説明

ウリ科植物の抽出物から単離した抗脂肪生成および抗肥満活性を有するアルコール化合物から構成される組成物

本発明は、ウリ科植物の抽出物から単離した、抗脂肪生成および抗肥満活性を有するアルコール化合物およびその構成される組成物に関する。該化合物は強力な体重減少活性、血中トリグリセリドおよびコレステロールレベルを低減する効果、PPARアルファ活性の活性作用、毒性を伴わずに前駆脂肪細胞からの脂肪の生成を防ぐ効果を有しており、医薬品またはヘルスケア食品として、肥満および脂肪生成関連疾病を治療または予防するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウリ科植物の抽出物から単離した、抗脂肪生成および抗肥満活性を有するアルコール化合物から構成される組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
脂肪生成とは、前脂肪細胞が成熟した脂肪細胞に分化する過程のことであり、細胞質小器官に脂質滴と言われる脂質が蓄積し、肥満、糖尿病、脂肪症、冠状動脈性心臓病等の様々な成人病を引き起こす危険性があることが知られている。線維芽細胞といった前駆脂肪細胞が分化して成熟脂肪細胞となり、脂質滴がその内部に形成される。分化のメカニズムは3T3−L1といった特定の細胞株を使用して研究されてきた。脂肪細胞の分化は形態、ホルモン感受性、遺伝子の発現における連携した変化を伴う複雑な過程である。これらの変化はC/EBP(CAATエンハンサー結合タンパク質)、PPAR(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体)、ADD/SREBP(脂肪細胞決定分化依存性因子1/ステロール調節エレメント結合タンパク質)等のいくつかの転写因子によって制御されている(Bart A Jessen他。Gene, 299, pp95-100, 2002; Darington 他。J. Biol. Chem., 273, pp30057-30060, 1998; Brun R.P 他。Curr. Opin. Cell. Biol., 8, pp826-832, 1996)。脂肪細胞の分化において、これらの転写因子は異なる段階で誘導され機能的に相互作用し、遺伝子の発現を制御することで脂肪生成と脂質生成とを行う。例えば、C/EBPベータおよびデルタ因子は、MDI(イソブチルメチルキサンチン、デキサメタゾン、インシュリン)等の外的ホルモン刺激によって一時的に過剰発現されると脂肪細胞の分化を引き起こし(Reusch J. E.他。Mol. Cell. Biol., 20, pp1008-1020, 2000)、続いてC/EBPアルファおよびPPARガンマの増加を誘導する(James M. N. 他。J. Nutr., 130, pp3122S-3126S, 2000)。特に、脂肪細胞においては主にPPARガンマが発現し、脂肪生成を決定する鍵となる転写因子である。PPARガンマはRXR(レチノイン酸X受容体)とヘテロ二量体を形成し、脂肪生成に関係する様々な遺伝子のプロモーター中のPPRE(ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体)に結合する(Tontonoz P. E. 他。Genes Dev., 8, pp1224-1234, 1994)。脂肪細胞の分化においてC/EBPアルファとPPARガンマとの相互作用は非常に重要であり、これらの因子が脂肪酸結合タンパク質であるaP2および脂質代謝酵素等の脂肪細胞に特異的な遺伝子の発現を制御する。特に、ADD1/SREBPは脂質生成およびインシュリン刺激による遺伝子発現においても重要な役割を果たしており、ADD1/SREBP1cの発現はPPARガンマの活性化につながる(Rosen E.D.他。Annu. Rev. Cell Dev. Biol., 16, pp145-171, 2000; Osborn T. F., J. Biol. Chem., 275. pp32379-32382, 2000)。分化を終えた脂肪細胞は脂質を合成し、トリグリセリドとして貯蔵する。
【0003】
その一方で、脂質代謝の恒常性は脂肪の合成と分解との釣りあいによって保たれている。ADD1/SREBP1は脂肪酸、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質等の合成をコントロールしている(Horton J. D. 他。J. Clin. Invest., 109, pp1125-1131, 2002)。SREBPは約1150個のアミノ酸前駆体として合成され、小胞体と核膜に結合している。活性であるためには、細胞核に入ることができるように膜結合型SREBPをタンパク質分解により切断してN末端セグメントを遊離しなければならない。切断したSREBPは核型を指定し、制御遺伝子プロモーター内のSRE(ステロール調節型エレメント)に結合する。SREBPアイソフォームの1つであるSREBP1cによって制御される遺伝子にはACL(ATPシトレートリアーゼ)、ACC(アセチルCoAカルボキシラーゼ)、FAS(脂肪酸合成酵素)およびSCD(ステアロイルCoAデサチュラーゼ)等が挙げられる(Osborn T. F. 他。J. Biol. Chem., 275, pp32379-32382, 2000; Soazig L. L. 他。J. Biol. Chem., 277, pp35625-35634, 2002)。PPARアルファが、LPL(リポタンパク質リパーゼ)、アポタンパク質、ACO(アシルCoAオキシダーゼ)、チオラーゼ等の脂質代謝酵素を制御することで(Dreyer C他。Cell, 68, pp879-887, 1992)脂質分解の制御における重要な役割を担っていることは以前から報告されていた(Beisiegel U., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 96, pp13656-13661, 1999)。
【0004】
肥満は長年に渡る、エネルギー摂取とエネルギー消費の不均衡から脂肪蓄積量の増大が起こったものである。肥満のメカニズムは完全には理解されていないが、複雑な相互作用関係にある神経、ホルモン、遺伝的、環境的要素が西洋風の食事により肥満の蔓延を引き起こしていると考えられている。脂肪の過剰な蓄積は糖尿病、高血圧、異常脂質血症、心疾患等の様々なメタボリック症候群を高い確率で引き起こすリスク要因になり得る(Manson他。New England J. Med., 333, pp677-685, 1995; Kopleman P. G., Nature, 404 pp635-643, 2000; Must他。JAMA 282, pp1523-1529. 1999)。
【0005】
ゼニカル(登録商標)(スイス・ロシェ社)、リダクティル(登録商標)(米国・アボット社)、エクソリゼ(登録商標)(フランス・アトファルマ社)等が代表的な抗肥満薬として良く知られているが、心臓病、呼吸器疾患、ニューロン系疾患等の副作用があることから、より効果的な薬剤への需要がある。
近年の抗肥満薬開発の焦点は、食事量の減量、カロリー摂取の阻害、発熱反応の刺激、エネルギー代謝の調整、ニューロン神経系を通じてのシグナル伝達のコントロールである(Kopleman P. G., Nature, 404 pp635-643, 2000)。効果的な抗肥満薬を開発する試みは今までにも多くなされてきたが、安全性はもとより強力な効き目を示す、満足のいく薬剤はいまだ開発されていなかった。
【0006】
従って、その安全性が証明されている天然成分を用いて効果的な抗肥満薬の開発を試みるほうが、合成物質を用いるよりもずっと効果的である。
双子葉植物網ウリ科に属する植物のほとんどは一年生または多年生のつる植物であり、熱帯および亜熱帯域に分布する。中でも、Melothris japonica、Schzopepon bryoniaefolius、Gynostemma pentaphyllumとその同類が分布しており、カボチャ(Cucurbita moschata DUCH)、スイカ(Citrullus vulgaris SCHRAD)、ヘチマタワシ(Luffa cylindrical L. ROEM)、きゅうり(Cucumis sativus L)およびその同類が韓国で栽培されている。
【0007】
ククルビチンと、リノール酸、オレイン酸、カロチン等の油脂を含むカボチャ(Cucurbita moschata DUCH)の駆虫作用;シトルリン、アラニン、果糖、グルコース等を含むスイカ(Citrullus vulgaris SCHRAD)の強力な利尿作用;洗浄用品としてのヘチマタワシ(Luffa cylindrical L. ROEM);配糖体、コーヒー酸、ククルビタシン等を含むきゅうり(Cucumis sativus L)の利尿作用が、文献により報告されている(Chung B. S他。HyangyakDaesajeon, Young-rim出版。pp945-957, 1998)。
しかしながら、上記記載のいずれの文献も、ウリ科植物の抽出物から単離した、強力な肥満治療効果を示すアルコール化合物の肥満予防または治療活性を報告・開示していない。また、上記文献の開示は参照することにより本発明に含まれるものとする。
【0008】
ウリ科植物の抽出物から単離したアルコール化合物の抗肥満効果を調査するため、本発明の発明者は脂肪細胞分化およびトリグリセリド合成に対する阻害効果をテストするための様々な試験管内実験を集中的に行った。また、発明者は脂肪細胞分化に関わる遺伝子の発現をコントロールする転写因子であるPPARアルファを活性化させるこの抽出物の作用を研究した。この抽出物は動物実験においては毒性を示さず、実験動物の体重は減少した。これらの研究結果より、ウリ科植物の抽出物から単離したアルコール化合物が脂肪細胞分化を強力に阻害し動物の体重を減少させることを立証することで、発明者は本発明を最終的に完成させるに至った。これらの結果より、この化合物が効果的な抗肥満薬として強力なことがわかる。
【発明の開示】
【0009】
従って、本発明はウリ科植物の抽出物から単離した、抗脂肪生成活性と抗肥満活性とを有する、以下の化学式(1a)で表されるデヒドロジコニフェリルアルコールと薬理学的に許容範囲にあるその塩とを有効成分として、肥満と脂肪生成関連疾病を治療・予防するに効果的な量で含む医薬品組成物を提供するものである。

ここでいう「ウリ科植物」とは、カボチャ(Cucurbita moschata DUCH)、スイカ(Citrullus vulgaris SCHRAD)、ヘチマタワシ(Luffa cylindrical L. ROEM)、ヒョウタン(Lagenaria siceraria STANDL. var. depressa HERA)、およびきゅうり(Cucumis sativus L)、好ましくはカボチャ(Cucurbita moschata DUCH)、スイカ(Citrullus vulgaris SCHRAD)、ヘチマタワシ(Luffa cylindrical L. ROEM)を含むものである。
【0010】
上述の「抽出物」には、ウリ科植物のハーブ、果実、茎葉、好ましくは茎または葉からの未精製抽出物または無極性溶媒に可溶な抽出物が含まれる。
本発明の目的は、ウリ科植物から単離した、ヘルスケア食品の材料や食品添加物としてのデヒドロジコニフェリルアルコール、または人間を含む哺乳類の肥満と脂肪生成関連疾病を治療・予防する治療薬を調製するための、薬理学的に許容範囲にある塩を提供することである。
「肥満および脂肪生成関連疾病」という単語には、肥満、2型糖尿病、脂肪症、高脂血症、心疾患、アテローム性動脈硬化症等が含まれる。
本発明の医薬品組成物は、組成物の総重量あたり、上記化合物を約0.02〜90%含み得る。
本発明のヘルスケア食品は上記化合物を、組成物の総重量につき、0.01〜80%、好ましくは1〜50%含む。
上記のヘルスケア食品はヘルスケア食品、健康飲料等に含有させてもよく、粉末、顆粒、錠剤、チュアブル錠、カプセル、飲料等として使用しても良い。
ウリ科植物の抽出物から単離した独創的な化合物は、以下の好ましい態様に従って調製してもよい。
【0011】
以下に、本発明を詳細に説明する。
ウリ科植物の抽出物から単離した独創的な化合物は、以下の手順で詳細に調製することができる。
ウリ科植物の抽出物から単離した独創的な組成物は、以下のようにして調製することが可能である;カボチャ、スイカ、ヘチマタワシ等のウリ科植物の茎または葉を乾燥、切断、圧搾したあと、体積で1〜25倍、好ましくは約5〜15倍の蒸留水、メタノール、エタノール、ブタノール等の低級アルコールまたはその混合物と混合する。好ましくはメタノールである;溶液を20〜100℃、好ましくは70〜100℃の温水で30分〜24時間、好ましくは30分〜3時間かけて、温水抽出、冷水抽出、還流抽出、超音波抽出等の抽出法で1〜5回、好ましくは2〜3回連続して処理する;残留物をろ過して上清を得た後、ロータリーエバポレータで20〜100℃、好ましくは50〜70℃で濃縮し、その後、真空凍結乾燥、熱風乾燥、または噴霧乾燥によって乾燥させてウリ科植物の未精製抽出物の乾燥粗粉末を得る。この粉末は水、低級アルコール、またはその混合物に可溶である。
【0012】
また、極性溶媒および無極性溶媒に可溶な本発明の抽出物を、以下の手順で調製することができる;上記記載の工程で得られた未精製抽出物を水に懸濁させ、その後、体積で1〜100倍、好ましくは1〜5倍の量の酢酸エチル、クロロホルム、ヘキサン等の無極性溶媒と混合する;無極性溶媒可溶層を回収して、本発明の無極性溶媒に可溶な抽出物を得る。また、残りの極性溶媒可溶層を回収して、本発明の極性溶媒に可溶な抽出物を得る。極性溶媒に可溶な抽出物は水、低級アルコール、およびその混合物に可溶である。また、上記記載の工程に改良を加えたり、当技術分野で周知の従来法を用いてより強力な成分または化合物に分別または単離する工程にさらに供してもよい。方法としては、例えば、文献に開示されているものが挙げられる(Harborne J. B. Phytochemical methods: A guide to modern techniques of plant analysis, 3rd Ed. pp6-7, 1998)。
また、最も強力な抗脂肪生成活性と抗肥満活性を示すクロロホルム可溶性成分を、ヘキサン:クロロホルム:メタノール(16:15:1)の混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供して11の副成分を得る;このようにして得られた副成分の中でも最も強力な抗脂肪生成活性と抗肥満活性を有する9番目の成分を、クロロホルム:メタノール(30:1)の混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーと、20〜70%のメタノールを移動相とし、40%メタノールを流速2ml/mで使用したHPLCに繰り返しかけて独創的なデヒドロジコニフェリルアルコールを得ることで、本発明の独創的な化合物を調製することができる。
【0013】
また、本発明の独創的な化合物は、当技術分野で周知の方法に準じて、従来の合成方法で合成してもよい(Herbert O. House, Modern Synthetic Reactions, 2nd Ed., The Benjamin/Cummings Publishing Co., 1972)。
化学式(1a)で表される本発明の独創的な化合物は、当技術分野で周知の従来法を用いて、製剤的な観点からみて許容範囲にあるその塩と溶媒和に転換することが可能である。塩に関しては、その製剤的な観点からみて許容範囲にある遊離酸で生成した酸付加塩が有用であり、通常の方法で調製可能である。例えば、過剰量の酸溶液に化合物を溶解した後、メタノール、エタノール、アセトン、またはアセトニトリル等の水混和性有機溶媒によって塩を析出させてその酸付加塩を得た後、水またはグリコールモノメチルエーテル等のアルコールで希釈した希釈酸と化合物とを同量で混合したものを加熱し、蒸発させて乾燥または減圧下でろ過することで、乾燥した塩を得ることができる。
上記記載の方法で使用する遊離酸としては、有機酸または無機酸が使用可能である。たとえば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グルクロン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、カルボニル酸、バニリン酸、ヨウ化水素酸等の有機酸、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、酒石酸等の無機酸が使用できる。
【0014】
さらに、本発明の独創的な化合物の、製剤的な観点からみて許容範囲にある金属塩は塩基を用いて調製してもよい。そのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩は従来の方法で調製することができ、例えば、過剰量のアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物溶液に化合物を溶解した後に不溶の塩をろ過し、残った濾液を蒸発・乾燥してその金属塩を得る方法などが挙げられる。本発明の金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩が製剤的な観点からみて適しており、対応する銀塩は、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を、硝酸銀等の適当な銀塩と反応させることで調製することが出来る。
化学式(1a)で表される化合物の、製剤的な観点からみて許容範囲にある塩は、特に記載がない限り、化合物中に存在しえる酸性塩または塩基性塩の全てを含む。例えば、本発明の製剤的に許容範囲にある塩は、そのナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩といった水酸基の塩;アミノ基の塩、例えば臭化水素塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、酢酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸(メシラート)塩、p−トルエンスルホン酸(トシラート)塩等を含み、当技術分野における従来の方法で調製することが出来る。
【0015】
本発明の化合物は脂肪細胞とトリグリセリドの蓄積を強力に阻害し、体重を減少させ、ゆえに強力な抗肥満薬として有用であることが立証された。
本発明による化合物は、製剤的な観点から許容範囲にある担体、アジュバントまたは希釈剤を含有する製剤組成物として提供することができる。例えば、本発明の化合物はオイル、プロピレングリコール、または注射剤を製造する際に通常使用するその他溶媒に溶解させることができる。適当な担体の例としては、生理食塩水、ポリエチレングリコール、エタノール、植物性油、ミリスチン酸イソプロピルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。外用としては、本発明の化合物を軟膏やクリームにすることが可能である。
本発明の化合物は強力な抗肥満活性および抗脂肪生成活性を有しており、ゆえに本発明の製剤組成物を肥満および脂肪生成関連疾病の治療や予防に使用してもよい。
【0016】
以下に記載の製剤方法および賦形剤は単なる例にすぎず、本発明をいかなるうえでも制限するものではない。
医薬品の剤形とした本発明の化合物は、その製剤的な観点からみて許容範囲にある塩として使用してもよい。また、その他の製剤的に活性な化合物と組み合わせての使用はもちろん、単体で使用しても適当なものと組み合わせての使用であってもよい。
本発明の化合物は、通常の生理食塩水、5%デキストロース等の水溶性溶媒や、植物性油、合成脂肪酸グリセリド、高級脂肪酸のエステルまたはプロピレングリコール等の非水溶性溶媒に溶解、懸濁、または乳化させることで注射製剤としてもよい。製剤は可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤、防腐剤等の通常の添加物を含んでいてもよい。
【0017】
本発明の独創的な化合物の望ましい投与量は、状況や対象の体重、重症度、剤形、投与経路、投与期間によって異なり、当業者が選択してもよい。しかし、望ましい効果を得るためには、本発明の独創的な化合物を、体重/日あたり、0.0001〜100mg/kg、好ましくは0.001から100mg/kg投与することが一般的に勧められる。一日一回投与しても、何回かにわけて投与してもよい。組成物という点では、化合物の量は組成物の総重量につき0.0001〜10重量%、好ましくは0.0001〜1重量%にすべきである。
本発明の製剤組成物は、哺乳類(ラット、マウス、家畜または人間)等の被験動物に様々な経路で投与することができる。全ての投与経路が考えられるが、例えば、経口投与、直腸投与、静脈内投与、筋肉投与、皮下投与、鞘内投与、硬膜外投与、または脳室内投与が挙げられる。
また、本発明の化合物は様々な機能性健康食品およびヘルスケア食品の主成分、または添加物や補助剤としても使用することができる。
ここでいう「機能性健康食品」とは「人間または哺乳類の肥満や脂肪生成関連疾病を予防または改善するために本発明の化合物を通常の食品に添加して、物理的または生理的機能性等を高めた機能性食品」と定義される。
【0018】
本発明のその他の目的は、肥満と脂肪生成関連疾病を予防・緩和するための、ウリ科植物から単離したデヒドロジコニフェリルアルコールとその製剤的な観点からみて許容範囲にある塩、および食品学的にみて許容範囲にある添加物から構成されるヘルスケア食品を提供することである。
ここでいう「ヘルスケア食品」とは「特に意図された効果はないものの、全般的な効果を添加物として少量で、もしくはカプセル・丸薬・錠剤等として全量で発揮する本発明の化合物を含有する食品」と定義される。
ここでいう「食品学的にみて許容範囲にある添加物」とは「その用途が直接的であれ間接的であれ一成分であること自体あるいはその反対で食品の特性に影響を与えることに帰着する、または帰着することが十分に期待しえる物質」と定義される。例としては、増粘剤、熟成剤、漂白剤、抑制剤、湿潤剤、固化防止剤、清澄剤、硬化剤、乳化剤、安定剤、シックナー、塩基および酸、発泡剤、栄養剤、着色剤、着香料、甘味料、防腐剤、酸化防止剤等が挙げられ、以下で詳細に説明する。
ある特定の目的をもって食品にある物質を添加する場合はそれを直接添加物と称し、梱包や貯蔵、その他の取り扱いに応じて微量添加する場合は間接食品添加物と称される。
【0019】
上記記載の健康食品は、肥満および脂肪生成関連疾病の予防と改善を目的として、食品、健康飲料、食事療法等に取り入れることができ、粉末、顆粒、錠剤、チュアブル錠、カプセル、飲料等の形態で使用してもよい。
また、上記記載の化合物を、肥満および脂肪生成関連疾病の予防と改善を目的として食品または飲料に添加することもできる。機能性健康食品またはヘルスケア食品としての食品または飲料に添加する上記記載の化合物の量は、機能性健康食品組成物としては、概して食品総重量の約0.01〜100w/w %である。特に、機能性健康食品またはヘルスケア食品における本発明の化合物の好ましい量は、各食品の使用目的によって異なっていてもよいが、一般的には、食品組成を100%として本発明の化合物を麺類等の食品中に添加物として約0.01〜5%使用するのが好ましく、ヘルスケア食品においては40〜100%の比率で使用するのが好ましい。
【0020】
本発明の健康飲料組成物が上記記載の化合物を主成分として記載の比率で含有しているとした場合、その他の液状成分については特に制限はなく、その他の成分としては様々な清涼剤や通常の飲料等の天然糖類が挙げられる。上記記載の天然糖類としては、グルコース、果糖等の単糖類;麦芽糖、蔗糖等の二糖類;デキストリン、シクロデキストリン等の一般的な糖;キシリトール、エリスリトール等の糖アルコールが例として挙げられる。上記記載のもの以外の清涼剤としては、ソーマチン、レバウディオサイドA等のステビア抽出物、グリシルリジン等の天然清涼剤、サッカリン、アスパルテーム等の合成清涼剤が好適に有用なものとして挙げられる。上記記載の天然糖類の量は、通常、本発明の飲料組成物100mlあたり約1〜20g、好ましくは5〜12gである。
上記記載の組成物以外の成分としては様々な栄養剤、ビタミン、ミネラルまたは電解質、合成着香料、着色料、チーズやチョコレート等の場合は品質改良剤、ペクチン酸およびその塩、アルギニン酸およびその塩、有機酸、保護コロイド粘着剤、pH調整剤、安定剤、防腐剤、グリセリン、アルコール、炭酸飲料等で使用される炭酸化剤が挙げられる。上記記載のもの以外の成分ついては、天然フルーツジュースに使用する果汁、果汁飲料、野菜飲料を挙げられ、成分は独立して使用しても組み合わせて使用してもよい。各成分の比率はあまり重要ではないが、通常、組成物100 w/w%に対して約0から20 w/w%である。こういったものを添加する、上述の抽出物を含有する食品としては様々な食品、飲料、ガム、複合ビタミン剤、健康促進食品等が挙げられる。
以下の実施例を用いて、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、いかなる方法によっても本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【最良の形態】
【0021】
本発明の精神または範囲から外れることなく、本発明の組成物、その用途および製剤に様々な改良や変更を加えうることは当業者には自明である。
本発明を以下の実施例を用いてより詳細に説明するが、いかなる方法によっても本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【実施例】
【0022】
以下の参考例、実施例、および実験例は本発明をより詳しく説明するためのものであり、その範囲を限定するものではない。
実施例1 ウリ科植物の抽出物から単離したデヒドロジコニフェリルアルコールの調製
1−1.未精製抽出物の調製
韓国の市場で購入したカボチャ(Cucurbita moschata DUCH)、スイカ(Citrullus vulgaris SCHRAD)、ヘチマタワシ(Luffa cylindrical L. ROEM)の茎と葉を乾燥させたものそれぞれ2キロを切断し、メタノール20リットルと混合し、還流抽出器を用いて90℃で1時間抽出した。この抽出工程を3回繰り返して上清を回収し、この未精製抽出物をフィルターペーパーでろ過した後、濾液を減圧下で濃縮して、表1に記載のカボチャ、スイカ、ヘチマタワシの乾燥温水抽出物をそれぞれ得た。
[表1]

【0023】
1−2.クロロホルム可溶性抽出物の調製
実施例1−1で調製したカボチャの乾燥させた温水可溶性抽出物200gを1リットルの蒸留水に懸濁させ、そこに1リットルのヘキサンを添加した。得られた水溶液をヘキサン層と水層との分別に3回供して、回収したヘキサン層を濾過した後、真空ロータリーエバポレータで乾燥させて180mgのヘキサン可溶性抽出物を得た。残った水性抽出物に1リットルのクロロホルムを添加し繰り返し分別し、770mgのクロロホルム可溶性抽出物を得た。残った水性抽出物に1リットルの酢酸エチルを添加し繰り返し分別して、酢酸エチル可溶性抽出物2.1グラムを得た。残った水性抽出物に1リットルのブタノールを添加し繰り返し分別することでブタノール可溶性抽出物7.4グラムと水溶性抽出物とを得た。
【0024】
1−3.デヒドロジコニフェリルアルコールの調製
25gのシリカゲル(メルク社。No−9385)を充填したカラム(3x27cm)を使用して、770mgのクロロホルム可溶性抽出物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。混合溶媒(ヘキサン:クロロホルム:メタノール=16:15:1)を移動相として溶出させた。得られた成分を乾燥させて11の成分に分けた。つまり第1成分(31mg)、第2成分(18mg)、第3成分(65mg)、第4成分(18mg)、第5成分(54mg)、第6成分(75mg)、第7成分(39mg)、第8成分(200mg)、第9成分(20mg)、第10成分(163mg)、および第11成分(64mg)である。最も強力な抗肥満活性を示す第9成分20mgを、シリカゲル2g(メルク社。9385)を充填したシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供した。溶出は、直線勾配のクロロホルム:メタノールを含有する混合溶媒を用いて(30:1?>10:1)段階的に行った。さらに第9成分を精製するために、HPLC(u-ボンダパックC18、水、7.8 x 300 mmカラム、検出器:UV 254nm)を行って以下の生理化学的性質を有するデヒドロジコニフェリルアルコールを得た。移動相としては20〜70%のメタノールを使用し、40%メタノールの流速2ml/mで行った。得られたデータは、従来文献に開示のものと一致している(Kuroda他。J. Agric. Food. Chem. 50, pp3396-3400, 2002)。
【0025】
デヒドロジコニフェリルアルコール:C2222(M.W:338)
1H-NMR (400MHz, アセトン-d6); デルタ3.53 (1H, d, J=6.8 Hz, b-H), 3.82 (3H, s, OCH3), 3.81 (1H, dd, J=11.2, 6.8Hz, g-H), 3.90 (1H, dd, J=11.2, 5.2Hz, g-H), 4.20 (2H, dd, J=5.2, 1.6Hz, g'-H2), 5.56 (1H, d, J=6.8Hz, a-H), 6.24 (1H, dt, J=16.0, 1.6Hz, a'-H), 6.81 (1H, d, J=8.0Hz, 5-H), 6.88 (1H, dd, J=8.0, 2.2Hz, 6-H), 6.95 (1H, J=1.6Hz, 2'-H), 6.98 (1H, d, J=1.6, 6'-H), 7.04 (1H, d., J=2.0 Hz, 2-H);
12C-NMR (100MHz, アセトン-d6); デルタ54.74 (C-b), 56.21 (OCH3), 56.32 (OCH3), 63.35 (C-g'), 64.56 (C-g), 88.49 (C-a), 110.43 (C-2), 11.62 (C-2'), 115.62 (C-5), 116.04 (C-6'), 119.54 (C-6), 128.34 (C-b'), 130.37 (C-a'), 130.47 (C-5'), 131.89 (C-1'), 134.35 (C-1), 145.22 (C-3'), 147.41 (C-4), 148.43 (C-3), 149.02 (C-4')。
【0026】
実験例1 脂肪細胞分化およびトリグリセリドレベルの阻害効果
実施例1で調製した化合物、つまりデヒドロジコニフェリルアルコール(DHCA)の脂肪細胞分化およびトリグリセリドレベルの阻害活性を測定するために以下の実験を行った。
ATCC(米国・アメリカンティッシューカルチャーコレクション社)から購入した前脂肪細胞(3T3−L1)を10%のFBSを含有するRPMI培地で培養し、成熟した脂肪細胞に分化させるためにMDIカクテル(イソブチルメチルキサンチン、デキサメタゾン、インシュリン)を添加した。2日後、培地を交換してインシュリンのみで処理した。その後、培地を交換し同濃度のインシュリンで処理する作業を一日おきに行った。分化が起こったら濃度10〜1000ug/mlのDHCAで処理し、培地を交換する度に同濃度のDHCAで処理した。トログリタゾン(シグマ社)および10 uM SB203580(シグマ社) を対照グループとして使用し、0.01%エタノールを対照グループの溶剤とした。8日後、分化した細胞内に蓄積された脂肪をオイルレッドO染色試薬で染色して、490nmでの吸光度を光学濃度から定性的に測定した。阻害率(%)は、以下の実験式1を用いて計算した。
【0027】
[実験式1]
阻害率(%)=[テストグループのO.D.]/[対照グループのO.D.値]x100
結果、前脂肪細胞3T3−L1細胞は分化して成熟細胞となり、大きなトリグリセリド滴が完全に分化した細胞中に蓄積されていることが確認された。脂肪細胞分化促進剤トログリタゾン処理グループにおいてはトリグリセリドがより多く生成され、他のグループよりも濃い赤に染色された。テストサンプル処理グループにおける、生成したトリグリセリドと脂肪細胞分化のレベルはその投与量に応じて著しく低下した。DHCAのこの抗脂肪生成活性は、脂肪細胞の分化を阻害することで知られるSB203580に匹敵するものであった(図1と図2を参照のこと)。
【0028】
実験例2 PPARアルファ活性化に対する制御効果
実施例1で調製した化合物の、PPARアルファ活性化に対する制御活性を測定するために以下の実験を行った。
CV−1細胞に、tkPPREルシフェラーゼとpCMV−PPARアルファの双方を一時的に共トランスフェクションした。対照トランスフェクションとしてのpCMV−RXRおよびpCMV−ベータ−Galも同様にした。細胞を、ウリ科植物の抽出物から得られた濃度100ug/mlのDHCAまたは様々な分別成分、つまりヘキサンと酢酸エチル成分で処理した。また、細胞をDMSOまたはPPARアルファのアゴニストとして有名なフェノフィブラート(100uM。シグマ社)で処理した。24時間後、ルシフェラーゼ分析用に細胞溶解物を準備し、活性をベータGal活性に正常化させた。
図3から明らかなように、ウリ科植物の抽出物全体ではなくDHCAが、ルシフェラーゼ活性を対照グループに比べて10倍向上させた。DHCAで処理した細胞の活性の強度はフェノフィブラートで処理した細胞のそれよりも高く、ウリ科植物の抽出物から単離したDHCA(デヒドロジコニフェリルアルコール)がPPARアルファを活性化することによって脂質代謝を制御できることがわかる。
【0029】
実験例3 毒性試験
試験方法
生後6週間のSPF SDラットに投与したテスト化合物の急性毒性試験を以下の手順で行った。
各2匹のラットで構成される4グループに、未精製抽出物を100 mg/kg経口投与して、2週間観察した。
結果
いずれのグループまたは性別に関しても、死亡率、臨床的徴候、体重変化、および全体の所見に処置による効果の違いは見られなかった。経口投与における最低LD50値は100g/kgより高かった。これらの結果から、本発明によるテスト化合物が安全でありながらも強力であることがわかった。
以下に、製剤方法と賦形剤の種類とを説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。代表的な製剤例は以下に記載のとおりである。
【0030】
粉剤の調製
DHCA・・・・・・・・・・・50mg
乳糖・・・・・・・・・・・・・100mg
タルク・・・・・・・・・・・・10mg
上記成分を混合して密封容器に充填することで粉剤を調製した。
【0031】
錠剤の調製
DHCA・・・・・・・・・・50mg
コーンスターチ・・・・・・・100mg
乳糖・・・・・・・・・・・・100mg
ステアリン酸マグネシウム・・2mg
上記成分を混合、錠剤状にすることで錠剤を調製した。
【0032】
カプセルの調製
DHCA・・・・・・・・・・50mg
コーンスターチ・・・・・・・100mg
乳糖・・・・・・・・・・・・100mg
ステアリン酸マグネシウム・・2mg
錠剤は、上記成分を混合し、通常のゼラチン調製方法でゼラチンカプセルに充填することで調製した。
【0033】
注射剤の調製
DHCA・・・・・・・・・・50mg
注射用蒸留水・・・・・・・・最適量
pH調整剤・・・・・・・・・最適量
注射剤は、通常の注射剤調製法に従って有効成分を溶解し、pHを約7.5に調整し、2mlのアンプルに全成分を充填して殺菌することで調製した。
【0034】
液剤の調製
DHCA・・・・・・・・・・0.1〜80g
糖 ・・・・・・・・・・・・5〜10g
クエン酸・・・・・・・・・・0.05〜0.3%
カラメル・・・・・・・・・・0.005〜0.02%
ビタミンC・・・・・・・・・0.1〜1%
蒸留水・・・・・・・・・・・79〜94%
COガス・・・・・・・・・0.5〜0.82%
液剤は、通常の液剤調製法に従って有効成分を溶解し、全成分を充填・殺菌することで調製した。
【0035】
ヘルスケア食品の調製
DHCA・・・・・・・・・・1000mg
ビタミン混合物・・・・・・・最適量
酢酸ビタミンA・・・・・・・70mg
ビタミンE・・・・・・・・・1.0mg
ビタミンB・・・・・・・・0.13mg
ビタミンB・・・・・・・・0.15mg
ビタミンB・・・・・・・・0.5mg
ビタミンB12・・・・・・・・0.2mg
ビタミンC・・・・・・・・・10mg
ビオチン・・・・・・・・・・10mg
ニコチン酸アミド・・・・・・1.7mg
葉酸・・・・・・・・・・・・50mg
カルシウムパントテン酸・・・0.5mg
ミネラル混合物・・・・・・・最適量
硫酸鉄・・・・・・・・・・・1.75mg
酸化亜鉛・・・・・・・・・・0.82mg
炭酸マグネシウム・・・・・・25.3mg
リン酸一カリウム・ ・・・・15mg
第二リン酸カルシウム・・・・55mg
クエン酸カリウム・・・・・・90mg
炭酸カルシウム・・・・・・・100mg
塩化マグネシウム・・・・・・24.8mg
上記記載のビタミンおよびミネラル混合物には様々な変更を加えてもよく、そういった変更は本発明の精神と範囲から外れるものとはみなされない。
【0036】
健康飲料の調製
DHCA・・・・・・・・・・1000mg
クエン酸・・・・・・・・・・1000mg
オリゴ糖・・・・・・・・・・100g
アプリコット濃縮物・・・・・2g
タウリン・・・・・・・・・・1g
蒸留水・・・・・・・・・・・900ml
健康飲料は、通常の健康飲料調製方法に従って有効成分を溶解、混合、85℃で1時間攪拌、濾過、全成分を1000mlのアンプルに充填・殺菌することで調製した。
本発明の記載より、同じものに様々なアレンジを加えうることは明白である。そういった変更は本発明の精神と範囲から外れるものとはみなされない。また、当業者に自明なそういった改良は、以下に述べる請求項の範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明で記載のように、ウリ科植物の抽出物から単離した本発明の化合物は強力な体重減少活性、血中トリグリセリドおよびコレステロールレベルを低減する効果、PPARアルファ活性の活性作用、前駆脂肪細胞から脂肪が生成するのを毒性を伴うことなく防ぐ効果を有しており、医薬品またはヘルスケア食品として、肥満および脂肪生成関連疾病を治療または予防するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の化合物の脂肪細胞分化およびトリグリセリドレベルにおける阻害効果を示す顕微鏡写真である。
【図2】本発明の化合物の脂肪細胞分化およびトリグリセリドレベルにおける阻害効果を示すグラフである。
【図3】本発明の化合物のPPARs活性に対する制御効果を示すものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウリ科植物の抽出物から単離した、抗脂肪生成活性と抗肥満活性とを有する、以下の化学式(1a)で表されるデヒドロジコニフェリルアルコールと薬理学的に許容範囲にあるその塩とを有効成分として、肥満と脂肪生成関連疾病を治療・予防するに効果的な量で含むことを特徴とする医薬品組成物。

【請求項2】
前記ウリ科植物が、カボチャ(Cucurbita moschata DUCH)、スイカ(Citrullus vulgaris SCHRAD)、ヘチマタワシ(Luffa cylindrical L. ROEM)、ヒョウタン(Lagenaria siceraria STANDL. var. depressa HERA)、およびきゅうり(Cucumis sativus L)から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ウリ科植物の抽出物がその茎または葉から抽出されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記肥満および脂肪生成関連疾病が、肥満、2型糖尿病、脂肪症、高脂血症、心疾患、アテローム性動脈硬化症を含むことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
肥満と脂肪生成関連疾病を予防・緩和するための、上記請求項1に記載のデヒドロジコニフェリルアルコールと食品学的に許容範囲にある添加物を含むことを特徴とするヘルスケア食品。
【請求項6】
前記食品がヘルスケア飲料であることを特徴とする、請求項5に記載のヘルスケア食品。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2007−515407(P2007−515407A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542502(P2006−542502)
【出願日】平成16年12月3日(2004.12.3)
【国際出願番号】PCT/KR2004/003169
【国際公開番号】WO2005/053675
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(506185883)ヘリクサー カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】