ウェハレベルレンズの製造方法
【課題】一次元または二次元に配列された樹脂材料からなる複数のレンズ部を有するレンズアレイの製造方法であって、各レンズ部の形状が高精度で、同一アレイ上の複数のレンズ部間の距離精度が高いウェハレベルレンズの製造方法の提供。
【解決手段】基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを所定の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイであり、(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、を有し、少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とするウェハレベルレンズの製造方法。
【解決手段】基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを所定の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイであり、(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、を有し、少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とするウェハレベルレンズの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハレベルレンズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器の携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズと、を備えている。
【0003】
携帯端末の小型化・薄型化に伴って撮像ユニットの小型化・薄型化が要請されている。また、携帯端末のコストの低下を図るため、製造工程の効率化が望まれている。このような小型かつ多数のレンズを製造する方法としては、基板に複数のレンズを成形した構成であるウェハレベルレンズを製造し、基板を切断して複数のレンズをそれぞれ分離させることでレンズモジュールを量産する方法が知られている。
【0004】
また、複数のレンズが形成された基板と複数の固体撮像素子が形成されたセンサ基板とを一体に組み合わせ、レンズと固体撮像素子をセットとして含むように基板とともにセンサ基板を切断することで撮像ユニットを量産する方法が知られている。
【0005】
従来、ウェハレベルレンズとしては、例えば下記特許文献に示すものがある。
【0006】
特許文献1には、複数のレンズが成形された基板を重ね合わせた多層のウェハレベルレンズの構成が記載されている。
【0007】
特許文献2には、基板上に成形材料を供給し、型によって該基板上にレンズを成形する方法が記載されている。
【0008】
また、複数のレンズを有するものとして、上述のウェハレベルレンズとは別に、基板と一体ではない構成を有するマイクロレンズアレイが知られている。
例えば特許文献3には、基板の片面に形成された樹脂層を、孔付き基板に圧着して硬化させることで、型を不要としている。
また、特許文献4においては、二層構造のマイクロレンズアレイを製造するに当たり、一層目を先に形成し、二層目を該一層目を透過させた光で硬化させることにより、2つの層の光軸を合わせる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2005−539276号公報
【特許文献2】国際公開第07/107025号
【特許文献3】特開平7−248404号公報
【特許文献4】特開2003−294912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
樹脂材料からなるレンズは、樹脂は吸湿して膨潤する場合がある。メガネ用等の従来の樹脂材料からなるレンズの場合は、個々のレンズの形状さえ設計どおりに制御できればよく、樹脂の吸湿はあまり大きな問題にならなかった。しかし、ウェハレベルレンズの場合、複数のレンズアレイや固体撮像素子などを積層して用いるため、レンズ間の距離(ピッチ)等の制御も必要となる。また、特に基板部とレンズ部が樹脂で一体成型されたウェハレベルレンズの場合は、レンズ間の距離の制御が難しく、樹脂の吸湿が大きな影響を与えることを見出した。
本発明は、レンズアレイを複数重ね合わせたセットを作成するにあたり、一次元または二次元に配列された樹脂材料からなる複数のレンズ部を有する該レンズアレイの各レンズ部を精度よく形成すること、及び、同一アレイ上の複数のレンズ部間の距離を精度よく形成すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、
基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを下記材料群A、Bの少なくとも一方の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイであって、
(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、
(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、
(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、
を有し、
少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とするウェハレベルレンズの製造方法である。
材料群A:側鎖に(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基から選ばれる少なくとも1つの有機官能基を有し、かつ、アダマンタン環を含む有機官能基を有するプレポリマーを含む樹脂
材料群B:[R−Si−O3/2]
で表される部分構造を含む、かご型、はしご型、及び又はランダム型のシルセスキオキサン樹脂
Rは各々独立して (メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基を有する有機官能基を表す。
【発明の効果】
【0012】
本発明のウェハレベルレンズの製造方法によれば、基板部とレンズ部が樹脂で一体に成型して得られるウェハレベルレンズを成型する際、具体的には、特定の樹脂材料を用い、かつ、離型工程及びその前後で湿度を制御することにより、樹脂の吸湿によるレンズの膨潤を制御でき、これによりレンズの形状及びレンズ部間の距離の精度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ウェハレベルレンズアレイの構成の一例を示す断面図である。
【図2】レンズモジュールの構成の一例を示す断面図である。
【図3】撮像ユニットの構成の一例を示す断面図である。
【図4】ウェハレベルレンズアレイの基板にレンズを成形するための成形型の構成例を示す図である。
【図5】成形型でウェハレベルレンズアレイを成形する工程を説明する図である。
【図6】ウェハレベルレンズの製造方法の手順を示すフローチャートである。
【図7】成形型からウェハレベルレンズアレイを離型する工程を説明する図である。
【図8】ウェハレベルレンズアレイをダイシングする工程を説明する図である。
【図9】レンズモジュールを製造する手順を示す図である。
【図10】撮像ユニットを製造する手順を示す図である。
【図11】実施例で評価を行ったアレイ上のレンズ間ピッチを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0015】
先ず、ウェハレベルレンズアレイ、レンズモジュールと撮像ユニットの構成について説明する。
【0016】
図1は、ウェハレベルレンズアレイの構成の一例を示す断面図である。
ウェハレベルレンズアレイは、基板部1と、該基板部1に配列された複数のレンズ部10とを備えている。複数のレンズ部10は、基板部1に対して1次元又は2次元に配列されている。以下では、複数のレンズ部10が、基板部1に対して2次元に配列されている構成を例に説明する。レンズ部10は、基板部1と同じ材料から構成され、該基板部1に一体成形されたものである。レンズ部10の形状は、特に限定されず、用途などによって適宜変形される。
レンズ部は、その裏表に所定のレンズ面が形成されている。レンズ裏表の形状は同一であっても異なっていても良い。またレンズ形状は凸の球面に限らず、凹の球面や非球面であってもよく、凸若しくは凹の球面、または非球面を種々に組み合わせることができる。本案では樹脂材料で一体に形成されることにより、基板部の厚み内部に潜り込むようなレンズ形状を採用することも可能となり、レンズ設計の自由度が高まる。
【0017】
図2は、レンズモジュールの構成の一例を示す断面図である。
レンズモジュールは、基板部1と、及び該基板部1に一体成形されたレンズ部10とを含んだ構成であり、例えば図1に示すウェハレベルレンズアレイの基板部1をダイシングし、レンズ部10ごとに分離させたものを用いる。基板部1の一方の面には、レンズ部10の周囲にスペーサ2が設けられている。スペーサ2の作用及び構成については、次に説明する撮像ユニットのものと同じである。
【0018】
図3は、撮像ユニットの構成の一例を示す断面図である。
撮像ユニットは、上述のレンズモジュールと、センサモジュールとを備える。レンズモジュールのレンズ部10は、センサモジュール側に設けられた固体撮像素子Dに被写体像を結像させる。レンズモジュールの基板部1とセンサモジュールの半導体基板Wとが、互いに略同一となるように平面視略矩形状に成形されている。
【0019】
センサモジュールは、半導体基板Wと、半導体基板Wに設けられた固体撮像素子Dを含んでいる。半導体基板Wは、例えばシリコンなどの半導体材料で形成されたウェハを平面視略矩形状に切り出して成形されている。固体撮像素子Dは、半導体基板Wの略中央部に設けられている。固体撮像素子Dは、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサである。センサモジュールは、チップ化された固体撮像素子Dを配線等が形成された半導体基板上にボンディングした構成とすることができる。または、固体撮像素子Dは、半導体基板Wに対して周知の成膜工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程、不純物添加工程等を繰り返し、該半導体基板に電極、絶縁膜、配線等を形成して構成されてもよい。
【0020】
レンズモジュールは、その基板部1がスペーサ2を介してセンサモジュールの半導体基板Wの上に重ね合わされている。レンズモジュールのスペーサ2とセンサモジュールの半導体基板Wとは、例えば接着剤などを用いて接合される。スペーサ2は、レンズモジュールのレンズ部10がセンサモジュールの固体撮像素子D上で被写体像を結像させるように設計され、レンズ部10がセンサモジュールに接触しないように、該レンズ部10と固体撮像素子Dとの間に所定の距離を隔てる厚みで形成されている。
【0021】
スペーサ2は、レンズモジュールの基板部1とセンサモジュールの半導体基板Wとを所定の距離を隔てた位置関係を保持することができる範囲で、その形状は特に限定されず適宜変形することができる。例えば、スペーサ2は、基板の4隅にそれぞれ設けられる柱状の部材であってもよい。また、スペーサ2は、センサモジュールの固体撮像素子Dの周囲を取り囲むような枠状の部材であってもよい。固体撮像素子Dを枠状のスペーサ2によって取り囲むことで外部から隔絶すれば、固体撮像素子Dにレンズを透過する光以外の光が入射しないように遮光することができる。また、固体撮像素子Dを外部から密封することで、固体撮像素子Dに塵埃が付着することを防止できる。
【0022】
なお、図2に示すレンズモジュールは、レンズ部10が形成された基板部1を1つ備えた構成であるが、レンズ部10が形成された基板部1を複数備えた構成としてもよい。このとき、互いに重ね合わされる基板部1同士がスペーサ2を介して組み付けられる。
【0023】
また、レンズ部10が形成された基板部1を複数備えたレンズモジュールの最下位置の基板部1にスペーサ2を介してセンサモジュールを接合して撮像ユニットを構成してもよい。レンズ部10が形成された基板部1を複数備えたレンズモジュール及び該レンズモジュールを備えた撮像ユニットの製造方法については後述する。
【0024】
以上のように構成された撮像ユニットは、携帯端末等に内蔵される図示しない回路基板にリフロー実装される。回路基板には、撮像ユニットが実装される位置に予めペースト状の半田が適宜印刷されており、そこに撮像ユニットが載せられ、この撮像ユニットを含む回路基板に赤外線の照射や熱風の吹付けといった加熱処理が施され、撮像ユニットが回路基板に溶着される。
【0025】
次に、ウェハレベルレンズの製造方法について詳細に説明する。
図4は、ウェハレベルレンズアレイの基板部とレンズ部とを一体成形するための成形型の構成例を示す図である。図4は、成形型の型開き状態を示している。図5は、図4の成形型を用いて、ウェハレベルレンズアレイを成形する工程を示している。図5は成形型の型閉じ状態を示している。
【0026】
図4及び図5に示すように、本構成例の成形型は、上型12と下型14とを備えている。上型12と下型14とで、レンズ部10及び基板部1を構成する樹脂などの材料を挟み込むことで、所定の形状のレンズ部及び基板部を一体成形する。
本発明のウェハレベルレンズセットを構成するウェハレベルレンズアレイの少なくとも1つは、基板部と、該基板部とを後述する樹脂組成物で一体に成形し得られる、モノリシックタイプのウェハレベルレンズアレイであり、成型された基板部にレンズを形成するのではなく、流動性を持った樹脂組成物を型に流し込み、基板部とレンズ部を同時に成型したものである。
【0027】
上型12において、下型14に対向する側の面には、レンズ部10の上側の形状を転写するための凹部12aと、基板部1におけるレンズ部10が成形される領域以外の領域に相当する平坦形状を転写するための平面部12bとが設けられている。
【0028】
下型14において、上型12に対向する側の面には、レンズ部10の下側の形状を転写するための凹部14aと、基板部1におけるレンズ部10が成形される領域以外の領域に相当する平坦形状を転写するための平面部14bとが設けられている。
【0029】
なお、ここでいう「上」及び「下」とは、本構成例を説明する図中の位置関係を示しているのみであり、例えばその位置関係は上下に入れ替えられてもよい。つまり、成形型は、上型12及び下型14のうち一方を第1型、他方を第2型とした場合に、第1型及び第2型を型閉じ状態、型開き状態とすることが可能であればそれらの位置関係は特に限定されない。
【0030】
上型12と下型14とはそれぞれ、型閉じ状態の位置と型開き状態の位置との間で相対的に移動させることができる。つまり、上型12及び下型14のうちの少なくとも一方を他方に対して近づける方法及び遠ざける方向に移動させることができる。
【0031】
型開き状態とは、上型12と下型14とが一定の距離をおいて離間した状態である。また、型閉じ状態とは、上型12と下型14とが接近し、上型12と下型14との間に挟みこんだ成形物に所定の圧力を付与しつつ、型と成形物とが完全に密着している状態をいう。
【0032】
図5に示すように、成形型を型閉じ状態とすることで、上型12の凹部12aと下型14の凹部14aとによってレンズ部10の形状が規定される。成形されるレンズ部10の形状の変更に応じて、成形型の上型12及び下型14の種類が適宜変更されてもよい。
【0033】
レンズ部の材料として紫外線硬化樹脂を使用する場合には、上型12及び下型14のうち、紫外線を照射する側に位置する少なくとも一方を紫外線に対して透明体とする。また、基板部1が紫外線を透過する材質であってもよい。
レンズ部の材料として熱硬化樹脂を使用する場合には、基板部1を上型12及び下型14ごとオーブン等で加熱してもよいし、上型12及び下型14の少なくとも一方をホットプレート等で加熱してもよい。熱硬化樹脂を使用する場合には、型は熱伝導性の高い材料、例えば金属製であることが好ましい。
【0034】
次に、図6に基づいてウェハレベルレンズの製造方法の手順を説明する。なお、以下の説明では、図4及び図5に示す成形型とウェハレベルレンズの構成を適宜参照するものとする。
【0035】
最初に、上型12と下型14とを型開き状態とし、材料を注入する(ステップS1)。
ここでは、材料として熱硬化性の樹脂を用いることとする。
【0036】
材料を注入した後、上型12と下型14とを型閉じ状態とすることで、材料に所定の圧力を加える(ステップS2)。
【0037】
次に、材料に所定の圧力を加えた状態を維持しつつ、材料を加熱することで硬化させる(ステップS3)。材料を加熱する手段としては、例えば、上型12及び下型14の少なくとも一方を熱伝導性の良い金属材料で構成し、ヒータなどの加熱部によって上型12及び下型14を加熱することで、材料に熱を加えてもよい。
【0038】
また、硬化させる際に成形物が収縮するため、この収縮量に応じて上型12及び下型14で成形物に加える圧力を調整してもよい。
圧力はレンズ形状の転写精度とレンズの機械的な破損(割れ)のバランスをみて適宜調整されるが、一般的に100kgf〜600kgfであり、好ましくは300〜450kgfである。
【0039】
硬化後、上型12及び下型14を型開き状態とする(ステップS4)。この構成例では、上型12は、下型14と比較して、ウェハレベルレンズを離型させやすいことを想定しているため、型開きの動作に応じて離型させることができる。
【0040】
次に、下型14からウェハレベルレンズを離型させる(ステップS5)。
【0041】
図7は、ウェハレベルレンズを離型させる手段の一例を示している。この例では、ウェハレベルレンズの上面に吸着部32を吸着させ、上方へ引っ張ることで、ウェハレベルレンズを下型1から離型させ、型の間から取り出す。
吸着部32は、例えば、空気吸引を行って負圧を生じさせることでウェハレベルレンズの上面に密着する構成である。吸着部32は、1つのウェハレベルレンズに対して複数設けられ、各吸着部32がウェハレベルレンズにおける、レンズ部10が形成された領域以外の平坦領域に密着するように配置されている。レンズ部10に吸着部32が接触することがないため、変形などの損傷が生じることを回避できる。
複数の吸着部32をウェハレベルレンズの上面に密着させた状態で、ウェハレベルレンズを上方に持ち上げることで、下型12からウェハレベルレンズを離型させることができる。
こうして、上型12及び下型14によって一体成形されたウェハレベルレンズを得ることができる。
【0042】
次に、ウェハレベルレンズアレイを用いて、更に、レンズモジュール及び撮像ユニットを製造する手順を説明する。
【0043】
図8は、ウェハレベルレンズアレイをダイシングする工程を説明する図である。同図(a)に示すように、ウェハレベルレンズアレイの基板1の一方の表面(同図では下方の面)にスペーサ2が接合される。そして、同図(b)に示すように、ウェハレベルレンズアレイの基板部1と、該基板部1と同様にウェハ状に形成された半導体基板Wとの位置合わせが行われる。半導体基板Wの一方の面(同図では上側の面)には、基板部1に設けられた複数のレンズ部10の配列と同じ配列で固体撮像素子Dが設けられている。そして、ウェハレベルレンズアレイの基板部1がスペーサ2を介して、該基板部1と同様にウェハ状に形成された半導体基板Wに重ね合わされ、一体に接合される。その後、一体とされたウェハレベルレンズアレイ及び半導体基板W並びにスペーサ2は、レンズ部10及び固体撮像素子Dそれぞれの配列の列間に規定される切断ラインに沿って、ブレードC等の切断手段を用いて切断され、複数の撮像ユニットに分離される。切断ラインは、例えば基板部1の平面視において格子状である。
【0044】
なお、同図では、撮像ユニットを製造する際のダイジングを例に説明しているが、複数のレンズを積層したレンズセットを用いる場合も同様に積層後にダイジングできる。レンズモジュールを製造する際のダイジングは、ウェハレベルレンズアレイの基板部1にスペーサ2を接合した後、半導体基板Wに接合させないで、レンズ部10の配列に応じて切断し、複数のレンズモジュールに分離する。
【0045】
図9は、レンズモジュールを製造する手順を示す図である。この手順では、2つの基板部1と、各基板部1に複数のレンズ部10が一体成形されたウェハレベルレンズアレイをダイジングし、複数のレンズモジュールに分離する例を説明する。
【0046】
先ず、同図(a)に示すように、複数のウェハレベルレンズアレイを準備する。ウェハレベルレンズアレイは、既に上述した手順で製造することができ、以下の説明では、その手順については説明することなく省略する。複数のウェハレベルレンズアレイの各基板部1の一方の面にスペーサ2を接着剤などによって接合する。そして、重ね合わせるウェハレベルレンズアレイの基板部1同士の位置合わせを行い、下方に配置するウェハレベルレンズアレイの基板部1の上面に、上方に配置するウェハレベルレンズアレイの基板部1の下面を、スペーサ2を介して接合する。ウェハレベルレンズアレイ同士を重ね合わせた状態で、各基板部1に対してスペーサ2が接合された位置が、各基板部1で同じになるようにする。
【0047】
そして、同図(b)に示すように、ウェハレベルレンズアレイの基板部1を、図中点線で示される切断ラインに沿って切断し、複数のレンズモジュールに分離する。このとき、各切断ライン上に重なり合って接合されているスペーサ2も同時に切断され、各切断ラインを境界として分割されたスペーサ2が、各切断ラインに隣接するレンズモジュールにそれぞれ付属する。こうして、複数のレンズ部10を備えたレンズモジュールが完成する。
この手順では、重ね合わされるそれぞれの基板部1に対するレンズ部10及びスペーサ2の位置が同じであるため、分離された複数のレンズモジュールの構成はいずれも同じになる。また、重ね合わされるそれぞれの基板部1のうち、最上部の基板部1を基準に切断ラインの位置を決定し、切断すればよい。
【0048】
なお、分離されたレンズモジュールは、スペーサ2を介して図示しないセンサモジュールやその他の光学素子を備えた基板に組み付けられてもよい。
【0049】
このように、複数のウェハレベルレンズアレイ同士をスペーサを介して重ね合わせ、その後に、ウェハレベルレンズアレイの基板部1をスペーサ2ごとダイシング工程で切断すれば、分離されたレンズモジュールを個別に重ね合わせる場合に比べて、効率よくレンズモジュールを量産することができ、生産性が向上する。
【0050】
図10は、撮像ユニットを製造する手順を示す図である。この手順では、2つの基板部1と各基板部1に複数のレンズ部10が一体成形されたウェハレベルレンズアレイを、固体撮像素子が設けられた半導体基板に接合してダイジングし、それぞれが2つのレンズ部10を備えた複数の撮像ユニットに分離する例を説明する。
【0051】
先ず、同図(a)に示すように、2つのウェハレベルレンズアレイを準備する。ウェハレベルレンズアレイは、既に上述した手順で製造することができ、以下の説明では、その手順については説明することなく省略する。そして、重ね合わせる2つの基板部1それぞれの下側の面にスペーサ2を接着剤などによって接合する。そして、重ね合わせるウェハレベルレンズアレイの基板部1同士の位置合わせを行い、下方に配置するウェハレベルレンズアレイの基板部1の上面に、上方に配置するウェハレベルレンズアレイの基板部1の下面を、スペーサ2を介して接合する。ウェハレベルレンズアレイ同士を重ね合わせた状態で、各基板部1に対してスペーサ2が接合された位置が、各基板部1で同じになるようにする。
【0052】
次に、複数の固体撮像素子Dが配列された半導体基板Wを準備する。重ね合わされた状態の複数のウェハレベルレンズアレイの基板部1と、半導体基板Wとの位置合わせを行う。その後、最下部に位置する該基板部1を、スペーサ2を介して半導体基板Wの上側の面に接合する。このとき、基板部1に設けられた各レンズ部10の光軸の延長が固体撮像素子Dの中央部とそれぞれ交わるようにする。
【0053】
そして、同図(c)に示すように、ウェハレベルレンズアレイの基板部1と半導体基板Wとを接合した後、基板部1及び半導体基板Wを、図中点線で示される切断ラインに沿って切断し、複数の撮像ユニットに分離する。このとき、各切断ライン上に重なり合って接合されているスペーサ2も同時に切断され、スペーサ2は、各切断ラインを境界として分割され、各切断ラインに隣接する撮像ユニットにそれぞれ付属する。こうして、複数のレンズ部10を備えた撮像ユニットが完成する。
【0054】
このように、複数のウェハレベルレンズアレイ同士をスペーサ2を介して接合しておき、その後に、最下部のウェハレベルレンズアレイの基板部1と固体撮像素子Dを備えた半導体基板Wを重ね合わせて、基板部1及び半導体基板Wをダイシング工程で一緒に切断している。このような手順によれば、分離されたレンズモジュール同士を重ね合わせ、更に、各レンズモジュールとセンサモジュールとを接合していくことで各撮像ユニットを製造する場合に比べて、効率良く撮像ユニットを量産することができ、生産性を向上することができる。
【0055】
<湿度調整>
本発明のウェハレベルレンズの製造方法は、
(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、
(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、
(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、
(エ)複数の該基板同士を重ね合わせる工程と、
を有し、
少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とする。
工程(ウ)以外にも、(イ)の硬化工程や、(エ)の複数の該基板同士を重ね合わせる工程においても、相対湿度40%以下に管理することが好ましい。また、これらの工程が連続して行われず、例えば工程間で保管や冷却される場合などにおいても、その間は相対湿度40%以下に管理されることが好ましい。また、工程(エ)以降は、別の層と固定化されることで変形が生じにくくなるため、工程(ウ)の前後、特に離型からレンズアレイを別のレンズアレイ又は基板と重ね合わせるまでの間の湿度を管理することが効果的である。
これらの工程において、相対湿度は30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。また、経済性の観点から、相対湿度は5%以上であることが好ましい。
【0056】
相対湿度40%以下とするには、当該工程が人為的な湿度を制御する手段の管理下で行われることが好ましい。具体的には、これらの工程を行う空間をドライヤーやエアーコンディショナー等の除湿装置を用いて除湿することが好ましい。
【0057】
また、工程(ウ)の直後(工程(エ)を含む場合はその前)に、(オ)ウェハレベルレンズアレイに、吸水率0.7%以下の有機または無機材料によりコーティングを施す工程を有することも好ましい。本発明において、吸水率はサンプルを粉末にし、25℃相対湿度80の環境下において24時間静置して吸水させた後、カールフィッシャー法により測定した水分重量を元のサンプル重量で割った値である。
コーティングは、透湿性が低いものが好ましい。コーティングする材料及びコーティング方法としては、公知のものが適用でき、例えば特開2001−247821号公報に記載のものが適用可能である。
【0058】
<樹脂>
本発明のウェハレベルレンズの製造方法においては、ウェハレベルレンズアレイの少なくとも1つが、基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを下記材料群A、Bの少なくとも一方の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイである。
材料群A:側鎖に(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基から選ばれる少なくとも1つの有機官能基を有し、かつ、アダマンタン環を含む有機官能基を有するプレポリマーを含む樹脂
材料群B:[R−Si−O3/2]n
で表される部分構造を含む、かご型、はしご型、及び又はランダム型のシルセスキオキサン樹脂
Rは各々独立して (メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基を有する有機官能基を表す。
nは正の整数を表し、8,10,12,又は14が好ましい。
【0059】
Rにおける有機官能基を有する基は、アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基自体、或いはこれらがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、又はこれらの組み合わせた基等の有機基に置換した基が挙げられる。Rは好ましくは炭素数3〜10の基である。
【0060】
材料群Aの樹脂は、プレポリマーを含むため、硬化時の反応点が少なく、硬化収縮が比較的少ない。またアダマンタン環を含み、耐熱性が高い。
材料群Bの樹脂は、シルセスキオキサン構造を含むため、耐熱性、硬度等の特性が非常に高く、吸水性も低い。
樹脂組成物は、材料群A、Bの両方の樹脂を含んでいてもよく、更に他の樹脂を癌結いしていてもよい。その場合、材料群Aの樹脂を好ましくは樹脂全体の1〜99質量%、より好ましくは樹脂全体の5〜95質量%、最も好ましくは樹脂全体の10〜90質量%含有していることが好ましい。また材料群Bの樹脂を好ましくは樹脂全体の1〜99質量%、より好ましくは樹脂全体の5〜95質量%、最も好ましくは樹脂全体の10〜90質量%含有していることが好ましい。
【0061】
本発明において使用できる樹脂材料としては、上述の材料群A・Bの少なくともいずれかの構成を有し、かつエネルギー硬化性の樹脂組成物を好適に用いることができる。エネルギー硬化性の樹脂組成物は、熱により硬化する樹脂組成物、あるいは活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)の照射により硬化する樹脂組成物のいずれであってもよい。樹脂材料は活性エネルギー線硬化性と共に熱硬化性を有する樹脂であることも好ましい。
このような樹脂材料としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂やアクリル樹脂、または光硬化性のエポキシ樹脂やアクリル樹脂、またはこれらの混合物が使用できる。
樹脂材料は、モールド形状の転写適性等、成形性の観点から硬化前には適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には常温で液体であり、粘度が1000〜50000mPa・s程度のものが好ましい。
【0062】
また、樹脂材料は、硬化後にはリフロー工程を通しても熱変形しない程度の耐熱性を有していることが好ましい。該観点から、硬化物のガラス転移温度は200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。樹脂材料にこのような高い耐熱性を付与するためには、分子レベルで運動性を束縛することが必要であり、有効な手段としては、(1)単位体積あたりの架橋密度を上げる手段、(2)剛直な環構造を有する樹脂を利用する手段(例えばシクロヘキサン、ノルボルナン、テトラシクロドデカン等の脂環構造、ベンゼン、ナフタレン等の芳香環構造、9,9’-ビフェニルフルオレン等のカルド構造、スピロビインダン等のスピロ構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平9−137043号公報、同10−67970号公報、特開2003−55316号公報、同2007−334018号公報、同2007−238883号公報等に記載の樹脂)、(3)無機微粒子など高Tgの物質を均一に分散させる手段(例えば特開平5−209027号公報、同10−298265号公報等に記載)等が挙げられる。これらの手段は複数併用してもよく、流動性、収縮率、屈折率特性など他の特性を損なわない範囲で調整することが好ましい。
【0063】
また、樹脂材料は、形状転写精度の観点からは硬化反応による体積収縮率が小さい樹脂組成物が好ましい。樹脂組成物の硬化収縮率としては10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。
硬化収縮率の低い樹脂組成物としては、例えば(1)高分子量の硬化剤(プレポリマ−など)を含む樹脂組成物(例えば特開2001−19740号公報、同2004−302293号公報、同2007−211247号公報等に記載、高分子量硬化剤の数平均分子量は200〜100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜50,000の範囲であり、特に好ましくは1,000〜20,000の場合である。また該硬化剤の数平均分子量/硬化反応性基の数で計算される値が、50〜10,000の範囲にあることが好ましく、100〜5,000の範囲にあることがより好ましく、200〜3,000の範囲にあることが特に好ましい。)、(2)非反応性物質(有機/無機微粒子,非反応性樹脂等)を含む樹脂組成物(例えば特開平6−298883号公報、同2001−247793号公報、同2006−225434号公報等に記載)、(3)低収縮架橋反応性基を含む樹脂組成物(例えば、開環重合性基(例えばエポキシ基(例えば、特開2004−210932号公報等に記載)、オキセタニル基(例えば、特開平8−134405号公報等に記載)、エピスルフィド基(例えば、特開2002−105110号公報等に記載)、環状カーボネート基(例えば、特開平7−62065号公報等に記載)等)、エン/チオール硬化基(例えば、特開2003−20334号公報等に記載)、ヒドロシリル化硬化基(例えば、特開2005−15666号公報等に記載)等)、(4)剛直骨格樹脂(フルオレン、アダマンタン、イソホロン等)を含む樹脂組成物(例えば、特開平9−137043号公報等に記載)、(5)重合性基の異なる2種類のモノマーを含み相互貫入網目構造(いわゆるIPN構造)が形成される樹脂組成物(例えば、特開2006−131868号公報等に記載)、(6)膨張性物質を含む樹脂組成物(例えば、特開2004−2719号公報、特開2008−238417号公報等に記載)等を挙げることができ、本発明において好適に利用することができる。また上記した複数の硬化収縮低減手段を併用すること(例えば、開環重合性基を含有するプレポリマーと微粒子を含む樹脂組成物など)が物性最適化の観点からは好ましい。
【0064】
また、重ね合わされる複数枚のウェハレベルレンズアレイが、互いに組成の異なる樹脂組成物からなることも好ましい。例えば、高−低2種類以上のアッベ数の異なる樹脂の混合物であることが望まれ、アッベ数が20以上異なる複数の樹脂材料を含有することが好ましい。高アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり特に好ましくは60以上である。屈折率(nd)は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、特に好ましくは1.57以上である。このような樹脂としては、脂肪族の樹脂が好ましく、特に脂環構造を有する樹脂(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の環構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平10−152551号公報、特開2002−212500号公報、同2003−20334号公報、同2004−210932号公報、同2006−199790号公報、同2007−2144号公報、同2007−284650号公報、同2008−105999号公報等に記載の樹脂)が好ましい。低アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり特に好ましくは20以下である。屈折率(nd)は1.60以上であることが好ましく、より好ましくは1.63以上であり、特に好ましくは1.65以上である。このような樹脂としては芳香族構造を有する樹脂が好ましく、例えば9,9’−ジアリールフルオレン、ナフタレン、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等の構造を含む樹脂(具体的には例えば、特開昭60−38411号公報、特開平10−67977号公報、特開2002−47335号公報、同2003−238884号公報、同2004−83855号公報、同2005−325331号公報、同2007−238883号公報、国際公開2006/095610号公報、特許第2537540号公報等に記載の樹脂等)が好ましい。
【0065】
また、樹脂材料には、屈折率を高めたり、アッベ数を調整したりするために、無機微粒子をマトリックス中に分散させることが好ましい。無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。特に上記高アッベ数の樹脂に対しては、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましく、低アッベ数の樹脂に対しては、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましい。無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、複数の成分による複合物であってもよい。また、無機微粒子には光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面層をシリカ、アルミナ等異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。無機微粒子の数平均粒子サイズは通常1nm〜1000nm程度とすればよいが、小さすぎると物質の特性が変化する場合があり、大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となるため、1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。ここで上述の数平均1次粒子サイズとは、例えばX線回折(XRD)装置あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。無機微粒子の屈折率としては、22℃、589nmの波長において、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。無機微粒子の樹脂に対する含有量は、透明性と高屈折率化の観点から、5質量%以上であることが好ましく、10〜70質量%が更に好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
【0066】
樹脂材料に微粒子を均一に分散させるためには、例えばマトリックスを形成する樹脂モノマーとの反応性を有する官能基を含む分散剤(例えば特開2007−238884号公報実施例等に記載)、疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体(例えば特開2007−211164号公報に記載)、あるいは高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂(例えば特開2007−238929号公報、特開2007−238930号公報等に記載)等を適宜用いて微粒子を分散させることが望ましい。
【0067】
また、また、樹脂材料には、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有化合物等の公知の離型剤やヒンダードフェノール等の酸化防止剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
【0068】
また、樹脂材料には、必要に応じて硬化触媒又は開始剤を配合することができる。具体的には、例えば特開2005−92099号公報(段落番号〔0063〕〜〔0070〕)等に記載の熱又は活性エネルギー線の作用により硬化反応(ラジカル重合あるいはイオン重合)を促進する化合物を挙げることができる。これらの硬化反応促進剤の添加量は、触媒や開始剤の種類、あるいは硬化反応性部位の違いなどによって異なり一概に規定することはできないが、一般的には硬化反応性樹脂組成物の全固形分に対して0.1〜15質量%程度が好ましく、0.5〜5質量%程度がより好ましい。
【0069】
樹脂材料は、上記成分を適宜配合して製造することができる。この際、液状の低分子モノマー(反応性希釈剤)等に他の成分を溶解することができる場合には別途溶剤を添加する必要はないが、このケースに当てはまらない場合には溶剤を用いて各構成成分を溶解することにより硬化性樹脂組成物を製造することができる。該硬化性樹脂組成物に使用できる溶剤としては、組成物が沈殿することなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく適宜選択することができ、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、水等を挙げることができる。硬化性組成物が溶剤を含む場合には溶剤を乾燥させた後にモールド形状転写操作を行うことが好ましい。
【0070】
本明細書は以下の内容を開示する。
1.
基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを下記材料群A、Bの少なくとも一方の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイの製造方法であって、
(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、
(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、
(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、
(エ)複数の該基板同士を重ね合わせる工程と、
を有し、
少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法。
材料群A:側鎖に(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基から選ばれる少なくとも1つの有機官能基を有し、かつ、アダマンタン環を含む有機官能基を有するプレポリマーを含む樹脂
材料群B:[R−Si−O3/2]
で表される部分構造を含む、かご型、はしご型、及び又はランダム型のシルセスキオキサン樹脂
Rは各々独立して (メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基を有する有機官能基を表す。
2.
上記1に記載のウェハレベルレンズセットの製造方法であって、少なくとも該工程(ウ)が、湿度を制御する手段の管理下で行われることを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法
3.
上記1または2に記載の方法で得られたウェハレベルレンズを複数重ね合わせる工程を有し、重ね合わされる複数枚のウェハレベルレンズアレイが、互いに組成の異なる樹脂組成物からなることを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法。
4.
上記1〜3のいずれかに記載のウェハレベルレンズ又はウェハレベルレンズセットの製造方法であって、工程(ウ)の直後に、(オ)ウェハレベルレンズアレイに吸水率0.7%以下の有機または無機材料によりコーティングを施す工程を有することを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法。
5.
上記1、2又は4のいずれかに記載のウェハレベルレンズセットの製造方法によって得られるウェハレベルレンズアレイ。
6.
上記5に記載の前記ウェハレベルレンズアレイを複数積層し、ダイシングして、前記レンズごとに分断してなるレンズモジュール。
【実施例】
【0071】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0072】
[使用樹脂]
硬化性樹脂として、メチルメタクリレート及びグリシジルメタクリレートを70:30重量比でランダム共重合したプレポリマー35重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン (東亜合成株式会社製 アロンオキセタンOXT−221)56重量部、シルセスキオキサン誘導体OX−SQ Tx−100(東亜合成株式会社製)5重量部、光酸発生剤としてCPI−100p(サンアプロ株式会社製)4重量部からなる樹脂組成物を用いた。
【0073】
[使用型]
厚さ1.0mm、直径80.0mmの石英ガラス基板に、ウェットエッチングによりΦ2.0mmの凸レンズに対応するくぼみを面内に20.0mm間隔で形成した。さらに樹脂と型とするガラス基板の離型性を改良するために、エッチング処理を施した後にシランカップリング剤を用いて表面をフッ素化処理し、1対のガラス製の型部材を作成した。
【0074】
[硬化方法]
上述の型の上にレンズ部位と基板部が満たされるように光硬化性樹脂をディスペンサ(super Σx:武蔵エンジニアリング社製)を用いて滴下し、700μmのスペーサーを外周部に設置した後、もう一方の型部材を載せて、加圧しながらUV露光を行った。その後、離型〜評価までを、加湿機、除湿機、冷凍機からなる可変恒温恒湿室(TABAI ESPEC社製)を用い、相対湿度20%(実施例2),40%(実施例1)、50%(比較例2),80%(比較例1)の各環境(温度は25℃で統一)で行った。評価は離型から24時間後に行った。
【0075】
[UV露光装置]
UV露光装置としては超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)を用いて、主波長365nm、露光量70mJ/cm2で露光を行った。またパターン露光を行う場合、レンズ部位以外を遮光部とした石英露光マスクを型部材の上に直接設置し、パターン露光を行った。
【0076】
[評価装置]
成形したレンズアレイ基板のレンズピッチ測定には、レーザー変位計(LT−9000:キーエンス社製)を用いて作製した基板の面内の厚み分布を測定することでレンズ頂点部間の距離を測定した。また同様の手法を用いて、型部材のピッチ間隔を事前に測定している。同条件で作製したレンズアレイ基板を3枚作製し、型部材のピッチ間隔との差をバラツキとして評価した。また一枚のレンズアレイ基板上で、図11のa〜hに示すように計8箇所のレンズ間の距離(ピッチ)の測定を行った。
【0077】
[結果比較]
結果を下記の表に示す。実施例1、2は、比較例1、2と比較して、各アレイ内でのピッチ均一性も、製造した複数のアレイ間でのピッチ均一性も高いことがわかる。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェハレベルレンズの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器の携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズと、を備えている。
【0003】
携帯端末の小型化・薄型化に伴って撮像ユニットの小型化・薄型化が要請されている。また、携帯端末のコストの低下を図るため、製造工程の効率化が望まれている。このような小型かつ多数のレンズを製造する方法としては、基板に複数のレンズを成形した構成であるウェハレベルレンズを製造し、基板を切断して複数のレンズをそれぞれ分離させることでレンズモジュールを量産する方法が知られている。
【0004】
また、複数のレンズが形成された基板と複数の固体撮像素子が形成されたセンサ基板とを一体に組み合わせ、レンズと固体撮像素子をセットとして含むように基板とともにセンサ基板を切断することで撮像ユニットを量産する方法が知られている。
【0005】
従来、ウェハレベルレンズとしては、例えば下記特許文献に示すものがある。
【0006】
特許文献1には、複数のレンズが成形された基板を重ね合わせた多層のウェハレベルレンズの構成が記載されている。
【0007】
特許文献2には、基板上に成形材料を供給し、型によって該基板上にレンズを成形する方法が記載されている。
【0008】
また、複数のレンズを有するものとして、上述のウェハレベルレンズとは別に、基板と一体ではない構成を有するマイクロレンズアレイが知られている。
例えば特許文献3には、基板の片面に形成された樹脂層を、孔付き基板に圧着して硬化させることで、型を不要としている。
また、特許文献4においては、二層構造のマイクロレンズアレイを製造するに当たり、一層目を先に形成し、二層目を該一層目を透過させた光で硬化させることにより、2つの層の光軸を合わせる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2005−539276号公報
【特許文献2】国際公開第07/107025号
【特許文献3】特開平7−248404号公報
【特許文献4】特開2003−294912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
樹脂材料からなるレンズは、樹脂は吸湿して膨潤する場合がある。メガネ用等の従来の樹脂材料からなるレンズの場合は、個々のレンズの形状さえ設計どおりに制御できればよく、樹脂の吸湿はあまり大きな問題にならなかった。しかし、ウェハレベルレンズの場合、複数のレンズアレイや固体撮像素子などを積層して用いるため、レンズ間の距離(ピッチ)等の制御も必要となる。また、特に基板部とレンズ部が樹脂で一体成型されたウェハレベルレンズの場合は、レンズ間の距離の制御が難しく、樹脂の吸湿が大きな影響を与えることを見出した。
本発明は、レンズアレイを複数重ね合わせたセットを作成するにあたり、一次元または二次元に配列された樹脂材料からなる複数のレンズ部を有する該レンズアレイの各レンズ部を精度よく形成すること、及び、同一アレイ上の複数のレンズ部間の距離を精度よく形成すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、
基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを下記材料群A、Bの少なくとも一方の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイであって、
(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、
(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、
(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、
を有し、
少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とするウェハレベルレンズの製造方法である。
材料群A:側鎖に(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基から選ばれる少なくとも1つの有機官能基を有し、かつ、アダマンタン環を含む有機官能基を有するプレポリマーを含む樹脂
材料群B:[R−Si−O3/2]
で表される部分構造を含む、かご型、はしご型、及び又はランダム型のシルセスキオキサン樹脂
Rは各々独立して (メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基を有する有機官能基を表す。
【発明の効果】
【0012】
本発明のウェハレベルレンズの製造方法によれば、基板部とレンズ部が樹脂で一体に成型して得られるウェハレベルレンズを成型する際、具体的には、特定の樹脂材料を用い、かつ、離型工程及びその前後で湿度を制御することにより、樹脂の吸湿によるレンズの膨潤を制御でき、これによりレンズの形状及びレンズ部間の距離の精度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ウェハレベルレンズアレイの構成の一例を示す断面図である。
【図2】レンズモジュールの構成の一例を示す断面図である。
【図3】撮像ユニットの構成の一例を示す断面図である。
【図4】ウェハレベルレンズアレイの基板にレンズを成形するための成形型の構成例を示す図である。
【図5】成形型でウェハレベルレンズアレイを成形する工程を説明する図である。
【図6】ウェハレベルレンズの製造方法の手順を示すフローチャートである。
【図7】成形型からウェハレベルレンズアレイを離型する工程を説明する図である。
【図8】ウェハレベルレンズアレイをダイシングする工程を説明する図である。
【図9】レンズモジュールを製造する手順を示す図である。
【図10】撮像ユニットを製造する手順を示す図である。
【図11】実施例で評価を行ったアレイ上のレンズ間ピッチを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0015】
先ず、ウェハレベルレンズアレイ、レンズモジュールと撮像ユニットの構成について説明する。
【0016】
図1は、ウェハレベルレンズアレイの構成の一例を示す断面図である。
ウェハレベルレンズアレイは、基板部1と、該基板部1に配列された複数のレンズ部10とを備えている。複数のレンズ部10は、基板部1に対して1次元又は2次元に配列されている。以下では、複数のレンズ部10が、基板部1に対して2次元に配列されている構成を例に説明する。レンズ部10は、基板部1と同じ材料から構成され、該基板部1に一体成形されたものである。レンズ部10の形状は、特に限定されず、用途などによって適宜変形される。
レンズ部は、その裏表に所定のレンズ面が形成されている。レンズ裏表の形状は同一であっても異なっていても良い。またレンズ形状は凸の球面に限らず、凹の球面や非球面であってもよく、凸若しくは凹の球面、または非球面を種々に組み合わせることができる。本案では樹脂材料で一体に形成されることにより、基板部の厚み内部に潜り込むようなレンズ形状を採用することも可能となり、レンズ設計の自由度が高まる。
【0017】
図2は、レンズモジュールの構成の一例を示す断面図である。
レンズモジュールは、基板部1と、及び該基板部1に一体成形されたレンズ部10とを含んだ構成であり、例えば図1に示すウェハレベルレンズアレイの基板部1をダイシングし、レンズ部10ごとに分離させたものを用いる。基板部1の一方の面には、レンズ部10の周囲にスペーサ2が設けられている。スペーサ2の作用及び構成については、次に説明する撮像ユニットのものと同じである。
【0018】
図3は、撮像ユニットの構成の一例を示す断面図である。
撮像ユニットは、上述のレンズモジュールと、センサモジュールとを備える。レンズモジュールのレンズ部10は、センサモジュール側に設けられた固体撮像素子Dに被写体像を結像させる。レンズモジュールの基板部1とセンサモジュールの半導体基板Wとが、互いに略同一となるように平面視略矩形状に成形されている。
【0019】
センサモジュールは、半導体基板Wと、半導体基板Wに設けられた固体撮像素子Dを含んでいる。半導体基板Wは、例えばシリコンなどの半導体材料で形成されたウェハを平面視略矩形状に切り出して成形されている。固体撮像素子Dは、半導体基板Wの略中央部に設けられている。固体撮像素子Dは、例えばCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサである。センサモジュールは、チップ化された固体撮像素子Dを配線等が形成された半導体基板上にボンディングした構成とすることができる。または、固体撮像素子Dは、半導体基板Wに対して周知の成膜工程、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程、不純物添加工程等を繰り返し、該半導体基板に電極、絶縁膜、配線等を形成して構成されてもよい。
【0020】
レンズモジュールは、その基板部1がスペーサ2を介してセンサモジュールの半導体基板Wの上に重ね合わされている。レンズモジュールのスペーサ2とセンサモジュールの半導体基板Wとは、例えば接着剤などを用いて接合される。スペーサ2は、レンズモジュールのレンズ部10がセンサモジュールの固体撮像素子D上で被写体像を結像させるように設計され、レンズ部10がセンサモジュールに接触しないように、該レンズ部10と固体撮像素子Dとの間に所定の距離を隔てる厚みで形成されている。
【0021】
スペーサ2は、レンズモジュールの基板部1とセンサモジュールの半導体基板Wとを所定の距離を隔てた位置関係を保持することができる範囲で、その形状は特に限定されず適宜変形することができる。例えば、スペーサ2は、基板の4隅にそれぞれ設けられる柱状の部材であってもよい。また、スペーサ2は、センサモジュールの固体撮像素子Dの周囲を取り囲むような枠状の部材であってもよい。固体撮像素子Dを枠状のスペーサ2によって取り囲むことで外部から隔絶すれば、固体撮像素子Dにレンズを透過する光以外の光が入射しないように遮光することができる。また、固体撮像素子Dを外部から密封することで、固体撮像素子Dに塵埃が付着することを防止できる。
【0022】
なお、図2に示すレンズモジュールは、レンズ部10が形成された基板部1を1つ備えた構成であるが、レンズ部10が形成された基板部1を複数備えた構成としてもよい。このとき、互いに重ね合わされる基板部1同士がスペーサ2を介して組み付けられる。
【0023】
また、レンズ部10が形成された基板部1を複数備えたレンズモジュールの最下位置の基板部1にスペーサ2を介してセンサモジュールを接合して撮像ユニットを構成してもよい。レンズ部10が形成された基板部1を複数備えたレンズモジュール及び該レンズモジュールを備えた撮像ユニットの製造方法については後述する。
【0024】
以上のように構成された撮像ユニットは、携帯端末等に内蔵される図示しない回路基板にリフロー実装される。回路基板には、撮像ユニットが実装される位置に予めペースト状の半田が適宜印刷されており、そこに撮像ユニットが載せられ、この撮像ユニットを含む回路基板に赤外線の照射や熱風の吹付けといった加熱処理が施され、撮像ユニットが回路基板に溶着される。
【0025】
次に、ウェハレベルレンズの製造方法について詳細に説明する。
図4は、ウェハレベルレンズアレイの基板部とレンズ部とを一体成形するための成形型の構成例を示す図である。図4は、成形型の型開き状態を示している。図5は、図4の成形型を用いて、ウェハレベルレンズアレイを成形する工程を示している。図5は成形型の型閉じ状態を示している。
【0026】
図4及び図5に示すように、本構成例の成形型は、上型12と下型14とを備えている。上型12と下型14とで、レンズ部10及び基板部1を構成する樹脂などの材料を挟み込むことで、所定の形状のレンズ部及び基板部を一体成形する。
本発明のウェハレベルレンズセットを構成するウェハレベルレンズアレイの少なくとも1つは、基板部と、該基板部とを後述する樹脂組成物で一体に成形し得られる、モノリシックタイプのウェハレベルレンズアレイであり、成型された基板部にレンズを形成するのではなく、流動性を持った樹脂組成物を型に流し込み、基板部とレンズ部を同時に成型したものである。
【0027】
上型12において、下型14に対向する側の面には、レンズ部10の上側の形状を転写するための凹部12aと、基板部1におけるレンズ部10が成形される領域以外の領域に相当する平坦形状を転写するための平面部12bとが設けられている。
【0028】
下型14において、上型12に対向する側の面には、レンズ部10の下側の形状を転写するための凹部14aと、基板部1におけるレンズ部10が成形される領域以外の領域に相当する平坦形状を転写するための平面部14bとが設けられている。
【0029】
なお、ここでいう「上」及び「下」とは、本構成例を説明する図中の位置関係を示しているのみであり、例えばその位置関係は上下に入れ替えられてもよい。つまり、成形型は、上型12及び下型14のうち一方を第1型、他方を第2型とした場合に、第1型及び第2型を型閉じ状態、型開き状態とすることが可能であればそれらの位置関係は特に限定されない。
【0030】
上型12と下型14とはそれぞれ、型閉じ状態の位置と型開き状態の位置との間で相対的に移動させることができる。つまり、上型12及び下型14のうちの少なくとも一方を他方に対して近づける方法及び遠ざける方向に移動させることができる。
【0031】
型開き状態とは、上型12と下型14とが一定の距離をおいて離間した状態である。また、型閉じ状態とは、上型12と下型14とが接近し、上型12と下型14との間に挟みこんだ成形物に所定の圧力を付与しつつ、型と成形物とが完全に密着している状態をいう。
【0032】
図5に示すように、成形型を型閉じ状態とすることで、上型12の凹部12aと下型14の凹部14aとによってレンズ部10の形状が規定される。成形されるレンズ部10の形状の変更に応じて、成形型の上型12及び下型14の種類が適宜変更されてもよい。
【0033】
レンズ部の材料として紫外線硬化樹脂を使用する場合には、上型12及び下型14のうち、紫外線を照射する側に位置する少なくとも一方を紫外線に対して透明体とする。また、基板部1が紫外線を透過する材質であってもよい。
レンズ部の材料として熱硬化樹脂を使用する場合には、基板部1を上型12及び下型14ごとオーブン等で加熱してもよいし、上型12及び下型14の少なくとも一方をホットプレート等で加熱してもよい。熱硬化樹脂を使用する場合には、型は熱伝導性の高い材料、例えば金属製であることが好ましい。
【0034】
次に、図6に基づいてウェハレベルレンズの製造方法の手順を説明する。なお、以下の説明では、図4及び図5に示す成形型とウェハレベルレンズの構成を適宜参照するものとする。
【0035】
最初に、上型12と下型14とを型開き状態とし、材料を注入する(ステップS1)。
ここでは、材料として熱硬化性の樹脂を用いることとする。
【0036】
材料を注入した後、上型12と下型14とを型閉じ状態とすることで、材料に所定の圧力を加える(ステップS2)。
【0037】
次に、材料に所定の圧力を加えた状態を維持しつつ、材料を加熱することで硬化させる(ステップS3)。材料を加熱する手段としては、例えば、上型12及び下型14の少なくとも一方を熱伝導性の良い金属材料で構成し、ヒータなどの加熱部によって上型12及び下型14を加熱することで、材料に熱を加えてもよい。
【0038】
また、硬化させる際に成形物が収縮するため、この収縮量に応じて上型12及び下型14で成形物に加える圧力を調整してもよい。
圧力はレンズ形状の転写精度とレンズの機械的な破損(割れ)のバランスをみて適宜調整されるが、一般的に100kgf〜600kgfであり、好ましくは300〜450kgfである。
【0039】
硬化後、上型12及び下型14を型開き状態とする(ステップS4)。この構成例では、上型12は、下型14と比較して、ウェハレベルレンズを離型させやすいことを想定しているため、型開きの動作に応じて離型させることができる。
【0040】
次に、下型14からウェハレベルレンズを離型させる(ステップS5)。
【0041】
図7は、ウェハレベルレンズを離型させる手段の一例を示している。この例では、ウェハレベルレンズの上面に吸着部32を吸着させ、上方へ引っ張ることで、ウェハレベルレンズを下型1から離型させ、型の間から取り出す。
吸着部32は、例えば、空気吸引を行って負圧を生じさせることでウェハレベルレンズの上面に密着する構成である。吸着部32は、1つのウェハレベルレンズに対して複数設けられ、各吸着部32がウェハレベルレンズにおける、レンズ部10が形成された領域以外の平坦領域に密着するように配置されている。レンズ部10に吸着部32が接触することがないため、変形などの損傷が生じることを回避できる。
複数の吸着部32をウェハレベルレンズの上面に密着させた状態で、ウェハレベルレンズを上方に持ち上げることで、下型12からウェハレベルレンズを離型させることができる。
こうして、上型12及び下型14によって一体成形されたウェハレベルレンズを得ることができる。
【0042】
次に、ウェハレベルレンズアレイを用いて、更に、レンズモジュール及び撮像ユニットを製造する手順を説明する。
【0043】
図8は、ウェハレベルレンズアレイをダイシングする工程を説明する図である。同図(a)に示すように、ウェハレベルレンズアレイの基板1の一方の表面(同図では下方の面)にスペーサ2が接合される。そして、同図(b)に示すように、ウェハレベルレンズアレイの基板部1と、該基板部1と同様にウェハ状に形成された半導体基板Wとの位置合わせが行われる。半導体基板Wの一方の面(同図では上側の面)には、基板部1に設けられた複数のレンズ部10の配列と同じ配列で固体撮像素子Dが設けられている。そして、ウェハレベルレンズアレイの基板部1がスペーサ2を介して、該基板部1と同様にウェハ状に形成された半導体基板Wに重ね合わされ、一体に接合される。その後、一体とされたウェハレベルレンズアレイ及び半導体基板W並びにスペーサ2は、レンズ部10及び固体撮像素子Dそれぞれの配列の列間に規定される切断ラインに沿って、ブレードC等の切断手段を用いて切断され、複数の撮像ユニットに分離される。切断ラインは、例えば基板部1の平面視において格子状である。
【0044】
なお、同図では、撮像ユニットを製造する際のダイジングを例に説明しているが、複数のレンズを積層したレンズセットを用いる場合も同様に積層後にダイジングできる。レンズモジュールを製造する際のダイジングは、ウェハレベルレンズアレイの基板部1にスペーサ2を接合した後、半導体基板Wに接合させないで、レンズ部10の配列に応じて切断し、複数のレンズモジュールに分離する。
【0045】
図9は、レンズモジュールを製造する手順を示す図である。この手順では、2つの基板部1と、各基板部1に複数のレンズ部10が一体成形されたウェハレベルレンズアレイをダイジングし、複数のレンズモジュールに分離する例を説明する。
【0046】
先ず、同図(a)に示すように、複数のウェハレベルレンズアレイを準備する。ウェハレベルレンズアレイは、既に上述した手順で製造することができ、以下の説明では、その手順については説明することなく省略する。複数のウェハレベルレンズアレイの各基板部1の一方の面にスペーサ2を接着剤などによって接合する。そして、重ね合わせるウェハレベルレンズアレイの基板部1同士の位置合わせを行い、下方に配置するウェハレベルレンズアレイの基板部1の上面に、上方に配置するウェハレベルレンズアレイの基板部1の下面を、スペーサ2を介して接合する。ウェハレベルレンズアレイ同士を重ね合わせた状態で、各基板部1に対してスペーサ2が接合された位置が、各基板部1で同じになるようにする。
【0047】
そして、同図(b)に示すように、ウェハレベルレンズアレイの基板部1を、図中点線で示される切断ラインに沿って切断し、複数のレンズモジュールに分離する。このとき、各切断ライン上に重なり合って接合されているスペーサ2も同時に切断され、各切断ラインを境界として分割されたスペーサ2が、各切断ラインに隣接するレンズモジュールにそれぞれ付属する。こうして、複数のレンズ部10を備えたレンズモジュールが完成する。
この手順では、重ね合わされるそれぞれの基板部1に対するレンズ部10及びスペーサ2の位置が同じであるため、分離された複数のレンズモジュールの構成はいずれも同じになる。また、重ね合わされるそれぞれの基板部1のうち、最上部の基板部1を基準に切断ラインの位置を決定し、切断すればよい。
【0048】
なお、分離されたレンズモジュールは、スペーサ2を介して図示しないセンサモジュールやその他の光学素子を備えた基板に組み付けられてもよい。
【0049】
このように、複数のウェハレベルレンズアレイ同士をスペーサを介して重ね合わせ、その後に、ウェハレベルレンズアレイの基板部1をスペーサ2ごとダイシング工程で切断すれば、分離されたレンズモジュールを個別に重ね合わせる場合に比べて、効率よくレンズモジュールを量産することができ、生産性が向上する。
【0050】
図10は、撮像ユニットを製造する手順を示す図である。この手順では、2つの基板部1と各基板部1に複数のレンズ部10が一体成形されたウェハレベルレンズアレイを、固体撮像素子が設けられた半導体基板に接合してダイジングし、それぞれが2つのレンズ部10を備えた複数の撮像ユニットに分離する例を説明する。
【0051】
先ず、同図(a)に示すように、2つのウェハレベルレンズアレイを準備する。ウェハレベルレンズアレイは、既に上述した手順で製造することができ、以下の説明では、その手順については説明することなく省略する。そして、重ね合わせる2つの基板部1それぞれの下側の面にスペーサ2を接着剤などによって接合する。そして、重ね合わせるウェハレベルレンズアレイの基板部1同士の位置合わせを行い、下方に配置するウェハレベルレンズアレイの基板部1の上面に、上方に配置するウェハレベルレンズアレイの基板部1の下面を、スペーサ2を介して接合する。ウェハレベルレンズアレイ同士を重ね合わせた状態で、各基板部1に対してスペーサ2が接合された位置が、各基板部1で同じになるようにする。
【0052】
次に、複数の固体撮像素子Dが配列された半導体基板Wを準備する。重ね合わされた状態の複数のウェハレベルレンズアレイの基板部1と、半導体基板Wとの位置合わせを行う。その後、最下部に位置する該基板部1を、スペーサ2を介して半導体基板Wの上側の面に接合する。このとき、基板部1に設けられた各レンズ部10の光軸の延長が固体撮像素子Dの中央部とそれぞれ交わるようにする。
【0053】
そして、同図(c)に示すように、ウェハレベルレンズアレイの基板部1と半導体基板Wとを接合した後、基板部1及び半導体基板Wを、図中点線で示される切断ラインに沿って切断し、複数の撮像ユニットに分離する。このとき、各切断ライン上に重なり合って接合されているスペーサ2も同時に切断され、スペーサ2は、各切断ラインを境界として分割され、各切断ラインに隣接する撮像ユニットにそれぞれ付属する。こうして、複数のレンズ部10を備えた撮像ユニットが完成する。
【0054】
このように、複数のウェハレベルレンズアレイ同士をスペーサ2を介して接合しておき、その後に、最下部のウェハレベルレンズアレイの基板部1と固体撮像素子Dを備えた半導体基板Wを重ね合わせて、基板部1及び半導体基板Wをダイシング工程で一緒に切断している。このような手順によれば、分離されたレンズモジュール同士を重ね合わせ、更に、各レンズモジュールとセンサモジュールとを接合していくことで各撮像ユニットを製造する場合に比べて、効率良く撮像ユニットを量産することができ、生産性を向上することができる。
【0055】
<湿度調整>
本発明のウェハレベルレンズの製造方法は、
(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、
(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、
(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、
(エ)複数の該基板同士を重ね合わせる工程と、
を有し、
少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とする。
工程(ウ)以外にも、(イ)の硬化工程や、(エ)の複数の該基板同士を重ね合わせる工程においても、相対湿度40%以下に管理することが好ましい。また、これらの工程が連続して行われず、例えば工程間で保管や冷却される場合などにおいても、その間は相対湿度40%以下に管理されることが好ましい。また、工程(エ)以降は、別の層と固定化されることで変形が生じにくくなるため、工程(ウ)の前後、特に離型からレンズアレイを別のレンズアレイ又は基板と重ね合わせるまでの間の湿度を管理することが効果的である。
これらの工程において、相対湿度は30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。また、経済性の観点から、相対湿度は5%以上であることが好ましい。
【0056】
相対湿度40%以下とするには、当該工程が人為的な湿度を制御する手段の管理下で行われることが好ましい。具体的には、これらの工程を行う空間をドライヤーやエアーコンディショナー等の除湿装置を用いて除湿することが好ましい。
【0057】
また、工程(ウ)の直後(工程(エ)を含む場合はその前)に、(オ)ウェハレベルレンズアレイに、吸水率0.7%以下の有機または無機材料によりコーティングを施す工程を有することも好ましい。本発明において、吸水率はサンプルを粉末にし、25℃相対湿度80の環境下において24時間静置して吸水させた後、カールフィッシャー法により測定した水分重量を元のサンプル重量で割った値である。
コーティングは、透湿性が低いものが好ましい。コーティングする材料及びコーティング方法としては、公知のものが適用でき、例えば特開2001−247821号公報に記載のものが適用可能である。
【0058】
<樹脂>
本発明のウェハレベルレンズの製造方法においては、ウェハレベルレンズアレイの少なくとも1つが、基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを下記材料群A、Bの少なくとも一方の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイである。
材料群A:側鎖に(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基から選ばれる少なくとも1つの有機官能基を有し、かつ、アダマンタン環を含む有機官能基を有するプレポリマーを含む樹脂
材料群B:[R−Si−O3/2]n
で表される部分構造を含む、かご型、はしご型、及び又はランダム型のシルセスキオキサン樹脂
Rは各々独立して (メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基を有する有機官能基を表す。
nは正の整数を表し、8,10,12,又は14が好ましい。
【0059】
Rにおける有機官能基を有する基は、アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基自体、或いはこれらがアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、又はこれらの組み合わせた基等の有機基に置換した基が挙げられる。Rは好ましくは炭素数3〜10の基である。
【0060】
材料群Aの樹脂は、プレポリマーを含むため、硬化時の反応点が少なく、硬化収縮が比較的少ない。またアダマンタン環を含み、耐熱性が高い。
材料群Bの樹脂は、シルセスキオキサン構造を含むため、耐熱性、硬度等の特性が非常に高く、吸水性も低い。
樹脂組成物は、材料群A、Bの両方の樹脂を含んでいてもよく、更に他の樹脂を癌結いしていてもよい。その場合、材料群Aの樹脂を好ましくは樹脂全体の1〜99質量%、より好ましくは樹脂全体の5〜95質量%、最も好ましくは樹脂全体の10〜90質量%含有していることが好ましい。また材料群Bの樹脂を好ましくは樹脂全体の1〜99質量%、より好ましくは樹脂全体の5〜95質量%、最も好ましくは樹脂全体の10〜90質量%含有していることが好ましい。
【0061】
本発明において使用できる樹脂材料としては、上述の材料群A・Bの少なくともいずれかの構成を有し、かつエネルギー硬化性の樹脂組成物を好適に用いることができる。エネルギー硬化性の樹脂組成物は、熱により硬化する樹脂組成物、あるいは活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)の照射により硬化する樹脂組成物のいずれであってもよい。樹脂材料は活性エネルギー線硬化性と共に熱硬化性を有する樹脂であることも好ましい。
このような樹脂材料としては、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂やアクリル樹脂、または光硬化性のエポキシ樹脂やアクリル樹脂、またはこれらの混合物が使用できる。
樹脂材料は、モールド形状の転写適性等、成形性の観点から硬化前には適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には常温で液体であり、粘度が1000〜50000mPa・s程度のものが好ましい。
【0062】
また、樹脂材料は、硬化後にはリフロー工程を通しても熱変形しない程度の耐熱性を有していることが好ましい。該観点から、硬化物のガラス転移温度は200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。樹脂材料にこのような高い耐熱性を付与するためには、分子レベルで運動性を束縛することが必要であり、有効な手段としては、(1)単位体積あたりの架橋密度を上げる手段、(2)剛直な環構造を有する樹脂を利用する手段(例えばシクロヘキサン、ノルボルナン、テトラシクロドデカン等の脂環構造、ベンゼン、ナフタレン等の芳香環構造、9,9’-ビフェニルフルオレン等のカルド構造、スピロビインダン等のスピロ構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平9−137043号公報、同10−67970号公報、特開2003−55316号公報、同2007−334018号公報、同2007−238883号公報等に記載の樹脂)、(3)無機微粒子など高Tgの物質を均一に分散させる手段(例えば特開平5−209027号公報、同10−298265号公報等に記載)等が挙げられる。これらの手段は複数併用してもよく、流動性、収縮率、屈折率特性など他の特性を損なわない範囲で調整することが好ましい。
【0063】
また、樹脂材料は、形状転写精度の観点からは硬化反応による体積収縮率が小さい樹脂組成物が好ましい。樹脂組成物の硬化収縮率としては10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。
硬化収縮率の低い樹脂組成物としては、例えば(1)高分子量の硬化剤(プレポリマ−など)を含む樹脂組成物(例えば特開2001−19740号公報、同2004−302293号公報、同2007−211247号公報等に記載、高分子量硬化剤の数平均分子量は200〜100,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは500〜50,000の範囲であり、特に好ましくは1,000〜20,000の場合である。また該硬化剤の数平均分子量/硬化反応性基の数で計算される値が、50〜10,000の範囲にあることが好ましく、100〜5,000の範囲にあることがより好ましく、200〜3,000の範囲にあることが特に好ましい。)、(2)非反応性物質(有機/無機微粒子,非反応性樹脂等)を含む樹脂組成物(例えば特開平6−298883号公報、同2001−247793号公報、同2006−225434号公報等に記載)、(3)低収縮架橋反応性基を含む樹脂組成物(例えば、開環重合性基(例えばエポキシ基(例えば、特開2004−210932号公報等に記載)、オキセタニル基(例えば、特開平8−134405号公報等に記載)、エピスルフィド基(例えば、特開2002−105110号公報等に記載)、環状カーボネート基(例えば、特開平7−62065号公報等に記載)等)、エン/チオール硬化基(例えば、特開2003−20334号公報等に記載)、ヒドロシリル化硬化基(例えば、特開2005−15666号公報等に記載)等)、(4)剛直骨格樹脂(フルオレン、アダマンタン、イソホロン等)を含む樹脂組成物(例えば、特開平9−137043号公報等に記載)、(5)重合性基の異なる2種類のモノマーを含み相互貫入網目構造(いわゆるIPN構造)が形成される樹脂組成物(例えば、特開2006−131868号公報等に記載)、(6)膨張性物質を含む樹脂組成物(例えば、特開2004−2719号公報、特開2008−238417号公報等に記載)等を挙げることができ、本発明において好適に利用することができる。また上記した複数の硬化収縮低減手段を併用すること(例えば、開環重合性基を含有するプレポリマーと微粒子を含む樹脂組成物など)が物性最適化の観点からは好ましい。
【0064】
また、重ね合わされる複数枚のウェハレベルレンズアレイが、互いに組成の異なる樹脂組成物からなることも好ましい。例えば、高−低2種類以上のアッベ数の異なる樹脂の混合物であることが望まれ、アッベ数が20以上異なる複数の樹脂材料を含有することが好ましい。高アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり特に好ましくは60以上である。屈折率(nd)は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、特に好ましくは1.57以上である。このような樹脂としては、脂肪族の樹脂が好ましく、特に脂環構造を有する樹脂(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等の環構造を有する樹脂、具体的には例えば、特開平10−152551号公報、特開2002−212500号公報、同2003−20334号公報、同2004−210932号公報、同2006−199790号公報、同2007−2144号公報、同2007−284650号公報、同2008−105999号公報等に記載の樹脂)が好ましい。低アッベ数側の樹脂は、アッベ数(νd)が30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり特に好ましくは20以下である。屈折率(nd)は1.60以上であることが好ましく、より好ましくは1.63以上であり、特に好ましくは1.65以上である。このような樹脂としては芳香族構造を有する樹脂が好ましく、例えば9,9’−ジアリールフルオレン、ナフタレン、ベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール等の構造を含む樹脂(具体的には例えば、特開昭60−38411号公報、特開平10−67977号公報、特開2002−47335号公報、同2003−238884号公報、同2004−83855号公報、同2005−325331号公報、同2007−238883号公報、国際公開2006/095610号公報、特許第2537540号公報等に記載の樹脂等)が好ましい。
【0065】
また、樹脂材料には、屈折率を高めたり、アッベ数を調整したりするために、無機微粒子をマトリックス中に分散させることが好ましい。無機微粒子としては、例えば、酸化物微粒子、硫化物微粒子、セレン化物微粒子、テルル化物微粒子が挙げられる。より具体的には、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化イットリウム、硫化亜鉛等の微粒子を挙げることができる。特に上記高アッベ数の樹脂に対しては、酸化ランタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましく、低アッベ数の樹脂に対しては、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム等の微粒子を分散させることが好ましい。無機微粒子は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、複数の成分による複合物であってもよい。また、無機微粒子には光触媒活性低減、吸水率低減などの種々の目的から、異種金属をドープしたり、表面層をシリカ、アルミナ等異種金属酸化物で被覆したり、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、有機酸(カルボン酸類、スルホン酸類、リン酸類、ホスホン酸類等)又は有機酸基を持つ分散剤などで表面修飾してもよい。無機微粒子の数平均粒子サイズは通常1nm〜1000nm程度とすればよいが、小さすぎると物質の特性が変化する場合があり、大きすぎるとレイリー散乱の影響が顕著となるため、1nm〜15nmが好ましく、2nm〜10nmが更に好ましく、3nm〜7nmが特に好ましい。また、無機微粒子の粒子サイズ分布は狭いほど望ましい。このような単分散粒子の定義の仕方はさまざまであるが、例えば、特開2006−160992号に記載されるような数値規定範囲が好ましい粒径分布範囲に当てはまる。ここで上述の数平均1次粒子サイズとは、例えばX線回折(XRD)装置あるいは透過型電子顕微鏡(TEM)などで測定することができる。無機微粒子の屈折率としては、22℃、589nmの波長において、1.90〜3.00であることが好ましく、1.90〜2.70であることが更に好ましく、2.00〜2.70であることが特に好ましい。無機微粒子の樹脂に対する含有量は、透明性と高屈折率化の観点から、5質量%以上であることが好ましく、10〜70質量%が更に好ましく、30〜60質量%が特に好ましい。
【0066】
樹脂材料に微粒子を均一に分散させるためには、例えばマトリックスを形成する樹脂モノマーとの反応性を有する官能基を含む分散剤(例えば特開2007−238884号公報実施例等に記載)、疎水性セグメント及び親水性セグメントで構成されるブロック共重合体(例えば特開2007−211164号公報に記載)、あるいは高分子末端又は側鎖に無機微粒子と任意の化学結合を形成しうる官能基を有する樹脂(例えば特開2007−238929号公報、特開2007−238930号公報等に記載)等を適宜用いて微粒子を分散させることが望ましい。
【0067】
また、また、樹脂材料には、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル基含有化合物等の公知の離型剤やヒンダードフェノール等の酸化防止剤等の添加剤が適宜配合されていてもよい。
【0068】
また、樹脂材料には、必要に応じて硬化触媒又は開始剤を配合することができる。具体的には、例えば特開2005−92099号公報(段落番号〔0063〕〜〔0070〕)等に記載の熱又は活性エネルギー線の作用により硬化反応(ラジカル重合あるいはイオン重合)を促進する化合物を挙げることができる。これらの硬化反応促進剤の添加量は、触媒や開始剤の種類、あるいは硬化反応性部位の違いなどによって異なり一概に規定することはできないが、一般的には硬化反応性樹脂組成物の全固形分に対して0.1〜15質量%程度が好ましく、0.5〜5質量%程度がより好ましい。
【0069】
樹脂材料は、上記成分を適宜配合して製造することができる。この際、液状の低分子モノマー(反応性希釈剤)等に他の成分を溶解することができる場合には別途溶剤を添加する必要はないが、このケースに当てはまらない場合には溶剤を用いて各構成成分を溶解することにより硬化性樹脂組成物を製造することができる。該硬化性樹脂組成物に使用できる溶剤としては、組成物が沈殿することなく、均一に溶解又は分散されるものであれば特に制限はなく適宜選択することができ、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、エーテル類(例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール等)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン等)、水等を挙げることができる。硬化性組成物が溶剤を含む場合には溶剤を乾燥させた後にモールド形状転写操作を行うことが好ましい。
【0070】
本明細書は以下の内容を開示する。
1.
基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを下記材料群A、Bの少なくとも一方の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイの製造方法であって、
(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、
(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、
(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、
(エ)複数の該基板同士を重ね合わせる工程と、
を有し、
少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法。
材料群A:側鎖に(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基から選ばれる少なくとも1つの有機官能基を有し、かつ、アダマンタン環を含む有機官能基を有するプレポリマーを含む樹脂
材料群B:[R−Si−O3/2]
で表される部分構造を含む、かご型、はしご型、及び又はランダム型のシルセスキオキサン樹脂
Rは各々独立して (メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基を有する有機官能基を表す。
2.
上記1に記載のウェハレベルレンズセットの製造方法であって、少なくとも該工程(ウ)が、湿度を制御する手段の管理下で行われることを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法
3.
上記1または2に記載の方法で得られたウェハレベルレンズを複数重ね合わせる工程を有し、重ね合わされる複数枚のウェハレベルレンズアレイが、互いに組成の異なる樹脂組成物からなることを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法。
4.
上記1〜3のいずれかに記載のウェハレベルレンズ又はウェハレベルレンズセットの製造方法であって、工程(ウ)の直後に、(オ)ウェハレベルレンズアレイに吸水率0.7%以下の有機または無機材料によりコーティングを施す工程を有することを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法。
5.
上記1、2又は4のいずれかに記載のウェハレベルレンズセットの製造方法によって得られるウェハレベルレンズアレイ。
6.
上記5に記載の前記ウェハレベルレンズアレイを複数積層し、ダイシングして、前記レンズごとに分断してなるレンズモジュール。
【実施例】
【0071】
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0072】
[使用樹脂]
硬化性樹脂として、メチルメタクリレート及びグリシジルメタクリレートを70:30重量比でランダム共重合したプレポリマー35重量部、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン (東亜合成株式会社製 アロンオキセタンOXT−221)56重量部、シルセスキオキサン誘導体OX−SQ Tx−100(東亜合成株式会社製)5重量部、光酸発生剤としてCPI−100p(サンアプロ株式会社製)4重量部からなる樹脂組成物を用いた。
【0073】
[使用型]
厚さ1.0mm、直径80.0mmの石英ガラス基板に、ウェットエッチングによりΦ2.0mmの凸レンズに対応するくぼみを面内に20.0mm間隔で形成した。さらに樹脂と型とするガラス基板の離型性を改良するために、エッチング処理を施した後にシランカップリング剤を用いて表面をフッ素化処理し、1対のガラス製の型部材を作成した。
【0074】
[硬化方法]
上述の型の上にレンズ部位と基板部が満たされるように光硬化性樹脂をディスペンサ(super Σx:武蔵エンジニアリング社製)を用いて滴下し、700μmのスペーサーを外周部に設置した後、もう一方の型部材を載せて、加圧しながらUV露光を行った。その後、離型〜評価までを、加湿機、除湿機、冷凍機からなる可変恒温恒湿室(TABAI ESPEC社製)を用い、相対湿度20%(実施例2),40%(実施例1)、50%(比較例2),80%(比較例1)の各環境(温度は25℃で統一)で行った。評価は離型から24時間後に行った。
【0075】
[UV露光装置]
UV露光装置としては超高圧水銀灯を有するプロキシミティー型露光機(日立電子エンジニアリング株式会社製)を用いて、主波長365nm、露光量70mJ/cm2で露光を行った。またパターン露光を行う場合、レンズ部位以外を遮光部とした石英露光マスクを型部材の上に直接設置し、パターン露光を行った。
【0076】
[評価装置]
成形したレンズアレイ基板のレンズピッチ測定には、レーザー変位計(LT−9000:キーエンス社製)を用いて作製した基板の面内の厚み分布を測定することでレンズ頂点部間の距離を測定した。また同様の手法を用いて、型部材のピッチ間隔を事前に測定している。同条件で作製したレンズアレイ基板を3枚作製し、型部材のピッチ間隔との差をバラツキとして評価した。また一枚のレンズアレイ基板上で、図11のa〜hに示すように計8箇所のレンズ間の距離(ピッチ)の測定を行った。
【0077】
[結果比較]
結果を下記の表に示す。実施例1、2は、比較例1、2と比較して、各アレイ内でのピッチ均一性も、製造した複数のアレイ間でのピッチ均一性も高いことがわかる。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを下記材料群A、Bの少なくとも一方の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイであり、
(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、
(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、
(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、
を有し、
少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とするウェハレベルレンズの製造方法。
材料群A:側鎖に(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基から選ばれる少なくとも1つの有機官能基を有し、かつ、アダマンタン環を含む有機官能基を有するプレポリマーを含む樹脂
材料群B:[R−Si−O3/2]
で表される部分構造を含む、かご型、はしご型、及び又はランダム型のシルセスキオキサン樹脂
Rは各々独立して (メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基を有する有機官能基を表す。
【請求項2】
請求項1に記載のウェハレベルレンズの製造方法であって、少なくとも該工程(ウ)が、湿度を制御する手段の管理下で行われることを特徴とするウェハレベルレンズの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法で得られたウェハレベルレンズを複数重ね合わせる工程(エ)を有し、重ね合わされる複数枚のウェハレベルレンズアレイが、互いに組成の異なる樹脂組成物からなることを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のウェハレベルレンズ又はウェハレベルレンズセットの製造方法であって、工程(ウ)の直後に、(オ)ウェハレベルレンズアレイに吸水率0.7%以下の有機または無機材料によりコーティングを施す工程を有することを特徴とするウェハレベルレンズ又はウェハレベルレンズセットの製造方法。
【請求項5】
請求項1、2又は4のいずれかに記載のウェハレベルレンズの製造方法によって得られるウェハレベルレンズアレイ。
【請求項6】
請求項5に記載の前記ウェハレベルレンズアレイを複数積層し、ダイシングして、前記レンズごとに分断してなるレンズモジュール。
【請求項1】
基板部と、該基板部に配列された複数のレンズ部からなるウェハレベルレンズアレイを下記材料群A、Bの少なくとも一方の樹脂を含む樹脂組成物を一体に成形し得られるウェハレベルレンズアレイであり、
(ア)一対の型部材の間に前記樹脂を供給する工程と、
(イ)前記一対の型部材の間で前記樹脂組成物を挟み込んだ状態で成形し硬化させる工程と、
(ウ)硬化させた該成形物を離型する工程と、
を有し、
少なくとも該工程(ウ)を相対湿度40%以下とすることを特徴とするウェハレベルレンズの製造方法。
材料群A:側鎖に(メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基から選ばれる少なくとも1つの有機官能基を有し、かつ、アダマンタン環を含む有機官能基を有するプレポリマーを含む樹脂
材料群B:[R−Si−O3/2]
で表される部分構造を含む、かご型、はしご型、及び又はランダム型のシルセスキオキサン樹脂
Rは各々独立して (メタ)アクリロイル基、グリシジル基、オキセタニル基、又はビニル基を有する有機官能基を表す。
【請求項2】
請求項1に記載のウェハレベルレンズの製造方法であって、少なくとも該工程(ウ)が、湿度を制御する手段の管理下で行われることを特徴とするウェハレベルレンズの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法で得られたウェハレベルレンズを複数重ね合わせる工程(エ)を有し、重ね合わされる複数枚のウェハレベルレンズアレイが、互いに組成の異なる樹脂組成物からなることを特徴とするウェハレベルレンズセットの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載のウェハレベルレンズ又はウェハレベルレンズセットの製造方法であって、工程(ウ)の直後に、(オ)ウェハレベルレンズアレイに吸水率0.7%以下の有機または無機材料によりコーティングを施す工程を有することを特徴とするウェハレベルレンズ又はウェハレベルレンズセットの製造方法。
【請求項5】
請求項1、2又は4のいずれかに記載のウェハレベルレンズの製造方法によって得られるウェハレベルレンズアレイ。
【請求項6】
請求項5に記載の前記ウェハレベルレンズアレイを複数積層し、ダイシングして、前記レンズごとに分断してなるレンズモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−113074(P2011−113074A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272506(P2009−272506)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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