アシルオキシコロソリン酸、マスリン酸及びアシルオキシマスリン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つの薬効成分が、マスリン酸である請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤。
【請求項4】
前記薬効成分を全質量の100質量%含有する請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤。
【請求項5】
コロソリン酸を全質量の99質量%以上含有し、マスリン酸を全質量の1質量%未満含有する請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤。
【請求項6】
前記アシルオキシコロソリン酸はアセチルコロソリン酸である請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤。
【請求項7】
前記アシルオキシマスリン酸はアセチルマスリン酸である請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤。
【請求項8】
請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤の配糖体からなるインスリン初期分泌促進剤。
【請求項9】
請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤をエステル化してなるインスリン初期分泌促進剤。
【請求項10】
請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤100質量部と、ウルソール酸及びオレアノール酸1〜99質量部と、からなるインスリン初期分泌促進剤。
【請求項11】
糖依存性である請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤。
【請求項12】
請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤を含有する薬剤。
【請求項13】
請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤を含有する喫煙材料。
【請求項14】
請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤を含有する健康補助食品。
【請求項15】
請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤を、パン、麺類、菓子、飲料、砂糖、酒類、油脂、小麦粉及び澱粉等からなる群より選ばれる材料に添加した食用材料。
【請求項16】
請求項1記載のインスリン初期分泌促進剤を含有する動物用飼料。
【請求項17】
下記一般式(1)で表されるアシルオキシコロソリン酸を脱アシル化するステップを備える、高純度コロソリン酸の製造方法。
【化1】

[式(1)中、R及びRは、それぞれ独立にアシルオキシ基又は水酸基を示す。但し、R及びRは同時に水酸基ではない。]
【請求項18】
下記一般式(2)で表されるアシルオキシマスリン酸を脱アシル化するステップを備える、高純度マスリン酸の製造方法。
【化2】

[式(2)中、R11及びR12は、それぞれ独立にアシルオキシ基又は水酸基を示す。但し、R11及びR12は同時に水酸基ではない。]

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【国際公開番号】WO2005/027892
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514110(P2005−514110)
【国際出願番号】PCT/JP2004/013848
【国際出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(598169491)株式会社ユース・テクノコーポレーション (9)
【Fターム(参考)】