説明

インターロック機能を備えた半導体ウェーハマーキング装置及びそれを用いた半導体ウェーハマーキング方法

【課題】マーキングインターロック機能を備えた半導体ウェーハマーキング装置及びこれを用いた半導体ウェーハマーキング方法を提供する。
【解決手段】半導体ウェーハ上にマーキングのためのレーザー光を発生させるレーザー光源とレーザー光源から発生する前記レーザー光が照射されるレーザー照射領域を有するフローセルとを備えるレーザーヘッドユニットを備える半導体ウェーハマーキング装置。光学系は、前記レーザーヘッドユニットの前記フローセルから分散されるレーザー光をレーザービームに生成して前記半導体ウェーハに照射する。冷却水貯蔵ハウスは、冷却水を保存する。フローセルのレーザー照射領域の温度を一定に保持させる冷却水を循環させる配管は、冷却水貯蔵ハウスの入口及び出口に連結されてフローセルの内部に埋め込まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハマーキング装置に係り、さらに具体的には、マーキングインターロック機能を備えた半導体ウェーハマーキング装置及びそれを用いた半導体ウェーハマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ウェーハ上に写真、イオン拡散、エッチング、蒸着などの工程を反復して半導体素子を製作する。前記工程を経た後、前記ウェーハは、不良如何を判定する検査工程(test process)を経る。検査工程が完了すれば、スクライビング工程を通じて切断され、パッケージングされてチップに製作される。このような半導体製造工程でウェーハを識別するための識別マークをウェーハの一部に形成する。各半導体製造工程ごとに多様で厳密な工程条件が設定されるが、このような工程条件を管理するために識別マークを形成するか、または半導体検査及び組立工程で製品名、管理コード及び組立日などの情報についての識別マークを形成した。前記識別マークは、ウェーハの表面のうち一部分に数字、文字または記号などをドット状にマーキングして形成した。
【0003】
半導体ウェーハ上に識別マークを形成するマーキング方法としては、インクを使用するインクマーキング方法とレーザーを使用するレーザーマーキング方法とがあるが、便宜性及び保持管理の容易性によってレーザーマーキング方法が普遍化されている趨勢である。レーザーマーキング方法は、通常、連続したパルス状のレーザービームを光学系を用いて半導体ウェーハの一面に照射してドット状に文字や数字などをマーキングすることである。半導体素子の高集積化につれて、半導体製造工程数が数百個以上になるので、ウェーハ上に識別マークをマーキングすることは、1回に限定されず、各製造工程の履歴特性を把握するために各製造工程に必要な最小限の履歴データをマーキングする場合が多い。一般的に、ウェーハにマーキングされた識別マークは、マーキングされたウェーハにHe−Neレーザーなどを用いてレーザーを照射し、ウェーハから反射される光の反射率の変化またはレーザー光の熱波の振動変化を読んで判読される。判読されたデータに基づいて各半導体製造工程の工程条件を設定する。
【0004】
従来のレーザーマーキング装置は、レーザーヘッドユニットから発生するレーザー光を光学系を通じてウェーハ上に照射させ、図1に示されたように、ウェーハ10の所定部分に識別マーク20を形成した。前記識別マーク20は、ドット状の文字、または数字などで形成する。従来のレーザーマーキング装置を用いたウェーハマーキング方法は、レーザーダイオードから出力されるレーザーエネルギーが過度に弱くなれば、ウェーハ10に完全な形態のドットが形成されない。このような状態で半導体製造工程が進めば、図2Aに点線で表示された部分が工程中のケミカルなどにより埋め込まれ、識別マークがウェーハを識別することができなくなる。
【0005】
一方、レーザーエネルギーが過度に強くなれば、図2Bに示されたようにパーティクル22が発生し、このようなパーティクル22がウェーハ10の素子形成領域11に吸着されて素子形成領域11に形成される半導体素子の不良を誘発する。また、素子形成領域11に吸着されたパーティクル22は後続工程、例えば、CMP工程などを進める時、ウェーハの表面をスクラッチしてしまうという問題点があった。また、従来には、このようなウェーハのマーキング不良をマーキング工程中には、検出することができず、製造工程が完了して初めて判別できたために、時間損失が大きな問題点であった。
【0006】
図3は、従来の半導体ウェーハマーキング装置を概略的に示す構成図であって、レーザーヘッドユニットに限定して示したものである。図3を参照すれば、従来の半導体ウェーハマーキング装置30は、レーザー光源60とフローセル40を備える。前記レーザー光源60は、レーザーダイオードで構成され、前記ウェーハ10に識別マーク20を形成するためのレーザー光を発生させる。前記フローセル40は、前記レーザー光源60から発生したレーザー光を分散させる役割を果たす。前記フローセル40は、テーブル50に固定され、前記フローセル40に対応してレーザー光源60が配列される。前記レーザー光源60は、前記フローセル40の前記上面のうち一部、すなわち、レーザー照射領域41に対応して配列される。
【0007】
前記フローセル40の内部には、冷却水を流すための配管90が埋め込まれており、配管90は、冷却水が保存されている冷却水貯蔵ハウス70に連結されている。したがって、前記フローセル40は、前記冷却水貯蔵ハウス70から供給される冷却水により前記フローセル40のレーザー照射領域41の温度を常に一定温度に保持させる。前記フローセル40は、配管90を通じて流れる冷却水により常に一定温度が保持された状態で、前記照射領域41にレーザー光源60から入射されるレーザー光を分散させる。前記フローセル40により分散されたレーザー光は、光学系(図示せず)を通じて図1に示されたようなウェーハ10に照射され、ドット状の識別マーク20をマーキングする。
【0008】
従来の半導体ウェーハマーキング装置30において、前記ウェーハ10上に識別マーク20を正確にマーキングするためには、前記ウェーハ10上に照射されるレーザービームのエネルギーが一定に保持されねばならない。前記ウェーハ10上に照射されるレーザービームのエネルギーが変化すれば、前記したようにドット不良またはパーティクルの発生をもたらす。前記ウェーハ10上に照射されるレーザービームのエネルギーを変化させる要因は、前記フローセル40のレーザー照射領域41の温度である。前記レーザー照射領域41の温度は、前記冷却水貯蔵ハウス70から配管90を通じてフローセル40を循環する冷却水の温度に左右される。これは、前記フローセル40を循環する冷却水がフローセル40の前記レーザー照射領域41の温度を一定に保持させる役割を果たすために、冷却水の温度が変化すれば、前記フローセル40のレーザー照射領域41の温度が変化する。したがって、前記フローセル40のレーザー照射領域41の温度が変化し、このような温度変化によって前記レーザー照射領域41に照射されるレーザー光の分散程度が変化し、光学系を通じて前記ウェーハ10上に照射されるレーザービームのエネルギーが変化されるためである。
【0009】
従来のマーキング装置は、前記ハウス70に温度センサー71を付着し、コントローラー80により前記温度センサー71を制御して前記ハウス70内に保存されている冷却水を一定温度に保持させた。しかし、前記方法は、前記配管90を通じて前記フローセル40を循環する冷却水の温度を一定に保持させるものでなく、前記冷却水貯蔵ハウス70内の冷却水の温度を一定に保持させる方式であるために、冷却水貯蔵ハウス70内の冷却水は一定に保持されるとしても、配管を通じて冷却水が流れる過程で冷却水の温度が変化し、これにより、前記フローセル40のレーザー照射領域41の温度が変化して、結局にはウェーハマーキングのためのレーザービームのエネルギーが変化する。
【0010】
一方、レーザービームのエネルギーを変化させる他の要因としては、前記配管90を通じた冷却水の漏れがある。前記配管90を通じた冷却水の漏れは、冷却水の温度を変化させ、これにより、レーザービームのエネルギーを変化させる。また、レーザービームのエネルギーを変化させるさらに他の要因としては、前記レーザー光源60のレーザーダイオードに提供される入力信号、すなわち、入力電流によってレーザーダイオードから発生するレーザー光のエネルギーが変化し、結果的には、前記ウェーハ10上に照射されるレーザービームのエネルギーが変化する。
【0011】
従来のマーキング装置には、前記フローセル40内で前記配管90を通じた冷却水の漏れを感知する手段、または前記レーザー光源60のレーザーダイオードに提供される入力電流を感知する手段が備えられていないので、冷却水の漏れ及びレーザーダイオードに提供される入力信号の変化を感知できなかった。したがって、ウェーハマーキング動作時に冷却水の漏れや温度及び入力電流の大きな変化が発生しても、マーキング動作が続くので、前記したようなマーキング不良を解決することができなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、ウェーハに照射されるレーザービームのエネルギーを一定に保持させて均一に識別マークを形成し、異常発生時にマーキング動作を中断しうるマーキングインターロック機能を備えた半導体ウェーハマーキング装置を提供することである。
【0013】
本発明が解決しようとする他の技術的課題は、前記半導体ウェーハマーキング装置を用いてウェーハに均一な識別マークを形成しうる半導体ウェーハマーキング方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記本発明の技術的課題を達成するための本発明の半導体ウェーハマーキング装置は、半導体ウェーハ上にマーキングのためのレーザー光を発生させるレーザー光源と、前記レーザー光源から発生する前記レーザー光が照射されるレーザー照射領域を有するフローセルを備えるレーザーヘッドユニットと、を備える。前記レーザー光源は、多数のレーザーダイオードを備える。前記多数のレーザーダイオードは、前記フローセルの前記レーザー照射領域に対応して配列される。光学系は、前記レーザーヘッドユニットの前記フローセルから分散される前記レーザー光をレーザービームに作って前記半導体ウェーハに照射する。冷却水貯蔵ハウスは、冷却水を保存する。前記フローセルの前記レーザー照射領域の温度を一定に保持させる前記冷却水を循環させる配管は、前記冷却水貯蔵ハウスの入口及び出口に連結されて前記フローセルの内部に埋め込まれる。マーキングインターロックシステムは、前記配管を通じた漏れを感知し、前記レーザー照射領域の異常な温度を感知し、または前記レーザー光源に提供される異常な入力電流を感知して前記半導体ウェーハのマーキング終了のためのマーキングインターロック信号を発生させる。マーキング部は、前記マーキングインターロックシステムの前記マーキングインターロック信号により制御されて前記レーザー光源をオフさせて前記半導体ウェーハのマーキングを終了させる。
【0015】
前記マーキングインターロックシステムは、漏れ感知センサー、温度感知センサー、電流感知センサー、及びコントローラーを含む。前記漏れ感知センサーは、前記配管を通じて流れる冷却水の漏れを感知する。前記漏れ感知センサーは、前記フローセルの下面に前記配管に対応して配列される。前記温度感知センサーは、前記フローセルの前記レーザー照射領域の温度を感知する。前記温度感知センサーは、前記フローセルの上面に前記レーザー照射領域に隣接して配列される。前記電流感知センサーは、前記レーザー光源に提供される入力電流を感知する。前記電流感知センサーは、前記レーザー光源の入力端に連結構成される。前記コントローラーは、前記漏れ感知センサー、前記温度感知センサー、及び前記電流感知センサーの出力信号を入力して前記マーキング部を制御するための制御信号を出力する。
【0016】
前記半導体ウェーハマーキング装置は、前記配管に設けられ、前記マーキングインターロックシステムに制御されて前記冷却水の流量を調節する節水弁をさらに備える。前記節水弁は、前記フローセル側に前記冷却水を出力する前記冷却水貯蔵ハウスの出口に隣接して配列される。
【0017】
本発明の他の局面による半導体ウェーハマーキング装置のマーキングインターロックシステムは、冷却水の漏れを感知する漏れ制御部を含む。温度制御部は、レーザー光が照射されるレーザー照射領域の温度を感知する。電流制御部は、前記レーザー光源に提供される入力電流を感知する。コントローラーは、前記漏れ制御部で漏れ感知信号が提供された場合、前記温度制御部で異常な温度感知信号が提供された場合、または/及び前記電流制御部から異常な入力電流が感知された場合、前記漏れ制御部、温度制御部及び電流制御部の出力信号を入力して警報制御信号及びマーキングインターロック信号を発生させる。警報部は、前記コントローラーから出力される前記警報制御信号により漏れ制御部を通じて漏れが感知されたこと、前記温度制御部を通じて異常な温度が感知されたこと、または/及び前記電流制御部を通じて異常な入力電流が感知されたことを知らせる。前記マーキングインターロック制御部は、前記コントローラーから出力される前記マーキングインターロック信号により制御されて前記レーザー光源をオフさせる。
【0018】
前記漏れ制御部は、前記冷却水の漏れを感知するための漏れ感知センサー、基準信号を発生させる基準抵抗発生部、及び前記漏れ感知センサーの前記出力信号を前記基準抵抗発生部の基準信号と比較して漏れ検出信号を出力する漏れ検出部と、を備える。前記温度制御部は、前記フローセルの前記レーザー照射領域の前記温度を感知する温度感知センサー、及び前記温度感知センサーの出力信号をデジタル信号に判読する温度演算部を備える。前記温度制御部は、前記温度演算部の出力信号を入力する前記コントローラーから出力されるフィードバック制御信号により前記冷却水貯蔵ハウスに保存された前記冷却水の温度を一定に保持させるためのフィードバック部をさらに備える。
【0019】
前記電流制御部は、前記レーザー光源に提供される前記入力電流を感知する電流感知センサー、前記電流感知センサーで感知された前記入力電流をデジタル信号で判読する電流演算部、及び前記コントローラーを通じて数値化された前記電流演算部の出力信号をログ化するデータログ部を備える。前記マーキングインターロックシステムは、前記配管に設けられて前記冷却水の流量を調節する節水弁、及び前記コントローラーから出力される節水弁制御信号により前記節水弁を制御する節水弁制御部をさらに備える。
【0020】
前記警報部は、警告音発生部、警告表示部及び警報制御部を含む。前記警告音発生部は、前記漏れ制御部を通じて漏れが感知され、前記温度制御部を通じて前記異常な温度が感知され、または/及び前記電流制御部を通じて前記異常な入力電流が感知された時、警告音を発生させる。前記警告表示部は、前記漏れ制御部を通じて漏れが感知されたこと、前記温度制御部を通じて前記異常な温度が感知されたこと、または/及び前記電流制御部を通じて前記異常な入力電流が感知されたことを表示する。前記警報制御部は、前記コントローラーから出力される前記警報制御信号により前記警告音発生部及び前記警告表示部を制御する。
【0021】
本発明の他の局面による半導体ウェーハマーキング方法は、次のような順序で進行する。まず、前記半導体ウェーハにマーキングをするマーキングステップを行う。次いで、前記フローセルを循環する冷却水の漏れを感知する漏れ感知ステップ、前記レーザー光が照射される前記フローセルの温度を感知する温度感知ステップ及び前記レーザー光源に提供される入力電流を感知する電流感知ステップを行う。次いで、漏れ感知、異常温度感知及び/または異常入力電流感知時に前記半導体ウェーハのマーキング動作をインターロックするマーキングインターロックステップを行う。
【0022】
前記漏れ感知ステップは、まず、前記フローセルを循環する前記冷却水の漏れを感知する。前記感知ステップで感知された値と基準値とを比較して前記冷却水の漏れを判断する。前記判断結果、前記冷却水の漏れが検出された場合には、前記マーキングインターロックステップへ進んで前記半導体ウェーハのマーキング動作を中断させる。前記判断結果、前記冷却水の漏れが検出されていない場合には、前記温度感知ステップへ進む。
【0023】
前記温度感知ステップは、まず、前記フローセルの温度を感知する。前記感知ステップで感知された値から前記フローセルの前記感知された温度が設定された温度範囲を外れているか否かを判断する。前記フローセルの前記感知された温度が前記設定された温度範囲を外れた場合には、前記マーキングインターロックステップへ進んで前記半導体ウェーハのマーキング動作を中断する。前記フローセルの前記感知された温度が前記設定された温度範囲内にある場合には、前記感知された温度が設定された基準温度と同一であるかを判断する。前記判断結果、前記感知された温度が前記設定された基準温度と同じである場合には、前記電流感知ステップへ進む。前記感知された温度が前記設定された基準温度と同一でない場合には、前記感知された温度が前記設定された基準温度より低いかを判断する。前記感知された温度が前記設定された基準温度より低い場合には、冷却水貯蔵ハウスから前記フローセルへ循環される前記冷却水の流量を減少させる。前記感知された温度が前記設定された基準温度より低くない場合には、冷却水貯蔵ハウスから前記フローセルへ循環される前記冷却水の流量を増加させる。
【0024】
前記電流感知ステップは、前記レーザー光源に提供される入力電流を感知し、前記感知された入力電流をログ化して保存し、前記感知された入力電流が設定された電流範囲内にあるかどうかを判断し、前記感知された入力電流が前記設定された電流範囲内にあれば、前記マーキングステップへ進み、前記感知された入力電流が前記設定された電流範囲内になければ、前記マーキングインターロックステップへ進んで前記半導体ウェーハのマーキングを中断させる。
【0025】
前記漏れ感知動作、前記温度感知動作及び前記電流感知動作は、順次に連続して行われるか、または個別的に同時に行われる。
【0026】
前記マーキングインターロックステップは、まず、前記漏れ感知ステップで漏れが検出される場合、前記温度感知ステップで前記感知された温度が設定された温度範囲を外れる場合、及び/または前記電流感知ステップで前記感知された入力電流が設定された電流範囲を外れる場合、前記配管を通じて前記フローセルを循環する冷却水を遮断し、前記半導体ウェーハのマーキング動作を中断させ、前記半導体ウェーハのマーキング動作が中断されたということを知らせる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、半導体マーキング装置にマーキングインターロックシステムを付加して、ウェーハマーキング動作のうち冷却水の漏れが発生するか、フローセルのレーザー照射領域の温度が異常であるか、またはレーザーダイオードに提供される入力電流が異常である場合が発生すれば、ウェーハのマーキング動作を終了させることによって、品質不良を事前に防止して時間損失を減らせる。また、異常発生時に警告音または警告表示を通じてユーザに知らせることによって、ユーザにより速かに異常状態に対処できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付した図面に基づいて本発明の望ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、多様な形態に変形でき、本発明の範囲が後述する実施形態によって限定されると解釈されてはならない。本発明の実施形態は、当業者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面での要素の形状はさらに明確な説明を強調するために誇張されたものであり、図面上で同じ符号で表示された要素は同じ要素を意味する。
【0029】
図4は、本発明の実施形態による半導体ウェーハマーキング装置を示す構成図である。図5は、図4に示された半導体ウェーハマーキング装置において、レーザーヘッドユニットとマーキングインターロックシステムを示す概略的な構成図である。図4及び図5を参照すれば、本発明の半導体ウェーハマーキング装置100は、レーザーヘッドユニット200と、マーキングインターロックシステム300及び光学系105を備える。前記レーザーヘッドユニット200は、レーザー光源210とフローセル220を備える。前記レーザー光源210は、多数のレーザーダイオード211を備え、前記レーザーダイオード211は、フローセル220の上面、望ましくは、レーザー照射領域221に対応して配列される。図4には、前記レーザーダイオード211がフローセル220の上面とコンタクトされるように図示されているが、前記レーザーダイオード211は、フローセル220の前記レーザー照射領域221と離れて配列される。
【0030】
前記フローセル220は、前記レーザー光源210から発生したレーザー光を分散させる。前記フローセル220は、テーブル230にボルト(図示せず)などを通じて固定される。前記フローセル220の内部には、前記レーザー照射領域221を一定した温度に保持させるための冷却水を循環させる配管395が埋め込まれる。前記配管395は、前記レーザー照射領域221に対応して埋め込まれることが望ましく、前記レーザー照射領域221の温度を均一に保持させうるようにジグザグ形態など多様な形に配列しうる。
【0031】
前記配管395は、冷却水貯蔵ハウス380の入口及び出口に連結され、前記冷却水貯蔵ハウス380に保存された冷却水が前記配管395を通じて循環されて前記フローセル220の前記レーザー照射領域221の温度を一定に保持させる。また、前記配管395には、冷却水の流れを調節するための節水弁370が設けられる。前記節水弁370は、前記冷却水貯蔵ハウス380から前記フローセル220のレーザー照射領域221側に流れる冷却水の遮断が容易になされるよう、前記冷却水貯蔵ハウス380の出口に隣接して配列されることが望ましい。したがって、前記節水弁370は、前記マーキングインターロックシステム300の節水弁制御部360の制御によって前記冷却水貯蔵ハウス380から前記フローセル220のレーザー照射領域221に流れる冷却水の流れを調節する。前記冷却水貯蔵ハウス380には、温度センサー381が配置され、コントローラー390の制御により前記冷却水貯蔵ハウス380に保存された冷却水を一定温度に保持させる。
【0032】
前記マーキングインターロックシステム300は、漏れ感知センサー240、温度感知センサー250、電流感知センサー260、及びメインコントローラー301を備える。前記漏れ感知センサー240は、前記配管395を通じて前記フローセル220を流れる冷却水の漏れを感知するためのものであって、前記フローセル220の下部に設けられる。前記漏れ感知センサー240は、前記フローセル220を流れる冷却水の漏れ感知を容易になすために、前記フローセル220と前記テーブル230との間で前記配管395に対応して配列されることが望ましい。前記温度感知センサー250は、前記フローセル220のレーザー照射領域221の温度を感知するためのものであって、フローセル220の上面に設けられる。
【0033】
前記温度感知センサー250は、前記フローセル220のレーザー照射領域221の温度感知を容易にするために、前記レーザー照射領域221に隣接したフローセル220の上面に配置されることが望ましい。前記電流感知センサー260は、前記レーザー光源210のレーザーダイオード211に提供される入力電流を感知するためのものであって、前記レーザーダイオード211の入力端212に連結されるように配置される。前記メインコントローラー301は、前記漏れ感知センサー240、前記温度感知センサー250及び前記電流感知センサー260の出力信号を入力して、異常発生時に前記レーザー光源210の電源をオフさせることによって、マーキング動作を中断させるマーキングインターロック機能を行う。
【0034】
前記光学系105は、多数のミラー110、120、130、135、145、150、155、160、スイッチ115、ビームシャッター125、レンズ系140、X軸及びY軸ガルバノメータ165、170を備える。前記ミラー110、120は、背面ミラーと前面ミラーであって、前記フローセル200を通じて分散されたレーザー光101をビームシャッター125に提供する。前記スイッチ115は、ウェーハ180にマーキングされる識別マークがドット状を有するので、ウェーハ180に照射されるレーザービーム102がパルス状を有するようにレーザー光101を断続する。前記ビームシャッター125は、レーザー光101を受けて円形のレーザービーム102を発生させる。前記ミラー130、135、145、150、155、160は、レーザービームを反射させる。前記レンズ系140は、前記レンズ135を通じて反射されたレーザービームを集束させる。前記X軸ガルバノメータ165とY軸ガルバノメータ170は、前記ウェーハ180のマーキング位置にレーザービームを調整する役割を果たす。
【0035】
図6は、本発明の実施形態による半導体ウェーハマーキング装置において、前記マーキングインターロックシステム300の等価回路図を示したものである。図6を参照すれば、前記マーキングインターロックシステム300は、メインコントローラー301、漏れ制御部400、温度制御部500、電流制御部600、節水弁制御部360及び節水弁370を備える。前記マーキングインターロックシステム300は、警報制御部310、マーキングインターロック制御部340、警告表示部330及び警告音発生部320を備える。前記メインコントローラー301は、前記漏れ制御部400、前記温度制御部500、前記電流制御部600から提供される出力信号Ld、Td、Cdを各々入力して前記節水弁制御部360、前記警報制御部310及びマーキングインターロック制御部340を制御するための出力信号Lv、Ac、Miを各々発生させる。
【0036】
前記漏れ制御部400は、図7に示されたように、漏れ感知センサー240、基準抵抗発生部410及び漏れ検出部420を備える。前記漏れ感知センサー240は、前記冷却水貯蔵ハウス380から前記配管395を通じて前記フローセル220に循環される冷却水の漏れを感知する。前記配管395を通じて冷却水が漏れない場合には、漏れ感知センサー240の抵抗値は有限値を有し、前記漏れ感知センサー240の出力Vsは一定値を有する。前記配管395を通じて冷却水が漏れる場合には、前記漏れ感知センサー240の抵抗値は大きく増加するか、または無限大の値を有する。したがって、前記漏れ感知センサー240の出力Vsは増加する。前記基準抵抗発生部410は、前記漏れ検出部420で基準抵抗値を発生させて前記基準抵抗値に対応する基準信号Vrを提供する。この際、前記基準抵抗発生部410から発生する基準信号Vrは、前記漏れ感知センサー240が配管395を通じた冷却水の漏れが感知されていない正常状態で出力される出力Vsより大きい値を有するように設定する。
【0037】
前記漏れ検出部420は、前記漏れ感知センサー240の出力Vsと基準抵抗発生部410の出力Vrとを入力して比較する。比較結果、前記配管395を通じる冷却水の漏れが検出される場合には、漏れが検出されたということを示す出力信号Ldをメインコントローラー301に提供する。メインコントローラー301は、前記漏れ検出部420から出力信号Ldを入力して前記節水弁制御部360に漏れ検出を知らせる出力信号Lvを出力する。前記節水弁制御部360は、前記メインコントローラー301の出力信号Lvにより前記節水弁370を閉じるための制御信号Lcを出力する。したがって、節水弁370は、前記制御信号Lcにより自動で閉じられる。また、メインコントローラー301は、前記マーキングインターロック制御部340で漏れによるマーキング中断のための制御信号Miを出力する。前記マーキング部350は、前記マーキングインターロック制御部340から出力される制御信号Miにより前記レーザー光源210のレーザーダイオード211のパワーを自動でオフさせる。これにより、ウェーハのマーキング動作は中断される。
【0038】
一方、前記漏れ感知センサー240により前記配管395を通じた冷却水の漏れが検出されていない場合には、前記漏れ検出部420は、冷却水の漏れが検出されていないということを表す出力信号Ldをメインコントローラー301に提供する。前記メインコントローラー301は、前記漏れ検出部420の出力信号Ldによって前記節水弁370をそのまま保持するための出力信号Lvを前記節水弁制御部360に出力する。したがって、節水弁制御部360の出力信号Lcにより前記節水弁360の開閉状態はそのまま保持される。
【0039】
前記漏れ検出部420は、演算増幅器を用いた比較器で構成されて前記漏れ感知センサー240の出力信号Vsと基準抵抗発生部410の出力信号Vrとを比較して冷却水の漏れを検出しうる。本発明の実施形態で、漏れ感知センサー240が冷却水の漏れを感知すれば、無限の抵抗値を有する出力信号Vsを出力することを例示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、一定の抵抗値を有するように設定し、それにより、基準抵抗発生部410から発生する出力信号Vrの基準電圧値を設定することもできる。
【0040】
前記温度制御部500は、図8に示されたように、温度感知センサー250、温度演算部510及びフィードバック制御部510を備える。前記温度感知センサー250は、前記フローセル220のレーザー照射領域221の温度を感知して出力信号Tsを発生させる。前記温度演算部520は、前記温度感知センサー250から発生する出力信号Tsを入力して前記フローセル220のレーザー照射領域221の現在温度をデジタル信号で判読する。前記温度演算部510は、前記フローセル220の前記レーザー照射領域221の判読された現在温度についてのデータTdを前記メインコントローラー301に提供する。前記メインコントローラー301は、前記フローセル220の現在温度についてのデータTdが設定された温度範囲内にある場合には、前記節水弁制御部360に前記フローセル220の前記照射領域221の現在温度が設定された温度範囲内にあるということを示す出力信号Lvを出力する。
【0041】
この際、前記フローセル220の現在温度が所望の基準温度であれば、前記節水弁制御部360は、前記メインコントローラー301の出力信号Lvによって節水弁370をそのまま保持せよとの出力信号Lcが出力され、これにより、節水弁370は、現在の開閉状態をそのまま保持する。前記フローセル220の現在温度が設定された温度範囲内にあり、所望の基準温度より低い場合には、前記節水弁制御部360は、前記メインコントローラー301の出力信号Lvによって現在の状態より前記節水弁370をさらに閉じるための出力信号Lcを節水弁370に出力する。したがって、前記節水弁370は、現在の状態よりさらに閉じられて冷却水貯蔵ハウス380からフローセル220に流れる冷却水の流量を減少させる。
【0042】
そして、前記フローセル220の現在温度が設定された温度範囲内にあり、所望の基準温度より高い場合には、前記節水弁制御部360は、前記メインコントローラー301の出力信号Lvによって節水弁370を現在の状態よりさらに開放するための出力信号Lcを節水弁370に出力する。したがって、前記節水弁370は、現在の状態よりさらに開放されて冷却水貯蔵ハウス380からフローセル220に流れる冷却水の流量を増加させる。このように前記フローセル220の現在温度が設定された温度範囲内にあれば、感知された前記フローセル220の現在温度によって前記節水弁370の開閉状態を調節してフローセル220を循環する冷却水の流量を調節し、結果的には、前記フローセル220のレーザー照射領域221の温度を一定に保持させる。
【0043】
また、メインコントローラー301は、温度制御部500を通じて感知された前記フローセル220の現在温度が設定された温度範囲内にあれば、それに対するデータLfをフィードバック制御部520に出力し、フィードバック制御部520は、メインコントローラー301から提供されるデータLfによって前記コントローラー390に温度制御信号Tcを出力する。前記コントローラー390は、温度制御信号Tcによって冷却水貯蔵ハウス380の温度センサー381をコントロールして冷却水貯蔵ハウス380に保存された冷却水の温度を制御する。
【0044】
一方、前記メインコントローラー301は、前記フローセル200の現在の温度についてのデータTdを温度演算部510から入力して前記フローセル220の現在の温度が設定された温度範囲を外れた場合には、前記節水弁制御部360に冷却水の現在の温度が設定された温度範囲を外れたということを示す出力信号Lvを出力する。前記節水弁制御部360は、前記メインコントローラー301からの出力信号Lvによって前記節水弁370を閉じるための制御信号Lcを出力する。したがって、節水弁370は、前記節水弁制御部360から制御信号Lcにより自動で閉じられる。
【0045】
また、メインコントローラー301は、前記フローセル220の現在温度が設定された温度範囲を外れた場合、前記マーキングインターロック制御部340に異常温度によるマーキング中断のための制御信号Miを出力する。前記マーキングインターロック制御部340は、前記メインコントローラー301から出力される前記制御信号Miによりマーキングインターロック動作を行う。すなわち、前記マーキングインターロック制御部340は、前記制御信号Miによって前記マーキング部350を制御して前記レーザー光源210の前記レーザーダイオード211のパワーを自動でオフさせることによって、ウェーハのマーキング動作は中断される。
【0046】
前記電流制御部600は、図9に示されたように、電流感知センサー260、電流演算部610及びデータログ部620を備える。電流感知センサー260は、前記レーザー光源210のレーザーダイオード211の入力端212に連結され、前記レーザーダイオード211の入力端212に印加される入力信号、すなわち、電流信号を感知する。前記電流演算部610は、前記電流感知センサー260の出力信号Csを入力して前記レーザーダイオード211の入力端212に印加される入力電流をデジタル信号で判読する。メインコントローラー301は、前記電流演算部610から提供される電流データCdを数値化してデータログ部620に提供する。前記データログ部620は、メインコントローラー301から提供される電流値Clをログ化して保存する。これは、レーザーダイオード210に印加されるエネルギーを必要に応じて確認できるようにするためである。
【0047】
前記メインコントローラー301は、前記電流演算部610の出力データCdから前記レーザーダイオード211に印加される電流信号が一定しておらず、異常電流と判別されれば、前記マーキングインターロック制御部340に異常電流によるマーキング中断のための制御信号Miを出力する。前記マーキングインターロック制御部30は、前記前記メインコントローラー301から提供される制御信号Miによりマーキングインターロック動作を行う。したがって、前記マーキング部350により前記レーザー光源210のレーザーダイオード211のパワーが自動でオフされてウェーハマーキング動作は中断される。
【0048】
図6を参照すれば、前記警報制御部310は、前記メインコントローラー301から出力信号Acを入力して警告音発生部320及び警告表示部330を制御する。前記メインコントローラー301は、前記漏れ制御部400を通じて冷却水の漏れが感知されるか、前記温度制御部500を通じて前記フローセル220の温度が異常温度と感知されるか、または前記電流制御部600を通じてレーザーダイオード211に理想電流が印加されることが感知された場合には、前記警報制御部310に異常状態であることを示す出力信号Acを出力する。前記警報制御部310は、警告音発生部320を制御して警告音を発生させる。前記警告音発生部320は、ブザーなどを含む。前記警報制御部310は、警告表示部330を制御して警告表示をする。前記警告表示部330は、漏れ警告表示部331、温度警告表示部333及び電流警告表示部336を備え、漏れ警告表示部331を通じて冷却水の漏れが発生したということを表示し、温度警告表示部333を通じて前記フローセル220の温度が異常温度であることを表示し、電流警告表示部336を通じて前記レーザーダイオード211に入力される電流が理想電流であることを表示する。前記警告表示部330は、前記警報制御部330から提供される出力信号により警告表示のみをするように例示されたが、前記メインコントローラー301が漏れ程度、温度値及び電流値などを数値化して、これをメイン画面に数字で表示することも可能である。
【0049】
図10は、本発明の半導体ウェーハマーキング方法を説明するためのフローチャートである。図10を参照すれば、半導体ウェーハマーキング方法は、大きくウェーハマーキング動作(S10)、フローセル220の漏れ感知動作(S20)、フローセル220の温度感知動作(S30)、フローセル220のレーザーダイオード211に印加される電流感知動作(S40)及びマーキングインターロック動作(S50)に大別される。ウェーハマーキング動作(S10)は、前記ウェーハ180上にマーキングを始める(S11)。すなわち、図4に示されたように前記レーザー光源210の前記レーザーダイオード211からレーザー光101が発生し、レーザー光101が前記フローセル220及び光学系105を通じて円形のレーザービーム102になり、レーザービーム102が前記ウェーハ180上に照射されてマーキングを始める。マーキング動作が行われば、前記感知動作(S20、S30、S40)が順次に行われる。前記感知動作が完了すれば、前記ウェーハ180に識別マークのマーキングが完了したか否かを判断する(S12)。マーキング動作が完了すれば、マーキング動作は終了され、マーキング動作が完了していない場合には、再びステップS11に戻ってマーキングし続ける。
【0050】
次いで、フローセル220の冷却水の漏れ感知動作(S20)を行う。まず、漏れ感知センサー240を用いて前記フローセル220を流れる冷却水が前記配管395を通じて漏れたかを感知する(S21)。冷却水漏れを感知した後、冷却水漏れを判断する(S22)。すなわち、前記漏れ検出部420は、前記漏れ感知センサー240の出力信号Vsと基準抵抗発生部410の出力信号Vrを入力して漏れを判断する。前記メインコントローラー301は、前記漏れ検出部420の出力信号Ldを入力して漏れが感知された場合には、前記節水弁制御部360を通じて前記節水弁370を閉じる。また、前記メインコントローラー301は、前記マーキングインターロック制御部340を通じて前記マーキング部350を制御してウェーハのマーキング動作を中断させる(S50)。
【0051】
一方、フローセル220の冷却水漏れ検出ステップ(S22)で、冷却水の漏れが検出されていない場合には、フローセル220の温度感知動作(S30)を行う。まず、前記温度感知センサー250を用いて前記フローセル220のレーザー照射領域221の温度を感知する(S31)。前記フローセル220のレーザー照射領域221の感知された温度を用いて温度が設定された温度範囲を外れたか否かを判断する(S32)。すなわち、図11を参照すれば、前記温度演算部410は、温度感知センサー250から提供される出力信号Tsを入力して現在の温度を判読する。メインコントローラー301は、前記温度演算部410からの出力信号Tdを入力してフローセル220のレーザー照射領域221の温度が設定された温度範囲内にあるかどうかを判断する(S32)。
【0052】
判断の結果、フローセル220のレーザー照射領域221の温度が設定された温度範囲内にあれば、メインコントローラー301は、感知された前記レーザー照射領域221の温度が設定された基準温度と同一であるか否かを判断する(S33)。感知された温度が設定された基準温度と同一であれば、フローセル220の電流感知動作(S40)に進む。一方、感知された温度が設定された温度と同一でなければ、前記メインコントローラー301は、感知された温度が設定された基準温度より低いかを判断する(S34)。感知された温度が設定された基準温度より低ければ、前記節水弁制御部360を通じて前記節水弁370を制御して前記配管395を通じて流れる冷却水の流れを減少させる(S35)。感知された温度が設定された基準温度より低くなければ、前記節水弁制御部360を通じて前記節水弁370を制御して前記配管395を通じて流れる冷却水の流れを増加させる(S36)。
【0053】
一方、前記温度判別ステップ(S32)で感知された前記レーザー照射領域221の温度が設定された温度範囲を外れた場合には、メインコントローラー301は、前記節水弁制御部360を通じて前記節水弁370を制御して冷却水がこれ以上流れないように前記節水弁370を閉じる(S51)。また、前記メインコントローラー301は、前記マーキングインターロック制御部340を通じて前記マーキング部350を制御してウェーハのマーキング動作を中断させる(S52)。
【0054】
前記フローセル220の温度感知動作(S30)で節水弁370を調節して冷却水の流量を調節するステップ(S35またはS36)が完了すれば、フローセル220に提供される入力電流の感知動作を行う(S40)。まず、前記レーザー光源210のレーザーダイオード211に提供される入力電流を電流感知センサー260を通じて感知し、感知された入力電流は、電流演算部610を通じてデジタル信号で判読して前記メインコントローラー301に提供される。前記メインコントローラー301は、電流演算部610から提供される入力電流をログ化してデータログ部620に保存し、レーザーダイオード210の入力電流が設定された範囲内にあれば、前記ウェーハマーキング動作ステップ(S10)に戻り引続きマーキング動作を行う。一方、レーザーダイオード210に突然大きな入力電流が提供されるハンティング現象が発生すれば、前記メインコントローラー301は、前記マーキング制御部340を通じて前記マーキング部350を制御してレーザーダイオード210のパワーをオフさせてウェーハマーキング動作を中断させる(S52)。
【0055】
本発明のマーキング動作では、冷却水の漏れ感知動作、フローセルの温度感知動作及びフローセルのレーザーダイオードの入力電流感知動作が順次に行われると例示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、前記感知動作は任意に順次に行える。また、前記感知動作が連続して行われると例示したが、前記感知動作が個別的に分離されて同時に行われることもある。
【0056】
以上、本発明を望ましい実施形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で当業者によって多様な変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】従来の識別マークを備えた半導体ウェーハの平面図である。
【図2A】従来の半導体ウェーハマーキング装置を用いて半導体ウェーハにマーキングをする場合、マーキング不良を示す図面である。
【図2B】従来の半導体ウェーハマーキング装置を用いて半導体ウェーハにマーキングをする場合に発生するパーティクルを示す写真である。
【図3】従来の半導体ウェーハマーキング装置の概略的な構成図である。
【図4】本発明の実施形態による半導体ウェーハマーキング装置の構成図である。
【図5】図4に示された半導体ウェーハマーキング装置における、レーザーヘッドユニットの構成図である。
【図6】本発明の実施形態による半導体ウェーハマーキング装置における、マーキングインターロックシステムの回路構成図である。
【図7】図6に示されたマーキングインターロックシステムの漏れ制御部の詳細回路構成図である。
【図8】図6に示されたマーキングインターロックシステムの電流制御部の詳細回路構成図である。
【図9】図6に示されたマーキングインターロックシステムの温度制御部の詳細回路構成図である。
【図10】本発明の実施形態による半導体ウェーハマーキング方法を説明するためのフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態による半導体ウェーハマーキング方法において、温度感知動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
10 ウェーハ
20 識別マーク
30 半導体ウェーハマーキング装置
40 フローセル
41 レーザー照射領域
50 テーブル
60 レーザー光源
70 冷却水貯蔵ハウス
90 配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハに前記半導体ウェーハの識別のための識別マークをマーキングする装置において、
入力電流によって前記半導体ウェーハ上にマーキングのためのレーザー光を発生させるレーザー光源と前記レーザー光源から発生する前記レーザー光が照射されるレーザー照射領域をその上面に有するフローセルとを備えるレーザーヘッドユニットと、
前記入力電流によって前記レーザー光源から発生した前記レーザー光をレーザービームに生成して前記半導体ウェーハに照射する光学系と、
冷却水を保存する冷却水貯蔵ハウスと、
前記フローセルの前記レーザー照射領域の温度を一定に保持させる前記冷却水を循環させ、前記冷却水貯蔵ハウスの入口及び出口に連結されて前記フローセルの内部に埋め込まれる配管と、
前記配管を通じる漏れを感知して、前記レーザー照射領域の異常な温度を感知して、または前記レーザー光源に提供される異常な入力電流を感知して、前記半導体ウェーハのマーキング終了のためのマーキングインターロック信号を発生させるマーキングインターロックシステムと、
前記マーキングインターロックシステムの前記マーキングインターロック信号により制御されて前記レーザー光源をオフさせて前記半導体ウェーハのマーキングを終了させるマーキング部と、
を備える半導体ウェーハマーキング装置。
【請求項2】
前記レーザー光源は、多数のレーザーダイオードを備え、前記多数のレーザーダイオードは、前記フローセルの前記レーザー照射領域に対応して配列されることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハマーキング装置。
【請求項3】
前記マーキングインターロックシステムは、
前記配管を通じて流れる冷却水の漏れを感知するための漏れ感知センサーと、
前記フローセルの前記レーザー照射領域の温度を感知するための温度感知センサーと、
前記レーザー光源に提供される入力電流を感知する電流感知センサーと、
前記漏れ感知センサーと前記温度感知センサーと前記電流感知センサーからの出力信号を入力して前記マーキング部を制御するための制御信号を出力するコントローラーと、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハマーキング装置。
【請求項4】
前記漏れ感知センサーは、前記フローセルの下面に前記配管に対応して配列されることを特徴とする請求項3に記載の半導体ウェーハマーキング装置。
【請求項5】
前記温度感知センサーは、前記フローセルの上面に前記レーザー照射領域に隣接して配列されることを特徴とする請求項3に記載の半導体ウェーハマーキング装置。
【請求項6】
前記電流感知センサーは、前記レーザー光源の入力端に連結されて構成されることを特徴とする請求項3に記載の半導体ウェーハマーキング装置。
【請求項7】
前記配管に設けられ、前記マーキングインターロックシステムに制御されて前記冷却水の流量を調節する節水弁をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェーハマーキング装置。
【請求項8】
前記節水弁は、前記フローセル側に前記冷却水を出力する前記冷却水貯蔵ハウスの出口に隣接して配列されることを特徴とする請求項7に記載の半導体ウェーハマーキング装置。
【請求項9】
レーザー光を発生させるレーザー光源と前記レーザー光源の前記レーザー光を分散させるフローセルと前記フローセルの内部に埋め込まれて冷却水を循環させる配管が連結された冷却水貯蔵ハウスとを備える半導体ウェーハマーキング装置のマーキングインターロックシステムにおいて、
前記冷却水の漏れを感知する漏れ制御部と、
前記レーザー光が照射されるレーザー照射領域の温度を感知する温度制御部と、
前記レーザー光源に提供される入力電流を感知する電流制御部と、
前記漏れ制御部から漏れ感知信号が提供された場合、前記温度制御部から異常な温度感知信号が提供された場合、または/及び前記電流制御部から異常な入力電流が感知された場合、前記漏れ制御部と温度制御部と電流制御部からの出力信号を入力して警報制御信号及びマーキングインターロック信号を発生させるコントローラーと、
前記コントローラーから出力される前記警報制御信号により漏れ制御部を通じて漏れが感知されたこと、前記温度制御部を通じて異常な温度が感知されたこと、または/及び前記電流制御部を通じて異常な入力電流が感知されたことを知らせる警報部と、
前記コントローラーから出力される前記マーキングインターロック信号により制御されて前記レーザー光源をオフさせるマーキングインターロック制御部と、
を備えることを特徴とする半導体ウェーハマーキング装置のマーキングインターロックシステム。
【請求項10】
前記漏れ制御部は、
前記冷却水の漏れを感知するための漏れ感知センサーと、
基準抵抗を発生させる基準抵抗発生部と、
前記漏れ感知センサーの前記出力信号を前記基準抵抗発生部の基準抵抗と比較して漏れ検出信号を出力する漏れ検出部と、
を備えることを特徴とする請求項9に記載の半導体ウェーハマーキング装置のマーキングインターロックシステム。
【請求項11】
前記温度制御部は、
前記フローセルの前記レーザー照射領域の前記温度を感知する温度感知センサーと、
前記温度感知センサーの出力信号をデジタル信号で判読する温度演算部と、
を備えることを特徴とする請求項9に記載の半導体ウェーハマーキング装置のマーキングインターロックシステム。
【請求項12】
前記温度制御部は、前記温度演算部の出力信号を入力する前記コントローラーから出力されるフィードバック制御信号により前記冷却水貯蔵ハウスに保存された前記冷却水の温度を一定に保持させるためのフィードバック部をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の半導体ウェーハマーキング装置のマーキングインターロックシステム。
【請求項13】
前記電流制御部は、
前記レーザー光源に提供される前記入力電流を感知する電流感知センサーと、
前記電流感知センサーで感知された前記入力電流をデジタル信号で判読する電流演算部と、
前記コントローラーを通じて数値化された前記電流演算部の出力信号をログ化するデータログ部と、
を備えることを特徴とする請求項9に記載の半導体ウェーハマーキング装置のマーキングインターロックシステム。
【請求項14】
前記配管に設けられて前記冷却水の流量を調節する節水弁と、
前記コントローラーから出力される節水弁制御信号により前記節水弁を制御する節水弁制御部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の半導体ウェーハマーキング装置のマーキングインターロックシステム。
【請求項15】
前記警報部は、
前記漏れ制御部を通じて漏れが感知された時、前記温度制御部を通じて前記異常な温度が感知された時、または/及び前記電流制御部を通じて前記異常な入力電流が感知された時、警告音を発生させる警告音発生部と、
前記漏れ制御部を通じて漏れが感知されたこと、前記温度制御部を通じて前記異常な温度が感知されたこと、または/及び前記電流制御部を通じて前記異常な入力電流が感知されたことを表示する警告表示部と、
前記コントローラーから出力される前記警報制御信号により前記警告音発生部及び前記警告表示部を制御する警報制御部と、
を備えることを特徴とする請求項8に記載の半導体ウェーハマーキング装置のマーキングインターロックシステム。
【請求項16】
レーザー光を発生させるレーザー光源と前記レーザー光源の前記レーザー光を分散させるフローセルと前記フローセルの内部に埋め込まれて冷却水を循環させる配管が連結された冷却水貯蔵ハウスとを備える半導体ウェーハマーキング装置を用いて半導体ウェーハをマーキングする方法において、
前記半導体ウェーハにマーキングを行うマーキングステップと、
前記フローセルを循環する冷却水の漏れを感知する漏れ感知ステップと、
前記レーザー光が照射される前記フローセルの温度を感知する温度感知ステップと、
前記レーザー光源に提供される入力電流を感知する電流感知ステップと、
漏れ感知時、異常温度感知時及び/または異常入力電流感知時に前記半導体ウェーハのマーキング動作をインターロックするマーキングインターロックステップと、
を含むことを特徴とする半導体ウェーハマーキング方法。
【請求項17】
前記漏れ感知ステップは、
前記フローセルを循環する前記冷却水の漏れを感知するステップと、
前記感知ステップで感知された値と基準値とを比較して前記冷却水の漏れを判断するステップと、
前記冷却水の漏れが検出された場合には、前記マーキングインターロックステップに進んで、前記半導体ウェーハのマーキング動作を中断させるステップと、
前記冷却水の漏れが検出されていない場合には、前記温度感知ステップへ進むステップと、
を含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体ウェーハマーキング方法。
【請求項18】
前記温度感知ステップは、
前記フローセルの温度を感知するステップと、
前記感知ステップで感知された値から前記フローセルの前記感知された温度が設定された温度範囲を外れるか否かを判断するステップと、
前記フローセルの前記感知された温度が前記設定された温度範囲を外れた場合には、前記マーキングインターロックステップへ進んで前記半導体ウェーハのマーキング動作を中断するステップと、
前記フローセルの前記感知された温度が前記設定された温度範囲内にある場合には、前記感知された温度が設定された基準温度と同一であるか否かを判断するステップと、
前記感知された温度が前記設定された基準温度と同じである場合には、前記電流感知ステップへ進むステップと、
前記感知された温度が前記設定された基準温度と同一でない場合には、前記感知された温度が前記設定された基準温度より低いか否かを判断するステップと、
前記感知された温度が前記設定された基準温度より低い場合には、冷却水貯蔵ハウスから前記フローセルへ循環される前記冷却水の流量を減少させるステップと、
前記感知された温度が前記設定された基準温度より低くない場合には、冷却水貯蔵ハウスから前記フローセルへ循環される前記冷却水の流量を増加させるステップと、
を含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体ウェーハのマーキング方法。
【請求項19】
前記電流感知ステップは、
前記レーザー光源に提供される入力電流を感知するステップと、
前記感知された入力電流をログ化して保存するステップと、
前記感知された入力電流が設定された電流範囲内にあるかどうかを判断するステップと、
前記感知された入力電流が前記設定された電流範囲内にあれば、前記マーキングステップへ進むステップと、
前記感知された入力電流が前記設定された電流範囲内になければ、前記マーキングインターロックステップへ進んで前記半導体ウェーハのマーキングを中断するステップと、
を含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体ウェーハマーキング方法。
【請求項20】
前記漏れ感知動作、前記温度感知動作及び前記電流感知動作は、順次に連続して行われるかまたは個別的に同時に行われることを特徴とする請求項16に記載の半導体ウェーハマーキング方法。
【請求項21】
前記マーキングインターロックステップは、前記漏れ感知ステップで漏れが検出される場合、前記温度感知ステップで前記感知された温度が設定された温度範囲を外れる場合、かつ/または前記電流感知ステップで前記感知された入力電流が設定された電流範囲を外れる場合、前記配管を通じて前記フローセルを循環する冷却水を遮断するステップと、
前記半導体ウェーハのマーキング動作を中断するステップと、
前記半導体ウェーハのマーキング動作が中断されたことを知らせるステップと、
を含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体ウェーハマーキング方法。
【請求項22】
前記マーキングステップは、前記レーザー光源から発生した光を用いて前記半導体ウェーハにマーキングをするステップと、
前記感知ステップの動作が完了した後、前記半導体ウェーハにマーキング動作が完了したか否かを判断するステップと、
前記マーキング動作が完了していない場合には、前記半導体ウェーハにマーキングをするステップへ進むステップと、
前記マーキング動作が完了した場合には、マーキング動作を終了するステップと、
を含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体ウェーハマーキング方法。

【図1】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図2B】
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【公開番号】特開2006−344958(P2006−344958A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−156334(P2006−156334)
【出願日】平成18年6月5日(2006.6.5)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】