説明

エアゾール型化粧料

【課題】キメ細かい泡で、コシがあり、適度な粘性を与えるクリーミーな泡で、マッサージ施術中においても泡状態が維持されてマッサージしやすく、拭き取り又は洗い流した後も、べたつき感がなく、肌にしっとりとした感触を与えるエアゾール型化粧料を提供することにある。
【解決手段】下記(A)〜(D)を含有することを特徴とするエアゾール型化粧料。
(A)ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル
(B)糖類
(C)シリコーン油
(D)炭酸ガス

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージしやすく、洗い流した後も、肌にしっとりとした感触を与え、べたつき感のないエアゾール型化粧料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアゾール型化粧料は、化粧水を噴霧するスプレータイプや、洗顔料やパックなどを泡状にして吐出するフォームタイプなど幅広く利用されている。特に、フォームタイプでは泡状に吐出された化粧料が肌に塗布されることにより、肌と外気とを遮断し、皮膚温を上昇させることで皮膚の新陳代謝を促進させ、組成物中に含まれる有効成分の浸透を促進する効果を持つため、マッサージ料として検討が進められている。
しかし、フォームタイプにおいては、皮膚上で泡状の化粧料をある程度の時間、マッサージを行うと、体温で泡状の化粧料が暖められることで泡が柔らかく(粗く)なってしまい、泡が安定化しにくいという問題がある。泡が粗く、泡の安定性が不十分であると、顔などの皮膚と手のひらの間に泡のクッションができず、摩擦による刺激が大きくなってしまう。また、外気との遮断性が損なわれるため、新陳代謝を十分に高めることできない。
また、LPG等のガスで発泡させるエアゾール型化粧料では、マッサージ施術中に皮膚上で泡の破裂に伴う、プチプチ弾ける感触が刺激と感じられることがあり、デリケートな肌質の人では、ひりひり感を感じ、炎症を起こしてしまうという問題があった。
【0003】
このような問題に鑑み様々な検討が行われている。例えば、アシルアミノ酸塩と糖アルコールと水溶性多糖類を組み合わせるエアゾール型泡状パック化粧料(特許文献1参照)、キサンタンガムとマルメロ種子抽出物を含有する泡沫形成化粧料(特許文献2参照)、炭酸ガス、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル、グリセリンとを組み合わせるエアゾール型水性洗顔化粧料(特許文献3参照)などが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−161022号公報
【特許文献2】特開2005−15405号公報
【特許文献3】特開2007−131585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1、2に記載のエアゾール型化粧料では、多糖類を配合したことで、泡質の向上が認められるものの、多糖類のべたつき感が強く、特に化粧料の拭き取りや、洗い流した後にもべたつき感が残る場合があり、使用後の快適さが損なわれていた。
特許文献3に記載のエアゾール型化粧料では、炭酸ガスを噴射剤として利用することで、ガスの破裂に伴う刺激を低減させてはいるが、泡の安定性が低く、マッサージ施術中に泡が消失されてしまうものであった。
従って、本発明の課題は、キメ細かい泡で、コシがあり、適度な粘性を与えるクリーミーな泡で、マッサージ施術中においても泡状態が維持されてマッサージしやすく、拭き取り又は洗い流した後も、べたつき感がなく、肌にしっとりとした感触を与えるエアゾール型化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、ポリグリセリン脂肪酸エステルと糖類と水溶性高分子と炭酸ガスを組み合せてエアゾール型化粧料とすることにより、泡がキメ細かく、コシがあり、かつクリーミーでマッサージしやすく、拭き取り又は洗い流した後にべたつき感がなく、肌にしっとり感を付与できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の請求項1は、(A)ポリグリセリンモノ脂肪酸エスエルと(B)糖類と(C)シリコーン油と(D)炭酸ガスを含有することを特徴とするエアゾール型化粧料である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のエアゾール型化粧料は、キメ細かく、コシがあり、適度な粘性を与えるクリーミーな泡を生じ、マッサージ施術中においても皮膚上で泡状態が維持できるためマッサージしやすく、拭き取り又は洗い流した後もべたつき感がなく、肌にしっとりとした感触を付与できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の構成を詳述する。
【0010】
本発明における(A)ポリグリセリンモノ脂肪酸エスエルは、グリセリンの縮合体であるポリグリセリンのOH基に脂肪酸が一個エステル結合したものであり、下記一般式(1)で表されるものが好適に用いられる。
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、Rはいずれか一つが炭素数8〜20の脂肪酸残基であり、他は水素原子であり、nは2〜18の整数であり重合モル数を示す。)
【0013】
本発明に用いられる(A)ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルは、グリセリンの平均重合度が2〜18、さらに6〜14、特に8〜12であることが好ましい。なかでもデカグリセリンが特に好ましい。
ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、いずれか1つが炭素数8〜20の脂肪酸が好ましく、より好ましくは炭素数10〜18の脂肪酸であり、さらに好ましくは炭素数12〜16の脂肪酸である。また、脂肪酸は飽和、不飽和、直鎖、分岐鎖いずれであってもよいが、特に直鎖状飽和脂肪酸が好ましい。脂肪酸の具体例としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられる。好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸であるが、特にラウリン酸が好ましい。
本発明に用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルの具体例としては、ラウリン酸デカグリセリル、ミリスチン酸デカグリセリル、パルミチン酸デカグリセリル、ラウリン酸ドデカグリセリル、ミリスチン酸ドデカグリセリル、パルミチン酸ドデカグリセリル等であり、これらを一種又は二種以上を組み合わせて添加することが出来る。これらの中でも特にラウリン酸デカグリセリル、ミリスチン酸デカグリセリルを用いることが好適である。
【0014】
本発明におけるポリグリセリンモノ脂肪酸エスエルの好ましい含有量としては、本発明化粧料全量中、0.1〜5.0質量%(以下、単に%と略す。)であり、特に好ましくは0.5〜2.0%である。ポリグリセリンモノ脂肪酸エスエルの含有量が当該範囲内であれば、泡のクリーミーさ、泡安定性が良好となる。
【0015】
本発明における(B)糖類としては、通常化粧料に用いるものであれば特に限定されないが、ここでいう(B)糖類には、加水分解によって10分子以上の単糖類を生じる糖類は含まない。糖類としては、単糖類、二糖類又は糖アルコールを用いるのが好ましい。
【0016】
単糖類の具体例としては、D−エリツルロース,D−エリトロース,D−トレオース等のテトロース類、D−アラビノース,L−アラビノース,D−キシロース,D−リキソース,L−リキソース,D−リボース等のアルドペントース類、D−キシルロース,L−キシルロース,D−リブロース,L−リブロース等のケトペントース類、D−ガラクトース,L−ガラクトース,D−グルコース,D−タロース,D−マンノース等のアルドヘキソース類、L−ソルボース,D−タガトース,D−プシコース,D−フルクトース等のケトヘキソース類、D−アピオース,D−ハマメロース等の分枝糖類などが挙げられる。二糖類の具体例としては、キシロビオース,アガロビオース,カラビオース,マルトース,イソマルトース,ソホロース,セロビオース,トレハロース,ネオトレハロース,イソトレハロース,イヌロビオース,ビシアノース,イソプリメベロース,サンブビオース,プリメベロース,ソラビオース,メリビオース,ラクトース,リコビオース,エピセロビオース,スクロース,ツラノース,マルツロース,ラクツロース,エピゲンチビオース,ロビノビオース,シラノビオース,ルチノース等が挙げられる。糖アルコールとしては、エリスリトール,D−アラビトール,キシリトール,D−リビトール,ガラクチトール,D−グルシトール,D−マンニトール,マルチトール等が挙げられる。
好ましい糖類としては、グルコース、マルトース、マルチトール、スクロース、マンニトール、ソルビトール、トレハロースを利用することができる。
【0017】
糖類は、一種又は二種以上を組み合わせて添加することができる。これらの糖類のうち、単糖類又は二糖類を用いると、洗い流した後のしっとりした感触の面で特に優れ、好ましい。
【0018】
本発明における(B)糖類の好ましい含有量としては、本発明化粧料全量中、5〜50%が好ましく、さらに好ましくは10〜30%である。糖類の含有量が当該範囲であれば、クリーミーな泡で、泡安定性が高く、洗い流した後でもべたつかずにしっとりとした感触が得られる。
【0019】
本発明における(C)シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジメチコノール、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、パーフルオロアルキルポリオキシアルキレン変性シリコーン、環状シリコーン等が挙げられ、これらの中から一種又は二種以上を組み合わせて添加することが出来る。
【0020】
好ましいシリコーン油としては、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンが挙げられる。
また、使用感(しっとり感、べたつき感のなさ)、泡のクリーミーさの点から、25℃における粘度が1〜1000mm2/sのものが好ましく、さらに好ましくは2〜500mm2/s、特に好ましくは5〜100mm2/sであるものが利用できる。
【0021】
本発明におけるシリコーン油の好ましい含有量としては、本発明化粧料全量中、0.01〜3.0%であり、さらに好ましくは0.1〜1.0%、特に好ましくは0.2〜0.7%である。シリコーン油の含有量が当該範囲内であると、泡のクリーミーさ、泡安定性が良好で、洗い流した後のべたつき感がなく、好ましい。
【0022】
本発明における(D)炭酸ガスは常温で気体であり、エアゾールの噴射剤として配合される。また、吐出される泡質を調整するために、液化石油ガス、ジメチルエーテル等の噴射剤を併用することができる。
本発明のエアゾール型化粧料には、25℃における圧力が0.4〜0.7MPaとなるように噴射剤を配合することが好ましく、特に皮膚への刺激性の点から、炭酸ガスを質量%に換算して、0.5〜2%とするのが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.2%含有させることが好ましい。
【0023】
本発明のエアゾール型化粧料には、さらにマッサージ施術中の泡状態の維持の点から、(E)水溶性高分子を含有させるのが好ましい。(E)水溶性高分子としては、多糖類(加水分解によって10分子以上の単糖類を生じる糖類)、タンパク・ポリアミノ酸系高分子、ビニル系高分子、ポリエーテル系高分子、ポリアミド系高分子、ポリエステル系高分子、ポリウレタン又はこれらの誘導体等が用いられる。
多糖類又はその誘導体の具体例としては、グアーガム、ローカストビーンガム、クイーンスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアゴム、トラガント、ペクチン、キサンタンガム、デキストリン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の天然多糖類、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン等の合成あるいは半合成多糖類が挙げられる。
タンパク・ポリアミノ系高分子又はその誘導体の具体例としては、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、ポリグルタミン酸、ポリリジン、ポリアルギニンが挙げられる。
ビニル系高分子又はその誘導体の具体例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル等のポリビニルエーテル類、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ヒドロキシエチル、ポリメタクリル酸ジメチルアミノエチル、カルボキシビニルポリマー等のアクリル酸系あるいはメタクリル酸系ポリマー、ポリメタクリルアミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミド等のポリアクリルあるいはポリメタクリルアミド酸、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン共重合体、ポリN−ビニルイミダゾール、ポリ4−ビニルピリジンあるいはこれらの誘導体、マレイン酸等のカルボキシビニル基含有ポリマー、ポリ(N,N−ジメチル−3,5−メチレンピペリジウムクロライド)、N,N−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウムクロライド)−アクリルアミド共重合体、又はこれらの誘導体、更には上記ポリマーの単量体を含有する共重合体等が挙げられる。
その他の水溶性高分子又はその誘導体としてはポリエチレングリコール(数平均分子量1000以上)等のポリエーテル系高分子、水溶性ナイロン等のポリアミド系高分子、酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体等のポリエステル系高分子、水溶性ポリウレタン又はこれらの誘導体等が挙げられる。
【0024】
特にこれらの水溶性高分子のうち、ポリビニルピロリドン及びビニルピロリドン系共重合体が泡のクリーミーさ、洗い流した後のしっとりした感触の面で優れており、好ましい。
【0025】
ポリビニルピロリドンとしては、重量平均分子量が8000〜1300000のものが好ましく、更に好ましくは60000〜400000のものが利用できる。
【0026】
ビニルピロリドン系共重合体としては、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン−N・N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、塩化メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体、メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体メチル硫酸、(ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ラウリルジメチルアミノプロピリメタクリルアミド)共重合体が好ましく使用できる。
【0027】
本発明における水溶性高分子の好ましい含有量としては、本発明化粧料全量中に好ましくは0.01〜2%、さらに好ましくは0.05〜1%、特に好ましくは0.1〜0.5%である。水溶性高分子の含有量が当該範囲内であれば、クリーミーな泡で、マッサージ施術中においても泡状態が維持されてマッサージしやすい。
【0028】
本発明のエアゾール型化粧料には泡質、洗いあがりのしっとり感を向上させる目的で、さらに(F)2価又は3価アルコールを含有させることが好ましい。
2価又は3価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(数へ金分子量1000未満)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(数平均分子量1000未満)、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどが挙げられる。
【0029】
好ましい2価又は3価アルコールとしては、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(数平均分子量1000未満)、ポリエチレングリコール(分子量1000未満)、1,3−ブチレングリコールを挙げることができる。
【0030】
2価又は3価アルコールは、糖類の含有量に対して、質量比で好ましくは10:1〜1:2、さらに好ましくは5:1〜1:1の割合で含有することが好ましい。2価又は3価アルコールの配合量が当該範囲内であれば、泡質、洗いあがりのしっとり感が良好となる。
【0031】
本発明のエアゾール型化粧料には、発明の効果を損なわない範囲であれば、上記必須成分の他に界面活性剤、油性成分、シリコーン化合物、高級アルコール、低級アルコール、粉体、植物エキス、防腐剤、殺菌剤、キレート剤、酸化防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、香料等を配合することが出来る。
【0032】
本発明のエアゾール型化粧料は、上記成分を耐圧容器に充填することにより製造できるが、その噴射の形態としては泡状にして吐出するフォームタイプとするのが好ましい。
【0033】
本発明のエアゾール型化粧料は、化粧料として特に制限なく利用できるが、拭き取り又は洗い流した後でも皮膚に対する保湿性が高いため、シャンプー、リンス、コンディショナーなどの毛髪化粧料、洗顔料、クレンジング化粧料、パック、マッサージ化粧料などの皮膚化粧料として好適に利用できる。
【実施例】
【0034】
以下に実施例、比較例を挙げて本発明を説明する。本発明は、これらにより限定されるものではない。
【0035】
実施例、比較例に示した官能試験の試験方法は下記の通りである。尚、以下の表に示す組成物の含有量は、それぞれ%で示す。
【0036】
官能試験
10名の被験者によってエアゾール型化粧料の試料を頬の部位に塗布した。塗布後3分間マッサージを続け、ぬるま湯にて洗い流した。その後被験者本人が、マッサージのしやすさ、洗いあがりのしっとり感、べたつき感の無さについて官能評価し、平均評価点を求めた。評価基準は、以下の通りである。
【0037】
4:非常に良好
3:良好
2:やや悪い
1:悪い
【0038】
◎:平均評価点が3.4以上
○:平均評価点が2.8以上、3.4未満
△:平均評価点が2.2以上、2.8未満
× :平均評価点が2.2未満
【0039】
実施例1〜4、比較例1〜8
表1に示した処方のエアゾール型化粧料を作製し、前記各試験を実施した。製造方法は噴射剤以外の成分を加熱混合し、冷却後、耐圧容器に充填した。その後、噴射剤加圧することにより充填した。処方と試験結果を表1に併せて示す。
【0040】
【表1】

【0041】
表1より明らかなように本発明の成分(A)〜(D)を用いた実施例のエアゾール型化粧料はいずれも優れた性能を有していた。一方、成分(A)〜(D)のうちのいずれかを欠いた比較例では、マッサージのしやすさ、しっとり感、べたつき感の無さのいずれかの面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
【0042】
実施例5
原液
(A)ラウリン酸デカグリセリル 1.0 %
(F)ジプロピレングリコール 10.0
(B)マルチトール 5.0
(C)ジメチルポリシロキサン(6cs) 0.5
(E)ポリビニルピロリドン(重量平均分子量、400,000) 0.2
(E)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
ラウロイルグルタミン酸ナトリウム 0.3
ステアリルアルコール 0.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.3
ポリオキシエチレンセチルエーテル(5E.O.) 0.5
エデト酸2ナトリウム 0.02
チンピエキス 0.1
アルテアエキス 0.05
キラヤエキス 0.05
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
フェノキシエタノール 0.2
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
香料 0.2
精製水 残部
噴射剤
液化石油ガス(0.15MPa、25℃) 5.0
(D)炭酸ガス 1.0
【0043】
上記組成のエアゾール型化粧料を作成し評価したところ、マッサージしやすさ、しっとり感、べたつき感の無さについて、優れた性能を有していた。尚、上記エアゾール型化粧料の圧力(25℃)は0.6MPaであった。
【0044】
尚、上記の実施例5において使用した香料の組成は表2に示す。
【0045】
【表2】

【0046】
実施例6
原液
(A)ラウリン酸デカグリセリル 2.0%
(B)スクロース 10.0%
(C)ポリエーテル変性シリコーン(KF−6011 信越化学工業社製) 0.5%
(E)ポリビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩(GAFQUAT734、ISP社製、純分換算) 0.2%
(F)ジグリセリン 2.0%
ポリオキシエチレンセチルエーテル(15E.O.) 0.5%
ユズエキス 0.1%
クエン酸 0.05%
クエン酸ナトリウム 0.05%
精製水 残部
噴射剤
液化石油ガス(0.25MPa、25℃) 3.0%
(D)炭酸ガス 1.5%
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明によれば、クリーミーな泡で、肌をマッサージしやすく、洗い流した後も、肌にしっとりとした感触を与え、べたつき感のないエアゾール型化粧料を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(A)〜(D)を含有することを特徴とするエアゾール型化粧料。
(A)ポリグリセリンモノ脂肪酸エステル
(B)糖類
(C)シリコーン油
(D)炭酸ガス
【請求項2】
(B)糖類が単糖類、二糖類又は糖アルコールである請求項1に記載のエアゾール型化粧料。
【請求項3】
(C)シリコーン油を0.01〜3.0%含有する請求項1又は2に記載のエアゾール型化粧料。
【請求項4】
さらに(E)水溶性高分子を含有する請求項1〜3のいずれかに記載のエアゾール型化粧料。
【請求項5】
さらに(F)2価又は3価アルコールを含有する請求項1〜4のいずれかに記載のエアゾール型化粧料。

【公開番号】特開2011−93877(P2011−93877A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2053(P2010−2053)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】