説明

ウェーハ運搬装置

【課題】半導体生産ラインでウェーハの運搬時にウェーハを保管及び運搬するに用いられるウェーハ運搬装置に離脱防止装置を取り付けることで、墜落などでウェーハが破損されることを未然に防止することのできるウェーハ運搬装置を提供する。
【解決手段】内部の側面に複数のウェーハ挿入溝が形成されており、前面にウェーハ102の出入が可能なように開口部が形成された本体100と、前記本体100の前面に上下に移動可能に装着され、前記挿入溝との相対的な位置が異なるようにすることで、前記挿入溝を開閉させるための離脱防止装置120と、前記離脱防止装置120に連結されて、前記挿入溝に対する前記離脱防止装置120の相対的な位置を変更させる手段130とを含むこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウェーハ運搬装置に関し、より具体的には半導体生産ラインでウェーハの運搬時にウェーハを保管及び運搬するに用いられるウェーハ運搬装置に離脱防止装置を取り付けることで、墜落などでウェーハが破損されることを未然に防止することのできるウェーハ運搬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウェーハ運搬装置は、前面にウェーハの出入が可能なように開口部が形成されており、内部の側面にはウェーハを保管できる挿入溝が形成されており、その上部にはウェーハ運搬のための取っ手が形成されている。
【0003】
しかし、何らの安全装置が前記開口部に備えられていないため、作業者間の衝突などによって運搬中にウェーハが運搬装置から離脱して墜落するなどの事故の危険があった。
【0004】
このような問題点を解決するための方案として、図1に示した大韓民国登録実用新案第121642号のウェーハ運搬装置が提案された。前記ウェーハ運搬装置は、側面板8の挿入側の上下部に形成された挿入孔9、前記挿入孔9に回転可能に設置され、側面板の内側と外側に選択的に位置する離脱防止環10、前記挿入孔9と通ずるように形成され、離脱防止環の下端部が嵌め込まれる解除溝11及び制御溝12、前記側面板に形成された挿入孔9のうち、上部挿入孔に設置され、離脱防止環を上方向に押し上げるスプリングで構成されている。
【0005】
しかしながら、前記ウェーハ運搬装置は、ウェーハが離脱することを予防する効果があるものの、構造が複雑で多くの製造費用がかかるばかりでなく、使用時別途の操作過程、即ち、前記離脱防止環10を前記挿入孔9に移動及び回転させた後、前記制御溝12に嵌め込まなければならない複雑な過程が必要であった。
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録実用新案第121642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために案出されたもので、ウェーハ挿入溝の開閉のための離脱防止装置の位置を変更するための手段が備えられることで、単純な操作だけでもウェーハ運搬時にその離脱を防止することのできるウェーハ運搬装置を提供することにその目的がある。
【0008】
他の目的として、ウェーハが収容されたウェーハ運搬装置を移動させるために、前記運搬装置の上部に位置した取っ手を持つだけでも自然に前記離脱防止装置の位置を変更して、前記ウェーハ挿入溝を閉鎖させることのできるウェーハ運搬装置を提供することにある。
【0009】
また他の目的として、構成が簡単で製作費用が最小化され、既存のウェーハ運搬装置にも適用することのできるウェーハ運搬装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係るウェーハ運搬装置は、内部の側面に複数のウェーハ挿入溝が形成されており、前面にウェーハの出入が可能なように開口部が形成された本体と、前記本体の前面に上下に移動可能に装着され、前記挿入溝との相対的な位置が異なるようにすることで、前記挿入溝を開閉させるための離脱防止装置と、前記離脱防止装置に連結されて、前記挿入溝に対する前記離脱防止装置の相対的な位置を変更させる手段とを含むことを特徴とする。
【0011】
前記変更手段として、ボタン及び前記ボタンの動きによって前記離脱防止装置の位置を変更させるメカニズムを含むことが好ましい。
【0012】
本発明のウェーハ運搬装置は、前記本体の上部に形成された取っ手をさらに含み、前記ボタンは前記取っ手に位置することが好ましい。
【0013】
前記変更手段の前記位置変更メカニズムは、前記ボタンと前記離脱防止装置とを連結する連結口、及び前記ウェーハ挿入溝が開放されるように、前記離脱防止装置の相対的な位置を維持させるためのスプリングを含むことが好ましい。
【0014】
前記離脱防止装置は、前記ウェーハ挿入溝が開放された状態となるように前記スプリングによってその位置が維持され、前記ボタンが押される間には、前記連結口を介してその位置が変わることで、前記ウェーハ挿入溝を閉鎖させることが好ましい。
【0015】
前記離脱防止装置は、前記挿入溝が形成された前記本体の内部側面の側端面と実質的に同一の形状を有することが好ましい。
【0016】
前記離脱防止装置は、複数の梯形の突出部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明のウェーハ運搬装置は、単純な操作だけによってもウェーハ運搬時にその離脱を防止することができ、例えば、ウェーハが収容されたウェーハ運搬装置を移動させるために、前記運搬装置の上部に位置した取っ手を持つだけでも前記ウェーハ挿入溝を閉鎖させ、ウェーハの離脱を防止することができる。
【0018】
また、本発明のウェーハ運搬装置は、その構成が簡単で製作費用が最小化され、既存のウェーハ運搬装置にも適用することができるという長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
図2は本発明に係るウェーハ運搬装置の斜視図である。図面を参照してその構成を説明すると、内部の側面に多数のウェーハ挿入溝が形成されており、前面にウェーハの出入が可能なように開口部が形成された本体100、前記本体100の前面に上下に移動可能に装着され、前記挿入溝との相対的な位置が異なるようにすることで、前記挿入溝を開閉させるための離脱防止装置120、及び前記離脱防止装置120に連結されて、前記挿入溝に対する前記離脱防止装置120の相対的な位置を変更させる手段を備えてなる。
【0021】
本発明の好適な実施の形態によるウェーハ運搬装置は、前記位置変更手段としてボタン130、前記ボタン130の動きによって前記離脱防止装置120の位置が変更するようにこれらを連結させる連結口140(図3及び図4に示す)、及び前記ウェーハ挿入溝が開放状態で維持されるように、前記離脱防止装置120の相対的な位置を維持させるためのスプリング150を含む。
【0022】
本発明の好適な実施の形態において、前記スプリング150は、前記本体100の下端に位置して、前記離脱防止装置120に連結されているが、前記本体100の上端に位置しても良い。また、前記本体100の上部には取っ手110が形成されており、前記ボタン130が前記取っ手110の下部に装着されている。使用上の便宜のため、前記ボタン130は前記取っ手110の何れの部分にも装着され得ることは勿論である。
【0023】
一方、本発明の好適な実施の形態による前記離脱防止装置120は、前記挿入溝が形成された前記本体100の側面の側端面と実質的に同一の形状を有する。即ち、前記離脱防止装置120は、多数の梯形の突出部121(図3及び図4に示す)を含む。
【0024】
図3は本発明に係るウェーハ運搬装置の平常時の状態を示す作動状態図で、図4は本発明に係るウェーハ運搬装置の運搬時の状態を示す作動状態図である。
【0025】
図3を参照して説明すると、前記離脱防止装置120が前記スプリング150によって下降した状態である。拡大した部分を見てみると、前記離脱防止装置120の突出部121と、前記ウェーハ挿入溝の山101とが重なっており、前記ウェーハ挿入溝が開放された状態で維持されている。この際、ウェーハ102の挿入/搬出が可能となる。
【0026】
図4を参照して説明すると、ユーザーが前記取っ手110を取り、本発明のウェーハ運搬装置を運搬する状態である。前記取っ手110の下部には前記ボタン130が位置しており、ユーザーが前記取っ手110を取ってウェーハ運搬装置を運搬する場合、前記ボタン130に力が加えられつつ押される。前記ボタン130が押される間、前記連結口140を介して前記離脱防止装置120が上昇する。このために通常的な機械的メカニズムが用いられる。
【0027】
拡大した部分を見てみると、前記離脱防止装置120の前記突出部121が前記ウェーハ挿入溝の山101とずれて位置し、前記ウェーハ挿入溝を閉鎖させる。従って、内部に挿入されたウェーハ102は前記ウェーハ運搬装置の外部に離脱しなくなる。
【0028】
運搬が完了して、前記ウェーハ運搬装置を下ろしながら前記取っ手110から手を離すと、前記離脱防止装置120がそれに連結されたスプリング150の復元力によって下降し、これによって前記ウェーハ挿入溝は開放され、ウェーハ102の挿入/搬出が再び可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来技術に係るウェーハ運搬装置の分解斜視図である。
【図2】本発明に係るウェーハ運搬装置の斜視図である。
【図3】本発明に係るウェーハ運搬装置の平常時の状態を示す作動状態図である。
【図4】本発明に係るウェーハ運搬装置の運搬時の状態を示す作動状態図である。
【符号の説明】
【0030】
100 本体
101 ウェーハ挿入溝の山
102 ウェーハ
110 取っ手
120 離脱防止装置
130 ボタン
140 連結口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハ運搬装置において、
内部の側面に複数のウェーハ挿入溝が形成されており、前面にウェーハの出入が可能なように開口部が形成された本体と、
前記本体の前面に上下に移動可能に装着され、前記挿入溝との相対的な位置が異なるようにすることで、前記挿入溝を開閉させるための離脱防止装置と、
前記離脱防止装置に連結されて、前記挿入溝に対する前記離脱防止装置の相対的な位置を変更させる手段と
を含むことを特徴とするウェーハ運搬装置。
【請求項2】
前記変更手段は、ボタン及び前記ボタンの動きによって前記離脱防止装置の位置を変更させるメカニズムを含むことを特徴とする請求項1に記載のウェーハ運搬装置。
【請求項3】
前記本体の上部に形成された取っ手をさらに含み、前記ボタンは前記取っ手に位置することを特徴とする請求項2に記載のウェーハ運搬装置。
【請求項4】
前記変更手段の前記メカニズムは、前記ボタンと前記離脱防止装置とを連結する連結口、及び前記ウェーハ挿入溝が開放されるように、前記離脱防止装置の相対的な位置を維持させるためのスプリングを含むことを特徴とする請求項2に記載のウェーハ運搬装置。
【請求項5】
前記離脱防止装置は、前記ウェーハ挿入溝が開放された状態となるように前記スプリングによってその位置が維持され、前記ボタンが押される間には、前記連結口を介してその位置が変わることで、前記ウェーハ挿入溝を閉鎖させることを特徴とする請求項4に記載のウェーハ運搬装置。
【請求項6】
前記離脱防止装置は、前記挿入溝が形成された前記本体の内部側面の側端面と実質的に同一の形状を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のウェーハ運搬装置。
【請求項7】
前記離脱防止装置は、複数の梯形の突出部を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のウェーハ運搬装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−60213(P2006−60213A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−234778(P2005−234778)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【出願人】(505159124)ドンブアナム セミコンダクター インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】