説明

インターリーブされたアドレスの反復計算によるインターリーブ方法

【解決手段】本発明は、変数k={0,...,K−1}によってインデックス付けされたデジタル入力データに、インデックスjについてのN回(Nは1以上)の繰り返しによってサイズKのブロック・インターリーブを行う方法および装置(4)に関するものである。インターリーブ方法は、二つの入力と一つの出力を有する「ターボ」構造を利用するものである。各繰り返しjの結果、インタリーバ(4)の出力におけるインターリーブ規則I(j)(k)は、インターリーブ前のデータの位置インデックスで形成された入力シーケンス(典型的にはランプ)と、同一のインターリーブ・アルゴリズムによる先行する繰り返しから生じた、インターリーブされたシーケンス(インターリーブ後のデータ位置を与える)にしたがって修正される。
【効果】多重化されたデータのp個のストリームの全体的な位置を保持することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気通信の分野に関するものである。この分野の中で、本発明はより特徴的にはデジタル通信と呼ばれる通信に関するものである。デジタル通信とは特に、伝送チャネルが無線チャネルである無線通信並びに有線通信を含んでいる。
【0002】
本発明はインターリーブ技術に関するものである。一般的に、これらの技術は、データに適用される「選択的な」フィルタリング操作によって生じ、伝送チャネルに内在的な相関を減少させるため、あるいはデータの整形(mise en forme)によって生じる相関を減少させるために実施されている。
【0003】
本発明は特に、有線または無線の伝送システムのあらゆるタイプに適用されるものであり、該システムの伝送すべきデータは離散的で、受信器の決定回路を劣化させる作用を持った、受信データの間に相関を生じさせる干渉(perturbation)を受けるものである。
【0004】
伝送媒体がマルチパスであるとき、伝送に割り当てられた伝送帯域Bの逆数によって、システムによって「知覚される」エコーの分解能(resolution)が提供される(δτ≒1/B)。これらのエコー(複素振幅および遅延)は反射波によって生成され、送信器−受信器の軸の近傍にある障害物で回折する。該エコーは伝播チャネルのインパルス応答の係数を記述し、該伝播チャネルはシステムの帯域幅の中で通信信号を選別する。帯域Bにおけるブロードバンド伝送(B>チャネルのコヒーレント帯域)については、小規模のインタリーバによって、伝播チャネルの周波数の選択性によって生じるデータの相関を数シンボル規模に減少させることができる。ナローバンド伝送(B<チャネルのコヒーレント帯域)のとき、データ間の相関は、無線周波数電磁界のナローバンドの変動、あるいは、データに対して行われる理想的なローパスフィルタリング操作に関連している。チャネルのコヒーレント時間を超える周期で送信されたデータをインターリーブすることで、受信のとき、デインターリーブ後にデータを非相関化し、低いSN比でデータを分散させることができる。この操作によって、デジタル伝送システムの受信における決定回路の効率が向上する。
【0005】
サイズKのブロックに対するインターリーブ規則I(k)は順序を与えるのだが、該順序にしたがって、出力では、0からK−1まで変動するインデックスkによってインデックス付けされているK個のデータで形成された入力シーケンスを読む必要がある。X(k)をインターリーブ規則I(k)によるインタリーバの入力でのシーケンスとする。Y(k)をインタリーバの出力でのシーケンスとする。このとき、Y(k)=X(I(k))であり、位置インデックスk−1を有するインターリーブされたシーケンスのk番目のデータは、入力シーケンスX(0),...,X(K−1)のインデックスI(k−1)のデータに対応している。インターリーブ規則I(k)は全単射関数であり、該関数は空間S={0,...K−1}の中で自身の値をとる。分散(dispersion)は、インターリーブ後の、s−1データによって隔てられた二つの入力データ、X(k)およびX(k+s)に関連づけられた二つの位置インデックスの間における最小の距離として定義される。分散は、関係式ΔIeff(s)=Mink,k∈S|I(k+s)−I(k)|によって与えられる。関数|X|はXの絶対値を与える。
【0006】
インターリーブすべき入力データおよび出力のインターリーブされたデータは、明細書の以下の部分では、反する指示がない限り、インデックスkによってのみ表されるものである。
【0007】
本発明はより特徴的には、ブロック・インターリーブの技術に関するものである。つまり、サイズKのデータからなる各ブロックが他のブロックとは独立してインターリーブされるインターリーブ技術であり、この条件において、インデックスkは0からK−1まで変動する。
【背景技術】
【0008】
これらの技術の中には、急速なフェーディングを克服することを目的としたものもあれば、特にターボ符号に対するデコード回路を改良することを目的としたものもある。
【0009】
ターボ符号に対するインターリーブ・アルゴリズムの中では、RPアルゴリズムと呼ばれる、Relative Prime interleaverが知られており、該アルゴリズムは特に、「High−Performance Low−Memory Interleaver Banks for Turbo−Codes」というタイトルで、Proceedings of the 54th IEEE Vehicular Technology Conference(VTC 2001 Fall)、Atlantic City、New Jersey、USA、pp.2394−2398、October7−11、2001に収められたS.Crozier et P.Guinandの論文に記載されている。
【0010】
RPアルゴリズムは元来、ターボ符号に内在的なインターリーブ・マトリクスを生成するために定義されている。このアルゴリズムは、サイズKのブロックに対するブロック・インターリーブ・アルゴリズムであり、インターリーブされた二つのデータ間で決定された分散を与えるものである。該アルゴリズムは、比較的短いブロックのサイズに対して十分に高い分散という特性で知られている。しかしながら、大きいサイズのブロックについては、大きな分散は、周期構造に挿入される、インターリーブされていない多くのデータを導いてしまう。このアルゴリズムは、二つのパラメータsおよびdと、Kを法とする演算によって記述されるインターリーブ規則を生成することからなる。sは第一のデータでのずれに対応し、dはインターリーブ後の連続する二つのデータ間の距離に対応し、dによって、インターリーブされた連続する二つのデータ間の分散値を確定することが可能になる。dとKは互いに素でなければならない。ある場合には、このアルゴリズムによってサイズpのパタン(motif)を保持することが可能になる。このような特性の利点は、マルチチャネルのインターリーブ・システムのインフラを軽くし、伝送システム全体の最適化に関わる特定的な制約に応えることにある。
【0011】
多重化されたデータのp個のストリームに対応するデータ配分(repartition)のパタンを保持することは、パラメータpがインターリーブすべきブロックのサイズKの約数であることを前提としている。つまり入力のデータ・シーケンスSと出力のデータ・シーケンスS’は、それぞれp個のデータで構成されたK/p個のパーティションPで形成される。パタンを保持することは、各パーティションPにおけるデータのp個のストリームの順序付けが、インターリーブ操作後に保持されることを意味する。サイズpのパーティションの中で、i={1,...,p}であるストリームiに属する各データは、インターリーブ操作後に自身のランクを保持する。インターリーブ後のシーケンスにおける位置iにあるデータは、明らかに同一のものではなくなっているが、同一のストリームiに属している。この特性は、インターリーブされたデータの位置インデックスと、インターリーブされたシーケンス内での該データのランクの間にある差がpの倍数となることによって表され、このことは、
I(k)−k=Q(k)×p (1)
という等式によって表現され、ここで、k={0,...,K−1}であり、Q(k)は、kがいくつであれ、Q(k)×p<Kとなるような整数空間における関数である。
【0012】
したがって、サイズpのパタンは関係式(1)が満足されれば保持される。つまり、インターリーブ後およびインターリーブ前のランクにおける位置インデックスkの間の差は必然的にサイズpのパタンの倍数となる。
【0013】
RPアルゴリズムのインターリーブ規則は、
I(k)=[s+kd]
によって与えられ、ここでk={0,...,K−1}、d=|I(k+1)−I(k)|である。
【0014】
演算[X]はXに適用されるKを法とする演算に対応し、したがって、KによるXの除算の剰余を表すものであり、すなわち、
[X]=X−E(X/K)×Kであり、ここで、E(z)はzの整数部分である。
【0015】
該アルゴリズムは、Kおよびdが互いに素であることを限定的に要求する。したがって、ある種のdの値のみが所与のサイズKに対して許容され、いかなるdの値もパタンのサイズに相当することはないのだが、それは、該パタンのサイズが必然的にKの約数だからである。しかし、該アルゴリズムのさまざまな実施分析は、Kがd−1の倍数となるようにdが選択されると、サイズpのパタンが保持される構造が存在することを示している。この場合、量d−1はpの倍数でなければならない。これは、
K=n×(d−1)=n×m×p (2)
という関係式で表される。
【0016】
たとえばK=60である場合には、Kがd−1の倍数であり、dとKが互いに素となる、10を超える分散用であるdの値はd=11、d=13およびd=31である。
【0017】
K=60に対するこれら三つのdの値に関連づけられたRPのインターリーブ規則は図1に示されている。これらの場合それぞれについて、等式(2)を確証しているサイズpのさまざまなパタンを保持することができる。したがって、d=13については、サイズp={3、6、12}のパタンを保持することができる。d=31については、サイズp={3、5、6、10}のパタンを保持することができる。インターリーブ規則の観察は、分散dが大きくなるときに不利な周期性が現れることを示している。さらに、インターリーブされていないデータの数、つまり、I(k)=kであるデータがdとともに増加する。
【0018】
このように、RPアルゴリズムによって、実質的にある種の条件下でサイズpのパタンを保持し、データの分散dを確定することが可能になるのだが、値pおよびdは、周期構造を抑制し、インターリーブの結果として、インターリーブされていないデータの数を抑えるために小さくなければならない。
【0019】
d−1がKの約数でなければ、RPアルゴリズムでは、Kがpの倍数であるときに、サイズpのパタンを体系的に保持することができない。このことは、図2に対する以下の例によって示される。つまり、K=60およびd=23(d−1=22はKの約数ではない)である。恣意的に選ばれたサイズのモチーフをp=3とする。補遺1の表1は、サイズp=3のパタンに対応する量R’(k)、dの値=23、Kの値=60、そしてRP技術のインターリーブ規則を示している。
R’(k)=(I(k)−k)/3 ∀k={0,...,59}
【0020】
実数空間で値をとり、整数空間では値をとらないR’(k)では、パタンの体系的な保持はない。
【0021】
好適には、RPアルゴリズムによるパタンの保持によって、伝送ラインの中で、中規模効果を目的としたインターリーブと小規模効果を目的としたインターリーブ(ターボ符号、OFDMシンボル内部でのインターリーブ)を同時に処理することが可能となり、したがって、伝送システムを全体的に最適化することが可能となる。しかし、RPアルゴリズムによるパタンの保持は、少なくともパラメータpがKと互いに素であることを必要とし、このことは非常に制限を課すものであると判断されることがある。
【非特許文献1】「High−Performance Low−Memory Interleaver Banks for Turbo−Codes」 Proceedings of the 54th IEEE Vehicular Technology Conference(VTC 2001 Fall)、Atlantic City、New Jersey、USA、pp.2394−2398、October7−11、2001
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
また、本発明の対象によって解決すべき技術的課題は、あるパタンを保持するサイズKのブロックをインターリーブする方法を提案することであるが、該方法とは、伝送ラインの中で、中規模効果を目的としたインターリーブと小規模効果を目的としたインターリーブ(ターボ符号、OFDMシンボル内部でのインターリーブ)を同時に処理することを可能にし、したがって、伝送システムを全体的に最適化し、そして、既知のRP法よりも制限が少なくなるようなものである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
提起された技術的課題に対する一つの解決法は、本発明によると、Y(k)=X(I(j)(k))であるようなインターリーブ規則I(j)(k)によって決定された順序にしたがって、デジタル出力データYで構成された出力シーケンスに、デジタル入力データXを位置づけるために、変数k={0,...,K−1}でインデックス付けされたデジタル・データに対して、インデックスjについてのN回(Nは1以上)の繰り返し(iteration)によってサイズKのブロック・インターリーブを行う前記方法が、少なくとも、
−中間値I(j)(k)を計算する第一の過程であり、この中間値I(j)(k)とは、一回目の繰り返しj=1については、入力インデックスkに対して適用される(a=b=k)、二つの変数aおよびbを有する、Kを法とする第一の代数関数f(a、b)の計算結果であり、続く各繰り返しj(j=2〜N)については、入力インデックスkと、先行する繰り返しのときに得られた出力値I(j−1)(k)とに対して適用される同一の代数関数f(a、b)の計算結果であるような、中間値I(j)(k)を計算する第一の過程と、
−出力値I(j)(k)を計算する第二の過程であり、この出力値I(j)(k)とは、所与の繰り返しjについて、入力インデックスkと、同一の繰り返しjのときに計算された中間値I(j)(k)とに対して適用される(a=k、b=I(j)(k))、二つの変数aおよびbを有する、Kを法とする第二の代数関数f(a、b)の計算結果であるような、出力値I(j)(k)を計算する第二の過程を含んでいることからなる。第一の代数関数f(a、b)と第二の代数関数f(a、b)が互いに関連づけられていることで、各繰り返しjにおいて、インターリーブされたデータの位置インデックスと、インターリーブされたシーケンス内での該データのランクとの間の差が、0からK/pまで変動しうる自然数のパラメータαと中間値の倍数の和と、保持すべきパタンのサイズによって決まるパラメータpとのKを法とする積となるようになっている。
【0024】
さらに本発明は、変数k={0,...,K−1}でインデックス付けされたデジタル入力データを、インデックスjについてのN回(Nは1以上)の繰り返しによるサイズKのブロック・インターリーブを行う装置も対象としている。前記装置は、
−それぞれが二つの入力と一つの出力を具備している二つの単位セルIおよびIによって各基本セルIが形成されているような、二つの入力と一つの出力がついたN個の基本セルIを含んでおり、該基本セルIは、基本セルIの出力が単位セルIの出力に対応し、基本セルIの二つの入力が単位セルIの二つの入力に対応し、単位セルIの出力が単位セルIの第一の入力に対応し、単位セルIの第二の入力が、基本セルIの第一の入力に対応する単位セルIの第一の入力に接続されている。
【0025】
第一の基本セルIの二つの入力は互いに接続され、インデックスkに対応している。各基本セルIの出力は、次の繰り返しの基本セルIの第二の入力に接続されている。基本セルIの第一の入力は互いに接続されている。
【0026】
このように、本発明によるインターリーブによって、「ターボ」構造を介して、代数関数の組み合わせで記述される、ブロックタイプのインターリーブ規則を生成することが可能となる。
【0027】
インターリーブ方法は、二つの入力と一つの出力を有する「ターボ」構造を利用する。実際、各繰り返しjの結果、インタリーバの出力におけるインターリーブ規則I(j)(k)は、インターリーブ前のデータの位置インデックスによって形成された入力シーケンス(典型的にはランプ(rampe))と、同一のインターリーブ・アルゴリズムによる先行する繰り返しから生じたインターリーブされたシーケンス(インターリーブ後のデータ位置を与える)にしたがって修正される。
【0028】
本発明にしたがったインターリーブ方法およびインターリーブ装置によって課題は解決される。実際、インターリーブ規則I(j)(k)は、等式(1)が満足されるようなものであり、また、繰り返しj、k、p、qおよびKの値がいくつであれ、等式(1)は満足される。パタンのサイズpはパラメータ化することができ、インタリーバのパラメータの一つである。
【0029】
本発明によるインターリーブ規則は四つのパラメータに依存する。すなわち、
−インターリーブすべきブロックのサイズであるKと、
−保持すべきパタンのサイズに依存するpと、
−インターリーブ規則の調整に自由度を加えるqと、
−繰り返し数j、
である。
【0030】
このように、本発明によって、多重化されたデータのp個のストリームに対応するサイズpのパタンを保持することが可能になる。
【0031】
パラメータpは基本パタンに対応するパラメータpの倍数として選択することができ、また、好適には、保持すべき複数の基本パタンの組み合わせ(Πp=p)の結果として生じるものであってもよい。配分(repartition)の基本パタンはデータのp個のストリームの多重化(マルチチャネルシステム、MIMO)と同一に考えることができる。この多重化はリアルまたはバーチャルとすることができ、あるいは、符号化操作に関連づけることができるのだが、該符号化によって、異なった特性が変調前のサイズpのビットストリームにおけるビットに与えられる。該多重化はユーザーによって定められたパタンに対応することができ、該パタンは、インターリーブ操作の前または後に特定化された、送信データの特異的な順序付けを介して、伝送システム全体の性能を最適化することを目的としている。このように、本発明によるインターリーブによって、符号化(時空間、ビットからシンボルへの符号化、ターボ(エン)コーダに関連する外部の制約)の最適な解決法を保持することと、インターリーブに先行するまたは後続するデータ(たとえば多重化から生じたデータ)の順序付けの最適な解決法を保持することが可能となる。好ましくは、pは、所与の繰り返しjに対する所与の基準にしたがって、分散(dispersion)ΔI(j)eff(s)=Mink、k∈S|I(j)(k+s)−I(j)(k)|を増加させることからなるアルゴリズムの最適化との関係で、あるいは、典型的には最適化の制約である、伝送システムの処理に関する他のモジュールによって課される外部の制約に応じて決定される。
【0032】
二つの連続するデータ間の分散、より一般的にはインターリーブ後にs−1データ分だけ隔てられた二つのデータ間の分散を確定する数学的規則は三つのパラメータに依存する。すなわち、保持すべきパタンのサイズp、パラメータqおよび本発明のターボ構造で実施される繰り返し数である。この分散は代数関数によって与えられる。
【0033】
分散は多項式Pj、s(k)=ΔI(j)(s)に適用されるKを法とする演算の基本特性によって計算され、該多項式は、基本アルゴリズムIの繰り返し数jに関連し、s−1個のデータによって隔てられた二つのデータ間の分散を記述している。
j、s(k)=I(j)(k+s)−I(j)(k)、s<K (3)
【0034】
固定された繰り返しjについて、アルゴリズムの代数式はインターリーブされたデータの疑似周期構造を生成する。このことによって、X―Y平面における二次元にしたがって、インターリーブされたデータを表現し、X軸を考察するか、またはY軸を考察するかに応じて二つの分散値を与えることが可能になる。Y軸は二つの連続するデータ間の分散Δy=Δeff(j)(s=1)を表すために用いられ、X軸はs−1データ分だけ隔てられた二つのデータ間の分散、Δx=Δeff(j)(s=s1)を表するために用いられ、sはインターリーブ規則の疑似周期に対応している。慣習的に、疑似周期はサブ・シーケンスSの長さ(近いサンプルに対しての)に対応し、該長さの間、分散Δyは一定であり、Δeff(j)(s=1)に等しい。パラメータsの値は選択されたpの値ならびに繰り返しjに関連づけられた分散Δeff(j)(s=1)に依存する。この疑似周期構造は、外部の制約にしたがってインターリーブ操作を最適化するために利用される。外部の制約は、典型的には伝送環境とデータのラスタライズに関連しており、該伝送環境およびラスタライズは一方で伝送システムのその他の処理(符号語におけるデータの分配パタン、マッピングなど)を最適化するものである。インターリーブ操作の最適化は、インターリーブされたデータを特定の構成にしたがって配分することからなる。特徴的な実施態様によると、QAMセル内における符号化されたビットの配分は、この疑似周期構造を考慮して最適化することができる。本発明によるインタリーバのパラメータpおよびqをうまく調整することで、近接するQAMセルの間にある同じウェイトのビットが最大限に分散され、各QAMセルの中で、異なったウェイトのビット間で最適化された分散を保証するようにすることができる。
【0035】
送信側のインタリーバの「ターボ」構造は、1を超える繰り返しに対して、先行する繰り返しのインターリーブされたシーケンスのパタンと、元々のシーケンスの位置インデックスを同時に利用することで、固有のインターリーブのパタンを生成するようになっている。この特性によって、良好な繰り返しを選択して、インターリーブ規則を、すなわち、伝送媒体の特性あるいは伝送媒体の発達に応じて、インターリーブされた出力シーケンスをダイナミックに適合化することが可能になる。したがって、インターリーブ・アルゴリズムのパラメータを最適に調整し、決定することで、同時に、
−s=1であるときの、データストリーム全体における連続する二つのデータ間の分散Δeff(j)(s)と、
−s=pであるときの、同一のストリームi i={1,...,p}から生じるデータの分散Δeff(j)(s)と、
−Lが外部の制約によって確定され、s=Lであるときの、L−1データ分だけ離れた二つのデータ間の分散Δeff(j)(s)を変更することが可能となり、この制約は
・ビットからシンボルへの符号化操作する時のビットの配分、
・伝送用のデータの特定的な整形(mise en forme)、でありうる。
【0036】
本発明によるインターリーブの疑似周期構造によって、
−デジタル変調操作に先立つビットからシンボルへの符号化操作の後に、シンボル内で同一のウェイトのデータに関連づけられている位置インデックスの間で最大の距離を保証することと、
−物理媒体にデータを伝送するためのデータの特定的な順序付け、
が可能となる。
【0037】
この疑似周期構造によって、本発明によるインターリーブのパタンに多次元構造が与えられ、また、該疑似周期構造は、マルチチャネルシステムの各分岐に適用されるインターリーブストラクチャよりも実施が複雑ではないことが明らかである。
【0038】
好ましい実施態様によると、第一の代数関数f(a、b)は、
(a、b)=[−a−pb] (4)
という式を有し、第二の代数関数f(a、b)は、
(a、b)=[αp+a+qpb] (5)
という式を有する。
【0039】
中間データIは一回目の繰り返しの結果から、
(1)(k)=f(k、k)=[−k−pk] (6)
という形で表され、続く各繰り返しの結果から、
(j)(k)=f(k、I(j−1)(k))=[−k−p×I(j−1)(k)] (7)
という形で表される。
【0040】
インターリーブされた出力データI(j)(k)は、各繰り返しの結果から、
(j)(k)=I(j)(k)=f(k、I(j)(k))=[αp+k+q×p×I(j)(k)] (8)
という形で表され、このとき、qおよびαは典型的には自然数のパラメータであり、αは0からK/pまで変動しうるものである。
【0041】
二つの代数関数fおよびfそれぞれの入力bは、それぞれ先行する繰り返しの計算結果と、同一の繰り返しの中間値Iから与えられるので、二つの入力aおよびbは独立した変数ではない。したがって、IおよびIは入力シーケンス内でのデータの位置インデックスである変数kにしか依存しない。
【0042】
ここで説明している発明は、インターリーブの方法と装置に関するものである。好ましい実施態様によると、該方法の各過程はチップのような電子回路に内蔵されたインターリーブ・プログラムの命令によって決定され、該チップ自体を送信器のような電子装置に配置することができる。また、本発明によるインターリーブの方法は、このプログラムがプロセッサまたはその同等物のような計算機構に載せられているときにも実施することができ、このとき該計算機構の作動はプログラムの実行によって制御される。
【0043】
その結果、本発明はコンピュータのプログラム、とりわけ本発明を実施するために適合化された、情報媒体上または情報媒体内部のコンピュータのプログラムにも適用される。このプログラムはどのようなプログラミング言語でも用いることができ、ソース・コード、オブジェクト・コード、または部分的にコンパイルされた形式のような、ソース・コードとオブジェクト・コードの中間的なコード形式とすることができ、あるいは、本発明による方法を実施するための他のあらゆる望ましい形式とすることもできる。
【0044】
情報媒体はプログラムを記憶する能力をもった、どのようなエンティティまたは装置でもよい。たとえば、媒体はCD ROMまたはマイクロ電子回路のROMといったROMのような記憶手段、または、たとえばフレキシブルディスクやハードディスクといった磁気記録手段を具備することができる。
【0045】
そうでなければ、情報媒体はプログラムが内蔵された集積回路とすることもでき、該回路は対象となっている方法を実行するため、または該方法の実行中に用いるために適合化されている。
【0046】
他方、インターリーブ・プログラムは電気信号または光信号のような伝送可能な形式に翻訳することができ、該信号は無線またはその他の手段によって、電気ケーブルまたは光ケーブルを介して搬送することができる。本発明によるプログラムは特に、インターネット型のネットワークからダウンロードすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
本発明のその他の特徴および利点は、非制限的例示として示している添付図面について述べた以下の説明によって明らかになるものである。
【0048】
図1は、pがブロックのサイズKに対して素となっている、さまざまなpの値について、先行技術のRPアルゴリズムで得られたインターリーブのシーケンスを表すグラフである。
図2は、p−1がKの約数とはならないようなpの値について、先行技術のRPアルゴリズムで得られたインターリーブのシーケンスを表すグラフである。
図3は、インターリーブ操作を表す概略図である。
図4は、本発明によるインターリーブ方法のフローチャートである。
図5、図6aおよび図6bは本発明によるインタリーバの構造の基本規則を概略的に表す図である。
図7は、本発明によるインターリーブを最適化した特徴的な場合に得られたインターリーブのシーケンスを表すグラフである。
図8は、送信/受信システムにおける本発明によるインターリーブの実施を示す概略図である。
【0049】
図3はインターリーブの概念を示している。該図はインターリーブ規則I(k)によるインタリーバの入力でのデータ・シーケンスX(k)を表している。出力でのデータ・シーケンスはY(k)と表記されている。この出力シーケンスは、
Y(k)=X(I(k))、k={0,...,K−1}およびI(k)={0,...,K−1}、
という関係式によって入力シーケンスに関連づけられている。
【0050】
図4は、本発明によるインターリーブ方法の特徴的な実施態様のフローチャートを表している。
【0051】
本発明によるN回の繰り返しを伴うインターリーブ方法1は、変数k={0,...,K−1}でインデックス付けされたデジタル入力データのサイズKのブロックを制約の下でインターリーブし、サイズpのパタンまたはpの約数のパタンを保持する。
【0052】
第一過程2において、方法1は中間値I(j)(k)を計算する。この中間値I(j)(k)は二つの入力aおよびbを有する、Kを法とする第一の代数関数f(a、b)の計算結果である。
【0053】
第一の代数関数は、好ましい態様によると、f(a、b)=[−a−bp]であり、pは該パタンに関連づけられたパラメータであり、これはI(j)(k)=[−a−bp]を与える。
【0054】
一回目の繰り返しについて、入力aおよびbは互いに関連づけられ、a=b=kである、入力インデックスkに対応し、この好ましい態様については、
(1)(k)=[−k−kp]、k={0,...,K−1} (9)
となる。
【0055】
続くN−1回の繰り返しについては、この中間値I(j)(k)とは、入力インデックスkと、先行する繰り返しのときに得られた出力データI(j−1)(k)とに対して適用される同一の代数関数f(a、b)の計算結果であり、a=k、b=I(j−1)(k)であるときのI(j)(k)=f(a、b)であり、好ましい態様については、
(j)[−k−I(j−1)(k)×p] (10)
となる。
【0056】
第二過程3において、方法1はインターリーブされた出力データI(j)(k)を計算する。このインターリーブされた出力データI(j)(k)は、入力インデックスkと中間値I(j)(k)に対する第二の代数関数f(a、b)の計算結果であり、
(j)(k)=f(k、I(j)(k)) (11)
である。
【0057】
第二の代数関数は、好ましい態様によると、f(a、b)=[αp+a+q×p×b]であり、これは、I(j)(k)について、
(j)(k)=f(a、b)=[αp+k+q×p×I(j)(k)] (12)
を与え、ここでαは0からK/pまで変動する自然数であり、qは自然数のパラメータである。
【0058】
α=K/p−1である好ましい態様の特徴的な場合、この場合には、
(j)(k)=[K−p+k+q×p×I(j)(k)]
である。
【0059】
図5、図6aおよび図6bは、本発明によるインターリーブ方法を実施するために適合化されている、本発明によるインタリーバの構造の基本規則を概略的に表している。
【0060】
図5はN回の繰り返し、つまりN個の基本セルI 5、5、5、5を伴うインタリーバ4を概略的に表す図である。
【0061】
図6aおよび図6bはそれぞれ、図5の概略図でIと表記されている基本セルIの拡大図であり、図6aの基本セルI 5と図6bの基本セルI 5はそれぞれ、一回目の繰り返しと、一回目とは異なる繰り返しjに対応している。
【0062】
j番目の基本セル5jの出力は、j番目の繰り返しに対応し、I(j)(k)の形で表されるインターリーブされたシーケンスを与える。
【0063】
インタリーバの各基本セルI 5、5、5、5は同一の構造を示している。すなわち、二つの入力と一つの出力、そして、図6aと図6bでIとIと表記されている二つの単位セルである。各単位セルIとIは二つの入力と一つの出力を具備している。単位セルIの二つの入力は、該単位セルIが属している基本セルIの二つの入力に対応しており、単位セルIの出力は、該単位セルIが属している基本セルIの出力に対応している。単位セルIの出力は単位セルIの一つの入力に接続されている。単位セルIの第二の入力は基本セルIの一つの入力に接続されており、この基本セルIの入力はインターリーブすべきインデックスkによって与えられ、該インデックスは一般的に、0からK−1までのランプの形を呈する。基本セルIの第二の入力は、図6aの第一の基本セル5を除いて、先行する基本セルIの出力に接続されており、該第一の基本セルについては二つの入力が互いに接続されている。
【0064】
この図は概略的なものなのだが、それは、ターボ構造は、たとえば単一の基本セルIと、出力および入力間のループバックによるユニットを用いて異なった形で実現することもできるためであり、このユニットは本発明による方法を実施するために適合化されている。
【0065】
基本セルI 5、5、5、5によって実行された基本インターリーブI(k)は、二つの単位セルIとIで形成された階層構造の結果として生じるものである。単位セルIは計算手段を備えており、該手段は、a=kである二つの入力a、bを有する、Kを法とする第一の代数関数fを計算するために適合化されている。単位セルIは計算手段を備えており、該手段は、a=kである二つの入力a、bを有する、Kを法とする第二の代数関数fを計算するために適合化されている。
【0066】
これは、好ましい態様については、
(k)=f(k、b)=[−k−bp]K、k={0,...,K−1} (13)、
(k)=f(k、b)=[αp+k+b×p×q]K、k={0,...,K−1} (14)
という関係式で表される。
【0067】
一回目の繰り返しj=1に対応する第一の基本セルI 5については、単位セルIの入力aおよびbは互いに接続されており、したがって、
(1)(k)=f(k、k)=[−k−kp]、k={0,...,K−1} (15)
である。
【0068】
基本セルI 5、5、5、5の階層構造は、単位セルIの入力bが単位セルIの出力から与えられることを示しており、基本セルI 5、5、5、5はそれ自体がターボ構造を備えている。
(k)=f(k、I(k))=[αp+k+I(k)×p×q]K、k={0,...,K−1} (16)
【0069】
好ましい態様によると、基本セルI 5、5、5、5によって得られたインターリーブは代数関数fの計算結果であり、すなわち、
I(k)=f(p、q、k、K)=[αp+k+I(k)×p×q]K、k={0,...,K−1} (17)
である。
【0070】
すなわち、第一の基本セルI 5(一回目の繰り返し)については、I(k)を固有の式で置換して、
(1)(k)=[αp+k+p×q×[−k−k×p]、k={0,...,K−1} (18)
となる。
【0071】
基本セルIによって得られたインターリーブI(k)はターボ構造に組み込まれ、したがって繰り返し2については、
(2)(k)=[−k−p×I(1)(k)]K、k={0,...,K−1}
となり、インターリーブ規則は、
(2)(k)=[αp+k+I(2)(k)×p×q]K、k={0,...,K−1}、
(2)(k)=[αp+k+p×q×[−k−p×I(1)(k)]KK
によって与えられ、より一般的には、繰り返しjについて、
(j)(k)=[−k−p×I(j−1)(k)]K、k={0,...,K−1} (19)
となり、繰り返しjに対するインターリーブ規則は、
(j)(k)=[αp+k+p×q×I(j)(k)]、k={0,...,K−1}、
(j)(k)=[αp+k+p×q×[−k−p×I(j−1)(k)]、k={0,...,K−1} (20)
によって与えられる。
【0072】
この規則I(j)(k)は確かにサイズpのパタンを保持するのだが、それは、該規則が関係式(1)、
(j)(k)−k=Q(k)×p、k={0、...、K−1}を確証するからであり、該関係式において、Q(k)は、kがいくつであれ、Q(k)×p<Kとなるような整数空間Zにおける関数である。
【0073】
実際、
(j)(k)−k=[αp+p×q×I(j)(k)]、k={0,...,K−1}、
(j)(k)−k=p[α+q×[−k−p×I(j−1)(k)]、k={0,...,K−1} (21)
である。
【0074】
値Q(k)は整数値であり、関係式(1)は繰り返しj、kの値およびqの値がいくつであれ、確証される。
【0075】
好適には、本発明によって連続する入力データ間の分散を特定化することが可能となる。実際、連続する二つのデータ間の距離、より一般的にはs−1データ分だけ離れたデータ間の分散は、インターリーブ規則の等式を用い、モジュロ演算の特性を考慮に入れて代数学的に算出され、該モジュロ演算は、
[a+b]=[[a]+[b]
[a×b]=[[a]×[b]
という特性に基づいている。
【0076】
繰り返しjについて、Δeff(j)(s=1)は二つの連続するデータ間の分散を意味し、ΔI(j)(k)はI(j)(k+1)とI(j)(k)の間の差を意味する。この最後の計算結果はマイナスでよく、インターリーブ・パタン内に不連続性を導入する、インターリーブ・パタンの疑似周期構造に起因する二つの値を含むことができる。j番目の繰り返しによるインターリーブ操作の結果、入力シーケンス内で読み込まれ、インタリーバの出力に置かれる二つのデータ間の位置の差は、二つの数ΔI(j)(k)およびΔI(j)(k)によって数学的に記述される。分散Δeff(j)(s=1)は先行する二つの差の絶対値の最小値に対応している。この最小値は、L(j)(p、q)に等しいサイズの観測窓では、近似データで一定である。
【0077】
繰り返しj=1について、二つの差は、
ΔI(1)(k)=I(1)(k+1)−I(1)(k)、
ΔI(1)(k)=K−|Δ(1)I(k)|
によって与えられる。
【0078】
そして分散は、
Δeff(1)(s=1)=Min{|I(1)(k+1)−I(1)(k)|、
K−|I(1)(k+1)−I(1)(k)|}
という関係式で与えられる。
【0079】
差ΔI(k)の算出法は、インターリーブリレーションの等式の展開に基づいている。差ΔI(k)は式I(K)と式I(k+1)、およびこれら二つの要素の引き算から求められる。
【0080】
好ましい態様によると、分散は繰り返しj=1について、
Δeff(1)(s=1)=Min{|ΔI(1)(k)|、K−|ΔI(1)(k)|}=Min{|[1−q×p(1+p)]|、K−|[1−q×p(1+p)]|}
という形で表される。
なぜなら、
(1)(k)=[αp+k+qp[−k−pk]、k={0,...,K−1}、
(1)(k+1)=[αp+k+1+qp[−(k+1)−p(k+1)]
ΔI(1)(k)=[1−qp(p+1)]
だからである。
【0081】
繰り返しj=2については、
Δeff(2)(s=1)=Min{|ΔI(2)(k)|、K−|ΔI(2)(k)|}=Min{|[1−qp(1+pΔI(1)(k))]|、K−|[1−qp(1+pΔI(1)(k))]|}
である。
なぜなら、
(2)(k)=[αp+k+qpI(2)(k)]=[αp+k−qp[k+pI(1)(k)]、k={0,...,K−1}、
ΔI(2)(k)=I(2)(k+1)−I(2)(k)=[1−qp(1+pΔI(1)(k))]
だからである。
【0082】
そして繰り返しjについては、
Δeff(j)(s=1)=Min{|ΔI(j)(k)|、K−|ΔI(j)(k)|}=Min{|[1−qp(1+pΔI(j−1)(k))]|、K−|[1−qp(1+pΔI(j−1)(k))]|}
である。
なぜなら、
(j)(k)=[αp+k+qpI(j)(k)]=[αp+k+qp[−k−pI(j−1)(k)]、k={0,...,K−1}、
ΔI(j)(k)=[1−qp(1+pΔI(j−1)(k))]
だからである。
【0083】
差ΔI(j)(k)が近似データで一定となる観測窓のサイズは以下の形で表される。
繰り返し1については、
(1)(p、q)=E{K/Δeff(1)(s=1)}
となり、ここで、E{Z}はZの整数部分である。
繰り返しjについては、
(j)(p、q)=E{K/|Δeff(j)(s=1)|}
となる。
【0084】
より一般的には、ストリーム全体におけるs−1データ分だけ離れた二つのデータ間の分散は、繰り返しjの結果として、
Δeff(j)(s)=Min{|[s−q×p(s+pPj,s(k))]|,K−|[s−qp(s+pPj,s(k))]|}
という形で表され、ここで、
j,s(k)=I(j)(k+s)−I(j)(k)=[s−q×p×(s+p×Pj−1,s(k))]
1,s(k)=[s−qp×s(p+1)]
である。
【0085】
前記式によって差ΔI(j)(k)と、連続する二つのデータ間の、より一般的にはすべての繰り返しの結果であるs−1データ分だけ離れた二つのデータ間の分散Δeff(j)(s=1)を計算することが可能となる。したがって、分散はさまざまなsの値について計算することができ、繰り返し数Nは該繰り返し数に繰り返しの値jを与えることで決定することができ、該値jに対して、これらさまざまな分散はそれぞれ、sの各値に課される分散以上である。
【0086】
本発明によるインターリーブ・アルゴリズムのこの代数特性は、疑似周期構造を有しており、二次元構造の分散を導くものであり、該分散によって、いくつもの外部の制約にしたがってインターリーブ操作を最適化することが可能になる。こうして、インターリーブ操作のこの最適化により、インターリーブ操作の上流および下流での処理の最適化によって課されるデータ多重化の制約を保持することが可能となる。
【0087】
このように、アルゴリズムの最適化は本発明によるインターリーブの代数特性によって実現されるのだが、該代数特性は、基本セルIの実行する繰り返し数とpおよびqの値の選択によって修正される。
【0088】
整形前にデータを最適に多重化するための最適化方法は以下の過程からなる。すなわち、
−過程1)Kがpの倍数である、インターリーブのサイズKに対するpおよびqを選択する過程と、
−過程2)分散Δeff(j)(s=1)、サイズL(j)(k)および疑似周期における最大の分散:Δeff(j)(s=L(j)(p、q)−1)=(L(j)(p、q)−1)×Δeff(j)(s=1)を算出する過程と、
−過程3)少なくとも一つの外部の制約に関し、さまざまなjの値について、整数パラメータsの値を確定するこの外部の制約との関係で、s−1データ分だけ離れたデータ間の分散Δeff(j)(s)を算出する過程と、
−過程4)sが外部の制約によって確定され、s=L(j)(p、q)−1である場合に、s−1データ分だけ離れたデータ間の最大の分散を与える繰り返しjを選択する。異なったインターリーブ規則によって同一の値を与える繰り返しが複数あるときには、連続するデータ間での最大の分散を与える繰り返しを選択する過程と、
−ユーザーによって確定される、少なくとも一つの閾値So(s)に対してpおよびqの値が最適でなければ過程1)、2)、3)を繰り返し、外部の制約がpを課すときには、qの値だけが修正される過程、
である。
【実施例1】
【0089】
一方では図7および補遺2にある表2が対応し、他方では補遺2にある表3および表4が対応する以下の実施例によって、このような最適化の操作を示すことができる。
【0090】
Kをインターリーブすべきブロックのサイズとする。p、qおよび、伝送システムによって課される整形にしたがってインターリーブされたデータの分配を最適化するために考慮するべき繰り返しの数を決定することが問題となる。このため、関数I(k)は、Y軸に沿ってインターリーブのパタン、X軸に沿ってインデックスkを示したX−Y平面で表される。図7であるこの図表は順序を記述しており、該順序にしたがって、データはインタリーバの出力で読み込まれなければならない。縦座標は入力シーケンスにおけるデータの位置を与えているのに対し、横座標の軸は、出力シーケンスにおいてデータが配置された位置を指示している。最適化方法は、パタンを調整するために、外部の制約、本実施例によるビットからシンボルへの符号化を考慮して、データをこの構造にしたがって分配することからなる。図7でインターリーブされていないシーケンスSを加えることにより、関係式I(k)=kを確証するいかなるシーケンスもないため、すべてのデータがインターリーブされていることを確認することができる。
【0091】
同一のインターリーブ規則について、補遺2にある表2は、パラメータp=3、q=2のサイズK=60のブロックをインターリーブする場合、さまざまなQAMセルの中でインターリーブされたビットの分配を示している。この場合は、外部の制約によって課されたサイズ3のビットからなる初期パタンが保持されることを想定している。x−QAMセルはm/2のビットからなる二つの集合にグループ化されたm=Log2(x)ビットで構成されている。したがって、16−QAMセルはビットb3、b2、b1およびb0から構成されている。同一ウェイトのビットは、一方ではb0とb2であり、他方ではb3とb1である。64−QAMセルはビットb5、b4、b3、b2、b1、b0で構成されている。同一ウェイトのビットは、b0とb3、b1とb4、b2とb5である。連続する二つのビット間の分散はΔeff(j)(s=1)に対応し、隣接する二つのx−QAMセルに属するm−1ビット分だけ隔てられた同一ウェイトの二つのビット間の分散はΔIeff(s=m)に対応している。本発明によるインターリーブのパラメータ設定は繰り返しjを選択することからなり、該繰り返しによって、最も大きな分散は受信で受け取ったシンボルの非相関化に影響を与え、決定回路の効率を向上させることから、一方では隣接するx−QAMセルに属する同一ウェイトのビット間の最も大きな分散ΔIeff(s=m)、他方では連続するビット間の最も大きな分散ΔeffI(s=1)を同時に得ることが可能となる。
【0092】
表2によると、64−QAMについては、繰り返し1および3が同一ウェイトのビット間で同じ分散ΔIeff(6)=18を与えていることが確認される。最適化は繰り返し1と3の中から、連続する二つのビット間の最大の分散Δeff(j)(s=1)、j={1、3}を導くものを選択することからなり、つまり、一回目の繰り返しである。16−QAMの変調に関して、最適化は繰り返し1を選択することからなり、該繰り返しは、隣接するQAMセルに関連づけられた同一ウェイトのビット間の最大の分散ΔIeff(4)=28を導き、連続するビット間の最大の分散ΔeffI(s=1)=23を導く。
【0093】
表2は選択されたpとqの値が、64−QAMセルにおいて符号化されたインターリーブされているビットの配分よりも、16−QAMセルにおいて符号化されたインターリーブされているビットのマッピングの方により適していることを示している。つまり、同一ウェイトのビットの分散が16−QAMセルの間で最大となっているのである。このように、該パタンの利用は単一の繰り返しによる16−QAMでのマッピングに最適である。
【0094】
表3および表4は最適化過程を示しており、該過程の間に、過程1)、2)、3)が繰り返されることで、pの最適な値が求められるようになっている。64−QAMの変調の場合、表3は、2に等しい繰り返しに対してpの最適な値が6または12であることを示しているのだが、それは、該値によって、一方では異なったQAMセルに属する同一ウェイトのビット間で最大の分散ΔIeff(6)=30が得られ、他方では、連続する二つのビット間で最大の分散ΔeffI(1)=25を得ることが可能となるからである。
【0095】
16−QAMの変調の場合、表4は、1に等しい繰り返しについてpの最適な値が3または6であることを示しているのだが、それは、該値によって、一方では異なったQAMセルに関連づけられた同一ウェイトのビット間で最大の分散ΔIeff(4)=28が得られ、他方では連続する二つのビット間で最大の分散ΔeffI(k)=23を得ることが可能となるからである。
【0096】
最適化は、無線性能の向上、すなわち受信でのビット誤り率の減少として現れ、結果的に、サービスの質(QoS)と伝送システムの全体的な能力の向上として現れる。
【0097】
図8は無線伝送システム6に適用された本発明の実施例を示すことを可能にしている。本発明によるアルゴリズムは、インタリーバの疑似周期構造を用いて、ビット誤り率に対して無線伝送システム6の性能を最適化するために実施されている。選択された構成はSISO構成である。この構成に対して、実施されたインターリーブはレイリーフェージングの影響を減少させることを目的としているのだが、該フェージングは、受信において、デコード後にバースト誤りを誘発するものである。該構造は、マルチパスチャネル上で、異なった64−QAMセル7の同一ウェイトのビット間と、連続する二つのビット間で最大の分散を保証するように最適化されている。異なった64−QAMセルの間の分散は、隣接するQAMセルの間の分散ΔeffI(s=6)と、期間L(j)(p、q)におけるQAMセルの間の最大分散ΔeffI(s=L(j)(p、q)−1)を同時に考慮している。mがシンボル毎のビット数を表し、nが調整すべき整数を示すとした際のL(j)(p、q)=mn+m/2であるようなサイズL(j)(p、q)は、異なったx−QAMセル(x=2)に関連づけられた同一ウェイトのビット間で最大平均分散を保証するために最適である。また、アルゴリズムも、デジタル伝送ラインに内蔵されたターボ符号8FOCTCに内在的なマトリクスを生成するために用いられる。
【0098】
伝送システム6はマルチキャリアタイプであり、2GHz〜3GHzの帯域に定義されている。スペクトルのチャネリングは5MHzで、サブキャリアに占有されている帯域は3.456MHzである。この構成は伝送を保証するための三つのキャリア「DECT」の割り当てに類似しており、該構成はまた、UMTSの構成にも近い。
【0099】
システムのシミュレーションのために考慮されているマルチパスチャネルのモデルは、都市型環境をシミュレートするためのチャネルモデルに対応し、該モデルは、ITU−R機関、International Telecommunication Union−Radio Study Groups、「Guidelines for Evaluation of Radio Transmission Technologies for IMT−2000/FPLMTS」、FPLMTS.REVAL、Question ITU−R、Document 8/29−E、10 june 1996によって認められている。実施例はマイクロセルラータイプを展開した状況に対応し、該タイプの無線周波数カバレージは500mを超えない。それは、タップ付遅延線「Vehicular A」のチャネルモデルである。
【0100】
OFDMパラメータは、伝播チャネル9の特徴およびΔef=0.34dBのガードタイムによって導入されたスペクトル効率の損失に応じて調整される。この設定は、ガードタイムTCP(TCP>τmax)のサイズに対するチャネルモデル「Pedestrian B」および「Vehicular A」を考慮しており、τmaxは伝播チャネルの平均パワープロフィールの遅れによる時間的変位を表している。補遺3の表5は、伝送システム6に関連するOFDMパラメータならびにFOCTCターボ(エン)コーダ8の特性を示している。
【0101】
ターボ符号8に内在的なマトリクスは、データが本発明によるインターリーブ方法にしたがってインターリーブされるように生成される。生成されたパタンは5の倍数である20のサイズを有しており、該サイズは、再帰的畳込み(convolutif recursif)基本符号の制約による長さに等しい。パタンはFOCTC符号によって課される制約に十分応えるものであり、該符号に対して、トレリス終端における「ゼロ」となった(エン)コーダの状態は5に等しい基本パタンを課する。分散は601に等しく、qの値は2に等しく、疑似周期はL(20、2)=2に等しい。
【0102】
本発明による方法によって得られた第二のインターリーブ10は、ビットからシンボルへの符号化7とサブキャリアの変調11の前に、符号化されたデータdに対して実行される。本発明はこの状況において、伝播チャネル9の急速なフェーディングに関連するバースト誤りを修正し、異なった64−QAMセルの同一ウェイトのビットと、符号化されたビットストリームの連続するビットの間で最大平均分散を保証するために用いられる。インターリーブのサイズ、つまりブロック・インターリーブのサイズKは、206Hzのドップラーエクスカーション(excursion Doppler)に対して調整される。この変位は一波長の空間窓、すなわちおよそ97のOFDMシンボル、つまり符号化された103680ビットに対応する。
【0103】
インターリーブの幾何学的最適化は、64−QAMセルにおける同一ウェイトのビットの間、ならびに、異なったウェイトのビット間での最大平均分散を求めることに基づいている。インターリーブ規則の疑似周期構造を考慮すると、このことは、ビット間の差が一定となっている窓LがL=6n+3の形となるようなpおよびqを定義することになる。この条件によって同一ウェイトのビット間で最大の分散が保証される。
【0104】
補遺3の表6は、6となっている保持すべきパタンのサイズ(数字6は2からきており、64−QAMセルのサイズである)の倍数である、さまざまなpの値について得られた分散を示している。表によると、態様2および4はマッピングに対して最適である。BERの観点からみた性能は、分岐の数が表の実施態様2および4で6n+3の形となっているとき、RPアルゴリズムと比べておよそ1.5dBのゲインを生じさせている。
【0105】
データがパケット化されるのであれば、本発明はマルチキャリア伝送システムにもモノキャリア伝送システムにも適用される。セル無線通信システムおよびWPAN、WLAN、そしてWMANタイプのネットワーク・アーキテクチャに基づくあらゆるシステムについて、物理媒体に送信する前にユーザー間およびユーザー内のデータを混ぜるために本発明を利用することができる。
【0106】
特に有利となりうる応用領域は、キャリア周波数に関連した波長が大きく(メートル単位、10メートル単位またはその他)、MIMOタイプのマルチチャネルシステムの展開にあまり適合化されていない領域である。本発明によるインターリーブ・アルゴリズムの多次元構造によって、仮想的にマルチチャネルシステムを導入し、混雑状態の高いリアル構造から解放することで、基本的なソースの間の非相関化(アンテナ間の間隔はλ/2より大きくなければならない)を保証するようにすることが可能となる。これは、小さいサイズが望まれるモバイル端末にも、長距離の伝送用の強い波長を必要とする固定構造(電離圏放送のための応用)にも適用することができる。
【0107】
特に、本発明は以下の状況で実施し、特定の制約に応えることができるものである。
【0108】
第一の本発明の特徴的な利用は、サイズKのブロックによるターボ(エン)コーダFOCTCに対する実施にあたる。実際、本発明によるインターリーブによって、I(k)−k=A(k)*Mであることを必要とするこのような(エン)コーダに関連する制約に応えることが可能になるのだが、ここで、Mはターボ符号の構造を形成する、再帰的畳込みタイプの基本符号の制約からくる長さであり、A(k)は、k={0,...,K−1}であるインデックスkと、インターリーブすべきブロックのサイズであるKがいくつであれ、A(k)*M<K−1となるような整数列である。
【0109】
第二の本発明の特徴的な利用は、「短い」ものと「長い」もの、二つのブロック・インタリーバを組み合わせた伝送システムの全体的な最適化のための実施にあたる。長いインタリーバに対する本発明によるインターリーブの実施によって、好適には短いインタリーバのインターリーブ規則を保持することが可能となり、それは、pを短いインタリーバの深さ(profondeur)と等しくとるだけで十分である。
【0110】
第三の本発明の特徴的な利用は、伝送媒体によって導入された相関を修正するための実施にあたる。この相関は観測窓Tにおいて相互関係をもったデータの数として現れる。チャネルの相関の測定は受信のときモジュールの一つによって実現されたチャネルの算出に基づいて行うことができる。相関関係をもったデータ数が分かることで、ターゲットとなる分散を決定することが可能となる。本発明によるインターリーブ・アルゴリズムのパラメータを調整することで、少なくともターゲットとなる分散に等しい分散を得ることが可能となる。
【0111】
第四の本発明の特徴的な利用は、伝送すべき信号を変調するための、バイナリ・インターリーブと、ビットからシンボルへの符号化の操作とを同時に最適化するための実施にあたる。ビットからシンボルへの符号化の最適化は、アルゴリズムの2D構造を利用することで、ビットからシンボルへの符号化の操作の前に同一ウェイトの二つのビット間の分散を高め、各シンボル内部でのビットの分散を高めるようにすることからなる。
【0112】
第五の本発明の特徴的な利用は、ユーザー間での干渉を減少させるために、物理層での性能と、「伝送プロトコル」層でのデータのラスタライズとを同時に最適化するための実施にあたる。
【0113】
本発明によるインターリーブは、データのp個のストリームを多重化することと同等に考えられる、サイズpのデータを分配する初期パタンを保持する。また、連続する二つのデータ間の分散あるいは同一ストリームの二つの連続するデータ間の分散は、代数関数によって計算することができる。この特性は、MAC層の性能と物理層の性能を同時に向上させるために利用することができる。
【0114】
物理媒体へのデータの伝送に先行する、データの分散と多重化という両方の観点からみたインターリーブ方法の制御は、システムの物理層だけではなく、MAC層のレベルでの性能の最適化に対して根本的なものである。ゲインは、所与の技術(無線または有線)における流量を保証するために必要なパワーの削減、あるいは、確定された送信パワーに対するサービスの質に関連したシステムのカバレージの拡大として現れる。たとえば、本発明によって、パケット・モードで伝送するフレームにおけるユーザーの配分に応じてインターリーブを調整し、最適化することが可能となる。本発明によって、伝送媒体におけるキャパシティとパフォーマンスを同時に最適化することが可能となる。
【0115】
【表1】

【0116】
【表2】

【0117】
【表3】

【0118】
【表4】

【0119】
【表5】

【0120】
【表6】

【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】pがブロックのサイズに対して素となっている、さまざまなpの値について、先行技術のRPアルゴリズムで得られたインターリーブのシーケンスを表すグラフである。
【図2】p−1がKの約数とはならないようなpの値について、先行技術のRPアルゴリズムで得られたインターリーブのシーケンスを表すグラフである。
【図3】インターリーブ操作を示す概略図である。
【図4】本発明によるインターリーブ方法のフローチャートである。
【図5】本発明によるインタリーバの構造の基本規則を概略的に示す図である。
【図6a】本発明によるインタリーバの構造の基本規則を概略的に示す図である。
【図6b】本発明によるインタリーバの構造の基本規則を概略的に示す図である。
【図7】本発明によるインターリーブを最適化した特徴的な場合に得られたインターリーブのシーケンスを示すグラフである。
【図8】送信/受信システムにおける本発明によるインターリーブの実施を示す概略図である。
【符号の説明】
【0122】
2 第一過程
3 第二過程
4 インタリーバ
、5、5、5 基本セル
6 無線伝送システム
9 伝播チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Y(k)=X(I(j)(k))であるようなインターリーブ規則I(j)(k)によって決定された順序にしたがって、デジタル出力データYで構成された出力シーケンスに、デジタル入力データXを位置づけるために、変数k={0,...,K−1}でインデックス付けされたデジタル・データに対して、インデックスjについてのN回(Nは1以上)の繰り返し(iteration)によってサイズKのブロック・インターリーブを行う方法(1)であり、少なくとも、
−中間値I(j)(k)を計算する第一の過程(2)であり、この中間値I(j)(k)とは、一回目の繰り返しj=1については、入力インデックスkに対して適用される(a=b=k)、二つの変数aおよびbを有する、Kを法とする第一の代数関数f(a、b)の計算結果であり、続く各繰り返しj(j=2〜N)については、入力インデックスkと、先行する繰り返しのときに得られた出力値I(j−1)(k)とに対して適用される同一の代数関数f(a、b)の計算結果であるような、中間値I(j)(k)を計算する第一の過程と、
−出力値I(j)(k)を計算する第二の過程(3)であり、この出力値I(j)(k)とは、所与の繰り返しjについて、入力インデックスkと、同一の繰り返しjのときに計算された中間値I(j)(k)とに対して適用される(a=k、b=I(j)(k))、二つの変数aおよびbを有する、Kを法とする第二の代数関数f(a、b)の計算結果であるような、出力値I(j)(k)を計算する第二の過程を含み、
第一の代数関数f(a、b)と第二の代数関数f(a、b)が互いに関連づけられていることで、各繰り返しjにおいて、インターリーブされたデータの位置インデックスと、インターリーブされたシーケンス内での該データのランクとの間の差が、0からK/pまで変動しうる自然数のパラメータαと中間値の倍数との和と、保持すべきパタンのサイズによって決まるパラメータpとのKを法とする積となるようになっている、サイズKのブロック・インターリーブ方法。
【請求項2】
第一の代数関数f(a、b)がf(a、b)=[−a−pb]となるものであって、つまり一回目の繰り返しの結果である中間値についてはI(1)(k)=[−k−pk]となり、続く各繰り返しjの結果である中間値についてはI(j)(k)=[−k−p×I(j−1)(k)]となるようなものであり、第二の代数関数f(a、b)がf(a、b)=[αp+a+qpb]となるものであって、つまり各繰り返しjの結果である出力値I(j)(k)についてはI(j)(k)=[αp+k+q×p×I(j)(k)]となる(ここでqは自然数のパラメータであり、[X]はKを法とするX(X modulo K)を意味する)、請求項1に記載の、インデックスjについてのN回の繰り返しによるサイズKのブロック・インターリーブ方法(1)。
【請求項3】
さらに、所与の繰り返しjについて、インターリーブ後に、s−1データ分だけ隔てられた二つのデジタル入力データ、X(k)とX(k+s)の間における差を計算する過程を含み、この差が、反復的に計算される関係式Pj,s(k)=I(j)(k+s)−I(j)(k)=[s−q×p×(s+p×Pj−1,s(k))]によって与えられ、ここでsはK未満であり、P1,s(k)=[s−q×p×s(1+p)]であり、qは自然数のパラメータ、[X]はKを法とするX(X modulo K)を意味する、請求項1または請求項2に記載の、N回の繰り返しによるサイズKのブロック・インターリーブ方法(1)。
【請求項4】
分散(dispersion)値Δeff(j)(s)が、1以上である、少なくとも一つの所定のsの値について、関係式Δeff(j)(s)=Min{|Pj,s(k)|,K−|Pj,s(k)|}を用いた差Pj,s(k)=I(j)(k+s)−I(j)(k)から決定され、選択された繰り返しjが、この繰り返しjの結果、各分散Δeff(j)(s)が所定の値以上となるようなものである、請求項3に記載の、N回の繰り返しによるサイズKのブロック・インターリーブ方法(1)。
【請求項5】
保持すべきパタンのサイズが外部の制約によって決定される、請求項1〜請求項4のいずれか一つに記載の、N回の繰り返しによるサイズKのブロック・インターリーブ方法(1)。
【請求項6】
外部の制約がビットからシンボルへの符号化から生じるシンボルのビットの配分(repartition)を考慮に入れている、請求項5に記載の、N回の繰り返しによるサイズKのブロック・インターリーブ方法(1)。
【請求項7】
変数k={0,...,K−1}でインデックス付けされたデジタル入力データに、インデックスjについてのN回(Nは1以上)の繰り返しでサイズKのブロック・インターリーブを行う装置(4)であり、前記装置(4)が、二つの入力と一つの出力を備えたN個の基本セルI(5、5、5、5)を備え、各基本セルI(5、5、5、5)が、それぞれ二つの入力と一つの出力を具備した二つの単位セルIとIから形成されているような基本セルであり、基本セルI(5、5、5、5)の出力が単位セルIの出力に対応し、基本セルI(5、5、5、5)の二つの入力が単位セルIの二つの入力に対応し、単位セルIの出力が単位セルIの第一の入力に対応し、単位セルIの第二の入力が、基本セルI(5、5、5、5)の第一の入力に対応する単位セルIの第一の入力に接続されていることと、
第一の基本セルI(5)の二つの入力が互いに接続され、インデックスkに対応していることと、
各基本セルIの出力が、次の繰り返しの基本セルIの第二の入力に接続されていることと、
基本セルI(5、5、5、5)の第一の入力が互いに接続されていることを特徴とする、インデックスjについてのN回(Nは1以上)の繰り返しでサイズKのブロック・インターリーブを行う装置(4)。
【請求項8】
各単位セルIとIのそれぞれが、二つの変数aおよびbを有する、Kを法とする代数関数の計算手段を備え、該変数がそれぞれ、単位セルIとIの入力のそれぞれに対応している、請求項7に記載の、インデックスjについてのN回の繰り返しによるサイズKのブロック・インターリーブ装置(4)。
【請求項9】
Y(k)=X(I(j)(k))であるようなインターリーブ規則I(j)(k)によって決定された順序にしたがって、デジタル出力データYで構成された出力シーケンスに、デジタル入力データXを位置づけるために、変数k={0,...,K−1}でインデックス付けされたデジタル・データに対して、インデックスjについてのN回(Nは1以上)の繰り返しによってサイズKのブロック・インターリーブを行う電子装置(4)で用いるためのデジタル信号であり、少なくとも、
−中間値I(j)(k)を計算する第一の過程(2)であり、この中間値I(j)(k)とは、一回目の繰り返しj=1については、入力インデックスkに対して適用される(a=b=k)、二つの変数aおよびbを有する、Kを法とする第一の代数関数f(a、b)の計算結果であり、続く各繰り返しj(j=2〜N)については、入力インデックスkと、先行する繰り返しのときに得られた出力値I(j−1)(k)とに対して適用される同一の代数関数f(a、b)の計算結果であるような、中間値I(j)(k)を計算する第一の過程と、
−出力値I(j)(k)を計算する第二の過程(3)であり、この出力値I(j)(k)とは、所与の繰り返しjについて、入力インデックスkと、同一の繰り返しjのときに計算された中間値I(j)(k)とに対して適用される(a=k、b=I(j)(k))、二つの変数aおよびbを有する、Kを法とする第二の代数関数f(a、b)の計算結果であるような、出力値I(j)(k)を計算する第二の過程、
を電子装置(4)で実行するためのコードを少なくとも含んでいるデジタル信号であって、
第一の代数関数f(a、b)と第二の代数関数f(a、b)が互いに関連づけられていることで、各繰り返しjにおいて、インターリーブされたデータの位置インデックスと、インターリーブされたシーケンス内での該データのランクとの間の差が、0からK/pまで変動しうる自然数のパラメータαと中間値の倍数との和と、保持すべきパタンのサイズによって決まるパラメータpとのKを法とする積となるようになっている、デジタル信号。
【請求項10】
プログラムの命令を備えた情報媒体であり、前記プログラムが電子装置(4)に搭載され、実行されるときに、請求項1〜請求項7のいずれか一つに記載の、変数k={0,...,K−1}によってインデックス付けされたデジタル入力データに、インデックスjについてのN回(Nは1以上)の繰り返しによってサイズKのブロック・インターリーブを行う方法(1)を実施するために適合化されている、プログラムの命令を備えた情報媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−527768(P2008−527768A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548864(P2007−548864)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【国際出願番号】PCT/FR2005/003237
【国際公開番号】WO2006/072694
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(591034154)フランス テレコム (290)
【Fターム(参考)】