説明

ウエザストリップ

【課題】製造に際しての作業効率の低下等を抑制するとともに、スリットの閉塞状態をより確実に維持することのできるウエザストリップを提供する。
【解決手段】自動車用ドアの外周縁に沿うようにして設けられるウエザストリップ11は、押出成形される押出成形部12,13、及び押出成形部12、13に対し連続的に型成形により接続成形される型成形部14等を備えている。また、ウエザストリップ11は、ドア周縁に取付けられる取付基部31と、取付基部31に一体形成されたシール部とを有している。型成形部14の取付基部31には、型成形時においてコア金型抜取るためのスリット35が形成されている。また、型成形部14は、スリット35内に一部が挿入されることで、スリット35の一部を閉塞する閉塞片36を備えている。さらに、型成形部14には、閉塞片36によるスリット35の閉塞状態を保持するための両面接着テープ40が貼付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、型成形部を有してなるウエザストリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両の開口部又はドア周縁にウエザストリップが取付けられる。この種のウエザストリップを製造するに際しては、公知の押出成形法により、押出成形部が長尺状に形成される。そして、当該押出成形部の先端部が型成形部用の金型装置にセットされた状態で、型成形部が押出成形部の端面に対し連続的に接続成形される。
【0003】
上記型成形部の接続成形に使用される金型装置は、固定型、複数の可動型及びコア金型からなる。コア金型は、中空部を形成するためのコア本体及び該コア本体から延びる延出プレートからなる。型成形部の成形に際しては、まず、各型を型開きした状態で、予め公知の押出成形法により成形されてなる押出成形部の端部をコア本体に嵌め込むようにしてセットし、押出成形部を金型装置に対し取付ける。次に、各型を所定位置に配置せしめ、型締めを行う。この時点で、各型により型成形部成形用のキャビティが形成される。そして、そのキャビティ内に、図示しないゲート等を介して未加硫ゴムを注入し、充填させる。その後、未加硫ゴムを加硫させ、各型を開き、コア金型及び加硫ゴム(型成形部前駆体)の一体となったものを取り外す。このとき、型成形部前駆体には、上記延出プレートの存在によりスリットが形成される。
【0004】
そして、前記スリットからコア本体を取り出すことにより、中空部を有する型成形部前駆体が得られる。その後、スリットの相対向する開口面同士を複数箇所において接着剤で接合することにより、型成形部が得られる。つまり、この型成形部及び押出成形部の一体となったウエザストリップが得られる。
【0005】
しかしながら、従来では、スリットの接合のために型成形部前駆体がスリットの幅だけ押出成形部よりも幅広く成形されるよう見込み設計され、接合作業の際には接着剤を塗布した状態で所定時間、型成形部前駆体を幅方向に圧縮保持するといった工程が不可欠であった。その結果、作業工数の増大、生産コストの増大や生産性の低下等を招くおそれがあった。また、スリットの開口面同士を直接接合すると、取付基部の幅が不均一となりやすいため、型成形部のシール性が低下する等といった不具合が生じるおそれがあった。
【0006】
これに対し、近年、スリットの開口面同士を直接接合する代わりに、スリットを塞ぐ閉塞片を備えたウエザストリップも見受けられる(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平6−305372号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特開平6−305372号公報に記載のウエザストリップでは、単に閉塞片を回動させ、取付基部に組み付けているだけであったため、接着剤等により閉塞片と取付基部とを接合する作業が不可欠であるとともに、接着剤が乾くまで接合部を保持していることが困難であった。結果として、閉塞片の復元力により接合部が外れ、スリットが開口してしまうおそれがあった。
【0008】
また、例えば、前記閉塞片に対し、その組付け時において取付基部にて係止される係止部を設け、組付け状態を維持するようなことも考えられるが、スリットの長さによっては、係止部だけでは閉塞片の組付け状態を維持することができずに、依然としてスリットが開口してしまうことが懸念される。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、製造に際しての作業効率の低下等を抑制するとともに、スリットの閉塞状態をより確実に維持することのできるウエザストリップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0011】
手段1.押出成形される押出成形部と、当該押出成形部に対し連続的に型成形により接続成形される型成形部とから構成されるとともに、車両の開口部又はドア周縁に取付けられる取付基部と、当該取付基部に一体形成され中空部を構成するシール部とを有し、前記型成形時において前記型成形部の取付基部にコア金型抜取り用のスリットが形成されるウエザストリップであって、
前記スリット内に一部が挿入されることで、少なくとも前記スリットの一部を閉塞する閉塞手段を備え、
少なくとも前記閉塞手段に対し、当該閉塞手段による前記スリットの閉塞状態を保持するための状態保持手段が取着されていることを特徴とするウエザストリップ。
【0012】
手段1によれば、閉塞手段の一部がスリットに挿入されることで、スリットの所定区間を閉塞することができる。また、状態保持手段により、閉塞手段によるスリットの閉塞状態を保持することができる。従って、スリットの開口面同士を接着剤で直接接合したり、閉塞手段と取付基部とを接着剤で接合したりすることなく、スリットの所定区間を塞ぐことができるとともに、閉塞手段が外れてしまうといった不具合を抑制することができる。結果として、従来のようにスリットの幅分だけ幅広に型成形部前駆体を見込み設計したり、接着剤を塗布した状態で所定時間、型成形部前駆体を幅方向に圧縮保持したりする工程を省略でき、作業効率の低下等を抑制することができる。また、スリットの開口面同士を直接接合することで取付基部の幅が不均一となり、型成形部のシール性が低下する等といった不具合の発生を抑制することができる。
【0013】
なお、前記閉塞手段の数やスリットの長手方向に対応する幅は設計により型成形部の形状に合わせて適宜異なる。例えば型成形部の曲率が比較的大きい場合には、スリットの長手方向に対応する幅が比較的狭い閉塞手段が複数設けられることが考えられる。また、略直線形状のように型成形部の曲率が比較的小さい場合には、1つの閉塞手段が前記スリットの形成区間の略全域に対応して設けられることも考えられる。
【0014】
また、前記閉塞手段のうちの前記スリットに挿入される部分(挿入部)の厚みを前記スリットの幅と略同一に構成してもよい。その場合、挿入部がスリット間に嵌合されることとなり、閉塞手段によるスリットの閉塞状態のさらなる安定化を図ることができるとともに、より確実に取付基部の幅を所定幅で維持し、型成形部のシール性の低下等を抑制する効果がさらに高められる。
【0015】
手段2.前記状態保持手段は、前記スリットに一部が挿入状態にある前記閉塞手段と、当該閉塞手段が隣接する前記取付基部のスリット周辺部とに跨がるようにして取着されていることを特徴とする手段1に記載のウエザストリップ。
【0016】
手段2によれば、閉塞手段の一部がスリットに挿入された状態において、当該閉塞手段とスリット周辺部との境界部に状態保持手段が取着されることで、閉塞手段と取付基部とを確実に固定することができる。なお、「状態保持手段は、前記閉塞手段を覆うようにして取着されている」こととしてもよい。その場合、上記閉塞手段によるスリットの閉塞状態を保持できるという効果を一層確実なものとすることができる。
【0017】
手段3.前記状態保持手段は、少なくとも片面に接着力を有するテープ状体からなることを特徴とする手段1又は2に記載のウエザストリップ。
【0018】
手段3によれば、状態保持手段が閉塞手段に貼付けられることで、閉塞手段によるスリットの閉塞状態を保持することができる。
【0019】
手段4.前記状態保持手段は、表裏両面に接着力を有し、前記取付基部の取付面側に貼付けられていることを特徴とする手段3に記載のウエザストリップ。
【0020】
手段4によれば、取付基部の取付面側にも接着力が付与されることとなる。このため、状態保持手段を介して取付基部をサッシュに取着することができ、結果として、ウエザストリップのサッシュへの取付状態の安定化を図ることができる。また、ウエザストリップの取付状態を維持するためのクリップ等を省略することができ、ひいては、取付工程の簡素化を図ることができる。
【0021】
手段5.前記スリットの全区間のうちの一区間に対応した大きさで、かつ、互いに略同一形状に成形された複数の前記閉塞手段が設けられていることを特徴とする手段1乃至手段4のいずれかに記載のウエザストリップ。
【0022】
手段5によれば、複数の閉塞手段は、スリットの全区間のうちの一区間に対応した大きさで、かつ、略同一形状に成形されている。仮に閉塞手段が所定のスリットの長手方向に対応して連続した形状であると、型成形部の曲率が比較的大きい場合には、閉塞手段の取付作業時においてスリットの長手方向に沿って閉塞手段を湾曲させなければならないため、作業効率が低下するおそれがある。さらに、型成形部の形状の違いによって閉塞手段の大きさや形状を変えなければならないため、閉塞手段の汎用性が乏しくなり、生産コストが増大するおそれがある。この点、上記構成とすることにより、略同一形状の複数の閉塞手段を用いることによって比較的曲率の大きい型成形部にも対応することができるとともに、形状の異なる各種型成形部に対応可能となり、閉塞手段の汎用性が高まる。さらに、複数の閉塞手段を用いることによって、各閉塞手段を比較的小さくできるため、取り扱いやすくなり、作業効率を高めることができる。
【0023】
手段6.前記閉塞手段は、
前記取付基部の取付面側から延出形成された基片部と、前記基片部に一体形成され、前記基片部を前記取付基部との連接部を軸に傾動させることで前記スリット内に嵌め込まれる挿入部と、前記挿入部が嵌め込まれた際、前記中空部に面する前記取付基部の内側面にて係止される係止部とを備えていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のウエザストリップ。
【0024】
上記手段6によれば、型成形部の外側に設けられた閉塞手段の一部をスリット内へ嵌め込むことによってスリットの所定区間を塞ぐとともに、傾動させた閉塞手段の復元力により係止部が取付基部の内側面にて係止された状態を維持するよう構成されている。従って、接着剤によりスリットの開口面同士を直接接合することなく、スリットの所定区間を塞ぐことができるとともに、閉塞手段の幅方向外側へ取付基部が抜けてしまうといった不具合を抑制することができる。結果として、前記状態保持手段の保持力と相俟って、接着剤を用いることなく閉塞手段によるスリットの閉塞状態をより確実に維持することができる。
【0025】
また、上記構成とすることにより、従来のウエザストリップの閉塞片のようにその基部(取付基部との連接部)の厚みを比較的薄肉にすることなく、係止部及び取付基部の係合状態を確保できる。結果として、閉塞手段に薄肉部を設けたために生じうる、薄肉部が破れてしまうといった不具合を防止することができる。
【0026】
なお、前記挿入部の略先端部から前記係止部にかけてテーパ面を形成してもよい。その場合、挿入部及び係止部をスリット内へ挿入しやすくなり、作業性の向上を図ることができる。また、少なくとも前記基片部の先端側縁部と、前記取付基部との境界部を覆うようにして前記状態保持手段が取着されていることとしてもよい。
【0027】
手段7.前記係止部は、前記スリットを挟んで前記基片部が形成された側とは反対側の取付基部の内側面にて係止されるよう構成されていることを特徴とする手段6に記載のウエザストリップ。
【0028】
上記手段7によれば、スリットの所定区間をより確実に塞ぐことができるとともに、閉塞手段の復元力に基づいた応力が効率よく係止部にかかるため係止力が高まり、係止部及び取付基部のより安定した係合状態を確保できる。
【0029】
手段8.前記係止部は、前記スリットを挟んで前記基片部が形成された側とは反対側の取付基部の内側面にて係止される第1の係止部と、前記基片部が形成された側の取付基部の内側面にて係止される第2の係止部とにより構成されていることを特徴とする手段6に記載のウエザストリップ。
【0030】
上記手段8によれば、上記手段7と同様の効果を奏するとともに、スリットを挟んで両側の取付基部に閉塞手段が係止されることにより、さらに閉塞手段が外れにくくなる。
【0031】
手段9.前記挿入部が嵌め込まれた際、前記基片部の形成された側とは反対側の取付基部の一部を前記係止部とともに挟持するための挟持突部を前記基片部に設けたことを特徴とする手段7又は手段8に記載のウエザストリップ。
【0032】
上記手段9によれば、さらに閉塞手段が外れにくくなり、閉塞手段及び取付基部のより安定した係合状態を確保できる。
【0033】
手段10.前記挿入部が嵌め込まれた際、前記基片部の一面が前記取付基部の取付面と略面一となり、前記基片部が前記取付基部の一部を構成するようにしたことを特徴とする手段6乃至手段9のいずれかに記載のウエザストリップ。
【0034】
上記手段10よれば、ウエザストリップを車両の開口部又はドア周縁に取付ける際の装着性の低下等を防止することができる。また、状態保持手段を取着する(貼付ける)領域において段差がほぼなくなるため、状態保持手段の保持力を十分に発揮させることができ、状態保持手段によって閉塞手段と取付基部との位置ずれをより確実に抑制することができる。
【0035】
手段11.前記閉塞手段は、
前記スリット内に嵌め込まれる挿入部と、前記スリットを挟んで相対する前記取付基部それぞれに係合される係合突起とを備え、前記取付基部を少なくとも幅方向に挟止しつつ、前記スリットの所定区間を塞ぐよう構成されていることを特徴とする手段1乃至5のいずれかに記載のウエザストリップ。
【0036】
上記手段11によれば、型成形部の取付基部を少なくとも幅方向に挟止しつつ、スリットの所定区間を塞ぐ閉塞手段が取付けられる。従って、接着剤によりスリットの開口面同士を直接接合することなく、スリットの所定区間を塞ぐことができるとともに、閉塞手段の幅方向外側へ取付基部が抜けてしまうといった不具合を抑制することができる。結果として、前記状態保持手段の保持力と相俟って、接着剤を用いることなく閉塞手段によるスリットの閉塞状態をより確実に維持することができる。
【0037】
手段12.前記係合突起を前記挿入部に並行して突出形成し、前記取付基部に前記係合突起が嵌合する嵌合溝を形成したことを特徴とする手段11に記載のウエザストリップ。
【0038】
上記手段12によれば、係合突起が嵌合溝に嵌合されることにより、係合突起と取付基部のより安定した係合状態を確保できるとともに、取付基部をより確実に挟止できる。加えて、閉塞手段を所定位置に確実に位置決めできる。
【0039】
手段13.前記閉塞手段は、前記挿入部の両端部にそれぞれ一体形成され前記取付基部を挟持する一対の挟持部を備え、前記一対の挟持部の一方に前記係合突起を一体形成したことを特徴とする手段11又は手段12に記載のウエザストリップ。
【0040】
上記手段13によれば、閉塞手段がスリットから外れにくくなり、さらなる閉塞手段による閉塞状態の安定化を図ることができる。
【0041】
手段14.前記取付基部の取付面側に対応した前記挟持部に前記係合突起を形成したことを特徴とする手段13に記載のウエザストリップ。
【0042】
上記手段14によれば、取付基部への係合突起の係合作業が容易になる。また、係合突起に対応する嵌合溝が取付基部に形成される場合においては、前記型成形部の成形時における嵌合溝の成形作業が容易になる。
【0043】
手段15.前記閉塞手段は、当該閉塞手段が取付けられた際、前記取付基部の取付面側において前記取付基部の一部を構成する基底部と、前記中空部に面する前記取付基部の内側面にて係止される係止部とを備え、前記基底部に前記係合突起を一体形成したことを特徴とする手段11又は手段12に記載のウエザストリップ。
【0044】
上記手段15によれば、閉塞手段がスリットから外れにくくなり、閉塞手段による閉塞状態の安定化を図ることができる。
【0045】
なお、前記閉塞手段の先端側において、前記係止部にテーパ面を形成してもよい。その場合、前記挿入部及び係合突起をスリット内へ挿入しやすくなり、作業性の向上を図ることができる。また、前記基底部の縁部と前記取付基部の前記スリット周縁部との境界部の少なくとも一部を覆うようにして前記状態保持手段が取着されていることとしてもよい。
【0046】
手段16.前記基底部が前記取付基部の取付面と略面一となるように前記閉塞手段が取付けられるようにしたことを特徴とする手段15に記載のウエザストリップ。
【0047】
上記手段16によれば、ウエザストリップを車両の開口部又はドア周縁に装着する際の装着性の低下等を防止することができる。また、状態保持手段を取着する(貼付ける)領域において段差がほぼなくなるため、状態保持手段の保持力を十分に発揮させることができ、状態保持手段によって閉塞手段と取付基部との位置ずれをより確実に抑制することができる。
【0048】
手段17.前記挿入部の厚みを前記スリットの幅より幅広に形成するとともに、前記挿入部が嵌め込まれる位置において、前記スリットの相対向する開口面に前記挿入部の厚みに応じた凹部を形成したことを特徴とする手段11乃至手段16のいずれかに記載のウエザストリップ。
【0049】
上記手段17によれば、閉塞手段を所定位置により確実に位置決めできるとともに、取付基部の幅方向内側への変形をより確実に防止することができる。
【0050】
手段18.前記スリットを挟んで相対する両側の前記取付基部に跨るように前記係合突起を環状に一体形成したことを特徴とする手段11乃至手段17のいずれかに記載のウエザストリップ。
【0051】
上記手段18によれば、係合突起を環状に一体形成することで、取付基部の幅方向に対する閉塞手段(係合突起)の変形を抑制し、閉塞手段による取付基部の挟止力を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
(第1の実施形態)
以下、第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、例えば自動車用ドアの外周縁に沿うようにしてEPDM(エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム)よりなるドアウエザストリップ(以下、単に「ウエザストリップ」と称する)11が取付けられる。
【0053】
上記ウエザストリップ11は、押出成形部12,13と型成形部(同図散点模様を付した部分)14,15とを備えている。すなわち、押出成形部12,13は、図示しない押出成形機によりほぼ直線状に(長尺状に)形成される。また、型成形部14,15は、隣接する押出成形部12,13の端縁を連結するようにして所定の金型装置によって形成されている。
【0054】
図2に示すように、押出成形部12,13は、自動車ドアの図示しないドアサッシュに取付けられる取付基部21、当該取付基部21から延び、内部に中空部22を有してなるシール部23及びシール部23の基端部から延びるリップ部24等を備えている。
【0055】
また、図3〜図7に示すように、上部コーナー部に相当する型成形部14についても、形状こそ違うものの、押出成形部12,13の場合と同様、取付基部31、シール部32、リップ部33及び中空部34を有している。以下、図示は省略するが、もう一方の型成形部15も、形状こそ違うものの型成形部14と同様に構成されている。
【0056】
また、型成形部14の取付基部31には、その長手方向に沿って後述する型取り出しによってスリット35が形成されている。さらに、型成形部14には、その長手方向(スリット35の長手方向)に沿って複数の閉塞片36が所定間隔で設けられている。なお、図4及び図7(a)には、後述する型成形部14の体をなす前の型成形部前駆体14Aが示されている。
【0057】
閉塞片36は、取付基部31の取付面側から延出形成された基片部37と、基片部37に一体形成され、基片部37を取付基部31との連接部を軸に傾動させることでスリット35内に嵌め込まれる挿入部38と、挿入部38が嵌め込まれた際、中空部34に面する取付基部31の内側面にて係止される係止部39とにより構成されている。なお、本実施形態では、係止部39は、スリット35を挟んで基片部37が形成された側とは反対側の取付基部31の内側面にて係止されるよう構成されるとともに、挿入部38及び係止部39をスリット35内へ挿入させやすいように、挿入部38の略先端部から係止部39にかけてテーパ面39aが形成されている。また、挿入部38がスリット35間に嵌合されるように挿入部38の厚みがスリット35の幅と略同一となっている。さらに、挿入部38がスリット35に嵌め込まれた際、基片部37の一面が取付基部31の取付面と略面一となり、当該基片部37が取付基部31の一部を構成するようになっている。
【0058】
また、各閉塞片36は、当該閉塞片36を成形する後述する可動型(可動型46等)の離間方向に沿って型成形部前駆体14Aの本体部より延出形成されている。従って、型成形部14の成形完了時には、図5に示すように、各閉塞片36はスリット35の長手方向に対して交差する方向に沿った態様でスリット35に係合されている。
【0059】
さらに、本実施形態では、図3、図5等に示すように、係合状態にある閉塞片36(基片部37)を取付基部31の取付面側から覆うようにして、状態保持手段としての両面接着テープ40が貼付けられている。これにより、基片部37が取付基部31との連接部を軸に屈曲され、かつ、挿入部38がスリット35に嵌め込まれた状態が保持され、閉塞片36の係合状態がより確実に維持されるようになっている。なお、本実施形態における両面接着テープ40としてはブチルゴムテープが採用されている。
【0060】
次に、上記ウエザストリップ11のうち、上部コーナー部に相当する型成形部14を成形するための金型装置41について説明する。図8は、型成形部14を成形するために使用される金型装置41を示す断面図である。金型装置41は、例えば図の下側に位置する固定型42と、複数の可動型(第1の可動型43、第2の可動型44、第3の可動型45、第4の可動型46、第5の可動型47、第6の可動型48)とを備えている。また、第5の可動型47及び第6の可動型48間には、コア金型49が設けられる。第1〜第6の可動型43〜48は、図示しないシリンダ等により固定型42に対し相対移動可能に設けられている。また、コア金型49は、コア本体50及び該コア本体50から一体的に延びる延出プレート51からなる。
【0061】
固定型42及び各可動型43〜48には、前記型成形部14の外形形状に対応した成形面がそれぞれ形成されている。また、コア本体50は、前記中空部34を形成するためのものであって、固定型42及び各可動型43〜48で囲まれた空間の中央に設置される。そして、これら成形面及びコア本体50の外面によって、型成形部14を成形するためのキャビティ52が形成されている。なお、キャビティ52の所定位置には、前記閉塞片36を成形する部分も含まれている。詳しくは、各可動型46,47及び延出プレート51によって閉塞片36の外形形状に対応した成形面が形成されている。
【0062】
次に、上記の構成を有してなるウエザストリップ11の製造方法及び製造に際しての作用効果について説明する。まず、図示しない押出成形機を用い、公知の押出成形法により上記押出成形部12,13を成形する。この成形により、押出成形部12,13の取付基部21、シール部23、中空部22及びリップ部24が形成される。
【0063】
次に、以下のようにして型成形部14を成形する。すなわち、まず、各型42〜48等を相互に型開きした状態で、上記押出成形部12,13の端部をコア金型49のコア本体50の長手方向両端部に嵌め込みセットし、可動型43〜48及びコア金型49を固定型42に対し所定位置にセットし型締めする。これにより、押出成形部12,13が金型装置41に対し取付固定されるとともに、図8に示すように、キャビティ52が形成される。
【0064】
そして、この状態からキャビティ52内に、可塑化状態にあるEPDMを図示しないゲートより注入し、充填させる。その後、EPDMを加硫固化させるとともに、固化完了後、可動型43〜48を順次型開きして、成形されたゴム部材(以下、「型成形部前駆体」と称する)14Aをコア金型49とともに金型装置41から取り外す。
【0065】
次に、型成形部前駆体14Aを別途支持した状態で、延出プレート51を把持し、図8の左方向に抜き取るようにして引っ張る。このとき、型成形部前駆体14Aのうちの前記スリット35からコア本体50は取り出される。そして、この取り出しにより、型成形部前駆体14Aの内部は中空状態となる(図7(a)等参照)。
【0066】
次に、図7(b)に示すように、閉塞片36の基片部37を取付基部31との連接部を軸に傾動させ、挿入部38をスリット35内に嵌め込むとともに、係止部39を中空部34に面する型成形部前駆体14Aの内側面にて係止させる。さらに、この状態において、図5において二点鎖線で示すように、閉塞片36(基片部37)を覆うようにして、両面接着テープ40を貼付けることにより、型成形部14が最終的に得られる。なお、説明は省略するが、もう一方の型成形部15についても、所定の金型装置を用いることにより上記と同様にして形成される。但し、型成形部14,15の形状が異なることから、両者に設けられる閉塞片の数やスリットの長手方向に対応する幅は異なる。このようにして、押出成形部12,13と、同押出成形部12,13に対し連続的に接続成形された型成形部14,15とを備えたウエザストリップ11が得られる。
【0067】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、型成形部14の外側に設けられた閉塞片36の一部をスリット35内へ嵌め込むことによってスリット35の所定区間を塞ぐとともに、傾動させた閉塞片36の復元力により係止部39が取付基部31の内側面にて係止された状態を維持するよう構成されている。従って、スリット35の開口面同士を接着剤で直接接合したり、閉塞片36と取付基部31とを接着剤で接合したりすることなく、スリット35の所定区間を塞ぐことができるとともに、接合した閉塞片36が外れてしまうといった不具合を抑制することができる。結果として、従来のようにスリット35の幅だけ幅広に型成形部前駆体14Aを見込み設計したり、接着剤を塗布した状態で所定時間、型成形部前駆体14Aを幅方向に圧縮保持したりするといった工程を省略でき、作業工数の増大、生産コストの増大や生産性の低下等を抑制することができる。また、スリット35の開口面同士を直接接合することで取付基部31の幅が不均一となり、型成形部14のシール性が低下する等といった不具合の発生を抑制することができる。
【0068】
さらに、スリット35に対して係合状態にある閉塞片36を覆うようにして、両面接着テープ40が貼付けられている。そのため、接着剤を使用しなくとも閉塞片36がスリット35から外れてしまうといった不具合をより確実に防止することができ、閉塞片36によるスリット35の閉塞状態をより確実に維持することができる。また、両面接着テープ40により、取付基部31及びその周辺部の変形を抑制することができ、ウエザストリップ11のドアサッシュへの取付状態の安定化を図ることができる。
【0069】
また、表裏両面に接着力を有する両面接着テープ40が取付基部31の取付面に貼付けられているため、取付基部31の取付面側には接着力が付与されることとなる。従って、ウエザストリップ11のドアサッシュへの安定した取付状態をより確実に維持することができる。また、ウエザストリップ11の取付状態を維持するために、例えばウエザストリップ11をクリップ等で固定するといった工程を省略することができ、取付工程の簡素化を図ることができる。
【0070】
また、係止部39は、スリット35を挟んで基片部37が形成された側とは反対側の取付基部31の内側面にて係止されるよう構成されている。従って、スリット35の所定区間をより確実に塞ぐことができるとともに、閉塞片36の復元力に基づいた応力がより効率よく係止部39にかかるため係止力が高まり、係止部39及び取付基部31のより安定した係合状態を確保できる。
【0071】
また、上記構成とすることにより、従来のウエザストリップの閉塞片のようにその基部の厚みを比較的薄肉にすることなく、係止部39及び取付基部31の係合状態を確保できる。結果として、閉塞片に薄肉部を設けたために生じうる、薄肉部が破れてしまうといった不具合を防止することができる。
【0072】
前記挿入部38がスリット35に嵌め込まれた際、基片部37の一面が取付基部31の取付面と略面一となり、基片部37が取付基部31の一部を構成するようになっている。そのため、ウエザストリップ11をドアサッシュに取付ける際の装着性の低下等を防止することができる。また、両面接着テープ40が貼付けられる領域において段差がほぼなくなるため、両面接着テープ40の保持力を十分に発揮させることができ、両面接着テープ40により閉塞片36と取付基部31との位置ずれをより確実に抑制することができる。
【0073】
また、本実施形態のように、サッシュタイプのドアに取付けられるウエザストリップでは、通常、ドア閉時において略直線的に変形するため、比較的幅広の閉塞片36を設けることができる。その結果、上記各種効果をより確実なものとすることができる。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。上記第1の実施形態では、取付基部31に対して閉塞片36が一体的に設けられているのに対し、本第2の実施形態では、スリット35に対して、閉塞手段としての閉塞クリップが嵌め込まれるよう構成されている。
【0074】
図9、図10を参照しつつより詳しく説明すると、閉塞クリップ66は、取付けられた際、取付基部31の取付面側において取付基部31の一部を構成する略円盤状の基底部67と、基底部67に一体形成され、スリット35内に嵌め込まれる略円柱状の嵌合部68と、中空部34に面する取付基部31の内側面にて係止される係止部69と、基底部67の周縁から嵌合部68に並行して突出形成された係合突起70とから構成されている。なお、係合突起70は、基底部67の周縁に沿って環状に形成されている。また、基底部67と係止部69とによって一対の挟持部が構成される。また、嵌合部68が挿入部に相当する。
【0075】
また、各嵌合部68の厚みがスリット35の幅より幅広に形成されており、各嵌合部68が嵌め込まれる位置において、スリット35の相対向する開口面に嵌合部68の厚みに応じた凹部73が形成されている。さらに、取付基部31の取付面側には、各凹部73を取り囲むようにして係合突起70が嵌合する嵌合溝74が形成されている。
【0076】
加えて、嵌合部68及び係止部69をスリット35内へ挿入しやすいように、係止部69における閉塞クリップ66の先端側にはテーパ面69aが形成されている。さらに、閉塞クリップ66が取付けられた際、基底部67の底面が取付基部31の取付面と略面一となるよう構成されている。また、図9において二点鎖線で示すように、閉塞クリップ66を取付基部31の取付面側から覆うようにして両面接着テープ40が貼付けられている。
【0077】
次に、閉塞クリップ66の取付工程について説明すると、まず、閉塞クリップ66の基底部67を作業者等が摘んで係合突起70が開かれるように基底部67を反らせる。続いて、閉塞クリップ66をスリット35の凹部73が形成された位置にあわせてその先端部からスリット35内へ押し込むとともに、嵌合部68をスリット35内に嵌め込む。そして、係止部69を中空部34に面する型成形部前駆体14Aの内側面にて係止させるとともに、係合突起70を嵌合溝74に嵌合させる。さらに、この状態において、閉塞クリップ66(基底部67)を覆うようにして両面接着テープ40を貼付けることにより、型成形部14が最終的に得られる。
【0078】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、型成形部14の取付基部31を少なくとも幅方向に挟止しつつ、スリット35の所定区間を塞ぐ閉塞クリップ66が取付けられることで、接着剤によりスリット35の開口面同士を直接接合することなく、スリット35の所定区間を塞ぐことができるとともに、閉塞クリップの幅方向外側へ取付基部31が抜けてしまうといった不具合を抑制することができる。結果として、上記実施形態とほぼ同様の効果が奏される。
【0079】
また、閉塞クリップ66の嵌合部68の厚みがスリット35の幅より幅広に形成され、嵌合部68が嵌め込まれる位置において、スリット35の相対向する開口面に嵌合部68の厚みに応じた凹部73が形成されている。そのため、閉塞クリップ66を所定位置により確実に位置決めできるとともに、取付基部31の幅方向内側への変形をより確実に防止することができる。
【0080】
また、略円盤状の基底部67の周縁に沿って係合突起70が環状に形成されている。すなわちスリット35を挟んで相対する両側の取付基部31に跨るように係合突起70が一体形成されている。これにより、取付基部31の幅方向に対する閉塞クリップ66(係合突起70)の変形を抑制し、閉塞クリップ66による取付基部31の挟止力を高めることができる。
【0081】
また、上記閉塞クリップ66を用いることによって型成形部14のように比較的曲率の大きい型成形部にも取付けることができる。また、閉塞クリップ66の構成を変更させることなく、型成形部14,15のように形状の異なる各種型成形部に対応させることができ、閉塞クリップ66(閉塞手段)の汎用性が高まる。さらに、閉塞クリップ66を比較的小さくできるため、取り扱いやすく、作業効率が高められる。
【0082】
さらに、スリット35に対して取付状態にある閉塞クリップ66を覆うようにして、両面接着テープ40が貼付けられている。そのため、接着剤を使用しなくとも閉塞クリップ66がスリット35から外れてしまうといった不具合をより確実に防止することができ、閉塞クリップ66によるスリット35の閉塞状態をより確実に維持することができる。また、両面接着テープ40により、取付基部31及びその周辺部の変形を抑制することができ、ウエザストリップ11のドアサッシュへの取付状態の安定化を図ることができる。
【0083】
また、表裏両面に接着力を有する両面接着テープ40が取付基部31の取付面に貼付けられるため、取付基部31の取付面側には接着力が付与されることとなる。従って、ウエザストリップ11のドアサッシュへの安定した取付状態をより確実に維持することができる。また、ウエザストリップ11の取付状態を維持するために、例えばウエザストリップ11をクリップ等で固定するといった工程を省略することができ、取付工程の簡素化を図ることができる。
【0084】
さらに、閉塞クリップ66が取付けられた際、基底部67の底面が取付基部31の取付面と略面一となるよう構成されている。そのため、ウエザストリップ11をドアサッシュに取付ける際の装着性の低下等を防止することができる。また、両面接着テープ40が貼付けられる領域において段差がほぼなくなるため、両面接着テープ40の保持力を十分に発揮させることができ、両面接着テープ40により閉塞クリップ66と取付基部31との位置ずれをより確実に抑制することができる。
【0085】
尚、上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。勿論、以下において例示しない他の応用例、変更例も当然可能である。
【0086】
(a)上記実施形態では、両面接着テープ40が採用されているが、例えば、片面に接着力を有するテープを採用してもよい。また、両面接着テープ40の素材に関しても特に限定されるものではなく、他の素材を採用してもよい。
【0087】
(b)上記第1の実施形態では、閉塞片36がスリット35に係合された状態において、両面接着テープ40が閉塞片36を覆うようにして貼付けられているが、特にそのような構成に限定されるものではなく、スリット35に係合された状態の閉塞片36と取付基部31とに跨がるようにして接着テープが貼付けられていればよい。
【0088】
(c)また、上記第1の実施形態では特に言及しなかったが、図5において二点鎖線で示すように、スリット35の長手方向に沿って設けられた複数の閉塞片36の全てを一続きの両面接着テープ40で覆うように貼付固定してもよいし、閉塞片36を1つずつ固定するようにして両面接着テープ40を個別に貼付けてもよい。
【0089】
(d)上記第1の実施形態では、スリット35を挟んで基片部37が形成された側とは反対側の取付基部31の内側面にて係止される係止部39のみが設けられている。これに限らず、第1の係止部としての係止部39に加えて、基片部37が形成された側の取付基部31の内側面にて係止される第2の係止部としての係止部を備えた構成としてもよい。このような構成とすることで、スリット35を挟んで両側の取付基部31に閉塞片36が係止されることにより、さらに閉塞片36が外れにくくなる。
【0090】
また、挿入部38がスリット35へ嵌め込まれた際、基片部37の形成された側とは反対側の取付基部31の一部を係止部39とともに挟持するための挟持突部を基片部37に備えた構成としてもよい。このように係止部39と挟持突起とで取付基部31の一部を挟持するよう構成することで、さらに閉塞片36が外れにくくなり、閉塞片36及び取付基部31のより安定した係合状態を確保できる。
【0091】
また上記係止部39、係止部39とは反対方向に突設される係止部、及び挟持突部をすべて有する閉塞片36を備えた構成としてもよい。
【0092】
(e)上記第1の実施形態では、閉塞片36が複数設けられているが、少なくとも1つ設けられていればよい。
【0093】
(f)上記実施形態では、コーナー部に対応する型成形部について具体化しているが、コーナー部に限られず、押出成形部の端末に接続成形される例えば略直線形状の型成形部についても適用可能である。
【0094】
(g)上記実施形態では、サッシュタイプのドアに取付けられるウエザストリップについて具体化しているが、これに限られず、プレスタイプのドアに取付けられるウエザストリップにも適用できる。もちろん、ドアの開口部に取付けられるウエザストリップにも適用できる。
【0095】
(h)上記実施形態では、ウエザストリップ11の素材としてEPDMを採用しているが、その外にもスチレンブタジエンム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレン共重合ゴム、アクリルゴム等の各種ゴム、或いはゴム状弾性を有する合成樹脂素材(この場合、かかる合成樹脂素材もゴム材料の範疇に含まれるものとする)によりウエザストリップを形成してもよい。
【0096】
(i)上記第2の実施形態における閉塞クリップ66の形状は特に限定されるものではなく、例えば、基底部67を略平板状に構成してもよい。また、スリット35に対して取付けられる閉塞クリップ66の数も特に限定されるものではなく、少なくとも1つ取付けられていればよい。
【0097】
(j)上記第2の実施形態では、取付基部31の取付面側において、係合突起70が嵌合する嵌合溝74が形成されているが、これに限らず、嵌合溝74を省略し、係合突起70及び嵌合部68によって取付基部31の一部が挟持されることによって、取付基部31が幅方向に挟止されるような構成としてもよい。もちろん嵌合溝を設けた方が閉塞クリップ66を位置決めする点においては好ましい。また、係合突起を係止部69側に設けるとともに、取付基部31の内側面に前記係合突起が嵌合される嵌合溝を設けた構成としてもよい。しかしながら、型成形部の成形作業や閉塞クリップの取付作業の都合上、取付基部31の取付面側に対応して係合突起や嵌合溝を設けることがより好ましい。
【0098】
(k)上記第2の実施形態では、閉塞クリップ66がスリット35に取付けられた状態において、両面接着テープ40が閉塞クリップ66を覆うようにして貼付けられているが、特にそのような構成に限定されるものではなく、スリット35に取付けられた状態の閉塞クリップ66と取付基部31とに跨がるようにして接着テープが貼付けられていればよい。
【0099】
(l)また、上記第2の実施形態では特に言及しなかったが、図9において二点鎖線で示すように、スリット35の長手方向に沿って取付けられた複数の閉塞クリップ66の全てを一続きの両面接着テープ40で覆うように貼付固定してもよいし、閉塞クリップ66を1つずつ固定するようにして両面接着テープ40を個別に貼付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】第1の実施形態においてウエザストリップの概略構成を説明する模式図である。
【図2】押出成形部の構成を示す図1のJ−J線断面図である。
【図3】上部コーナー部に相当する型成形部を説明するための部分斜視図である。
【図4】ウエザストリップの取付面側から見た、型成形部前駆体を説明するための図である。
【図5】ウエザストリップの取付面側から見た、型成形部を説明するための図である。
【図6】図4のP−P線断面図であって、型成形部(型成形部前駆体)を示す図である。
【図7】(a)は図4のQ−Q線断面図であって型成形部前駆体を示す図であり、(b)は図5のR−R線断面図であって型成形部を示す図である。
【図8】型成形部成形用の金型装置を示す断面図である。
【図9】第2の実施形態におけるウエザストリップの取付面側から見た、型成形部を説明するための図である。
【図10】(a)は第2の実施形態における型成形部前駆体を示す断面図であり、(b)は型成形部を示す断面図である。
【符号の説明】
【0101】
11…ウエザストリップ、12,13…押出成形部、14,15…型成形部、14A…型成形部前駆体、31…取付基部、32…シール部、34…中空部、35…スリット、36…閉塞手段としての閉塞片、37…基片部、38…挿入部、39…係止部、40…状態保持手段としての両面接着テープ、66…閉塞手段としての閉塞クリップ、67…挟持部を構成する基底部、68…挿入部としての嵌合部、69…挟持部を構成する係止部、70…係合突起。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
押出成形される押出成形部と、当該押出成形部に対し連続的に型成形により接続成形される型成形部とから構成されるとともに、車両の開口部又はドア周縁に取付けられる取付基部と、当該取付基部に一体形成され中空部を構成するシール部とを有し、前記型成形時において前記型成形部の取付基部にコア金型抜取り用のスリットが形成されるウエザストリップであって、
前記スリット内に一部が挿入されることで、少なくとも前記スリットの一部を閉塞する閉塞手段を備え、
少なくとも前記閉塞手段に対し、当該閉塞手段による前記スリットの閉塞状態を保持するための状態保持手段が取着されていることを特徴とするウエザストリップ。
【請求項2】
前記状態保持手段は、前記スリットに一部が挿入状態にある前記閉塞手段と、当該閉塞手段が隣接する前記取付基部のスリット周辺部とに跨がるようにして取着されていることを特徴とする請求項1に記載のウエザストリップ。
【請求項3】
前記状態保持手段は、少なくとも片面に接着力を有するテープ状体からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のウエザストリップ。
【請求項4】
前記状態保持手段は、表裏両面に接着力を有し、前記取付基部の取付面において貼付けられていることを特徴とする請求項3に記載のウエザストリップ。
【請求項5】
前記スリットの全区間のうちの一区間に対応した大きさで、かつ、互いに略同一形状に成形された複数の前記閉塞手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のウエザストリップ。
【請求項6】
前記閉塞手段は、
前記取付基部の取付面側から延出形成された基片部と、前記基片部に一体形成され、前記基片部を前記取付基部との連接部を軸に傾動させることで前記スリット内に嵌め込まれる挿入部と、前記挿入部が嵌め込まれた際、前記中空部に面する前記取付基部の内側面にて係止される係止部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウエザストリップ。
【請求項7】
前記閉塞手段は、
前記スリット内に嵌め込まれる挿入部と、前記スリットを挟んで相対する前記取付基部それぞれに係合される係合突起とを備え、前記取付基部を少なくとも幅方向に挟止しつつ、前記スリットの所定区間を塞ぐよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のウエザストリップ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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