説明

インスリン感受性および脂質プロファイルを改善するための長時間作用型GLP−1受容体アゴニストの使用

本発明は、最低1種のGLP−1受容体アゴニストまたは指定される部分若しくはバリアントをコードする単離された核酸、GLP−1受容体アゴニストまたは指定される部分若しくはバリアント、ベクター、宿主細胞、トランスジェニック動物若しくは植物を包含する最低1種の新規ヒトGLP−1受容体アゴニストまたは指定される部分若しくはバリアント、ならびに、それらの作成方法、ならびに肥満におけるインスリン感受性若しくは脂質プロファイルを改善するための長時間作用型GLP−1受容体アゴニストならびに関連する治療的および/若しくは診断的組成物、方法およびデバイスの使用を包含する使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肥満関連障害におけるインスリン感受性若しくは脂質プロファイルを改善することを包含する、生物学的に活性のタンパク質、フラグメント若しくはリガンドに特異的なGLP−1ミメティボディ(mimetibody)構築物、指定される部分およびバリアントのような哺乳動物グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)受容体アゴニスト、GLP−1受容体アゴニストをコードするおよび相補的核酸、宿主細胞、ならびにそれらの作成および使用方法、ならびに関連する治療的製剤、投与およびデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
組換えタンパク質は治療薬の一新生部類である。潜在的治療薬としての組換えタンパク質の使用は、化学修飾の使用もまた包含する治療的タンパク質製剤の進歩の機会を提供した。潜在的に(例えばタンパク質分解酵素へのそれらの曝露を阻害することにより)半減期を延長し、生物学的活性を高め、かつ/若しくは不要な副作用を低減させることによるようなこうした修飾は、治療的タンパク質の治療的有用性を潜在的に高め得る。1種のこうした修飾は、エンテラセプト(enteracept)のような受容体タンパク質に融合した免疫グロブリンフラグメントの使用である。融合タンパク質は、より長い半減期を提供すること、若しくはFc受容体結合、プロテインA結合および補体固定のような機能を組み込むことの試みにおいて、抗体Fcドメインを使用してもまた構築されている。
【0003】
肥満は身体の大きさに比例した脂肪量の過剰により明示される慢性疾患である。米国人のおよそ1/3がボディマス指数に基づき太りすぎであり(BMI>25kg/m)、そして、肥満は流行性の比率に近づきつつあると考えられる。健康に対する肥満の脅威の重要性は、肥満が2型糖尿病、心血管系疾患、変形性関節症および睡眠時無呼吸のような他の疾患を発症するための基礎原因若しくは危険因子であるという事実により強調される。体重の中程度の減少(初期体重の5〜10%)でさえ、肥満関連疾患を発症する危険因子を有意に低減することができ、かつ、肥満、アテローム形成性脂質代謝異常、高血圧およびインスリン抵抗性を特徴とするメタボリック症候群の状態を改善しうる。
【0004】
肥満を処置する必要性は広く認識されており、そして、成功裏の治療を開発するために全部の主要な製薬企業により努力がなされている。肥満は現在、1)生活習慣変更、2)減量に対する中程度の効果を有しかつ有意の副作用を伴う現在市場にある3種の薬物(Phentramine、OrlisataおよびSibutramine)ならびに3)外科手術により処置されている。
【0005】
グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)は、栄養摂取に応答して腸内分泌細胞から分泌される30アミノ酸のホルモンである。GLP−1は循環を移動しかつ膵のGLP−1受容体に結合してインスリン分泌の増大を引き起こす。加えて、GLP−1は、循環中に放出されるグルコースの量を低下する胃排出を低下させることが示されている。これらの作用は複合して血糖値を低下させる。従って、GLP−1の生物学的活性の機構は、それが2型糖尿病の処置のための魅力的な治療薬であり得ることを示唆する。GLP−1はまた肥満を処置する潜在性も有する。いくつかの研究が、末梢若しくは脳室内(ICV)いずれかで投与されるGLP−1が動物モデルで食物摂取を低下させることを示した。肥満の糖尿病患者で連続5日間GLP−1を送達するヒトでの試験は食物摂取の低下および体重の減少をもたらした。しかしながら、GLP−1はその例外的に短い半減期(T1/2約1〜2分)により治療薬として開発されていない。それはジペプチジルプロテアーゼ(DPP−IV)により迅速に分解され、従ってN末端の2アミノ酸だけ該ペプチドの長さを減少させかつそれを不活性化する。
【0006】
現在開発中であるか若しくは市場にある数種のGLP−1アナログが存在する。ByettaTMはAmylinおよびEli Lillyにより開発された最近上市されたGLP−1アナログである。それは当初アメリカドクトカゲの唾液中で同定され、そしてGLP−1に53%同一である。ByettaTMはDPP−IVに抵抗性であり、それでもなおそれは未だにその短いin vivo半減期(30分未満)に部分的により1日2回食前投与を必要とする。ByettaTMを2型糖尿病の治療として評価した臨床試験の間に、HbA1cレベルは82週の処置後におよそ1%低下した。興味深いことに、ByettaTMを服用する患者は試験の経過の間体重の持続的減少を有し(5〜10ポンド)、GLP−1アナログが肥満の処置に対する潜在性を有するという理論を裏付ける。リラグルチドはNovo Nordiskにより開発されている脂質付加GLP−1アナログであり、そして現在臨床試験中である。該分子の薬物動態に基づき、リラグルチドは1日1回投与されるであろうことが予期される。それが週1回若しくは月1回投与され得るような増大された半減期を有するGLP−1治療は、開発中の他のGLP−1ペプチドを上回る大きな利点を有するであろう。
【0007】
糖尿病は、効果的な薬物療法を待つ間に2025年までに3億超の人々を冒すであろうと推定される増大しつつある疫病である。2型糖尿病が全症例の90〜95%を占める。持続的な上昇した血漿グルコースレベルから生じる合併症は心血管系疾患、腎症、ニューロパシーおよび網膜症を包含する。糖尿病の現在の処置は、低血糖および体重増加を包含する多様な有害な副作用を伴う。加えて、2型糖尿病の現在の処置は該疾患を治癒しないが、しかし患者がインスリン療法を必要とするまでの時間を単に延長する。
【0008】
グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)は食物消化後に腸のL細胞から分泌される30アミノ酸のペプチドである。グルコース依存性のインスリン分泌作用、胃排出を遅延させる効果、ならびに食物摂取および体重の低下における役割を包含する多様な好都合な抗糖尿病作用のため、GLP−1は2型糖尿病を処置するための潜在的治療として広範に探求されてきた。しかしながら、天然のGLP−1は、それが2分未満である半減期を伴いプロテアーゼDPP−IVによりin vivoで迅速に不活性化されるために実現可能な治療薬でない。エキセナチドは2型糖尿病の処置に現在承認されているDPP−IV抵抗性のGLP−1アナログである。それは、そのin vivo半減期が30分未満であるために1日2回食前投与を必要とする小ペプチドである。
【0009】
上述された薬動力学的影響に加え、GLP−1およびエキセナチド双方はインスリンの末梢作用に正に影響を及ぼす。糖尿病ラットでの正常血糖高インスリンクランプ試験は、GLP−1若しくはエキセナチドの慢性のしかし急性でない投与がインスリン感受性の有意の改善に至ることを示した。
【0010】
従って、これらおよび当該技術分野で既知の他の問題の1種若しくはそれ以上を克服する改良かつ/若しくは改変されたバージョンのGLP−1治療的タンパク質を提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0011】
[発明の要約]
ミメティボディ構築物技術はペプチド治療薬に新規送達基盤を提供する。GLP−1ミメティボディ構築物はGLP−1ペプチドの持続性の様式での送達手段を提供することができ、現在開発中のGLP−1ペプチドを上回る改良を提供する。ByettaTMは該分子の半減期が比較的短い場合であっても持続性の減量を示す。持続性の薬物動態プロファイルをもつGLP−1アナログは、食物摂取および体重をより大きな程度まで低下させか
つインスリン感受性および脂質プロファイルを改善する可能性を有する。さらに、GLP−1ミメティボディ構築物は、開発中若しくは市場にある他のGLP−1アナログと極めて異なる。それはペプチドよりむしろ大型タンパク質であり、そしてそれは分子あたり2つのペプチドを有する。その大きさおよび二量体構造に基づき、GLP−1ミメティボディ構築物は他の分子に関して識別可能な特徴を有することが期待される。例えば、二量体分子によるGLP−1受容体の活性化は単量体分子と異なり、シグナル伝達経路の差違をもたらすことが可能である。加えて、該分子の大きさが、異なる薬動力学特性をもたらしうる非常に異なる組織分布プロファイルをもたらすことが可能である。
【0012】
本発明は、当該技術分野で既知であるものと組合せの、本明細書に記述かつ/若しくは可能にされるところの、改変タンパク質、ペプチド、免疫グロブリン、切断生成物ならびにそれらの他の指定される部分およびバリアントを包含するGLP−1ミメティボディ構築物を包含するヒトGLP−1受容体アゴニスト、ならびにGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の組成物、コードする若しくは相補な核酸、ベクター、宿主細胞、組成物、製剤、デバイス、トランスジェニック動物、トランスジェニック植物、ならびにそれらの作成および使用方法を提供する。
【0013】
好ましくは、こうしたGLP−1ミメティボディ構築物は、O−結合グリコシル化部位(限定されるものでないがVal−Xaa−Serを挙げることができる)をN−結合グリコシル化部位(限定されるものでないがAsn−Xaa−Ser若しくはGln−Xaa−Serを挙げることができる)に変えることにより発現、精製および/若しくは安定性について改良される。本発明は、GLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物(例えばアラニン)、若しくは限定されるものでないが配列Val−Xaa−Serを挙げることができるo−グリコシル化部位に対するこうした改良を提供し、好ましいとみられるとおり、例えば限定されるものでないが配列表中に提示される以下の残基でなされるところのAsn−Xaa−Ser若しくはGln−Xaa−SerのようなN−グリコシル化部位で置換され得る(すなわち、配列番号2、4、7〜14中の位置44;配列番号43、45中の位置64、配列番号44、46および51中の位置82;配列番号48、50、53〜55中の位置88、配列番号47中の位置89、配列番号49中の位置90;配列番号56および63中の位置103および/若しくは185;または配列番号60および61中の位置39;配列番号64中の位置79、あるいは本明細書に開示されるか若しくは当該技術分野で既知のところのいずれかの他の適する位置のN−グリコシル化部位Asn−Xaa−SerへのVal−Xaa−Ser(O−グリコシル化部位)の変化)。
【0014】
GLP−1受容体アゴニストは肥満の個体における体重の低減のための新規治療を提供するのに使用し得る。治療的有効性と相関することが既知である動物モデルにおいて、GLP−1受容体アゴニスト、CNTO 736、GLP−1ミメティボディ構築物は、食物摂取および脂肪量の減少により体重を減少させる。
【0015】
本発明はまた、本明細書に記述されかつ/若しくは当該技術分野で既知のところの最低1種の単離されたGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントも提供する。GLP−1ミメティボディ構築物は、最低1種のGLP−1治療的ペプチド(P)に直接結合されている任意のリンカー配列(L)と直接結合されている最低1種の部分的可変領域(V)と直接結合されている最低1種のヒンジ領域若しくはそのフラグメントの少なくとも一部分(H)と直接結合されている最低1種のCH2領域と直接結合されている最低1種のCH3領域を場合によっては含み得る。
【0016】
好ましい一態様において、一対のCH3−CH2−ヒンジ−部分的V領域配列−リンカー−治療的ペプチド配列(該対は、場合によっては、会合、あるいは限定されるものでないが最低1個のCys−Cysジスルフィド結合または最低1種のCH4若しくは他の免疫グロブリン配列を挙げることができる共有結合により連結されていてもよい)。一態様において、GLP−1ミメティボディ構築物は、限定されるものでないがIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgM、IgD、IgE、若しくはそれらのいずれかのサブクラスなどを挙げることができる多様なタイプの免疫グロブリン分子またはそれらのいずれかの組合せを模倣する、式(I):

a.(P(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、

[ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体であり、Lは該アゴニスト若しくはミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり、Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分であり、CH2は免疫グロブリンCH2定常領域の少なくとも一部分であり、CH3は免疫グロブリンCH3定常領域の少なくとも一部分であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る]
を含んでなる。
【0017】
抗体配列の可変領域は、限定されるものでないが、最低1個の置換、挿入若しくは欠失をさらに場合によっては含んでなる、配列番号47〜55の最低1種の少なくとも一部分若しくはそれらのフラグメントを挙げることができる。CH2、CH3およびヒンジ領域は、限定されるものでないが、対応する配列番号32〜40を伴い2004年6月24日に出願されかつ2005年1月20日に公開されたPCT公開第WO 05/05604号(第PCT US04/19898号)明細書の図32〜40にさらに記述されるところのような最低1個の置換、挿入若しくは欠失をさらに場合によっては含んでなる、表3に記述されるところの配列番号56〜64の最低1種若しくはそれらのフラグメントの少なくとも一部分を挙げることができる。
【0018】
従って、本発明のGLP−1ミメティボディ構築物は、GLP−1治療的ペプチドおよびその固有の若しくは獲得されたin vitro、in vivo若しくはin situ特性若しくは活性を提供しつつその固有の特性および機能を伴う抗体すなわち免疫グロブリンの構造若しくは機能の少なくとも一部分を模倣する。抗体の多様な部分および本発明のGLP−1ミメティボディ構築物の治療的ペプチド部分は、当該技術分野で既知であるものとともに本明細書に記述されるとおり変動し得る。
【0019】
本発明はまた、限定されるものでないが、本明細書に記述されるか若しくは当該技術分野で既知のところの式(I)のP部分に対応する最低1種の生物活性GLP−1ペプチド若しくはポリペプチドの既知の生物学的活性を挙げることができる最低1種の活性を有する最低1種の単離されたGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントも提供する。
【0020】
一局面において、本発明は、配列番号1の、または本明細書に記述されるか若しくは当該技術分野で既知のところの1個若しくはそれ以上の置換、欠失若しくは挿入を場合によっては伴う最低1種のポリペプチド配列を含んでなる最低1種の単離されたヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物を提供する。別の局面において、本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、最低1〜3を含んでなる最低1個のエピトープ、最低1種のリガンド、例えば限定されるものでないがGLP−1受容体のアミノ酸配列全体、またはそれらのフラグメントへの、最低1種のGLP−1ペプチド若しくは式(I)中のミメティボディのP部分に対応するポリペプチドの結合を模倣し、該リガンドは、配列番号1の、または本明細書に記述されるか若しくは当該技術分野で既知のところの1個若しくはそれ以上の置換、欠失若しくは挿入を場合によっては伴う少なくとも一部分に結合する。該最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物は、場合によっては最低10−9M、最低10−10M、最低10−11M若しくは最低10−12Mの親和性でGLP−1受容体を結合し得る。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物は従って、限定されるものでないが受容体若しくはそのフラグメントに対する結合活性を挙げることができる対応する活性について既知の方法に従ってスクリーニングし得る。
【0021】
本発明はさらに、本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物に対する最低1種の抗イディオタイプ抗体を提供する。抗イディオタイプ抗体若しくはフラグメントは、本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物を特異的に結合する。該抗イディオタイプ抗体は、限定されるものでないが、本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物のGLP−1リガンド結合領域を競合的に結合する、H若しくはL鎖の最低1個の相補性決定領域(CDR)またはそれらのリガンド結合部分、H鎖若しくはL鎖可変領域、H鎖若しくはL鎖定常領域、枠組み領域あるいはそれらのいずれかの部分を挙げることができる免疫グロブリン分子の少なくとも一部分を含んでなるいかなるタンパク質若しくはペプチド含有分子も包含する。本発明のこうしたイディオタイプ抗体は、限定されるものでないがヒト、マウス、ウサギ、ラット、げっ歯類、霊長類などを挙げることができるいかなる哺乳動物も包含し得るか若しくはそれらに由来し得る。
【0022】
本発明は、一局面において、最低1種の指定される配列、それらのドメイン、部分若しくはバリアントを含んでなる、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の抗イディオタイプ抗体、あるいはそれらの指定される部分若しくはバリアントをコードするポリヌクレオチドを含んでなる、それらに相補的、それらに対する有意の同一性を有する若しくはそれらにハイブリダイズする単離された核酸分子を提供する。本発明はさらに、前記単離されたGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の抗イディオタイプ抗体をコードする核酸分子の最低1種を含んでなる組換えベクター、こうした核酸および/若しくは組換えベクターを含有する宿主細胞、ならびに、こうしたGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の抗イディオタイプ抗体の核酸、ベクターおよび/若しくは宿主細胞の作成および/若しくは使用方法を提供する。
【0023】
最低1種の単離された哺乳動物GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の抗イディオタイプ抗体をコードする単離された核酸;該単離された核酸を含んでなる単離された核酸ベクター、および/あるいは該単離された核酸を含んでなる原核生物若しくは真核生物宿主細胞もまた提供される。宿主細胞は、場合によっては、COS−1、COS−7、HEK293、BHK21、CHO、BSC−1、Hep G2、653、SP2/0、293、HeLa、骨髄腫若しくはリンパ腫細胞、またはそれらのいずれかの誘導体、不死化若しくは形質転換細胞から選択される最低1種であり得る。
【0024】
本発明はまた、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の抗イディオタイプ抗体、あるいは指定される部分若しくはバリアントが検出可能かつ/若しくは回収可能な量
で発現される条件下で本明細書に記述されかつ/若しくは当該技術分野で既知のところの宿主細胞を培養することを含んでなる、宿主細胞中での最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の抗イディオタイプ抗体、あるいは指定される部分若しくはバリアントの最低1種の発現方法も提供する。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の抗イディオタイプ抗体が検出可能な若しくは回収可能な量で発現されるようなin vitro、in vivo若しくはin situ条件下でGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の抗イディオタイプ抗体をコードする核酸を翻訳することを含んでなる、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の抗イディオタイプ抗体の製造方法もまた提供される。
【0025】
GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1抗イディオタイプ抗体を回収可能な量で発現することが可能な宿主細胞またはトランスジェニック動物若しくはトランスジェニック植物を提供することを含んでなる、本発明の最低1種の単離されたヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1抗イディオタイプ抗体の製造方法もまた提供される。
【0026】
上の方法により製造された最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物が本発明でさらに提供される。
【0027】
本発明はまた、(a)本明細書に記述されるところの単離されたGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードする核酸および/あるいはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物;ならびに(b)適する担体若しくは希釈剤を含んでなる最低1種の組成物も提供する。担体若しくは希釈剤は場合によっては既知の方法により製薬学的に許容できることができる。組成物は場合によっては最低1種のさらなる化合物、タンパク質若しくは組成物をさらに含み得る。
【0028】
最低1種の単離されたヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物および最低1種の製薬学的に許容できる担体若しくは希釈剤を含んでなる組成物もまた提供される。該組成物は、場合によっては、糖尿病薬、インスリン代謝関連薬物、糖代謝関連薬物、検出可能な標識若しくはレポーター、抗感染薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸(GI)管薬、ホルモン薬、液体若しくは電解質バランスのための薬物、血液製剤、抗腫瘍薬、免疫調節薬、眼、耳若しくは鼻の薬物、局所薬、栄養薬、TNFアンタゴニスト、抗リウマチ薬、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NTHE)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬、抗乾癬薬、コルチコステロイド、蛋白同化ステロイド、エリスロポエチン、免疫化、免疫グロブリン、免疫抑制薬、成長ホルモン、ホルモン補充薬、放射性医薬品、抗うつ薬、抗精神病薬、興奮剤、喘息薬、βアゴニスト、吸入ステロイド、エピネフリン若しくはアナログ、サイトカインまたはサイトカインアンタゴニストの最低1種から選択される最低1種の化合物若しくはタンパク質の有効量をさらに含み得る。
【0029】
本発明はまた、治療上若しくは予防上有効な量の本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの最低1種の組成物、デバイスおよび/若しくは送達方法も提供する。
【0030】
本発明はさらに、当該技術分野で既知かつ/若しくは本明細書に記述されるところの、細胞、組織、器官、動物若しくは患者においてかつ/または関連する状態の前、後若しく
は間に最低1種のGLP−1関連状態を調節若しくは処置するために治療上有効な量を投与するための最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の方法若しくは組成物を提供する。
【0031】
本発明はさらに、当該技術分野で既知のところの、細胞、組織、器官、動物若しくは患者においてかつ/または限定されるものでないが関連疾患若しくは処置状態の前、後若しくは間を挙げることができる多くの異なる状態で必要とされるところの最低1種の代謝、免疫、心血管、感染性、悪性および/若しくは神経学的疾患の症状を処置若しくは低減するための調節のために治療上有効な量で投与される場合の方法若しくは組成物における最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、指定される部分若しくはバリアントを提供する。
【0032】
本発明はさらに、当該技術分野で既知のところの、限定されるものでないが関連疾患若しくは処置状態の前、後若しくは間を挙げることができる多くの異なる状態で必要とされるところの、インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連障害、糖代謝関連障害、骨および関節の障害、心血管障害、歯若しくは口腔障害、皮膚科障害、耳、鼻若しくは喉の障害、内分泌若しくは代謝障害、胃腸障害、婦人科障害、肝若しくは胆汁障害、産科障害、血液学的障害、免疫学的若しくはアレルギー性障害、感染性疾患、筋骨格障害、腫瘍学的障害、神経学的障害、栄養障害、眼科障害、小児科障害、中毒障害、精神障害、腎障害、肺障害、またはいずれかの他の既知の障害(例えばThe Merck Manual、第17版、Merck Research Laboratories、Merck and Co.、ニュージャージー州ホワイトハウスステーション(1999)(引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)を参照されたい)の最低1種の症状を処置若しくは低減するための調節のために治療上有効な量で投与される場合の方法若しくは組成物における最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、指定される部分若しくはバリアントを提供する。
【0033】
本発明はまた、本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物のGPL−1関連状態を診断するための最低1種の組成物、デバイスおよび/若しくは送達方法も提供する。
【0034】
本発明はさらに、当該技術分野で既知かつ/若しくは本明細書に記述されるところの、細胞、組織、器官、動物若しくは患者においてかつ/または関連状態の前、後若しくは間の最低1種のGLP−1関連状態を診断するための最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の方法若しくは組成物を提供する。
【0035】
(a)本発明の最低1種の単離されたヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、該細胞、組織、器官若しくは動物における疾患状態の診断若しくは処置方法もまた提供される。該方法は、場合によっては、0〜24時間、1〜7日、1〜52週、1〜24か月、1〜50年またはその中のいずれかの範囲若しくは値あたり、細胞、組織、器官若しくは動物1キログラムあたり0.001〜50mgの有効量、またはin vitro若しくはin situでなされる場合は同等の濃度若しくはモル濃度を使用することをさらに含み得る。該方法は、場合によっては、in vitro、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻内若しくは経皮から選択される最低1様式により接触若しくは投与することを使用することをさらに含み得る。該方法は、糖尿病薬、インスリン代謝関連薬物、糖代謝関連薬物、検出可能な標識若しくはレポーター、抗感染薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸(GI)管薬、ホルモン薬、液体若しくは電解質バランスのための薬物、血液製剤、抗腫瘍薬、免疫調節薬、眼、耳若しくは鼻の薬物、局所薬、栄養薬、TNFアンタゴニスト、抗リウマチ薬、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬、抗乾癬薬、コルチコステロイド、蛋白同化ステロイド、エリスロポエチン、免疫化、免疫グロブリン、免疫抑制薬、成長ホルモン、ホルモン補充薬、放射性医薬品、抗うつ薬、抗精神病薬、興奮剤、喘息薬、βアゴニスト、吸入ステロイド、エピネフリン若しくはアナログ、サイトカイン、サイトカインアンタゴニスト、ビタミン、成長因子または抗酸化剤の最低1種から選択される最低1種の化合物若しくはタンパク質の有効量を含んでなる最低1種の組成物を、(a)の接触若しくは投与することの前、同時に若しくは後に投与することを場合によってはさらに含み得る。
【0036】
本発明の最低1種の単離されたヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物を含んでなる医療機器もまた提供され、該デバイスは、in vitro、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻内若しくは経皮から選択される最低1様式により最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物を接触若しくは投与するのに適する。
【0037】
包装資材、および溶液若しくは凍結乾燥された形態の本発明の最低1種の単離されたヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物を含んでなる容器を含んでなる、ヒトの製薬学的若しくは診断的使用のための製品もまた提供される。該製品は、場合によっては、in vitro、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻内若しくは経皮の送達デバイス若しくは系の一成分として該容器を有することを含み得る。
【0038】
本発明はさらに、本明細書に記述されるいかなる発明も提供する。
【0039】
[発明の詳細な記述]
本発明は、単離された、組換えのかつ/若しくは合成のミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント、ならびに最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物をコードする最低1種のポリヌクレオチドを含んでなる組成物およびコーディング核酸分子を提供する。本発明のこうしたミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、特定のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の配列、それらのドメイン、フラグメントおよび指定されるバリアント、ならびに、治療的組成物、方法およびデバイスを包含する前記核酸およびミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの作成および使用方法を含んでなる。
【0040】
好ましくは、こうしたGLP−1ミメティボディ構築物は、O−結合グリコシル化部位(限定されるものでないがVal−Xaa−Serを挙げることができる)をN−結合グリコシル化部位(限定されるものでないがAsn−Xaa−Ser若しくはGln−Xaa−Serを挙げることができる)に変えることにより、発現、精製および/若しくは安
定性について改良される。本発明はGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物にこうした改良を提供する。
【0041】
本発明はまた、本明細書に記述されかつ/若しくは当該技術分野で既知のところの最低1種の単離されたGLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントも提供する。GLP−1ミメティボディ構築物は、場合によっては、最低1種のGLP−1治療的ペプチド(P)に直接結合されている任意のリンカー配列(L)と直接結合されている最低1種の部分的可変領域(V)と直接結合されている最低1種のヒンジ領域若しくはそのフラグメント(H)と直接結合されている最低1種のCH2領域と直接結合されている最低1種のCH3領域を含み得る。
【0042】
好ましい一態様において、GLP−1ミメティボディ構築物は、限定されるものでないがIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgM、IgD、IgE若しくはそれらのいずれかのサブクラスなどを挙げることができる多様なタイプの免疫グロブリン分子またはそれらのいずれかの組合せを模倣する、式(I):

b.((P(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、

を含んでなり、ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ポリペプチドであり、Lは、該ミメティボディが代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり、Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分であり、CH2は免疫グロブリンCH2定常領域の少なくとも一部分であり、CH3は免疫グロブリンCH3定常領域の少なくとも一部分であり、m、n、o、p、q、r、sおよびtは独立に0と10の間かつそれらを包含する整数であり得る。
【0043】
好ましくは、こうしたGLP−1ミメティボディ構築物は、O−結合グリコシル化部位(限定されるものでないがVal−Xaa−Serを挙げることができる)をN−結合グリコシル化部位(限定されるものでないがAsn−Xaa−Ser若しくはGln−Xaa−Serを挙げることができる)に変えることにより、発現、精製および/若しくは安定性について改良される。本発明はGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物にこうした改良を提供する。
【0044】
従って、本発明のGLP−1ミメティボディ構築物は、治療的ペプチドおよびその固有の若しくは獲得されたin vitro、in vivo若しくはin situの特性若しくは活性を提供しつつその固有の特性および機能を伴う抗体構造を模倣する。t=1の好ましい一態様において、単量体CH3−CH2−ヒンジ−部分的J配列−リンカー−治療的ペプチドは、会合、若しくは限定されるものでないがCys−Cysジスルフィド結合を挙げることができる共有結合により他の単量体に連結され得る。抗体の多様な部分および本発明の最低1種のGLP−1ミメティボディ構築物のGLP−1治療的ペプチド部分は、当該技術分野で既知であるものとともに本明細書に記述されるとおり変動し得る。
【0045】
CH3−CH2−ヒンジの部分は広範囲に修飾されて本発明のバリアントを形成しうるが、但しサルベージ受容体への結合が維持される。こうしたバリアントでは、本発明の融合分子により必要とされない構造上の特徴若しくは機能的活性を提供する1個若しくはそれ以上の天然の部位を除去しうる。例えば、残基を置換若しくは欠失すること、該部位に残基を挿入すること、または該部位を含有する部分を切断することによりこれらの部位を除去しうる。挿入若しくは置換された残基は、ペプチド模倣物若しくはD−アミノ酸のよ
うな変えられたアミノ酸でもまたありうる。CH3−CH2−ヒンジの1バリアントは、(1)ジスルフィド結合形成、(2)選択された宿主細胞との不適合性、(3)選択された宿主細胞中での発現に際しての不均一性、(4)グリコシル化、(5)補体との相互作用、(6)サルベージ受容体以外のFc受容体への結合、若しくは(7)抗体依存性細胞傷害(ADCC)に影響を及ぼすか若しくは関与する1個若しくはそれ以上の天然の部位若しくは残基を欠くことがある。例示的CH3−CH2−ヒンジバリアントは以下の分子および配列を包含する:1.ジスルフィド結合形成に関与する部位が除去されている。こうした除去は、本発明の分子を産生させるのに使用される宿主細胞中に存在する他のシステイン含有タンパク質との反応を回避しうる。この目的上システイン残基を除去若しくは他のアミノ酸で置換しうる(例えばアラニル、セリル)。システイン残基が除去されている場合であっても、一本鎖CH3−CH2−ヒンジドメインは非共有的に一緒に保持される二量体のCH3−CH2−ヒンジドメインをなお形成し得る;2.CH3−CH2−ヒンジ領域は、選択された宿主細胞とそれをより適合性にするように改変される。例えば、該分子を大腸菌(E.coli)のような細菌細胞中で組換え的に発現させる場合、プロリンイミノペプチダーゼのような大腸菌(E.coli)中の消化酵素により認識されうるヒンジ中のPA配列を除去しうる;3.選択された宿主細胞中で発現させる場合の不均一性を予防するためにヒンジ領域の一部分を欠失若しくは他のアミノ酸で置換する;4.1個若しくはそれ以上のグリコシル化部位を除去する。典型的にグリコシル化される残基(例えばバリン若しくはアスパラギン)は細胞溶解応答を賦与しうる。こうした残基は欠失しうるか、若しくはグリコシル化されない残基(例えばアラニン)で置換しうるか、あるいは、限定されるものでないが配列Val−Xaa−Serを挙げることができるo−グリコシル化部位を、好ましいとみられるとおり、例えば配列表中に提示される以下の残基でなされるところのAsn−Xaa−Ser若しくはGln−Xaa−SerのようなN−グリコシル化部位で置換し得る(すなわち、配列番号2、4、7〜14中の位置44;配列番号43、45中の位置64、配列番号44、46および51中の位置82;配列番号48、50、53〜55中の位置88、配列番号47中の位置89、配列番号49中の位置90;配列番号56および63中の位置103および/若しくは185;または配列番号60および61中の位置39;配列番号64中の位置79、あるいは本明細書に開示されるか若しくは当該技術分野で既知のところのいずれかの他の適する位置のN−グリコシル化部位Asn−Xaa−SerへのVal−Xaa−Ser(O−グリコシル化部位)の変化);5.C1q結合部位のような補体との相互作用に関与する部位を除去する。補体の動員は本発明の分子に有利でないことがあり、そして従ってこうしたバリアントで回避しうる;6.サルベージ受容体以外のFc受容体への結合に影響を及ぼす部位を除去する。CH3−CH2−ヒンジ領域は、本発明の融合分子に必要とされないある種の白血球との相互作用のための部位を有することがあり、そして従って除去しうる;7.ADCC部位を除去する。ADCC部位は当該技術分野で既知であり;例えばIgG1中のADCC部位に関してMolec.Immunol.29(5):633−9(1992)を参照されたい。これらの部位は同様に本発明の融合分子に必要とされずそして従って除去しうる。
【0046】
リンカーポリペプチドは、該ミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供する。存在する場合、その化学構造は決定的に重要ではない。リンカーは、好ましくは、ペプチド結合により一緒に連結されたアミノ酸から構成される。従って、好ましい態様において、リンカーはペプチド結合により連結された1から20までのアミノ酸から構成され、該アミノ酸は20種の天然に存在するアミノ酸から選択される。これらのアミノ酸の数種は、当業者により十分に理解されるとおりグリコシル化されうる。より好ましい一態様において、該1ないし20アミノ酸はグリシン、アラニン、セリン、プロリン、アスパラギン、グルタミンおよびリシンから選択される。なおより好ましくは、リンカーはグリシンおよびアラニンのような立体障害のない大多数のアミノ酸から構成される。従って、好ましいリンカーは、ポリ(Gly−
Ser)、ポリグリシン(とりわけ(Gly)、(Gly))、ポリ(Gly−Ala)およびポリアラニンである。リンカーの他の特定の例は:(Gly)Lys(Gly)(配列番号65)、(Gly)AsnGlySer(Gly)(配列番号66)、(Gly)Cys(Gly)(配列番号67)およびGlyProAsnGlyGly(配列番号68)である。
【0047】
上の命名法を説明するため、例えば(Gly)Lys(Gly)はGly−Gly−Gly−Lys−Gly−Gly−Gly−Glyを意味している。GlyおよびAlaの組合せもまた好ましい。ここで示されるリンカーは例示的であり;本発明の範囲内のリンカーははるかにより長くてもよく、また、他の残基を包含しうる。
【0048】
非ペプチドリンカーもまた可能である。例えば−NH−(CH)s−C(O)−(ここでs=2〜20)のようなアルキルリンカーを使用し得る。これらのアルキルリンカーは、低級アルキル(例えばC−C)低級アシル、ハロゲン(例えばCl、Br)、CN、NH2、フェニルなどのようないかなる立体障害のない基によってもさらに置換されうる。例示的一非ペプチドリンカーは100ないし5000kD、好ましくは100ないし500kDの分子量を有するPEGリンカーである。ペプチドリンカーは上述されたと同一の様式で誘導体を形成するように変えてもよい。
【0049】
本明細書で使用されるところの「GLP−1ペプチド」または「GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体」は、最低1種のGLP−1ペプチド、GLP−1フラグメント、GLP−1ホモログ、GLP−1アナログ若しくはGLP−1誘導体であり得る。GLP−1ペプチドは、それらが膵のβ細胞のGLP−1受容体に結合することによりインスリン分泌活性を表すような天然のGLP−1(7−37)に対する十分な相同性を有する約25から約45個までの天然に存在する若しくは天然に存在しないアミノ酸を有する。GLP−1(7−37)は、配列番号15:His−Ala−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Val−Ser−Ser−Tyr−Leu−Glu−Gly−Gln−Ala−Ala−Lys−Glu−Phe−Ile−Ala−Trp−Leu−Val−Lys−Gly−Arg−Glyのアミノ酸配列を有する。
【0050】
GLP−1フラグメントは、GLP−1(7−37)またはそのアナログ若しくは誘導体のN末端および/若しくはC末端からの1個若しくはそれ以上のアミノ酸の切断後に得られるポリペプチドである。GLP−1ホモログは、GLP−1(7−37)またはそのフラグメント若しくはアナログのN末端および/若しくはC末端に1個若しくはそれ以上のアミノ酸が付加されたペプチドである。GLP−1アナログは、GLP−1(7−37)の1個若しくはそれ以上のアミノ酸が修飾かつ/若しくは置換されているペプチドである。GLP−1アナログは、該アナログがインスリン分泌活性を有するようなGLP−1(7−37)若しくはGLP−1(7−37)のフラグメントに対する十分な相同性を有する。GLP−1誘導体は、GLP−1ペプチド、GLP−1ホモログ若しくはGLP−1アナログのアミノ酸配列を有するがしかしそのアミノ酸側基、α−炭素原子、末端アミノ基若しくは末端カルボン酸基の1個若しくはそれ以上の化学修飾を付加的に有する分子と定義される。
【0051】
多数の活性のGLP−1フラグメント、アナログおよび誘導体が当該技術分野で既知であり、そしてこれらのアナログおよび誘導体のいずれもまた本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の一部であり得る。当該技術分野で既知の数種のGLP−1アナログおよびGLP−1フラグメントは、米国特許第5,118,666号、同第5,977,071号および同第5,545,618号明細書、ならびにAdelhorstら、J.Biol.Chem.269:6275(1994)に開示されている。例は、限定されるものでないがGLP−1(7−34)、GLP−1(7−35)、GLP−1(7−36)、Gln9−GLP−1(7−37)、D−Gln9−GLP−1(7−37)、Thr16−Lys18−GLP−1(7−37)およびLys18−GLP−1(7−37)を挙げることができる。
【0052】
「GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物」、「GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物部分」または「GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物フラグメント」および/あるいは「GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物バリアント」などは、限定されるものでないが配列番号1の最低1種を挙げることができる最低1種のGLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体の限定されるものでないがin vitro、in situおよび/若しくは好ましくはin vivoのリガンド結合を挙げることができる最低1種の生物学的活性を有するか、模倣するか若しくは刺激する。例えば、適するGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、指定される部分若しくはバリアントはまた、最低1種のGLP−1受容体のシグナル伝達または他の測定可能若しくは検出可能な活性も調節、増大、修飾、活性化し得る。
【0053】
本発明の方法および組成物で有用なGLP−1ミメティボディ構築物は、タンパク質リガンド、例えばGLP−1受容体に結合する適する親和性、および場合によってはかつ好ましくは低毒性を有することを特徴とする。とりわけ、可変領域、定常領域(CH1部分を含まない)および枠組みの部分、またはそのいずれかの部分(例えば可変H若しくはL鎖のJ、D若しくはV領域の一部分;最低1種のヒンジ領域、定常H鎖若しくはL鎖の少なくとも一部分など)のような個々の成分が個別にかつ/若しくは集合的に場合によってはかつ好ましくは低免疫原性を有するGLP−1ミメティボディ構築物が本発明で有用である。本発明で使用し得るミメティボディ構築物は、症状の良好ないし優れた軽減および低毒性を伴い長期間患者を処置するそれらの能力を場合によっては特徴とする。低免疫原性および/若しくは高親和性ならびに他の定義されない特性が、達成される治療成績に貢献しうる。「低免疫原性」は、処置される患者の約75%未満、または好ましくは約50、45、40、35、30、35、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2および/若しくは1%未満で有意のHAMA、HACA若しくはHAHA応答を生じさせること、ならびに/あるいは処置される患者で低力価(二重抗原エンザイムイムノアッセイで測定される約300未満、好ましくは約100未満)を生じさせることと本明細書で定義する(例えばElliottら、Lancet 344:1125−1127(1994)を参照されたい)。
【0054】
利用性。本発明の単離された核酸は、限定されるものでないがインスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連障害、過剰な体脂肪に関係するいずれかの太りすぎ状態、インスリン代謝関連障害、糖代謝関連障害、免疫障害若しくは疾患、心血管障害若しくは疾患、感染性、悪性および/若しくは神経学的障害若しくは疾患、ならびに他の既知の若しくは指定されるタンパク質関連態の最低1種から選択される最低1種のインスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態を調節、処置、軽減する、その発生を予防するのを助ける、若しくはその症状を低下させることを細胞、組織、器官若しくは動物(哺乳動物およびヒトを包含する)で遂げるために使用し得る、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、それらのフラグメント若しくは指定されるバリアントの製造に使用し得る。
【0055】
こうした方法は、症状、効果若しくは機構のこうした調節、処置、軽減、予防若しくは低下の必要な細胞、組織、器官、動物若しくは患者に最低1種のGLP−1受容体アゴニストまたは受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物あるいは指定される部分若しくはバリアントを含んでなる組成物または製薬学的組成物の有効量を投与することを含み得る。有効量は、本明細書に記述されるか若しくは関連技術分野で既知のところの既知の
方法を使用して行われかつ決定されるとおり、単一若しくは複数投与あたり約0.0001ないし500mg/kgの、または単一若しくは複数投与あたり0.01〜5000μg/ml血清濃度の血清濃度あるいはその中のいずれかの有効範囲若しくは値を達成するための量を含み得る。
【0056】
引用。本明細書で引用される全部の刊行物若しくは特許は、それらが本発明の時点での従来技術を示すためにかつ/若しくは本発明の記述および使用可能性を提供するために、引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる。刊行物は、いかなる学術的若しくは特許刊行物、または全部の録音・録画、電子若しくは印刷形式を包含するいずれかの媒体形式で利用可能ないかなる他の情報も指す。以下の参考文献は引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる:Ausubelら編、Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons,Inc.、ニューヨーク州ニューヨーク(1987−2005);Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989);HarlowとLane、Antibodies,a Laboratory Manual、ニューヨーク州コールドスプリングハーバー(1989);Colliganら編、Current Protocols in Immunology、John Wiley & Sons,Inc.、ニューヨーク(1994−2005);Colliganら、Current Protocols in Protein Science、John Wiley & Sons、ニューヨーク州ニューヨーク(1997−2005)。
【0057】
本発明のミメティボディ構築物。GLP−1ミメティボディ構築物は、場合によっては、最低1種のGLP−1治療的ペプチド(P)に直接結合されている任意のリンカー配列(L)と直接結合されている最低1種の部分的可変領域(V)と直接結合されている最低1種のコアヒンジ領域を含んでなるような最低1種のヒンジ領域フラグメントの少なくとも一部分(H)と直接結合されている最低1種のCH2領域と直接結合されている最低1種のCH3領域を含み得る。好ましい一態様において、一対のCH3−CH2−H−V−L−Pは、会合、若しくは限定されるものでないがCys−Cysジスルフィド結合を挙げることができる共有結合により連結され得る。従って、本発明のGLP−1ミメティボディ構築物は、治療的ペプチドおよびその固有の若しくは獲得されたin vitro、in vivo若しくはin situの特性若しくは活性を提供しつつその固有の特性および機能を伴う抗体構造を模倣する。抗体の多様な部分および本発明の最低1種のGLP−1ミメティボディ構築物の治療的ペプチド部分は、当該技術分野で既知であるものとともに本明細書に記述されるとおり変動し得る。
【0058】
本発明のミメティボディ構築物は、従って、限定されるものでないが、延長された半減期、増大された活性、より特異的な活性、増大されたアビディティー、増大若しくは減少されたオフ速度(off rate)、活性の選択された若しくはより適するサブセット、より小さい免疫原性、最低1種の所望の治療効果の増大された質若しくは持続期間、より少ない副作用などの最低1種を挙げることができる、既知のタンパク質と比較して最低1種の適する特性を提供する。
【0059】
式(I)のミメティボディ構築物のフラグメントは、当該技術分野で既知かつ/若しくは本明細書に記述されるところの酵素切断、合成若しくは組換え技術により製造し得る。ミメティボディ構築物はまた、1個若しくはそれ以上の終止コドンが天然の終止部位の上流に導入された抗体遺伝子を使用して多様な切断型でも製造し得る。ミメティボディ構築物の多様な部分を慣習的技術により化学的に一緒に結合し得るか、若しくは遺伝子工学技術を使用して連続した1タンパク質として製造し得る。例えば、ヒト抗体鎖の定常領域の
最低1種をコードする核酸を発現させて本発明のミメティボディ構築物での使用のための連続したタンパク質を製造し得る。例えば、一本鎖抗体に関してLadnerら、米国特許第4,946,778号明細書およびBird,R.E.ら、Science、242:423−426(1988)を参照されたい。
【0060】
本明細書で使用されるところの「ヒトミメティボディ構築物」という用語は、該タンパク質の実質的にすべての部分(例えばGLP−1ペプチド、Cドメイン(例えばC2、C3)、ヒンジ、V)が、ただ小さな配列の変化若しくは変動を伴いヒトで実質的に非免疫原性であることが期待される抗体を指す。こうした変化若しくは変動は、場合によってはかつ好ましくは、改変されないヒト抗体若しくは本発明のミメティボディ構築物に関してヒトでの免疫原性を保持若しくは低下する。従って、ヒト抗体および対応する本発明のGLP−1ミメティボディ構築物はキメラ若しくはヒト化抗体と異なる。ヒト免疫グロブリン(例えばH鎖および/若しくはL鎖)遺伝子を発現することが可能であるヒト以外の動物若しくは細胞によりGLP−1ミメティボディ構築物を製造し得ることが指摘される。
【0061】
それらの最低1種のタンパク質リガンドに特異的であるヒトミメティボディ構築物を、単離されたGLP−1受容体若しくは(合成ペプチドのような合成分子を包含する)その一部分のような適切なリガンドに対し設計し得る。こうしたミメティボディ構築物の製造は、最低1種のタンパク質若しくはその部分のリガンド結合領域若しくは配列を同定かつ特徴付けするための既知技術を使用して実施する。
【0062】
好ましい一態様において、本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、最低1種の細胞株、混合細胞株、不死化細胞、または不死化かつ/若しくは培養細胞のクローン集団により産生される。不死化タンパク質産生細胞は適する方法を使用して製造し得る。好ましくは、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、機能的に再配列されているか若しくは機能的再配列を受け得かつ限定されるものでないが式(I)[ここで当該技術分野で既知のとおりC末端可変領域の部分をVに、ヒンジ領域をHに、CH2をCH2におよびCH3をCH3に使用し得る]を挙げることができる本明細書に記述されるところのアゴニスト若しくはミメティボディ構築物の構造をさらに含んでなる最低1種のヒト免疫グロブリン遺伝子座由来の若しくはそれに実質的に類似の配列を有するDNAを含んでなる核酸若しくはベクターを提供することにより生成される。
【0063】
本明細書で使用されるところの「機能的に再配列される」という用語は、V(D)J組換えを受けておりそれにより1免疫グロブリン鎖(例えばH鎖)若しくはそのいずれかの部分をコードする免疫グロブリン遺伝子を生じる免疫グロブリン遺伝子座からの核酸の1セグメントを指す。機能的に再配列された免疫グロブリン遺伝子は、例えばヌクレオチド配列決定、遺伝子セグメント間のコーディング結合部にアニーリングし得るプローブを使用するハイブリダイゼーション(例えばサザンブロッティング、ノーザンブロッティング)、若しくは遺伝子セグメント間のコーディング結合部にアニーリングし得るプライマーを用いる免疫グロブリン遺伝子の酵素的増幅(例えばポリメラーゼ連鎖反応)のような適する方法を使用して直接若しくは間接的に同定し得る。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、または特定の可変領域若しくは特定の配列(例えば最低1種のP配列)を含んでなる可変領域を含んでなる部分若しくはバリアントを細胞が産生するかどうかもまた、適する方法を使用して決定し得る。
【0064】
本発明のミメティボディ構築物、指定される部分およびバリアントは、それらの乳中でこうしたミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを産生するヤギ
、ウシ、ウマ、ヒツジなどのようなトランスジェニック動物すなわち哺乳動物を提供するように、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードする核酸を使用してもまた製造し得る。こうした動物は抗体をコードする配列に適用されるところの既知の方法を使用して提供し得る。例えば、限定されるものでないが米国特許第5,827,690号;同第5,849,992号;同第4,873,316号;同第5,849,992号;同第5,994,616号;同第5,565,362号;同第5,304,489号明細書など(それらのそれぞれは引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)を参照されたい。
【0065】
本発明のミメティボディ構築物、指定される部分およびバリアントは、植物部分若しくはそれらから培養された細胞中でこうしたミメティボディ構築物、指定される部分若しくはバリアントを産生するトランスジェニック植物および培養植物細胞(限定されるものでないがタバコおよびトウモロコシを挙げることができる)を提供するように、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードする核酸を使用して付加的に製造し得る。制限しない一例として、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコ葉が、例えば誘導可能なプロモーターを使用して、大量の組換えタンパク質を提供するのに成功裏に使用されている。例えばCramerら、Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95−118(1999)およびその中に引用される参考文献を参照されたい。また、トランスジェニックトウモロコシ(maize)すなわちトウモロコシ(corn)が、他の組換え系で産生若しくは天然の供給源から精製されたものに同等な生物学的活性を伴い商業生産レベルで哺乳動物タンパク質を発現させるのに使用されている。例えばHoodら、Adv.Exp.Med.Biol.464:127−147(1999)およびその中に引用される参考文献を参照されたい。一本鎖ミメティボディ構築物(scFv)のような抗体フラグメントを包含する抗体は、タバコ種子およびバレイショ塊茎を包含するトランスジェニック植物種子からもまた大量に産生されている。例えばConradら、Plant Mol.Biol.38:101−109(1998)およびその中に引用される参考文献を参照されたい。従って、本発明のミメティボディ構築物、指定される部分およびバリアントは既知の方法に従ってトランスジェニック植物を使用してもまた産生し得る。例えばFischerら、Biotechnol.Appl.Biochem.30:99−108(Oct、1999)、Maら、Trends Biotechnol.13:522−7(1995);Maら、Plant Physiol.109:341−6(1995);Whitelamら、Biochem.Soc.Trans.22:940−944(1994);およびそれらの中で引用される参考文献もまた参照されたい。上の参考文献は引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる。
【0066】
本発明のミメティボディ構築物は広範な親和性(K)でヒトタンパク質リガンドを結合し得る。好ましい一態様において、本発明の最低1種のヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物は、場合によっては最低1種のタンパク質リガンドを高親和性で結合し得る。例えば、本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物は、約10−7Mに等しいか若しくはそれ未満のK、あるいはより好ましくは約0.1〜9.9(またはその中のいずれかの範囲若しくは値)×10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12若しくは10−13Mまたはその中のいずれかの範囲若しくは値に等しいか若しくはそれ未満のKで最低1種のタンパク質リガンドを結合し得る。
【0067】
最低1種のタンパク質リガンドに対するGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物のアフィニティー若しくはアビディティーは、例えば抗体−抗原結合のアフィニティー若しくはアビディティーを測定するのに使用されるところのいずれかの適する方法を使用して実験的に測定し得る。(例えば、Fundamental Immunology、Paul,W.E.編、Raven Press:ニューヨーク州ニューヨーク(1984)中、Berzofskyら、“Antibody−Antigen Interactions”;Kuby,Janis Immunology、W.H.Freeman and Company:ニューヨーク州ニューヨーク(1992);およびその中に記述される方法を参照されたい)。特定のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物とリガンドの相互作用の測定されるアフィニティーは、異なる条件(例えば塩濃度、pH)下で測定される場合に変動し得る。従って、アフィニティーおよび他のリガンド結合パラメータ(例えばK、K、K)の測定は、好ましくはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物およびリガンドの標準化された溶液、ならびに本明細書に記述されるか若しくは当該技術分野で既知の緩衝液のような標準化された緩衝液を用いて行う。
【0068】
核酸分子。それらの指定されるフラグメント、バリアント若しくはコンセンサス配列をさらに含んでなる、配列番号1および6の少なくとも一方、ならびに抗体の少なくとも一部分の連続するアミノ酸の最低90〜100%をコードするヌクレオチド配列(上の配列は本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物を提供するために式(I)のP配列として挿入される)のような本明細書に提供される情報、またはこれらの配列の最低1種を含んでなる寄託されたベクターを使用して、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードする本発明の核酸分子を、本明細書に記述されるか若しくは当該技術分野で既知のところの方法を使用して得ることができる。
【0069】
本発明の核酸分子は、mRNA、hnRNA、tRNA若しくはいずれかの他の形態のようなRNAの形態、または、限定されるものでないがクローニングにより得られたか若しくは合成で製造されたcDNAおよびゲノムDNAを挙げることができるDNAの形態、あるいはそれらのいずれかの組合せであり得る。DNAは三本鎖、二本鎖若しくは一本鎖、またはそれらのいずれかの組合せであり得る。DNA若しくはRNAの最低1本の鎖のいずれの部分も、センス鎖としてもまた知られるコーディング鎖であり得るか、または、それはアンチセンス鎖ともまた称される非コーディング鎖であり得る。
【0070】
本発明の単離された核酸分子は、場合によっては1個若しくはそれ以上のイントロンを含むオープンリーディングフレーム(ORF)を含んでなる核酸分子、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントのコーディング配列を含んでなる核酸分子;および、上述されたものと実質的に異なるヌクレオチド配列を含んでなるがしかし遺伝暗号の縮重により本明細書に記述されかつ/若しくは当該技術分野で既知のところの最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物をなおコードする核酸分子を包含し得る。もちろん遺伝暗号は当該技術分野で公知である。従って、本発明の特定のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードするこうした縮重核酸バリアントを生成させることは当業者に慣例であろう。例えばAusubelら、上記を参照されたく、そしてこうした核酸バリアントは本発明に包含される。
【0071】
本明細書に示されるとおり、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードする核酸を含んでなる本発明の核酸分子は、限定されるものでないが、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物のフラグメントのアミノ酸配列を独力でコードするもの;GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物全体またはその一部分のコーディング配列;GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、フラグメント若しくは部分のコーディング配列、ならびに最低1種のシグナルリーダー、または、限定されるものでないが転写、スプライシングおよびポリアデニル化シグナルを包含するmRNAプロセシングにおいてある役割(例えばmRNAのリボソーム結合および安定性)を演じる転写され翻訳されない配列のような非コーディング5’および3’配列を挙げることができる付加的な非コーディング配列と一緒になった最低1種のイントロンのような前述の付加的なコーディング配列を伴う若しくは伴わない融合ペプチドのコーディング配列のような付加的な配列;付加的な機能性を提供するもののような付加的なアミノ酸をコードする付加的なコーディング配列を挙げることができる。従って、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードする配列は、融合されたGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、またはGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物のフラグメント若しくは部分を含んでなる指定される部分若しくはバリアントの精製を容易にするペプチドをコードする配列のようなマーカー配列に融合させ得る。
【0072】
本明細書に記述されるところのポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチド。本発明は、本明細書に開示されるポリヌクレオチド、またはその指定されるバリアント若しくは部分を包含する本明細書に開示される他者に選択的ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする単離された核酸を提供する。従って、本態様のポリヌクレオチドは、こうしたポリヌクレオチドを含んでなる核酸を単離、検出かつ/若しくは定量するために使用し得る。
【0073】
低若しくは中程度の緊縮性のハイブリダイゼーション条件は、典型的に、しかし独占的にでなく相補配列に関して低下された配列同一性を有する配列とともに使用する。中程度および高緊縮性の条件は場合によってはより大きな同一性の配列に使用し得る。低緊縮性条件は、約40〜99%の配列同一性を有する配列の選択的ハイブリダイゼーションを可能にし、そしてオルソロガス若しくはパラロガス配列を同定するのに使用し得る。
【0074】
場合によっては、本発明のポリヌクレオチドは、本明細書に記述されるポリヌクレオチドによりコードされるGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの少なくとも一部分をコードすることができる。本発明のポリヌクレオチドは、本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードするポリヌクレオチドへの選択的ハイブリダイゼーションに使用し得る核酸配列を包含する。例えばAusubel、上記;Colligan、上記(それぞれ引用することより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)を参照されたい。
【0075】
核酸の構築。本発明の単離された核酸は、当該技術分野で公知のところの(a)組換え法、(b)合成技術、(c)精製技術、若しくはそれらの組合せを使用して作成し得る。
【0076】
核酸は便宜的に本発明のポリヌクレオチドに加えて配列を含み得る。例えば、1個若しくはそれ以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含んでなるマルチクローニング部位をポリヌクレオチドの単離で補助するために核酸に挿入し得る。また、翻訳可能な配列を本発明の翻訳されたポリヌクレオチドの単離で補助するために挿入し得る。例えば、ヘキサヒスチジンマーカー配列は本発明のタンパク質を精製するための便宜的手段を提供する。本発明の核酸(コーディング配列を除外する)は、場合によっては本発明のポリヌクレオチドのクローニングおよび/若しくは発現のためのベクター、アダプター若しくはリンカーとなる。
【0077】
付加的な配列を、クローニングおよび/若しくは発現においてそれらの機能を最適化するため、ポリヌクレオチドの単離で補助するため、または細胞中へのポリヌクレオチドの導入を向上させるためにこうしたクローニングおよび/若しくは発現配列に付加し得る。クローニングベクター、発現ベクター、アダプターおよびリンカーの使用は当該技術分野
で公知である。例えばAusubel、上記;若しくはSambrook、上記を参照されたい。
【0078】
核酸の組換え構築方法。RNA、cDNA、ゲノムDNA若しくはそれらのいずれかの組合せのような本発明の単離された核酸組成物は、当業者に既知のいずれかの数のクローニング方法論を使用して生物学的供給源から得ることができる。いくつかの態様において、適する緊縮性の条件下で本発明のポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブを使用して、cDNA若しくはゲノムDNAライブラリー中の所望の配列を同定する。RNAの単離ならびにcDNAおよびゲノムライブラリーの構築は当業者に公知である。(例えばAusubel、上記;若しくはSambrook、上記を参照されたい)。
【0079】
核酸の合成構築方法。本発明の単離された核酸は既知の方法による直接化学合成によってもまた製造し得る(例えばAusubelら、上記を参照されたい)。化学合成は一般に一本鎖オリゴヌクレオチドを生じ、それを相補配列とのハイブリダイゼーションにより、若しくは鋳型として該一本鎖を使用するDNAポリメラーゼでの重合により二本鎖DNAに転化し得る。当業者は、DNAの化学合成は約100若しくはそれ以上の塩基の配列に制限され得る一方で、より長い配列をより短い配列の連結により得ることができることを認識するであろう。
【0080】
組換え発現カセット。本発明は本発明の核酸を含んでなる組換え発現カセットをさらに提供する。本発明の核酸配列、例えば本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードするcDNA若しくはゲノム配列を使用して、最低1種の所望の宿主細胞に導入し得る組換え発現カセットを構築し得る。組換え発現カセットは、典型的に、意図している宿主細胞中でのポリヌクレオチドの転写を指図することができる転写開始制御配列に作動可能に連結されている本発明のポリヌクレオチドを含むことができる。異種および非異種(すなわち内因性)双方のプロモーターを本発明の核酸の発現を指図するのに使用し得る。
【0081】
いくつかの態様において、プロモーター、エンハンサー若しくは他の要素としてはたらく単離された核酸を、本発明のポリヌクレオチドの発現を上方若しくは下方制御するように非異種の形態の本発明のポリヌクレオチドの適切な位置(上流、下流若しくはイントロン中)に導入し得る。例えば、内因性プロモーターは当該技術分野で既知のところの突然変異、欠失および/若しくは置換によりin vivo若しくはin vitroで変えることができる。本発明のポリヌクレオチドは所望のとおりセンス若しくはアンチセンスいずれの向きでも発現させ得る。センス若しくはアンチセンスいずれかの向きでの遺伝子発現の制御が、観察可能な特徴に対する直接の影響を有し得ることが認識されるであろう。別の抑制方法はセンス抑制である。センスの向きに構成された核酸の導入は、標的遺伝子の転写を阻害するための有効な手段であることが示されている。
【0082】
ベクターおよび宿主細胞。本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を包含するベクター、該組換えベクターで遺伝子的に工作されている宿主細胞、および当該技術分野で公知であるのところの組換え技術による最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの製造にも関する。例えばSambrookら、上記;Ausubelら、上記(それぞれ引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)を参照されたい。
【0083】
ポリヌクレオチドは、場合によっては宿主中での増殖のための選択可能なマーカーを含有するベクターに結合し得る。一般に、プラスミドベクターは電気穿孔法などのような適する既知の方法を使用して細胞に導入され、他の既知の方法は、リン酸カルシウム沈殿の
ような沈殿物として、若しくは荷電した脂質との複合体中でのベクターの使用を包含する。ベクターがウイルスである場合、適切なパッケージング細胞株を使用してそれをin vitroでパッケージングし得、そしてその後宿主細胞中に形質導入し得る。
【0084】
DNA挿入断片は適切なプロモーターに効果的に連結すべきである。発現構築物は、場合によっては転写開始、終止の少なくとも一方のための部位、および転写された領域中に翻訳のためのリボソーム結合部位をさらに含有することができる。該構築物により発現される成熟転写物のコーディング部分は、好ましくは翻訳されるべきmRNAの初めの翻訳開始および終わりに適切に配置された終止コドン(例えばUAA、UGA若しくはUAG)を包含することができ、UAAおよびUAGが哺乳動物若しくは真核生物細胞発現に好ましい。
【0085】
発現ベクターは、好ましくは、しかし場合によっては最低1種の選択可能なマーカーを包含することができる。こうしたマーカーは、限定されるものでないが、真核生物細胞培養物のためのメトトレキサート(MTX)、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR、米国特許第4,399,216号;同第4,634,665号;同第4,656,134号;同第4,956,288号;同第5,149,636号;同第5,179,017号明細書、アンピシリン、ネオマイシン(G418)、ミコフェノール酸若しくはグルタミン合成酵素(GS、米国特許第5,122,464号;同第5,770,359号;同第5,827,739号明細書)耐性、ならびに大腸菌(E.coli)および他の細菌若しくは原核生物中で培養するためのテトラサイクリン若しくはアンピシリン耐性遺伝子(上の特許はここに引用することによりそっくりそのまま組み込まれる)を挙げることができる。上述された宿主細胞に適切な培地および培養条件は当該技術分野で既知である。適するベクターは当業者に容易に明らかであろう。ベクター構築物の宿主細胞中への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、陽イオン性脂質媒介性トランスフェクション、電気穿孔法、形質導入、感染若しくは他の既知の方法により遂げることができる。こうした方法は、Sambrook、上記、第1〜4章および第16〜18章;Ausubel、上記、第1、9、13、15、16章のような当該技術分野で記述されている。
【0086】
本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、融合タンパク質のような改変された形態で発現させ得、そして分泌シグナルのみならずしかしまた付加的な異種機能領域も包含し得る。例えば、付加的なアミノ酸、とりわけ荷電したアミノ酸の一領域を、宿主細胞中、精製の間、若しくはその後の取扱および貯蔵の間の安定性および難分解性を向上させるためにGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントのN末端に付加し得る。また、精製を容易にするために、本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントにペプチド部分を付加し得る。こうした領域はGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはその最低1種のフラグメントの最終調製前に除去し得る。こうした方法は、Sambrook、上記、第17.29〜17.42章および第18.1〜18.74章;Ausubel、上記、第16、17および18章のような多くの標準的実験室手引書に記述されている。
【0087】
当業者は、本発明のタンパク質をコードする核酸の発現に利用可能な多数の発現系を知っている。
【0088】
ミメティボディ構築物、それらの指定される部分若しくはバリアントの製造に有用な細胞培養物を具体的に説明するのは哺乳動物細胞である。哺乳動物細胞系はしばしば細胞の単層の形態にあることができるとは言え、哺乳動物細胞懸濁液若しくはバイオリアクター
もまた使用し得る。無傷のグリコシル化されたタンパク質を発現することが可能な多数の適する宿主細胞株が当該技術分野で開発されており、そして、COS−1(例えばATCC CRL 1650)、COS−7(例えばATCC CRL−1651)、HEK293、BHK21(例えばATCC CRL−10)、CHO(例えばATCC CRL 1610、DG−44)およびBSC−1(例えばATCC CRL−26)細胞株、hepG2細胞、P3X63Ag8.653、SP2/0−Ag14、293細胞、HeLa細胞などを包含し、これらは例えばAmerican Type Culture Collection、バージニア州マナサスから容易に入手可能である。好ましい宿主細胞は骨髄腫およびリンパ腫細胞のようなリンパ系起源の細胞を包含する。とりわけ好ましい宿主細胞は、P3X63Ag8.653細胞(ATCC受託番号CRL−1580)およびSP2/0−Ag14細胞(ATCC受託番号CRL−1851)である。
【0089】
これらの細胞の発現ベクターは、限定されるものでないが複製起点;プロモーター(例えば後期若しくは初期SV40プロモーター、CMVプロモーター(例えば米国特許第5,168,062号;同第5,385,839号明細書)、HSV tkプロモーター、pgk(ホスホグリセリン酸キナーゼ)プロモーター、EF−1αプロモーター(例えば米国特許第5,266,491号明細書)、最低1種のヒト免疫グロブリンプロモーター;エンハンサー、および/若しくはリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位(例えばSV40ラージT AgポリA付加部位)のようなプロセシング情報部位、ならびに転写終止配列を挙げることができる発現制御配列の1種若しくはそれ以上を包含し得る。例えばAusubelら、上記;Sambrookら、上記を参照されたい。本発明の核酸若しくはタンパク質の製造に有用な他の細胞は、例えばAmerican Type Culture Collectionの細胞株およびハイブリドーマのカタログ(Catalogue of Cell Lines and Hybridomas)(www.atcc.org)または他の既知の若しくは商業的供給源から既知かつ/若しくは入手可能である。
【0090】
真核生物宿主細胞を使用する場合、ポリアデニル化若しくは転写終止配列が典型的にベクターに組み込まれる。終止配列の一例はウシ成長ホルモン遺伝子からのポリアデニル化配列である。転写物の正確なスプライシングのための配列もまた包含し得る。スプライシング配列の一例は、SV40からのVP1イントロン(Spragueら、J.Virol.45:773−781(1983))である。加えて、宿主細胞中での複製を制御する遺伝子配列を当該技術分野で既知のとおりベクターに組み込み得る。
【0091】
GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはそれらの指定される部分若しくはバリアントの精製。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、限定されるものでないがプロテインA精製、硫酸アンモニウム若しくはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン若しくは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを挙げることができる公知の方法により組換え細胞培養物から回収かつ精製し得る。高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)もまた精製に使用し得る。例えばColligan、Current Protocols in Immunology、若しくはCurrent Protocols in Protein Science、John Wiley & Sons、ニューヨーク州ニューヨーク(1997−2005)、例えば第1、4、6、8、9、10章(それぞれ引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)を参照されたい。
【0092】
本発明のミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、天然に精製される産物、化学合成手順の生成物、ならびに組換え技術により例えば酵母、高等植物
、昆虫および哺乳動物細胞を包含する真核生物宿主から製造される生成物を包含する。組換え製造手順で使用される宿主に依存して、本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントはグリコシル化され得るか、若しくはグリコシル化されないことができ、グリコシル化が好ましい。こうした方法は、Sambrook、上記、第17.37〜17.42節;Ausubel、上記、第10、12、13、16、18および20章、Colligan、Protein Science、上記、第12〜14章(全部は引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)のような多くの標準的実験室手引書に記述されている。
【0093】
ミメティボディ構築物、指定されるフラグメントおよび/若しくはバリアント。本発明の単離されたミメティボディ構築物は、本明細書により完全に論考されるところの本発明のポリヌクレオチドのいずれか1種によりコードされるGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント、あるいはいずれかの単離若しくは製造されたGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはそれらの指定される部分若しくはバリアントを含んでなる。
【0094】
好ましくは、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはリガンド結合部分若しくはバリアントは最低1種のGLP−1タンパク質リガンドを結合し、そしてそれにより対応するタンパク質若しくはそのフラグメントの最低1種のGLP−1の生物学的活性を提供する。多様な治療上若しくは診断上意義のあるタンパク質が当該技術分野で公知であり、および、こうしたタンパク質の適するアッセイ若しくは生物学的活性もまた当該技術分野で公知である。
【0095】
本発明に適するGLP−1ペプチド、バリアントおよび誘導体の制限しない例は、配列番号1:His−Xaa2−Xaa3−Gly−Xaa5−Xaa6−Xaa7−Xaa8−Xaa9−Xaa10−Xaa11−Xaa12−Xaa13−Xaa14−Xaa15−Xaa16−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Xaa20−Xaa21−Phe−Xaa23−Xaa24−Xaa25−Xaa26−Xaa27−Xaa28−Xaa29−Xaa30−Xaa31として現れ、ここで:Xaa2はAla、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa3はGlu、Asp若しくはLysであり;Xaa5はThr、Ala、Gly、Ser、Leu、Ile、Val、Arg、His、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa6はPhe、His、Trp若しくはTyrであり;Xaa7はThr若しくはAsnであり;Xaa8はSer、Ala、Gly、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa9はAsp若しくはGluであり;Xaa10はVal、Ala、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Met、Tyr、Trp、His、Phe、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa11はSer、Val、Ala、Gly、Thr、Leu、Ile、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa12はSer、Val、Ala、Gly、Thr、Leu、Ile、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa13はTyr、Gln、His、Glu若しくはLysであり;Xaa14はLeu、Ala、Met、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa15はGlu、Ala、Thr、Ser、Gly、Gln、Asp若しくはLysであり;Xaa16はGly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Gln、Asn、Arg、Cys、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa17はGln、Asn、Arg、His、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa18はAla、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Arg、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa19はAla、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Met、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa20はLys、Arg、His、Gln、Trp、Tyr、Phe、Glu若しくはAspであり;Xaa21はGlu、Leu、Ala、His、Phe、Tyr、Trp、Arg、Gln、Thr、Ser、Gly、Asp若しくはLysであり;Xaa23はIle、Ala、Val、Leu若しくはGluであり;Xaa24はAla、Gly、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、His、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa25はTrp、Phe、Tyr、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa26はLeu、Gly、Ala、Ser、Thr、Ile、Val、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa27はVal、Leu、Gly、Ala、Ser、Thr、Ile、Arg、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa28はLys、Asn、Arg、His、Glu若しくはAspであり;Xaa29はGly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Arg、Trp、Tyr、Phe、Pro、His、Glu、Asp若しくはLysであり;Xaa30はArg、His、Thr、Ser、Trp、Tyr、Phe、Glu、Asp若しくはLysであり;およびXaa31はGly、Ala、Ser、Thr、Leu、Ile、Val、Arg、Trp、Tyr、Phe、His、Glu、Asp、Lysである。
【0096】
GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体の別の好ましい群は、配列番号6:His−Xaa2−Xaa3−Gly−Thr−Xaa6−Xaa7−Xaa8−Xaa9−Xaa10−Ser−Xaa12−Tyr−Xaa14−Glu−Xaa16−Xaa17−Xaa18−Xaa19−Lys−Xaa21−Phe−Xaa23−Ala−Trp−Leu−Xaa27−Xaa28−Gly−Xaa30に例示され、ここで:Xaa2はAla、Gly若しくはSerであり;Xaa3はGlu若しくはAspであり;Xaa6はPhe若しくはTyrであり;Xaa7はThr若しくはAsnであり;Xaa8はSer、Thr若しくはAlaであり;Xaa9はAsp若しくはGluであり;Xaa10はVal、Gln、Met若しくはIleであり;Xaa12はSer若しくはLysであり;Xaa14はLeu、Gln、His、Glu若しくはMetであり;Xaa16はGly、Ala、Glu若しくはAspであり;Xaa17はGln若しくはGluであり;Xaa18はAla若しくはLysであり;Xaa19はAla、Val、Ile、Leu若しくはMetであり;Xaa21はGlu若しくはLeuであり;Xaa23はIle、Ala、Val、Leu若しくはGluであり;Xaa24はAla、Gln、His、Glu若しくはLysであり;Xaa27はVal、Gln、His、Glu若しくはLysであり;Xaa28はLys若しくはAsnであり;およびXaa30はArg若しくはGluである。
【0097】
これらのペプチドは当該技術分野で開示されかつ/若しくは既知の方法により製造し得る。該配列中の(および特定の場合に別の方法で明記されない限り本明細を通じて)Xaaは指定されるアミノ酸残基、それらの誘導体若しくは修飾アミノ酸を包含する。酵素ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)が、投与されたGLP−1の観察される迅速なin vivo不活性化の原因でありうるため、アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の情況でDPP−IVの活性から保護されるGLP−1ペプチド、ホモログ、アナログおよび誘導体が好ましい。
【0098】
最低1種のGLP−1の生物学的活性を部分的に若しくは好ましくは実質的に提供するGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはそれらの指定される部分若しくはバリアントはGLP−1リガンドを結合し得、そしてそれによりGLP−1受容体のような最低1種のリガンドへのGLP−1の結合または他のタンパク質依存性若しくは媒介性の機構により別の方法で媒介される最低1種の活性を提供し得る。本明細書で使用されるところの「GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の活性」という用語は、最低1種のGLP−1依存性の活性をアッセイに依存して約20〜10,000%、好ましくは最低約60、70、80、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、250、300、350、400、450、500、550、600、700、800、900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000%若しくはそれ以上調節し得る若しくは引き起こし得るGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物を指す。
【0099】
最低1種のタンパク質依存性の活性を提供するGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの能力は、好ましくは、本明細書に記述されかつ/若しくは当該技術分野で既知のところの最低1種の適するタンパク質の生物学的アッセイにより評価される。本発明のヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、いずれかのクラス(IgG、IgA、IgMなど)若しくはアイソタイプに類似であり得、そしてκ若しくはλ L鎖の少なくとも一部分を含み得る。一態様において、ヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、アイソタイプ例えばIgG1、IgG2、IgG3若しくはIgG4の最低1種のIgG
H鎖可変フラグメント、ヒンジ領域、CH2およびCH3を含んでなる。
【0100】
本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、最低1種のリガンド、サブユニット、フラグメント、部分若しくはそれらのいずれかの組合せを結合する。本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、指定される部分若しくはバリアントの最低1種のGLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体は、該リガンドの最低1種の指定されるエピトープを場合によっては結合し得る。該結合エピトープは、GLP−1受容体若しくはその部分のようなタンパク質リガンドの配列の連続するアミノ酸の最低1〜3アミノ酸ないし指定される部分全体の最低1種のアミノ酸配列のいかなる組合せも含み得る。
【0101】
こうしたミメティボディ構築物は、既知の技術を使用してGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の式(I)の多様な部分を一緒に結合することにより、組換えDNA技術の既知技術を使用してGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物をコードする最低1種の核酸分子を製造かつ発現することにより、または化学合成のようないずれかの他の適する方法を使用することにより製造し得る。
【0102】
受容体のようなヒトGLP−1リガンドに結合しかつ規定されたH若しくはL鎖可変領域またはそれらの部分を含んでなるミメティボディ構築物は、ファージディスプレイ(Katsube,Y.ら、Int J Mol.Med、1(5):863−868(1998))のような適する方法、若しくは当該技術分野で既知のところのトランスジェニック動物を使用する方法を使用して製造し得る。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、指定される部分若しくはバリアントは、適する宿主細胞中でコードする核酸若しくはその部分を使用して発現させ得る。
【0103】
本発明はまた、本明細書に記述されるアミノ酸配列と実質的に同一である配列中のアミノ酸を含んでなるミメティボディ構築物、リガンド結合フラグメントおよび免疫グロブリン鎖にも関する。好ましくは、こうしたミメティボディ構築物若しくはそのリガンド結合フラグメントは、高親和性(例えば約10−7M未満若しくはそれに等しいK)で受容体のようなヒトGLP−1リガンドを結合し得る。本明細書に記述される配列と実質的に同一であるアミノ酸配列は、保存的アミノ酸置換ならびにアミノ酸の欠失および/若しくは挿入を含んでなる配列を包含する。保存的アミノ酸置換は、第一のアミノ酸の特性に類似である化学および/若しくは物理特性(例えば電荷、構造、極性、疎水性/親水性)を有する第二のアミノ酸による第一のアミノ酸の置換を指す。保存的置換は以下の群すなわちリシン(K)、アルギニン(R)およびヒスチジン(H);アスパラギン酸(D)およ
びグルタミン酸(E);アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、チロシン(Y)、K、R、H、DおよびE;アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、プロリン(P)、フェニルアラニン(F)、トリプトファン(W)、メチオニン(M)、システイン(C)およびグリシン(G);F、WおよびY;C、SおよびT内の別のものによる1アミノ酸の置換を包含する。
【0104】
アミノ酸記号。本発明のミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを構成するアミノ酸はしばしば略記される。アミノ酸の呼称は、当該技術分野で十分に理解されるところのその一文字記号、その三文字記号、名称、若しくは3ヌクレオチコドン(1種若しくは複数)によりアミノ酸を呼称することにより示し得る(Alberts,B.ら、Molecular Biology of The Cell、第3版、Garland Publishing,Inc.、ニューヨーク、1994を参照されたい)。
【0105】
【表1】

【0106】
本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、本明細書に明記されるところの天然の突然変異若しくは人的操作のいずれかからの1個若しくはそれ以上のアミノ酸置換、欠失若しくは付加を包含し
得る。本発明で使用し得るこうした若しくは他の配列は、限定されるものでないが配列番号47〜64に提示される以下の配列を挙げることができる。
【0107】
本発明のGLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、本明細書に明記されるところの天然の突然変異若しくは人的操作いずれかからの1個若しくはそれ以上のアミノ酸置換、欠失若しくは付加を包含し得る。こうした若しくは本発明で使用し得る他の配列は、限定されるものでないが、抗体配列の部分的可変領域が限定されるものでないが対応する配列番号1〜9を伴い2004年6月24日に出願されかつ2005年1月20日に公開されたPCT公開第WO 05/05604号(第PCT US04/19898号)明細書の図1〜9にさらに記述されるところの最低1個の置換、挿入若しくは欠失をさらに場合によっては含んでなる、表3に記述されるところの配列番号47〜55の最低1種若しくはそれらのフラグメントの少なくとも一部分を挙げることができる、配列番号47〜64の指定される部分に対応して示されるところの表3に提示される以下の配列を挙げることができる。CH2、CH3およびヒンジ領域は、限定されるものでないが、対応する配列番号32〜40を伴い2004年6月24日に出願されかつ2005年1月20日に公開されたPCT公開第WO 05/05604号(第PCT US04/19898号)明細書の図32〜40にさらに記述されるところの最低1個の置換、挿入若しくは欠失をさらに場合によっては含んでなる、表3に記述されるところの配列番号56〜64の最低1種若しくはそれらのフラグメントの少なくとも一部分を挙げることができる。もちろん、当業者が行うとみられるアミノ酸置換の数は上述されたものを包含する多くの因子に依存する。一般的に言って、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の最低1種のアミノ酸置換、挿入若しくは欠失の数は、本明細書に明記されるところの1〜30またはその中のいずれかの範囲若しくは値のような、40、30、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1アミノ酸を超えないことができる。
【0108】
本発明の式I((P(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)において、式IのV、H、CH2、CH3部分は例えば表3に提示されるところのいずれかの適するヒト若しくはヒト適合性の配列であり得、ここで抗体配列の部分的可変領域は、限定されるものでないが、対応する配列番号1〜9を伴い2004年6月24日に出願されかつ2005年1月20日に公開されたPCT公開第WO 05/05604号(第PCT US04/19898号)明細書の図1〜9にさらに記述されるところの最低1個の置換、挿入若しくは欠失をさらに場合によっては含んでなる、表3に記述されるところの配列番号47〜55の最低1種若しくはそれらのフラグメントの少なくとも一部分を挙げることができ;また、ここでCH2、CH3およびヒンジ領域は、限定されるものでないが、対応する配列番号32〜40を伴い2004年6月24日に出願されかつ2005年1月20日に公開されたPCT公開第WO 05/05604号(第PCT US04/19898号)明細書の図32〜40にさらに記述されるところの、若しくは当該技術分野で既知のところの最低1個の置換、挿入若しくは欠失をさらに場合によっては含んでなる、表3に記述されるところの配列番号56〜64の最低1種若しくはそれらのフラグメントの少なくとも一部分、またはそれらのいずれかの組合せ若しくはコンセンサス配列、あるいは好ましくはヒト起源の若しくはヒトに投与される場合の免疫原性を最小限にするように工作されたそれらのいずれかの融合タンパク質を挙げることができる。
【0109】
P部分は、限定されるものでないが配列番号1に提示されるもの、またはそれらのいずれかの組合せ若しくはコンセンサス配列、あるいはそれらのいずれかの融合タンパク質を挙げることができる、当該技術分野で既知若しくは本明細書に記述される最低1種のGLP−1治療的ペプチドを含み得る。好ましい一態様において、P部分は配列番号6の最低1種の配列を有する最低1種のGLP−1ペプチド、またはそれらのいずれかの組合せ若
しくはコンセンサス配列、あるいはそれらのいずれかの融合タンパク質を含み得る。
【0110】
任意のリンカー配列は当該技術分野で既知のところのいずれの適するペプチドリンカーでもあり得る。好ましい配列は、GおよびSのいずれかの組合せ、例えばX1−X2−X3−X4−…−Xn(ここでXはG若しくはSであり得、そしてnは5〜30であり得る)を包含する。制限しない例は、GS、GGS、GGGS(配列番号16)、GSGGGS(配列番号17)、GGSGGGS(配列番号18)、GGSGGGSGG(配列番号19)およびGGGSGGGSGG(配列番号20)などを包含する。
【0111】
機能に不可欠である本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント中のアミノ酸は、部位特異的突然変異誘発若しくはアラニンスキャニング突然変異誘発(例えばAusubel、上記、第8、15章;CunninghamとWells、Science 244:1081−1085(1989))のような当該技術分野で既知の方法により同定し得る。後者の処置は分子中のすべての残基で単一アラニン突然変異を導入する。生じる変異体分子をその後、本明細書に明記されるか若しくは当該技術分野で既知のところの限定されるものでないが最低1種のタンパク質関連の活性を挙げることができる生物学的活性について試験する。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの結合に決定的に重要である部位は、結晶化、核磁気共鳴若しくは光親和性標識(Smithら、J.Mol.Biol.224:899−904(1992)およびde Vosら、Science 255:306−312(1992))のような構造解析によってもまた同定し得る。
【0112】
本発明のミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、式(I)のP部分として、例えば限定されるものでないが配列番号1および6の少なくとも一方の少なくとも一部分を含み得る。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、式(I)のP部分として最低1種のポリペプチドの最低1個の機能的部分、すなわち配列番号1および6の少なくとも一方の最低90〜100%をさらに場合によっては含み得る。上の列挙された活性の最低1種を高め若しくは維持し得る制限しないバリアントは、限定されるものでないが、前記GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の適する生物学的活性若しくは機能に有意に影響を及ぼさない最低1個の置換、挿入若しくは欠失に対応する最低1個の突然変異をさらに含んでなる上のポリペプチドのいずれかを挙げることができる。
【0113】
一態様において、Pのアミノ酸配列若しくはその部分は、配列番号1および6の少なくとも一方の対応する部分の対応するアミノ酸配列に対する約90〜100%の同一性(すなわち90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100またはその中のいずれかの範囲若しくは値)を有する。好ましくは、90〜100%のアミノ酸同一性(すなわち90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100またはその中のいずれかの範囲若しくは値)は、当該技術分野で既知のところの適するコンピュータアルゴリズムを使用して決定される。
【0114】
本発明のミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントからのいずれかの数の連続するアミノ酸残基を含み得、その数は、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物中の連続する残基の数の10〜100%からよりなる整数の群から選択される。場合によっては、連続するアミノ酸のこの下位配列は、長さが最低約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250若しくはそれ以上またはその中のいずれかの範囲若しくは値のアミノ酸である。さらに、こうした下位配列の数は、最低2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20のような1から20までよりなる群から選択されるいずれかの整数若しくはそれ以上であり得る。
【0115】
当業者が認識するであろうとおり、本発明は、本発明の最低1種の生物学的に活性のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを包含する。生物学的に活性のミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、天然の(非合成の)、内因性の若しくは関連したおよび既知の挿入若しくは融合されたタンパク質または指定される部分若しくはバリアントの比活性の最低20%、30%若しくは40%、および好ましくは最低50%、60%若しくは70%、ならびに最も好ましくは最低80%、90%若しくは95%〜1000%の比活性を有する。酵素活性および基質特異性の尺度のアッセイおよび定量方法は当業者に公知である。
【0116】
別の局面において、本発明は、有機部分の共有結合により修飾されている本明細書に記述されるところのヒトミメティボディ構築物およびリガンド結合フラグメントに関する。こうした修飾は、改良された薬物動態特性(例えば延長されたin vivo血清半減期)をもつGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはリガンド結合フラグメントを生じ得る。該有機部分は、直鎖状若しくは分枝状の親水ポリマー基、脂肪酸基若しくは脂肪酸エステル基であり得る。特定の態様において、親水ポリマー基は約800ないし約120,000ダルトンの分子量を有し得、そしてポリアルカングリコール(例えばポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマー若しくはポリビニルピロリドンであり得、また、脂肪酸若しくは脂肪酸エステル基は約8から約40個までの炭素原子を含み得る。
【0117】
本発明の修飾ミメティボディ構築物およびリガンド結合フラグメントは、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントに直接若しくは間接的に共有結合されている1個若しくはそれ以上の有機部分を含み得る。本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはリガンド結合フラグメントに結合されている各有機部分は、独立に、親水ポリマー基、脂肪酸基若しくは脂肪酸エステル基であり得る。本明細書で使用されるところの「脂肪酸」という用語はモノカルボン酸およびジカルボン酸を包含する。該用語が本明細書で使用されるところの「親水ポリマー基」は、オクタン中でよりも水中でより溶解性である有機ポリマーを指す。例えばポリリシンはオクタン中でよりも水中でより溶解性である。従って、ポリリシンの共有結合により修飾されたGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物が本発明により包含される。本発明のミメティボディ構築物を修飾するのに適する親水ポリマーは直鎖状若しくは分枝状であり得、そして例えばポリアルカングリコール(例えばPEG、モノメトキシポリエチレングリコール(mPEG)、PPGなど)、炭水化物(例えばデキストラン、セルロース、オリゴ糖、多糖など)、親水性アミノ酸のポリマー(例えばポリリシン、ポリアルギニン、ポリアスパラギン酸など)、ポリアルカンオキシド(例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなど)およびポリビニルピロリドンを包含する。好ましくは、本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物を修飾する親水ポリマーは、別個の分子実体として約800ないし約150,000ダルトンの分子量を有する。例えば、PEG2500、PEG5000、PEG7500、PEG9000、PEG10000、PEG12500、PEG15000およびPEG20,000(ここで下付き数字はポリマーの平均分子量(ダルトン)である)を使用し得る。
【0118】
親水ポリマー基は1ないし約6個のアルキル、脂肪酸若しくは脂肪酸エステル基で置換
し得る。脂肪酸若しくは脂肪酸エステル基で置換されている親水ポリマーは適する方法を使用することにより製造し得る。例えば、アミン基を含んでなるポリマーを脂肪酸若しくは脂肪酸エステルのカルボキシレートに結合し得、そして脂肪酸若しくは脂肪酸エステル上の活性化されたカルボキシレート(例えばN,N−カルボニルジイミダゾールで活性化された)をポリマー上のヒドロキシル基に結合し得る。
【0119】
本発明のミメティボディ構築物を修飾するのに適する脂肪酸および脂肪酸エステルは、飽和であり得るかまたは1個若しくはそれ以上の不飽和単位を含有し得る。本発明のミメティボディ構築物を修飾するのに適する脂肪酸は、例えばn−ドデカノエート(C12、ラウレート)、n−テトラデカノエート(C14、ミリステート)、n−オクタデカノエート(C18、ステアレート)、n−エイコサノエート(C20、アラキデート)、n−ドコサノエート(C22、ベヘネート)、n−トリアコンタノエート(C30)、n−テトラコンタノエート(C40)、cis−Δ9−オクタデカノエート(C18、オレエート)、全cis−Δ5,8,11,14−エイコサテトラエノエート(C20、アラキドネート)、オクタン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、ドコサン二酸などを包含する。適する脂肪酸エステルは直鎖状若しくは分枝状低級アルキル基を含んでなるジカルボン酸のモノエステルを包含する。該低級アルキル基は1から約12まで、好ましくは1ないし約6個の炭素原子を含み得る。
【0120】
修飾されたヒトミメティボディ構築物およびリガンド結合フラグメントは、1種若しくはそれ以上の修飾剤との反応によるような適する方法を使用して製造し得る。該用語が本明細書で使用されるところの「修飾剤」は、活性化基を含んでなる適する有機基(例えば親水ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)を指す。「活性化基」は、適切な条件下で第二の化学基と反応してそれにより修飾剤と該第二の化学基の間に共有結合を形成し得る化学部分すなわち官能基である。例えば、アミン反応性の活性化基は、トシレート、メシレート、ハロ(クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード)、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)などのような求電子基を包含する。チオールと反応し得る活性化基は、例えばマレイミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、5−チオール−2−ニトロ安息香酸チオール(TNB−チオール)などを包含する。アルデヒド官能基はアミン若しくはヒドラジドを含有する分子に結合させ得、また、アジド基は三価のリン基と反応してホスホルアミデート若しくはホスホルイミド結合を形成し得る。分子中への活性化基の適する導入方法は当該技術分野で既知である(例えば、Hermanson,G.T.、Bioconjugate Techniques、Academic Press:カリフォルニア州サンディエゴ(1996)を参照されたい)。活性化基は、有機基(例えば親水ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に直接、または、リンカー部分、例えば1個若しくはそれ以上の炭素原子が酸素、窒素若しくはイオウのようなヘテロ原子により置換され得る二価のC−C12基により結合し得る。適するリンカー部分は、例えばテトラエチレングリコール、−(CH−、−NH−(CH−NH−、−(CH−NH−および−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−NH−を包含する。リンカー部分を含んでなる修飾剤は、例えば、モノ−Boc−アルキルジアミン(例えばモノ−Boc−エチレンジアミン、モノ−Boc−ジアミノヘキサン)を1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在下に脂肪酸と反応させて遊離アミンと脂肪酸のカルボキシレートの間でアミド結合を形成させることにより製造し得る。Boc保護基は、一級アミンを露出させるためのトリフルオロ酢酸(TFA)での処理により生成物から除去することができ、一級アミンは記述されるとおり別のカルボキシレートに結合させ得るか、若しくは無水マレイン酸と反応させ得そして生じる生成物を環化させて脂肪酸の活性化マレイミド誘導体を生じさせ得る。(例えばThompsonら、第WO 92/16221号明細書(その教示全体は引用することにより本明細書に組み込まれる)を参照されたい。)
【0121】
本発明の修飾ミメティボディ構築物は、ヒトGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはリガンド結合フラグメントを修飾剤と反応させることにより製造し得る。例えば、アミン反応性の修飾剤、例えばPEGのNHSエステルを使用することにより有機部分を部位非特異的様式でGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物に結合し得る。修飾ヒトミメティボディ構築物若しくはリガンド結合フラグメントは、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはリガンド結合フラグメントのジスルフィド結合(例えば鎖内ジスルフィド結合)を還元することによってもまた製造し得る。還元されたGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはリガンド結合フラグメントをその後チオール反応性の修飾剤と反応させて本発明の修飾GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物を製造し得る。本発明のミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを含んでなる修飾ヒトミメティボディ構築物およびリガンド結合フラグメントは、逆タンパク質分解(Fischら、Bioconjugate Chem.、3:147−153(1992);Werlenら、Bioconjugate Chem.、5:411−417(1994);Kumaranら、Protein Sci.6(10):2233−2241(1997);Itohら、Bioorg.Chem.、24(1):59−68(1996);Capellasら、Biotechnol.Bioeng.、56(4):456−463(1997))のような適する方法、およびHermanson,G.T.、Bioconjugate Techniques、Academic Press:カリフォルニア州サンディエゴ(1996)に記述される方法を使用して製造し得る。
【0122】
GLP−1ミメティボディ構築物組成物。本発明はまた、天然に存在しない組成物、混合物若しくは形態で提供される、本明細書に記述されかつ/若しくは当該技術分野で既知のところの最低1、最低2、最低3、最低4、最低5、最低6種若しくはそれ以上のミメティボディ構築物またはそれらの指定される部分若しくはバリアントを含んでなる最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの組成物も提供する。こうした組成物のパーセンテージは、当該技術分野で既知若しくは本明細書に記述されるところの液体若しくは乾燥溶液(dry solution)、混合物、懸濁液、乳液またはコロイドとして重量、容量、濃度、モル濃度若しくは重量モル濃度でである。
【0123】
こうした組成物は、限定されるものでないが0.00001、0.00003、0.00005、0.00009、0.0001、0.0003、0.0005、0.0009、0.001、0.003、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.1、99.2、99.3、99.4、99.5、99.6、99.7、99.8、99.9%を挙げることができる、その中のいずれかの範囲若しくは値での当該技術分野で既知若しくは本明細書に記述されるところの液体、気体若しくは乾燥溶液、混合物、懸濁液、乳液またはコロイドとして0.00001〜99.9999重量、容量、濃度、モル濃度若しくは重量モル濃度パーセントを含み得る。本発明のこうした組成物は、従って限定されるものでないが0.00001〜100mg/mlおよび/若しくは0.00001〜100mg/gを包含する。
【0124】
GLP−1ミメティボディ組成物は、場合によっては、糖尿病薬、インスリン代謝関連薬物、糖代謝関連薬物、抗感染薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸(GI)管薬、ホルモン薬、液体若しくは電解質バランスのための薬物、血液製剤、抗腫瘍薬、免疫調節薬、眼、耳若しくは鼻の薬物、局所薬、栄養薬などの最低1種から選択される最低1種の化合物若しくはタンパク質の有効量をさらに含み得る。本明細書に提示されるそれぞれの製剤、適応症、投薬および投与を包含するこうした薬物は当該技術分野で公知である(例えば、Nursing 2001 Handbook of Drugs、第21版、Springhouse Corp.、ペンシルバニア州スプリングハウス、2001;Health Professional’s Drug Guide 2001、Shannon、Wilson、Stang編、Prentice−Hall,Inc、ニュージャージー州アッパーサドルリバー;Pharmcotherapy Handbook、Wellsら編、Appleton & Lange、コネチカット州スタンフォード(それぞれ引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)を参照されたい)。
【0125】
肥満、インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連薬物は、脂肪異化化合物若しくは処置、カフェイン、グリタゾン、インスリンおよび誘導体、スルホニル尿素、メグリチニド、ビグアニド、α−グルコシダーゼ阻害剤、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B、グリコーゲン合成酵素キナーゼ3、糖新生阻害剤、ピルビン酸脱水素酵素キナーゼ(PDH)阻害剤、脂肪分解阻害剤、脂肪酸化阻害剤、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼIおよび/若しくはII阻害剤、β−3アドレナリン受容体アゴニスト、ナトリウムおよびグルコース共輸送体(SGLT)阻害剤、または:自己免疫抑制、免疫調節、T細胞の活性化、増殖、移動および/若しくはサプレッサー細胞機能、T細胞受容体/ペプチド/MHC−II相互作用の阻害、T細胞アネルギーの誘導、自己反応性T細胞の除去、血液脳関門を横断する輸送の低下、炎症前(Th1)および免疫調節(Th2)サイトカインのバランスの変化、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤の阻害、神経保護、神経膠症の低下、再ミエリン形成の促進の最低1種の1種若しくはそれ以上に作用する化合物の最低1種であり得る。
【0126】
最低1種の制酸剤、吸着剤若しくは抗鼓腸薬は、炭酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、マガルドラート、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、ジメチコンおよび炭酸水素ナトリウムから選択される最低1種であり得る。最低1種の消化酵素若しくは胆石溶解剤は、パンクレアチン、パンクレリパーゼおよびウルソジオールから選択される最低1種であり得る。最低1種の止瀉薬は、アタパルジャイト、次サリチル酸ビスマス、カルシウムポリカルボフィル、塩酸ジフェノキシレート若しくは硫酸アトロピン、ロペラミド、酢酸オクトレオチド、アヘンチンキ、アヘンチンキ(カンファー入り(camphorated))から選択される最低1種であり得る。最低1種の緩下剤は、ビサコジル、カルシウムポリカルボフィル、カスカラサグラダ、カスカラサグラダ芳香流エキス、カスカラサグラダ流エキス、ヒマシ油、ドキュセートカルシウム、ドキュセートナトリウム、グリセリン、ラクツロース、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、メチルセルロース、鉱物油、ポリエチレングリコール若しくは電解質溶液、オオバコ、センナ、リン酸ナトリウムから選択される最低1種であり得る。最低1種の制吐剤は、塩酸クロルプロマジン、ジメンヒドリナート、メシル酸ドラセトロン、ドロナビノール、塩酸グラニセトロン、塩酸メクリジン、塩酸メトクロプロアミド、塩酸オンダンセトロン、ペルフェナジン、プロクロルペラジン、エジシル酸プロクロルペラジン、マレイン酸プロクロルペラジン、塩酸プロメタジン、スコポラミン、マレイン酸チエチルペラジン、塩酸トリメトベンズアミドから選択される最低1種であり得る。最低1種の抗潰瘍薬は、シメチジン、塩酸シメチジン、ファモチジン、ランソプラゾール、ミソプロストール、ニザチジン、オメプラゾール、ラベプラゾールナトリウム、ランチジンクエン酸ビスマス、塩酸ラニチジン、スクラルファートから選択される最低1種であり得る。(例えばNursing 2001 Drug Handbookのpp.643〜95を参照されたい。)最低1種の抗糖尿病薬若しくはグルカオンは、アカルボース、クロルプロパミド、グリメピリド、グリピジド、グルカゴン、グリブリド、インスリン、塩酸メトフォルミン、ミグリトール、塩酸ピオグリタゾン、レパグリニド、マレイン酸ロシグリタゾン、トログリタゾンから選択される最低1種であり得る。最低1種の甲状腺ホルモンは、レボチロキシンナトリウム、リオチロニンナトリウム、リオトリックス、甲状腺製剤(thyroid)から選択される最低1種であり得る。
【0127】
最低1種の甲状腺ホルモンアンタゴニストは、メチマゾール、ヨウ化カリウム、ヨウ化カリウム(飽和溶液)、プロピルチオウラシル、放射活性ヨウ素(ヨウ化ナトリウム131I)、濃ヨウ素溶液(strong iodine solution)から選択される最低1種であり得る。最低1種の下垂体ホルモンは、コルチコトロピン、コシントロピン、酢酸デスモフレシン、酢酸リュープロリド、持続性コルチコトロピン、ソマトレム、ソマトロピン、バソプレシンから選択される最低1種であり得る。最低1種の副甲状腺様薬物は、カルシフェジオール、カルシトニン(ヒト)、カルシトニン(サケ)、カルシトリオール、ジヒドロタキステロール、エチドロン酸ナトリウムから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.696〜796を参照されたい。)
【0128】
最低1種の利尿薬は、アセタゾラミド、アセタゾラミドナトリウム、塩酸アミロリド、ブメタニド、クロルタリドン、エタクリン酸ナトリウム、エタクリン酸、フロセミド、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、マンニトール、メトラゾン、スピロノラクトン、トルセミド、トリアムテレン、尿素から選択される最低1種であり得る。最低1種の電解質若しくは補充液は、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオナートカルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム(第二)、リン酸カルシウム(第三)、デキストラン(高分子量)、デキストラン(低分子量)、ヘタスターチ、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、リンゲル液、リンゲル液(乳酸加)、塩化ナトリウムから選択される最低1種であり得る。最低1種の酸性化剤若しくはアルカリ性化剤は、炭酸水素ナトリウム、乳酸ナトリウム、トロメタミンから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.797〜833を参照されたい。)
【0129】
最低1種の造血剤は、フマル酸鉄、グルコン酸鉄、硫酸鉄、硫酸鉄(乾燥)、鉄デキストラン、鉄ソルビトール、多糖−鉄複合体、グルコン酸ナトリウム第二鉄複合体から選択される最低1種であり得る。最低1種の抗凝固薬は、アルデパリンナトリウム、ダルテパリンナトリウム、ダナパロイドナトリウム、エノキサパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム、ヘパリンナトリウム、ワルファリンナトリウムから選択される最低1種であり得る。最低1種の血液誘導体は、アルブミン5%、アルブミン25%、抗血友病因子、抗阻害剤血液凝固薬複合体(anti−inhibitor coagulant complex)、アンチトロンビンIII(ヒト)、第IX因子(ヒト)、第IX因子複合体、血漿タンパク質画分から選択される最低1種であり得る。最低1種の血栓溶解酵素は、アルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、レテプラーゼ(組換え)、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.834〜66を参照されたい。)
【0130】
最低1種のビタミン若しくはミネラルは、ビタミンA、ビタミンB群、シアノコバラミン、葉酸、ヒドロキソコバラミン、ロイコボリンカルシウム、ナイアシン、ナイアシンアミド、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、塩酸チアミン、ビタミンC、ビタミンD、コレカルシフェロール、エルゴカルシフェロール、ビタミンDアナログ、ドキセルカルシフェ
ロール、パリカルシトール、ビタミンE、ビタミンKアナログ、フィトナジオン、フッ化ナトリウム、フッ化ナトリウム(局所)、微量元素、クロム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛から選択される最低1種であり得る。最低1種の熱素は、アミノ酸輸液(結晶)、ブドウ糖中アミノ酸輸液、電解質を含むアミノ酸輸液、ブドウ糖中電解質を含むアミノ酸輸液、肝不全のためのアミノ酸輸液、高代謝性侵襲のためのアミノ酸輸液、腎不全のためのアミノ酸輸液、ブドウ糖、脂肪乳剤、中鎖トリグリセリドから選択される最低1種であり得る。(例えば、Nursing 2001 Drug Handbookのpp.1137〜63を参照されたい。)
【0131】
本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの組成物は、限定されるものでないが希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝剤、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバントなどを挙げることができるいずれかの適する補助物質の最低1種をさらに含み得る。製薬学的に許容できる補助物質が好ましい。こうした無菌溶液の制限しない例および製造方法は、限定されるものでないが、Gennaro編、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Publishing Co.(ペンシルバニア州イーストン)1990を挙げることができる当該技術分野で公知である。当該技術分野で公知若しくは本明細書に記述されるところのGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ組成物の投与様式、溶解性および/若しくは安定性に適する製薬学的に許容できる担体を慣例に選択し得る。
【0132】
本組成物で有用な製薬学的賦形剤および添加物は、限定されるものでないが、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、脂質ならびに炭水化物(例えば、単糖、二、三、四およびオリゴ糖を包含する糖;アルジトール、アルドン酸、エステル化糖などのような誘導体化糖;ならびに多糖若しくは糖ポリマー)を挙げることができ、それらは単独で若しくは組合せで存在し得、単独若しくは組合せで1〜99.99重量若しくは容量%を含んでなる。例示的タンパク質賦形剤は、ヒト血清アルブミン(HSA)のような血清アルブミン、組換えヒトアルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼインなどを包含する。緩衝能力においてもまた機能し得る代表的なアミノ酸/GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの成分は、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテームなどを包含する。1種の好ましいアミノ酸はグリシンである。
【0133】
本発明での使用に適する炭水化物賦形剤は、例えば、果糖、麦芽糖、ガラクトース、ブドウ糖、D−マンノース、ソルボースなどのような単糖;乳糖、ショ糖、トレハロース、セロビオースなどのような二糖;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、デンプンなどのような多糖;およびマンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトールソルビトール(グルチトール)、ミオイノシトールなどのようなアルジトールを包含する。本発明での使用に好ましい炭水化物賦形剤はマンニトール、トレハロースおよびラフィノースである。
【0134】
GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の組成物は緩衝剤すなわちpH調節剤もまた包含し得;典型的には緩衝剤は有機酸若しくは塩基から調製される塩である。代表的な緩衝剤は、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸若しくはフタル酸の塩のような有機酸の塩;トリス、塩酸トロメタミン若しくはリン酸緩衝液を包含する。本組成物での使用に好ましい緩衝剤はクエン酸塩のような有機酸塩である。
【0135】
加えて、本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指
定される部分若しくはバリアントの組成物は、ポリビニルピロリドン、フィコール(ポリマー糖)、デキストレート(dextrate)(例えば2−ヒドロキシプロピル−?−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン)、ポリエチレングリコールのようなポリマー性賦形剤/添加物、香味料、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、帯電防止剤、界面活性剤(例えば「TWEEN 20」および「TWEEN 80」のようなポリソルベート)、脂質(例えばリン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えばコレステロール)ならびにキレート剤(例えばEDTA)を包含し得る。
【0136】
本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の組成物での使用に適するこれらならびに付加的な既知の製薬学的賦形剤および/若しくは添加物は、例えば”Remington:The Science & Practice of Pharmacy”、第19版、Williams & Williams、(1995)および”Physician’s Desk Reference”、第52版、Medical Economics、ニュージャージー州モントベール(1998)(それらの開示は引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)に列挙されるとおり当該技術分野で既知である。好ましい担体若しくは賦形剤物質は炭水化物(例えば単糖類およびアルジトール)ならびに緩衝剤(例えばクエン酸塩)若しくはポリマー剤である。
【0137】
製剤。上に示されたとおり、本発明は、製薬学的に許容できる製剤中に最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを含んでなる、製薬学的若しくは家畜の使用に適する生理的食塩水若しくは選ばれた塩を含む適する緩衝剤を好ましくは包含し得る安定な製剤、ならびに、保存剤を含有する任意の保存される溶液および製剤ならびに多回使用の保存される製剤を提供する。保存される製剤は、水性希釈剤中に、最低1種の既知の若しくは最低1種のフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マグネシウム(例えば六水和物)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサールよりなる群から任意に選択される保存剤、またはそれらの混合物を含有する。限定されるものでないが0.001、0.003、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4.、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0またはその中のいずれかの範囲若しくは値を挙げることができる0.001〜5%またはその中のいずれかの範囲若しくは値のような当該技術分野で既知のところのいかなる適する濃度若しくは混合物も使用し得る。制限しない例は、保存剤なし、0.1〜2%m−クレゾール(例えば0.2、0.3.0.4、0.5、0.9、1.0%)、0.1〜3%ベンジルアルコール(例えば0.5、0.9、1.1.、1.5、1.9、2.0、2.5%)、0.001〜0.5%チメロサール(例えば0.005、0.01)、0.001〜2.0%フェノール(例えば0.05、0.25、0.28、0.5、0.9、1.0%)、0.0005〜1.0%アルキルパラベン(1種若しくは複数)(例えば0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)などを包含する。
【0138】
上に示されたとおり、本発明は、包装資材、ならびに場合によっては水性希釈剤中の処方された緩衝剤および/若しくは保存剤とともに最低1種のGLP−1受容体アゴニスト
若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの溶液を含んでなる最低1本のバイアルを含んでなる製品を提供し、前記包装資材は、こうした溶液を1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、40、48、54、60、66、72時間若しくはそれ以上にわたり保持し得ることを示すラベルを含んでなる。本発明はさらに、包装資材、凍結乾燥した最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを含んでなる第一のバイアル、および処方された緩衝剤若しくは保存剤の水性希釈剤を含んでなる第二のバイアルを含んでなる製品を含んでなり、前記包装資材は、該最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを水性希釈剤中で再構成して24時間若しくはそれ以上にわたり保持し得る溶液を形成することを患者に指図するラベルを含んでなる。
【0139】
本発明で使用される最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、本明細書に記述されるか若しくは当該技術分野で既知であるとおり、哺乳動物細胞若しくはトランスジェニックの調製物からを包含する組換え手段により製造し得るか、または他の生物学的供給源から精製し得る。
【0140】
本発明の製品中の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの量の範囲は、再構成に際して生じる量、すなわち湿潤/乾燥系での場合は約0.1μg/mlから約100mg/mlまでの濃度を包含するとは言え、より低いおよびより高い濃度が操作可能であり、そして意図される送達ベヒクルに依存し、例えば、溶液製剤は、経皮貼付剤、肺、経粘膜、または浸透圧若しくはマイクロポンプ法と異なることができる。
【0141】
好ましくは、水性希釈剤は製薬学的に許容できる保存剤を場合によってはさらに含んでなる。好ましい保存剤は、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサール若しくはそれらの混合物よりなる群から選択されるものを包含する。製剤中で使用される保存剤の濃度は抗菌効果を生じるのに十分な濃度である。こうした濃度は選択した保存剤に依存し、そして当業者により容易に決定される。
【0142】
他の賦形剤、例えば等張剤、緩衝剤、抗酸化剤、保存増強剤を場合によってはかつ好ましくは希釈剤に添加し得る。グリセリンのような等張剤は一般に既知濃度で使用する。生理学的に耐えられる緩衝剤を、好ましくは改良されたpH制御を提供するために添加する。製剤は、約pH4から約pH10までのような広範囲のpH、および約pH5から約pH9までの好ましい範囲、および約6.0ないし約8.0の最も好ましい範囲を包括し得る。好ましくは本発明の製剤は約6.8と約7.8の間のpHを有する。好ましい緩衝剤はリン酸緩衝液、最も好ましくはリン酸ナトリウム、とりわけリン酸緩衝生理的食塩水(PBS)を包含する。
【0143】
Tween 20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、Tween 40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、Tween 80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート)、Pluronic F68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー)およびPEG(ポリエチレングリコール)のような製薬学的に許容できる可溶化剤、あるいはポリソルベート20若しくは80またはポロキサマー184若しくは188、Pluronic?多価アルコール(polyl)、他のブロックコポリマーのような非イオン性界面活性剤、ならびにEDTAおよびEGTAのようなキレート剤のような他の添加物を、凝集を低下させるために該製剤若しくは組成物に場合によっては添加し得る。これらの添加物は、ポン
プ若しくはプラスチック容器を使用して製剤を投与する場合にとりわけ有用である。製薬学的に許容できる界面活性剤の存在はタンパク質が凝集する傾向を緩和する。
【0144】
本発明の製剤は、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント、ならびにフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン、(メチル、エチル、プロピル、ブチルなど)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサールよりなる群から選択される保存剤若しくはそれらの混合物を水性希釈剤中で混合することを含んでなる方法により製造し得る。最低1種のGLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントおよび保存剤を水性希釈剤中で混合することは、慣習的溶解および混合手順を使用して実施する。適する製剤を製造するため、例えば、緩衝溶液中の測定された量の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを、所望の濃度のタンパク質および保存剤を提供するのに十分な量で緩衝溶液中で所望の保存剤と組み合わせる。この方法の変形が当業者により認識されるであろう。例えば、成分を添加する順序、付加的な添加物を使用するかどうか、製剤を製造する温度およびpHは全部、使用される濃度および投与手段について最適化しうる因子である。
【0145】
特許請求される製剤は、澄明な溶液として、あるいは、水性希釈剤中に水、保存剤ならびに/または賦形剤、好ましくはリン酸緩衝液および/若しくは生理的食塩水ならびに選ばれた塩を含有する第二のバイアルで再構成される凍結乾燥した最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントのバイアルを含んでなる2本のバイアルとして、患者に提供し得る。単一の溶液バイアル若しくは再構成を必要とする2本のバイアルのいずれも複数回再使用し得、かつ、単一若しくは複数周期の患者処置に十分であり得、そして従って現在利用可能よりも便宜的な処置レジメンを提供し得る。
【0146】
本特許請求される製品は、即座ないし24時間若しくはそれ以上にわたる投与に有用である。従って現在特許請求される製品は患者に大きな利点を提供する。本発明の製剤は、場合によっては約2から約40?Cまでの温度で安全に保存し得かつタンパク質の生物学的活性を長期間保持し得、従って、6、12、18、24、36、48、72若しくは96時間またはそれ以上にわたり該溶液を保持かつ/若しくは使用し得ることを示す包装ラベルを可能にする。保存される希釈剤を使用する場合、こうしたラベルは1〜12か月、半年、1年半および/若しくは2年の最低1種までの使用を包含し得る。
【0147】
本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの溶液は、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを水性希釈剤中で混合することを含んでなる方法により製造し得る。混合することは慣習的溶解および混合手順を使用して実施する。適する希釈剤を製造するため、例えば、水若しくは緩衝液中の測定された量の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを、所望の濃度のタンパク質および場合によっては保存剤若しくは希釈剤を提供するのに十分な量で組み合わせる。この方法の変形が当業者により認識されるであろう。例えば、成分を添加する順序、付加的な添加物を使用するかどうか、製剤を製造する温度およびpHは全部、使用される濃度および投与手段について最適化しうる因子である。
【0148】
特許請求される製品は、澄明な溶液として、あるいは、水性希釈剤を含有する第二のバイアルで再構成される凍結乾燥した最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントのバイアルを含んでなる2本
のバイアルとして、患者に提供し得る。単一の溶液バイアル若しくは再構成を必要とする2本のバイアルのいずれも複数回再使用し得、かつ、単一若しくは複数周期の患者処置に十分であり得、そして従って現在利用可能よりも便宜的な処置レジメンを提供する。
【0149】
特許請求される製品は、澄明な溶液、あるいは、水性希釈剤を含有する第二のバイアルで再構成される凍結乾燥した最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントのバイアルを含んでなる2本のバイアルを薬局、診察室若しくは他のこうした施設(institution)および施設(facility)に提供することにより患者に間接的に提供し得る。この場合の澄明な溶液は大きさが1リットルまで若しくはより大きくさえあり得、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの溶液のより小さい部分をより小さいバイアルへの移動のため薬局若しくは診察室により1回若しくは複数回取り出し得かつそれらの顧客および/若しくは患者に提供し得る大型のリザーバを提供する。
【0150】
これらの単一バイアル系を含んでなる認識されるデバイスは、Humaject?、NovoPen?、B−D(R)Pen、AutoPen?およびOptiPen?のような溶液の送達のためのペン注入器デバイスを包含する。2本のバイアル系を含んでなる認識されるデバイスは、HumatroPen(R)のような再構成した溶液の送達のためカートリッジ中で凍結乾燥した薬物を再構成するためのペン注入器デバイスを包含する。
【0151】
現在特許請求される製品は包装資材を包含する。包装資材は、規制当局により必要とされる情報に加え該製品を使用し得る条件を提供する。本発明の包装資材は、2本のバイアルすなわち湿潤/乾燥製品について、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを水性希釈剤中で再構成して溶液を形成しかつ該溶液を2〜24時間若しくはそれ以上にわたり使用するための患者に対する説明書を提供する。単一バイアルの溶液製品について、ラベルはこうした溶液を2〜96時間若しくはそれ以上にわたり使用し得ることを示す。現在特許請求される製品はヒトの製薬学的製品の使用に有用である。
【0152】
本発明の製剤は、ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントおよび選択された緩衝液、好ましくは生理的食塩水若しくは選ばれた塩を含有するリン酸緩衝液を製造され得る。最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントおよび緩衝剤を水性希釈剤中で混合することは、慣習的な溶解および混合手順を使用して実施する。適する製剤を製造するため、例えば、水若しくは緩衝液中の測定された量の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを、所望の濃度のタンパク質および緩衝剤を提供するのに十分な量で水中の所望の緩衝剤と組み合わせる。この方法の変形が当業者により認識されるであろう。例えば、成分を添加する順序、付加的な添加物を使用するかどうか、製剤を製造する温度およびpHは全部、使用される濃度および投与手段について最適化し得る因子である。
【0153】
特許請求される安定なすなわち保存される製剤は、澄明な溶液として、あるいは、水性希釈剤中に保存剤若しくは緩衝液および賦形剤を含有する第二のバイアルで再構成される凍結乾燥した最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントのバイアルを含んでなる2本のバイアルとして、患者に提供し得る。単一の溶液バイアル若しくは再構成を必要とする2本のバイアルのいずれも複数回再使用し得、かつ、単一若しくは複数周期の患者処置に十分であり得、そして従って現在利用可能よりも便宜的な処置レジメンを提供する。
【0154】
本明細書に記述される安定なすなわち保存される製剤若しくは溶液のいずれか中の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築または指定される部分若しくはバリアントは、当該技術分野で公知のところの、SC若しくはIM注入;経皮、肺、経粘膜、植込物、浸透圧ポンプ、カートリッジ、マイクロポンプまたは当業者により認識される他の手段を包含する多様な送達方法を介して本発明により患者に投与し得る。
【0155】
治療的応用。本発明は、それの必要な細胞、組織、器官若しくは個体に有効量の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の組成物を投与することを含んでなる、膵の機能の増大方法を提供する。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物は、島の分化を促進し、□細胞量を増大させ、かつ/若しくはインスリン分泌を増大させうる。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物はin vitro、ex vivo若しくはin vivoで投与し得る。
【0156】
例えば、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の処置は、膵若しくは島移植患者またはインスリン産生細胞を必要とする他の細胞療法で使用し得る。細胞療法は、細胞の生存を高める若しくは免疫拒絶を予防するように設計されたデバイスの支援を伴い若しくは伴わずに静脈内、皮下、筋肉内若しくは腹腔内に患者に送達しうる。それはまた膵の一部分の外科的除去後の患者でも使用し得る。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物は、該処置の前若しくは後に膵の□細胞量および機能を増大させるため生存している膵若しくは島ドナーに投与し得る。それは移植前にin vitroで□細胞の増殖を刺激するのにもまた使用し得、それにより□細胞量を増大させかつ移植されれば島のアポトーシスを予防する。それはさらに、分化および増殖を刺激するためならびにアポトーシスの予防のために、インスリン産生細胞の幹、前駆細胞(progenitor)若しくは前駆体(precursor)の培養物中で使用し得る。
【0157】
本発明は、有効量の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の組成物をそれの必要な個体に投与することを含んでなる、糖尿病になる高い危険性にさらされている個体における糖尿病の発症の遅延若しくはその予防方法を提供する。
【0158】
本発明は、限定されるものでないがインスリン抵抗性、高血糖、低血糖、クッシング症候群、黒色表皮症、脂肪萎縮性糖尿病、網膜症、腎症、多発ニューロパシー、単ニューロパシー、自律神経ニューロパシー、潰瘍、足潰瘍、関節の問題、感染症(例えば真菌若しくは細菌)などを挙げることができる関連する徴候および症状を包含する成人発症若しくは若年性、インスリン依存型、インスリン非依存型などを包含するI型若しくはII型糖尿病の最低1種を限定されるものでないが挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者における最低1種の糖尿病関連の免疫関連疾患の調節若しくは処置方法も提供する。例えば、Merck Manual、第12〜17版、Merck & Company、ニュージャージー州ローウェー(1972、1977、1982、1987、1992、1999)、Pharmacotherapy Handbook、Wellsら編、第2版、Appleton and Lange、コネチカット州スタンフォード(1998、2001)(それぞれ引用することによりそっくりそのまま組み込まれる)を参照されたい。他の制限しない膵障害は膵炎、膵腫瘍若しくは膵癌を包含する。
【0159】
本発明は、高血糖をもたらす最低1種の代謝障害の調節若しくは処置方法を提供する。こうした障害の制限しない例は、肝硬変、および高血圧と関連する耐糖能障害を包含する。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物の処置は、高血糖および/若しくは糖尿病を誘発することが既知の他の医薬品とともにもまた使用し得る。こうした医薬品の制限しない例は、臓器移植で与えられるシクロスポリン若しくはFK−506のような免疫抑制薬、AIDSを伴う患者に処方されるプロテアーゼ阻害剤、および統合失調症の処置で使用される非定型抗精神病薬を包含する。
【0160】
本発明はまた、限定されるものでないが、心原性失神症候群、心筋梗塞、うっ血性心不全、卒中、虚血性卒中、出血、動脈硬化症、アテローム硬化症、糖尿病性動脈硬化性疾患、高血圧症、動脈高血圧症、腎血管性高血圧症、失神、ショック、心血管系の梅毒、心不全、肺性心、原発性肺高血圧症、心不整脈、心房異所性拍動、心房粗動、心房細動(持続性若しくは発作性)、無秩序若しくは多病巣性心房性頻脈、規則的狭QRS頻脈(regular narrow QRS tachycardia)、特異性不整脈、心室細動、His束不整脈、房室ブロック、脚ブロック、心筋虚血障害、冠動脈疾患、狭心症、心筋梗塞、心筋症、拡張型うっ血性心筋症、拘束型心筋症、弁膜心疾患、心内膜炎、心膜疾患、心腫瘍、大動脈および末梢動脈瘤、大動脈解離、大動脈の炎症、腹部大動脈およびその側枝の閉塞、末梢血管障害、閉塞性動脈障害、末梢アテローム硬化性(atherlosclerotic)疾患、閉塞性血栓性血管炎、機能的末梢動脈障害、レイノー現象およびレイノー病、肢端チアノーゼ、肢端紅痛症、静脈疾患、静脈血栓症、静脈瘤、動静脈瘻、リンパ水腫、脂肪性浮腫、不安定型狭心症、再灌流傷害、ポンプ後症候群(post pump syndrome)、虚血−再灌流傷害などの最低1種を挙げることができる、細胞、組織、器官、動物若しくは患者における最低1種の心血管系疾患の調節若しくは処置方法も提供する。こうした方法は、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを含んでなる組成物若しくは製薬学的組成物の有効量をこうした調節、処置若しくは治療の必要な細胞、組織、器官、動物若しくは患者に投与することを場合によっては含み得る。
【0161】
本発明のいずれの方法も、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを含んでなる組成物若しくは製薬学的組成物の有効量をこうした調節、処置若しくは治療の必要な細胞、組織、器官、動物若しくは患者に投与することを含み得る。こうした方法は、場合によっては、前記最低1種のGLP−1受容体アゴニストまたは受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物、それらの指定される部分若しくはバリアントの投与が、糖尿病若しくはインスリン代謝関連薬物、TNFアンタゴニスト(限定されるものでないがTNF抗体若しくはフラグメント、可溶性TNF受容体若しくはフラグメント、それらの融合タンパク質または小分子TNFアンタゴニストを挙げることができる)、抗リウマチ薬、筋弛緩薬、麻薬、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、鎮痛薬、麻酔薬、鎮静薬、局所麻酔薬、神経筋遮断薬、抗菌薬(例えばアミノグリコシド、抗真菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬、カルバペネム、セファロスポリン、フルオロキノロン(flurorquinolone)、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、別の抗菌薬)、抗乾癬薬、コルチコステロイド、蛋白同化ステロイド、糖尿病関連薬、ミネラル、栄養薬、甲状腺薬、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止瀉薬、鎮咳薬、制吐剤、抗潰瘍薬、緩下剤、抗凝固薬、エリスロポエチン(erythropieitin)(例えばGLP−1エチン(GLP−1etin)α)、フィルグラスチム(例えばG−CSF、Neupogen)、サルグラモスチム(GM−CSF、Leukine)、免疫化、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えばバシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン補充薬、エストロゲン受容体調節物質、散瞳薬、毛様筋調節薬、アルキル化剤、代謝拮抗薬、有糸分裂阻害剤、放射性医薬品、抗うつ薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、睡眠薬、交感神経刺激薬、興奮剤、ドネペジル、タクリン、喘息医薬品、βアゴニスト、吸入ステロイド、ロイコトリエン阻害剤、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリン若しくはアナログ、ドルナーゼα(Pulmozyme)、サイトカインあるいはサイトカインアンタゴニストの最低1種から選択される最低1種の前、同時および/若しくは後に投与することをさらに含んでなる共投与若しくは併用療法をさらに含み得る。適する投薬量は当該技術分野で公知である。例えば、Wellsら編、Pharmacotherapy Handbook、第2版、Appleton and Lange、コネチカット州スタンフォード(2000);PDR Pharmacopoeia,Tarascon Pocket Pharmacopoeia 2000、豪華版、Tarascon Publishing、カリフォルニア州ロマリンダ(2000)(それらの参考文献のそれぞれは引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)を参照されたい。
【0162】
サイトカインは限定されるものでないが全部の既知のサイトカインを挙げることができる。例えばCopewithCytokines.comを参照されたい。サイトカインアンタゴニストは、限定されるものでないがいかなる抗体、フラグメント若しくは模倣物、いかなる可溶性の受容体、フラグメント若しくは模倣物、いかなる小分子アンタゴニストまたはそれらのいかなる組合せも挙げることができる。
【0163】
典型的には、病理学的状態の処置は、組成物に含有されるの比活性に依存して、合計で平均して用量あたり患者1キログラムあたり最低約0.0001から500ミリグラムまでの最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント、および好ましくは単回若しくは複数回投与あたり患者1キログラムあたり最低約0.001から100ミリグラムまでのGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの範囲になる最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物またはGLP−1受容体アゴニスト組成物の有効量若しくは投薬量を投与することにより遂げられる。あるいは、有効血清濃度は単回若しくは複数回投与あたり0.001〜5000μg/mlの血清濃度を含み得る。適する投薬量は医学実務者に既知であり、そしてもちろん特定の疾患状態、投与されている組成物の比活性および処置を受ける特定の患者に依存することができる。いくつかの例において、所望の治療量を達成するために、反復投与、すなわち所望の1日の用量若しくは効果が達成されるまで個々の投与を反復する特定の監視若しくは計測された用量の反復個別投与を提供することが必要であり得る。
【0164】
好ましい用量は、場合によっては、投与あたり0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005.0.0006、0.0007、0.0008、00009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05.0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29および/若しくは30mg/kgまたはそのいずれかの範囲、値若しくは画分を、あるいは、単回若しくは複数回投与あたり0.0001、0.0002、0.0003、0.0004、0.0005.0.0006、0.0007、0.0008、00009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05.0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.9、2.0、2.5、2.9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、20、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、4.9、5.0、5.5.、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、12、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14、14.5、15、15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、18.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65
、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500および/若しくは5000μg/mlの血清濃度またはそのいずれかの範囲、値若しくは画分の血清濃度を達成するように包含し得る。
【0165】
あるいは、投与される投薬量は、特定の剤の薬力学的特徴ならびにその投与様式および経路;受領者の齢、健康状態および重量;症状の性質および程度、付随する処置の種類、処置の頻度、ならびに所望の効果のような既知の因子に依存して変動し得る。通常、有効成分の投薬量は体重1キログラムあたり約0.0001ないし100ミリグラムであり得る。投与あたり若しくは除放形態で1キログラムあたり通常0.001ないし10および好ましくは0.001ないし1ミリグラムが所望の結果を得るのに有効である。
【0166】
制限しない一例として、ヒト若しくは動物の処置は、単一、注入、若しくは反復用量を使用して、第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39若しくは40日の最低1つ、または、あるいは第1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19若しくは20週の最低1つあるいはそれらのいずれかの組合せに、本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの一時若しくは定期的投薬量として1日あたり0.0002、0.0003、0.0004、0.0005.0.0006、0.0007、0.0008、00009、0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05.0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9若しくは10mg/kgのような0.0001ないし100mg/kgを提供し得る。
【0167】
内的投与に適する投薬形態物(組成物)は、一般に、単位若しくは容器あたり約0.0001ミリグラムから約500ミリグラムまでの有効成分を含有する。これらの製薬学的組成物中で、有効成分は通常、組成物の総重量に基づき約0.5〜99.999重量%の量で存在することができる。
【0168】
非経口投与のためには、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを、製薬学的に許容できる非経口ベヒクルとともに溶液、懸濁剤、乳剤若しくは凍結乾燥粉末として処方し得るか、または別個に提供し得る。こうしたベヒクルの例は水、生理的食塩水、リンゲル液、ブドウ糖溶液および5%ヒト血清アルブミンである。リポソーム、および不揮発性油のような非水性ベヒクルもまた使用しうる。ベヒクル若しくは凍結乾燥粉末は、等張性(例えば塩化ナトリウム、マンニトール)ならびに化学的安定性(例えば緩衝剤および保存剤)を維持する添加物を含有しうる。該製剤は既知の若しくは適する技術により滅菌する。
【0169】
適する製薬学的担体は、この分野の標準的参照教科書、Remington’s Pharmaceutical Sciences、A.Osolの最新版に記述されている。
【0170】
治療的投与。製薬学的有効量の本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを投与するのに多くの既知のおよびの開発されたの様式を使用し得る。本発明のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物は、吸入、または本明細書に(here within)記
述されるか若しくは当該技術分野で既知の他の様式による投与に適する多様なデバイスおよび方法のいずれかを使用して、溶液、乳剤、コロイド若しくは懸濁剤としてまたは粉末として担体中で送達し得る。
【0171】
非経口製剤および投与。非経口投与のための製剤は、共通の賦形剤として滅菌水若しくは生理的食塩水、ポリエチレングリコールのようなポリアルキレングリコール、植物起源の油、水素化ナフタレンなどを含有し得る。注入のための水性若しくは油性懸濁剤は、適切な乳化剤若しくは湿潤剤および懸濁化剤を既知の方法に従って使用することにより製造し得る。注入のための剤は、水性溶液または溶媒中の無菌の注入可能な溶液若しくは懸濁液のような非毒性の経口で投与可能でない希釈剤であり得る。使用可能なベヒクル若しくは溶媒として、水、リンゲル液、等張生理的食塩水などが許容され;通常の溶媒若しくは懸濁化溶媒として無菌の不揮発性油を使用し得る。これらの目的上、天然のまたは合成若しくは半合成の脂肪油若しくは脂肪酸;天然のまたは合成若しくは半合成のモノ若しくはジ若しくはトリグリセリドを包含するいかなる種類の不揮発性油および脂肪酸も使用し得る。非経口投与は当該技術分野で既知であり、そして、限定されるものでないが慣習的注入手段、米国特許第5,851,198号明細書に記述されるところのガス加圧式無針注入デバイス、および米国特許第5,839,446号明細書(引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)に記述されるところのレーザー穿孔器デバイスを挙げることができる。
【0172】
代替送達。本発明はさらに、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの非経口、皮下、筋肉内、静脈内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻内若しくは経皮手段による投与に関する。タンパク質、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの組成物は、非経口(皮下、筋肉内若しくは静脈内)投与のためとりわけ液体の溶液若しくは懸濁液の形態で;膣若しくは直腸投与での使用のためとりわけクリーム剤および坐剤のような半固形の形態で;頬側若しくは舌下投与のためとりわけ錠剤若しくはカプセル剤の形態で;あるいはとりわけ粉末、点鼻薬若しくはエアゾルまたはある種の剤の形態で鼻内で;あるいは、皮膚構造を改変するか若しくは経皮貼付剤中の薬物濃度を増大させるかのいずれかのためのジメチルスルホキシドのような化学的増強剤を含む(“Drug Permeation Enhancement”;Hsieh,D.S.編中Jungingerら、pp.59−90(Marcel Dekker,Inc.ニューヨーク 1994(引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)))、あるいはタンパク質およびペプチドを含有する製剤の皮膚上への塗布を可能にする酸化剤(第WO 98/53847号明細書)または電気穿孔のような一過性の輸送経路を創製するか若しくはイオントフォレーシスのような皮膚を通る荷電した薬物の移動性を増大させるための電場の適用、あるいはソノフォレーシスのような超音波の適用(米国特許第4,309,989号および同第4,767,402号明細書)(上の刊行物および特許は引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)を伴う、とりわけゲル剤、軟膏剤、ローション剤、懸濁剤若しくは貼付剤送達系(限定されるものでないがAlza、米国カリフォルニア州によるMacrofluxTMまたはいずれかの他の既知の方法、デバイス若しくは技術を挙げることができる)の形態で経皮での使用のため製造し得る。
【0173】
肺/鼻投与。肺投与のため、好ましくは最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの組成物は、肺の下部気道若しくは洞(sinuses)に達するために有効な粒子径で送達される。本発明により、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントは、吸入による治療薬の投与のための当該技術分野で既知の多様な吸入若しくは鼻デバイスのいずれかにより送達し得る。患者の副鼻腔洞(sin
us cavity)若しくは肺胞中でエアゾル化製剤を沈着させることが可能なこれらのデバイスは、定量噴霧式吸入器、ネブライザー、乾燥粉末発生デバイス、噴霧器などを包含する。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの肺若しくは鼻投与を指図するのに適する他のデバイスもまた当該技術分野で既知である。全部のこうしたデバイスは、エアゾル中のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの分注のための投与に適する製剤の使用し得る。こうしたエアゾルは溶液(水性および非水性双方)若しくは固体粒子のいずれからも構成され得る。Ventolin(R)定量噴霧式吸入器のような定量噴霧式吸入器は典型的に噴射剤ガスを使用し、そして吸気の間の起動を必要とする(例えば第WO 94/16970号、同第WO 98/35888号明細書を参照されたい)。Inhale Therapeuticsにより市販されているデバイス、TurbuhalerTM(Astra)、Rotahaler(R)(Glaxo)、Diskus(R)(Glaxo)、SpirosTM吸入器(Dura)のような乾燥粉末吸入器およびSpinhaler(R)粉末吸入器(Fisons)は混合粉末の呼吸起動を使用する(米国特許第US 4668218号 Astra、欧州特許第EP 237507号 Astra、第WO 97/25086号 Glaxo、第WO 94/08552号 Dura、米国特許第US 5458135号 Inhale、第WO 94/06498号明細書 Fisons(引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる))。AERxTM Aradigm、Ultravent(R)ネブライザー(Mallinckrodt)およびAcorn II(R)ネブライザー(Marquest Medical Products)(米国特許第US 5404871号 Aradigm、第WO 97/22376号明細書)(上の参考文献は引用することにより本明細書にそっくりそのまま組み込まれる)のようなネブライザーは溶液からエアゾルを生じさせる一方、定量噴霧式吸入器、乾燥粉末吸入器などは小粒子エアゾルを生成させる。商業的に入手可能な吸入デバイスのこれらの特定の例は本発明の実務に適する特定のデバイスの代表例であることを意図しており、そして本発明の範囲を制限するとして意図していない。好ましくは、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを含んでなる組成物は乾燥粉末吸入器若しくは噴霧器により送達される。本発明の最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを投与するための吸入デバイスのいくつかの望ましい特徴が存在する。例えば、吸入デバイスによる送達は有利に信頼でき、再現可能かつ正確である。吸入デバイスは、場合によっては、良好な呼吸可能性のため小さな乾燥粒子、例えば約10?m未満、好ましくは約1〜5?mを送達し得る。
【0174】
GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの組成物のスプレー剤としての投与。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質を包含するスプレー剤は、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの懸濁液若しくは溶液に加圧下にノズルを通させることにより生じさせ得る。ノズルの大きさおよび構成、適用される圧ならびに液体フィード速度を、所望の出力および粒子径を達成するように選ぶことができる。例えばキャピラリー若しくはノズルフィードとともにの電場により電気スプレーを生じさせ得る。有利には、噴霧器により送達される最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の粒子は、約10?m未満、好ましくは約1μmないし5μg、および最も好ましくは約2μmないし約3μmの範囲の粒子径を有する。
【0175】
噴霧器を用いる使用に適する最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の製剤は、典型
的に、溶液1mlあたり約1mgないし約20mgの最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくは受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の濃度で水性溶液中にGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質を包含する。該製剤は、賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤および好ましくは亜鉛のような剤を包含し得る。該製剤はまた、賦形剤、あるいは、緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質若しくは炭水化物のようなGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の安定化のための剤も包含し得る。GLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の処方において有用なバルクタンパク質はアルブミン、プロタミンなどを包含する。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の処方において有用な典型的な炭水化物は、ショ糖、マンニトール、乳糖、トレハロース、ブドウ糖などを包含する。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質製剤はまた、エアゾルの形成における溶液の霧化により引き起こされるGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の表面誘発性凝集を低下若しくは予防し得る界面活性剤も包含し得る。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびアルコールならびにポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステルのような多様な慣習的界面活性剤を使用し得る。量は一般に製剤の0.001と14重量%の間の範囲にわたることができる。本発明の目的上とりわけ好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリソルベート20などである。ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントのようなタンパク質の製剤について当該技術分野で既知の付加的な剤もまた、該製剤中に包含し得る。
【0176】
ネブライザーによるGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの組成物の投与。GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質は、ジェットネブライザー若しくは超音波ネブライザーのようなネブライザーにより投与し得る。典型的には、ジェットネブライザー中では圧縮空気供給源を使用してオリフィスを通して高速空気ジェットを創製する。ガスがノズルを超えて膨脹する際に低圧領域が創製され、それが液体リザーバに接続された毛細管を通してGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の溶液を引き出す。毛細管からの液体流はそれが管を出る際に不安定な糸状体および液滴に剪断されてエアゾルを創製する。ある範囲の構成、流速およびバッフル型を使用して所定のジェットネブライザーから所望の性能の特徴を達成し得る。超音波ネブライザーにおいては、高周波電気エネルギーを使用して、典型的には圧電トランスを使用して振動性の力学的エネルギーを創製する。このエネルギーが、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の製剤に直接若しくはカップリング液によるかのいずれかで伝播されて、GLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質を包含するエアゾルを創製する。有利には、ネブライザーにより送達されるGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の粒子は、約10μm未満、好ましくは約1μgないし約5μm、および最も好ましくは約2μmないし約3μmの範囲の粒子径を有する。
【0177】
ジェット若しくは超音波いずれかのネブライザーを用いる使用に適する最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの製剤は、典型的には溶液1mlあたり約1μgないし約20mgの最低1種のGLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントタンパク質の
濃度で水性溶液中にGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質を包含する。該製剤は賦形剤、緩衝剤、等張剤、保存剤、界面活性剤、および好ましくは亜鉛のような剤を包含し得る。該製剤はまた、賦形剤、または、緩衝剤、還元剤、バルクタンパク質若しくは炭水化物のような最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の安定化のための剤も包含し得る。最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の処方において有用なバルクタンパク質はアルブミン、プロタミンなどを包含する。最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの処方において有用な典型的な炭水化物は、ショ糖、マンニトール、乳糖、トレハロース、ブドウ糖などを包含する。最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント製剤は、エアゾルの形成において溶液の霧化により引き起こされる最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの表面誘発性凝集を低下若しくは予防し得る界面活性剤もまた包含し得る。ポリオキシエチレン脂肪酸エステルおよびアルコールならびにポリオキシエチレンソルビタル脂肪酸エステルのような多様な慣習的界面活性剤を使用し得る。量は一般に製剤の0.001と4重量%の間の範囲にわたることができる。本発明の目的上とりわけ好ましい界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリソルベート80、ポリソルベート20などである。最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントタンパク質のようなタンパク質の製剤について当該技術分野で既知の付加的な剤もまた製剤中に包含し得る。
【0178】
定量噴霧式吸入器によるGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの組成物の投与。定量噴霧式吸入器(MDI)中では、噴射剤、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントおよびいずれかの賦形剤若しくは他の添加物が、液化圧縮ガスを包含する混合物としてキャニスター中に含有される。計量バルブの起動が、好ましくは約10μm未満、好ましくは約1μmないし約5μm、および最も好ましくは約2μmないし約3μmの大きさ範囲の粒子を含有するエアゾルとして該混合物を放出する。所望のエアゾル粒子径は、ジェットミル粉砕、噴霧乾燥、臨界点凝縮などを包含する当業者に既知の多様な方法により製造されるGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアント組成物タンパク質の製剤を使用することにより得ることができる。好ましい定量噴霧式吸入器は、3M若しくはGlaxoにより製造されかつハイドロフルオロカーボン噴射剤を使用するものを包含する。
【0179】
定量噴霧式吸入器デバイスを用いる使用のための最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの製剤は、一般に、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを例えば界面活性剤の助けを借りて噴射剤中に懸濁した非水性媒体中の懸濁液として含有する微粉を包含することができる。噴射剤は、トリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノールおよび1,1,1,2−テトラフルオロエタン、HFA−134a(ヒドロフルオロアルカン−134a)、HFA−227(ヒドロフルオロアルカン−227)などを包含するクロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン若しくは炭化水素のような本目的上使用されるいずれの慣習的物質でもあり得る。好ましくは噴射剤はヒドロフルオロカーボンである。界面活性剤は、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを噴射剤中の懸濁液として安定化させる、有効成分を化学的分解に対し保護する、などのために選ぶことができる。適する界面活性剤はソルビタントリオレエート、ダイズレシチン、オレイン
酸などを包含する。いくつかの場合には、エタノールのような溶媒を使用する溶液エアゾルが好ましい。タンパク質のようなタンパク質の製剤について当該技術分野で既知の付加的な剤もまた該製剤に包含し得る。
【0180】
当業者は、本発明の方法を、本明細書に記述されないデバイスを介する最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの組成物の肺投与により達成し得ることを認識するであろう。
【0181】
粘膜製剤および投与。粘膜表面を通る吸収のため、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを投与する組成物および方法は、乳剤粒子の粘膜付着を達成することにより粘膜表面を通る吸収を促進する複数のサブミクロン粒子、粘膜付着性巨大分子、生物活性ペプチドおよび水性連続層を含んでなる乳剤を包含する(米国特許第5,514,670号明細書)。本発明の乳剤の適用に適する粘膜表面は、角膜、結膜、頬側、舌下、鼻、膣、肺、胃、腸および直腸の投与経路を包含し得る。膣若しくは直腸投与のための製剤例えば坐剤は、賦形剤として例えばポリアルキレングリコール、ワセリン、カカオバターなどを含有し得る。鼻内投与のための製剤は固体であり得、そして賦形剤として例えば乳糖を含有し得るか、または点鼻薬の水性若しくは油性溶液であり得る。頬側投与のためには、賦形剤は糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、糊化済デンプンなどを包含する(米国特許第5,849,695号明細書)。
【0182】
経口製剤および投与。経口のための製剤は、腸壁の浸透性を人工的に増大させるための補助物質(例えばレゾルシノール、ならびにポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテルのような非イオン性界面活性剤)の共投与、ならびに酵素的分解を阻害するための酵素阻害剤(例えば膵トリプシンインヒビター、ジイソプロピルフルオロリン酸(DFF)およびトラシロール)の共投与に頼る。経口投与のための固体型投薬形態物の有効構成成分は、ショ糖、乳糖、セルロース、マンニトール、トレハロース、ラフィノース、マルチトール、デキストラン、デンプン、寒天、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ペクチン、トラガカントガム、アラビアゴム、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、合成若しくは半合成のポリマーおよびグリセリドを包含する最低1種の添加物と混合し得る。これらの投薬形態物は他の型(1種若しくは複数)の添加物、例えば不活性希釈剤、ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤、パラベン、ソルビン酸、アスコルビン酸、α−トコフェロールのような保存剤、システインのような抗酸化剤、崩壊剤、結合剤、増粘剤、緩衝剤、甘味料、着香料、香料などもまた含有し得る。
【0183】
錠剤および丸剤は腸溶コーティング製剤にさらに加工し得る。経口投与のための液体製剤は医学的使用に許容できる乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤および溶液製剤を包含する。これらの製剤は前記分野で通常使用される不活性希釈剤例えば水を含有しうる。リポソームもまたインスリンおよびヘパリンの薬物送達系として記述されている(米国特許第4,239,754号明細書)。より最近、混合アミノ酸の人工的ポリマー(プロテイノイド)のミクロスフェアが医薬品を送達するために使用されている(米国特許第4,925,673号明細書)。さらに、米国特許第5,879,681号および同第5,5,871,753号明細書に記述される担体化合物が、生物学的有効成分を経口で送達するために使用されるが当該技術分野で既知である。
【0184】
経皮製剤および投与。経皮投与のためには、最低1種のGLP−1受容体アゴニスト若しくはミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを、リポソームまたはポリマーナノ粒子、微小粒子、マイクロカプセル若しくはミクロスフェア(別の方法で述べられない限り集合的に微小粒子と称される)のような送達デバイス中に被包化する
。ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびそれらのコポリマーのようなポリヒドロキシ酸、ポリオルトエステル、ポリ無水物ならびにポリホスファゼンのような合成ポリマー、ならびにコラーゲン、ポリアミノ酸、アルブミンおよび他のタンパク質、アルギン酸塩ならびに他の多糖のような天然のポリマー、ならびにそれらの組合せから作成される微小粒子を包含する多数の適するデバイスが既知である(米国特許第5,814,599号明細書)。
【0185】
長時間投与および製剤。本発明の化合物を単一投与から長時間にわたり、例えば1週ないし1年間被験体に送達することがときに望ましいことがあり得る。多様な持続放出、デポー若しくは植込投薬形態物を利用し得る。例えば、投薬形態物は、体液中で低い程度の溶解性を有する化合物の製薬学的に許容できる非毒性の塩、例えば(a)リン酸、硫酸、クエン酸、酒石酸、タンニン酸、パモ酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンモノ若しくはジスルホン酸、ポリガラクツロン酸などのような多塩基性酸との酸付加塩;(b)亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウムなどのような多価金属陽イオン、または例えばN,N’−ジベンジル−エチレンジアミン若しくはエチレンジアミンから形成される有機陽イオンとの塩;あるいは(a)および(b)の組合せ、例えば亜鉛タンニン酸塩を含有し得る。加えて、本発明の化合物、若しくは好ましくはたった今記述されたもののような比較的不溶性の塩を、注入に適する例えばゴマ油とともにゲル例えばモノステアリン酸アルミニウムゲル中で処方し得る。とりわけ好ましい塩は、亜鉛塩、亜鉛タンニン酸塩、パモ酸塩などである。注入のための別の型の持続放出デポー製剤は、例えば米国特許第3,773,919号明細書に記述されるところのポリ乳酸/ポリグリコール酸ポリマーのようなゆっくりと分解する非毒性の非抗原性ポリマー中に被包化されるために分散された化合物若しくは塩を含有するとみられる。該化合物、若しくは好ましくは上述されたもののような比較的不溶性の塩は、とりわけ動物での使用のためコレステロールマトリックスのシラスティックペレット中でもまた処方し得る。付加的な持続放出、デポー若しくは植込製剤、例えば気体若しくは液体リポソームが文献で既知である(米国特許第5,770,222号明細書、および“Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems”、J.R.Robinson編、Marcel Dekker,Inc.、ニューヨーク、1978)。
【0186】
本発明を全般的に記述したので、それは、具体的説明として提供されかつ制限するとして意図していない以下の実施例を参照してより容易に理解されるであろう。
【実施例】
【0187】
実施例1
哺乳動物細胞中でのGLP−1ミメティボディ構築物のクローニングおよび発現。
典型的な哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介する最低1個のプロモーター領域、GLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントのコーディング配列、ならびに転写の終止および転写物のポリアデニル化に必要とされるシグナルを含有する。付加的なエレメントは、エンハンサー、コザック配列ならびにRNAスプライシングのドナーおよびアクセプター部位により隣接される介在配列を包含する。高度に効率的な転写は、SV40からの初期および後期プロモーター、レトロウイルス例えばRSV、HTLVI、HIVIからの末端反復配列(LTRS)、ならびにサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターで達成し得る。しかしながら細胞エレメントもまた使用し得る(例えばヒトアクチンプロモーター)。本発明の実施における使用に適する発現ベクターは、例えばpIRES1neo、pRetro−Off、pRetro−On、PLXSN若しくはpLNCX(Clonetech Labs、カリフォルニア州パロアルト)、pcDNA3.1(+/−)、pcDNA/Zeo(+/−)若しくはpcDNA3.1/Hygro(+/−)(Invitrogen)、PSVLおよびPMSG(Pharmacia、スウェーデン・ウプサラ)、pRSVcat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)ならびにpBC12MI(ATCC 67109)のようなベクターを包含する。使用し得る哺乳動物宿主細胞は、ヒトHela 293、H9およびJurkat細胞、マウスNIH3T3およびC127細胞、Cos 1、Cos 7およびCV 1、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞ならびにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を包含する。
【0188】
あるいは、遺伝子は染色体中に組込まれた遺伝子を含有する安定細胞株中で発現させ得る。dhfr、gpt、ネオマイシン若しくはハイグロマイシンのような選択可能なマーカーとのコトランスフェクションは、トランスフェクトされた細胞の同定および単離を可能にする。
【0189】
トランスフェクトされた遺伝子は、大量のコードされるGLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントを発現させるためにまた増幅もし得る。DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカーは、数百若しくは数千コピーさえの目的の遺伝子を保有する細胞株を開発するのに有用である。別の有用な選択マーカーは酵素グルタミン合成酵素(GS)(Murphyら、Biochem.J.227:277−279(1991);Bebbingtonら、Bio/Technology 10:169−175(1992))である。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地中で増殖させ、そして最高の耐性を伴う細胞を選択する。これらの細胞株は染色体中に組込まれた増幅された遺伝子(1種若しくは複数)を含有する。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびNSO細胞がGLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの製造にしばしば使用される。
【0190】
発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LTR)(Cullenら、Molec.Cell.Biol.5:438−447(1985))およびCMV−エンハンサーの1フラグメント(Boshartら、Cell 41:521−530(1985))を含有する。例えば制限酵素切断部位BamHI、XbaIおよびAsp7l8を含むマルチクローニング部位が目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターは、3’イントロンに加えラットプレプロインスリン遺伝子のポリアデニル化および終止シグナルを含有する。
【0191】
CHO細胞でのクローニングおよび発現。ベクターpC4をGLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントの発現に使用する。プラスミドpC4はプラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である。該プラスミドはSV40初期プロモーターの制御下にマウスDHFR遺伝子を含有する。これらのプラスミドでトランスフェクトされるジヒドロ葉酸活性を欠くチャイニーズハムスター卵巣若しくは他の細胞は、化学療法剤メトトレキサートを補充した選択培地(例えばα−MEM、Life Technologies、メリーランド州ゲイタースバーク)中で細胞を増殖させることにより選択し得る。メトトレキサート(MTX)に耐性の細胞中でのDHFR遺伝子の増幅は十分に報告されている(例えば、F.W.Altら、J.Biol.Chem.253:1357−1370(1978);J.L.HamlinとC.Ma、Biochem.et Biophys.Acta 1097:107−143(1990);およびM.J.PageとM.A.Sydenham、Biotechnology 9:64−68(1991)を参照されたい)。増大する濃度のMTX中で増殖させた細胞は、DHFR遺伝子の増幅の結果として標的酵素DHFRを過剰産生することにより該薬物に対する耐性を発生する。第二の遺伝子がDHFR遺伝子に連結される場合、それは通常共増幅かつ過剰発現される。1,000コピー以上の増幅された遺伝子(1種若しくは複数)を保有する細胞株を開発するのにこのアプローチを使用し得ることが当該技術分野で既知である。その後、メトトレキサートを取り去る場合に、宿主細胞の1個若しくはそれ以上の染色体に組込まれた増幅された遺伝子を含有する細胞株が得られ
る。
【0192】
プラスミドpC4は、目的の遺伝子を発現させるためにラウス肉腫ウイルスの末端反復配列(LTR)の強力なプロモーター(Cullenら、Molec.Cell.Biol.5:438−447(1985))およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)の前初期遺伝子のエンハンサーから単離された1フラグメント(Boshartら、Cell
41:521−530(1985))を含有する。プロモーターの下流に、遺伝子の組込みを可能にするBamHI、XbaIおよびAsp7l8制限酵素切断部位がある。これらのクローニング部位の後に該プラスミドは3’イントロンおよびラットプレプロインスリン遺伝子のポリアデニル化部位を含有する。他の高効率プロモーター、例えばヒトb−アクチンプロモーター、SV40初期若しくは後期プロモーターまたは他のレトロウイルス例えばHIVおよびHTLVIからの末端反復配列もまた発現に使用し得る。ClontechのTet−OffおよびTet−On遺伝子発現系ならびに類似の系を、GLP−1を哺乳動物細胞中で調節された方法で発現させるのに使用し得る(M.GossenとH.Bujard、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5547−5551(1992))。mRNAのポリアデニル化のため、例えばヒト成長ホルモン若しくはグロビン遺伝子からの他のシグナルを同様に使用し得る。染色体中に組込まれた目的の遺伝子を保有する安定細胞株は、gpt、G418若しくはハイグロマイシンのような選択可能なマーカーとのコトランスフェクションに際してもまた選択し得る。初めに1種以上の選択可能なマーカー、例えばG418およびメトトレキサートを使用することが有利である。
【0193】
プラスミドpC4を制限酵素で消化し、そしてその後当該技術分野で既知の手順により仔ウシ腸ホスファターゼを使用して脱リン酸化する。ベクターをその後1%アガロースゲルから単離する。
【0194】
本発明のGLP−1ミメティボディ構築物のHCおよびLC可変領域に対応する完全なGLP−1ミメティボディ構築物または指定される部分若しくはバリアントをコードするDNA配列を既知の方法の段階に従って使用する。適するヒト定常領域(すなわちHCおよびLC領域)をコードする単離された核酸もまた本構築物中で使用する。
【0195】
単離された可変および定常領域をコードするDNAならびに脱リン酸化したベクターをその後T4 DNAリガーゼを用いて連結する。大腸菌(E.coli)HB101若しくはXL−1 Blue細胞をその後形質転換し、そして例えば制限酵素分析を使用してプラスミドpC4に挿入されたフラグメントを含有する細菌を同定する。
【0196】
活性のDHFR遺伝子を欠くチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞をトランスフェクションに使用する。5μgの発現プラスミドpC4をリポフェクションを使用して0.5μgのプラスミドpSV2−neoとコトランスフェクトする。プラスミドpSV2neoは、支配的選択可能マーカー、すなわちG418を包含する抗生物質の一群に対する耐性を賦与する酵素をコードするTn5からのneo遺伝子を含有する。細胞を1μg/mlのG418を補充したα−MEMに播種する。2日後に細胞をトリプシン処理し、そして10、25若しくは50ng/mlのメトトレキサートおよび1μg/mlのG418を補充したα−MEM中でハイブリドーマクローニングプレート(Greiner、独国)に播種する。約10〜14日後に単一クローンをトリプシン処理し、そしてその後多様な濃度のメトトレキサート(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を使用して6ウェルペトリ皿若しくは10mlフラスコに播種する。最高濃度のメトトレキサートで増殖するクローンをその後なおより高濃度のメトトレキサート(1mM、2mM、5mM、10mM、20mM)を含有する新たな6ウェルプレートに移す。100〜200mMの濃度で増殖するクローンが得られるまで同一の手順を反復する。所望の遺伝子産物の発現を例えばSDS−PAGEおよびウエスタンブロット若しくは逆相HPLC分析により分析する。
【0197】
実施例2
本発明のGLP−1ミメティボディ構築物の制限しない例。
GLP−1は経口グルコース投与後に腸のL細胞から分泌される37アミノ酸のペプチドである。生物学的に活性のGLP−1(7−37)ペプチド、バリアント若しくは誘導体を組み込むミメティボディ構築物の構築物は、該ペプチドのin vivo寿命を延長しかつ2型糖尿病患者で血糖を低下させるための新規療法を提供すると期待される。天然のGLP−1(7−37)ペプチド若しくはDPP−IV抵抗性アナログをコードするペプチドをミメティボディ構築物の足場構造に組み込み得る。これらの分子の数種を作成し、そして、生じるミメティボディ構築物は機能的なin vitroの細胞に基づくアッセイで活性を示した。多様なin vitroアッセイおよびin vivoモデルをこれらの研究で使用し得、そして効力は相互に若しくは本明細書に提示される結果と比較可能でないかもしれないことに注意すべきである。
【0198】
GLP−1ミメティボディ構築物のバリアントを生成させるため、ミメティボディ構築物中のGLP−1ペプチド、リンカー、ヒンジ若しくはCH2およびCH3配列を、発現、効力、安定性若しくはエフェクター機能を改良するために欠失、付加、置換、変異若しくは修飾し得た。
【0199】
野性型GLP−1配列ならびにGLP−1(A2S)若しくはGLP−1(A2G)のようなDDP−IV抵抗性GLP−1バリアントをミメティボディ構築物の足場構造に組込み得る。GLP−1ミメティボディ構築物の特性を改良するために該ペプチドの突然変異を行い得る。例えば、アミノ末端残基での突然変異はシグナル伝達を改良しうる一方、らせん状ドメイン中の突然変異は該ヘリックスを安定化することができかつそれによりミメティボディ構築物の受容体への結合および/若しくは安定性を改良しうる。
【0200】
GLP−1ペプチドとFc領域の間の結合の柔軟性若しくは安定性を変動させるためにリンカーの長さおよび組成を変異させ得る。多様なアイソタイプを該分子のヒンジ領域に組み込み得る。加えて、該分子を安定化するためにミメティボディ構築物のヒンジ領域内で突然変異を行い得る。例えば、ヒトIgG4ヒンジを、ミメティボディ構築物中の鎖間ジスルフィド結合を安定化するためにSer228−>Proバリアントを作成するように変異させ得る。ミメティボディ構築物のFc部分内の変動を行って、該分子の安定性を改良しかつFcR結合のようなエフェクター機能を変えることができる。例えば、Ala/Ala突然変異を伴うIgG4のようなヒト若しくはマウスアイソタイプ(またはこれらの分子の変形物)を使用し得る。
【0201】
本発明のGLP−1ミメティボディ構築物。本発明の特定の制限しない一例は、式(I):

((P(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、

[ここでPは単一コピーの生物活性GLP−1ペプチド(7−36)であり、LはGly−Ser若しくはGly−Gly−Gly−Serいずれかのフレキシブルリンカーのタンデム反復であり、VはV配列のC末端すなわち天然に存在するIgGのJ領域であり、Hは完全なIgG1ヒンジ領域であり、そしてCH2およびCH3はIgG1アイソタイプサブクラスのものである]
のGLP−1ミメティボディ構築物(アミノ酸配列番号2、4若しくは70、DNA配列番号1、3および69に対応する)である。この構築物の半減期はGLP−1ペプチド単独またはそのバリアント若しくは誘導体のものの多数倍でありかつIgGのものに類似で
あろうことが期待される。
【0202】
上述された基本構造に加え、潜在的に好都合な生物学的特徴をもつバリアントを記述する。これらは、自己会合する低下された傾向、低下された免疫エフェクター機能若しくは低下された免疫原性を有しうる構築物を包含する。生物学的に活性のペプチドの改良されたコンホメーションおよび血液脳関門を横断する移動のような所望の特徴を賦与する他の改変が予見される。提案されるバリアントおよび改変は、所望の活性をもつ構築物を生じるようにいずれかの様式で組合せうる。
【0203】
組換えDNA法を使用して、中間体ベクターにGLP−1ペプチドを免疫グロブリンシグナルペプチドとヒトJ配列の間で挿入した。これは、該ベクター中に存在する制限部位と適合性の端をもつ相補合成オリゴヌクレオチドを使用して行った。これらのオリゴヌクレオチドは、GLP−1ペプチドのコーディング配列および2個のGGGS反復配列から構成されるフレキシブルリンカーを含んだ。前述の機能エレメントを含有する制限フラグメントをその後発現ベクター中に移した。このベクターは、抗CD4免疫グロブリンのプロモーターおよびエンハンサーならびにヒトIgG1ヒンジ配列、HC定常領域2(CH2)および定常領域3(CH3)のコーディング配列、ならびに細菌中でのプラスミドの複製および選択ならびに哺乳動物細胞中での安定発現体の選択のための必要なエレメントを含有した。
【0204】
このプラスミドをHEK293E細胞に導入し、そしてwt GLP−1 MMBの発現が一過性にトランスフェクトした細胞中で達成された。GLP−1 MMBの精製は標準的プロテインAおよびSuperose 12アフィニティークロマトグラフィーにより達成し、トランスフェクトした細胞1Lあたりおよそ1.5mgを生じた。このタンパク質が下述される実験の出発原料であった。
【0205】
例示的一GLP−1ミメティボディ構築物のアミノ酸配列は配列番号2、4および70である)。機能的ドメインをペプチドコーディング配列の上に注記する。J配列は、GLP−1二量体に適正なコンホメーションをとらせ、また、該二量体を免疫グロブリンの球状構造から突出させかつ2個のGLP−1受容体間の間隙に貫通させるためのなおより大きな柔軟性を提供するであろうと考えられる。IgG1ヒンジ領域に3個のシステインが存在する。第一のものは免疫グロブリンL鎖(LC)と正常に対形成し、および他の2個は2個のHC間の鎖間結合に参画するとみられる。CH2およびCH3領域が該タンパク質の嵩を構成する。免疫グロブリンが長い血清半減期を有すると考えられる理由の1つは、飲作用された免疫グロブリンを細胞外間隙に戻すことにより血清半減期を延長する、FcRnを結合するそれらの能力である。FcRnの結合部位はCH2およびCH3領域の結合部と重なる(Sheildsら、2001、J.Biol.Chem.、vol.276(9)、6591−6604)。
【0206】
2本のIgG H鎖は、ヒンジ領域中に位置するシステイン間のジスルフィド結合を介して細胞のプロセシングの間に集成されてホモ二量体を形成することが公知である。改変されたペプチド間でもまたこれが発生して集成されたGLP−1ミメティボディ構築物を形成するであろうことが期待される。加えて、GLP−1ペプチド中の2個のシステイン間の鎖内ジスルフィド結合もまた生じるであろうことが期待される。GLP−1ミメティボディ構築物の期待される構造は2個のGLP−1ペプチドを含有する。結合配列の柔軟性と一緒になったN末端での該ペプチドの空間的配置が、該ペプチドに生物活性二量体を形成させるはずである。
【0207】
実施例3
FACS結合アッセイ。
GLP−1ミメティボディ構築物の活性をin vitro FACS結合アッセイで試験した。GLP−1 MMBがGLP−1Rを結合するかどうかを決定するため、GLP−1Rを過剰発現するHEK293細胞(1×10細胞)をGLP−1 MMB(20nM)と4℃で2時間インキュベートした。細胞を洗浄し、そして蛍光標識した二次検出抗体(1μg/mLヤギ抗ヒトIgG、Fc γ特異的)を4℃で30分間添加した。フローサイトメトリーを介して細胞の蛍光強度をモニターした。GLP−1 MMBはGLP−1Rを過剰発現するHEK293細胞に結合する。GLP−1 MMBは対照HEK293細胞に結合しない。GLP−1ペプチドアナログ(A2S)は、GLP−1Rを過剰発現するHEK293細胞への結合についてGLP−1 MMBと競合することが可能である。
【0208】
実施例4
cAMPアッセイ。
GLP−1は、その受容体すなわちGタンパク質共役型受容体に結合してシグナル伝達分子3’,5’−環状AMP(cAMP)の用量依存性の増加をもたらす。cAMPはGLP−1Rを発現する細胞中でのin vitroアッセイ(Applied Biosystems)で測定し得る。簡潔には、Rinm細胞(100,000細胞)を、増大する濃度のGLP−1ペプチド(0〜30nM)若しくはGLP−1 MMB(0〜100nM)とともにインキュベートした。細胞を溶解し、そしてアルカリホスファターゼ標識cAMP複合物および化学発光基質(Tropix(R) CDPD(R))を使用する競合アッセイを使用してcAMPの量を測定した。wt GLP−1 MMBの濃度依存性のcAMP活性はGLP−1ペプチドに匹敵する(それぞれEC50=11nM対0.4nM)。類似の実験で、IgG4の足場構造中のGLP−1(A2G)MMBおよびIgG4の足場構造中のGLP−1(A2S)MMBは、双方ともRinm細胞中のcAMPレベルをIgG4の足場構造中のwt GLP−1 MMBよりも有意により高レベルに増大させた。
【0209】
実施例5
DPP−IV切断アッセイ。
GLP−1はDPP−IVにより急速に不活性化されるため、無傷の(すなわち切断されない)GLP−1 MMBを定量するためのin vitroアッセイを確立した。簡潔には、GLP−1 MMB若しくはペプチド(1.2nM)をDPP−IV(1μg/mL、R&D Systems)と室温でインキュベートした。多様な時間(0、5、10、15、20、30、40分)後にDPP−IV阻害剤(100μM、Linco)を添加して反応をクエンチした。無傷のGLP−1 MMB若しくはペプチドの量を、GLP−1 Active ELISA(Linco)、およびそれぞれの標準曲線のためGLP−1 MMB若しくはペプチドを使用して測定した。GLP−1 MMBは、GLP−1ペプチドに関してDPP−IVによる切断に対し有意により抵抗性であった。
【0210】
実施例6
ヒト血清安定性アッセイ。
他の血清プロテアーゼがGLP−1 MMBを切断かつ不活性化することが可能でなかったことを確認するために血清中でのGLP−1 MMBの安定性もまた測定した。簡潔には、GLP1ペプチド若しくはGLP1 MMB(30nM)をヒト血清中37℃でインキュベートした。多様な時間後に反応をDPP−IV阻害剤(100μM、Linco)でクエンチし、そしてLincoからのGLP−1 Active ELISAを使用してサンプルを分析した。GLP−1 MMBはヒト血清中で24時間安定である一方、ペプチドは迅速に崩壊される。
【0211】
実施例7
GLP−1 MMBはRINm細胞中でインスリン分泌を引き起こす。
インスリン分泌におけるGLP−1 MMBの効果を試験するため、RINm細胞を増大する濃度のGLP−1(7−36)ペプチド(0〜5nM)、エキセンジン−4ペプチド(0〜5nM)または多様なGLP−1ミメティボディ構築物(5若しくは50nM)で処理し、そして分泌されるインスリンの量をELISAを介して測定した。試験した全部のGLP−1 MMBがRINm細胞中のインスリン分泌の刺激において活性を有した。50nMで、MMBは野性型GLP−1(7−36)ペプチドのものに匹敵する活性を有した。
【0212】
実施例8
GLP−1 MMBはdb/dbマウスにおいてグルコースレベルを低下させる。
6週齢のdb/dbマウスを2時間絶食させ、そしてその後ベヒクル、GLP−1ペプチド若しくはGLP−1(A2S)MMBを静脈内投与した。投与後0.5、1、2、3および4時間に血糖をモニターした。GLP−1ペプチドは30分で血糖を低下させたが、しかし、ありそうにはGLP−1ペプチドの短い半減期により60分までに血糖が再度増大し始めた。相対的に、GLP−1ペプチドの用量より100倍より低い用量のGLP−1(A2S)MMBは4時間全体を通じて血糖の低下を誘発した。加えて血糖の低下は用量依存的であった。
【0213】
実施例9
マウスおよびカニクイザルにおけるGLP−1 MMBの薬物動態。
4種のGLP−1ミメティボディ構築物(A2G、A2S、エキセジン(exedin)−capおよびwt)の薬物動態を測定するため、C57/Bl6マウスに1mg/kgのMMBを静脈内投与した。多様な時点でマウスを殺した後に心穿刺を介して血漿を得た。多様なELISAを使用してFc、全MMB、活性MMBおよびそれらが動物中で代謝されたところの活性ペプチドを測定した。活性MMBは該ミメティボディ構築物のFc領域になお結合されている該ペプチドの無傷のN末端を反映する。該ペプチド中の第二のアミノ酸(アラニン)のセリン若しくはグリシンいずれかでの置換は循環中の活性MMBの寿命を延長した。
【0214】
カニクイザルに1.0mg/kgの4種の異なるGLP−1 MMB構築物を静脈内注入し、そして投与後10分から5日までの多様な時点で血清サンプルを採取した。血清サンプルをELISAにより評価して無傷のMMBを定量した。全4種のMMBが急速な分布期次いでより遅い消失期を表す。構築物のそれぞれについて薬物動態定数を計算し、T=0からT=120時間までのAUCにより決定される類似の曝露を伴うおよそ3日のT1/2を示した。
【0215】
実施例10
インスリン感受性若しくは脂質プロファイルのための処置を裏付けるエビデンスを示す、正常ラットへのCNTO 736の脳室内(icv)投与。
インスリン感受性および脂質代謝に対するCNTO 736(表4、配列番号70)の急性処置の効果を、高脂肪食で10週間維持したC57Blマウス(DIOマウス)で評価した。CNTO 736(1.0若しくは0.1mg/kg)、エキセンジン−4(7.1μg/kg)またはベヒクルを腹腔内注入により投与し、そして高インスリン正常血糖クランプを投与2時間後に実施した。インスリン感受性および脂質代謝に対するCNTO 736の慢性処置の効果を、高脂肪食で10週間維持したC57Blマウスで評価した。第7から10週の間に、マウスにCNTO 736(1.0若しくは0.1mg/kg)、エキセンジン−4(7.1μg/kg)またはベヒクルを腹腔内注入により連日投与し、そして高インスリン正常血糖クランプを最終投与2時間後に全動物で実施した。
【0216】
高インスリン正常血糖クランプは、アセプロマジン(6.25mg/kg)/ミダゾラム(6.25mg/kg)/フェンタニル(0.3125mg/kg)麻酔下に以下の様式で実施した。マウスはクランプ10時間前まで高脂肪食および水への自由接近を有した。グルコースおよびグリセロールのターンオーバーの基礎速度を、14C−グルコース(p:0.2μCi;c:0.3μCi/h、Amersham、英国リトルシャルフォント)および3H−グリセロール(p:0.6?Ci;c:0.9?Ci/h、Amersham)のプライミド(primed)(p)連続(c)注入を60分間与えることにより測定した。その後、インスリンをプライムド(4.5mU)連続(6.8mU/h)i.v.注入でおよそ2時間投与して、約4ng/mlの定常状態循環インスリン濃度を達成した。12.5% D−グルコース溶液の可変注入を使用して、尾出血(<3μl、Freestyle、TheraSence、Disetronic Medical Systems BV、オランダ・フィアネン)を介し10分間隔で測定されるところの正常血糖を維持した。基礎期間(50および60分後)ならびにクランプ期間(70、80および90分後)に血液サンプル(60μl)を抜き出し、グルコース、FFA、インスリン、14C−グルコースおよび3H−グリセロールの血漿濃度を測定した。
【0217】
VLDL産生を定量するため、体重1kgあたり500mgのTriton WR−1339(Sigma、米国ミズーリ州セントルイス)を無菌生理食塩水中10%(w/w)溶液としてi.v.注入して血清VLDLクリアランスを阻害した。血液サンプル(20μl)を注入後t=0、10、20、40および60分に採取して血漿トリグリセリド(TG)の濃度を測定した。VLDL−TG産生を濃度曲線の傾きから計算しかつμmol/kg/分で表した。グルコースのターンオーバー速度(μmol/分/kg)を、基礎および高インスリン状態で、14C−グルコースの血漿比活性(dpm/μmol)により除算したトレーサー注入の速度(dpm/分)として計算した。該比を体重について補正した。内因性グルコース産生(EGP)はグルコース出現のトレーサー由来速度とグルコースの注入速度の間の差違として計算した。グルコース処理(glucose disposal)はグルコースの注入速度に対し正規化した14C−グルコースの濃度に基づき計算した。群間のグルコースターンオーバーおよびVLDL産生の多様な尺度の統計学的有意性(p<0.05)を分散分析により検定した。
【0218】
実施例11
GLP−1 MMBでの急性および慢性処置後の基礎および高インスリン状態のDIOマウスにおける体重、血糖値、インスリン、グリセロールおよび脂肪酸濃度。
表1に示されるとおり、体重および血漿パラメータは、高用量のCNTO 736の投与後の基礎状態での低下されたグルコース濃度およびエキセンジン−4処置マウスでの高インスリン状態での上昇されたインスリン濃度を除き、CNTO 736若しくはエキセンジン−4での急性処置後に有意に変化しなかった。高用量のCNTO 736での慢性処置はDIOマウスで有意の体重減少を誘導した(表2)。双方の用量のCNTO 736およびエキセンジン−4は空腹時血糖値を低下させた。グリセロールおよび脂肪酸濃度は処置に応答して変化しなかった。
【0219】
【表2】

【0220】
【表3】

【0221】
実施例12
GLP−1 MMBでの急性処置後のDIOマウスでの高インスリン正常血糖クランプ。
食餌誘発性肥満を伴うC57Blマウスの4群(それぞれn=12)を、1mg/kgおよび0.1mg/kgのCNTO 736、7.1μg/mlのエキセナチドおよびPBSで腹腔内でにより処置した。投与2時間後にマウスを高インスリン正常血糖クランプにかけた。
【0222】
得られたデータは、CNTO 736およびエキセナチドでの急性処置が基礎グルコース産生を減少させかつ全身グルコース処理を増大させる傾向があることを示唆するが、しかし、該差違は、ありそうには基礎およびクランプ状態の間に達成される変動するインスリン濃度により、処置群のいずれの間でも統計学的有意性に達しない。インスリンで刺激される肝グルコース産生のパーセントは処置に応答して変化しなかった。
【0223】
体重250〜350gのSprague−Dawleyラットに、以下の座標すなわち−0.80mm前方、十字縫合に対し+1.2mm外側、十字縫合に対し−3.2mm腹側で側脳室にカニューレ挿入した。カニューレが適切に配置されたことを確認するため動
物をアンジオテンシンII試験に提出した。ラットを逆転明/暗周期および取り扱いに馴化させた。給餌基礎を確立するため、単回PBS注入後に24時間絶食/再給餌測定を行った。動物をPBS注入からの24時間食餌摂取に従い均一に分配した(10動物の3群)。PBS注入7〜10日後にラットを24時間絶食させ、そして暗周期に進入する前にicv投与した。ラットに5□Lの容量でCNTO 736(3nmol)、エキセンジン−4(3nmol)若しくはPBSいずれかを投与した。食餌摂取および水摂取を投与後0〜12および12〜24時間から測定し、ならびに体重を24および48時間後に測定した。投与後最初の12時間に、エキセンジン−4およびCNTO 736処置で食餌および水摂取の有意の減少が存在した。投与後第二の12時間(12〜24時間)に、エキセンジン−4およびCNTO 736双方の処置で食餌摂取の有意の減少が存在したが、しかし水摂取の減少はエキセンジン−4処置でのみ観察された。24および48時間双方で、エキセンジン−4処置で体重の有意の減少が存在したが、しかしCNTO 736で存在しなかった。
【0224】
実施例14
GLP−1 MMBでの慢性処置後のDIOマウスでの高インスリン正常血糖クランプ。
食餌誘発性肥満を伴うC57Blマウスの4群(それぞれn=12)をCNTO736(1若しくは0.1mg/kg)、エキセンジン−4(7.1□g/kg)またはPBSで連日4週間腹腔内処置した。最終投与2時間後にマウスを高インスリン正常血糖クランプにかけた。
【0225】
双方の用量のCNTO 736での慢性処置は基礎肝グルコース産生を有意に低下させたが、しかしエキセナチドはしなかった。高用量のCNTO 736およびエキセンジン−4は高インスリン状態で全身グルコース処理を有意に増大した。双方の用量のCNTO
736およびエキセンジン−4は肝グルコース産生のインスリン阻害を増大させた。一緒にすれば、CNTO 736およびエキセンジン−4双方は、肝グルコース産生の阻害およびグルコース処理の増強を包含するインスリンの作用を改善する。エキセンジン−4と対照的に、CNTO 736は空腹状態で糖新生を有意に減少させた。
【0226】
実施例15
脂肪分解に対するGLP−1 MMBの効果。
いずれの用量のCNTO 736若しくはエキセンジン−4の急性若しくは慢性投与も、基礎(空腹時)若しくは高インスリン状態でのグリセロールターンオーバーに影響しなかった。また、該薬物のいずれも血漿遊離脂肪酸(FFA)濃度に影響しなかった(表1および2)。
【0227】
実施例16
脂肪分解に対するGLP−1 MMBの効果。
いずれの用量のCNTO 736若しくはエキセンジン−4の急性若しくは慢性投与も、基礎(空腹時)若しくは高インスリン状態でのグリセロールターンオーバーに影響しなかった。また、該薬物のいずれも血漿遊離脂肪酸(FFA)濃度に影響しなかった(表1および2)。
【0228】
実施例17
GLP−MMB、エキセナチドおよびベヒクルでの急性および慢性処置に応答してのVLDL産生。
CNTO 736およびエキセナチドでの急性処置はVLDL産生の基礎若しくは高インスリンの速度を変化しなかった。対照的に、いずれの用量のCNTO 736での慢性処置もVLDL産生の基礎および高インスリンの速度を有意に低下したが、しかしエキセナチドはしなかった。
【0229】
要約:開示されるデータは、GLP−1 MMBの慢性投与が食餌誘発性肥満を伴うマウスで末梢インスリン感受性を改善することを示唆する。エキセンジン−4と対照的にCNTO736は新規グルコース産生を阻害した。さらに、GLP−1 MMBの慢性投与はVLDL産生を減少させた。
【0230】
利点:2型糖尿病を処置するための治療薬としてのGLP−1 MMBの使用は他のGLP−1アナログを上回る以下の利点を提供する。例えば、それはGLP−1ペプチドの半減期を延長することがありそうである。また、ミメティボディ構築物の足場構造中の野生型GLP−1ペプチドは、プロテアーゼ分解、とりわけDPP−IVに対し抵抗性である。これは、変異体ペプチドよりむしろ野生型GLP−1ペプチドでの処置を見込みうる。GLP−1は天然のペプチドであるため、GLP−1ミメティボディ構築物で処置される患者で、変異GLP−1アナログで処置される患者でよりも少ない免疫応答が存在しうる。加えて、GLP−1 MMBの大きな大きさはそれが血液脳関門を横断することを妨げうる。悪心および不安が脳中のGLP−1Rを結合するGLP−1と関連づけられているため、これは一利点を提供しうる。さらに、該ミメティボディ構築物基盤は、各ミメティボディ構築物分子上の2ペプチドの発現をもたらす。これはGLP−1ペプチドが相互と相互作用することを可能にして細胞表面GLP−1受容体に対する親和性を増大し得る二量体リガンドを形成しうる。
【0231】
本発明は前述の記述および実施例にとりわけ記述される以外の方法で実施し得ることが明らかであろう。
【0232】
そのインスリン分泌効果に加え、CNTO 736は、インスリンに刺激される肝グルコース産生およびインスリンに刺激されるグルコース処理を包含する末梢インスリン感受性を有意に改善する。
【0233】
CNTO 736は肝糖新生を阻害する(がしかしエキセンジン−4はしない)。これは、2型糖尿病患者における空腹時血糖のより良好な制御および従ってより良好な処置結果を見込むことが期待される。
【0234】
CNTO 736はVLDL産生を減少させる(がしかしエキセンジン−4はしない)。これは、糖尿病と頻繁に関連する脂質代謝異常、肥満および心血管系障害の処置に付加的な利益を提供しうる。加えて、GLP−1 MMBは糖尿病の非存在下でこれらの疾患を処置する可能性を有する。
【0235】
本発明は前述の記述および実施例にとりわけ記述される以外の方法で実施し得ることが明らかであろう。
【0236】
本発明の多数の改変および変形が上の教示に照らして可能であり、そして従って本発明の範囲内にある。
【0237】
【表4】

【0238】
【表5】

【0239】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物若しくはヒト患者のインスリン感受性若しくは脂質プロファイルを改善するために、最低1種のGLP−1受容体アゴニストの有効量を含んでなる組成物を最低1個の細胞、組織、器官若しくは動物に接触若しくは投与することを含んでなる、前記動物患者におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項2】
前記有効量が、前記細胞、組織、器官若しくは動物1キログラムあたり0.001〜50mgのGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物若しくはGLP−1受容体;0.000001〜500mgの前記GLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物若しくはGLP−1受容体;または0.0001〜100μgの前記GLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物若しくはGLP−1受容体核酸、あるいは同等な濃度である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接触させること若しくは前記投与することが、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、動脈内、気管支内、腹腔内(intraabdominal)、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頚管内、胃内、肝内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内(intraperitoneal)、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎内、網膜内、髄腔内、滑液包内、胸腔内、子宮内、膀胱内、病変内、ボーラス、膣、直腸、頬側、舌下、鼻内若しくは経皮から選択される最低1様式による、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記有効量が、それの必要な動物で血糖値を低下させることにより前記代謝障害を処置する、請求項5に記載の方法。
【請求項5】
前記有効量が、インスリン産生細胞からのインスリン分泌を増大させることにより前記代謝障害を処置する、請求項5に記載の方法。
【請求項6】
前記有効量が、インスリン産生細胞のアポトーシスを予防することにより前記代謝障害を処置する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記有効量が、インスリン産生細胞の増殖を増大する前記代謝障害を処置する、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記GLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態が糖尿病に関係する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記GLP−1受容体アゴニストが、配列番号1若しくは6の最低1種の10〜31アミノ酸を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記GLP−1ミメティボディが、配列番号2若しくは4の最低1種のGLP−1受容体結合領域を含んでなる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物核酸が、配列番号7〜14から選択される最低1種を含んでなるアミノ酸配列をコードする最低1種のポリヌクレオチド若しくはそれらに相補的なポリヌクレオチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項12】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物核酸が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体であり、Lは、該ミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり、Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分であり、CH2は免疫グロブリンCH2定常領域の少なくとも一部分であり、CH3は免疫グロブリンCH3定常領域の少なくとも一部分であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドをコードする最低1種のポリヌクレオチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項13】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が配列番号2若しくは4の連続するアミノ酸の全部を含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項14】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物若しくはアゴニストが、配列番号7〜14の最低1種の連続するアミノ酸の全部を含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項15】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは配列番号1および6から選択される最低1種の生物活性GLP−1ペプチドであり、Lは、GS、GGS、GGGS(配列番号16)、GSGGGS(配列番号17)、GGSGGGS(配列番号18)、GGSGGGSGG(配列番号19)およびGGGSGGGSGG(配列番号20)から選択され;Vは、GTLVTVSS(配列番号21)、GTLVAVSS(配列番号22)、GTAVTVSS(配列番号23)、TVSS(配列番号24)およびAVSS(配列番号25)から選択され;HはEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGP(配列番号26)であり、CH2はSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK(配列番号43)であり、CH3はGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号44)であり、nは1から10までの整数
であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項16】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは配列番号6の最低1種の生物活性GLP−1ペプチドであり、Lは、GS、GGS、GGGS(配列番号16)、GSGGGS(配列番号17)、GGSGGGS(配列番号18)、GGSGGGSGG(配列番号19)およびGGGSGGGSGG(配列番号20)から選択され;Vは、GTLVTVSS(配列番号21)、GTLVAVSS(配列番号22)、GTAVTVSS(配列番号23)、TVSS(配列番号24)およびAVSS(配列番号25)から選択され;HはESKYGPPCPSCPAPEFLGGP(配列番号27)であり、CH2はSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAK(配列番号45)であり、CH3はGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号46)であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項17】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは配列番号6の最低1種の生物活性GLP−1ペプチドであり、Lは、GS、GGS、GGGS(配列番号16)、GSGGGS(配列番号17)、GGSGGGS(配列番号18)、GGSGGGSGG(配列番号19)およびGGGSGGGSGG(配列番号20)から選択され;Vは、GTLVTVSS(配列番号21)、GTLVAVSS(配列番号22)、GTAVTVSS(配列番号23)、TVSS(配列番号24)およびAVSS(配列番号25)から選択され;HはESKYGPPCPPCPAPEAAGGP(配列番号28)であり、CH2はSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAK(配列番号45)であり、CH3はGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号46)であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項18】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体であり、Lは、該ミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり、Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分であり、CH2はSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAK(配列番号43)であり、CH3はGQPREPQVYTLPPSRDELTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPGK(配列番号44)であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項19】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体であり、Lは、該ミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり、Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分であり、CH2はSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAK(配列番号45)であり、CH3はGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK(配列番号46)であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項20】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは配列番号6の最低1種の生物活性GLP−1ペプチドであり、Lは、該ミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり、Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分であり、CH2は免疫グロブリンCH2定常領域の少なくとも一部分であり、CH3は免疫グロブリンCH3定常領域の少なくとも一部分であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項21】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体であり、Lは、GS、GGS、GGGS(配列番号16)、GSGGGS(配列番号17)、GGSGGGS(配列番号18)、GGSGGGSGG(配列番号19)およびGGGSGGGSGG(配列番号20)から選択され;Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分であり、CH2は免疫グロブリンCH2定常領域の少なくとも一部分であり、CH3は免疫グロブリンCH3定常領域の少なくとも一部分であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項22】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体であり;Lは、該ミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり;Vは、GTLVTVSS(配列番号21)、GTLVAVSS(配列番号22)、GTAVTVSS(配列番号23)、TVSS(配列番号24)およびAVSS(配列番号25)から選択され;Hは免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分であり;CH2は免疫グロブリンCH2定常領域の少なくとも一部分であり;CH3は免疫グロブリンCH3定常領域の少なくとも一部分であり;nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ
構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項23】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体であり、Lは、該ミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり、Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは、EPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGP(配列番号26)、ESKYGPPCPSCPAPEFLGGP(配列番号27)およびESKYGPPCPPCPAPEAAGGP(配列番号28)から選択され、CH2は免疫グロブリンCH2定常領域の少なくとも一部分であり、CH3は免疫グロブリンCH3定常領域の少なくとも一部分であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項24】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体であり、Lは、該ミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり、Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは、EPKSADKTHTCPPCPAPEAAGGP(配列番号29)、EPKSADKTHTCPPCPAPELAGGP(配列番号30)、EPKSADKTHTCPPCPAPEALGGP(配列番号31)、EPKSADKTHTCPPCPAPELEGGP(配列番号32)、EPKSSDKTHTCPPCPAPEFLGGP(配列番号33)、EPKSADKTHACPPCPAPELLGGP(配列番号34)、EPKSADKAHTCPPCPAPELLGGP(配列番号35)およびEPKSADKTHTCPPCPAPELLGGP(配列番号36)、ADKTHTCPPCPAPELLGGP(配列番号37)、THTCPPCPAPELLGGP(配列番号38)、ESKYGPPCPSCPAPEAAGGP(配列番号39)、ESKYGPPCPPCPAPELLGGP(配列番号40)、CPPCPAPELLGGP(配列番号41)ならびにCPPCPAPEAAGGP(配列番号42)から選択され、CH2は免疫グロブリンCH2定常領域の少なくとも一部分であり、CH3は免疫グロブリンCH3定常領域の少なくとも一部分であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
のポリペプチドを含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若
しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。
【請求項25】
前記最低1種のGLP−1 CH1欠失ミメティボディ構築物が、P、または式(I):
(Pep(n)−L(o)−V(p)−H(q)−CH2(r)−CH3(s))(t)、
ここでPは最低1種の生物活性GLP−1ペプチド、バリアント若しくは誘導体であり、Lは、該ミメティボディ構築物が代替の方向および結合特性を有することを可能にすることにより構造の柔軟性を提供するポリペプチドであり得る最低1種のリンカー配列であり、Vは免疫グロブリン可変領域のC末端の少なくとも一部分であり、Hは免疫グロブリン可変ヒンジ領域の少なくとも一部分であり、CH2は免疫グロブリンCH2定常領域の少なくとも一部分であり、CH3は免疫グロブリンCH3定常領域の少なくとも一部分であり、nは1から10までの整数であり、ならびに、o、p、q、r、sおよびtは独立に0から10までの整数であり得る、
を含んでなる、最低1種のGLP−1アゴニスト若しくはミメティボディ構築物核酸、ポリペプチドまたは抗体の有効量を含んでなる組成物を細胞、組織、器官若しくは動物と接触若しくはそれらに投与することを含んでなる、前記細胞、組織、器官若しくは動物におけるGLP−1インスリン感受性若しくは脂質プロファイル関連状態の診断若しくは処置方法。

【公表番号】特表2010−514699(P2010−514699A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543251(P2009−543251)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2007/088517
【国際公開番号】WO2008/080042
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(509087759)セントコア・オーソ・バイオテツク・インコーポレーテツド (77)
【Fターム(参考)】