説明

ウイルス感染症を処置するためのアンドログラフォライド(andrographolide)誘導体

本発明は、アンドログラフォライド誘導体の有効な抗ウイルス量を単独で、またはもう一つの抗ウイルス化合物と併用してもしくは交互に投与する段階を含む、ウイルス感染症、特にC型肝炎感染症を含む、フラビウイルス科のウイルス感染症に苦しめられている宿主を処置するための方法および組成物を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明には、アンドログラフォライド(andrographolide)誘導体およびその薬学的組成物、ならびにフラビウイルス科のウイルス感染症、他のウイルス感染症を処置するために用いられる方法およびウイルスプロテアーゼを阻害するための方法が含まれる。
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2004年11月8日に提出された「フラビウイルスおよびペスチウイルスを処置するためのアンドログラフォライド誘導体」と題する米国特許仮出願第60/626,253号、いずれも「C型肝炎を処置するためのアンドログラフォライド誘導体」と題する2004年11月8日に提出された米国特許仮出願第60/626,172号および2005年10月21日に提出された第60/728,978号、ならびに2004年11月8日に提出された「プロテアーゼ阻害剤としてのアンドログラフォライド誘導体」と題する米国特許仮出願第60/626,329号に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
ヘパシウイルス(HCV)、ペスチウイルス、およびフラビウイルスは、フラビウイルス科のウイルスに属する(Rice, C. M., Flaviviridae : The viruses and their replication. In : Fields Virology, Editors : Fields, B. N., Knipe, D. M., and Howley, P. M., Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA, Chapter 30, 931〜959, 1996)。
【0004】
C型肝炎ウイルス(HCV)は、世界中での慢性肝疾患の主因である。HCVは、輸血後肝炎の少なくとも80%および実質的な割合の散発性急性肝炎を引き起こすことが知られている。予備的な証拠からも同様に、「特発性」慢性肝炎、「原因不明性」肝硬変、およびおそらくB型肝炎ウイルス(HBV)のような他の肝炎ウイルスとは無関係な肝細胞癌の多くの症例にHCVが密接に関係していることが示されている。健康な少数の人が慢性的なHCVキャリアであるように思われるが、これは地理的および他の疫学的要因によって変化する。HCVは、二つのプロテアーゼ、すなわちNS2-NS3領域によってコードされる亜鉛依存的メタロプロテナーゼと、NS3領域においてコードされるセリンプロテアーゼとをコードする。これらのプロテアーゼは、前駆体ポリタンパク質の特異的領域が成熟ペプチドへと切断されるために必要である。
【0005】
HCVの処置に関する現在の治療標準は、インターフェロンによる処置またはインターフェロンとリバビリンとの併用であるが、多数の化合物が、他の抗HCV処置に関して臨床試験中である。
【0006】
いくつかの特許が、HCVの処置に関するプロテアーゼ阻害剤を開示している。Spruceらに対する米国特許第6,004,933号は、HCVを阻害するためのシステインプロテアーゼ阻害剤のクラスを開示している。Zhangらに対する米国特許第5,990,276号は、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼの合成阻害剤を開示している。阻害剤は、NS3プロテアーゼの基質またはNS4A共因子の基質の部分配列である。
【0007】
植物抽出物も同様に、HCV感染症を処置するために用いられている。例えば、米国特許第6,056,961号は、HCV感染症の処置のために植物ハイペリカム・パーフォレータム(Hypericum perforatum)の抽出物およびその薬学的組成物を開示している。HCV感染症の処置に関する植物抽出物を開示している他の米国特許には、Tsaiらに対する米国特許第5,837,257号、Omerらに対する米国特許第5,725,859号が含まれる。
【0008】
ペスチウイルス属には、ウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)、古典的なブタ発熱ウイルス(CSFV、ブタコレラウイルスとも呼ばれる)、およびヒツジボーダー病ウイルス(BDV)が含まれる。Moennig V., et al, Adv. Vir. Res. 41:53〜98 (1992)。家畜(ウシ、ブタ、およびヒツジ)のペスチウイルス感染症は、世界中で有意な経済的損失を引き起こす(Meyers, G. and Thiel, H.-J., Advances in Virus Research, 47, 53〜118, 1996;Moennig V., et al, Adv. Vir. Res. 41:53〜98, 1992)。
【0009】
フラビウイルス属には、血清学的近縁性に基づく群に分けられる、68より多いメンバーが含まれる(Calisher et al., J. Gen. Virol. 70:3743, 1993)。臨床症状は変化して、これには発熱、脳炎、および出血性熱が含まれる(Fields Virology, Editors: Fields, B. N., Knipe, D. M., and Howley, P. M., Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA, Chapter 31, 931〜959, 1996)。ヒト疾患に関連する世界的に懸念されるフラビウイルスには、デング出血熱ウイルス(DHF)、黄熱病ウイルス、ショック症候群、および日本脳炎ウイルスが含まれる(Halstead, S. B., Rev. Infect. Dis. 6:251〜264, 1984;Halstead, S.B., Science. 239:476〜481, 1988;Monath, T.P., New Eng. J. Med., 319:641〜643, 1988)。
【0010】
フラビウイルス科のウイルス感染症の処置に関する現在の治療標準は、インターフェロンによる処置またはインターフェロンとリバビリンとの併用に限定されている。
【0011】
ウイルス感染症を処置するための一つの戦略は、いくつかのウイルスの複製における必須成分であるウイルスプロテアーゼのターゲティングであった。プロテアーゼは、タンパク質の加水分解を触媒するペプシンまたはトリプシンのような酵素である。加水分解によって、活性タンパク質または完全にプロセシングされたタンパク質が生じうる。または、プロテアーゼは、単にタンパク質を完全に分解することができる。プロテアーゼをコードするウイルスの非制限的な例には:レトロウイルス科、ピコルナウイルス科、ヘルペスウイルス科、フラビウイルス科、コロナウイルス科、およびトガウイルス科が含まれる。ウイルスプロテアーゼに重点を置くことによって、ウイルス感染症に関する有意に有効な処置が得られ、おそらく最も顕著にウイルス感染症の処置およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症の処置にそれらを用いて成功が得られた。逆転写酵素阻害剤と併用してプロテアーゼ阻害剤を用いることは今では、HIV感染症の好ましい処置である。
【0012】
プロテアーゼ阻害剤は、特許の文献において記述されている。例えば、米国特許第6,114,312号は、ヒドロキシウレア、ヌクレオシド類似体、およびプロテアーゼ阻害剤の併用使用によって、HIVを阻害する方法を開示および請求する。Medabalimiに対する米国特許第5,872,210号は、ウイルスプロテアーゼのトランスフラーンペプチド阻害剤を請求および開示する。Tungらに対する米国特許第5,945,413号は、アスパルチルプロテアーゼを阻害する化合物を開示および請求する。Tuckerらに対する米国特許第6,100,277号は、プロテアーゼ阻害剤の併用を投与することによって、レトロウイルス感染症を処置する方法を開示および請求する。
【0013】
ピコナウイルスは、医学的に重要なヒト病原体の最大のファミリーの一つであり、ポリオ、急性肝炎、心筋炎、および一般的な風邪のようなヒト疾患の主要な原因である(Wang, Q.M. (1999) Progress In Drug Research 52:199〜219)。ピコルナウイルスは小さいエンベロープを有しないRNAウイルスであり、単一のポリシストロニックmRNAにおいて3Cプロテアーゼをコードする。エンテロウイルスおよびヒトライノウイルスは、さらなるプロテアーゼ、すなわち2Aプロテアーゼをコードするピコルナウイルスである。ウイルス2Aおよび3Cプロテアーゼは、システインプロテアーゼとして分類される。3Cプロテアーゼは、それがピコルナウイルス科の全てのメンバーに存在して、ポリタンパク質前駆体に多数の切断を生じることから、抗ウイルス剤の標的であった。3Cプロテアーゼの触媒部位は、His-Glu-Cysからなる。
【0014】
3Cプロテアーゼの阻害剤はペプチドまたは非ペプチドとなりうる。ペプチド性阻害剤には、ペプチドアルデヒド、およびマイケル受容体(Michael acceptor)誘導体が含まれる。非ペプチド性プロテアーゼ阻害剤には、反応性カルボニル基を含む低分子が含まれる。非ペプチド性プロテアーゼ阻害剤の例には、β-ラクタム、イサチン、ホモフタルイミド、ナフトキノン-ラクトール、キノン様シトリニン水和物、ラジシニン、および硫酸トリテルペン(Wang, Q.M. (1999) Progress In Drug Research 52:199〜219)が含まれる。硫酸トリテルペンを除く全ての物質が、3Cプロテアーゼ活性部位求核試薬を不活化する。プロテアーゼ阻害剤は、ピクロルナ(picrorna)ウイルスの処置に関して記述されている(抗ピルコルナ(pircorna)ウイルス剤としてペプチジルアルデヒドを作製するための化合物および方法を記述する、Hammondらに対する米国特許第5,821,331号を参照されたい)。
【0015】
ヘルペスウイルス科のメンバーのウイルスには、サイトメガロウイルス(CMV)、1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)、および2型単純ヘルペスウイルス(HSV-2)が含まれる。ヘルペスウイルス科のメンバーは、複製にとって必須であるプロテアーゼを作製するウイルスカプシド成熟において必須の役割を果たすセリンプロテアーゼをコードする。CMVカプシドプロテアーゼであるアセンブリン(assemblin)は、その活性部位にSer-His-Hisを含む。ベンゾキサジノン化合物および単環性β-ラクタムは、アセンブリンを阻害することが報告されている(Abood, N.A. et al. (1997) Bioorg Med Chem. Lett. 7:2105〜2108;Collier, A.C. et al. (1996) N. Engl.J. Med 334:1011〜1017)。ペプチド性阻害剤も同様に報告されている(Patick, A.K. and K.E. Potts (1998) Clinical Microbiology Reviews 11:614〜627)。Abdel-MegUidらに対する米国特許第6,008,033号および第6,083,711号は、新規ヘルペスプロテアーゼ結晶構造およびこれらのプロテアーゼの阻害剤を同定する方法を開示している。
【0016】
コロナウイルス科には、ヒト呼吸器コロナウイルスおよび他の大きいエンベロープを有するプラス鎖のRNAウイルスが含まれる。これらのウイルスは、ヒトおよび動物において非常に伝染性の高い疾患を引き起こす。ウイルスおよび宿主プロテアーゼはいずれも、ポリシストロニックmRNAからの一次翻訳産物を処理する。コロナウイルス感染性気管支炎ウイルスは、触媒中心においてHisおよびCys残基を有するトリプシン様プロテアーゼをコードする(Ng, L.F. et al. (2000)Virology 272(l):27〜39)。ヒトコロナウイルス229E(HCoV)のシステインプロテアーゼ、パパイン様プロテアーゼ(PL1pro)は、その自身の触媒残基Cys1054のはるか上流のGly111およびAsn112の間の切断によって、レプリカーゼポリタンパク質pplaおよびppalabの発現を調節する(Herold, J. et al. (1999) J Biol Chem 274(21): 14918〜25)。
【0017】
トガウイルスには、アルファウイルスおよびルビウイルスが含まれる。シンビスウイルスおよびセムリキ森林ウイルスは、アルファウイルスの例であり、風疹ウイルスはルビウイルスの唯一のメンバーである。これらのウイルスは、エンベロープを有するプラス鎖RNAウイルスである。多くは、蚊によって伝搬されうる。アルファウイルスにおいて、ゲノムRNAは、ポリタンパク質に翻訳されるmRNAとして作用して、このポリタンパク質は翻訳と同時および翻訳後に切断されて四つのポリペプチド、すなわちnsP1、nsP2、nsP3、およびnsP4を生成する。nsP2は、この切断に関与するプロテアーゼ活性を含むことが同定されている。シンビスウイルスにおいて、nsPsは、二つのポリタンパク質、すなわちP123およびP1234に翻訳される。P1234は、3/4部位で切断されてP123を生じ、nsP4は、マイナス鎖の合成を開始すると考えられる複合体である。P123は、切断されて、nsP1、nsP2、およびnsP3を生じ、これらは、nsP4と共に複合体を形成してプラス鎖RNA合成を行う(Schlesinger, S. and M.J. Sclesinger, Togaviridae: The viruses and their replication, in: Fields Virology, Editors: Fields, B. N., Knipe, D. M., and Howley, P. M., Lippincott Raven Publishers, Philadelphia, PA, Chapter 27, 825〜842, 1996)。このように、プロテアーゼ活性はトガウイルス科のウイルスの複製にとって肝要である。
【0018】
本発明の目的および方法は、フラビウイルス科のウイルス感染症の処置のための方法および組成物を提供することである。
【0019】
本発明の特異的目的は、HCV感染症の処置のための方法および組成物を提供することである。
【0020】
本発明のもう一つの目的は、フラビウイルス感染症およびペスチウイルス感染症の処置のための方法および組成物を提供することである。
【0021】
本発明のもう一つの目的は、ウイルスプロテアーゼを阻害するための方法および組成物を提供することである。
【発明の開示】
【0022】
発明の概要
本明細書において、以下の構造のアンドログラフォライド誘導体もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置することができることが発見された。

式中、変数は、以下の本発明の詳細な説明において記述される。もう一つの態様において、本明細書に記述の任意の化合物を用いて他のウイルス感染症を処置することができる。さらにもう一つの態様において、化合物はプロテアーゼ阻害剤として有用である。基本的な態様において、化合物は、本明細書において記述されるように、少なくとも二つのアンドログラフォライド誘導体の混合物として提供される。
【0023】
化合物の抗ウイルス活性は、プロテアーゼ活性に基づいても、もしくは由来してもよく、または基づかなくても、もしくは由来しなくてもよいと理解すべきである。抗ウイルス化合物は、他のウイルス酵素または経路を通して、例えばポリメラーゼ活性を通して作用してもよい。
【0024】
アンドログラフォライドの特定のエステルを含む、アンドログラフィス・パニキュラータ(Andrographis paniculata)の注射可能抽出物は、ヒトに対して安全であることが確立され、多様な医学的特性のために用いられている。しかし、本発明の前まで、アンドログラフォライドの誘導体が、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスに対して有効であることはわかっていなかった。一つの態様において、化合物の有効性は、ウイルスに誘導された殺細胞の低減、およびウイルス回収量の低減を測定することによって決定される。好ましい態様において、化合物は25、15、10、5、または1マイクロモル濃度未満のEC50を示す。一つの態様において、ウイルスプロテアーゼは、HIVプロテアーゼではない。
【0025】
もう一つの態様において、活性化合物は、もう一つの抗ウイルス、抗ペスチウイルス、抗フラビウイルス抗HCV剤、または抗プロテアーゼ剤と併用して、または交互に投与することができる。併用療法では、二つまたはそれより多い物質の有効量が共に投与されるが、交互療法では、各物質の有効量が連続投与される。用量は、薬物の吸収、不活化、および排泄速度と共に、当業者に公知の他の要因に依存すると考えられる。用量の値はまた、軽減されるべき病態の重症度によっても変化するであろうことに注目されたい。特定の被験者に関して、個々の必要性および組成物を投与するまたは投与を監督する人の専門的判断に従って、特定の投与レジメおよびスケジュールを経時的に調節しなければならないことをさらに理解されたい。アンドログラフォライド誘導体と併用して用いることができる化合物の非制限的な例は、リポ酸およびn-アセチルシステインである。
【0026】
発明の詳細な説明
本発明は、以下の式のアンドログラフォライド誘導体もしくはそのシス異性体、または以下により詳細に記述されるその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、もしくはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルス、またはもう一つのウイルス感染症に感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物である。

もう一つの態様において、本化合物を用いてウイルスプロテアーゼのようなプロテアーゼを阻害することができる。特定のアンドログラフォライド誘導体は公知であるが、他は新規である。
【0027】
I.アンドログラフィス・パニキュラータの抽出物に関する背景
アンドログラフィス・パニキュラータは、苦味強壮薬、解熱薬として、および腸の不快感のために医学において広く用いられているアカンサス科の1年草である(Glossary of Indian Medicinal Plants., Ed. R. N. Chopra, S. L. Nayar, I. C. Chopra, pl8, 1996. The useful plants of India, Ed. By S. B. Ambasta, p39,1992)。植物はまた、抗血栓剤(Chinese Medical Journal 1991,104 (9), p770〜775)であること、ならびにラットにおける狭窄および血管形成術後の再狭窄を阻害すること(Chinese Medical Journal, 1994,107(6), p464〜470)が示されている。予備試験の結果から、これがウサギにおける脱内皮形成および高コレステロール食の双方によって誘導されるアテローム性腸骨動脈狭窄、ならびに血管形成術後の再狭窄を有意に緩和することができることが示されている(Wang, D.W. et al. Chin. Med. J. (Engl) 107:464〜470, 1994)。
【0028】
近年、A.パニキュラータに関して、その細胞毒性、抗腫瘍形成性、細胞分化誘導活性、および抗HIV活性のために、いくつかの研究グループが有意な関心を示している。国際公開公報第96/17605号は、アンドログラフィス・パニキュラータのメタノール抽出物がp34 cdc2をダウンレギュレートして、キナーゼ阻害剤として作用することを開示している。インビトロでのHIV-1複製は、c-Mosを阻害することによって、メタノール抽出物によって阻害されることが報告された。国際公開公報第96/17605号は、サイクリン、c-Mos、および細胞キナーゼを阻害する方法を開示および主張している。
【0029】
アンドログラフィス・パニキュラータのアルコール抽出物はまた、マウスにおいて免疫刺激作用を有することが報告されている(Pun, A. et al. J. Nat. Prod. 56:995〜999, 1993)。アンドログラフィス・パニキュラータの抽出物はまた、腫瘍の処置に成功したとも報告されている。そのような抽出物は、絨毛上皮腫および絨毛腺腫を処置するために用いられている(Yin, J., and Guo, L. (1993) Contemporary Traditional Chinese Medicine Xie Yuan, Beijing)。A.パニキュラータ・ニース(Nees)の気生部分のメタノール抽出物は、マウス骨髄性白血病(M1)細胞に対して強力な細胞分化誘導活性を示した(Chem. Pharm. Bull. 1994, 42 (6)1216〜1225)。
【0030】
植物はまた、特定の細菌感染症の処置において有用であることが示されている(Int. J. Crude Drug Res. 1990,28 (4), p273〜283;Drugs of the Future. 1990,15(8)p809〜816)。
【0031】
植物抽出物およびその構成成分が有望な肝臓保護活性を示すことも、同様に公知である(Planta Medica, 1987,53 (2), pl35〜140)。アンドログラフィス・パニキュラータのアルコール抽出物は、四塩化炭素誘導性の肝障害を予防することが報告されている(Rana, A.C. et al. Arch. Pharm. Res. 14:93〜95, 1991)。
【0032】
A.パニキュラータの抽出物は、特定のウイルス感染症の処置において有効である。アンドログラフィス・パニキュラータの抽出物は、中国における呼吸器感染症およびウイルス性肺炎を処置するために有効であると報告されており、市販されている(Manufacturers Product Description Guide, Yi-Bin Pharmaceuticals, Wuliangye Co., LTD, Yibin, Sichuan, P. R. China)。アンドログラフィス・パニキュラータの抽出物はまた、一般的な風邪に関連する症状の発生および強度を低減するために有効であると報告されており(Caceres, D.D., et al. Phytomedicine 6:217〜23, 1999)、抗マラリア作用を有すると報告されている(Rahman, N. N. A., et al. J. Ethnopharmacol. 64:249〜54, 1999;Kapil, A. et al. Biochem. Pharmacol. 46:182〜185, 1993, Int. J.Pharmacognosv. 1992,30(4), p263〜274)。
【0033】
国際特許出願国際公開公報第91/01742号において、植物バレアリアナ・オフィシナリス(Valeariana officinalis)および/またはA.パニキュラータから得た一つまたは複数の成分を含む組成物が、抗ウイルス、抗新生物、抗菌、および免疫調節活性を有すると開示されている。
【0034】
植物はまた、おそらくHIVのエンベロープ糖タンパク質gp160のタンパク質分解的切断を抑制することによって、プロタンパク質変換酵素-1、-7およびフリンを阻害すると報告されている(Biochem. J., 1999, 338,107〜113)。しかし、アンドログラフィス・パニキュラータの水性抽出物は、HIV-1活性に対してほとんどまたは全く抗ウイルス効果を有しないと報告された(Yao, X.J., et al. Virology 187:56〜62, 1992)。Yaoらは、ゴボウ(Arctium lappa)、キバナオウギ(Astragalus membraneaceus)、アンドログラフィスパニ・キュラータ(AndrographispaniCulata)、およびウツボグサ(Prunella vulgaris)の粗抽出物を、HIV-1の阻害効果に関して試験した。ウツボグサの抽出物のみが、抗HIV活性を証明し、Yaoらは、阻害はCD4に対するgp120の結合を防止することによって得られると示唆している。
【0035】
さらに、アンドログラフィス・パニキュラータの抽出物は、B型肝炎表面抗原発現に対してほとんどまたは全く効果を有しないことが報告されている(Mehrotra, R. et al. Indian J. Med. Res. 92:133〜138, 1990)。
【0036】
アンドログラフィス・パニキュラータから単離された活性成分であるアンドログラフォライドは、Gorter(Rec.trav. chim.,1911, 30, plSl〜160)によって最初に単離された。アンドログラフォライドは、ジテルペノイドラクトンであり、以下の天然に存在する類似体を有することが知られている:14-エピアンドログラフォライドイソアンドログラフォライド;14-デオキシ-12-メトキシアンドログラフォライド;12-エピ-14-12-メトキシアンドログラフォライド;14-デオキシ-12-ヒドロキシアンドログラフォライドおよび14-デオキシ-11-ヒドロキシアンドログラフォライド。アンドログラフォライドの化学構造を以下に図示する。

【0037】
アンドログラフォライドは、KBおよびP388リンパ球性白血病に対して有意な細胞障害活性を示すことが見出された。しかし、アンドログラフォライド類似体である14-デオキシ-11,12-ジデヒドロアンドログラフォライドおよびネオアンドログラフォライド(式IV & V)は、腫瘍細胞株において細胞障害活性を示さなかった(J.Sci. Soc. Thailand, 1992, 18, 187〜194)。

【0038】
同様に、日本国特許第63-88124号は、式VIa、VIbの少なくとも二つの化合物の混合物を開示し、抗腫瘍形成剤としてのそれらの活性を記述している:

(R1、R2、R3、R4、およびR5はHまたは低級アルカノイルである)。
【0039】
アンドログラフォライドはまた、単離されたラット肝細胞のエクスビボ調製物におけるパラセタモール誘導性の毒性に対して保護活性を有すると報告されている(Visen, P.K., et al. J. Ethnopharmacol. 40:13 1〜136, 1993)。
【0040】
国際公開公報第01/85709号は、癌、HSV、HIV、乾癬、レストノーシス(restonosis)、アテローム性動脈硬化症、および他の心血管障害の処置において有用な、抗ウイルス剤、抗マラリア剤、抗菌剤、肝臓保護剤、免疫調節物質として有用な、ならびに代謝障害の処置において有用な、アンドログラフォライドの誘導体、その立体異性体、その多型、その薬学的に許容される塩、その薬学的に許容される溶媒和化合物を開示する。
【0041】
米国特許第5,833,994号は、ウイルス感染症の処置のためにアンドログラフォライドと併用したアリール炭化水素受容体リガンドを用いることを開示する。
【0042】
式IIのアンドログラフォライドから調製されたDASM(デヒドロアンドログラフォライドコハク酸モノエステル)は、濃度50〜200μg/mlでHIVウイルスを阻害するが、H9細胞に対して非毒性であることが見いだされ、最小濃度1.6〜3.1 pg/mlでHIV-1(IIIB)に対して阻害性であった(Chang, R.S. et al. Proc. Sco. Exp. Biol. Med. 197:59〜66, 1991)。Changらは、DASMが細胞に対するビリオンの結合およびウイルス-細胞結合後のウイルス複製サイクルにおける段階を妨害することによって、HIVの増殖を阻害すると報告している。Changらは、HIVプロテアーゼ阻害に関してDASMをアッセイしなかった。Basak, A. et al. Biochem. J. 338:107〜13, 1999は、アンドログラフォライドのコハク酸エステル誘導体がプロタンパク質変換酵素-1、-7およびフリンを阻害すると報告したが、アンドログラフォライド自身は比較的少ない酵素阻害を示した。
【0043】
II.活性化合物
本発明は、以下の式のアンドログラフォライド、その誘導体、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによる、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物である。

式中、
B1、B2、およびB3は、独立してCR1R2、C(Y1)、O、NR4、PR5、P(=Y2)R6、P(=Y3)2、S(=Y4)k、スペーサー基、または共有結合であり;かつkは0、1、または2となりえて;
W1、W2、およびW3は、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、NR10、PR11、P(=Y6)R12、P(=Y7)2、S(=Y8)f、または共有結合であり;かつfは0、1、または2となりえて;または
B1-W1、B2-W2、および/またはB3-W3は独立してCR3=CR9、またはC≡Cであり;
X1、X2、およびX3は独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23、C≡N、C(=Y9)R24、OR25、NR26N27、N=NR28、P(=Y10)d(R29)V、S(=Y11)d(R30)i、またはNO2であり;かつdは、0、1、または2となりえて;かつvは0、1、または2となりえて;かつiは独立して0または1となりえて;
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、およびY11は、独立してO、S、またはNZであり;かつZは独立して水素、R13、OR14、SR15、またはNR16R17となりえて;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール(alkaryl)、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、アルデヒド、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルホキシ、スルフィニル、スルファモイル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、アミド、ニトロ、シアノ、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、酸ハロゲン化物、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基であり、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;または一方、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、個々に共に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルフィニル、スルファモイル、エステル、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基、を含む架橋化合物を形成することができ、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;
それぞれの炭素原子は、二つより多いヘテロ原子に共有結合することができず;
式中B、W、およびXのそれぞれは、B、W、およびXが全て窒素に基づく場合を除き、またはBおよびXが独立してOまたはNであって、かつWがPR11、POR12、PO2、S(Y4)mであって、かつmが1または2である場合を除き、全てヘテロ原子部分となりえず;ならびに
式中、BおよびWまたはWおよびXのそれぞれは、双方が一般式C(Y)、POR12、PO2、tが1または2であるS(=Y4)tとなりえない。
【0044】
式Iの一つの小態様において、B1、B2、およびB3は、独立してCR1R2、C(Y1)、O、または共有結合であり;W1、W2、およびW3は、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、または共有結合であり;ならびにX1、X2、およびX3は独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23である。
【0045】
式Iの一つの小態様において、B1、B2、およびB3の少なくとも一つ、かつW1、W2、およびW3の少なくとも一つは共有結合であり、ならびに、X1、X2、およびX3の少なくとも一つは水素である。
【0046】
式Iのもう一つの態様において、少なくとも一つのR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、脂肪族、飽和または不飽和のアルキル、アルケニル、またはアルキニルから選択される。一つの小態様において、アルキル、アルケニル、またはアルキニル基は置換され、ハロゲン置換されうる。
【0047】
式Iの一つの態様において、少なくとも一つのR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アミド、エノン、塩化アシル、または無水物が含まれるがそれらに限定されるわけではないカルボニル含有基から選択される。
【0048】
式Iの一つの態様において、少なくとも一つのR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、アルキル、アリール、ヘテロアリール、または芳香族複素環から選択される。
【0049】
式Iの一つの態様において、少なくとも一つのR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立してアルキルまたはニトロから選択される。
【0050】
式Iの一つの態様において、少なくとも一つのR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立してホスフェートから選択される。
【0051】
式Iの一つの態様において、少なくとも一つのR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立してスルフェートおよびチオールから選択される。
【0052】
式Iの一つの態様において、少なくとも一つのR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立してアミンから選択される。
【0053】
アンドログラフォライドは、多くのキラル炭素原子(すなわち、異なる四つの置換基に結合した炭素)を有し、このように異なる多くの立体化学的配置で存在しうる。化合物は、その鏡像に重ね合わせることができなければ「キラル」と呼ばれる。重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は、エナンチオマーまたは光学異性体と呼ばれる。光学異性体は偏光平面を反対方向に回転させる。キラリティの効果は、エナンチオマーが反対側の空間的方向を有する点である。このように、ラセミ体のエナンチオマーは、それらが一組のヒトの手に似ているという点において「左右像」を有すると言われる。ラセミ化合物は鏡像分子(エナンチオマー)の50:50混合物である。互いに鏡像ではない立体異性体はジアステレオマーと呼ばれる。
【0054】
一つの態様において、アンドログラフォライド誘導体は天然において見出される立体化学を示す。他の態様において、アンドログラフォライドは、天然に存在しない立体化学を有する、またはラセミ体として投与される。
【0055】
一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する:

式中、R31およびR32は先に定義したとおりである。
【0056】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する:

式中、置換基は先に定義したとおりである。
【0057】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する:

式中、置換基は先に定義したとおりである。
【0058】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式のアンドログラフォライドまたはその誘導体、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

式中、
B1、B2、およびB3は、独立してCR1R2、C(Y1)、O、NR4、PR5、P(=Y2)R6、P(=Y3)2、S(=Y4)k、スペーサー基、または共有結合であり;かつkは0、1、または2となりえて;
W1、W2、およびW3は、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、NR10、PR11、P(=Y6)R12、P(=Y7)2、S(=Y8)f、または共有結合であり;かつfは0、1、または2となりえて;または
B1-W1、B2-W2、および/またはB3-W3は独立してCR3=CR9、またはC≡Cであり;
X1、X2、およびX3は独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23、C≡N、C(=Y9)R24、OR25、NR26N27、N=NR28、P(=Y10)d(R29)V、S(=Y11)d(R30)i、またはNO2であり;かつdは、0、1、または2となりえて;かつvは0、1、または2となりえて;かつおよびiは独立して0または1となりえて;
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、およびY11は、独立してO、S、またはNZであり;かつZは独立して水素、R13、OR14、SR15、またはNR16R17となりえて;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、アルデヒド、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルホキシ、スルフィニル、スルファモイル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、アミド、ニトロ、シアノ、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、酸ハロゲン化物、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基であり、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;または一方、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、個々に共に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルフィニル、スルファモイル、エステル、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基、を含む架橋化合物を形成することができ、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;
それぞれの炭素原子は、二つより多いヘテロ原子に共有結合することができず;
式中B、W、およびXは、B、W、およびXが全て窒素に基づく場合を除き、またはBおよびXが独立してOまたはNであって、かつWがPR11、POR12、PO2、S(Y4)mであって、かつmが1または2である場合を除き、全てヘテロ原子部分となりえず;ならびに
式中、BおよびWまたはWおよびXは、双方が一般式C(Y)、POR12、PO2、tが1または2であるS(=Y4)tとなりえない。
【0059】
さらなる態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する:

式中、置換基は先に定義したとおりである。
【0060】
さらにもう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する:

式中、置換基は先に定義したとおりである。
【0061】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する:

式中、置換基は先に定義したとおりである。
【0062】
なおもう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する:

式中、置換基は先に定義したとおりである。
【0063】
なおもう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する:

式中、置換基は先に定義したとおりである。
【0064】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0065】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0066】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0067】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0068】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0069】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0070】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与する段階を含む、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0071】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0072】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0073】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0074】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0075】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0076】
もう一つの態様において、本発明は、以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を投与することによって、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはC型肝炎ウイルスのいずれかを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法、化合物、および組成物を提供する。

【0077】
もう一つの態様において、アンドログラフォライドは、飽和および不飽和のジカルボン酸およびその塩、アミノカルボン酸およびその塩、カルボン酸を含むアルデヒドおよびその塩、アミン基、アミン基の塩、アミド基、アルデヒド基およびその塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない、親アンドログラフォライドより化合物の水溶性が増加した官能基を含み、および抗フラビウイルス科ウイルス活性または抗プロテアーゼ活性を示す、少なくとも一つのエステル基を含む。なおもう一つの態様において、エステルは、スルホン酸、スルホン酸エステル、リン酸、リン酸エステル、環状ホスフェート、ポリヒドロキシアルキル基、炭水化物基、スペーサーが-(CH2)n-、-(CH2)n-CO-、-(CH2)n-N-、-(CH2)n-O-、-(CH2)n-S-、-(CH2O)-、-(OCH2)-、-(SCH2)-、-(CH2S-)、-(アリール-O)-、-(O-アリール)-、-(アルキル-O)-、-(O-アルキル)-であって、nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であるC(O)-スペーサー-SO3H、Mが薬学的に許容される塩、例えばナトリウムまたはカリウムを形成するために用いられる金属であるC(O)-スペーサー-SO3M、C(O)-スペーサー-PO3H2、C(O)-スペーサー-PO3M2、C(O)-スペーサー-PO3HM、C(O)-スペーサー-PO4H、C(O)-スペーサー-PO4M、SO3M、-PO3H2、-PO3M2、-PO3HM、環状ホスフェート、ポリヒドロキシアルキル、炭水化物基、nが先に定義したとおりであってかつpが1、2または3であるC(O)-スペーサー[O(C1-3アルキル)p]n、-[O(C1-3アルキル)p]n、カルボキシ低級アルキル、低級アルキルカルボニル低級アルキル、N,N-ジアルキルアミノ低級アルキル、ピリジル低級アルキル、イミダゾリル低級アルキル、モルホリニル低級アルキル、ピロリジニル低級アルキル、チアゾリニル低級アルキル、ピペリジニル低級アルキル、モルホリニル低級ヒドロキシアルキル、N-ピリル、ピペラジニル低級アルキル、N-アルキルピペラジニル低級アルキル、トリアゾリル低級アルキル、テトラゾリル低級アルキル、テトラゾリルアミノ低級アルキル、またはチアゾリル低級アルキルからなる群より選択される官能基を有する。
【0078】
一つの原則的な態様において、方法には、フラビウイルス科のウイルス感染症を含むウイルス感染症を処置または予防するために、本明細書に記述の少なくとも二つのアンドログラフォライド誘導体を併用して宿主に投与することが含まれる。特定の態様において、少なくとも三つ、少なくとも四つ、または少なくとも五つのアンドログラフォライド誘導体の混合物を投与する。特定の態様において、アンドログラフォライド誘導体は塩の形である。これらの態様において、誘導体は、多数の異なる塩の形となりえて、または混合物のいくつかの化合物は特定の塩の形となりうるが、他の化合物は異なる塩の形であるか、または塩の形ではない。特定の態様において、モノエステルおよびジエステルが共に投与される。もう一つの態様において、モノエステル、ジエステル、およびトリエステルが同時投与される。さらにもう一つの態様において、モノ、ジ、またはトリエステルが任意の他のアンドログラフォライド誘導体と併用して投与される。一つの態様において、エステルは、ジカルボン酸エステルである。もう一つの態様において、エステルはコハク酸である。
【0079】
もう一つの態様において、先に記述したアンドログラフォライド誘導体は、ウイルスプロテアーゼの阻害にとって有用である可能性がある。したがって、ウイルスプロテアーゼを阻害するために、本明細書に記述の化合物を投与する段階を含む方法が提供される。ウイルスプロテアーゼの阻害はインビボまたはインビトロとなりうるが、特定の態様において、感染宿主、例えばウイルスプロテアーゼの活性を低減することによって阻害することができるウイルスに感染した宿主へのインビボ投与である。
【0080】
本発明の異なる態様において、先に記述したアンドログラフォライド誘導体は、非フラビウイルス科のウイルスのウイルス感染症の処置にとって有用である。したがって、一つの態様において、本明細書に記述のアンドログラフォライド誘導体を、レトロウイルス科、ピコルナウイルス科、ヘルペスウイルス科、フラビウイルス科、コロナウイルス科、およびトガウイルス科のウイルスから選択されるウイルスに感染した、または感染のリスクを有する宿主に投与する段階を含む方法が提供される。本明細書に記述のアンドログラフォライド誘導体によって処置される可能性がある特異的ウイルスは、ピコナウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)、2型単純ヘルペスウイルス(HSV-2)、ヒト呼吸器コロナウイルス、アルファウイルス、またはルビウイルスである。本発明の背景において記述したように、シンビスウイルスおよびセムリキ森林ウイルスは、アルファウイルスの例であり、風疹ウイルスはルビウイルス属のメンバーである。
【0081】
アンドログラフォライドの特定のエステルを含むアンドログラフィス・パニキュラータの注射可能抽出物は、ヒトに対して安全であることが確立されており、多様な医学的特性のために用いられている;しかし、本発明の前まで、アンドログラフォライド誘導体が、C型肝炎ウイルスを含むフラビウイルス科のウイルスに対して有効であることはわかっていなかった。一つの態様において、化合物の有効性は、ウイルスに誘導された殺細胞の低減およびウイルス回収量の低減を測定することによって決定される。好ましい態様において、化合物は、25、15、10、5、または1マイクロモル濃度未満のEC50を示す。
【0082】
もう一つの態様において、活性化合物は、抗フラビウイルス、抗ペスチウイルス、または抗HCV物質を含む、もう一つの抗フラビウイルス剤と併用して、または交互に投与することができる。併用療法では、二つまたはそれより多い物質の有効量が共に投与されるが、交互療法では各物質の有効量が連続的に投与される。用量は、薬物の吸収、不活化、および排泄速度と共に、当業者に公知の他の要因に依存するであろう。
【0083】
用量の値はまた、軽減される病態の重症度によっても変化するであろうことに注目されたい。任意の特定の被験者に関して、特異的投与レジメおよびスケジュールは、個々の必要性、および組成物を投与するまたは投与を監督する人の専門的判断に従って、経時的に調節されなければならないとさらに理解すべきである。アンドログラフォライド誘導体と併用して用いることができる化合物の非制限的な例は、リポ酸およびn-アセチルシステインである。
【0084】
定義
「独立して」という用語は、本明細書において、独立して適用される変数が適用毎に独立して変化することを示す。このように、R"XYR"のような化合物において、R"が「独立して炭素または窒素」である場合、双方のR"が炭素となり得て、双方のR"が窒素となりえて、または一つのR"が炭素でもう一つのR"が窒素となりうる。
【0085】
C1〜C6アルキルのように、本明細書に範囲が言及されている場合は常に、独立して範囲のそれぞれのメンバーに対する言及であることを意味する。例えば、C1〜C6アルキル(またはC1-6アルキル)は、独立してC1、C2、C3、C4、C5またはC6アルキルを意味する。
【0086】
「アルキル」という用語は、単独または組み合わせて、炭素原子1〜10個、または炭素原子1〜6個を含む炭化水素を含む、非環式、飽和直鎖状、分岐状、または環状、一級、二級、もしくは三級炭化水素を意味する。該アルキルラジカルは任意で以下に定義される基によって置換されてもよい。アルキルという用語には、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、sec-ブチル、ペンチル、シクロペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、3-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、および2,3-ジメチルブチル、ヘプチル、オクチル;ノニル、デシル、トリフルオロメチルおよびジフルオロメチルが含まれるがそれらに限定されるわけではない。この用語には、置換および非置換のアルキル基の双方が含まれる。それによってアルキル基が置換される部分には、例えば、ヒドロキシル、ハロ、ニトロ、シアノ、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、シクロアルキル、テトラゾリル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、炭水化物、アミノ酸、アミノ酸エステル、アミノ酸アミド、アルジトール、ハロアルキルチ(haloalkylthi)、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミノアルキル、アミノアシル、アミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、イミド、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、スルホニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、ハロアルキルスルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、カルボン酸エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、チオエステル、チオエーテル、オキシム、ヒドラジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、スルホンアミド、カルボキサミド、ヒドロキサム酸、スルホニルイミド、または当業者に公知の、例えば参照により本明細書に組み入れられる、Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Third Edition, 1999に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない、他の任意の望ましい官能基が含まれるがそれらに限定されるわけではない。「シクロアルキル」という用語は単独または併用して、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキセニル、およびシクロヘキシルのような、単環または二環系が含まれるがそれらに限定されるわけではない、炭素原子1〜10個を有する飽和または部分的不飽和の環状アルキルを意味する。本明細書において用いられるように、低級アルキルという用語は、特に明記していなければ、C1〜C5の飽和直鎖状、分岐状、または適当であれば、環状(例えば、シクロプロピル)アルキル基を指す。
【0087】
本明細書において用いられるように、炭水化物という用語は、糖、デンプン、およびセルロースを含む、炭素、水素、および酸素で構成される有機化合物の任意の群が含まれる。
【0088】
「アルケニル」という用語は、単独または組み合わせて、置換基が少なくとも一つの炭素-炭素二重結合を含む、炭素原子2〜10個、または炭素原子2〜6個を含む炭化水素を含む、非環式、直鎖状、分岐状、または環状、一級、二級、もしくは三級炭化水素を意味する。該アルケニルラジカルは置換されてもよい。そのようなラジカルの例には、エチレン、エチルメチレン、およびイソプロピリデンが含まれるがそれらに限定されるわけではない。
【0089】
「アルキニル」という用語は、それが炭素原子約2〜10個を含む、または炭素原子2〜6個を有するラジカルを含む、一つまたは複数の三重結合を含む、直鎖または分岐状の不飽和、非環式炭化水素ラジカルを指す。アルキニルラジカルは、本明細書に記載の基によって置換されてもよい。適したアルキニルラジカルの例には、エチニル、プロピニル、ヒドロキシプロピニル、ブチン-1-イル、ブチン-2-イル、ペンチン-1-イル、ペンチン-2-イル、4-メトキシペンチン-2-イル、3-メチルブチン-1-イル、ヘキシン-1-イル、ヘキシン-2-イル、ヘキシン-3-イル、3,3-ジメチルブチン-1-イルラジカル等が含まれるがそれらに限定されるわけではない。
【0090】
「アシル」という用語は、単独または組み合わせて、ラジカルに結合したカルボニルを含む基を意味する。ラジカルには、ヒドリド、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルコキシ、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルキルスルフィニルアルキル、アルキルスルホニルアルキル、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルケニル、アルキルチオ、アリールチオ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アラルコキシ、アリールチオ、およびアルキルチオアルキルから選択されるラジカルが含まれうるが、それらに限定されるわけではない。「アシル」の非制限的な例は、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、トリフルオロアセチル、フタロイル、マロニル、ニコチニル等である。
【0091】
「アルコキシカルボニル」および「カルボアルコキシ」という用語は互換的に用いられる。単独または組み合わせて用いると、用語はラジカル-C(O)ORを指し、Rは本明細書において定義されるように任意で置換されうるアルキルである。
【0092】
「ヒドロキシ」という用語は、単独または組み合わせてラジカル-OHを意味する。
【0093】
「スルホニル」という用語は、単独または組み合わせてラジカル-S(O)2-を意味する。
【0094】
「オキソ」という用語は、二重結合(=O)によって付着した酸素を指す。
【0095】
「炭素環」および「炭素環式」という用語は、単独または組み合わせて、任意の安定な3〜7員環の単環もしくは二環、7〜14員環の二環もしくは三環、または26員環までの多環式炭素環を意味し、その如何なるものも飽和、部分的不飽和、または芳香族であってもよい。そのような炭素環の例には、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、ビフェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、またはテトラヒドロナフチル(テトラリン)が含まれるがそれらに限定されるわけではない。
【0096】
「アリール」という用語は、単独または組み合わせて、そのような環が懸垂するように共に付着してもよい、または縮合してもよい一つ、二つ、または三つの環を含む炭素環式の芳香族系を意味する。アリール基の例には、フェニル、ベンジルおよびビフェニルが含まれる。「アリール」基は、可能であれば、例えばアルキル、ヒドロキシル、ハロ、ニトロ、シアノ、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、複素環、炭素環、アルコキシ、オキソ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、シクロアルキル、テトラゾリル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、炭水化物、アミノ酸、アミノ酸エステル、アミノ酸アミド、アルジトール、ハロアルキルチ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミノアルキル、アミノアシル、アミド、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ニトロ、シアノ、チオール、イミド、スルホン酸、スルフェート、スルホネート、スルホニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、ハロアルキルスルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、カルボン酸エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、チオエステル、チオエーテル、オキシム、ヒドラジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、スルホンアミド、カルボキサミド、ヒドロキサム酸、スルホニルイミド、または当業者に公知であるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない他の任意の所望の官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない、一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。さらに、「アリール」環上の隣接基が組み合わさって、5〜7員環の飽和または部分的不飽和炭素環、アリール、ヘテロアリール、または複素環を形成してもよく、次にこれらは先に記述したように置換されてもよい。具体的には、アリールという用語の範囲に含まれるのは、フェニル;ナフチル;フェニルメチル;フェニルエチル;3,4,5-トリヒドロキシフェニル;3,4,5-トリメトキシフェニル;3,4,5-トリエトキシフェニル;4-クロロフェニル;4-メチルフェニル;3,5-ジ-ターシャリーブチル-4-ヒドロキシフェニル;4-フルオロフェニル;4-クロロ-1-ナフチル;2-メチル-1-ナフチルメチル;2-ナフチルメチル;4-クロロフェニル-メチル;4-ターシャリーブチルフェニル;4-ターシャリーブチルフェニルメチル等である。
【0097】
アラルキルまたはアリールアルキルという用語は、アルキル置換基を有するアリール基を指し、特に明記していなければ、先に定義したアルキル基を通して分子に連結した先に定義されたアリール基を指す。アルカリールまたはアルキルアリールという用語は、アリール置換基を有するアルキル基を指し、特に明記していなければ、先に定義されたアリール基を通して分子に連結された先に定義されたアルキル基を指す。これらの基のそれぞれにおいて、アルキル基は、先に記述したように任意で置換されることができ、アリール基は、当業者に公知の、例えば参照により本明細書に組み入れられる、Greene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、アリールの定義において記述される一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0098】
「スペーサー」は、ポリマー、オリゴマー、アルキル;アルケニル;アルキニル;アルカリール;アラルキル;アリール;ヘテロアリール;もしくは複素環の二価部分、または-(CH2)n-、-(CH2)n-CO;-CO-(CH2)n;-N-(CH2)n-;-CO-(CH2)n-;-S-(CH2)n-;-(O-アルキル)-;-(S-アルキル)-;-(O-アルキル)-;-P(O)2R4;-(O-アルキル)-;-(CHOH)x(CH2)y-x(すなわち、ポリオキサルキレン);-(CH(アルキル))x(CH2)y-xまたは-(CHOH)x(CH2)y-x-z(CH(アルキル))zからなる群より選択される二価部分であって、式中x + y = nであって、およびx, y, および z は0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12からの任意の整数となりえて;x, y および zはその部分において無作為に分散することができ、およびnは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12である、が含まれるがそれらに限定されるわけではない、分子の生物活性を無効にしない任意の二価部分となりうる。スペーサーは、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基、からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0099】
本明細書において用いられるようにおよび特に明記されていなければ、「保護された」という用語は、さらなる反応を防止するために、または他の目的のためにヘテロ原子に付加される基を指す。広範な酸素保護基および窒素保護基が、有機合成の当業者に公知である。
【0100】
ハロまたはハロゲンという用語には、本明細書において用いられるように、クロロ、ブロモ、ヨード、およびフルオロが含まれる。
【0101】
「アルコキシ」および「アルコキシアルキル」という用語は、それぞれが、メトキシラジカルのような炭素原子1個〜約10個のアルキル部分を有する、直鎖状または分岐状のオキシ含有ラジカルを含む。「アルコキシ」という用語は、Rがシクロアルキルを含むアルキルである、-ORである。「アルコキシアルキル」という用語はまた、アルキルラジカルに付着した一つまたは複数のアルコキシラジカルを有するアルキルラジカルを含み、すなわちモノアルコキシアルキルおよびジアルコキシアルキルラジカルを形成する。「アルコキシアルキル」という用語は、水素がアルコキシ基によって置換されているアルキル基であると定義される。「(アルキルチオ)アルキル」という用語は、酸素原子ではなくて硫黄原子が存在することを除き、アルコキシアルキルと同様に定義される。他のアルコキシラジカルは炭素原子1〜6個を有する「低級アルコキシ」ラジカルである。そのようなラジカルの非制限的な例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、およびtert-ブトキシアルキルが含まれる。「アルコキシ」ラジカルはさらに例えば、フルオロ、クロロ、またはブロモのような一つまたは複数のハロ原子によって置換されて、「ハロアルコキシ」ラジカルを提供してもよい。そのようなラジカルの非制限的な例には、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、およびフルオロプロポキシが含まれる。
【0102】
「アルキルアミノ」という用語は、アミノラジカルに付着した一つまたは二つのアルキルラジカルをそれぞれ含む「モノアルキルアミノ」および「ジアルキルアミノ」を指す。アリールアミノという用語は、アミノラジカルに付着した一つまたは二つのアリールラジカルをそれぞれ含む、「モノアリールアミノ」および「ジアリールアミノ」を指す。「アラルキルアミノ」という用語は、アミノラジカルに付着したアラルキルラジカルを含む。アラルキルアミノという用語は、アミノラジカルに付着した一つまたは二つのアラルキルラジカルをそれぞれ含む「モノアラルキルアミノ」および「ジアラルキルアミノ」を指す。アラルキルアミノという用語はさらに、アミノラジカルに付着した一つのアラルキルラジカルおよび一つのアルキルラジカルを含む「モノアラルキルモノアルキルアミノ」を指す。
【0103】
「アルキルチオ」および「アリールチオ」という用語は、Rがそれぞれアルキルまたはアリールである、-SRである。同様に、「アルキルスルフィニル」という用語は、RがアルキルであるR-SO2であり、「アルキルスルホニル」という用語は、RがアルキルであるR-SO3として定義される。
【0104】
ヘテロアリールまたは複素環式芳香族化合物という用語は、本明細書において用いられるように、芳香環において少なくとも一つの硫黄、酸素、窒素、または燐を含む芳香族を指す。複素環式芳香族化合物基は、アリールに関して先に記述したように任意で置換されうる。複素環式芳香族化合物は、望ましければ部分的または完全に水素化されうる。ヘテロアリール基における機能的な酸素基および窒素基は、必要に応じて、または望ましければ保護されうる。適した保護基が当業者に周知であり、これにはトリメチルシリル、ジメチルヘキシルシリル、t-ブチルジメチルシリル、およびt-ブチルジフェニルシリル、トリチル、または置換トリチル、アルキル基、アセチルおよびプロピオニルのようなアシル基、メタンスルホニルおよびp-トルエンスルホニルが含まれるがそれらに限定されるわけではない。
【0105】
「複素環」という用語は、部分的(少なくとも一つの二重結合を含む)または完全に飽和であってもよく、酸素、硫黄、窒素、またはリンのような少なくとも一つのヘテロ原子が環に存在する非芳香族環状基を指す。複素環基は、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons,Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0106】
複素環および複素環式芳香族化合物の非制限的な例は、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロピラニル、イミダゾリル、ピロリニル、ピラゾリニル、インドリニル、ジオキソラニルまたは1,4-ジオキサニル、アジリジニル、フリル、フラニル、ピリジル、ピリミジニル、ベンズオキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,3,4-チアジアゾール、インダゾリル、1,3,5-トリアジニル、チエニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピラジニル、ベンゾフラニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾチエニル、イソベンゾフリル、ピラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、プリニル、カルバゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、キナゾリニル、シノリニル、フタラジニル、キサンチニル、ヒポキサンチニル、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、サイアジン、ピリダジン、またはプテリジニルであり、該ヘテロアリール基または複素環基は、アリール基に関して先に概要した置換基と同じ置換基から選択される一つまたは複数の置換基によって任意で置換されうる。ヘテロアリール基上の機能的な酸素基および窒素基は、必要に応じてまたは望ましければ保護されうる。
【0107】
アミノ酸という用語は、天然に存在する、および合成アミノ酸を指し、これには、アラニル、バニリル、ロイシニル、イソロイシニル、プロリニル、フェニルアラニル、トリプトファニル、メチオニニル、グリシニル、セリニル、トレオニニル、システイニル、チロシニル、アスパラギニル、グルタミニル、アスパルトイル、グルタロイル、リジニル、アルギニニル、およびヒスチジニルが含まれるがそれらに限定されるわけではない。
【0108】
本明細書において用いられるように、「エーテル」という用語は、独立したアルキル基または共に環もしくは架橋を形成する二つのアルキル基によって二置換されている酸素を指す。非制限的な例には、3-(イミダゾル-1-イル)プロポキシ、4-(イミダゾル-1-イル)ブトキシ、5-(イミダゾル-1-イル)ペントキシ、2-(ベンズイミダゾル-1-イル)エトキシ、3-(ベンズイミダゾル-1-イル)-プロポキシ、4-(ベンズイミダゾル-1-イル)ブトキシ、5-(ベンズイミダゾル-1-イル)ペントキシ、2-(テトラヒドロベンズイミダゾル-1-イル)エトキシ、3-(テトラヒドロベンズイミダゾル-1-イル)プロポキシ、4-(テトラヒドロベンズイミダゾル-1-イル)ブトキシ、5-(テトラヒドロベンズイミダゾル-1-イル)ペントキシ、エトキシ、n-プロポキシ、またはイソプロポキシが含まれる。エーテルはまた、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではないない一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0109】
本明細書において用いられるように、「スルホキシ」という用語は、五価の硫黄部分を指す。非制限的な例には、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、n-プロパン-スルホニルオキシ、イソプロパンスルホニルオキシ、n-ブタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシ、4-フルオロベンゼンスルホニルオキシ、4-ブロモベンゼンスルホニルオキシ、4-メチルベンゼン-スルホニルオキシ、4-メトキシベンゼン-スルホニルオキシ、3,4-ジクロロベンゼンスルホニルオキシ、フェニル-メタンスルホニルオキシ、2-フェニルエタンスルホニルオキシ、または3-フェニルプロパン-スルホニルオキシが含まれる。スルホキシ基はまた、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない、一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0110】
本明細書において用いられるように、「アミド」という用語は、非アルキル部分がアミンから形成されるカルボニル部分を指す。アミド基はまた、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない、一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0111】
本明細書において用いられるように「イミド」という用語は、カルボニル炭素が酸素ではなくて窒素に二重結合しているカルボニル誘導体を指す。イミドはまた、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、イアノ(eyano)、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない、一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0112】
「スルファモイル」という用語は、少なくとも二つの酸素および窒素に共有結合した六価の硫黄である。スルファモイル基はまた、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない、一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0113】
「カルバミド」という用語は、両側に窒素が隣接するカルボニルを指す。カルバミド基はまた、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない、一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0114】
「チオ」という用語は、水素または炭素に基づく基に共有結合した硫黄を指す。「チオール」という用語は、単独または組み合わせてラジカル-SHを意味する。非制限的な例には、メチルメルカプト、エチルメルカプト、n-プロピルメルカプト、イソプロピルメルカプト、またはn-ブチルメルカプト、エチルチオ、n-プロピルチオ、またはイソプロピルチオ基が含まれる。チオ基はまた、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない、一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0115】
「ウレタン」または「カルバメート」という用語は、-OC(O)NR4R5を指し、式中R4は直鎖状、分岐状、または環状アルキルまたは低級アルキル、メトキシメチルを含むアルコキシアルキル、ベンジルを含むアラルキル、フェノキシメチルのようなアリールオキシアルキル、ハロゲンによって置換されてもよいフェニルを含むアリール、C1〜C4アルキルまたはC1〜C4アルコキシ、アルキルまたはメタンスルホニルを含むアラルキルスルホニルのようなスルホネートエステル、モノ、ジ、またはトリホスフェートエステル、トリチルまたはモノメトキシトリチル、置換ベンジル、トリアルキルシリル(例えば、ジメチル-t-ブチルシリル)、またはジフェニルメチルシリルから独立して選択される。カルバミドにおけるアリール基は典型的にフェニル基を含む。「低級カルバミド」という用語は、非カルボニル部分が低級アルキルであるカルバミド基を指す。カルバミド基はまた、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシル、カルボキシル、アシル、アシルオキシ、アミノ、アミド、カルボキシル誘導体、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、チオール、イミン、スルホニル、スルファニル、スルフィニル、スルファモイル、エステル、カルボン酸、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、ホスフィン、チオエステル、チオエーテル、酸ハロゲン化物、無水物、オキシム、ヒドロジン、カルバメート、ホスホン酸、ホスホネート、または当業者に公知の、例えばGreene, et al., Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons, Second Edition, 1991に教示されるように、必要に応じて脱保護または保護される、この化合物の薬理活性を阻害しない任意の他の利用可能な官能基からなる群より選択される部分が含まれるがそれらに限定されるわけではない、一つまたは複数の部分によって任意で置換されうる。
【0116】
本明細書において用いられるように、「宿主」という用語は、細胞株および動物を含む、好ましくはヒトである、ウイルスが複製することができる単細胞または多細胞生物を指す。または、宿主は、その複製または機能が本発明の化合物によって変更されうる、HCV、フラビウイルス、またはペスチウイルスゲノムの一部を有しうる。特定の態様において、宿主という用語は、具体的には感染した細胞、フラビウイルス、ペスチウイルス、またはHCVのゲノムのようなウイルスゲノムの全てまたは一部をトランスフェクトした細胞、および動物、特に霊長類(チンパンジーを含む)およびヒトを指す。本発明のほとんどの動物応用において、宿主はヒト患者である。しかし、特定の適応において、獣医学での適応が本発明によって予想される。
【0117】
薬学的に許容される塩、エステルおよびプロドラッグ
化合物が、安定な非毒性の酸性または塩基性塩を形成するために十分に塩基性または酸性である状況において、薬学的に許容される塩としての化合物の投与が適当である可能性がある。薬学的に許容される塩または錯体は、親発明の化合物の望ましい生物活性を保持し、あったとしても最小限の望ましくない毒性効果を示す望ましい化合物の塩または錯体を指す。薬学的に許容される塩には、薬学的に許容される無機塩基または有機塩基および酸に由来する塩、カリウムおよびナトリウムのようなアルカリ金属、ならびにカルシウムおよびマグネシウムのようなアルカリ土類金属に由来する塩が含まれるがそれらに限定されるわけではない。薬学的に許容される塩は、例えば、アミンのような十分に塩基性の化合物を適した酸と反応させて、生理的に許容される陰イオンを与えることによって得てもよい。
【0118】
適した塩の非制限的な例は、(a)無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、リン酸、硝酸、炭酸、重炭酸等)によって形成された酸付加塩、および酢酸、クエン酸、マロン酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモン酸、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、トシル酸、メタンスルホン酸、α-ケトグルタル酸、α-グリセロリン酸、ポリガラクツロン酸等のような有機酸によって形成された塩;(b)ナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、カルシウム、ビスマス、バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウム等のような多価金属陽イオンによって形成された、またはN,N-ジベンジルエチレン-ジアミン、アンモニウム、もしくはエチレンジアミンから形成された有機陽イオンによって形成された塩基付加塩;または(c)(a)と(b)の組み合わせ、例えば亜鉛タンニン酸塩等である。
【0119】
活性化合物は、アンドログラフォライドのジエステルまたはモノエステルとなりうる。「エステル」という用語は、アルコキシ基または炭素に基づく基が隣接するカルボニルを指す。アンドログラフォライドのエステル(複数)は、オレイン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、ピメリン酸、アセチレンジカルボン酸、グルタコン酸、ジヒドロムコン酸、ドデカン二酸、イソシンコメロン酸、シンコメロン酸、グルチジン酸(glutidinic acid)、ジニコチン酸、ジピコリン酸、2,3-ピリジンジカルボン酸、5-エチル-2,3-ピリジンジカルボン酸、ピラジン-2,3-ジカルボン酸、ピラジン-2,5-ジカルボン酸、ピラジン-2,6-ジカルボン酸、フラン-2,5-ジカルボン酸、2-オキソテトラヒドロフラン-4,5-ジカルボン酸、6-オキソ-1,4,5,6-テトラヒドロピリダジン-3-カルボン酸、トランス-シクロヘキサン-1,3-ジカルボン酸、ジメチルエステル、4,4'-スチルベンジカルボン酸、アゾジカルボン酸、ピラゾール-3,4-ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサン-1,1-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、2,4,6-トリメチル-3,5-ピリジンジカルボン酸、クロレンド酸、3-tert-ブチルアジピン酸、2-tert-ブチルアジピン酸、アセチル-ブタン二酸、(ジメトキシホスフィノチオイル)チオ-ブタン二酸、3,4-(ジメトキシフェニル)メチレン-プロパン二酸、(ジメトキシホスフィニル)チオブタン二酸、(2z,4z)-2,5-ジメチル-2,4-ヘキサジエン二酸、トリメチルブタン二酸、トリエチルブタン二酸、フェニルマロン酸、2,2,6,6-テトラメチルピメリン酸、(テトラプロペニル)-ブタン二酸、1,4-ジイソデシルスルホブタン二酸、3-メチルヘキサン二酸、2-メチルヘキサン二酸、(2s,4r)-4-メチルグルタミン酸、ジエチルブタン二酸、ジブチルブタン二酸、ジペンチルブタン二酸、ジヘキシルブタン二酸、ジヘプチルブタン二酸、ジオクチルブタン二酸、3,3-ジメチルグルタル酸、1,3-ジチオラン-2-イリデンプロパン二酸、4-ヒドロキシベンジリデンマロン酸、ジ-1,4-o-ベンゾイル-酒石酸、ジ-1,4-o-トルオイル-酒石酸、ジアセチル-酒石酸、イミノエリアクテイン酸(iminoeliacteic acid)、トレオン酸、4,5-イミダゾールジカルボン酸、ピラゾール-3,4-ジカルボン酸、3,5-ピラゾールジカルボン酸、2-ブロモ-マロン酸、2-ヨード-マロン酸、2-フルオロ-マロン酸、2-クロロ-マロン酸、シクロプロパン-1,1-ジカルボン酸、シクロブタン-1,1-ジカルボン酸、シクロペンタン-1,1-ジカルボン酸、シクロヘキサン-1,1-ジカルボン酸、シクロヘプタン-1,1-ジカルボン酸、シクロオクタン-1,1-ジカルボン酸、シトラマラート、イタコン酸、メサコン酸、シュウ酸、ジブロモマレイン酸、ジクロロマレイン酸、ジヨードマレイン酸、ジフルオロマレイン酸、ジアジドマレイン酸、ジシアノアレイン酸(dicyanoaleic acid)、ジアミノマレイン酸、テトラフルオロコハク酸、テトラヨードコハク酸、テトラクロロコハク酸、テトラブロモコハク酸、ジクロロジブロモコハク酸、ジクロロジヨードコハク酸、ジクロロジフルオロコハク酸、ジブロモジヨードコハク酸、ジクロロジフルオロコハク酸、ジフルオロジヨードコハク酸、ジブロモジフルオロコハク酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ブチルマロン酸、ペンチルマロン酸、ヘキシルマロン酸、ヘプチルマロン酸、オクチルマロン酸、トリアゾールジカルボン酸、チオリンゴ酸、ジチオリンゴ酸、トリリンゴ酸、ジグリコール酸、アセトンジカルボン酸、ケトグルタル酸、ジメチルニトマロン酸(nitomalonic acid)、シトラマロン酸(citramalonic acid)、n-(ホスホノメチル)-イミノ二酢酸、オクタフルオロアジピン酸、オクタヨードアジピン酸、オクタブロモアジピン酸、オクタクロロジピン(octachlorodipic)酸、4,5-イソキサゾールジカルボン酸、ジエチルアゾジカルボン酸、チジアシック(tidiacic)、4,5-イミダゾールジカルボン酸、アゾキシベンゼン-4,4'-ジカルボン酸、ジアゾジカルボン酸、クエン酸、(トリフルオロアセトアミド)コハク酸、3,4-ジメチルチエノ(2,3-b)チオフェン-2,5-ジカルボン酸、アセトキシコハク酸、アセチン酸(acetinic acid)、イソクエン酸、ヒドロムコン酸、オキソアジピン酸、トリカルバリル酸(tricarballylic acid)、ニトリロ三酢酸、n-アセチルアスパラギン酸、またはテレフタル酸エステル、またはナトリウムもしくはカリウム塩を含むその薬学的に許容される塩が含まれるがそれらに限定されるわけではない一つまたは複数のジカルボン酸から形成される。もう一つの態様において、ジカルボン酸エステルの一つは、アンドログラフォライドの二つのヒドロキシル基に連結して内部環構造を形成する。もう一つの態様において、アンドログラフォライドのモノまたはジコハク酸エステル、特にエステルの一つがアンドログラフォライド環に内部で環状化しているジコハク酸エステルが投与される。
【0120】
もう一つの態様において、アンドログラフォライドは、例えば親アンドログラフォライドに対して化合物の水溶性を増加させる、およびHCV活性を示す、薬学的に許容されるエステルの形で存在する。そのような薬学的に許容されるエステルには、飽和および不飽和のジカルボン酸およびその塩、アミノカルボン酸およびその塩、カルボン酸を含むアルデヒドおよびその塩、アミン基、アミン基の塩、アミド基、アルデヒド基およびその塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。さらにもう一つの態様において、エステルは、スルホン酸、スルホン酸エステル、リン酸、リン酸エステル、環状ホスフェート、ポリヒドロキシアルキル基、炭水化物基、スペーサーが-(CH2)n-、-(CH2)n-CO-、-(CH2)n-N-、-(CH2)n-O-、-(CH2)n-S-、-(CH2O)-、-(OCH2)-、-(SCH2)-、-(CH2S-)、-(アリール-O)-、-(O-アリール)-、-(アルキル-O)-、-(O-アルキル)-であって、nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であるC(O)-スペーサー-SO3H、Mが薬学的に許容される塩、例えばナトリウムまたはカリウムを形成するために用いられる金属であるC(O)-スペーサー-SO3M、C(O)-スペーサー-PO3H2、C(O)-スペーサー-PO3M2、C(O)-スペーサー-PO3HM、C(O)-スペーサー-PO4H、C(O)-スペーサー-PO4M、SO3M、-PO3H2、-PO3M2、-PO3HM、環状ホスフェート、ポリヒドロキシアルキル、炭水化物基、nが先に定義したとおりであって、pが1、2または3であるC(O)-スペーサー[O(C1-3アルキル)p]n、-[O(C1-3アルキル)p]n、カルボキシ低級アルキル、低級アルキルカルボニル低級アルキル、N,N-ジアルキルアミノ低級アルキル、ピリジル低級アルキル、イミダゾリル低級アルキル、モルホリニル低級アルキル、ピロリジニル低級アルキル、チアゾリニル低級アルキル、ピペリジニル低級アルキル、モルホリニル低級ヒドロキシアルキル、N-ピリル、ピペラジニル低級アルキル、N-アルキルピペラジニル低級アルキル、トリアゾリル低級アルキル、テトラゾリル低級アルキル、テトラゾリルアミノ低級アルキル、またはチアゾリル低級アルキルからなる群より選択される官能基を有する。
【0121】
薬学的に許容されるプロドラッグは、宿主において代謝されて、例えば加水分解されて(薬学的に許容されるエステルの場合のように)または酸化されて、本発明の化合物を形成する化合物を指す。プロドラッグデザインは、Hardma et al. (Eds.), Goodman and Gilman's The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th ed., pp. 11〜16 (1996)において一般的に考察されている。詳細な考察はまた、Higuchi, et al., in Prodrugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ASCD Symposium Series,およびRoche (ed.), Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press (1987)によって提供される。典型的に、薬物の投与後、体からの消失または何らかの生体変換が起こり、それによって薬物の生物活性が低減または消失する。または、生体変換プロセスによって、当初投与した薬物と比較してより活性なまたは同等に活性である代謝副産物が生成されうる。したがって、プロドラッグは、何らかの手段によって薬理学的に活性な代謝物に変換される化合物を含む。プロドラッグは、内因性の化合物と反応して、化合物の薬理学的特性をさらに増強する、例えば、循環半減期(circulatory half-life)が増加された、水溶性結合物を形成するように設計されうる。または、プロドラッグは、官能基上で例えばグルクロン酸、スルファート、グルタチオン、アミノ酸またはアセタートとの共有結合改変を受けるように設計することができる。得られた共役体は不活化されて尿中に排泄されうる、または親化合物より強力にすることができる。高分子量共役体も同様に胆汁中に排泄されて、酵素的切断を受けて、再度循環中に放出されて、それによって当初投与された化合物の生物学的半減期を有効に増加させることができる。
【0122】
プロドラッグの典型的な例には、活性化合物の官能基部分で生物学的に不安定な保護基を有する化合物が含まれる。プロドラッグには、酸化、還元、アミン化、脱アミン化、ヒドロキシル化、脱ヒドロキシル化、加水分解、脱加水分解、アルキル化、脱アルキル化、アシル化、脱アシル化、リン酸化、脱リン酸化されて活性化合物を生成することができる化合物が含まれる。本発明の化合物は、フラビウイルス、ペスチウイルス、もしくはHCVに対して抗ウイルス活性を保有し、またはそのような活性を示す化合物に代謝される。
【0123】
併用および/または交互療法
抗ウイルス剤による長期間の処置後に、HCVを含むウイルスの薬物耐性変種が出現しうることが認識されている。薬物耐性は、最も典型的に、ウイルス複製において用いられる酵素をコードする遺伝子の変異によって起こる。さらに、いくつかのHCV遺伝子型は、インターフェロン耐性を付与するインターフェロン感受性決定領域を保有する。ウイルスプロテアーゼの阻害を含むウイルス感染に対する薬物の有効性は、化合物を、主薬によって引き起こされる変異とは異なる変異を誘導する第二の、およびおそらく第三の抗ウイルス化合物と併用して、または交互に投与することによって、持続、増強、または回復させることができる。耐性遺伝子は既に存在する可能性があることから、併用療法によって、複製に必要なウイルス遺伝子の異なる組を標的とすることができる可能性がある。または、そのような併用または交互療法によって、薬物の薬物動態、生体分布、または他のパラメータを変更させることができる。一般的に、併用療法は典型的に、それがウイルスに対して同時に多数のストレスを誘導することから、交互療法より好ましい。
【0124】
発明の背景において記述された如何なるウイルス処置も、本明細書において記述される化合物と併用して、または交互に用いることができる。
【0125】
例えば、化合物をインターフェロンに基づく療法と併用して、または交互に投与することができる(例えば、Battaglia, A.M. et al., Ann. Pharmacother. 34:487〜494, 2000);Berenguer, M. et al. Antivir. Ther. 3(Suppl. 3):125〜136, 1998を参照されたい)。さらに、多くの特許が、インターフェロンに基づく療法を用いる処置を開示している。例えば、Blattらに対する米国特許第5,980,884号は、コンセンサスインターフェロンを用いてHCVに罹患した患者を再処置するためための方法を開示している。Bazarらに対する米国特許第5,942,223号は、ヒツジまたはウシのインターフェロン-τを用いる抗HCV療法を開示している。Alberらに対する米国特許第5,928,636号は、HCVを含む感染疾患を処置するためにインターロイキン-12およびインターフェロンαの併用療法を開示している。Glueらに対する米国特許第5,908,621号は、HCVの処置のためのポリエチレングリコール改変インターフェロンを用いることを開示している。Chretienらに対する米国特許第5,849,696号は、HCVを処置するためにサイモシンを単独で、またはインターフェロンと併用して用いることを開示している。Valtuenaらに対する米国特許第5,830,455号は、インターフェロンとフリーラジカルスカベンジャーとを用いるHCV併用療法を開示している。Imakawaに対する米国特許第5,738,845号は、HCVを処置するためにヒトインターフェロンτタンパク質を用いることを開示している。HCVに関する他のインターフェロンに基づく処置は、Testaらに対する米国特許第5,676,942号、Blattらに対する米国特許第5,372,808号、および米国特許第5,849,696号において開示されている。
【0126】
Idenix Pharmaceuticals, Ltdは、米国特許第6,812,219号、第6,914,054号、国際公開番号国際公開公報第01/90121号および国際公開公報第01/92282号に対応する米国特許公開番号第2003/0050229 Al号および米国特許公開番号第2003/0060400 Al号において、分岐状ヌクレオシドならびにHCVおよびフラビウイルスおよびペスチウイルスの処置におけるその使用を開示している。ヒトおよび他の宿主動物におけるC型肝炎(ならびにフラビウイルスおよびペスチウイルス)感染症を処置するための方法は、Idenixの刊行物において開示されており、これには、生物学的に活性な1'、2'、3'、もしくは4'-分岐β-Dまたはβ-Lヌクレオシド、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグの有効量を単独で、または任意で薬学的に許容される担体と併用して投与する段階が含まれる。同様に、米国特許公開番号第2004/0006002号および第2004/0006007号と共に、国際公開公報第03/026589号および国際公開公報第03/026675号を参照されたい。Idenix Pharmaceuticals, Ltd.はまた、米国特許公開番号第2004/0077587号において、薬学的に許容される分岐状ヌクレオシドプロドラッグ、ならびにHCV、フラビウイルス、およびペスチウイルスの処置におけるその使用を開示している。同様に、国際公開公報第04/002422号、国際公開公報第04/002999号、および国際公開公報第04/003000号を参照されたい。
【0127】
Biota Inc.は、国際特許公開国際公開公報03/072757号および米国特許公開番号第2004/0059104号においてC型肝炎感染症の処置のために、1'、2'、3'、もしくは4'-分岐β-Dまたはβ-Lヌクレオシドを含むヌクレオチドの様々なホスフェート誘導体を開示している。
【0128】
Emory Universityおよびthe University of Georgia Research Foundation, Inc.(UGARF)は、米国特許第6,348,587号においてHCVの処置のために2'-フルオロヌクレオシドを用いることを開示している。同様に、米国特許第6,911,424号および国際特許公開国際公開公報第99/43691号を参照されたい。
【0129】
BioChem Pharma Inc.(現在ではShire Biochem, Inc.)は、米国特許第6,566,365号においてフラビウイルス科のウイルス感染症の処置のために様々な1,3-ジオキソランヌクレオシドを用いることを開示している。同様に米国特許第6,340,690号および第6,605,614号;米国特許公開番号第2002/0099072号および第2003/0225037号と共に国際公開番号国際公開公報第01/32153号および国際公開公報第00/50424号を参照されたい。
【0130】
BioChem Pharma Inc.(現在ではShire Biochem, Inc.)はまた、米国特許公開番号第2002/0019363号と共に国際公開番号国際公開公報第01/60315号(PCT/CA01/00197号;2001年2月19日提出)において、フラビウイルス感染症の処置のために様々な他の2'-ハロ、2'-ヒドロキシ、および2'-アルコキシヌクレオシドを開示している。
【0131】
F. Hoffmann-La Roche AGによって提出された米国特許第6,660,721号;米国特許公開番号第2003/083307 Al号、第2003/008841 Al号、および第2004/0110718号;と共に国際特許公開番号国際公開公報第02/18404号;国際公開公報第02/100415号、国際公開公報第02/094289号、および国際公開公報第04/043159号は、HCV RNA複製の処置のために様々なヌクレオシド類似体を開示している。
【0132】
ICN Pharmaceuticals, Inc.は、米国特許第6,495,677号および第6,573,248号において免疫応答を調節するために有用な様々なヌクレオシド類似体を開示している。同様に、国際公開公報第98/16184号、国際公開公報第01/68663号、および国際公開公報第02/03997号、ならびに米国特許公開番号第2002-0095033号を参照されたい。
【0133】
Pharmasset Limitedは、米国特許公開番号第2003/0087873号、第2004/0067877号、第2004/0082574号、第2004/0067877号、第2004/002479号、第2003/0225029号、第2004/0002476号および第2002/00555483号と共に、国際特許公開番号国際公開公報第02/32920号、国際公開公報第01/79246号、国際公開公報第02/48165号、国際公開公報第03/068162号、国際公開公報第03/068164号、国際公開公報第04/009020号および国際公開公報第04/013298号において、フラビウイルス科のウイルスを含む様々なウイルス、特にHCVの処置のための様々なヌクレオシドおよび抗代謝物を開示している。
【0134】
Merck & Co., Inc.およびIsis Pharmaceuticalsは、米国特許第6,777,395号、米国特許公開番号第2002/0147160号、第2004/0072788号、第2004/0067901号、および第2004/0110717号と共に、対応する国際特許公開番号国際公開公報第02/057425号(PCT/US02/01531)および国際公開公報第02/057287号(PCT/US02/03086)において、フラビウイルス科、特にHCVを含む、その複製がRNA依存的RNAポリメラーゼに依存するウイルスの処置のために、様々なヌクレオシド、特にいくつかのピロロピリミジンヌクレオシドを開示している。同様に、国際公開公報第2004/000858号、国際公開公報第2004/003138号、国際公開公報第2004/007512号、および国際公開公報第2004/009020号を参照されたい。
【0135】
Ribapharmによって提出された米国特許公開番号第2003/028013号および第2004/0023921号と共に、国際特許公開番号国際公開公報第03/051899号、国際公開公報第03/061576号、国際公開公報第03/062255号、国際公開公報第03/062256号、国際公開公報第03/062257号、および国際公開公報第03/061385号も同様に、C型肝炎ウイルスを処置するために特定のヌクレオシド類似体を用いることに向けられる。
【0136】
Genelabs Technologiesは、米国特許公開番号第2004/0063658号と共に国際特許公開番号国際公開公報第03/093290号および国際公開公報第04/028481号、ならびに米国特許公開第2004/0147464号および第2005/0119200号において、C型肝炎感染症の処置のために1'、2'、3'、もしくは4'-分岐β-Dまたはβ-Lヌクレオシドを含む様々な塩基改変ヌクレオシド誘導体を開示している。
【0137】
C型肝炎ウイルスの処置のための現在臨床開発中の他の化合物には、例えばSchering-Ploughによるインターロイキン-10、InterneuronによるIP-501、VertexによるMerimebodib VX-497、Endo Labs SolvayによるAMANTADINE(Symmetrel)、RPIによるHEPTAZYME、Idun PharmaによるIDN-6556、XTLによるXTL-002、ChironによるHCV/MF59、NABIによるCIVACIR、ICNによるLEVOVIRIN、ICNによるVIRAMIDINE、Sci CloneによるZADAXIN(サイモシンα-1)、MaximによるCEPLENE (ヒスタミン二塩酸塩)、Vertex/Eli LillyによるVX 950 / LY 570310、Isis Pharmaceutical/ElanによるISIS 14803、Idun Pharmaceuticals, Inc.によるIDN-6556、およびAKROS PharmaによるJTK 003が含まれる。
【0138】
いくつかの特許が、HCVの処置に関するプロテアーゼ阻害剤を開示している。例えば、Spruceらに対する米国特許第6,004,933号は、HCVを阻害するためのシステインプロテアーゼ阻害剤のクラスを開示している。Zhangらに対する米国特許第5,990,276号は、C型肝炎ウイルスNS3プロテアーゼの合成阻害剤を開示している。阻害剤は、NS3プロテアーゼの基質またはNS4A共因子の基質の小配列である。アルファケトアミドおよびヒドラジノウレア、ならびにホウ酸またはホスホネートのような求電子体で終了する阻害剤(例えば、Llinas-Brunet et al, Hepatitis C inhibitor peptide analogues, PCT国際公開公報第99/07734号を参照されたい)を含む、他の基質に基づくNS3プロテアーゼ阻害剤がこれまでに記述されている(例えば、Attwood et al., Antiviral peptide derivatives、PCT国際公開公報第98/22496号、1998;Attwood et al., Antiviral Chemistry and Chemotherapy 1999, 10, 259〜273;Attwood et al., Preparation and use of amino acid derivatives as anti-viral agents、ドイツ国特許公開第19914474号;Tung et al. Inhibitors of serine proteases, particularly hepatitis C virus NS3 protease、PCT国際公開公報第98/17679号を参照されたい)。選択的NS3阻害剤にはまた、例えば、ヒルから単離された高分子エルジンcに基づく阻害剤が含まれる(例えば、Qasim M.A. et al., Biochemistry, 1997, 36, 1598〜1607を参照されたい)。
【0139】
Ederらに対する米国特許第5,972,347号、Bonaらに対する米国特許第5,969,109号は、HCVを処置するためのワクチンを開示している。 Morris-Natschkeらに対する米国特許第6,030,960号は、HCVウイルスによって産生された抗原を含む、肝炎誘発抗原の産生を阻害するために特定のアルキル脂質を用いることを開示している。
【0140】
Elsherbiらに対する米国特許第5,858,389号は、C型肝炎を処置するためにスクアレンを用いることを開示している。
【0141】
Smithらに対する米国特許第5,849,800号は、C型肝炎を処置するためにアマンタジンを用いることを開示している。
【0142】
Bloughらに対する米国特許第5,491,135号は、HCVのようなフラビウイルスを処置するために N-(ホスホノアセチル)-L-アスパラギン酸を用いることを開示している。
【0143】
米国特許第6,027,729号は、HCVゲノムによってコードされるポリペプチドを開示および請求する。Hanらに対する米国特許第5,922,857号は、HCVの翻訳を制御するためにペスチウイルス相同性ボックスIV領域の配列に対応する核酸を開示している。HCVを処置するためにリボザイムを用いることは、 Barberらに対する米国特許第6,043,077号、Draperらに対する米国特許第5,869,253号および第5,610,054号に開示されている。PCT出願国際公開公報第99/29350号は、HCV-RNAと相補的であってハイブリダイズ可能なアンチセンスオリゴヌクレオチドの投与を含む、C型肝炎を処置するための組成物および方法を開示している。同様に、米国特許第6,001,990号は、アンチセンスオリゴヌクレオチドおよびHCV-RNA翻訳を阻害するためにこれらのアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いる方法を開示している。
【0144】
米国特許第5,128,458号は、抗ウイルス剤としてβ-D-2',3'-ジデオキシ-4'-チオリボヌクレオシドを開示している。米国特許第5,446,029号は、2',3'-ジデオキシ-3'-フルオロヌクレオシドが抗肝炎活性を有することを開示している。
【0145】
フラビウイルス科のウイルス感染症を処置するために、さらなる化合物が記述されている。例えば、米国特許第5,891,874号は、一連のベンズイミダゾール化合物およびそのような化合物を用いて、C型肝炎ウイルスを含むフラビウイルス科のウイルスを阻害するための方法を開示している。米国特許第6,001,799号は、少なくとも一つのサイモシンを投与する段階を含む、インターフェロンに対して反応しない人におけるC型肝炎を処置する方法を開示している。
【0146】
他の化合物には、RD3-4082およびRD3-4078を含む、2,4,6-トリヒドロキシ-3-ニトロ-ベンズアミド誘導体(例えば、Sudo K. et al., Biochemical and Biophysical Research Communications, 1997, 238, 643〜647;Sudo K. et al. Antiviral Chemistry and Chemotherapy, 1998, 9, 186を参照されたい)のような基質に基づかない阻害剤が含まれ、前者は炭素14個の鎖によってアミド上で置換され、後者はパラ-フェノキシフェニル基を処理する。
【0147】
例えば、NS3/4A融合タンパク質およびNS5A/5B基質、特に長鎖アルキルによって置換された縮合シナモイル部分を保有する化合物RD-1-6250、RD4 6205、およびRD4 6193による逆相HPLCアッセイにおいて関連する阻害を示すチアゾリジン誘導体が同定されている(例えば、Sudo K. et al., Antiviral Research, 1996, 32, 9〜18を参照されたい)。
【0148】
さらなるチアゾリジンおよびベンズアニリドは、例えば、Kakiuchi N. et al. J. EBS Letters 421, 217〜220;Takeshita N. et al. Analytical Biochemistry, 1997, 247, 242〜246において同定されている。
【0149】
例えばストレプトミセス種(Streptomyces sp.)Sch 68631(例えば、Chu M. et al., Tetrahedron Letters, 1996, 37, 7229〜7232を参照されたい)の発酵培養ブロスから単離された、SDS-PAGEおよびオートラジオグラフィーアッセイにおいてプロテアーゼに対して活性を保有するフェナントレンキノンが記述されており、および真菌ペニシリウム・グリセオフルバム(Penicillium griseofulvum)から単離されたSch 351633は、シンチレーション近位アッセイにおいて活性を示す(例えば、Chu M. et al., Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 9, 1949〜1952を参照されたい)。
【0150】
ヘリカーゼ阻害剤が記述されている(例えば、Diana G.D. et al., Compounds, compositions and methods for treatment of hepatitis C, 米国特許第第5,633,358号;Diana G.D. et al., Piperidine derivatives, pharmaceutical compositions thereof and their use in the treatment of hepatitis C, PCT国際公開公報第97/36554号を参照されたい)。IRES依存的翻訳の阻害剤も同様に記述されている(例えば、Ikeda N et al., Agent for the prevention and treatment of hepatitis C, 日本国特許公開JP-08268890;Kai Y. et al. Prevention and treatment of viral diseases, 日本国特許公開JP-10101591を参照されたい)。
【0151】
ウイルス感染症の処置にとっておそらく有用であると記述されているポリメラーゼ阻害剤には:ヌクレオチド類似体、例えばグリオトキシン(例えば、Ferrari R. et al. Journal of Virology, 1999, 73, 1649〜1654を参照されたい);天然物セルレニン(例えば、Lohmann V. et al., Virology, 1998, 249, 108〜118を参照されたい);および例えば化合物R803を含む非ヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤(例えば、いずれもRigel Pharmaceuticals, Inc.に対する国際公開公報第04/018463 A2号および国際公開公報第03/040112 Al号を参照されたい);置換ジアミンピリミジン(例えば、Rigel Pharmaceuticals,Inc.に対する国際公開公報第03/063794 A2号を参照されたい);ベンズイミダゾール誘導体(例えば、いずれもBoehringer Ingelheim Corporationに対するBioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14:119〜124およびBioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14:967〜971を参照されたい);N,N-二置換フェニルアラニン(例えば、いずれもShire Biochem, Inc.に対するJ. Biol. Chem., 2003, 278:9495〜98 およびJ. Med. Chem., 2003, 13:1283〜85を参照されたい);置換チオフェン-2-カルボン酸(例えば、いずれもShire Biochem, Inc.に対するBioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14:793〜796およびBioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 14:797〜800を参照されたい);α,γ-ジケト酸(例えば、いずれもMerck & Co., Inc.に対するJ. Med. Chem., 2004, 14〜17および国際公開公報第00/006529 Al号を参照されたい);およびメコン酸誘導体(例えば、全てIRBM Merck & Co., Inc.に対するBioorg. Med. Chem. Lett., 2004, 3257〜3261、国際公開公報第02/006246 Al号および国際公開公報第03/062211 Al号を参照されたい)。
【0152】
例えば、ウイルスの5'非コード領域(NCR)における配列の枝に対して相補的な(例えば、Alt M. et al., Hepatology, 1995, 22, 707〜717を参照されたい)、またはNCRの3'末端を含むヌクレオチド326〜348位およびHCV RNAのコアコード領域に存在するヌクレオチド371〜388位に対して相補的な(例えば、Alt M. et al., Archives of Virology, 1997, 142, 589〜599;Galderisi U. et al., Journal of Cellular Physiology, 1999, 181, 251〜257を参照されたい)アンチセンスホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド(S-ODN)が記述されている。
【0153】
さらなる化合物には、ヌクレアーゼ抵抗性のリボザイムが含まれる(例えば、Maccjak, D. J. et al., Hepatology 1999, 30, abstract 995を参照されたい)。
【0154】
フラビウイルス科のウイルス感染症の処置のために開発されているヌクレオシド類似体の他の例には、リポ酸、またはn-アセチルシステインまたはプロドラッグもしくはその薬学的に許容される塩が含まれる。
【0155】
1-アミノ-アルキルシクロヘキサン(例えば、Goldらに対する米国特許第6,034,134号)、アルキル脂質(例えば、Chojkierらに対する米国特許第5,922,757号)、ビタミンEおよび他の抗酸化剤(例えば、Chojkierらに対する米国特許第5,922,757号)、スクアレン、アマンタジン、胆汁酸(例えばOzekiらに対する米国特許第5,846,964号)、N-(ホスホノアセチル)-L-アスパラギン酸(例えば、Dianaらに対する米国特許第5,830,905号)、ベンゼンジアカルボキサミド(例えば、Dianaらに対する米国特許第5,633,388号)、ポリアデニル酸誘導体(例えば、Wangらに対する米国特許第5,496,546号)、2',3'-ジデオキシイノシン(例えば、Yarchoanらに対する米国特許第5,026,687号)、およびベンズイミダゾール(例えば、Colacinoらに対する米国特許第5,891,874号)を含む他の雑多な化合物。
【0156】
薬学的組成物
アンドログラフォライドの記述の誘導体は、薬学的組成物として調製され、ヒトを含む、HCVを含むフラビウイルス科のウイルスに感染した宿主に、経口、または非経口、静脈内、筋肉内、局所、経皮、もしくは皮下経路のような全身を含む選択された投与経路に適合される多様な型で投与される。
【0157】
アンドログラフォライドの誘導体(またはそのプロドラッグ)は、処置される患者において重篤な毒性効果を引き起こすことなく、インビボでフラビウイルス科のウイルス感染症またはその症状を低減するために、化合物の治療的有効量を患者に送達するために十分な量で、薬学的に許容される担体または希釈剤に含まれる。
【0158】
上記の状態の全てに関してアンドログラフォライドの誘導体の好ましい用量は、1日あたりレシピエントの体重あたり約1〜75 mg/kg、好ましくは1〜20 mg/kg、より一般的には0.1〜約100 mg/kgレシピエント体重/日の範囲であろう。プロドラッグの有効量の範囲は、送達される親誘導体の重量に基づいて計算することができる。
【0159】
アンドログラフォライドの誘導体は、7〜3000 mg、好ましくは70〜1400 mg活性成分/単位投与剤形を含む剤形が含まれるがそれらに限定されるわけではない、任意の適した投与剤形の単位で簡便に投与される。経口用量50〜1000 mgが通常簡便であり、より典型的に50〜500 mgである。
【0160】
理想的には、活性化合物の最高血漿濃度を得るために約0.2〜70μM、好ましくは約1.0〜10μMのアンドログラフォライド誘導体が投与されるべきである。これは、例えば任意で生理食塩液において、活性成分の適当な濃度の静脈内注射によって、または活性成分のボーラスとして投与される。
【0161】
薬物組成物におけるアンドログラフォライド誘導体の濃度は、抽出物の吸収、不活化、および排泄速度に依存すると共に、当業者に公知の他の要因に依存する。用量の値はまた、軽減される病態の重症度によって変化するであろうことに注目されたい。任意の特定の被験者に関して、特異的投与レジメは、個体の必要性および組成物の投与を行うまたは監督する人の専門的判断に応じて調節されなければならないこと、ならびに本明細書において記述した濃度範囲は例に過ぎず、請求の組成物の範囲または実践を制限すると意図されないことをさらに理解されたい。アンドログラフォライドの誘導体は、一度に投与してもよく、または多様な時間間隔で投与される多数のより小数の用量に分割してもよい。
【0162】
アンドログラフォライド誘導体の投与の好ましい様式は経口投与である。経口組成物には一般的に、不活性希釈剤、または食用アーナー(earner)が含まれるであろう。それらはゼラチンカプセルに封入してもよく、または錠剤に圧縮してもよい。経口治療的投与の目的のため、活性化合物を賦形剤と共に組み入れて、錠剤、トローチ剤、またはカプセル剤の形で用いることができる。薬学的に適合性の結合剤、および/または補助材料を組成物の一部として含めることができる。
【0163】
錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤等は、以下の任意の成分、または類似の性質の化合物を含みうる:微結晶セルロース、トラガカントガム、またはゼラチンのような結合剤;デンプンまたは乳糖のような賦形剤、アルギン酸、プリモゲル、またはコーンスターチのような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム、またはステロート(Sterotes)のような潤滑剤;コロイド状二酸化ケイ素のようなグライダント;ショ糖またはサッカリンのような甘味料;またはペパーミント、サリチル酸メチル、もしくはオレンジ香料のような香料。単位投与剤形がカプセル剤である場合、これは、上記のタイプの材料の他に、脂肪油のような液体担体を含みうる。さらに、単位投与剤形は、投与単位の物理的形状を改変する様々な他の材料、例えば糖、シェラック、または他の腸溶剤のコーティングを含みうる。
【0164】
アンドログラフォライドの誘導体は、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウェーハ、チューインガム等の成分として投与することができる。シロップ剤は、活性化合物の他に、甘味料としてのショ糖、および特定の保存剤、色素、着色剤、および香料を含んでもよい。アンドログラフォライドの誘導体は、所望の作用を障害しない他の活性材料と、または抗生物質、抗菌剤、抗炎症剤、もしくはヌクレオシド抗HIV化合物を含む他の抗ウイルス剤のような、所望の作用を補助する材料とを混合することができる。非経口、皮内、皮下、または局所適応のために用いられる溶液または懸濁液には、以下の成分が含まれうる:注射用水、生理食塩液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒のような滅菌希釈剤;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンのような抗菌剤;アスコルビン酸または重硫酸ナトリウムのような抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;アセタート、シトラート、またはリン酸塩のような緩衝剤、ならびに塩化ナトリウムまたはデキストロースのような等張性を調節するための物質。非経口調製物はアンプル、使い捨てシリンジ、またはガラスもしくはプラスチック製の多用量バイアルに封入することができる。
【0165】
静脈内投与される場合、好ましい担体は生理食塩液またはリン酸緩衝生理食塩液(PBS)である。
【0166】
もう一つの態様において、アンドログラフォライド誘導体は、インプラントおよびマイクロカプセルに入れられた(microencapsulated)送達系を含む徐放性製剤のような、体内からの急速な排泄に対して誘導体を保護するであろう担体によって調製される。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸のような、生体分解性の生体適合性ポリマーを用いることができる。そのような製剤を調製する方法は当業者に明らかであろう。
【0167】
リポソーム浮遊液(ウイルス抗原に対するモノクローナル抗体によって感染細胞にターゲティングされるリポソームを含む)も同様に薬学的に許容される担体として好ましい。これらは、例えば米国特許第4,522,811号(その全内容物が参照により本明細書に組み入れられる)において記述されるように、当業者に公知の方法に従って調製されてもよい。例えば、リポソーム製剤は、適当な脂質(ステアロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイルホスファチジルコリン、アラカドイルホスファチジルコリン、およびコレステロールのような)を、無機溶媒に溶解した後、蒸発させて、容器の表面に乾燥脂質の薄膜を形成させることによって調製してもよい。次に、活性化合物またはそのモノホスフェート、ジホスフェート、および/またはトリホスフェート誘導体の水溶液を容器に導入する。次に容器を手で回して、容器の側面から脂質材料を遊離させて、脂質凝集物を分散させ、それによってリポソーム浮遊液を形成する。
【0168】
活性化合物の改変は、活性種の生物学的利用率および代謝速度に影響を及ぼし、このように活性種の送達に対する制御を提供しうる。さらに、改変は、化合物の抗ウイルス活性に影響を及ぼし、いくつかの場合において親化合物に対して活性を増加させうる。これは、本明細書に記述の方法に従って、誘導体を調製する段階、およびその抗ウイルス活性を試験する段階によって、容易に評価されうる。
【0169】
実施例
生物活性
化合物を、公表されたスクリーニング法に従ってインビトロで、そのフラビウイルス、ペスチウイルス、もしくはHCV活性の阻害能に関して、またはウイルスプロテアーゼの阻害能に関してスクリーニングすることができる。一つの態様において、抗ウイルス化合物の有効性は、ウイルスに誘導された殺細胞の低減およびウイルス回収量の低減を測定することによって決定される。一つの態様において、有効濃度は約5μM〜105μMである。好ましい態様において、化合物は、15または10マイクロモル濃度未満のEC50を示す。もう一つの態様において、プロテアーゼ阻害剤の有効性は、ウイルスプロテアーゼの阻害およびウイルス回収量の低減を測定することによって決定されうる。または、化合物は公表された動物モデルを用いて試験することができる。
【0170】
本実施例を通して、化合物1、1aまたはMTI-1はインターフェロンであり;化合物2、2b、またはMTI-2はリバビリンであり;化合物3、3c、またはMTI-3は、アンドログラフィス・パニキュラータ抽出物(Chuan-Hu-Ning; Yi-Bin Pharmaceuticals, Wuliangye Co. Ltd., Yibin, Sichaun, PR China)に含まれる注射型アンドログラフォライド誘導体であり、20 mg/ml溶液として供給されるそのカリウム塩を含む、アンドログラフォライドのコハク酸エステルの混合物であり;および化合物4、4d、またはMTI-4は、水性媒体対照である。
【0171】
実施例1:ヒト骨髄細胞毒性アッセイ
骨髄毒性は、多くの抗ウイルス剤に関連した主な用量制限毒性である(Sommadossi JP and Carlisle R Antimicrob Agents Chemother 31:452〜454, 1987;Sommadossi, et al. Biochem. Pharmacol. 44:1921〜1925, 1992)。骨髄前駆細胞のコロニー形成アッセイは、化学療法剤に対する可能性があるインビボ反応を評価するための重要なインビトロモデル系としての役割を有する(Sommadossi JP and Carlisle R Antimicrob Agents Chemother 31:452〜454, 1987;Sommadossi, et al. Biochem. Pharmacol. 44:1921〜1925, 1992)。したがって、候補抗ウイルス化合物は典型的に、インビボでその造血細胞毒性の可能性に関して評価される。
【0172】
初代培養ヒト骨髄単核球を、Cambrex Bioscience(Walkersville, MD)から得た。50単位/mLヒト組換え型顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子の存在下で二層軟寒天を用いて、CFU-GMアッセイを行い、BFU-Eアッセイは1単位/mLエリスロポエチンを含むメチルセルロースマトリクスを用いた(Sommadossi JP and Carlisle R Antimicrob Agents Chemother 31:452〜454, 1987)。細胞を化合物の存在下で、37℃、5%CO2において14〜18日間インキュベートして、倒立顕微鏡を用いて細胞50個より多いコロニーを計数して、IC50値を決定した(Sommadossi, et al. Biochem. Pharmacol. 44:1921〜1925, 1992)。それぞれの実験は、異なる3人のドナーからの細胞において2回ずつ行った。3'-アジド-3'-デオキシチミジン(AZT)を陽性対照として用いた。
【0173】
実施例2:BVDVアッセイ
活性化合物の単離
逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)およびゲル透過HPLCを用いて、アンドログラフォライド誘導体を精製した。誘導体をC18 Sep-Pakカラムによって予め濾過してメタノールで溶出した。この産物を逆相HPLCによってさらに精製した。試料をUV254 nmによってモニターして、いくつかのピーク画分を回収して生物活性に関して分析した。生物活性を示す抽出物のピーク画分を、分子量約532〜570を有するゲル透過HPLCによってさらに精製した。
【0174】
BVDVの細胞変性単離体に対するアンドログラフォライド誘導体の抗ウイルス活性
アンドログラフォライド誘導体を、許容性のウシ子宮細胞株におけるBVDVの細胞変性単離体に対する抗ウイルス能を測定するインビトロアッセイにおいて試験した。
【0175】
細胞変性効果を観察する段階、非構造タンパク質の発現を決定する段階、および接種後のウイルス力価の増加を測定する段階によって証明された、BVDV感染および複製に関して許容性である不死化ウシ子宮細胞株を作製した。抗ウイルス化合物は、ヒトにおける慢性のフラビウイルス感染症またはペスチウイルス感染症の治療的処置のために現在用いられているリバビリンおよびインターフェロン-αを含むBVDV組織培養モデルにおいて評価されている(Houghton, M., Hepatitis viruses, In: Fields Virology, Editors: Fields, B.N., Knipe, D.M., and Howley, P.M., Lippincott-Raven Publishers, Philadelphia, PA, Chapter 32, 1035〜1058, 1996)。インビトロでBVDV複製を低減する化合物の有効性を測定できることは、ウイルス感染の処置に関して可能性がある薬物の前臨床評価のための、および起こりうる作用機序を分析するための系を提供する。
【0176】
細胞株
NCLと呼ばれるウシ子宮細胞株は、既に記述された技法(Jacob, J.R., et al., Experimental Cell Research, 212, 42〜48 (1994);Dobrinski, I., et al., Theriogenology. 52(5), 875〜885 (1999))を用いて、初代培養ウシ子宮細胞をSV40ラージT抗原腫瘍遺伝子(pSV3neo;ATCC cat.#37150)によって不死化することによって作製した。NCL細胞株は、細胞変性効果の観察、非構造タンパク質発現の検出、および接種後のウイルス力価の増加を測定することによって、BVDV感染症および複製に関して許容性であることが示された。γ線照射されBVDV混入に関して陰性であり、BVDVに対する抗体に関して試験陰性である10%ウシ血清(Atlantic Biologies, Norcross, GA)を含み、10 mM HEPES、ゲンチミシン(50μg/ml)、ストレプトマイシン、およびペニシリン(Life Technologies)を添加したMEM-E培地(Life Technologies, Grand Island, NY)において、細胞株を維持した。細胞株を5%CO2の湿潤空気において37℃でインキュベートした。単層をトリプシン-EDTA(Life Technologies)溶液によって解離して、培養培地において希釈し、新しい培養フラスコに1:5に分割することによって、細胞を継代した。
【0177】
BVDVウイルス単離体
BVDVのいくつかの単離体が、Diagnostic Laboratory, College of Veterinary Medicine, Cornell University (Ridpath, J.R., et al., Virology, 205, 66〜74 (1994)によって特徴を調べられている。単離体によって、許容細胞の細胞変性(cp)または非細胞変性(ncp)感染が起こった(Meyers, G. and Thiel, H.- J., Advances in Virus Research, 47, 53〜118 (1996))。NADLと呼ばれるcp BVDV単離体(ATCC #VR-534)をこのアッセイにおいて用いた。ウイルス保存液を、cpBVDVの接種後3日目でのNCL細胞の75 cm2フラスコの凍結融解によって産生した。
【0178】
メチレンブルーアッセイ
生存細胞数を測定する方法は、メチレンブルー(Sigma, St. Louis, MO)による染色、および細胞からの溶出後の溶液における染色の吸光度の読み取りを含む。簡単に説明すると、BVDVによる細胞の感染後3日目に、培養物をリン酸緩衝生理食塩液(PBS;Life Technologies)によってすすいだ後、1.25%グルタルアルデヒド(Fisher Scientific, Fair Lawn, NJ)および0.06%メチレンブルー(Sigma)を含むハンクス平衡塩溶液(HBSS;Life Technologies)において37℃で1時間固定した。メチレンブルー染色液を培養物から除去して、培養プレートを数倍量のH2Oによってすすいだ。培養プレートを風乾させて、この後、制御された室温でPBS/50%エタノールおよび1%酢酸溶液中で攪拌しながら1時間インキュベートすることによって、固定細胞からのメチレンブルー染色の溶出を行った。溶液中のメチレンブルー色素の吸光度を、ELISAプレートリーダー(Model EL311;Bio-Tek Instruments, Inc., Winooski, VT)によって630 nmで測定した。記述した全ての実験において、それぞれの実験データポイントの細胞数の計算は、実験処置(希釈、力価、または抗ウイルス濃度)あたりウェル3個の平均値として表記した。
【0179】
抗ウイルス剤
リバビリンおよびインターフェロンα(IFN-α)を、このアッセイにおいて抗ウイルス能に関するパラメータを確立するためのプロトタイプ化合物として用いた。リバビリン(Virazole(登録商標)、Viratek, Inc., Covina, CA)をH2Oにおいて溶解して、濃度100 mMの保存液を得て、試験前に培養培地において連続希釈して、0.049〜100 μMの範囲にわたって試験して、NCL細胞株において細胞毒性および抗ウイルス効果に関して評価した。これまでの実験において、EC90は5.83μM、CC50は5.13μMおよびSIは0.88であった。
【0180】
MTI-3は、アンドログラフィス・パニキュラータ抽出物(Chuan-Hu-Ning; Yi-Bin Pharmaceuticals, Wuliangye Co. Ltd., Yibin, Sichaun, PR China)に含まれる注射型アンドログラフォライド誘導体であり、そのカリウム塩を含む、アンドログラフォライドのコハク酸エステルの混合物であると考えられ、20 mg/ml溶液として供給され、これを試験前に0.001〜2 mg/mlの範囲にわたって培養培地において連続2倍希釈して、NCL細胞株における細胞毒性および抗ウイルス効果に関して評価した。
【0181】
抗ウイルスアッセイ
NCL細胞株をコンフルエンスまで増殖させて、96ウェルマイクロタイタープレート(Microtest(商標)96;Becton Dickinson Labware, Franklin Lakes, NJ)に密度2×104個/ウェル(0.34 cm2)で継代して、1時間インキュベートして細胞を接着させた。接着後、各マイクロタイタープレートの半数の細胞に、感染多重度(m.o.i.)0.01 TCID50を生じるように希釈したcpBVDV保存液を接種して、3〜6時間インキュベートして、ウイルスを付着および浸透させた。このインキュベーション期間の後、接種物を除去して新鮮な増殖培地と交換した。
【0182】
cpBVDV感染および非感染細胞の3/4を抗ウイルス化合物の存在下で増殖させた。マイクロアッセイプレートの残りの1/4を陽性(cpVDV感染)および陰性(非感染)対照ウェルとした。培地を毎日交換して、BVDVによる感染の3日後に殺細胞をメチレンブルーアッセイによって測定した。
【0183】
培養培地を感染後3日目に回収して、抗ウイルス剤処置後のウイルス回収量の低減を決定した。実験ウェルから回収した上清を連続10倍希釈して、これを用いて新たに調製したNCL細胞を感染させた。エンドポイント力価、すなわち完全な殺細胞が明白である最終希釈は、感染後5日目での殺細胞に関するメチレンブルーアッセイを用いて類似の96ウェルフォーマットにおいて決定した。
【0184】
アッセイによって、1)cpBVDVによって引き起こされた殺細胞を50%阻害する化合物の有効濃度(ckEC50)、2)後代ウイルスの回収量の放出を90%低減させる有効濃度(tEC90)、および3)正常な非感染細胞に対して50%の化合物の細胞毒性濃度(CC50)を決定することができる。
【0185】
統計学
ウイルス感染症または薬物細胞毒性のいずれかによる殺細胞を、各実験データポイントに関して計算してプロットした。SigmaPlot4.0(Jandel Sci, San Rafael, CA)によって、採取したデータに最善に適合する回帰ウィザード等式ライブラリを用いて、回帰分析(曲線の適合)を行った。
【0186】
実施例2A
リバビリン
リバビリンは、この細胞培養アッセイにおいて試験したプロトタイプの化合物であり、これを陽性対照化合物とした。
【0187】
実験データは独立した二つのアッセイから得た。実験間の比較を行うために、殺細胞を対照ウェルの100%に対して標準化した。各アッセイにおけるリバビリンによる抗ウイルス効果、細胞毒性、およびウイルス回収量の低減を、図1にグラフで示す。このアッセイにおいて、リバビリンは、ウイルスに誘導された殺細胞を50%より大きく阻害する有効濃度(EC50)を示さなかった。回帰分析に関して、ピーク、対数正規、4パラメータ等式を用いて殺細胞に対する最大有効抗ウイルス濃度(ECリバビリン)を計算した。シグモイド、ロジスティック、4パラメータ等式を用いて、細胞毒性濃度(CC50;非感染NCL細胞の50%を殺す薬物濃度)およびウイルス回収量を低減させる有効濃度(EC90;ウイルス力価を90%低減させる薬物濃度)を計算した。これらの値を表1に提供する。CC50/EC90比として計算される選択指数(SI)0.69は、リバビリンに関するこれまでの実験と有意差はなかった。
【0188】
(表1)リバビリン

【0189】
アンドログラフォライド誘導体
半精製注射用溶液におけるアンドログラフォライド誘導体は、Chung-Hu-Ningと呼ばれ、Yi-Bin Pharmaceuticals(Yibin, Sichuan, PRC)によって供給される。Chuan-Hu-Ning溶液を、BVDVインビトロアッセイ系において抗ウイルス能に関して試験した。
【0190】
対照として、リバビリンによる二つの独立したアッセイから実験データを得た。アッセイ間の比較を行うために、殺細胞を対照ウェルの100%に対して標準化した。双方のアッセイに関してアンドログラフォライド誘導体による抗ウイルス効果、細胞毒性、およびウイルス回収量の低減を、図2にグラフで示す。アンドログラフォライド誘導体は、ウイルスに誘導された殺細胞を50%阻害する有効濃度(EC50)0.031 mg/mlを示し、3日間の処置期間の終了時に上清において回収されたウイルスを90%低減させる有効濃度(EC90)および細胞の50%を殺す細胞毒性濃度(CC50)は0.27 mg/mlあった。選択指数(SI)4.8は、CC50/EC90の比として計算された(表2)。
【0191】
(表2)アンドログラフォライド誘導体(cmpd 3)

【0192】
このアッセイにおいて、リバビリンは、選択指数(SI)0.69を示した。アンドログラフォライド誘導体は、以下の抗ウイルスプロフィールを示した;CC50 0.27 mg/ml、EC50 0.031 mg/ml、およびEC90 0.056 mg/ml、SIは4.8であった。BVDVを用いる他のインビトロアッセイは、ヌクレオシド類似体、天然または組換え型蛋白質、および合成ポリマーの抗ウイルス作用を調べるために応用可能であることが示されている(Zitzmann, N., et al., Proceedings of the National Academy of Science, 96(12), 11878〜11882, 1999)。一般的なBVDVアッセイの特性によって、個々の化合物が示す抗ウイルス作用の特異的様式を詳しく描写することが可能である。
【0193】
実施例2B
いくつかの生薬製剤および純粋な化学物質を、Schuppan et al. Hepatology 30:1099〜1104, 1999によって記述される多くの純粋な推定の抗ウイルス化合物と共に、ウイルスアッセイを用いて分析した。生薬抽出物を公知の方法に従って記述されるように調製した。いくつかの生薬抽出物と共にアンドログラフォライド誘導体は、抽出物の細胞毒性に関連した後代ウイルス回収量の低減を示し、それによって完全な殺細胞が起こったものの、細胞毒性は用量依存的ではなかった(表3)。
【0194】
(表3)

【0195】
アンドログラフォライド誘導体は、BVDVに対して強力な抗ウイルス活性を示した(図3A)。濃度32〜250 μg/mlの間で、後代ウイルス回収率の明確な用量依存的な低減を認め、計算するとtEC90=59μg/mlであった。さらに、8〜125μg/mlのあいだでウイルスに誘導された殺細胞の低減を認め、計算するとckEC50=33μg/mlであり、125μg/mlでは90%低減に近づいた。アンドログラフォライド誘導体は、明白な細胞毒性なく、ウイルス回収量を7対数低減させた。誘導体に関連した細胞毒性は150μg/mlより高い濃度で観察され、計算するとCC50=226μg/mlであった。
【0196】
比較すると、リバビリンは、ウイルス回収率を0.76〜12μg/mlの範囲で低減させ、計算するとtEC90=0.76μg/mlであった(図3B)。しかし、ウイルスに誘導された殺細胞の最大低減は、40%に過ぎず、外挿するとckEC50=1.3μg/mlであった。この値は、薬物細胞毒性の中間点に近く、CC50=1.1μg/mlと計算された。IFN-αは、ウイルス回収量の低減に対して最小限の有効性を示したに過ぎず、tEC90=0.15μg/mlであると計算された(図3C)。0.1〜1000 ng/mlのあいだでウイルスに誘導された殺細胞の実質的な低減を認め、ckEC50=0.0074 mg/mlであると計算され、調べた範囲では細胞毒性を示さなかった。試験した化合物において、アンドログラフォライド誘導体は、リバビリン(0.85)より高い選択指数(CC50/EC90=3.8)を示したが、これはIFN-α(6667)より低かった(表4)。
【0197】
(表4)

【0198】
アンドログラフォライド誘導体は、ウイルスに誘導された殺細胞に対して90%という最大の低減(ckEC50=33μg/ml)を示したが、これはリバビリンによる40%低減より大きかった(ckEC650=0.76μg/ml)。IFN-αは、より広い範囲でウイルス誘導性殺細胞の80%低減を示した(ckEC50=0.0074 mg/ml)が、これはウイルス回収量の2対数の低減を示したに過ぎなかった。アンドログラフォライド誘導体が後代ウイルス回収量を7対数低減させる有効濃度は、薬物の細胞毒性から除去された(S.I.=3.8)。リバビリンがウイルス回収量を低減させる有効濃度は、薬物の細胞毒性と厳密に重なり合った(S.I.=0.85)。IFN-αは、ウイルス回収量の低減不良を示すが、ウイルスに誘導された殺細胞に対しては広い効果を示す(S.I.=6667)。これらの結果は、アンドログラフォライド誘導体が、持続的なBVDV感染仔ウシにおいて抗ウイルス効果を発揮するであろうことを示唆している。
【0199】
実施例3:ウッドチャック肝細胞モデル
アンドログラフォライド誘導体(コハク酸エステルの混合物を含むと考えられる)がBVDV複製を阻害するメカニズムを、ウッドチャック肝細胞において調べた。ウッドチャック初代培養肝細胞および肝細胞株に、BVDVの細胞変性単離体を接種した。細胞変性効果(CPE)は接種後5日目において、ウッドチャック肝細胞株において明白であった。しかし、ウッドチャック初代培養肝細胞においてはBVDV感染後にCPEは観察されなかった。後代ウイルスは、感染後3日目の上清において検出され、3週間のあいだに、ウッドチャック初代培養肝細胞および肝細胞株の培養物においてそれぞれ、ウイルス力価1.5×105および2×106 TCID/mlが産生された。BVDVの細胞変性株の複製に関連する非構造タンパク質p80(NS3)の発現は、CPEを伴ってまたはCPEを認めずにBVDV感染ウッドチャック細胞培養物のホモジネートにおいて検出されたが、対照培養では検出されなかった。感染したウッドチャック肝細胞から抽出されたRNAにおいて、完全長のウイルスゲノムが検出された。
【0200】
アンドログラフォライド誘導体(cmpd 3)、リバビリン、およびIFN-αを、BVDV感染ウッドチャック初代培養肝細胞および肝細胞株に対して抗ウイルス活性に関して試験した。有効濃度および細胞毒性濃度を実施例1および2において記述される類似の方法によって評価した。
【0201】
アンドログラフォライド誘導体(cmpd 3)は、リバビリンおよびIFN-αと共にウッドチャック肝細胞(WCH-8)および初代培養肝細胞培養の双方においてBVDVに対する抗ウイルス活性を示した。WCH-8細胞において、ウイルス回収量(tEC90=3.8μg/ml)、およびウイルスに誘導された殺細胞(ckEC50=6μg/ml)の低減に向けてのアンドログラフォライド誘導体の有効な抗ウイルス濃度と、細胞毒性(CC50=878μg/ml)とのあいだに大きい分離を認めた(図4A)。WCH-8にリバビリンによって同一の処置を行うと、ウイルス回収量の低減(tEC90=0.38μg/ml)、ウイルスに誘導された殺細胞(ckEC50=0.27μg/ml)およびその細胞毒性(CC50=0.35μg/ml)において重なりを認めた(図4B)。IFN-αを処置したWCH-8細胞において、ウイルス回収量(tEC90=64 ng/ml)およびウイルスに誘導された殺細胞(ckEC50=288 ng/ml)に及ぼす抗ウイルス効果は、調べた薬物濃度の最高濃度で観察された。細胞毒性は1000 ng/mlの用量まで観察されなかった(図4C)。これらの実験の結果を表5に示し、計算された選択指数は、アンドログラフォライド誘導体、リバビリン、およびIFN-αに関してそれぞれ、232、9.2、および15.6と計算された。
【0202】
(表5)

【0203】
アンドログラフォライド誘導体を処置したウッドチャック初代培養肝細胞において、薬物の細胞毒性(CC50=1000)より低い濃度でウイルス回収量の低減(tEC50=35μg/ml)が観察された(図5A)。ウッドチャック初代培養肝細胞において、BVDVに誘導された殺細胞は明白ではない。リバビリンによって処置した同一の初代培養肝細胞培養は、薬物の細胞毒性(CC50=4μg/ml)にほぼ近い濃度でウイルス回収量の低減(tEC90=2.9μg/ml)を示す(図5B)。BVDV感染肝細胞のIFN-α処置は、ウイルス回収量の低減に対して最小の効果を示したが(tEC90=825 ng/ml)、調べた範囲では細胞毒性は観察されなかった(図5C)。これらの実験の結果を表6に示し、このアッセイの選択指数は、アンドログラフォライド誘導体、リバビリン、およびIFN-αに関してそれぞれ、29、1.4、および1.1と計算された。
【0204】
(表6)

* ND−決定していない。BVDVに誘導された殺細胞は初代培養肝細胞では明白ではない。
【0205】
アンドログラフォライド誘導体は、リバビリン(S.I. 1.4)およびIFN-α(S.I. 1.1)の抗ウイルス能と比較して、BVDV感染ウッドチャック初代培養肝細胞および肝細胞株において抗ウイルス能(S.I. 29)を示した。ウイルス複製の低減は、薬物による殺細胞による生存細胞の喪失とほぼ近似する。
【0206】
実施例4:ウシ子宮内膜細胞アッセイ
初代培養ウシ子宮内膜細胞を96ウェルプレートにおいてSV40ラージT抗原によって不死化することにより作製したウシ細胞株を用いるBVDVアッセイにおいて、試験化合物の抗ウイルス活性を評価した。これらの細胞株は、細胞変性BVDV単離体(Singer and NADL)に対して許容性である。感染の3日以内に(moi<1)、BVDVに誘導された殺細胞の>90%が測定されるように、アッセイを最適化した。毎日新しく適用した3日間連続の薬物処置によって、アッセイは、BVDVに誘導された殺細胞を50%阻害する化合物の有効濃度(EC50)、および正常な非感染細胞の50%が薬物の細胞毒性作用により殺される濃度(CC50)を決定した。後代ウイルスの回収量の90%の低減(EC90)を決定するために、薬物処置の3日目に採取した培養培地におけるBVDVを、新鮮な子宮内膜細胞培養において滴定する。直線回帰等式を用いて、有効濃度を決定する(SigmaPlot8.0;SPSS Scientific, Chicago, IL)。リバビリン(Virazole;Viratek, Inc., Covina, CA)およびIFN-α(rHuB/DIFN;Novartis, Basel, Switzerland)を、抗ウイルス薬の陽性対照とする。
【0207】
図6Aおよび6Bはそれぞれ、陽性対照として用いたリバビリンおよびIFN-αによるBVDVアッセイの結果を要約する。図7Aおよび7Bは、MTI-3によるBVDVアッセイの結果を要約する。EC90は約2.5μg/mlであり、毒性は、調べたアンドログラフォライドのコハク酸エステルの混合物の最高濃度である50μg/mLで無視できるほどであった。
【0208】
実施例5:ミトコンドリアDNAレベル
ミトコンドリアDNA対リボソームDNAの相対比を用いてミトコンドリア毒性を測定した。これらは、リアルタイムPCRによって測定したCOXIIリボソームRNAの比を用いて測定した。Hep G2細胞を、10、1、0.1μg/mlの MTI-3または、10もしくは1000μMの対照薬(DDC、3TC、(+)-BCH-189、またはddI)に14日間曝露した。結果を図9Bに示す。乳酸の産生も同様にこれらの細胞において毒性副産物として測定した。結果を図9Aに示す。
【0209】
実施例6:SEAPアッセイ
HCVレプリコン-SEAP(分泌型アルカリホスファターゼ)細胞株は既に記述されている。凍結保存(-160℃)された細胞株の継代回数の少ない細胞保存液をアッセイに用いた。試験化合物の連続希釈液を最初の保存液から作製して、各濃度を96ウェルプレートに播種した。継代回数の少ないHCVレプリコンを有する細胞をトリプシン処理して、計数し、ウェルに播種した。プレートをCO2インキュベータにおいて37℃で4日間インキュベートした。次に、培養上清を各ウェルから除去して、65℃で30分間熱不活化した。SEAP活性を測定して、薬物処置および無処置ウェルに存在するSEAPを比較することによって、EC50値を計算した。スクリーニングの際に化合物によって産生された細胞毒性を、インキュベーション期間の終了時にMTTアッセイによって評価した。
【0210】
総RNAをHCVレプリコン細胞の培養物から単離して、量はRT-PCRにおいて観察されるGAPDHレベルに基づいた。各ウェルからの増殖培地を吸引した後、溶解溶液を加えて激しくピペッティングした。各溶解物をDNアーゼI処置を用いて処理した。総RNAを、無機炭素を含まない水に溶出して、酵素的にcDNAに変換した。全てのHCV遺伝子型に対して共通である5'非翻訳領域の保存領域を認識するように設計されたHCVに関するプライマーを用いて、リアルタイムPCR反応を行った。ヒトGAPDHのプライマーは、二つの標的の同時増幅を多重に行うことができるように設計された(Bourne N, Pyles RB, Yi M, Veselenak RL, Davis MM, Lemon SM Screening for hepatitis C virus antiviral activity with a cell-based secreted alkaline phosphatase reporter replicon system. Antiviral Res. 2005; 67:76〜82)。これらのアッセイの結果を表5に示す。
【0211】
(表5)SEAPレポーター法を用いる化合物の抗HCVアッセイ

【0212】
実施例7:レプリコントランスフェクトHuh-7細胞株における化合物の抗HCV活性
HCV-レプリコンRNAを含むHuh-7細胞(Apath, LLC, St. Louis, Mo.)を指数増殖において維持した。細胞を96ウェルプレートに播種して、播種後に試験化合物を加えた。96時間インキュベートした後、総細胞RNAを単離して、HCVレプリコンRNAおよび内部対照を、一段階多重逆転写酵素-PCRプロトコールを用いて増幅した。Huh-7およびHepG2に対する細胞毒性を、インキュベーション終了時に測定して、細胞増殖の50%低減が得られる濃度(CC50)を決定した。S(Stuyver LJ, McBrayer TR, Whitaker T, Tharnish PM, Ramesh M, Lostia S, Cartee L L, Shi J, Hobbs A, Schinazi RF, Watanabe KA, Otto MJ. Antimicrob Agents Chemother. 2004; 48:651〜4。これらのアッセイの結果を図10に示す。
【0213】
本発明は、その好ましい態様を参照して記述してきた。本発明の変更および改変は、本発明の前述の詳細な説明から当業者に明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0214】
【図1】ウシ細胞の感染後のBVDV殺細胞およびウイルス回収量に及ぼすリバビリンの効果を示す一連の折れ線グラフである。NCL細胞を密度2×104個/ウェル(0.38 cm2)で播種して、培養プレートの半分にcpBVDV(m.o.i.=0.01)を接種した。感染および非感染細胞を100〜0.049μMの範囲のリバビリンによって3日間処置した後、細胞数を測定するためにメチレンブルーアッセイを行った。アッセイの3日目での殺細胞(%)=[(非感染の無処置対照における細胞数)(薬物処置または薬物処置単独によるBVDV感染後の細胞数)]÷(非感染無処置対照における細胞総数)。薬物処置によるBVDV感染細胞からのウイルス回収量は、アッセイの3日目に採取した培地の連続10倍希釈液に新しい培養物を感染させることによって決定した。エンドポイント力価は、感染後5日目にメチレンブルーアッセイによって測定した。2回の独立した実験の結果を示す。ピーク、対数正規、4パラメータ等式を用いて、BVDV感染による殺細胞の低減に対して最大効果を有するリバビリン濃度を計算した。シグモイド、ロジスティック、4パラメータ等式を用いて、非感染細胞の50%が殺されるリバビリン濃度およびウイルス力価を90%低減させる薬物濃度を計算した。これらの値を、明細書において見出される表1に記載する。
【図2】ウシ子宮細胞の感染後のBVDV殺細胞およびウイルス回収量に及ぼすアンドログラフォライド誘導体の効果を示す一連の折れ線グラフである。NCL細胞を密度2×104個/ウェル(0.38 cm2)で播種して、培養プレートの半分にcpBVDV(m.o.i.=0.01)を接種した。感染および非感染細胞を2 mg/ml 0.976μg/mlの範囲のアンドログラフォライド誘導体によって3日間処置した後、メチレンブルーアッセイによって細胞数を測定した。2回の独立した実験の結果を示す。アッセイの3日目での殺細胞(%)=[(非感染の無処置対照における細胞数)(薬物処置または薬物処置単独によるBVDV感染後の細胞数)]÷(非感染無処置対照における細胞総数)。薬物処置によるBVDV感染細胞からのウイルス回収量は、アッセイの3日目に採取した培地の連続10倍希釈液に新しい培養物を感染させることによって決定した。エンドポイント力価は、感染後5日目にメチレンブルーアッセイによって測定した。ピーク、対数正規、4パラメータ等式を用いて、BVDV感染による殺細胞の低減に対して最大効果を有する薬物濃度を計算した。シグモイド、ロジスティック、4パラメータ等式を用いて、非感染細胞の50%が殺される薬物濃度およびウイルス力価を90%低減させる薬物濃度を計算した。
【図3】図3Aは、ウシ子宮細胞の感染後の、BVDV殺細胞、ウイルス回収量、および細胞毒性に及ぼすアンドログラフォライド誘導体の効果を示す折れ線グラフである。BVDVに感染したウシ子宮細胞株を用いて、実施例2において記述されるようにアンドログラフォライド誘導体の抗ウイルス能をアッセイした。図3Bおよび3Cは、同じアッセイを用いてリバビリンおよびインターフェロン-αの殺細胞、ウイルス回収量、および細胞毒性をそれぞれ示す折れ線グラフである。
【図4】図4Aは、WCH-8細胞における殺細胞、ウイルス回収量、および細胞毒性に及ぼすアンドログラフォライド誘導体の効果を示す折れ線グラフである。WCH-8細胞にBVDVの細胞変性単離体を接種した。細胞変性効果(CPE)は、ウッドチャック肝細胞株において感染後5日目で明白であった。感染後3日目の上清に後代ウイルスが検出され、3週間の培養においてウイルス力価1.5×105および2×106 TCID/mlが得られた。図4Bおよび4Cは、同じアッセイを用いてリバビリンおよびインターフェロン-αのそれぞれ類似の効果を示す折れ線グラフである。
【図5】図5Aは、ウッドチャック初代培養肝細胞における細胞毒性およびウイルス回収量に及ぼすアンドログラフォライド誘導体の効果を示す折れ線グラフである。ウッドチャック初代培養肝細胞に、BVDVの細胞変性単離体を接種した。ウッドチャック初代培養肝細胞においてBVDV感染後に明白なCPEは観察されなかった。感染後3日目の上清に後代ウイルスが検出され、3週間の培養においてウイルス力価1.5×105および2×106 TCID/mlが得られた。図5Bおよび5Cは、同じアッセイを用いて細胞毒性およびウイルス回収量に及ぼすリバビリンおよびインターフェロン-αの効果をそれぞれ示す折れ線グラフである。
【図6】図6Aは、BVDVアッセイにおける陽性対照としての累積的リバビリン活性を示す折れ線グラフである。図6Bは、同様にBVDVアッセイにおける陽性対照としての累積的α-インターフェロン活性を示す折れ線グラフである。
【図7】図7Aは、1回のBVDVアッセイにおける本発明のアンドログラフォライド類似体の活性に関する折れ線グラフである。図7Bは、本発明のアンドログラフォライド類似体の累積活性を示す折れ線グラフであり、9回の異なるアッセイ結果の平均である。
【図8】図8Aは、アンドログラフォライドのコハク酸エステルの混合物(MTI-3;Chuan-Hu-Ning;Yi-Bin Pharmaceuticals, Wuliangye Co. Ltd., Yibin, Sichaun, PR Chinaからのアンドログラフィス・パニキュラータに含まれるアンドログラフォライド誘導体の注射剤型)と対照としてのAZTを比較する、ヒト組換え型顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子によって軟寒天において実施したヒト骨髄毒性の折れ線グラフである。図8Bは、MTI-3と対照としてのAZTを比較する、エリスロポエチンによってメチルセルロースマトリクスにおいて実施したヒト骨髄毒性の折れ線グラフである。
【図9】図9Aは、HepG2細胞における乳酸産生およびミトコンドリアDNA産生に及ぼす異なる薬物の効果を示すチャートである。図9Bは、異なる薬物によって処置したHepG2細胞におけるミトコンドリアDNA対リボソームDNAの比に関する棒グラフである。DDC、ザルシタビン;3TC、ラミブジン;(+)-BCH-189、およびDDI、ジダノシンを対照として含めた。△△CtはCOXII Ct−リボソームRNA Ct−薬物なし対照△Ctである。比は、リアルタイムPCRを用いて決定した。
【図10】化合物MTI-3、C-021(DASM(デヒドロアンドログラフォライドコハク酸モノエステル)と呼ばれるアンドログラフォライド誘導体のコハク酸エステル)のEC50、EC90、およびCC50のチャートであり、2'-MeCはB-D-2'-メチル-シチジンである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式のアンドログラフォライド(andrographolide)誘導体、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を、任意で薬学的に許容される担体において宿主に投与する段階を含む、フラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法:

式中、
B1、B2、およびB3は、独立してCR1R2、C(Y1)、O、NR4、PR5、P(=Y2)R6、P(=Y3)2、S(=Y4)k、スペーサー基、または共有結合であり;かつkは0、1、または2となりえて;
W1、W2、およびW3は、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、NR10、PR11、P(=Y6)R12、P(=Y7)2、S(=Y8)f、または共有結合であり;かつfは0、1、または2となりえて;または
B1-W1、B2-W2、および/またはB3-W3は独立してCR3=CR9、またはC≡Cであり;
X1、X2、およびX3は独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23、C≡N、C(=Y9)R24、OR25、NR26N27、N=NR28、P(=Y10)d(R29)V、S(=Y11)d(R30)i、またはNO2であり;かつdは、0、1、または2となりえて;かつvは0、1、または2となりえて;かつiは独立して0または1となりえて;
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、およびY11は、独立してO、S、またはNZであり;かつZは独立して水素、R13、OR14、SR15、またはNR16R17となりえて;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール(alkaryl)、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、アルデヒド、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルホキシ、スルフィニル、スルファモイル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、アミド、ニトロ、シアノ、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、酸ハロゲン化物、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基であり、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;または一方、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、個々に共に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルフィニル、スルファモイル、エステル、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基、を含む架橋化合物を形成することができ、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;
それぞれの炭素原子は、二つより多いヘテロ原子に共有結合することができず;
式中B、W、およびXは、B、W、およびXが全て窒素に基づく場合を除き、またはBおよびXが独立してOまたはNであって、かつWがPR11、POR12、PO2、S(Y4)mであって、かつmが1または2である場合を除き、全てヘテロ原子部分となりえず;ならびに
式中、BおよびWまたはWおよびXは、双方が一般式C(Y)、POR12、PO2、tが1または2であるS(=Y4)tとなりえない。
【請求項2】
B1、B2、およびB3が、独立してCR1R2、C(Y1)、O、または共有結合であり;W1、W2、およびW3が、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、または共有結合であり;ならびにX1、X2、およびX3が独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
B1、B2、およびB3の少なくとも一つ、かつW1、W2、およびW3の少なくとも一つが共有結合であり、ならびにX1、X2、およびX3の少なくとも一つが水素である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
化合物が以下の式:

もしくはその異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグを有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
化合物が以下の式の化合物:

またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグから選択される、請求項1記載の方法。
【請求項6】
以下の式のアンドログラフォライドまたはその誘導体、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を、任意で薬学的に許容される担体において投与する段階を含む、フラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法:

式中、
B1、B2、およびB3は、独立してCR1R2、C(Y1)、O、NR4、PR5、P(=Y2)R6、P(=Y3)2、S(=Y4)k、スペーサー基、または共有結合であり;かつkは0、1、または2となりえて;
W1、W2、およびW3は、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、NR10、PR11、P(=Y6)R12、P(=Y7)2、S(=Y8)f、または共有結合であり;かつfは0、1、または2となりえて;または
B1-W1、B2-W2、および/またはB3-W3は独立してCR3=CR9、またはC≡Cであり;
X1、X2、およびX3は独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23、C≡N、C(=Y9)R24、OR25、NR26N27、N=NR28、P(=Y10)d(R29)V、S(=Y11)d(R30)i、またはNO2であり;かつdは、0、1、または2となりえて;かつvは0、1、または2となりえて;かつiは独立して0または1となりえて;
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、およびY11は、独立してO、S、またはNZであり;かつZは独立して水素、R13、OR14、SR15、またはNR16R17となりえて;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、アルデヒド、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルホキシ、スルフィニル、スルファモイル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、アミド、ニトロ、シアノ、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、酸ハロゲン化物、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基であり、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;または一方、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、個々に共に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルフィニル、スルファモイル、エステル、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基、を含む架橋化合物を形成することができ、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;
それぞれの炭素原子は、二つより多いヘテロ原子に共有結合することができず;
式中B、W、およびXは、B、W、およびXが全て窒素に基づく場合を除き、またはBおよびXが独立してOまたはNであって、かつWがPR11、POR12、PO2、S(Y4)mであって、かつmが1または2である場合を除き、全てヘテロ原子部分となりえず;ならびに
式中、BおよびWまたはWおよびXは、双方が一般式C(Y)、POR12、PO2、tが1または2であるS(=Y4)tとなりえない。
【請求項7】
化合物が以下の式:

またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグからなる群より選択される、請求項6記載の方法。
【請求項8】
以下の式の誘導体またはアンドログラフォライド、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグの有効量を、任意で薬学的に許容される担体において投与する段階を含む、フラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための方法:

式中、
B1、B2、およびB3は、独立してCR1R2、C(Y1)、O、NR4、PR5、P(=Y2)R6、P(=Y3)2、S(=Y4)k、スペーサー基、または共有結合であり;かつkは0、1、または2となりえて;
W1、W2、およびW3は、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、NR10、PR11、P(=Y6)R12、P(=Y7)2、S(=Y8)f、または共有結合であり;かつfは0、1、または2となりえて;または
B1-W1、B2-W2、および/またはB3-W3は独立してCR3=CR9、またはC≡Cであり;
X1、X2、およびX3は独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23、C≡N、C(=Y9)R24、OR25、NR26N27、N=NR28、P(=Y10)d(R29)V、S(=Y11)d(R30)i、またはNO2であり;かつdは、0、1、または2となりえて;かつvは0、1、または2となりえて;かつiは独立して0または1となりえて;
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、およびY11は、独立してO、S、またはNZであり;かつZは独立して水素、R13、OR14、SR15、またはNR16R17となりえて;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、アルデヒド、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルホキシ、スルフィニル、スルファモイル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、アミド、ニトロ、シアノ、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、酸ハロゲン化物、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基であり、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;または一方、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、個々に共に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルフィニル、スルファモイル、エステル、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基、を含む架橋化合物を形成することができ、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;
それぞれの炭素原子は、二つより多いヘテロ原子に共有結合することができず;
式中B、W、およびXは、B、W、およびXが全て窒素に基づく場合を除き、またはBおよびXが独立してOまたはNであって、かつWがPR11、POR12、PO2、S(Y4)mであって、かつmが1または2である場合を除き、全てヘテロ原子部分となりえず;ならびに
式中、BおよびWまたはWおよびXは、双方が一般式C(Y)、POR12、PO2、tが1または2であるS(=Y4)tとなりえない。
【請求項9】
化合物が以下の式の化合物:

またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグである、請求項8記載の方法。
【請求項10】
化合物が以下の化合物:



もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
化合物が以下の式:

またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグである、請求項6記載の方法。
【請求項12】
化合物が以下の化合物:



またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグからなる群より選択される、請求項8記載の方法。
【請求項13】
以下の式のアンドログラフォライド誘導体、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグを、任意で薬学的に許容される担体において、少なくとも第二の抗ウイルス剤と共に含む、薬学的組成物:

式中、
B1、B2、およびB3は、独立してCR1R2、C(Y1)、O、NR4、PR5、P(=Y2)R6、P(=Y3)2、S(=Y4)k、スペーサー基、または共有結合であり;かつkは0、1、または2となりえて;
W1、W2、およびW3は、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、NR10、PR11、P(=Y6)R12、P(=Y7)2、S(=Y8)f、または共有結合であり;かつfは0、1、または2となりえて;または
B1-W1、B2-W2、および/またはB3-W3は独立してCR3=CR9、またはC≡Cであり;
X1、X2、およびX3は独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23、C≡N、C(=Y9)R24、OR25、NR26N27、N=NR28、P(=Y10)d(R29)V、S(=Y11)d(R30)i、またはNO2であり;かつdは、0、1、または2となりえて;かつvは0、1、または2となりえて;かつiは独立して0または1となりえて;
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、およびY11は、独立してO、S、またはNZであり;かつZは独立して水素、R13、OR14、SR15、またはNR16R17となりえて;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、アルデヒド、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルホキシ、スルフィニル、スルファモイル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、アミド、ニトロ、シアノ、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、酸ハロゲン化物、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基であり、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;または一方、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、個々に共に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルフィニル、スルファモイル、エステル、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基、を含む架橋化合物を形成することができ、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;
それぞれの炭素原子は、二つより多いヘテロ原子に共有結合することができず;
式中B、W、およびXは、B、W、およびXが全て窒素に基づく場合を除き、またはBおよびXが独立してOまたはNであって、かつWがPR11、POR12、PO2、S(Y4)mであって、かつmが1または2である場合を除き、全てヘテロ原子部分となりえず;ならびに
式中、BおよびWまたはWおよびXは、双方が一般式C(Y)、POR12、PO2、tが1または2であるS(=Y4)tとなりえない。
【請求項14】
B1、B2、およびB3が、独立してCR1R2、C(Y1)、O、または共有結合であり;W1、W2、およびW3が、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、または共有結合であり;ならびにX1、X2、およびX3が独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23である、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
B1、B2、およびB3の少なくとも一つ、かつW1、W2、およびW3の少なくとも一つが共有結合であり、ならびに、X1、X2、およびX3の少なくとも一つが水素である、請求項13記載の組成物。
【請求項16】
化合物が以下の式:

もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグを有する、請求項13記載の組成物。
【請求項17】
化合物が以下の式の化合物:

またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグから選択される、請求項13記載の組成物。
【請求項18】
以下の式のアンドログラフォライド誘導体、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグを、任意で薬学的に許容される担体において、少なくとも第二の抗ウイルス剤と共に含む、薬学的組成物:

式中、
B1、B2、およびB3は、独立してCR1R2、C(Y1)、O、NR4、PR5、P(=Y2)R6、P(=Y3)2、S(=Y4)k、スペーサー基、または共有結合であり;かつkは0、1、または2となりえて;
W1、W2、およびW3は、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、NR10、PR11、P(=Y6)R12、P(=Y7)2、S(=Y8)f、または共有結合であり;かつfは0、1、または2となりえて;または
B1-W1、B2-W2、および/またはB3-W3は独立してCR3=CR9、またはC≡Cであり;
X1、X2、およびX3は独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23、C≡N、C(=Y9)R24、OR25、NR26N27、N=NR28、P(=Y10)d(R29)V、S(=Y11)d(R30)i、またはNO2であり;かつdは、0、1、または2となりえて;かつvは0、1、または2となりえて;かつiは独立して0または1となりえて;
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、およびY11は、独立してO、S、またはNZであり;かつZは独立して水素、R13、OR14、SR15、またはNR16R17となりえて;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、アルデヒド、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルホキシ、スルフィニル、スルファモイル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、アミド、ニトロ、シアノ、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、酸ハロゲン化物、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基であり、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;または一方、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、個々に共に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルフィニル、スルファモイル、エステル、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基、を含む架橋化合物を形成することができ、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;
それぞれの炭素原子は、二つより多いヘテロ原子に共有結合することができず;
式中B、W、およびXは、B、W、およびXが全て窒素に基づく場合を除き、またはBおよびXが独立してOまたはNであって、かつWがPR11、POR12、PO2、S(Y4)mであって、かつmが1または2である場合を除き、全てヘテロ原子部分となりえず;ならびに
式中、BおよびWまたはWおよびXは、双方が一般式C(Y)、POR12、PO2、tが1または2であるS(=Y4)tとなりえない。
【請求項19】
化合物が以下の式:

またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグからなる群より選択される、請求項18記載の組成物。
【請求項20】
以下の式のアンドログラフォライド誘導体、もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグを、任意で薬学的に許容される担体において、少なくとも第二の抗ウイルス剤と共に含む、薬学的組成物:

式中、
B1、B2、およびB3は、独立してCR1R2、C(Y1)、O、NR4、PR5、P(=Y2)R6、P(=Y3)2、S(=Y4)k、スペーサー基、または共有結合であり;かつkは0、1、または2となりえて;
W1、W2、およびW3は、独立してCR7R8、CR9、C、C(Y5)、O、NR10、PR11、P(=Y6)R12、P(=Y7)2、S(=Y8)f、または共有結合であり;かつfは0、1、または2となりえて;または
B1-W1、B2-W2、および/またはB3-W3は独立してCR3=CR9、またはC≡Cであり;
X1、X2、およびX3は独立して、水素、CR18R19R20、C=R21R22、C≡R23、C≡N、C(=Y9)R24、OR25、NR26N27、N=NR28、P(=Y10)d(R29)V、S(=Y11)d(R30)i、またはNO2であり;かつdは、0、1、または2となりえて;かつvは0、1、または2となりえて;かつiは独立して0または1となりえて;
Y1、Y2、Y3、Y4、Y5、Y6、Y7、Y8、Y9、Y10、およびY11は、独立してO、S、またはNZであり;かつZは独立して水素、R13、OR14、SR15、またはNR16R17となりえて;
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、アルデヒド、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルホキシ、スルフィニル、スルファモイル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、アミド、ニトロ、シアノ、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、酸ハロゲン化物、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基であり、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;または一方、
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、およびR32は、個々に共に、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、アルカリール、アリールアルキル、複素環、複素環式芳香族化合物、アシル、カルバミド、アルコキシ、アミノ、ハロゲン、シリル、チオール、スルフィニル、スルファモイル、エステル、アミド、ホスホニル、ホスフィニル、ホスホリル、イミド、チオエステル、エーテル、オキシム、カルバメート、チオエーテル、天然または合成のアミノ酸または炭水化物の残基、を含む架橋化合物を形成することができ、その如何なるものも、任意で、スペーサー基を通してターゲティング部分または酸素ラジカルに付着させることができ;
それぞれの炭素原子は、二つより多いヘテロ原子に共有結合することができず;
式中B、W、およびXは、B、W、およびXが全て窒素に基づく場合を除き、またはBおよびXが独立してOまたはNであって、かつWがPR11、POR12、PO2、S(Y4)mであって、かつmが1または2である場合を除き、全てヘテロ原子部分となりえず;ならびに
式中、BおよびWまたはWおよびXは、双方が一般式C(Y)、POR12、PO2、tが1または2であるS(=Y4)tとなりえない。
【請求項21】
化合物が以下の式の化合物:

またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグである、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
化合物が以下の化合物:



もしくはそのシス異性体、またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグからなる群より選択される、請求項13記載の組成物。
【請求項23】
化合物が以下の化合物:

またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグである、請求項18記載の組成物。
【請求項24】
化合物が以下の化合物:



またはその薬学的に許容される塩、エステル、エステルの塩、もしくはプロドラッグからなる群より選択される、請求項20記載の組成物。
【請求項25】
誘導体が第二の抗ウイルス剤と併用して、または交互に投与される、請求項1、6、または8の一項に記載の方法。
【請求項26】
フラビウイルス科のウイルスがHCVである、請求項1、6、または8の一項に記載の方法。
【請求項27】
フラビウイルス科のウイルスがフラビウイルスである、請求項1、6、または8の一項に記載の方法。
【請求項28】
フラビウイルス科のウイルスがペスチウイルスである、請求項1、6、または8の一項に記載の方法。
【請求項29】
フラビウイルス科のウイルスがペスチウイルスである、請求項1、6、または8の一項に記載の方法。
【請求項30】
経口投与に適している、請求項13、18、または20の一項に記載の組成物。
【請求項31】
用量単位の形状である、請求項13、18、または20の一項に記載の組成物。
【請求項32】
用量単位が錠剤である、請求項31記載の組成物。
【請求項33】
フラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための、請求項13〜24のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項34】
フラビウイルス科のウイルスに感染した宿主を処置するための薬剤の製造における請求項13〜24のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−519066(P2008−519066A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540206(P2007−540206)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/040716
【国際公開番号】WO2006/101538
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(505246011)コーネル リサーチ ファンデーション インコーポレーティッド (3)
【Fターム(参考)】