説明

エアゾール組成物および方法

単一相エアゾール組成物の断続的定量噴霧の分配方法であって、エアゾール組成物が噴射剤ならびに、芳香剤、香水、エアーフレッシュナー、消臭剤および消毒剤を含む群から選択される少なくとも1つの活性成分を含み;エアゾール組成物の定量噴霧スプレー速度が0.1〜2g/sであり;エアゾール組成物の各噴霧の平均粒径が1μm〜40μmである前記方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、定量噴霧装置(metered dose device)の使用による単一相エアゾール組成物の分配方法、このような装置に使用する組成物、組成物の製造方法および組成物を含む装置を記載している。
【0002】
エアゾールは、霧、流れ、スプレー、粉末またはフォームとしてさえも分配される多数の製品を特定する一般的な工業用語である。加圧缶は、パーソナル製品、家庭用品、工業製品および医療品を分配するための代表的なエアゾール発生用容器である。通常、エアゾールディスペンサーは、分配される液体製品、例えば石鹸、殺虫剤、塗料、消臭剤、消毒薬、エアーフレッシュナーなどを含有する容器を含む。容器から液体製品を排出するための十分な力を供給するために加圧噴射剤が用いられる。そうして、使用者は例えばアクチュエータボタンを押すことによりエアゾールディスペンサーを作動させる。
【0003】
最適の製品送出は、加圧容器中の製品の組成物、全製品に対する全噴射剤の割合および送出ハードウェア(通常、弁およびアクチュエータ)のバランスを取ることによってのみ達成される。
【0004】
噴射剤はこのシステムの重要な構成成分である。今日、エアゾールディスペンサーに用いられている2つの主な噴射剤のタイプは、液化ガス噴射剤、例えば炭化水素、クロロフルオロカーボン(CFC)およびハイドロフルオロカーボン(HFC)噴射剤、ならびに101.3kPa(14.7psi)以上の蒸気圧を有する圧縮ガス噴射剤、例えば圧縮二酸化炭素または圧縮窒素ガスである。しかしながら、CFCはオゾン層破壊を通しての環境への潜在的に有害な影響により法的に厳しく禁止されているとして、CFCの使用は徐々に廃止されつつある。HFCは関係していない。
【0005】
液化ガスタイプ噴射剤を用いるエアゾールディスペンサーにおいて、噴射剤の蒸気圧におおよそ等しいかまたはそれより少し大きい圧力まで液体製品および噴射剤で容器が装填される。このように充填された後、容器はなお液体により占められていない一定量の空間を有する。この空間は、ディスペンサー組立体の”ヘッドスペース”と呼ばれる。容器はおおよそ噴射剤の蒸気圧まで加圧されているので、噴射剤の一部は液体製品中に溶解または乳化されている。噴射剤の残りの部分は気相中に存在し、ヘッドスペースを占めている。製品が分配されるとき、液体噴射剤は蒸発して排出される蒸気を補充するので、容器中の圧力はおおよそ一定のままである。内容物が使いつくされるまで、液化ガス噴射剤はエアゾール缶内の圧力を一定に保つので、缶の寿命を通して一貫したスプレー性能を確実にする。溶解性、経済学、圧力および安全の最良の組み合わせを達成するために、噴射剤成分のブレンドを使用するのが一般的である。
【0006】
それにひきかえ、圧縮ガス噴射剤(CO2、N2O、N2)は通常のエアゾール容器中では液体ではない。すなわち、それらは完全に気相中に存在する。内部の蒸気圧は内容物が使いつくされるにつれて低下し、スプレーの速度および特性における変化をもたらす。
【0007】
エアゾールディスペンサーからエアーフレッシュナー液体製品を噴射するために通常使用される噴射剤は、70°Fで40psig(294Kで2.72atm)の範囲の噴射剤圧力を有するプロパン、ノルマルブタンおよびイソブタンの液化ガス噴射剤混合物である。全エアゾール容器内に含有される最初のゲージ圧を指す”缶圧力”とは異なり、”噴射剤圧力”は噴射剤のおよその蒸気圧を指す。
【0008】
エアーフレッシュナー液体製品を十分に分配するためには、エアーフレッシュナーは、噴射剤がディスペンサー組立体の内容物の少なくともおおよそ29.5重量%の量で存在することを必要とする。
【0009】
噴射剤含有量の減少が製品性能に悪影響を与えることが観察されている。特に、エアゾールエアーフレッシュナーにおける噴射剤含有量の減少は、噴射剤が使いつくされた後に容器中に残っている過度の製品(製品の残留)、分配される製品の粒径の増加(増加した粒径、粒子が空中から”降る””落ちる”ことの原因となる)およびスプレー速度の減少、特に容器が空に近づくにつれての減少をもたらす。このように、粒径の減少は、ディスペンサーのハードウェアを再構成すること、例えばスプレーヘッドから混合物が排出される前に製品/噴射剤混合物中に乱流を引き起こすための”分散棒”を組み込むことによってのみ達成できる。
【0010】
非エマルジョン型単一相システムに関しては、(粗大または微細な)スプレーの送出を可能にするための配合物の必要条件には、配合品が均一であること、すなわち活性成分、溶媒系、噴射剤が加圧下で溶液を形成することが極めて望ましい。このことは、これまで、大変高濃度の活性成分の使用によってのみ達成されてきた(US5935554)。
【0011】
エアゾールディスペンサーの要求特性、すなわち少ない降下物、最小限の表面および成分損傷ばかりでなく、スプレーの乾燥度または湿潤度、液滴径およびスプレー速度は、ディスペンサーおよび弁ハードウェアと組み合わせて用いる、噴射剤の濃度および蒸気圧ばかりでなく(もしあれば)溶媒によっても決定される。従って、エアゾールパッケージは、繊細にバランスの取られた多くの変数からなっている。
【0012】
WO03/082477は、圧電振動プレートを用いる、最小の液滴径を有する噴霧液のシステムであって、各液滴が近接した表面上に反落する前に完全に蒸発するのが好ましい前記システムを開示している。液滴が近接表面に到達する前に十分に蒸発する時間がないので、このようなシステムの性能は大きな液滴径により低下するといわれている。
【0013】
WO03/066115は、さらに、同様に、液滴径、液体の成分の蒸気圧および、複雑な所定の数学的関係に従って液滴が落ちる高さを維持することにより完全な蒸発を確実にする圧電振動プレートを用いる、芳香剤などの多成分液体を蒸発させるための方法および装置を開示している。
【0014】
US2004/0223943は、炭化水素噴射剤を含むエアゾールが、小さな液滴がより多量に作られる結果としての、空中で短寿命である極度な最初の一気の香りで特徴付けられることを教示している。従って、粒径および液滴を調節することを可能にするために圧縮ガス噴射剤を使用することが好ましい。好ましい液滴径は20〜60ミクロンである。
【0015】
US5935554およびUS5516504は、計量装置およびその中で用いる、大気中へのVOC放出を最小にするために噴射剤の量に対して高い濃度の活性成分を含む単一相組成物を含むエアゾールスプレーディスペンサーを記載している。150mgの計量弁のみが開示され、好ましい液滴径および分配速度は開示されていない。
【0016】
WO02/072161は、加圧容器からエアフレッシュニング剤を室内に断続的に分配する装置を記載している。分配速度および液滴径は開示されていない。
【0017】
EP0897755およびEP1382399は、農薬を含む化学液を圧電またはエアゾールのいずれかを用いて断続的にスプレーすることによる、有害生物を忌避し排除するための方法であって、噴霧粒子の粒径分布は、累積体積90%が20μm以下の粒径を有する粒径分布である前記方法を記載している。エアゾール法において、粒子の90%がサイズ’x’μmであるようにするためには容量比もまた’x’%である必要があるように、粒子の直径は圧力容器の体積に対する化学液の容量比(%で)を変化させることにより調節される。具体的な計量装置および弁サイズは開示されていない。
【0018】
芳香剤がオイルである場合、芳香剤はまた、しばしばオイルの25重量%までの量の適切な補助溶媒を含有する。これらの材料は、例えば、固形成分および粘性のある香料成分を可溶化または希釈して取り扱いおよび配合を改善させるためばかりでなく、配合物の全蒸気圧を最適化するためにも使用される。このような補助溶媒の存在は、単一相オイルを得るために、または前記オイルの表面張力を調節するために有用な場合がある。適切な溶媒の例として、極性または非極性低分子量溶媒、例えばイソパラフィン、パラフィン、炭化水素、シリコンオイル、過フッ素脂肪族エーテル、グリコールエーテル、グリコールエーテルエステル、エステルまたはケトンを挙げることができる。限定するものでないが、このような溶媒の例は、ジメチコンまたはシクロメチコン(それぞれ商品名Cosmetic Fluid(登録商標)1288およびCosmetic Fluid(登録商標)1387でChemsil Silicon INC.により商品化されている)、ホホバオイル、パーフルオロイソブチルメチルエーテル、フタル酸ジエチル、ジプロピレングリコールおよびミリスチン酸イソプロピルを含む。このタイプの理想的な製品はほとんど香りを持たない製品であり、特に好ましい例はミリスチン酸イソプロピル(IPM)である。驚いたことに、このような補助溶媒の濃度を低下させることにより、芳香剤組成物の性能が顕著に改善されることが見いだされた。
【0019】
驚いたことに、適切に選択されたエアゾール開口部と組み合わせた定量噴霧エアゾールスプレー装置の使用により、1以上の活性種を含むエアゾール組成物は、噴霧形態で、すなわち微細粒子の霧として送出されることができることが見いだされた。噴霧配合物の送出速度は非常に重要であり、配合物中の比較的低い活性成分濃度で優れた感覚性能を生じさせることが見いだされた。
【0020】
噴霧の程度は、特有の送出システムからばかりでなく、送出の定量噴霧方法のためにデザインされた特定のエアゾール組成物からも生じる。装置が作動されるとき、このことは最小の降下物および十分な霧雲の強度を生じさせ、従って優れた感覚効果を生じさせる。
感覚効果の増強は、慣れの回避によっても生じると考えられる。このことは、迅速な分散により、噴出の間に匂いの検出閾値を上下する大気中の芳香剤濃度の結果として生じる。
配合物を限定する追加の要素は、配合物ができるだけ安価であるべきことである。
安全性の観点から、噴霧方法および配合物のこの組み合わせは、より少ない噴霧量をもたらし、従ってより少ない噴射剤が大気中に放出され、従ってより大量の可燃性噴射剤が放出されるシステムに好ましい。
【0021】
そこで、本発明は圧電法または超音波法などの、粒子生成のための複雑で高価な技術に頼ることなく、所望される性能特性、すなわち:
優れたスプレー性能、すなわち少ない降下物;
小さな液滴径;
少ない通常噴霧;
を有する定量噴霧システムによるエアゾール組成物の分配方法を記載している。
【0022】
従って、本発明の第1の側面によれば、単一相エアゾール組成物の断続的定量噴霧(periodic metered dose)の分配方法であって、
エアゾール組成物が噴射剤ならびに、芳香剤(fragrance)、香水(perfume)、エアーフレッシュナー(air freshener)、消臭剤(deodorant)および消毒剤(sanitiser)を含む群から選択される少なくとも1つの活性成分を含み;
エアゾール組成物の定量噴霧スプレー速度(metered dose spray rate)が0.1〜2g/sであり;
エアゾール組成物の各噴霧の平均粒径が1μm〜40μmである
前記方法が提供される。
【0023】
好ましくは、単一相エアゾール組成物は0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜10重量%の活性濃度を有する。特に好ましい実施形態において、活性濃度は8〜8.5重量%である。好ましくは、単一相エアゾール組成物は、おおよそ15cP未満、好ましくはおおよそ13cP未満、好ましくはおおよそ11cP未満、好ましくはおおよそ10cP以下、特に1.5〜5cPの粘度を有する。好ましくは、単一相エアゾール組成物は表面張力15〜35mN/mを有する。好ましくは、単一相エアゾール組成物は蒸気圧1〜10mPaを有する。好ましくは、単一相エアゾール組成物は引火点60〜80℃を有する。好ましくは、質量単位で表した、反復噴霧あたりの噴霧量は2〜20mgである。好ましくは、体積単位で表した、反復噴霧あたりの噴霧量は2〜25mgである。
【0024】
好ましくは、定量噴霧装置は、直径0.1〜1.2mm、好ましくは0.2〜1.0mm、より好ましくは0.2〜0.8mm、特に0.25〜0.75mmの噴霧口(exit hole)を有する。好ましくは、定量噴霧装置は1時間当たり1〜10回噴霧、好ましくは1時間当たり2〜8回噴霧の送出頻度(frequency of delivery)(すなわち各反復定量噴霧間の時間間隔)を有する。
好ましい定量噴霧装置は、同じ出願者からの以下の同時係属中の出願:GB0427646.5、GB0503098.6、GB0503042.4、GB0503095.2、GB0521064.6、GB0521061.2、GB0521063.8およびGB0521071.1(参照により本願に組み込まれる)に記載されているように、電磁操作装置、特に小型電磁弁を含む。
【0025】
本発明の第2の側面によれば、
a.炭化水素、ハイドロフルオルカーボン(hydrofluorcarbon)およびジメチルエーテルまたはそれらの混合物を含む群から選択される噴射剤85〜99.9重量%;
b.芳香剤、香水、消臭剤、エアーフレッシュナーおよび消毒剤を含む群から選択される活性成分0.1〜15重量%;
c.ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピルおよび安息香酸ベンジルを含む群から選択される補助溶媒1重量%未満;ならびに
d.上記以外の成分0〜10重量%
を定量噴霧装置中に含み、a、b、cおよびdを総計して100である、上記の方法による単一相エアゾール組成物の使用が提供される。
【0026】
好ましくは、上記の組成物において、噴射剤(a)はブタンを含む。より好ましくは、噴射剤(a)は、エアゾール缶に対する圧力の制限を満足するように選択され、特定例はブタン46、70または30を含む噴射剤である。
90〜99.5重量%ブタン(a)、より好ましくは90〜99重量%ブタン(a)、特に90〜95重量%ブタン(a)を含む上記の組成物が好ましい。
噴射剤(a)に含まれる好ましいハイドロフルオロカーボンはHFC152aおよびHFC134またはそれらの混合物である。
【0027】
活性成分(b)0.5〜10重量%、好ましくは活性成分(b)1〜10重量%、特に活性成分(b)5〜10重量%を含む、上記の組成物が好ましい。
活性成分(b)が芳香剤またはエアーフレッシュナーである、上記の組成物が好ましい。
好ましくは、芳香剤またはエアーフレッシュナーは、Firmenich Inc.、Takasago Inc.、Noville Inc.、Quest Co.、International Flavors & FragrancesおよびGivaudan−Roure Corp.などの香料供給業者から入手できる、1以上の揮発性有機化合物を含む芳香剤である。
【0028】
さまざまな化学物質、例えばアルデヒド、ケトン、エステル、アルコール、テルペンなどが香料として知られている。大部分の通常の芳香剤材料は揮発性の精油である。芳香剤は比較的単純な組成物であることができ、天然および合成化学成分の複雑な混合物であることもできる。
【0029】
天然の芳香剤は、天然由来のオイル、例えばベルガモット、ビターオレンジ、レモン、マンダリン、キャラウェー、セダーリーフ、クローブリーフ、セダーウッド、ゼラニウム、ラベンダー、オレンジ、オリガナム、プチグレイン、ホワイトセダー、パチョリ、ラバンジン、ネロリ、ローズアブソリュートなどのオイルを含む。天然の香水は、花、茎および葉、果実、果皮、根、木、ハーブおよび草本、針状葉および枝、樹脂およびバルサムの抽出物を含む。他の適切な香料オイルは、主として香気成分として用いられる比較的低揮発性の精油である。例にはセージオイル、カモミールオイル、クローブオイル、メリッサオイル、ミントオイル、シナモンリーフオイル、ライムブロッサムオイル、ジュニパベリーオイル、べチバーオイル、オリバナムオイル、ガルバヌムオイル、ラダナムオイルおよびラバンジンオイルがある。
【0030】
典型的な合成香料化合物はエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素形の物品である。エステル形の香料化合物の例には、酢酸ベンジル、シクロヘキシル酢酸p−tertブチル、酢酸リナリル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、プロピオン酸スチラリルおよびサリチル酸ベンジルがある。エーテルは、例えば、ベンジルエチルエーテルを含み、一方、アルデヒドは、例えば、8〜18炭素原子を含有する直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアールおよびボージュナールを含む。適切なケトンの例は、イオノンおよびメチルセドリルケトンである。適切なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールである。炭化水素は、主にテルペンおよびバルサムを含む。
【0031】
単独あるいは天然オイルと組み合わせた合成形の芳香剤組成物は、米国特許第4,324,915号;第4,411,829号;および第4,434,306号;に記載されている(参照により本願に組み込まれる)。他の人工の液体芳香剤は、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、オイゲノール、イソオイゲノール、リナロール、酢酸リナリル、フェネチルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイオノン、酢酸イソボミルなどを含む。しかしながら、一緒になって快い芳香剤を形成する異なる香料化合物の混合物を使用するのが好ましい。
【0032】
以下:ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘディオン、サンデリス、シトラスオイル、マンダリンオイル、オレンジオイル、グリコール酸アリルアミル、シクロベルタル、ラバンジンオイル、クラリーオイル、β−ダマスコン、ゼラニウムオイルブルボン、サリチル酸シクロヘキシル、ベルトフィックスケウアー、イソイースーパー、フィクソリドNP、エバニール、イラルダインガンマ、フェニル酢酸、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラット、イロチルおよびフロラマットもまた、単独または混合物の形で好ましく使用される。
【0033】
好ましくは、溶媒(c)はジエチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはミリスチン酸イソプロピルである。特に好ましい実施形態において、溶媒(c)はミリスチン酸イソプロピルである。
【0034】
本組成物はまた、10重量%までのさらなるアジュバントおよび/または賦形剤、例えば限定するものではないが、防錆剤、防腐剤、殺生物剤、pH調節剤および緩衝液、界面活性剤、オイル成分、乳化剤、安定化剤、ポリマー、シリコーン化合物、抗酸化剤、皮膜形成剤、可溶化剤、防腐剤、染料などを含むこともできる。
【0035】
上記の本発明の第2の側面の特に好ましい実施形態において、
ブタン70噴射剤90〜95重量%;
芳香剤5〜10重量%;および
ミスチル酸イソプロピル(isopropylmistyrate)1重量%未満;
を含み、総計して100である組成物が提供される。
【0036】
上記の本発明の第1の側面のさらに好ましい実施形態において、
HFC152a噴射剤94〜99重量%;
芳香剤1〜6重量%;および
ミスチル酸イソプロピル1重量%未満;
を含み、総計して100である組成物が提供される。
【0037】
本発明の第3の側面によれば、
活性成分と残りの非噴射剤成分(単数または複数)(存在する場合)を混合して均一な混合物を得るステップ;
得られた混合物をエアゾール容器に移すステップ;
容器を弁でシールするステップ;ならびに
容器および混合物を噴射剤(a)で加圧するステップ
を含む第2の側面に記載の組成物の製造方法が提供される。
【0038】
本発明の第4の側面によれば、上記の組成物を含むエアゾール容器が提供される。
金属エアゾール缶は、通例スズメッキ鋼またはアルミニウムから製造される。ブリキエアゾール缶は、主として3つの構成要素−弁開口部を含む上部、胴部および底部で構成されている。現在はツーピース缶もまた多少利用できる。アルミニウム缶は通例アルミニウム金属のシングルピースでできている。エアゾール缶を製造するために使用されるブリキは、電着により付着されたスズでメッキされた低炭素軟鋼板である。エアゾール缶を製造するために使用されるブリキ板の厚さは、缶のサイズ、圧力下仕様およびそれが缶胴部用か末端部用かどうかに応じて変化する。缶胴部に関しては、厚さは0.18mm〜0.25mmであり、上部/下部に関しては、厚さは0.28mm〜0.43mmである。特記しない限り、鋼上のスズは両側において同じ厚さである。同様に、スズの量は2.0g/m2〜2.8g/m2の範囲で変化する。ブリキの内表面は、メッキされていないかまたは金属に優れた耐蝕性を与えるためにラッカーまたは他の材料が付着されている。ブリキは、鋼の強度および成形性と共にスズの耐蝕性および良好な外観を併せ持つ。スズは大変柔らかな金属であり、スズメッキは大変付着性がよいので、ブリキがエアゾール容器の種々の構成要素に成形されるとき、鋼製ベースの移動についていく。
【0039】
エアゾール容器は、充填ならびにそれに続く輸送、倉庫保管および消費者の手中での使用中に生じる内圧に耐えることができなければならない。エアゾール容器はまた、エアゾールの耐用期間中、製品を安全に含有できなければならない。エアゾールは加圧システムなので、法律が適用される。法律は空缶の製造ばかりでなく、それに続く充填にも適用される。エアゾール缶に充填できる製品の量に法律が適用され、安全上の理由から、常に缶内に’ヘッドスペース’として知られる、液体を含有しない少しの空間が存在する。エアゾールは加圧下にあるため、まったく同様な条件下で噴射剤が占める十分な空間がなければならない。圧縮ガス、例えば空気が使用される場合、ヘッドスペースの量はより大きいが、これはこれらの噴射剤は液化した噴射剤の圧力よりも高い圧力で作動するからである。
【0040】
本発明の第1の側面記載の組成物を分配するために任意の標準形式のエアゾール容器、例えば限定するものではないが、場合によりメッキおよび/または容器内張り、例えばエポキシ樹脂などの樹脂コーティングを含むアルミニウムまたはスズメッキ鋼容器を使用することができる。容器の用量はエアゾール容器に特有であり、好ましくは0.35液量オンス〜24液量オンス(10.3ml〜706ml)であり、より好ましくは0.35液量オンス〜1.02液量オンスである。
【0041】
本明細書(すべての添付の特許請求の範囲、要約書および図面を含む)で開示されたすべての特徴および/または同様に開示された任意の方法またはプロセスのすべてのステップは、少なくともこのような特徴および/またはステップの一部が相互に排他的である組み合わせを除いて、任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0042】
本明細書(すべての添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)で開示された各特徴は、特記しない限り、同じ、同等、または類似の目的の役に立つ代替的な特徴と取り替えることができる。したがって、特記しない限り、開示された各特徴は、同等または類似の特徴の包括的な組の1例に過ぎない。ここで、以下の実施形態によりさらに詳細に本発明を説明するが、本発明はそれらの詳細に限定されない。本発明は、本明細書(すべての添付の特許請求の範囲、要約書、および図面を含む)で開示された特徴の任意の新規な1つまたは任意の新規な組み合わせに及ぶか、または同様に開示された任意の方法またはプロセスのステップの任意の新規な1つまたは任意の新規な組み合わせに及ぶ。
【0043】
実施例
実施例1
全容量33mlの一般的な0.78液量オンスアルミニウムエアゾール容器に、上記の群から選択された芳香剤8.5重量%を加えた。次いでこの容器を一般的な連続弁でシールし、ブタン70噴射剤91.5重量%を装填した。
【0044】
実施例2
全容量33mlの一般的な0.78液量オンスアルミニウムエアゾール容器に、上記の群から選択された芳香剤5.2重量%を加えた。次いでこの容器を一般的な連続弁でシールし、HFC−152a噴射剤94.8重量%を装填した。
ついで、いずれの場合にも、得られた容器を、出願人の同時係属出願GB0427646.5、GB0503098.6、GB0503042.4、GB0503095.2、GB0521064.6、GB0521061.2、GB0521063.8およびGB0521071.1(参照により本願に組み込まれる)に記載されているような電磁操作定量噴霧エアゾールスプレー装置に組み込んだ。
”降下物”の欠如から明らかなように、得られた装置は容器の寿命を通して優れた性能を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一相エアゾール組成物の断続的定量噴霧の分配方法であって、
エアゾール組成物が噴射剤ならびに、芳香剤、香水、エアーフレッシュナー、消臭剤および消毒剤を含む群から選択される少なくとも1つの活性成分を含み;
エアゾール組成物の定量噴霧スプレー速度が0.1〜2g/sであり;
エアゾール組成物の各噴霧の平均粒径が1μm〜40μmである
前記方法。
【請求項2】
単一相エアゾール組成物が0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜15重量%、より好ましくは0.5〜10重量%、特に1〜10重量%の活性成分濃度を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
質量単位で表した、断続的噴霧あたりの噴霧量が2〜20mgである、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
体積単位で表した、断続的噴霧あたりの噴霧量が2〜25μlである、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
定量噴霧装置が直径0.1〜1.2mm、好ましくは0.2〜1.0mm、より好ましくは0.2〜0.8mm、特に0.25〜0.75mmの噴霧口を有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
定量噴霧装置が1時間当たり1〜10回噴霧、好ましくは1時間当たり2〜8回噴霧の送出頻度(すなわち各断続的定量噴霧間の時間間隔)を有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
定量噴霧装置が電磁操作弁、好ましくは小型電磁弁を含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
炭化水素、ハイドロフルオルカーボンおよびジメチルエーテルまたはそれらの混合物を含む群から選択される噴射剤85〜99.9重量%;
芳香剤、香水、消臭剤、エアーフレッシュナーおよび消毒剤を含む群から選択される活性成分0.1〜15重量%;
ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、クエン酸トリエチル、ミリスチン酸イソプロピルおよび安息香酸ベンジルを含む群から選択される補助溶媒1重量%未満;ならびに
上記以外の成分0〜10重量%
を定量噴霧装置中に含み、a、b、cおよびdを総計して100である、請求項1から7のいずれかに記載の方法による単一相エアゾール組成物の使用。
【請求項9】
噴射剤がブタン、好ましくはブタン46、70または30を含む、請求項8記載の組成物の使用。
【請求項10】
噴射剤がブタン90〜99.5重量%、より好ましくはブタン90〜99重量%、特にブタン90〜95重量%を含む、請求項8または9記載の組成物の使用。
【請求項11】
噴射剤がハイドロフルオロカーボンHFC152aもしくはHFC134またはそれらの混合物を含む、請求項8記載の組成物の使用。
【請求項12】
活性成分(b)0.5〜10重量%、好ましくは活性成分(b)1〜10重量%、特に活性成分(b)5〜10重量%を含む、請求項8から11のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項13】
活性成分(b)が芳香剤またはエアーフレッシュナーである、請求項12記載の組成物の使用。
【請求項14】
補助溶媒がジエチレングリコール、ジプロピレングリコールまたはミリスチン酸イソプロピルであり、好ましくはミリスチン酸イソプロピルである、請求項8から13のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項15】
ブタン70噴射剤90〜95重量%;
芳香剤(単数または複数)5〜10重量%;および
ミスチル酸イソプロピル1重量%未満;
を含み、総計して100である、請求項8から14のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項16】
HFC152a噴射剤94〜99重量%;
芳香剤(単数または複数)1〜6重量%;および
ミスチル酸イソプロピル1重量%未満;
を含み、総計して100である、請求項8から14のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項17】
活性成分と残りの非噴射剤成分(単数または複数)(存在する場合)とを混合して均一な混合物を形成するステップ;
得られた混合物をエアゾール容器に移すステップ;
容器を弁でシールするステップ;ならびに
容器および混合物を噴射剤(a)で加圧するステップ
を含む、請求項8から16のいずれかに記載の組成物を含むエアゾール容器の製造方法。
【請求項18】
実施例を参照して上記に実質的に記載された組成物を含むエアゾール容器。
【請求項19】
実施例を参照して上記に実質的に請求された、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
実施例を参照して上記に実質的に記載された、請求項8から17のいずれかに記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2009−524509(P2009−524509A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538407(P2008−538407)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004067
【国際公開番号】WO2007/052016
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(501164056)レキット ベンキサー (ユーケイ) リミテッド (30)
【Fターム(参考)】